JP2005288774A - 樹脂部品の合わせ部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 樹脂部材同士で合わせ面を形成する場合に、スライド型を用いることなく、引っかかり感を取り除く樹脂部材の合わせ部構造を提供すること。
【解決手段】 自動車の樹脂製のインストルメントパネル1に、別成形の樹脂製の収納ボックス5を取付け、これらインストルメントパネル1と収納ボックス5の合わせ部に各々の面を並べ、合わせ面7を形成している。合わせ面7に配置されたインストルメントパネル1と収納ボックス5の合わせ面7のうち、インストルメントパネル1側の角8が成形型のパーティングライン部(PL1)で形成し、収納ボックス5の角10が非パーティングライン部(PL3)で形成されている。一方の角8と他方の角10のあわせ面7に段差を形成し、他方の角10を有する面を一方の角8を有する面よりも面上に突出させた。
【選択図】 図5
【解決手段】 自動車の樹脂製のインストルメントパネル1に、別成形の樹脂製の収納ボックス5を取付け、これらインストルメントパネル1と収納ボックス5の合わせ部に各々の面を並べ、合わせ面7を形成している。合わせ面7に配置されたインストルメントパネル1と収納ボックス5の合わせ面7のうち、インストルメントパネル1側の角8が成形型のパーティングライン部(PL1)で形成し、収納ボックス5の角10が非パーティングライン部(PL3)で形成されている。一方の角8と他方の角10のあわせ面7に段差を形成し、他方の角10を有する面を一方の角8を有する面よりも面上に突出させた。
【選択図】 図5
Description
本発明は、樹脂部材の成形時に、成形型の分割部に対応して成形品に形成されるパーティングラインの引っかかり感を無くした樹脂部材の合わせ部構造に関する。
樹脂部材の成形は、固定型と可動型とに分割された成形型(型締め装置)と、射出成形機とにより行われる。射出成形機は、原料となる樹脂材料を溶融し、射出成形機から成形型の内部に樹脂材料を注入する。この際、固定型と可動型は加圧力により固定されているが、樹脂原料が高圧力で成形型内に注入されるので、固定型と可動型との分割部分に対応する位置で成形された樹脂部品の表面にパーティングライン(以下、PLともいう)と呼ばれる線条のものが形成される。これが顕著に現れたものがバリである。なお、本明細書では、パーティングラインの用語は、成形型の分割部で形成される樹脂製品の線条(角部に形成されるものも含む)の他、成形型の分割部分にも用いる。
自動車の前席の前方には、自動車の速度計や走行距離計などの計器が装着されるインストルメントパネル(以下、インパネともいう)が配設され。インパネには成形型と射出成形機により形成した樹脂製のものが多用される。
図8は、従来のインパネ51を示す。インパネ51の前面には、図9に示す収納ケース52を取付けるための開口53が形成されている。この開口53部の周縁には、ボス54が上下左右に4箇所設けられ、ボス54にスクリュー55が螺合して、収納ケース52がインパネ51に装着される。この収納ケース52は、計器類を装着するケースボックスである。
収納ケース52は、車体に対して前側に位置する本体56と後側の蓋体57から構成される。両者の合わせ部58には、図10に示すように、蓋体57側に凹部59を形成し、凹部59に本体56の突部60を嵌め込むようにしている。これらの本体56及び蓋体57は、各々が型により樹脂で成形される。
実開昭64−52817号公報 (図1、図2、図6参照)
図8は、従来のインパネ51を示す。インパネ51の前面には、図9に示す収納ケース52を取付けるための開口53が形成されている。この開口53部の周縁には、ボス54が上下左右に4箇所設けられ、ボス54にスクリュー55が螺合して、収納ケース52がインパネ51に装着される。この収納ケース52は、計器類を装着するケースボックスである。
収納ケース52は、車体に対して前側に位置する本体56と後側の蓋体57から構成される。両者の合わせ部58には、図10に示すように、蓋体57側に凹部59を形成し、凹部59に本体56の突部60を嵌め込むようにしている。これらの本体56及び蓋体57は、各々が型により樹脂で成形される。
上述したように、成形型で成形すると、分割面が樹脂成形品の平面を形成すれば、製品面にパーティングラインが形成される。とくに、樹脂製品の角が図10に示すようなパーティングライン(PL)に対応すると、この部分に尖ったような引っかかり感(エッジ感)が生じ、さらに上述したようにバリが生じたりする。なお、パーティングラインの位置によっては、樹脂製品の平面に形成されるが、本発明では、これは問題とせず、角部に形成されたパーティングラインを問題とする。また、目視して板状のバリと分かるものは、対象とせず、触感で分かるものを対象としている。なお、成形型の分割部分に対応しない部分で成形した角部、すなわち一方の固定型(または可動型)のみで形成した角部は、閉じた部分であるので、製品にバリなどが生じる要素が無く、角であっても、引っかかり感が生じない。
