JP6079255B2 - シート処理装置および画像処理システム - Google Patents
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Description
増し折り作業には、冊子の折り目と直角な方向に軸方向を有するローラを折り目方向と平行に移動させながら折り目部分を押し付ける構成が知られている。
つまり、シートの幅方向一方側を増し折りユニットの待機位置として決めておき、待機位置からシートの幅方向に沿った往動時には増し折り作業を行い、そして復動時には待機位置に戻る。
シートや冊子の厚さは、増し折り位置に位置決めする係止部材との衝突負荷に影響し、衝突負荷が大きい場合には、薄い場合よりも所定の位置決め位置から外れてしまうことがある。
このため、増し折りに用いられるローラの位置が増し折りすべき折り目位置から外れてしまい、増し折りが不十分となる虞がある。
また、中綴じに用いられるステープル存在する位置では、増し折り用ローラに対するシート側での厚さが異なる。このため、増し折り用ローラへの負荷が変化は、駆動系での負担増加を招く虞がある。
シートあるいは冊子の厚さを予め入力しておき、厚さが厚い場合には薄い場合での位置決め位置よりも搬送方向上流側にて折り位置を位置決めする。これにより、厚さが厚い場合に薄い場合よりも折り位置が先行してしまうのを防止して増し折り位置を厚さに関係なく一定化している。
また増し折りローラの駆動部への負荷変化を防止するために、増し折りを必要とする箇所では増し折りローラを互いに接触させてニップを形成し、増し折りが必要ない箇所では増し折りローラ同士を離してニップを解消させている。
このような皺などのダメージがシートあるいは冊子に生じると、増し折り位置が適正でなくなり増し折りが円滑にできなくなる虞がある。
また、増し折りに必要なニップの大きさおよび増し折り時での増し折りローラの移動速度が一定化されていると、シートあるいは冊子の厚さが厚い場合、さらには環境湿度が低い場合には増し折り効果が充分でないことがある。つまり、シートや冊子の厚さが厚い場合には形状復元力による反り返りが強いために増し折りしても所定の厚さに止めることができない。また、湿度は折り強度に影響し、低湿度では柔軟性が確保できないことにより前述した場合と同様に形状復元力により増し折り位置が浮き上がりやすくなるので、増し折り効果が充分に得られない。
まず、本発明の実施形態での特徴を説明する前に、本発明が対象とするシート処理装置の構成および動作について以下に説明する。
第2のシート処理装置2は、搬送されてきたシート束を受け取り、中綴じ中折りを施す中綴じ製本装置である(本明細書では、第2のシート処理装置について中綴じ製本装置とも称する)。
この分岐爪202は図において水平方向に設置され、シート束の搬送方向をシートスルー搬送路242あるいは中折り搬送路243に分岐する。
シートスルー搬送路242は、入口搬送路241から水平に延び、後段の図示しない処理装置若しくは排紙トレイにシート束を導く搬送路であり、シート束は上排紙ローラ203によって後段に排紙される。
中折り搬送路243は分岐爪202から垂直下方に延び、シート束に対して中綴じ、中折り処理を行うための搬送路である。
束搬送ガイド板207には、上部から束搬送ローラ上205、後端叩き爪221、束搬送ローラ下206が設けられている。後端叩き爪221は、図示しない駆動モータによって駆動される後端叩き爪駆動ベルト222に立設されている。後端叩き爪221は駆動ベルト222の往復回転動作により、シート束の後端を後述の可動フェンス側に叩き(押圧し)、シート束の整合動作を行う。また、シート束が搬入される際、およびシート束が中折りのための上昇する際には、束搬送ガイド板上207の中折り搬送路243から退避する(図1破線位置)。
増し折りローラユニット260は、シート束の折り目を再度加圧することにより折り目を強化するために用いられ、折りローラ対230および下排紙ローラ231の間の排紙搬送路を挟んで上下に増し折りローラが配置されている。
折りプレート215は、図の水平方向に往復動可能であり、折り動作を行う際の動作方向には、折りローラ対230のニップが位置し、その延長上に排紙搬送路244が設置されている。下排紙ローラ231は、排紙搬送路244の最下流に設けられ、後段に折り処理されたシート束を排紙する。
シート束SBの通過が確認されると、図2に示すように束搬送ローラ下206によって可動フェンス210にシート束SBの先端が当接する位置まで搬送される。その際、画像形成装置PRからのシートサイズ情報、ここでは、各シート束SBの搬送方向のサイズ情報に応じて可動フェンス210は異なる停止位置で待機している。このとき、図2では、束搬送ローラ下206はニップにシート束SBを挟持し、後端叩き爪221はホームポジション位置に待機している。
このとき、シートのサイズ情報、シート束の枚数情報、シート束厚み情報によって、後端叩き爪221、中綴じジョガーフェンス225の押し込み量を最適の値に変更し整合する。
増し折りローラユニット260は、折りローラ対230と下排紙ローラ231との間の排紙搬送路244に設置され、ユニット移動機構263、案内部材264および押圧機構265を備えている。ユニット移動機構263は図示しない駆動源および駆動機構により案内部材264に沿って増し折りユニット260を図示奥行き方向(シート搬送方向に対して直交する方向)に往復移動させる。押圧機構265は上下方向から圧を加え、シート束SBを押圧する機構であり、増し折りローラ/上ユニット261、増し折りローラ/下ユニット262を備えている。
