JP6080676B2 - 柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法 - Google Patents

柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6080676B2
JP6080676B2 JP2013094751A JP2013094751A JP6080676B2 JP 6080676 B2 JP6080676 B2 JP 6080676B2 JP 2013094751 A JP2013094751 A JP 2013094751A JP 2013094751 A JP2013094751 A JP 2013094751A JP 6080676 B2 JP6080676 B2 JP 6080676B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
citrus
soluble pigment
cryptoxanthin
carotene
pigment component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013094751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014214279A (ja
Inventor
星野 宗広
宗広 星野
雅裕 田中
雅裕 田中
卓也 末次
卓也 末次
輝明 松原
輝明 松原
後藤 元信
元信 後藤
Original Assignee
マルボシ酢株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マルボシ酢株式会社 filed Critical マルボシ酢株式会社
Priority to JP2013094751A priority Critical patent/JP6080676B2/ja
Publication of JP2014214279A publication Critical patent/JP2014214279A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6080676B2 publication Critical patent/JP6080676B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Description

本発明は、柑橘類由来脂溶性色素成分の簡便且つ効率的な抽出方法等に関する。詳細には、未利用資源である柑橘類果汁製造残渣からのβ−クリプトキサンチンやβ−カロテンなどの柑橘類由来脂溶性色素成分の簡便且つ効率的な抽出方法等に関する。
柑橘類には多くの機能性成分が含まれており、その代表格がβ−クリプトキサンチンやβ−カロテンなどの脂溶性色素成分である。β−カロテンは、ビタミンAの前駆体であって、両端にβ環を有する赤色系脂溶性色素成分である。また、β−クリプトキサンチンもカロテノイド(カロテノイド色素)の1種であり、β−カロテンに水酸基が1つ付いた構造を有し、植物内ではβ−カロテンから生合成される。これらは、網膜や粘膜、肌、髪、爪などの機能を保つ作用、脂質代謝改善作用、血圧降下作用、血管増強作用などを発揮することが知られている。
このβ−クリプトキサンチンやβ−カロテンなどを抽出・製造する方法としては、原料を加熱油中に浸漬して抽出する方法(特許文献1)、原料を粉砕して酵素反応を行う方法(特許文献2)、原料を酵素反応し凍結、解凍、脱水する方法(特許文献3)などが用いられている。しかし、これらはいずれもその工程が複雑であり、方法によっては工程中でのβ−クリプトキサンチン等の消失が避けられないものもある。
このような技術背景の中、β−クリプトキサンチンやβ−カロテン等の柑橘類由来脂溶性色素成分について、より簡便且つ効率的でコスト負担も少ない(工程が複雑でなく且つ収率の高い)、汎用的に用いることができる抽出方法等の開発が当業界において引き続き求められている。
特公平4−38388号公報 特開昭62−190090号公報 特開2000−23637号公報
本発明は、機能性素材として期待されているβ−クリプトキサンチンやβ−カロテンなどの柑橘類由来脂溶性色素成分について、柑橘類廃棄物などの未利用資源から簡便且つ効率的に取得することができる方法等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究の結果、柑橘果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣を原料とし、これからアルコール抽出により脂溶性色素成分を抽出することで、複雑な工程を経ることなく、簡便且つ効率的にβ−クリプトキサンチンやβ−カロテンなどの柑橘類由来脂溶性色素成分を取得することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)柑橘果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣を原料とし、これからアルコール抽出により脂溶性色素成分を抽出すること、を特徴とする柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法。
(2)脂溶性色素成分が、β−クリプトキサンチン及び/又はβ−カロテンであること、を特徴とする(1)に記載の方法。
(3)柑橘果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣が、果汁の清澄化工程(濾過及び/又は遠心分離)、濃縮工程から選ばれる少なくとも1以上の工程で排出されたペースト状及び/又は固形分残渣であること、を特徴とする(1)又は(2)に記載の方法。