したがって、図10に示すように、PL部で形成された本体56や蓋体57の角部を成形し、これをインパネ51の表面側に設けると、乗員の手が触れて引っかかり感が生じ、好ましくない。
したがって、図10に示すように、PL部で形成された本体56や蓋体57の角部を成形し、これをインパネ51の表面側に設けると、乗員の手が触れて引っかかり感が生じ、好ましくない。
また、インパネ51には小物入れが配設されているものがある。例えば、図5に示すように、小物入れ2がインパネ1と収納ボックス5とで形成され、収納ボックス5とインパネ1の合わせ部が小物入れ2の内部に配設されているものは、PL部が小物入れ2の内面にあるため、小物の出し入れの際に、乗員がPL部に触れて、引っかかりを感じたり、小物の材質によっては小物に傷が生じるおそれが、従来ではあった。
対策として、樹脂部材の合わせ部にPLが生じないように、成形型にスライド型を用いて防止しているが、スライド型は型形状が複雑となり、製品コストが高くなる問題点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、樹脂部材の面同士を並べて合わせ面を形成する場合に、スライド型を用いることなく、引っかかり感を取り除く樹脂部材の合わせ部構造を提供することにある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、樹脂部材の面同士を並べて合わせ面を形成する場合に、スライド型を用いることなく、引っかかり感を取り除く樹脂部材の合わせ部構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、成形型で成形される一方の樹脂部材に他方の樹脂部材を取付け、これらの樹脂部材の合わせ部で、樹脂部材の各々の面を面方向へ並べて合わせ面を形成した樹脂部材の合わせ部構造において、前記合わせ面に配置された樹脂部材の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、前記一方の角部と他方の角部の合わせ面に段差を形成し、他方の角部を一方の角部を有する面上よりも突出させている。
また、本発明は、自動車の樹脂製のインストルメントパネルに小物入れが設けられ、該小物入れがインストルメントパネルの一部と、該インストルメントパネルと別成形される樹脂製の収納ボックスとで形成され、これらインストルメントパネルと収納ボックスの合わせ部の合わせ面を、前記小物入れの収納部内に並べて配置した樹脂部材の合わせ部構造において、前記合わせ面の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、前記インストルメントパネル側の一方の角部と収納ボックス側の他方の角部のあわせ面に段差を形成し、収納ボックスの角部をインストルメントパネルの角部を有する面よりも面上に突出させている。
上記各樹脂部材の合わせ部構造は、前記他方の角部の合わせ面の合わせ部に凹部を形成し、該凹部内に前記一方の合わせ面の合わせ部を連結することができる。
本発明において、パーティングライン部とは、成形型の分割部に対応する部分で成形される部分をいい、非パーティングライン部とは成形型の分割部に対応しない部分で成形される部分をいう。
また、本発明は、自動車の樹脂製のインストルメントパネルに小物入れが設けられ、該小物入れがインストルメントパネルの一部と、該インストルメントパネルと別成形される樹脂製の収納ボックスとで形成され、これらインストルメントパネルと収納ボックスの合わせ部の合わせ面を、前記小物入れの収納部内に並べて配置した樹脂部材の合わせ部構造において、前記合わせ面の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、前記インストルメントパネル側の一方の角部と収納ボックス側の他方の角部のあわせ面に段差を形成し、収納ボックスの角部をインストルメントパネルの角部を有する面よりも面上に突出させている。
上記各樹脂部材の合わせ部構造は、前記他方の角部の合わせ面の合わせ部に凹部を形成し、該凹部内に前記一方の合わせ面の合わせ部を連結することができる。
本発明において、パーティングライン部とは、成形型の分割部に対応する部分で成形される部分をいい、非パーティングライン部とは成形型の分割部に対応しない部分で成形される部分をいう。
