JP6067343B2 - 既存梁部材の補強構造および補強方法 - Google Patents

既存梁部材の補強構造および補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、既存梁部材の補強構造および補強方法に関し、さらに詳しくは、補強対象となる構造物の屋内使用を妨げることなく補強施工が可能であり、既存梁部材の目標とするせん断変位量における必要なせん断耐力を確保して、構造物に対する適切な補強効果が得られる既存梁部材の補強構造および補強方法に関するものである。
既存の構造物を耐震補強する方法は種々提案されている。図16、図17に例示するように、構造物11の耐震性を向上させる場合に、コンクリートCに主筋3やせん断補強筋4が埋設された鉄筋コンリート製の既存梁部材2の表面(屋外側表面2a、屋内側表面2bおよび下側表面2c)に鋼板等の補強部材12を巻き付けて一体化させる方法が知られている。このような従来の補強方法は、補強する既存梁部材2のせん断耐力を高めることに注力していて、補強した既存梁部材2のせん断耐力が必要以上(オーバースペック)になることが多い。また、補強された既存梁部材2のせん断耐力は向上しても、その周辺の既存部材(柱部材5)が補強されないと、既存梁部材2と柱部材5の間で、構造物11が外力を受けた際に荷重負担のアンバランスが生じる。そのため、補強されていない柱部材5に対する荷重負担が増大して構造物11の全体としては十分な補強効果が得られないこともある。
また、既存部材の表面に補強部材を巻き付ける補強方法では、構造物の内側および外側から補強施工をする必要があり、補強施工中に構造物の屋内使用ができない、或いは、屋内使用が著しく制約されるという問題がある。したがって、人が日常的に生活する集合住宅等の構造物を対象とした補強には不向きである。
この問題を解決するために、構造物の外側からだけで施工を行なうことができる補強方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、補強用形鋼と繊維強化コンクリートとからなる鉄骨コンクリート合成構造部材(補強部材)を、既設建物の外壁面に一体化させる補強方法が提案されている。この補強方法では、補強部材として、形鋼および繊維強化コンクリートを用いることが要求されるので、使用する材料の選択の余地が小さい。また、梁体の屋外側表面のみに補強部材を一体化させて補強した場合に、その補強部材の両端が柱体と連結した状態になると、柱体には補強部材を介して梁体からのせん断力が直接作用するので、柱体にも補強を施す必要が生じる。
特開2006−312859号公報
本発明の目的は、補強対象となる構造物の屋内使用を妨げることなく補強施工が可能であり、既存梁部材の目標とするせん断変位量における必要なせん断耐力を確保して、構造物に対する適切な補強効果が得られる既存梁部材の補強構造および補強方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の既存梁部材の補強構造は、柱部材と柱部材との間に架け渡された既存梁部材に固定される補強部材を備えた既存梁部材の補強構造において、前記補強部材が前記既存梁部材の屋外側表面のみに、この屋外側表面を覆うように前記既存梁部材と一体化して固定され、この補強部材の両端とこの両端に対向する前記柱部材のそれぞれとの間に所定すき間が形成されていて、前記補強部材が前記既存梁部材だけに取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明の既存梁部材の補強方法は、柱部材と柱部材との間に架け渡された既存梁部材の補強方法において、前記既存梁部材の屋外側表面のみに、この屋外側表面を覆うように補強部材を配置し、この補強部材の両端とこの両端に対向する前記柱部材のそれぞれとを所定すき間をあけた状態にして、この補強部材を前記既存梁部材と一体化して固定して前記既存梁部材だけに取り付けることを特徴とする。