(4)アルコール抽出が、90%以上、好ましくは95%以上の濃度のエタノールでの抽出であること、を特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)柑橘果汁が、ウンシュウミカン果汁であること、を特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)(1)〜(5)のいずれか1つに記載の方法により抽出・製造した、高品質且つ高濃度の柑橘類由来脂溶性色素成分。
本発明によれば、柑橘果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣を原料としてアルコール抽出を行うことで、複雑な工程を経ることなく、簡便且つ効率的に高品質、高濃度の柑橘類由来脂溶性色素成分(β−クリプトキサンチン、β−カロテンなど)を取得することができる。そして、本発明の方法では高温加熱工程等を必要としないため、脂溶性色素成分の工程ロスが少なく、高い収率で柑橘類由来脂溶性色素成分を得ることができることも特徴である。さらに、原料となる柑橘果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣は、従来廃棄されていた未利用資源であるため、これから簡便に高収率で柑橘類由来脂溶性色素成分を得ることができることから、抽出・製造コスト負担が非常に少ない(低コストで取得できる)のも特徴である。
本発明では、まず脂溶性色素成分の抽出原料として、未利用資源である柑橘類(ミカン類、オレンジ類、香酸柑橘類、グレープフルーツ類など)果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣を用いる。本発明においてパルプ分含有残渣とは、ストレート果汁製造時に排出されるパルプ分(フロックあるいはアビス)、ストレート果汁や濃縮果汁製造時の果汁清澄化工程(濾過及び/又は遠心分離)や濃縮工程で排出されるペースト状及び/又は固形分残渣(アビス等も含まれる)から選ばれる少なくとも1以上を意味し、本発明では、特にウンシュウミカン(温州みかん)果汁の製造工程で排出されるパルプ分含有残渣を原料とするのが好適である。
なお、この「フロック」とは、柑橘類のストレート果汁等の中で浮遊するパルプ分を含む物質を意味し、「アビス」とは、果汁から遠心分離や濾過などによって除去されたフロックの回収残渣を意味する。アビスでは、フロック中の成分が約5倍程度まで濃縮されている。
次に、このパルプ分含有残渣ついて、アルコール抽出処理を行う。抽出溶媒として用いるアルコールは、これに限定されるものではないが、エタノールを用いることが好ましい。特に、エタノール濃度が90%以上、好ましくは95%以上のものを用いるのが好適であるが、エタノール濃度70〜90%程度でも抽出は可能である。
溶媒量としては、パルプ分含有残渣の2〜10倍量が好ましい。この範囲より少ない場合は、抽出率が充分でないことが、この範囲より多い場合は抽出後の溶媒との分離が煩雑となることがありえるため、あまり好ましくない。また、抽出条件は、必要に応じて攪拌等を行いながら常温(10〜25℃)で1〜3時間程度行えば良く、高温加熱等の必要はないが、抽出時間をより短時間としたい場合は脂溶性色素成分に影響を与えない範囲で少し加熱しながら行っても良い。
アルコール抽出を行った後は、常法(例えば減圧蒸留法など)により抽出溶媒のアルコールを除去する。アルコール除去を行った後は、そのままペースト状とし、あるいはこれを乾燥して粉末状・顆粒状とし、必要であれば製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤等を併用して定法により製剤化し、最終製品とする。
このようにして、柑橘果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣を原料としてアルコール抽出を行うことで、複雑な工程を経ることなく、また、酵素剤などの特別な材料、工程を必要とせず、簡便且つ効率的に柑橘類由来脂溶性色素成分(β−クリプトキサンチン、β−カロテンなど)を取得することができる。そして、この方法では高温加熱工程等を必要としないため、高い収率で柑橘類由来脂溶性色素成分を得ることができ、得られた柑橘類由来脂溶性色素成分は高品質、高濃度でありながら抽出・製造コスト負担が少ないものである。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
(温州みかん果汁製造残渣からのβ−クリプトキサンチン、β−カロテン抽出)
温州みかん果汁製造残渣からβ−クリプトキサンチン及びβ−カロテン抽出を行うため、以下の試験を実施した。
温州みかんのストレート果汁製造時に排出されたアビスを集め、このアビス15kgに対し95%濃度のエタノール溶液を50L加え、これを常温で2時間攪拌しながら抽出処理を行った。処理後に減圧蒸留を行って溶媒のエタノールを除去し、残ったペースト状物を凍結乾燥して粉末化した。
この結果、この粉末には果汁製品と同等量のβ−クリプトキサンチン及びβ−カロテンが含まれることが明らかとなった。また、温州みかん濃縮果汁製造時の残渣を原料とした抽出試験も別途行い、この結果、濃縮の度合いに比例した量でβ−クリプトキサンチン及びβ−カロテンを含むものが得られることも明らかとなり、非常に高品質、高濃度のβ−クリプトキサンチンが低コスト且つ簡便な工程で得られることが示された。
本発明を要約すれば、以下の通りである。
本発明は、機能性素材として期待されているβ−クリプトキサンチンやβ−カロテンなどの柑橘類由来脂溶性色素成分を、柑橘類廃棄物などの未利用資源から簡便且つ効率的に取得することができる方法等を提供することを目的とする。
そして、柑橘果汁製造工程で排出されるパルプ分含有残渣を原料とし、これからアルコール抽出により脂溶性色素成分を抽出することで、複雑な工程を経ることなく、簡便且つ効率的にβ−クリプトキサンチンやβ−カロテンなどの柑橘類由来脂溶性色素成分を取得することができる。

