JP6082347B2 - ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療 - Google Patents

ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療 Download PDF

Info

Publication number
JP6082347B2
JP6082347B2 JP2013526475A JP2013526475A JP6082347B2 JP 6082347 B2 JP6082347 B2 JP 6082347B2 JP 2013526475 A JP2013526475 A JP 2013526475A JP 2013526475 A JP2013526475 A JP 2013526475A JP 6082347 B2 JP6082347 B2 JP 6082347B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
treatment
linking group
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013526475A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013540713A (ja
JP2013540713A5 (ja
Inventor
フェウエハーム, アストリド ジュルムストロ
フェウエハーム, アストリド ジュルムストロ
ベリト ヨハンセン,
ベリト ヨハンセン,
Original Assignee
アヴェクシン エーエス
アヴェクシン エーエス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アヴェクシン エーエス, アヴェクシン エーエス filed Critical アヴェクシン エーエス
Publication of JP2013540713A publication Critical patent/JP2013540713A/ja
Publication of JP2013540713A5 publication Critical patent/JP2013540713A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6082347B2 publication Critical patent/JP6082347B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C323/00Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups
    • C07C323/22Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and doubly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/12Ketones
    • A61K31/121Ketones acyclic
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/131Amines acyclic
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • A61P29/02Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID] without antiinflammatory effect
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/76Esters of carboxylic acids having a carboxyl group bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C69/84Esters of carboxylic acids having a carboxyl group bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring of monocyclic hydroxy carboxylic acids, the hydroxy groups and the carboxyl groups of which are bound to carbon atoms of a six-membered aromatic ring
    • C07C69/92Esters of carboxylic acids having a carboxyl group bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring of monocyclic hydroxy carboxylic acids, the hydroxy groups and the carboxyl groups of which are bound to carbon atoms of a six-membered aromatic ring with etherified hydroxyl groups

