JP6079165B2 - 溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板及びその製造方法 - Google Patents

溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板及びその製造方法に関するものである。
近年、エネルギー問題から従来採掘が不可能であった難採掘環境と呼ばれる領域においてもエネルギー資源開発が進んでいる。このような環境は高温で硫化水素や炭酸ガスが多く存在しているため特に腐食環境も厳しく(以後、サワー環境と呼ぶ)、より耐食性に優れた材料の要求が高まっている。さらに難採掘環境下での、産業設備と構造物のニ−ズとしては耐久性及び長寿命化並びにメンテナンスフリ−化が指向されており、Alloy625、825に代表されるNi基合金またはNi合金は、これらニ−ズに適合した材料として注目を集めている。
一方で、Ni合金の主原料であるNiやMo、Crに代表される合金元素の価格は、時に高騰や大きな変動がある。そのため、無垢材(全厚が合わせ材の金属組成のような場合を云う)としての使用よりも高合金鋼の優れた耐食性能をより経済的に利用できるクラッド鋼が最近、注目されている。
Ni合金クラッド鋼とは、合わせ材にNi合金、母材に炭素鋼、低合金鋼等の普通鋼材と、二種類の性質の異なる金属を張り合わせた鋼材である。クラッド鋼は、異種金属を金属学的に接合させたもので、めっきとは異なり剥離する心配がなく単一金属及び合金では達し得ない新たな特性を持たせることができる。
クラッド鋼は、使用環境毎の目的に合った機能を有する合わせ材を選択することにより無垢材と同等の機能を発揮させることができる。さらに、クラッド鋼の母材には、耐食性以外の高靭性、高強度といった厳しい環境に適した特性を有する炭素鋼・低合金鋼を適用することができる。
このように、クラッド鋼は、無垢材よりも合金元素の使用量が少なく、かつ、無垢材と同等の耐食性能を確保でき、さらに炭素鋼・低合金鋼と同等の強度・靭性を確保できるため、経済性と機能性が両立できるという利点を有する。
以上から、高合金の合わせ材を用いたクラッド鋼は非常に有益な機能性鋼材であると考えられており、近年そのニ−ズが各種産業分野で益々高まっている。
クラッド鋼は、合わせ材によって用途が異なり、製造方法も異なる。クラッド鋼板の母材には、Nb、VまたはTi、B等の合金成分を微量添加した低炭素低合金鋼が用いられていることがあった。このような低炭素低合金鋼は所定の焼き入れ焼き戻し(以下、「調質」ということもある。)又は熱間圧延時の制御圧延・制御冷却等の加工熱処理技術(TMCP)により製造されている。
しかもクラッド鋼を造管しクラッド鋼管として製造する場合には、鋼板を成形してパイプ形状とし、パイプの表裏面からそれぞれに1パスの高能率溶接が施工される。
一般に、多層盛り溶接では被溶接鋼板(溶接用語では「母材」と呼ぶが、クラッド鋼板の母材と区別する必要がある場合には、以下「被溶接鋼板」または「母材(B.M.)」と記載する)及び溶接金属の境界、母材(B.M.)熱影響部(以下「HAZ」という)は次パスの熱影響で細粒化されるが、1パス溶接では母材(B.M.)と溶接金属の境界(以下「溶接ボンド部」という)やHAZの結晶粒は粗大化した状態となり、靭性の低下につながる。
そこで、例えば寒冷地(例えばロシア、カナダ、アラスカ等)のパイプラインの操業が緊急停止するときにはパイプの各部位が−40℃程度の低温の環境下に置かれるため母材(B.M.)及びHAZにおける−40℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー(vE−40℃)は、35(J)以上の仕様となりつつある。しかも母材(B.M.)においても脆性破壊停止温度を確認するためのDWTT試験:Drop Weight Tear Test(落重引き裂き試験)で、−20℃の試験で85%以上の延性破面の確保(85%SATT)等の仕様が要求されこともある。そのため、多くの検討が行われた。
TiとNの添加量を適正化することで溶接部靱性の向上を図る技術が特許文献1及び2に開示されている。TiNは、主として鋼の凝固時に形成されることから、粗大な析出物となりやすい。そのため、生成したTiNが固溶しないで残存する場合は、溶融部に近い1200℃を超える高温に加熱されるHAZ領域において組織の粗大化が抑制されるというピンニング効果が認められる。しかし、1000℃付近に加熱されるHAZではTiNは、粗大なままでピンニング効果が少なく、その領域の組織の粗大化抑制が十分に達成されず、HAZ靭性が低下するという問題がある。
