以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技用装置1の構成を示す正面図である。
遊技用装置1は、遊技機(パチスロ機)2、及び、これに隣接して設けられた遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(カード処理機)3よりなる。
遊技機2は、左側に蝶番を有し、この蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面枠4を備えている。前面枠4の背面側には、変動表示装置(可変表示装置)を構成する変動表示手段としての3個のリール(第1リール5a、第2リール5b、第3リール5c)が、回転自在に並んで配置されている。各リール5a〜5cの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表記されている。リール5a〜5cはリール用モータ5Ma〜5Mc(図2)によって駆動され、互いに独立して回転する。各リール用モータ5Ma〜5Mcは、例えば、ステッピングモータで構成される。そして、遊技機2は、リール5a〜5cの回転によって変動表示ゲームが行われ、変動表示の停止結果が、後述する有効ライン上において所定の表示態様(所定の図柄組合せ態様)となることによって、所定の遊技価値を遊技者に付与する。
前面枠4の略中央には、リール5a〜5cの回転によって変動表示(可変表示)する図柄を遊技者に視認させるための表示窓部6が設けられている。リール5a〜5cが停止すると、表示窓部6から、リール5a〜5cの外周面に表記された図柄列のうちそれぞれ3個の図柄が視認可能となる。つまり、リール5a〜5cが停止した状態で、表示窓部6から合計9個の図柄を視認することができる。
表示窓部6の上方には、補助ゲームが実行され、変動表示ゲームに関連する演出表示や情報表示を行う表示装置7が設けられている。表示装置7は、遊技機2とカードユニット3との接続状態に異常が発生した場合に、表示領域にその旨を表示する。表示装置7は表示制御装置220(図2)によって制御され、表示内容を変動する。なお、補助ゲームは、特定の結果を導出することで、変動表示ゲームにおいて特定入賞のフラグが成立したことを遊技者に報知することができる。
表示装置7の上方左右には、音出力装置8としてのスピーカが設けられている。スピーカは、音制御装置230(図2)によって制御され、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時に効果音を出力して、遊技の興趣を向上させる。
表示窓部6の下方には、7セグメントLED又は液晶ディスプレイよりなる払出枚数表示部9、遊技進行表示部10及びクレジット数表示部11が設けられている。払出枚数表示部9は、入賞が確定することにより得られるメダルの払出枚数、又は、後述の貸出ボタン13の操作によって遊技者に貸し出されるメダルの払出枚数を表示する。また、払出枚数表示部9は、遊技機2の動作に異常(例えば、メダル不足、メダル詰まり、遊技機2とカードユニット3との接続異常)が発生した場合に、予め設定したエラーコードを表示する。遊技進行表示部10は、アシスト(AT)状態(小役等の入賞フラグの状態、リール5a〜5cの特定の停止順等が遊技者に報知される遊技状態)中、BB状態中又はRB状態中の残りゲーム回数を表示する。
クレジット数表示部11は、通常は、遊技者のメダル投入操作によって蓄積される通常クレジット数(第1クレジット数)を表示する。遊技者は、クレジット数表示部11に表示されている通常クレジット数に基づいてベット操作をすることができる。なお、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、通常クレジット数を減算したりする操作をベットという。
通常クレジット数は所定の値(例えば、50)を限度として記憶される。よって、通常クレジット数がこの限度値に達すると、余剰のメダルは受皿25に排出される。また、後述のように遊技機2が非クレジット状態に設定されている場合は、投入されたメダルは3枚までベットされ、余剰のメダルは通常クレジット数に加算されることなく受皿25に排出される。
メダル貸出処理の途中で異常が発生して、予め定められた数のメダルが払い出されなかった場合は、不足のメダル数が臨時クレジット数(第2クレジット数)としてクレジット表示部11に表示される。臨時クレジット数は、通常クレジット数とは異なる点灯色で表示されることにより、通常クレジット数と識別される。なお、臨時クレジット数を点滅して表示することによって、通常クレジット数と識別させてもよい。
なお、クレジット表示部11に臨時クレジット数が表示されている間は、通常クレジット数はクレジット表示部11に表示されない。ただし、通常クレジット数を表示するクレジット表示部11とは別に、臨時クレジット数を表示する臨時クレジット表示部を設け、通常クレジット数と臨時クレジット数とを同時に表示してもよい。
遊技者は、クレジット数表示部11に表示されている臨時クレジット数を用いて賭け操作をすることができない。臨時クレジット数として蓄積されたメダルは、遊技機2が正常な状態に復帰した後、所定の操作によって受皿25に払い出される。
臨時クレジット数は、極めて大きな値(例えば、1000)を限度として記憶される。よって、遊技機2に連続して異常が発生した場合であっても、各異常発生時に払い出されなかった不足のメダル数は全て臨時クレジット数に加算される。
表示窓部6近傍には、図示しないベットライン表示部36(図2)が設けられている。ベットライン表示部36は、メダルの賭数(ベット数)に対応して有効化されたベットライン(有効ライン)を表示する。メダルの賭数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、遊技者が予め投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算されて遊技に使用されるメダルの数である。
ベットライン表示部36は、例えば、「1」、「2」、「3」の3つのランプを備える。そして、例えば、賭数が1のときは、ベットライン表示部36の「1」のランプだけが点灯して、中段の横ラインだけが有効ラインであることを示す。賭数が2のときは、ベットライン表示部36の「1」と「2」のランプが点灯して、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示す。賭数が3のときは、ベットライン表示部36の「1」、「2」、「3」の全てのランプが点灯して、3本の横ラインと右下がり及び右上がりの2本の斜めライン(合計5ライン)が有効ラインであることを示す。
また、表示窓部6近傍には、図示しない遊技状態表示部37(図2)が設けられている。遊技状態表示部37は、遊技機2が遊技可能な状態であることを示し、リプレイ入賞の獲得及び現在実行中の遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバー21を操作してからリール5a〜5cの回転が開始するまで待ち時間があることを示す「WAIT」表示、及び、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示によって構成される。
表示窓部6の左下方には、残高表示部12が設けられている。残高表示部12は、3桁の7セグメントLEDで構成され、カードユニット3に挿入されたプリペイドカードが保有する度数(例えば、100円で1度数)を表示する。プリペイドカードとは、所定の金額(例えば、1000円、2000円、3000円、5000円)に相当する価値を有するカードである。なお、プリペイドカードには、前記金額を度数に代えて記憶してもよい。
残高表示部12の下方には、遊技機2からカードユニット3にメダルの貸し出しを要求する貸出ボタン13、及び、残度数を有するプリペイドカードを後述のカード挿入口27から排出させるための排出ボタン14が設けられている。残高表示部12、貸出ボタン13及び排出ボタン14の背面側には、残高表示部12の表示又は貸出ボタン13の操作を制御する表示基板240(図3)が設けられている。
遊技者が、貸出ボタン13を1回押圧操作することによって、残高表示部12に表示されている度数のうち10度数が50枚(1000円分)のメダルに変換されて貸し出される。貸し出されたメダルは、受皿25に排出される。また同時に、残高表示部12に表示された度数から、貸し出されたメダル数に相当する度数が減算されて表示される。なお、1度数に相当するメダルの数は、通常は5枚単位に設定されているが、遊技場において任意に設定できるようにしてもよい。また、貸出ボタン13の一回の押圧操作につき貸し出される度数は、遊技場において任意に設定できる。
貸出ボタン13には、メダル貸出可LED43(図3)が内蔵されている。メダル貸出可LED43は、点灯によってメダルの貸し出しが可能な状態であることを遊技者に報知する。メダル貸出可LED43が点灯していない間は貸出ボタン13が操作不能であり、メダル貸出可LED43が点灯している間は貸出ボタン13が操作可能である。つまり、メダル貸出可LED43が点灯していない間は貸出ボタン13を操作してもメダルは貸し出されない。なお、メダル貸出可LED43は、点灯色によって貸出ボタン13が操作可能であるか否かを報知してもよい。
前面枠4の上半部と下半部の中間にある傾斜台部15には、右方にメダルを投入するメダル投入口16が設けられている。このメダル投入口16にメダルを投入すると、投入されたメダルは賭数に加算される。なお、賭数が最大ベット可能枚数(例えば、3枚)に達している場合は、投入されたメダル数は賭数に加算されることなく、通常クレジット数に加算される。また、通常クレジット数が前記限度値に達している場合は、投入されたメダルは通常クレジット数に加算されることなく受皿25に排出される。