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、リウマチ性関節炎及び他の慢性自己免疫疾患の治療のための特定なポリ不飽和長鎖ケトンの使用、特に、かかる治療における、カルボニル官能基に対してアルファの位置に電子求引性置換基を有するケトンに関する。
本発明者らは、リウマチ性関節炎(RA)及び関連する症状の新しい治療を探している。リウマチ性関節炎(RA)は、主に体内の複数の関節の滑膜に影響を及ぼす、後天性の、慢性の、全身性の、炎症性の疾患である。RAにおいて、免疫系は誤って滑膜を攻撃し、それに続く慢性の炎症が、軟骨及び骨の破壊による関節痛、硬直、腫脹及び関節機能の欠損を引き起こす。米国単独でも、200万人を超える人がリウマチ性関節炎を発症している。遺伝学の相互作用、すなわち、RAの引き金となる免疫遺伝学的要因と環境的要因の相互作用は、完全には理解されておらず、引き金となる関節炎誘発性の抗原はまだ確認されていない。起源に関係なく、抗原はCD4+のTヘルパー細胞を活性化し、活性化されたCD4+のTヘルパー細胞は、関節内の種々の細胞を活性化し、炎症を促進し及び分解する能力を有するサイトカインを産生する。
滑膜炎が一度起こると、サイトカインやエイコサノイドのような他の炎症性メディエーターによる自己分泌及びパラ分泌のシグナリングネットワークが、疾患を継続させ、関節を破壊するように導く。
炎症性サイトカインのTNF及びインターロイキン−1B(IL−1B)は、RAの関節の軟骨及び骨の両方の破壊に関与している。初期のRAにおいては、慢性滑膜炎は、浮腫による軟組織腫脹、滑膜細胞の過形成及び免疫活性細胞の増殖と浸潤という結果となる。滑膜炎が進行するにつれて、炎症性組織の腫瘤は、関節の表面に拡大し、滑膜及び軟骨又は肋軟骨下の骨境界にパンヌスを形成する。このパンヌスから、好中球及び滑膜細胞が軟骨及び骨の表面へ浸透し、破骨細胞と軟骨細胞の成熟化と活性化を導く。活性化された滑膜細胞は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)を含む種々のプロテアーゼを分泌することによって、また、同化の状態から異化の状態への軟骨細胞の表現型のシフトを誘導することによって、直接的に関節破壊を導き、これにより軟骨が減少し、破壊されることになる。RAが進行するにつれて、パンヌスの下にある関節の軟骨及び骨は分解する。最終的に、パンヌスは関節の空間を満たし、その結果、線維症や石灰化が起こり、最後は永久関節強直となる。
従って、炎症はRAの病理学において重要な役割を果たす。プロスタグランジン E2(PGE2)はRAにおいて非常に増加し、そしてPGE2合成を減少させる抗炎症性及び侵害受容性の有利な効果がよく認められる。炎症の初期及び中間の分子媒体は、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキンIL−1、IL−6、IL−8及びIL−15、トランスフォーミング増殖因子β、線維芽細胞成長因子並びに血小板由来成長因子を含む。一旦炎症反応が起こると、滑膜は厚くなり、軟骨及び下にある骨は崩壊し始め、関節破壊の形跡が生じる。
滑膜の線維芽細胞は、RAの増加のキーとなる細胞でもある。これらの細胞は、局所発症の中心にあるように見える。一旦活性化されると、リウマチ性関節炎の滑膜線維芽細胞は、隣接する炎症性の内皮細胞との相互作用を媒介する種々のサイトカイン、ケモカイン及びマトリックス分解酵素を産生する。これらの相互作用は、結果として、滑膜(滑膜過形成)の細胞の過剰な増殖となり、更に、軟骨及び骨が進行的に破壊される。
リウマチ性関節炎の公知の治療法はないが、多くの種類の治療が症状を軽減し、及び/又は病気の段階を緩和する。治療の目的は2つあり、現在の症状を軽減することと関節の更なる悪化を防止することである。典型的には、後者の目的は病気を緩和する抗リウマチ剤(DMARD)(これに、抗炎症薬あるいは鎮痛薬のような他の薬剤を補充することもできる)で達成される。
非ステロイド抗炎症剤(NSAID)がRAの治療に長く使われている。NSAIDは痛みや熱を軽減し、高用量では、炎症を軽減する。非ステロイド抗炎症剤(NSAID)の作用メカニズムは、一般的に、炎症部位でシクロオキシゲナーゼ(COX)の阻害に関連している。従って、非ステロイド抗炎症剤(NSAID)は、一般的に、RAを治療する場合に抗リウマチ効果を有するとは考えられていない。しかし、特定の非ステロイド抗炎症剤(NSAID)(例えばセレコキシブ)は、滑膜の線維芽細胞のアポトーシスを誘導することによって、滑膜過形成を阻害することが報告されている。
非ステロイド抗炎症剤(NSAID)や抗リウマチ剤(DMARD)のほかに、RAの患者に対する治療として最も好ましい結果を奏するのは、TNF−中和抗体である。しかし、生物製剤(例えば、TNF及びIL−6受容体に対するモノクローナル抗体並びに遺伝子組み換え可溶性TNF受容体、等)は、感染症への抵抗力の減少、癌の進行、及び生物学的治療それ自体に対する免疫性を含めて、有害な副作用を有する可能性がある。
上記の考察から明らかなように、関節炎の病理学は複雑であり、多くのマーカーがこの病気に関与している。しかし、炎症は、他の多くの病気と同様に、症状において重要な役割を果たす。本発明者らは、非ステロイド抗炎症剤(NSAID)や他の公知の治療に頼らない、RAの代替治療法を探求した。
本発明者らは、請求項に記載の化合物が、慢性の炎症性の病気一般及び特にリウマチ性関節炎の治療に可能性があることを見出した。本発明者らは、長鎖不飽和脂肪酸分子に基づくある種の化合物がリウマチ性関節炎の治療に有用であることを見出した。我々は、実施例において、本発明の化合物が、例えば、炎症性マーカーのPGE2、COX2及びIL−8との関係で種々の有利な特徴を有することを示す。これらのマーカーの阻害がリウマチ性関節炎の治療において有利であることを導き、発明に至ったことは評価に値する。
本発明者らは、これらの化合物等がリウマチ性関節炎や他の慢性の炎症性疾患の治療にも有用であることを見出した。
従って、一態様によれば、本発明は、リウマチ性関節炎の治療で使用するための、式(I)の化合物である。
R−L−CO−X (I)
(式中、Rは、S、O、N、SO、SO2から選ばれる1個以上のヘテロ原子又はヘテロ原子の群によって任意に割り込まれていてもよいC10-24不飽和炭化水素基であり、前記炭化水素基は、少なくとも4個の非共役二重結合を含み:
Lは、R基とカルボニルCOとの間に原子を1〜5個有する橋状結合を形成する連結基であり;
Xは、電子求引基である。)
本発明は、また、種々の新規化合物を提供する。別の態様によれば、本発明は式(II)の化合物を提供する。
R−L1−CO−X (II)
(式中、R及びXは、上に定義の通りであり;
L1は、R基とカルボニルCOとの間に原子を1〜5個有する橋状結合を形成する連結基であり、前記連結基の主鎖を形成する原子は炭素及び/又はヘテロ原子N、O、S、SO、SOから選ばれたものであり;
ここで、連結基L1は、主鎖の内部に環を含むか又は直鎖であり、かつ、連結基の主鎖原子は(SO又はSOの任意のオキソ基のほかに)少なくとも1個の側鎖で置換されている。)
別の態様によれば、本発明は、動物、好ましくは哺乳類、例えばヒト、に、有効量の上記の式(I)又は(II)の化合物を投与することを含む、リウマチ性関節炎の治療方法を提供する。
別の態様によれば、本発明は、リウマチ性関節炎の治療用薬剤の製造に使用するための、上記式(I)又は(II)の化合物の使用を提供する。
また、本発明の化合物は、慢性の炎症性の病気一般、好ましくはIII型過敏性の自己免疫疾患の治療に有用であると考えられる。特に、本化合物は、滑膜の慢性の炎症性の障害又は疾患の治療に用いてもよい。従って、別の態様によれば、本発明は、慢性の自己免疫疾患、好ましくはIII型過敏性の自己免疫疾患、又は滑膜の慢性の炎症性の障害若しくは疾患の治療で使用するための、式(I)の化合物である。
R−CO−X (I)
(式中、Rは、S、O、N、SO、SO2から選ばれる1個以上のヘテロ原子又はヘテロ原子の群によって任意に割り込まれていてもよいC10-24不飽和炭化水素基であり、前記炭化水素基は、少なくとも4個の非共役二重結合を含み:
Xは、電子求引基である。)
別の態様によれば、本発明は、動物、好ましくは哺乳類、例えばヒト、に、有効量の上記の式(I)又は(II)の化合物を投与することを含む、自己免疫疾患、好ましくはIII型過敏性の自己免疫疾患、又は滑膜の慢性の炎症性の障害若しくは疾患の治療方法を提供する。
別の態様によれば、本発明は、自己免疫疾患、好ましくはIII型過敏性の自己免疫疾患、又は滑膜の慢性の炎症性の障害若しくは疾患の治療用薬剤の製造に使用するための、上記式(I)又は(II)の化合物の使用を提供する。
詳細な説明
本発明は、リウマチ性関節炎及び関連する症状並びに滑膜の慢性の炎症性の障害の治療における式(I)の化合物の使用に関する。
基Rは、好ましくは、二重結合を5〜9個、好ましくは二重結合を5個又は8個、例えば、二重結合を5〜7個、例えば、二重結合を5又は6個含む。これらの結合は非共役結合であるのがよい。また、二重結合は、カルボニル官能基と共役していないことが好ましい。
基Rにおける二重結合は、シス又はトランス配置であってもよいが、存在する二重結合の大部分が(つまり、少なくとも50%)がシス配置であることが好ましい。さらに有利な実施形態では、基Rにおける二重結合が全てシス配置であるか、又はカルボニル基に最も近い二重結合がトランス配置であってもよいことを除いて全ての二重結合がシス配置である。
基Rは、炭素原子を10〜24個、好ましくは炭素原子を12〜20個、特に炭素原子を17〜19個有してもよい。
R基は、少なくとも1個のヘテロ原子又はヘテロ原子の群により割り込まれていてもよいが、これは好ましくなく、R基の主鎖は炭素原子のみを含むことが好ましい。
R基は、例えば、ハロ、メチル等のC1-6アルキル、C1-6アルコキシから選ばれる置換基を3個まで有していてもよい。存在している場合は、置換基は、好ましくは、例えばメチル基等のような無極性の小さい基である。しかしながら、R基は非置換のままであるのが好ましい。
R基は好ましくは直鎖である。これは、好ましくは、長鎖脂肪酸又はエステル等の自然源に由来することが好ましい。特に、R基は、AA、EHA、又はDHAに由来してもよい。
Lは、R基とカルボニルCOとの間に原子を1〜5個有する橋かけを形成する連結基である。連結基Lは、R基とカルボニルとの間に、主鎖原子が1〜5個の、好ましくは主鎖原子が2〜4個の橋掛け基を提供する。連結基の主鎖における原子は、炭素及び/又はN、O、S、SO、SO2等のヘテロ原子であってもよい。当該原子は環の一部を形成してもよく、連結基の主鎖原子は側鎖、例えばC1-6アルキル、オキソ、アルコキシ、又はハロ等の基で置換されていてもよい。
連結基の好ましい構成要素は、−CH2−、−CH(C1-6アルキル)−、−N(C1-6アルキル)−、−NH−、−S−、−O−、−CH=CH−、−CO−、−SO−、−SO2−であり、これらは、(化学的に意味のある)任意の順番で互いに組み合わされて連結基を形成してもよい。従って、2個のメチレン基及び1個の−S−基を使用することにより、連結基−SCH2CH2−が形成される。
連結基Lは、主鎖に少なくとも1個のヘテロ原子を含むことが非常に好ましい。R基に結合した連結基の1個目の主鎖原子がヘテロ原子又はヘテロ原子の群であることも好ましい。
連結基Lは、主鎖に少なくとも1個の−CH2−リンクを含むことが非常に好ましい。理想的には、カルボニルに隣接する連結基の原子が、−CH2−である。
基R又は基L(L基の大きさによる)は、カルボニルに対してα、β、γ、又はδ、好ましくはカルボニルに対してβ又はγに位置するヘテロ原子又はヘテロ原子の群を提供することが好ましい。好ましくは、ヘテロ原子は、O、N、若しくはS、又はSO等の硫黄誘導体である。
従って、連結基は、−NH2CH2、−NH(Me)CH2−、−SCH2−、−SOCH2−、−COCH2−であることが非常に好ましい。
また、連結基が環であるか又は環を含むことも本発明の範囲内である。従って、例えば、連結基は、2、4−チオフェン等のチオフェンであってもよく、この場合カルボニルに対して原子2個(最短経路で)の橋状結合が提供される。連結基が、フラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、シクロヘキサン、ベンゼン、又はピリジン等の環であることも可能である。連結基が環を含む場合は、この環が5又は6員環であることが好ましい。環が少なくとも1個のヘテロ原子又はヘテロ原子の群を含むことが好ましい。環は、不飽和であるか芳香性であることが好ましい。R基及びCOX基が、かかる環へ直接結合するときは、R基及びCOX基は、違う原子に結合することが好ましく、環の炭素原子に結合することが好ましい。
