JP2006283529A - 既設構造物の耐震補強工法及び耐震補強構造 - Google Patents

既設構造物の耐震補強工法及び耐震補強構造 Download PDF

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信一 飯塚
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高清 和田
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久幸 小森
Takeshi Tsuruta
健 鶴田
Masami Hirose
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Abstract

【課題】 現場打ちコンクリートとの定着性が良好で、現場の省力化、並びに工期短縮が図られ、さらに仕上がり精度の向上が図れ、良質なコンクリートの施工が可能である既設構造物の耐震補強工法及び耐震補強構造を提案する。
【解決手段】 本発明の既設構造物の耐震補強工法は、既設の構造物の柱A又は梁Bの外側に、補強鉄筋5a.5bを組み付け、さらにその外側に、立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠1,2を設置し、該打込み型枠1,2の内側に、コンクリート9を打設して既設構造物の柱又は梁を外部側に増設することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、現場打ちコンクリートとの定着性が良好で、現場の省力化、並びに工期短縮が図られ、さらに仕上がり精度の向上が図れ、密実な打込み型枠を使用することで良質なコンクリート構造物の施工が可能である既設構造物の耐震補強工法及び耐震補強構造に関する。
既設構造物の耐震補強を図る方法として、従来より柱や梁の断面を増加する方法が知られている。
その方法として、型枠としてラワン合板などの南洋材を用いる方法などが実施されてきた。
南洋材を用いる方法は、地球環境保全の観点で早急に回避されるべきであり、また施工後に南洋材が建設廃材となる点でも避けるべき方法である。
さらに、南洋材は平板状であるため、これらの型枠を施工現場において柱や梁の外側に組み付ける作業は、極めて手間の掛かる面倒な作業であった。即ち各平板状型枠を、略コ字状或いは略L字状に組み付ける際には、高い精度の組み付け作業や多数のサポートを必要とするものであった。
一方、本発明者らは、特許文献1にて複数の面板部から構成される打込み型枠及びその製造方法を提案した。
この特許文献1には、少なくとも直交する二面又は三面の面板部からなる長尺材であって、各面板部には内面から突出する筋材を備えると共に、各面板部の内面には凹凸処理が施されているプレキャストコンクリート製の打込み型枠、及び該打込み型枠を製造する方法が開示されている。
特開平9−268702号公報
本発明者らは、さらに鋭意、研究を進め、前記特許文献1に記載された打込み型枠を用いて既設構造物の耐震補強を図るものであり、現場打ちコンクリートとの定着性が良好で、現場の省力化、並びに工期短縮が図られ、さらに仕上がり精度の向上が図れ、良質なコンクリートの施工が可能である既設構造物の耐震補強工法及び耐震補強構造を提供することを目的とする。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、既設の構造物の柱又は梁の外側に、補強鉄筋を組み付け、さらにその外側に、立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠を設置し、該打込み型枠の内側に、コンクリートを打設して既設構造物の柱又は梁を外部側に増設することを特徴とする既設構造物の耐震補強工法に関するものである。
また、本発明は、既設構造物の柱や梁の前面側に断面を増加する態様として、既設の構造物の柱又は梁の内部に埋設されている鉄筋の位置を特定し、該鉄筋を避けて穿設した複数の孔にそれぞれ連結材を固定し、柱又は梁の前面に位置する連結材と重なるように補強鉄筋を組み付け、少なくとも直交する二面又は三面からなる長尺材であって、各面には内面側に突出する筋材を備えると共に、各内面には凹凸処理が施されているプレキャストコンクリート製の打込み型枠を、前記補強鉄筋組の外側に配設し、前記前面に位置する連結材以外の連結材に支保工を連結すると共に該支保工にて打込み型枠を支えた状態で、打込み型枠内面と構造物外面との間にコンクリートを打設することを特徴とする既設構造物の耐震補強工法に関するものである。