傾斜台部15には、一回の押圧操作によってクレジットしたメダルを1枚ずつベット可能な1ベットボタン17、及び、1回の押圧操作によって最大ベット可能枚数のメダルをベットするマックスベットボタン18が設けられている。マックスベットボタン18を操作すると、例えば、メダルが1枚もベットされていない場合は3枚のメダルがベットされ、メダルが1枚だけベットされている場合はさらに2枚のメダルがベットされる。これらのベットボタン17又は18を用いることによって、メダル投入口16からメダルを投入することなく、クレジット記憶領域に記憶された通常クレジット数以内でメダルをベットすることができる。
前面枠4の下部には、四辺形状の化粧パネル19が設けられている。化粧パネル19の左上方には、メダルを通常クレジットとして記憶可能なクレジット状態とメダルを通常クレジットとして記憶不能な非クレジット状態のいずれか一方の状態を選択的に切換可能なクレジット選択ボタン20が設けられている。クレジット選択ボタン20によって遊技機2がクレジット状態から非クレジット状態に切り替えられると、通常クレジット記憶領域に記憶された通常クレジット数に相当する数のメダルが受皿25に排出され、同時にクレジット数表示部11の表示はクリアされて0になる。
クレジット選択ボタン20の右側には、リール5a〜5cの回転を一斉に開始させるためのスタートレバー21が設けられている。スタートレバー21の右側には、リール5a〜5cの回転を停止させ、停止図柄を導出させるためのリール停止ボタン(第1リール停止ボタン22a、第2リール停止ボタン22b、第3リール停止ボタン22c)が設けられている。リール停止ボタン22a〜22cが操作されると、各ボタンに対応したリール5a〜5cがそれぞれ回転を停止する。なお、賭数が0の場合は、変動表示ゲームの開始条件が満たされていないため、スタートレバー21を操作してもリール5a〜5cは回転しない。
各リール停止ボタン22a〜22cには、点灯によって各ボタンが操作可能な状態であることを報知する操作情報ランプが内蔵されている。これらのランプが点灯していない間はリール停止ボタン22a〜22cが操作不能であることを示し、操作情報ランプが点灯している間はリール停止ボタン22a〜22cが操作可能であることを示す。つまり、操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン22a〜22cを操作してもリール5a〜5cの回転は停止しない。なお、操作情報ランプは、点灯色によってリール停止ボタン22a〜22cが操作可能であるか否かを報知してもよい。
リール停止ボタン22cの右側には、返却ボタン23が設けられている。メダル投入口16からのメダル流下路内のメダル詰まり時に返却ボタン23を操作することによって、当該流下路に詰まったメダルが受皿25に返却される。
表示窓部6の左右にはそれぞれ、装飾用ランプ、LED等からなる装飾表示部24が設けられている。装飾表示部24は、BB状態又はRB状態の発生時に種々の態様で点灯することによって、遊技の興趣を向上させる。
また、化粧パネル19の下方には、前面枠4の背面側にあるメダル払出装置(ホッパ)50より払い出されたメダルを貯留する受皿25や、灰皿26が設けられている。
カードユニット3は、中央にカード挿入口27が設けられている。カード挿入口27にプリペイドカードを挿入すると、当該カードが保有する有価価値に相当する度数が残高表示部12に表示される。そして、遊技機2側の貸出ボタン13の操作により遊技者からメダルの貸出要求があると、相当するメダル数が通常クレジット数に加算され、又は、相当する数のメダルが受皿25に排出される。
また、遊技機2側の排出ボタン14の操作により遊技者からプリペイドカードの排出要求があると、プリペイドカードに残度数があれば、カード挿入口27にプリペイドカードを排出する。なお、残度数が0になったプリペイドカードは、カードユニット3内部のカード収容部に取り込まれて初期化される。
このプリペイドカードに記憶されているデータは、有価価値(金額)に相当する情報でもよいし、遊技価値(メダル数)に相当する情報でもよい。また、有価価値又は遊技価値に相当する情報は、カードに直接書き込まれている情報でもよく、カードに記憶された符号(カードのID番号)に対応して管理装置等の外部装置に記憶されている情報であってもよい。すなわち、カードリーダライタは、カードに記憶されている有価価値(金額情報)や遊技価値(メダル数)を直接読み出してもよいが、カードに記憶されているID番号を読み出して、読み出したID番号に対応して管理装置等の外部装置に記憶されている有価価値の送信を受けるように構成してもよい。
なお、カード挿入口27に挿入されるプリペイドカードは、磁気カードの他、ICカード等の記憶媒体を利用できる。また、カードのような四角形状ではなく、コイン形状、タグ形状等の記憶媒体であってもよい。この場合、カードユニット3の所定箇所に記憶媒体を装着することによって、該記憶媒体がカードユニット3に受け付けられ、カードユニット3は該記憶媒体に記憶された内容を読み出すことができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技用装置1の制御系の一部を示すブロック図である。
遊技機2の制御系統は、遊技機2内部に配置される遊技制御装置200を主要な構成要素とする。遊技制御装置200は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御処理及び各被制御装置の制御)を行う制御装置で、CPU201、ROM202、RAM203を備える遊技用マイクロコンピュータ204及び入出力インターフェース(I/F)205を備えている。
また、遊技制御装置200には、接続端子板40を介してカードユニット3が電気的に接続されている。そして、遊技制御装置200とカードユニット3とは、接続端子板40を介して各種信号をやり取りする。これにより、両者間の接続状態を遊技機2側で確認することができ、遊技機2でメダル貸出処理が実行される。
また、接続端子板40には、遊技機2側に設けられた残高表示部12、貸出スイッチ13A及び排出スイッチ14Aが接続されている。なお、貸出スイッチ13Aは、貸出ボタン13が操作されたことを検出するスイッチである。排出スイッチ14Aは、排出ボタン14が操作されたことを検出するスイッチである。接続端子板40は、貸出スイッチ13A又は排出スイッチ14Aから入力される信号を、カードユニット3のCPU(図示省略)に出力する。
カードユニット3は、貸出スイッチ13Aから信号が入力されると、遊技用マイクロコンピュータ204のCPU201に貸出要求信号(BRQ)を出力する。そして、CPU201は、RAM203に設けられた通常クレジット記憶領域に貸し出されたメダル数を加算する。さらに、クレジット数表示部11に、貸し出されたメダル数を加算した通常クレジット数の表示制御信号を出力する。
カードユニット3は、排出スイッチ14Aから信号が入力されると、カード挿入口27に挿入されたプリペイドカードを排出し、また、残高の表示をクリアする表示制御信号を残高表示部12に出力する。
また、カードユニット3は、貸出完了信号(EXS)を受信すると、貸し出しされたメダル数に相当する度数をプリペイドカードの記憶内容から減算する。そして、減算されたプリペイドカードの度数の表示制御信号を残高表示部12に出力し、残度数表示を更新する。
遊技用マイクロコンピュータ204のCPU201は、遊技制御のための各種演算制御を行う。また、CPU201は、変動表示ゲームにおいて、リール5a〜5cの図柄を、予め定められた特別な組み合わせ態様で停止させるか否かを決定する内部抽選用の乱数を生成する。そして、当該生成された乱数に基づいて内部抽選を行う。内部抽選における各入賞の当選確率は、投入するメダルの枚数(賭数)によって変更され、賭数が多いほど当選確率が高くなるように制御する。なお、CPU201のソフトウェア処理によって内部抽選用乱数を生成する代わりに、遊技制御装置200に乱数を発生する乱数発生器を設け、当該乱数発生器から出力される内部抽選用乱数を用いて内部抽選を行ってもよい。
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、演出制御装置210を介して表示制御装置220に送信され、前記抽選結果に基づいて表示装置7での補助ゲームの実行が制御される。なお、補助ゲームが実行される確率も、賭数が多いほど高くなるようにして、内部抽選の結果に応じて補助ゲームを適当な頻度で実行できるようにしてもよい。また、補助ゲームを実行するか否かを決定する抽選は、CPU201で行うこともできるが、演出制御装置210で行ってもよい。
ROM202には、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。
RAM203は、CPU201で生成される内部抽選用の乱数の記憶領域、その他各種データ(例えば、通常クレジット数、臨時クレジット数、払出カウンタ、賭数、入賞成立フラグなど)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU201の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
入出力インターフェース205は、図示しないローパスフィルタやバッファゲートを介して、投入メダル検出センサ16A、1ベットスイッチ17A、マックスベットスイッチ18A、クレジット選択スイッチ20A、スタートレバースイッチ21A、各リール停止スイッチ22A〜22C、各リール位置検出センサ30a〜30c、リセットスイッチ31、前面枠開放検出スイッチ32、確率設定装置33及び払出メダル検出センサ59Aから入力される信号を、CPU201に出力する。