置換パターンは、R及びカルボニルの置換基が互いに対してアルファ、ガンマ(つまり、1,3、又は2,4、又は3,5−スプリット)であるのが好ましい。
誤解を避けるため、原子1〜5個の橋状結合が、連結基の最初からカルボニルまでの最短経路として数えられるべきであることを強調しておく。
L1の考察に関連して、適切な環状連結基を下記に示す。
また、連結基が環状及び非環状部分、例えば、CH2−チオフェン又はNH2−チオフェン等を含むことも本発明の範囲内である。かかる連結基では、R基が環に直接結合し、カルボニル基が、非環状部分、例えば、−CH2−結合に結合することが好ましい。当業者であれば、本発明での使用に適切な様々な連結基を何れも思いつくであろう。
非常に好ましい連結基は、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(Me)、−CH(Me)CH2−、−CH(Me)−CH(Me)−、SCH2、NHCH2、N(Me)CH2、2,4−チオフェン、及び2,5−チオフェンである。
式(II)の化合物において、連結基L1は、R基とカルボニルCOとの間に原子を1〜5個有する橋状結合を形成する連結基であり、前記連結基の主鎖を形成する原子は炭素及び/又はヘテロ原子N、O、S、SO、SOから選ばれたものであり、ここで、連結基L1は、主鎖の内部に環を含むか又は直鎖であり、かつ、連結基の主鎖原子は(SO又はSOの任意のオキソ基のほかに)少なくとも1個の側鎖で置換されている。
連結基L1は、R基とカルボニルとの間に、好ましくは主鎖原子が2〜4個の主鎖を提供する。
前記主鎖が直鎖(つまり、環構造を含まない)の場合、前記主鎖における原子の少なくとも一つは側鎖を有する。この側鎖は、SO又はSO基におけるオキソ基のほかに存在する。好ましい側鎖は、C1-6アルキル、更にオキソ、アルコキシ、NH2、N(C1-6アルキル)H、N(C1-6アルキル)2又はハロを含む。
そのような側鎖は、好ましくは、連結基L1の主鎖におけるヘテロ原子と結合する。好ましくは、カルボニル基に隣接する主鎖原子は、枝分かれしていない。
理想的には、一つの側鎖のみが存在する。
連結基の好ましい構成要素は、−CH2−、−CH(C1-6アルキル)−、−N(C1-6アルキル)−、−NH−、−S−、−O−、−CH=CH−、−CO−、−SO−、−SO2−であり、これらは、(化学的に意味のある)任意の順番で互いに組み合わされて連結基を形成してもよい。だたし、L1基において少なくとも一つの側鎖が必要であることに留意する。
連結基L1は、主鎖に少なくとも1個のヘテロ原子を含むことが非常に好ましい。R基に結合した連結基L1の1個目の主鎖原子がヘテロ原子又はヘテロ原子の群であることも好ましい。
連結基L1は、主鎖に少なくとも1個の−CH2−リンクを含むことが非常に好ましい。理想的には、カルボニルに隣接する連結基の原子が、−CH2−である。
非常に好ましい直鎖連結基L1は、−NH(Me)CH2−である。
また、連結基が環であること又は環を含むことも本発明の範囲内である。環を含む連結基については、環は、実際、主な連結原子から離れ、側鎖に対立して、連結基又は連結基の一部として存在していなければならない。
従って、例えば、連結基は、2、4−チオフェン等のチオフェンであってもよく、この場合カルボニルに対して原子2個(最短経路で)の橋状結合が提供される。連結基が、フラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、シクロヘキサン、ベンゼン、又はピリジン等の環であることも可能である。連結基が環を含む場合は、この環が5又は6員環であることが好ましい。環が少なくとも1個のヘテロ原子又はヘテロ原子の群を含むことが好ましい。
環は、不飽和であるか芳香性であることが好ましい。R基及びCOX基が、かかる環へ直接結合するときは、R基及びCOX基は、違う原子に結合することが好ましい。また、これらの基は、環の炭素原子に結合することが好ましい。
置換パターンは、R及びカルボニルの置換基が互いに対してアルファ、ガンマ(つまり、1,3、又は2,4、又は3,5−スプリット)であるのが好ましい。連結基の主鎖における原子数は、その分子のR及びCOの部分に結合した環を回る最短経路で決定されるであろう。
適切な環状連結基を下記に示し、ここでR基及びカルボニルは、これらの環上の任意の炭素原子又は利用可能な窒素原子に結合することができる。
また、連結基が環状及び非環状部分、例えば、CH2−チオフェン又はNH2−チオフェン等を含むことも本発明の範囲内である。かかる連結基では、R基が環に直接結合し、カルボニル基が、非環状部分、例えば、−CH2−結合に結合することが好ましい。連結基が環状部分を含む場合は、どの非環状部分も側鎖を有する必要はない。
非常に好ましい連結基L1は、−CH(Me)、−CH(Me)CH2−、−CH(Me)−CH(Me)−、N(Me)CH2、2,4−チオフェン、及び2,5−チオフェンである。
基Xは、電子求引基である。この点において適切な基としては、O−C1-6アルキル、CN、OCO2−C1-6アルキル、フェニル、CHal3、CHal2H、CHalH2が挙げられ、ここでHalは、ハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素、好ましくはフッ素を表す。特に、電子求引基はCN、フェニル、CHal3、CHal2H、CHalH2であり、ここでHalは、ハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素、好ましくはフッ素を表す。
好ましい実施形態では、電子吸引基は、CHal3、特にCF3である。
従って、別の態様によれば、本発明は、ここで考察した症状の治療で使用するための、式(III)の化合物をを提供する。
R−Y1−Y2−CO−X (III)
(式中、R及びXは、上に定義の通りであり;
Y1は、O、S、NH、N(C1-6−アルキル)、SO、又はSO2から選ばれ、Y2は、(CH2)n又はCH(C1-6アルキル)であるか;あるいは、
Y1及びY2は、一緒になって5員又は6員の単素又は複素の、任意に不飽和又は芳香性であってもよい、環を形成するか;あるいは、
Y1は、5員又は6員の単素又は複素の、任意に不飽和又は芳香性であってもよい、環を形成し、Y2は(CH2)nであり;
ここでnは、1〜3、好ましくは1である。)
本発明での使用に非常に好ましい化合物を下記に示す。
上述の通り、いくつかの化合物は新規であり、本発明のさらなる態様を成す。
従って、別の態様から見ると、本発明は、式(IV)の化合物を提供する。
R−Y3−Y4−CO−X (IV)
(式中、R及びXは、上に定義の通りであり;
Y3及びY4は、一緒になって5員又は6員の単素又は複素の、飽和、不飽和又は芳香性の環を形成するか;あるいは、
Y3は、5員又は6員の単素又は複素の、飽和、不飽和又は芳香性の環を形成し、Y4は(CH2)nであり;
ここでnは、1〜3、好ましくは1である。)
新規のさらなる化合物は、式(V)の化合物を含む。
RN(C1-6アルキル)(CH2)nCOX (V)
(式中、R、n及びXは、上に定義の通りである。)当該化合物は、特に次の化合物である。
新規であるさらなる好ましい化合物は、L基が環であるか又は環を含むものである。
式(II)の好ましい化合物を下記に示す。
(式中、nは1〜3、例えば1〜2である。)
特に好ましくは、上記基は、環の2位及び4位に結合する(図中、原子1がS原子である)。
別の態様から見ると、本発明は、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた、上に定義するような任意の新規の化合物を含む医薬組成物を提供する。
可能であれば、本発明の化合物は、塩、溶媒和物、プロドラッグ、又はエステルの形態、特に塩の形態で投与することができる。しかしながら、好ましくは、かかる形態は使用しない。
典型的には、薬学的に許容される塩は、所望の酸を使うことにより容易に調製され得る。塩は、溶液から析出させ、ろ過により採取してもよいし、溶媒の蒸発により回収してもよい。例えば、塩酸などの酸の水溶液は、式(I)の化合物の水性懸濁液に加えてもよく、得られる混合物を蒸発乾固させ(凍結乾燥)、固形物として酸付加塩が得られる。あるいは、式(I)の化合物は、適切な溶媒、例えば、イソプロパノール等のアルコールに溶解してもよく、酸は、同じ溶媒又は別の適切な溶媒に加えてもよい。次いで、得られる酸付加塩を直接又はジイソプロピルエーテル若しくはヘキサン等のより極性の低い溶媒を加えることにより析出させてもよく、ろ過により単離される。
適切な付加塩は、非毒性の塩を形成する無機酸又は有機酸から形成され、例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、アルキル若しくはアリールスルホン酸塩、(例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、若しくはp−トルエンスルホン酸塩)、及びイセチオン酸塩が挙げられる。代表的な例としては、トリフルオロ酢酸塩並びにギ酸塩、例えば、ビストリフルオロ酢酸塩若しくはトリストリフルオロ酢酸塩、及びモノギ酸塩若しくはジギ酸塩、特に、トリストリフルオロ酢酸塩若しくはビストリフルオロ酢酸塩及びモノギ酸塩が挙げられる。
式(I)の化合物は、公知の化学合成経路を用いて製造されてもよい。市販の化合物であるアラキドン酸(AA)、EPA(all−Z−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン酸)、又はDHA(all−Z−ドコサ−4、7、10、13、16、19−ヘキサエン酸)から合成を開始することが都合がよい。これらの化合物の酸官能基の、例えば、−COCF3基への変換は、例えば、カルボン酸をその対応する酸クロリドに変換し、それをピリジンの存在下で無水トリフルオロ酢酸と反応させることにより容易に達成することができる。
炭素鎖へのヘテロ原子の導入も容易に達成される。都合良くは、例えば、出発の酸を、アルコールに還元し、必要であれば、対応するチオールに変換する。次に、BrCH2COCF3等の基で求核性チオールを反応させてもよく、これによりカルボニル及び電子求引性種(electron withdrawing species)が導入される。合成プロトコルの詳細は、J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1、2000、2271〜2276又はJ.Immunol.,1998,161,3421に見出すことができる。
分子の主鎖が窒素原子を含んでいる場合は、別の合成が必要である。ポリ不飽和アルコールの形成は、上記Perkin Transの論文中に記載のプロトコルを用いて達成することができる。その後、例えば、フタルイミド及びその後のヒドラジン還元を用いたアルコール−OHの−NH2への変換により、トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)との反応及びケトンへの水酸基の酸化による−NH2CH2COCF3基の形成が可能になる。この反応を下記に示す。
この反応の前に、N−BOC基の形成及び、例えば水素化アルミニウムリチウムを用いた還元により窒素のメチル化を行ってもよい。TFPOとの反応及び酸化により連結基であるNMe−CH2が得られる。
これは、本発明のさらなる態様を成し、従って、本発明は、下記工程を含む式(I)の化合物の調製方法を提供する。
(I)化合物R−OHをR−NH2に変換すること;
(II)N原子を任意にメチル化すること;
(III)TFPOと反応させること;及び
(IV)形成された水酸基をケトンまで酸化すること。
本発明の化合物は、中でもリウマチ性関節炎の治療における使用のために主として提案される。
治療すること、又は治療は、下記の少なくとも1つを意味する。
(i).哺乳類において発症した疾患の臨床的な症状の出現を予防するか又は遅延させること;
(ii).疾患を阻害すること、つまり、疾患の発症、又はその再発、又はその臨床的若しくは亜臨床的な症状の少なくとも1つを停止させる、減少させる、又は遅延させること;あるいは
(iii).疾患の臨床的若しくは亜臨床的な症状の1つ以上を軽減させるか又は減退させること。
治療される対象に対する利益は、統計的に有意なものであるか、又は患者若しくは医師に少なくとも知覚可能であるものかのいずれかである。一般に、当業者であれば「治療」がいつ起こるかを理解することができる。
本明細書において「治療」なる語はまた、予防的治療、つまり問題となる疾患を発症する危険性のある対象を処置することを含む。
本発明の化合物は、任意の動物の対象、特に哺乳類、より具体的にはヒト又は疾患モデルとしての役割を果たす動物(例えば、マウス、サル等)に対して使用できる。
