JP3612115B2 - 低温靭性に優れた超高強度鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、950MPa以上の引張強さ(TS)を有する低温靭性および溶接性に優れた超高強度鋼に関するもので、天然ガス・原油輸送用ラインパイプをはじめ、各種圧力容器、産業機械などの溶接用鋼材として広く使用できる。
【0002】
【従来の技術】
原油・天然ガスを長距離輸送するパイプラインに使用するラインパイプは、高圧化による輸送効率の向上や、薄肉化による現地での溶接能率向上のためますます高張力化する傾向にある。これまでに米国石油協会(API)規格でX80(降伏強さ551MPa以上、引張強さ620MPa以上)までのラインパイプの実用化が進行中であるが、さらに高強度のラインパイプに対するニーズが強くなってきた。
【0003】
現在、超高強度ラインパイプ製造法の研究は、従来のX80ラインパイプの製造技術(例えば、NKK技報 No.138(1992),pp24−31およびThe 7th Offshore Mechanics and Arctic Engineering (1988),Volume V,pp179−185)を基本に検討されているが、これはせいぜい、X100(降伏強さ689MPa以上、引張強さ760MPa以上)ラインパイプの製造が限界と考えられる。
【0004】
パイプラインの超高強度化は強度・低温靭性バランスをはじめとして、溶接熱影響部(HAZ)靭性、現地溶接性、継手軟化など多くの問題を抱えており、これらを克服した画期的な超高強度ラインパイプ(X100超)の早期開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶接部および母材の低温靭性、現地溶接性などの諸特性を同時に達成できる引張強さ950N/mm2 以上(API規格X100超)の超高強度ラインパイプ用鋼板の製造技術を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の事項をその要旨としている。
重量%で、
C :0.05〜0.10%、 Si:0.6%以下、
Mn:1.7〜2.5%、 P :0.015%以下、
S :0.003%以下、 Ni:0.1〜1.0%、
Mo:0.15〜0.60%、 Nb:0.01〜0.10%、
Ti:0.005〜0.030%、 B :0.0003〜0.0020%
Al:0.06%以下、 N :0.001〜0.006%、
O :0.003%以下
を含有し、必要に応じて、V:0.01〜0.10%、Cu:0.1〜0.7%、Cr:0.1〜0.6%、Ca:0.001〜0.005%の一種または二種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつP=2.1C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Moが2.5≦P≦4.0を満足する鋼片を950〜1050℃の温度に再加熱後、800℃以下の累積圧下量が70%以上、かつAr3点〜Ar1点のフェライト・オーステナイト2相域の累積圧下量が50%以上で、圧延終了温度が650〜800℃となるように圧延を行い、その後空冷または10℃秒以上の冷却速度で500℃以下任意の温度まで冷却する低温靭性に優れた超高強度鋼板の製造方法。
【0007】
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の超高強度鋼板の製造方法について述べる。
本発明方法の特徴は、(1)低C−高Mn−Nb−B−Ti系鋼を、(2)オーステナイトの低温域に加熱後、(3)オーステナイト−フェライト2相域で厳格に制御圧延した後、空冷または加速冷却することにより、微細な加工フェライト+マルテンサイト・ベイナイトの混合組織とするところにあり、これによって超高強度と優れた低温靭性、現地溶接性を同時に達成している。さらに、加工フェライト+マルテンサイト・ベイナイトの混合組織は、溶接部の軟化に対しても有効である。
【0008】
従来より、低C−高Mn−Nb−微量B−微量Ti鋼は微細なベイナイト主体の組織を有するラインパイプ用鋼としてよく知られているが、この引張強さの上限はせいぜい750MPaが限界であった。さらに高強度化するためには、(1)C量や合金元素量を増加させること、(2)900℃以上の高温から焼入れ−焼戻し処理すること、が必要であるが、母材やHAZの低温靭性は不十分となる。
