JP6070948B2 - サイドシル構造 - Google Patents

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Description

本発明はサイドシル構造に関し、特にサイドシルアウタパネルにビードを設けたサイドシル構造に関する。
従来、車両のサイドシルは、シルインナパネルとシルアウタパネルとを閉断面形状を形成するようにフランジ部同士を接合し、車両の両側において車両前後方向に延びるように配置されている(例えば、特許文献1参照)。引用文献1に記載のサイドシルでは、シルアウタパネルが下部フランジ部と、下部フランジ部の上端から車幅方向外側に延びる下面部と、下面部からさらに折り曲げ部を経て斜め上方向へ延びる縦面部を有している。引用文献1のサイドシルの下面部は、ジャッキアップ位置において、一般部よりも鈍角状に屈曲された斜面部が設けられている。
また、サイドシル構造は、図7に示すように、車体サイドドア開口部の下辺部を構成している。図7の例では、シルアウタパネル220の下面部223に、基準面223cに対して上側に凸形状をなす複数のビード240が、それぞれ車両前後方向に所定距離だけ離間して設けられている。このビード240は、下部フランジ部221aの上端から折り曲げ部225aの間で車幅方向に延びるように形成されている。
シルアウタパネル220は、薄い鋼板材を機械加工等して形成されるものであり、上述のようなビード240を設けることによりサイドシル構造の面剛性を向上させることができる。また、下面部223の車幅方向の両側端部は、下部フランジ部221aと縦面部225との境界をなすように、折り曲げられた状態となっている。このため、上述のビード240を設けることにより、下面部223の車幅方向の両側端部におけるスプリングバックを防止することができる。
従来、車両製造時、フレーム部材を組み付けた車体構造は、電着液に浸けられた後、乾燥炉内で乾燥される。このとき、シルインナパネルよりもシルアウタパネルの方が初期温度上昇速度が大きいため、両パネル間には熱膨張差が生じる。上述の熱膨張差により、シルアウタパネルは変形が発生し易い状況となる。しかも、シルアウタパネルは、車両前後方向において構造が一様でないため、局所的に応力が集中し易くなる。このため、乾燥工程後、シルアウタパネルには、熱膨張差に起因する応力集中部位に、永久歪みが残るおそれがあった。
そして、図7のように、シルアウタパネル220の下面部223にビード240が設けられている場合、縦面部225よりも下面部223の方が熱応力に対抗する面剛性が大きいため、下面部223よりも縦面部225の方に永久歪みが残り易かった。このため、図7のサイドシル構造では、シルアウタパネル220の縦面部225には、車両前後方向に2条のビード242を形成して剛性を高めており、さらに縦面部225を樹脂モール(図示せず)で覆うことにより、外観の意匠性を高めている。
一方、図8は、シルアウタパネル320の縦面部325に、車両前後方向に延びるビードが形成されていない例を示している。図8の例では、シルアウタパネル320の縦面部325を樹脂モールで覆うことなく、意匠面として用いることができる。
実開平1−169484号公報
しかしながら、図7の例では、アウタパネル220の縦面部225の外観が良好とは言えないため、車両外観を構成する意匠面とすることができず、樹脂モールで覆う必要があり、このため、製造コスト増となるという問題があった。
また、図8の例では、上述のように、シルアウタパネル320の縦面部325は電着乾燥工程において永久歪みを生じやすいため、このような永久歪みを生じないようにするための対策が必要であった。
例えば、電着乾燥工程で永久歪みを生じないようにするため、縦面部325の裏側に補強部材を取り付ける対策が講じられる。縦面部325の裏側に補強部材を取り付けることによって縦面部325の面剛性が高められ、これにより、永久歪みが残り難くなる。しかしながら、この対策を講じることにより、製造コスト増につながるという問題があった。
