以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67と、その周囲にジョグダイヤル68とを備えている。遊技者が所定期間中に演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。なお、演出ボタン67とジョグダイヤル68を総称して演出ユニット67、68ともいう。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34は、入球率が変化しない普通入賞口である。
図3は、パチンコ機50の裏面を示し、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球が入球すれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、電源基板85の側面にはRAMクリアスイッチが設けられている。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置が描かれていないが、発射制御装置は払出制御装置81の下(裏側)に設けられている。また、球タンク71の右側には、複数の出力用コネクタ(本発明の外部出力端子に該当)を備えた外部接続端子78(本発明の外部端子接続板に該当)が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
図4は、パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、に加え、不正行為の検出を目的とした振動センサ91、電波センサ92、磁力センサ93と、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36等からの検出信号が入力される。
また、本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号も主制御装置80に入力され、主制御装置80で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78から出力されてホールコンピュータに送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。なお、払出制御装置81は、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81と双方向通信を行う主制御装置80に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報をホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67の操作を検出する演出ボタンセンサ67c、ジョグダイヤル68の回転操作を検出するジョグダイヤルセンサ68a、68bが接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び演出ボタン67a、演出ボタン67b、ジョグダイヤル68の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に図5、6に示すフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する電源投入処理を説明する。この電源投入処理は、電源の投入からメインルーチンに至るまでの処理となり、本発明における電源投入処理に該当し、遊技再開手段、初期化実行手段、及び初期化信号出力手段を含む処理となる。
電源投入処理では、電源スイッチが操作されてパチンコ機が通電状態となると、S5〜S20の電源投入に伴う初期処理が行われる。すなわち、スタックポイントを8000Hに設定し(S5)、割り込みモードを設定し(S10)、内蔵RAMのアクセスを許可し(S15)、電源断のフラグをクリア(S20)する。これらの処理は、電源断発生時の処理(図7を用いて後述)、詳しくは、電源断フラグの設定、RAM判定値の算出保存、電源断時の発生情報を保存、内蔵RAMのアクセス禁止に対応した電源投入時の処理となる。
S20に続いては、RAMクリアスイッチがオンであるか否かを判定する(S25)。このRAMクリアスイッチがオンであるか否かの判定は、本発明における初期化実行手段を実行するか否かの判定となる。S20が否定判定なら(S25:no)、S30からS60によりパチンコ機を電源断時の状態(電源遮断直前の遊技状態)に復旧する。