また、さらに溶接ボンド部近傍のように最高到達温度が1400℃を超え高温にさらされる場合では、TiNはほとんど固溶してしまう。このため、この溶接ボンド部に近い領域では、TiNのピンニング効果が得られず十分に靭性を確保できないという問題がある。
また、非特許文献1には上記特許文献1及び2に基づいて製造した例が開示されているが、TiNのピンニング効果が十分に得られない領域に関する記載は見あたらない。
また、特許文献3〜5には、合わせ材としてNi合金の成分が検討されている。特許文献3では、母材の脆性破壊伝播停止特性を確保するために必要な条件である最終圧下直前の鋼板表面温度が875℃〜925℃以下でも安定してクラッド合わせ材の再結晶組織が得られる0.01%≦Ti+Nb≦0.2%とする技術が開示されている。特許文献4には、再結晶温度900℃未満、且つ、熱処理無しで、サワー環境での応力腐食割れ感受性を低減する目的でCを0.03%以下、Pを0.02%以下、また熱間加工性を低下させるため、Sを0.0050%以下とする技術が開示されている。特許文献5には、耐食性に悪影響を及ぼす炭化物の析出抑制のためCを0.03%以下、応力腐食割れ感受性を低減させるためPを0.03%以下、熱間加工性を低下させるため、Sを0.005%以下とする技術が開示されている。
しかしながら、特許文献3では、NbとTi量が0.2%以下の範囲であるため、NbCやTiCが十分に析出せず、Cr、Mo、Ni等を含有した炭化物が多く析出してしまい、その結果、耐粒界腐食性や耐孔食性ならびに耐応力腐食割れ性が劣る要因となる。また、特許文献4と5では、C、P、S量を制限しているが、接合性確保のために900℃以上の再結晶領域ならびに部分再結晶領域で圧延する際に、PとSは不純物として粒界部に特に偏析してしまい、腐食環境下に曝されると粒界が脱落してしまい、甚大な耐食性劣化が生じてしまうため、より含有量として低減させる必要がある。
なお、以下の説明で、「母材」とは、クラッド鋼板の使用状態において合わせ材以外の部分を「クラッド鋼板の母材」または単に「母材」と云い、クラッド鋼板の製造工程の初期工程で用いられる母材を「母材素材」のように必要に応じて適宜区別して用いることとする。
特開2004−149821号公報 特開2006−328460号公報 特開平05−214499号公報 特開平05−230571号公報 特開平04−235243号公報
日本製鋼所技報、No.55(2004)、p.77−78
本発明は、クラッド鋼の母材及び合わせ材の合金元素を規定し、溶接部靭性に優れた高靭性高耐食Ni合金クラッド鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、かかる事情に鑑み、Ni合金クラッド鋼板の母材において、TiNだけではHAZ靭性向上が図られない点に留意し、析出物の挙動を明確化することでクラッド鋼の母材とHAZ靭性が共に向上できることを明らかにした。
具体的には、従来技術で強度調整のために添加が必須とされていたVは、900℃程度で鋼中に固溶し、焼入れ性が著しく高くなり、溶接後の冷却時にHAZ部が硬化し、HAZ靭性の劣化の原因となることを確認し、クラッド鋼の母材の成分設計の際、このVを添加しないこととした。さらに、1000℃近傍の温度域に加熱されるクラッド鋼の母材のHAZ靭性の低下を抑制するため、TiNとNbCの析出量と形態を最適化して加熱時のγ粒径の粗大化を抑制できるようにした。
これにより、1パス溶接による熱影響部(HAZ)においても、優れた低温靭性のクラッド鋼板の母材が得られることを見出した。該母材の厚さは、好適には50mm以下である。本発明の製造方法において、合金元素の複合添加と調質処理により、1パス溶接後の溶接ボンド部、熱影響部、母材の低温靱性を確保し、さらに溶接部靭性に優れた高靭性クラッド鋼板の母材を提供することを可能とした。
また、Ni合金クラッド鋼板の合わせ材において、耐食性元素のNi、Cr、Moの含有量のみではなく、実際のサワー環境で腐食の起点となる、炭化物や粒界に偏析する不純物の影響を調査し、C、P、S含有量を制御し、クラッド鋼板の接合性と耐食性の確保が可能な圧延と熱処理条件を限定することで、高耐食性を確保可能なことを明らかとした。なお、ここで言う高耐食性とは、耐粒界腐食性と耐孔食性と耐応力腐食割れ性を有することを意味する。