また、電着乾燥工程で永久歪みを生じないようにするため、縦面部325の平面的な部分の上下方向長さを短くし、この平面的な部分から下面部に向けて曲率半径の比較的大きな湾曲形状とする対策が講じられる。このように、縦面部325の下部を曲率半径の大きな湾曲形状とすると、永久歪みが生じたとしても美観が大きく損なわれなくなると共に、縦面部325の面剛性が高められる。しかしながら、この対策においては、樹脂モールを取り付けたときに得られるような車両前後方向に延びる平面的な造形を得ることができず、デザインの自由度の低下につながるという問題があった。特に、この対策では、縦面部325を車両前後方向に延びる平面的な形状とすることができなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、製造コスト増やデザイン自由度の低下を回避しつつ、シルアウタパネルの縦面部を意匠面として用いることが可能なサイドシル構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、インナパネルとアウタパネルとが閉断面形状を形成するように接合され、車体サイドドア開口部の下辺部をなして車両前後方向に延びるように配置されたサイドシル構造であって、アウタパネルは、インナパネルと接合するためのフランジ部と、このフランジ部の端部から車幅方向外側へ延びる下面部と、この下面部の車幅方向外側端部の折り曲げ部から立ち上がる縦面部と、を有し、下面部には、上向き又は下向きに突出する複数個の凸部が設けられ、複数個の凸部は、フランジ部の端部から折り曲げ部に向けて延びると共に、アウタパネルの車両前後方向にわたって離間して配置されており、複数個の凸部は、フランジ部の端部から折り曲げ部に向けた長さの長い凸部と、長さの長い凸部に挟まれて配置された、フランジ部の端部から折り曲げ部に向けた長さが前記長さの長い凸部よりも短い少なくとも1個の凸部を含むことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、サイドシル構造を構成するアウタパネルの縦面部から折り曲げ部を経て車幅方向内側へ延びる下面部に複数個の凸部(ビード)が設けられている。これら複数個の凸部は、それぞれ下面部においてフランジ部の端部から折り曲げ部に向けて形成されており、互いに車両前後方向に離間して配置されている。これら複数個の凸部は、アウタパネルの面剛性を高めると共に、下面部の車両幅方向の両端部(すなわち、フランジ部と下面部との折り曲げ部分、及び、縦面部と下面部との折り曲げ部分)におけるスプリングバックを防止する。
本発明において、特徴的には、複数個の凸部は、フランジ部の端部から折り曲げ部に向けた長さの長い凸部と短い凸部とを含んでおり、少なくとも1個の短い凸部が、長い凸部に挟まれて配置されている。複数個の短い凸部の連続的な配列が、長い凸部の間に挟まれる構成も可能である。この構成により、少なくとも1個の短い凸部の車幅方向外側の端部と折り曲げ部との間に面領域が形成される。この面領域は、凸部が形成されていない基準面と連続しており、凸部が形成されていないため、面剛性が相対的に低下されている。
上述のように、車両製造時の乾燥工程において、サイドシル構造のアウタパネルの縦面部の特定箇所に熱膨張差に起因する応力集中が生じて、この応力集中によって部分的に歪みが生じ得る状況となり易い。しかしながら、本発明では、上述の面領域が歪み逃げ面として機能し、この歪みを吸収することができる。これにより、本発明では、縦面部における局所的な応力集中を回避でき、乾燥工程後に縦面部に永久歪みが残ることを防止することが可能となる。
このように、本発明では、アウタパネルの縦面部にビードを設けたり、縦面部の裏面に補強部材を取り付けたりして、縦面部の面剛性を高める必要がなく、また、縦面部の面剛性を比較的高くするために平面部分を減らして曲率半径の大きな曲面形状に形成する必要がなく、製造コストを低減できると共に、デザインの自由度を向上させることができる。
また、本発明においては、下面部には、長さの短い少なくとも1個の凸部を設けることにより、長さの短い少なくとも1個の凸部と前記折り曲げ部との間に剛性を低下させた面領域が設けられている。
また、本発明においては、剛性を低下させた面領域は、車両製造時の乾燥工程において、アウタパネルの縦面部の熱膨張による歪みを吸収する歪み逃げ面として機能する。
また、本発明において好ましくは、長さの短い少なくとも1個の凸部は、アウタパネルの車両前後方向の中央部分に設けられている。車体サイドドア開口部の下辺部において、サイドシル構造は、車両前後方向の端部付近にそれぞれピラーが固定されているため、乾燥工程における応力集中がアウタパネルの車両前後方向の中央部分に構造的に生じ易い。このため、応力集中が生じやすい中央部分に合わせて、長さの短い少なくとも1個の凸部をアウタパネルの車両前後方向の中央部分に設けることにより、永久歪みの発生を確実に抑制することができる。
また、本発明においては、アウタパネルの折り曲げ部は、中央部分が車幅方向内側に撓むように、平面視で湾曲形状をなすように構成してもよい。
また、本発明においては、アウタパネルの縦面部は、車体サイドドア開口部の下辺部の意匠面を構成することができる。
本発明のサイドシル構造によれば、製造コスト増やデザイン自由度の低下を回避しつつ、シルアウタパネルの縦面部を意匠面として用いることができる。