投入メダル検出センサ16Aは、メダル投入口16から投入されたメダルが流下する流路上に設けられており、投入されたメダルを検出する。1ベットスイッチ17Aは、1ベットボタン17が操作されたことを検出する。マックスベットスイッチ18Aは、マックスベットボタン18が操作されたことを検出する。クレジット選択スイッチ20Aは、クレジット選択ボタン20が操作されたことを検出する。スタートレバースイッチ21Aは、スタートレバー21が操作されたことを検出する。各リール停止スイッチ22A〜22Cは、リール停止ボタン22a〜22cに各々設けられ、各リール停止ボタン22a〜22cが操作されたことを検出する。リール停止ボタン22a〜22cの操作がリール停止スイッチ22A〜22Cによって検出されると、各々対応したリール5a〜5cの回転が停止する。リール位置検出センサ30a〜30cは、リール5a〜5cに各々設けられ、各リール5a〜5cの基準位置を検出する。リセットスイッチ31は、遊技機2の遊技状態を初期化する。前面枠開放スイッチ32は、前面枠4の開閉を検出する。
確率設定装置33は、遊技機2の設定を切り替える。設定は、入賞フラグが成立する確率が異なる1〜6の設定が用意されている。設定1は入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り替えることができる。なお、入賞フラグが成立する確率によって、所定量の遊技をしたときに、遊技者が獲得することができるメダルの量が異なる。
払出メダル検出センサ59Aは、メダルの払い出し枚数を検出し、メダル払出装置50から払い出されたメダルを計数する。払出メダル検出センサ59Aの構成については、図4で説明する。
入出力インターフェース205は、CPU201から出力される制御信号を、図示しない出力ポートやドライバを介して、リール用モータ5Ma〜5Mc、払出枚数表示部9、遊技進行表示部10、クレジット数表示部11、装飾表示部24、投入流路メダルソレノイド35、ベットライン表示部37、遊技状態表示部37、メダル払出部モータ38、外部信号出力部39及び演出制御装置210に出力する。
投入流路メダルソレノイド35は、メダル投入口16から投入されたメダルの流路上に設けられており、通電状態の切り替えによって投入されたメダルを投入メダル検出センサ16A側又は受皿25側のどちらかに誘導する。投入流路メダルソレノイド35がオンに設定されると、メダル投入口16から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ16A側へ誘導される。投入メダル検出センサ16Aによって検出されたメダルは、賭数又は通常クレジット数として加算される。一方、投入流路メダルソレノイド35がオフに設定されると、メダル投入口16から投入されたメダルは受皿25側へ誘導されて、遊技機2から排出される。
投入流路メダルソレノイド35は、賭数が最大ベット可能枚数に達しており、かつ、通常クレジット数が限度値に達しているとオフに設定され、新たに投入されたメダルは受皿25に排出される。また、リプレイ状態が発生すると、遊技機2は投入メダルを受け付けなくなるため、投入流路メダルソレノイド35はオフに設定され、リプレイゲームが実行されるまでに投入されたメダルは受皿25に排出される。
メダル排出部モータ38は、メダル払出装置50を駆動してディスク52(図4)を回転させる。そして、ディスク52を回転させることによって、メダル穴54(図4)に収容されたメダルをメダル払出装置50に設けられたメダル排出口56(図4)へ搬送する。
外部信号出力部39は、遊技機2の稼動状況に関する各種情報(メダルの投入や払い出しに関する信号、及び、BB状態又はRB状態であることを示す信号)を、遊技機2を管理する外部の装置に出力する。また、外部信号出力部39は、各入賞フラグの成立に関する情報を含むテスト用のデータ(検査用のデータ)を外部の装置に出力する。
演出制御装置210は、制御用CPU、RAM及びROMで構成され、補助ゲームの演出に関わる情報表示及び音出力を統括して制御する。例えば、投入メダル検出センサ16A、1ベットスイッチ17A又はマックスベットスイッチ18Aのいずれかから検出信号が検出されると、遊技制御装置200から賭入力(ベット)情報を演出制御装置210に送信する。演出制御装置210は、当該情報を受信すると、表示装置7で演出表示される補助ゲームの制御処理のために、表示制御信号を表示制御装置220に送信する。また、演出制御装置210は、音出力装置8から出力される補助ゲームに対応した音の制御処理のために、音制御信号を音制御装置230に送信する。また、演出制御装置210は、表示装置7の演出表示や音出力装置8からの出力も制御する。
表示制御装置220は、表示制御用CPU及びRAM、情報表示データを記憶するROMで構成され、演出制御装置210から送信された表示制御信号に基づいて、補助ゲームを構成する演出情報(演出パターン)を表示装置7に送信して表示させる。
音制御装置230は、音制御用CPU及びRAM、効果音データを記憶するROMで構成され、演出制御装置210から送信された音制御信号に基づいて、音出力装置8から遊技状態に対応した効果音や前記補助ゲームに応じた所定の演出音を出力させる。
なお、遊技制御装置200と演出制御装置210との通信は、遊技制御装置200から演出制御装置210への単方向にのみ制御信号が送信され、遊技制御装置200への不正な信号が入力されるのを防止している。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機2の遊技制御装置200とカードユニット3との接続状態を示す回路図である。
遊技制御装置200とカードユニット3とは、遊技機2に付属して設けられた接続端子板40を介して電気的に接続されている。なお、必要に応じて、遊技機2と接続端子板40との間に中継端子板を設けてもよい。
接続端子板40にはフォトカプラ401〜405が設けられており、これらのフォトカプラ401〜405を介して遊技制御装置200とカードユニット3との間で各種信号がやり取りされる。
フォトカプラ401〜403のトランジスタのコレクタ端子(遊技制御装置200に接続されている端子)は、遊技制御装置200内で所定の電圧(例えば、5V)にプルアップされている。また、フォトカプラ404、405のトランジスタのコレクタ端子(カードユニット3に接続されている端子)は、カードユニット3内で所定の電圧(例えば、5V)にプルアップされている。
遊技制御装置200は、電源装置41を備える。電源装置41は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置41の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置200及び演出制御装置210に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置200は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPU201の動作を停止する。バックアップ電源部は遊技制御装置200のRAM203にバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報)に関する記憶内容を保持させる。
遊技制御装置200は、電源装置41からカードユニット3に対して24Vの交流電源を常に供給している。カードユニット3は電源回路42を備える。電源回路42は、遊技制御装置200から供給された24Vの交流電源から18Vの直流電源を生成する。そして、生成した18Vの直流電源をフォトカプラ401に供給する。
遊技制御装置200は、カードユニット3が遊技機2に正常に接続されているか否かを、カードユニット3から送信される接続確認信号(CHK)を監視することによって判断する。具体的には、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されている場合は、フォトカプラ401のダイオードに+18Vが供給され、フォトカプラ401のトランジスタがオン状態になり、CHK信号がLレベル(ローレベル)となり、遊技制御装置200にCHK信号が送信される。一方、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されていない場合は、フォトカプラ401のダイオードに+18Vが供給されないため、フォトカプラ401のトランジスタがオフ状態になり、CHK信号がHレベル(ハイレベル)となり、遊技制御装置200にCHK信号は送信されない。つまり、遊技制御装置200は、CHK信号の検出の有無によって、カードユニット3との接続状態を判断することができる。
また、カードユニット3と遊技制御装置200との間では、メダルの貸出処理のために複数の信号(貸出機準備完了信号、貸出要求信号、遊技機準備完了信号、貸出完了信号)がやり取りされている。以下、各信号について説明する。
貸出機準備完了信号(BRDY)は、カードユニット3から遊技機2に対してフォトカプラ402を介して出力される信号であって、カードユニット3側でメダルの貸出処理が可能であることを示す。BRDY信号は、通常はHレベルであり、貸出処理中はLレベルとなる。また、遊技機2の貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出されると、BRDY信号はLレベルへ立ち下がる。このBRDY信号のLレベルへの変化によって、遊技機2側でのメダルメダルの貸出処理が開始する。そして、メダルの貸出処理が終了するとHレベルとなる。
貸出要求信号(BRQ)は、カードユニット3から遊技機2に対してフォトカプラ403を介して出力される信号であって、遊技制御装置200に1度数のメダルの貸し出しを指示する。BRQ信号は、通常はHレベルであって、Lレベルへの立ち下げによって1度数分のメダル(5枚単位)の貸し出しが指示される。そして、遊技制御装置200がBRQ信号を受け付けることによって貸出完了信号(EXS)が立ち下がると、BRQ信号はHレベルに復帰する。このLレベルへの立ち下げと、Hレベルへの復帰によって、1パルスのBRQ信号が構成される。貸出ボタン13が1回操作されることによって、複数度数分のメダル貸し出しが行われる場合は、その度数に応じた数分のパルス信号が順次生成されて出力される。
