JP2551200Y2 - ウィンドシールド仮止め用ファスナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、車体のウィンドシール
ド取付部のフランジに係合するクリップと、縦・横に規
則的な列をなして林立する多数の頭付き突起を平板状部
材の一方の面上に形成してなる圧着・剥離型プラスティ
ックファスナとからなり、自動車のウィンドシールドを
車体に接着する際の仮止めに用いるファスナに関し、特
に車体に対する取付性が改善されたウィンドシールド仮
止め用ファスナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、縦・横に規則的な列をなし
て林立する多数の頭付き突起を平坦なベース上に形成し
てなる圧着・剥離型プラスティックファスナの改良につ
いて特願平２−６２６２８号明細書（特開平３−２０５
００１号）で提案している。このファスナは、同じ２つ
のファスナ片を突起が設けられた面同士で対向させて圧
接すれば２つのファスナ片同士が簡単に結合するので、
自動車のウィンドシールドを車体に接着する際の仮止め
に用いると頗る便利である。

【０００３】一方、自動車の車体窓枠に於けるウィンド
シールド取付部には、適宜な幅の内向きフランジが形成
されており、上記したファスナをこのフランジ面に取付
ける必要があるが、従来は、フランジ面に適宜な孔を開
設し、ファスナのベース部に形成された脚部をこの孔に
弾発係合させる構造が採られていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかるに、車体窓枠の
フランジ部に脚部の挿通孔を開設することは、車体の製
造工数を増大させるうえ、フランジ部に孔を開けるため
のスペースを要するので、フランジ部の幅寸法を大きく
とらねばならないという不都合がある。

【０００５】本考案は、このような従来技術の不都合を
解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、車
体構造に何等影響を及ぼすことなく車体窓枠のフランジ
部に簡単にかつ強固に取付けることが可能なウィンドシ
ールド仮止め用ファスナを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的は、本考
案によれば、ウィンドシールド仮止め用ファスナに於け
るクリップに、一方の外面と互いの対向面の少なくとも
いずれか一方とにそれぞれ逆刺（かえし）が設けられた
一対の把持片を設けると共に、縦・横に規則的な列をな
して林立する多数の頭付き突起を形成してなる平板状部
材に、外面に逆刺が設けられた側の把持片を受容するた
めの受容部を形成し、かつ外面に設けられた逆刺の先端
に係合する段部を受容部の内面に形成することによって
達成される。

【０００７】

【作用】このような構成によれば、平板状部材の受容部
に形成された段部に一方の把持片の外面に設けられた逆
刺の先端が係合し、クリップと平板状部材とが一体的に
結合する。そしてフランジの端縁部からクリップを差し
込めば、フランジを把持片が挟み込むようにしてフラン
ジにクリップが結合する。また一対の把持片の互いの対
向面に設けられた逆刺により、フランジに対するクリッ
プの抜去抵抗力が高められる。

【０００８】

【実施例】以下に添付の図面に示された具体的な実施例
に基づいて本考案の構成を詳細に説明する。

【０００９】図１は、本考案に基づき構成されたウィン
ドシールド仮止め用ファスナを示している。このファス
ナ１は、その一方の平坦な面に縦・横に規則的な列をな
して林立する多数の頭付き突起２を形成してなる細長い
平板状をなす合成樹脂製のベース３と、該ベース３の長
手方向の各端部に取付けられた一対の金属製クリップ４
とからなっている。

【００１０】クリップ４は、図２に示したように、断面
形状がＵ字形をなすように短冊状の薄板材を曲折するこ
とによって形成された一対の把持片５ａ・５ｂからなっ
ている。これらの各把持片５ａ・５ｂには、その端部側
の両側部を切り起こすことによって逆刺（かえし）６・
７が形成されている。これに加えて、一方の把持片５ａ
の端部側の中央部にも逆刺８が形成されている。これら
の逆刺６・７・８は、一方の把持片５ａの両側部のもの
６が外向きに、中央部のもの８が内向きに、そして他方
の把持片５ｂの両側部のもの７が内向きにされている。
また、他方の把持片５ｂの端縁部は僅かに外向きに折り
曲げられている。

