JP2015205265A - 乾式クリーニング筐体及び乾式クリーニング装置 - Google Patents

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正隆 福地
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恵介 杉山
秦 輝鮮
Kisen Shin
輝鮮 秦
岳久 島津
Takehisa Shimazu
岳久 島津
武志 赤井
Takeshi Akai
武志 赤井
藤田 厚
Atsushi Fujita
厚 藤田
敦史 菊地
Atsushi Kikuchi
敦史 菊地
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Takuya Sano
拓也 佐野
竜二 吉田
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竜二 吉田
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Abstract

【課題】洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時等における洗浄媒体の漏れを高精度に抑制でき、吸気手段を停止した場合にも洗浄媒体の漏れを抑制できる乾式クリーニング筐体を提供する。
【解決手段】手動又は電動によって回動する気流調整プレート66aを有する第1の旋回気流調整手段60と、同様の気流調整プレート66bを有する第2の旋回気流調整手段62とを有している。洗浄対象物20から開口部18を離す前に、気流調整プレート66aで旋回流路を閉塞し、気流調整プレート66bを徐々に閉じて洗浄媒体集積領域26a内に洗浄媒体5を閉じ込める。
【選択図】図4

Description

本発明は、飛翔する洗浄媒体を洗浄対象物に接触ないし衝突させて洗浄する乾式クリーニング装置に関し、詳しくは、洗浄対象物の任意の部位に当てて洗浄することが可能で特にハンディタイプとして好適な乾式クリーニング装置及び該乾式クリーニング装置に用いられる乾式クリーニング筐体に関する。
プリント基板の製造におけるフローはんだ槽によるはんだ付け工程において、はんだ付け処理する領域以外をマスクする治具が多く用いられている。
ディップパレットあるいはキャリアパレットと呼ばれるこのようなマスク治具は、繰り返し使用されるうちに、表面にフラックスが堆積して固着し、マスクの精度を下げるため定期的に洗浄する必要があった。
一般的には、このような洗浄はマスク治具を溶剤に浸漬して行うため、大量の溶剤を消費しており、コストアップを避けられず、作業者や環境への負荷も大きい。
浸漬せずに装置内で溶剤を洗浄対象物に噴射する方式も知られているが、溶剤を大量に使用するという点に変わりはない。
この問題を解消する技術として、乾式クリーニング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この装置は、開口部を有する筐体に吸気手段を接続し、開口部が洗浄対象物で塞がれた状態で開口部とは別に設けられた通気路(インレット)を介して筐体外部から空気を内部へ高速で流入させ、筐体内部に旋回気流を生じさせる構成を有している。
旋回気流によって薄片状の洗浄媒体を循環飛翔させ、開口部に露出する洗浄対象物に洗浄媒体が衝突する動作が繰り返えされることにより、洗浄対象物の表面(被洗浄面)の汚れが除去される。
洗浄対象物から筐体を離すと、すなわち開口部を開放すると、インレットが大気圧と同レベルとなって旋回気流が消失するとともに、吸気による負圧で開口部から外気が筐体内に多く流入する。
このため、筐体内の洗浄媒体は筐体内に留まり、開口部からは漏れにくい。
しかしながら、実際には、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時や、開口部が開放され且つ吸気がなされている非洗浄時に、洗浄媒体が開口部やインレットから漏れ出す場合がある。
これは、リリース時や非洗浄時に開口部から外気が筐体内に多く流入しても、筐体内に旋回気流が発生してしまい、洗浄媒体が筐体内に保持される力よりも飛翔する力が上回るためである。
この問題を解消すべく、特許文献1には、開口部が洗浄対象物で塞がれている状態で、インレットの部位にスライド可能に設けられた旋回気流調整プレートを押し込んで旋回流路を閉塞し、旋回気流を消失させる構成が提案されている。
旋回気流を消失させた状態で洗浄対象物から開口部を離すようになっている。
しかしながら、上記のような洗浄媒体の漏出防止技術では、旋回気流調整プレートの近傍の洗浄媒体は効果的に留めることができるものの、旋回気流調整プレートから離れた箇所で旋回流路の壁面に当たってはじかれた洗浄媒体は、開口部を離したときに生じる旋回気流で漏れる場合があった。
また、洗浄動作の終了や中止をするときに吸気手段を停止した場合には、負圧による筐体内への洗浄媒体の保持力が無くなるため、開口部から重力落下により洗浄媒体が漏れることを避けられなかった。
換言すれば、洗浄動作が終了しても洗浄媒体を筐体内に保持するために吸気手段を動作させ続ける無駄があった。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時等における洗浄媒体の漏れを高精度に抑制でき、吸気手段を停止した場合にも洗浄媒体の漏れを抑制できる乾式クリーニング筐体の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、旋回流路の一部の領域を閉空間として洗浄媒体を閉じ込めることとした。
具体的には、本発明の乾式クリーニング筐体は、洗浄媒体が収容される内部空間と、前記内部空間に連通し、洗浄対象物の被洗浄面に当接される開口部と、前記開口部とは別に設けられ、外部の空気を前記内部空間へ導入するための通気路と、前記内部空間に連通し、吸気手段に接続される吸気口と、を備え、前記内部空間は、前記開口部が前記被洗浄面で塞がれた状態で前記吸気手段により吸気したとき、前記通気路から流入した空気が旋回気流となる形状を有し、前記開口部は、前記旋回気流により飛翔する洗浄媒体が前記被洗浄面に繰り返し衝突するように配置され、前記旋回気流の旋回方向に間隔をおいて配置され、旋回流路の断面積を個別に且つ任意に変化させることができ、それぞれの動作により前記旋回流路の一部の領域を閉空間ないし閉空間状態として該領域内に前記洗浄媒体を閉じ込めることが可能な複数の旋回気流調整手段を有している。
本発明によれば、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時等における洗浄媒体の漏れを高精度に抑制でき、吸気手段を停止した場合にも洗浄媒体の漏れを抑制できる。
本発明の乾式クリーニング装置の基本となる構成を示す概要断面図である。 同乾式クリーニング装置の洗浄動作を示す図である。 同乾式クリーニング装置の使用状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要断面図である。 洗浄時における同乾式クリーニング筐体の概要断面図である。 第1の旋回気流調整手段が旋回流路を閉塞した状態の概要断面図である。 第2の旋回気流調整手段が旋回流路を狭めている状態の概要断面図である。 第1の旋回気流調整手段及び第2の旋回気流調整手段が旋回流路を完全に閉塞し、洗浄媒体を閉じ込めた状態の概要断面図である。 第2の旋回気流調整手段の外側近傍に洗浄媒体が滞留した場合の問題点を説明するための概要断面図である。 第2の実施形態において洗浄媒体集積領域に洗浄媒体を閉じ込めた状態の概要断面図である。 第2の実施形態におけるリフレッシュモード時の動作を示す概要断面図である。 第2の実施形態における第1の旋回気流調整手段の開放動作における洗浄媒体の詰まりを解消する動作を示す概要断面図である。 第2の実施形態における吸引装置の出力制御構成を示す図である。 洗浄能力が低下する問題を説明するための概要断面図で、(a)は洗浄能力を有する洗浄媒体以外のものが混在して内部空間を飛翔する状態を示す図、(b)はこれらのものが洗浄媒体集積領域に閉じ込められた状態を示す図である。 第3の実施形態における構成を示す概要断面図である。 第3の実施形態における第1の旋回気流調整手段の気流調整プレートを示す斜視図である。 第3の実施形態における洗浄媒体の閉じ込め動作を示す概要断面図で、(a)は第1の旋回気流調整手段のみを閉じた状態を示す図、(b)は第2の旋回気流調整手段を閉じた状態を示す図、(c)は洗浄能力を有する洗浄媒体のみが閉じ込められた状態を示す図である。 第3の実施形態における第1の旋回気流調整手段を開放する場合の洗浄媒体の詰まりを解消するための動作を示す概要断面図である。 第3の実施形態における第1の旋回気流調整手段を開放する場合の洗浄媒体の詰まりを解消するための変形例を示す概要断面図である。 第3の実施形態における第1の旋回気流調整手段の変形例を示す概要断面図で、(a)は第1の旋回気流調整手段が旋回流路を開放している状態を示す図、(b)は第1の旋回気流調整手段が旋回流路を閉塞している状態を示す図である。 第3の実施形態における第1の旋回気流調整手段の別の変形例を示す概要断面図である。 第3の実施形態における第1の旋回気流調整手段のさらに別の変形例を示す概要断面図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1乃至図8は第1の実施形態を示している。
まず、図1乃至図3に基づいて、本発明の基本的構成について説明する。ハンディタイプの乾式クリーニング装置への適用例である。
図1に基づいて、ハンディタイプの乾式クリーニング装置2の構成の概要を説明する。図1(a)はA−A線での横断面図、(b)はB−B線での縦断面図である。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間(内部空間)を有する乾式クリーニング筐体(以下、単に「筐体」という)4と、筐体4内を負圧化する吸気手段6とを備えている。
筐体4は、筐体本体部としての円筒形状の上部筐体4Aと、逆円錐形状の下部筐体4Bとから一体として構成されている。ここでの上部、下部は図面上の便宜的呼称であって、実機上の上下とは必ずしも関係はない。
下部筐体4Bは、その円錐形状の頂部に吸気口8を一体に備えており、吸引ダクトとして機能する。
吸気手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、該吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。
吸引装置12としては、家庭用掃除機、真空モータや真空ポンプ、あるいは流体の圧送により間接的に低圧化ないし負圧化を生じさせる装置などを適宜用いることができる。
なお、部材の上面、底面等の上下の位置関係は図面上の基準にすぎない。
上部筐体4Aの底面部は、下部筐体4Bの上端部を結合する嵌合凹部4A−1となっており、上部筐体4Aと下部筐体4Bは分離可能となっている。上部筐体4Aの上面4A−2は密閉されている。
上部筐体4Aの底面部における下部筐体4Bとの境界部分には、多孔手段としての多孔性の分離板14が設けられている。
分離板14は、パンチングメタルのような穴が空いた板状の部材である。
分離板14は、吸引されたときの洗浄媒体5の下部筐体4B側(吸気口側)への移動を阻止するものである。
図1(a)では分離板14の表示を一部省略している。なお、洗浄媒体5は分かり易くするためにその大きさを誇張表示している。
多孔手段としては、洗浄媒体5を通さずに空気及び粉塵(洗浄対象物から除去された除去物)を通過させる大きさの細孔を多く備える多孔形状であればよい。
すなわち、多孔手段としては、スリット板や網などを用いてもよく、材質も滑らかな面を備えていれば、樹脂や金属などを自由に選択してもよい。
多孔手段は旋回気流の旋回軸と直交する面として配置されている。これにより、多孔手段に沿う方向に気流が流れることにより、洗浄媒体5の滞留を防ぐ効果がある。
旋回気流の減衰を抑えるために、筐体内面は段差、凹凸がなく平滑であることが望ましい。