遊技機準備完了信号(PRDY)は、遊技機2からカードユニット3に対してフォトカプラ404を介して出力される信号であって、遊技機2がBRQ信号によるメダル貸出指示を受付可能な状態にあるか否かを知らせる。PRDY信号は、メダルの貸出指示を受付不可能な期間(例えば、変動表示ゲーム実行時)はHレベルに設定されており、メダルの貸出指示を受付可能になるとLレベルに変化する。
貸出完了信号(EXS)は、遊技機2からカードユニット3に対してフォトカプラ405を介して出力される信号である。EXS信号は、通常はHレベルであって、Lレベルへの立ち下がりによって遊技機2がカードユニット3からのBRQ信号(メダルの貸出指示)を受信した旨を示す。また、その後のEXS信号のHレベルへの立ち上がりによって遊技機2が1度数のメダルの貸出処理が完了した旨を示す。
遊技制御装置200には、貸出ボタン13の操作又はメダル貸出可LED43の点灯を制御する表示基板240が電気的に接続されている。表示基板240には、貸出ボタン13、排出ボタン14、メダル貸出可LED43及び残高表示LED44が設けられている。また、表示基板240にはフォトカプラ406が設けられている。そして、遊技制御装置200は、フォトカプラ406を介して表示基板240へENABLE信号を出力する。
ENABLE信号は、遊技機2がメダル貸出可能な状態にあるか否かを示す。ENABLE信号は、通常はLレベルであって、遊技機2がメダル貸出可能な状態になるとHレベルとなり、貸出ボタン13の操作を有効にして、メダル貸出可LED43を点灯させる。そして、遊技機2がメダル貸出不可能な状態(例えば、貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出された状態、又は、スタートレバー21の操作がスタートレバースイッチ21Aによって検出された状態)になると、Lレベルに立ち下り、貸出ボタン13の操作を無効にして、メダル貸出可LED43を消灯させる。貸出ボタン13の操作が有効な場合、遊技者が貸出ボタン13を操作すると所定枚数のメダルが貸し出される。一方、貸出ボタン13の操作が無効な場合、遊技者が貸出ボタン13を操作してもメダルの貸し出しはされない。
なお、遊技機2がメダル貸出可能な状態とは、変動表示ゲームが終了してからスタートレバー21が操作されるまでであって、メダル貸出処理中を除く。また、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されていない場合、遊技機2でエラーが発生している場合、段階設定処理中及び各種スイッチやセンサ(精算スイッチ20A、投入メダル検出センサ16A)の入力処理時も、遊技機2はメダルを貸し出すことができない。
なお、フォトカプラ406には、貸出スイッチ13A及びメダル貸出可LED43のみが接続されている。つまり、ENABLE信号の出力レベルによって制御されるのは、貸出ボタン13及びメダル貸出可LED43のみであって、排出ボタン14及び残高表示部12はENABLE信号によって制御されない。
また、表示基板240は、カードユニット3と電気的に接続されている。遊技者によって貸出ボタン13又は排出ボタン14が操作されると、貸出スイッチ13A、排出スイッチ14Aによって各ボタンの操作が検出され、カードユニット3に信号が出力される。カードユニット3は、貸出スイッチ13Aからの信号を検出すると、メダルの貸出処理を開始して、一回のメダル貸出処理で貸し出される度数を残高度数から減算した度数の表示信号を残高表示LED44に出力する。また、カードユニット3は、排出スイッチ14Aからの信号を検出すると、カード挿入口27からプレペイドカードを排出し、残高度数をクリアする表示信号を残高表示LED44に出力する。
メダル貸し出し処理における各装置間の通信状態は次のようになる。
遊技者による貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出されると、カードユニット3は、BRDY信号を、メダル貸出中であることを示すLレベルに立ち下げて、メダル貸出処理を開始する。このとき同時にENABLE信号がLレベルに立ち下がって、貸出ボタン13の操作が無効となり、メダル貸出可LED43が消灯する。これにより、メダル貸出処理が不可能であることが遊技者に報知される。
次に、BRQ信号がLレベルに立ち下がり、カードユニット3から遊技機2に1度数のメダルの貸し出しが指示される。これを受けて遊技機2はEXS信号を立ち下げ、カードユニット3に貸出指示を了解した旨を送信する。そして同時に、メダル排出部モータ38を作動させて、メダル払出装置50の駆動を開始する。
メダル払出装置50から1度数のメダルが払い出されると、EXS信号はHレベルに復帰して、遊技機2からカードユニット3に1度数のメダル貸出処理が完了した旨が送信される。これによって、1度数分のメダル貸出処理が終了する。以下、同様の通信動作により、貸出スイッチ13Aからの一回の操作に対して予め定められた度数分のメダル貸出処理が行われる。
最後のメダル貸出処理が完了して所定時間が経過すると、BRDY信号はHレベルに復帰して、カードユニット3から遊技機2にメダル貸出処理を終了したことが送信される。このとき同時にENABLE信号がHレベルに復帰して、貸出ボタン13の操作が有効になり、メダル貸出可LED43が点灯する。これにより、メダル貸出処理が可能であることが遊技者に報知される。
その後、遊技者によってスタートレバー21が操作されると、遊技機2は変動表示ゲームを開始する。これと同時にENABLE信号がLレベルに立ち下がって、貸出ボタン13の操作が無効になり、メダル貸出可LED43が消灯する。これにより、メダル貸出処理が不可能であることが遊技者に報知される。
なお、この間PRDY信号は、メダルの貸出指示を受付可能な状態であることを示すLレベルに常に維持されている。
図4は、本発明の第1の実施の形態のメダル払出装置(ホッパ)50の正面図である。
メダル払出装置50には、平板状のベースプレート51が重力方向に対して斜めに固定して設けられている。ベースプレート51の表面側には、円盤状のディスク52が、ディスク回転軸53を中心として回転可能に設けられている。ベースプレート51とディスク52とは、メダル厚より少し大きい隙間を有して平行に位置する。
ベースプレート51の裏面側には、メダル払出装置50の電気的駆動源であるメダル払出部モータ38(図示省略)が設けられている。メダル払出部モータ38は、ギアボックスを介してディスク回転軸53に接続されている。つまり、メダル払出部モータ38が駆動すると、その駆動力がギアボックス内の歯車を介してディスク回転軸53に伝わり、ディスク52がディスク回転軸53を中心として時計回りに回転する。
ディスク52には、5つのメダル穴54が、円周方向に一定間隔をもって設けられている。各メダル穴54は、メダルを収容可能な大きさで円形に、かつ、ディスク52の表面から裏面まで貫通して形成されている。
各メダル穴54の外周には、ディスク52の裏面に固定して設けられたメダル押し出し体55が備えられている。図の左側では、メダル押し出し体55がその先端部によって、メダル穴54に収容されたメダル(メダル61として図示)を、ディスク52の回転方向に下方から上方に支持する。
また、ベースプレート51の表面には、図示しない略円筒状のメダル貯留部が取り付けられている。メダル貯留部は、投入されたメダルを内部の略円筒状の空間に貯留する。メダル貯留部に貯留されたメダルは、ディスク52の表面に接触しながら流下して、メダル穴54に一枚ずつ収容される。そして、メダル穴54に収容された状態でディスク52の回転に伴ってベースプレート51の表面を摺動する。
メダル貯留部の側面には、ベースプレート51と接触する位置に、メダル厚と略同一の高さ、かつ、メダルの直径と略同一の幅のメダル排出口56が形成されている。
メダル排出口59近傍には、ガイドピン57がベースプレート51の表面から突出して設けられている。ガイドピン57は、ディスク52の外周から中心部53側へ、メダルの直径よりも小さく、かつ、メダルの半径よりも大きい距離だけ入った位置に設けられている。ガイドピン57とディスク52の外周との距離がメダルの直径よりも小さいことよって、メダル穴54に収容されたメダルはガイドピン57が当接して、メダル排出口59近傍で、ディスク52の回転方向へのメダルの移動を妨げることができる。また、ガイドピン57とディスク52の外周との距離がメダルの半径よりも大きいことよって、ガイドピン57に当接したメダルがディスク52の外周方向に押し出される。
また、メダル排出口56の両側には、可動部材58及び固定部材59が対峙して設けられている。可動部材58は、バネによって固定部材59方向に付勢されている。そして、バネによって付勢された状態で、可動部材58と固定部材59とは、メダルの直径よりも僅かに小さい間隔を有して構成されている。
メダル排出口56から排出されたメダルは、可動部材58と固定部材59との間を通過する際に、可動部材58を固定部材59と反対の方向(矢印X方向)に押し出す。そして、メダル排出口56からメダルが半分以上排出されると、可動部材58が固定部材59方向へ戻ろうとする力によって、当該メダルは、メダル払出装置50の外方(矢印Y方向)へ飛び出すようにして払い出される。
メダル排出口56の外方には、メダル排出口56から排出されたメダルが通過する位置に、払出メダル検出センサ60が設けられている。メダルの通過を検出した払出メダル検出センサ60は、一枚のメダルを検出するごとにパルス信号を遊技制御装置200に送信する。これにより、払い出されたメダルの枚数が計数される。
以上のようにしてメダル払出装置50から払い出されたメダルは、受皿25に排出される。
メダルは、遊技者による貸出ボタン13の操作が検出されて、カードユニット3から遊技機2にメダルの貸出要求(BRQ信号のLレベルでの出力)があった場合、変動表示ゲームの結果、入賞によりメダルの獲得があった場合、又は、クレジット選択ボタン20の操作が検出された場合に払い出される。これらの場合、まず、遊技制御装置200からメダル払出装置50へ払出指令信号が出力される。そして、当該信号に基づいて、メダル払出装置50から受皿25に所定数のメダルが払い出される。
