JP6082035B2 - 酢酸とジメチルエーテルを製造するプロセス - Google Patents

酢酸とジメチルエーテルを製造するプロセス Download PDF

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Description

本発明は、ゼオライト触媒の存在下、メタノールと酢酸メチルからなる原料から酢酸とジメチルエーテルを同時製造するプロセスに関する。特に、本プロセスは、アルカリ金属交換ゼオライト触媒の存在下に実施される。
ゼオライトは、メタノールを脱水してジメチルエーテルを作る際に触媒として役立つことが、分かっている。水素型のフェリエライトを触媒として使ってメタノールの脱水を行うことは、例えば、US2009/0326281A,“メタノール転換における生成物選択性に対する、ゼオライトの触媒機能の影響”Seung−Chan Baekら、Energy&Fuels,2009,23(2),593−598ページと、“メタノールからジメチルエーテルへの液相脱水のための最適触媒の決定”、Khandan,Nら、Applied Catalysis:General,vol.349,Issues1−2,31 October 2008、6−12ページなどの文献に述べられている。
米国特許6,740,783には、ゼオライト触媒の存在下、含水メタノール原料の脱水を経由してジメチルエーテルを作る改良法が記載されており、触媒中のゼオライトの水素カチオンは、周期律表のIA、IIA、IBおよびIIB族の金属イオンまたはアンモニウムイオンで部分的に置換されている。改良点は、メタノール原料中に存在する水により、触媒は失活しないことだとされている。
韓国特許出願公開、KR2009/131560Aには、フェリエライト系触媒またはアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属イオンを部分的に導入して得られた触媒の存在下、200−350℃、1−50気圧でメタノールの脱水を行いジメチルエーテルを製造することが述べられている。
米国特許6,521,783には、同じでも異なっていても良いエステル加水分解触媒とアルコール脱水触媒を含む加水分解/脱水反応器に、酢酸、酢酸メチル、メタノール、ジメチルエーテルおよび水を供給するプロセスが述べられている。アルコール脱水触媒は、固体酸、ヘテロポリ酸、酸性ゼオライト、チタニアまたはシリカ担持アルミナ、リン酸アルミニウムまたはシリカ−アルミナ上に担持された酸化タングステンから選ぶことができる。エステル加水分解触媒は、酸性イオン交換樹脂、酸性ガンマアルミナ、フッ化アルミナ、硫酸塩またはタングステン酸塩担持ジルコニア、チタニアまたはシリカ担持アルミナ、リン酸アルミニウム、シリカ−アルミナ上に担持された酸化タングステン、クレー、担持された鉱酸、ゼオライト、ヘテロポリ酸から選ぶことができる。該プロセスに関する実施例では、触媒の性質は特に述べられていない。
WO2011/027105には、ゼオライト触媒の存在下、140から250℃で、メタノールと酢酸メチルから酢酸とジメチルエーテルを製造する方法が述べられている。該ゼオライトは、10員環を有する少なくとも1つのチャネルからなる2次元チャネルシステムを有する。この形のものとして特定されるゼオライトとしては、フェリエライト、ZSM−35,クリノプチロライトなどがある。WO2011/027105では、そのようなプロセスの使用に適したゼオライトのアルカリまたはアルカリ土類金属の含有量は、微量(ゼオライトの0から0.2wt%)でなければならないと述べている。
現在、ゼオライト触媒の存在下、メタノールと酢酸メチルの脱水と加水分解により酢酸とジメチルエーテルを同時製造するに際して、フェリエライトなどのゼオライト触媒の触媒活性が経時的に失われ、それが結果的に生成物、酢酸およびジメチルエーテルの生産性の喪失に至ることが分かっている。触媒のそのような失活では、費用と時間のかかる再生法により触媒を賦活化しなければならない。
通常、脱水と加水分解反応は、少なくとも140から約250℃の温度で行われる。一般的には、反応温度を高めると生産速度がより速くなるので、有利である。しかし、反応温度を上昇すると、反応に役立つゼオライト触媒の活性がずっと早く失われることも分かっている。
また、原料ソースにもよるが、供給原料のメタノールおよび/または酢酸メチルは、アセトンなどの不純物をいくつか含んでいることもある。現在、そのような不純物が特に比較的高濃度で存在する場合は、ゼオライト触媒の毒になることが分かっている。もし、ゼオライト触媒との接触に先立って、そのような不純物を供給原料のメタノールおよび/または酢酸メチルから除去する工程が無ければ、それらにより触媒が失活する速度が増す。
従って、供給原料のメタノールと酢酸メチルから酢酸とジメチルエーテルを同時製造する際に使用されるゼオライト触媒の失活速度を低下させること、特に高い反応温度および/またはアセトンなどの不純物の存在下でゼオライト触媒の失活速度を低下させることは、極めて望ましい。
