JP6066868B2 - 電気コネクタ - Google Patents
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Description
リテーナは、ハウジングと別体として成形され、ハウジングに着脱可能に装着されるものと、ハウジングにヒンジを介して揺動可能に設けられるもの(例えば、特許文献1)と、に区別される。小型化されたコネクタには、専ら、ヒンジを介して設けられるタイプのリテーナが用いられる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、ヒンジタイプのリテーナと、相手側コネクタとのロック機構とが同じ側に設けられたとしても、ロック機構をハウジングの表面に近づけて設けることができるコネクタを提供することを目的とする。
本発明の電気コネクタは、ロック機構が形成される第1ハウジングと、第2リテーナが形成される第2ハウジングとが組み付けられることで構成されることを特徴とする。
この場合、第1ハウジングは、ロック機構が設けられる側とは段方向において異なる側に、相手側コネクタとの嵌合に伴って端子を係止する、ヒンジタイプの第1リテーナを備える。そしてこの電気コネクタは、第1リテーナが1段目及び2段目のいずれかの一方に配列される端子を係止し、第2リテーナが1段目及び2段目のいずれかの他方に配列される端子を係止する。
本発明によれば、2段に亘って保持される複数の端子を備える電気コネクタにおいても、ロック機構を設ける位置を低くできるので、電気コネクタの小型化を実現できる。
図1〜図3に示すように、本実施形態にかかる電気コネクタ(以下、コネクタ)10は、リアハウジング(第1ハウジング)20と、フロントハウジング(第2ハウジング)40と、を備えており、リアハウジング20とフロントハウジング40が相互に組み付けられることで、コネクタ10のハウジングを構成する。コネクタ10は、図6に示すように、相手側となる電気コネクタ(以下、コネクタ)70と嵌合されることで、電気コネクタ組立体を構成する。コネクタ10は、図示を省略するメス型の端子を保持するメスコネクタ、相手側のコネクタ70は、図示を省略するオス型の端子を保持するオスコネクタであり、コネクタ10とコネクタ70の嵌合状態を維持するためのロック機構が両者の間に設けられる。
コネクタ10は、リアハウジング20に一体的に形成されるランス25(図3)により一次的に係止するとともに、リアハウジング20に一体的に形成されるリテーナ(第1リテーナ)27とフロントハウジング40に一体的に形成されるリテーナ47(第2リテーナ)により二次的に係止することで、メス端子を抜け止めする。以下、図4,図5を参照して、リアハウジング20、フロントハウジング40の順にその構成を説明する。なお、コネクタ10において、コネクタ70と嵌合される側を前、その逆側を後と定義する。また、上・下については、図面の上・下に従う。
リアハウジング20は、図3及び図4に示すように、外殻をなすリア本体21と、端子を収容する複数のキャビティ23と、キャビティ23の内部に収容される端子を一次的に係止して抜け止めするランス25と、キャビティ23の内部に収容されるメス端子を二次的に係止して抜け止めするリテーナ27と、コネクタ70との間で相互に抜け止めをするロック機構35と、を備える。
リアハウジング20は、電気絶縁性を有する樹脂を射出成形することで、一体的に形成される。リアハウジング20と組み付けられてコネクタ10を構成するフロントハウジング40も同様である。
リテーナ27は、その後方に設けられるヒンジ28を介してリア本体21に一体的に形成されている。ヒンジ28は、リア本体21の下壁21dの幅方向Xの所定範囲に設けられ、リテーナ27を揺動可能に支持する。
リテーナ27は、ヒンジ28に連なり、前方に向けて延びる平板状のアーム29と、アーム29に一体的に形成される突条30と、を備える。突条30の前端には、メス端子の係止部位と互いに係止される係止爪31が形成されている。突条30は、アーム29のキャビティ23に対向する面(内面)に、前後方向に沿って形成される。本実施形態は、キャビティ23の数に対応して、間隔をあけて幅方向Xに3つの突条30を備えている。
リア本体21は、下壁21dに、突条30が進退するスリット21eが形成されている。スリット21eは、3本の突条30の各々に対応する位置に、下壁21dの表裏を貫通するように形成されている。
ロック機構35は、上壁21cの後端の幅方向の両端から立ち上がる一対の支柱36,36と、支柱36,36の上端付近に支持される平板上のレバー37と、レバー37の前端に設けられるロック爪38と、レバー37の後端に設けられる解除用突起39と、を備えている。
したがって、射出成形によりリアハウジング20を作製する際に、ロック機構35、特にレバー37を設ける位置を、リテーナ27の存在を考慮して上壁21cから遠ざける必要がない。
フロントハウジング40は、リアハウジング20の前方に組み付けられることで、リアハウジング20とともにコネクタ10を構成する。
フロントハウジング40は、図3及び図5に示すように、外殻をなすフロント本体41と、2段目のキャビティ23の内部に収容されるメス端子を二次的に係止して抜け止めするリテーナ47と、を備える。
挿入開口41aは、リア本体21の挿入開口21aに対応して、幅方向Xに3列及び高さ方向Yに2段に設けられている。
リテーナ47は、その後方に設けられるヒンジ48を介してフロント本体41に一体的に形成されている。ヒンジ48は、フロント本体41の上壁41cの幅方向Xの所定範囲に設けられ、リテーナ47を揺動可能に支持する。