詳しくは、電源断時の発生情報が正常か否か判定し(S30)、肯定判定なら(S30:yes)、RAMの判定値を算出し(S35)、算出した判定値が正常か否かを判定する(S40)。ここでRAMの判定値とは、電源断時にRAMに保存された値で、S40では、S35で算出された値と、RAMに保存された値が一致するか否かを判定する。肯定判定、すなわち判定値が保存された値と一致していれば(S40:yes)、電源断時の発生情報をクリアし(S45)、サブ統合制御装置の電源復帰時が電源断時の遊技状態とする指示コマンドを送信し(S50)、CPU周辺デバイスの初期設定を行い(S55)、割り込み許可設定(S60)を行い、メインルーチンに移行する。なお、S30からS60の処理が本発明の遊技再開手段に該当する。
S25が肯定判定なら、即ちRAMクリアスイッチからの信号がオンなら(S25:yes)、RAMクリアスイッチからの信号がオフか否かを該信号がオフになるまで繰り返し判定する(S65)。なお、このRAMクリアスイッチがオフか否かの判定は、RAMクリアスイッチの操作が終了したか否かの判定となり、該操作の操作時間はms単位では異なるものになる。従って、このS65により、RAMクリアを伴った電源投入において、該電源投入時から大当り決定用乱数の初期値が設定されるまでの期間を不定期にし、大当りとなる乱数の特定(直撃)を防止している。
S65が肯定判定、S30が否定判定、若しくはS40が否定判定なら(S65:yes、S30:no、S40:no)、図6のフローチャートに進み、初期状態に戻すための処理を行う。具体的には、RAMの全てを0クリアし(S70)、後述する各乱数の初期値設定を行い(S75)、RAMの初期設定を行い(S80)、サブ統合制御装置83にRAMクリアコマンドを送信する(S85)。サブ統合制御装置83は、このRAMクリアコマンドの受信に応じて、ランプ・LED、スピーカ、及び演出表示装置を制御してRAMクリアが行われたことを示す報知を実施する。なお、S70からS80は本発明の初期化実行手段に該当する。
S85に続いては、外部端子板(本発明の外部出力端子板に該当)のCN10にあたる主に不正情報を出力するセキュリティ外部端子(本発明の外部出力端子に該当)から、RAMクリアの実施を示す外部出力信号として60秒間の信号出力を開始する(S90)。このS90の処理が、本発明の初期化信号出力手段に該当し、信号出力時間となる60.000秒が、予め設定された一定時間に該当する。
S90に続いては、tが、Xとして設定された60.000秒よりも長い値を超えるまで、S95のインクリメント処理とS100の判定処理を繰り返し、S95からS100を経由してS95に戻るまでの時間に基づいて、60.000秒以上になるようにXの値を設定している。このS95とS100は、S90によるRAMクリアを示す信号の外部端子からの出力開始から出力終了までの時間以上の時間が経過したか否かを判定する処理となり、この処理が終了後(S100:yes)、CPU周辺デバイスの初期化設定を行い(S105)、割込み許可設定(S110)を経てメインルーチンに移行する。
以上が電源投入処理の説明となる。この構成により、S90の処理によってCN10の外部端子からRAMクリアの実施を示す信号が予め設定された一定時間出力を開始するが、S95とS100とで該出力が終了するまで(予め設定された一定時間60秒よりも長い時間tが経過するまで)メインルーチンの開始が遅延されるため、メインルーチンが開始される時点では、S90によって開始したCN10からの信号出力は必ず終了している。なお、60.000秒よりも長い時間が、本発明における所定時間に該当する。
次に、パチンコ機の電源が遮断されたときに主制御装置80が実行する電源断発生処理を図7を用いて説明する。この電源断発生処理は、本発明のバックアップ手段に該当する。電源断発生処理では、まず電源断フラグを設定し(S120)、RAM判定値を算出して保存し(S125)、電源断時の発生情報を保存し(S130)、内蔵RAMのアクセスを禁止し(S135)、電源ダウンに備える。
次に、上述した電源投入処理に続いて主制御装置80が実行するメインルーチンを図8を用いて説明する。なお、図5、6の電源投入処理説明時では、メインルーチンを電源投入時の処理に引き続き実行する処理であるかのように示したが、実際には、メインルーチンは、S60またはS110までの処理を実行した後、約2ms毎のハード割り込みにより繰り返し実行される処理となる。
本実施形態では、当該メインルーチンが1回実行されるごとにS150〜S205までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS215の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S150)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。
正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えてよいのでたいていが電源投入時である。電源投入時には、RAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S150:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄および普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)がなされ(S210)、残余処理(S215)に移行する。