現在、上記要約した有害作用を、10員環を有する少なくとも1つのチャネルからなる2次元チャネルシステムを有し、少なくとも1つのアルカリ金属カチオンで置換したゼオライトを用いて脱水と加水分解反応を行うことにより、意外にも改善できることが分かっている。
特に、上記のゼオライトが、高い反応温度および/またはアセトンの存在下で、失活に対する抵抗性が増すことが分かっている。上記特性を有するゼオライトを採用すると、その結果としてメタノールと酢酸メチルの脱水と加水分解のプロセス、特に供給原料の1つがアセトンを含んでいるプロセスにおいてゼオライト触媒の実効寿命が上昇することは有利である。
従って、本発明は、メタノールと酢酸メチルの混合物から酢酸とジメチルエーテルを同時製造するプロセスであって、該プロセスは、反応帯域においてメタノール供給原料と酢酸メチル供給原料を触媒組成物と接触させて、酢酸とジメチルエーテルを製造することからなり、該触媒組成物は、10員環を有する少なくとも1つのチャネルからなる2次元チャネルシステムを有し、そのカチオン交換容量の少なくとも5mol%が1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められているゼオライトからなる、プロセスを提供する。
本明細書の範囲では、“ゼオライト”の用語は、10員環を有する少なくとも1つのチャネルからなる2次元チャネルシステムを有するゼオライトを意味する。
ゼオライトは、酸素原子と四面体型に配位するアルミニウムとシリコンの3次元四面体構造を有する、アルミノシリケート形の周知の物質である。これらの四面体は、共有する酸素原子により互いに結合している。ゼオライトのチャネルシステムは、0、1、2、3次元チャネルシステムがある。本発明で有用と考えられるゼオライトは、2次元チャネルシステムを有する。国際ゼオライト協会では、3文字表記法を採用して、ゼオライトをその立体網状構造型に従い分類する。ゼオライトに関する情報、その立体網状構造型とチャネルシステムについては、Atlas of Zeolite Framework Types,C.H.Baerlocher,L.B.MccuskerおよびD.H.Olson,改良6版、Elsevier,Amsterdam,2007に表されており、C.H.Baerlocher,L.B.Mccusker Database of Zeolite Structure:www.iza−online.orgでも入手できる。
ゼオライトは、Zeolyst International Inc.やZeochem AGなどの多くの供給者から、例えば水素型やアンモニウム型で市販されているが、あるいは前述の国際ゼオライト協会(IZA)のウェブサイトに記載されているような公知の技術を使って作られた合成品でもよい。
本発明では、ゼオライトの2次元チャネルシステムは、10員環を有する少なくとも1つのチャネルからなり、4、5、6、8、10、12、14または16員環を有する1つ以上のチャネルをさらに有してもよい。
好ましくは、本発明で使用するゼオライトは、10員環を有する少なくとも1つのチャネルおよび8員環を有する少なくとも1つのチャネルからなる2次元チャネルシステムを有する。そのようなゼオライトの例としては、立体網状構造 FER(例えば、フェリエライト、ZSM−35、ISI−6およびFU−9),HEU(例えばクリノプチロライト)、MFS(例えばZSM−57)、DAC(例えばダキアルダイト)およびSTI(例えば束沸石)のゼオライトがある。
本発明の使用に適する他のゼオライトとしては、NES(例えばNU−87)、MWW(例えばMCM−22)およびTER(テラノヴァ沸石)から選ばれる立体網状構造を有するゼオライトがある。
好ましくは、ゼオライトは、FER、HEUおよびMFSから選ばれる立体網状構造を有しており、さらに好ましくは、立体網状構造FERを有する。
本発明で使用するゼオライトとしては、フェリエライト、ZSM−35、ISI−6,FU−9,ZSM−57およびクリノプチロライトが適している。好ましくは、ゼオライトは、フェリエライトおよびZSM−35から選ばれるが、より好ましくは、ゼオライトはフェリエライトである。
ゼオライトの2次元チャネルシステムは、相互接続チャネルまたは非相互接続チャネルからなってもよいが、好ましくは相互接続チャネルからなる。
本発明で使用するゼオライトは、カチオン交換容量の少なくとも5mol%が1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められているゼオライトである。アルカリ金属は、周期律表のI族の金属のことであり、Li、Na、K、Rb、Csおよびその組み合わせがある。
好ましいアルカリ金属はセシウムである。
天然または合成ゼオライトのシリカ対アルミナの容積モル比(SARとも言う)は、変動する。本発明で使用するゼオライトのSARは、10から90の範囲にある。好ましくは、ゼオライトのSARは、13から60の範囲、17から55および20から55などの範囲にある。シリカ対アルミナの容積モル比は、多くの化学分析技術のいずれか1つにより求めることができる。そのような技術としては、X線蛍光分析、原子吸光分析およびICP(誘導結合プラズマ質量分析)がある。上記すべての技術で、実質的に同じシリカ対アルミナのモル比の値が得られる。
