JP6084597B2 - 車両用ドア - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドアに関する。
車両用ドアのキーシリンダの取付剛性を高める構造として、特許文献1には、ドアラッチ機構を覆うラッチカバー部材にキーシリンダを取り付ける構造が記載されている。
特許第3846394号公報
特許文献1に記載の構造に対し、部品点数や作業工数を抑えてコストを削減するために、キーシリンダを取り付けるためのラッチカバー部材をなくし、ドア幅方向の両端部間に跨るサイドインパクトバー、スキンスティフナといった補強部材にキーシリンダを取り付けることが考えられる。
ここで、キーシリンダは、キー操作によるひねり荷重に耐えたり、外部からの不正アクセスによってシリンダ位置が変わることを防いだりするために、取付剛性の高い、板厚の大きい部位に取り付ける必要がある。
そのため、ドア幅方向の両端部に跨る補強部材にキーシリンダを取り付けようとすると、長尺な補強部材全体の板厚が大きくなり、重量及びコストが増加するという問題があった。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、重量及びコストを低減しつつキーシリンダを好適に取り付けることが可能な車両用ドアを提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明の車両用ドアは、ドア本体と、前記ドア本体に設けられたラッチ機構と、前記ラッチ機構のロック状態を切り替えるキーシリンダと、前記ドア本体のドア幅方向両端部に跨って設けられる補強部材と、を備え、前記補強部材は、ドア幅方向の一部を形成する薄板部と、ドア幅方向の他部を形成するととともに、前記薄板部よりも大きい板厚を呈する厚板部と、を備え、前記キーシリンダは、前記厚板部に取り付けられており、前記薄板部は、ドア幅方向に延びる第一ビード部を備え、前記厚板部は、ドア幅方向に延びるとともに、前記第一ビード部と連続する第二ビード部を備えることを特徴とする。
かかる構成によると、補強部材のキーシリンダが取り付けられる部位を厚肉部とするとともにその他の部位を薄肉部としたので、強度が特に必要な部位のみを厚くしてその他の部位を薄くし、重量及びコストを低減しつつキーシリンダを好適に取り付けることができる。
また、かかる構成によると、薄肉部から厚肉部にかけてビード形状が連続するので、補強部材を分割形成したことによる剛性低下を防止し、重量及びコストを低減しつつ補強部材の剛性を向上することができる。
前記第一ビード部は、一対の第一フランジと、前記一対の第一フランジを連結するとともに、前記一対の第一フランジよりも車両内外方向のいずれかに突出する第一凸部と、を備えることによって断面ハット形状を呈し、前記第二ビード部は、一対の第二フランジと、前記一対の第二フランジを連結するとともに、前記一対の第二フランジよりも車両内外方向のいずれかに突出する第二凸部と、を備えることによって断面ハット形状を呈し、前記第一ビード部と前記第二ビード部とは、車両内外方向の同じ方向に突出しており、前記一対の第一フランジと前記一対の第二フランジとが互いに接合されており、前記第一凸部と前記第二凸部とが重ね合わされていることが望ましい。
かかる構成によると、一対の第一フランジと一対の第二フランジとが互いに接合されているので、薄肉部と厚肉部とがより一体的になり、補強部材の剛性を向上することができる。
また、第一凸部と第二凸部とが同一方向に突出して重ね合わされているので、ねじれ等によりフランジの接合部位が剥がれることを防止することができる。
前記厚板部は、前記第二凸部に形成されて前記第二フランジ側に突出し、ドア幅方向に延びる第三ビード部を備え、前記キーシリンダは、前記一対の第二フランジの一方と前記第三ビード部との間において前記厚板部に取り付けられていることが望ましい。
かかる構成によると、キーシリンダが第二フランジと第三ビード部との間に取り付けられているので、キー操作によってキーシリンダに作用するねじり荷重によって厚板部がねじれることを防止することができる。
前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、前記一対の第一フランジの少なくとも一方、及び、前記一対の第二フランジの少なくとも一方は、前記アウタパネルと当接する外表補強部を備えることが望ましい。
