JP6082194B2 - 断熱材固定具およびその取付方法 - Google Patents
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Description
これまでの床断熱は、大引き間や根太間など軸組間にスチレンボード、ウレタンボード、グラスウールボード、ロックウールボードなどの板状の断熱材を、金具を使用して固定することが行われており、種々の金具が提案されている。
また、特許文献2に開示されている床断熱構造の受け具7では、図7に示すように、側面下向きコ字形をなして根太5上に跨り被せられる根太取付部8と、根太取付部8の両脚部下端から斜め上方に突き出した支持片9,9とから構成され、支持片9は弾性的に下方に屈曲可能な板ばね状に構成されている。そして、施工に際しては、受け具7を根太5上に根太取付部8を被せ、支持片9を根太5間に突出させた状態で取り付け、断熱材6を根太5間に嵌め込むことで、支持片9に断熱材6の下面を当接させて支持させるようにする。
また、断熱材6の厚みに寸法公差があり、断熱材6の厚みが薄い場合には、床板との間に隙間が生じ、断熱性能が低下するという問題もある。
一方、特許文献2の受け具7では、支持片9が板ばね状とされて屈曲可能としてあることから、複数の断熱材6の厚みに対応できるものの、受け具7による断熱材6の支持が支持片9の先端のわずかな接触部分だけであり、支持片9の先端が断熱材6にめり込み易く、このため床板と断熱材6の間に隙間が生じ、断熱性能が低下するという問題もある。
さらに、断熱支持金具1や受け具7のいずれの場合にも断熱材6の厚み方向に金具1や受け具7が貫通して配置されることから、この貫通部分を介して熱伝導などが生じるヒートブリッジ(熱橋)による断熱性能の低下を招くという問題もある。
軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備え、
前記垂直片の長さを前記差込み片の長さより短く形成して前記板状断熱材を軸組上面よりこれら長さの差分だけ突出可能に差し込み位置を定める定規機能を付加して略Z字状に構成したことを特徴とするものである。
軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備え、
前記垂直片に対して前記上部片を鋭角に延設して略Z字状に構成したことを特徴とするものである。
軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備え、
前記垂直片の長さを前記差込み片の長さより短く形成して前記板状断熱材を軸組上面よりこれら長さの差分だけ突出可能に差し込み位置を定める定規機能を付加して略Z字状に構成するとともに、
前記垂直片に対して前記上部片を鋭角に延設して前記差分に加え、前記上部片の長さの前記鋭角の余弦分を軸組上面より突出可能に構成したことを特徴とするものである。
前記断熱材固定具は、軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備えて略Z字状に構成され、
前記垂直片を前記板状断熱材の上隅上面に当てるとともに前記差込み片を上隅側面に当てた後、そのまま前記差込み片の先端を軸に回転させて当該差込み片を位置決めして前記板状断熱材に差し込むようにすることを特徴とするものである。
本発明の請求項6記載の断熱材固定具の取付方法は、請求項5記載の構成に加え、前記断熱材固定具は、前記請求項1〜4のいずれかに記載の前記断熱材固定具であることを特徴とするものである。
また、前記垂直片の長さを前記差込み片の長さより短く形成して前記板状断熱材を軸組上面よりこれら長さの差分だけ突出可能に差し込み位置を定める定規機能を付加して構成したので、断熱材の厚み方向に差込み片を当ててその先端位置で差し込むようにすることで、垂直片との長さの差分だけ断熱材を軸組表面から突き出す状態にでき、固定具の取り付けのために墨出しの必要がなく、簡単に所定の位置に固定具を取り付けることができるとともに、断熱材の厚みに公差があっても床板と断熱材との隙間を無くして断熱性能を確保することができる。
また、前記垂直片に対して前記上部片を鋭角に延設して構成したので、垂直片に対して鋭角の上部片によって断熱材を軸組から突き出した状態にでき、この状態で床板を取り付けることで、断熱材との隙間を無くして取り付けることができる。
また、前記垂直片の長さを前記差込み片の長さより短く形成して板状断熱材を軸組上面よりこれら長さの差分だけ突出可能に差し込み位置を定める定規機能を付加して構成したので、断熱材の厚み方向に差込み片を当ててその先端位置で差し込むようにすることで、垂直片との長さの差分だけ断熱材を軸組表面から突き出す状態にでき、固定具の取り付けのために墨出しの必要がなく、簡単に所定の位置に固定具を取り付けることができるとともに、断熱材の厚みに公差があっても床板と断熱材との隙間を無くして断熱性能を確保することができる。
また、前記垂直片に対して前記上部片を鋭角に延設して構成したので、垂直片に対して鋭角の上部片によって断熱材を軸組から突き出した状態にでき、この状態で床板を取り付けることで、断熱材との隙間を無くして取り付けることができる。
本発明の請求項6記載の断熱材固定具の取付方法によれば、前記請求項1〜4のいずれかに記載の断熱材固定具を用いる場合でも、固定具の垂直片を上隅上面に当て、差込み片を上隅側面に当ててそのまま差込み片の先端を中心に回転させて差込み片を差し込むことで、断熱材の厚み方向の一定の位置に差し込むことができ、断熱材の厚みに公差があってもその影響を受けることなく、固定具と断熱材上面との寸法を一定にして取り付けることができる。
この断熱材固定具10は、軸組5間に板状断熱材6を固定するためのものであり、床断熱のために大引き間や根太間などの軸組5間にスチレンボード、ウレタンボード、グラスウールボード、ロックウールボードなどの板状断熱材6を固定するもので、金属板製や合成樹脂製とされる。