本発明の実施態様では、アルカリ金属カチオンで占められているゼオライトはフェリエライト、好ましくは水素型のフェリエライトであり、フェリエライトのSARは10から90、例えば20から55である。
ゼオライトのカチオン交換容量は、そのアルミナ含有量で決まる。ゼオライト骨格の四面体位置に置換しているアルミニウムイオン1モルにより、その骨格上に1モルの負電荷が生じる。この電荷は、交換可能なカチオンと平衡を保つ。アルカリ金属カチオンは1価なので、イオン交換により導入されているアルカリ金属カチオン1モルは、アンモニウムまたは水素イオン1モルと置換する。アルカリ金属含有量、シリカ対アルミナのモル比および交換の程度は、すべて以下の式により関連付けられる:
アルカリ金属交換%=[アルカリ金属モル]/[(Alモル)×100]
これらの数値は、適切な分析技術(元素分析、X線蛍光分析、原子吸光分析および誘導結合プラズマ質量分析など)により測定され、それにより、交換後に得られて水洗することにより、交換しなかった金属がすべて除去された乾燥アルカリ金属交換ゼオライトに存在する各元素の量が分かる。
本発明で使用するゼオライトは、1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められているカチオン交換性部分の少なくとも5mol%を有している。このことは、ゼオライトの骨格上の少なくとも5mol%の負電荷が、アルカリ金属カチオンと平衡を保っていることを意味する。
カチオン交換性部分は、水素カチオンまたは水素前駆カチオン(アンモニウムイオンなど)でもよい。本発明で使用するゼオライト触媒は、少なくとも5mol%のカチオン交換性部分を、1つ以上のアルカリ金属カチオンで交換することにより製造する。上記交換は、イオン交換や含浸技術などの公知の交換技術により行うことができる。
イオン交換を行いたい場合は、水素または水素前駆形のゼオライトを、アルカリ金属カチオンと交換する水素カチオンまたは水素前駆カチオンを含む水溶液と単に接触させるだけで、望むアルカリ金属と交換することができる。ゼオライトを、アルカリ金属の水溶液と接触させた後、ゼオライトをろ過して過剰の金属溶液を除去し、ゼオライトを水洗してから乾燥することにより、カチオン交換性部分の少なくとも一部をアルカリ金属カチオンが占める乾燥ゼオライトを作ることができる。
含浸法を使用する場合は、水素または水素前駆形のゼオライトを、アルカリ金属カチオンと交換する水素カチオンまたは水素前駆カチオンを含む水溶液と単に接触させるだけで、望むアルカリ金属と交換することができる。ゼオライトを、アルカリ金属カチオンを含む水溶液と接触させた後、ゼオライトを乾燥して水を除去することにより、カチオン交換性部分の少なくとも一部をアルカリ金属カチオンが占める乾燥ゼオライトを作ることができる。
アンモニウム形などの水素前駆形のゼオライトを交換法で使用した場合、ゼオライトを乾燥に続いて焼成することにより、アンモニウムカチオンを水素カチオンに転換することができる。得られるゼオライトは、カチオン交換性部分の少なくとも一部をアルカリ金属カチオンが占めるゼオライトである。
交換、場合により水洗、乾燥、そして望むなら焼成の工程を必要なだけ多数回繰り返して、望むカチオン交換水準を達成することが出来る。
適切なアルカリ金属塩を使って、アルカリ金属カチオンの交換溶液を調製することができる。適切なアルカリ金属塩の例としては、酢酸アルカリ金属、硝酸アルカリ金属、ギ酸アルカリ金属および塩酸アルカリ金属がある。
本発明で使用するゼオライトは、1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められるカチオン交換容量を、少なくとも5mol%有する。例えば、ゼオライトのカチオン交換容量の少なくとも10mol%、好ましくは少なくとも20mol%は、1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められる。
アルカリ金属カチオンでゼオライトのカチオン部分を交換することにより、ゼオライトの酸性度を調整する。交換の程度が大きくなるほど、ゼオライトの酸性度は低下する。本発明の目的のため、ゼオライトの1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められるカチオン交換容量は、好適には5から60mol%、例えば5から50mol%、10から50mol%,20から50mol%,15から40mol%,10から40mol%および20から40mol%などである。
本発明の具体的な実施態様では、ゼオライトのカチオン交換性部分の5から50mol%は、1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められており、好ましくはゼオライトは立体網状構造FERを有しており、より好ましくはフェリエライトである。
