JP6084445B2 - 自動車の合せ部構造 - Google Patents

Description

本発明は、自動車のインストルメントパネル（以下、インパネと記す）に形成されたクラスタパネル配設用の開口部の周縁部と、該開口部に配設されたクラスタパネルの外周縁部との合せ部構造に関する。

インパネとクラスタパネルとの合せ部構造として、従来、例えば、インパネの開口周縁部の上面に対してクラスタパネルの周縁部の上面を一段下げた構造がある。またインパネの上面に対してクラスタパネルの前端上面を上方に位置させるとともに、前端縁のパーティングラインをクラスタ上面側に配設したものがある（特許文献１参照）。

特許第３７１１８１２号公報

前記インパネとクラスタパネルとの合せ部構造においては、合せ部の見栄えを確保できること、手で触れても傷を負わない、つまり危害性が低いこと、金型構造が複雑にならないこと等が要請される。しかし前記従来の合せ部構造では、部品精度のバラツキによって見栄えが低下し、またパーティングラインの段差による見栄え悪化を回避するために金型の高い精度管理が必要となり、さらにクラスタパネルの端末部を触ると場合によっては傷を負う可能性があり、危害性が低くないという問題がある。

本発明は前記従来の状況に鑑みてなされたものであり、合せ部の見栄えの悪化を回避でき、金型の精度管理が容易であり、さらに危害性が低い自動車の合せ部構造を提供することを課題としている。

本発明は、インパネに形成された開口部の周縁部と、該開口部内に配設され、車載部品を保持するクラスタパネルの外周縁部とを位置合わせする自動車の合せ部構造において、
前記インパネの開口周縁部の外表面に対して前記クラスタパネルの外周縁部の外表面を外方に位置させ、前記クラスタパネルの外周縁部のパーティングラインを、該クラスタパネルの外周端面の前記インパネの外表面より外方に位置するよう設定し、かつ前記クラスタパネルの外周縁部に、前記外周端面の前記インパネの外表面より外方部分から前記外周縁部の外表面に渡る面取り部を形成したことを特徴としている。

本発明に係る合せ部構造によれば、インパネの開口周縁部の外表面に対してクラスタパネルの外周縁部の外表面を外方に位置させたので、両部品の精度にバラツキがあっても、着座した乗員の視線からは前記インパネの開口周縁部とクラスタパネルの外周縁部との段差，あるいは隙間が見えにくいので、見栄えを良好にできる。

また、クラスタパネルの外周縁部のパーティングラインを該クラスタパネルの外周端面に位置させたので、パーティングライン部分に段差が生じることはなく、この点からも見栄えを良好にできる。また金型の合せが容易であり、金型の構造を簡素化できる。

さらにまた、前記クラスタパネルの外周縁部に、前記外周端面から前記外周縁部の外表面に渡るように面取り部を形成したので、クラスタパネルの外周端末は必然的に鈍角となるため触っても傷を負うことはなく、危害性が低いという効果がある。

本発明の実施例１に係る自動車の合せ部構造を説明するための正面図である。 前記合せ部構造の断面側面図（図１のII-II線断面図）である。 前記合せ部構造の断面側面図（図１のIII-III線断面図）である。 前記合せ部構造の断面側面図（図２、図３のIV部分拡大図）である。

以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

図１〜図４は本発明の実施例１に係る自動車の合せ部構造を説明するための図である。

図において、１は車室前方に配設されたダッシュボードに設けられ、各種の計器類を支持するための樹脂製のインパネである。該インパネ１には、上，下横辺部１ｇ，１ｇ′と左，右縦辺部１ｈ，１ｈ′からなる略台形状のクラスタ開口部１ａが形成されている。このクラスタ開口部１ａには、上，下横辺部２ｊ，２ｊ′と左，右縦辺部２ｋ，２ｋ′からなる略台形状で、樹脂製のクラスタパネル２が配設されている。

前記クラスタパネル２は、裏面に突設された複数の係止片２ｄ，２ｅ，２ｆを前記インパネ１に形成された係止穴１ｂ，１ｃ，１ｄに係止させることにより、該インパネ１に取り付けられている。

前記クラスタパネル２は、複数の車載部品をまとめて支持するためのものであり、本実施例のクラスタパネル２には、ナビゲータ３を支持するナビ開口２ａ，空調機の空気吹き出し口４を支持する吹き出し開口２ｂ，ハザードスイッチ４を支持するハザード開口２ｃが形成されている。

