JP6069917B2 - 乾式クリーニング筐体及び乾式クリーニング装置 - Google Patents
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一般的には、このような洗浄は溶剤に浸漬して行うため、大量の溶剤を消費しており、コストアップを避けられず、作業者や環境への負荷も極めて大きい。
浸漬せずに装置内で溶剤を洗浄対象物に噴射する方式も知られているが、溶剤を大量に使用するという点に変わりはない。
これらの装置では、内部空間を有する筐体に吸引手段を接続して筐体内を負圧化し、筐体の外周面の一部に設けられた通気路から外部空気を高速で流入させることにより筐体内で旋回気流を生じさせ、この旋回気流で薄片状の洗浄媒体を筐体内で循環飛翔させるようになっている。
筐体の外周面の一部に形成された、上記通気路よりも大きな断面積を有する開口部を洗浄対象物にあてて塞ぐことにより上記旋回気流が生じ、開口部で洗浄媒体が洗浄対象物の表面に高速で衝突し、これが繰り返されることにより洗浄対象物の汚れが除去されるものである。
この種の乾式クリーニング装置が開発された経緯は、上記のようにマスク治具のようなフラックスが堆積して固着した強固な汚れを除去することにあったため、エッジの切り込み作用を効率的に得るべく、通気路から流入する気流の上記洗浄対象物に対する角度(以下、「気流入射角度」ともいう)は、大きく設定されている。
すなわち、特許文献1の図22及びその説明部分に記載されているように、洗浄能力は、洗浄媒体の衝突エネルギーに比例して90°が最も大きく、この観点から気流入射角度は、構成上の制約を回避しつつなるべく90°に近いものになっている。
上記外装カバーの汚れは、空気中の埃が静電力で付着したもの、手垢、装置内部から発生するトナーやインクあるいは油等の汚れである。換言すれば、フラックスが堆積して固着した強固な厚みのある汚れに対して軽度の薄い汚れである。
このような汚れに対して気流入射角度を大きくすると、洗浄媒体のエッジの切り込み作用が大きく、汚れを除去する機能よりも汚れの層を通り越して基材(外装カバー)自体にダメージを与える作用が大きく、外観劣化により外装カバーの再使用ができなくなるケースもあった。
一方、特許文献1の図22から明らかなように、気流入射角度が小さすぎても良好な洗浄能力は得られない。
本発明における「筐体」とは、内側に旋回空気流を発生させやすい形状の空間を備えた容器状の構造物を示す。旋回気流を発生させやすい形状とは、気流が筐体の内壁を沿って流れて循環する、連続した内壁を持つ形状であり、より望ましくは回転体形状の内壁または内部空間を備える形状である。
「通気路」とは、気流を一定の方向に流れやすくする手段のことであり、滑らかな内面を備える管形状であることが一般的である。しかしながら、たとえば滑らかな面を持つ、板状の流路制御板などを用いても、気体を面に沿った方向に流れやすくする、整流効果が発現するため、このような形態も含めて通気路とする。
直線の管形状を備え、一方の端部が筐体内壁の空気流入口に接続され、もう一方の端部が筐体外の大気に開放されている空気取り入れ口である通気路を、本発明では「インレット」と呼称する。インレットは一般的に流体抵抗が低く、滑らかな内面を持ち、管の断面は円形、長方形、スリット形状などが用いられる。
まず、図14乃至図16に基づいて、本発明の乾式クリーニング装置の基本構成及び機能について説明する。
図14に基づいて、本発明に係るハンディタイプの乾式クリーニング装置2の構成の概要を説明する。図14(a)はA−A線での横断面図、(b)はB−B線での縦断面図である。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間を有する乾式クリーニング筐体(以下、単に「筐体」という)4と、筐体4内を負圧化する吸気手段6とを備えている。
筐体4は、筐体本体部としての円筒形状の上部筐体4Aと、逆円錐形状の下部筐体4Bとから一体として構成されている。ここでの上部、下部は図面上の便宜的呼称であって、実機上の上下とは必ずしも関係はない。
吸気手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、該吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。吸引装置12としては、家庭用掃除機、真空モータや真空ポンプ、あるいは流体の圧送により間接的に低圧化ないし負圧化を生じさせる装置などを適宜用いることができる。なお、部材の上面、底面等の上下の位置関係は図面上の基準にすぎない。
