JP6084597B2 - 車両用ドア - Google Patents
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Description
そのため、ドア幅方向の両端部に跨る補強部材にキーシリンダを取り付けようとすると、長尺な補強部材全体の板厚が大きくなり、重量及びコストが増加するという問題があった。
また、かかる構成によると、薄肉部から厚肉部にかけてビード形状が連続するので、補強部材を分割形成したことによる剛性低下を防止し、重量及びコストを低減しつつ補強部材の剛性を向上することができる。
また、第一凸部と第二凸部とが同一方向に突出して重ね合わされているので、ねじれ等によりフランジの接合部位が剥がれることを防止することができる。
特に、一対の第一フランジ及び一対の第二フランジの同じ側に外表補強部が設けられている場合には、薄板部から厚板部まで連続的にアウタパネルを支持するようになり、アウタパネルを偏りなく支持することができ、ドア閉まり音等を向上することができる。
また、ラッチ補強部材を補強部材と一体的な部品として取り扱うことができるので、取付作業性を向上することができる。
また、補強部材とラッチ補強部材とを一体成形しようとすると、アンダーカット形状となるために成形することができないが、補強部材とラッチ補強部材とが別部材であるので、補強部材及びラッチ補強部材の成形性を確保することができる。
また、本発明の車両用ドアは、ドア本体と、前記ドア本体に設けられたラッチ機構と、前記ラッチ機構のロック状態を切り替えるキーシリンダと、前記ドア本体のドア幅方向両端部に跨って設けられる補強部材と、前記ラッチ機構の前記ドア本体に対する取付部を補強するラッチ補強部材と、を備え、前記補強部材は、ドア幅方向の一部を形成する薄板部と、ドア幅方向の他部を形成するととともに、前記薄板部よりも大きい板厚を呈する厚板部と、を備え、前記キーシリンダは、前記厚板部に取り付けられており、前記厚板部は、前記ラッチ補強部材に連結されることを特徴とする。
前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、前記インナパネルは、車両幅方向に延びる面を備え、前記厚板部は、車両幅方向に延びる折曲部を備え、前記ラッチ補強部材は、前記インナパネルの前記車両幅方向に延びる面と連結される部位と、前記厚板部の前記折曲部と連結される部位と、を備えることが望ましい。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両用ドア1は、車体の左右側面(本実施形態では、右側面)に形成されたドア開口部を開閉するドアである。
車両用ドア1は、ドア本体2と、ラッチ機構3(図2参照)と、キーシリンダ4と、補強部材5と、ラッチ補強部材50と、を備える。
ドア本体2は、その前端部において車体に揺動可能に支持されている。ドア本体2は、アウタパネル10と、インナパネル20と、を備える。
アウタパネル10は、金属製の略平板状部材であり、車両用ドア1の外表面を構成する外表部材である。
インナパネル20は、金属製の略平板状部材であり、アウタパネル10の車両幅方向内側に設けられている。
アウタパネル10とインナパネル20との間の空間には、ラッチ機構3、キーシリンダ4、補強部材5、ラッチ補強部材50等が設けられている。
また、図5に示すように、インナパネル20は、周状の面21と、ストライカ挿通孔部22と、ボルト挿通孔部23,23と、を備える。これらについては、後に詳細に説明する。
図2に示すように、ラッチ機構3は、車体側に設けられたストライカ(図示せず)にラッチが係合することによって車両用ドア1を車体に固定するロック状態と、ストライカに対するラッチの係合が解除されて車両用ドア1を開扉可能とする非ロック状態と、を切替可能な機構である。
ラッチ機構3は、アウタパネル10とインナパネル20との間において、ボルトによってインナパネル20に取り付けられている。
キーシリンダ4は、キーを差し込んで操作されることによって、ラッチ機構3をロック状態と非ロック状態とに切り替えるための機構である。
キーシリンダ4は、円柱形状を呈しており、後記する厚肉部40に取り付けられるとととに、円柱形状の先端部に形成されるキー挿入孔を、アウタパネル10から車体外部に臨ませている。
図1に示すように、補強部材5は、ドア本体2のドア幅方向両端部に跨って設けられ、ドア本体2を補強する金属製部材である。