S150が肯定判定なら(S150:yes)、初期値乱数更新処理を行う(S155)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「349」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「349」の350個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S155に続く大当り決定用乱数更新処理(S160)は、初期値乱数更新処理と同様のインクリメント処理であり、350個の整数を繰り返し昇順に作成する。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S165)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され、最大値を越えると初めの値である「0」に戻る。
当り決定用乱数更新処理(S170)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を越えると初めの値である「0」に戻る。なお、この当り決定用乱数更新処理は、普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S175)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を越えると初めの値である「0」に戻る。
変動パターン決定用乱数更新処理(S180)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を越えると初めの値である「0」に戻る。
続く入力確認処理(S185)では、主制御装置と電気的に接続された外枠と内枠との開閉状態を検知する遊技機枠開放検出スイッチと、内枠とガラス枠の開閉状態を検知するガラス枠開放検出スイッチと、払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21とからの入力処理、振動センサ、電波センサ、磁力センサ、の所謂不正検知センサからの入力処理が実行され、各不正検知センサからの入力状態に応じて不正行為の実行を判定するサブルーチンを実施する。この場合、不正検出スイッチから外力を検知したことを示す信号を受信した場合でも、所定条件を満たしていない場合は不正行為とは判断しない。これは例えば、磁力センサ及び振動センサからHi信号を受信しても、受信期間が所定時間に満たない場合は不正行為とは判断されない。
入賞確認処理(S190)では、第1始動口、第2始動口、大入賞口、一般入賞口の入賞、及び普通図柄ゲートへの入球の確認として主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理を実行し、続いて、大当り決定用乱数を抽出した場合は、抽出した乱数の値が大当りを生起させる特定の値か否かを判定する当否判定処理(S195)を行う。この当否判定処理は、本発明における大当り抽選手段に該当する。
続く不正監視処理(S200)は、一般入賞口に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における一般入賞口への遊技球の入球数が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断する。
各出力処理(S205)では、遊技の進行、不正検出スイッチの信号検出状況に応じた不正行為判定、枠(内枠、ガラス枠)開放検出スイッチの検出状態に応じて、主制御装置80からサブ統合制御装置83、払出制御装置81、発射制御装置84、大入賞口ソレノイド14b、外部接続端子板を介してホールコンピュータ87等に対して各々出力処理を実行する。なお、外部接続端子板78を介してのホールコンピュータ87への信号出力は、RAMクリアの実施を示す信号の出力以外は、全てこの各出力処理(S205)で行われる。
従って、不正行為の検出を含む遊技状態の変化を示す外部端子からの信号出力は、少なくとも(電源投入処理が終了し)メインルーチンが開始されてから行われる構成となる。なお、従来の遊技機は、外部端子からの出力される全ての信号は、メインルーチンが開始されてから出力される構成が技術常識であった。例えば、前枠52(ガラス枠)が開放された状態又は遊技領域3に磁石を接近させた状態で電源を立ち上げても、前枠52開放の検知や磁力の検知及びこれらの検知に基づく外部端子からの出力はメイン処理を開始してから行われる。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S215)から構成されるが、前述したS155と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。