上部筐体4Aの底面部における下部筐体4Bとの境界部分には、多孔手段としての多孔性の分離板14が設けられている。分離板14は、パンチングメタルのような穴が空いた板状の部材である。分離板14は、吸引されたときの洗浄媒体5の下部筐体4B側への移動を阻止するものである。図14(a)では分離板14の表示を一部省略している。なお、洗浄媒体5は分かり易くするためにその大きさを誇張表示している。
多孔手段としては、洗浄媒体5を通さずに空気及び粉塵(洗浄対象物から除去された除去物)を通過させる大きさの細孔を多く備える多孔形状であればよく、スリット板や網などを用いてもよく、材質も滑らかな面を備えていれば、樹脂や金属などを自由に選択して良い。
多孔手段は旋回空気流の中心軸と直交する面として配置されている。旋回空気流の中心軸と直交することによって、多孔手段に沿う方向に気流が流れることにより、洗浄媒体5の滞留を防ぐ効果がある。
旋回空気流の減衰を抑えるために、筐体内面は段差、凹凸がなく平滑であることが望ましい。
筐体4の材質は特に限定されないが、異物の付着や洗浄媒体との摩擦による消耗を防ぐために、例えばアルミ二ウムやステンレスなどの金属製が好適であるが、樹脂製のものを用いることもできる。
流路制限部材16は旋回空気流の流路断面積を絞って流速を向上させる目的で設けられている。流路制限部材16により上部筐体4A内には滑らかな壁面を有するリング状の旋回空気流移動空間(洗浄媒体の飛翔空間)が形成されている。
上部筐体4Aの形状によっては、流路制限部材16の中心軸と上部筐体4Aの中心軸を必ずしも共通にする必要はなく、リング状の空間が確保できていれば偏芯していても良い。
上部筐体4Aは直径に対して高さが極めて小さい円筒形状であり、その高さを形成する側面の一部に開口部18を設けることにより、筐体4全体としては、図14(b)に示すように、開口部18以外の外周部分が洗浄対象物20から大きく逃げる(離れる)レイアウトとなり、洗浄対象物20に対する局所的当接、換言すればピンポイントクリーニングの自由度が高められている。
開口部18は、上部筐体4Aの側面を円筒軸に平行な平断面により切断した形状であり、円筒軸と直交する方向から見て矩形形状をなしている。
インレット24は分離板14に略平行に設定されており、その通気方向は、上部筐体4Aの半径方向に対して傾き、その通気路中心の延長線が開口部18に達するように位置している。
インレット24は、上部筐体4Aの高さ方向に延びる幅を有している。インレット24は上部筐体4Aの高さよりも径又は幅が小さいものを1つ配置してもよく、単体のインレットを高さ方向に複数配置する構成としてもよい。
図14に示すように、開口部18が洗浄対象物20に当接して塞がれると、筐体4内が閉空間としてなり、インレット24から外気が高速で流入し、この高速気流は洗浄媒体5を開口部18へ向けて加速させるとともに旋回気流としての旋回空気流30を生成する。
閉空間が形成された時に生じる旋回空気流は、分離板14上に吸着した洗浄媒体を吹き払い、再飛翔させる効果を有する。
このような構成を備えることにより、乾式クリーニング装置2を洗浄対象物に当てていない間は、空気流入口22が大気圧に近づくことによって、外部との差圧が低下し、その結果流入する気流が劇的に低減する。一方、開口部18から流入する気流は多くなるため、洗浄媒体5が筐体4内から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、開口部18が開放されている状態では、閉塞されている場合に比べて流入する気流の総量が2〜3倍になるため、とくに薄片状の洗浄媒体では多孔手段上に吸着されるため、再飛翔せず筐体の外に漏れることがない。これを開口部開放時における洗浄媒体吸着効果という。
薄片状の洗浄媒体とは面積が1mm2以上200mm2以下の薄片である。また、洗浄媒体の材質はポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタラート、アクリル、セルロース樹脂などの耐久性のある素材からなるフィルムであり、厚みは0.02mm以上0.1mm未満である。
但し、洗浄対象物(以下「クリーニング対象物」ともいう)によっては洗浄媒体の厚みやサイズや材質を変えることが効果的な場合もあり、これらの洗浄媒体を使用する場合も本発明の範囲に含まれるため、前記洗浄媒体条件には限定されない。
洗浄媒体の材質に関しては、樹脂だけにとどまらず、紙、布などの薄片や、あるいは、雲母などの鉱物、セラミックやガラス、金属箔であっても、薄く軽量で飛翔しやすい形状にすることで使用することができる。