本発明の樹脂部材のあわせ部構造は、成形型で成形される一方の樹脂部材に他方の樹脂部材を取付け、これらの樹脂部材の合わせ部で、樹脂部材の各々の面を横方向へ並べて合わせ面を形成した樹脂部材の合わせ部構造において、前記合わせ面に配置された樹脂部材の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、前記一方の角部と他方の角部の合わせ面に段差を形成し、他方の角部を有する面を一方の角部を有する面上よりも突出させたので、パーティングラインが乗員の指先に触れることがないので、エッジ感をなくすことができる。スライド型を使用する必要がなく、型の複雑化を防止できる。手の触感の効果だけでなく、収納物の引っかかりの防止を図ることができる。段差により位置決めが確実にできる。
また、本発明の樹脂部材の合わせ部構造は、自動車の樹脂製のインストルメントパネルに小物入れが設けられ、該小物入れがインストルメントパネルの一部と、該インストルメントパネルと別成形される樹脂製の収納ボックスとで形成され、これらインストルメントパネルと収納ボックスの合わせ部の合わせ面が、前記小物入れの収納部内に並べて配置した樹脂部材の合わせ部構造において、前記合わせ面の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、前記インストルメントパネル側の一方の角部と収納ボックス側の他方の角部のあわせ面に段差を形成し、収納ボックスの角部を有する面をインストルメントパネルの角部を有する面よりも面上に突出させたので、自動車のインストルメントパネルの小物入れの表面に形成されているパーティングラインが乗員の指先に触れることがないので、エッジ感をなくすことができる。スライド型を使用する必要がなく、型の複雑化を防止できる。手の触感の効果だけでなく、収納物の引っかかりを防止できる。段差により位置決めを確実にできる。また、収納ボックスに収納する小物の材質によっては、パーティングラインに触れると傷が付くおそれがあるが、これを防止できる。
前記他方の角部の合わせ面の合わせ部に凹部を形成し、該凹部内に前記一方の合わせ面の合わせ部を連結したので、樹脂部材(インパネと収納ボックス)の合わせ部の他方に凹部を形成することにより、合わせ部をはめ込み式にして、樹脂部材の取付けをより強固にすることができ、他方の角部を一方の角部よりも容易に突出させることができる。
また、本発明の樹脂部材の合わせ部構造は、自動車の樹脂製のインストルメントパネルに小物入れが設けられ、該小物入れがインストルメントパネルの一部と、該インストルメントパネルと別成形される樹脂製の収納ボックスとで形成され、これらインストルメントパネルと収納ボックスの合わせ部の合わせ面が、前記小物入れの収納部内に並べて配置した樹脂部材の合わせ部構造において、前記合わせ面の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、前記インストルメントパネル側の一方の角部と収納ボックス側の他方の角部のあわせ面に段差を形成し、収納ボックスの角部を有する面をインストルメントパネルの角部を有する面よりも面上に突出させたので、自動車のインストルメントパネルの小物入れの表面に形成されているパーティングラインが乗員の指先に触れることがないので、エッジ感をなくすことができる。スライド型を使用する必要がなく、型の複雑化を防止できる。手の触感の効果だけでなく、収納物の引っかかりを防止できる。段差により位置決めを確実にできる。また、収納ボックスに収納する小物の材質によっては、パーティングラインに触れると傷が付くおそれがあるが、これを防止できる。
前記他方の角部の合わせ面の合わせ部に凹部を形成し、該凹部内に前記一方の合わせ面の合わせ部を連結したので、樹脂部材(インパネと収納ボックス)の合わせ部の他方に凹部を形成することにより、合わせ部をはめ込み式にして、樹脂部材の取付けをより強固にすることができ、他方の角部を一方の角部よりも容易に突出させることができる。
以下、本発明の実施の形態における樹脂部材の合わせ部構造について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書で用いる前後の記載は、車体の前後を示す。
図1は、インパネの全体斜視図であり、図2は小物入れを取り外した状態のインパネの分解斜視図であり、図3は図1のA−A線における断面拡大図である。
