JP5924703B2 - 車両用回転電機の固定子 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用交流発電機などの車両用回転電機の固定子に関するものである。
従来の回転電機の固定子は、固定子巻線のスロット収納部を断面レーストラック形状に形成し、該スロット収納部を断面長手方向を周方向に向けて径方向に少なくとも1列に並んで、かつ互いに接してスロット内に収納していた(例えば、特許文献1参照)。スロット収納部を断面レーストラック形状とすることで、スロット内の電気導体の占積率を高め、発電効率を向上させていた。また、曲げや捻りが加わるコイルエンドを大きな曲げ応力が発生しにくい断面円形とし、作業性や信頼性の低下を抑えていた。
国際公開第2004/062065号パンフレット
特許文献1に記載の発明では、円筒状に形成された巻線ユニットのコイルエンド群を径方向内側に曲げ、巻線ユニットを円環状の固定子鉄心と同軸に配置して軸方向に移動させ、スロット収納部を固定子鉄心のスロットに収納させ、その後径方向内側に曲げられたコイルエンド群を軸方向に戻して、巻線ユニットを固定子鉄心に装着していた。しかし、回転電機の相数や結線仕様に応じた数の巻線ユニットが必要となり、巻線ユニットの装着作業が繰り返し行われる。このとき、先に固定子鉄心に装着された巻線ユニットのコイルエンド群が後の巻線ユニットの装着の妨げになることから、先に装着された巻線ユニットのコイルエンド群を径方向外側に曲げる加工が施される。
ここで、特許文献1に記載の発明における固定子巻線は、スロットから延出した複数本の導体線の半分が周方向一側に所定スロット数離れた他のスロットに入り、残りの半分が周方向他側に所定スロット数離れた他のスロットに入る振り分け巻線に構成されている。そこで、固定子鉄心に装着された巻線ユニットのコイルエンド群を径方向外側に曲げた場合、スロットから周方向一側に所定スロット数離れた他のスロットに入るコイルエンド群の当該スロット側の根元部は周方向一側に引っ張られる。一方、スロットから周方向他側に所定スロット数離れた他のスロットに入るコイルエンド群の当該スロット側の根元部は周方向他側に引っ張られる。これにより、径方向に隣り合い、かつ周方向の異なる方向に延在するコイルエンドの根元部同士が擦れ、絶縁被膜が損傷するという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、導体線のスロット収納部およびコイルエンド部の根元部を断面扁平に形成し、径方向に隣り合い、かつスロットから周方向に延出する方向が異なるコイルエンド部の根元部の扁平率を互いに異ならせて、スロット内の電気導体の占積率を高め、発電効率或いは出力トルクを向上させることができるとともに、コイルエンド部の根元部の絶縁被膜の損傷発生を抑え、電気絶縁性を確保できる車両用回転電機の固定子を得ることを目的とする。
この発明に係る車両用回転電機の固定子は、円筒状のコアバック部、それぞれ該コアバック部の内周面から径方向内方に延在して周方向に複数配列されたティース部、および該コアバック部と該ティース部とにより画成された複数のスロットを有する固定子鉄心と、上記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、を有し、上記固定子巻線は、上記スロットのそれぞれに収納されたスロット収納部と、所定スロット数離れた上記スロットの対に収納されている上記スロット収納部の端部同士を連結するコイルエンド部と、を有し、上記コイルエンド部が上記スロットのそれぞれから周方向の両側に延出する振り分け巻線により構成されている。上記スロット収納部と該スロット収納部に繋がる上記コイルエンド部の根元部が、断面扁平に形成され、上記スロット収納部が、互いに接して径方向に少なくとも1列に並んで上記スロット内に収納され、径方向に隣り合い、かつ上記スロットから周方向に延出する方向が異なる上記コイルエンド部の径方向外側に位置するコイルエンド部の根元部の扁平率が径方向内側に位置するコイルエンド部の根元部の扁平率より小さく、上記径方向内側に位置するコイルエンド部の根元部の、径方向外側の角部が、上記径方向外側に位置するコイルエンド部の根元部の、径方向内側の角部に対して周方向にずれている
