JP6079572B2 - 回転電機のステータ、同ステータを備えた回転電機および同ステータの製造方法 - Google Patents

回転電機のステータ、同ステータを備えた回転電機および同ステータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両等に用いられる回転電機(モータ、又は発電機、又はモータ兼発電機)のステータ、同ステータを備えた回転電機および同ステータの製造方法に関するものである。
回転電機のステータは、ステータコアとこれに巻装される複数の巻線群(コイル)とを備える。ステータコアは、周方向に一定間隔で並ぶ複数のスロットを内周面に備えており、巻線群を形成する各巻線は、上記スロットのうち、特定のスロットを通過するように、ステータコアに対して例えば波巻きで巻かれている。特許文献1には、このようなステータとして、断面長方形の銅線を巻線として用いたものが開示されている。
このような断面長方形の巻線を用いたステータは、断面円形の巻線を用いる場合に比べて、線占積率(コイル断面積に占める巻線断面積の割合)を小さくでき、回転電機の小型化及び軽量化に有利である。また、巻線同士の接触面積を増やして放熱効果を高めることができるため(つまり、抵抗を減らす事ができるため)、通電性能を高めることができるという利点もある。
特開2001−178054号公報
上記特許文献1に開示されるステータは、線占積率を小さくする上で有利であるが、ハイブリッド車両に搭載されるような回転電機については、車両の小型化と燃費性能の向上のために、回転電機のより一層の小型化及び軽量化が求められており、この点を考慮すると必ずしも十分とは言えない。特に、コイルエンド部(ステータコアの軸方向端面に沿う巻線群の部分)における巻線同士の間には比較的隙間が多く、また、巻線が長方形であるが故にコイルエンド部分の占有面積が大きくなる傾向があり、未だ改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、回転電機の小型化及び軽量化に寄与し得るステータに関する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ロータと共に回転電機を構成するステータであって、環状をなし、周方向の複数の位置でそれぞれ内向きに開いて放射状に延びる複数のスロットを有するステータコアと、二つの等辺を有する断面三角形の素線が、前記複数のスロットのうち、特定の複数のスロットを通過するように前記ステータコアに波巻きで巻回されることにより形成された複数の巻線を含む巻線群と、を備えており、前記複数の巻線は、互いに隣接する巻線の前記等辺同士が当接するように前記ステータコアの径方向に一列に並べられた状態で前記特定のスロットに挿入されているものである。
この構成によれば、巻線群は、隣接する巻線同士が前記径方向に重なり合うように配列された状態(オーバーラップした状態)でスロット内に挿入される。そのため、巻線(素線)の断面形状が円形や矩形(長方形)のものに比べるとスロット内における巻線群の占有スペースを効果的に縮小することができる。
上記ロータにおいて、前記ステータコアの軸方向端面上では、前記特定のスロットに挿入された前記巻線群の全体としての断面形状が台形又は平行四辺形になるように、前記複数の巻線が前記軸方向に沿って配列されているのが好適である。
この構成によれば、ステータコアの軸方向端面上(コイルエンド部分)では、巻線群の全体としての断面形状が台形又は平行四辺形になるように巻線(前記巻線群を形成する巻線)が前記軸方向に沿って並べられる。つまり、隣接する巻線同士が集結してステータの軸方向及び径方向に重なり合った状態(オーバラップした状態)で配列されている。そのため、ステータコアの軸方向端面上においても、巻線群の占有スペースを小さく抑えることができる。そのため、ステータの小型化および軽量化を図ることが可能となる。
上記のステータにおいて、前記複数の巻線は、前記ステータコアの軸方向端面上において、当該軸方向端面と前記等辺以外の辺とが平行となるように配列されている。又は、前記複数の巻線は、前記ステータコアの軸方向端面上において、当該軸方向端面と前記等辺以外の辺とが直交するように配列されている。
これらの構成によれば、巻線群の占有スペースを小さく抑えた状態で、当該巻線群を前記ステータコアの軸方向端面上に配索することができる。
なお、上記のステータにおいて、前記特定の複数のスロットとして、互いに異なるスロットを通過するように前記ステータコアに巻回される複数の前記巻線群を含むものでは、前記複数の巻線群は、前記ステータコアの軸方向端面上において、前記ステータコアの径方向に隣接する状態で並び、かつそれぞれ前記スロットから前記端面上に導出されてその導出位置から次のスロットに向かうに伴い、前記ステータコアの径方向内側、又は外側に変位して前記導出位置とは前記径方向の異なる位置で次のスロットに挿入される。
この構成によれば、ステータコアの軸方向端面上において各々スロットから導出される各巻線群を、当該巻線群同士を交差させることなくコンパクトに次のスロットに導くことができる。そのため、ステータをその軸方向に小型化する上で有利となる。
なお、前記巻線群は、複数の巻線からなる正巻線群と、この正巻線群とは別に、複数の巻線からなりかつ前記特定の複数のスロットに対する巻線の挿入及び導出方向が前記正巻線群とは逆の逆巻線群とを含むものであってもよい。
このような構成によれば、コイルエンド部において、逆巻線群の電流が正巻線群の電流とは周方向で逆向きに流れるように電流供給を行えば、スロット内では電流の向きが同一となり、適切かつ強力な磁界を形成することが可能となる。
また、上記のステータにおいては、前記複数の巻線群をコイル部材と定義したときに、前記径方向に並ぶように複数のコイル部材が前記ステータコアに備えられているものであってもよい。