疾患を治療するため、有効量の活性物質を患者に投与する必要がある。「治療上有効な量」とは、状態、障害、又は症状を治療するために動物に投与された場合に、そのような治療をもたらすのに十分な化合物の量を意味する。「治療上有効な量」は、化合物、疾患及びその重症度、並びに治療される対象の年齢、体重、健康状態及び応答性によって異なり、最終的には主治医の判断によることになる。
本発明の方法での使用には、式Iの化合物を原薬として投与することが可能であるが、例えば、意図する投与経路及び標準的な製薬実務に関連して選ばれた薬学的に許容される担体と活性成分とを混合した医薬製剤にて当該活性成分を提供することが好ましい。
「担体」なる語は、活性化合物が共に投与される希釈剤、賦形剤、及び/又はベヒクルを指す。本発明の医薬組成物は、1種以上の担体の組み合わせを含んでもよい。かかる医薬担体は、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、グリセリン(glycerol)水溶液、及び油(石油、動物、野菜又は合成起源の油(例えば、落花生油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等)を含む)のような滅菌液であってもよい。好ましくは、水又は水溶液、生理食塩水及び水溶性ブドウ糖及びグリセリン溶液が担体として、特に注射用溶液の担体として用いられる。適切な医薬担体は、E.W.Martinによる「Remington‘s Pharmaceutical Sciences」第18版に記載されている。医薬担体の選択は、意図する投与経路及び標準的な製薬実務に関連して選ぶことができる。医薬組成物は、担体として、あるいは担体のほかに、任意の適切な結合剤、滑沢剤、懸濁化剤、コーティング剤、及び/又は可溶化剤等を含んでもよい。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、一般に安全であり、無毒であり、生物学的にもその他の点でも、望ましくないということはない医薬組成物の調製に有用な賦形剤を意味し、獣医学としての使用及びヒト医薬としての使用に許容される賦形剤を含む。本願において用いられる「薬学的に許容される賦形剤」には、1種の及び1種以上の前記賦形剤が含まれる。
なお、本発明による使用のための医薬組成物は、経口、非経口、経皮、吸入、舌下、局所、移植、経鼻、又は経腸投与される(又は他の粘膜投与される)懸濁剤、カプセル剤、又は錠剤の形態でもよく、これらは、1種以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を用いて、従来の方法で製剤化されてもよい。
異なる送達システム(デリバリーシステム)に応じて、異なる組成物/製剤の必要性がありうる。同様に、組成物が1種より多い活性要素を含む場合は、これらの活性要素は、同じ経路又は異なる経路で投与しても良い。
本発明の医薬製剤は、経口、粘膜及び/又は非経口投与に適した液剤、例えば、ドロップ剤、シロップ剤、液剤、注射用液剤(使用準備完了となっているもの、又は凍結乾燥製品の希釈により調製するもの)であってもよいが、好ましくは、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、ペレット剤、膣坐剤、坐剤、クリーム剤、塗布剤、ゲル剤、軟膏剤、等の固形剤若しくは半固形剤;若しくは液剤、懸濁剤、乳濁剤、又はその他の経皮経路又は吸入による投与に適した形態である。
本発明の化合物は、即時放出性、遅延放出性、調節放出性、徐放性、パルス放出性
、又は制御放出性の用途のために投与することができる。
一態様において、経口組成物は、遅い、遅延した、又は配置された放出性(例えば、経腸特に結腸での放出性)の錠剤又はカプセル剤である。この放出プロファイルは、胃内の条件には抵抗性であるが、結腸又は病変若しくは炎症の部位が特定されている消化管の他の部分において内容物が放出されるコーティングを用いることによって、制限なく達成することができる。又は、遅延した放出は、崩壊するのが単に遅いコーティングによって達成することができる。又は、2種のプロファイル(遅延したプロファイルと配置されたプロファイル)を、1種以上の適切なコーティングと他の賦形剤を選択することによって、一つの製剤において組み合わせることができる。このような剤型は、本発明の更なる特徴を構成する。
遅延した、又は配置された放出性及び/又は腸溶性の経口製剤に適した組成物には、耐水性で、pH感受性で、腸液により消化若しくは乳化され、又は湿らせた時にゆっくりではあるが規則的な速度で剥がれる材料でフィルムコーティングされた錠剤の製剤が含まれる。適切なコーティング材料には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸及びそのエステルのポリマー並びにこれらの組合せが含まれる(ただし、これらに限定されない)。ポリエチレングリコール、フタル酸ブチル、トリアセン及びヒマシ油のような(ただし、これらに限定されない)可塑剤を用いてもよい。また、フィルムを着色するために、色素を用いてもよい。坐剤は、カカオバター及び坐剤基剤(Suppocire C及びSuppocire NA50(Gattefosse Deutschland GmbH、D−Weil am Rhein、ドイツ、より供給)、及び他のSuppocireタイプの賦形剤(水素付加されたパーム油及びパーム核油(C8−C18トリグリセリド)のエステル交換によって得られるもの、グルセリンと特定の脂肪酸のエステル化によって得られるもの、又はポリグリコシル化グルセリド)並びにwhitepsol(添加物を含む水素付加された植物油誘導体、等)のような担体を用いて調製される。浣腸剤は、本発明の適切な活性化合物、及び懸濁剤とするための溶媒又は賦形剤を用いて製剤化される。懸濁剤は、微粒子化した化合物、並びに懸濁安定化剤、増粘剤及び乳化剤を含む適当なベヒクル(例えば、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシビニルポリマー及びその塩、アルギン酸及びその塩、アルギン酸プロピレングリコール、キトサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、N―ビニルアセトアミドポリマー、ポリメタクリル酸ビニル、ポリエチレングリコール、プルロニック(pluronic)、ゼラチン、メチルビニルエーテル―無水マレイン酸コポリマー、可溶性デンプン、プルラン及びアクリル酸メチルとアクリル酸2−へキシルのコポリマー、レキシン、レシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン水和ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、並びにプルロニック(pluronic)及びpH6.5から8の範囲の適切なバッファーシステム、等)を用いて製造される。保存料、マスキング剤の使用は好ましい。微粒子化した粒子の平均直径は、1〜20マイクロメーターの間であってもよく、又は1マイクロメータより小さくてもよい。また、化合物を、その水溶性の塩の形態を用いて、製剤に組み込んでもよい。
あるいは、材料を、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、又はアクリル酸及びメタクリル酸のエステルのポリマー等の錠剤のマトリックスの中に組み込んでもよい。また、これら後者の材料は、圧縮コーティングによって、錠剤に適用してもよい。
医薬組成物は、治療上有効な量の活性物質と、投与方法に応じて、異なる形態とすることが可能な薬学的に許容される担体とを混合することによって、調製することができる。
医薬組成物は、通常の医薬賦形剤及び調整方法を用いることによって、調製することができる。経口投与の形態は、カプセル剤、散剤又は錠剤(この場合、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、マンニトールを含む通常の固体の担体を添加してもよく、また、エタノール、グリセリン及び水を含む(ただし、これらに限定されない)通常の液体の経口剤の賦形剤を添加してもよい)であってもよい。全ての賦形剤は、崩壊剤、溶媒、造粒剤、保湿剤及び結合剤と混合してもよい。経口組成物の調製に固体の担体を用いる場合は、製剤は、散剤、顆粒若しくはコーティングされた粒子を含むカプセル剤、錠剤、硬ゼラチンカプセル剤又は顆粒剤(ただし、これらに限定されない)の形態であってもよく、固体の担体の量は1mg〜1gの間で変動してもよい。錠剤及びカプセル剤は好ましい経口組成物の形態である。
本発明において有用な、経口組成物の薬学的に許容される崩壊剤の例には、デンプン、あらかじめ糊化されたデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、アルギン酸塩、樹脂、界面活性剤、発泡性組成物、水溶性ケイ酸アルミニウム及び架橋したポリビニルピロリドンが含まれる(ただし、これらに限定されない)。
本発明において有用な、経口組成物の薬学的に許容される結合剤の例には、アカシア、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース)、ゼラチン、グルコース、デキストロース、キシリトール、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デンプン、あらかじめ糊化されたデンプン、トラガント、キサンタン樹脂、アルギン酸塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール又はベントナイトが含まれる(ただし、これらに限定されない)。
経口組成物の薬学的に許容される充填剤の例には、ラクトース、アンヒドロラクトース、ラクトース一水和物、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース(特に結晶セルロース)、ジヒドロ又はアンヒドロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウムが含まれる(ただし、これらに限定されない)。
本発明の組成物において有用な、薬学的に許容される滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドのポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム及びコロイド状二酸化ケイ素が含まれる(ただし、これらに限定されない)。
経口組成物の薬学的に許容される適切な香料(odorant)の例には、合成芳香、及び油、花、果物(例えば、バナナ、リンゴ、サワーチェリー、桃)及びそれらの組み合わせの抽出物のような天然のアロマ系オイル、並びに類似の芳香が含まれる(ただし、これらに限定されない)。これらの使用は多くの要因に依存するが、最も重要なことは、その医薬組成物を服用する人々にとっての感覚受容の許容性である。
経口組成物の薬学的に許容される適切な色素の例には、二酸化チタン、βカロチン及びグレープフルーツの皮の抽出物ような合成及び天然の色素が含まれる(ただし、これらに限定されない)。
経口組成物の薬学的に許容される甘味料の好ましい例には、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクトース及びスクロースが含まれる(ただし、これらに限定されない)。薬学的に許容される溶媒の好ましい例には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムが含まれる(ただし、これらに限定されない)。
薬学的に許容される界面活性剤の好ましい例には、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベートが含まれる(ただし、これらに限定されない)。
薬学的に許容される保存料の好ましい例には、溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、第4級アンモニウム塩)及びパラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、等)のような種々の抗菌剤及び抗真菌剤が含まれる(ただし、これらに限定されない)。
薬学的に許容される安定化剤及び抗酸化剤の好ましい例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオ尿素、トコフェロール及びブチルヒドロキシアニソールが含まれる(ただし、これらに限定されない)。
本発明の医薬組成物は、活性物質を体積当たり0.01〜99%重量/容量含んでもよい。