さらに、上記既設構造物の耐震補強工法において、予め打込み型枠の外面に、化粧仕上げを施しておくことが望ましい。
また、本発明は、既設構造物の耐震補強構造をも提案するものであって、既設の構造物の柱又は梁の前面側に、補強鉄筋組が配設され、さらにその外側に立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠が設置され、該打込み型枠の内部にコンクリートが打設されて既設構造物の柱又は梁が外部側に増設されていることを特徴とする。
本発明の既設構造物の耐震補強工法は、既設構造物と密実な、立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠に囲まれた内部にコンクリートを用いて既設構造物の柱又は梁を外部側に増設する工法であって、平板状の型枠を用いる従来工法に比べて後打ちコンクリートの中性化やひび割れ等を防止することができ、耐久性に優れた構造体を施工することができる。また、現場の省力化、並びに工期短縮が図られ、さらに仕上がり精度の向上が図れ、良質な現場打ちコンクリートの施工が可能である。
また、コンクリート打込みの後に打込み型枠表面に塗装等の仕上げを行う場合、ラワン型枠を用いる従来工法ではコンクリートの乾燥期間を待つ必要があったが、本発明に用いる打込み型枠は水分をほとんど通さない特徴があり、コンクリート打込みののち数日で塗装等を行うことができ、大幅な工期短縮が可能である。
また、コンクリートを打設する前に、支保工を打込み型枠の外側に設置するに際し、従来工法では平板状の型枠を用いるために、各面を支保工部材による構造でそれぞれを支持するように構築する必要があったが、本発明の柱や梁の前面側に断面を増加する態様としての既設構造物の耐震補強工法では、短幅の鋼材からなる支保工を連結材に連結して打込み型枠を支えるように、長さ方向に対して適宜間隔で配設すればよい。
予め打込み型枠の外面に、タイル張り等の化粧仕上げを施しておく作業は、工場にて実施されるため、現場にて行う必要がなく、作業性に優れている。
また、本発明の既設構造物の耐震補強構造は、既設構造物と打込み型枠とが現場打ちコンクリートにて接着される構造であり、高い耐震補強効果を発揮するものとなる。
そして、施工された柱や梁は、前面側に断面が増加されたものとなり、それ以外の構造に影響を及ぼさないため、例えば学校校舎などに多く見られる構造物、即ち隆出状に柱が配置されている構造物に好適に実施され、窓などを制限することもないものとなる。
本発明の既設構造物の耐震補強工法は、既設の構造物の柱又は梁の外側に、立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠を設置し、補強鉄筋及びコンクリートを打設することを特徴とし、前記従来工法ではラワン型枠などを用いていたのに対し、立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠を用いて既設構造物の柱又は梁を外部側に増設する点が新規且つ特徴的な構成である。既設構造物の柱又は梁を外部側に増設するということは、柱又は梁の一方又は両方の断面を増加するように設置することを意味し、例えば柱を例にすると、後述するように前面側のみの断面を大きくする方法と、横方向にも断面を大きくする(全体に太らせる)方法とがある。
また、立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠とは、断面が二面以上のL字状、コ字状などでもよいし、弧状等の曲面状でもよい。要するにこのうち込み型枠は、既設構造物の柱又は梁の外面形状に応じた立体形状を有するものであって、平板状でないものを指す。尚、後述する既設構造物の柱や梁の前面側に断面を増加する態様に用いる打込み型枠では、最も使用度の高いものとして、少なくとも直交する二面又は三面からなるものを用いる。
この打込み型枠は、内部鉄筋が埋設されたものが望ましく、内面側に突出する筋材を備えることが望ましく、各内面には凹凸処理が施されていることが望ましく、長さ方向に長尺であることが望ましい。
本発明の既設構造物の柱や梁の前面側に断面を増加する態様の耐震補強工法を工程毎に分節すると、以下のようになる。