次に、サブ統合制御装置83が実行するRAMクリアコマンド受信処理を図9に示したフローチャートを用いて説明する。このRAMクリアコマンド受信処理は、電源投入直後の主制御装置80からのS85の処理によるRAMクリアコマンド受信に応じて、パチンコ機が備える枠側装飾ランプ65、演出図柄表示装置6、スーピーカ66を制御して電源投入時にRAMがクリアされたことを所定時間(60.000秒間)報知する処理となる。従って、電源投入時にRAMクリアボタンが操作され、RAMが初期化されたことに応じて実施される処理となる。なお、RAMクリアの実施を示す外部端子からの信号出力時間と、RAMクリアの実施を示す遊技機50自体の報知時間はどちらも60.000秒間の同一時間となっている。
RAMクリアコマンド受信処理を開始すると、RAMクリアコマンドを受信したか否か判定する(S250)。否定判定なら(S250:no)リターンし、肯定判定なら(S250:yes)、RAMクリア報知を開始する(S255)。具体的には、パチンコ機の前枠52に配置された枠側装飾ランプ65を1秒周期で点滅させる動作を繰り返し、該周期に合わせて、スピーカ66から警報音の高音と低音を交互に出力する。さらに演出図柄表示装置6には「RAMがクリアされました」の文字列を表示する。
S255に続いては、報知する時間を管理する報知タイマをセットし始動する(S260)、本実施例では報知時間は60秒となっているがこの時間設定に限るわけではなく。他の時間を設定してもよい。続いて、セットしたタイマが60秒経過したか否か判定し(S265)、否定判定なら(S265:no)この判定を繰り返す。肯定判定なら(S265:yes)、S255で開始した報知を終了する処理を行い(S270)リターンする。
次に、サブ統合制御装置83が実行する電源復帰コマンド受信処理を図10に示したフローチャートを用いて説明する。この電源復帰コマンド受信処理は、電源投入直後の主制御装置80からのS50による電源復帰コマンドの受信に応じて、パチンコ機が備える枠側装飾ランプ65、演出図柄表示装置6、スーピーカ66を制御して電源断時の遊技状態を保持した状態で電源が投入されたことを所定時間(60秒間)報知する処理となる。
電源復帰コマンド受信処理を開始すると、電源復帰コマンドを受信したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、電源復帰報知を開始する(S305)。具体的には、パチンコ機50の前枠52に配置された枠側装飾ランプ65を2秒周期で点滅させる動作を繰り返し、該周期に合わせて、スピーカ66からRAMクリア報知とは異なる警報音の高音と低音を交互に出力する。さらに演出図柄表示装置6には「電源が復帰しました」の文字列を表示する。
S305に続いては、報知する時間を管理する報知タイマをセットし始動する(S310)、本実施例では報知時間は60秒となっているがこの時間設定に限るわけではなく。他の時間を設定してもよい。続いて、セットしたタイマが60秒経過したか否か判定し(S315)、否定判定なら(S315:no)この判定を繰り返す。肯定判定なら(S315:yes)、S305で開始した報知を終了する処理を行い(S320)リターンする。
次に、外部接続端子板78に配置された外部端子の種類と出力内容を、図11に示した図を用いて説明する。図示したように、外部接続端子板78には2Pのコネクタからなる外部端子がCN1からCN10として10個配置されている。
CN1(賞球)は、遊技機が払い出した賞球数をホールコンピュータ87へ出力するために使用する。出力される信号の具体的な内容は、払出球検出センサが10個の遊技球の通過を検出する毎に0.128秒間オンする。但し、払出球検出センサーが10個の獲得遊技球数の通過を連続して検出した場合は、0.128秒間オン後に0.128秒間オフし、その後0.128秒間オンする。
CN2(扉・枠開放)は、遊技機の内枠70または前枠52(ガラス枠)が開放状態であることをホールコンピュータ87へ出力するために使用し、内枠開放スイッチ36またはガラス枠開放スイッチ35がオン状態の間出力する。即ち、内枠70または前枠52(ガラス枠)が開放状態の期間連続して出力する。
CN3(図柄確定回数)は、特別図柄1又は特別図柄2の変動回数をホールコンピュータ87へ出力するために使用し、特別図柄1又は特別図柄2の変動停止から0.600秒間オンする。
CN4(始動口1)は、始動口1に遊技球が入賞したことをホールコンピュータ87へ出力するために使用し、始動口スイッチ1が遊技球の通過を検出する毎に0.100秒間オンする。但し、始動口スイッチ1が遊技球の通過を連続して検出した場合は、0.100秒間オン後に0.100秒間オフし、その後0.100秒間オンする。