増し折りローラ/上ユニット261の上側増し折りローラ261aは、シートの搬送方向に沿った長手方向を有する押圧部材に相当し、下側増し折りローラ262aに対して圧接可能となっている。これにより、両者のニップ間にシート束SBが挟まれて加圧される。加圧力は増し折りローラ/上ユニット261を弾性力で加圧する加圧ばね265cによって付与される。そして、加圧状態で後述のようにシート束SBの幅方向(図8矢印D1方向)に移動し、折り目部SB1に対して増し折りを実行する。
1)往移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する第1の案内経路271
2)往移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する第2の案内経路272
3)往移動時に押圧手265を押圧解除から押圧状態に切り替える第3の案内経路273
4)復移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する第4の案内経路274
5)復移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する第5の案内経路275
6)復移動時に押圧機構265を押圧解除から押圧状態に切り替える第6の案内経路276
の6つの経路が設定されている。
しかし、前者では第2の案内経路272から第3の案内経路273への切り替え、後者では第5の案内経路275から第6の案内経路276への切り替えは不能となっている。すなわち、逆方向には切り替えられないように構成されている。なお、図11における矢印はガイドピン265aの移動軌跡を示している。
図12ないし図22の動作から分かるように増し折りローラユニット260が往移動時に押圧を解除した状態でシート束上を移動する距離をLa、復移動時に押圧を解除した状態でシート束を移動する距離をLbとする。このとき、図12に示すように、シート束の幅方向の長さLと、前記距離La,Lbとの関係が、
L>La+Lb
であることが必須である。
つまり、増し折りローラ/下ユニット262も上下方向に可動に構成することもできる。このように構成すると、上下各側のローラ261a,262aが増し折り位置に対して対称に接離動作するので、増し折り位置がシート束SBの厚みに関係なく一定となり、さらに傷等のダメージを抑制することができる。
本実施形態に係るシート処理装置での第1の特徴は、増し折り開始位置を幅方向中央に設定している点とは別に次の点にある。
シートあるいはシート束を加圧可能な押圧部材に相当する上側および下側増し折りローラ261a,262aによるシート束への押圧方向が、シートの厚さ方向に対して傾斜した方向(0deg<θ<90deg)とした点である。
増し折りローラユニット260に装備されている上下各側の増し折りローラ261a、262aは、図24(A)に示すように、シート束の厚さ方向に対して傾斜した方向(θ)において対向している。
同図において上下各側の増し折りローラ261a、262aはシート束SBの厚さ方向に対して傾斜して対向しているので、加圧時には両者の接線方向と直角な方向に加圧力(図24(A)において矢印で示す)が作用する。
このため、図24(B)に示すように、シート束SBには、シート束SBの厚さよりも下方に牽引される力が生じる(図24(B)において厚さ方向の中心線の一部が下方に向け変位している)。
これにより、シート束は上下各側の増し折り上ローラ261a、262aのニップによって幅方向に牽引されながら下方に向け加圧されると、牽引時にしごかれて折り目部分の癖付けが行われ、折り目が強化されて増し折り作用が高められる。
同図において上下各側の増し折りローラ261a、262aは、シートの幅方向に沿って上側の増し折りローラ261aの中心を下側の増し折りローラ262aに対してずらして上述した傾斜角θを設定している。
図26は、シート束の厚さ方向に対向する上下各側の増し折りローラ261a、262aを備えた場合を対象として上述した傾斜を設定する構成を示している。
同図においては、増し折りローラユニット260を角度θだけ傾けている。
ここで、第2の特徴を用いる背景について説明する。
本実施形態では、折り目部(背)の厚さがシート束を構成するシートの厚さやシート束自体の厚さにより異なることを考慮して、一定速度では厚さに応じた増し折り効果が期待できないという問題を解消する。
つまり、シートあるいはシート束の厚さは形状復元力による折り目部(背)の反り返りが強い。このため、増し折りの際に一定速度で増し折りローラを移動させた際の加圧力では充分な増し折りができない場合がある。
そこで、本実施形態では、折り目部(背)の厚さに影響するシートあるいはシート束の厚さが厚くなる場合あるいは低湿度となる場合に、初期条件(通常)での増し折りローラの移動速度よりも遅い速度に変化させて、加圧力を与える時間を長くしている。
同図において制御部は、CPU301を主要部として備えている。CPU301には、本実施形態に関連する部材として、ROM302,RAM303,不揮発メモリ304,ドライバ305,モータ306および入力部307がデータバスを介して接続されている。
不揮発メモリ304には、増し折りローラ261a、262aの移動速度、換言すれば、増し折りローラユニット260を移動させるモータ306の移動速度が格納されている。これにより、増し折りローラユニット260を移動させる場合、予め不揮発メモリ304に格納されている移動速度データによってCPU301が、ドライバ305に各種制御信号を出力する。速度の可変に用いられる信号としては、クロック信号やPWM信号が用いられ、これら信号がCPU301からドライバ305に出力される。