このような構成によれば、より強力な磁界を形成する上で有利となる。
また、上記のステータにおいては、前記複数のスロットのうち、互いに隣接する2つ一組のスロットであって前記周方向に所定間隔を隔てて並ぶ複数組のスロットを複数のスロット対と定義し、当該複数のスロット対の各スロットを通過するように巻回される巻線群を第1巻線群及び第2巻線群と定義したときに、前記第1巻線群及び前記第2巻線群は、各スロットについて交互に周方向の異なる側のスロットへ挿入されており、前記ステータコアの軸方向端面上では、第1巻線群及び第2巻線群の全体としての断面形状が台形又は平行四辺形になるように当該第1巻線群及び第2巻線群が前記軸方向に沿って配列されているものであってもよい。
この構成によれば、回転電機におけるロータをより安定的に回転させることが可能な磁界を形成することが可能となる。
一方、本発明の回転電機は、上述した何れかのステータと、このステータの内側に配置されるロータとを備えているものである。
この回転電機によれば、ステータの小型化および軽量化を通じて、回転電機の小型化および軽量化を図ることが可能となる。
また、本発明のステータの製造方法は、前記ステータコアに巻回された前記巻線群と同一形状の巻線群を単独で形成する巻線形成工程と、前記巻線群を、その径方向に圧縮変形させた状態で前記ステータコアの内側に挿入する巻線挿入工程と、前記ステータコアの内側に挿入された前記巻線群を拡径し、当該ステータコアの内側から前記スロットに対して当該巻線群を挿入することにより、前記巻線群を前記ステータコアに装着する巻線装着工程と、を含むものである。
この方法によれば、上述したステータを効率良く製造することが可能となる。
この場合、前記巻線挿入工程では、前記巻線群のうち、ステータコアの軸方向一端に対応する側を径方向に縮径させることにより、当該巻線群全体を略円錐台状に圧縮変形させておき、前記縮径された側から前記ステータコアの内側に挿入するようにしてもよい。
この方法によれば、巻線装着工程における巻線群の拡径作業が容易になるため、より効率良くステータを製造することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、ステータにおける巻線群の占有スペースを抑えて、ステータの小型化及び軽量化を図ることができる。従って、回転電機の小型化及び軽量化に寄与するものとなる。
本発明に係る回転電機のステータを示す斜視概略図である。 ステータを示す縦断面略図である。 ステータを示す平断面略図である。 図3の要部拡大図である。 巻線群の巻回経路を示すステータの展開縦断面模式図であり、(a)は、第1U相巻線群の巻回経路を示し、(b)は第2U相巻線群の巻回経路を示す。 第1U相巻線群の巻回経路を示すステータの展開平面模式図(上面図)であり、(a)は、正巻線群の巻回経路を示し、(b)は、逆巻線群の巻回経路を示す。 第2U相巻線群の巻回経路を示すステータの展開平面模式図(上面図)であり、(a)は、正巻線群の巻回経路を示し、(b)は、逆巻線群の巻回経路を示す。 (a)は、スロットから導出された第1U相巻線群(正巻線群)の配索状態を説明する斜視模式図であり、(b)は、捩りを伴う巻線を(a)から抽出した斜視模式図である。 スロットから導出された巻線群の配索状態を示す断面模式図であり、(a)は、図6bのIXa−IXa線に、(b)は、図6のIXb−IXb線にそれぞれ沿った断面模式図である。 (a)は、スロットに挿入される第1U相巻線群(正巻線群)の配索状態を説明する斜視模式図であり、(b)は、捩りが戻される巻線を(a)から抽出した斜視模式図である。 ステータコアの軸方向端面上における巻線群の配索状態を示す断面模式図であり、(a)は、図6のXIa−XIa線に、(b)は、図6のXIb−XIb線に、(c)は、図6のXIc−XIc線に、(d)は、図6のXId−XId線にそれぞれ沿った断面模式図である。 スロット内における巻線の配列状態の他の例を示すステータの断面模式図である。 スロット内における巻線の配列状態の他の例を示すステータの断面模式図である。 ステータコアの軸方向端面上における巻線群の配列状態の他の例を示すステータの断面模式図である。 スロット内における巻線の配列状態の他の例を示すステータの断面模式図である。 (a)、(b)は、ステータコアの軸方向端面上における巻線群の配列状態の他の例を示すステータの断面模式図である。 (a)、(b)は、ステータコアの軸方向端面上における巻線群の配列状態の他の例を示すステータの断面模式図である。 (a)、(b)は、ステータコアの軸方向端面上における巻線群の配列状態の他の例を示すステータの断面模式図である。 (a)〜(c)は、ステータの製造方法を説明する説明図である。 (a)〜(c)は、ステータの製造方法の他の例を説明する説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1〜図3は、本発明に係る回転電機のステータSを概略図で示しており、図1は斜視図で、図2、図3は断面図で各々ステータSを示している。
同図に示すステータSは、ハイブリット車両に搭載される三相交流モータに用いられるステータである。具体的には、当該ステータSと、その内側に配置されるロータと、これらステータS及びロータを収容するケーシング等で三相交流モータ(本発明の回転電機に相当する)が構成される。
上記ステータSは、円環状をなすステータコア10と、このスロット12に巻回される複数の巻線群をそれぞれ含む、第1コイル部材14Aおよび第2コイル部材14Bとを備えている。