図5A及び図5Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御のメイン処理のフローチャートであり、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
遊技機2の電源が投入されると、遊技用マイクロコンピュータ204は、監視タイマ(図6)等の各種制御パラメータに初期値を設定する初期化処理を実行し(S11)、遊技機2を初期状態に設定する。
初期化処理を終了すると、PRDY信号をLレベルに立ち下げて、カードユニット3からのメダル貸出指示を受付可能な状態とする。また、表示基板240に対してENABLE信号をHレベルで出力する。これにより、貸出ボタン13の操作が有効となり、メダル貸出可LED43が点灯して、メダル貸出処理が可能であることが遊技者に報知される。
次に、メダル貸出処理、前面枠開放スイッチ検出処理、投入メダル検出処理及びベットスイッチ検出処理を行う(S12〜S15)。各処理については、図7〜図9を用いて説明する。
次に、変動表示ゲームの開始操作、つまり、スタートレバー21の操作がスタートレバースイッチ21Aによって検出されたか否かを判定する(S16)。スタートレバー21が操作されていない場合は、ステップS12に戻ってメダル貸出処理を再度実行する。
スタートレバー21が操作された場合は、賭数が0より大きいか否かを判定する(S17)。賭数が0の場合は、スタートレバー21が操作されたとしても変動表示ゲームの開始条件を満たしていないため、スタートレバー21の操作は無効である。よって、スタートレバースイッチ21Aからの信号は無視され、ステップS12に戻ってメダル貸出処理を実行する。
賭数が0より大きい場合は、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されているか否かを判定する(S18)。遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されていない場合は、遊技機2を動作することが許可されていないので、賭数が0より大きくても変動表示ゲームの開始条件を満たしていない。よって、ステップS12に戻ってメダル貸出処理を実行する。
遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されていると判定した場合は、内部抽選用の乱数を用いて変動表示ゲームの結果に関する抽選をする。そして、リール5a〜5cを一斉に回転させて、図柄の変動を開始する(S19)。
そして、遊技者によって第1リール停止ボタン22aが操作されると、第1リール5aの回転を停止する(S20)。また、遊技者によって第2リール停止ボタン22bが操作されると、第2リール5bの回転を停止する(S21)。また、遊技者によって第3リール停止ボタン22cが操作されると、第3リール5cの回転を停止する(S22)。
次に、役(例えば、BB、RB、リプレイなど、遊技者に遊技価値を付与する図柄の組み合わせ)の判定、つまり、停止したリール5a〜5cの図柄組み合わせ態様を判定する(S23)。そして、図柄がリプレイを示す組み合わせ態様であるか否かを判定する(S24)。リプレイ状態が発生していない場合は、停止したリール5a〜5cの図柄組み合わせ態様によって賞が成立したか否かを判定する(S25)。この場合の「賞」とは、遊技者に所定枚数のメダル払い出しという遊技価値を付与する特定の図柄組み合わせ態様であって、BB状態又はRB状態が発生する図柄組み合わせ態様を含む。
賞が成立した場合は、メダル払出部モータ38を動作させ、当該賞に相当する枚数のメダルが受皿25に払い出される(S26)。次に、成立した賞がBB状態又はRB状態であるか否かを判定する(S27)。なお、ステップS25で賞が成立していないと判断された場合は、これらのボーナス状態も発生していないため、ボーナスゲームを開始することなくステップS29に移行する。
ステップ27でBB状態又はRB状態が発生していると判定した場合は、ボーナスゲームを開始する(S28)。ボーナスゲームでは、BB又はRBの種類に応じて所定回数の補助ゲームが実行され、多くのメダルが獲得できる遊技価値を遊技者に付与する。
以上の処理によって変動表示ゲームが終了したので、賭数はクリアされてベットライン表示部36の全てのLEDが消灯する(S29)。そして、ステップS12に戻って、再びメダル貸出処理を実行する。
一方、ステップS24でリプレイ状態が発生したと判定した場合は、変動表示ゲームの開始操作、つまり、スタートレバー21の操作がスタートレバースイッチ21Aによって検出されたか否かを判定する(S30)。スタートレバー21が操作されていない場合は、スタートレバー21が操作されるまでステップS30の処理を実行する。
スタートレバー21が操作された場合は、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されているか否かを判定する(S31)。遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されていない場合は、遊技機2を動作することが許可されていないので、リプレイ状態が発生していても変動表示ゲームの開始条件を満たされていない。よって、ステップS30に戻って、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されるまで、スタートレバー21の操作及び両者の接続状態を監視する。
遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されている場合は、ステップS19に移行する。そして、変動表示ゲームの結果に関する抽選をして、図柄の変動を開始し、変動表示ゲーム(リプレイゲーム)を実行する。
図6は、本発明の第1の実施の形態のメダル貸出処理のフローチャートであり、メイン処理(図5A)のステップS12から呼び出されて、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
メダル貸出処理では、まず、BRDY信号がLレベル(オン状態)に立ち下がっているか否かを判定する(S41)。貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出されると、カードユニット3は、BRDY信号をHレベルからLレベルに変化させる。よって、BRDY信号がHレベルで出力されている場合は、貸出ボタン13は操作されていないと判断でき、メダル貸出処理の開始条件が成立していないため、メイン処理に復帰する。
一方、BRDY信号がLレベルに立ち下がっている場合は、貸出ボタン13が操作されたと判断できる。次に、BRQ信号がLレベル(オン状態)に立ち下がっているか否かを判定する(S42)。BRQ信号がHレベルで出力されている場合は、カードユニット3からのメダルの貸出指示がされていないと判断でき、メイン処理に復帰する。
BRQ信号がLレベルに立ち下がっている場合は、その立ち下がりの時点から一定時間経過後にEXS信号をLレベル(オン状態)に立ち下げる。同時に、払出枚数記憶領域の払出カウンタに5を設定する(S43)。払出カウンタに設定された払出枚数「5」は払出枚数表示部9に表示され、メダル払出装置50からメダルが1枚払い出される毎に1ずつ減算されて表示される。
カードユニット3は、EXS信号がLレベルに立ち下がったことを検出すると、その立ち下がりを検出した時点から一定時間経過後に、BRQ信号をHレベル(オフ状態)に復帰させる。よって、BRQ信号がHレベル(オフ状態)に復帰したことを確認すると(S44)、臨時クレジット数が0より大きいか否かを判定する(S45)。なお、臨時クレジット数の初期値は「0」である。ステップS48で後述するように、メダル貸出処理中に遊技機2に何らかの異常が発生して、全てのメダルが正常に払い出せなかった場合に、不足のメダル数が臨時クレジット数に加算される。この場合、臨時クレジット数は0より大きいと判断されるため、ステップS57に移行する。なお、ステップ57以降の処理は後述する。
臨時クレジット数が0の場合は、遊技機2に異常が発生していないと判断できるため、メダル払出部モータ38に信号を出力して作動を開始する(S46)。これによって、メダル払出装置50のディスク52が回転を開始する。このとき、監視タイマに初期値「0」を設定する(S47)。
次に、払出メダル検出センサ60によってメダルの払い出しが検出されたか否かを判定する(S48)。メダルの払い出しが検出された場合は、メダル払出装置50から正常にメダルが払い出されたと判断できるため、払出カウンタから1を減算して更新する(S49)。そして、減算更新後の払出カウンタが0か否か、つまり、払出カウンタに設定された数のメダルが全て払い出されたか否かを判定する(S50)。
払出カウンタが0ではない場合はステップS47に戻り、再び監視タイマに初期値「0」を設定する。そして、払出カウンタが0になるまで、つまり、払出カウンタに設定された数のメダルが全て払い出されるまでステップS47〜S50の処理を実行する。
払出カウンタが0になると、1度数のメダルが払い出されたと判断することができるため、メダル払出部モータ38に信号を出力して作動を停止する(S51)。そして、EXS信号をHレベル(オフ状態)に復帰させる(S52)。
その後、BRDY信号及びBRQ信号の出力を監視する(S53)。カードユニット3は、EXS信号がHレベル(オフ状態)に立ち上がったことを検出すると、予め設定された度数(例えば、10度数=1000円)分のメダル払い出しが完了したか否かを判定する。そして、この予め設定された度数分のメダル払い出しが完了していなければ、次の1度数分のメダルの貸出指示をすべきと判断して、再度BRQ信号をLレベル(オン状態)に変化させる。一方、予め設定された度数分のメダル払い出しが完了していれば、次の1度数分のメダルの貸出指示をすべきではないと判断して、BRDY信号をHレベル(オフ状態)に変化させる。
