JP6087670B2 - パルス生成回路 - Google Patents
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以下、この従来回路について、図7を参照しつつ説明する。
この従来のパルス生成回路は、三角波生成回路100Cと、PWM生成用比較回路200Cとに大別されて構成されたものとなっている。
三角波生成回路100Cは、2つの基準電圧源V1,V2と、基準電圧切換スイッチSW1と、第1のコンパレータCP1と、2つの定電流源I1,I2と、2つのトランジスタM1,M2とを主たる構成要素として構成されており、出力端子P1には、三角波タイミングコンデンサC1が接続されるものとなっている。なお、トランジスタM1には、PチャンネルMOS FETが、トランジスタM2には、NチャンネルMOS FETが、それぞれ用いられたものとなっている。
また、PWM生成用比較回路200Cは、第2のコンパレータCP2を有して構成されたものとなっている。
最初に、まず、三角波生成回路100Cの動作について概略的に説明することとする。
三角波生成回路100Cは、基準電圧切換スイッチSW1が、基準電圧源V1側に切り替えられている場合、トランジスタM1がオン状態となる一方、トランジスタM2はオフ状態となり、三角波タイミングコンデンサC1は、定電流源I1により充電される。
ここで、図8(A)は、出力端子P1における出力電圧の変化を、図8(B)は、PWMパルス出力端子P3におけるPWMパルス信号の変化を、それぞれ表した波形図である。
しかして、このような状態が繰り返される結果、出力端子P1には、三角波が発生する(図8(A)参照)。
PWM生成用比較回路200Cにおいては、上述のようにして発生した三角波が、第2のコンパレータCP2の反転入力端子に印加される一方、第2のコンパレータCP2の非反転入力端子に接続された電圧入力端子P2には、任意に設定された電圧が印加され、これらの2つの電圧の比較が行われる。
その結果、三角波と電圧入力端子P2の電圧の大小関係に応じたデューティー比を有するPWMパルス信号が、PWMパルス出力端子P3に出力されることとなる(図8(B)参照)。
このようなPWMパルス信号を生成するパルス生成回路としては、例えば、LEDドライバの負荷駆動信号源として用いた例が、特許文献1等に開示されている。
特に、三角波の上限値・下限値付近では、三角波タイミングコンデンサC1が充電から放電状態、又は、放電から充電状態へ切り換わるため、三角波タイミングコンデンサC1への充・放電電流が小さいか、又は、ゼロの状態(期間)が存在し、三角波の時間軸に対する電圧変動量(傾斜)が低下し、ノイズ(電圧・電流)の影響を受け易い。
また、上述のように三角波にノイズが重畳すると、見かけ上の三角波の振幅が変動するため、三角波の周波数がシフト、変動するという問題も生ずる。
三角波用コンデンサに対して充放電を行う2つの定電流源と、前記2つの定電流源の前記三角波用コンデンサに対する接続を切り換える三角波回路用半導体素子と、前記三角波用コンデンサの端子電圧と基準電圧との比較に応じて前記三角波回路用半導体素子の動作を制御する第1のコンパレータとを具備し、前記三角波用コンデンサに三角波を生成可能に構成されてなる三角波生成回路と、前記三角波用コンデンサの充放電の切り換わり付近において、前記三角波にオフセット電圧を付加せしめるよう構成されてなるオフセット回路と、
前記オフセット回路の出力と所望の電圧とを比較し、その比較結果に応じてPWM信号を生成するPWM生成用比較回路とを具備してなるものである。
上記構成において、前記オフセット回路は、オフセット用定電流源と、オフセット用半導体素子と、オフセット用抵抗器とを有し、前記第1のコンパレータの出力に応じて前記オフセット用半導体素子を介して前記オフセット用定電流源と前記オフセット用抵抗器との接続を制御し、前記オフセット用定電流源による前記オフセット用抵抗器への通電により発生したオフセット電圧を、前記三角波用コンデンサの端子電圧に加減算可能に構成されてなるものが好適である。
さらに、前記オフセット回路は、前記三角波用コンデンサの端子電圧と前記三角波の中点電圧とを比較するオフセット用コンパレータと、オフセット用コンデンサと、オフセット用スイッチ素子とを有し、前記オフセット用コンパレータと前記第1のコンパレータの出力に応じて前記オフセット用スイッチ素子を介して前記オフセット用コンデンサの充放電を切り換え、時間と共に振幅が変化するオフセット電圧を、前記三角波用コンデンサの端子電圧に加減算可能に構成されてなるものも好適である。