本発明の実施形態におけるサイドシル構造の斜視図である。 本発明の実施形態におけるサイドシル構造の断面図である。 本発明の実施形態におけるサイドシル構造のシルアウタパネルの底面図である。 本発明の実施形態における車体構造の乾燥工程の説明図である。 本発明の実施形態における車体構造の乾燥工程におけるシルインナパネル及びシルアウタパネルの温度変化を示すグラフである。 本発明の実施形態及び従来例のシルアウタパネルの断面図である。 従来例のサイドシル構造の斜視図である。 別の従来例のサイドシル構造の斜視図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図3を参照して、本発明の一実施形態による車両のサイドシル構造を説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態によるサイドシル構造1は、車体構造100の前後のサイドドア101(図2参照)の開口部102a,102bの下辺部を構成し、ピラー104aとピラー104cとの間にわたって車両前後方向に延びている。
サイドシル構造1の前端部,後端部は、それぞれピラー104a,104cの下端部に接続されている。また、サイドシル構造1の中間部分に、ピラー104bの下端部が接続されている。
図2に示すように、サイドシル構造1は、シルインナパネル10とシルアウタパネル20とを閉断面形状を形成するように接合して構成されている。また、シルインナパネル10とシルアウタパネル20との間に挟まれて、レインフォースメント30が配置されている。これらシルインナパネル,シルアウタパネル20及びレインフォースメント30は、薄板状の鋼板をプレス加工等の機械加工を行うことにより形成されている。
シルインナパネル10は、略上下方向に延びる下部フランジ部11aと、下部フランジ部11aの上端部から車幅方向内側へ延びる下面部13と、下面部13の車幅方向内側端部から上下方向に延びる縦面部15と、縦面部15の上端部から車幅方向外側へ延びる上面部17と、上面部17の車幅方向外側端部から上方へ延びる上部フランジ部11bとを備える。
一方、シルアウタパネル20は、略上下方向に延びる下部フランジ部21aと、下部フランジ部21aの上端部から車幅方向外側へ延びる下面部23と、下面部23の車幅方向外側端部から上下方向に延びる縦面部25と、縦面部25に連なり、サイドドア101のドアインナパネル101aの下端部の形状に合わせて形成された段部26と、段部26の上端部から車幅方向内側へ延びる上面部27と、上面部27の車幅方向内側端部から上方へ延びる上部フランジ部21bとを備える。
シルアウタパネル20の縦面部25は、サイドドア101のドアアウタパネル101bと共に、車両の外観をなす意匠面であり、シルアウタパネル20の縦面部25とドアアウタパネル101bとは連続した平面的な外観形状を構成している。
本実施形態では、縦面部25は略車両幅方向に延びる下面部23の外側端部の折り曲げ部25aで折り曲げられたような状態で、上下方向に平面状に延びている。したがって、縦面部25は、車両前後方向に全体として略平面状の造形を与えている。
なお、折り曲げ部25aは、平面キャンバーをなしている。すなわち、折り曲げ部25aは、車両前後方向の中央部分が車幅方向内側へ凸形状となるように、弓なりにやや湾曲した稜線をなしている。
図1に示すように、シルアウタパネル20の下面部23は、車幅方向に略一定の幅を有し且つ車両前後方向に延びている。そして、この下面部23には、車両前後方向にわたって複数のビード40(40a及び40b)が離間して形成されている。本実施形態では、10個のビード40が形成されている。ビード40は、下面部23の基準面23aよりも下向きに突出する凸部であり、下部フランジ部21aの上端部から折り曲げ部25aに向けて延びるように形成されている。基準面23aは、下面部23の主面をなしている。本実施形態では、ビード40は略車両幅方向に延びるように形成されている。
ビード40は、薄板鋼板からなるシルアウタパネル20の下面部23の面剛性を向上させると共に、下部フランジ部21aの上端部及び折り曲げ部25aにおけるスプリングバックを防止するために設けられている。
なお、基準面23aには、電着液をサイドシル構造1の閉空間内に導くための電着孔23bが複数形成されている。
図3に示すように、本実施形態では、車両前後方向における前側の3個のビード40aと後側の4個のビード40aは、下部フランジ部21aの上端部から折り曲げ部25a近傍までの下面部23の車幅方向の略全域にわたって延びている。一方、車両前後方向でビード40aに挟まれた中間部位に位置する3個のビード40bは、下部フランジ部21aの上端部から、下面部23の車幅方向の中間位置までしか延びていない。このため、中間位置のビード40bの車幅方向外側端部から折り曲げ部25aの間の面領域23cは、基準面23aを構成している。本実施形態では、この面領域23cは、後述するように、歪み逃げ面として機能する。
