JPH048755Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ビニールハウス棟部において棟部
を構成する１対のアーチパイプを連結するく字状
の連結パイプと、これに直交する横通しパイプと
を連結固定する固定装置に係り、特に連結パイプ
の曲がり具合にかかわらず強固に固定することが
固定装置に関する。

〔従来の技術〕 従来、ビニールハウスのパイプ連結固定金具は
種々提案されているが、実開昭47−346号公報に
よつて開示された「ビニールハウス組立金具」、
及び実開昭48−93750号公報によつて開示された
「アンテナ取付用金具」が公知である。

これらの公知のものはいずれも第９図に示すよ
うに、板状の基材を弯曲して巻回部１を形成し第
１のパイプを保持し、その巻回部１よりほぼ平行
に延びる舌片２を両側に形成し、その舌片２をそ
れぞれ二又に分技し、その間に前記第１のパイプ
と直交する第２のパイプを支持する円弧状の受け
部３を設け、さらに前記各舌片２の下部を折り返
して係合片４を形成した主部材Ａの前記係合片４
に係合するテーパ係合縁５を両側に有する楔部材
Ｂとからなる固定金具である。

また、実開昭52−90916号公報によつて開示さ
れたクロス型接続金具は、組立ガレージなどにお
いて使用するものであり、１つの楔部材を使用す
るだけで２つのパイプが固定できるとともに、楔
部材の楔止が確定に維持できるようにテーパ係合
縁の片側後端に切欠き部を形成したものである。

したがつて、楔部材の切欠き部によつて主部材
Ａの舌片２の係合縁に係合し、抜け出ることを防
止するものである。

また、実開昭48−102134号公報によつて開示さ
れたビニールハウスのこつざい骨材接続金具は上
面が湾曲状に成形したパイプがはまる断面門型の
接続具本体の左右両片に直交するパイプの係合切
欠を設け、かつその下端にはくさびの挿入切欠を
連設したものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来のこの種のパイプ連結固定
金具はいずれも巻回部１は直線状をしており、直
管状の２本のパイプを連結固定するものである
が、ビニールハウスの棟部はアーチ状をしてお
り、そのアーチパイプと横通しパイプの連結固定
の場合に弯曲したアーチパイプが巻回部と１点接
触となるため使用中に固定が緩み長期の使用には
不適当であつた。

また、ビニールハウスの棟部は地域により約
30°乃至13°の角度をなしているものが使用される
ので、前記実開昭48−102134号に示されているア
ーチパイプの弯曲形状に適合するように主部材の
上部を弯曲して形成した場合には、棟部の種々の
角度に利用することができないという問題があつ
た。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、ビニールハウスの棟部の角度にかかわりなく
アーチパイプと横通しパイプとの連結固定が確実
に維持できる固定金具を提供することを目的とし
ている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、Ｕ字形に
折曲した巻回部より互いにほぼ平行に延びる舌片
を両側に形成し、該舌片をそれぞれ二又に分岐
し、その間にく字状連結パイプと直交する横通し
パイプを通す円弧状の受け部を形成し、該受け部
の近傍に補強リブを設け、前記舌片の下端部はそ
れぞれ内側に折り返して係合片とした主部材と、
前記係合片に係合するテーパ係合縁を両側に有
し、上面に滑り止め用小突起を、また後端に下方
に湾曲した打ち込み部を形成した楔部材とからな
るビニールハウス棟部構造材を連結するく字状連
結パイプとこれに直交する横通しパイプとを連結
する固定装置において、前記主部材の巻回部上部
の両端部を内側に湾曲して、く字状連結パイプを
支持する一対の円弧状支持部を設けたことを特徴
としている。

〔作用〕

次に、本考案の作用について説明する。

ビニールハウス棟部構造材を連結するく字状の
連結パイプの両側部が固定金具の巻回部両端に形
成した一対の円弧状支持部に接するように挿入す
ると、く字状の連結パイプの角度にかかわりな
く、その連結パイプは一対の円弧状支持部で安定
して支持され、また金具の内側面は連結パイプを
両側から挟持する状態となる。

次に、棟部構造材のアーチパイプと直交する横
通しパイプを円弧状受け部に挿入し、楔部材の両
側に設けたテーパ係合縁を主部材の舌片下部の折
り返し係合片に係合させながら楔部材の打ち込み
部をハンマーなどで打ち、２本のパイプを連結固
定する。

その際、楔部材の上面に設けた滑り止め用小突
起によつて横通しパイプへの楔止は緩むことがな
い。また、受け部の近傍に設けた補強リブのため
主部材の側部が変形することがなく、この補強リ
ブを内側に突設すれば連結パイプの保持が一層強
固になる。

〔実施例〕

本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。図において従来例と同一または同等の部分に
ついては同一符号を付して説明する。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示して
おり、ビニールハウス棟部を形成する１対のアー
チパイプ６，６を連結したく字状の連結パイプ７
を固定金具の主部材Ａの巻回部８に嵌挿すると主
部材Ａの巻回部８の両端部は円弧状の支持部９，
９が形成されているので、く字状の連結パイプ７
の両側部はこの支持部９，９によつて支持され、
また前後両面は巻回部８の両内面によつて支持さ
れる。

