JP2015167872A - 乾式クリーニング装置の装置筐体、及び乾式クリーニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】勢いよくクリーニング装置を持ち上げた場合でも、洗浄媒体の装置外への漏出を防止する。
【解決手段】クリーニング装置の筐体本体である筺体104に対し、相対的に移動可能な取手部材111を備え、取手部材111が押し込まれた状態では可動部材である遮蔽部材64で開口部18を遮蔽し、取手部材111を持ち上げた際に、取手部材と筺体104とが嵌合するまでのストロークを持たせる。筺体104が洗浄対象物から離間を開始する前に遮蔽部材64を遮蔽位置まで移動させることができるので、勢いよくクリーニング装置を持ち上げた場合でも、開口部18が洗浄対象物から離間するまでに、遮蔽部材64が開口部18を遮蔽するのに十分な時間を確保し、洗浄媒体の装置外への漏出を防止することができる。
【選択図】図5
【解決手段】クリーニング装置の筐体本体である筺体104に対し、相対的に移動可能な取手部材111を備え、取手部材111が押し込まれた状態では可動部材である遮蔽部材64で開口部18を遮蔽し、取手部材111を持ち上げた際に、取手部材と筺体104とが嵌合するまでのストロークを持たせる。筺体104が洗浄対象物から離間を開始する前に遮蔽部材64を遮蔽位置まで移動させることができるので、勢いよくクリーニング装置を持ち上げた場合でも、開口部18が洗浄対象物から離間するまでに、遮蔽部材64が開口部18を遮蔽するのに十分な時間を確保し、洗浄媒体の装置外への漏出を防止することができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、気流により飛翔させた洗浄媒体を洗浄対象物に当て、該洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置の装置筐体、及び乾式クリーニング装置に関する。
従来、飛翔する洗浄媒体を洗浄対象物(以下、「被洗浄物」ともいう)に接触(衝突の概念を含む)させて洗浄する乾式クリーニング装置、詳しくは、洗浄対象物の任意の部位に当てて洗浄することが可能で特にハンディタイプとして好適な乾式クリーニング装置が知られている。
洗浄開口部が前記洗浄対象物に対して非接触または一定距離離間した状態を検知するリリース検知手段を有し、該リリース検知手段によりリリース時と判断された時に駆動手段により可動部材を動作させ、可動部材により前記洗浄開口部を遮蔽することで、洗浄媒体が装置外への漏出を防止する技術がすでに知られている。
洗浄開口部が前記洗浄対象物に対して非接触または一定距離離間した状態を検知するリリース検知手段を有し、該リリース検知手段によりリリース時と判断された時に駆動手段により可動部材を動作させ、可動部材により前記洗浄開口部を遮蔽することで、洗浄媒体が装置外への漏出を防止する技術がすでに知られている。
しかし、今までの洗浄媒体の漏出防止技術では、装置を勢いよく対象物から離間させた場合に、前記可動部材による洗浄開口部の遮蔽が間に合わず、洗浄媒体が漏出してしまう問題があった。
例えば特許文献1には、洗浄媒体の漏出防止目的で、洗浄開口部が洗浄対象物に対して非接触または一定距離離間した状態を検知するリリース検知手段を有し、該リリース検知手段によりリリース時と判断されたときに駆動手段により可動部材を動作させる技術が開示されている。
駆動手段により可動部材を動作させ、洗浄開口部を遮蔽することで洗浄媒体の漏出を防止するものである。しかし、装置を勢いよく対象物から離間させた場合に、リリースを検知してから可動部材が動作するまでに時間がかかり、可動部材による洗浄開口部の遮蔽が間に合わず、洗浄媒体が漏出してしまうという問題はある。
本発明は、勢いよくクリーニング装置を持ち上げた場合でも、開口部が洗浄対象物から離間するまでに可動部材が開口部を十分に遮蔽できるだけの時間を確保でき、洗浄媒体の装置外への漏出を防止できるようにする。