「既設の構造物の柱又は梁の内部に埋設されている鉄筋の位置を特定し、」
「該鉄筋を避けて構造物に穿設した複数の孔にそれぞれ連結材を固定し、」
「柱又は梁の前面に位置する連結材と重なるように補強鉄筋を組み付け、」
「少なくとも直交する二面又は三面からなる長尺材であって、各面には内面側に突出する筋材を備えると共に、各内面には凹凸処理が施されているプレキャストコンクリート製の打込み型枠を、前記補強鉄筋組の外側に配設し、」
「前記前面に位置する連結材以外の連結材に支保工を連結すると共に該支保工にて打込み型枠を支えた状態で、」
「打込み型枠内面と構造物外面との間にコンクリートを打設する」
そして、各分節を第1〜第6の工程として、それぞれについて説明する。
即ち「既設の構造物の柱又は梁の内部に埋設されている鉄筋の位置を特定」する工程を第1の工程とする。
また、「該鉄筋を避けて穿設した複数の孔にそれぞれ連結材を固定」する工程を第2の工程とする。
また、「柱又は梁の前面に位置する連結材と重なるように補強鉄筋を組み付け」る工程を第3の工程とする。
また、「少なくとも直交する二面又は三面からなる長尺材であって、各面には内面側に突出する筋材を備えると共に、各内面には凹凸処理が施されているプレキャストコンクリート製の打込み型枠、前記補強鉄筋組の外側に配設」する工程を第4の工程とする。
また、「前記前面に位置する連結材以外の連結材に支保工を連結すると共に該支保工にて打込み型枠を支え」る工程を第5の工程とする。
さらに、「打込み型枠内面と構造物外面との間にコンクリートを打設する」工程を第6の工程とする。
第1の工程は、鉄筋探査工と呼ばれる工程であり、内部に埋設されている鉄筋の位置を特定するものである。多くの場合には、それ以前又は以後に既設構造物の柱や梁の表面の目荒らしを行うはつり工と呼ばれる工程を行う。
第2の工程は、前記第1の工程にて特定した鉄筋の位置を避けて複数の孔を穿設し、各孔に連結材を固定する。例えば柱に対しては、少なくとも前面と左右の側面にそれぞれ孔を穿設し、各孔に連結材を固定する。また、梁に対しては、少なくとも前面と下面或いは下面に連なる縦面にそれぞれ孔を穿設し、各孔に連結材を固定する。この連結材の固着手段は、特に限定するものではなく、例えば樹脂アンカー等を用いる方法でもよい。さらに、連結材の形状や材質などについても特に限定するものではなく、既設の構造物に増設する構造物に補強上必要な力を伝えるに十分なせん断力を保有していればよい。通常異形鉄筋等を用いる。
第3の工程は、柱又は梁の前面に位置する連結材と重なるように既設の柱又は梁の前面側に補強鉄筋を枠状に組む。この補強鉄筋は、第4の工程の打込み型枠の内側であって、第6の工程の現場打ちコンクリートに内在できるように組み立てればよい。
第4の工程は、打込み型枠を前記補強鉄筋組の外側に配設する工程であるが、例えば後述する実施例に記載の方法、即ち前記特許文献1(特開平9−268702号公報)に記載される方法で作製してもよいし、その他の方法で作製してもよい。
ここで作製される打込み型枠は、少なくとも直交する二面又は三面からなる長尺材、要するに少なくとも複数の面板部から構成される断面がL字状、コ字状の長尺なプレキャストコンクリート材である。例えば学校校舎などの隆出状に柱が配置されている構造物では、柱に対しては断面がコ字状の打込み型枠を用いることが好ましい。一方、梁に対しては断面がL字状の打込み型枠を用いることが好ましい。尚、「長尺」とは現場施工では作製できない程度に長尺であって、数m〜10m程度をいう。そして、各面板部には、内面側に例えばトゲ状に突出する筋材を備え、各面板部の内面には例えばエンボス状の凹凸処理が施されている。
上記打込み型枠における筋材の突出形状や材質、或いは凹凸処理の形状などについては特に限定するものではなく、どのような構造を採用してもよい。
第5の工程は、前記前面に位置する連結材以外の連結材に支保工(支保鋼材)を連結すると共に該支保工にて打込み型枠を支える。前述のように例えば学校校舎などの隆出状に柱が配置されている構造物では、柱に対しては、左右の側面に位置する連結材に短幅の支保工を連結し、断面コ字状打込み型枠を囲むように支保工を組み付ける。このような短幅の支保工は、長さ方向に対して適宜間隔で配設され、断面コ字状打込み型枠を所定位置に固定する。一方、梁に対しては、下面に連なる縦面に位置する連結材に支保工を連結し、断面L字状打込み型枠を下側から支えるように支保工を組み付ける。この支保工の固着手段は特に限定するものではなく、例えば金物を用いた溶接、接着剤またはボルト固定等を用いる方法でもよい。尚、「短幅」とは数cm〜数十cmオーダーをいい、打込み型枠の長さ方向に対して数カ所に設置すればよい。また、この支保工(支保鋼材)は、予め成形されたL型状、コ型状の鋼材などを用いてもよい。
