JP6224420B2 - Cft柱とコンクリート底版の接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、CFT柱とコンクリート底版の接続構造に関するものである。
CFT柱(Concrete Filled Steel Tube Column)は鋼管コンクリート柱とも称され、円形や角形の鋼管にコンクリートを充填した柱であり、このCFT柱に鉄骨梁等を組み合わせた構造はCFT造と称されている。 鋼管にコンクリートを充填することによって、鋼管の有している引張特性とコンクリートの有している圧縮特性といったそれぞれの材料特性以上の相乗効果を奏することができ、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)に続く構造として注目されている。なお、このCFT造に関し、CFT柱の構造に関する技術が特許文献1,2に開示されている。
ところで、CFT造において重要な構造として、CFT柱とコンクリート製の底版(コンクリート底版)の接続構造が挙げられる。
このCFT柱とコンクリート底版の従来の接続構造を図8に示す。ここで、図8aは接続構造の縦断面図であり、図8bは図8aにおけるb−b矢視図である。なお、「底版コンクリート」とは、図示例のような基礎スラブのほか、基礎フーチングも含む意味である。
図示する接続構造CSは、コンクリートCoが充填された鋼管Bの下端に鋼管Bの断面よりも大径の平面寸法を有するベース鋼管Fが取り付けられてCFT柱Cが構成され、このCFT柱Cがコンクリート底版S内に所定長sだけ埋設されて構成されている。
このCFT柱Cがコンクリート底版S内に埋設された構造により、CFT柱Cに生じた曲げモーメントやせん断力がコンクリート底版Sに伝達される。ここで、図示する接続構造CSでは、CFT柱Cの側面とコンクリート底版Sの付着力が接続強度の主たる要素である。そのため、地震時にCFT柱Cの振動(もしくは交番荷重)によってコンクリート底版Sの上方領域に局所的に大きな圧縮応力や引張応力が生じた際に、CFT柱Cとコンクリート底版Sの付着が切れてCFT柱Cが滑るような挙動を示し、コンクリート底版Sの上方領域にクラック等の損傷を生ぜしめたり、この損傷に起因して内部鉄筋が腐食したり、場合によってはCFT柱Cが倒壊に至るといった問題が懸念事項の一つである。
特開2009−2006号公報 特開2011−241652号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、接続強度の高いCFT柱とコンクリート底版の接続構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるCFT柱とコンクリート底版の接続構造は、鋼管と鋼管の内部を満たす充填コンクリートとから構成されるCFT柱がコンクリート製の底版に埋め込まれてなる、CFT柱とコンクリート底版の接続構造であって、鋼管の下端には該鋼管の断面積よりも大きな平面積のベース鋼板が設けてあり、鋼管のうち、コンクリート底版に埋め込まれている部分の側面には2以上の突起が設けてある。
本発明の接続構造は、CFT柱を構成するベース鋼板(のCFT柱から側方に突出した部分)による支圧強度やCFT柱を構成する鋼管の側面とコンクリート底版の付着強度を期待できることのほかに、鋼管の側面に設けられた突起とコンクリート底版による付着強度やせん断強度を期待することができ、もって簡易な構造改良にて高い接続強度を有するCFT柱とコンクリート底版の接続構造となっている。
ここで、「突起」には様々な形態が存在する。
突起の形態の一つは、突起がスタッドボルトであり、2以上の段において各段に2以上のスタッドボルトが設けてある形態である。
たとえばCFT柱を構成する鋼管の埋め込み部の側面の任意のレベル位置(段)に90度ピッチで4つのスタッドボルトが取り付けられ、これがレベルの異なる3つの段に設けられた形態を例示することができる。なお、各段ともに、複数のスタッドボルトが鋼管の側面において放射状に配設されていることにより、鋼管からコンクリート底版への荷重伝達性が良好になるとともに、伝達される荷重が分散していることでコンクリート底版にクラックが生じ難くなる。
ここで、前記2以上の段の各スタッドボルトが、底版内におけるCFT柱の埋め込み長さの中央レベルよりも底版の上方領域に位置しているのが好ましい。
CFT柱に交番荷重が作用した際にコンクリート底版の上方領域には局所的に大きな圧縮応力や引張応力が生じ易いが、スタッドボルトが底版内の上方領域に集中して配設されていることでこれらの応力に対する底版耐力を高めることができ、クラックの発生を抑制することができる。
また、突起の形態の他の一つは、突起が孔開き鋼板であり、孔開き鋼板の孔に鉄筋が貫通した姿勢で固定されている形態である。
孔開き鋼板によってCFT柱とコンクリート底版の付着強度が向上することのほかにも、孔開き鋼板から突出する鉄筋によって引抜きに対するせん断強度が向上し、結果としてCFT柱とコンクリート底版の一体性が向上する。
なお、孔開き鋼板は、縦長で高さ方向に複数の孔が開設され、したがって複数の鉄筋が孔開き鋼板の高さ方向に配設された形態であってもよいし、横長で水平方向に複数の孔が開設され、したがって複数の鉄筋が孔開き鋼板の水平方向に配設された形態であってもよい。
このように多様な形態の突起により、CFT柱とコンクリート底版の一体性が向上し、接続強度の高い接続構造が形成される。
ここで、ベース鋼板に改良を加えて、ベース鋼板に2以上の孔が開設され、各孔に鉄筋が貫通しており、ベース鋼板よりも下方に突出している2以上の鉄筋を第1のフープ筋が包囲している形態であってもよい。なお、この「フープ筋」にはスパイラル筋が含まれる。
CFT柱を構成する鋼管の側面に設けられた突起によるコンクリート底版との一体性向上効果に加えて、ベース鋼板から突出する鉄筋とコンクリート底版との付着強度、さらには、この鉄筋を包囲する第1のフープ筋とコンクリート底版との付着強度により、CFT柱とコンクリート底版との一体性はより一層向上する。
さらに、前記突起よりも上方の領域において、第2のフープ筋がCFT柱を包囲している形態が好ましい。
ここで記載する「上方領域」とは、スタッドボルトをはじめとする各種突起よりも上方の領域や、鋼管に交番荷重が作用した際にクラックが生じ易いコンクリート底版の領域のことを意味している。底版の上方領域において第2のフープ筋がCFT柱を包囲するように埋設されていることにより、クラックの発生し易いコンクリート底版の上方領域における耐クラック性を向上させることができる。
本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造によれば、コンクリート底版に対するCFT柱の埋め込み式の定着構造において、双方の一体性が向上し、コンクリート底版に生じ得るクラックの発生を抑制でき、交番荷重等の載荷によってCFT柱に生じる軸力や曲げモーメント、せん断力等の断面力をコンクリート底版に確実に伝達することができる。
このように、接続強度が高く、CFT柱とコンクリート底版の一体性の高い接続構造は、建築分野における高層ビルは勿論のこと、基礎の規模が一般に大きな橋梁の橋脚等にも好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造によれば、CFT柱を構成するベース鋼板による支圧強度やCFT柱を構成する鋼管とコンクリート底版の付着強度のほかに、鋼管の側面に設けられた突起による付着強度により、高い接続強度を有し、コンクリート底版における耐クラック性に優れたCFT柱とコンクリート底版の接続構造を提供することができる。
本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態1を説明した図であって、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。 本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態2を説明した図であって、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。 本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態3を説明した縦断面図である。 本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態4を説明した図であって、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。 本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態5を説明した図であって、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。 本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態6を説明した図であって、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。 (a)はCFT柱とコンクリート底版(フーチング)の実物大の1/3寸法の交番載荷実験で使用した試験体の仕様を説明した図であり、(b)は試験体の写真図である。 従来のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態を説明した図であって、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。
以下、図面を参照して、本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態を説明する。なお、図示例は、多様な建築構造物で適用される複数の接続構造のうちの一箇所を抽出して示したものである。
(CFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態1)
図1は本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態1を説明した図であって、図1aは縦断面図であり、図1bは図1aのb−b矢視図である。
図示する接続構造100は、所定長さのCFT柱10がコンクリート底版20に埋設されて構成されている。CFT柱10は、鋼管1と、鋼管1の下端に溶接等で固定されて鋼管1の断面積よりも大きな平面積を有するベース鋼板3と、鋼管1の内部を満たす充填コンクリート2とから大略構成されている。
鋼管1の側面において、等間隔で離間した3つの高さレベル位置(3つの段)には、各段においてそれぞれ8つのスタッドボルト4(突起)が取り付けられている。なお、スタッドボルト4の設置レベル(段)の数や各段におけるスタッドボルト4の数、スタッドボルト4の長さ等は、所望するCFT柱10とコンクリート底版20の接続強度(付着強度、せん断強度等)に応じて適宜設定できる。
スタッドボルト4は鋼管1の側面に溶接にて固定され、スタッドボルト4を備えた鋼管1が現場に搬送され、不図示の架台を介して未だコンクリートが打設されていない底版の鉄筋内に架設される。また、鋼管1内へのコンクリートの充填は、予めコンクリートが充填されたCFT柱10を現場へ搬入する方法や、現場打設にて鋼管1内にコンクリートを充填してCFT柱を製作する方法がある。
図示する接続構造100によれば、CFT柱10を構成するベース鋼板3による支圧強度やCFT柱10を構成する鋼管1の側面とコンクリート底版20の付着強度に加えて、鋼管1の側面に設けられたスタッドボルト4とコンクリート底版20の付着強度により、簡易な構造改良にて高い接続強度を有するCFT柱10とコンクリート底版20の接続構造100となっている。
また、図1bで示すようにスタッドボルト4が鋼管1の側面において放射状に配設されていることにより、鋼管1に作用した交番荷重を鋼管1を介してコンクリート底版20に放射状に分散させながら伝達することができる。この作用により、鋼管1からコンクリート底版20への荷重伝達性が良好になるとともに、伝達される荷重が分散していることでコンクリート底版20にクラックが生じ難くなる。
(CFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態2)
図2は本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態2を説明した図であって、図2aは縦断面図であり、図2bは図2aのb−b矢視図である。
同図で示す接続構造100Aと図1で示す接続構造100の相違点は、接続構造100Aが最上段のスタッドボルト4よりも上方の領域においてフープ筋5(第2のフープ筋)を鋼管1を包囲する姿勢で備えている点である。なお、図示例は1本のフープ筋5が鋼管1の周囲に配設されている形態であるが、2本以上のフープ筋5が配設されている形態や、2本以上で径の異なるフープ筋が配設されている形態などであってもよい。
CFT柱10に交番荷重が作用した際にコンクリート底版20の上方領域には局所的に大きな圧縮応力や引張応力が生じ易い。ここで、「上方領域」とは、スタッドボルト4をはじめとする各種突起よりも上方の領域や、鋼管1に交番荷重が作用した際にクラックが生じ易いコンクリート底版の領域のことを意味している。
コンクリート底版20の上方領域においてフープ筋5がCFT柱10を包囲するように埋設されていることにより、クラックの発生し易いコンクリート底版20の上方領域における耐クラック性を向上させることができる。さらに、既述するようにスタッドボルト4が鋼管1の側面において放射状に配設されていることによる荷重分散効果も相俟って、コンクリート底版20におけるクラック抑制効果は一層高くなる。
(CFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態3)
図3は本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態3を説明した縦断面図である。
同図で示す接続構造100Bは、3段で各段に複数のスタッドボルト4が配設されている点は図1,2で示す接続構造100,100Aと同様であるが、全てのスタッドボルト4が、鋼管1の埋め込み部分の上方領域であって、この埋め込み部分の埋め込み長t1の半分の長さt2の範囲に集中的に配設されたものである。