本実施形態において、補強部材5は、アウタパネル10とインナパネル20との間において、インナパネル20のドア幅方向両端部に跨って設けられている。
補強部材5は、横に倒した梯子形状を呈する部材であり、一対の長辺部(横辺部)5a,5aと、長辺部5a,5aを繋ぐ複数の短辺部(縦辺部)5b,5b,…と、を一体に備えてアウタパネル10の凹みを防止する、いわゆるスキンスティフナである。
また、補強部材5は、薄板部30と、厚板部40と、を一体的に組み合わせることによって形成されている。
薄板部30は、補強部材5の大部分を構成する部材であり、比較的薄肉の金属板をプレス加工等によって屈曲形成したものである。
薄板部30は、補強部材5の上の長辺部5aのドア幅方向の一部を構成するとともに、下の長辺部5a及び複数の短辺部5b,5b,…の全部を構成している。
薄板部30は、第一ビード部31と、第五ビード部32と、複数の凸部33,33,…と、を備える。
第一ビード部31は、上下一対の第一フランジ31a,31aと、第一フランジ31a,31aを連結する第一凸部31bと、によって構成されており、断面ハット形状を呈する(図4参照)。
第一凸部31bは、第一フランジ31a,31aに対して車両幅方向の一方に突出している断面コ字形状を呈する部位であり、本実施形態では、車両幅方向内側に突出している。
第一凸部31bのドア幅方向一端部(前端部)は、スポット溶接等によってインナパネル20に接合されている。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
なお、図3(a)(b)は、緩衝材6とアウタパネル10との当接状態を説明するための図であり、紙面奥行き方向の構造等は、適宜省略されている。
第五凸部32bは、第五フランジ32a,32aに対して車両幅方向の一方に突出している部位であり、本実施形態では、車両幅方向内側に突出している。
第五凸部32bのドア幅方向両端部(前後端部)は、スポット溶接等によってインナパネル20に接合されている。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
本実施形態において、下の第一フランジ部31a、上の第五フランジ部32a及び複数の短辺部5b,5b,…は、面一であり、上の第一フランジ部31a及び下の第五フランジ部32aよりも車両幅方向内側に位置している。そして、複数の凸部33,33,…は、上の第一フランジ部31a及び下の第五フランジ部32aと車両幅方向において同一面内に位置している。
凸部33には、車両幅方向内側に突出する緩衝材用ビード部33aが形成されている。図3(a)に示すように、緩衝材用ビード部33aには、緩衝材6が塗布形成されている。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
図1に示すように、厚板部40は、補強部材5の残りの部分、本実施形態では、上の長辺部5aの車両後端部を構成する部材であり、比較的厚肉の金属板をプレス加工等によって屈曲形成したものである。
厚板部40は、上の長辺部5aのドア幅方向の他部(後端部)を構成している。
図2に示すように、厚板部40は、第二ビード部41と、第三ビード部42と、シリンダ孔部43と、折曲部44と、を備える。
第二凸部41bは、第二フランジ41a,41aに対して車両幅方向の一方に突出している断面コ字形状を呈する部位であり、本実施形態では、薄肉部31の第一凸部31bと同様に、車両幅方向内側に突出している。
緩衝材6は、外表部材であるアウタパネル10と当接する外表補強部である。
また、図5に示すように、薄肉部30のドア幅方向一端部(後端部)と厚肉部40のドア幅方向他端部(前端部)とは、厚肉部40を車両幅方向内側として互いに重ね合わされている。かかる重ね合わせ部位において、薄肉部30のハット形状は、厚肉部40のハット形状よりも小さい。
また、上の第一フランジ部31aと上の第二フランジ部41aとは、スポット溶接等によって接合されており、下の第一フランジ部31aと下の第二フランジ部41aとは、スポット溶接等によって接合されている。
また、第二凸部41bは、第一凸部31b内に重ね合わされて収容されている。
すなわち、第三ビード部42は、第二凸部41bを一対の第三フランジ部とする第三凸部であるともいえる。
シリンダ孔部43は、上の第二フランジ部41aと第三ビード部42との間に形成されている。
