JPS637615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は天井板の取付構造、特に化粧天井板を
野縁に簡単に固定できる取付構造に関する。

従来、化粧天井板を釘やビスを用いないで取付
けるには天井スラブよりつりボルト等を用いて固
定された野縁に、化粧天井板の裏面に固定された
保持枠を係止し、これにより化粧天井板を固定し
ていた。これを具体的に述べれば第１図に示すよ
うに化粧天井板１の裏面には化粧天井板１の幅方
向に延びる保持枠２が接着剤等で固定されてい
る。保持枠２は化粧天井板１の幅とほぼ等しい長
さを有する。保持枠２には野縁３の上部フランジ
４，４上に係止させる係止片５，５が突出してい
る。しかしながら、このような構造では保持枠２
を化粧天井板１の裏面に接着剤等で固定した後、
現場に納入せねばならず、その手間代と保持枠２
の材料代がかさむのみか、化粧天井板の保管，配
置に困難を生じていた。

したがつて、本考案の目的は化粧天井板の縁部
に嵌着可能な固定用クリツプを野縁側に形成した
孔に係止可能にすることにより上記欠点を解消し
たものであり、以下図面に示した実施例に基づい
て本考案を詳細に説明する。

第２図ないし第４図において野縁６は底板７
と、この底板７の両端からほぼ直角に折曲された
立上り片８，８と、この立上り片８，８から互い
に近接方向に延長するフランジ９，９と、このフ
ランジ９，９から底板７に向けて折曲された折曲
片１０，１０とから成る。底板７には矩形孔とし
ての長孔１１，１２が長手方向に沿つて設けられ
ている。長孔１１，１２は底板７の中心線Ｓを隔
てて千鳥状配列を成している。１組の長孔１１，
１２は底板７の定めた間隔に複数組形成される。
一方の長孔１１に一方の化粧天井板１３の縁部１
４が固定用クリツプ１５で固定され、他方の長孔
１２にこの化粧天井板１３に隣接する図示しない
天井板の縁部が他の固定用クリツプで固定され
る。固定用クリツプ１５は化粧天井板１３の縁部
１４方向に突出し、かつ先端が尖鋭となつた固定
子１６と、この固定子１６とほぼ平行に突出し、
化粧天井板１３の裏面に当接する受片１７と、一
端が固定子１６と受片１７に一体化され、長孔１
１，１２方向に突出するとともに途中箇所から折
返されてＶ字状あるいはＵ字状に成形された摺動
片１８と折曲片１９を有する係止片２０とから成
る。固定用クリツプ１５はバネ鋼など弾力性のあ
る板で製造されるので、摺動片１８と折曲片１９
によるＶ字あるいはＵ字の開きは圧迫されて狭ま
つた後復元する。折曲片１９の自由端側は摺動片
１８と反対方向に折曲された舌片２１が設けられ
ている。舌片２１の折曲箇所には摺動片１８方向
に窪む凹部２２が形成されている。

このような構成において化粧天井板１３を野縁
６に固定するには固定子１６側を化粧天井板１３
の縁部１４に打ち込む。係止片２０を係止片２０
の先端側から長孔１１側に押し込むことにより摺
動片１８が長孔１１の一辺としての縦辺２３に接
し、折曲片１９は縦辺２４に接してスライドし、
折曲片１９が摺動片１８側に押圧される。係止片
２０が凹部２２迄嵌入されると、折曲片１９はそ
の弾力により復元して縦辺２４が凹部２２の中に
嵌合され、固定用クリツプ１５と一体となつた化
粧天井板１３は野縁の底板７に堅固に固定され
る。

なお、固定用クリツプ１５は第５図ないし第７
図に示すように折曲片１９に変形を加えた固定用
クリツプ２５で代替してもよい。第５図と第６図
の固定用クリツプ２５は舌辺２１に凹部がなく、
折曲片１９の両端部には摺動片１８とは反対方向
に折曲された阻止片２７，２８が形成されてい
る。この阻止片２７，２８の縁部は係止片２０の
先端から次第に傾斜する傾斜面となつており、阻
止片２７，２８の舌片２１側の端部側は野縁６の
底板７の裏側に当接し係止する。また阻止片２
７，２８の上記端部側と舌片２１との間隔Ｗは野
縁６の板厚より僅かに大きい。阻止片２７，２８
が長孔１１に挿入された時、阻止片２７，２８の
端部側が野縁６の底板７の裏側に当接し、舌片２
１は底板７の表面にほぼ当接するので、これによ
り底板７が挟持状態となる。また第７図に示すよ
うに折曲片１９の一部をプレスして阻止片２９と
してもよい。すなわち、第５図乃至第７図におい
ては、阻止片２７，２９を形成することにより得
られる凹部に対し辺２４を係合するので、辺２４
側にクリツプ１５が確実に係合する。

以上説明したように本考案では一方が化粧天井
板の縁部に嵌着可能とし、他方が野縁の底板に形
成した孔に係止可能となつた固定用クリツプで化
粧天井板を野縁に固定することにより、化粧天井
板が簡単に固定することができる。従つて従来の
ように保持枠を用いないので、保持枠の固定作業
が不要になり、保持枠の突片を野縁にはめ込む難
しい作業もなくなり、これにより作業能率をアツ
プさせることができる。

また、摺動片１８には天井板１３の上面に当接
する受片１７を形成したので、固定子１６を天井
板１３の縁部１４に打込む際に、受片１７が天井
板１３の上面をスライドしガイド片として機能す
るので固定子１６が傾いて打込まれることがな
く、しかも固定子１６を天井板１３の上面より一
定の深さの所に打込むことができ、取付位置にバ
ラツキが生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の化粧天井板の取付構造を示す断
面図であり、第２図は本考案による野縁の斜視図
であり、第３図は本考案の化粧天井板の取付構造
を示す斜視図であり、第４図は本考案における固
定用クリツプの側面図であり、第５図ないし第７
図は他の固定用クリツプの斜視図である。 ６……野縁、７……底板、１１，１２……長
孔、１５……固定用クリツプ、１６……固定子、
１７……受片、２０……係止片、２１……舌片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 矩形状の複数の孔１１，１２を有する底板７を
   有するチヤンネル状野縁６に天井板１３の縁部１
   ４を突合せて取付ける天井板の取付構造におい
   て、 上記天井板１３の縁部１４に打込まれる固定子
   １６と、係止片２０とを具備し、 この係止片２０は、上記固定子１６よりほぼ直
   角に折曲されて上記孔１１，１２方向に突出しか
   つ孔１１，１２の一辺２３に摺接する摺動片１８
   と、この摺動片１８の先端より反対方向に折返さ
   れて上記辺２３に対向する辺２４に摺接する折曲
   片１９と、この折曲片１９の自由端側より摺動片
   １８とは反対方向に折曲され底板７の下面側に当
   接する舌片２１と、この舌片２１と折曲片１９と
   の間に形成されて上記辺２４を受け入れる凹部と
   から成り、 上記摺動片１８には固定子１６と平行方向に突
   出して天井板１３の上面に当接する受片１７を形
   成したことを特徴とする天井板の取付構造。