この発明によれば、スロット収納部が、断面扁平に形成され、互いに接して径方向に1列に並んで上記スロット内に収納されているので、スロットの断面積に占める電気導体の割合が大きくなり、発電効率あるいは出力トルクを向上させることができる。
径方向に隣り合い、かつスロットから周方向に延出する方向が異なるコイルエンド部の径方向外側に位置するコイルエンド部の根元部の扁平率が径方向内側に位置するコイルエンド部の根元部の扁平率より小さいので、コイルエンド部の根元部同士の角部が干渉し合うことが抑えられる。そこで、コイルエンド部の根元部同士が周方向の逆側に変位することに起因する絶縁被膜の破れの発生が抑えられ、絶縁性能を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のスロット収納状態を説明する要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のコイルエンドを軸方向外方から見た要部端面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線に適用される星形巻線ユニットを製造する工程を説明する工程図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子の製造方法における星形巻線ユニットのスロット収納部の断面扁平化工程を説明する工程図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子の製造方法における振り分け巻線ユニットを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子の製造方法における振り分け巻線ユニットを固定子鉄心に装着する工程を説明する工程図である。 比較例としての振り分け巻線ユニットを固定子鉄心に装着する工程におけるコイルエンド部の動きを説明する要部斜視図である。 比較例としての振り分け巻線ユニットを固定子鉄心に装着する工程におけるコイルエンド部の根元部の絶縁被膜の損傷発生状態を示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のコイルエンドを軸方向外方から見た要部端面図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のコイルエンドを軸方向外方から見た要部端面図である。
以下、本発明の車両用回転電機の固定子の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のスロット収納状態を説明する要部断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のコイルエンドを軸方向外方から見た要部端面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線に適用される星形巻線ユニットを製造する工程を説明する工程図、図5はこの発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子の製造方法における星形巻線ユニットのスロット収納部の断面扁平化工程を説明する工程図、図6はこの発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子の製造方法における振り分け巻線ユニットを示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係る車両用回転電機の固定子の製造方法における振り分け巻線ユニットを固定子鉄心に装着する工程を説明する工程図、図8は比較例としての振り分け巻線ユニットを固定子鉄心に装着する工程におけるコイルエンド部の動きを説明する要部斜視図、図9は比較例としての振り分け巻線ユニットを固定子鉄心に装着する工程におけるコイルエンド部の根元部の絶縁被膜の損傷発生状態を示す要部斜視図である。
図1乃至図3において、固定子1は、円筒状の固定子鉄心2と、この固定子鉄心2に巻装された固定子巻線7と、を備えている。
