JPH04263016A - 低温靱性の優れたクラッド鋼板の製造法 - Google Patents

低温靱性の優れたクラッド鋼板の製造法

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JPH04263016A
JPH04263016A JP2240191A JP2240191A JPH04263016A JP H04263016 A JPH04263016 A JP H04263016A JP 2240191 A JP2240191 A JP 2240191A JP 2240191 A JP2240191 A JP 2240191A JP H04263016 A JPH04263016 A JP H04263016A
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rolling
cooling
temperature
steel
less
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JP2240191A
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Yoshio Terada
好男 寺田
Yoshinori Ogata
尾形 佳紀
Kiyoshi Nishioka
潔 西岡
Hiroshi Tamehiro
為広 博
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合わせ材として、ステン
レス鋼あるいはニッケル合金などの耐食性の優れた高合
金を、母材として低合金鋼(低C−Nb−微量Ti)を
使用し、圧延ままで耐食性の優れたクラッド鋼板を製造
する方法に関するものである。鉄鋼業においては厚板ミ
ルに適用することがもっとも好ましいが、ホットコイル
ミルにも適用できる。また、この方法で製造した鋼板は
低温靱性、現地溶接性も優れているので、寒冷地におけ
るラインパイプに最も適する。
【0002】
【従来の技術】安全性、経済性の観点から腐食性物質(
H2 S、CO2 、Cl− )を多く含有する原油・
天然ガス輸送用大径ラインパイプに、ステンレス鋼、ニ
ッケル合金を合わせ材とする高合金クラッド鋼管の採用
が増加しつつある。従来、このような鋼管は圧延クラッ
ド鋼板を成形(UOE成形)、シーム溶接後、鋼管全体
を再加熱・冷却(溶体化処理)することにより製造され
ていたが、最近、溶体化処理を省略し、圧延ままで目標
とする特性を達成する技術が開発されている(例えば特
開昭60−216984号公報、特開昭62−1689
2号公報、特開昭63−130283号公報)。
【0003】しかし、これらの方法では圧延ままで合わ
せ材の優れた耐食性、母材の強度・低温靱性を得ること
は極めて困難である。これは、合わせ材の耐食性は高温
(900℃以上)で圧延するほど向上し、一方母材の低
温靱性は低温で圧延するほど向上するなどの理由による
。その結果、従来の技術では圧延温度の低下が強いられ
、クラッド鋼板の耐食性が犠牲にされる側面があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は圧延まま高合
金クラッド鋼板の製造(鋼管の溶体化処理の省略)にお
いて、優れた合わせ材の耐食性と母材の強度・低温靱性
を同時に達成できる製造法を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。(1)ステンレス鋼またはニ
ッケル合金からなる合わせ材と、重量%でC:0.02
〜0.06%,Si:0.5%以下,Mn:1.0〜2
.0%,P:0.03%以下,S:0.005%以下,
Nb:0.01〜0.15%,Ti:0.005〜0.
03%,Al:0.05%以下,N:0.002〜0.