本発明の別の実施態様では、ゼオライトのカチオン交換性部分の5から50mol%は、セシウムおよび/またはルビジウムから選択される1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められており、好ましくはゼオライトは立体網状構造FERを有しており、より好ましくはフェリエライトである。
合成ゼオライトは、一般に粉状で調製される。粉末は明確な機械的強度を持たないので、その実際の用途は限られる。ゼオライト集合物、例えばピルや押出成型物などの形状物を作ることにより、ゼオライトに機械的強度を付与することが出来る。押出成型物は、ゼオライトを結合剤の存在下に押出して、得られた押出成型物を乾燥、焼成することにより形成することが出来る。
ゼオライトの他に、触媒組成物は、少なくとも1つの無機酸化物結合剤を含むことができる。好適な無機酸化物結合剤の例は、シリカ、アルミナ、アルミナ−シリケート、マグネシウムシリケート、マグネシウムアルミニウムシリケート、チタニア、ジルコニアおよびクレーである。
触媒組成物中に存在する無機酸化物結合剤の量は、10から90wt%(ゼオライトと結合剤の合計重量に対して)の範囲であるのが好適である。
ゼオライト触媒組成物は、供給原料のメタノールと酢酸メチルの混合物を同時に脱水と加水分解して酢酸とジメチルエーテルを同時製造するのに役立つ。
本発明に従い、供給原料のメタノールおよび酢酸メチルは、ゼオライト触媒組成物と接触して生成物の酢酸とジメチルエーテルを製造する。本発明で使用するゼオライトは、メタノールの脱水と酢酸メチルの加水分解に触媒作用を及ぼす。メタノールの脱水と酢酸メチルの加水分解反応は、式(1)と(2)でそれぞれ表すことが出来る:
Figure 0006082035
供給原料のメタノールおよび酢酸メチルは、1つの供給原料流として反応帯域に導入される。しかし、供給原料のメタノールおよび酢酸メチルは、別々の供給原料流として反応帯域に導入するのが好ましい。
酢酸メチルに対するメタノールのモル比は、希望する比で構わないが、1:0.1から1:40、例えば1:1から1:30が好適である。
加水分解反応には、反応物として水が必要である。水は、それを系内で生成する脱水反応から得ることができる。しかし、水をプロセス中に添加するのが好ましい。水は、供給原料のメタノールおよび/または酢酸メチルに添加するか、または別の供給原料として反応帯域に導入してもよい。酢酸メチル、メタノールおよび水の合計量に対する水の量は、0.1から60モル%の範囲にあり、3から40モル%の範囲などであり、例えば5から30モル%の範囲にあるのが好適である。
メタノールと酢酸メチルは商業生産されている。メタノールは、通常合成ガスの接触転換により工業規模で生産される。酢酸メチルは、例えば、メタノールで酢酸をエステル化することにより工業生産されている。酢酸メチルはまた、ゼオライト触媒の存在下、ジメチルエーテルの無水カルボニル化によっても製造することが出来る。
本発明では、メタノールおよび酢酸メチルは、純粋な供給原料として使用してもよい。しかし、本発明で使用する供給原料のメタノールおよび酢酸メチルの供給源にもよるが、酢酸、ジメチルエーテル、水及びアセトンなどの副生物のいくつかは、低含有量なら存在しても構わない。アセトンは、例えば、ジメチルエーテルのゼオライト触媒による無水カルボニル化から誘導される酢酸メチル中に存在してもよいし、合成ガスの接触転換により製造されるメタノール中に存在してもよい。上記のプロセスで作られるメタノールと酢酸メチルの中に存在するアセトンの合計量は変動するが、例えば、0.005から5モル%の量である。
アセトンの沸点は酢酸メチルとメタノールに近いので、単純な蒸留法でアセトンをこれらの化合物から分離するのは難しい。現在、比較的低レベル(ppm)でも、アセトンはフェリエライトなどのゼオライト触媒のいくつかの失活に有害であり、触媒をより早く失活させることが分かっている。従って、メタノールと酢酸メチルを転換してジメチルエーテルと酢酸を生成するプロセスであって、供給原料のメタノールと酢酸メチルの少なくとも1つがアセトンを含むプロセスにおいて、失活が低い触媒であることが極めて望ましい。
本発明で使用するゼオライトは、アセトンに対して耐性があり、著しく失活することなく高い触媒活性を維持する利点があることが分かっている。特に、本発明にかかわるゼオライトは、反応帯域に供給される合計原料(再循環物を含む)に対して0より大きく5モル%までのレベルのアセトンに耐えうることが分かっている。
このように、本発明の実施態様においては、供給原料のメタノールと酢酸メチルの少なくとも1つは、アセトンを含む。アセトンは、反応帯域に供給される原料の合計量(再循環物を含む)に対して0より大きく5モル%までの量、0.005から5モル%の量などで、例えば0.5から5モル%の量で反応帯域に導入されてもよい。
本発明で使用する供給原料の酢酸メチルは、ジメチルエーテルのゼオライト触媒による無水カルボニル化により酢酸メチルを製造するプロセスから誘導されるのが好適であるが、アセトンを、(再循環物を含む反応帯域に供給される原料の合計量に対して)0より大きく5モル%までの量、例えば0.005から5モル%、0.5から5モル%などの量で含んでもよい。あるいはまた、本発明で使用する供給原料のメタノールは、合成ガスを接触転換してメタノールを製造するプロセスから誘導することができ、アセトンを、(再循環物を含む反応帯域に供給される原料の合計量に対して)0より大きく5モル%までの量、例えば0.005から5モル%、0.5から5モル%などの量で含んでもよい。