治療上有効な量の本発明の化合物は、当技術分野で公知の方法により決定することができる。治療上有効な量は、患者の年齢及び全身の生理的状態、投与経路、並びに使用する医薬製剤によって決まる。治療用量は、一般に、約10〜2000mg/日の間、好ましくは約30〜1500mg/日の間である。使用し得る他の範囲としては、例えば、50〜500mg/日、50〜300mg/日、100〜200mg/日が挙げられる。
投与は、1日1回、1日2回、又はより頻繁に行われてもよく、疾患又は疾病の維持期においては減らしてもよく、例えば、毎日又は1日2回に代わって2日又は3日に1回でもよい。用量及び投与頻度は、当業者に分かる少なくとも1つ、好ましくは1つより多い急性期の臨床徴候の減少や消失によって寛解期が持続していることが確認される臨床徴候によって決まる。
本発明の薬剤を経口的に服用すること又は局所的に投与することが有利である。
本発明の化合物は、リウマチ性関節炎及び他の慢性の炎症性の病気一般並びに滑膜及び自己免疫の症状の病気の治療に使用してもよい。特に、本発明の化合物は、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、反応性関節炎、農夫肺、血清病、アルサス反応、全身性エリテマトーデス、亜急性細菌性心内膜炎並びに関節炎一般及び骨関節炎を治療するために使用してもよい。
本発明の化合物は、リウマチ性関節炎の治療目的のための他の公知の薬剤と組み合わせてリウマチ性関節炎を治療するために使用されてもよく、これは本発明のさらなる態様を成す。他の有用な薬剤としては、寛解導入抗リウマチ薬、グルココルチコイド又は非ステロイド性抗炎症薬のような抗炎症剤、鎮痛剤及び疼痛緩和薬剤が挙げられる。
本発明を、次の非限定的な実施例及び図を参照して下記に更に記載する。
図1は、サイトカインIL−1及びTNFによって刺激した、増殖性の滑膜細胞、コンフルエントな滑膜細胞及び分化型の滑膜細胞におけるMMP1、ICAM、IL−6、IL−8、TNF及びCOX2の発現のqPCR測定を示す。
図1bは、TNFによって刺激したSW982細胞上のアラキドン酸の放出を比較したものである。
図2は、TNFによって18時間、刺激した後のSW982細胞におけるPGE2産生量を示す。PGE2の産生は、ELISAによってモニターした。処理を受けているこれらの細胞を、(刺激の前に)化合物1(AVX001)又は化合物2(AVX002)のいずれかとともに、2時間、再インキュベートした。
図3A及び3Bは、SW982細胞におけるTNFによって誘導されたPGE2産生についての、化合物1及び化合物2による阻害のIC50値の測定を示す。100%阻害は、エタノールと混合したTNFαによって誘導し、24時間インキュベートした後のPGE2レベルに対応する。
図4は、化合物1(AKH217)によるIL8産生の用量依存的阻害を示す。SW982細胞を、阻害剤とともに2時間プレインキュベートし、TNFによって12時間、刺激した。コントロールは0.05%エタノール及び0.05%DMSOを含み、最も高濃度の阻害剤等の場合は同量の溶媒を含む。IL8の産生は、ELISAによって測定した。
図5は、コンフルエントの3日後のSW982細胞におけるESE−1のmRNAの発現の変化を示す。2時間の阻害剤のプレインキュベーション及びその後の6時間の10ng/mlTNFによる刺激からなる実験処理の前に、細胞を0%FCS−DMEM中で一晩、飢餓状態にした。
図6は、TNFによって刺激したSW982細胞におけるCOX2及びIL8の発現についての化合物2の効果を示す。
次の化合物を実験で使用した。
化合物1
化合物2
(化合物1及び2の両者においてX=CF3
これらの化合物は、Chem.Soc.,Perkin Trans 1、2000、2271〜2276に基づいて合成した。
[材料及び方法]
[試薬]
炎症誘発性のサイトカインの遺伝子発現及び産生がRA由来の滑膜の線維芽細胞様の細胞に似ていることから、コンフルエントの状態又はスフェロイドの状態のSW982モデルセルラインのセルカルチャー(Wada Y、2005)を用いた。
[刺激]
刺激実験のために、0.5mLの細胞懸濁液(5〜7×105細胞/mL)を48ウエル・プレートの内側のウエル内に播種した。外側のウエルは、0.5mLのPBSで満たした。ほとんどコンフルエントな細胞数とするために、細胞を1日間インキュベートした(37℃、5%CO2)。コンフルエント後の細胞を得るために、プレートを3日間インキュベーター中に置いた。このインキュベーション時間後、300μLの上清を取り除き、50μLの刺激用培地で置換した。
[阻害]
阻害は、刺激と同様な方法において実施した。播種、インキュベーション及び200μLの0.5%FBS含有DMEMで培地置換の後、50μLの個々の阻害剤溶液を添加した(表1)。37℃で2時間後、50μLの上清を取り除き、前記の3種の刺激物質で置換した。
表1:種々の阻害剤の濃度
化合物2及び化合物1は、DMEM/0.5%FBS中で50μMプレ希釈液を調製するのに先だって、96%エタノール中で1:50に希釈した。
[PGE2分析]
PGE2の検出
サンプル及びコントロールを、標準希釈剤中でゆっくり溶かし、1:1と1:2500の間に希釈した。最大の希釈は、1段階で1:10とした。いくつかの中間希釈液を調製したのは、このためである。最初は、全ての値は2連で測定した。テクニカルエラーを最小限にした後は、サンプルは一個のものとして分析しただけである。いくつかの軽微な修正を除いて、これ以上の全てのステップは、EIAキットのマニュアルにある製造業者の推奨に従って実施した。結果を最適化するために、アルカリホスファターゼの基質のインキュベーション時間は、15分間延長した。インキュベーションの間、プレートは暗所に置いた。サンプルとコントロールの配置の例は、添付書類(appendix)において図示する。読み取りは、120rpmで10秒間振盪後、マルチスキャン・プレート・リーダー(Ascent Labsystems)を用いて波長414nm及び595nmで行った。データ取得のための対応するソフトウエアーは、Ascent software for Multiscan, Version 2.4.1を用いた。
データは、Microsoft Office Excel 2003及びSigmaPlot 10.0を用いて処理した。
[実施例1](参考例)
非増殖性のSW982滑膜細胞における炎症誘発性メディエーターの誘導因子としてのTNF及びIL1の効果
増殖性のSW982細胞、コンフルエントなSW982細胞、及び分化型の(コンフルエントの3日後の)SW982細胞における炎症誘発性メディエーターの誘導因子として、2種のサイトカイン、すなわちTNF及びIL1、の効果を調べた(SW982は、本願の実施例を通して用いた滑膜細胞のセルラインである)。qPCRによって、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP1)、間質性接着分子(interstitial adhesion molecule)(ICAM)、IL6、IL8、TNF及び酵素COX2を、転写レベルについて評価した。結果を図1に示す。図1は、IL1と比べた場合TNFはより強力な誘導因子であるが、評価した炎症誘発性メディエーターの範囲では両サイトカインともに強い誘導因子であるという明らかな傾向を示している。従って、下記の実施例において用いたモデル系は、RAの治療のための臨床上の関連性を有している。
[実施例2]
化合物2は、SW982細胞におけるアラキドン酸放出の強力阻害剤である。
我々は、阻害剤での前処置が有る場合又は無い場合について、TNFに応答したアラキドン酸(AA)放出を分析することによって、SW982細胞における阻害を評価した。化合物2は、〜1μMのIC50値で、効率的にTNF誘導性のAA放出を減少させた。化合物2の阻害効果をATK及びSB203580の阻害効果と比較した(図1b)。他の関連阻害剤と比べて、化合物2によって、TNF誘導性(10ng/ml)のアラキドン酸放出は効率的に減少している。
化合物2は、AA放出を全て同時に短絡させるようなことはなく、AA放出を基礎レベルに標準化する。
[実施例3]
化合物1及び化合物2によるTNF誘導性のPGE2誘導の制御
SW982細胞を、12〜48時間の種々の長さの時間、TNFで刺激した。TNF刺激は、PGE2の産生の増加を誘導し、これは図2に明らかに示されている。しかしながら、驚くべきことに、このPGE2の産生は、化合物1及び化合物2(2.5μMで>100%の阻害)によって、用量依存的に阻害することができる。図3は、TNF誘導性のPGE2産生に対する化合物1及び化合物2の阻害について、それぞれ、IC50値を〜630nM及び〜430nMと計算したことを示す。
PGE2は、RA関節における炎症プロセスの重要な制御因子である。図2及び3におけるデータは、本発明の化合物がRAの治療における使用に適しているであろうことを示唆している。
我々は、TNF刺激に応答したSW982細胞によるPGE2の産生の減少において、化合物2が、市販の阻害剤ATKとちょうど同等の効率を有することを発見した。PGE2レベルを基礎放出より下まで枯渇させるSB203580と比べた場合、両阻害剤ともに、PGE2の産生を基礎レベルに減少させた。このSB203580の阻害効果は、以前の報告と一致している。
[実施例4]
化合物1によるTNF誘導性のIL8産生の阻害
IL8のような滑膜細胞の炎症誘発性メディエーターは、軟骨細胞、軟骨とオートクリンの方法の滑膜細胞の両方に関して、関節における炎症反応の重要な制御因子である。図4は、TNF(図4)によって刺激したSW982セルラインにおけるIL8レベル(ELISAでモニターした)を示す。図4は、化合物1がIL8産生を用量依存的に阻害することを示す。
[実施例5]
本発明の化合物による、TNF誘導性のESE−1活性化(NF−kBにより制御される転写因子)の制御
ESE−1は、etsドメインと呼ばれる高度に保存されたca85アミノ酸のDNA結合領域によって定義されるets転写因子のファミリーに属する。ets転写因子は、細胞の増殖及び分化、細胞周期進行、血管新生並びに癌化を含む多様な機能に関与する遺伝子を制御することが示された。ESE−1は、RAの滑膜組織において、高度に上方制御されることが分かった。NF−kBが主要な制御因子であると考えられているにもかかわらず、ESE−1プロモーターは、多くの補助因子のための結合部位を含んでいる。
図5は、TNF誘導性のESE−1活性化が、化合物1及び化合物2によって用量依存的な方法で制御されることを示す。コントロールとして、NF−kB阻害剤のBAY−7082が含まれている。
図5におけるデータは、化合物1及び化合物2は、ESE−1発現の制御が、既知のNF−kB阻害剤のBAY−7082と比べて、よいとは言えないまでも、同程度であることを示している。対象的に、既知のNSAIDのインドメタシンは、コントロールと比べて、TNF誘導性のESE−1発現の制御が低いことを示している。
[実施例6]
化合物2は、炎症及び関節破壊に関与する多くの遺伝子の転写制御に作用する。
COX2、MMP及びIL−8(これらは炎症及び/又は関節破壊において主流をなすものであると知られているが)の発現を、定量RT−PCRによって評価した。SW982細胞を0.1×106細胞/ウエルの密度で6ウエルフォーマットに播種し、次いで、コンフルエントの2日後に達した後、血清飢餓状態にした。細胞は、阻害剤が有る場合又は無い場合について、処理に先だって2時間、TNFの非存在下又は存在下において、24時間、プレインキュベートした。ターゲット炎症性遺伝子の発現における内在性コントロール(GAPDH)に対する倍率の差は、△△Ct法(ΔΔCt = Cttarget − CtGAPDHt)treated − (Cttarget − CtGAPDH)untreated 、3つの別々の実験の平均±SD)を用いて決定した。
24時間のTNF刺激の後、IL8、MMP及びCOX2のメッセージは、それぞれ、90倍、120倍及び11倍増加した(表2及び図6)。細胞を化合物2の阻害剤によって前処理した場合(この阻害剤は、IL8及びCOX2のメッセージの誘導を、平均して、それぞれ〜53%、〜58%(MMP3)及び〜42%阻害した)、上方制御は減少した。
表2 TNF及び化合物2に応答した遺伝子発現の変化
[実施例7]
プロスタグランジンE2合成は、化合物2によって大幅に減少する
化合物2がAAの放出を効率的に減少させたので、次に、我々は、阻害は、また、引き続いて起こるAAのPGE2への変換にも反映するかどうかを調べた(PGE2は、関節における炎症及び破壊の両プロセスの重要な制御因子である)。
我々は、本発明の阻害剤は、PGE2産生を減少させるのに効率的であることを発見した。結果を表3に示す。
表3
上記の実施例において示した証拠は、明らかに、本発明の阻害剤はRAの治療において治療可能性を有していることを示している。