本発明に係る乾式クリーニング装置は、気流により飛翔させた洗浄媒体を洗浄対象物に当て、該洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置であって、装置筺体が、前記洗浄媒体を飛翔させる内部空間と、前記洗浄対象物に当接して前記洗浄媒体を前記洗浄対象物に衝突させるための開口部と、外部からの空気を前記内部空間へ通す通気路と、前記内部空間に導入された空気を吸引することにより旋回気流を生じさせる吸気口と、前記洗浄対象物から除去された除去物を前記吸気口側へ通過させる多孔手段と、前記開口部を遮蔽する位置まで移動可能な可動部材と、前記可動部材を動作させるための動作手段と、を備え、前記吸気口から前記通気路を介して前記内部空間に導入された空気を吸引するための吸引手段を備えた乾式クリーニング装置において、前記装置筺体に対して相対的に移動可能な取手部材と、該取手部材と前記装置筺体の位置関係を検出する検出手段と、を備えるとともに、前記検出手段の出力情報によって前記可動部材を対応させて動作させる制御手段を備えた、ことを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング筺体に対し、相対的に移動可能な取手を備え、取手が押し込まれた状態では可動部材で開口部を遮蔽し、取手を持ち上げた際に、取手と筺体と嵌合するまでにストロークを持たせることで、筺体が洗浄対象物から離間を開始する前に可動部材を遮蔽位置まで移動させることができる。そのため、勢いよくクリーニング装置を持ち上げた場合でも、開口部が洗浄対象物から離間するまでに、可動部材が洗浄開口部を遮蔽するのに十分な時間を確保できる。そしてそれにより、洗浄媒体の装置外への漏出を防止することができる。
本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、飛翔する洗浄媒体を洗浄対象物(以下、「被洗浄物」ともいう)に接触(衝突の概念を含む)させて洗浄する乾式クリーニング装置において、以下の特徴を有する。
要するに、装置を持ち上げるために把持する取手部材を備えており、使用状態(取っ手が下に押し込まれた状態)を検出する手段を備える。そして、使用状態から取手を持ち上げて筺体に持ち上げる力が伝わるまでにストロークを設けることで、開口部が洗浄面からリリースされるまでに十分な時間が確保できる。
本発明は、飛翔する洗浄媒体を洗浄対象物(以下、「被洗浄物」ともいう)に接触(衝突の概念を含む)させて洗浄する乾式クリーニング装置において、以下の特徴を有する。
要するに、装置を持ち上げるために把持する取手部材を備えており、使用状態(取っ手が下に押し込まれた状態)を検出する手段を備える。そして、使用状態から取手を持ち上げて筺体に持ち上げる力が伝わるまでにストロークを設けることで、開口部が洗浄面からリリースされるまでに十分な時間が確保できる。
上記本発明の特徴について、以下に図面を参照して説明する。
まず、図1乃至図4に基づいて、本発明の基礎となった上記先願技術に係るハンディタイプの乾式クリーニング装置の基本構成及び機能について説明する。
まず、図1乃至図4に基づいて、本発明の基礎となった上記先願技術に係るハンディタイプの乾式クリーニング装置の基本構成及び機能について説明する。
図1に基づいて、該ハンディタイプの乾式クリーニング装置2の構成の概要を説明する。図1(A)は図中のA−A線での横断面図、(B)は図中のB−B線での縦断面図である。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間を有する乾式クリーニング装置としての装置筐体(以下、単に「筐体」という)4と、筐体4内を負圧化する吸気手段6とを備えている。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間を有する乾式クリーニング装置としての装置筐体(以下、単に「筐体」という)4と、筐体4内を負圧化する吸気手段6とを備えている。
筐体4は、筐体本体としての円筒形状の上部筐体4Aと、逆円錐形状の下部筐体4Bとから一体として構成されている。なおここでの上部、下部は図面上の便宜的呼称であって、実機上の上下関係を言うものではない。
下部筐体4Bは、その円錐頂部に吸気口8を一体に備えており、吸引ダクトとして機能する。
吸気手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。
吸気手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。
吸引装置12としては、家庭用掃除機、真空モータや真空ポンプ、あるいは流体の圧送により間接的に低圧化ないし負圧化を生じさせる装置などを適宜用いることができる。なお、部材の上面、底面等の上下の位置関係は図面上の基準にすぎない。
上部筐体4Aの底面部は、下部筐体4Bの上端部を結合する嵌合凹部4A−1となっており、上部筐体4Aと下部筐体4Bは分離可能となっている。また上部筐体4Aの上面4A−2は密閉されている。上部筐体4Aの底面部における下部筐体4Bとの境界部分には、多孔手段としての多孔性の分離板14が設けられている。分離板14は、パンチングメタルのような穴が空いた板状の部材である。分離板14は、吸引されたときの洗浄媒体5の下部筐体4B側への移動を阻止するものである。なお図1(A)では、わかりやすくするために分離板14の表示を一部省略して記載してある。また、洗浄媒体5は分かり易くするためにその大きさを誇張して記載している。
