JP4845363B2 - 経口投与組成物及び美白剤 - Google Patents

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本発明は、食品や化粧品などの用途に用いられる経口投与組成物に関し、更に詳細には、皮膚の色素沈着・しみ・そばかす等の予防及び改善に有用な美白効果を有する経口投与組成物並びにそれを含有した美白剤に関する。
美容上の観点からしみ・そばかす・皮膚の黒化・炎症に悩んでいる人が多い。これらの症状は、紫外線照射や酸化的刺激等によって引き起こされるとされる。皮膚表面上で紫外線を受けると、組織内で活性酸素が発生し、この活性酸素によって細胞損傷や炎症が惹起されると、炎症系のケミカルメディエーターが分泌される。このメディエーターを介する反応が主となって色素細胞内のメラニン生成顆粒においてメラニン色素が生産される。このようにして生成されたメラニン色素が隣接するケラチノサイトに移行し、蓄積される。皮膚の新陳代謝によりケラチノサイトは通常角質層になり、やがて皮膚から脱落するものと考えられている。しかし、過剰にメラニン色素生産が行なわれた場合、表皮内や真皮層に沈着して、その結果、しみやそばかすになって残存すると考えられている。
この、しみ・そばかす・皮膚の黒化・炎症の防止を目的として、従来より種々の方法が検討されてきた。外用剤としては多くの化合物が美白用に用いられ、例を挙げればハイドロキノン及びその誘導体、コウジ酸、アルブチン、胎盤抽出物、植物抽出物等である。一方で、内服に用いられた、美白作用を有する化合物としてはアスコルビン酸、その誘導体およびそれらの塩などアスコルビン酸類が主に用いられてきた。
また、システインも色素沈着を防止する化合物であることが知られているが、そのメカニズムは以下の様に考えられている。メラニン色素には大きく分けて、色の濃いユーメラニンと淡色のフェオメラニンの2種類があるが、システインはフェオメラニンの合成に関与することにより、紫外線で促進された色の濃いユーメラニンの合成を抑制し、色素沈着を防止する。
しかしながら、これらの化合物単独では、その効果の点等で必ずしも満足できるものではなかった。この問題を解消すべく、(a)トラネキサム酸および(b)L−システインを含有する美白用組成物(例えば、特許文献1参照)、(a)コエンザイムQ10と(b)システイン及び/またはシスチンを含有した、ペプチドまたはタンパクからなることを特徴とする経口組成物(例えば、特許文献2参照)、(a)カロチノイドと(b)アスコルビン酸及び/またはその塩とを含有する経口投与組成物(例えば、特許文献3参照)等の組成物が検討されている。
一方、β−クリプトキサンチンは天然に存在する色素であり、温州みかん等に多く含まれるカロテノイドである。近年その様々な機能性が着目され、例を挙げれば、抗酸化作用、抗がん作用、骨粗鬆症予防作用、神経細胞突起伸長作用等である。また、先述したようにβ−クリプトキサンチンは温州みかん等の食品に含まれ、日本人の血液中に存在するカロテノイドの主要成分でもあり、経口摂取しても安全性に問題は無い。
特開2004−217655号公報 特開2004−203812号公報 特開2004−26720号公報
上記の特許文献1〜3に記載されたいずれの組成物も、それを構成する化合物単独の美白効果の相加の範囲内程度であり、更に満足のいく美白効果が求められていた。
本発明は、より安全性が高く、非常に優れた美白効果を有する経口投与組成物及び美白剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような状況を鑑み、従来技術の問題点を改良せんとして鋭意研究を重ねた結果、カロテノイドの一種β−クリプトキサンチンに優れた美白効果があることを見出し、さらに(a)クリプトキサンチンおよび(b)システイン、その誘導体またはそれらの塩を組み合わせることにより優れた美白効果を示し、各成分単独で示される作用と比べてはもちろん、その相加以上の美白作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の第一は、(a)クリプトキサンチン、および(b)システイン、N−アセチルーL−システイン、L−ホモシステイン、L−システイン酸、L−ホモシステイン酸、L−システインスルフィン酸、S−スルフィノ−L−システイン、シスチン(システインの2量体)又はそれらの塩を含有し、前記(a)と前記(b)の配合比((a):(b))が、質量比として、1:10〜1:7500である経口投与組成物を有効成分とする皮膚の美白剤を要旨とするものである。