固定子鉄心2は、所定形状にプレス加工された磁性鋼板を積層一体化して円筒状に作製され、円環状のコアバック部3、コアバック部3からそれぞれ径方向内方に延出し、かつ周方向に所定ピッチで配設されたティース部4、隣り合うティース部4により画成されたスロット5およびティース部4の先端部から周方向両側に延出された鍔部6を有している。ここで、36個のスロット5が周方向に等角ピッチで固定子鉄心2に形成されている。そこで、この固定子1は、12極の磁極を有する回転子(図示せず)に対して、1つの3相交流巻線からなる固定子巻線7が得られる。即ち、スロット5は、毎極毎相当たり1の割合で形成されている。また、各ティース部4は、固定子鉄心2の軸心と直交する断面形状が内径側を先細りとする略台形形状に形成され、各スロット5の固定子鉄心2の軸心と直交する断面形状が長方形となっている。
固定子巻線7は、巻装されるスロット5を1スロットずつずらして固定子鉄心2に装着された3相分の振り分け巻線8を備えている。そして、3相分の振り分け巻線8が交流結線、例えばY結線されて3相交流巻線を構成している。
各振り分け巻線8は、絶縁被膜が被覆された銅線材からなる1本の導体線10を3スロット毎のスロット5に周方向一側(例えば、時計回り)に波状に3ターン巻回し、引き続いて3スロット毎のスロット5に周方向他側(例えば、反時計回り)に波状に3ターン巻回して構成されている。そして、導体線10のスロット5内に収納されている部位がスロット収納部10a,10a’であり、3スロット離れたスロット5内に収納されているスロット収納部10a,10a’同士を固定子鉄心2の軸端側で連結している導体線10の部位がコイルエンド部10bである。
そして、各スロット5には、スロット収納部10a,10a’が互いに接して径方向に1列に配列されて収納されている。また、インシュレータ11がスロット5内に装着され、ウエッジ12がスロット5の開口側に装着されている。
各スロット5の内周側に収納されている3本のスロット収納部10aは、固定子鉄心2の軸方向の一端側で、周方向一側に3スロット離れたスロット5の内周側に収納されている3本のスロット収納部10aにそれぞれコイルエンド部10bにより連結され、固定子鉄心2の軸方向の他端側で、周方向他側に3スロット離れたスロット5の内周側に収納されている3本のスロット収納部10aにそれぞれコイルエンド部10bにより連結されている。ここで、コイルエンド部10bは、図3に示されるように、固定子鉄心2の軸方向外方から見て、3スロット離れたスロット5に収納されているスロット収納部10a間を直線的に連結している。
また、各スロット5の外周側に収納されている残りの3本のスロット収納部10a,10a’は、固定子鉄心2の軸方向の一端側で、周方向他側に3スロット離れたスロット5の外周側に収納されている3本のスロット収納部10a,10a’にそれぞれコイルエンド部10bにより連結され、固定子鉄心2の軸方向の他端側で、周方向一側に3スロット離れたスロット5の外周側に収納されている3本のスロット収納部10a,10a’にそれぞれコイルエンド部10bにより連結されている。ここで、コイルエンド部10bは、図3に示されるように、固定子鉄心2の軸方向外方から見て、3スロット離れたスロット5に収納されているスロット収納部10a,10a’間を直線的に連結している。
このように、各振り分け巻線8は、各スロット5から延出する導体線10が周方向両側に半数ずつ振り分けられている。そして、各振り分け巻線8においては、3本のコイルエンド部10bの束が3スロットピッチで周方向に配列されている。そこで、固定子鉄心2の軸方向の両側において、3スロットピッチで周方向に配列されたコイルエンド部10bの束の層が、周方向に1スロットピッチずれて、径方向に3層に配列されて、固定子巻線7のコイルエンド群7f、7rを構成している。
つぎに、本発明の特徴である振り分け巻線8の断面形状について説明する。
スロット収納部10a,10a’は断面レーストラック形状に形成されている。コイルエンド部10bは、スロット収納部10a,10a’に繋がる根元部を除いて、断面円形に形成されている。スロット収納部10a,10a’に繋がるコイルエンド部10bの根元部は、スロット収納部10a,10a’と同じ断面レーストラック形状に形成されている。なお、断面レーストラック形状とは、相対する平行な2つの線分の両端を円弧で連結した形状である。
各スロット5には、図2に示されるように、6本のスロット収納部10a,10a’が断面レーストラック形状の長手方向を周方向に向けて、かつ長辺を互いに接して径方向に1列に配列されて収納されている。各スロット5に収納されている6本のスロット収納部10a,10a’のうち、外周側から3番目に位置するスロット収納部10a’のみが、扁平率の小さい断面形状となっている。なお、扁平率は、断面レーストラック形状の長辺の長さを断面レーストラック形状の短辺の長さで除したものである。