流路制限部材16の内部空間34は、旋回空気流が作用しない空間である。
図15(b)は、開口部18を洗浄対象物20から離して開口部18を開放し吸気を行っている状態を、図15(a)は、開口部18を洗浄対象物20に当てて閉塞した状態を示している。
クリーニング動作に先立って、洗浄媒体5を筐体4内に供給する。筐体4内に供給された洗浄媒体5は、図15(b)下図に示すように、分離板14に吸い付けられて筐体4内に保持される。
筐体4内は吸気により負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット24を通して筐体4内に流入するが、このときのインレット24内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体4内に発生する旋回空気流30は洗浄媒体5を飛翔させる強さには至らない。
開口部18が塞がれると、開口部18からの吸気が止まるので、筐体4内の負圧は一気に増大し、インレット24を通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大し、インレット24内で整流され、インレット出口(空気流入口22)から筐体4内に高速空気流となって吹き出す。
吹き出した空気流は、分離板14上に保持されている洗浄媒体5を開口部18に対向する洗浄対象物20の表面に向けて飛翔させる。
上記空気流は、旋回空気流30となって、筐体4の内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板14の穴を通って吸気手段6により吸気される。
このように筐体4内を円環状に流れた旋回空気流30がインレット24の出口部に戻ると、インレット24から入り込む空気流が旋回空気流30に合流しつつ加速する。このようにして筐体4内に安定した旋回空気流30が形成される。
分離した汚れは、分離板14の穴を通って吸気手段6により筐体4の外部へ排出される。
筐体4内に形成される旋回空気流30は、その旋回軸が、分離板14の表面に直交しており、旋回空気流30は分離板14の表面に平行方向の気流となる。
このため、旋回空気流30は分離板表面に吸い着けられた洗浄媒体5に、横方向から吹き付けて洗浄媒体5と分離板14の間に入り込み、分離板14に吸い付けられている洗浄媒体5を分離板14から引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部18が塞がれて上部筐体4A内の負圧が増大して、下部筐体4B内の負圧に近くなるため、洗浄媒体5を分離板14の表面に吸い付ける力も低下して、洗浄媒体5の飛翔がより容易になる効果が生じる。
旋回空気流30は、一定の方向に気流が加速されるため高速の気流が生成しやすく、洗浄媒体5の高速飛翔運動も容易となる。高速で旋回移動する洗浄媒体5は、分離板14に吸い付けられにくく、洗浄媒体5に付着した汚れが、遠心力により洗浄媒体5から分離され易い。
洗浄対象物は前述したフローはんだ槽工程で用いられるディップパレットであり、符号100で示す。
ディップパレット100には、マスク開口部101、102、103が開口しており、これらマスク開口部の穴周辺にフラックスFLが堆積・固化している。この堆積・固化したフラックスFLが除去すべき汚れである。
図16に示すように、下部筐体4Bの根元部(吸気口8部位)を手HDで握り、吸気状態で、筐体4の開口部18を被クリーニング部位に押し当てる。
開口部18が被クリーニング部位に押し当てられる以前は、筐体4内は吸気され、洗浄媒体5は分離板14に吸い付けられているので、開口部18は下方を向いているものの、筐体4内から洗浄媒体5が外部へ漏れることは無い。
勿論、開口部18が被クリーニング部位に押し当てられた以後は、筐体内が気密状態となり、洗浄媒体の漏れ出しはない。
クリーニング作業者は、上述の如く下部筐体4Bの根元を手HDに持ち、ディップパレット100に対して移動させて、被クリーニング部位を順次移動させ、付着・固化したフラックスFLを全て除去することができる。
図16の状態では、ディップパレット100のマスク開口部101の周辺部がクリーニングされ、マスク開口部102、103の周辺部がクリーニング途上である。
被クリーニング部位に対して開口部を移動させる時に被クリーニング部位から開口部18が離されても、前述の洗浄媒体吸着効果により、洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さないため、洗浄媒体数が維持され、洗浄媒体量の減少によるクリーニング性能の低下は生じない。