【0009】
本発明者らは、Nb−B鋼において、化学成分、加熱・圧延・冷却条件を厳密に制御することにより、超高強度と優れた低温靭性が達成できることを見い出した。本発明鋼の特徴は、(1)焼戻し処理なしでも優れた超高強度、低温靭性が得られること、(2)焼入れ・焼戻し処理鋼に比較して降伏比が低く、鋼管の成形性、低温靭性に著しく優れること、などが挙げられる。また、本発明では、鋼板の状態で降伏強さが低くても、鋼管成形によって降伏強さが上昇し、目標とする降伏強さを得ることが可能である。
【0010】
すなわち、引張強さ950MPa以上の超高強度を達成するために、鋼材のミクロ組織を一定量以上のマルテンサイト・ベイナイトとフェライトの混合組織として、また加工フェライトを導入して、転位強化、サブグレイン強化する必要がある。
【0011】
さらに、優れた低温靭性を達成するためには、組織を微細化して、かつ加工フェライトの導入によりシャルピー衝撃試験などの試験片破面にセパレーションが発生し、破面遷移温度は飛躍的に低下する。ここで、セパレーションとは、衝撃試験時に生ずる板面に平行な層状剥離現象であり、脆性き裂先端での3軸応力度を低下させることによって脆性き裂の伝播停止特性を向上させると考えられている。
以上により、従来低温靭性が劣ると考えられていたNb−B鋼のマルテンサイト・ベイナイトとフェライト硬軟混合組織の強度・低温靭性バランスの大幅な向上に成功した。
【0012】
次に、本発明の製造条件の限定理由について説明する。
本発明方法では、鋼片を950〜1050℃の温度範囲に再加熱後、800℃以下の累積圧下量が70%以上、かつAr3点〜Ar1点のフェライト−オーステナイト2相域の累積圧下量が50〜100%で、圧延終了温度が650〜800℃となるように圧延を行う。その後空冷または10℃/秒以上の冷却速度で、500℃以下任意の温度まで冷却する。
【0013】
鋼片(スラブ)の再加熱温度は、950〜1050℃とする必要がある。これは鋼片の再加熱時の初期オーステナイト粒を小さく保ち、圧延組織を微細化するためである。さらに、初期オーステナイト粒が小さいほど微細フェライト−マルテンサイトの2相組織化が起こりやすいからである。1050℃は再加熱時のオーステナイト粒が粗大化しない上限の温度である。一方、加熱温度が低過ぎると合金元素が十分に溶体化されず、所定の材質が得られない。また、鋼片を均一に加熱するために長時間の加熱が必要となること、さらには圧延時の変形抵抗が大きくなることから、エネルギーコストが増大して、好ましくない。このため、再加熱温度の下限を950℃とする。
【0014】
再加熱した鋼片は800℃以下の累積圧下量が70%以上、かつAr3点〜Ar1点のフェライト−オーステナイト2相域の累積圧下量が50〜100%で、圧延終了温度が650〜800℃となるように圧延しなければならない。800℃以下の累積圧下量を70%以上とする理由は、オーステナイト未再結晶域での圧延を強化し、変態前のオーステナイト組織の微細化をはかり、変態後の組織をフェライト−マルテンサイト・ベイナイトの混合組織とするためである。引張強さが950MPa以上となる超高強度ラインパイプではとくに安全上、従来にも増して高靭性を必要とするので、その累積圧下量は70%としなければならない。累積圧下量は大きいほど望ましく、その上限については限定しない。
【0015】
さらに、本発明方法では、フェライト−オーステナイト2相域の累積圧下量を50〜100%とし、圧延終了温度を650〜800℃とする。これはオーステナイト未再結晶域で細粒化したオーステナイト組織を一層微細化し、かつフェライトを加工してフェライトの強化と衝撃試験時にセパレーションの発生を容易にするためである。2相域の累積圧下量が50%以下では、セパレーションの発生が十分でなく、脆性き裂の伝播停止特性の向上は得られない。一方、累積圧下量が適切であっても、その圧延温度が不適切であると優れた低温靭性は達成できない。圧延終了温度が650℃以下では、加工によるフェライトの脆化も顕著となるので、圧延終了温度の下限を650℃とした。しかし、圧延終了温度が800℃以上では、オーステナイト組織の微細化やセパレーション発生が十分でないため、圧延終了温度の上限を800℃に限定した。
【0016】