尚、前記第3,第4,第5の工程は、その順で実施しなくてもよく、適宜に順序を組み替えるようにしてもよい。例えば梁の場合は、柱のように自立できないので、前記第5の工程に記載した支保工を組み付けながら施工してもよい。また、特に高所に位置する梁の外側へ打込み型枠を配設する場合、通常はクレーン等にてバランスを取りつつ吊り下げて持ち上げるが、配設高さと同程度の長さを有する支持具の先端に打込み型枠を揺動可能に軸着し、支持具の基端を接地させた状態を維持させつつ起こして打込み型枠を所定箇所に導くようにしてもよい。また、柱の外側へ打込み型枠を配設する場合、打込み型枠の上端に支持具を揺動可能に軸着し、打込み型枠の上端を起こして所定箇所に導くようにしてもよい。
第6の工程は、打込み型枠内面と構造物外面との間にコンクリートを打設するが、それ以前に打込み型枠内面と構造物外面との間に隙間が生じないように、不定形又は定形シール材を用いてコンクリート漏れが生じないようにする。梁の施工に際しては、断面L字状打込み型枠は、支保工の存在により落下することがなく、その内部にコンクリートが打設される。これに対し、柱の施工に際しては、断面コ字状打込み型枠は、自重を支えることができ(自立可能)るものの、高さ分に相当するコンクリートの多大な打設圧力が作用する。この打設圧力は、その外側の支保工の存在により受け止められる。尚、打設したコンクリートには棒状バイブレータ等を用いればよく、その後、設置した支保工やシール材などを取り外し、養生は常法に準じて行えばよい。
以下、本発明の既設構造物の耐震補強工法の一実施例について説明する。
図示実施例にて対象とした既設構造物は、図1に示すように例えば学校校舎などに多く適用されている上下方向に柱Aが配置され、且つ柱Aが前方に隆出状に配置されている構造物である。図中、Cは窓部である。
図示実施例に用いた打込み型枠は、柱A用として用いた断面コ字状打込み型枠1と、梁B用として用いた断面L字状打込み型枠2の2種類である。
断面コ字状打込み型枠1は、直交する三面の面板部からなる長尺材であって、各面板部には内部鉄筋11が埋設され、内面からトゲ状に突出する筋材12を備えると共に、各面板部の内面には凹凸処理13が施されているプレキャストコンクリート製である。また、各面板部の外面には、図示しないがタイル張りによる化粧仕上げを施した。
断面L字状打込み型枠2は、直交する二面の面板部からなる長尺材であって、それ以外の構成は上述の断面コ字状打込み型枠1と全く同様であり、各面板部には内部鉄筋21が埋設され、内面からトゲ状に突出する筋材22を備えると共に、各面板部の内面には凹凸処理23が施されているプレキャストコンクリート製である。また、各面板部の外面には、図示しないがタイル張りによる化粧仕上げを施した。
これらの打込み型枠1,2の製造方法については詳述しないが、例えば前記特許文献1(特開平9−268702号公報)に記載される方法で作製すればよい。
図2には、断面コ字状打込み型枠1を用いた柱Aの耐震補強構造を示した。
また、図3には、断面L字状打込み型枠2を用いた梁Bの耐震補強構造を示した。
まず、第1の工程として、柱Aの鉄筋探査工を行った。この工程では、前述のように柱Aの内部に埋設されている鉄筋(図示せず)の位置を特定するが、それに先だって柱A表面の目荒らしを行うはつり工を行った。
梁Bについても同様に、はつり工、鉄筋探査工を行った。
第2の工程として、前記第1の工程にて特定した鉄筋(図示せず)の位置を避け、柱Aの前面と左右の側面にそれぞれ複数の孔3を穿設し、各孔3に樹脂アンカー(図示せず)を用いて連結材(異形鉄筋)4を固定した。尚、図面並びに以後の説明においては、柱Aの前面に位置する連結材を4a、それ以外の連結材を4bとして区別した。
梁Bは、柱Aのように前方に隆出状に配置されていないので、断面L字状打込み型枠2を沿わせる部分(縦面)とそれに連なる下方の縦面のそれぞれに複数の孔3を穿設し、各孔に連結材(異形鉄筋)4を固定した。尚、図面並びに以後の説明においては、断面L字状打込み型枠2を沿わせる部分に位置する連結材を4c、その下方に位置する連結材を4dとして区別した。