CN5(始動口2)は、始動口2に遊技球が入賞したことをホールコンピュータ87へ出力するために使用し、始動口スイッチ2が遊技球の通過を検出する毎に0.100秒間オンする。但し、始動口スイッチ2が遊技球の通過を連続して検出した場合は、0.100秒間オン後に0.100秒間オフし、その後0.100秒間オンする。
CN6(大当り1)は、役物連続作動装置の作動中にオン状態となり、詳しくは、特図1が特定時短有図柄1〜6で大当りとなった場合、通常時短有図柄1〜4で大当りとなった場合、特図2が特定時短有図柄3〜6で大当りとなった場合、通常時短有図柄1〜4で大当りとなった場合、及び変動時間短縮機能未作動時に特図1が特定時短有図柄8で大当りとなった場合、役物連続作動装置の作動中にオンする。但し、特図1が特定時短有図柄5、6、8、通常時短有図柄1〜4、特図2が特定時短有図柄5、6、通常時短有図柄1〜4で大当りとなった場合は、役物連続作動装置が作動すると当該作動開始時点から14.200秒後にオンする。
CN7(大当り2)は、役物連続作動装置の作動中及び変動時間短縮機能作動中にオン状態となり、詳しくは、特図1が特定時短有図柄1〜6、8、通常時短有図柄1〜4、特図2が特定時短有図柄3〜6、通常時短有図柄1〜4で大当りになった場合、及び変動時間短縮機能作動時に、特図1が特定時短有図柄7で大当りになった場合に役物連続作動装置の作動中及び終了後の変動時間短縮機能作動中にオン状態となる。但し、変動時間短縮機能未作動時に特図1が特定時短有図柄5、6、8、通常時短有図柄1〜4で大当りした場合、特図2が特定時短有図柄5、6、通常時短有図柄1〜4で大当りした場合に、役物連続作動装置が作動すると、当該作動開始時点から14.200秒後にオンする。
CN8(大当り3)は、変動時間短縮機能未作動時の特図1が特定時短有図柄7で大当りした場合、変動時間短縮機能未作動時に特別電動役物が作動した場合(役物連続作動装置未作動時)、当該作動中にオンする。但し、役物連続作動装置が作動した時は、当該作動開始時点から14.200秒後オンする。また、特別電動役物が作動した時(役物連続作動装置未作動時)は、当該作動停止時点から2.900秒間オンする。
CN9(大当り4)は、特図1が特定時短有図柄1〜6、通常時短有図柄1〜4、特図2が特定時短有図柄3〜6、通常時短有図柄1〜4で大当りし、役物連続作動装置が作動した場合、変動時間短縮機能未作動時に特別電動役物が作動した場合(役物連続作動装置未作動時)、当該作動中にオンする。但し、特図1が特定時短有図柄5〜8、通常時短有図柄1〜4、特図2が特定時短有図柄5、6、通常時短有図柄1〜4で大当りし、役物連続作動装置が作動した場合は、当該作動開始時点から14.200秒後にオンする。また、変動時間短縮機能未作動時に特別電動役物が作動した時(役物連続作動装置未作動時)は、当該作動停止時点から2.900秒間オンする。
CN10(セキュリティ)は、電源投入時にRAMクリアが行われた場合、大入賞口に不正入賞した場合、遊技機(主制御装置)が電波、磁力、振動を感知し不正と判断した場合に出力する。CN10(セキュリティ)の具体的な出力内容を図12、13のタイミングチャートを用いて説明する。
図12のタイミングチャートは、RAMクリアが行われていない場合のCN10の出力内容を示したタイミングチャートであり、これは従来機におけるエラー発生時の外部出力内容と同じとなる。詳しくは、大入賞口が未作動時に、大入賞口へ入球した遊技球を検出するカウントスイッチ14aが遊技球を検出した場合、電波センサ92が電波を検出し主制御装置80が電波不正と判断した場合、磁気センサ93が磁力を検出し主制御装置80が磁力不正と判断した場合、振動センサ91が振動を検出し主制御装置80が振動不正と判断した場合に、セキュリティ外部出力CN10から60.000秒間信号を出力する。
但し、例えば、電波センサの電波検出に応じてCN10から信号を出力している最中に磁気センサが磁力を検出したことによって不正と判断した場合、磁力不正と判断した時点からさらに60.000秒の信号出力を開始する構成となっている。
上記したように、CN10から不正を示す信号の出力中に新たに不正を判断した場合は、その時点から新たに不正を示す信号の出力を開始するため、異なる内容の不正が行われたとしても同一内容の信号(不正行為検出から60.000秒オン)が延長して(重なって)出力される。従って、信号を受信するホールコンピュータではどのような不正が発生したかまでは判断できない。
但し、遊技機が設置されたホール内の運用として、不正が発生していることがわかれば、ホールスタッフが該当する遊技機に駆けつけ詳しく調べるので、実際には不正の発生さえ管理できればよい(不正の種類については遊技機自体の報知で確認可能)。