自動車のインパネ1には、運転席側の右下部に小物入れ2が配設され、小物入れ2は、インパネ1の一部とこのインパネ1と別部材で成形された収納ボックス5により構成されている。図2に示すように、インパネ1には小物入れ2の取出し口を形成する開口1aが形成され、この開口1a部に、図3に示すように、車体の前方側に突出する小物入れ2の入り口部4が形成されている。小物入れ2は、インパネ1の入り口部4に、図4に示す収納ボックス5を連結することにより形成され、図5に示すように、入り口部4の前端周部に収納ボックス5の開口部を嵌め合わせることによりこれらを連結している。インパネ1及び収納ボックス5は共に樹脂製であり、両者共に別の成形型により形成される。
図1は、インパネの全体斜視図であり、図2は小物入れを取り外した状態のインパネの分解斜視図であり、図3は図1のA−A線における断面拡大図である。
自動車のインパネ1には、運転席側の右下部に小物入れ2が配設され、小物入れ2は、インパネ1の一部とこのインパネ1と別部材で成形された収納ボックス5により構成されている。図2に示すように、インパネ1には小物入れ2の取出し口を形成する開口1aが形成され、この開口1a部に、図3に示すように、車体の前方側に突出する小物入れ2の入り口部4が形成されている。小物入れ2は、インパネ1の入り口部4に、図4に示す収納ボックス5を連結することにより形成され、図5に示すように、入り口部4の前端周部に収納ボックス5の開口部を嵌め合わせることによりこれらを連結している。インパネ1及び収納ボックス5は共に樹脂製であり、両者共に別の成形型により形成される。
インパネ1の入り口部4と収納ボックス5の合わせ面7は、入り口部4の先端(前端)部を切り欠いた形状の突部7aを形成し、これに対応して、収納ボックス5には先端(後端)部を略二股に分岐して凹部7bを形成する。そして、突部7aに凹部7bを嵌め込むことにより、収納ボックス5が入り口部4に組付けられる。こうして、入り口部4と収納ボックス5とからなる合わせ面7を形成している。この合わせ面7は、入り口部4側よりも、収納ボックス5側を、小物入れ2の内方(面上)側へ厚さtだけ突出させている。(図5参照)
図4及び図5に示すように、収納ボックス5の左右両サイドには、収納ボックス5の前方から左右外側に突出する取付アーム13a,13bを一体成形により設けている。取付アーム13a,13bは、スクリュネジによりインパネ1の裏面側に形成したボス部(図示せず)に固定され、収納ボックス5がインパネ1に固定される。
収納ボックス5の底部両サイドには、フードオープナ14を取付ける舌片15が設けられ、舌片15と収納ボックス5の底部にわたって補強リブ16が設けられている。舌片15には、フードオープナ14のロッド14aを貫通させる貫通溝15aとスクリューの取付孔15bを形成している。フードオープナ14は、ロッド14aの後端側につまみ14bを取付け、また、ロッド14aの中間位置には、2枚の板部を間隔を開けて有するオープナの支持部材14cを設け、その2枚の板の間に、収納ボックス5の舌片15を挟持している。
収納ボックス5の底部両サイドには、フードオープナ14を取付ける舌片15が設けられ、舌片15と収納ボックス5の底部にわたって補強リブ16が設けられている。舌片15には、フードオープナ14のロッド14aを貫通させる貫通溝15aとスクリューの取付孔15bを形成している。フードオープナ14は、ロッド14aの後端側につまみ14bを取付け、また、ロッド14aの中間位置には、2枚の板部を間隔を開けて有するオープナの支持部材14cを設け、その2枚の板の間に、収納ボックス5の舌片15を挟持している。
次に、入り口部4と収納ボックス5の合わせ面7の成形方法について説明する。
図6は、インパネ1の小物入れ2の開口3部及び入り口部4の周辺の断面形状と、インパネ1を成形する成形型A,Bを示す。いずれが、固定型であっても可動型であってもよい。インパネ1は、そのインパネ1の基本面6から筒状に入り口部4を車体の前方側へ突出させて、その前端縁の前周部に突部7aを形成している。突部7aに対する小物入れ2の内面側は、成形型A,Bの分割部に位置し、突起7aの基端部にある角8は、パーティングライン(PL1)に沿って形成される。角8は成形型A,Bの分割部にあるため、成形型A,Bの隙間に樹脂材料が入り込んだときに、パーティングラインが生じる箇所である。
図6は、インパネ1の小物入れ2の開口3部及び入り口部4の周辺の断面形状と、インパネ1を成形する成形型A,Bを示す。いずれが、固定型であっても可動型であってもよい。インパネ1は、そのインパネ1の基本面6から筒状に入り口部4を車体の前方側へ突出させて、その前端縁の前周部に突部7aを形成している。突部7aに対する小物入れ2の内面側は、成形型A,Bの分割部に位置し、突起7aの基端部にある角8は、パーティングライン(PL1)に沿って形成される。角8は成形型A,Bの分割部にあるため、成形型A,Bの隙間に樹脂材料が入り込んだときに、パーティングラインが生じる箇所である。