Claims (2)

  1. 柑橘果汁の清澄化工程(濾過及び/又は遠心分離)、濃縮工程から選ばれる少なくとも1以上の工程で排出されたペースト状及び/又は固形分残渣をそのまま抽出原料とし、これから残渣の2〜10倍量の、90%以上の濃度のエタノールでの常温(10〜25℃)抽出によりβ−クリプトキサンチン及びβ−カロテンを抽出すること、を特徴とする柑橘類由来β−クリプトキサンチン及びβ−カロテンの抽出方法。
  2. 柑橘果汁が、ウンシュウミカン果汁であること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
JP2013094751A 2013-04-26 2013-04-26 柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法 Active JP6080676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013094751A JP6080676B2 (ja) 2013-04-26 2013-04-26 柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013094751A JP6080676B2 (ja) 2013-04-26 2013-04-26 柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014214279A JP2014214279A (ja) 2014-11-17
JP6080676B2 true JP6080676B2 (ja) 2017-02-15

Family

ID=51940362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013094751A Active JP6080676B2 (ja) 2013-04-26 2013-04-26 柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6080676B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4845363B2 (ja) * 2004-10-01 2011-12-28 ユニチカ株式会社 経口投与組成物及び美白剤
JP5248023B2 (ja) * 2007-01-31 2013-07-31 ユニチカ株式会社 カルシウム吸収促進組成物
JP5864042B2 (ja) * 2011-03-31 2016-02-17 稲畑香料株式会社 β−クリプトキサンチンを含有する抽出物からなる食品素材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014214279A (ja) 2014-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011153084A (ja) 柑橘類の果皮からのポリメトキシフラボノイドの回収方法
TWI657747B (zh) 桃萃取物及其製造方法
JP6728192B2 (ja) 酵素複合体を用いた植物酵素分解物の製造方法
CN104178354A (zh) 一种西红花挥发油的提取方法
EP2842950A1 (en) Method for producing composition containing fucoxanthin
EP2907395A1 (en) Method for manufacturing substance containing nobiletin and tangeretin derived from citrus fruits, and nobiletin- and tangeretin-containing substance obtained thereby
JP5902256B2 (ja) 全果りんご及び・又はリンゴ搾汁残渣からのセラミドおよび又はペクチンの抽出方法
JP7042764B2 (ja) トマトエキストラクト及びその製造方法、並びにトマトエキストラクトを含んだ飲食品及び化粧品
US11499052B2 (en) Method for preparing lycopene crystals with high purity and low harm
WO2017047191A1 (ja) ポリイソプレンの製造方法
JP6080676B2 (ja) 柑橘類由来脂溶性色素成分の抽出方法
JP6529073B2 (ja) トマトエキストラクト及びその製造方法、並びにトマトエキストラクトを含んだ飲食品及び化粧品
JP2014214276A (ja) 植物精油の抽出・製造方法
JP3944532B2 (ja) 高純度β−クリプトキサンチンの製造方法
Gao et al. Optimization of ultrasound-assisted aqueous two-phase extraction of polyphenols from mango seed kernel
CN105232687A (zh) 玫瑰花及玫瑰果中有效成份的提取方法
JP5864042B2 (ja) β−クリプトキサンチンを含有する抽出物からなる食品素材の製造方法
WO2020021709A1 (ja) フラボノイド配糖体の分解方法及びフラボノイドの製造方法
CN108822067B (zh) 一种从葛花中制备鸢尾黄素的方法
KR20060018204A (ko) 곡류 또는 씨앗을 이용한 기능성 물질 추출방법
JP6843539B2 (ja) 精油及びポリメトキシフラボノイド含有固形物の製造方法
JP5471824B2 (ja) カロテノイド組成物の製造方法、高濃度カロテノイド組成物の製造方法、高純度遊離型カロテノイド組成物の製造方法、カロテノイド組成物、高濃度カロテノイド組成物、及び高純度遊離型カロテノイド組成物
CN105176675B (zh) 一种从牡丹籽油中脱除苦味物质的方法
JP2005060323A (ja) 新規りんごセラミド
PL223434B1 (pl) Sposób wytwarzania ekstraktów roślinnych

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6080676

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250