本実施形態では、縦面部25のうち、乾燥工程において永久歪みが生じやすい部位が、車両前後方向の中央部分であるので、これに対応して歪み逃げ面である面領域23cを車両前後方向の中央部分に設けている。本実施形態では、サイドシル構造1の前後の端部がピラー104a,104cによって拘束されていること、及び、折り曲げ部25aが弓なりにやや湾曲したカーブの稜線を有することに起因して、乾燥工程において、縦面部25のうち、車両前後方向の中央部分に熱応力が集中し易いと考えられる。
なお、本実施形態では、ビード40a,40bは、下部フランジ部21aの上端部から折り曲げ部25aに近づくに連れて基準面23aとの高さの差が小さくなるように設定されているが、これに限らず、折り曲げ部25aに近づくに連れて高さの差が大きくなるように設定してもよいし、高さの差が車幅方向において一定となるように設定してもよい。
次に、図4乃至図6を参照して、本発明の一実施形態によるサイドシル構造1の作用について説明する。
一般に、車両製造時、フレーム部材を組み付けた車体構造は、電着液に浸けられ、車体構造表面に電着液が付着した状態で乾燥炉内へ入れられ乾燥工程が実施される。図4は、車体構造100が乾燥炉2内の高温雰囲気(約180〜200℃)によって乾燥工程が施されている状況を示している。図4では、車体構造100に対して熱風Hが左右両側から吹き付けられている。
図5は、乾燥工程におけるシルインナパネル10とシルアウタパネル20の温度T1,T2の時間変化を示している。シルインナパネル10はシルアウタパネル20等により高温雰囲気から部分的に遮蔽されているが、シルアウタパネル20は高温雰囲気に直接晒されている。特に、図5のように、車体の左右両側から熱風Hを吹き付ける場合、熱風Hがシルアウタパネル20に直接吹き付けられるため、シルアウタパネル20の温度T2はシルインナパネル10よりも上昇し易い。このため、乾燥工程の初期段階において、シルインナパネル10よりもシルアウタパネル20の方が温度上昇速度が大きい。
したがって、シルアウタパネル20の温度T2が最大温度TMAX(約180〜200℃)に達したときに、シルインナパネル10の温度T1は依然として上昇中であり、温度差ΔT(約50〜70℃)が生じる。このため、シルインナパネル10とシルアウタパネル20が同一材料で製造されていたとしても、乾燥工程中に両者には熱膨張差が生じる。
この熱膨張差により、シルアウタパネル20は、シルインナパネル10よりも熱膨張し易くなり、これにより、より大きな熱応力を受ける。さらに、シルインナパネル10は、シルアウタパネル20よりも多くの構造部材によって支持及び固定されているため、シルアウタパネル20の方が熱応力による影響を受け易い。また、シルアウタパネル20の具体的な構造に応じて、車両前後方向の特定部位に熱応力が集中し易くなる。
そして、シルアウタパネル20の下面部23,縦面部25,段部26,上面部27等に熱応力が加わるが、下面部23にはビード40が形成され、段部26には実質的に車両前後方向にビードが形成されているため、面剛性が他の部位よりも大きくなっている。また、縦面部25は、上面部27よりも面積が大きいため面剛性の面で不利である。したがって、シルアウタパネル20を構成する部分のうち、縦面部25が最も熱応力の影響を受け易い。さらに、縦面部25は外観上の意匠面をなすため、熱応力による永久歪みの発生は、上面部27等よりも縦面部25においてより慎重に回避しなければならない。
図6(B)は、図8に示したような、従来のサイドシル構造のシルアウタパネル320の断面図を示している。図6(B)に示すように、従来は、全てのビード340が下面部323の車幅方向の略全域にわたって形成されており、乾燥工程における応力集中による永久歪みが縦面部325に現れ易かったため、縦面部325の平面部分の高さHbを小さく設定せざるを得ず、また、平面部分と下面部323とを比較的大きな曲率半径の湾曲形状でつないで、面剛性を高くしなければならなかった。
一方、図6(A)は、本実施形態のサイドシル構造1のシルアウタパネル20の断面図を示している。本実施形態では、シルアウタパネル20の縦面部25は、平面部分の高さHa(>Hb)を従来よりも大きく設定して、従来、樹脂モールで形成していたような平面状の造形を可能としている。
すなわち、本実施形態では、乾燥工程中に、縦面部25に熱膨張差に起因して応力集中が生じても、その集中した熱応力を下面部23の歪み逃げ面としての面領域23cに逃がすことができる。このため、永久歪みが生じたとしても、図6(A)に一点鎖線で示したように、下面部23の面領域23cに永久歪みを生じさせ、縦面部25に生じる永久歪みを極めて小さな量に抑制することができる。これにより、本実施形態では、乾燥工程で生じ得るシルアウタパネル20の縦面部25の歪みを抑制して、縦面部25を意匠面として用いることが可能となる。