006%、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼と
を重ね合わせて四周を溶接して組立てたスラブの圧延に
際し、1100〜1250℃の温度範囲に加熱後、表面
温度が900℃以上で圧延を一旦中断し、5〜40℃/
秒の冷却速度で表面温度が200〜800℃になるまで
水冷した後、30〜500秒間空冷し、引きつづき圧延
を行い、板厚中心部が900℃以上の温度で圧延を終了
した後、30〜200秒間空冷し、5〜40℃/秒の冷
却速度で表面温度が550℃以下の任意の温度まで冷却
し、その後空冷することを特徴とする低温靱性の優れた
クラッド鋼板の製造法。
【0006】(2)ステンレス鋼またはニッケル合金か
らなる合わせ材と、重量%でC:0.02〜0.06%
,Si:0.5%以下,Mn:1.0〜2.0%,P:
0.03%以下,S:0.005%以下,Nb:0.0
1〜0.15%,Ti:0.005〜0.03%,Al
:0.05%以下,N:0.002〜0.006%に、
さらにNi:0.05〜1.0%,Cu:0.05〜1
.0%,Cr:0.05〜0.5%,Mo:0.05〜
0.3%,Ca:0.001〜0.005%の1種また
は2種を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からな
る鋼とを重ね合わせて四周を溶接して組立てたスラブの
圧延に際し、1100〜1250℃の温度範囲に加熱後
、表面温度が900℃以上で圧延を一旦中断し、5〜4
0℃/秒の冷却速度で表面温度が200〜800℃にな
るまで水冷した後、30〜500秒間空冷し、引きつづ
き圧延を行い、板厚中心部が900℃以上の温度で圧延
を終了した後、30〜200秒間空冷し、5〜40℃/
秒の冷却速度で表面温度が550℃以下の任意の温度ま
で冷却し、その後空冷することを特徴とする低温靱性の
優れたクラッド鋼板の製造法。
【0007】
【作用】本発明のステンレス鋼とは、オーステナイト系
、フェライト系、マルテンサイト系および2相系を指し
、ニッケル合金とはインコロイ825、インコネル62
5などのニッケル合金であり、耐食性の優れた材料であ
る。また母材は、その特性(圧延方向と直角方向での値
)が強度X52以上(API規格)、低温靱性2vE−
30 ≧10kgf−m 、vTrs≦−60℃となる
ような高強度、高靱性の低合金鋼である。
【0008】本発明におけるスラブ(サンドイッチスラ
ブ)の組立て方法は、まず母材の表面に合わせ材を重ね
合わせ、四周を溶接してスラブを組立てる。この際、母
材および合わせ材の接着面はあらかじめ平削、研磨など
によって平滑にし、脱脂などによる清浄化や真空ポンプ
による脱気を行うことが好ましい。次に組立てた2つの
スラブの合わせ材を分離材を介して密着させ、四周を溶
接してスラブ(サンドイッチスラブ)を組立てる。この
スラブを圧延後、中心部の分離材を介して分離すること
によって2対のクラッド鋼板を得ることができる。この
クラッド鋼板は、例えばクラッド鋼管等に利用できる。
【0009】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の特徴は母材成分を低C−Nb−微量Ti系として、
合わせ材とともに組立てたサンドイッチスラブを圧延す
るに際し、圧延途中で一旦鋼板表面を冷却し、鋼板表面
と内部で温度差をつける、すなわち表面側である母材を
低温で、中心部側である合わせ材を高温で圧延すること
により、母材の優れた強度・靱性と合わせ材の優れた耐
食性を同時に達成できるところにある。合わせ材におい
て優れた耐食性を得るには、再加熱時に合金元素を溶体
化し、これを高温で圧延、適当な時間空冷してσ相(C
r炭化物)などの析出を抑制しなければならない。
【0010】しかしながら合わせ材のγ組織が再結晶す
るような高温で圧延を行うと、母材の結晶粒の微細化が
不十分となりラインパイプとして十分な低温靱性を得る
ことができない。このため母材および合わせ材の特性を
同時に満足させるための鋼板圧延条件について検討した
。その結果、圧延途中で一旦鋼板表面を冷却し、表面側
となる母材を低温で、中心部側となる合わせ材を高温で
圧延する方法が有効であることを見出し、本発明を創案
した。なお、圧延途中で鋼板を冷却する方法について研
究された例(特開昭63−243220号公報、特開昭