アセトンが、供給原料の酢酸メチルとメタノールの少なくとも1つに存在する場合、水は、反応帯域に供給される原料の合計量(再循環物を含む)に対して、0.1から60モル%の範囲、3から40モル%の範囲などで、例えば5から30モル%の範囲の量で反応帯域に導入されるのが好ましい。
本発明の実施態様では、アセトンは、反応帯域に供給される原料の合計量(再循環物を含む)に対して0より大きく5モル%までの量、0.005から5モル%の量、例えば0.5から5モル%の量で、供給原料の酢酸メチルとメタノールの少なくとも1つに存在し、使用するゼオライトは立体網状構造FERを有しており、例えばフェリエライトであり、かつゼオライトは、1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められるカチオン交換性部分を5から60mol%、例えば10から50mol%有しており、アルカリ金属カチオンは、特に1つ以上のセシウムまたはナトリウムカチオンである。
本発明の他の実施態様では、アセトンは、反応帯域に供給される原料の合計量(再循環物を含む)に対して0より大きく5モル%までの量、0.005から5モル%の量、例えば0.5から5モル%の量で、供給原料の酢酸メチルとメタノールの少なくとも1つに存在し、使用するゼオライトは立体網状構造FERを有しており、例えばフェリエライトであり、かつゼオライトは、1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められるカチオン交換性部分を5から60mol%、例えば10から50mol%有しており、アルカリ金属カチオンは、特に1つ以上のセシウムまたはナトリウムカチオンであり、そして水は、反応帯域に供給される原料の合計量(再循環物を含む)に対して、0.1から60モル%の範囲、3から40モル%の範囲などで、例えば5から30モル%の範囲の量で反応帯域に導入される。
不活性ガス、例えば窒素ガスやヘリウムガスなどの希釈剤を、工程中に供給してもよい。
本プロセスは、気相または液相法、例えば固定床法またはスラリー相法で反応帯域中で実施される。
本プロセスが気相で行われる場合、供給原料は、反応帯域に入る前は液相でもよい。しかし、ゼオライトと接触する前に、液相成分は、例えば予熱器などを使って気化しなければならない。
本プロセスは、170から280℃の範囲の温度で行うのが好適である。本発明で使用するゼオライトは、190から240℃の範囲の温度で特に効果的であることが分かっている。
本発明の具体的な実施態様では、酢酸とジメチルエーテルを製造する本プロセスは、供給原料のメタノールと酢酸メチルを、170から280℃の範囲、特に190から240℃、220から240℃などの範囲の温度で、フェリエライトなどの立体網状構造FERのゼオライトと接触させることにより行われるが、該供給原料のメタノールと酢酸メチルの少なくとも1つは、アセトンを反応帯域に供給される原料の合計量(再循環物を含む)に対して、例えば0より大きく5モル%までの量で含む場合があり、かつゼオライトは、1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められるカチオン交換性部分を5から60%、例えば5から50%、10から50%有しており、アルカリ金属カチオンは、セシウムまたはナトリウムカチオンから選ばれる少なくとも1つである。
本プロセスは、大気圧または大気圧より大きな圧力で行ってもよい。本プロセスを液相で行う場合は、生成物のジメチルエーテルを溶液中に維持するのに充分な全反応圧で行うのが好ましい。従って、圧力は少なくとも40barG、40から100barGなど、好適には40から60barGである。本プロセスを気相で行う場合は、好適な操作圧力は大気圧から30barG、2から20barGなどの範囲、例えば2から15barGの範囲にある。
ガス空間速度(GHSV)は、500から40,000h−1、1,000から25,000h−1など、例えば1,000から15,000h−1の範囲が好適である。
液体空間速度(LHSV)は、0.2から20h−1、0.5から10h−1などの範囲、例えば0.5から5h−1または2から8h−1の範囲が好適である。
本プロセスは、連続式またはバッチ式のどちらで行ってもよいが、連続式が好ましい。
本発明の生成物流は、酢酸とジメチルエーテルからなる。生成物流はさらに、水、未反応のメタノールと未反応の酢酸メチルを含んでもよい。酢酸とジメチルエーテルは、蒸留などの通常の精製法で生成物流から回収することができる。ジメチルエーテルは一般に、塔頂留分として蒸留塔から回収され、酢酸は、通常酢酸メチル、メタノールや水と共に塔底留分として蒸留塔から回収される。酢酸は、さらに蒸留を行ってこれらの化合物から分離することができる。回収ジメチルエーテルは外販してもよいし、酢酸メチルを製造する炭酸化法の供給原料として使用することもできる。酢酸は外販してもよいし、酢酸ビニルや酢酸エチルの製造などの他の下流プロセスにおける供給原料として使用することもできる。