前記ステータコア10は、図3に示すように、周方向に等間隔で並ぶ複数の位置でそれぞれ内向きに開いて放射状に延びる複数のスロット12を備えている。当例では、ステータコア10は、48個のスロット12を備えている。そして、後に詳述する通り、これら48個のスロット12のうち、特定の複数のスロット12を通過するようにU相、V相、W相の各巻線群が当該ステータ10に巻回されている。換言すれば、ステータコア10には、U相の巻線群が各々挿入される互いに隣接した2つのスロット12と、V相の巻線群が各々挿入される互いに隣接した2つのスロット12と、W相の巻線群が各々挿入される互いに隣接した2つのスロット12とを1セットとして、ステータコア10の周方向に8セットのスロット群が備えられている。つまり、このステータSが適用される回転電機は、48スロットを備えた8極の回転電機である。
なお、図3には、U相の巻線群が各々挿入されるスロット12を符号U1・U2、U3・U4……U15・U16(本発明の複数のスロット対に相当する)で示し、V相の巻線群が各々挿入されるスロット12を符号V1・V2、V3・V4……V15・V16(本発明の複数のスロット対に相当する)で示し、W相の巻線群が各々挿入されるスロット12を符号W1・W2、W3・W4……W15・W16(本発明の複数のスロット対に相当する)で示している。以下の説明では、必要に応じて、U相の巻線群が挿入されるスロットの符号として符号12の代わりに図3中に示す符号U1・U2、U3・U4……U15・U16を用い、同様に、V相の巻線群が各々挿入されるスロットの符号として同図中の符号V1・V2、V3・V4……V15・V16を用い、W相の巻線群が各々挿入されるスロットの符号としてW1・W2、W3・W4……W15・W16を用いるものとする。
ステータコア10は、例えば図3に示すような形状を有する磁性体(鋼板)製の複数枚のプレートが積層一体化されることにより構成されている。
第1コイル部材14A及び第2コイル部材14Bは、それぞれ、ステータコア10に巻回される複数の巻線群を含んでいる。第1コイル部材14Aと第2コイル部材14Bは、第2コイル部材14Bが第1コイル部材14Aの内側に設けられている以外、これらの基本的な構成は共通である。よって、以下の説明では、第1コイル部材14Aについて詳述した上で、必要に応じて第2コイル部材14Bに言及することにする。
第1コイル部材14Aは、スロットU1・U2、U3・U4……U15・U16を通過するようにステータコア10に巻回される2つ一組のU相巻線群20Ua、20Ub(第1U相巻線群20Ua、第2U相巻線群20Ubと称す)と、スロットV1・V2、V3・V4……V15・V16を通過するようにステータコア10に巻回される2つ一組のV相巻線群20Va、20Vb(第1V相巻線群20Va、第2V相巻線群20Vbと称す)と、スロットW1・W2、W3・W4……W15・W16を通過するようにステータコア10に巻回される2つ一組のW相巻線群20Wa、20Wb(第1W相巻線群20Wa、第2W相巻線群20Wbと称す)とを含む。
U相巻線群20Ua、20Ub、V相巻線群20Va、20Vb、及びW相巻線群20Wa、20Wbは、通過するスロット12が互いに異なる以外、基本的な構成は共通である。よって、以下の説明では、U相巻線群20Ua、20Ubの構成について詳述した上で、必要に応じてV相巻線群20Va、20Vb、及びW相巻線群20Wa、20Wbの構成に言及することにする。なお、以下の説明において上(上側)、下(下側)というときには、図1に示すステータSの状態を基準とし、内(内側)、外(外側)というときには、ステータコア10の径方向を基準とする。
第1U相巻線群20Uaは、二つの等辺を有する断面三角形の素線により形成された複数の巻線で構成されている。当例では、図4に示すように、断面正三角形の素線により形成された合計6つの巻線で構成されている。詳細には、同図に示すように、第1U相巻線群20Uaは、3つの巻線r1〜r3からなる正巻線群22aと、3つの巻線r1′〜r3′からなる逆巻線群22bとを含む。正巻線群22aと逆巻線群22bとは、コイルエンド部においては、逆巻線群の電流の流れる方向が正巻線群の電流の流れる方向とは周方向で逆向きとなり、スロット内においては、電流の流れる方向が同一となるように電流供給が行われるものであり、後に詳述する通り、スロット12に対する巻線の挿入方向および導出方向が逆の関係になっている。
第2U相巻線群20Ubも同様に、図4に示すように、断面正三角形の素線により形成された合計6つの巻線で構成されており、詳しくは、3つの巻線r4〜r6からなる正巻線群24aと、3つの巻線r4′〜r6′からなる逆巻線群24bとを含む。
各U相巻線群20Ua、20Ubは、図5〜図7に示すようにして、ステータコア10に波巻きで巻回されている。スロットU1、U2の位置を基準に具体的に説明すると、まず、第1U相巻線群20Uaの正巻線群22aは、図5(a)及び図6(a)に示すように、ステータコア10の下側からスロットU1に挿入されて上側に導出され、ステータコア10の上側からスロットU4に挿入されて下側に導出され、ステータコア10の下側からスロットU5に挿入されて上側に導出されるという具合にして、スロットU1、U4、U5、U8、U9、U12、U13、U16に波巻きで巻回されている。
第1U相巻線群20Uaの逆巻線群22bは、図5(a)及び図6(b)に示すように、ステータコア10の上側からスロットU1に挿入されて下側に導出され、ステータコア10の下側からスロットU4に挿入されて上側に導出され、ステータコア10の上側からスロットU5に挿入されて下側に導出されるという具合にして、ステータコア10に巻回されている。すなわち、逆巻線群22bは、スロット12に対する巻線の挿入方向及び導出方向が正巻線群22aとは逆になるように、正巻線群22aと同じスロットU1、U4、U5、U8、U9、U12、U13、U16に波巻きで巻回されている。