多孔手段は、旋回気流に沿った面に配置されることにより、表面に吸着した洗浄媒体を再飛翔させることができる。
筐体4の材質は特に限定されないが、異物の付着や洗浄媒体との摩擦による消耗を防ぐために、例えばアルミ二ウムやステンレスなどの金属製が好適であるが、樹脂製のものを用いることもできる。
上部筐体4Aの内部中心には、上部筐体4Aの円筒軸を共通の軸とするように、円筒状の流路制限部材16が筐体の一部として設けられ、流路制限部材16の下端は分離板14に固定されている。
流路制限部材16は旋回気流の流路断面積を絞って流速を向上させる目的で設けられている。
流路制限部材16により上部筐体4A内には滑らかな壁面を有するリング状の旋回気流移動空間(洗浄媒体の飛翔空間としての内部空間)が形成されている。
上部筐体4Aの形状によっては、流路制限部材16の中心軸と上部筐体4Aの中心軸を必ずしも共通にする必要はなく、リング状の空間が確保できていれば偏芯していても良い。
上部筐体4Aの側面の一部には、旋回気流で飛翔する洗浄媒体5を洗浄対象物に接触ないし衝突させるための開口部18が形成されている。
上部筐体4Aは直径に対して高さが極めて小さい円筒形状であり、その高さを形成する側面の一部に開口部18が設けられている。
筐体4全体としては、図1(b)に示すように、開口部18以外の外周部分が洗浄対象物20から大きく逃げる(離れる)レイアウトとなり、洗浄対象物20に対する局所的当接、換言すればピンポイントクリーニングの自由度が高められている。
開口部18は、上部筐体4Aの側面を円筒軸に平行な平断面により切断した形状であり、円筒軸と直交する方向から見て矩形形状をなしている。
上部筐体4Aの側面には空気流入口22が形成されており、空気流入口22には、通気路としてのインレット24が上部筐体4Aの外方から接続されて上部筐体4Aに一体に固定されている。
インレット24は分離板14に略平行に設定されており、その通気方向は、上部筐体4Aの半径方向に対して傾き、その通気路中心の延長線が開口部18に達するように位置している。
インレット24は、上部筐体4Aの高さ方向に延びる幅を有している。
インレット24は上部筐体4Aの高さよりも径又は幅が小さいものを1つ配置してもよく、単体のインレットを高さ方向に複数配置する構成としてもよい。
図1に示すように、開口部18が洗浄対象物20の被洗浄面に当接して塞がれると、筐体4内が閉空間としてなり、インレット24を介して内部空間26に導入された空気が吸気口8側に吸引される。
このため、インレット24から外気が高速で流入し、この高速気流は洗浄媒体5を開口部18へ向けて加速させるとともに旋回気流30を生成する。円環状の内部空間26は旋回流路でもある。
閉空間が形成された時に生じる旋回気流は、吸気による負圧で分離板14上に吸着保持された洗浄媒体を吹き払い、再飛翔させる効果を有する。
開口部18は、洗浄対象物20から離されて開放されたときに、空気流入口22における内圧を、大気圧もしくはその近傍にするために十分な大きさの面積を備える。
また、空気流入口22も、開口部18の開放時に大気圧もしくはその近傍になりやすい位置に配置される。
このような構成を備えることにより、乾式クリーニング装置2を洗浄対象物に当てていない間は、空気流入口22が大気圧に近づくことによって、外部との差圧が低下し、その結果流入する気流が劇的に低減する。
一方、開口部18から流入する気流は多くなるため、洗浄媒体5が筐体4内から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、開口部18が開放されている状態では、閉塞されている場合に比べて流入する気流の総量が2〜3倍になるため、とくに薄片状の洗浄媒体では多孔手段上に吸着されるため、再飛翔せず筐体の外に漏れることがない。
これを開口部開放時における洗浄媒体吸着効果という。
洗浄媒体5は、薄片状の洗浄片の集合であるが、ここでは薄片状の洗浄片単体としての意味でも用いている。
薄片状の洗浄媒体とは、面積が1mm以上200mm以下の薄片である。
また、洗浄媒体の材質はポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタラート、アクリル、セルロース樹脂などの耐久性のある素材からなるフィルムであり、厚みは0.02mm以上1.0mm以下である。
但し、洗浄対象物によっては洗浄媒体の厚みやサイズや材質を変えることが効果的な場合もあり、これらの洗浄媒体を使用する場合も本発明の範囲に含まれるため、前記洗浄媒体条件にはとらわれないものとする。
洗浄媒体の材質に関しては、樹脂だけにとどまらず、紙、布などの薄片や、あるいは、雲母などの鉱物、セラミックやガラス、金属箔であっても、薄く軽量で飛翔しやすい形状にすることで使用することができる。
上部筐体4Aのリング状の内部空間26は、洗浄媒体5が収容される空間であるとともに、旋回気流によって洗浄媒体5が飛翔し開口部18に露出する洗浄対象物20に衝突するための空間である。
流路制限部材16の内部空間34は、旋回気流が作用しない空間である。
以上のように構成される乾式クリーニング装置2による洗浄動作(以下、「クリーニング動作」ともいう)を、図2を参照して説明する。
なお、図2では、部材の厚み等を省略し、分かり易くするために静空間としての内部空間34をハッチングで表示している。
図2(b)は、開口部18を洗浄対象物20から離して開口部18を開放し吸気を行っている状態を、図2(a)は、開口部18を洗浄対象物20に当てて閉塞した状態を示している。
クリーニング動作に先立って、洗浄媒体5を筐体4内に供給する。
洗浄媒体の供給方法としては、吸引装置12が作動している状態で、開口部18から所定量の洗浄媒体を吸い込んでもよく、開口部18が塞がれた状態でインレット24から投入してもよい。
筐体4内に供給された洗浄媒体5は、図2(b)下図に示すように、分離板14に吸い付けられて筐体4内に保持される。
筐体4内は吸気により負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット24を通して筐体4内に流入するが、このときのインレット24内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体4内に発生する旋回気流30は洗浄媒体5を飛翔させる強さには至らない。
筐体4内に洗浄媒体5が供給・保持されたら、図2(a)に示すように、開口部18を洗浄対象物20の表面のクリーニングすべき部位に当てて閉塞状態にする。
開口部18が塞がれると、開口部18からの吸気が止まるので、筐体4内の負圧は一気に増大し、インレット24を通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大する。
インレット24を通じて吸い込まれる空気はインレット24内で整流され、インレット出口(空気流入口22)から筐体4内に高速空気流となって吹き出す。
吹き出した空気流は、分離板14上に保持されている洗浄媒体5を剥がして開口部18に露出する洗浄対象物20の表面に向けて飛翔させる。
上記空気流は、旋回気流30となって、筐体4の内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板14の穴を通って吸気手段6により吸気される。
筐体4内を円環状に流れた旋回気流30がインレット24の出口部に戻ると、インレット24から入り込む空気流が旋回気流30に合流しつつ加速する。
このようにして筐体4内に安定した旋回気流30が形成される。
洗浄媒体5は、旋回気流により筐体4内で旋回(循環飛翔)し、洗浄対象物20の表面に繰り返し衝突する。
この衝突による衝撃で、洗浄対象物20の表面から汚れが微小粒状あるいは粉状となって分離する。
分離した汚れは、分離板14の穴を通って吸気手段6により筐体4の外部へ排出される。
筐体4内に形成される旋回気流30は、その旋回軸が分離板14の表面に直交しており、分離板14の表面に平行な気流となる。
このため、旋回気流30は分離板表面に吸い着けられた洗浄媒体5に、横方向から吹き付けて洗浄媒体5と分離板14の間に入り込み、分離板14に吸い付けられている洗浄媒体5を分離板14から引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部18が塞がれて上部筐体4A内の負圧が増大して、下部筐体4B内の負圧に近くなるため、洗浄媒体5を分離板14の表面に吸い付ける力も低下して、洗浄媒体5の飛翔がより容易になる効果が生じる。
旋回気流30は、一定の方向に気流が加速されるため高速の気流が生成しやすく、洗浄媒体5の高速飛翔運動も容易となる。
高速で旋回移動する洗浄媒体5は、分離板14に吸い付けられにくく、洗浄媒体5に付着した汚れが、遠心力により洗浄媒体5から分離され易い。
図3に上述した乾式クリーニング装置2によるクリーニングの実際的な例を示す。
洗浄対象物は前述したフローはんだ槽工程で用いられるディップパレットであり、符号100で示す。
ディップパレット100には、マスク開口部101、102、103が開口しており、これらマスク開口部の穴周辺にフラックスFLが堆積・固化している。この堆積・固化したフラックスFLが除去すべき汚れである。
下部筐体4Bの根元部(吸気口8の部位)を手HDで握り、吸気状態で、筐体4の開口部18を被クリーニング部位に押し当てる。
開口部18が被クリーニング部位に押し当てられる以前は、筐体4内は吸気され、洗浄媒体5は分離板14に吸い付けられているので(洗浄媒体吸着効果)、開口部18は下方を向いているものの、筐体4内から洗浄媒体5が外部へ漏れることは無い。
勿論、開口部18が被クリーニング部位に押し当てられた以後は、筐体内が気密状態となり、洗浄媒体の漏れ出しはない。
開口部18を被クリーニング部位に押し当てると、インレット24による流入気流が急増し、筐体4内に強い旋回気流30を発生させ、分離板14に吸い付けられた洗浄媒体5を飛翔させる。
洗浄媒体5は、ディップパレット100の被クリーニング部位に付着固化したフラックスFLに衝突し、これによりフラックスFLが除去される。
作業者は、上述の如く下部筐体4Bの根元を手HDに持ち、ディップパレット100に対して移動させて、被クリーニング部位を順次移動させ、付着・固化したフラックスFLを全て除去することができる。
図3の状態では、ディップパレット100のマスク開口部101の周辺部がクリーニングされ、マスク開口部102、103の周辺部がクリーニング途上である。
被クリーニング部位に対して開口部を移動させる時に被クリーニング部位から開口部18が離されても、前述の洗浄媒体吸着効果により、洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さない。
このため、筐体内の洗浄媒体数が維持され、洗浄媒体量の減少によるクリーニング性能の低下は生じない。
洗浄媒体5は、繰り返し使用される間にクリーニング部位に対する衝突による衝撃により次第に破壊され、被クリーニング部位のディップパレット100から除去したフラックス(汚れ)と共に、吸引装置12に吸引回収される。
このため、乾式クリーニング装置を長時間使用していると、筐体内に保持された洗浄媒体の量が減少する。このような場合は、新しい洗浄媒体群を筐体4内に補給する。
上記のように、開口部18が開放されている状態では、洗浄媒体吸着効果により理論的には洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さない。
しかしながら、既述の通り、実際の洗浄工程においては、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時や非洗浄時に洗浄媒体が開口部やインレットから漏れ出す場合がある。
これはリリース時や非洗浄時に、開口部から外気が筐体内に多く流入しても、筐体内に旋回気流が発生してしまい、洗浄媒体が筐体内に保持される力、すなわち分離版に吸着される力よりも飛翔する力が上回るためである。
この問題を解消するために、本実施形態では、図4に示すように、旋回流路としての内部空間26をそれぞれ閉塞可能な2つの旋回気流調整手段を設けて、これらで区画された領域内に洗浄媒体5を閉じ込める構成とした。
本実施形態に係る乾式クリーニング筐体4は、図1で示した基本構成を若干変更しているが、機能は同等であるため、図1で示した構成と同等の部分は同一符号にて示す。
開口部18、インレット24、吸気口8は何れも内部空間26に連通している。
旋回気流調整手段は、インレット24の近傍に配置された第1の旋回気流調整手段60と、第1の旋回気流調整手段60の旋回方向下流側であって開口部18を越えた位置に配置された第2の旋回気流調整手段62とから構成されている。
換言すれば、開口部18を挟んで旋回気流30の上流と下流の位置に間隔をおいて各々旋回気流調整手段を設けている。
第1の旋回気流調整手段60と第2の旋回気流調整手段62は、旋回流路の断面積を個別に且つ任意に変化させることができる構成を有している。
第1の旋回気流調整手段60は、筐体4の壁部に設けられた軸64aと、該軸64aを支点として回動可能に設けられた気流調整プレート66aとを有している。
第2の旋回気流調整手段62も同様に、筐体4の壁部に設けられた軸64bと、該軸64bを支点として回動可能に設けられた気流調整プレート66bとを有している。
流路制限部材16の外周面に、気流調整プレート66との当接を密接にするためのゴム等からなる弾性層を形成してもよい。
このようにすれば、気流調整プレート66と流路制限部材16との間の隙間から洗浄媒体がすり抜けるのを防止できる。
また、気流調整プレート66が流路制限部材16に繰り返し当接することによる気流調整プレート66の先端の摩耗を抑制することができる。
軸64a、64bの一端側は筐体4の外部に突出しており、図示しないレバーを介して手動で回動操作できるようになっている。
ソレノイド等のアクチュエータにより電動で動作させる構成とすることもできる。
内部空間26を形成する筐体4の内周面には、気流調整プレート66a、66bを収容する凹部70a、70bが形成されている。
各気流調整プレート66a、66bは筐体4の内周面に沿った形状を有しており、凹部70a、70bに収容されている状態では筐体4の内周面の一部を構成する。
第1の旋回気流調整手段60は、インレット24からの流入気流と旋回気流30とが合流する合流部位の近傍で、且つ該合流部位よりも旋回方向上流側に配置されている。
洗浄時には、図5に示すように、第1の旋回気流調整手段60の気流調整プレート66aと、第2の旋回気流調整手段62の気流調整プレート66bはそれぞれ、旋回気流30の障害とならないように凹部70a、70bに収容されている。
すなわち、気流調整プレート66a、66bは旋回流路を開放する位置である退避位置に設定されている。
洗浄動作を終了して筐体を洗浄対象物20から離す場合、これに先立って第1の旋回気流調整手段60と第2の旋回気流調整手段62とによる洗浄媒体の閉じ込め動作を行う。
図6に示すように、まず第1の旋回気流調整手段60が駆動され、気流調整プレート66aが回動して旋回流路を閉じる。
洗浄媒体5は旋回気流30により気流調整プレート66aで閉塞された空間に集積される。
次に、図7に示すように、第2の旋回気流調整手段62が駆動され、気流調整プレート66bが段階的に旋回流路を狭めるように回動する。
旋回流路の断面積が小さくなると、この部位の旋回気流の流速は速くなる。
この速い旋回気流により、旋回流路内の壁面に衝突して旋回気流とは逆方向にはじかれる洗浄媒体があってもその飛翔を方向付けられ、気流調整プレート66aと気流調整プレート66bとで区画される洗浄媒体集積領域26a内に強制的に吸い込まれる。
この状態では、旋回流路の一部の領域としての洗浄媒体集積領域26aは、完全には閉塞されていない閉空間状態である。
図8に示すように、最終的に気流調整プレート66bは旋回流路を完全に閉塞するように設定される。
これにより、洗浄媒体集積領域26aは完全な閉空間となり、洗浄媒体は洗浄媒体集積領域26aに封入される。
洗浄媒体は洗浄媒体集積領域26a内に閉じ込められているため、この状態で開口部18が洗浄対象物20から離れても洗浄媒体が筐体外に漏れることはない。
また、吸引装置12の動作を停止しても洗浄媒体が筐体外に重力落下で漏れ出ることはない。
気流調整プレート66a側の集積領域に全ての洗浄媒体を集積することができる場合には、気流調整プレート66bは旋回流路を完全に閉じる必要はなく、図7に示す状態で回動を止めるようにしてもよい。
この場合にも筐体の姿勢を極端に変化させない限り、洗浄媒体が筐体外に重力落下で漏れることはない。
第1の旋回気流調整手段60は、上記のように、インレット24からの流入気流と旋回気流30とが合流する合流部位の近傍で、且つ該合流部位よりも旋回方向上流側に配置されているので、旋回気流30をせき止めても旋回気流が逆流することはない。
本実施形態では第1の旋回気流調整手段60を動作させた後に第2の旋回気流調整手段62を動作させる構成としたが、両手段を同時ないし同時的に動作させてもよい。
この場合にも、第2の旋回気流調整手段62の気流調整プレート66bの回動速度を遅くすることにより上記と同様の機能、効果を得ることができる。
この場合、気流調整プレート66をアクチュエータで駆動する電動構成では、気流調整プレート66b側は減速ギヤを用いて回動速度を落とすようにしてもよい。
また、気流調整プレート66aは、洗浄媒体を通過させないメッシュ構成としてもよい。
洗浄動作を開始あるいは再開する場合には、洗浄媒体集積領域26aに閉じ込められた洗浄媒体を解放する。
解放時には、第2の旋回気流調整手段62を動作させた後に第1の旋回気流調整手段60を動作させる。
すなわち、気流調整プレート66bを旋回流路を開放する方向に回動させた後に、気流調整プレート66aを旋回流路を開放する方向に回動させる。
このように開放動作を順序付けることにより、気流調整プレート66bと筐体との間の空隙部72(図4参照)に洗浄媒体が滞留することを防止することができる。
旋回気流調整手段としては、軸心回りにプレートを回動させる方式の他に、筐体の壁面を径方向に貫通するプレートをスライドさせて旋回流路の断面積を変化させる方式としてもよい。