かかる構成によると、一対の第一フランジの少なくとも一方及び一対の第二フランジの少なくとも一方にアウタパネルと当接する外表補強部が設けられているので、ハット断面形状のフランジを利用して外表部材であるアウタパネルの凹みを防止することができる。
特に、一対の第一フランジ及び一対の第二フランジの同じ側に外表補強部が設けられている場合には、薄板部から厚板部まで連続的にアウタパネルを支持するようになり、アウタパネルを偏りなく支持することができ、ドア閉まり音等を向上することができる。
前記車両用ドアは、前記ラッチ機構の前記ドア本体に対する取付部を補強するラッチ補強部材を備え、前記厚板部は、前記ラッチ補強部材に連結されることが望ましい。
かかる構成によると、厚板部が高剛性のラッチ補強部材に連結されているので、キーシリンダの保持剛性を向上することができる。
また、ラッチ補強部材を補強部材と一体的な部品として取り扱うことができるので、取付作業性を向上することができる。
また、補強部材とラッチ補強部材とを一体成形しようとすると、アンダーカット形状となるために成形することができないが、補強部材とラッチ補強部材とが別部材であるので、補強部材及びラッチ補強部材の成形性を確保することができる。
前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、前記インナパネルは、車両幅方向に延びる内外面を備え、前記厚板部は、車両幅方向に延びる折曲部を備え、前記ラッチ補強部材は、前記インナパネルの前記内外面と連結される部位と、前記厚板部の前記折曲部と連結される部位と、を備えることが望ましい。
かかる構成によると、厚板部の折曲部とラッチ補強部材とが連結されているので、ラッチ機構を車両用ドアのドア幅方向端部(すなわち、車体に近い位置)に配置することができる。
前記厚板部は、前記第二凸部に形成されて前記第二フランジ側に突出し、ドア幅方向に延びる第三ビード部を備え、前記ラッチ補強部材は、前記第三ビード部と連続する第四ビード部を備えることが望ましい。
かかる構成によると、厚肉部からラッチ補強部材にかけてビード形状が連続するので、厚肉部とラッチ補強部材とを分割形成したことによる剛性低下を防止し、重量及びコストを低減しつつ補強部材及びラッチ補強部材の剛性を向上することができる。
前記第三ビード部と前記第四ビード部とは、互いに離間する方向に突出することが望ましい。
かかる構成によると、第三ビード部と第四ビード部との間に大きな間隙が設けられるので、車両用ドア製造時における電着塗装剤のまわりを向上することができる。
また、本発明の車両用ドアは、ドア本体と、前記ドア本体に設けられたラッチ機構と、前記ラッチ機構のロック状態を切り替えるキーシリンダと、前記ドア本体のドア幅方向両端部に跨って設けられる補強部材と、前記ラッチ機構の前記ドア本体に対する取付部を補強するラッチ補強部材と、を備え、前記補強部材は、ドア幅方向の一部を形成する薄板部と、ドア幅方向の他部を形成するととともに、前記薄板部よりも大きい板厚を呈する厚板部と、を備え、前記キーシリンダは、前記厚板部に取り付けられており、前記厚板部は、前記ラッチ補強部材に連結されることを特徴とする。
前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、前記インナパネルは、車両幅方向に延びる面を備え、前記厚板部は、車両幅方向に延びる折曲部を備え、前記ラッチ補強部材は、前記インナパネルの前記車両幅方向に延びる面と連結される部位と、前記厚板部の前記折曲部と連結される部位と、を備えることが望ましい。
本発明によると、重量及びコストを低減しつつキーシリンダを好適に取り付けることができる。
本発明の実施形態に係る車両用ドアを示す部分破断図であり、ラッチ機構を省略した図である。 図1の補強部材の厚肉部の周りを示す拡大図である。 (a)は図1のX1矢視断面図、(b)は図1のX2矢視断面図である。 図1のX3矢視断面図である。 図1の補強部材の厚肉部の周りを示す拡大図であり、ラッチ機構及びキーシリンダを省略した図である。 図5のX4矢視断面図である。