また、第三ビード部42は、シリンダ孔部43の形成スペースを確保することができるように、第二凸部41bの上下方向中央よりも下側に形成されるとともに、下に凸となるように屈曲形成されている。
ラッチ補強部材50は、ラッチ機構3のインナパネル20への取付部位を補強する、いわゆるラッチスティフナである。
ラッチ補強部材50は、インナパネル20の車両前後方向に延びる面24と当該面24から車両幅方向内側に屈曲して車両幅方向に延びる面21とに沿う屈曲形状を呈している。
ラッチ補強部材50は、第四ビード部51と、インナパネル20のストライカ挿通孔部22に対応するストライカ挿通孔部52と、インナパネル20のボルト挿通孔部23,23に対応するボルト挿通孔部53,53と、を備える。
第四ビード部51は、上下一対の第四フランジ51a,51aと、第四フランジ51a,51aを連結する第四凸部51bと、によって構成されており、断面ハット形状を呈する。
第四凸部51bは、第四フランジ51a,51aに対して車両幅方向の一方に突出している断面コ字形状を呈する部位であり、本実施形態では、車両前側に突出している。
ラッチ補強部材50の第四ビード部51は、厚肉部40の第三ビード部42と連続するように設けられており、本実施形態では、第三ビード部42と第四ビード部51とは、互いに離間する方向に突出している。
すなわち、ラッチ補強部材50は、面24から面21にわたって形成されたストライカ挿通孔部22の全周を補強している。また、平面視L字形状を呈するラッチ補強部材50のうち、第一面21aと当接する部位が、面21と連結される部位であり、車両外側端部であって厚肉部40の折曲部44と当接する部位が、折曲部44と連結される部位である。
また、図2に示すように、ラッチ機構3は、ボルト挿通孔部23,53を介したボルトによって、ラッチ補強部材50を間に挟んだ状態でインナパネル20に固定される。
また、キーシリンダ4は、厚肉部40のシリンダ孔部43に挿通されて取り付けられる。
また、車両用ドア1は、第一凸部31bと第二凸部41bとが同一方向に突出して重ね合わされているので、ねじれ等によりフランジ31a,41aの接合部位が剥がれることを防止することができる。
特に、一対の第一フランジ31a,31a及び一対の第二フランジ41a,41aの同じ側に外表補強部(緩衝材6)が設けられている場合には、車両用ドア1は、薄板部30から厚板部40まで連続的にアウタパネル10を支持するようになり、アウタパネル10を偏りなく支持することができ、ドア閉まり音等を向上することができる。
また、車両用ドア1は、ラッチ補強部材50を補強部材5と一体的な部品として取り扱うことができるので、取付作業性を向上することができる。
また、補強部材5とラッチ補強部材50とを一体成形しようとすると、アンダーカット形状となるために成形することができないが、車両用ドア1は、補強部材5とラッチ補強部材50とが別部材であるので、補強部材5及びラッチ補強部材50の成形性を確保することができる。
2 ドア本体
3 ラッチ機構
4 キーシリンダ
5 補強部材
6 緩衝材(外表補強部)
10 アウタパネル
20 インナパネル
21 面
30 薄肉部
31 第一ビード部
32a 第一フランジ
32b 第一凸部
40 厚肉部
41 第二ビード部
41a 第二フランジ
41b 第二凸部
42 第三ビード部
43 シリンダ孔部
44 折曲部
50 ラッチ補強部材
51 第四ビード部
Claims (10)
- ドア本体と、
前記ドア本体に設けられたラッチ機構と、
前記ラッチ機構のロック状態を切り替えるキーシリンダと、
前記ドア本体のドア幅方向両端部に跨って設けられる補強部材と、
を備え、
前記補強部材は、
ドア幅方向の一部を形成する薄板部と、
ドア幅方向の他部を形成するととともに、前記薄板部よりも大きい板厚を呈する厚板部と、
を備え、
前記キーシリンダは、前記厚板部に取り付けられており、
前記薄板部は、ドア幅方向に延びる第一ビード部を備え、
前記厚板部は、ドア幅方向に延びるとともに、前記第一ビード部と連続する第二ビード部を備える
ことを特徴とする車両用ドア。 - 前記第一ビード部は、一対の第一フランジと、前記一対の第一フランジを連結するとともに、前記一対の第一フランジよりも車両内外方向のいずれかに突出する第一凸部と、を備えることによって断面ハット形状を呈し、