図13のタイミングチャートは、CN10からRAMクリアが行われたことを示す信号を出力した場合のタイミングチャートであり、例として、電源投入処理からメイン処理(メインルーチン)に移行した直後に、電波による不正が発生した状態を示している。
電源投入時にRAMクリアが実施されると、電源投入処理のS90によってCN10からRANクリアの実施を示す信号(tA)が60.000秒出力される。この出力期間は、CN10から出力される不正の発生を示す信号の出力期間と同一であり(tA=tB=60.000秒)、ホールコンピュータは信号内容によってRAMクリア信号と判断することはできないが、電源が投入された直後に出力された信号であるため、電源投入時からの出力時期に基づいてRAMクリアを示す信号であると判断する。なお、ホールコンピュータは、接続された各遊技機が電源の投入された状態か否かを判断可能な構成となっており、電源を投入した状態においては、受信信号がオフを示す場合であっても信号の受信レベルが0ではないことによって電源が投入されていることを判断する。
電源投入処理時にCN10からRAMクリアの実施を示す信号を出力すると、電源投入処理のS95及びS100によって該出力が終了してから電源投入処理が終了するように電源投入処理の期間が延長される。従って、RAMクリアの実施を示す信号(tA)の出力が終了してから電源投入処理が終了し、該終了に続いてメインルーチンが実行される。
電源投入処理を終了してメインルーチンに移行し、S185によって不正検知センサの検出が有効になった直後に、何れかの不正検出センサが外力を検知し主制御装置が該検知に基づいて不正行為と判断した場合(図13では電波センサの検知に基づいて不正信号をCN10から出力)、CN10から不正の発生を示す信号(tB)を出力する。
この場合、メインルーチンの実行開始時には、既にRAMクリアの実施に基づくCN10からの信号出力(tA)は終了しているため、メインルーチンへの移行後にCN10から出力される不正行為の発生を示す信号(tB)とは出力時期が重なることは無く、メインルーチン移行後にCN10から信号が出力された場合に、その立ち下り(オフ)から立ち上がり(オン)への変化を検出可能とする時間が必ず確保される。これにより、ホールコンピュータは、電源投入時にRAMクリアの実施を示す信号が出力された場合であっても、不正行為の発生を示す信号(tB)の立ち上がりが必ず検出可能となる。
また。CN10から出力される信号の出力時間は、何れの不正発生を示す信号であっても、あるいはRAMクリアの実施を示す信号であっても、一律の時間となっている。これにより、制御を簡素化することが可能となる。
次に、変形例として、RAMクリアの実施に基づく機外への信号出力を、CN2(扉・枠開放)から行った場合について、図14、15に示したタイミングチャートを用いて説明する。
図14のタイミングチャートは、RAMクリアが行われていない場合のCN2の出力内容を示したタイミングチャートであり、これは従来機における扉・枠開放時の外部出力内容と同じとなる。詳しくは、内枠開放スイッチ36またはガラス枠開放スイッチ35がオン状態の間、即ち内枠70と前枠52(ガラス枠)とが開放されている間信号を出力する。
図14のタイミングチャートでは、メインルーチン(メイン処理)の開始と同時に内枠70の開放(内枠開放スイッチ36のオン検出)に基づいて扉・枠開放を示す信号がCN2からの出力を開始している。これは、内枠70の開放を検知する内枠開放スイッチ36と前枠52の開放を検知するガラス枠開放スイッチ35との入力確認処理(S185)が、電源投入処理の終了後から開始するメインルーチンにおいて実行されるからであり、実際の内枠は遊技機の電源がオフの状態から既に開放状態にあった可能性が高い。
メインルーチンが開始されてからは、内枠70と前枠52の開放状態に応じてCN2から扉・枠開放信号を出力するが、内枠70の開放に応じて信号を出力している最中に前枠52が開放されても、出力している信号に変化は無く、内枠70が閉鎖されても前枠52が開放されている状態ならば、前枠52が閉鎖されるまで扉・枠開放信号の出力を継続する。
CN2からの信号を受信するホールコンピュータ87は、上述したCN10から出力される信号と同様に、受信した信号からはどちらの枠が開放状態にあるかは判断できない。但し、この場合も必ずスタッフが実際の遊技機を確認する運用が行なわれているため、何れの枠かに拘わらず枠の開閉状態が遊技機毎に管理されていればよい。
図15のタイミングチャートは、CN2からRAMクリアが行われたことを示す信号を出力した場合のタイミングチャートであり、例として、内枠70と前枠52とが開放された状態でRAMクリアを伴う電源投入を行った状態を示している。
電源投入時にRAMクリアが実施されると、電源投入処理のS90によってCN2からのRANクリアの実施を示す信号(tA)が60.000秒出力される。この場合も、電源投入時から出力される信号であるため、該信号を受信したホールコンピュータ87は電源投入時からの出力時期に基づいてRAMクリアを示す信号であると判断する。