本発明の実施形態について、本発明を車両の左右側面に設けられる車両用ドアに適用した場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図中に矢印で示される「前後」は、車両前後方向を示し、「上下」は、車両上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車両幅方向)を示している。車両用ドアを説明する際に用いられる方向は、車両用ドアが閉じられた状態を基準とする。また、ドア幅方向は、ドア面の対向する一対の辺を結ぶ方向であり、本実施形態では、車両用ドアを閉じた状態において、車両上下方向と直交する方向を示す。また、ドア厚み方向は、ドア面と直交する方向である。すなわち、車両用ドアを閉じた状態において、ドア幅方向は、車両前後方向と一致しており、ドア厚み方向は、左右方向(車両幅方向)と一致している。
<車両用ドア>
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両用ドア1は、車体の左右側面(本実施形態では、右側面)に形成されたドア開口部を開閉するドアである。
車両用ドア1は、ドア本体2と、ラッチ機構3(図2参照)と、キーシリンダ4と、補強部材5と、ラッチ補強部材50と、を備える。
<ドア本体>
ドア本体2は、その前端部において車体に揺動可能に支持されている。ドア本体2は、アウタパネル10と、インナパネル20と、を備える。
アウタパネル10は、金属製の略平板状部材であり、車両用ドア1の外表面を構成する外表部材である。
インナパネル20は、金属製の略平板状部材であり、アウタパネル10の車両幅方向内側に設けられている。
アウタパネル10とインナパネル20との間の空間には、ラッチ機構3、キーシリンダ4、補強部材5、ラッチ補強部材50等が設けられている。
また、図5に示すように、インナパネル20は、周状の21と、ストライカ挿通孔部22と、ボルト挿通孔部23,23と、を備える。これらについては、後に詳細に説明する。
<ラッチ機構>
図2に示すように、ラッチ機構3は、車体側に設けられたストライカ(図示せず)にラッチが係合することによって車両用ドア1を車体に固定するロック状態と、ストライカに対するラッチの係合が解除されて車両用ドア1を開扉可能とする非ロック状態と、を切替可能な機構である。
ラッチ機構3は、アウタパネル10とインナパネル20との間において、ボルトによってインナパネル20に取り付けられている。
<キーシリンダ>
キーシリンダ4は、キーを差し込んで操作されることによって、ラッチ機構3をロック状態と非ロック状態とに切り替えるための機構である。
キーシリンダ4は、円柱形状を呈しており、後記する厚肉部40に取り付けられるとととに、円柱形状の先端部に形成されるキー挿入孔を、アウタパネル10から車体外部に臨ませている。
<補強部材>
図1に示すように、補強部材5は、ドア本体2のドア幅方向両端部に跨って設けられ、ドア本体2を補強する金属製部材である。
本実施形態において、補強部材5は、アウタパネル10とインナパネル20との間において、インナパネル20のドア幅方向両端部に跨って設けられている。
補強部材5は、横に倒した梯子形状を呈する部材であり、一対の長辺部(横辺部)5a,5aと、長辺部5a,5aを繋ぐ複数の短辺部(縦辺部)5b,5b,…と、を一体に備えてアウタパネル10の凹みを防止する、いわゆるスキンスティフナである。
また、補強部材5は、薄板部30と、厚板部40と、を一体的に組み合わせることによって形成されている。
<薄板部>
薄板部30は、補強部材5の大部分を構成する部材であり、比較的薄肉の金属板をプレス加工等によって屈曲形成したものである。
薄板部30は、補強部材5の上の長辺部5aのドア幅方向の一部を構成するとともに、下の長辺部5a及び複数の短辺部5b,5b,…の全部を構成している。
薄板部30は、第一ビード部31と、第五ビード部32と、複数の凸部33,33,…と、を備える。
第一ビード部31は、薄板部30の上の長辺部5aに該当する部位の全長にわたって形成されている。
第一ビード部31は、上下一対の第一フランジ31a,31aと、第一フランジ31a,31aを連結する第一凸部31bと、によって構成されており、断面ハット形状を呈する(図4参照)。
第一凸部31bは、第一フランジ31a,31aに対して車両幅方向の一方に突出している断面コ字形状を呈する部位であり、本実施形態では、車両幅方向内側に突出している。
第一凸部31bのドア幅方向一端部(前端部)は、スポット溶接等によってインナパネル20に接合されている。
第一フランジ31a,31aの少なくとも一方(本実施形態では、上の第一フランジ31a)には、車両幅方向内側に突出する緩衝材用ビード部31cが形成されている。図3(a)に示すように、緩衝材用ビード部31cには、緩衝材6が塗布形成されている。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