前記第二ビード部は、一対の第二フランジと、前記一対の第二フランジを連結するとともに、前記一対の第二フランジよりも車両内外方向のいずれかに突出する第二凸部と、を備えることによって断面ハット形状を呈し、
前記第一ビード部と前記第二ビード部とは、車両内外方向の同じ方向に突出しており、
前記一対の第一フランジと前記一対の第二フランジとが互いに接合されており、前記第一凸部と前記第二凸部とが重ね合わされている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア。 - 前記厚板部は、前記第二凸部に形成されて前記第二フランジ側に突出し、ドア幅方向に延びる第三ビード部を備え、
前記キーシリンダは、前記一対の第二フランジの一方と前記第三ビード部との間において前記厚板部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア。 - 前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、
前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、
前記一対の第一フランジの少なくとも一方、及び、前記一対の第二フランジの少なくとも一方は、前記アウタパネルと当接する外表補強部を備える
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用ドア。 - 前記ラッチ機構の前記ドア本体に対する取付部を補強するラッチ補強部材を備え、
前記厚板部は、前記ラッチ補強部材に連結される
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドア。 - 前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、
前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、
前記インナパネルは、車両幅方向に延びる面を備え、
前記厚板部は、車両幅方向に延びる折曲部を備え、
前記ラッチ補強部材は、前記インナパネルの前記車両幅方向に延びる面と連結される部位と、前記厚板部の前記折曲部と連結される部位と、を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用ドア。 - 前記厚板部は、前記第二凸部に形成されて前記第二フランジ側に突出し、ドア幅方向に延びる第三ビード部を備え、
前記ラッチ補強部材は、前記第三ビード部と連続する第四ビード部を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の車両用ドア。 - 前記第三ビード部と前記第四ビード部とは、互いに離間する方向に突出する
ことを特徴とする請求項7に記載の車両用ドア。 - ドア本体と、
前記ドア本体に設けられたラッチ機構と、
前記ラッチ機構のロック状態を切り替えるキーシリンダと、
前記ドア本体のドア幅方向両端部に跨って設けられる補強部材と、
前記ラッチ機構の前記ドア本体に対する取付部を補強するラッチ補強部材と、
を備え、
前記補強部材は、
ドア幅方向の一部を形成する薄板部と、
ドア幅方向の他部を形成するととともに、前記薄板部よりも大きい板厚を呈する厚板部と、
を備え、
前記キーシリンダは、前記厚板部に取り付けられており、
前記厚板部は、前記ラッチ補強部材に連結される
ことを特徴とする車両用ドア。 - 前記ドア本体は、外表面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの車両幅方向内側に設けられるインナパネルと、を備え、
前記補強部材は、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間において前記インナパネルのドア幅方向両端部に跨って設けられており、
前記インナパネルは、車両幅方向に延びる面を備え、
前記厚板部は、車両幅方向に延びる折曲部を備え、
前記ラッチ補強部材は、前記インナパネルの前記車両幅方向に延びる面と連結される部位と、前記厚板部の前記折曲部と連結される部位と、を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の車両用ドア。
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