63−307216号公報参照)はあるが、クラッド鋼
板への応用について研究・適用された例はない。
【0011】まず、本発明の再加熱・圧延条件について
説明する。本発明では、上記の組立サンドイッチスラブ
を1100〜1250℃の範囲に再加熱する必要がある
。これは合わせ材の耐食性と母材の強度・靱性を同時に
確保するために必要である。下限温度1100℃は、合
わせ材の優れた耐食性を得るために十分に溶体化し、鋼
板中心部の圧延終了温度を900℃以上として、圧延後
γ組織を再結晶させるのに必要な最低加熱温度である。 しかし再加熱温度が1250℃超になると、オーステナ
イト(γ)粒が粗大化し、圧延後の結晶粒も大きくなっ
て低温靱性が劣化する。したがって適切な再加熱温度は
1100〜1250℃である。
【0012】次に表面温度が900℃以上で一旦圧延を
中断し、5〜40℃/秒の冷却速度で表面温度が200
〜800℃になるまで水冷した後、30〜500秒間空
冷し、引きつづき圧延を行い、板厚中心部が900℃以
上の温度で圧延を終了させる。スラブの表面温度が90
0℃未満から水冷すると、板厚中心部の温度も低下して
おり、最終的に圧延が終了する時の中心部温度が低下す
るので、合わせ材のγ組織が再結晶せずに耐食性(例え
ば耐孔食性、試験状態:10%FeCl3 ・5H2 
O溶液で48時間浸漬)が著しく劣化する。
【0013】また水冷に際しては、5〜40℃/秒の冷
却速度で表面温度が200〜800℃になるまで冷却す
る必要がある。冷却速度が5℃/秒未満であると母材の
低温靱性改善効果が得られず、また40℃/秒超である
とマルテンサイト組織が生成し、その後の復熱過程にお
いても、マルテンサイトを完全に分解するのが困難とな
り、低温靱性が劣化する。表面温度が200℃未満にな
るように冷却すると、冷却後の復熱過程で鋼板表面が十
分復熱されない(例えば600℃以下)まま圧延を行な
うことになり、鋼板表面は過度のフェライト域圧延とな
るので、母材の低温靱性が劣化する。また表面温度が8
00℃を超えるように冷却すると、冷却後鋼板表面が直
ちに復熱し、母材部は低温での圧延が十分に行われず、
低温靱性が劣化する。
【0014】冷却後は30〜500秒間空冷し、鋼板表
面を復熱させる必要がある。復熱時間が30秒未満であ
ると過度のフェライト域圧延となり、母材の低温靱性は
劣化する。また復熱時間が500秒を超えると、中心部
の温度が低下し、合わせ材の耐食性が著しく劣化する。 すなわち復熱時間が500秒を超えると、表面と中心部
の温度差は水冷を行なわない場合と同じになるので、水
冷による効果が消失する。
【0015】さらに板厚中心部が900℃以上の温度で
圧延を終了させる必要がある。圧延終了板厚中心部温度
が900℃未満であると、合わせ材のγ組織が再結晶せ
ずに耐食性(例えば耐孔食性、試験状態:10%FeC
l3 ・5H2 O溶液で48時間浸漬)が著しく劣化
する。合わせ材の耐食性の観点からは圧延終了板厚中心
部温度は高いほど好ましい。しかし圧延終了板厚中心部
温度が高すぎると母材の結晶粒が微細化せず、低温靱性
の劣化を招く。このため圧延終了板厚中心部温度は10
50℃以下が望ましい。
【0016】なお、圧延途中で水冷する時のスラブ厚み
は、最終製品厚の1.5倍以上が望ましく、さらにトー
タルの圧下比は5以上が望ましい。この理由は、■合わ
せ材と母材を冶金学的に完全に密着させると同時に、■
母材の結晶粒を微細化するためである。母材の結晶粒を
微細化させるために、圧延途中で水冷する際のスラブ厚
みは最終製品厚の1.5倍以上とする必要がある。また
ラインパイプの使用性能として、合わせ材と母材とが冶
金学的に完全に密着していることが必要であり、このた
めには、圧下比は大きいほど好ましい。最低圧下比は再
加熱温度や圧延温度にも依存するが、本発明においては
5以上必要である。
【0017】その後本発明では、圧延終了後30〜20
0秒間空冷し、5〜40℃/秒の冷却速度で550℃以
下の任意の温度まで冷却し、その後空冷する。圧延終了
後に空冷時間をもうける理由は、合わせ材のγ組織の再
結晶を促進させ、耐食性を改善するためである。圧延直
後に急冷すると良好な耐食性は得られない。圧延終了(
中心部)温度が900℃以上の場合、最低30秒の空冷
時間が必要である(望ましくは60秒以上)。しかし空
冷時間の延長はクラッド鋼板の温度低下を招き、σ相(