なお、図3(a)(b)は、緩衝材6とアウタパネル10との当接状態を説明するための図であり、紙面奥行き方向の構造等は、適宜省略されている。
図1に示すように、第五ビード部32は、下の長辺部5aに形成されており、上下一対の第五フランジ32a,32aと、第五フランジ32a,32aを連結する第五凸部32bと、によって構成されており、断面ハット形状を呈する。
第五凸部32bは、第五フランジ32a,32aに対して車両幅方向の一方に突出している部位であり、本実施形態では、車両幅方向内側に突出している。
第五凸部32bのドア幅方向両端部(前後端部)は、スポット溶接等によってインナパネル20に接合されている。
第五フランジ32a,32aの少なくとも一方(本実施形態では、下の第五フランジ32a)には、車両幅方向内側に突出する緩衝材用ビード部32cが形成されている。図3(a)に示すように、緩衝材用ビード部32cには、緩衝材6が塗布形成されている。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
図1に示すように、複数の凸部33,33,…は、複数の短辺部5b,5b,…のそれぞれに形成されており、車両幅方向外側に突出している。
本実施形態において、下の第一フランジ部31a、上の第五フランジ部32a及び複数の短辺部5b,5b,…は、面一であり、上の第一フランジ部31a及び下の第五フランジ部32aよりも車両幅方向内側に位置している。そして、複数の凸部33,33,…は、上の第一フランジ部31a及び下の第五フランジ部32aと車両幅方向において同一面内に位置している。
凸部33には、車両幅方向内側に突出する緩衝材用ビード部33aが形成されている。図3(a)に示すように、緩衝材用ビード部33aには、緩衝材6が塗布形成されている。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
<厚板部>
図1に示すように、厚板部40は、補強部材5の残りの部分、本実施形態では、上の長辺部5aの車両後端部を構成する部材であり、比較的厚肉の金属板をプレス加工等によって屈曲形成したものである。
厚板部40は、上の長辺部5aのドア幅方向の他部(後端部)を構成している。
図2に示すように、厚板部40は、第二ビード部41と、第三ビード部42と、シリンダ孔部43と、折曲部44と、を備える。
第二ビード部41は、上下一対の第二フランジ41a,41aと、第二フランジ41a,41aを連結する第二凸部41bと、によって構成されており、断面ハット形状を呈する(図4参照)。
第二凸部41bは、第二フランジ41a,41aに対して車両幅方向の一方に突出している断面コ字形状を呈する部位であり、本実施形態では、薄肉部31の第一凸部31bと同様に、車両幅方向内側に突出している。
第二フランジ41a,41aの少なくとも一方(本実施形態では、上の第二フランジ41a)には、車両幅方向内側に突出する緩衝材用ビード部41cが形成されている。図3(b)に示すように、緩衝材用ビード部41cには、緩衝材6が塗布形成されている。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
図2に示すように、厚肉部40の第二ビード部41は、薄板部30の第一ビード部41と連続するように設けられている。
また、図5に示すように、薄肉部30のドア幅方向一端部(後端部)と厚肉部40のドア幅方向他端部(前端部)とは、厚肉部40を車両幅方向内側として互いに重ね合わされている。かかる重ね合わせ部位において、薄肉部30のハット形状は、厚肉部40のハット形状よりも小さい。
また、上の第一フランジ部31aと上の第二フランジ部41aとは、スポット溶接等によって接合されており、下の第一フランジ部31aと下の第二フランジ部41aとは、スポット溶接等によって接合されている。
また、第二凸部41bは、第一凸部31b内に重ね合わされて収容されている。
図2及び図5に示すように、第三ビード部42は、第二凸部41bにおいて車両幅方向の他方(車両幅方向外側)に突出している。
すなわち、第三ビード部42は、第二凸部41bを一対の第三フランジ部とする第三凸部であるともいえる。
シリンダ孔部43は、キーシリンダ4が挿通されて取り付けられる孔部である。