本発明によれば、補強部材が既存梁部材の屋外側表面のみに、この屋外側表面を覆うように既存梁部材と一体化して固定されるので、補強施工を構造物の外側からのみで済ませることができる。それ故、補強施工中に補強対象の構造物の屋内使用が制約されることがなく、集合住宅等の構造物を対象とした補強にも積極的に適用することができる。尚、本発明の効果である「補強対象となる構造物の屋内使用を妨げることなく」とは、構造物の内側を補強する場合に、補強対象となる部屋の室内使用を妨げることがない、という意味を含むものである。
また、既存梁部材の屋外側表面のみに補強部材を設けることにより、目標とするせん断変位量を超えた場合にまで既存梁部材のせん断耐力を過大に向上させることがない。さらに、既存梁部材と一体化して固定された補強部材の両端とこの両端に対向する柱部材のそれぞれとの間に所定すき間が形成されているので、柱部材には補強部材を介して既存梁部材からのせん断力が直接作用することがなく、構造物が外力を受けた際の既存梁部材と柱部材との荷重負担のバランスは大きく変化しない。これにより、既存梁部材の目標とするせん断変位量における必要なせん断耐力を確保して、構造物に対する適切な補強効果を得ることが可能になる。
本発明の補強構造を有する構造物を例示する正面図である。 図1の既存梁部材の内部構造を正面視で例示する説明図である。 図1のA―A断面図である。 図1のB―B断面図である。 図1の補強構造を構築する工程を平面視で例示する説明図である。 図1の補強構造を構築する工程を断面視で例示する説明図である。 補強前の既存梁部材および本発明により補強された既存梁部材のせん断変位量とせん断力との関係を例示するグラフ図である。 補強前の既存梁部材および従来方法により補強された既存梁部材のせん断変位量とせん断力との関係を例示するグラフ図である。 本発明の補強構造を有する構造物の変形例を平面視で示す説明図である。 試験サンプルに対する静的載荷実験を模式的に例示する説明図である。 図10の試験サンプルを例示する斜視図である。 比較例の静的載荷実験結果を例示するグラフ図である。 実施例1の静的載荷実験結果を例示するグラフ図である。 実施例2の静的載荷実験結果を例示するグラフ図である。 実施例3の静的載荷実験結果を例示するグラフ図である。 従来方法による補強構造を有する構造物を例示する正面図である。 図16のC―C断面図である。
以下、本発明の既存梁部材の補強構造および補強方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図4に例示する本発明の既存梁部材の補強構造は、構造物1を構成する既存梁部材2を補強部材7により補強することで、既存梁部材2の目標とするせん断変位量における必要なせん断耐力を確保するものである。これにより、構造物1に対する適切な補強効果を得て、構造物1の全体的な耐震強度を向上させる。補強対象となる構造物1としては、例えば、鉄筋コンクリート製のビルディング、集合住宅などである。
この構造体1は既存の柱部材5と柱部材5との間に既存梁部材2が架け渡されている。柱部材5や既存梁部材2により囲まれた部分には、適宜、壁部材等が設けられる。既存梁部材2には、両端の柱部材5にまで延びて長手方向に貫通する主筋3が上下に配筋されるとともに、せん断補強筋4が長手方向に所定のピッチで配筋されて、これらがコンクリートCと一体化されている。柱部材5には、上下方向に所定のピッチで帯筋6aが配筋されるとともに、上下方向に延びる主筋6bが配筋され、必要に応じて補助筋6cが配筋されて、これらがコンクリートCと一体化されている。
本発明の補強構造は、既存の柱部材5と柱部材5との間に架け渡された既存梁部材2に固定される補強部材7を備えている。この実施形態の補強部材7は、鉄筋コンクリート板である。この補強部材7には、長手方向に延びる軸筋9が上下に配筋されるとともに、あばら筋8が長手方向に所定のピッチで配筋されて、これらがコンクリートCと一体化されている。配筋はこの実施形態に示したものに限らず、鉄筋の替わりにワイヤーメッシュを使用するなど、適宜アレンジしたものを採用することができる。