特に、三角波生成回路において、オフセット回路の出力電圧と基準電圧との比較を行う構成を採ることにより、三角波の上限電圧及び下限電圧近傍で時間軸に対する電圧変動がより増加し、三角波生成回路のコンパレータの出力状態の切り換わり時に、いわゆるヒステリシスを設けたと等価な動作となるため、三角波生成回路の比較動作が、周辺回路等からのノイズの影響を受け難くなり、信頼性の高い、確実な回路動作を確保することができ、三角波の振幅や周波数の耐ノイズ性の向上を図ることができる。
さらに、オフセット回路におけるオフセット電圧の発生に、コンデンサの充放電を用いる構成を採ることで、三角波の上限電圧及び下限電圧近傍における時間軸に対する電圧変化がより大きなオフセット付三角波を得ることができ、ノイズ耐性を更に向上することができ、しかも、電圧変化の時定数を調整することで、オフセット付三角波の先端形状を調整でき、周辺回路等のノイズ環境に応じて最適なノイズ耐性を得ることができるという効果を奏するものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、第1の実施例について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
第1の実施例におけるパルス生成回路は、三角波生成回路100と、PWM生成用比較回路200と、オフセット回路300とに大別されて構成されたものとなっており、従来と基本的に同様の構成を有する三角波生成回路100とPWM生成用比較回路200との間に、オフセット回路300が新たに設けられた構成となっている。
以下、具体的に、回路構成について説明すれば、まず、第1のコンパレータ4には、第1の基準電圧源15、又は、第2の基準電圧源16のいずれか一方が、基準電圧切換スイッチ40を介して択一的に接続されるようになっている。
すなわち、基準電圧切換スイッチ40は、切換端子40cと、第1端子40aと、第2端子40bとを有し、例えば、半導体素子を用いてなるいわゆる電子スイッチである。かかる基準電圧切換スイッチ40においては、第1のコンパレータ4の出力が論理値Lowに相当するレベルにある場合、切換端子40cが第1端子40aと接続状態とされる一方、第1のコンパレータ4の出力が論理値Highに相当するレベルにある場合、切換端子40cは第2端子40bと接続状態とされるようになっている。
一方、第1端子40aは、第1の定電圧源15の正極側に接続され、第1の定電圧源15の負極側はグランドに接続されたものとなっている。
また、第2端子40bは、第2の定電圧源16の正極側に接続され、第2の定電圧源16の負極側はグランドに接続されたものとなっている。
第1及び第2のトランジスタ1,2のゲートは、相互に接続されると共に、第1のコンパレータ4の出力端子に接続されたものとなっている。
また、第2のトランジスタ2のソースとグランドとの間には、第2の定電流源12が直列接続されて設けられている。
そして、三角波生成回路100の外部において、三角波出力端子51とグランドとの間には、三角波タイミングコンデンサ(図1においては「C1」と表記)21が直列接続されて設けられたものとなっている。
すなわち、第2のコンパレータ5の反転入力端子には、後述するオフセット回路300の出力電圧が印加される一方、非反転入力端子には、アナログ電圧入力端子(図1においては「P2」と表記)52を介して、所望するアナログ電圧が印加可能となっている。
そして、第2のコンパレータ5からは、PWMパルス出力端子(図1においては「P3」と表記)53を介して、後述するようにPWMパルス信号が出力可能となっている。
また、第3のトランジスタ3のソースは、第3の定電流源(オフセット用定電流源)13に接続されており、この第3の定電流源13は電源電圧が印加されるようになっている。
かかるオフセット回路300において発生されるオフセット電圧は、第3の定電流源13とオフセット用抵抗器25とにより後述するように設定されるものとなっている。
まず、三角波生成回路100の動作は、基本的に従来回路と同様であるので、概括的に説明し、以下、オフセット回路300の動作を中心に説明することとする。
三角波生成回路100は、基準電圧切換スイッチ40が、第1の端子40a側に切り替えられている場合、第1のトランジスタ1がオン状態となる一方、第2のトランジスタ2はオフ状態となり、三角波タイミングコンデンサ21は、第1の定電流源11により充電される。
しかして、このような状態が繰り返される結果、三角波出力端子51には、三角波が得られることとなる。
PWM生成用比較回路200においては、上述のようにオフセット回路300から出力されたオフセット付三角波と、アナログ電圧入力端子52に任意に設定されたアナログ入力電圧との比較が行われ、その比較結果に応じてPWMパルス信号がPWMパルス出力端子53から出力されるものとなっている。