Claims (4)

  1. 式(I)の化合物又はその塩を有効成分として含むリウマチ性関節炎の治療用薬剤。
    R−L−CO−X (I)
    (式中、Rは、直鎖の1024不飽和炭化水素基であり、前記炭化水素基は、少なくとも4個の非共役二重結合を含み;
    Lは、R基とカルボニルCOとの間の−SCH 2 −であり;
    Xは、CF 3 ある
  2. Rが、5個の非共役二重結合を含む、請求項1に記載の薬剤。
  3. R基は、炭素原子を17〜19個有する請求項1または2に記載の薬剤。
  4. 前記化合物が下記式を有する請求項1に記載の薬剤。
    (式中、XはCF3である。)
JP2013526475A 2010-09-02 2011-09-01 ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療 Expired - Fee Related JP6082347B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB1014633.0 2010-09-02
GBGB1014633.0A GB201014633D0 (en) 2010-09-02 2010-09-02 Rheumatoid arthritis treatment
PCT/EP2011/065123 WO2012028688A1 (en) 2010-09-02 2011-09-01 Rheumatoid arthritis treatment using polyunsaturated long chain ketones

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016216524A Division JP2017075148A (ja) 2010-09-02 2016-11-04 ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013540713A JP2013540713A (ja) 2013-11-07
JP2013540713A5 JP2013540713A5 (ja) 2016-05-12
JP6082347B2 true JP6082347B2 (ja) 2017-02-15