シリンダ孔部43は、上の第二フランジ部41aと第三ビード部42との間に形成されている。
図5に示すように、折曲部44は、厚肉部50のドア幅方向一端部に位置する第二凸部41b及び第三ビード部42が車両幅方向の他方(車両幅方向外側)に折り曲げられている部位である。
本実施形態において、第二凸部41bは、ドア幅方向においてシリンダ孔部43が形成されている部位よりも若干ドア幅方向後側が最も拡幅する形状を呈しており、上下の第二フランジ41aは、薄肉部30側からかかる拡幅部位まで形成されている。
また、第三ビード部42は、シリンダ孔部43の形成スペースを確保することができるように、第二凸部41bの上下方向中央よりも下側に形成されるとともに、下に凸となるように屈曲形成されている。
<ラッチ補強部材>
ラッチ補強部材50は、ラッチ機構3のインナパネル20への取付部位を補強する、いわゆるラッチスティフナである。
ラッチ補強部材50は、インナパネル20の車両前後方向に延びる面24と当該面24から車両幅方向内側に屈曲して車両幅方向に延びる21とに沿う屈曲形状を呈している。
ラッチ補強部材50は、第四ビード部51と、インナパネル20のストライカ挿通孔部22に対応するストライカ挿通孔部52と、インナパネル20のボルト挿通孔部23,23に対応するボルト挿通孔部53,53と、を備える。
第四ビード部51は、ラッチ補強部材50の車両幅方向外側端部において、車両幅方向に延びるように設けられている。
第四ビード部51は、上下一対の第四フランジ51a,51aと、第四フランジ51a,51aを連結する第四凸部51bと、によって構成されており、断面ハット形状を呈する。
第四凸部51bは、第四フランジ51a,51aに対して車両幅方向の一方に突出している断面コ字形状を呈する部位であり、本実施形態では、車両前側に突出している。
ここで、インナパネル20の21は、当該インナパネル20の中央側の面24に繋がる第一面21aと、当該第一面21aと繋がり、第一面21aよりもインナパネル20の周縁側となる第二面21bと、を備える。第二面21bは、折曲部44の第三ビード部42のスペースを確保するための部位である。
図6に示すように、ラッチ補強部材50の車両幅方向内側端部の車両後側面は、厚肉部40の折曲部44の車両前側面と当接しており、ラッチ補強部材50と厚肉部40の折曲部44とは、かかる当接部位においてスポット溶接等によって接合されている。すなわち、ラッチ補強部材50と厚肉部40の折曲部44とは、ドア幅方向に並べて重ね合わされた状態で互いに連結されている。
ラッチ補強部材50の第四ビード部51は、厚肉部40の第三ビード部42と連続するように設けられており、本実施形態では、第三ビード部42と第四ビード部51とは、互いに離間する方向に突出している。
また、図5に示すように、ラッチ補強部材50は、ラッチ補強部材50のストライカ挿通孔部52及びボルト挿通孔部53,53をインナパネル20のストライカ挿通孔部22及びボルト挿通孔部23,23にそれぞれ重ねた状態で、インナパネル20の面24及び第一面21aにスポット溶接等によって接合される。
すなわち、ラッチ補強部材50は、面24から21にわたって形成されたストライカ挿通孔部22の全周を補強している。また、平面視L字形状を呈するラッチ補強部材50のうち、第一面21aと当接する部位が、21と連結される部位であり、車両外側端部であって厚肉部40の折曲部44と当接する部位が、折曲部44と連結される部位である。
また、図2に示すように、ラッチ機構3は、ボルト挿通孔部23,53を介したボルトによって、ラッチ補強部材50を間に挟んだ状態でインナパネル20に固定される。
また、キーシリンダ4は、厚肉部40のシリンダ孔部43に挿通されて取り付けられる。
本発明の実施形態に係る車両用ドア1は、補強部材5のキーシリンダ4が取り付けられる部位を厚肉部40とするとともにその他の部位を薄肉部30としたので、強度が特に必要な部位のみを厚くしてその他の部位を薄くし、重量及びコストを低減しつつキーシリンダ4を好適に取り付けることができる。
また、車両用ドア1は、薄肉部30から厚肉部40にかけてビード形状が連続するので、補強部材5を分割形成したことによる剛性低下を防止し、重量及びコストを低減しつつ補強部材5の剛性を向上することができる。
また、車両用ドア1は、一対の第一フランジ31a,31aと一対の第二フランジ41a,41aとが互いに接合されているので、薄肉部30と厚肉部40とがより一体的になり、補強部材5の剛性を向上することができる。