正巻線群22aの巻線r1〜r3と逆巻線群22bの巻線r1′〜r3′とは、図4に示すように、ステータコア10の径方向(図4では左右方向)に一列に並べられた状態で各スロットU1、U4〜U16に挿入されている。詳しくは、巻線r1〜r3、r1′〜r3′のうち、隣接するものの辺同士が互いに当接するように、前記径方向の片側に正巻線群22aの巻線r1〜r3が連続して一列に並び、この正巻線群22aに隣接するように逆巻線群22bの巻線r1′〜r3′が連続して一列に並んだ状態で各スロットU1、U4〜U16に挿入されている。すなわち、第1U相巻線群20Ua全体としての断面形状が平行四辺形となるように、当該第1U相巻線群20Uaの正巻線群22aおよび逆巻線群22bが各スロットU1、U4〜U16に挿入されている。但し、図6(a)、(b)に示すように、正巻線群22a及び逆巻線群22bは、各スロットU1、U4〜U16について、ステータコア10の径方向における内外の位置関係が交互に入れ替わるように当該ステータコア10に巻回されている。
一方、第2U相巻線群20Ubの正巻線群24aは、図5(b)及び図7(a)に示すように、ステータコア10の下側からスロットU2に挿入されて上側に導出され、ステータコア10の上側からスロットU3に挿入されて下側に導出され、ステータコア10の下側からスロットU6に挿入されて上側に導出されるという具合にして、スロットU2、U3、U6、U7、U9、U10、U11、U14、U15に波巻きで巻回されている。
第2U相巻線群20Ubの逆巻線群24bは、図5(b)及び図7(b)に示すように、ステータコア10の上側からスロットU2に挿入されて下側に導出され、ステータコア10の下側からスロットU3に挿入されて上側に導出され、ステータコア10の上側からスロットU6に挿入されて下側に導出されるという具合にして、ステータコア10に巻回されている。すなわち、逆巻線群24bは、スロット12に対する巻線の挿入方向及び導出方向が正巻線群24aとは逆になるように、正巻線群24aと同じスロットU2、U3、U6、U7、U9、U10、U11、U14、U15に波巻きで巻回されている。
正巻線群24aの巻線r4〜r6と逆巻線群24bの巻線r4′〜r6′は、上述した第1U相巻線群20Uaの各巻線群22a、22bと同様、図4に示すように、ステータコア10の径方向に一列に並べられた状態で各スロットU2、U3〜U15に挿入されている。そして、第2U相巻線群20Ubについても、図7(a)、(b)に示すように、正巻線群24a及び逆巻線群24bは、各スロットU2、U3〜U15について、ステータコア10の径方向における内外の位置関係が交互に入れ替わるように巻回されている。
なお、第1U相巻線群20Ua及び第2U相巻線群20Ubは、図3及び図4に示すように、ステータコア10の径方向最外側に位置する巻線r1、r4の向きが同じになるように、当例では巻線r1、r4の角部が互いに周方向の同じ側(図4では下側)を向くように、各スロットU1・U2……U15・U16に挿入されている。
第1U相巻線群20Uaの正巻線群22aと第2U相巻線群20Ubの正巻線群24aとは、ステータコア10の軸方向端面上(上下両側の端面上)において、正巻線群22a及び正巻線群24aの断面形状が全体として平行四辺形(台形)になるように、ステータコア10の軸方向に沿って並べられている。
詳しくは、図8(a)に模式的に示すように、スロットU1からステータコア10の上側に導出される正巻線群22aのうち、内側の2つの巻線r2、r3は、そのまま略水平になるように直角に折り曲げられ、残りの巻線r1は、直角に折り曲げられつつ、さらに内側に60°捩られた状態(図8(b)参照)で巻線r3の下側に重ねられている。これにより、正巻線群22aの巻線r1〜r3は、図9(a)に示すように、正巻線群22aの断面形状が台形になるように並べられている。他方、スロットU2からステータコア10の上側に導出される正巻線群24aのうち、内側の2つの巻線r5は、そのまま略直角に折り曲げられ、残りの巻線r4は、略直角に折り曲げられて他の巻線r5、r6の上側に重ねられている。これにより、正巻線群24aの断面形状が台形になるように巻線r4〜r6が並べられた上で、図9(b)に示すように、正巻線群22a及び正巻線群24aの断面形状が全体として平行四辺形になるように、正巻線群22aの下側に正巻線群24aが重ねられている。なお、図9(a)は、図6のIXa−IXa線に沿った巻線群の断面模式図であり、図9(b)は、図6のIXb−IXb線に沿った同断面模式図である。
このように重ねられた第1U相巻線群20Uaの正巻線群22aと第2U相巻線群20Ubの正巻線群24aは、図6(a)及び図7(a)に示すように、次のスロットU3、U4に向かうに伴い、ステータコア10の径方向内側に変位するようにステータコア10の上端面に沿って配されている。そして、図10(a)に模式的に示すように、まず、下側に位置する第2U相巻線群20Ubの正巻線群24aがステータコア10の上側からスロットU3に挿入される。この場合、内側の巻線r5、r6は、そのまま略直角に折り曲げられ、残りの巻線r4は、略直角に折り曲げられて他の巻線r5、r6の外側に並べられる。これにより、ステータコア10の径方向に巻線r4〜r6が一列に並んだ状態で、正巻線群24aがスロットU3に挿入される。
他方、第1U相巻線群20Uaの正巻線群22aのうち、上側の2つの巻線r2、r3は、そのまま直角に折り曲げられ、残りの巻線r1は直角に折り曲げられつつ外側に60°捩られた状態(図10(b)参照)で他の巻線r2、r3の外側に並べられる。これにより、ステータコア10の径方向に巻線r1〜r3が一列に並んだ状態で、正巻線群22aがスロットU4に挿入される。なお、巻線r1が外側に60°捩られるのは、上記の通り、当該巻線r1は、スロットU1から導出された後、他の巻線r3に重ねるために内側に60°捩られているため(図8(a)、(b))、この捩れを解消するためである。