このため断熱材固定具10の差込み片12の先端が前方に突き出す二等辺三角形状に尖らせて形成してあり、板状断熱材6への差し込みを容易にできるようにしてある。なお、差込み片12の先端を尖らせる形状は、二等辺三角形状に限らず、斜めに切り落とすなど他の形状であっても良い。
そして、この断熱材固定具10は、例えば垂直片11と差込み片12のなす角度、垂直片11と上部片13のなす角度がそれぞれ直角とされて略Z字状としてある。
この断熱材固定具10では、板状断熱材6に差込み片12を差し込んで使用することから、これまでの断熱支持金具や受け具のように略コ字形状として予め軸組である根太5などを跨ぐように取り付けて使用することはできず、板状断熱材6に先に断熱材固定具10を差し込んだ状態とし、その後軸組5に取り付けて使用される。
これにより、軸組5に上部片13を載せ置いた状態とすると、軸組5の上面より板状断熱材6が出っ張った状態となり、次工程での床板15の取り付けの際、床板15で板状断熱材6が押込まれ、強く密着させることができ、隙間の発生を防止することができる。
この断熱材固定具10では、断熱材固定具10の軸組5への固定は特に行わず、次工程で床板15との間に挟みこむことによって固定する。
なお、釘穴16と突出片17はいずれか一方だけ設けて固定するようにしても良い。
なお、ここでの床板15は、床の表面を構成するものに限らず、床下地板であっても良い。
この取付方法に用いることが好ましい断熱材固定具10は、図1に示すように、垂直片11の長さをL1とし、差込み片12の長さをL2とした場合に、垂直片11の長さL1を差込み片12の長さl2より短く形成したものである。
これにより、断熱材固定具10の加工のための金型の必要個数を削減したり、在庫管理が容易となるとともに、流通在庫を大幅に削減できる。
断熱材固定具10の上部片13を板状断熱材6の上面より低く取り付けることが簡単にでき、板状断熱材6が軸組5より出っ張ることで、床板15に強く密着させることができ、設計通りの断熱性能が確保できる。
板状断熱材6を軸組5の間に落としこんで取り付けた場合でも軸組5の上面の上部片13を持って簡単に取り出したり、移動することができ、軸組5への取付位置の修正が簡単にできる。
断熱材固定具10を板状断熱材6に差し込む際、断熱材固定具10の垂直片11の長さL1と差込み片12の長さL2にL2>L1の関係として長さの差ΔLを形成することで定規として機能させることができ、断熱材固定具10を板状断熱材6に当てることで、差込み位置を位置決めでき、墨出しをすることなく簡単に取り付けできる。
断熱材固定具10は、上部片13を軸組5と床板15との間に挟みこむことで固定でき、固定爪や釘などを使用せずに固定することができる。
断熱材固定具10が板状断熱材6を貫通せず厚み方向中間までであり、断熱材固定具10によるヒートブリッジ(熱橋)の発生を抑えることができ、優れた断熱性能を確保できる。
断熱材固定具10が略Z字状に構成してあるので、形状が単純で重ね易く、保管や運搬を効率的に行うことができる。
6 板状断熱材
6A 厚い板状断熱材
6B 薄い板状断熱材
10 断熱材固定具
10A 断熱材固定具
10B 断熱材固定具
11 垂直片
12 差込み片
13 上部片
14 突出片
15 床板
16 釘穴
17 突出片
L1 垂直片の長さ
L2 差込み片の長さ
ΔL L2−L1
θ 垂直片と上部片のなす角度
Claims (6)
- 軸組間に板状断熱材を固定する断熱材固定具であって、
軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備え、
前記垂直片の長さを前記差込み片の長さより短く形成して前記板状断熱材を軸組上面よりこれら長さの差分だけ突出可能に差し込み位置を定める定規機能を付加して略Z字状に構成したことを特徴とする断熱材固定具。 - 軸組間に板状断熱材を固定する断熱材固定具であって、
軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備え、
前記垂直片に対して前記上部片を鋭角に延設して略Z字状に構成したことを特徴とする断熱材固定具。 - 軸組間に板状断熱材を固定する断熱材固定具であって、
軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備え、
前記垂直片の長さを前記差込み片の長さより短く形成して前記板状断熱材を軸組上面よりこれら長さの差分だけ突出可能に差し込み位置を定める定規機能を付加して略Z字状に構成するとともに、
前記垂直片に対して前記上部片を鋭角に延設して前記差分に加え、前記上部片の長さの前記鋭角の余弦分を軸組上面より突出可能に構成したことを特徴とする断熱材固定具。 - 前記差込み片の先端部を尖らせて構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の断熱材固定具。
- 軸組間に板状断熱材を固定する断熱材固定具の取付方法であって、
前記断熱材固定具は、軸組側面に密着させる垂直片と、この垂直片の下端に延設され前記板状断熱材の厚み方向中間に差し込まれる差込み片と、前記垂直片の上端に延設され軸組上面に載置支持される上部片とを備えて略Z字状に構成され、
前記垂直片を前記板状断熱材の上隅上面に当てるとともに前記差込み片を上隅側面に当てた後、そのまま前記差込み片の先端を軸に回転させて当該差込み片を位置決めして前記板状断熱材に差し込むようにすることを特徴とする断熱材固定具の取付方法。 - 前記断熱材固定具は、前記請求項1〜4のいずれかに記載の前記断熱材固定具であることを特徴とする請求項5記載の断熱材固定具の取付方法。
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JP2012139539A JP6082194B2 (ja) | 2012-06-21 | 2012-06-21 | 断熱材固定具およびその取付方法 |
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