Cr炭化物)の析出を生じさせる。または加速冷却によ
る母材の強靱化にも支障をきたす。このため鋼板の厚み
にも依存するが、空冷時間は200秒以下としなければ
ならない。
【0018】このとき、■σ相(Cr炭化物)の析出を
抑制し、■加速冷却による母材の強靱化をはかるために
は、冷却条件として冷却速度5〜40℃/秒で550℃
以下まで冷却する必要がある。なお、圧延後のクラッド
鋼板を低温靱性改善、脱水素などの目的でAc1 以下
の温度に再加熱(焼戻処理)することは、何ら本発明の
特徴を損なうものではない。
【0019】次に本発明の母材成分の限定理由について
説明する。母材の強度・低温靱性の確保および合わせ材
の耐食性確保のため、C、Mn、Nb、Ti量をそれぞ
れ、0.02〜0.06%、1.0〜2.0%、0.0
1〜0.15%、0.005〜0.03%に限定する。 C、Mn量の下限は目的とする母材、溶接部強度・靱性
やNb添加時にこれら元素が析出硬化、結晶粒微細化効
果を発揮するための最小量である。また上限は母材の優
れた低温靱性・現地溶接性を得るための限界値である。 母材のC量が高すぎると組立スラブの再加熱時に、母材
のCが合わせ材へ拡散し、耐食性が劣化する。したがっ
て合わせ材の耐食性の観点からも母材のC量を0.06
%以下に制限する必要がある。
【0020】本発明の対象鋼では、必須の元素としてN
b:0.01〜0.15%、Ti:0.005〜0.0
3%を含有させる。Nbは制御圧延において結晶粒の微
細化や析出硬化に寄与し、鋼を強靱化する効果を有する
。この効果を発揮させるために0.01%以上のNb添
加が必要である。しかし、Nbを0.15%超添加する
と、現地溶接性や溶接部の靱性が劣化するので、その上
限を0.15%とした。またTi添加は微細なTiNを
形成し、スラブ再加熱時、溶接部のγ粒の粗大化を抑制
して母材靱性、溶接熱影響部(HAZ)靱性の改善に効
果がある。この効果は高温で圧延を終了する本発明の対
象鋼においては特に重要である。TiNの効果を十分に
発揮させるには、最低0.005%のTi添加が必要で
ある。しかしTi量が多すぎると、TiNの粗大化やT
iCによる析出硬化が起こり、低温靱性が劣化するので
、その上限は0.03%に制限する必要がある。
【0021】次にその他元素の限定理由について説明す
る。Siは鋼を強靱化させる元素であるが、多く添加す
ると溶接性HAZ靱性を劣化させるため、上限を0.5
%とした。本発明の対象鋼において、不純物であるP、
Sをそれぞれ0.03%以下、0.005%以下とした
理由は、母材、溶接部の低温靱性をより一層向上させる
ためである。Pの低減は粒界破壊を防止し、Sの低減は
MnSによる靱性の劣化を防止する。好ましいP、S量
はそれぞれ0.01%以下、0.003%以下である。
【0022】Alは通常脱酸剤として鋼に含まれる元素
であるが、脱酸はTiあるいはSiでも可能であり、必
ずしも添加する必要はない。Al量が0.05%超にな
るとAl系非金属介在物が増加して鋼の清浄度を害する
ので、上限を0.05%とした。NはTiNを形成し、
γ粒の粗大化抑制効果を通じて母材靱性、HAZ靱性を
向上させる。このための最小量は0.002%である。 しかし多すぎるとスラブ表面疵や固溶NによるHAZ靱
性の劣化原因となるので、その上限は0.006%以下
に抑える必要がある。
【0023】次にNi、Cu、Cr、Mo、Caを添加
する理由について説明する。基本となる成分に、さらに
これらの元素を添加する主たる目的は本発明鋼の優れた
特徴を損なうことなく、母材の強度・靱性などの特性向
上をはかるためである。したがって、その添加量は自ら
制限される性質のものである。Niは溶接性、HAZ靱
性に悪影響を及ぼすことなく、母材の強度・靱性をとも
に向上させるほか、Cu添加時の時効割れ防止にも効果
がある。しかし1.0%を超えると経済性の点で好まし
くないため、その上限を1.0%とした。
【0024】Cuは耐食性、耐水素誘起割れ性にも効果
があるが、1.0%を超えると熱間圧延時にCuクラッ
クが生じ、製造が困難になる。このため上限を1.0%
とした。Cr,Moはともに強度の向上に効果を有する
。しかし多く添加すると溶接性やHAZ靱性を害するの
で、その上限をそれぞれ、0.5%、0.3%とした。
【0025】なおNi、Cu、Cr、Mo量の下限0.