本発明の経口投与組成物は、メラニン生成抑制効果が高いため、経口で摂取することで優れた美白効果を発揮することができ、この経口投与組成物を含有した美白剤はその効果が優れたものとなる。特に、従来のシステイン単独やビタミンC、リコペン、β―カロテンなど従来公知の美白剤と比べると数倍効果が高いものである。
本発明における(a)クリプトキサンチンとは、3−ヒドロキシ−カロテン及びその立体異性体、またはその脂肪酸エステル、またはそのタンパク質結合体の中から選ばれる公知の化合物であり、例えば、β−クリプトキサンチン、α−クリプトキサンチンとそのシス異性体、及び水酸基に脂肪酸が結合したクリプトキサンチンパルミテート、クリプトキサンチンミリステート、クリプトキサンチンラウレート等が挙げられる。これらの中で、β−クリプトキサンチン、α−クリプトキサンチンとそのシス異性体が好ましく、β−クリプトキサンチンが美白効果の高さの点で最も好ましい。
クリプトキサンチンの入手方法としては、市販品を用いてもよいし、温州みかんなどの植物から抽出、精製してもよい。クリプトキサンチンの抽出、精製方法は特に限定されるものでなく一例を示せば以下の通りである。すなわち、ミカン果汁の沈殿物および/または該沈殿物を脱水または乾燥した粉末からの溶剤抽出分を加水分解した後、該加水分解物を2種のカラムを用いる高速液体クロマトグラフィーによって、β−クリプトキサンチンを95重量%以上で含有するフラクションを分離する製造方法である。抽出に用いる溶剤としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、飽和炭化水素類(n−ヘキサン、n−へプタン等)が挙げられる。これらの中でケトン類が好ましく、アセトンが抽出効率の点で最も好ましい。
溶媒抽出分を加水分解するには、抽出液にアルカリ金属の水酸化物水溶液(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等)とアルコール(メタノール、エタノール)を添加して行う方法が挙げられる。
カラムとしては、第一カラムに平均粒子径10〜80μmのシリカ粉末が、第二カラムに平均粒子径10〜80μmのオクタデシルシランシリカが充填されているものを用いる。また、第一カラムに導入する一次展開溶媒としては石油エーテルを主成分とする有機溶媒が好ましい。第二カラムに導入する二次展開溶媒としてはアセトニトリルを主成分とする有機溶媒が好ましい。(詳細は、特開2000−136181号公報を参照)。
また、クリプトキサンチンは高純度精製品だけでなく粗抽出物でも構わず、これらの粗抽出物の好ましい例として、かんきつ類果実および/またはその搾汁粕の酵素処理物またはその抽出物が挙げられる。かんきつ類の果実の例としては、クリプトキサンチンを高含有する果実であれば特に限定されるものではなく、具体的には、温州みかんや柿、マンゴー、パパイヤなどが挙げられ、これらの搾汁粕であってもよい。更に、これらの果実または搾汁粕に、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、リパーゼ、マレーションエンザイムなどの酵素を添加して、クリプトキサンチン濃度を高めたものを用いてもよい。更に、果実、果実の搾汁粕、それらの酵素処理物に対して有機溶剤を添加して抽出した抽出物を用いてもよい。用いられる有機溶剤としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等)、飽和炭化水素類(n−ヘキサン、n−へプタン、ペンタン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、芳香族炭化水素類(ベンセン、トルエン等)、アセトニトリル、エーテル類、ピリジン類、ポリエーテル類などが挙げられる。
また、本発明における(b)のシステイン誘導体としては、N−アセチル−L−システイン、L−ホモシステイン、L−システイン酸、L−ホモシステイン酸、L−システインスルフィン酸、S−スルフィノ−L−システイン、シスチン(システインの2量体)であることが必要である。さらに、システインやシスチンを高含有するペプチドや蛋白質を用いることも可能である。また、システインおよびその誘導体の塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を挙げることができる。これらのうち、現行法上の規制から、医薬品として用いる場合にはL−システインが、食品として用いる場合には、シスチン又はシステインペプチドが好ましい。