図9乃至図13に基づいて第2の実施形態を説明する。
上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、既にした構成上及び機能上の説明は適宜省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態では、第1の旋回気流調整手段60と第2の旋回気流調整手段62とで旋回流路を閉塞し、洗浄媒体集積領域26aに洗浄媒体を閉じ込めて洗浄媒体の漏れを防止している状態を、飛散防止モードという。
飛散防止モードからから洗浄動作へ移行する場合、上記のように、気流調整プレート66b、気流調整プレート66aの順に開放する。
しかしながら、図9に示すように、集積しきれなかった洗浄媒体5や、飛散防止モード中に誤って投入されてしまった洗浄媒体5が、気流調整プレート66bの下部である空隙部72に潜り込む場合がある。
このような場合には、気流調整プレート66bを開放位置に設定するとき、気流調整プレート66bが凹部70bに完全に収容されずに旋回流路に段差が生じる。
旋回流路に段差が生じると、洗浄媒体の飛翔や旋回気流が阻害され、洗浄能力の低下につながる。
本実施形態ではこの問題を解消すべく、図10に示すように、第2の旋回気流調整手段62の旋回方向上流側近傍に、吸気口8に連通し洗浄媒体を排出するための排出口74を設けた構成としている。
円筒状の流路制限部材16の吸気口8側の底面は開放されており、流路制限部材16の内部空間34は吸気口8に連通している。
流路制限部材16の周面の一部を開口して排出口74が形成されている。
洗浄媒体は旋回気流30に乗って飛翔するとき、遠心力で内部空間26の外周側を移動するため、洗浄動作時には洗浄媒体は排出口74から排出されない。
筐体外部から操作可能な排出口開閉部材を設け、洗浄動作時には排出口74を閉塞し、飛散防止モードにおける気流調整プレート66bの閉塞動作後に開放する構成としてもよい。
洗浄媒体集積領域26aに洗浄媒体を閉じ込めるべく、気流調整プレート66bが旋回流路を完全に閉塞すると、排出口74での流速が大きくなり、空隙部72に滞留していた洗浄媒体は排出口74から流路制限部材16内に吸い込まれて排出される。
これにより、気流調整プレート66bを開放位置に設定するときは気流調整プレート66bを段差なく凹部70bに収容することができる。
本実施形態では、排出口74を設けたことにより、筐体に複雑な構成を設けることなく、筐体内の洗浄媒体を排出して新しい洗浄媒体に入れ替えるモード(以下、「リフレッシュモード」という)を実施可能となる。
洗浄媒体は繰り返し被洗浄面に衝突することにより劣化し、洗浄能力が低下する。洗浄能力が低下した洗浄媒体をそのまま使い続けると、洗浄効率の低下を来たす。
このため、定期的に筐体内の洗浄媒体を新しい洗浄媒体に入れ替えて洗浄能力を回復させるリフレッシュモードを実施することが望ましい。
本実施形態における洗浄媒体の入れ替えは、洗浄媒体の全量入れ替えと一部入れ替えの双方を意味する。
図11及び図12に基づいてリフレッシュモードにおける動作を説明する。
リフレッシュモード時には、図11に示すように、気流調整プレート66bが閉じた状態で気流調整プレート66aを開放する。
気流調整プレート66aが開放されると、気流調整プレート66a付近に集積されていた洗浄媒体は、破線で示すように、気流調整プレート66bにガイドされ、排出口74より排出される。
粒径が小さい洗浄媒体であればあるほど、気流調整プレート66a上に付着して旋回流路内に残留し易いことが本発明者らの実験で確認されている。
このため、飛散防止モードからリフレッシュモードへ移行する際には、図12に示すように、気流調整プレート66a上に付着した洗浄媒体を振るい落とすべく、気流調整プレート66aを開閉方向に揺動させる。
換言すれば、第1の旋回気流調整手段60の開閉動作を複数回繰り返す。
洗浄能力を一定に維持するためには一定の吸引力が必要であるが、飛散防止モードは本来吸引装置12の出力をOFFした場合を想定しているため、洗浄能力を維持できる吸引能力を保持し続ける必要がない。
また、飛散防止モードは洗浄作業の完了時のみならず、乾式クリーニング筐体を被洗浄面から離間させたい場合にも使用するため、飛散防止モードで吸引装置を動作させ続けるという状態は往々にして存在する。
更に、リフレッシュモードの際には吸引力が高ければ高いほど洗浄媒体排出時間が短くなるため、可能な限り吸引装置の出力を上げることが望まれる。
以上のことから、本実施形態では第1の旋回気流調整手段60のと第2の旋回気流調整手段62の位置状態を検知し、動作モードに応じた吸引装置12の出力制御を行うようにしている。
吸引装置12の出力制御構成を図13に示す。
第1の旋回気流調整手段60の位置状態を検知するセンサ76と、第2の旋回気流調整手段62の位置状態を検知するセンサ78とから、それぞれの検知信号がクリーニング筐体制御部80に送られる。
検知信号はクリーニング筐体制御部80から吸引装置制御部82に送られ、吸引装置12の出力が制御される。
第1の旋回気流調整手段60の位置状態の検知は、軸64aの回転角度や気流調整プレート66aの位置を検知することを意味する。
第2の旋回気流調整手段62においても同様である。
表1に、各旋回気流調整手段の状態と動作モード、それに応じた吸引装置の出力状態の関係を示す。
表1では、第1の旋回気流調整手段60の気流調整プレート66aをシャッター1、第2の旋回気流調整手段62の気流調整プレート66bをシャッター2と表示している。
Figure 2015205265
表1に示すように、洗浄動作時にはシャッター1、2共に旋回流路を完全に開放しており、吸引装置12の出力は通常の出力となる。
リフレッシュモード時には、シャッター2が閉じた状態でシャッター1が開放され、吸引装置12の出力はアップする。
飛散防止モード移行中は、シャッター1が閉じた状態でシャッター2は開いており、吸引装置12の出力は通常の出力となる。
飛散防止モード時には、シャッター1、2共に旋回流路を完全に閉塞しており、吸引装置12の出力はダウンする。