このような場合は、新しい洗浄媒体群を筐体4内に補給する。
図1に示すように、本実施形態では、洗浄対象物20に対するインレット24からの気流入射角度θは、30°以上70°以下(ここでは約60°)に設定されている。
「気流入射角度」は、換言すれば、インレット24の中心線と、洗浄対象物20の表面の平面との交差角度である。また、インレット24から流入する気流によって洗浄媒体5が直線的に飛翔して洗浄対象物20に衝突する飛翔軌跡と、洗浄対象物20の表面の平面との交差角度ともいうことができる。
さらには、「気流入射角度」は、インレット24の傾き自体であり、この観点から「通気路入射角度」とも称することができる。
表1は、通気路入射角度、洗浄媒体の材質、厚みをパラメータとして、洗浄対象物としての画像形成装置の外装カバーの汚れを除去する実験の結果を示すデータである。
表1において、「PC」はポリカーボネートを、「TAC」は三酢酸セルロースを示し、単位をμmとする数値は洗浄媒体の厚みを示している。洗浄媒体のサイズは6mmの四角形である。
図2は、洗浄媒体をPC30μmのフィルムとした場合の結果を示すグラフである。完全に汚れが除去された状態を、洗浄性100としている。
図2からも、通気路入射角度が30〜70°の範囲で洗浄性が良くなることがわかる。
図4〜図8は、実験No.1、4、7、13、16における洗浄前後の洗浄対象物の表面外観を示す写真画像図である。
洗浄媒体が薄片状の場合、インレット24からの気流により速度を与えられると、面積が広い面で受ける空気抵抗が大きいので、空気抵抗の釣り合いから、面積の広い面が飛翔方向に平行となる飛翔形態となる。
[通気路入射角度が30〜70°の場合]
図3(a)に示すように、洗浄媒体5は、インレット24から流入する気流により洗浄対象物20に対して斜めに直線的に飛翔してくる。その後、先端が洗浄対象物20に接触し(図3(b))、その反力で先端が上向きとなり、続いて洗浄媒体5の腹の部分(面)が接触する(図3(c))。この面による接触摩擦で洗浄対象物20上の薄い汚れ20sが、エッジのみが当たる場合に比べて広範囲で除去される(図3(d))。
その結果、基材(外装カバー)にダメージを与えることなく、汚れのみを選択的に除去することが可能となると考えられる(図4〜図6参照)。
この選択的除去機能が維持される通気路入射角度が30〜70°である。
入射角度が水平に近いため、洗浄対象物20の表面近傍の空気抵抗の影響を受け易く、洗浄媒体5が洗浄対象物20に衝突することなく洗浄対象物20上を通過して筐体内面に衝突する割合が高いからであると思われる(図8参照)。
換言すれば、洗浄媒体が効果的に洗浄対象物に衝突する頻度が少なくなり、汚れを除去しにくい飛翔形態となっていると考えられる。
[通気路入射角度が70°より大きい場合]
この場合には、入射角度が大きいため、洗浄媒体の先端が洗浄対象物の表面に接触したときに、図3で示したような先端が上向くような状態とはならず、洗浄対象物に付着する薄い汚れに対してエッジが深く浸入しやすくなる。
その結果、汚れのみを選択的に除去することができず、基材にダメージを与えると考えられる(図7参照)。図7の洗浄後の画像から明らかなように、外装カバーの表面塗装が剥がれ、下地金属の光沢が見て取れる。
表1の実験No.21、22に示すように、洗浄媒体の厚みが大きい場合には、入射角度が適正であっても良好な結果は得られない。
その理由は、上述した空気抵抗の釣り合いによる洗浄媒体の飛翔特性におけるランダム性が大きくなり、洗浄媒体の腹の部分(面)が接触する頻度が少なくなるとともに、エッジによる食い込みも多いからであると考えられる。
この汚れ除去作用を増加させるために、洗浄媒体の両面(表裏面)のうちの少なくとも一方の面に研磨材を有している構成としてもよい。
その実験結果を以下に示す。
用いた洗浄媒体は、紙やすり[fc1727/1200番台 (シアワット 耐水サンディングペーパー;スイス・シア社製)]であり、洗浄対象面に対する通気路入射角度は45°である。
その結果、多少付着力が強い汚れでも研磨材で掻き取ることができ、且つ、基材に対するダメージも無いことが確認された。
洗浄媒体に付着させる砥粒(研磨材)としては、酸化アルミニウム、シリコンカーバイトなどが望ましい。
噴霧手段50は、インレット24の側面に固定された噴霧ノズル52と、図示しない洗浄液タンク及びポンプと、該ポンプと噴霧ノズル52とを接続する液供給チューブ54と、液供給チューブ54の途中に配置されたバルブ56とを有している。