なお、ここでは、ステータコア10の上側の正巻線群22a、24aの配列について具体的に説明したが、ステータコア10の下側では、正巻線群22a、24aの上下関係が逆、すなわち図9(b)の配列と上下対称な配列となる。これ以外の正巻線群22a、24aの配列は、基本的にはステータコア10の上下両側で共通している。
また、ここでは、正巻線群22a、24aについて説明したが、ステータコア10の上下両側における逆巻線群22b、24bの配列も、基本的には正巻線群22a、24aと同様である。すなわち、図9(a)、(b)の巻線r1〜r3、巻線r4〜r6を巻線r1′〜r3′、巻線r4′〜r6′に置き換えた配列と同等である。
このようにして、第1U相巻線群20Ua及び第2U相巻線群20Ubがステータコア10に巻回されている。なお、第1U相巻線群20Ua及び第2U相巻線群20Ubは、互いに隣接する一対のスロットU1・U2、U3・U4……U15・U16に順次挿入されるが、上記の通り(図5〜図7に示す通り)、第1U相巻線群20Ua及び第2U相巻線群20Ubは、各一対のスロットU1・U2、U3・U4……U15・U16について、交互に周方向の異なる側のスロット12へ挿入されている。すなわち、奇数番のスロット12から導出された巻線群は、次の偶数番のスロット12に挿入され、他方、偶数番のスロット12から導出された巻線群は、次の奇数番のスロット12に挿入される。その結果、上述の通り、第1U相巻線群20Uaは、スロットU1、U4、U5、U8、U9、U12、U13、U16に挿入され、第2U相巻線群20Ubは、スロットスロットU2、U3、U6、U7、U9、U10、U11、U14、U15に挿入されている。このようにして第1U相巻線群20Ua及び第2U相巻線群20Ubがステータコア10に巻回されることで、正巻線群22aと正巻線群24aとが互いに交差することなく、また、逆巻線群22bと逆巻線群24bとが互いに交差することなく、ステータコア10に第1U相巻線群20Ua及び第2U相巻線群20Ubが波巻きで巻回されている。
以上、U相巻線群20Ua、20Ubの構成について詳述したが、V相巻線群20Va、20Vb、及びW相巻線群20Wa、20Wbも通過するスロット12が異なる以外、基本的にはU相巻線群20Ua、20Ubと同等の構成である。
なお、ステータコア10の上下端面上において、U相巻線群20Ua、20Ub、V相巻線群20Va、20Vb、及びW相巻線群20Wa、20Wbは、ステータコア10の径方向に互いに隣接する状態で並んでおり、それぞれスロット12から導出されてその導出位置から次のスロット12に向かうに伴い、ステータコア10の径方向内側、又は外側に変位して導出位置とは前記径方向の異なる位置で次のスロット12に挿入されている。
この点について図9(b)、図11(a)〜(d)を用いて具体的に説明する。図9(b)は上記の通り、図6のIXb−IXb線に沿った巻線群の断面模式図、つまり、スロットU2とスロットV1との間の位置の巻線群の断面模式図であり、図11(a)〜(d)は、図6のXIa−XIa線、XIb−XIb線、XIc−XIc線及びXId−XId線にそれぞれ沿った巻線群の断面模式図、つまり、スロットV1〜U3における各スロット間の巻線群の断面模式図である。
これらの図に示すように、スロットU2とスロットV1の間の位置では、図9(b)に示すように、第1U相巻線群20Uaの正巻線群22aと第2U相巻線群20Ubの正巻線群24aとが上下に重ねられている。そして、これらU相巻線群20Ua、20Ubの内側に、第1W相巻線群20Waの逆巻線群22bと第2W相巻線群20Wbの逆巻線群24bとが同様に上下に重ねられ、さらにその内側に、第1V相巻線群20Vaの逆巻線群22bと第2U相巻線群20Vbの逆巻線群24bとが同様に上下に重ねられている。
そして、スロットV1の位置で、最も内側に位置する第2V相巻線群20Vaの逆巻線群22bがスロットV1に挿入される一方で、スロットV1から第2V相巻線群20Vaの正巻線群22aが導出されることにより、スロットV1とスロットV2の間の位置では、図11(a)に示すように、第1V相巻線群20Vaの正巻線群22aがU相巻線群20Ua、20Ubの外側に重ねられる。
そして次に、スロットV2の位置で、最も内側に位置する第2V相巻線群20Vbの逆巻線群24bがスロットV2に挿入される一方で、スロットV2から第2V相巻線群20Vbの正巻線群24aが導出されることにより、スロットV2とスロットW1の間の位置では、図11(b)に示すように、第2V相巻線群20Vbの正巻線群24aがU相巻線群20Ua、20Ubの外側において、第2V相巻線群20Vaの正巻線群22aの下側に重ねられる。
そして次に、スロットW1の位置で、最も内側に位置する第2W相巻線群20Waの逆巻線群22bがスロットW1に挿入される一方で、スロットW1から第2W相巻線群20Waの正巻線群22aが導出されることにより、スロットW1とスロットW2の間の位置では、図11(c)に示すように、第2W相巻線群20Waの正巻線群22aがV相巻線群20Va、20Vbの外側に重ねられる。
そして次に、スロットW2の位置で、最も内側に位置する第2W相巻線群20Wbの逆巻線群24bがスロットW2に挿入される一方で、スロットW2から第2W相巻線群20Wbの正巻線群24aが導出されることにより、スロットW2とスロットU3の間の位置では、図11(d)に示すように、第2W相巻線群20Wbの正巻線群24aがV相巻線群20Va、20Vbの外側において、第2W相巻線群20Waの正巻線群22aの下側に重ねられる。