また、主部材Ａの巻回部８下部に二又状に延設
された舌片１０，１０間の円弧状の受け部１１の
近傍にはＵ字状の補強リブ１２が形成されてお
り、舌片１０の下端部は折り返して係合片１３が
形成されている。

そして前記受け部１１に横通しパイプ１４を挿
通してから、楔部材Ｂの両側縁に設けたテーパ状
の係合縁１５，１５を主部材Ａの係合片１３に係
止しながら楔部材Ｂの下方に弯曲した打ち込み部
１６をハンマーなどで打ち楔部材Ｂを楔止めす
る。楔部材の上面１７両側には滑り止め用の小突
起１８が複数個設けられているから、この小突起
１８によつて打ち込まれた楔部材Ｂは２本のパイ
プを確実に固定し、緩むことがない。

さらに、楔部材Ｂの打ち込み部１６は下方に弯
曲しているからく字状の連結パイプ７に邪魔され
ることなしに楔部材Ｂの打ち込みができる。

このように本実施例によると、く字状の連結パ
イプ７は主部材Ａの両端部の支持部９，９によつ
て支持されるので、連結パイプ７の曲がり角度に
左右されずに安定した状態で支持することがで
き、また横通しパイプ１４を挿入した上で楔部材
Ｂを打ち込むと楔部材Ｂの上面１７で横通しパイ
プ１４を圧接すると同時に、巻回部８内面に連結
パイプ７を圧接し、両者を確実に固定できる。

この場合に楔部材Ｂ上面に滑り止め用小突起１
８が複数個設けられているから、楔部材が不用意
に滑動することがなく２本のパイプ間の固定が緩
むことがない。また、円弧状の受け部１１の近傍
に設けた補強リブ１２によつて主部材Ａに変形を
起すこともなく、例えばこの補強リブ１２を内側
に突出して形成すればく字状の連結パイプを挿入
した際の仮止めの効果も奏する。

第４図は本実施例の楔部材Ｂを示しており、図
ａは楔部材Ｂの上面が平面１７のものであり、ま
た、図ｂはその上面に溝１９を形成したものであ
る。そして、図ｂのように楔部材Ｂ上面に溝１９
を形成したものは図ａに比して一層強固な楔とす
ることができる。

なお、小突起１８の間隔や個数は図面に示すも
のに限定されるものではなく、また主部材Ａの両
端部に形成した円弧状支持部９の形状も任意に変
更することができる。

〔考案の効果〕

上記のような構成を有する本考案によれば、く
字状連結パイプを巻回する巻回部上部の両端部を
内側に湾曲して一対の円弧状支持部を形成し、該
巻回部より互いにほぼ平行に延びる舌片を両側に
形成し、該舌片をそれぞれ二又に分岐し、その間
に前記連結パイプと直交する横通しパイプを通す
円弧状の受け部を形成し、該受け部の近傍に補強
リブを設け、前記舌片の下端部はそれぞれ内側に
折り返した係合片とするとともに、該係合片に係
合するテーパ係合縁を両側に有し、上面に滑り止
め用小突起を、また後端に打ち込み部を形成した
楔部材を前記横通しパイプに交差して摺接、固定
するようにしたから、ビニールハウス棟部の様々
な形状に対応することができ、地域による屋根面
の種々な傾斜にも同一金具によつて対応できる上
に、く字状連結パイプの角度にかかわりなく、そ
の連結パイプは一対の円弧状支持部で安定して支
持できるので固定後の使用によつて緩むことがな
く、安定した固定が確保できる。

また、円弧状受け部の近傍に補強リブを形成し
たので変形することがなく、楔部材に弯曲した打
ち込み部を形成してあるので、く字状連結パイプ
に邪魔されることがなく特別な技術を要せずに容
易に打ち込み固定することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示しており、第１図は
本実施例の使用状態を示す正面図、第２図は主部
材および楔部材の正面図、第３図は主部材の断面
図、第４図は楔部材の斜視図、第５図は第２図の
側面図、第６図は第２図の斜視図、第７図は第１
図の斜視図、第８図は本実施例を使用したビニー
ルハウスの正面図、第９図は従来例の斜視図であ
る。 ７……く字状連結パイプ、８……巻回部、９…
…円弧状支持部、１０……舌片、１１……円弧状
受け部、１２……補強リブ、１３……係合片、１
４……横通しパイプ、１５……係合縁、１６……
打ち込み部、１８……小突起、Ａ……主部材、Ｂ
……楔部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｕ字形に折曲した巻回部より互いにほぼ平行に
   延びる舌片を両側に形成し、該舌片をそれぞれ二
   又に分岐し、その間にく字状連結パイプと直交す
   る横通しパイプを通す円弧状の受け部を形成し、
   該受け部の近傍に補強リブを設け、前記舌片の下
   端部はそれぞれ内側に折り返して係合片とした主
   部材と、前記係合片に係合するテーパ係合縁を両
   側に有し、上面に滑り止め用小突起を、また後端
   に下方に湾曲した打ち込み部を形成した楔部材と
   からなるビニールハウス棟部構造材を連結するく
   字状連結パイプとこれに直交する横通しパイプと
   を連結する固定装置において、前記主部材の巻回
   部上部の両端部を内側に湾曲して、く字状連結パ
   イプを支持する一対の円弧状支持部を設けたこと
   を特徴とするビニールハウス棟部構造材用固定装
   置。