JP6073260B2 - ディスク装置 - Google Patents
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Description
一方、位相差計には計測可能な許容上限周波数があり、また位相差計の計測対象であるサブビーム信号の周波数は、ディスク回転数周波数、光ディスク自体およびディスク装置側の機械的な偏心量に依存して変化する。
従って、ディスク回転数周波数、光ディスク自体およびディスク装置側の機械的な偏心量によっては、サブビーム信号の周波数が位相差計で計測可能な許容上限周波数より高くなる場合がある。この場合、位相差計による位相差の計測が不安定になる。
このように偏心量を管理して生産された光ディスクを使用する場合、調整に使用する光ディスクのコストが常に増加する。また光ディスクや実機の偏心実力に合わせてディスク回転周波数をカスタマイズするには、それを行う設備の調整に時間がかかるという課題があった。
図1は、この発明の実施の形態1に係るディスク装置の構成を示すブロック図である。図1において、ディスク装置1は、例えば車両などの移動体に搭載され、光ディスクdの再生やデータ記録を行うディスク装置であり、光ピックアップ2、RFアンプ3、位相差計4、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)5、制御マイクロコンピュータ(マイコン)6、駆動制御部7およびスピンドルモータ8を備えて構成される。
従って、ディスク装置1において、メインビームのビームスポットがトラックを横断したときにE信号とF信号の位相差が180度になるように、光ピックアップ2の位置やターンテーブルの位置を調整する。
なお、図1では、位相差計4がRFアンプ3の出力信号(E信号、F信号)を入力する構成を示したが、位相差計4がRFアンプ3の出力ではなく、DSP5に接続された構成であってもよい。この場合、位相差計4は、DSP5から出力されるRFアンプ3からの出力信号を用いて位相差を計測する。
トラック横断検出部5aは、RFアンプ3から出力されるトラッキングエラー信号などを用いてトラックの横断を検出する。
なお、位相差計4の許容上限周波数は、位相差計4が計測対象信号間の位相差を適切に計測可能な上限周波数として設定される値であり、位相差計4の性能上、予め規定された最大計測可能周波数が挙げられる。または、この最大計測可能周波数から余裕分を減じた周波数であってもよい。これにより、各ディスク規格内で偏心量がばらついた場合、もしくはそれを超える偏心量を持った光ディスクdであっても、位相差計4の許容上限周波数以下の周波数範囲で位相差を計測することができる。
このとき、サブビーム2の反射光の光量が最大となり、サブビーム1の反射光の光量が最小となる。
従って、E信号−F信号の演算結果から、メインビームの位置がCa方向のどちら側にずれているかを検出することができる。そして、図2(b)のようにE信号とF信号の位相差が180度ずれた状態に調整すれば、トラッキングエラー信号の振幅は偏心の位置に依存することなく一定となる。
図3に示すように、メインビームのスポットMは、その中心daがトラック上を通り、かつ両サイドのサブビーム1,2のスポットE,FはスポットMに対してそれぞれ左右に1/2トラックずれて照射される。この位置関係に加えて、図3の下側に示すようにスポットMの中心daとスピンドルモータ8の回転中心8aを結ぶ線分がトラックに直交すると、E信号とF信号の位相差がおよそ180度になる。
このため、E信号とF信号との間の位相差が180度にならない。この場合、光ピックアップ2を、光ディスクdの接線方向であるタンジェンシャル方向に動かして、図3の下側に示す位置に調整する。
作業者は、この表示部に表示された数値が180度の位相差を示す値となるように、光ピックアップ2の位置やターンテーブルの位置を移動させて調整を行う。光ピックアップ2単体の場合には、ホログラムユニットを回転させることにより調整を行う。なお、位相差調整の具体的な方法は、下記参考文献などのように様々な方法が提案されている。
(参考文献)特開2005−44424号公報
図4は、実施の形態1に係るディスク装置の動作を示すフローチャートであり、位相差調整を行うディスク回転周波数を決定する処理を示している。
まず、駆動制御部7が、DSP5からの制御信号に従って、スピンドルモータ8を駆動して光ディスクdの回転を開始する(ステップST1)。このとき、トラック横断検出部5aは、メインビームによるトラックの横断を検出する。
そこで、光ディスクdの1回転あたりのトラック横断本数をα、トラックピッチをβとすると、偏心量eはe=(α×β)/2で算出することができる。
例えば、トラック横断の最大周波数をCFMAXとし、ディスク回転周波数をRFとし、偏心量計測部6aに計測された偏心量をe、トラックピッチをβとした場合に、CFMAX=(2π×RF×e)/βの関係式が成り立つ。このCFMAXが許容上限周波数(例えば最大計測可能周波数)FMAX以下であればよいので、ディスク回転数算出部6bは、上記関係式を用いて導かれる下記式(1)に従って、ディスク回転周波数RFを算出する。
すなわち、ディスク回転数算出部6bは、下記式(1)で算出した回転周波数以下となるディスク回転周波数RFを、位相差計4で両サブビーム信号間の位相差を計測してその値を調整する処理を行う際のディスク回転周波数とする。
RF≦(FMAX×β)/(2π×e) ・・・(1)
しかしながら、一般的な位相差計4には位相差を計測する信号の最大計測可能周波数(許容上限周波数)がある。また、位相差計4が位相差を計測する対象となる光ビーム信号は、光ディスクdの偏心量、ターンテーブルを含む機械的な偏心量、ディスク回転周波数によって変化する。このため、光ディスクdの偏心量のばらつきや調整対象の機械公差のばらつき、チャッキング時の光ディスクdの状態などによって、位相差計4で位相差を計測する対象となる信号の周波数が上記許容上限周波数を超える場合があった。この場合、位相差計4の計測が安定せず、表示部に表示される位相差を示す数値が異常値となる可能性がある。
このように偏心量を管理して生産された高価な光ディスクdを使用する場合、調整に使用する光ディスクdのコストが常に増加する。また、光ディスクdや実機の偏心実力に合わせてディスク回転周波数をカスタマイズするには、それを行う設備の調整に時間がかかり、設備メンテナンスの費用アップも避けられない。
このように構成することで、各ディスク規格内で偏心量がばらついた場合、もしくはそれを超える偏心量を持った光ディスクdであっても、位相差計4の許容上限周波数以下の周波数範囲で位相差を計測することができる。
Claims (3)
- 光ピックアップからの光ビームをメインビームと2つのサブビームに分けて光ディスクに照射し、前記メインビームが前記光ディスクのトラックを横断したときに位相差計によって計測された両サブビーム信号間の位相差が予め定めた位相差となるように調整されるディスク装置であって、
前記光ピックアップのフォーカスオン状態で前記光ディスクの偏心量を計測する偏心量計測部と、
前記位相差計の許容上限周波数、前記光ディスクのトラックピッチおよび前記偏心量計測部に計測された偏心量に基づいて、サブビーム信号の周波数が前記許容上限周波数以下となるディスク回転周波数を算出し、前記両サブビーム信号間の位相差を調整するときのディスク回転周波数として設定するディスク回転数算出部とを備えるディスク装置。 - 前記メインビームによるトラックの横断を検出するトラック横断検出部を備え、
前記偏心量計測部は、前記光ディスクが1回転するまでの間に前記トラック横断検出部が検出したトラックの横断を計数したトラック横断本数に基づいて、前記光ディスクの偏心量を算出することを特徴とする請求項1記載のディスク装置。 - 前記偏心量計測部は、トラッキングオン状態におけるトラッキングドライブ信号電圧を計測して、この計測の結果と前記光ピックアップの直流感度とから前記光ディスクの偏心量を算出することを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
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