他方、収納ボックス5は図7に示すように、成形型C,Dを用いて形成し、収納ボックス5の内面側が成形型Cにより形成され、外面側が成形型Dによって形成される。よって、収納ボックス5はその内側と外側の境界部となる角9が、パーティングライン(PL2)となり、この部分は、引っかかり感が生じる部位である。収納ボックス5の内周面側に位置する角10は、成形型の分割部でなく、非パーティングライン(非PL3)で形成される。この角10は、成形型Cの内部に設けられた角部により形成されるため、成形型同士の分割部により生じるエッジ(バリ)のようなものは発生しない。よって、角10に触れても引っかかり感が生じない。
また、収納ボックス5の開口側の先端部は、周部全体がほぼ二股形状に分岐し、凹部(窪み)7bを形成している。凹部7bの断面形状は、インパネ1の突部7aの先端部が、嵌め合わせできるような形状に形成しているので、突部7aと角8間の段部12の厚さtの大きさを小さくしても角10を角8よりも突出させることができる(図5参照)。
また、収納ボックス5の開口側の先端部は、周部全体がほぼ二股形状に分岐し、凹部(窪み)7bを形成している。凹部7bの断面形状は、インパネ1の突部7aの先端部が、嵌め合わせできるような形状に形成しているので、突部7aと角8間の段部12の厚さtの大きさを小さくしても角10を角8よりも突出させることができる(図5参照)。
図5に示すように、インパネ1側の突部7aと収納ボックス5側の凹部7bを組付けた状態で、入り口部4と収納ボックス5とで形成した連続面としての合わせ面7には、小物入れ2の周部全体に僅かな段差12を形成している。段差12は、パーティングライン(PL1)で形成される角8よりも、非パーティングライン(PL3)を有する角10が突出するように、すなわち収納ボックス5の合わせ面7側が、入り口部4側の合わせ面7よりも小物入れ2の内方側に突出するように形成する。また、段差の厚さtは、全周部で均等になるようにすることが好ましい。
インパネ1と収納ボックス5が取付けられた状態で、小物入れ2の合わせ面7が、角8のパーティングライン(PL1)と角10の非パーティングライン(PL3)が小物入れ2の内周面に露出する。しかしながら、角8の高さが、角10の高さよりも低いので、乗員が小物を出し入れする場合に、パーティングライン(PL1)に触れることがない。すなわち、角8よりも角10が内方へ突出しているので、角10に触れることになるが、角10は非パーティングライン(PL3)であるので、表面が滑らかであり乗員が触れても違和感がなく、小物の出し入れ時に、小物が引っかかるようなことがない。小物の材料によっては、パーティングラインに接触すると表面に傷がつくような材質もあるが、その傷つきを防止することができる。
このように、本発明は、パーティングライン部に生じた線条に対して表面処理をすることなく、またスライド型を使用しないで、インパネ1の製造コストが安くなる。なお、収納ボックス5の角9は、パーティングライン(PL2)であるが、インパネ1の裏側に位置するので、乗員が触れることなく、問題が生じない。
このように、本発明は、パーティングライン部に生じた線条に対して表面処理をすることなく、またスライド型を使用しないで、インパネ1の製造コストが安くなる。なお、収納ボックス5の角9は、パーティングライン(PL2)であるが、インパネ1の裏側に位置するので、乗員が触れることなく、問題が生じない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は勿論、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、インパネ1とインパネ1に取付けた収納ボックス5との合わせ部を対象としたが、樹脂部品同士の結合部であれば、他のインパネ1以外の製品の結合部にも適用が可能である。また、小物入れのように、袋状の内周面でなく、インパネ1の表面に現れる板面同士の合わせ部に適用してもよい。
小物入れ2の内周面にて、インパネ1側にパーティングライン(PL1)が位置するように配置したが、収納ボックス5側にパーティングラインを設け、インパネ1側に非パーティングラインが位置するように配置してもよい。但し、段差12はインパネ1側の合わせ面7が、小物入れ2の内周側へ突出するように配置する。
以上述べた変形例でも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