つぎに、固定子1の製造方法について図4乃至図7を参照しつつ説明する。
まず、図4に示されるように、1本の導体線10をリング状に3回巻回して第1巻線ユニット20Aを作製し、引き続いてリング状に3回巻回して第2巻線ユニット20Bを作製する。ついで、第1および第2巻線ユニット20A、20Bを折り曲げて、隣り合う直線部21aの端部同士をコ字状の連結部21bにより内周側および外周側で交互に連結する星形パターンが3段に重なった第1および第2星形巻線ユニット21A、21Bを作製する。なお、導体線10は、固定子鉄心2の鍔部6間の隙間より僅かに小さい直径の円形断面に形成されている。
ついで、第1および第2星形巻線ユニット21A、21Bを連結している導体線10の部位で折り返し、両星形パターンの山部と谷部とが重なるように、第1および第2星形巻線ユニット21A、21Bを重ね合わせ、星形巻線ユニット22を作製する。
ついで、図5に示すように、星形巻線ユニット22の直線部21aの各束を加圧成形機にセットする。つまり、各束の直線部21aは一対のプッシャ(プレス板)40間に1列に重ねられ、平板状のプレス板41が各直線部21a間に介装される。さらに、ストッパ42が下から3番目の直線部21aを挟むプレス板41間に装着される。
そして、一対のプッシャ40に所定の加圧力Fを印加する。これにより、断面円形の直線部21aは、加圧方向に圧縮され、長さ方向および加圧方向と直交する方向に延伸する。直線部21aの延伸方向は拘束されていないので、直線部21aは断面レーストラック形状の直線部23a,23a’に成形される。このとき、下から3番目の直線部21aを挟むプレス板41は、ストッパ42により直線部21aへの加圧が制限され、下から3番目の直線部21aは小さな扁平率の断面レーストラック形状を有する直線部23a’に形成される。残る5本の直線部21aは、同じ大きな扁平率の断面レーストラック形状を有する直線部23aに形成される。ついで、星形巻線ユニット22を加圧成形機から取り外す。
なお、図5では、一対のプッシャ40のみを示しているが、プッシャ40は12対用意されており、星形巻線ユニット22の全ての断面円形の直線部21aを1回の断面扁平化工程で断面レーストラック形状の直線部23a,23a’に形成している。また、連結部23bの根元部は、同時に、直線部23a,23a’と同じ断面レーストラック形状に形成される。
ついで、星形巻線ユニット22を円筒形の振り分け巻線ユニット23に成形する。この振り分け巻線ユニット23は、導体線10を波巻きに6ターン巻回したものである。そして、図6に示されるように、6本の直線部23a,23a’の束が周方向に3スロットピッチ(3P)で配列されている。また、各束の6本の直線部23a,23a’は、断面長手方向を周方向に向けて径方向に1列に並んでいる。また、直線部23a,23a’の各束の3本ずつが連結部23bにより軸方向の両端で交互に連結されている。さらに、直線部23a,23a’の各束の残りの3本ずつが連結部23bにより軸方向の両端で交互に連結されている。なお、3本ずつの直線部23a,23a’を連結している連結部23bは軸方向で相対している。
ついで、振り分け巻線ユニット23の軸方向一端側の連結部23bを径方向内側に曲げる。そして、図7に矢印で示されるように、振り分け巻線ユニット23を固定子鉄心2と同軸に配置し、振り分け巻線ユニット23を軸方向に移動して、固定子鉄心2に対して軸方向から装着する。この時、径方向内側に曲げられた連結部23bの一部が鍔部6間を通って軸方向に移動し、直線部23a,23a’の束が各スロット5内に引き込まれる。そして、直線部23a,23a’の束が各スロット5内に完全に引き込まれた後、径方向内側に曲げられた連結部23bを径方向外側に曲げ戻し、1つの振り分け巻線ユニット23が固定子鉄心2に装着される。