以下の未限定の実施例を参照しながら、本発明を説明する。
Cs−フェリエライトの調製
20gのNH−フェリエライト(SARが20)(Zeolyst International より入手)、1.97gのCsNO(純度99%、Sigma Aldrichより入手)と48mlの脱イオン水を、大気圧で16時間攪拌し、250mbarの気圧および80℃の温度で減圧乾燥してから、110℃で20時間加熱して、その後大気中500℃で3時間焼成して、カチオン部分の37mol%をセシウムが占めているH−フェリエライトを得た。
Cs−フェリエライトの調製
CsNOの使用量を下記表1のように変えた以外は、実施例1の方法に従い一連の触媒を調製して、カチオン部分を占めるセシウムの量が9.2mol%と18.5mol%のH−フェリエライトを調製した。
ナトリウム、カリウムおよびルビジウムフェリエライトの調製
下記表1に示す量の硝酸ナトリウム、カリウムおよびルビジウムを用いて、実施例1の方法を繰り返し行って、カチオン部分を占めるナトリウム、カリウムまたはルビジウムの量が9.2mol%、18.5mol%および37mol%のH−フェリエライトを調製した。
Figure 0006082035
H−フェリエライトを用いる脱水/加水分解
0.015gの水素型のフェリエライト(SAR20、Zeolyst International より入手)を圧縮し、100から160μの粒子にふるい分けし、それを反応器に充填して、150μlの炭化ケイ素で覆った。窒素ガスとヘリウムガスをそれぞれ、4.4ml/分と0.9ml/分で反応器に流して、ガス空間速度を16,000/hとした。圧力を10barGに上げ、反応器温度を180℃に調整した。50mol%の酢酸メチル、30mol%のメタノールと20mol%の水からなるガス状供給原料を、4,000/hのガス空間速度で触媒床に通して、180℃の反応器温度で48時間保持し、その後温度を220℃に上げて120時間保持してから180℃に下げて36時間保持した。反応器からの出口留分を、2つのTCD検出器と1つのFID検出器を備えたInterscience Traceガスクロマトグラフで定期的に分析したが、酢酸とジメチルエーテルからなっていた。H−フェリエライト触媒の不活性化を、220℃で120時間にわたる活性の減少により計算した。
アルカリ金属フェリエライトを用いる脱水/加水分解
実施例1から3に従って調製したアルカリ金属担持フェリエライト触媒の各々をフェリエライトの代わりに使用した以外は、実施例4の操作を繰り返した。アルカリ金属担持フェリエライト触媒の活性の低下を、220℃で120時間にわたる活性の減少により計算した。
H−フェリエライトに対するアルカリ金属担持フェリエライト触媒の不活性化率を、下記式より計算した:
不活性化率=[H−フェリエライトの活性の低下]/[アルカリ金属担持フェリエライトの活性の低下]
アルカリ金属の異なる交換レベルにおける触媒の相対不活性化率(H−フェリエライトに対する)を、下記表2に示す。相対不活性化率が高いほど、触媒の不活性化は低下する。
Figure 0006082035
表2から分かるように、アルカリ金属フェリエライトはそれぞれ、H−フェリエライトより著しく不活性化に強く、特にアルカリ金属担持のレベルが高いほど、触媒は安定である。
アセトン存在下の脱水/加水分解
H−フェリエライト(SAR20、Zeolyst International Inc.製)および実施例1から3で調製した触媒の各々を、メタノールと酢酸メチルの脱水/加水分解における触媒として使用した。使用に先立ち、0.015gの触媒を圧縮し、100から160μの粒子にふるい分けし、それを反応器に充填して、150μlの炭化ケイ素で覆った。窒素ガスとヘリウムガスをそれぞれ、4.4ml/分と0.9ml/分の速度で反応器に流して、ガス空間速度を16,000/hとした。圧力を10barGに上げ、反応器温度を180℃に調整した。47.5mol%の酢酸メチル、28.5mol%のメタノール,19mol%の水と5mol%のアセトンからなるガス状供給原料を、4,000/hのガス空間速度で触媒床に通して、180℃の反応器温度で36時間保持し、その後温度を200℃に上げて72時間保持してから220℃に上げて72時間保持し、続いて180℃に下げて48時間保持した。反応器からの出口留分を、2つのTCD検出器と1つのFID検出器を備えたInterscience Traceガスクロマトグラフで定期的に分析したが、酢酸とジメチルエーテルからなっていた。各触媒の不活性化を、200から220℃で144時間にわたる活性の減少により計算した。アルカリ金属の異なる交換レベルにおける触媒の不活性化率(H−フェリエライトに対する)を、下記表2に示す。相対不活性化率が高いほど、触媒の不活性化率は低下する。
Figure 0006082035
表3から分かるように、アルカリ金属フェリエライトは、H−フェリエライトに比べて、アセトンの存在下での不活性化を著しく受けにくい。特に、金属担持量が高いほどアセトンに対する耐性が大きくなることが示されている。