既述するように、CFT柱10Bに交番荷重が作用した際にコンクリート底版20の上方領域には局所的に大きな圧縮応力や引張応力が生じ易いが、スタッドボルト4がコンクリート底版20内の上方領域に集中して配設されていることでこれらの応力に対する底版耐力を高めることができ、クラックの発生を抑制することができる。さらに、この構成と、スタッドボルト4よりも上方の領域においてフープ筋5を鋼管1を包囲する姿勢で備えている構成が相俟って、より一層高いクラック発生抑制効果を期待することができる。
(CFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態4)
図4は本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態4を説明した図であって、図4aは縦断面図であり、図4bは図4aのb−b矢視図である。
同図で示す接続構造100Cは、その構成要素である鋼管1の側面に、スタッドボルトに代わって縦長の孔開き鋼板4Aを備えたものであり、図示例はこの孔開き鋼板4Aを90度間隔で4箇所備えている。
孔開き鋼板4Aはその長手方向の3箇所に孔4Aaを備えており、各孔4Aaに鉄筋6が挿通され、固定されている。
接続構造100Cによれば、鋼管1とコンクリート底版20の間の付着強度やベース鋼板3による支圧強度に加えて、孔開き鋼板4Aとコンクリート底版20の間の付着強度やせん断強度のほか、鉄筋6によるせん断強度を期待することができ、CFT柱10Cとコンクリート底版20の一体性が一層向上する。
(CFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態5)
図5は本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態5を説明した図であって、図5aは縦断面図であり、図5bは図5aのb−b矢視図である。
同図で示す接続構造100Dは、その構成要素である鋼管1の側面に、横長の孔開き鋼板4Bを備えたものであり、図示例はこの孔開き鋼板4Bを90度間隔で4箇所備えている。
孔開き鋼板4Bはその長手方向(水平方向)の2箇所に孔4Baを備えており、各孔4Baに鉄筋6が挿通され、固定されている。
接続構造100Dによれば、接続構造100Cと同様に、鋼管1とコンクリート底版20の間の付着強度やベース鋼板3による支圧強度に加えて、孔開き鋼板4Bとコンクリート底版20の間の付着強度やせん断強度のほか、鉄筋6によるせん断強度を期待することができ、CFT柱10Dとコンクリート底版20の一体性が一層向上する。
(CFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態6)
図6は本発明のCFT柱とコンクリート底版の接続構造の実施の形態6を説明した図であって、図6aは縦断面図であり、図6bは図6aのb−b矢視図である。
同図で示す接続構造100Eは、図3で示す接続構造100Bのベース鋼板3に複数の孔3aを開設し(図示例では周方向に8つ)、各孔3aに鉄筋7(もしくはスタッドボルト)を挿通させてその一部をベース鋼板3の下方に突出させ、8本の鉄筋7のベース鋼板3から下方へ突出した部分を複数のフープ筋8(第1のフープ筋)で包囲した構成が付加されたCFT柱10Eを備えたものである。なお、この接続構造100Eは、ベース鋼板3より下方の構造に特徴を有するものであり、接続構造100B以外の他の接続構造(接続構造100,100A等)に対して図示するベース鋼板3より下方の構造を付加した形態であってもよいことは勿論のことである。
接続構造100Eによれば、鋼管1とコンクリート底版20の間の付着強度やベース鋼板3による支圧強度、スタッドボルト4とコンクリート底版20の間の付着強度やせん断強度に加えて、ベース鋼板3から突出する鉄筋7とコンクリート底版20との付着強度、さらには、この鉄筋7を包囲するフープ筋8とコンクリート底版20との付着強度により、CFT柱10Eとコンクリート底版20との一体性はより一層向上する。
また、ベース鋼板3から突出する複数の鉄筋7とこれを包囲するフープ筋8によってCFT柱10Eのコンクリート底版20からの引抜き抵抗力が高められるため、CFT柱10Eのコンクリート底版20に対する埋め込み長を通常の1D(D:鋼管径)よりも短くすることも可能となる。
[接合構造に対する解析とその結果、および、実験とその結果]
<解析条件>
本発明者等は、橋脚柱1本(φ1.0m)とフーチング(4.5m×9.0m×2.0m(厚み))を対象として3次元要素で解析モデルを構成した(フーチングに対する橋脚柱の埋め込み長は1D(D:直径)の1.0m)。異種部材定着部となる鋼管とコンクリートの接触条件に着目し、解析は以下の2ケースで実施することとした。