ついで、2つ目の振り分け巻線ユニット23が同様にして固定子鉄心2に装着され、さらに3つ目の振り分け巻線ユニット23が同様にして固定子鉄心2に装着される。ついで、各振り分け巻線ユニット23の径方向外側に曲げられた連結部23bを軸方向に延びるように曲げ戻し、図1に示される固定子1が作製される。この時、各振り分け巻線ユニット23は直線部23a,23a’の挿入されるスロット5を1スロットずつずらして固定子鉄心2に装着される。固定子鉄心2に装着された振り分け巻線ユニット23が振り分け巻線8に相当する。直線部23a,23a’がスロット収納部10a,10a’に相当し、連結部23bがコイルエンド部10bに相当する。そして、3相分の振り分け巻線8を交流結線、例えばY結線して固定子巻線7が構成される。
ここで、比較例としての振り分け巻線ユニット23Aを固定子鉄心2に装着する場合の不具合について図8および図9を参照しつつ説明する。なお、振り分け巻線ユニット23Aは、全ての直線部23aおよび連結部23bの根元側が同じ断面レーストラック形状に形成され、連結部23bの根元部を除く部位が断面円形に形成されている。
振り分け巻線ユニット23Aは、振り分け巻線ユニット23と同様に、その軸方向一端側の連結部23bを径方向内側に曲げて軸方向に移動し、直線部23aの束を各スロット5内に挿入した後、径方向内側に曲げられた連結部23bを径方向外側に曲げ戻し、1つの振り分け巻線ユニット23Aが固定子鉄心2に装着される。
そして、振り分け巻線ユニット23Aの連結部23bを径方向外側に曲げ戻す際に、図8に矢印で示されるように、スロット5から周方向一側に延在する連結部23bは周方向の一側に引っ張られ、スロット5から周方向他側に延在する連結部23bは周方向の他側に引っ張られる。これにより、スロット5から周方向一側に延在する、最外周に位置する連結部23bの根元部とスロット5から周方向他側に延在する、最内周に位置する連結部23bの根元部とが、周方向の逆側に変位し、擦れ合うことになる。最悪の場合、図9に示されるように、絶縁被膜の破れ24が連結部23bの根元部の角部に発生する。
なお、径方向外側に曲げられた振り分け巻線ユニット23Aの連結部23bを軸方向に延ばすように曲げ戻す過程、さらには振り分け巻線ユニット23Aの連結部23bを軸方向に延ばした後のスプリングバック時にも、同様の問題が生じる。また、車両の振動が回転電機に加わったときにも、同様の問題が生じる。
さらに、固定子鉄心2の軸方向外方から見て、コイルエンド部10bにより3スロット離れたスロット5に収納されているスロット収納部10a間を直線的に連結している場合には、上述の問題が顕著となる。
この実施の形態1によれば、スロット収納部10a,10a’とスロット収納部10a,10a’に繋がるコイルエンド部10bの根元部が同じ断面レーストラック形状に形成されている。そして、径方向に隣り合い、かつ周方向の異なる方向に延在するコイルエンド部10bの根元部の扁平率が互いに異なっている。そこで、径方向に隣り合う、周方向の異なる方向に延在するコイルエンド部10bの根元部同士の角部が干渉し合うことが抑えられるので、コイルエンド部10bの根元部同士が周方向の逆側に変位することに起因する絶縁被膜の破れ24の発生が抑えられ、絶縁性能を向上させることができる。
また、スロット収納部10a,10a’が断面レーストラック形状に形成されているので、スロット5の断面積に占める電気導体の割合(占積率)が大きくなる。そこで、車両用回転電機が発電機として動作する場合には、発電機の効率を向上させることができ、電動機として動作する場合には、出力トルクを向上させることができる。
また、コイルエンド部10bが、固定子鉄心2の軸方向外方から見て、3スロット離れたスロット5に収納されているスロット収納部10a,10a’間を直線的に連結しているので、コイルエンド部が固定子鉄心の軸方向外方から見てスロット収納部間を円弧状に連結する場合に比べ、コイルエンド部10bの長さが短くなり、銅損が低減され、発電効率を高めることができる。
また、コイルエンド部10bの根元部を除く部位が断面円形に形成されているので、曲げや捻りが加わるコイルエンド部10bに大きな曲げ応力が発生しにくくなり、作業性や信頼性の低下を抑えることができる。
また、星形巻線ユニット22の各スロット5に挿入される6本の直線部21aを同時に断面レーストラック形状に形成しているので、直線部21aを断面円形から断面レーストラック形状に形成する断面扁平化工程が短縮され、固定子1の生産性が向上される。