よって、ステップS54では、EXS信号をHレベルに変化させてから所定時間内にBRQ信号がLレベルに変化した場合は、次の1度数分のメダルの貸出指示がされていると判断して、ステップS43に戻り、EXS信号をLレベルへ立ち下げて、払出カウンタに5を設定して、次の度数のメダル払出処理を開始する。
一方、EXS信号をHレベルに変化させてから所定時間内にBRDY信号がLレベルに変化した場合は、貸出ボタン13の一回の押圧操作につき貸し出される度数分のメダル払い出しが完了したと判断して、メイン処理に復帰する
ステップS48でメダルの払い出しが検出されなかった場合は、メダル払出装置50から正常にメダルが払い出されていないと判断できるため、監視タイマを更新する(S55)。そして、監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S56)。監視タイマがタイムアップしていない場合は、ステップS48に戻り、再びメダル払出装置50から正常にメダルが払い出されたか否かを判定する。そして、さらにメダルが正常に払い出されていない場合は、監視タイマがタイムアップするまでステップS48、S55、S56の処理を実行する。メダルが正常に払い出されると、ステップS49に移行して、払出カウンタから1を減算して更新する。
監視タイマがタイムアップした場合は、ディスク52が回転しているにもかかわらず所定時間内にメダルが払い出されなかったと判断できるため、メダル貸出処理の途中で遊技機2に何らかの異常が発生したと判断できる。よって、メダル払出部モータ38に信号を出力して作動を停止する(S57)。そして、払出カウンタに記憶されている値を臨時クレジット数に加算する(S58)。
その後、EXS信号をHレベルに復帰させて(S52)、BRDY信号及びBRQ信号を監視することによって次のメダルの貸出指示がされているか否かを判定する(S53、S54)。メダルの貸出指示がされていない場合、つまり、貸出ボタン13の一回の押圧操作につき貸し出される度数分のメダル払い出しが完了した場合はメイン処理に復帰する。一方、次の1度数分のメダルの貸出指示がされた場合は、ステップS43に戻り、EXS信号をLレベルへ立ち下げて、払出カウンタに5を設定する。このとき、ステップS58で払い出しカウンタに記憶されている値が臨時クレジット数に加算されているため、ステップS45で臨時クレジットが0より大きいと判断される。よって、ステップS58に移行して、払出カウンタに設定された値がさらに臨時クレジット数に加算される。その後、貸出ボタン13の一回の押圧操作につき貸し出される度数分のメダル払い出しが完了するまで、払出カウンタに設定された値は全て臨時クレジット数に加算される。なお、この異常発生時の処理のタイミングに関しては、図11を用いて説明する。
ステップS58で加算された臨時クレジット数分のメダルは、遊技機2のメダル不足による異常が解消することによって、後に遊技者に払いだされる。ただし、1ベットボタン17やマックスボタン18の操作によって、臨時クレジット数から直接賭け操作をすることはできない。つまり、遊技者は、臨時クレジットとして記憶されたメダルを用いて賭け操作をする場合は、いったん受皿25に払い出された実物のメダルを、再びメダル投入口16へ投入しなければならない。
このように、メダルの貸出処理時に遊技機2に異常が発生しても、払い出せなかった不足のメダルは臨時クレジット記憶領域に記憶されるため、実際にメダルを払い出していなくてもメダルの貸出処理を終了することができる。また、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルは、いったん受皿25に払い出して改めて遊技機2に投入しなければ賭数として設定できないため、臨時クレジット記憶領域に多くのメダルが記憶されても、遊技者のメダルの消費速度は速まらない。よって、メダル不足による異常を意図的に発生させることが無意味となり、また、射幸性が上がるのを抑止することができる。
また、メダルの貸出処理時に遊技機2に異常が発生しても、遊技機2側に不足メダルに関する全ての情報が記憶されるため、カードユニット3側の処理負担が軽減される。
図7は、本発明の第1の実施の形態の前面枠開放スイッチ検出処理のフローチャートであり、メイン処理(図5A)のステップS13から呼び出されて、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
前面枠開放スイッチ検出処理では、まず、前面枠開放検出スイッチ32によって前面枠4の開いた状態(開状態)から閉じた状態(閉状態)への変化が検出されたか否かを判定する(S61)。開状態から閉状態への変化が検出されなかった場合は、遊技機2に異常が発生していないか、又は、遊技機2に異常が発生していても、遊技場の従業員による遊技機2内部の異常の点検や対処がされていないと判断できるため、メイン処理に復帰する。
開状態から閉状態への変化が検出された場合は、メダル補給、又は、メダル詰まりや遊技機2とカードユニット3との接続異常の点検や対処のために、遊技場の従業員によって前面枠4がいったん開放されて、その後閉じられたと判断できる。次に、臨時クレジット数が0より大きいか否かを判定する(S62)。臨時クレジット数が0の場合はメイン処理に復帰する。
臨時クレジット数が0より大きい場合は、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルを払い出すためにメダル払出部モータ38に信号を出力して作動を開始する(S63)。これによって、メダル払出装置50のディスク52が回転を開始する。このとき、監視タイマに初期値「0」を設定する(S64)。
次に、払出メダル検出センサ60によってメダルの払い出しが検出されたか否かを判定する(S65)。メダルの払い出しが検出された場合は、メダル払出装置50から正常にメダルが払い出されたと判断できるため、臨時クレジット数から1を減算して更新する(S66)。そして、減算更新後の臨時クレジット数が0か否か、つまり、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルが全て払い出されたか否かを判定する(S67)。
臨時クレジット数が0ではない場合はステップS64に戻り、再び監視タイマに初期値「0」を設定する。そして、臨時クレジット数が0になるまで、つまり、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルが全て払い出されるまでステップS64〜S67の処理を実行する。
臨時クレジット数が0になると、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルが全て払い出されたと判断することができるため、メダル払出部モータ38に信号を出力して作動を停止する(S68)。その後、メイン処理に復帰する。
一方、ステップS65でメダルの払い出しが検出されなかった場合は、メダル払出装置50から正常にメダルが払い出されていないと判断できるため、監視タイマを更新する(S69)。そして、監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S70)。監視タイマがタイムアップしていない場合は、ステップS65に戻り、再びメダル払出装置50から正常にメダルが払い出されたか否かを判定する。そして、メダルが正常に払い出されていない場合は、監視タイマがタイムアップするまでステップS65、S69及びS70の処理を実行する。メダルが正常に払い出されると、ステップS66に移行して、臨時クレジット数から1を減算して更新する。
監視タイマがタイムアップした場合は、ディスク52が回転しているにもかかわらず所定時間内にメダルが払い出されなかったと判断できるため、前面枠4開放前に発生した遊技機2の異常が解消されていないか、又は、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルを払い出す処理の途中で遊技機2に何らかの異常が発生したと判断できる。この場合、メダル払出装置50を駆動してもメダルを払い出すことができないため、メダル払出部モータ38に信号を出力して作動を停止する(S68)。その後、メイン処理に復帰する。
図8は、本発明の第1の実施の形態の投入メダル検出処理のフローチャートであり、メイン処理(図5A)のステップS14から呼び出されて、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
投入メダル検出処理では、まず、賭数が3より小さいか否かを判定する(S71)。賭数が3より小さい場合は、投入流路メダルソレノイド35をオンに設定する(S72)。これによって、メダル投入口16から投入されたメダルの流路が投入メダル検出センサ16A側へ連通して、投入されたメダルがベットされる。
次に、投入メダル検出センサ16Aによってメダルが検出されたか否かを判定する(S73)。メダルが検出されない場合は、メダルは投入されていないと判断できるため、メイン処理に復帰する。
メダルが検出された場合は、メダルが投入されたと判断でき、次に、再び賭数が3より小さいか否かを判定する(S74)。なお、ステップS71で賭数が3より小さいと判断された場合は、ステップS74でも賭数が3より小さいと判断される。一方、ステップS71で賭数が3と判断された場合であっても、ステップS80及びS81において、遊技機2がクレジット状態と判断され、かつ、通常クレジット数が50より小さいと判断された場合は、投入されたメダルをクレジット数に加算することができるため、ステップS72に移行する。この場合、ステップS74において賭数が3と判断される。