【００１１】ベース３には、クリップ４の受容部９が形
成されている。このクリップ受容部９は、ベース３の短
手方向に矩形孔１０を貫通させると共に、この矩形孔１
０の一方の面側の壁１１の短手方向の中間部に段部１２
を設け、かつ他方の面側の壁１３の中央部１３ａを切除
したものであり、Ｕ字形をなすクリップ４の一方の把持
片５ａを受容部９に差し込めば（図２に於ける矢印の向
き）、受容部９の上下の壁１１・１３間に一方の把持片
５ａが挟まれると共に、両側の逆刺６が段部１２に係合
してクリップ４とベース３とが互いに結合するようにな
っている。

【００１２】図３に示すように、このクリップ４を車体
窓枠に形成された内向きフランジ１４の端縁に押し込め
ば、一方の把持片５ａの内面中央部の逆刺８および他方
の把持片５ｂの内面両側部の逆刺７がフランジ１４に圧
接し、ベース３を伴うクリップ４がフランジ１４に比較
的強固に結合する。

【００１３】他方、ウィンドシールド１５の周縁部内面
には、フランジ側ファスナの取付け位置に対応する位置
に両面粘着テープ１６などを用いて別のファスナ１７が
固定されており、ウィンドシールド１５の周縁部内面と
フランジ１４との間に接着剤を塗布したうえでこれを車
体側のファスナ１に圧接すれば、ウィンドシールド１５
が車体に対してずれないように仮止めされる（図３参
照）。

【００１４】

【考案の効果】このように本考案によれば、ファスナの
平板状をなすベース部に形成された受容部の段部にクリ
ップの一方の把持片の外面に設けられた逆刺の先端が係
合してファスナとクリップとが一体的に結合するので、
接着剤や粘着テープを要さずにクリップに対してファス
ナを取付けることが可能となる。しかもクリップの把持
片でフランジ部を挟み込むようにして車体窓枠の任意の
位置にファスナを取付けられるので、車体構造に何等影
響を及ぼすことなくファスナを簡単に所定の部位に取付
けることが可能となる。これに加えて、把持片の内面の
逆刺がフランジに食い込むので、フランジに対するクリ
ップの強固な結合が得られる。従って、製造工程の簡略
化並びに仮止め信頼性の向上に多大な効果を奏すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に基づくウィンドシールド仮止め用ファ
スナの正面図である。

【図２】クリップと受容部との関係を示す要部分解斜視
図である。

【図３】図１に於けるIII−III線に沿う拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ファスナ ２ 頭付き突起 ３ ベース ４ クリップ ５ａ・５ｂ 把持片 ６・７・８ 逆刺（かえし） ９ 受容部 １０ 矩形孔 １１ 壁 １２ 段部 １３ 壁 １４ フランジ １５ ウィンドシールド １６ 両面粘着テープ １７ ファスナ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体のウィンドシールド取付部のフラ
   ンジに係合するクリップと、縦・横に規則的な列をなし
   て林立する多数の頭付き突起を平板状部材の一方の面上
   に形成してなる圧着・剥離型プラスティックファスナと
   からなり、自動車のウィンドシールドを車体に接着する
   際の仮止めに用いるファスナであって、 前記クリップが、一方の外面と、互いの対向面の少なく
   ともいずれか一方とにそれぞれ逆刺（かえし）が設けら
   れた一対の把持片を有し、 前記平板状部材が、前記外面に逆刺が設けられた側の把
   持片を受容するための受容部を有し、 かつ前記受容部の内面に、前記外面に設けられた逆刺の
   先端に係合する段部が形成されることを特徴とするウィ
   ンドシールド仮止め用ファスナ。