また、車両用ドア1は、第一凸部31bと第二凸部41bとが同一方向に突出して重ね合わされているので、ねじれ等によりフランジ31a,41aの接合部位が剥がれることを防止することができる。
また、車両用ドア1は、キーシリンダ4が第二フランジ41bと第三ビード部42との間に取り付けられているので、キー操作によってキーシリンダ4に作用するねじり荷重によって厚板部40がねじれることを防止することができる。
また、車両用ドア1は、一対の第一フランジ31a,31aの少なくとも一方及び一対の第二フランジ41a,41aの少なくとも一方にアウタパネル10と当接する外表補強部(緩衝材6)が設けられているので、ハット断面形状のフランジを利用して外表部材であるアウタパネル10の凹みを防止することができる。
特に、一対の第一フランジ31a,31a及び一対の第二フランジ41a,41aの同じ側に外表補強部(緩衝材6)が設けられている場合には、車両用ドア1は、薄板部30から厚板部40まで連続的にアウタパネル10を支持するようになり、アウタパネル10を偏りなく支持することができ、ドア閉まり音等を向上することができる。
また、車両用ドア1は、厚板部40が高剛性のラッチ補強部材50に連結されているので、キーシリンダ4の保持剛性を向上することができる。
また、車両用ドア1は、ラッチ補強部材50を補強部材5と一体的な部品として取り扱うことができるので、取付作業性を向上することができる。
また、補強部材5とラッチ補強部材50とを一体成形しようとすると、アンダーカット形状となるために成形することができないが、車両用ドア1は、補強部材5とラッチ補強部材50とが別部材であるので、補強部材5及びラッチ補強部材50の成形性を確保することができる。
また、車両用ドア1は、厚板部40の折曲部44とラッチ補強部材50とが連結されているので、ラッチ機構3を車両用ドア1のドア幅方向端部(すなわち、車体に近い位置)に配置することができる。
また、車両用ドア1は、厚肉部40からラッチ補強部材50にかけてビード形状が連続するので、厚肉部40とラッチ補強部材50とを分割形成したことによる剛性低下を防止し、重量及びコストを低減しつつ補強部材5及びラッチ補強部材50の剛性を向上することができる。
また、車両用ドア1は、第三ビード部42と第四ビード部51との間に大きな間隙が設けられるので、車両用ドア1製造時における電着塗装剤のまわりを向上することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本発明の補強部材は、前記した梯子形状を呈してアウタパネル10に当接し、アウタパネル10の凹みを防止するスキンスティフナに限定されず、側面衝突に対する補強部材であるサイドインパクトバー等といった各種補強部材にも適用可能である。
1 車両用ドア
2 ドア本体
3 ラッチ機構
4 キーシリンダ
5 補強部材
6 緩衝材(外表補強部)
10 アウタパネル
20 インナパネル
21
30 薄肉部
31 第一ビード部
32a 第一フランジ
32b 第一凸部
40 厚肉部
41 第二ビード部
41a 第二フランジ
41b 第二凸部
42 第三ビード部
43 シリンダ孔部
44 折曲部
50 ラッチ補強部材
51 第四ビード部

Claims (10)

  1. ドア本体と、
    前記ドア本体に設けられたラッチ機構と、
    前記ラッチ機構のロック状態を切り替えるキーシリンダと、
    前記ドア本体のドア幅方向両端部に跨って設けられる補強部材と、
    を備え、
    前記補強部材は、
    ドア幅方向の一部を形成する薄板部と、
    ドア幅方向の他部を形成するととともに、前記薄板部よりも大きい板厚を呈する厚板部と、
    を備え、
    前記キーシリンダは、前記厚板部に取り付けられており、
    前記薄板部は、ドア幅方向に延びる第一ビード部を備え、
    前記厚板部は、ドア幅方向に延びるとともに、前記第一ビード部と連続する第二ビード部を備える
    ことを特徴とする車両用ドア。
  2. 前記第一ビード部は、一対の第一フランジと、前記一対の第一フランジを連結するとともに、前記一対の第一フランジよりも車両内外方向のいずれかに突出する第一凸部と、を備えることによって断面ハット形状を呈し、
    前記第二ビード部は、一対の第二フランジと、前記一対の第二フランジを連結するとともに、前記一対の第二フランジよりも車両内外方向のいずれかに突出する第二凸部と、を備えることによって断面ハット形状を呈し、