三角波生成回路100から出力される三角波に対して、三角波タイミングコンデンサ21が充電状態から放電状態へ切り換わる際にオフセット電圧(I3×R1)が加算される一方、三角波タイミングコンデンサ21が放電状態から充電状態へ切り換わる際にはオフセット電圧(I3×R1)が減算されるようになっている。
ここで、I3は、便宜的に第3の定電流源13の出力電流、R1は、オフセット用抵抗器25の抵抗値とする。
なお、図1に示された第1の実施例の回路における構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第2の実施例におけるパルス生成回路も、三角波生成回路100と、PWM生成用比較回路200と、オフセット回路300とに大別されて構成されたものである点は、第1の実施例におけるパルス生成回路と基本的に同様であるが、詳細を次述するよう、三角波生成回路100の第1のコンパレータ4の非反転入力端子における比較電圧の設定が第1の実施例と異なるものである。
三角波生成回路100の第1のコンパレータ4においては、オフセット付三角波の振幅電圧が、三角波の上限基準電圧V1、又は、下限基準電圧V2となった際に、それぞれ出力信号の切り換えが生ずるため、結果的に、三角波出力端子51の振幅は、上限値がV1、下限値が(V2−I3×R1)となる(図4(A)、及び、図4(B)参照)。
また、上述のように、オフセット付三角波の上限電圧(V1+I3×R1)及び下限電圧(V2−I3×R1)付近での時間軸に対する電圧変動量が増加するため、第1の実施例同様、第2のコンパレータ5における比較動作のノイズに対する確実性、安定性が従来に比してより顕著なものとなる。
なお、図1に示された第1の実施例の回路における構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第3の実施例におけるパルス生成回路は、三角波生成回路100Aと、PWM生成用比較回路200と、オフセット回路300Aとに大別されて構成されてなるもので、特に、三角波生成回路100Aとオフセット回路300Aのそれぞれの回路構成が、第1の実施例とは異なるものとなっている(詳細は後述)。
最初に、三角波生成回路100Aは、2つの基準電圧V1,V2を、抵抗器ににおける電圧降下によって得るよう構成された点が、先の図1に示された三角波生成回路100と異なるもので、他の回路構成は、基本的に三角波生成回路100と同一である。
具体的には、まず、図示されない電源とグランドとの間に、電源側から第1乃至第4の基準電圧発生用分圧抵抗器31〜34が直列接続されて設けられている。
また、基準電圧切換スイッチ40の第2端子40bが、第3の基準電圧発生用分圧抵抗器33と第4の基準電圧発生用分圧抵抗器34の相互の接続点に接続されている。
また、第2の基準電圧発生用分圧抵抗器32と第3の基準電圧発生用分圧抵抗器33の相互の接続点は、後述するオフセット回路300Aに接続されている。
なお、先に述べたように第1のコンパレータ4の出力端子より後段部分は、図1に示された回路構成と同一であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
このオフセット回路300Aは、第3のコンパレータ(図5においては「CP3」と表記)6と、排他的論理和回路(図5においては「EX1」と表記)8と、第1及び第2のオフセット発生抵抗器(図5においては、それぞれ「RO1」、「RO2」と表記)26,27と、オフセット用コンデンサ(図5においては「C2」と表記)22と、容量充放電切換スイッチ(図5においては「SW2」と表記)41とを有して構成されたものとなっている。
まず、第3のコンパレータ(オフセット用コンパレータ)6の反転入力端子には、先の三角波生成回路100Aの第2の基準電圧発生用分圧抵抗器32と第3の基準電圧発生用分圧抵抗器33の相互の接続点が接続されており、上限基準電圧V1と下限基準電圧V2の和の1/2の電圧(V1+V2)/2が印加されるようになっている。
一方、第3のコンパレータ6の出力端子は、排他的論理和回路8の一方の入力端子に接続され、この排他的論理和回路8の他方の入力端子は、三角波生成回路100Aの第1のコンパレータ4の出力端子に接続されたものとなっている。
すなわち、容量充放電切換スイッチ41は、基準電圧切換スイッチ40同様、半導体素子等により構成されてなる良く知られたいわゆる電子スイッチである。かかる容量充放電切換スイッチ41は、切換端子41cと、第1端子41aと、第2端子41bを有し、外部からの制御により切換端子41cが、第1端子41aと第2端子41bのいずれか一方と択一的に接続されるようになっている。