補強部材7は、既存梁部材2の屋外側表面2aのみに配置され、屋外側表面2aの略全体の範囲を覆うように既存梁部材2と一体化して固定される。補強部材7と既存梁部材2とは、外力(せん断力)を受けた際に、互いが境界でずれることなく、一体的に変形できるように固定される。この実施形態のように補強部材7が鉄筋コンクリート製の場合であれば、補強部材7と既存梁部材2とを連通する接続アンカー筋10が互いに埋設されて、接続アンカー筋10を介して補強部材7と既存梁部材2とが強固に一体化して固定される。接続アンカー筋10としては、例えば異形鉄筋を用いる。
補強部材7としては、鉄筋コンクリート板の他に、例えば、プレキャストコンクリート板、ファイバー入りコンクリート板、鋼板等の金属板、硬質樹脂板などを用いることが可能である。補強部材7と既存梁部材2とは、それぞれの材質等に応じて、アンカーボルトおよびナットやコンクリート、モルタル、グラウト(セメントペースト)等の固化材やその他の適切な手段により一体化して固定される。
既存梁部材2と一体化した補強部材7の長手方向両端とこの両端に対向する柱部材5のそれぞれとの間には所定すき間gが形成されている。所定すき間gの大きさは、例えば10mm以上かつ既存梁部材2の梁せいの1/2以下、好ましくは50mm程度である。
この補強構造を構築するには、図5、図6に例示するように、既存梁部材2の屋外側表面2aに接続アンカー筋10を突設する。また、屋外側表面2aにはあばら筋8や軸筋9などの必要な配筋をする。屋外側表面2aには、目荒らしを施しておくとよい。
次いで、この屋外側表面2aに対して前後方向にすき間をあけて型枠13を設置して、屋外側表面2aを型枠13で覆う。図5、図6では、型枠13を斜線部で示している。この型枠13と屋外側表面2aとの間にコンクリートCを打設する。打設したコンクリートCが固化することにより、鉄筋コンクリート製の補強部材7が形成され、補強部材7と既存梁部材2とに接続アンカー筋10が連通して埋設される。これにより、補強部材7を既存梁部材2と一体化させて固定する。その後、型枠13を除去することにより、補強部材7の両端とこの両端に対向する柱部材5のそれぞれとの間に所定すき間gが形成される。
本発明において補強部材7の仕様を決定するには、例えば、補強対象となる既存梁部材2の許容せん断変位量に基づいて、目標とする既存梁部材2のせん断変位量(設計目標値)を設定する。次いで、既存梁部材2のせん断変位量が設計目標値になるまでは、既存梁部材2がせん断破壊しない強度(せん断耐力)をシミュレーション計算に基づいて算出する。そして、補強した既存梁部材2が、設計目標値のせん断変位量において、算出したせん断耐力を有するように補強部材7の仕様を決定する。即ち、設計目標値を超えて既存梁部材2がせん断変形した場合は考慮せずに、あくまでも、実用上妥当だと思われるせん断変位量を設計目標値として設定する。
図7に本発明の補強構造を採用した既存梁部材2のせん断変位量(せん断変形角度)とせん断力との関係、図8に従来の補強構造(図15、図16に例示した構造)を採用した既存梁部材2のせん断変位量(せん断変形角度)とせん断力との関係を例示する。図7、図8における実線が補強した既存梁部材2の試験データであり、破線が補強前の既存梁部材2の試験データである。
図7に例示するように、本発明の補強構造では、補強部材7による補強によって、設計目標値のせん断変形量になるまでは、せん断力が高い水準に維持されて既存梁部材2がせん断破壊しない。一方、設計目標値を超えてせん断変形した場合には、既存梁部材2にせん断破壊が生じて、せん断力(耐力)が脆性的に低下する。図8に例示するように、従来の補強構造では、補強によって、設計目標値を大きく超えてせん断変形した場合においても、既存梁部材2にせん断破壊が生じることがなく、せん断力(耐力)は高い水準に維持される。
上記のように本発明では、既存梁部材2の屋外側表面2aのみに固定した補強部材7により既存梁部材2を補強することで、設計目標値となるせん断変位量になるまでは、せん断破壊しないせん断耐力を確保する。したがって、図12、図13に例示した従来の補強構造のように、補強した既存梁部材2が設計目標値とするせん断変位量を超えた場合に、必要以上に過大なせん断耐力を発揮する仕様にはならず、経済設計が可能になる。