例えば、上記実施形態では、インパネ1とインパネ1に取付けた収納ボックス5との合わせ部を対象としたが、樹脂部品同士の結合部であれば、他のインパネ1以外の製品の結合部にも適用が可能である。また、小物入れのように、袋状の内周面でなく、インパネ1の表面に現れる板面同士の合わせ部に適用してもよい。
小物入れ2の内周面にて、インパネ1側にパーティングライン(PL1)が位置するように配置したが、収納ボックス5側にパーティングラインを設け、インパネ1側に非パーティングラインが位置するように配置してもよい。但し、段差12はインパネ1側の合わせ面7が、小物入れ2の内周側へ突出するように配置する。
以上述べた変形例でも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、自動車のインパネのみならず機械や製品のケーシング、その他プラスチックモデルなど樹脂部材の合わせ部に対して幅広く産業上の利用性がある。
1 インストルメントパネル(インパネ)
2 小物入れ
4 入り口部
5 収納ボックス
6 基本面
7 合わせ面
7a 突部
7b 凹部
8,9 角(パーティングライン部で形成)
10 角(非パーティングライン部で形成)
12 段差
2 小物入れ
4 入り口部
5 収納ボックス
6 基本面
7 合わせ面
7a 突部
7b 凹部
8,9 角(パーティングライン部で形成)
10 角(非パーティングライン部で形成)
12 段差
Claims (3)
- 成形型で成形される一方の樹脂部材に他方の樹脂部材を取付け、これらの樹脂部材の合わせ部で、樹脂部材の各々の面を面方向へ並べて合わせ面を形成した樹脂部材の合わせ部構造において、
前記合わせ面に配置された樹脂部材の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、
前記一方の角部と他方の角部の合わせ面に段差を形成し、他方の角部を一方の角部を有する面上よりも突出させたことを特徴とする樹脂部材の合わせ部構造。 - 自動車の樹脂製のインストルメントパネルに小物入れが設けられ、該小物入れがインストルメントパネルの一部と、該インストルメントパネルと別成形される樹脂製の収納ボックスとで形成され、これらインストルメントパネルと収納ボックスの合わせ部の合わせ面を、前記小物入れの収納部内に並べて配置した樹脂部材の合わせ部構造において、
前記合わせ面の一方の角部を成形型のパーティングライン部で形成し、他方の角部を成形型の非パーティングライン部で形成し、
前記インストルメントパネル側の一方の角部と収納ボックス側の他方の角部のあわせ面に段差を形成し、収納ボックスの角部をインストルメントパネルの角部を有する面よりも面上に突出させたことを特徴とする樹脂部材の合わせ部構造。 - 前記他方の角部の合わせ面の合わせ部に凹部を形成し、該凹部内に前記一方の合わせ面の合わせ部を連結した請求項1又は2に記載の樹脂部材の合わせ部構造。
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JP2004104485A JP2005288774A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 樹脂部品の合わせ部構造 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008162403A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Kyoraku Co Ltd | フォークリフト用インストルメントパネル |
JP2014104886A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Daihatsu Motor Co Ltd | 自動車の合せ部構造 |
JP2015085793A (ja) * | 2013-10-30 | 2015-05-07 | ダイハツ工業株式会社 | 収納部構造 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004104485A patent/JP2005288774A/ja active Pending
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JP2014104886A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Daihatsu Motor Co Ltd | 自動車の合せ部構造 |
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