ケース1は、複合構造標準示方書、土木学会、2009(以下、示方書という)に記載の構造に従って埋込み部の鋼管とコンクリートとの付着は考慮しない構造であり、ケース2は、示方書の構造細目で示されるスタッドボルトの付着効果を検証するために鋼管の側面にスタッドボルトを30 本配置し、軸方向力に抵抗する構造とした。
示方書の照査手法により、応力値を算出して各ケースの応力分布状況を確認し、比較検討をおこなった。ここで、鋼管とフーチングコンクリートの定着部に配置したスタッドボルトはせん断力のみ作用するバネ要素とした。また、拘束条件として、スタッドボルトによる接合部はスタッドボルトのせん断変形によるずれ量を考慮した非線形バネ要素、ベースプレートとフーチングコンクリートの接合部は圧縮側のみ有効となる線形バネ要素とした。また、フーチング側面は自由とし、フーチング基部は杭と地盤側面の抵抗を考慮して線形バネ要素とした。また、材料定数に関し、鋼材のヤング係数は200kN/mm2、コンクリートは28kN/mm2とした。さらに、接合部の断面破壊に対する照査は、曲げモーメントと軸方向力、およびせん断力に対しておこなった。
<解析結果>
解析の結果、フーチング上面、鋼管側面、およびベースプレート下面に発生する支圧応力はケース1よりケース2の方が小さくなる結果が得られた。応力分布状況に関しては、スタッドボルトの配置によって応力が分散し、支圧応力が低減する傾向が確認できた。
なお、参考のためにスタッドボルトを60 本配置したケースも別途解析を試みた。その結果、スタッドボルトの本数を増やすことでフーチング上面に発生する圧縮応力がより一層分散される傾向となることが確認できた。しかしながら、応力値で4%程度の差に留まっていたことと施工性を考慮し、鋼管の側面にスタッドボルトを30 本配設した試験体を交番載荷実験に採用することとした。
また、レベル2 地震時の支圧応力を比較した結果、いずれのケースでも平均支圧応力はコンクリート設計強度の30N/mm2以下となって示方書モデルと同様の応力分布をしており、レベル2 地震時の耐荷性能に問題がないことが確認された。なお、本解析において鋼管の埋込み深さは1.0D(D はCFT柱の直径)としているが、埋込み深さは妥当であったと考えられる。
<実験とその結果>
上記する解析結果に基づき、本発明者等はCFT柱とコンクリート底版(フーチング)の実物大の1/3寸法の試験体を製作し、交番載荷実験をおこなった。ここで、図7aは交番載荷実験で使用した試験体の仕様を説明した図であり、図7bは試験体の写真図である。
交番載荷実験の結果、スタッドボルトが有効に作用し、荷重分散効果とひび割れ抑制効果によってフーチングにひび割れがほとんど確認されず、スタッドボルトがない場合に比して大きなひび割れ低減効果が期待できることが確認された。なお、このことは、上記する応力解析と同様の結果である。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…鋼管、2…充填コンクリート、3…ベース鋼板、3a…孔、4…突起(スタッドボルト)、4A,4B…孔開き鋼板、4Aa,4Ba…孔、5…フープ筋(第2のフープ筋)、6…鉄筋、7…鉄筋(もしくはスタッドボルト)、8…フープ筋(第1のフープ筋)、10,10B,10C,10D,10E…CFT柱、20…コンクリート底版、100,100A,100B,100C,100D,100E…接続構造(CFT柱とコンクリート底版の接続構造)

Claims (4)

  1. 鋼管と鋼管の内部を満たす充填コンクリートとから構成されるCFT柱がコンクリート製の底版に埋め込まれてなる、CFT柱とコンクリート底版の接続構造であって、
    鋼管の下端には該鋼管の断面積よりも大きな平面積のベース鋼板が設けてあり、
    鋼管のうち、コンクリート底版に埋め込まれている部分の側面には、2以上の段において各段に2以上のスタッドボルトが設けてあり、
    前記2以上の段の各スタッドボルトが、底版内における鋼管の埋め込み長さの中央レベルよりも底版の上方領域に位置している、CFT柱とコンクリート底版の接続構造。
  2. 各段ともに、複数のスタッドボルトが鋼管の側面において放射状に配設されている請求項に記載のCFT柱とコンクリート底版の接続構造。
  3. 前記ベース鋼板には2以上の孔が開設され、各孔に鉄筋が貫通しており、
    ベース鋼板よりも下方に突出している2以上の鉄筋を第1のフープ筋が包囲している請求項1または2に記載のCFT柱とコンクリート底版の接続構造。
  4. 前記突起よりも上方の領域において第2のフープ筋が鋼管を包囲している請求項1〜3のいずれかに記載のCFT柱とコンクリート底版の接続構造。
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