前記インパネ１に形成されたクラスタ開口部１ａの上横辺部１ｇの周縁部１ｅと、前記クラスタパネル２の上横辺部２ｊの外周縁部２ｇとの合せ部に本実施例１に係る合せ部構造が適用されている。

前記合せ部構造では、前記クラスタパネル２の外周縁部２ｇの外表面ｂは、前記インパネ１のクラスタ開口部１ａの周縁部１ｅの外表面ａに対してｈ１だけ外方（上方）に位置している。

また、前記クラスタパネル２の外周縁部２ｇのパーティングラインＰＬは、該クラスタパネル２の外周端面２ｈに位置している。なお、パーティングラインＰＬとは、樹脂成形用に分割された第１金型６ａと第２金型６ｂとの分割ラインを意味している。

さらにまた、前記クラスタパネル２の外周縁部２ｇには、前記外周端面２ｈの前記インパネ１の外表面ａより少し高い部分から前記外周縁部２ｇの外表面ｂに渡るように、高さｈ２をなす面取り部２ｉが形成されている。前記外周端面２ｈと面取り部２ｉとがなす挟み角αは例えば１２０°程度の鈍角をなしており、かつ面取り部２ｉ前記外周縁部２ｇの外表面ｂとがなす挟み角βは例えば１５０°程度の鈍角をなしている。なお、前記挟み角βの部分に前記面取り部２ｉに沿う直線及び前記外表面ｂに沿う直線を接線とする円弧面（Ｒ部）を形成しても良い。

本実施例１に係る合せ部構造によれば、インパネ１のクラスタ開口部１ａの周縁部１ｅの外表面ａに対してクラスタパネル２の外周縁部２ｇの外表面ｂを外方（上方）に位置させたので、両部品の精度にバラツキがあっても、着座した乗員の視線Ｅからは前記インパネ１のクラスタ開口部１ａの周縁部１ｅとクラスタパネル２の外周縁部２ｇとの段差ｈ３，あるいは隙間ｄが見えにくいので、見栄えが良好である。

また、クラスタパネル２の外周縁部２ｇのパーティングラインＰＬを該クラスタパネル２の外周端面２ｈに位置させたので、パーティングラインＰＬの部分に段差が生じることはなく、この点からも見栄えを良好にでき、また金型の合せが容易であり、金型の構造を簡素化できる。なお、前記パーティングラインＰＬよりクラスタパネル２側に位置している第２金型６ｂの型抜き方向は前記面取り部２ｉの傾斜角より図４で斜め上方に大きく設定される。

さらにまた、前記クラスタパネル２の外周縁部２ｇに、前記外周端面２ｈから前記外周縁部２ｇの外表面ｂに渡る面取り部２ｉを形成したので、クラスタパネル２の外周端末は必然的に角度αのような鈍角となるため触っても傷を負うことはなく、危害性が低いという効果がある。

なお、前記実施例ではクラスタ開口部１ａの上横辺部１ｇとクラスタパネル２の上横辺部２ｊとに本発明の合せ部構造を適用した場合を説明したが、本発明に係る合せ部構造は、クラスタ開口部１ａの、下横辺部１ｇ′とクラスタパネル２の下横辺部２ｊ′との合せ部にも勿論適用可能であり、さらに左横辺部１ｈと２kとの合せ部、及び右横辺部1ｈ′と2k′との合せ部にも適用できる。

１ インパネ
１ａ クラスタ開口部
１ｅ 周縁部
２ クラスタパネル
２ｇ 周縁部
２ｈ クラスタパネルの外周端面
２ｉ 面取り部
３，４，５ ナビゲータ，吹き出し口，ハザードスイッチ（車載部品）
ａ インパネの外表面
ｂ クラスタパネルの外表面
ＰＬ パーティングライン

Claims (1)

1. インパネに形成された開口部の周縁部と、該開口部内に配設され、車載部品を保持するクラスタパネルの外周縁部とを位置合わせする自動車の合せ部構造において、
   前記インパネの開口周縁部の外表面に対して前記クラスタパネルの外周縁部の外表面を外方に位置させ、
   前記クラスタパネルの外周縁部のパーティングラインを、該クラスタパネルの外周端面の前記インパネの外表面より外方に位置するよう設定し、
   かつ前記クラスタパネルの外周縁部に、前記外周端面の前記インパネの外表面より外方部分から前記外周縁部の外表面に渡る面取り部を形成した
   ことを特徴とする自動車の合せ部構造。

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