以下に本発明の変形例を記載する。
上記実施形態では、ビード40が下面部23の基準面23aに対して上方へ突出する凸部であったが、これに限らず、基準面23aに対して下方へ突出する凸部であってもよい。
また、上記実施形態では、ビード40a,40bの車両前後方向の長さが一定長さに設定されているが、これに限らず、異なる車両前後方向長さを有するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、長さの短いビード40bがシルアウタパネル20の長手方向の中央部分に配置されているが、これに限らず、縦面部25のうち、熱膨張差による永久歪みが生じ易い部位の対応位置に面領域23cを配置するように、ビード40bの車両前後方向の配置位置を設定すればよい。
また、上記実施形態では、長さの短い3個のビード40bが連続的に設けられているが、これに限らず、長さの短いビード40bの個数は1個以上であればよい。
また、上記実施形態では、ビード40bの車幅方向の長さが3個とも同じ長さに設定されているが、これに限らず、複数個のビード40bの車幅方向の長さを異ならせてもよい。例えば、真ん中のビード40bの車幅方向長さを両側の他のビード40bよりも短く設定するように構成してもよいし、車両前後方向に徐々に長く又は短く設定するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、歪み逃げ面としての面領域23cが1箇所のみに設けられていたが、これに限らず、複数個所に設けてもよい。
1 サイドシル構造
2 乾燥炉
10 シルインナパネル
20 シルアウタパネル
21a 下部フランジ部
21b 上部フランジ部
23 下面部
23a 基準面
23c 面領域
25 縦面部
25a 折り曲げ部
26 段部
27 上面部
30 レインフォースメント
40,40a,40b ビード(凸部)
100 車体構造
101 サイドドア
101a ドアインナパネル
101b ドアアウタパネル
102a,102b 開口部
104a,104b,104c ピラー

Claims (6)

  1. インナパネルとアウタパネルとが閉断面形状を形成するように接合され、車体サイドドア開口部の下辺部をなして車両前後方向に延びるように配置されたサイドシル構造であって、
    前記アウタパネルは、前記インナパネルと接合するためのフランジ部と、このフランジ部の端部から車幅方向外側へ延びる下面部と、この下面部の車幅方向外側端部の折り曲げ部から立ち上がる縦面部と、を有し、
    前記下面部には、上向き又は下向きに突出する複数個の凸部が設けられ、
    前記複数個の凸部は、前記フランジ部の端部から前記折り曲げ部に向けて延びると共に、前記アウタパネルの車両前後方向にわたって離間して配置されており、
    前記複数個の凸部は、前記フランジ部の端部から前記折り曲げ部に向けた長さの長い凸部と、前記長さの長い凸部に挟まれて配置された、前記フランジ部の端部から前記折り曲げ部に向けた長さが前記長さの長い凸部よりも短い少なくとも1個の凸部を含むことを特徴とするサイドシル構造。
  2. 前記下面部には、前記長さの短い少なくとも1個の凸部を設けることにより、前記長さの短い少なくとも1個の凸部と前記折り曲げ部との間に剛性を低下させた面領域が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサイドシル構造。
  3. 前記剛性を低下させた面領域は、車両製造時の乾燥工程において、前記アウタパネルの縦面部の熱膨張による歪みを吸収する歪み逃げ面として機能することを特徴とする請求項2に記載のサイドシル構造。
  4. 前記長さの短い少なくとも1個の凸部は、前記アウタパネルの車両前後方向の中央部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
  5. 前記アウタパネルの前記折り曲げ部は、中央部分が車幅方向内側に撓むように、平面視で湾曲形状をなすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
  6. 前記アウタパネルの縦面部は、前記車体サイドドア開口部の下辺部の意匠面を構成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
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