本発明における(b)システイン、その誘導体またはそれらの塩の入手方法としては、市販品を用いてもよく、また公知の方法に基づき製造することもできる。製造方法の代表例としては、鶏卵などから採取した卵殻膜を乾燥し、粉末化したものに塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などの酸を加え、パパイン、パンクレアチンなどのプロテーゼを作用させて加水分解することにより得ることができる。また、ホエータンパクや酵母エキスを用いてもよい。
本発明の経口投与組成物は、必須成分である上記化合物を含有するものである。その配合量は、1日当たりクリプトキサンチンを0.01〜50mg、およびシステインを1〜750mg投与(服用)することになるように配合したものが好ましく、1日当たりクリプトキサンチンを0.1〜10mg、およびシステインを10〜500mg投与(服用)することになるように配合したものがより好ましく、1日当たりクリプトキサンチンを0.5〜5mg、およびシステインを30〜300mg投与(服用)することになるように配合したものが最も好ましい。
本発明の経口投与組成物における(a)クリプトキサンチンと(b)システイン、N−アセチルーL−システイン、L−ホモシステイン、L−システイン酸、L−ホモシステイン酸、L−システインスルフィン酸、S−スルフィノ−L−システイン、シスチン(システインの2量体)又はそれらの塩との配合比は、質量比として、(a):(b)=1:10〜1:7500であり、(a):(b)=1:10〜1:480がより好ましく、更に好ましくは(a):(b)=1:10〜1:100である。

本発明において、各成分の含有量は、以下の定量方法により測定された値に基づく濃度である。クリプトキサンチンの含有量は、HPLC装置として、島津製作所製LC−10Aを用い、ウォーターズ社製ResolveC18(φ3.9×150mm)カラムを接続し、メタノールを等量加えた試料を導入した。移動相には、メタノール:酢酸エチル=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/min、検出波長450nmで含有量を分析した。システインの含有量は、検体を0.2Nのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)で処理し濾過により固形物を除去した後、強酸性陽イオン交換樹脂カラムを用い、高速液体クロマトグラフィー(ポストカラム法)により蛍光検出し測定した。
本発明の経口投与組成物には、上記の必須成分のほかに、公知の美白効果を示す成分や抗酸化剤、活性酸素除去剤を加えてもよい。美白剤としては、アルブチン、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩等が挙げられ、これらの中で、アスコルビン酸が好ましく、加える量としては、1日あたり50〜3000mg投与(服用)することになるように配合したものが好ましく、1日当たり300〜2000mg投与(服用)することになるように配合したものが好ましい。
抗酸化剤としては、コエンザイムQ10等のユビキノン類、ビタミンA類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンE類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられ、これらの中で、コエンザイムQ10が好ましく、加える量としては、1日あたり5〜200mg投与(服用)することになるように配合したものが好ましく、1日当たり10〜100mg投与(服用)することになるように配合したものが好ましい。
活性酸素除去剤としては、アスタキサンチン等のカロテノイド類、カテキン等のフラボノイド類及びそれらの誘導体等が挙げられ、これらの中で、カテキンが好ましく、加える量としては、1日あたり20〜1000mg投与(服用)することになるように配合したものが好ましく、1日当たり100〜600mg投与(服用)することになるように配合したものが好ましい。
本発明の経口投与組成物は、上述のようにして作製あるいは入手したものの混合物を経口により服用することで皮膚の美白効果を発揮させることができる。その際、上記で作製あるいは入手したものの混合物をそのまま用いてもよく、また食品などに使用される賦形剤(例えば結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、白糖等)を加え、乾式顆粒打錠法あるいは湿式顆粒打錠法等によって造粒して粉末や、更に打錠して錠剤として服用することもできる。