賭数が3より小さい場合は、賭数が最大ベット可能枚数に達していないため、投入されたメダルを賭数に加算して更新する(S75)。賭数が3の場合は、賭数が最大ベット可能枚数に達しているため、投入されたメダルは通常クレジット数に加算される(S76)。なお、前述の通り、賭数が3と判断される場合とは、ステップS81において通常クレジット数が50より小さいと判断された場合である。つまり、通常クレジット数が限度値に達していないため、投入されたメダルは通常クレジット数に加算することができる。
次に、臨時クレジット数が0より大きいか否かを判定する(S77)。臨時クレジット数が0の場合はメイン処理に復帰する。一方、臨時クレジット数が0より大きい場合は、メダル払出部モータ38を作動させてメダルを1枚、受皿25に排出する(S78)。そして、臨時クレジット数から1を減算して更新する(S79)。その後、メイン処理に復帰する。
このように、臨時クレジット記憶領域に記憶されている臨時クレジットがある場合に、メダルを投入すると、当該メダル数を賭数又はクレジット数に加算すると同時に、加算したメダル数と同じ数のメダルを受皿25に排出することによって、遊技しながら臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルを消化できるため、遊技機2を短時間で正常な状態に復帰させることができる。
ステップS71で賭数が3と判断された場合は、遊技機2がクレジット状態に設定されているか否かを判定する(S80)。遊技機2がクレジット状態に設定されている場合は、次に、通常クレジット数が50より小さいか否かを判定する(S81)。遊技機2がクレジット状態であって、かつ、通常クレジット数が50より小さい場合は、以後投入されるメダルを通常クレジット数に加算することができるため、ステップS72に移行して、投入流路メダルソレノイド35をオンに設定し、投入メダル検出センサ16Aによってメダルが検出されたか否かを判定する(S73)。
一方、ステップS80で遊技機2が非クレジット状態に設定されていると判断された場合、又は、ステップS81で通常クレジット数が50(限度値)に達していると判断された場合は、以後投入されるメダルを通常クレジット数に加算することができないため、投入流路メダルソレノイド35をオフに設定する。これによって、メダル投入口16から投入されたメダルの流路は、受皿25側へ連通する。
次に、投入メダル検出センサ16Aによってメダルが検出されたか否かを判定する(S83)。メダルが検出されない場合は、投入されたメダルは受皿25側へ流下して排出されたと判断できるため、メイン処理に復帰する。
メダルが検出された場合は、投入流路メダルソレノイド35がオフに設定されているにもかかわらず、投入メダル検出センサ16Aからメダルを検出した旨の信号が送信されているため、投入流路メダルソレノイド35又は投入メダル検出センサ16Aが誤作動していると判断できる。よって、エラー発生処理を実行する(S84)。エラー発生処理では、投入流路メダルソレノイド35又は投入メダル検出センサ16Aで異常が発生した旨を表示装置7に文字や画像で表示する。なお、遊技場の従業員に異常が発生した旨を報知することができれば、払出枚数表示部9にエラーコードを表示してもよく、音出力装置8から異常が発生した旨を出力してもよい。
図9は、本発明の第1の実施の形態のベットスイッチ検出処理のフローチャートであり、メイン処理(図5A)のステップS15から呼び出されて、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
ベットスイッチ検出処理は、ベットボタン17又は18が操作された場合の処理である。まず、臨時クレジット数が0より大きいか否かを判定する(S91)。臨時クレジット数が0より大きい場合は、ベットボタン17又は18が操作されても、これらの操作を受け付けることなくメイン処理に復帰する。つまり、臨時クレジット記憶領域に記憶されているメダルがあるときは、通常クレジット数があっても、当該通常クレジットを用いたベット操作を無効とする。ただし、メダルの投入によるベット操作は有効であるため、遊技者に対してメダルの投入を促すことができる。メダルが投入されると、図8に示す投入メダル検出処理の実行によって臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルが早期に消化できるため、遊技機2がより短時間で正常な状態に復帰できる。
なお、遊技者がメダルを持っていない場合は、メダルを投入することができず、また、ベット操作をすることができないため、変動表示ゲームを実行することができない。このような場合、通常、遊技者は遊技場の従業員を呼び出す。そして、従業員が前面枠4を開放して遊技機2内部を点検し、その後前面枠4を閉じると、図7に示す前面枠開放スイッチ検出処理が実行され、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルが払い出される。よって、遊技機2がより短時間で正常な状態に復帰できる。
ステップS91で臨時クレジット数が0と判断された場合は、次に、通常クレジット数が0より大きいか否かを判定する(S92)。通常クレジット数が0の場合は、ベットボタン17又は18が操作されてもベット操作をすることができないため、メイン処理に復帰する。
通常クレジット数が0より大きい場合は、賭数が3より小さいか否かを判定する(S93)。賭数が3の場合は、賭数が最大ベット可能枚数に達しているため、ベットボタン17又は18が操作されてもベット操作をすることができない。よって、メイン処理に復帰する。
賭数が3よりも小さい場合は、1ベットボタン17の操作が1ベットスイッチ17Aによって検出されたか否かを判定する(S94)。1ベットボタン17の操作が検出された場合は、賭数に1を加算更新して、同時に通常クレジット数から1を減算更新する(S95)。
1ベットボタン17の操作が検出されなかった場合は、マックスベットボタン18の操作がマックスベットスイッチ18Aによって検出されたか否かを判定する(S96)。マックスベットボタン18の操作が検出された場合は、当該操作によってベットされたメダルの数を、賭数に加算更新して、同時に通常クレジット数から減算更新する(S97)。例えば、賭数記憶領域に記憶されている賭数が0のときは、マックスベットボタン18の操作によって3枚のメダルがベットされるため、賭数に3が加算更新され、同時に通常クレジット数から3が減算更新される。同様に、賭数記憶領域に記憶されている賭数が1のときは2が、賭数記憶領域に記憶されている賭数が2のときは1が、賭数に加算更新され、同時に通常クレジット数から減算更新される。その後、メイン処理に復帰する。
ステップS96でマックスベットボタン18の操作が検出されなかった場合は、ベット操作はされていないと判断することができ、メイン処理に復帰する。
なお、遊技者は、臨時クレジット数を用いて賭け操作をすることができない。よって、遊技者が、臨時クレジット数として記憶された分のメダルを用いて賭け操作をする場合は、いったん受皿25に払い出された実物のメダルを、再びメダル投入口16へ投入しなければならない。
図10は、本発明の第1の実施の形態の正常なメダル貸出処理のタイミングチャートである。
遊技者によって貸出ボタン13が操作されると、貸出スイッチ13Aはオンになる。そして、貸出スイッチ13Aがオンになったことを受けて、カードユニット3は、BRDY信号を、メダル貸出中であることを示すLレベルに立ち下げる。このとき同時に貸出スイッチ13Aはオフになる。なお、このときの臨時クレジット数は0である。
次に、BRQ信号がLレベル(オン状態)に立ち下がり、カードユニット3から遊技機2に1度数目のメダルの貸し出しが指示される。これを受けて遊技機2はEXS信号をLレベル(オン状態)に立ち下げ、カードユニット3に貸出指示を了解した旨を送信する。更にこれを受けてBRQ信号がHレベル(オフ状態)に復帰すると、遊技機2はメダル排出部モータ38を作動させて、メダル払出装置50の駆動を開始する。
その後、メダル払出装置50からメダルが1枚払い出される毎に、メダルの通過を検出した払出メダル検出センサ60がオンになる。そして、1度数のメダル(5枚)が払い出されると、EXS信号はHレベル(オン状態)に復帰して、遊技機2からカードユニット3に、1度数のメダル貸出処理(R1)が完了した旨が送信される。このとき同時に、メダル排出部モータ38は作動を停止する。これによって、1度数目のメダル貸出処理(R1)が終了する。
以下、同様の通信動作により、貸出スイッチ13Aからの一回の操作信号の送信に対して、予め定められた度数分(図10では10度数)のメダル貸出処理(R2〜R10)が行われる。
最後のメダル貸出処理(R10)が終了して所定時間(例えば、250msec)が経過すると、BRDY信号はHレベル(オフ状態)に復帰して、カードユニット3から遊技機2にメダル貸出処理を完了したことが送信される。
なお、この間PRDY信号は、メダルの貸出指示を受付可能な状態であることを示すLレベルに常に維持されている。また、臨時クレジット数は0に維持されている。
図11は、本発明の第1の実施の形態の異常発生時のメダル貸出処理のタイミングチャートである。
1度数目のメダル貸出処理(R1)では、5枚のメダルが払出メダル検出センサ59Aによって等しい間隔で検出されている。
次に、2度数目のメダル貸出処理(R2)では、1枚目のメダルから3枚目のメダルまでが払出メダル検出センサ60によって等しい間隔で検出されている。しかし、3枚目のメダルが払い出された後、4枚目のメダルが払い出されることなく所定時間が経過している。この場合、3枚目のメダルが払い出された後に遊技機2に何らかの異常が発生したと判断できる。よって、当該所定時間の経過後にメダル排出部モータ38の作動が停止される(図6のステップS57)。
そして、2度数目のメダル貸出処理(R2)のうち、払い出されなかった4枚目及び5枚目分のメダルが、臨時クレジット数に加算される(図6のステップS58)。その後、EXS信号がHレベル(オフ状態)に立ち上がり、2度数目のメダル貸出処理(R2)が終了する。