筐体内の負圧化に伴って、オペレータがバルブ56を開くと噴霧ノズル52の洗浄液がインレット24内にミスト状に噴霧される。噴霧されたミストは、インレット24から流入する気流により旋回空気流30に気液混合流として合流し、筐体内に拡散する。
拡散したミストは、洗浄媒体5に付着し、あるいは洗浄媒体5を湿らせ、洗浄媒体5の摩擦による帯電を抑制する。
洗浄媒体5の帯電が抑制されるため、洗浄媒体5は分離板14や筐体内壁に密着しにくく、洗浄媒体の滞りない循環を実現することができる。これにより、洗浄媒体5が分離板14に密着して負圧が低下することが防止される。
また、筐体内に投入された洗浄媒体5の「旋回空気流30により飛翔する数量」が減らないため、「洗浄対象物の汚れの除去に適正な飛翔数量」が一定に保たれ、良好な洗浄能力が維持される。
ここでは、図示しないポンプの圧力で噴霧する構成としたが、インレット24内を流れる高速気流の負圧作用で霧化するようにしてもよい。
噴霧ノズル52からの噴霧は、スイッチ等でコントロールできるようにしてもよい。
洗浄媒体排出口58は、通常の洗浄動作時は閉じている。洗浄媒体排出口58は、図10に示すように、円筒部材である流路制限部材16の側面の一部に設けることもできる。本例における流路制限部材16は中空円筒状をなす。また、本例のように上部筐体4Aは下部筐体4Bに対して逆円錐形状をなすように構成することもできる。
洗浄媒体排出口58は、周方向にスライドするように設けてもよく、二点鎖線で示すように図示しないヒンジ構成で径方向外側に開閉可能に設けてもよい。
新しい洗浄媒体の供給は、吸引装置を動作させた状態で開口部18を新しい洗浄媒体群に近づけて、吸引により筐体内に補給する。本装置では洗浄媒体分離手段14が吸着できるだけの量の洗浄媒体しか吸い込むことができないため、適切な量の洗浄媒体供給が容易に行える。
目詰まりしやすい洗浄媒体を使用する場合は、洗浄媒体分離手段14に微細な凸部を成型し、洗浄媒体が飛翔しやすくする工夫をしてもよい。
図11において、符号62は洗浄対象物20上の汚れを、64は洗浄対象物20を置いたゴムシートを示している。クリーニング対象物が凹凸や開口部のある形状であっても、柔軟なゴムシート等で開口部を塞ぐことで筐体内の負圧を高め、洗浄媒体が漏れ出すことなく洗浄することができる。
図12に示すように、噴霧ノズル52を筐体の外周面に設置し、筐体内部へ噴霧する構成としてもよい。
また、図13に示すように、噴霧ノズル52をそのノズル面を開口部18に向けた状態で流路制限部材16に設ける構成としてもよい。
さらに、噴霧手段は筐体と分離して存在していてもよい。例えば、筐体の近傍に置かれたセパレートタイプの噴霧手段から発生するミストを、負圧による自然吸気経路でインレット24内に吸い込むようにしてもよい。
6 吸気手段
8 吸気口
12 吸引手段としての吸引装置
14 多孔手段としての分離板
18 開口部
20 洗浄対象物
24 通気路としてのインレット
50 加湿手段としての噴霧手段
Claims (3)
- 薄片状の洗浄媒体を気流により飛翔させ、上記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング筐体において、
上記洗浄媒体を飛翔させる内部空間と、
上記洗浄対象物に当接して上記洗浄媒体を上記洗浄対象物に衝突させる開口部と、
外部からの空気を上記内部空間へ通す通気路と、
上記通気路を介して上記内部空間に導入された空気を吸引することにより上記内部空間に旋回気流を生じさせる吸気口と、
上記吸気口側への上記洗浄媒体の通過は阻止しつつ上記洗浄対象物から除去された除去物の通過は許容する多孔手段と、
上記洗浄媒体が飛翔する領域の湿度を増加させる加湿手段と、
を備え、
上記開口部が上記洗浄対象物に洗浄可能に当接した状態で、上記洗浄対象物に対する上記通気路からの気流入射角度が、30°以上70°以下であり、
上記加湿手段は、上記洗浄媒体が飛翔する領域に水又は洗浄液をミスト状に噴霧可能に筐体に固定された噴霧ノズルと、水又は洗浄液が入ったタンク及びポンプと、上記ポンプと上記噴霧ノズルとを接続する液供給チューブとを有していることを特徴とする乾式クリーニング筐体。 - 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体と、上記吸気口に接続される吸引手段と、上記洗浄媒体とを有していることを特徴とする乾式クリーニング装置。
- 請求項2に記載の乾式クリーニング装置において、
上記洗浄媒体は、両面のうちの少なくとも一方の面に研磨材を有していることを特徴とする乾式クリーニング装置。
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