また、液状の食品に通常使用される浸潤剤、乳化剤、分散助剤、界面活性剤、甘味料、酸味料、糖アルコール、フレーバー、芳香族物質等の賦形剤を加え溶解し、液体の状態として使用することもできる。その他にも、カプセル剤、ゲル、ソフトカプセル剤、トローチ剤、ペースト、シロップなどに加工して摂取してもよい。
本発明の経口投与組成物は、上記のようにそのまま服用することのほかに、医薬品、医薬部外品を始め、一般食品に加えて、特定保健用食品、健康食品、機能性食品などすべての食品および/又は飲料など、経口で摂取するものであればその形態は問わず使用することができる。そのような食品および/又は飲料は特に限定されるものではなく、例えば、上記医薬品的な形態のものに加えて、パン、うどん、そば、ご飯等主食となるもの、チーズ、ウインナー、ソーセージ、ハム、魚介加工品等の食品類、アイスクリーム、クッキー、ケーキ、ゼリー、プリン、キャンディー、チューインガム、ヨーグルト、グミ、チョコレート、ビスケットなどの菓子類、清涼飲料水、調味料類、酒類、栄養ドリンク、コーヒー、茶、牛乳、果汁飲料、清涼飲料などの飲料が挙げられる。
本発明の経口投与組成物は、服用者の性別、年齢、症状、投与(服用)方法、投与(服用)回数、投与(服用)時期等により適宜検討を行い、適切な投与(服用)を決めれば良い。例えば、1日あたり(a)クリプトキサンチンとしては、0.01〜50mg投与(服用)することが好ましく、0.1〜10mg投与(服用)することがより好ましく、0.5〜5mg投与(服用)することが特に好ましい。また、(b)システイン、その誘導体またはそれらの塩としては、1日あたり1〜750mg投与(服用)することが好ましく、10〜500mg投与(服用)することがより好ましく、30〜300mg投与(服用)することが更に好ましい。
本発明の経口投与組成物は、本発明の全成分を含む単一の製剤として製造して、これを投与(服用)しても良いし、また、別々の製剤として製造し、これらの製剤を同時に、または順次投与(服用)するようにすることも可能である。
本発明の第二は、上記した経口投与組成物を有効成分とする皮膚の美白剤である。該美白剤におけるクリプトキサンチンの含有量は、乾燥固形分として0.000001質量%以上であれば効果の発現上何ら問題はなく、好ましくは0.000001〜5質量%であり、更に好ましくは0.00001〜0.05質量%である。システインの含有量としては、乾燥固形分として好ましくは0.00001〜10質量%であり、より好ましくは0.001〜5質量%、最も好ましいのは0.01〜1質量%である。
また、美白剤の好ましい様態として、(a)クリプトキサンチンと(b)システイン、その誘導体又はそれらの塩を組み合わせた場合に、相乗的な効果が期待される薬効成分、例えば美白剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、抗炎症剤からなる一種または二種以上を配合した美白剤を挙げることができる。好適な薬効成分の具体例としては、それぞれ以下に示すものが挙げられる。
美白剤としては、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、プラセンタエキス、ルシノール、チラミン、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、リコペン等が挙げられる。上記美白剤のうち、特に好ましいものとして、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。このような美白剤はその種類により相違するが、本発明の美白剤に0.00001〜10質量%程度含有させればよい。
活性酸素除去剤としては、アスタキサンチン、カロテン等のカロテノイド類、カテキン等のフラボノイド類及びそれらの誘導体等が挙げられる。上記活性酸素除去剤のうち、特に好ましいものとして、アスタキサンチン、カロテンが挙げられる。これらの活性酸素除去剤はその種類により相違するが、本発明の美白剤に0.00001〜5質量%程度含有させればよい。
抗酸化剤としては、コエンザイムQ10等のユビキノン類、ビタミンA類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンE類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。上記抗酸化剤のうち、特に好ましいものとして、ビタミンE類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。これらの抗酸化剤はその種類により相違するが、本発明の美白剤に0.00001〜5質量%程度含有させればよい。