Family

ID=43013608

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013526475A Expired - Fee Related JP6082347B2 (ja) 2010-09-02 2011-09-01 ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療
JP2016216524A Withdrawn JP2017075148A (ja) 2010-09-02 2016-11-04 ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016216524A Withdrawn JP2017075148A (ja) 2010-09-02 2016-11-04 ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療

Country Status (10)

Country Link
US (1) US9682930B2 (ja)
EP (1) EP2611432A1 (ja)
JP (2) JP6082347B2 (ja)
KR (1) KR20130112880A (ja)
CN (2) CN109893518A (ja)
AU (1) AU2011298340B2 (ja)
CA (1) CA2810102A1 (ja)
GB (1) GB201014633D0 (ja)
IL (1) IL224963A (ja)
WO (1) WO2012028688A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8778398B2 (en) 2008-11-04 2014-07-15 Jazz Pharmaceuticals, Inc. Immediate release formulations and dosage forms of gamma-hydroxybutyrate
US20120076865A1 (en) 2010-03-24 2012-03-29 Jazz Pharmaceuticals, Inc. Controlled release dosage forms for high dose, water soluble and hygroscopic drug substances
GB201205394D0 (en) 2012-03-27 2012-05-09 Adlens Ltd Improvements in or relating to deformable non-round membrane assemblies
GB201221329D0 (en) 2012-11-27 2013-01-09 Avexxin As Dermatitis treatment
GB201313238D0 (en) 2013-07-24 2013-09-04 Avexxin As Process for the preparation of a polyunsaturated ketone compound
GB201409363D0 (en) * 2014-05-27 2014-07-09 Avexxin As Skin cancer treatment
GB201501144D0 (en) 2015-01-23 2015-03-11 Avexxin As Process for the preparation of a polyunsaturated ketone compound
US10398662B1 (en) 2015-02-18 2019-09-03 Jazz Pharma Ireland Limited GHB formulation and method for its manufacture
GB201604316D0 (en) 2016-03-14 2016-04-27 Avexxin As Combination therapy
UY37341A (es) 2016-07-22 2017-11-30 Flamel Ireland Ltd Formulaciones de gamma-hidroxibutirato de liberación modificada con farmacocinética mejorada
US11602513B1 (en) 2016-07-22 2023-03-14 Flamel Ireland Limited Modified release gamma-hydroxybutyrate formulations having improved pharmacokinetics
US11986451B1 (en) 2016-07-22 2024-05-21 Flamel Ireland Limited Modified release gamma-hydroxybutyrate formulations having improved pharmacokinetics
US11602512B1 (en) 2016-07-22 2023-03-14 Flamel Ireland Limited Modified release gamma-hydroxybutyrate formulations having improved pharmacokinetics
US11504347B1 (en) 2016-07-22 2022-11-22 Flamel Ireland Limited Modified release gamma-hydroxybutyrate formulations having improved pharmacokinetics
AU2017329957B2 (en) * 2016-09-21 2020-05-07 Avexxin As Pharmaceutical composition
US20180263936A1 (en) 2017-03-17 2018-09-20 Jazz Pharmaceuticals Ireland Limited Gamma-hydroxybutyrate compositions and their use for the treatment of disorders
JP7305562B2 (ja) * 2017-06-16 2023-07-10 アヴェクシン エーエス 線維性疾患の治療のための組成物および方法
JP7472116B2 (ja) 2018-11-19 2024-04-22 ジャズ ファーマシューティカルズ アイルランド リミテッド 耐アルコール性製剤
JP7553453B2 (ja) 2019-03-01 2024-09-18 フラメル アイルランド リミテッド 食事摂取状態における改善された薬物動態を有するガンマ-ヒドロキシ酪酸塩組成物
GB201910644D0 (en) 2019-07-25 2019-09-11 Coegin Pharma As Cancer Treatment
US20210311022A1 (en) * 2020-03-27 2021-10-07 Organogenesis, Inc. Methods, kits and compositions for characterizing an anti-inflammatory response of a product
US11779557B1 (en) 2022-02-07 2023-10-10 Flamel Ireland Limited Modified release gamma-hydroxybutyrate formulations having improved pharmacokinetics
US11583510B1 (en) 2022-02-07 2023-02-21 Flamel Ireland Limited Methods of administering gamma hydroxybutyrate formulations after a high-fat meal