クラッド鋼板の製造時を考えると、圧延および熱処理の製造温度範囲内では、炭化物として、MCは約930℃、M23は約850℃、MCは約910℃にそれぞれ析出ノーズがあり、これらが析出することで耐食性が劣化する。なお、MはNi、Cr、Mo、Nb、Ti、Si、Al等の合金元素を意味する。実際の製造では、上記の析出ノーズの温度範囲にかかってしまうが、析出する炭化物量を低減することが耐食性を劣化させないためには重要であり、そのためにC含有量を極力抑えることが必要となる。また、接合性を考えると、圧延終了温度は鋼板表面温度で900℃以上が必要であるが、その温度範囲は合わせ材における再結晶と部分再結晶温度領域となる。その際に、粒界にはPとSといった不純物が偏析し、耐食性を劣化させることがわかったため、合わせ材の製造上可能な範囲でPとSの含有量を低く抑えることが重要である。
すなわち、上記課題を解決するため本発明の溶接部靱性に優れた高靭性高耐食Ni合金クラッド鋼板の発明及びその製造方法は、以下の通りである。
[1]質量%で、C量が0.020%以下のNi合金を合わせ材とし、質量%で、C:0.030〜0.10%、Si:0.10〜0.30%、Mn:1.30〜1.80%、P:0.015%以下、S:0.003%以下、V:0.010%未満、Al:0.040%以下、N:0.0030〜0.010%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を母材としたことを特徴とする溶接部靱性に優れた高靱性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
[2]母材として、さらに、質量%で、Mo:0.05〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Nb:0.010〜0.060%、Ti:0.005〜0.020%、Ca:0.0010〜0.0040%の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする前記[1]に記載の溶接部靱性に優れた高靱性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
[3]合わせ材として、さらに、質量%で、C:0.020以下、Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、P:0.010%以下、S:0.0010%以下、Cr:20.0%〜23.0%、Mo:8.0%〜10.0%、Fe:5.0%以下、Al:0.40%以下、Ti:0.40%以下を含有し、さらに、Nb+Taを3.15〜4.15%含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
[4]合わせ材として、さらに、C、PおよびSが下記式(1)を満たすことを特徴とする前記[3]に記載の溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
10×C+5×P+50×S≦0.25・・・・・(1)
ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
[5]母材として、Tiを含有する場合は、さらに、TiおよびNが下記式(2)を満たすことを特徴とする前記[2]乃至[4]の何れかに記載の溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
Ti/N = 2.0〜3.5・・・・・(2)
ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
[6]母材として、Nbを含有する場合は、さらに、NbおよびCが下記式(3)を満たすことを特徴とする前記2]乃至[5]の何れかに記載の溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
Nb/C = 0.2〜2.0・・・・・(3)
ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
[7]前記[1]乃至[6]の何れかに記載の成分組成を有する母材と合わせ材とからなるクラッド鋼の素材を用いて圧延後、850〜950℃に再加熱して焼入れし、その後、650℃未満で焼戻しを行うことを特徴とする溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板の製造方法。
[8]前記[1]乃至[6]の何れかに記載の成分組成を有する母材と合わせ材とからなるクラッド鋼の素材を用いて、1050〜1225℃の範囲に加熱し、圧下比を5以上とし、クラッド鋼板の表面温度で、900℃以上で圧延を終了後、850〜950℃に再加熱して焼入れし、その後、650℃未満で焼戻しを行うことを特徴とする溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板の製造方法。
本発明によれば、母材のHAZ靭性の劣化原因のV含有量を極力低減し、Nb、Al、Ti、N等を適正量添加してクラッド鋼の母材の結晶粒を超微細化することにより、母材及び1パス溶接による熱影響部において、結晶粒度の粗大化を抑制して優れた低温靱性を得ることができる。また、合わせ材の耐食性劣化要因となるC、P、Sを適正量とすることで、高耐食のNi合金クラッド鋼を得ることができる。
1.母材の成分組成について
以下、本発明における母材の成分組成を規定した理由を説明する。なお、成分%は、特に記載が無い限り全て質量%を意味する。
C:0.030〜0.10%
Cは鋼の強度を向上させる有効な成分であり、0.030%未満であると一般溶接用鋼材としての強度が得られないため0.030%以上の含有を必要とする。しかし、0.10%を超える含有は母材ならびに熱影響部の靭性の劣化を招き、また、溶接性の観点からC量の低減が望ましいためC量は0.030〜0.10%の範囲とする。なお、溶接性及びHAZ靭性の観点から、好ましくは0.030〜0.08%の範囲とする。
Si:0.10〜0.30%
Siは製鋼時の脱酸のために添加され、また、母材の強度確保に必要な成分であるため0.10%以上の含有が必要である。一方、0.30%を超えて含有すると溶接熱影響部の靭性と溶接性の劣化を引き起こすため、Si量は0.10〜0.30%の範囲とする。なお、脱酸の効果及びHAZ靭性の観点から、好ましくは0.13〜0.20%の範囲である。
Mn:1.30〜1.80%
Mnは母材の強度及び靭性の確保に有効な成分として1.30%以上の含有が必要であるが、1.80%を超えて含有すると溶接部の靭性を劣化させ、溶接割れを助長するため、Mn量は1.30〜1.80%の範囲とする。なお、母材靭性およびHAZ靭性の観点から、好ましくは1.40〜1.70%の範囲である。
P:0.015%以下
母材ならびに溶接熱影響部靭性を確保するため、Pを極力低減することが望ましいが、過度の脱Pはコスト上昇を招くためP量は0.015%以下とする。
S:0.003%以下
Sは鋼中不純物として不可避な元素であるが、0.003%を超えると溶接部靭性が損なわれるのでS量は0.003%以下とする。
V:0.010%未満
Vは本発明において、最も注目すべき元素であり、できるだけ少ないことが必要である。従来、Vは、VC、VN等の微細析出物による析出強化を意図して積極的に添加されてきた。しかし、本発明のクラッド鋼の製造過程に、850℃以上に加熱して焼入れを実施する工程がある場合、母材中のVC、VN等の微細析出物は加熱した時に解離して固溶する。
本発明のC含有範囲においては、VC、VN等の微細析出物は低い温度で鋼中へ固溶する性質があるからである。従って、添加されたVは、焼入れ加熱時に微細析出物として存在しなくなるので、焼入れ性元素として作用し、母材、HAZのいずれの領域においても著しく硬化して、靭性劣化の原因となる。この靭性劣化はVを0.010%以上含有すると顕著となる。そのため、V量は0.010%未満とする。より好ましくは、0.004%未満であり、工業的に可能なレベルで含有させないことがさらに好ましい。
Al:0.040%以下
Alは、脱酸剤として有効な元素であるが、0.040%を超えて含有すると靭性が劣化するため、上限を0.040%とする。好ましくは0.015%未満である。
N:0.0030〜0.010%
NはTiNとして析出することでHAZ靭性の向上に効果があるが、Nの含有量が0.0030%未満では効果が薄れるため下限を0.0030%とする。しかしながら0.010%を超えると固溶Nが増大しHAZ靭性の低下がおこる。よってN量は0.0030〜0.010%の範囲とする。好ましくは0.0030〜0.0060%の範囲である。
以上が本発明の母材の基本成分であるが、更に特性を向上させるため、上記成分に加えて、選択的にMo、Ni、Cr、Cu、Nb、Ti、Caの中から選ばれる一種以上を以下の範囲で含有してもよい。
Mo:0.05〜0.50%
Moは焼入れ熱処理後の母材の強度と靭性を安定的に向上させる元素であるが、0.05%未満ではその効果が得られないため0.05%以上を含有させることが好ましい。また、0.50%を超えて含有すると効果が飽和し、また、過剰な含有は溶接熱影響部靭性や溶接性を阻害するため、Moを含有する場合は、Mo量は0.05〜0.50%の範囲とすることが好ましい。なお、母材強度とHAZ靭性の観点から、さらに好適には、0.08〜0.20%の範囲である。
Ni:0.01〜0.50%
Niは母材の強度及び靭性を向上させるために有効であり、0.01%以上含有することが好ましい。しかし、0.50%を超えて含有すると効果が飽和し、Niの含有は製造コストを上昇させるため、Niを含有する場合は、Ni量は0.01〜0.50%の範囲とすることが好ましい。さらに好適には、0.01〜0.30%の範囲である。
Cr:0.01〜0.50%
Crは母材の強度及び靭性を向上させるために有効であり、0.01%以上を含有することが好ましい。しかし、0.50%を超えて含有するとHAZ靭性を低下させることがあるため、Crを含有する場合は、Cr量は0.01〜0.50%の範囲とすることが好ましい。さらに好適には、0.01〜0.30%の範囲である。
Cu:0.01〜0.50%
Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効であり、0.01%以上含有することが好ましい。一方、0.50%を超えて含有すると溶接性を阻害することがある。従って、Cuを含有する場合は、Cu量は0.01〜0.50%の範囲とすることが好ましい。さらに好適には、0.01〜0.30%の範囲である。
Nb:0.010〜0.060%
Nbは、NbCを生成することで結晶粒の細粒化に効果があり、本発明のように焼入焼戻処理した母材、およびHAZの靭性向上に寄与するので、0.010%以上の含有が好ましい。しかし、0.060%を超えるとその効果が認められないだけでなく、鋼片に表面庇が生じやすい。従って、Nbを含有する場合は、0.010〜0.060%の範囲とすることが好ましい。さらに好適には、0.025〜0.050%の範囲である。
Ti:0.005〜0.020%
TiはTiNを形成してスラブ加熱時や溶接熱影響部の粒成長を抑制し、結果としてミクロ組織の微細化をもたらして靭性を改善する効果がある。その効果を発揮するには0.005%以上の含有が好ましい。しかし、0.020%を超えると溶接熱影響部靭性の劣化を引き起こす。従って、Tiを含有する場合は、0.005〜0.020%の範囲とすることが好ましい。さらに好適には、0.010〜0.016%の範囲である。
Ca:0.0010〜0.0040%
Caは硫化物系介在物の形態を制御し溶接熱影響部靭性を改善し,また、それに伴いMnSの形態制御に効果があり、衝撃値を向上させる。また、耐水素誘起割れ感受性を改善する。この効果を発揮するには0.0010%以上の含有が好ましい。しかし、0.0040%を超えると効果が飽和し、逆に清浄度を低下させ溶接熱影響部靭性を劣化させる。従ってCaを含有する場合は0.0010〜0.0040%とすることが好ましい。さらに好適には、0.0020〜0.0030%の範囲である。
本発明のクラッド鋼板の母材は、上記組成に加えて、さらに靭性を向上する目的でTi/N、Nb/Cを規定してもよい。
Ti/N:2.0〜3.5
Ti及びNは、上記のようにTiNを生成してHAZの靱性を改善するのに重要な元素であり、該効果を充分に発揮するためには両元素の含有量の相関関係も重要となる。すなわち、質量%比で、Ti/Nが2.0未満であると結晶粒が粗大化し、靱性値が大きく低下することがある。また、Ti/Nが3.5を超えると同様の理由により靭性値が低下することがある。したがって、Ti/Nは2.0〜3.5の範囲とすることが好ましい。
Nb/C:0.2〜2.0
Nb、Cは、NbCを生成することで結晶粒の細粒化に効果があり、本発明のように焼入焼戻処理時には靭性向上に寄与する。しかし、その効果はNb/Cが0.2以上で発揮され、Nb/Cが2.0を超えると効果が認められない。したがって、質量%比で、Nb/Cは0.2〜2.0の範囲とすることが好ましい。より好ましくは0.3〜1.9の範囲である。さらに好ましくは0.3〜1.8の範囲である。
2.合わせ材の成分組成について
以下、本発明における合わせ材は、Cが0.020%以下のNi合金であれば良いが、更に好適な成分組成として以下のように規定した。なお、成分%は、特に記載が無い限り全て質量%を意味する。
C:0.020%以下
Cはクラッド鋼板の製造において、圧延および熱処理工程の熱履歴で炭化物として粒界に析出し、耐食性を阻害するため多量の含有は避けるべき元素である。0.020%を超えて含有すると、耐食性が劣化するため、C量は0.020%以下とする。好ましくは、0.017%以下である。
Si:0.50%以下
Siは脱酸成分として必要な成分である。しかしながら、0.50%を超えて含有すると非金属介在物として残存し、耐食性が劣化し、また熱間加工性も劣化するため、Si量は0.50%以下とする。好ましくは0.20%以下である。なお、脱酸材としては0.02%以上から効果が発現する。
Mn:0.50%以下
Mnは脱酸成分として必要な成分である。しかしながら、0.50%を超えて含有すると非金属介在物として残存し、耐食性が劣化し、また熱間加工性も劣化するため、Mn量は0.50%以下とする。好ましくは0.15%以下である。なお、脱酸材としては0.02%以上から効果が発現する。
P:0.010%以下
Pは不純物元素であり、クラッド鋼板の接合性確保のため、900℃以上で圧延する際に、粒界に偏析し、耐食性を劣化させる元素である。したがって、P量は0.010%以下とする。好ましくは、0.005%以下とする。
S:0.0010以下
SはPと同様で不純物元素であり、クラッド鋼板の接合性確保のため、900℃以上で圧延する際に、粒界に偏析し、耐食性を劣化させる元素である。したがって、S量は0.0010%以下とする。好ましくは、0.0005%以下とする。
Cr:20.0〜23.0%
Crは、金属の表面に保護性の高い酸化物皮膜を形成し、耐孔食性や耐粒界腐食性を向上させる元素である。また、Niとの複合添加によって、サワー環境中での耐応力腐食割れ感受性も改善するため、Niやその他の合金とのバランスも考え、Cr量は20.0〜23.0%の範囲とする。
Mo:8.0〜10.0%
Moは、耐孔食性、耐隙間腐食性を向上させる。また、Niとの複合添加によって、サワー環境中での耐応力腐食割れ感受性も改善するため、Niやその他の合金とのバランスも考え、Mo量は8.0〜10.0%の範囲とする。
Fe:5.0%以下
Feは、フェロクロム、フェロモリブデン等を用いた場合、不可避的に混入する不純物であり、5.0%を超えるとNi量が低下して耐食性が低下するため、Fe量は5%以下とする。好ましくは3.5%以下である。
Al:0.40%以下
Alは有効な脱酸元素であるが、0.40%を超えて含有すると耐応力腐食割れ性が劣化するため、Al量は0.40%以下とする。好ましくは0.25%以下である。なお、脱酸材としては0.02%以上から効果が発現する。
Ti:0.40%以下
TiはCの固定化元素として有効であり、クラッド鋼板製造時の熱履歴で炭化物として析出する。しかしながら、多量に含有すると、クラッド鋼板の接合界面で金属間化合物として析出し、接合性を阻害するため、Ti量は0.40%以下とする。好ましくは0.30%以下である。
Nb+Ta:3.15〜4.15%
NbとTaはCの固定化元素として有効であり、クラッド鋼板製造時の熱履歴で炭化物として析出する。しかし、多量に含有すると低融点の金属間化合物を形成し、熱間加工性が低下するため、Nb+Taは3.15〜4.15%の範囲とする。
Ni
上記した合わせ材の成分の残部はNiおよび不可避的不純物である。Niは耐食性を向上させる元素であり、特に、サワー環境での耐応力腐食割れ性を著しく改善する。前述したように、CrとMoとの複合添加効果でさらに耐食性は向上する。
3.クラッド鋼の製造方法について
本発明のクラッド鋼に用いる母材と合わせ材は、前記した成分範囲に調整され、常法等により溶製することができる。クラッド圧延を行うために、事前にクラッドスラブを組み立てる。クラッド鋼板の最終板厚が25mm以下の場合は、母材/合わせ材/合わせ材/母材の順番で重ね合わせ、母材と合わせ材の間には接合性確保のためにNiフォイルを挿入し、高真空に引きながら、端部の四周溶接を行う、サンドイッチ方式のスラブ形態をとる。
クラッド鋼板の最終板厚が25mmを超える場合には、犠牲材/合わせ材/母材の順番で重ね合わせ、母材と合わせ材の間には接合性確保のためにNiフォイルを挿入し、高真空に引きながら、端部の四周溶接を行う、犠牲材方式のスラブ形態をとる。製造条件によっては接合性確保が十分な場合は、Niフォイルを挿入しなくても良い。なお、もちろん,クラッドの組立方法は前記に限ったことではなく、圧延可能なスラブ組立をしていれば良い。
上記により得られたクラッドスラブについて、常法による熱間圧延を行えばよい。なお、クラッド鋼板としての接合性を確保するためには、スラブ加熱温度、圧延終了温度、圧下比は以下の条件が好ましい。
スラブ加熱温度:1050〜1225℃
クラッド鋼板は固相拡散接合によって接合される。よって、高温の方が接合界面での拡散が起こり、接合性が向上するため、スラブ加熱温度は1050℃以上が好ましい。しかしながら、1225℃以上では本発明の合わせ材は無延性となるため、最適加熱温度範囲は1050〜1225℃とする。より好ましい温度範囲は1100〜1200℃である。
圧延終了温度:鋼板表面温度で900℃以上
本発明のクラッド鋼板は、通常のステンレスやNi合金に比べて、非常に変形抵抗が高いため、通常のステンレスクラッド鋼板より接合性の確保が難しい。高温の方が接合界面での拡散が起こり、また、合わせ材の再結晶や部分再結晶が起こることで、接合性が向上するため、圧延終了温度は通常のステンレスクラッド鋼より高い900℃以上とする。圧延終了後は空冷以上の速度で冷却すれば、合わせ材の耐食性は確保可能である。
圧下比:5以上
本発明のクラッド鋼板は、通常のステンレスやNi合金に比べて、非常に変形抵抗が高いため、通常のステンレスクラッド鋼板より接合性の確保が難しい。そのため、通常のステンレスクラッド鋼板より圧下比を高くすることで、合わせ材表面の新生金属面の現出や母材と合わせ材の圧着を促進するため、圧下比は5以上とする。
なお圧下比は、組立てスラブの板厚/圧延後のクラッド鋼板厚として定義される。
焼入れ温度:850〜950℃
上記により得られたクラッド鋼板は、焼入れ処理のため、850〜950℃の温度範囲に加熱する。加熱温度が850℃未満では十分な母材強度が確保できず、950℃を超えると母材の靭性が劣化する。したがって、焼入れ処理のため、850〜950℃の範囲に加熱する。さらに好ましくは、900〜930℃の範囲である。焼入れ処理の時間はクラッド鋼板の板厚にもよるが、10〜30分とすることが好ましい。しかし、高温長時間の保持は合わせ材中に析出物が生成するため、10分より短時間としても良い。焼入れ処理後の冷却方法としては、水冷、油冷(例えば冷却速度2℃/s以上)により行うことができる。
焼戻し温度:650℃未満
次いで、650℃未満の温度に加熱し、焼戻し処理を行う。650℃以上ではDWTT特性が劣化するので、650℃未満とする。さらに、焼戻し処理温度は、好ましくは500〜600℃の範囲である。なお、焼戻し加熱時間は5〜35分とするのがよい。
上記一連の熱処理により、クラッド鋼板の母材組織を微細化することができる。
クラッド鋼板は、板状のまま及び鋼管に成型してクラッド鋼管として使用することができる。上記クラッド鋼板では、溶接時に、それぞれ表裏1パスで溶接することができ、該1パス溶接によってもHAZ部での微細な組織が維持され、良好な靱性が確保される。
以下に本発明の実施例を比較例と対比しつつ説明する。ここで、溶接部靱性の評価は、シャルピー試験で行った。シャルピー試験片のノッチ位置は、溶接金属と母材の境界であるボンド部から、母材側へ3mm(HAZ3mm)の位置とした。試験温度は、−20℃で実施した。本発明では−20℃の吸収エネルギー(vE−20℃)が100J以上を靭性に優れているものとした。
また、母材の靭性は、−20℃におけるDWTT試験(落重特性)で評価した。本発明では、−20℃におけるDWTT試験で、延性破面率85%以上を母材の靭性に優れているものとした。
なお、本願発明の目標値は、API 5L X65相当以上とし、YS≧450MPa、TS≧600MPa とした。
合わせ材の耐食性は、耐粒界腐食性と耐孔食性と耐応力腐食割れ性について評価した。耐粒界腐食性は、JIS G0573で規格化されているヒューイ試験(65%硝酸腐食試験)を行い、1.0g/m・hr以下を耐食性良好と判断とした(無垢の溶体化材は、0.50g/m・hr)。耐孔食性は、JIS G0578で規格化されている塩化第二鉄腐食試験において、孔食発生臨界温度試験を行い、CPT(孔食発生臨界温度)が80℃以上を合格と判断した。(無垢の溶体化材は、85℃以上)。耐応力腐食割れ性については、ラインパイプの使用環境としては厳しい条件である、NACE TM−01−77溶液(5%NaCl+0.5%CHCOOH)、5atmHS−20atmCO、150℃、720時間浸漬、4点曲げSCC試験を行い、試験後の割れ発生の有無で評価を行った。
接合性は、JIS G0601で規格化されている剪断強さ試験で行い、300MPa以上を目標範囲とした。
表1に示す母材の化学成分と表2に示す合わせ材の化学成分を用いて、表3に示す製造条件でクラッド鋼板を製造した。製造時は、母材と合わせ材を重ねて一組とし、加熱炉で所定の温度で加熱後、熱間圧延によりクラッド比1/10(例えば、合わせ材3mmに対して、全厚が30mm)となるように圧延し、圧延完了後、焼入焼戻処理を行った。焼入れ処理は、加熱炉にて所定の温度で10分間加熱後に約5℃/sで水冷した。次いで、焼戻し処理は所定の温度まで加熱後に30分間保持し、その後放冷した。一連の熱処理後のクラッド鋼板を冷間で成形して外径500mmのクラッド鋼管を製造し、母材部と母材の溶接熱影響部について諸特性を調べた。試験結果を表3に示す。
Figure 0006079165