圧延終了後、鋼板は空冷するかまたは10℃/秒以上の冷却速度で500℃以下任意の温度まで冷却する必要がある。本発明鋼では圧延後に空冷してもマルテンサイト・ベイナイトとフェライトの混合組織が得られるが、さらなる高強度化をはかるために10℃/秒以上の冷却速度で500℃以下任意の温度まで冷却しても差し支えない。10℃/秒以上の冷却速度で冷却する理由は、マルテンサイトの形成などによる変態強化、組織の微細化を図るためである。冷却速度が10℃/秒以下であったり、水冷停止温度が500℃以上であると、変態強化による強度・低温靭性バランスの向上が十分に期待できない。
【0017】
次に、成分元素の限定理由について説明する。
Cの下限0.05%は母材および溶接部の強度、低温靭性の確保ならびにNb、V添加による析出硬化、結晶粒の微細化効果を発揮させるための最小量である。しかし、C量が多過ぎると低温靭性、現地溶接性や耐サワー性の著しい劣化を招くので、上限を0.10%とした。
【0018】
Siは、脱酸や強度向上のため添加する元素であるが、多く添加すると現地溶接性、溶接熱影響部(HAZ)靭性を劣化させるので、上限を0.6%とした。鋼の脱酸はTiあるいはAlのみでも十分であり、Siは必ずしも添加する必要はない。
【0019】
Mnは、強度、低温靭性を確保する上で不可欠な元素であり、その下限は1.7%、好ましくは1.8%である。しかし、Mnが多過ぎると鋼の焼入性が増加して現地溶接性、HAZ靭性を劣化させるだけでなく、連続鋳造鋼片の中心偏析を助長し、低温靭性も劣化させるので上限を2.5%とした。
【0020】
Niは、低炭素の本発明鋼の強度を低温靭性や現地溶接性を劣化させることなく向上させるために添加する。Ni添加はMnやCr、Mo添加に比較して圧延組織(特にスラブの中心偏析帯)中に低温靭性、耐サワー性に有害な硬化組織を形成することが少なく、強度を増加させることが判明した。しかし、添加量が多すぎると、経済性だけでなく、現地溶接性やHAZ靭性などを劣化させるので、その上限を1.0%、下限は0.1%とした。Niは連続鋳造時、熱間圧延時におけるCuクラックの防止にも有効である。この場合、NiはCu量の1/3以上添加する必要がある。
【0021】
Moは、鋼の焼入れ性を向上させるために添加する。また、MoはNbと共存して制御圧延時にオーステナイトの再結晶を強力に抑制し、オーステナイト組織の微細化にも効果がある。このような効果を得るためには、Moは最低0.15%必要である。しかし、過剰なMo添加はHAZ靭性、現地溶接性を劣化させるので、その上限を0.6%とした。
【0022】
Bは、極微量で鋼の焼入れ性を飛躍的に高め、本発明において必要不可欠の元素である。後述のP値において1に相当する、すなわち1%Mnに相当する効果がある。さらに、BはMoの焼入れ性向上効果を高めると共に、Nbと共存して相乗的に焼入れ性を増す。このような効果を得るためには、Bは最低でも0.0003%必要である。一方、過剰に添加すると、低温靭性を劣化させるだけでなく、かえってBの焼入れ性向上効果を消失せしめることもあるので、その上限を0.0020%とした。
【0023】
Nbは、制御圧延において結晶粒の微細化や析出硬化に寄与し、鋼を強靭化する作用を有する。しかし、Nbを0.10%以上添加すると、現地溶接性やHAZ靭性に悪影響をもたらすので、その上限を0.10%とした。
【0024】
Tiは、微細なTiNを形成し、スラブ再加熱時および溶接HAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制してミクロ組織を微細化し、母材およびHAZの低温靭性を改善する。このようなTiNの効果を発現させるためには、最低0.005%のTi添加が必要である。しかし、Ti量が多過ぎると、TiNの粗大化やTiCによる析出硬化が生じ、低温靭性が劣化するので、その上限は0.030%に限定しなければならない。
【0025】
Alは、通常脱酸剤として鋼に含まれる元素であり、組織の微細化にも効果を有する。しかし、Al量が0.06%を超えるとAl系非金属介在物が増加して鋼の清浄度を害するので、上限を0.06%とした。脱酸はTiあるいはSiでも可能であり、Alは必ずしも添加する必要はない。
【0026】
さらに、本発明では、不純物元素であるP、SおよびO量をそれぞれ、0.015%以下、0.003%以下および0.003%以下とする。この主たる理由は母材、HAZ靭性の低温靭性をより一層向上させるためである。P量の低減は連続鋳造スラブの中心偏析を低減し、粒界破壊を防止し低温靭性を向上させる。また、S量の低減は、延伸化したMnSを低減して、耐サワー性や延靭性を向上させる効果がある。O量の低減は、鋼中の酸化物を少なくして、耐サワー性や低温靭性の改善に効果がある。したがって、P,S,O量は低いほど好ましい。