この変形例においても、電源投入処理時にCN2からRAMクリアの実施を示す信号を出力すると、電源投入処理のS95及びS100によって該出力が終了してから電源投入処理が終了するように電源投入処理の期間が延長される。従って、RAMクリアの実施を示す信号(tA)の出力が終了してから電源投入処理が終了し、該終了に続いてメインルーチンが実行される。
電源投入処理を終了してメインルーチンに移行し、S185によって内枠開放スイッチ36とガラス枠開放スイッチ35の検出が有効になると、各スイッチからの信号がオンであることに基づいてCN2から扉・枠開放信号を出力する。
この場合も、メインルーチンの実行開始時には、既にRAMクリアの実施に基づくCN2からの信号出力(tA)は終了しているため、メインルーチンへの移行後にCN2から出力される扉・枠開放信号の出力とは出力時期が重なることは無い。従って、メインルーチン移行後(メインルーチン移行時)にCN2から信号が出力された場合、立ち下り(オフ)から立ち上がり(オン)への変化を検出可能とする時間が必ず確保される。これにより、ホールコンピュータ87は、電源投入時にRAMクリアの実施を示す信号が出力された場合であっても、扉・枠開放信号の立ち上がりが必ず検出可能となる。
次に、電源投入処理の変形例を図16、17を用いて説明する。具体的な変形部は、図6のフローチャートを用いて説明した電源投入処理を延長(メインルーチン開始を遅延)する処理部(S95、S100の処理にあたる)となる。図6のS95、S100では+1のインクリメント処理を繰り返しながら、インクリメントした値(t)が信号出力時間の60.000秒よりも大きい値(X)か否かを判定することにより、RAMクリアの実施を示す信号の出力が終了するまで電源投入処理を延長したが、図16に示す処理のS375、S380では、予め定められた60.000秒間のRAMクリア実施を示す信号の出力を開始した後、タイマの計測を開始し(S375)、タイマの計測値が予め定められた60.000秒よりも長い所定時間を経過するまで電源投入処理を延長する構成となっている。
また、図17に示すS420(図6のS90に該当)では、RAMクリア実施を示す予め定められた60.000秒の外部出力信号の出力を開始し、S425が該出力が終了したか否かを繰り返し判定することによって電源投入処理を延長する構成となっている。なお、この場合のS425の判定は、RAMクリア信号の出力が終了して所定時間が経過したか、とすることによってメインルーチンまでのタイムラグを確実に確保することができる。
以上が実施例の説明となる。電源投入時にRAMクリアボタンの操作が行われた場合は、RAMの全ての記憶を消去して初期化を実施した後、RAMクリアの実施を示す信号を不正信号と共用するCN10から60.000秒出力するとともに、該出力が終了するまで電源投入処理を延長する処理を実施するが、該延長によって電源投入処理の終了時には既にRAMクリアの実施を示す信号出力が終了している構成としている。これにより、同一の外部端子からメインルーチンの開始と同時に信号が出力された場合でも、外部出力信号がオンからオフへ、オフからオンへ変化する時間が確保でき、ホールコンピュータはそれぞれの信号を区別して受信することが可能となっている。
実施例では、セキュリティ外部出力、扉・枠開放出力と共用した形態を説明したが、それ以外の外部出力と共用しても、上記構成(RAMクリアの実施を示す信号の出力が終了してから電源投入処理を終了しメインルーチンに移行する)によって同様の効果が得られる。
また実施例では、RAMクリアの実施を示す外部出力信号の出力時間を不正発生を示す外部出力信号と同じ60.000秒とすることで、出力時間が同一であってもそれぞれの情報の区別が可能であることを説明したが、RAMクリアの実施を示す外部出力信号の出力時間は、共用する外部端子から出力される他の情報を示す信号と同一とする必要は無く、長い時間であっても(例えば、120.000秒)、短い時間(例えば0.100秒)であってもよい。
但し、出力時間が上記した長い時間又は短い時間であっても、RAMクリアの実施を示す外部出力信号の出力が終了してから電源投入処理を終了し、該終了に続いてメインルーチンを開始する構成とする。この構成により、RAMクリアの実施を示す信号と、共用の外部端子から出力する他の信号とが重なることがないため、電源投入時に出力されたか否かという出力時期に基づいて信号の区別が可能となるが、他の信号の出力時間が不正発生を示す信号と同様に予め設定された一定の時間であれば、出力時間によっても区別は可能である。しかしながら、他の信号同士で出力時期が重なったりすることで、実際の信号出力時間は一定ではないため、出力時期を信号区別の条件からはずさない方が好適である。