このように、U相巻線群20Ua、20Ub、V相巻線群20Va、20Vb、及びW相巻線群20Wa、20Wbが、ステータコア10の径方向に互いに隣接する状態で並び、それぞれスロット12から導出されてその導出位置から次のスロット12に向かうに伴い、ステータコア10の径方向内側に変位しながらスロット12に挿入されることで、これら巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbが相互に交差することなくコンパクトに配列された状態のままで次のスロット12に導かれるようになっている。
以上、第1コイル部材14Aの構成について説明したが、第2コイル部材14Bの構成も第1コイル部材14Aと同等である。なお、図3及び図4に示すように、第2コイル部材14Bの第2U相巻線群20Uaは、第1コイル部材14Aの第1U相巻線群20Uaに対してステータコア10の径方向に一列に並ぶように当該第1U相巻線群20Uaと同じスロット12内に挿入され、第2コイル部材14Bの第2U相巻線群20Ubは、第1コイル部材14Aの第2U相巻線群20Ubに対して前記径方向に一列に並ぶように当該第2U相巻線群20Ubと同じスロット12に配列されている。第2コイル部材14BのV相巻線群20Va、20Vb及びW相巻線群20Wa、20Wbも同様である。
以上のような、本発明に係るステータSによれば、各巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbの巻線r1〜r3、r1′〜r3′r4〜r6、r4′〜r6′が断面正三角形の素線により形成され、巻線r1〜r3、r1′〜r3′(巻線r4〜r6、r4′〜r6′)が、辺同士を当接させて一列に配列された状態でスロット12に挿入されている。つまり、隣接する巻線同士は、一列に並びながらもステータコア10の径方向に重なりあった状態(オーバーラップした状態)でスロット12に内に挿入されている。そのため、巻線(素線)の断面形状が円形や矩形(長方形)のものに比べるとスロット内における巻線群の占有スペースを効果的に縮小することができる。また、ステータコアの軸方向両端(コイルエンド部分)についても、全体として断面形状が平行四辺形(台形)になるように、ステータコア10の軸方向に沿って巻線群20Ua、20Ub(20Va、20Vb、20Wa、20Wb)の巻線r1〜r3、r4〜r6r1′〜r3′(巻線r1′〜r3′、r4′〜r6′)が集結して並べられ、これにより隣接する巻線同士がステータコア10の軸方向及び径方向に重なり合った状態(オーバラップした状態)で配列されている。そのため、ステータコア10の軸方向端面上についても、各巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbの占有スペースを小さく抑えることができる。従って、このステータSによれば、スロット12内やステータコア10の軸方向端面上(つまり、コイルエンド部分)における各巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbの占有スペースを効果的に抑制することが可能であり、これにより、ステータSの小型化および軽量化を図ることができる。
なお、上述したステータSは、例えば図19に示すような方法に従って製造することができる。すなわち、ステータコア10に巻回された状態のコイル部材14A(巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wb)と同一形状のコイル部材30を単独で形成し(巻線形成工程)、このコイル部材30全体を径方向に圧縮変形させた状態で、同図(a)及び(b)に示すようにステータコア10の内側に挿入する(巻線挿入工程)。その後、ステータコア10の内側に挿入されたコイル部材30を拡径し、当該ステータコア10の内側から所定のスロット12に対して各巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbを挿入することにより、コイル部材30をステータコア10に装着する(巻線装着工程)。そして、上記工程を繰り返すことにより、図2に示すような、2つのコイル部材14A、14Bを備えるステータSを製造する。
このような方法によれば、ステータコア10に対して素線を巻回しながら巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbを形成する場合に比べて、上記ステータSを効率良く製造することが可能となる。なお、この場合、上記巻線挿入工程では、図20(a)、(b)に示すように、コイル部材30のうち、その軸方向一端側のみを径方向に縮径させることにより、当該コイル部材30全体を略円錐台状に圧縮変形させておき、縮径された側からステータコア10の内側にコイル部材30を挿入するようにしてもよい。このような方法によれば、巻線装着工程における巻線群の拡径作業が容易になるため、より効率良くステータを製造することが可能となる。
なお、図19及び図20では、上記工程を繰り返すことにより、2つのコイル部材14A、14Bを備えたステータSを製造しているが、例えば巻線形成工程において、予め2つのコイル部材14A、14Bを含むようなコイル部材30を形成し、これをステータコア10に挿入するようにしてもよい。
ところで、上述したステータSは、本発明に係る回転電機のステータの好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、次のような構成を採用することも可能である。
例えば、上記実施形態のステータSでは、図2、図3に示すように、ステータコア10の径方向最外側に位置する巻線r1、r4の角部が反時計回りに向くように、巻線r1〜r3、r1′〜r3′(巻線r4〜r6、r4′〜r6′)がスロット12に挿入されているが、図12に示すように、巻線r1、r4の角部が時計回りに向くように挿入されていてもよい。また、図13に示すように、巻線r1、r4の角部の向きが隣接するスロット12間で交互に異なるように挿入されていてもよい。なお、図14に示すような構成によれば、ステータコア10の軸方向両側におけるコイル部材14A、14Bの断面形状(各巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbの配列)は、図12に示すように、ステータコア10の中心軸に対して上記実施形態(図2等参照)とは逆に傾いた断面形状、具体的にはコイル部材14A、14Bの上端がステータコア10の内側に向かって迫り出すように傾いた断面形状となる。