    前記第一ビード部と前記第二ビード部とは、車両内外方向の同じ方向に突出しており、
    前記一対の第一フランジと前記一対の第二フランジとが互いに接合されており、前記第一凸部と前記第二凸部とが重ね合わされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア。
  3. 前記厚板部は、前記第二凸部に形成されて前記第二フランジ側に突出し、ドア幅方向に延びる第三ビード部を備え、
    前記キーシリンダは、前記一対の第二フランジの一方と前記第三ビード部との間において前記厚板部に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア。
  4. 前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、
    前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、
    前記一対の第一フランジの少なくとも一方、及び、前記一対の第二フランジの少なくとも一方は、前記アウタパネルと当接する外表補強部を備える
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用ドア。
  5. 前記ラッチ機構の前記ドア本体に対する取付部を補強するラッチ補強部材を備え、
    前記厚板部は、前記ラッチ補強部材に連結される
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドア。
  6. 前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、
    前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、
    前記インナパネルは、車両幅方向に延びるを備え、
    前記厚板部は、車両幅方向に延びる折曲部を備え、
    前記ラッチ補強部材は、前記インナパネルの前記車両幅方向に延びる面と連結される部位と、前記厚板部の前記折曲部と連結される部位と、を備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の車両用ドア。
  7. 前記厚板部は、前記第二凸部に形成されて前記第二フランジ側に突出し、ドア幅方向に延びる第三ビード部を備え、
    前記ラッチ補強部材は、前記第三ビード部と連続する第四ビード部を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の車両用ドア。
  8. 前記第三ビード部と前記第四ビード部とは、互いに離間する方向に突出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両用ドア。
  9. ドア本体と、
    前記ドア本体に設けられたラッチ機構と、
    前記ラッチ機構のロック状態を切り替えるキーシリンダと、
    前記ドア本体のドア幅方向両端部に跨って設けられる補強部材と、
    前記ラッチ機構の前記ドア本体に対する取付部を補強するラッチ補強部材と、
    を備え、
    前記補強部材は、
    ドア幅方向の一部を形成する薄板部と、
    ドア幅方向の他部を形成するととともに、前記薄板部よりも大きい板厚を呈する厚板部と、
    を備え、
    前記キーシリンダは、前記厚板部に取り付けられており、
    前記厚板部は、前記ラッチ補強部材に連結される
    ことを特徴とする車両用ドア。
  10. 前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、
    前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、
    前記インナパネルは、車両幅方向に延びるを備え、
    前記厚板部は、車両幅方向に延びる折曲部を備え、
    前記ラッチ補強部材は、前記インナパネルの前記車両幅方向に延びる面と連結される部位と、前記厚板部の前記折曲部と連結される部位と、を備える
    ことを特徴とする請求項9に記載の車両用ドア。
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