また、本発明によれば、補強部材7を既存梁部材2の屋外側表面2aのみに取付けて、既存梁部材2と一体化して固定するので、構造物1の外側からの補強施工だけで完了させることができる。それ故、補強施工中に補強対象の構造物1の屋内使用が制約されることがないので、集合住宅等の構造物1を対象とした補強にも積極的に適用することができる。補強部材7を柱部材5の屋外側表面に取付けた場合は、ベランダ等の有効スペースが狭くなることがあるが、既存梁部材2の屋外側表面2aに取付ける場合は、このような問題も生じない。
尚、本発明の補強構造は、図9に例示するように構造物1の内側を補強する場合にも適用することができる。この補強構造は、構造物1の内側の部屋1Aを補強対象としている。そして、この内側の部屋1Aを形成する既存梁部材2の外側表面2aのみに、この外側表面2aを覆うように補強部材7が既存梁部材2と一体化して固定されている。そして、この補強部材7の両端とこの両端に対向する柱部材5のそれぞれとの間には所定すき間gが形成されている。
この実施形態の場合は、補強施工をこの内側の部屋1Aの外側からのみで済ませることができる。それ故、補強施工中にこの内側の部屋1Aの室内使用が制約されることがない。
さらに、本発明では、既存梁部材2と一体化して固定された補強部材7の両端とこの両端に対向する柱部材5のそれぞれとの間に所定すき間gが形成されているので、柱部材5には補強部材7を介して既存梁部材2からのせん断力が直接作用することがない。そのため、構造物1が外力を受けた際の既存梁部材2と柱部材5との荷重負担のバランスが大きく変化することがない。即ち、柱部材5に追加的な荷重負担が生じることを回避できる。それ故、構造物1に対する適切な補強効果を得ることができる。
補強部材7の厚さは、材質や仕様等によって異なるが、鉄筋コンクリート製の補強部材7の場合は施工作業性等も考慮すると50mm以上が好ましく、例えば150mm〜250mm程度にする。
既存梁部材2に対する接続アンカー筋10の埋設長さは、例えば30mm以上にする。この埋設長さが30mm未満では、補強部材7と既存梁部材2とを十分に一体化させることが困難になる。また、この埋設長さが200mm超では、屋外側表面2aに接続アンカー筋10を突設するための埋設孔を削孔する時間が過大になるので、この埋設長さは30mm〜300mm、さらに好ましくは100mm〜200mmにする。補強部材7に対する接続アンカー筋10の埋設長さは、例えば、30mm以上が好ましく、50mm〜200mm程度にする。
接続アンカー筋10の太さは、例えば、外径9mm〜25mm程度にする。接続アンカー筋10の配置密度は、補強部材7と既存梁部材2とを一体化固定できるように適宜決定する。
図1〜図4に例示した補強構造を有する梁部材の試験サンプルS(実施例1、2、3)と、実施例1〜3に対して補強部材による補強をしていない試験サンプルS(比較例)を作成し、図10、図11に例示するように載荷装置14を用いてそれぞれの試験サンプルSのせん断変位量とせん断力を測定した。
各部材の仕様は、以下のとおりである。
柱部材:高さH1=1400mm、厚さH2=800mm、幅H3=500mm
梁部材:高さh1=650mm、厚さh2=350mm、内法長さL=1600mm、主筋3−D25/2−D22、主筋の量pt=1.16%、せん断補強筋□−D10@300、せん断補強筋比pw=0.14%
補強部材:高さh1=650mm、内法長さ1500mm(所定のすき間g=50mm)、軸筋2−D10、あばら筋□−D10@150
接続アンカー筋:D13、梁部材に対する埋設長さ91mm
実施例1〜3、比較例の試験サンプルSの個別の仕様は表1のとおりである。
Figure 0006067343
それぞれの試験サンプルSは、上下の柱部材5をそれぞれ、反力フレーム16、基盤BにPC鋼棒で固定し、反力壁18に取付けた油圧アクチュエータ15により、反力フレーム16を介して、梁部材2に正負の水平力を繰り返し載荷した。反力フレーム16の両端部に取付けた鉛直オイルジャッキ17の伸縮を制御することにより、載荷される水平力によってせん断変形する梁部材2には、常に軸力(図では上下方向の力)が生じないようにした。