上記のように、洗浄動作中は洗浄能力を維持するために必要な吸引力を設定し、飛散防止モード時には吸引装置の出力を制限することで省エネルギーを実現することができる。
また、リフレッシュモード時には吸引装置の出力を上げることで、迅速に多くの洗浄媒体を排出することが可能となる。
図14乃至図22に基づいて第3の実施形態を説明する。
図14(a)に示すように、洗浄動作中に旋回気流30によって内部空間26を飛翔するものは、洗浄能力を有する洗浄媒体5aだけではない。
洗浄対象物から削り取られた汚れ片84や、洗浄対象物に衝突したことによって破壊されて小さくなった洗浄媒体5bも同時に飛翔している。
小片となった洗浄媒体5bは洗浄能力が低下し、洗浄能力を有する洗浄媒体5aと混ぜて用いると洗浄媒体全体の洗浄能力が低下する。
第1の旋回気流調整手段60と第2の旋回気流調整手段62とによる洗浄媒体の閉じ込め動作を行うと、図14(b)に示すように、洗浄媒体5aだけでなく汚れ片84や洗浄媒体5bも同時に洗浄媒体集積領域26aに閉じ込められる。
この状態で気流調整プレート66a、66bを退避させて旋回流路を開放し、再び洗浄を開始すると、汚れ片84によって新たな洗浄対象物に汚れが発生したり、洗浄媒体5bによって洗浄能力が低下し、洗浄媒体を飛翔させるエネルギーに無駄が生じる。
この問題を解消すべく、本実施形態では、図15に示すように、第1の旋回気流調整手段60の気流調整プレート66aをメッシュ構造としている。
図16に示すように、気流調整プレート66aには無数の穴66a−1(以下、「メッシュ穴」ともいう)が開けられている。
穴66a−1の大きさは、洗浄能力を有する洗浄媒体5aが通過できず、汚れ片84や洗浄能力がほとんどない小片の洗浄媒体5bを通過させる大きさに設定されている。
本実施形態では穴66a−1の形状を長方形としているが、これに限定されない。丸や正方形、その他の形状でもよい。
穴66a−1の大きさは洗浄媒体の大きさや種類によって変更される。
図17(a)に示すように、まず気流調整プレート66aのみを動作させて旋回流路を閉塞し、洗浄媒体5aとそれ以外の物を分離させる。
汚れ片84や小片の洗浄媒体5bはせき止められずに気流調整プレート66aを通過する。
次に、図17(b)に示すように、気流調整プレート66bを動作させて旋回流路を閉塞する。
気流調整プレート66aを通過できない洗浄媒体5aは洗浄媒体集積領域26a内に閉じ込められ、洗浄媒体5aの漏出を防止することができる。
気流調整プレート66aを通過した汚れ片84や砕けて小さくなった洗浄媒体5bは、排出口74から吸気口8へと吸引されて排出される。
図17(c)に示すように、良好な洗浄能力を有する浄媒体5aのみを漏出させることなく筐体内に残すことが可能となる。
この状態で気流調整プレート66a、66bを開放することで、再度洗浄を行う時には、洗浄能力を有する洗浄媒体のみで洗浄を行うことができる。
洗浄媒体は角が取れたり、砕かれて小さくなり重量が小さくなると洗浄能力が失われることがわかっている。
このため、穴の大きさを使用前の洗浄媒体の大きさの半分程度に設定しておくと、より確実に洗浄能力を有する洗浄媒体のみをせき止めて洗浄媒体集積領域26aに閉じ込めることが可能となる。
気流調整プレート66aはメッシュ構造のため、気流調整プレート66aを開放する際、メッシュ部に洗浄媒体が詰まっている可能性がある。
メッシュ部に洗浄媒体が詰まっていると、内部空間を飛翔する洗浄媒体の数量が減って、洗浄力が低下する懸念がある。
この懸念を解消すべく、本実施形態では、図18に示すように、気流調整プレート66aを開放する際に、気流調整プレート66a上に付着した洗浄媒体を叩き落とすべく、気流調整プレート66aを開閉方向に移動させる。
すなわち、図12で示したのと同様に、気流調整プレート66aを揺動させることで、メッシュ部に詰まった洗浄媒体を叩き落とすことができる。
メッシュ部に詰まった洗浄媒体を除去する方法としては、図19に示すように、気流調整プレート66aが収容される凹部70aにメッシュ穴に嵌合する突起86を櫛歯状に複数形成してもよい。
このようにすれば、気流調整プレート66aが凹部70aに収容されると、メッシュ穴に詰まった洗浄媒体は突起86で押し出される。
気流調整プレート66aの本来の開放動作(収容動作)のみで詰まりが解消されるため、詰まりを解消するための気流調整プレート66aの特別な動作(揺動)は不要となる。
本実施形態における第1の旋回気流調整手段60は、気流調整プレート66aが気流を通過させるメッシュ構造を有しているため、旋回気流調整手段というよりも洗浄媒体の漏出を阻止する漏出防止手段ともいうべきものである。
図20にメッシュ構造の第1の旋回気流調整手段の変形例を示す。
本例における第1の旋回気流調整手段88は、流路制限部材16の一部を兼ねる構成を有している。
第1の旋回気流調整手段88は、軸90と、該軸90を支点として回動可能に設けられ、流路制限部材16の一部を構成するメッシュ構造の気流調整プレート92とから構成されている。
図20(b)に示すように、気流調整プレート92が回動して旋回流路を閉塞すると、自動的に流路制限部材16の一部に吸引口8と繋がった排出口94が形成される。
気流調整プレート92を通過した汚れ片84等は排出口94から排出される。なお、流路制限部材16と気流調整プレート92を同一のハッチングで表示しているが、流路制限部材16はメッシュ構造ではない。
本例では、気流調整プレート92が移動した部分がそのまま排出口94としてなるので、排出口74は設けられていない。
第1の旋回気流調整手段と排出口とを個別に設ける構成に比べて構成の簡易化を図ることができる。
また、旋回流路の内周面である流路制限部材16に排出口74が常時存在する構成では、排出口74の存在が少なからず洗浄媒体の飛翔や旋回気流の流れに影響を及ぼし、洗浄力にも悪影響を与える可能性がある。
本例の場合には、洗浄時には気流調整プレート92が退避して流路制限部材16は開口が存在しない状態となるので、洗浄への悪影響をなくすことが可能となる。