Csフェリエライトの調製
SAR55のNH−フェリエライト(Zeolyst Internationalより入手)を用いて、0.66g、0.88gおよび1.09gの量のCsNOを添加して実施例1の操作を繰り返し行って、カチオン部分を占めるセシウムの量が30mol%、40mol%および50mol%でSAR55のH−フェリエライトを調製した。
脱水/加水分解反応
SAR55のH−フェリエライトと実施例7に従って調製した各セシウム担持フェリエライト触媒を用いて、実施例4の脱水/加水分解プロセスを繰り返し行った。セシウムの種々の交換レベルにおけるセシウムフェリエライトの不活性化率(H−フェリエライトに対する)を、下記表4に示す。相対不活性化率が高いほど、触媒の不活性化率は低下する。
Figure 0006082035
上記実施例では、シリカ:アルミナモル比が高いと、アルカリ金属担持フェリエライトは、H−フェリエライトに比べて、著しく不活性化しにくいことを示している。
アセトン存在下の脱水/加水分解
SAR55のH−フェリエライトと実施例7に従って調製した各セシウム担持フェリエライト触媒を用いて、実施例6の脱水/加水分解反応を繰り返し行った。セシウムの種々の交換レベルにおけるセシウムフェリエライトの不活性化率(H−フェリエライトに対する)を、下記表5に示す。相対不活性化率が高いほど、触媒の不活性化率は低下する。
Figure 0006082035
上記実施例では、セシウムフェリエライトは、H−フェリエライトに比べて、アセトン存在下での不活性化を著しく受けにくい。
触媒BからEの調製
種々の量のセシウムを担持した一連のフェリエライトを、SAR20の水素型フェリエライト(以下触媒Aと称する)と酢酸セシウム(Sigma Aldrichより入手)から調製した。5gの水素型フェリエライトと表6に示す量の酢酸セシウムを、12mlの脱イオン水に添加して室温で16時間攪拌した。ロータリーエバポレーターを使い、減圧下150mbar、60℃で攪拌混合物から水を除去して、固形物を得た。固形物を大気中、500℃で3時間焼成した。焼成物は、20、30、40または50mol%の量のセシウムを担持した水素型フェリエライト(以下、それぞれ触媒BからEと称する)であった。
Figure 0006082035
アセトン存在下の脱水/加水分解反応
0.015gの各触媒AからEを圧縮し、100から160μの粒子にふるい分けした。触媒粒子を、反応管中の金属焼結物(細孔径20μ)に載せ、反応器の残りに150μlの炭化ケイ素を充填した。反応を開始するため、窒素ガスとヘリウムガスを、それぞれ4.4ml/分と0.9ml/分の速度で反応器に流した。反応器の圧力を10barGに上げ、180℃の温度に加熱した。上記の前処理後、窒素ガスとヘリウムガスを遮断して、72mol%の酢酸メチル、7.5mol%のメタノール,0.5mol%のアセトンと20mol%の水からなるガス状供給原料を、4,000/hの全ガス空間速度で反応器に46時間導入し、その後温度を210℃に上げて110時間保持してから、180℃に下げて45時間保持した。次に、温度を180℃から210℃に上げて111時間保持してから、180℃に下げて55時間保持した。さらに、温度を180℃から230℃に上げて116時間保持してから、180℃に下げて35時間保持した。その後、温度を180℃から250℃に上げて97時間保持してから、180℃に下げて35時間保持した。反応器からの出口留分を、2つのTCD検出器と1つのFID検出器を備えたInterscience Traceガスクロマトグラフで定期的に分析したが、酢酸とジメチルエーテルからなっていた。210℃(2番目の期間)、230℃および250℃で行われた反応期間で各触媒AからEについて得られた不活性化率が、表7に示されている。不活性化率は、生成物、ジメチルエーテルおよび酢酸の1日当たりの時空収量(STY)の低下%として計算した。
Figure 0006082035
表7から、各セシウム担持触媒(触媒BからE)の不活性化率は、触媒A(H−フェリエライト)に比べて、著しく低下していることがわかる。
アセトンの影響
本実施例では、供給原料のメタノールと酢酸メチルの脱水−加水分解反応がアセトン存在下およびアセトン無しで、H−フェリエライト触媒の存在下で行われることが述べられる。20wt%のアルミナで複合化したH−フェリエライト(SAR20)の3.2mm押出成型物を、粉砕しふるい分けして、寸法が250−500μの粒子を得た。
触媒0.3gを、4−反応流路ミクロ反応器ユニットの反応器4つにそれぞれ充填した。ミクロ反応器ユニットは、内径6mmの別々の4つのハステロイU字形反応管からなっており、それぞれの反応管は、専用ガス(別々の質量流量制御バルブで制御)と液体原料流を有している。各液体原料流は、シリンジ駆動ポンプにより気相で反応器に送入した。触媒床と接触するに先立ち、ガス化原料を触媒床に通す前に、不活性炭化ケイ素予備床上で約10,500h−1の全体ガス空間速度(GHSV)で、80mol%の不活性ガスと混合した。