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4670465A (en) * 1986-05-21 1987-06-02 Syntex (U.S.A.) Inc. Arachidonic acid analogs
JPH0987176A (ja) 1995-09-26 1997-03-31 Shiseido Co Ltd 糸球体腎炎抑制剤
JPH09268153A (ja) 1996-04-02 1997-10-14 Sagami Chem Res Center トリフルオロメチルケトン誘導体及びホスホリパーゼa2阻害剤
JP2000508645A (ja) * 1996-04-12 2000-07-11 ペプテック リミテッド ポリ不飽和脂肪酸を使用する免疫病の治療方法
WO1999015129A2 (en) 1997-09-23 1999-04-01 Bristol-Myers Squibb Company SELECTIVE cPLA2 INHIBITORS
US6107334A (en) 1998-02-23 2000-08-22 Wake Forest University Dietary control of arachidonic acid metabolism
AU4994899A (en) 1998-07-13 2000-02-01 University Of South Florida Modulation of the phospholipase a2 pathway as a therapeutic
US6031014A (en) 1998-12-08 2000-02-29 Crivello; James V. Initiator compositions and methods for their synthesis and use
DE60032774D1 (de) 1999-07-19 2007-02-15 Lilly Co Eli Spla2 inhibitoren
US20020165119A1 (en) * 2001-01-31 2002-11-07 Alan Leff Method of treating inflammatory conditions by inhibiting cytosolic phospholipase A2
EP1243524A3 (en) 2001-03-16 2004-04-07 Pfizer Products Inc. Pharmaceutical kit for oxygen-sensitive drugs
US7101875B2 (en) * 2001-12-03 2006-09-05 Wyeth Methods for treating arthritic disorders
GB0202002D0 (en) * 2002-01-29 2002-03-13 Leiv Eiriksson Nyotek A S Use
MY131170A (en) 2002-03-28 2007-07-31 Nissan Chemical Ind Ltd Therapeutic agent for glomerular disease
US20040111957A1 (en) 2002-12-13 2004-06-17 Filippini Brian B. Water blended fuel composition
WO2006106438A2 (en) * 2005-01-11 2006-10-12 Evolva Sa Modulators of ppar activity
US20060246115A1 (en) * 2005-03-04 2006-11-02 Ricardo Rueda Nutritional products for ameliorating symptoms of rheumatoid arthritis
WO2008075366A2 (en) 2006-12-20 2008-06-26 Medwell Laboratories Ltd. Novel conjugates of polyunsaturated fatty acids with amines and therapeutic uses thereof
NZ552238A (en) 2006-12-20 2009-07-31 Seperex Nutritionals Ltd An extract
WO2009038671A2 (en) * 2007-09-14 2009-03-26 Resolvyx Pharmaceuticals, Inc. Oxylipin compounds for treating autoimmune diseases
ES2733353T3 (es) 2007-11-09 2019-11-28 Basf As Compuestos lípidos para uso en productos cosméticos, como suplemento alimenticio o como un medicamento
US8211947B2 (en) * 2008-01-28 2012-07-03 Guillermo Selman-Housein Sosa Composition and method for treating and preventing musculoskeletal and connective tissue disorders
EP2147910A1 (en) 2008-07-15 2010-01-27 Pronova BioPharma Norge AS Novel lipid compounds
NZ618734A (en) * 2009-05-08 2015-01-30 Pronova Biopharma Norge As Polyunsaturated fatty acids for the treatment of diseases related to cardiovascular, metabolic and inflammatory disease areas
GB0909643D0 (en) * 2009-06-04 2009-07-22 Avexxin As Glomerulonephritis treatment
WO2011097276A1 (en) * 2010-02-02 2011-08-11 Martek Biosciences Corporation Methods and compositions for treating arthritis with docosahexaenoic acid

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017075148A (ja) 2017-04-20
US20130245127A1 (en) 2013-09-19
KR20130112880A (ko) 2013-10-14
EP2611432A1 (en) 2013-07-10
CN103249408A (zh) 2013-08-14
AU2011298340B2 (en) 2014-09-25
US9682930B2 (en) 2017-06-20
CN109893518A (zh) 2019-06-18
CA2810102A1 (en) 2012-03-08
JP2013540713A (ja) 2013-11-07
WO2012028688A1 (en) 2012-03-08
AU2011298340A1 (en) 2013-03-28
IL224963A (en) 2017-09-28
GB201014633D0 (en) 2010-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6082347B2 (ja) ポリ不飽和長鎖ケトンを用いるリウマチ性関節炎の治療
JP6689078B2 (ja) 超高純度なテトラヒドロカンナビノール−11−酸
JP5837481B2 (ja) 糸球体腎炎治療
KR19980064024A (ko) 약학 조성물
JP2007145865A (ja) 抗新生物剤としての酪酸、酪酸塩、および誘導体の生理学的に安定な組成物
Hedner et al. Effect of cholecystokinin on small intestine
US6605639B1 (en) Ligands of nuclear receptor
TWI331920B (en) Unit dosage form for relieving or treating constipation in human patients
JP5289310B2 (ja) 微小管破壊剤及びそれを含有する癌細胞増殖抑制剤
SE463366B (sv) Anvaendning av substituerade 4-fenyl-4-oxo-2-butensyraderivat foer framstaellning av laekemedel foer behandling av sjukdomar i matsmaeltningskanalen och som antiulceroest laekemedel
JPH04500205A (ja) β―ジケトン置換体
JP2023502661A (ja) 炎症性腸疾患を処置するための方法
KR100965205B1 (ko) 하부요로 폐색 질환에 따른 축뇨장해의 예방 및/또는치료제
JP2018177739A (ja) Trpa1活性化剤
HU200684B (en) Process for producing pharmaceutical composition comprising comt inhibitor as active ingredient and active on gastrointestinal tract
CN105837425B (zh) (2e, 6e)-2-(3,5-二甲氧基苯基亚甲基)-6-(4-氯苯基亚甲基)环己酮及其衍生物的新应用
KR101706868B1 (ko) 2-아미노-2-노보네인카복실산을 함유하는 지방간염의 예방 또는 치료용 조성물
WO2005102331A1 (ja) 骨粗鬆症治療剤
CN101389633B (zh) 有机化合物
JP7217085B2 (ja) ロイシン誘導体、それを含む組成物及びその用途
EA012724B1 (ru) Применение бензоильного производного 3-аминокарбазола для лечения расстройства, связанного с продукцией простагландина e2 (pge2)
WO2019232665A1 (zh) 一类具有抗癌活性的硫代吲嗪类化合物及其衍生物
JP2020033272A (ja) 過活動膀胱の予防又は改善剤
JP6678685B2 (ja) 尿酸性または痛風性疾患の予防または治療
KR20130040862A (ko) 과민성 대장 증후군의 치료를 위한 방법 및 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140901

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151211

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20160314

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160913

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20161108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6082347

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees