本発明を具体化した一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。以下説明において、図1の紙面手前側、紙面奥行き側を、夫々、パチンコ機1の前面側、背面側とする。パチンコ機1は、所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式遊技機である。
図1,図2を参照して、パチンコ機1の構成について説明する。パチンコ機1は、例えば外枠5、中枠11、前枠12、表枠13等からなる筐体を備える。外枠5は、正面視で縦長略長方形状をなす枠体であり、パチンコ機1の土台を形成する。中枠11は、外枠5の遊技者に対向する前面側に設けられ、外枠5に対して開閉可能に軸支されている。中枠11の前面の上半分には、正面視正方形状の遊技盤2が設置され、その前面側に表枠13が開閉可能に設けられている。
表枠13の略中央には、遊技盤2の前面に対向して配置される略円形のガラス窓19が設けられている。表枠13におけるガラス窓19の左右両側には、装飾ランプ47が各々設けられている。表枠13の右上及び左上のコーナ部分には、スピーカ48が各々設けられている。表枠13の下方には、正面視で横長長方形状の前枠12が、中枠11に対して開閉可能に設けられている。前枠12の右下部分には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は後述する発射装置56(図3参照)に接続されている。
前枠12の中央部には、遊技者が各種操作を行うための操作ユニット30が設けられている。操作ユニット30では、前方に向けて略直方体状に突出する操作台31の上面側に、タッチパネル32、球貸しボタン34、返却ボタン35、休憩ボタン36が設けられている。タッチパネル32は、例えば、遊技者が使用可能な遊技球の数量(持球数)、後述のカードユニット9に挿入された現金の残高情報、景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球の数量(貯玉数)など、各種の遊技情報を表示可能である。従って、実際の遊技球の払い出しがなくても、遊技者はタッチパネル32を参照して持球数などを常時確認できる。
球貸しボタン34は、遊技球の払い出し(球貸し)を受ける際に、遊技者が押下するためのボタンである。返却ボタン35は、後述のカードユニット9に挿入されたカードC(図2参照)の返却を受ける際に、遊技者が押下するためのボタンである。休憩ボタン36は、例えば休憩でパチンコ機1から離れるときに、遊技者が押下するためのボタンである。本実施形態では、休憩ボタン36が押下されると、カードCがカードユニット9から排出されるとともに、パチンコ機1が第三者によって使用できない状態(占有状態)に制御される。
遊技盤2の前面には、発射ハンドル7によって打ち出された遊技球が流下する略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される演出表示装置28が配設されている。演出表示装置28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示可能な表示面を有する。特に、演出表示装置28は、大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(例えば、3つ)のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
演出表示装置28の下方には、始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に遊技球が入賞すると、大当たり判定が実行される。始動入賞口14の下方には、大入賞口15が設けられている。大当たり判定の結果が大当たりである場合、大入賞口15が開放され、遊技球が入賞可能となる。始動入賞口14および大入賞口15のいずれかに遊技球が入賞すると、所定数の遊技球(賞球)が付与される。本実施形態では、パチンコ機1から遊技球自体の払い出しは行われないため、付与された賞球はタッチパネル32に表示される持球数(クレジット数ともいう)に加算される。大入賞口15の下方にはアウト口16が設けられている。
遊技領域4の右斜め下部には、図柄表示部29が設けられている。図柄表示部29は、特別図柄の変動表示によって大当たり判定の結果を表示する特別図柄表示部や、特別図柄作動保留球数を表示する特別図柄記憶数表示部などを含む。特別図柄作動保留球数は、始動入賞口14に入賞し、且つ特別図柄表示部に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
パチンコ機1には、カードユニット9が併設されている。カードユニット9には、 カード挿入口101、現金投入口102などが設けられている。 カード挿入口101には、遊技者が所有するカードCを挿脱可能である。本実施形態のカードCは、遊技者またはカードに固有の識別情報を記憶したICカードである。現金投入口102には、遊技者が遊技球の払い出し(球貸し)を受ける際の対価となる現金を投入可能である。
先述のタッチパネル32には、現金投入口102に投入された現金のうちで、遊技者が遊技球の払い出し(球貸し)を受けるために支払うことができる残高情報が表示される。先述の球貸しボタン34が押下されると、タッチパネル32に表示されている残高情報から所定金額(例えば、500円)が減算されて、所定数(例えば、125個)の遊技球がパチンコ機1に供給される。
図3を参照して、回収された遊技球がパチンコ機1を循環する構造について説明する。発射装置56から打ち出された遊技球は、遊技盤2上に形成された遊技領域4を流下する。遊技を終え、回収された遊技球は球排出流路21を流下する。球排出流路21を流下した遊技球は球循環装置20内に流入する。遊技球は球循環装置20内を循環し、発射装置56に搬送されて該装置56から再び遊技領域4へ打ち出される。
球循環装置20の内部構造について説明する。図3に示すように、球循環装置20は遊技領域4の下方に配設されている。球循環装置20は、球入口71、研磨流路22、研磨装置60、排出流路23、バイパス流路25、流路切替装置50、貯留部59、及び球出口72等を備える。球入口71は回収された遊技球を球循環装置20に流入する。研磨流路22には球入口71から流入した遊技球が流下する。研磨装置60は遊技球を揚送しながら研磨する。排出流路23には研磨装置60から排出された遊技球が流下する。貯留部59は排出流路23を流れた複数の遊技球を貯留する。球出口72からは球循環装置20を循環し終えた遊技球が排出され、発射装置56に供給される。
バイパス流路25は、その両端部が、研磨流路22の途中に設けた分岐部75と、排出流路23の途中に設けた合流部76とに夫々接続されている。バイパス流路25は、研磨流路22と排出流路23とをバイパスし、研磨装置60を迂回する。流路切替装置50は、流路切替板26、及び流路切替ソレノイド27を備える。流路切替ソレノイド27は例えば通電のオンオフにより流路切替板26の位置を変更する。例えば、流路切替板26を上方に回動して位置付けた場合、バイパス流路25は流路切替板26によって閉じられる。この場合、遊技球は研磨流路22に沿ってそのまま流れ、研磨装置60に供給される。その反対に、流路切替板26を略水平に回動して位置付けた場合、研磨流路22は流路切替板26によって閉じられる。この場合、遊技球は分岐部75からバイパス流路25に流れ、そのまま排出流路23に流れる。このように、流路切替装置50は分岐部75における遊技球の流路を速やかに切り替え可能である。
研磨流路22を流れた遊技球は研磨装置60で研磨され、排出流路23に流れる。バイパス流路25を流れた遊技球は、研磨装置60を迂回して排出流路23の合流部76で合流する。本実施形態は、発射装置56における遊技球の発射頻度に応じて、流路切替板26の位置を切り替え、バイパス流路25を適宜利用する。これにより研磨装置60に供給される遊技球が減少するので、研磨装置60にかかる負荷を軽減できる。
また、研磨流路22には球検出センサ54が設けられている。球検出センサ54は、例えば研磨流路22の下流側かつ研磨装置60の導入口67付近に配置されている。球検出センサ54は、例えば研磨装置60の稼動開始、球詰まり検知、発射頻度の検出等に用いられる。排出流路23の途中には貯留球センサ55が設けられている。貯留球センサ55は例えば貯留部59に遊技球が過剰に貯留され、排出流路23の途中まで達したのを検知して、研磨モータ58を停止する為に用いられる。
そして、遊技球は発射装置56から遊技領域4へ打ち出される。発射流路には発射球検出センサ51が設けられている。発射球検出センサ51は発射装置56の発射球数を検出する。遊技領域4に達した遊技球は、障害物との衝突により落下方向を変えながら遊技領域4の最下部に形成されているアウト口16に向かって落下する。一部の遊技球は入賞口14又は大入賞口15に落下の途中で入賞する。アウト口16から排出された遊技球及び入賞口14又は大入賞口15等から排出された遊技球は、遊技盤2の裏側に設けられたアウト球排出流路を流下して回収される。アウト口16及び入賞口14又は大入賞口15から排出された遊技球のことをアウト球という。
一方、遊技領域4まで達しなかった遊技球は、ファール球としてファール球排出流路を流下して回収される。ファール球排出流路にはファール球検出センサ53が設けられている。ファール球検出センサ53はファール球数を検出する。アウト球排出流路とファウル球排出流路は共に球排出流路21に接続されている。回収された遊技球(アウト球、ファウル球)は、球排出流路21を流れ、球循環装置20の球入口71へ流入する。球入口71に流入した遊技球は研磨流路22を流下する。上記のように、流路切替装置50によって流路が研磨流路22側に切り替えられている場合、遊技球はそのまま研磨流路22を流下する。該流路22を通過する遊技球は球検出センサ54によって検出される。研磨流路22を流下した遊技球は、研磨装置60の下部に設けられた導入口67に流入する。なお流路切替装置50によって流路がバイパス流路25側に切り替えられている場合、遊技球は分岐部75からバイパス流路25を流下する。
図3を参照して、研磨装置60の構造について説明する。研磨装置60は、流入した遊技球を研磨しながら該装置60の上部へと搬送する。研磨装置60は、ベース61、筐体62、スクリュー部材63、研磨モータ58、研磨部材65等を備える。ベース61は土台である。筐体62はベース61上に立設され、例えば筒状体である。筐体62の上下部は塞がれている。筐体62の下部には導入口67が設けられている。導入口67は遊技球を筐体62内に流入させる為の開口である。筐体62の上部には排出口68が設けられている。排出口68は筐体62内で研磨されながら揚送された遊技球を排出する為の開口である。スクリュー部材63は筐体62内に回転自在に設けられている。スクリュー部材63は複数の羽根を備える。取り込んだ遊技球は、スクリュー部材63の回転によって順次上部へと揚送される。
研磨部材65は例えば筐体62の内周面に設けられている。研磨部材65は例えば円筒状に形成されている。研磨部材65は、例えば発泡性ゴム、スポンジ、研磨紙、研磨面を施した布等が適用可能である。遊技球の表面は研磨部材65の研磨面に接触する。それ故、遊技球はスクリュー部材63によって揚送されながらその表面が研磨される。研磨モータ58は研磨装置60の駆動手段である。研磨モータ58は例えばDCモータが利用可能である。研磨モータ58は例えばスクリュー部材63の軸に連結されている。スクリュー部材63は研磨モータ58の駆動によって回転する。研磨モータ58は後述するCPU41によって制御される。なお研磨モータ58はDCモータに限定されず、例えば、ステッピングモータ等でもよい。研磨装置60の上部まで搬送された遊技球は排出口68から排出される。
研磨装置60の排出口68から排出された遊技球は排出流路23へ流入する。なおバイパス流路25を流下した遊技球は、合流部76において排出流路23に合流し、排出流路23を流下する。排出流路23に流入した遊技球は、発射装置56へ送り出される遊技球として貯留部59に貯留される。貯留部59は例えば幾重にも屈曲した流路を備え、該流路内に複数の遊技球を貯留できる。なお後述するが、貯留部59から遊技球が溢れ、貯留球センサ55によって検出された場合は研磨装置60は停止される。貯留部59内に貯留された遊技球は、発射装置56から発射される遊技球の発射タイミングに同期して球出口72から発射装置56へ送り出される。送り出された遊技球は、再度、新たな発射球として発射装置56から打ち出される。
図4を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1は制御部40を備える。制御部40は、CPU41、ROM42、RAM43、乱数発生部44、インターフェイス回路群45、及び外部インターフェイス46等を備える。CPU41は、パチンコ機1の各種の制御処理を行う。ROM42は各種制御プログラム等を記憶する。RAM43は各種データを一時的に記憶する。乱数発生部44は大当たり判定を行うための大当たり判定用乱数を含む各種乱数を発生させる。インターフェイス回路群45は、パチンコ機1に設けられた各種機器と電気的に接続する。外部インターフェイス46は、外部機器と接続する。
インターフェイス回路群45には、発射ハンドル7、発射球検出センサ51、入賞球検出センサ52、ファール球検出センサ53、球検出センサ54、貯留球センサ55、タッチパネル32、演出表示装置28、図柄表示部29、装飾ランプ47、スピーカ48、発射装置56、大入賞口ソレノイド57、研磨モータ58、流路切替ソレノイド27、球貸しボタン34、返却ボタン35等が夫々接続されている。CPU41はインターフェイス回路群45を介してデータや信号(コマンド)を送受信してこれらの機器を駆動制御する。
発射装置56は、発射ハンドル7の操作に応じて、発射位置の遊技球を遊技領域4に向けて打ち出す。大入賞口ソレノイド57は、大当たり判定によって大当たりであると判定された場合に大入賞口15を開放する。入賞球検出センサ52は、始動入賞口14や大入賞口15に入賞した遊技球を検出する。外部インターフェイス46には、カードユニット9が接続されている。CPU41は、外部インターフェイス46を介して、カードユニット9とデータや信号(コマンド)を送受信する。
図5を参照して、RAM43の各種記憶領域について説明する。RAM43は、例えば発射球数記憶領域431、発射頻度記憶領域432等を備える。発射球数記憶領域431は、発射球検出センサ51によって検出された発射球数を記憶する。発射頻度記憶領域432は、後述する発射頻度検出処理中に算出した現在の発射頻度を記憶する。なお発射頻度とは、例えば発射装置56から発射された単位時間あたりの発射球数である。単位時間は例えば1分間である。
図6を参照して、CPU41によって実行される発射頻度検出処理について説明する。例えば球検出センサ54によって遊技球が最初に検出された場合、CPU41は、ROM42に記憶された「発射頻度検出プログラム」を読み出して本処理を実行する。先ず、CPU41は発射球数nを初期化する(S1)。発射球数nは例えばRAM43の発射球数記憶領域431に記憶する。続いてCPU41は発射球検出センサ51によって遊技球が検出されたか否か判断する(S2)。遊技球が検出された場合(S2:YES)、発射装置56から遊技球が発射されたので、発射球数nに1加算する(S3)。遊技球が検出されない場合(S2:NO)、何もせずに、処理を後述するS4に進める。
次いで、CPU41は例えば本処理を実行してから所定時間が経過したか否か判断する(S4)。所定時間は例えば30秒とする。所定時間がまだ経過していない場合(S4:NO)、遊技が終了したか否か判断する(S8)。遊技中である場合は(S8:NO)、S2に戻り、所定時間が経過するまで発射球数nを随時更新して処理を繰り返す(S2〜S4、S8)。
そして、所定時間が経過したと判断した場合(S4:YES)、発射頻度を算出する(S5)。上記の通り、発射頻度は単位時間あたりの発射球数である。例えば所定時間を30秒に設定した場合、発射球数nを2倍した値が発射頻度となる。CPU41は算出した発射頻度を、RAM43の発射頻度記憶領域432に記憶して更新する(S6)。なお所定時間については変更可能である。
次いで、CPU41は遊技が終了したか否か判断する(S7)。遊技がまだ継続中である場合(S7:NO)、S1に戻り、再度RAM43に記憶された発射球数nを初期化して、次の所定時間における発射球数を検知する(S2〜S4、S8)。なお遊技が途中で終了した場合(S8:YES)、本処理を終了する。
そして、CPU41は遊技中において所定時間経過毎に発射頻度を算出し(S1〜S5、S8)、RAM43に記憶する発射頻度を随時更新する(S6)。それ故、RAM43の発射頻度記憶領域432には現在の発射頻度が随時更新される。CPU41は遊技が終了した場合は(S7:YES)、本処理を終了する。
図7を参照して、CPU41によって実行される第1流路切替制御処理について説明する。本処理は、発射装置56における発射頻度に応じて流路切替板26の位置を制御することで、研磨流路又はバイパス流路に切り替える為の処理である。例えば球検出センサ54によって遊技球が最初に検出された場合、CPU41は、ROM42に記憶された「第1流路切替制御プログラム」を読み出して本処理を実行する。なお、これと同時に、研磨モータ58が駆動され、研磨装置60は研磨動作を開始する。
先ず、CPU41は流路切替板26によってバイパス流路25を閉じ、研磨流路22に切り替える(S40)。分岐部75において研磨流路22が開き、バイパス流路25が閉じる。球循環装置20の球入口71に流入した遊技球は研磨流路22を流下し、分岐部75を通過して、そのまま研磨装置60に供給される。次いで、CPU41は研磨装置60に球詰まりが生じているか否か判断する(S41)。研磨装置60に球詰まりが生じている場合、遊技球は研磨装置60を通過できない。それ故、研磨流路22の下流側に遊技球が溜まる。例えば研磨流路22の下流側に溜まった複数の遊技球が球検出センサ54の高さに達した場合、球検出センサ54は遊技球を検知し続けるので継続してON状態となる。それ故、CPU41は研磨装置60に球詰まりが発生したことを検知できる。なお球詰まりが生じていないと判断した場合(S41:NO)、処理を後述するS44に進める。
例えばパチンコ機1において大当たり状態となった場合、遊技者による発射装置56から遊技球を打ち出す球数は多くなる。よって、貯留部59には遊技球を溜めておく必要がある。そのような大当たり状態中に研磨装置60に球詰まりが生じた場合、研磨装置60からは遊技球を供給できないので、球排出流路21によって回収された遊技球を、研磨装置60を迂回して発射装置56にそのまま供給する必要がある。そこで、CPU41は研磨装置60に球詰まりが生じたと判断した場合(S41:YES)、流路切替板26によって研磨流路22を閉じ、バイパス流路25に切り替える(S42)。これにより遊技球はバイパス流路25を流れて、合流部76から排出流路23に合流し、発射装置56へと供給される。このように、研磨装置60で球詰まりが生じた場合は、バイパス流路25を使用できるので、発射装置56に遊技球を不足することなく供給できる。よって、遊技者の不利益は解消される。
なお、研磨装置60に球詰まりが生じている場合は、エラー信号等を出力して、ホール管理者等に報知するようにするとよい。ホール管理者はエラー信号を出力したパチンコ機1を特定し、研磨装置60の球詰まりを解消する作業を行う。
次いで、CPU41は球詰まりが解消したか否か判断する(S43)。上述のように、例えば球検出センサ54によって遊技球が継続的に検知され続けている場合は(S43:NO)、球詰まりがまだ解消されていないので、S43に戻って待機状態となる。そして、ホール管理者等によって球詰まりが解消され、遊技球の継続的なON状態が検知されなくなった場合(S43:YES)、RAM43に記憶される発射頻度が更新されたか否か判断する(S44)。なお遊技開始直後は、例えばデフォルトの発射頻度をRAM43に更新するとよい。遊技開始直後の発射頻度は一般的に高いので、少なくとも後述する所定値以上とするとよい。
そして、RAM43に記憶された発射頻度がまだ更新されていなければ(S44:NO)、遊技終了か否か判断する(S48)。遊技が終了した場合(S48:YES)、本処理を終了する。遊技がまだ継続中である場合(S48:NO)、S41に戻り、処理を繰り返す。
これとは逆に、遊技中にRAM43に記憶された発射頻度が更新された場合(S44:YES)、その発射頻度が所定値以上か否か判断する(S45)。所定値は例えばホール管理者によって適宜変更可能である。例えば発射装置56の最大処理能力を(100発/分間)とした場合、所定値を20(発/分間)としてもよい。CPU41は発射頻度が所定値以上と判断した場合(S45:YES)、遊技球は発射装置56からテンポ良く発射されているので、出来るだけ多くの遊技球を研磨するのが好ましい。この場合、流路切替板26によってバイパス流路25を閉じ、研磨流路22に切り替える(S46)。
一方、CPU41は発射頻度が所定値未満と判断した場合(S45:NO)、遊技球の発射頻度が比較的低いので、遊技球の表面はそれほど汚れていない可能性が高い。よって、必ずしも全ての遊技球を研磨する必要はない。そこで流路切替板26によって研磨流路22を閉じ、バイパス流路25に切り替える(S47)。よって、遊技球はバイパス流路25を流れて、合流部76から排出流路23に合流し、発射装置56へと供給される。バイパス流路25に切り替え中は、研磨装置60には遊技球が流れないので、研磨装置60にかかる負荷を確実に低減できる。研磨装置60の負荷を低減できるので、研磨装置60の寿命が延びることも期待できる。さらに研磨部材65の寿命も延びるので、研磨部材65の交換時期も長くなる。よって、ホール作業者の作業負担も軽減される。なおバイパス流路25に切り替え中は、研磨装置60の稼動(研磨モータ58)を停止するようにしてもよい。
次いで、CPU41は遊技が終了か否か判断する(S48)。遊技がまだ継続中である場合(S48:NO)、S41に戻り、処理を繰り返す。そして、研磨装置60に球詰まりが生じていなければ(S41:NO)、RAM43に記憶された発射頻度が更新される毎に(S44:YES)、その発射頻度に応じて研磨流路22及びバイパス流路25を使い分ける(S45〜S47)。遊技が終了した場合(S48:YES)、本処理を終了する。
上記説明において、図3の研磨部材65が本発明の「研磨部」の一例である。流路切替装置50が本発明の「流路切替手段」の一例である。図7のS46,S47の処理を実行するCPU41が本発明の「切替制御手段」の一例である。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1は、例えば所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式パチンコ機である。パチンコ機1は球循環装置20を備える。球循環装置20は研磨装置60を備える。例えば遊技領域4から回収された遊技球は、研磨流路22を流れて研磨装置60に供給される。研磨装置60で研磨された遊技球は排出流路23を流れて発射装置56に供給される。研磨流路22に設けられた分岐部75には、流路切替装置50が設けられている。流路切替装置50は、流路切替板26、流路切替ソレノイド27を備える。流路切替ソレノイド27は例えば通電のオンオフにより流路切替板26の位置を変更する。流路切替板26は分岐部75において研磨流路22及びバイパス流路25の一方を開く。CPU41は流路切替ソレノイド27を制御することにより、分岐部75における流路を切り替えることができる。さらに流路切替装置50の切替動作を制御で切り替えるので、バイパス流路への切り替えを良好に行うことができる。
また本実施形態は特に、発射装置56における遊技球の発射頻度に基づき、流路切替装置50の流路の切り替え動作を制御する。遊技球の汚れ度合いは例えば発射装置56における発射頻度によって変化する。その発射頻度に基づき、バイパス流路25を適宜使用することによって、研磨装置60の負荷を効果的に軽減できる。
また本実施形態は特に、発射頻度が所定値よりも低下した場合に、バイパス流路25に切り替える。例えば発射頻度が所定値より低下した場合、遊技球がパチンコ機1内部を通過する頻度が低下するので、遊技球は汚れ難くなる。この場合、分岐部75においてバイパス流路25に切り替える。それ故、研磨装置60の負荷を効果的に軽減できる。
また本実施形態は特に、例えば研磨装置60に球詰まりが生じ、球検出センサ54によって遊技球が継続的に検知された場合、分岐部75においてバイパス流路25に切り替える。例えば大当たり状態で、研磨装置60において球詰まりが起きた場合、遊技者に不利益が生じる。このような場合に、バイパス流路25を使用することによって、不利益が解消される。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、本発明は、封入式のパチンコ機の他に、封入式のアレンジボール遊技機、雀球遊技機等の弾球遊技機にも適用可能である。
また上記実施形態では、発射装置56における遊技球の発射頻度に基づき、流路切替装置50を制御し、分岐部75における流路を切り替えている。例えば、遊技時間帯によって切り替えるようにしてもよい。ホールによっても異なるが、一般的に、客入りは遊技時間帯が早いうちは少なく、時間が経つに連れて徐々に増える。それに応じて、遊技球の汚れも遊技時間帯に応じて顕著になる。そこで遊技時間帯毎にバイパス流路25を使用する頻度を予め設定し、その遊技時間帯に応じて流路切替装置50を制御してもよい。
そこで、遊技時間帯に応じて流路切替装置50を制御する変形例について説明する。本変形例は、後述する流路切替情報テーブル421(図8参照)を参照し、後述する第2流路切替制御処理を実行すること以外は、上記実施形態と同じである。そこで上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8を参照して、流路切替情報テーブル421について説明する。流路切替情報テーブル421は例えばROM42に記憶されている。流路切替情報テーブル421は、例えば遊技時間帯と流路切替情報とを夫々対応付けて記憶している。流路切替情報は、研磨流路22とバイパス流路25の単位時間あたりにおける各切替時間に関する情報である。具体的には1分間におけるバイパス流路切替時間(s)と研磨流路切替時間(s)とに関する情報である。
本実施形態は、遊技時間帯を5つの時間帯に分けている。例えば10:00(開店)〜12:00、12:01〜14:00、14:01〜16:00、16:01〜18:00、18:01〜23:00(閉店)の各時間帯である。例えば10:00〜12:00の時間帯では、バイパス流路切替時間を48秒、研磨流路切替時間を12秒とする。12:01〜14:00の時間帯では、バイパス流路切替時間を36秒、研磨流路切替時間を24秒とする。14:01〜16:00の時間帯では、バイパス流路切替時間を30秒、研磨流路切替時間を30秒とする。16:01〜18:00の時間帯では、バイパス流路切替時間を18秒、研磨流路切替時間を42秒とする。18:00〜23:00の時間帯では、バイパス流路切替時間を0秒、研磨流路切替時間を60秒とする。このように、遊技時間帯が遅くなるにつれて、1分間における研磨流路切替時間が長くなっている。なおこれらの値は一例であり、この他の時間であってもよい。
図9を参照して、CPU41によって実行される変形例である第2流路切替制御処理について説明する。例えば球検出センサ54によって遊技球が最初に検出された場合、CPU41は、ROM42に記憶された変形例である「第2流路切替制御プログラム」を読み出して本処理を実行する。なお、これと同時に、研磨モータ58が駆動され、研磨装置60は研磨動作を開始する。
先ず、CPU41は現在時間を取得する(S50)。現在時間に関する情報は、例えばホールの管理装置等の外部機器から取得してもよく、又はパチンコ機1に設けられた図示外のタイマ等を利用してもよい。CPU41は、流路切替情報テーブル421を参照し、取得した現在時間の遊技時間帯を特定する(S51)。現在時間が例えば17:30であった場合、遊技時間帯は16:01〜18:00の時間帯である。次いでCPU41は特定した時間帯に対応する流路切替情報を、流路切替情報テーブル421から取得する(S52)。16:01〜18:00の時間帯の流路切替情報は、バイパス流路切替時間を18秒、研磨流路切替時間を42秒とする情報である。なお取得した流路切替情報はRAM43に一旦記憶してもよい。
そして、CPU41は取得した流路切替情報に基づき、流路切替装置50の流路切替動作を実行する(S53)。例えば16:01〜18:00の時間帯の流路切替動作は、1分間で、バイパス流路25を18秒開き、研磨流路22を42秒開く動作である。この流路切替動作を1分毎に繰り返して実行する。
次いで、CPU41は研磨装置60に球詰まりが生じているか否か判断する(S54)。球詰まりが生じていないと判断した場合(S54:NO)、処理を後述するS57に進める。CPU41は研磨装置60に球詰まりが生じていると判断した場合(S54:YES)、流路切替板26によって研磨流路22を閉じ、バイパス流路25に切り替える(S55)。これにより遊技球はバイパス流路25を流れて、合流部76から排出流路23に合流し、発射装置56へと供給される。
次いで、CPU41は球詰まりが解消したか否か判断する(S56)。球詰まりがまだ解消されていない場合は(S56:NO)、S56に戻って待機状態となる。そして、ホール管理者等によって球詰まりが解消され、遊技球の継続的なON状態が検知されなくなった場合(S56:YES)、現在時間を再度取得する(S57)。さらに取得した現在時間の遊技時間帯を特定する(S58)。ここで特定された遊技時間帯が前回と同じ遊技時間帯であった場合(S59:YES)、CPU41は遊技が終了か否か判断する(S60)。遊技がまだ継続中である場合(S60:NO)、S53に戻り、処理を繰り返す。
一方、取得した遊技時間帯が前回と異なる場合(S59:YES)、流路切替情報テーブル421を参照し、今回特定した時間帯に対応する流路切替情報を取得する(S52)。例えば今回の遊技時間帯が18:01〜20:00の時間帯であった場合、バイパス流路切替時間を0秒、研磨流路切替時間を60秒とする流路切替動作を実行する(S53)。特に遊技時間帯が夜である場合、遊技者である客入りも増えるので、回収した全ての遊技球を研磨装置60に供給するようにすれば、例えば遊技球の表面を綺麗な状態で翌日の営業を開始できる。そして、CPU41は遊技終了か否か判断し(S60)、遊技終了と判断した場合(S60:YES)、本処理を終了する。
なお本発明において、研磨装置の構造は、上記実施形態、上記変形例に限られない。上記実施形態では、筐体62内において遊技球をスクリュー部材63で揚送するものであるが、例えばベルトコンベアのようなもので筐体内を揚送するものでもよい。また遊技球を揚送するもの以外に、例えば所定の方向(例えば水平方向)に移動するものでもよい。また1個ずつ揚送するものに限らず、複数個をまとめて揚送するものでもよい。
また上記実施形態では、バイパス流路25を、研磨流路22と排出流路23との間に設けているが、例えば、研磨装置60の筐体62の上部に開口を設け、その開口にバイパス流路25の下流側の一端部を接続するようにしてもよい。このような方法によっても、遊技球は研磨部材65に接触しないので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また上記実施形態では、流路切替板26の位置を流路切替ソレノイド27で切り替える流路切替装置50を説明したが、これ以外の構成で流路を切り替えるようにしてもよい。例えば、モータの出力軸の回転によって、流路切替板26の位置を切り替えるようにしてもよい。また、流路をシャッターで開閉するようなものでもよい。