50mol%の酢酸メチル、30mol%のメタノールと20mol%の水の液体原料組成物を、反応器1に送入した。アセトンを0.5%、1.0%及び3.0%のモル濃度で添加した、酢酸メチル、メタノールと水の液体原料組成物を、反応器2、3と4にそれぞれ送入した。
各反応器を、流動砂浴加熱器で180℃の反応温度に維持した。各反応器は、独立した圧力制御器を持っており、各反応器の全反応圧力を10barGに維持した。各反応を、約450時間継続した。各反応器から出てくる生成物流を、一連の加熱炉とトレース加熱された流路で加熱して、気相生成物流を維持して分析を行った。分析に先立ち、各生成物流の圧力を大気圧まで下げた。各生成物流を、ガスクロマトグラフィ(Agilent MicroGC)で定期的に分析して、供給原料と生成物成分の組成データを得た。50から400時間の期間の稼働中のアセトンの触媒性能への影響を、下記表8に示す。生成物、ジメチルエーテルおよび酢酸の、1日当たりの時空収量(STY)の低下として計算して得られた不活性化率を、表8に示す。
Figure 0006082035
表8から明らかなように、アセトンが脱水/加水分解反応に供給する原料中に存在すると、触媒の不活性化率を増加させるので、フェリエライト触媒には有害である。

Claims (20)

  1. メタノールと酢酸メチルの混合物から酢酸とジメチルエーテルを同時製造するプロセスであって、該プロセスは、反応帯域においてメタノール供給原料と酢酸メチル供給原料をゼオライト触媒組成物と接触させて、酢酸とジメチルエーテルを製造することからなり、該触媒組成物は、10員環を有する少なくとも1つのチャネルからなる2次元チャネルシステムを有し、そのカチオン交換容量の少なくとも5mol%が1つ以上のアルカリ金属カチオンで占められているゼオライトからなるメタノールと酢酸メチルの混合物から酢酸とジメチルエーテルを同時製造するプロセス。
  2. 更に、ゼオライトが8員環を有する少なくとも1つのチャネルからなる請求項1に記載のプロセス。
  3. ゼオライトが、FER,HEU、MFS、DAC、STI、NES,MWW及びTERからなる群から選ばれる立体網状構造を有する請求項1または2に記載のプロセス。
  4. ゼオライトが、FERの立体網状構造を有する請求項3記載のプロセス。
  5. ゼオライトがFERの立体網状構造を有し、フェリエライトである請求項に記載のプロセス。
  6. アルカリ金属がセシウムである請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. ゼオライトのカチオン交換容量の少なくとも10%が1つ以上のアルカリ金属カチオンに占められている請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. ゼオライトのカチオン交換容量の5から60%が1つ以上のアルカリ金属カチオンに占められている請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. ゼオライトのカチオン交換容量の5から50%が1つ以上のアルカリ金属カチオンに占められている請求項8に記載のプロセス。
  10. ゼオライトのSARは、10から90の範囲にある請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. メタノール供給原料と酢酸メチル供給原料の少なくとも1つが、アセトンを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. アセトンは、供給原料の合計量(再循環物を含む)に対して0より大きく5モル%までの合計量で、メタノール供給原料と酢酸メチル供給原料の少なくとも1つに存在する請求項11に記載のプロセス。
  13. 供給原料の酢酸メチルは、ジメチルエーテルをゼオライト触媒によりカルボニル化して酢酸メチルを作る方法により誘導される請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. プロセスは、170から280℃の範囲の温度で行われる請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 触媒組成物は、少なくとも1つの無機酸化物結合剤を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 酢酸メチルに対するメタノールのモル比は、1:0.1から1:40の範囲にある請求項1〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 水は、反応帯域に導入される請求項1〜16のいずれか一項に記載のプロセス。
  18. 水は、反応帯域に供給される原料の合計量(再循環物を含む)に対して、0.1から60モル%の範囲の量で反応帯域に導入される請求項17に記載のプロセス。
  19. プロセスが気相で行われる請求項1〜18のいずれか一項に記載のプロセス。
  20. プロセスが、2から20barGの範囲の圧力で行われる請求項19に記載のプロセス。
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