多孔手段としては、洗浄媒体5を通さずに空気及び粉塵(洗浄対象物から除去された除去物)を通過させる大きさの細孔を多く備える多孔形状であればよく、スリット板や網などを用いても良い。材質も滑らかな面を備えていれば、樹脂や金属などを自由に選択して良い。多孔手段は旋回空気流の旋回軸と直交する面として配置されている。これにより、多孔手段に沿う方向に気流が流れることにより、洗浄媒体5の滞留を防ぐ効果がある。旋回空気流の減衰を抑えるために、筐体内面は段差、凹凸がなく平滑であることが望ましい。また多孔手段は、旋回空気流に沿った面に配置されることにより、表面に吸着した洗浄媒体を再飛翔させることができる。
筐体4の材質は特に限定されないが、異物の付着や洗浄媒体との摩擦による消耗を防ぐために、例えばアルミ二ウムやステンレスなどの金属製が好適であるが、樹脂製のものを用いることもできる。
上部筐体4Aの内部中心には、上部筐体4Aの円筒軸を共通の軸とするように、円筒状の流路制限部材16が筐体の一部として設けられ、流路制限部材16の下端は分離板14に固定されている。流路制限部材16は旋回空気流の流路断面積を絞って流速を向上させる目的で設けられている。流路制限部材16により上部筐体4A内には滑らかな壁面を有するリング状の旋回空気流移動空間(洗浄媒体の飛翔空間)が形成されている。上部筐体4Aの形状によっては、流路制限部材16の中心軸と上部筐体4Aの中心軸を必ずしも共通にする必要はなく、リング状の空間が確保できていれば偏芯していても良い。
上部筐体4Aの側面の一部には、旋回空気流で飛翔する洗浄媒体5を洗浄対象物に接触ないし衝突させるための開口部18が形成されている。上部筐体4Aは直径に対して高さが極めて小さい円筒形状である。その高さを形成する側面の一部に開口部18を設けることにより、筐体4全体としては、図1(B)に示すように、開口部18以外の外周部分が洗浄対象物20から大きく逃げる(離れる)レイアウトとなる。そのため、洗浄対象物20に対する局所的当接、換言すればピンポイントクリーニングの自由度が高められている。開口部18は、上部筐体4Aの側面を円筒軸に平行な平断面により切断した形状であり、円筒軸と直交する方向から見て矩形形状をなしている。
上部筐体4Aの側面には空気流入口22が形成されており、空気流入口22には、旋回空気流発生手段で且つ通気路としてのインレット24が上部筐体4Aの外方から接続されて上部筐体4Aに一体に固定されている。インレット24は分離板14に略平行に設定されており、その通気方向は、上部筐体4Aの半径方向に対して傾き、その通気路中心の延長線が開口部18に達するように位置している。インレット24は、上部筐体4Aの高さ方向に延びる幅を有している。インレット24は上部筐体4Aの高さよりも径又は幅が小さいものを1つ配置してもよく、単体のインレットを高さ方向に複数配置する構成としてもよい。
図1に示すように、開口部18が洗浄対象物20に当接して塞がれると、筐体4内が閉空間としてなり、インレット24から外気が高速で流入し、この高速気流は洗浄媒体5を開口部18へ向けて加速させるとともに旋回気流としての旋回空気流30を生成する。閉空間が形成された時に生じる旋回空気流は、分離板14上に吸着した洗浄媒体を吹き払い、再飛翔させる効果を有する。
開口部18は、開放されたときに、空気流入口22における内圧を、大気圧もしくはその近傍にするために十分な大きさの面積を備える。また、空気流入口22も、開口部18の開放時に大気圧もしくはその近傍になりやすい位置に配置される。
このような構成を備えることにより、乾式クリーニング装置2を洗浄対象物に当てていない間は、空気流入口22が大気圧に近づくことによって、外部との差圧が低下し、その結果流入する気流が劇的に低減する。一方、開口部18から流入する気流は多くなるため、洗浄媒体5が筐体4内から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、開口部18が開放されている状態では、閉塞されている場合に比べて流入する気流の総量が2ないし3倍になるため、とくに薄片状の洗浄媒体では多孔手段上に吸着されるため、再飛翔せず筐体の外に漏れることがない。これを開口部開放時における洗浄媒体吸着効果という。
洗浄媒体5は、薄片状の洗浄片の集合であるが、ここでは薄片状の洗浄片単体としての意味でも用いている。薄片状の洗浄媒体とは面積が1mm2以上200mm2以下の薄片である。また、洗浄媒体の材質はポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタラート、アクリル、セルロース樹脂などの耐久性のある素材からなるフィルムであり、厚みは0.02mm以上1.0mm以下である。
但し、洗浄対象物によっては洗浄媒体の厚みやサイズや材質を変えることが効果的な場合もあり、これらの洗浄媒体を使用する場合も本発明の範囲に含まれるため、前記洗浄媒体条件にはとらわれないものとする。洗浄媒体の材質に関しては、樹脂だけにとどまらず、紙、布などの薄片や、あるいは、雲母などの鉱物、セラミックやガラス、金属箔であっても、薄く軽量で飛翔しやすい形状にすることで使用することができる。
さらに上部筐体4Aのリング状の内部空間26は、旋回空気流によって洗浄媒体5を飛翔させて開口部18に対向する洗浄対象物20に接触させる機能を担う空間である。流路制限部材16の内部空間34は、旋回空気流が作用しない空間である。
以上のように構成される乾式クリーニング装置2による洗浄動作(以下、クリーニング動作という)を、図2を参照して説明する。
なお、図2では、部材の厚み等を省略し、分かり易くするために静空間としての内部空間34をハッチングで表示している。
なお、図2では、部材の厚み等を省略し、分かり易くするために静空間としての内部空間34をハッチングで表示している。
図2(B)は、開口部18を洗浄対象物20から離して開口部18を開放し吸気を行っている状態を、図2(A)は、開口部18を洗浄対象物20に当てて閉塞した状態を示している。クリーニング動作に先立って、洗浄媒体5を筐体4内に供給する。筐体4内に供給された洗浄媒体5は、図2(B)下図に示すように、分離板14に吸い付けられて筐体4内に保持される。筐体4内は吸気により負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット24を通して筐体4内に流入する。しかし、このときのインレット24内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体4内に発生する旋回空気流30は洗浄媒体5を飛翔させる強さには至らない。
筐体4内に洗浄媒体5が供給・保持されたら、図2(A)に示すように、開口部18を洗浄対象物20の表面のクリーニングすべき部位に当てて閉塞状態にする。開口部18が塞がれると、開口部18からの吸気が止まる。そのため、筐体4内の負圧は一気に増大し、インレット24を通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大し、インレット24内で整流され、インレット出口(空気流入口22)から筐体4内に高速空気流となって吹き出す。吹き出した空気流は、分離板14上に保持されている洗浄媒体5を開口部18に対向する洗浄対象物20の表面に向けて飛翔させる。上記空気流は、旋回空気流30となって、筐体4の内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板14の穴を通って吸気手段6により吸気される。
このように筐体4内を円環状に流れた旋回空気流30がインレット24の出口部に戻ると、インレット24から入り込む空気流が旋回空気流30に合流しつつ加速する。このようにして筐体4内に安定した旋回空気流30が形成される。
洗浄媒体5は、この旋回空気流により筐体4内で旋回し、洗浄対象物20の表面に繰り返し衝突する。この衝突による衝撃で、洗浄対象物20の表面から汚れが微小粒状あるいは粉状となって分離する。分離した汚れは、分離板14の穴を通って吸気手段6により筐体4の外部へ排出される。
筐体4内に形成される旋回空気流30は、その旋回軸が、分離板14の表面に直交しており、旋回空気流30は分離板14の表面に平行方向の気流となる。このため、旋回空気流30は分離板表面に吸い着けられた洗浄媒体5に、横方向から吹き付けて洗浄媒体5と分離板14の間に入り込み、分離板14に吸い付けられている洗浄媒体5を分離板14から引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部18が塞がれて上部筐体4A内の負圧が増大して、下部筐体4B内の負圧に近くなるため、洗浄媒体5を分離板14の表面に吸い付ける力も低下して、洗浄媒体5の飛翔がより容易になる効果が生じる。
旋回空気流30は、一定の方向に気流が加速されるため高速の気流が生成しやすく、洗浄媒体5の高速飛翔運動も容易となる。高速で旋回移動する洗浄媒体5は、分離板14に吸い付けられにくく、洗浄媒体5に付着した汚れが、遠心力により洗浄媒体5から分離され易い。
図3に上述した乾式クリーニング装置2によるクリーニングの実際的な例を示す。洗浄対象物は前述したフローはんだ槽工程で用いられるディップパレットであり、符号100で示す。ディップパレット100には、マスク開口部101、102、103が開口しており、これらマスク開口部の穴周辺にフラックスFLが堆積・固化している。この堆積・固化したフラックスFLが除去すべき汚れである。
図3に示すように、下部筐体4Bの根元部(吸気口8部位)を手HDで握り、吸気状態で、筐体4の開口部18を被クリーニング部位に押し当てる。開口部18が被クリーニング部位に押し当てられる以前は、筐体4内は吸気され、洗浄媒体5は分離板14に吸い付けられているので、開口部18は下方を向いているものの、筐体4内から洗浄媒体5が外部へ漏れることは無い。勿論、開口部18が被クリーニング部位に押し当てられた以後は、筐体内が気密状態となり、洗浄媒体の漏れ出しはない。
開口部18を被クリーニング部位に押し当てると、インレット24による流入気流が急増し、筐体4内に強い旋回空気流30を発生させる。すると、離板14に吸い付けられた洗浄媒体5を飛翔させ、ディップパレット100の被クリーニング部位に付着固化したフラックスFLに衝突させてフラックスFLを除去する。クリーニング作業者は、上述のように下部筐体4Bの根元を手HDに持ち、ディップパレット100に対して移動させて、被クリーニング部位を順次移動させ、付着・固化したフラックスFLを全て除去することができる。
図3の状態では、ディップパレット100のマスク開口部101の周辺部がクリーニングされ、マスク開口部102、103の周辺部がクリーニング途上である。被クリーニング部位に対して開口部を移動させる時に被クリーニング部位から開口部18が離されても、前述の洗浄媒体吸着効果により、洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さない。そのため、洗浄媒体数が維持され、洗浄媒体量の減少によるクリーニング性能の低下は生じない。
洗浄媒体5は、繰り返し使用される間にクリーニング部位に対する衝突による衝撃により次第に破壊され、クリーニング部位のディップパレット100から除去したフラックス(汚れ)と共に、吸引装置12に吸引回収される。そのため、乾式クリーニング装置を長時間使用していると、筐体内に保持された洗浄媒体の量が減少する。このような場合は、新しい洗浄媒体群を筐体4内に補給する。
図4に上述した乾式クリーニング装置2について漏れ防止機能の基本動作を示す。
上記の例では、旋回気流調整手段が旋回流路の断面積を変化させて旋回空気流を低減ないし停止させる構成を有するものであったが、本例では、開口部18から流入する空気量を調整する。このことにより、インレット50から流入する空気量とのバランスをとって旋回空気流のエネルギーを低減ないし停止させることを特徴とする。すなわち、開口部18から流入する気流とインレット50から流入する気流とが打ち消しあうようにして、いずれかが勝ることによる旋回空気流の維持又は発生を抑制しようとする。
上記の例では、旋回気流調整手段が旋回流路の断面積を変化させて旋回空気流を低減ないし停止させる構成を有するものであったが、本例では、開口部18から流入する空気量を調整する。このことにより、インレット50から流入する空気量とのバランスをとって旋回空気流のエネルギーを低減ないし停止させることを特徴とする。すなわち、開口部18から流入する気流とインレット50から流入する気流とが打ち消しあうようにして、いずれかが勝ることによる旋回空気流の維持又は発生を抑制しようとする。
筐体42の開口部18側底面には、開口部18の開口面積を変化させるための旋回気流調整手段で可動部材としての遮蔽板64が、図中左右方向に密接状態でスライド可能に組み込まれている。洗浄終了後に洗浄対象物20から開口部18を離す前に、図示しないレバーで遮蔽板64をスライドさせて、開口部断面積がインレット部の断面積と同等となるまで閉じると、インレット50からの外気流入量と開口部18からの外気流入量とが等しくなる。そのため、双方が打ち消しあって旋回空気流は完全に停止する。分離板44からの吸引があるために、開口部やインレットから筐体内の分離板への吸引圧力が発生し、洗浄媒体は開口部やインレットから外部へ飛散しない。また多孔質の流路制限部材52を用いた場合、中心部からの吸引が加わる。そのため、洗浄媒体は流路制限部材と分離板の双方へ吸着され、落下または飛散することがない。したがって、リリース時や非洗浄時には、図4(B)に示すように、遮蔽板64を閉じることで、完全に洗浄媒体の漏れを防ぐことができる。洗浄時には、図4(A)に示すように、遮蔽板を開くことで、旋回気流が発生し、洗浄が開始される。
遮蔽板64を完全に閉じても良いが、遮蔽板64を完全に閉じてしまうと、洗浄時と同じ状態となってしまい、長時間その状態を維持すると遮蔽板へ洗浄媒体が衝突を繰り返してしまい洗浄媒体の消耗を促進してしまう。このため、遮蔽板64のスライド操作において、旋回空気流が完全に停止する位置で遮蔽板64を止めるための図示しないストッパが設けられている。これにより、作業者の勘に頼ることなく画一的に遮蔽板64を所定位置に設定できる。
初期設計により、インレット部と開口部の断面積を等しくしておくことも有効であるが、基本的に旋回流速を高めるためにインレット部の断面積は小さく設定される。このため結果的に開口部が狭くなってしまい、洗浄効率が落ちる。その欠点を許容できる場合に限り有効である。また上述の実施形態では手動による開閉構成としたが、一軸動作が可能な駆動手段で開閉する電動方式としてもよい。
図5ないし図8は、本発明の実施形態1の特徴となる部分を詳細に示す。
図5に示したように、筐体42に対し相対的に移動可能な取手部材111と、筐体内部に配置された検出手段112および筐体に設けられた取手との引っかかり部113を備える。
図5に示したように、筐体42に対し相対的に移動可能な取手部材111と、筐体内部に配置された検出手段112および筐体に設けられた取手との引っかかり部113を備える。
図6は取手部を拡大した図である。例えば、取手は通常時、スプリング114によって図の上方へ押圧付勢されており、検知手段の検知領域外に位置している。洗浄を開始するときには取手を押し込むことによって取手を検出手段の検出領域まで移動さて使用する。取手の動作は例えば図5に示すような平行移動でもよいし、図7に示すような、一端を回転支持とした回転移動でもよい。
また、図8に示すように、取手部材111を検出位置で保持する保持部材115を設けてもよい。この場合、取手部材111を上方へ押圧するスプリング114の張力T1と保持部材115を保持位置で支持するスプリング116の張力T2の関係はT1<T2とする。
以上のように設定することで、洗浄動作中に使用者が取手から手を離しても開口状態を維持し、洗浄動作を継続することができる。そして、使用者が筐体42を持ち上げるために取手部材111を引き上げる力によって取手部材111が保持部材115を回転させて、検出手段112の検出領域外へ移動させることが可能となる。
図9に検出手段112の検知状態による制御方法を示す。
吸引装置12が動作していない時(ステップS1でNO)は、洗浄媒体5が漏れないように、検出手段112の検出状態によらず、遮蔽板64を退避位置に移動させる(ステップS4)。吸引装置12が吸引動作を行っている場合(ステップS1でYES)は、検出手段112の状態を監視する。検出手段112が取手部材111を検出していれば洗浄動作中と判断し(ステップS2でYES)、遮蔽板64を開口位置まで移動させる(ステップS3)。そして、洗浄媒体5を洗浄面に衝突させて洗浄を行う。検出手段112が取手部材111を非検出状態となった場合はすぐに遮蔽板64を退避位置まで移動させる。このことで、洗浄動作中に使用者が装置を持ち上げようとしても、取手部材111が検出位置から筐体と引っかかる位置まで移動する間に遮蔽板64を遮蔽位置まで移動させることができる。そして、筐体42が持ち上がって洗浄面からリリースされる時には確実に遮蔽状態とすることが可能となる。
吸引装置12が動作していない時(ステップS1でNO)は、洗浄媒体5が漏れないように、検出手段112の検出状態によらず、遮蔽板64を退避位置に移動させる(ステップS4)。吸引装置12が吸引動作を行っている場合(ステップS1でYES)は、検出手段112の状態を監視する。検出手段112が取手部材111を検出していれば洗浄動作中と判断し(ステップS2でYES)、遮蔽板64を開口位置まで移動させる(ステップS3)。そして、洗浄媒体5を洗浄面に衝突させて洗浄を行う。検出手段112が取手部材111を非検出状態となった場合はすぐに遮蔽板64を退避位置まで移動させる。このことで、洗浄動作中に使用者が装置を持ち上げようとしても、取手部材111が検出位置から筐体と引っかかる位置まで移動する間に遮蔽板64を遮蔽位置まで移動させることができる。そして、筐体42が持ち上がって洗浄面からリリースされる時には確実に遮蔽状態とすることが可能となる。
また、検出手段112の検出情報が吸引装置12の吸引動作のオンオフスイッチと遮蔽板64の移動動作のトリガを兼ねても良い。
この場合、図10に示す例のように、吸引動作の切り替えよりも遮蔽板64の移動を先に行うシーケンス制御(ステップS1→S2、S4)とするのが好ましい。このことで、吸引動作を開始する時に遮蔽板64は確実に退避位置に移動しており、洗浄媒体5と遮蔽板64の繰り返し衝突による遮蔽板64の損傷を防止することができる。また、吸引動作停止時(ステップS5)に遮蔽板64が確実に遮蔽位置まで移動しており、筐体内部に残っている洗浄媒体5の自重での筐体42外への落下を防止することができる。
この場合、図10に示す例のように、吸引動作の切り替えよりも遮蔽板64の移動を先に行うシーケンス制御(ステップS1→S2、S4)とするのが好ましい。このことで、吸引動作を開始する時に遮蔽板64は確実に退避位置に移動しており、洗浄媒体5と遮蔽板64の繰り返し衝突による遮蔽板64の損傷を防止することができる。また、吸引動作停止時(ステップS5)に遮蔽板64が確実に遮蔽位置まで移動しており、筐体内部に残っている洗浄媒体5の自重での筐体42外への落下を防止することができる。
検出手段112は筐体64内部に配置され、取手部材111の検出状態が使用者からは見えない。また、開口部の様子も見ることができない。そのため、検出手段112の検出状態から、例えば筐体表面にLED等の表示手段で可動部材の位置、つまり開口部の状態(開口または遮蔽)を表示することで、使用者、操作者が装置を持ち上げてよいかどうかの判断が可能となる。あるいは、検出手段112が取手部材111を検出する位置で、取手部材111の把持部分にクリック間を与えることでも動作が開始したかどうかを判断させることが可能となる。
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
2 :乾式クリーニング装置
4 :筐体
4A :上部筐体
4A−1 :嵌合凹部
4A−2 :上面
4B :下部筐体
5 :洗浄媒体
6 :吸気手段
8 :吸気口
10 :吸引ホース
12 :吸引装置
14 :分離板
16 :流路制限部材
18 :開口部
20 :洗浄対象物
22 :空気流入口
24 :インレット
26 :内部空間
30 :旋回空気流
34 :内部空間
42 :筐体
44 :分離板
50 :インレット
52 :流路制限部材
64 :遮蔽板
100 :ディップパレット
101 :マスク開口部
102 :マスク開口部
103 :マスク開口部
111 :取手部材
112 :検出手段
113 :部
114 :スプリング
115 :保持部材
116 :スプリング
4 :筐体
4A :上部筐体
4A−1 :嵌合凹部
4A−2 :上面
4B :下部筐体
5 :洗浄媒体
6 :吸気手段
8 :吸気口
10 :吸引ホース
12 :吸引装置
14 :分離板
16 :流路制限部材
18 :開口部
20 :洗浄対象物
22 :空気流入口
24 :インレット
26 :内部空間
30 :旋回空気流
34 :内部空間
42 :筐体
44 :分離板
50 :インレット
52 :流路制限部材
64 :遮蔽板
100 :ディップパレット
101 :マスク開口部
102 :マスク開口部
103 :マスク開口部
111 :取手部材
112 :検出手段
113 :部
114 :スプリング
115 :保持部材
116 :スプリング
Claims (11)
- 気流により飛翔させた洗浄媒体を洗浄対象物に当て、該洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置の装置筐体であって、
前記装置筺体が、
前記洗浄媒体を飛翔させる内部空間と、
前記洗浄対象物に当接して前記洗浄媒体を前記洗浄対象物に衝突させるための開口部と、
外部からの空気を前記内部空間へ通す通気路と、
前記内部空間に導入された空気を吸引することにより旋回気流を生じさせる吸気口と、
前記洗浄対象物から除去された除去物を前記吸気口側へ通過させる多孔手段と、
前記開口部を遮蔽する位置まで移動可能な可動部材と、
前記可動部材を動作させるための動作手段と、
前記吸気口から前記通気路を介して前記内部空間に導入された空気を吸引するための吸引手段と、
前記装置筺体に対して相対的に移動可能な取手部材と、
該取手部材と前記装置筺体の位置関係を検出する検出手段と、
を備えるとともに、
前記検出手段の出力情報によって前記可動部材を対応させて動作させる制御手段を備えた、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置の筐体。 - 請求項1に記載の乾式クリーニング装置の筐体において、
前記検出手段を、前記取手部材の前記装置筐体に対する前記相対的に移動可能な範囲で前記開口部の方向へ移動したことを検出できるように配した、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置の筐体。 - 請求項1又は2に記載の乾式クリーニング装置の筐体において、