試験サンプルSの頂部の水平変位δを試験サンプルSの内法長さLで除した相対部材角R=δ/Lで北側方向をプラスとして制御した。載荷サイクルはR=0.125×10-2(rad.)、0.25×10-2(rad.)までを1サイクルずつ行ない、0.50×10-2(rad.)、0.75×10-2(rad.)、1.0×10-2(rad.)、1.5×10-2(rad.)、2.0×10-2(rad.)、2.5×10-2(rad.)、3.0×10-2(rad.)までを2サイクルずつ行ない、最後の4.0×10-2(rad.)までの載荷はプラス方向のみとした。比較例、実施例1、実施例2、実施例3の試験サンプルSについての測定結果はそれぞれ図12、図13、図14、図15に示すとおりであった。
図12〜図15の結果より、比較例に対して実施例1〜3では、R=0.75×10-2rad.程度の実用上重要となるせん断変位量の領域において、梁部材の最大せん断耐力Qmaxが1.3〜1.5倍程度向上することが分かる。実施例1(図13)と実施例3(図15)との比較により、補強部材の厚さは梁部材の最大せん断耐力Qmaxにはほとんど影響しないことが分かる。
1 構造物
1A 内側の部屋
2 既存梁部材
2a 屋外側表面(外側表面)
2b 屋内側表面
2c 下側表面
3 主筋
4 せん断補強筋
5 柱部材
6a 帯筋
6b 主筋
6c 補助筋
7 補強部材
8 あばら筋
9 軸筋
10 接続アンカー筋
11 構造物
12 補強部材
13 型枠
14 載荷装置
15 油圧アクチュエータ
16 反力フレーム
17 鉛直オイルジャッキ
18 反力壁
B 基盤
C コンクリート
g すき間
S 試験サンプル

Claims (8)

  1. 柱部材と柱部材との間に架け渡された既存梁部材に固定される補強部材を備えた既存梁部材の補強構造において、前記補強部材が前記既存梁部材の屋外側表面のみに、この屋外側表面を覆うように前記既存梁部材と一体化して固定され、この補強部材の両端とこの両端に対向する前記柱部材のそれぞれとの間に所定すき間が形成されていて、前記補強部材が前記既存梁部材だけに取り付けられていることを特徴とする既存梁部材の補強構造。
  2. 前記補強部材が鉄筋コンクリート製であり、前記補強部材と前記既存梁部材とを連通する接続アンカー筋が埋設されている請求項1に記載の既存梁部材の補強構造。
  3. 前記既存梁部材に対する前記接続アンカー筋の埋設長さが30mm以上である請求項2に記載の既存梁部材の補強構造。
  4. 前記所定すき間が10mm以上かつ既存梁部材の梁せいの1/2以下である請求項1〜3のいずれかに記載の既存梁部材の補強構造。
  5. 柱部材と柱部材との間に架け渡された既存梁部材の補強方法において、前記既存梁部材の屋外側表面のみに、この屋外側表面を覆うように補強部材を配置し、この補強部材の両端とこの両端に対向する前記柱部材のそれぞれとを所定すき間をあけた状態にして、この補強部材を前記既存梁部材と一体化して固定して前記既存梁部材だけに取り付けることを特徴とする既存梁部材の補強方法。
  6. 前記既存梁部材の屋外側表面に接続アンカー筋を突設し、この屋外側表面を型枠で覆って、この型枠と前記屋外側表面との間にコンクリートを打設し、このコンクリートを固化させることにより、前記補強部材を鉄筋コンクリートによって形成して、この補強部材と前記既存梁部材とに前記接続アンカー筋を連通させて埋設する請求項5に記載の既存梁部材の補強方法。
  7. 前記既存梁部材の屋外側表面に対する前記接続アンカー筋の埋設長さを30mm以上に設定する請求項6に記載の既存梁部材の補強方法。
  8. 前記所定すき間を10mm以上かつ既存梁部材の梁せいの1/2以下に設定する請求項5〜7のいずれかに記載の既存梁部材の補強方法。
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