この容量充放電切換スイッチ41の切換端子41cとグランドとの間には、オフセット用コンデンサ22が接続される一方、第1端子41aは、三角波生成回路100Aの第1及び第2のトランジスタ1,2の相互の接続点と共に、第1のオフセット付三角波出力端子55に接続されている。
そして、第1のオフセット付三角波出力端子55と三角波出力端子51との間には、第1のオフセット発生抵抗器26が直列接続されて設けられている。
まず、三角波生成回路100Aにおいては、第1乃至第4の基準電圧発生用分圧抵抗器31〜34によって、三角波の振幅(V1,V2)、及び、オフセット回路300Aの動作タイミングを定めるための基準電圧(V1+V2)/2を生成している点を除けば、基本的な回路動作は、図1に示された第1の実施例における三角波生成回路100と同様である。
なお、ここで、I1は便宜的に第1の定電流源11の出力電流を、I2は便宜的に第2の定電流源12の出力電流を、RO1は便宜的に第1のオフセット発生抵抗器26の抵抗値を、それぞれ表すこととする。
また、第3のコンパレータ6と第1のコンパレータ4の出力は、排他的論理和回路8に入力されることで、三角波の一周期中の中間時点から三角波タイミングコンデンサ21が、充電又は放電に切り換わるタイミングまでの間は、排他的論理和回路8の出力は論理値Highに相当するレベルとなり、容量充放電切換スイッチ41の切換端子41cが第1端子41aに接続せしめられるため、オフセットコンデンサ22は充電状態となる。
ここで、三角波タイミングコンデンサ21の容量値C1がオフセット用コンデンサ22の容量値C2に比して非常に大(C1》C2)であれば、三角波タイミングコンデンサ21とオフセット用コンデンサ22の両者は、それぞれの充放電動作に互いに影響を及ぼし合うことはない。
また、この第3の実施例の場合、電圧変化量の時定数を定めるオフセット用コンデンサ22の放電カーブを、オフセット用コンデンサ22の容量値や第2のオフセット発生抵抗器27の抵抗値を適宜選択することで任意のカーブに容易に調整できる。すなわち、換言すれば、オフセット用コンデンサ22の容量値や第2のオフセット発生抵抗器27の抵抗値を適宜選択することで、オフセット電圧を、三角波タイミングコンデンサ21が充電状態から放電状態、又は、放電状態から充電状態に切り換わった時点から所望する時点までに設定可能可能となっている。これにより、この第3の実施例においては、周辺回路によるノイズ環境に応じて回路動作を最適な設定とできるものとなっている。
200…PWM生成用比較回路
300…オフセット回路
4…第1のコンパレータ
5…第2のコンパレータ
6…第3のコンパレータ
21…三角波タイミングコンデンサ
22…オフセット用コンデンサ
40…基準電圧切換スイッチ
41…容量充放電切換スイッチ
Claims (3)
- 三角波用コンデンサに対して充放電を行う2つの定電流源と、前記2つの定電流源の前記三角波用コンデンサに対する接続を切り換える三角波回路用半導体素子と、前記三角波用コンデンサの端子電圧と基準電圧との比較に応じて前記三角波回路用半導体素子の動作を制御する第1のコンパレータとを具備し、前記三角波用コンデンサに三角波を生成可能に構成されてなる三角波生成回路と、前記三角波用コンデンサの充放電の切り換わり付近において、前記三角波にオフセット電圧を付加せしめるよう構成されてなるオフセット回路と、
前記オフセット回路の出力と所望の電圧とを比較し、その比較結果に応じてPWM信号を生成するPWM生成用比較回路とを具備してなることを特徴とするパルス生成回路。 - 前記オフセット回路は、オフセット用定電流源と、オフセット用半導体素子と、オフセット用抵抗器とを有し、前記第1のコンパレータの出力に応じて前記オフセット用半導体素子を介して前記オフセット用定電流源と前記オフセット用抵抗器との接続を制御し、前記オフセット用定電流源による前記オフセット用抵抗器への通電により発生したオフセット電圧を、前記三角波用コンデンサの端子電圧に加減算可能に構成されてなることを特徴とする請求項1記載のパルス生成回路。
- 前記オフセット回路は、前記三角波用コンデンサの端子電圧と前記三角波の中点電圧とを比較するオフセット用コンパレータと、オフセット用コンデンサと、オフセット用スイッチ素子とを有し、前記オフセット用コンパレータと前記第1のコンパレータの出力に応じて前記オフセット用スイッチ素子を介して前記オフセット用コンデンサの充放電を切り換え、時間と共に振幅が変化するオフセット電圧を、前記三角波用コンデンサの端子電圧に加減算可能に構成されてなることを特徴とする請求項1記載のパルス生成回路。
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