なお、上記実施の形態1では、3ターンの第1および第2星形巻線ユニットを周方向にずらして重ね合わせて構成された星形巻線ユニットの直線部およびコイルエンド部の根元部の束を同時に断面扁平化するものとしているが、第1星形巻線ユニットの直線部およびコイルエンド部の根元部の束を同時に断面扁平化し、第2星形巻線ユニットの直線部およびコイルエンド部の根元部の束を同時に断面扁平化した後、第1および第2星形巻線ユニットを周方向にずらして重ね合わせて星形巻線ユニットを構成してもよい。
また、上記実施の形態1では、第1および第2星形巻線ユニットを1本の導体線を用いて作製するものとしているが、第1および第2星形巻線ユニットのそれぞれを1本の導体線を用いて作製してもよい。この場合、第1星形巻線ユニットの直線部およびコイルエンド部の根元部の束を同時に断面扁平化し、第2星形巻線ユニットの直線部およびコイルエンド部の根元部の束を同時に断面扁平化した後、第1および第2星形巻線ユニットを重ね合わせて星形巻線ユニットとし、該星形巻線ユニットを円筒状の振り分け巻線ユニットに成形すればよい。また、断面扁平化処理が施された第1および第2星形巻線ユニットをそれぞれ円筒状の第1および第2巻線ユニットに成形し、第1巻線ユニットを固定子鉄心に装着した後、第2巻線ユニットを固定子鉄心に装着してもよい。
また、上記実施の形態1では、外周側から3番目のコイルエンド部の根元部を小さな扁平率の断面形状に形成するものとしているが、外周側から4番目のコイルエンド部の根元部を小さな扁平率の断面形状に形成してもよい。
また、上記実施の形態1では、ウエッジがスロットの開口部に装着されているが、スロット収納部の断面レーストラック形状の長辺が鍔部6間の隙間より長くなっているので、ウエッジを省略してもよい。
実施の形態2.
図10はこの発明の実施の形態2に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のコイルエンドを軸方向外方から見た要部端面図である。
図10において、相巻線は、それぞれ、1本の導体線10を3スロット毎のスロット5に周方向一側に波状に3ターン巻回し、折り返して3スロット毎のスロット5に周方向他側に波状に3ターン巻回し、折り返して3スロット毎のスロット5に周方向一側に波状に2ターン巻回し、折り返して3スロット毎のスロット5に周方向他側に波状に2ターン巻回して、10ターンの振り分け巻線に構成されている。スロット収納部10a,10a’およびスロット収納部10a,10a’に繋がるコイルエンド部10bの根元部が断面レーストラック形状に形成されている。コイルエンド部10bの根元部を除く部位が、断面円形に形成されている。
各スロット5には、10本のスロット収納部10a,10a’が断面レーストラック形状の長手方向を周方向に向けて、かつ長辺を互いに接して径方向に1列に配列されて収納されている。各スロット5に収納されている10本のスロット収納部10a,10a’のうち、外周側から3番目および8番目に位置するスロット収納部10a’が、扁平率の小さい断面形状となっている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2においても、径方向に隣り合い、かつ周方向の異なる方向に延在するコイルエンド部10bの根元部の扁平率が互いに異なっているので、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
なお、上記実施の形態2では、1本の導体線を用いて作製された10ターンの振り分け巻線により相巻線を構成するものとしているが、1本の導体線を用いて作製された外周側の6ターンの振り分け巻線と、他の1本の導体線を用いて作製された内周側の4ターンの振り分け巻線とにより相巻線を構成してもよい。
また、上記実施の形態2では、外周側から、スロットから周方向一側に延出する3ターンの波巻き巻線部、スロットから周方向他側に延出する3ターンの波巻き巻線部、スロットから周方向一側に延出する2ターンの波巻き巻線部、およびスロットから周方向他側に延出する2ターンの波巻き巻線部の順に配列されているが、波巻き巻線部の径方向の配列順番は、これに限定されない。例えば、外周側から、スロットから周方向一側に延出する3ターンの波巻き巻線部、スロットから周方向他側に延出する2ターンの波巻き巻線部、スロットから周方向一側に延出する2ターンの波巻き巻線部、およびスロットから周方向他側に延出する3ターンの波巻き巻線部の順に配列されてもよい。
実施の形態3.