ドライバ305は、CPU301からの制御信号により、モータ306を駆動し、増し折りローラユニット260をシート束の幅方向に移動させる。
入力部307は、シート処理装置本体に装備された操作部などが用いられ、操作部にはシートの種類やシート束とする際の枚数などを入力するキースイッチ(図示されず)が設けられている。
これにより、折り目部(背)の厚さが所定条件よりも厚い場合には、増し折りローラの移動速度が遅くなることにより加圧時間が長くなり、その分、折り目部(背)での永久歪みの発生を促進して増し折り効果を高めることができる。
画像形成装置では、出力されるシートのサイズや枚数さらにはシート束とする場合の枚数などの情報がシート処理装置側のCPU301に出力される。
シート処理装置側の制御部では、画像形成装置側からの情報が入力されると、上述した場合と同様な処理により増し折りローラユニット260の移動速度が決定され、ドライバ305を介してモータ306が駆動される。なお、画像形成装置から入力された情報に基づき増しローラ261a、262aの移動速度を切り換える場合には、その切り換えられるための条件を入力部307において調整し直すことも可能である。
同図に示されている構成では、環境湿度などの環境情報を入力するA/Dコンバータ308が追加されている。
この構成では、上述したシートあるいはシート束の厚さに加えて、温度や湿度などの環境情報が制御部のCPU301に入力される。
この場合には、不揮発メモリ304に格納されている移動速度は、所定の環境条件に対応する速度が格納されている。
この場合には、図28に示した場合と同様に画像形成装置からのシートあるいはシート束の厚さに関する情報に加えて、環境情報が入力されると、これら入力情報が吹きAは爪盛り304に格納されている通常時での移動速度条件と対比される。
対比結果において予め規定されているシート束の厚さあるいは湿度の条件と異なる場合には、その差が生じている傾向、つまり厚さが既定条件よりも厚い場合あるいは湿度が低い場合には移動速度を遅くする切り換えが行われる。
つまり、ステープル位置では速度を遅くしている場合に速度を予め設定されている速度に変更して移動させる。これは、ステープルの位置で速度が遅い場合、ステープルと増し折りローラとの当接時間が長くなることで増し折りローラへの損傷が生じるのを避けるためである。
制御部のCPU301に厚さに関する情報が入力されると(ST1)、CPU301において不揮発メモリ304に格納されている既定値と対比される(ST2)。
ステップST2において厚さが規定値以下である場合には環境情報から湿度が入力され、その湿度が既定値と対比される(ST4)。
ステップST2およびST4での対比において厚さが規定値以上、あるいは湿度が規定値以下である場合には、速度が既定値よりも遅くなる速度に切り換えられる(ST5)。
100 画像処理システム
215 折りプレート
230 折りローラ対
260 増し折りローラユニット
261 増し折りローラ/上ユニット
261a 増し折りローラ
262 増し折りローラ/下ユニット
262a 増し折りローラ
301 制御部に用いられるCPU
306 モータ
307 入力部
RP 画像形成装置
SB シート束
Claims (5)
- シート束を折り込む折り手段と、該折り手段により折られたシート束の折り目を再度加圧することにより折り目を強化する増し折り手段として、シート束を構成するシートの厚さ方向に対して傾斜した方向(0deg<θ<90deg)で加圧可能な押圧部材を備えたシート処理装置であって、
前記押圧部材は、前記シート束の搬送方向と直角な幅方向中央を増し折り開始位置として設定され、該幅方向中央から幅方向一方側に向けた往動時に増し折りを実行し、該幅方向一方側から増し折り開始位置に復動した後、幅方向他方側に向けた復動時に増し折りを実行する部材であり、前記シート束を構成するシートあるいはシート束の厚さおよび環境湿度に応じて移動速度を変化させることを特徴とするシート処理装置。 - 前記押圧部材は、増し折り開始位置に移動する間は除圧状態とされていることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
- 前記押圧部材の移動速度は、前記シートあるいはシート束の厚さが厚くなる場合あるいは低湿度となる場合に通常の移動速度よりも遅い速度に切り換えられることを特徴とする請求項1または2記載のシート処理装置。
- 前記押圧部材の移動速度は制御部により制御され、該制御部には、シートあるいはシート束の厚さ情報、温度や湿度などの環境情報の入力部が接続され、該入力部において得られたシートあるいはシート束の厚さ、環境情報が予め規定されている条件と異なる場合にその差を生じている傾向に応じて移動速度を切り換えることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載のシート処理装置。
- 請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載のシート処理装置を用いる画像処理システムであって、
前段装置として画像形成装置が設置され、後段装置としてシート処理装置が画像形成装置に連結されて設置されていることを特徴とする画像処理システム。
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