参考例1
24穴プレートにマウス由来B16細胞(JCRB0202)を5×10cells/wellになるように適量の培地とともに接種し、37℃、二酸化炭素濃度5%中にて静置培養した。1日後、培地を吸引除去し、DMSOに溶かしたクリプトキサンチン(EXTRASYNTHESE S. A.社製)、あるいは水に溶かしたL−システイン(和光純薬工業製)、あるいはその両方を、所定の最終濃度になるように添加した培地と交換した。なお、L−システインのみを添加した系にはDMSOを、クリプトキサンチン添加の系と同濃度になるように添加した。3日間上記と同条件で培養後に培地を除去し、PBSにて3回洗浄した後トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞をPBSで遠心洗浄(2000rpm、5分)し、培地を除去した。さらに遠心し上清を除去し細胞ペレットを得た。このペレットに2N NaOHを400μl添加し、よく懸濁した後、超音波処理を30分間行った。このようにして得られたメラニン粗抽出液を96wellマイクロプレートに100μl/well、3well/サンプルで添加し、マイクロプレートリーダーで405nm、690nmにおける吸光度を測定した。メラニン合成阻害率は以下のように算出した。
メラニン合成阻害率(%)={1−(OD405S−OD690S)/(OD405C−OD690C)}×100
OD405C:被験物質無添加時の細胞からの粗抽出液の405nmにおける吸光度
OD690C:被験物質無添加時の細胞からの粗抽出液の690nmにおける吸光度
OD405S:被験物質添加時の細胞からの粗抽出液の405nmにおける吸光度
OD690S:被験物質添加時の細胞からの粗抽出液の690nmにおける吸光度
また、96穴プレートにメラノーマ細胞を5×10cells/wellとなるように接種し、上記と同条件で培養した。培養3日目に450nmと690nmの吸光度を測定した後、CCK−8(同人堂)を10μl添加し軽く振とうし37℃、二酸化炭素濃度5%中にて2時間静置培養した。培養後、450nmと690nmにおける吸光度を再度測定し以下の式により細胞生存率を算出した。
細胞生存率(%)={(OD450t=2h−OD450t=0)−(OD690t=2h−OD690t=0)/(OD450t=2hC−OD450t=0C)−(OD690t=2hC−OD690t=0C)}×100
OD450t=2h:被験物質添加時のCCK添加2時間後の450nmにおける吸光度
OD450t=0:被験物質添加時のCCK添加前の450nmにおける吸光度
OD690t=2h:被験物質添加時のCCK添加2時間後の690nmにおける吸光度
OD690t=0:被験物質添加時のCCK添加前の690nmにおける吸光度
OD450t=2hC:被験物質無添加時のCCK添加2時間後の450nmにおける吸光度
OD450t=0C:被験物質無添加時のCCK添加前の450nmにおける吸光度
OD690t=2hC:被験物質無添加時のCCK添加2時間後の690nmにおける吸光度
OD906t=0C:被験物質無添加時のCCK添加前の690nmにおける吸光度
以上の結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなごとく、クリプトキサンチンとL−システインの同時投与によりそのメラニン合成抑制効果は、各成分単独の効果の相加よりも高くなり、飛躍的に上昇した。
参考例2
β−クリプトキサンチンとして温州みかん抽出物を用いて参考例1と同じ実験を実施した。温州みかん抽出物は以下の方法で調製した。温州みかんパルプの乾燥粉末20gにエタノール200mlを加え、撹拌しながら30分間抽出し、0.45μmのPTFEメンブレンフィルターでろ過した。この濾液のエタノールをエバポレーターで完全に蒸発させ、生成した温州みかん抽出物を10mlのDMSOに溶解した。さらに0.20μmのPTFEメンブレンフィルターで滅菌、除粒子を行い、温州みかん抽出物とした。その他の実験方法は参考例1に従った。以上の結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなごとく、β―クリプトキサンチン含有の温州みかん抽出物と、L−システインとの同時投与によりそのメラニン合成抑制効果は、各成分単独の効果の相加よりも高くなり飛躍的に上昇した。
参考例3
Weiser-Maples系雄性褐色モルモット6週齢を購入し、2週間予備飼育を行った後、背部皮膚全体の色調を判断して、1群5匹に群分けした。検体については、試験期間中下記用量で毎日経口摂取させた。
モルモットの背部を電気バリカンで除毛し、正中をはさんで紫外線非照射と照射の2ヶ所を作成した。紫外線照射には、FL−20SEランプ(波長250〜350nm、東芝製)を用い、UV−Bを9分30秒間照射した。照射時間は、予備試験から求められた紫外線照射24時間後に紅斑が認められた最も弱い照射量(最小紅斑量)から決定した。
以下の検体を、コーン油に溶解して毎日強制経口投与した。
なお、酵素処理温州みかんパルプは温州みかんから果汁を絞った後の残渣(ミカンジュース粕、水分率約90%)8kgに、食品加工用ペクチナーゼ酵素剤スミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ユニット数:ペクチナーゼ5,000u/g、アラバナーゼ90u/g)10gとセルラーゼ、ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY-NC(ヤクルト薬品工業株式会社製、ユニット数:セルラーゼ30,000u/g)10gを添加し、よくかき混ぜて室温で8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離し、上清を除去した後、水を添加して撹拌し、再度遠心分離により上清を除去し、ドラムドライヤーを用いて、ドラム温度110℃、1回転/分の回転速度で乾燥した後、粉砕機で粉砕して製造した。
検体1:無添加(コントロール)
検体2:酵素処理温州みかんパルプ(β―クリプトキサンチン0.5%含有) 8mg/kg
検体3:L−シスチン 25mg/kg(和光純薬工業製)
検体4:(検体2)+(検体3)
検体5:ビタミンC 25mg/kg(和光純薬工業製)
検体6:リコペン 1mg/kg(和光純薬工業)
試験開始8日目から、紫外線照射を1日1回、8日目、10日目、13日目、15日目、17日目、19日目の計6回照射して色素を沈着させた。照射開始前及び、試験開始20日目に照射部位を色差計(CR−300、ミノルタ製)を用いてL値(明度)を測定した。以上の結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなごとく、クリプトキサンチンとシスチンの同時投与によりそのメラニン合成抑制効果は、各成分単独の効果の相加よりも高くなり、飛躍的に上昇した。
実施例1
以下の組成(1日量として2錠)で常法により錠剤を製造した。
温州みかん抽出物は、温州みかんから果汁を絞った後の残さ(ミカンジュース粕、水分率約90%)8kgを凍結乾燥し、これにエタノール5Lを加えて、1時間撹拌し、β−クリプトキサンチンを抽出した。ろ過して、エタノール画分を回収し、エバポレーターを用いてエタノールを留去し、温州みかん抽出物を得た。それ以外の成分は市販のものを用いた。
温州みかん抽出物(β−クリプトキサンチン1mg含有) 20mg
L−システイン 240mg
結晶セルロース 80mg
ショ糖脂肪酸エステル 42mg
ソルビトール 100mg
酸化チタン 18mg
実施例2
以下の組成(1日量として4錠)で常法により錠剤を製造した。
酵素処理温州みかんパルプは参考例3の検体2と同じ方法で製造したものであり、それ以外の成分は市販のものを用いた。
酵素処理温州みかんパルプ(β−クリプトキサンチン1mg含有) 200mg
シスチン 120mg
コラーゲン 30mg
エピガロカテキンガレート 10mg
結晶セルロース 100mg
ショ糖脂肪酸エステル 15mg
ソルビトール 25mg

Claims (1)

  1. (a)クリプトキサンチン、および(b)システイン、N−アセチルーL−システイン、L−ホモシステイン、L−システイン酸、L−ホモシステイン酸、L−システインスルフィン酸、S−スルフィノ−L−システイン、シスチン(システインの2量体)又はそれらの塩を含有し、前記(a)と前記(b)の配合比((a):(b))が、質量比として、1:10〜1:7500である経口投与組成物を有効成分とする皮膚の美白剤。
JP2004290531A 2004-10-01 2004-10-01 経口投与組成物及び美白剤 Expired - Fee Related JP4845363B2 (ja)

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