図11はこの発明の実施の形態3に係る車両用回転電機の固定子における固定子巻線のコイルエンドを軸方向外方から見た要部端面図である。
図11において、スロット5には、10本のスロット収納部10a,10a’が断面レーストラック形状の長手方向を周方向に向けて、かつ長辺を互いに接して径方向に1列に配列されて収納されている。各スロット5に収納されている10本のスロット収納部10a,10a’のうち、外周側から3番目、6番目および8番目に位置するスロット収納部10a’が、扁平率の小さい断面形状となっている。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
この実施の形態3によれば、径方向に隣り合い、かつ周方向の異なる方向に延在する全ての箇所において、コイルエンド部10bの根元部の扁平率が互いに異なっているので、コイルエンド部10bの根元部同士が周方向の逆側に変位することに起因する絶縁被膜の破れ24の発生がより抑えられ、絶縁性能を一層向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、スロットが毎極毎相あたり1の割合で形成されているものとしているが、毎極毎相あたりのスロット数は1に限定されず、例えば2でもよい。
また、上記各実施の形態では、スロット収納部およびコイルエンド部の根元部が断面レーストラック形状に形成されているものとしているが、スロット収納部およびコイルエンド部の根元部の断面はレーストラック形状に限定されず、断面扁平であればよく、例えば断面長方形でもよい。また、断面長方形の角部は、必ずしも直角である必要はなく、角部をアール形状としてもよい。
また、上記各実施の形態では、スロット収納部が、断面扁平の長手方向を周方向に向けて、径方向に1列に並んで互いに接してスロット内に収納されているものとしているが、スロット収納部の径方向の配列数は1列に限定されず、スロット収納部がスロット内に整列されて互いに接して収納されていればよく、例えば径方向に2列に並んでスロット内に収納されてもよい。
また、上記各実施の形態では、スロット収納部が、断面扁平の長手方向を周方向に向けて、径方向に1列に並んで互いに接してスロット内に収納されているものとしているが、スロット収納部が、断面扁平の長手方向を径方向に向けて、径方向に1列に並んで互いに接してスロット内に収納されてもよい。
また、上記各実施の形態では、スロット収納部とスロット収納部に繋がるコイルエンド部の根元部が同じ断面形状となっているものとしているが、スロット収納部とスロット収納部に繋がるコイルエンド部の根元部を異なる断面形状としてもよい。
また、上記各実施の形態では、コイルエンド部が、固定子鉄心の軸方向外方から見て、3スロット離れたスロット収納部の対を直線的に連結するものとしているが、コイルエンド部は、固定子鉄心の軸方向外方から見て、3スロット離れたスロット収納部の対を径方向外方に凸状の円弧状に連結してもよい。

Claims (4)

  1. 円筒状のコアバック部、それぞれ該コアバック部の内周面から径方向内方に延在して周方向に複数配列されたティース部、および該コアバック部と該ティース部とにより画成された複数のスロットを有する固定子鉄心と、
    上記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、を有する車両用回転電機の固定子において、
    上記固定子巻線は、上記スロットのそれぞれに収納されたスロット収納部と、所定スロット数離れた上記スロットの対に収納されている上記スロット収納部の端部同士を連結するコイルエンド部と、を有し、上記コイルエンド部が上記スロットのそれぞれから周方向の両側に延出する振り分け巻線により構成され、
    上記スロット収納部と該スロット収納部に繋がる上記コイルエンド部の根元部が、断面扁平に形成され、
    上記スロット収納部が、互いに接して径方向に少なくとも1列に並んで上記スロット内に収納され、
    径方向に隣り合い、かつ上記スロットから周方向に延出する方向が異なる上記コイルエンド部の径方向外側に位置するコイルエンド部の根元部の扁平率が径方向内側に位置するコイルエンド部の根元部の扁平率より小さく、
    上記径方向内側に位置するコイルエンド部の根元部の、径方向外側の角部が、上記径方向外側に位置するコイルエンド部の根元部の、径方向内側の角部に対して周方向にずれていることを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  2. 上記スロット収納部および上記コイルエンド部の全てが同じ断面積を有することを特徴とする請求項1記載の車両用回転電機の固定子。
  3. 上記コイルエンド部は、上記固定子鉄心の軸方向外方から見て、所定スロット数離れた上記スロットの対に収納されている上記スロット収納部の端部同士を直線的に連結していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用回転電機の固定子。
  4. 上記コイルエンド部の根元部を除く部位が、断面円形に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用回転電機の固定子。
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