また、巻線r1〜r3、r1′〜r3′(巻線r4〜r6、r4′〜r6′)は、図15に示すような向きでスロット12に挿入されていてもよい。すなわち、一つの極に対応する連続した6つのスロット12、例えばU相のスロットU1、U2、V相のスロットV1、V2及びW相のスロットW1、W2については、それぞれ同一相における径方向最外側の巻線r1、r4の角部が互いに向かい合うように、各巻線r1〜r3、r1′〜r3′(巻線r4〜r6、r4′〜r6′)がスロット12に挿入され、これに続く連続した6つのスロット12、例えばU相のスロットU3、U4、V相のスロットV3、V4及びW相のスロットW3、W4については、それぞれ同一相における前記巻線r1、r4の角部が互いに反対側を向くように、各巻線r1〜r3、r1′〜r3′(巻線r4〜r6、r4′〜r6′)がスロット12に挿入され、さらにこれに続く連続した6つのスロット12、例えばU相のスロットU5、U6、V相のスロットV5、V6及びW相のスロットW5、W6については、上記したU相のスロットU1、U2、V相のスロットV1、V2及びW相のスロットW1、W2と同様にして、各巻線r1〜r3、r1′〜r3′(巻線r4〜r6、r4′〜r6′)がスロット12に挿入される、という具合に、一つの極に対応する連続した6つのスロット12を一組として、同一相における径方向最外側の巻線r1、r4の角部の向きが交互に変わるように、巻線r1〜r3、r1′〜r3′(巻線r4〜r6、r4′〜r6′)が挿入されるようにしてもよい。このような構成によれば、図8(b)や図10(b)に示すような巻線r1等の捩りを伴うことなく、巻線r1〜r3、r4〜r6(巻線r1′〜r3′、r4′〜r6′)を図9(b)に示すように配列することが可能になるというメリットがある。
また、上述したステータSにおいて、ステータコア10の軸方向両側における各コイル部材14A、14Bの巻線群20Ua、20Ub、20Va、20Vb、20Wa、20Wbの配列は、図2や図14に示すもの以外に、図16(a)、(b)に示すようなものであってもよい。
また、図2、図14、図16に示す例では、U相、V相、W相の各巻線(U相巻線群20Ua、20Ua、V相巻線群20Va、20Vb、W相巻線群20Wa、20Wb)はステータコア10の中心軸に対して径方向外側又は内側に傾斜した配列となっているが、例えば、図17(a)、(b)、あるいは図18(a)、(b)に示すように、ステータコア10の中心軸と平行になるように配列されたものであってもよい。
また、上記実施形態では、各巻線群20Ua・20Ub、20Va・20Vb、20Wa・20Wbの巻線r1〜r3、r1′〜r3′r4〜r6、r4′〜r6′は断面正三角形であるが、巻線r1〜r3等は少なくとも二つの等辺を有する断面三角形(断面二等辺三角形)であればよい。例えば、巻線r1〜r3等は断面直角二等辺三角形のものであってもよい。このような構成についても、上述したステータSと同等の作用効果を享受することができる。この場合、例えばU相巻線群20Ua、20Uaを形成する巻線r1〜r3、r1′〜r3′r4〜r6、r4′〜r6′は、等辺が互いに当接するように隣接する巻線同士がステータコア10の径方向に一列に並べられた状態でスロット12に挿入され、かつ、ステータコア10の軸方向端面上では、U相巻線群20Ua、20Ua全体としての断面形状が平行四辺形(台形)になるように、当該U相巻線群20Ua、20Uaがステータコア10の軸方向に沿って配列されればよい。V相巻線群20Va、20Vb、W相巻線群20Wa、20Wbについても同様である。但し、巻線r1〜r3等は断面直角二等辺三角形のものを用いた場合には、図8(b)に示すように、スロット12から導出された後、巻線r1を捩る場合、その角度は180°となる。
なお、上記のように巻線r1〜r3等が断面二等辺三角形のものについては、等辺以外の辺とステータコア10の軸方向端面とが平行となるように、巻線r1〜r3等をステータコア10の軸方向端面上に配列することで、図2,図14、図16に示すような構造を構築することができる。他方、等辺以外の辺がステータコア10の軸方向端面に対して直交するように巻線r1〜r3等を配列することで、図17(a)、(b)及び図18(a)、(b)に示すような構造を構築することができる。
なお、上記実施形態のステータSは、2組のコイル部材14A、14Bを備えているが、コイル部材は1組だけでもよいし、また、3組以上備えていてもよい。
また、第1コイル部材14A(第2コイル部材14B)は、U相、V相、W相の各巻線群として、それぞれ2組の巻線群(20Ua・20Ub、20Va・20Vb、20Wa・20Wb)を備えているが、ステータコア10のスロット数によっては、U相、V相、W相の各巻線群として、それぞれ1組の巻線群を備えるようにしてもよい。
また、上記実施形態のステータSでは、各巻線群20Ua、20Va、20Wa(20Ub、20Vb、20Wb)は、3つの巻線r1〜r3(r4〜r6)からなる正巻線群22a(24a)と、巻線r1′〜r3′(r4′〜r6′)からなる逆巻線群22b(24b)とから構成されているが、正巻線群22a(24a)および逆巻線群22b(24b)の巻線の数は3つに限定されるものではなく変更可能である。
また、上記実施形態のステータSでは、48スロット8極を具体的に取り上げて説明したが、スロット数、極数はこれに限定されるものではなく、その他のスロット数、極数を組合せたステータにおいても適用可能である。