【0027】
Nは、TiNを形成してスラブ再加熱時および溶接HAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制して母材、HAZの低温靭性を向上させる。このために必要な最小量は0.001%である。しかし、多過ぎるとスラブ表面疵や固溶NによるHAZ靭性の劣化の原因となるので、その上限は0.006%に抑える必要がある。
【0028】
次に、V、Cu、Cr、Caを添加する理由について説明する。
基本となる上述した成分にさらにこれらの元素を添加する主たる目的は本発明鋼の優れた特徴を損なうことなく、製造可能な板厚の拡大や母材の強度・靭性などの特性の向上をはかるためである。したがって、その添加量は自ら制限されるべき性質のものである。
【0029】
Vは、ほぼNbと同様の効果を有するが、その効果はNbに比較して弱い。しかし、超高強度鋼におけるV添加の効果は大きく、NbとVの複合添加は本発明鋼の優れた特徴をさらに顕著なものとする。Vはフェライトの加工(熱間圧延)によって歪誘起析出し、フェライトを著しく強化することがわかった。下限は0.01%、その上限は現地溶接性、HAZ靭性の点から0.10%まで許容できる。
【0030】
Cuは、Niとほぼ同様な効果を持つとともに、耐食性、耐水素誘起割れ特性の向上にも効果がある。また、Cu析出硬化によって強度を大幅に増加させる。しかし、過剰に添加すると析出硬化により母材、HAZの靭性低下や熱間圧延時にCuクラックが生じるので、その上限を1.0%、好ましくは0.7%とした。
【0031】
Crは、母材、溶接部の強度を増加させるが、多過ぎると現地溶接性やHAZ靭性を著しく劣化させる。このため、Cr量の上限は0.6%である。
Cu、Cr量の下限0.1%は、それぞれの元素添加による材質上の効果が顕著になる最小量である。
【0032】
Caは、硫化物(MnS)の形態を制御し、低温靭性を向上(シャルピー試験における吸収エネルギーの増加など)させる。特に、衝撃試験でのセパレーションを利用する本発明鋼ではシャルピー試験などの吸収エネルギーは低下する傾向にあるので、Caの添加は必須である。しかし、Ca量が0.001%以下では実用上効果がなく、また0.005%を超えて添加するとCaO−CaSが大量に生成してクラスター、大型介在物となり、鋼の清浄度を害するだけでなく、現地溶接性にも悪影響をおよぼす。このため、Ca添加量を0.001〜0.005%に制限した。なお、超高強度鋼ではS,O量をそれぞれ0.001%、0.002%以下に低減し、ESSP=(Ca)〔1−124(O)〕/125(S)を0.5≦ESSP≦10.0とすることが特に有効である。
【0033】
以上の個々の添加元素の限定に加えて本発明では、さらにP=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Moを2.5≦P≦4.0に制限する。これはHAZ靭性、現地溶接性を損なうことなく、目標とする強度・低温靭性バランスを達成するためである。P値の下限を2.5としたのは950N/mm2 以上の強度と優れた低温靭性を得るためである。また、P値の上限を4.0としたのは優れたHAZ靭性、現地溶接性を維持するためである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施例により説明する。
転炉−連続鋳造法で種々の鋼成分の鋼片から種々の製造法により鋼板を製造して、諸性質を調査した。鋼板の機械的性質は、圧延と直角方向で調査した。
HAZ靭性は、入熱5kJ/mm相当の再現熱サイクルを付与して調査した(最高加熱温度:1400℃、800〜500℃の冷却時間:25秒)。
【0035】
また、現地溶接性は、Y−スリット溶接割れ試験(JIS G3158)においてHAZの低温割れ防止に必要な最低予熱温度で評価した(溶接方法:ガスメタルアーク溶接、溶接棒:引張強さ100MPa、入熱:0.5kJ/mm、溶着金属の水素量:3cc/100g)。
【0036】
本発明の実施例を、比較例と共に、表1に示す。
本発明方法にしたがって製造した鋼板(鋼No.1〜8)は、優れた強度・低温靭性を有する。これに対し、比較鋼(鋼No.9〜22)は、化学成分または鋼板製造条件が適切でなく、いずれかの特性が劣る。
【0037】
鋼9は、C量が多過ぎるため、低温靭性(シャルピー吸収エネルギー、遷移温度)、HAZ靭性が劣り、かつ溶接時の予熱温度も高い。