前記検出手段が前記取手部材を検出している時は、前記開口部に対して前記可動部材が移動し、
該可動部材の移動は、前記開口部を遮蔽する位置から所定の退避位置までである、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置の筐体。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式クリーニング装置において、
前記制御手段は、前記検出手段の出力情報によって、前記吸引手段を対応させて動作させる、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の乾式クリーニング装置の筐体において、
前記検出手段が前記取手部材を検出している時は、前記吸引手段の吸引動作を行う
ことを特徴とする乾式クリーニング装置の筐体。 - 請求項5に記載の乾式クリーニング装置の筐体において、
前記検出手段が前記取手を検出していない時は、前記可動部材が前記開口部を遮蔽する位置へ移動してから前記吸引動作を停止する、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置の筐体。 - 請求項5乃至6のいずれかに記載の乾式クリーニング装置において、
前記取手部材を前記装置筐体に対して前記開口部と逆の方向に付勢して落下を防止している、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の乾式クリーニング装置の筐体において、
前記検出手段が前記取手を検出していることを表示する表示手段を備えた、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置の筐体。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の乾式クリーニング装置の筐体において、
前記検出手段が前記取手を検出した際に、該検出を操作者に感じさせる手段を備えた、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置の筐体。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の乾式クリーニング装置の筐体を備えたことを特徴とする乾式クリーニング装置。
- 気流により飛翔させた洗浄媒体を洗浄対象物に当て、該洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置であって、
装置筺体と、
前記装置筺体に対して相対的に移動可能な取手部材と、
該取手部材と前記装置筺体の位置関係を検出する検出手段と、
前記検出手段の出力情報によって前記可動部材を対応させて動作させる制御手段と、
を備えた、
ことを特徴とする乾式クリーニング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014042212A JP2015167872A (ja) | 2014-03-04 | 2014-03-04 | 乾式クリーニング装置の装置筐体、及び乾式クリーニング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014042212A JP2015167872A (ja) | 2014-03-04 | 2014-03-04 | 乾式クリーニング装置の装置筐体、及び乾式クリーニング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015167872A true JP2015167872A (ja) | 2015-09-28 |
Family
ID=54201141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014042212A Pending JP2015167872A (ja) | 2014-03-04 | 2014-03-04 | 乾式クリーニング装置の装置筐体、及び乾式クリーニング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015167872A (ja) |
-
2014
- 2014-03-04 JP JP2014042212A patent/JP2015167872A/ja active Pending
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