なお、この実施形態では、三相交流モータに適用されるステータについて説明したが、本発明のステータは、勿論、発電機やモータ兼発電機等にも適用可能である。
10 ステータコア
12 スロット
14A 第1コイル部材
14B 第2コイル部材
20Ua 第1U相巻線群
20Ub 第2U相巻線群
20Va 第1V相巻線群
20Vb 第2V相巻線群
20Wa 第1W相巻線群
20Wb 第2W相巻線群
22a、24a 正巻線群
22b、24b 逆巻線群
S ステータ
r1〜r3、r1′〜r3′ 巻線
r4〜r6、r4′〜r6′ 巻線

Claims (11)

  1. ロータと共に回転電機を構成するステータであって、
    環状をなし、周方向の複数の位置でそれぞれ内向きに開いて放射状に延びる複数のスロットを有するステータコアと、
    二つの等辺を有する断面三角形の素線が、前記複数のスロットのうち、特定の複数のスロットを通過するように前記ステータコアに波巻きで巻回されることにより形成された複数の巻線を含む巻線群と、を備えており、
    前記複数の巻線は、互いに隣接する巻線の前記等辺同士が当接するように前記ステータコアの径方向に一列に並べられた状態で前記特定のスロットに挿入されている、ことを特徴とする回転電機のステータ。
  2. 請求項1に記載の回転電機のステータにおいて、
    前記ステータコアの軸方向端面上では、前記特定のスロットに挿入された前記巻線群の全体としての断面形状が台形又は平行四辺形になるように、前記複数の巻線が前記軸方向に沿って配列されている、ことを特徴とする回転電機のステータ。
  3. 請求項2に記載の回転電機のステータにおいて、
    前記複数の巻線は、前記ステータコアの軸方向端面上において、当該軸方向端面と前記等辺以外の辺とが平行となるように配列されている、ことを特徴とする回転電機のステータ。
  4. 請求項2に記載の回転電機のステータにおいて、
    前記複数の巻線は、前記ステータコアの軸方向端面上において、当該軸方向端面と前記等辺以外の辺とが直交するように配列されている、ことを特徴とする回転電機のステータ。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の回転電機のステータにおいて、
    前記特定の複数のスロットとして、互いに異なるスロットを通過するように前記ステータコアに巻回される複数の前記巻線群を含み、
    前記複数の巻線群は、前記ステータコアの軸方向端面上において、前記ステータコアの径方向に隣接する状態で並び、かつそれぞれ前記スロットから前記端面上に導出されてその導出位置から次のスロットに向かうに伴い、前記ステータコアの径方向内側、又は外側に変位して前記導出位置とは前記径方向の異なる位置で次のスロットに挿入される、ことを特徴とする回転電機のステータ。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の回転電機のステータにおいて、
    前記巻線群は、複数の巻線からなる正巻線群と、この正巻線群とは別に、複数の巻線からなりかつ前記特定の複数のスロットに対する巻線の挿入及び導出方向が前記正巻線群とは逆の逆巻線群とを含むことを特徴とする回転電機のステータ。
  7. 請求項5に記載の回転電機のステータにおいて、
    前記複数の巻線群をコイル部材と定義したときに、前記径方向に並ぶように複数のコイル部材が前記ステータコアに備えられていることを特徴とする回転電機のステータ。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の回転電機のステータにおいて、
    前記複数のスロットのうち、互いに隣接する2つ一組のスロットであって前記周方向に所定間隔を隔てて並ぶ複数組のスロットを複数のスロット対と定義し、当該複数のスロット対の各スロットを通過するように巻回される巻線群を第1巻線群及び第2巻線群と定義したときに、
    前記第1巻線群及び前記第2巻線群は、各スロットについて交互に周方向の異なる側のスロットへ挿入されており、前記ステータコアの軸方向端面上では、第1巻線群及び第2巻線群の全体としての断面形状が台形又は平行四辺形になるように当該第1巻線群及び第2巻線群が前記軸方向に沿って配列されている、ことを特徴とする回転電機のステータ。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の回転電機のステータと、このステータの内側に配置されるロータとを備えたことを特徴とする回転電機。
  10. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の回転電機のステータの製造方法であって、
    前記ステータコアに巻回された前記巻線群と同一形状の巻線群を単独で形成する巻線形成工程と、
    前記巻線群を、その径方向に圧縮変形させた状態で前記ステータコアの内側に挿入する巻線挿入工程と、
    前記ステータコアの内側に挿入された前記巻線群を拡径し、当該ステータコアの内側から前記スロットに対して当該巻線群を挿入することにより、前記巻線群を前記ステータコアに装着する巻線装着工程と、を含むことを特徴とするステータの製造方法。
  11. 請求項10に記載のステータの製造方法において、
    前記巻線挿入工程では、前記巻線群のうち、ステータコアの軸方向一端に対応する側を径方向に縮径させることにより、当該巻線群全体を略円錐台状に圧縮変形させておき、前記縮径された側から前記ステータコアの内側に挿入することを特徴とするステータの製造方法。
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