鋼10は、Mn量、P値が高過ぎるため、母材およびHAZ靭性が劣り、かつ溶接時の予熱温度も著しく高い。
鋼11は、Nbが添加されていないため、Nb添加鋼よりもやや強度が低く、シャルピー遷移温度が高く(強度・低温靭性バランスが悪い)、またHAZ靭性も劣る。
【0038】
鋼12は、Tiが添加されていないため、シャルピー遷移温度が高く、HAZ靭性が劣る。
鋼13は、B量が多過ぎるため、低温靭性が劣化する。
【0039】
鋼14は、B量が少な過ぎるため、目標とする強度が達成できない。
鋼15は、Mo量が多過ぎるために溶接時に予熱を必要とする。
【0040】
鋼16は、化学成分は適当であるが、製造条件中の鋼片再加熱開始温度が高過ぎるため、シャルピー遷移温度が高い。
鋼17は、鋼片の再加熱温度が低過ぎるため、容体化が不十分で強度が低い。
鋼18は、900℃以下の累積圧下量が少な過ぎるため、低温靭性が今一歩である。
【0041】
鋼19は、オーステナイト−フェライト2相域での累積圧下量が少な過ぎるため、シャルピー遷移温度が高い。
鋼20は、2相域での圧延がなく圧延終了温度が高過ぎるため、低温靭性が劣る。
鋼21は、圧延終了温度が低過ぎるため、低温靭性が劣る。
鋼22は、水冷停止温度が高過ぎるため強度が低い。
【0042】
【発明の効果】
本発明により低温靭性、現地溶接性が優れた超高強度の鋼板が安定して製造できるようになった。その結果、パイプラインの安全性が著しく向上するとともに、パイプラインの施工能率、輸送効率の飛躍的な向上が可能となった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
Claims (2)
- 重量%で、
C :0.05〜0.10%、 Si:0.6%以下、
Mn:1.7〜2.5%、 P :0.015%以下、
S :0.003%以下、 Ni:0.1〜1.0%、
Mo:0.15〜0.60%、 Nb:0.01〜0.10%、
Ti:0.005〜0.030%、 B :0.0003〜0.0020%、
Al:0.06%以下、 N :0.001〜0.006%、
O :0.003%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
下記の式で定義されるP値が2.5〜4.0の範囲にある鋼片を950〜1050℃の温度に再加熱後、800℃以下の累積圧下量が70%以上、かつAr3点〜Ar1点のフェライト−オーステナイト2相域の累積圧下量が50%以上で、圧延終了温度が650〜800℃となるように圧延を行い、その後空冷または10℃/秒以上の冷却速度で500℃以下任意の温度まで冷却することを特徴とする引張強さが950MPa以上の低温靭性に優れた超高強度鋼板の製造方法。
P=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo - 重量%で、
C :0.05〜0.10%、 Si:0.6%以下、
Mn:1.7〜2.5%、 P :0.015%以下、
S :0.003%以下、 Ni:0.1〜1.0%、
Mo:0.15〜0.60%、 Nb:0.01〜0.10%、
Ti:0.005〜0.030%、 B :0.0003〜0.0020%、
Al:0.06%以下、 N :0.001〜0.006%、
O :0.003%以下
および、V:0.01〜0.10%、Cu:0.1〜0.7%、Cr:0.1〜0.6%、Ca:0.001〜0.005%の一種または二種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
下記の式で定義されるP値が2.5〜4.0の範囲にある鋼片を950〜1050℃の温度に再加熱後、800℃以下の累積圧下量が70%以上、かつAr3点〜Ar1点のフェライト−オーステナイト2相域の累積圧下量が50%以上で、圧延終了温度が650〜800℃となるように圧延を行い、その後空冷または10℃/秒以上の冷却速度で500℃以下任意の温度まで冷却することを特徴とする引張強さが950MPa以上の低温靭性に優れた超高強度鋼板の製造方法。
P=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo
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1995
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