このとき、貸出スイッチ13Aからの一回の操作信号の送信に対して、予め定められた度数分(図10では10度数)のメダル貸出処理が完了していないため、EXS信号が立ち上がってから所定時間経過後、再びBRQ信号がLレベル(オン状態)に立ち下がり、カードユニット3から遊技機2に3度数目のメダルの貸し出しが指示される。
3度数目以降のメダル貸出処理(R3〜R10)では、メダル払出部モータ38は作動せず、メダルは払い出されない。これらの払い出されなかったメダルは、全て臨時クレジット数に加算される。つまり、1度数のメダル貸出処理がされるごとに、BRQ信号がLレベルに立ち下がってメダルの貸出指示がされ、EXS信号がHレベルに立ち下がったのを受けてBRQ信号がLレベルに復帰してから、EXS信号がHレベルに復帰するまでの間に、臨時クレジット数に1度数分のメダル数(5)が加算される。そして、最後のメダル貸出処理(R10)が終了して所定時間(例えば、250msec)が経過すると、BRDY信号はHレベル(オフ状態)に復帰して、カードユニット3から遊技機2にメダル貸出処理を完了したことが送信される。
このように、メダル貸出処理中に遊技機2に異常が発生すると、その後払い出されるべきメダルは臨時クレジット数に加算される。加算された臨時クレジット数は、その後前面枠開放スイッチ検出処理又は投入メダル検出処理が実行されると受皿25に払い出される。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と異なり、メダルの貸出処理中に遊技機2に異常が発生した場合、払い出している途中の度数についてのみ不足のメダルを臨時クレジット数に加算する。そして、その後のメダル貸出処理は中止する。
ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成及び処理のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図12は、本発明の第2の実施の形態のメダル貸出処理のフローチャートであり、メイン処理(図5A)のステップS12から呼び出されて、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
本実施の形態のメダル貸出処理では、まず、BRDY信号がLレベル(オン状態)に立ち下がっているか否かを判定する(S101)。貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出されると、カードユニット3は、BRDY信号をHレベルからLレベルに変化させる。よって、BRDY信号がHレベルで出力されている場合は、貸出ボタン13は操作されていないと判断でき、メダル貸出処理の開始条件が成立していないため、メイン処理に復帰する。
一方、BRDY信号がLレベルに立ち下がっている場合は、貸出ボタン13が操作されたと判断できる。次に、BRQ信号がLレベル(オン状態)に立ち下がっているか否かを判定する(S102)。BRQ信号がHレベルで出力されている場合は、カードユニット3からのメダルの貸出指示がされていないと判断でき、メイン処理に復帰する。
BRQ信号がLレベルに立ち下がっている場合は、臨時クレジット数が0より大きいか否かを判定する(S103)。なお、臨時クレジット数の初期値は「0」である。しかし、ステップS48で後述するように、メダル貸出処理中に遊技機2に何らかの異常が発生して、全てのメダルが正常に払い出せなかった場合は、不足のメダル数が臨時クレジット数に加算される。この場合、臨時クレジット数は0より大きいと判断されるため、メイン処理に復帰する。ただし、この場合、ステップS54でBRQ信号はLレベル(オン状態)に立ち下がっているが、EXS信号はHレベル(オフ状態)に維持されたままである。よって、カードユニット3は、BRQ信号が遊技機2に受け付けられなかったと判断して、所定時間後にBRQ信号をHレベル(オフ状態)に復帰させる。
臨時クレジット数が0の場合は、遊技機2に異常が発生していないと判断できるため、BRQ信号がLレベルに立ち下がった時点から一定時間経過後にEXS信号をLレベル(オン状態)に立ち下げる。同時に、払出カウンタに5を設定する(S104)。
次に、BRQ信号がHレベル(オフ状態)に復帰したことを確認した後(S105)、メダル払出部モータ38に信号を出力して作動を開始する(S106)。このとき、監視タイマに初期値「0」を設定する(S47)。
次に、払出メダル検出センサ60によってメダルの払い出しが検出されたか否かを判定する(S48)。メダルの払い出しが検出された場合は、以後、第1の実施の形態の図6で説明したステップS49〜S54と同一の処理が実行されるため、説明を省略する。
一方、ステップS48でメダルの払い出しが検出されなかった場合は、メダル払出装置50から正常にメダルが払い出されていないと判断できるため、監視タイマを更新する(S55)。以後、第1の実施の形態の図6で説明したステップS56〜S58、S52〜S54と同一の処理が実行されるため、説明を省略する。
そして、ステップS54で次の度数のメダルの貸出指示がされた場合は、ステップS103に戻り、臨時クレジット数が0より大きいか否かを判定する。この場合、ステップS57で臨時クレジット数に払出カウンタに記憶されている値が加算されているため、臨時クレジット数は0より大きいと判断される。よって、ステップS54において受信したメダルの貸出指示(BRQ信号)を無視して、メイン処理へ復帰する。つまり、メダルの貸出処理中に遊技機2に何らかの異常が発生して正常に全てのメダルが払い出せなかった場合、貸出処理中の度数についての不足のメダル数は臨時クレジット数に加算され、それ以後のメダルの貸出指示は無視して臨時クレジット数に加算しない。
なお、カードユニット3は、遊技機2に1度数分のメダルの貸出指示をする毎に、プリペイドカードの残度数から1度数を減算する。しかし、メダルの貸出指示が遊技機2によって無視された場合は、プリペイドカードの残度数を減算しない。図13で後述するように、例えば、貸出ボタン13の1回の押圧操作に対して、予め設定された貸出度数が10度数である場合に、2度数目のメダル払い出しの途中で異常が発生すると、プリペイドカードの残度数からは2度数目までの度数が減算されて、3度数目以降の度数は減算されない。
このように、メダルの貸出処理時に遊技機2に異常が発生しても、払い出せなかった不足のメダルは臨時クレジット記憶領域に数値化して記憶されるため、実際にメダルを払い出していなくてもメダルの貸出処理を終了することができる。また、臨時クレジット記憶領域に記憶されたメダルは、いったん受皿25に払い出して改めて遊技機2に投入しなければ賭数として設定できないため、臨時クレジット記憶領域に多くのメダルが記憶されても、遊技者のメダルの消費速度は速まらない。よって、メダル不足による異常を意図的に発生させることが無意味となり、また、射幸性が上がるのを抑止することができる。
また、メダルの貸出処理時に遊技機2に異常が発生した場合、1度数に満たない数のメダルだけを臨時クレジット記憶領域に数値化して記憶して、以後の度数については貸出処理を中止するため、カードユニット3との通信を早期に完了させることができる。また、臨時クレジット記憶領域に記憶する数値が小さいため、臨時クレジット記憶領域にメダルが記憶されている状態を早期に解消することができる。
図13は、本発明の第2の実施の形態の異常発生時のメダル貸出処理のタイミングチャートである。
1度数目のメダル貸出処理(R1)では、5枚のメダルが払出メダル検出センサ59Aによって等しい間隔で検出されている。
次に、2度数目のメダル貸出処理(R2)では、1枚目のメダルから3枚目のメダルまでが払出メダル検出センサ60によって等しい間隔で検出されている。しかし、3枚目のメダルが払い出された後、4枚目のメダルが払い出されることなく所定時間が経過している。この場合、3枚目のメダルが払い出された後に遊技機2に何らかの異常が発生したと判断できる。よって、当該所定時間の経過後にメダル排出部モータ38の作動が停止される(図12のステップS57)。
そして、2度数目のメダル貸出処理(R2)のうち、払い出されなかった4枚目及び5枚目分のメダルが、臨時クレジット数に加算される(図6のステップS58)。その後、EXS信号がHレベル(オフ状態)に立ち上がり、2度数目のメダル貸出処理(R2)が終了する。
このとき、貸出スイッチ13Aからの一回の操作信号の送信に対して、予め定められた度数分(例えば、10度数)のメダル貸出処理が完了していないため、EXS信号が立ち上がってから所定時間経過後、再びBRQ信号がLレベル(オン状態)に立ち下がり、カードユニット3から遊技機2に3度数目のメダルの貸し出しが指示される(図12のステップS54)。
本実施の形態では、BRQ信号がLレベル(オン状態)に立ち下がった場合、つまり、カードユニット3から遊技機2にメダルの貸出指示がされた場合に、臨時クレジット数が0より大きいときは、EXS信号はLレベル(オン状態)に立ち下がることなく、メダル貸出処理を終了する。つまり、遊技機2は、カードユニット3からの貸出指示を無視する。
カードユニット3は、BRQ信号がLレベル(オン状態)に立ち下がってから、所定時間内にEXS信号がLレベル(オン状態)に立ち下がらない場合は、メダルの貸出指示が遊技機2に受け付けられなかったと判断する。そして、BRQ信号をHレベル(オフ状態)に復帰させる。これを受けて、BRDY信号はLレベル(オフ状態)に復帰して、メダル貸出処理は完了する。
このように、メダル貸出処理中に遊技機2に異常が発生すると、当該異常が発生した度数のメダル貸出処理のうち後払い出されなかったメダルが臨時クレジット数に加算される。そして、当該度数より後の度数については、メダル貸出処理が中止される。そして、加算された臨時クレジット数は、その後前面枠開放スイッチ検出処理又は投入メダル検出処理が実行されると受皿25に払い出される。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。