リテーナ47は、ヒンジ48に連なり、前方に向けて延びる平板状のアーム49と、アーム49に一体的に形成される突条50と、を備える。突条50の前端には、メス端子の係止部位と互いに係止される係止爪51が形成されている。突条50は、アーム49のキャビティ23に対向する面(内面)に、前後方向に沿って形成される。キャビティ23の数に対応して、間隔をあけて幅方向Xに3つの突条50を備えている。
フロント本体41は、上壁41cに突条50が進退するスリット41eが形成されている。スリット41eは、リテーナ47のアーム49も進退できる範囲を、上壁41cの表裏を貫通するように形成されている。
リアハウジング20とフロントハウジング40が組み付けられると、リテーナ27とリテーナ47は対向する位置に配置される。また、リアハウジング20とフロントハウジング40が組み付けられると、リテーナ47は、ロック機構35のレバー37よりも内側に配置される。
リアハウジング20とフロントハウジング40は、図3(b)に示すように、各々が幅方向Xの両端に備える係止爪32と係止爪52が互いに係止されることで、組み付け状態が維持される。
コネクタ70は、図6及び図7に示すように、その外殻をなすハウジング71と、ハウジング71の内部に形成される、コネクタ10を受け入れる空間としての受容キャビティ73と、を備える。ハウジング71の上壁71cには、コネクタ10のロック爪38が挿入されるロック溝75が形成されている。ロック溝75の前方側には、ロック溝75に臨むロックブロック77が設けられている。
さて、コネクタ10とコネクタ70を嵌合させるには、図6(a)に示すように、コネクタ10をコネクタ70の受容キャビティ73に位置合わせしてから、コネクタ10のフロントハウジング40の側から受容キャビティ73の内部に挿入する。図6(b)に示すように、コネクタ10を受容キャビティ73の奥まで押し込んで嵌合が完了すると、図7(b)に示すように、コネクタ10(リアハウジング20)に設けられるロック機構35のロック爪38が、コネクタ70のハウジング71に設けられるロック溝75に陥る。そうすると、コネクタ10をコネクタ70から引き抜こうとしても、ロック爪38がロックブロック77に係止されるので、コネクタ10とコネクタ70は相互にロックされる。コネクタ10とコネクタ70の嵌合を解除するには、解除用突起39を下向きに押して、ロック爪38をロック溝75から抜け出させた状態を維持しながら、コネクタ10をコネクタ70から引き抜く。
なお、1段目及び2段目のキャビティ23の内部に保持されるメス端子は、キャビティ23の所定位置に挿入された段階で、ランス25により一次的に係止されている。
以上説明したコネクタ10は、リアハウジング20がリテーナ27とロック機構35を備えるが、リテーナ27をリアハウジング20の下壁21dに設ける一方、ロック機構35を上壁21cに設ける。したがって、リアハウジング20を射出成形する際に、リテーナ27を必要な位置まで展開したとしても、リテーナ27がロック機構35と干渉することはない。よって、コネクタ10は、リテーナ27を考慮することなくロック機構35の特にアーム37を形成する位置を設定できるので、ロック機構35を上壁21cから必要以上に離して設ける必要がない。したがって、コネクタ10は低背化、つまり小型化に有利である。
一方で、ロック機構35が設けられる上側に必要とされるリテーナ47は、リアハウジング20とは別体として成形されるフロントハウジング40に設けられるので、フロントハウジング40を射出成形により作製する際にロック機構35と干渉することはない。
例えば、複数の端子が2段に亘って配列されるコネクタ10を例にしたが、本発明は、端子が1段だけに配列されるコネクタに適用することもできる。
20 リアハウジング
21 リア本体
21a 挿入開口
21b 開口
21c 上壁
21d 下壁
21e スリット
23 キャビティ
25 ランス
25a 支持部
25b 係止部
27 リテーナ(第1リテーナ)
28 ヒンジ
29 アーム
30 突条
31,32 係止爪
35 ロック機構
36,36 支柱
37 レバー
38 ロック爪
39 解除用突起
40 フロントハウジング
41 フロント本体
41a 挿入開口
41c 上壁
41e スリット
47 リテーナ(第2リテーナ)
48 ヒンジ
49 アーム
50 突条
51,52 係止爪
70 電気コネクタ
71 ハウジング
71c 上壁
71d 下壁
73 受容キャビティ
75 ロック溝
77 ロックブロック
Claims (1)
- 相手側コネクタとのロックを担うロック機構と、
前記相手側コネクタとの嵌合に伴って端子を係止する、ヒンジタイプの第2リテーナと、を備え、
前記ロック機構が形成される第1ハウジングと、前記第2リテーナが形成される第2ハウジングとが組み付けられることで構成され、
複数の前記端子が、1段目と2段目に亘って保持され、
前記第1ハウジングは、
前記ロック機構が設けられる側とは段方向において異なる側に、前記相手側コネクタとの嵌合に伴って前記端子を係止する、ヒンジタイプの第1リテーナを備え、
前記第1リテーナは、前記1段目及び前記2段目のいずれかの一方に配列される前記端子を係止し、
前記第2リテーナは、前記1段目及び前記2段目のいずれかの他方に配列される前記端子を係止する、
ことを特徴とする電気コネクタ。
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