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母材の化学成分がいずれも本発明の範囲を満足する鋼は、母材部、HAZ部共に目標特性を満足するのに対し、Mnが発明の範囲の下限値を外れた場合は、強度、母材のDWTT特性が目標値以下となった。また、V、Nb、Ti/Nの値が発明の範囲から外れた場合は、HAZ靭性が目標値以下となった。また、合わせ材のC、P、Sの値が発明の範囲から外れた場合は、耐食性が目標値以下となった。また、製造条件において、スラブ加熱温度と圧延終了温度と圧下比が発明の範囲から外れた場合は、剪断強度値が低く、焼入焼戻条件が発明の範囲から外れた場合は、機械的特性が劣っていた。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.020%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、P:0.010%以下、S:0.0010%以下、Cr:20.0%〜23.0%、Mo:8.0%〜10.0%、Fe:5.0%以下、Al:0.40%以下、Ti:0.40%以下を含有し、さらに、Nb+Taを3.15〜4.15%含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなるNi合金を合わせ材とし、質量%で、C:0.030〜0.10%、Si:0.10〜0.30%、Mn:1.30〜1.80%、P:0.015%以下、S:0.003%以下、V:0.010%未満、Al:0.040%以下、N:0.0030〜0.010%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を母材としたことを特徴とする溶接部靱性に優れた高靱性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
  2. 母材として、さらに、質量%で、Mo:0.05〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Nb:0.010〜0.060%、Ti:0.005〜0.020%、Ca:0.0010〜0.0040%の中から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の溶接部靱性に優れた高靱性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
  3. 合わせ材として、さらに、C、PおよびSが下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
    10×C+5×P+50×S≦0.25・・・・・(1)
    ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
  4. 母材として、Tiを含有する場合は、さらに、TiおよびNが下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項2または3に記載の溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
    Ti/N = 2.0〜3.5・・・・・(2)
    ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
  5. 母材として、Nbを含有する場合は、さらに、NbおよびCが下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項2乃至の何れかに記載の溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板。
    Nb/C = 0.2〜2.0・・・・・(3)
    ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。
  6. 請求項1乃至の何れかに記載の成分組成を有する母材と合わせ材とからなるクラッド鋼の素材を用いて圧延後、焼入れ温度を850〜950℃として加熱して焼入れし、その後、650℃未満で焼戻しを行うことを特徴とする溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板の製造方法。
  7. 請求項1乃至の何れかに記載の成分組成を有する母材と合わせ材とからなるクラッド鋼の素材を用いて、1050〜1225℃の範囲に加熱し、圧下比を5以上とし、クラッド鋼板の表面温度で、900℃以上で圧延を終了後、焼入れ温度を850〜950℃として加熱して焼入れし、その後、650℃未満で焼戻しを行うことを特徴とする溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板の製造方法。
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