次に、第3の工程として、柱Aの前面に位置する連結材4aと重なるように補強鉄筋5aを矩形枠状に組んだ。
そして、第4の工程として、断面コ字状打込み型枠1を、前記補強鉄筋組5の外側に配設した。
続いて、第5の工程として、柱Aの前面に位置する連結材4a以外の連結材4bに短幅の支保工(支保鋼材)6aを連結し、この支保工6aにて断面コ字状打込み型枠1を囲むように組み付けた。このような支保工6aは、長さ方向に対して適宜間隔で配設して断面コ字状打込み型枠1を支えるようにした。
一方、梁Bについては、前記第3,第4,第5の工程順序を組み替え、第5工程を行いつつ、第3,第4の工程を実施した。
即ち断面L字状打込み型枠2を沿わせる部分の下方に位置する連結材4dに、短幅の支保工(支保鋼材)6bを連結し、この支保工6bにて断面L字状打込み型枠2の底面を支え、その落下を防止するようにした。この状態で、断面L字状打込み型枠2を沿わせる部分(縦面)に位置する連結材4cと重なるように補強鉄筋5bを矩形枠状に組み、断面L字状打込み型枠2を沿わせた。
その後、第6の工程として、断面コ字状打込み型枠1と柱Aの外面との間に、隙間が生じないように不定形シール材7及び定形シール材8を配した後、断面コ字状打込み型枠1と柱Aの外面との間、並びに断面L字状打込み型枠2の内側にコンクリート9をそれぞれ打設した。打設したコンクリート9は、棒状バイブレータを用いて養生すると共に、支保工6a,6bやシール材7,8などを取り外して施工を完了した。
このように施工される本発明の既設構造物の耐震補強工法は、プレキャストコンクリート製の打込み型枠1,2を用いるため、現場の省力化、並びに工期短縮が図られた。
また、施工された本発明の耐震補強構造は、既設構造物A,Bと打込み型枠1,2とが現場打ちコンクリート9にて接着される構造であり、高い耐震補強効果を発揮するものとなった。
そして、施工された柱Aや梁Bは、前面側に断面が増加されたものとなり、それ以外の構造に影響を及ぼさないため、窓部Cなどを制限することもなかった。
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
耐震補強を図る各種の既設構造物に適用できる。
本発明の耐震補強工法を適用した構造物の一例を示す立面図である。 実施例における柱の耐震補強構造を示す断面図である。 実施例における梁の耐震補強構造を示す断面図である。
符号の説明
1 断面コ字状打込み型枠
2 断面L字状打込み型枠
4a〜4d 連結材
5a,5b 補強鉄筋
6a,6b 支保工(支保鋼材)
9 コンクリート
A 柱
B 梁
C 窓部

Claims (4)

  1. 既設の構造物の柱又は梁の外側に、補強鉄筋を組み付け、さらにその外側に、立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠を設置し、該打込み型枠の内側に、コンクリートを打設して既設構造物の柱又は梁を外部側に増設することを特徴とする既設構造物の耐震補強工法。
  2. 既設の構造物の柱又は梁の内部に埋設されている鉄筋の位置を特定し、該鉄筋を避けて穿設した複数の孔にそれぞれ連結材を固定し、柱又は梁の前面に位置する連結材と重なるように補強鉄筋を組み付け、少なくとも直交する二面又は三面からなる長尺材であって、各面には内面側に突出する筋材を備えると共に、各内面には凹凸処理が施されているプレキャストコンクリート製の打込み型枠を、前記補強鉄筋組の外側に配設し、前記前面に位置する連結材以外の連結材に支保工を連結すると共に該支保工にて打込み型枠を支えた状態で、打込み型枠内面と構造物外面との間にコンクリートを打設することを特徴とする既設構造物の耐震補強工法。
  3. 予め打込み型枠の外面に、化粧仕上げを施しておくことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設構造物の補強工法。
  4. 既設の構造物の柱又は梁の前面側に、補強鉄筋組が配設され、さらにその外側に立体形状を有するプレキャストコンクリート製の打込み型枠が設置され、該打込み型枠の内部にコンクリートが打設されて既設構造物の柱又は梁が外部側に増設されていることを特徴とする既設構造物の耐震補強構造。
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