図21に示すように、メッシュ構造の気流調整プレート66aを有する第1の旋回気流調整手段60と、第2の旋回気流調整手段96とを有する構成としてもよい。
第2の旋回気流調整手段96は、軸97と、該軸97を支点として回動可能に設けられ、流路制限部材16の一部を構成する非メッシュ構造の気流調整プレート98とから構成されている。
第2の旋回気流調整手段96の気流調整プレート98が旋回流路を閉塞すると、自動的に排出口99が形成され、汚れ片84等は排出口99から排出される。
図22に示すように、第1の旋回気流調整手段88と第2の旋回気流調整手段96との組み合わせ構成としてもよい。
この場合、汚れ片84等は排出口94、99から排出される。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2 乾式クリーニング装置
4 乾式クリーニング筐体
5 洗浄媒体
6 吸気手段
8 吸気口
18 開口部
20 洗浄対象物
24 通気路としてのインレット
26 内部空間(旋回流路)
60、88 第1の旋回気流調整手段
62、96 第2の旋回気流調整手段
64a、64b 軸
66a、66b、92、98 気流調整プレート
74、94、99 排出口
特開2013−121576号公報

Claims (12)

  1. 洗浄媒体が収容される内部空間と、
    前記内部空間に連通し、洗浄対象物の被洗浄面に当接される開口部と、
    前記開口部とは別に設けられ、外部の空気を前記内部空間へ導入するための通気路と、
    前記内部空間に連通し、吸気手段に接続される吸気口と、
    を備え、
    前記内部空間は、前記開口部が前記被洗浄面で塞がれた状態で前記吸気手段により吸気したとき、前記通気路から流入した空気が旋回気流となる形状を有し、
    前記開口部は、前記旋回気流により飛翔する洗浄媒体が前記被洗浄面に繰り返し衝突するように配置され、
    前記旋回気流の旋回方向に間隔をおいて配置され、旋回流路の断面積を個別に且つ任意に変化させることができ、それぞれの動作により前記旋回流路の一部の領域を閉空間ないし閉空間状態として該領域内に前記洗浄媒体を閉じ込めることが可能な複数の旋回気流調整手段を有している乾式クリーニング筐体。
  2. 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記複数の旋回気流調整手段は、前記旋回流路を閉塞可能な第1の旋回気流調整手段と、第1の旋回気流調整手段よりも旋回方向下流側に設けられ、第1の旋回気流調整手段が前記旋回流路を閉塞している状態で前記旋回流路を狭める位置をとる第2の旋回気流調整手段とからなる乾式クリーニング筐体。
  3. 請求項2に記載の乾式クリーニング筐体において、
    第1の旋回気流調整手段と第2の旋回気流調整手段とが同時的に動作し、第2の旋回気流調整手段は第1の旋回気流調整手段よりも前記旋回流路を閉塞する方向の動作が遅い乾式クリーニング筐体。
  4. 請求項2又は3に記載の乾式クリーニング筐体において、
    第2の旋回気流調整手段は最終的に前記旋回流路を閉塞する乾式クリーニング筐体。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体において、
    第1の旋回気流調整手段は、前記通気路からの流入気流と前記旋回気流とが合流する合流部位の近傍で、且つ前記合流部位よりも旋回方向の上流側に配置されている乾式クリーニング筐体。
  6. 請求項2〜5のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記領域内に閉じ込められた前記洗浄媒体を解放する場合、第2の旋回気流調整手段が前記旋回流路を開放した後に第1の旋回気流調整手段が前記旋回流路を開放する乾式クリーニング筐体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記旋回気流調整手段は、前記内部空間を区画する壁部に設けられた軸と、該軸を支点として回動可能な気流調整プレートとを有している乾式クリーニング筐体。
  8. 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記複数の旋回気流調整手段は、前記旋回流路を閉塞可能な第1の旋回気流調整手段と、第1の旋回気流調整手段よりも旋回方向下流側に設けられ、前記旋回流路を閉塞可能な第2の旋回気流調整手段とからなり、
    第2の旋回気流調整手段の旋回方向上流側近傍に、前記吸気口に連通し前記洗浄媒体を排出するための排出口が設けられている乾式クリーニング筐体。
  9. 請求項8に記載の乾式クリーニング筐体において、
    第1の旋回気流調整手段を前記旋回流路を開放する位置に設定し、且つ、第2の旋回気流調整手段を前記旋回流路を閉塞する位置に設定することにより、前記筐体内の前記洗浄媒体を排出するリフレッシュモードを実施可能である乾式クリーニング筐体。
  10. 請求項9に記載の乾式クリーニング筐体において、
    第1の旋回気流調整手段を開放する際には、第1の旋回気流調整手段の開閉動作を複数回繰り返す乾式クリーニング筐体。
  11. 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記複数の旋回気流調整手段は、前記旋回流路を閉塞可能な第1の旋回気流調整手段と、第1の旋回気流調整手段よりも旋回方向上流側に設けられ、前記旋回流路を閉塞可能な第2の旋回気流調整手段とからなり、
    第2の旋回気流調整手段の旋回方向上流側近傍に、前記吸気口に連通し前記洗浄媒体を排出するための排出口が設けられ、
    第1の旋回気流調整手段はメッシュ構造を有している乾式クリーニング筐体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体と、前記吸気手段と、前記洗浄媒体と、を有する乾式クリーニング装置。
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