05%は、元素の添加による材質上の効果を得るための
最小量である。Caは硫化物(MnS)の形態を制御し
、低温靱性を向上(シャルピー吸収エネルギーの増加な
ど)させるほか、耐水素誘起割れ性の改善にも著しい効
果を発揮する。しかしCa量が0.001%未満では実
用上効果がなく、また0.005%を超えて添加すると
CaO、CaSが大量に生成して大型介在物となり、鋼
の清浄度を害するだけでなく靱性、現地溶接性に悪影響
をおよぼす。このためCa添加量を0.001〜0.0
05%に制限した。
【0026】なお、耐水素誘起割れ性を改善するにはS
、O量をそれぞれ0.001%以下、0.002%以下
に低減し、ESSP≧(Ca)〔1−124(O)〕/
1.25(S)とすることが特に有効である。
【0027】
【実施例】転炉−連続鋳造で種々の鋼成分の母材スラブ
(厚み240mm)を製造した。スラブ片表面を235
mm厚まで機械的に平削し、種々の厚みのステンレス鋼
(SUS316L)またはインコロイ825合わせ材(
圧延後の鋼板の合わせ材厚みが3mmになるように調整
)と重ねて四周を溶接した。
【0028】さらに、このようにして製造したスラブ2
枚の合わせ材を分離材を介して重ね合わせ、四周を溶接
してサンドイッチスラブを組立てた。なお、接着面はす
べて平滑にするとともに汚れを除去、脱脂し、空気を真
空ポンプで除去した。種々の条件でサンドイッチスラブ
を再加熱・圧延・冷却してクラッド鋼板を製造し、母材
の強度、低温靱性(シャルピー衝撃試験)、合わせ材の
耐食性(孔食の有無で評価、試験条件:10%FeCl
3 ・5H2 O溶液、35℃で48時間浸漬)、母材
と合わせ材の密着性(超音波による探傷)を調査した。
【0029】表1〜表6に実施例を示す。本発明にした
がって製造したクラッド鋼板(鋼1〜10)は、母材、
合わせ材ともにすべて良好な特性を有する。これに対し
て本発明によらない比較鋼(鋼11〜24)は、母材あ
るいは合わせ材の特性が劣る。鋼11は再加熱温度が低
すぎるため、強度、耐食性および合わせ材と母材の密着
性が劣る。鋼12は再加熱温度が高すぎるため、低温靱
性が劣る。鋼13は圧延途中で冷却を開始する時の表面
温度が低すぎるために母材の低温靱性が劣る。鋼14は
圧延途中で冷却する時の冷却停止温度が高すぎるために
母材の低温靱性が劣る。鋼15は圧延途中で冷却する時
の冷却停止温度が低すぎるために母材の低温靱性が劣る
。鋼16は圧延途中で冷却する時の冷却速度が小さすぎ
るために母材の低温靱性が劣る。鋼17は圧延途中で冷
却する時の冷却速度が大きすぎるために母材の低温靱性
が劣る。鋼18は冷却後の空冷(復熱)時間が短いため
に母材の低温靱性が劣る。鋼19は冷却後の空冷(復熱
)時間が長いために合わせ材の耐食性が劣る。鋼20は
圧延終了時の板厚中心部温度が低いために合わせ材の耐
食性が劣る。鋼21は空冷時間が長く、水冷開始温度が
低いため、強度、耐食性が劣る。鋼22は冷却速度が小
さすぎるため、強度、耐食性が劣る。鋼23は冷却速度
が大きすぎるため、低温靱性が劣る。鋼24は水冷停止
温度が高いため、強度、耐食性が劣る。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【発明の効果】本発明により鋼管全体の溶体化処理をす
ることなく、母材の強度・低温靱性、合わせ材の耐食性
がともに優れた高品質のクラッド鋼板の製造が可能にな
った。その結果、省エネルギー、省工程が可能となった
。また諸特性の向上により、パイプラインの安全性が著
しく向上した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ステンレス鋼またはニッケル合金から
    なる合わせ材と、重量%でC:0.02〜0.06%,
    Si:0.5%以下,Mn:1.0〜2.0%,P:0
    .03%以下,S:0.005%以下,Nb:0.01
    〜0.15%,Ti:0.005〜0.03%,Al:
    0.05%以下,N:0.002〜0.006%、残部
    が鉄および不可避的不純物からなる鋼とを重ね合わせて
    四周を溶接して組立てたスラブの圧延に際し、1100
    〜1250℃の温度範囲に加熱後、表面温度が900℃
    以上で圧延を一旦中断し、5〜40℃/秒の冷却速度で
    表面温度が200〜800℃になるまで水冷した後、3
    0〜500秒間空冷し、引きつづき圧延を行い、板厚中
    心部が900℃以上の温度で圧延を終了した後、30〜
    200秒間空冷し、5〜40℃/秒の冷却速度で表面温
    度が550℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷
    することを特徴とする低温靱性の優れたクラッド鋼板の
    製造法。
  2. 【請求項2】  ステンレス鋼またはニッケル合金から
    なる合わせ材と、重量%でC:0.02〜0.06%,
    Si:0.5%以下,Mn:1.0〜2.0%,P:0
    .03%以下,S:0.005%以下,Nb:0.01
    〜0.15%,Ti:0.005〜0.03%,Al:
    0.05%以下,N:0.002〜0.006%に、さ
    らにNi:0.05〜1.0%,Cu:0.05〜1.
    0%,Cr:0.05〜0.5%,Mo:0.05〜0
    .3%,Ca:0.001〜0.005%の1種または
    2種を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる
    鋼とを重ね合わせて四周を溶接して組立てたスラブの圧
    延に際し、1100〜1250℃の温度範囲に加熱後、
    表面温度が900℃以上で圧延を一旦中断し、5〜40
    ℃/秒の冷却速度で表面温度が200〜800℃になる
    まで水冷した後、30〜500秒間空冷し、引きつづき
    圧延を行い、板厚中心部が900℃以上の温度で圧延を
    終了した後、30〜200秒間空冷し、5〜40℃/秒
    の冷却速度で表面温度が550℃以下の任意の温度まで
    冷却し、その後空冷することを特徴とする低温靱性の優
    れたクラッド鋼板の製造法。
JP2240191A 1991-02-15 1991-02-15 低温靱性の優れたクラッド鋼板の製造法 Withdrawn JPH04263016A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100415656B1 (ko) * 1996-11-27 2004-05-14 주식회사 포스코 고온강도특성이우수한인장강도58kgf/mm2급건축용강재의제조방법
JP2009235492A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Toshihiko Koseki 複層鋼およびその製造方法
JP2014101568A (ja) * 2012-11-22 2014-06-05 Jfe Steel Corp 溶接部靭性に優れた高靭性高耐食性Ni合金クラッド鋼板及びその製造方法
JP2015224376A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 Jfeスチール株式会社 低yrクラッド鋼板及びその製造方法
JP2022506814A (ja) * 2018-11-29 2022-01-17 宝山鋼鉄股▲ふん▼有限公司 スーパー二相ステンレスクラッド鋼板及びその製造方法
CN114134407A (zh) * 2021-06-04 2022-03-04 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种易焊接心部低温韧性优良的蜗壳用钢板及其制造方法

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