JP6066759B2 - 成膜方法 - Google Patents

成膜方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6066759B2
JP6066759B2 JP2013030378A JP2013030378A JP6066759B2 JP 6066759 B2 JP6066759 B2 JP 6066759B2 JP 2013030378 A JP2013030378 A JP 2013030378A JP 2013030378 A JP2013030378 A JP 2013030378A JP 6066759 B2 JP6066759 B2 JP 6066759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
combustion chamber
film formation
cold spray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013030378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014159612A (ja
JP2014159612A5 (ja
Inventor
齋藤 誠
誠 齋藤
範之 平松
範之 平松
福島 明
明 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2013030378A priority Critical patent/JP6066759B2/ja
Priority to US14/765,122 priority patent/US9932660B2/en
Priority to PCT/JP2013/063901 priority patent/WO2014128984A1/ja
Publication of JP2014159612A publication Critical patent/JP2014159612A/ja
Publication of JP2014159612A5 publication Critical patent/JP2014159612A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6066759B2 publication Critical patent/JP6066759B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C24/00Coating starting from inorganic powder
    • C23C24/02Coating starting from inorganic powder by application of pressure only
    • C23C24/04Impact or kinetic deposition of particles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/12Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge characterised by the method of spraying
    • C23C4/137Spraying in vacuum or in an inert atmosphere
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/04Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge characterised by the coating material
    • C23C4/06Metallic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/18After-treatment

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、コールドスプレーを利用した成膜技術に関する。
構造体を製造するために、基材上に厚膜を形成する必要がある場合がある。例えば、そのような構造体として、航空宇宙用のロケットエンジンの燃焼室が挙げられる。ロケットエンジンの燃焼室を製造する場合、例えば、銅基材上に10mm以上の銅膜を形成する必要がある。
そのような金属厚膜を形成するための一手法として、「電鋳法」が挙げられる。しかしながら、電鋳法による膜成長速度は極めて遅く、例えば10mm程度の目標膜厚を達成するためには数ヶ月を要する。
このような問題を解決するため、本願出願人は、特許文献1(特開2012−057203)において、「コールドスプレー法」を利用することにより金属厚膜を成膜する技術を提案している。コールドスプレー法は、材料粉末の融点または軟化温度よりも低い温度のガスを高速流にし、そのガス流中に材料粒子を投入し加速させ、固相状態のまま基材に衝突させて皮膜を形成する方法である。このコールドスプレー法による成膜速度は、電鋳法の場合と比較して極めて速い。従って、コールドスプレー法を利用することにより、構造体の製造に要する期間を大幅に短縮することが可能となる。
但し、コールドスプレーで薄い酸化被膜等を成膜するような場合とは異なり、コールドスプレーで10mm程度の厚膜を成膜する場合には、次の点に留意する必要がある。それは、生成膜の膜厚がある程度に達した段階で、残留応力が密着力よりも強くなり、生成膜の剥離が発生してしまうということである。そのような生成膜の剥離が発生する限界は、以下、「剥離限界」と参照される。生成膜の剥離を防止するためには、特許文献1に記載の通り、剥離限界の前に、熱処理を行って残留応力を除去する必要がある。
図1は、生成膜の膜厚と残留応力(内部応力)との関係を概念的に示している。図1に示されるように、コールドスプレーにより成膜を行うと、膜厚が時間的に増加していくが、それに伴い、残留応力も増加していく。残留応力が剥離限界ラインを超えると生成膜が剥離してしまうため、その前に、コールドスプレーによる成膜処理が一旦止められる。そして、被成膜対象に対して別途、「熱処理」が実施される。この熱処理により、生成膜の残留応力が除去される。その後、コールドスプレーによる成膜処理が再度開始する。
このように、コールドスプレーによって10mm程度の厚膜を形成するためには、成膜処理と熱処理を繰り返し実施する必要がある。繰り返しの単位となる処理は、以下、「単位成膜処理」と参照される。単位成膜処理は、(1)残留応力が剥離限界ラインを超えないように、コールドスプレーにより成膜する工程と、(2)その残留応力を除去するために熱処理を実施する工程と、を含む。
コールドスプレーに関連する他の技術として、次のものが知られている。
特許文献2は、400μm程度の皮膜をコールドスプレー法により成膜する方法を開示している。当該方法は、(A)金属粉末の表面に酸化物が形成されている皮膜原料粉末の表面の酸化物を水素還元処理または酸洗処理によって減少させるまたは除去する工程と、(B)酸化物を減少させたまたは除去した皮膜原料粉末を、コールドスプレー法によって、被覆対象物に衝突させて皮膜を形成する工程と、を含む。
特許文献3は、1.5mm程度の皮膜をコールドスプレー法により成膜する方法を開示している。当該方法は、基材表面に、コールドスプレー法により金属からなる非球状の異形粒子を投射し、基材表面に金属皮膜を形成する工程を含む。
特開2012−57203号公報 特許第5017675号 特開2010−47825号公報
本願発明者は、次の点に着目した。上述の通り、コールドスプレー法を用いて厚膜化を実現するためには、成膜途中に熱処理を実施する必要がある。しかしながら、熱処理の回数が増加するにつれ、全体としての成膜時間も増大してしまう。それは、熱処理そのものがある程度の時間を要するからだけでなく、熱処理の度にコールドスプレー装置を停止し、成膜処理を再開する度にコールドスプレー装置を再度起動及び調整する必要があるからである。すなわち、熱処理の回数が増加するにつれ、成膜コストが増大してしまう。よって、熱処理(単位成膜処理)の回数は少なければ少ないほどよい。
本発明の1つの目的は、コールドスプレーを利用した厚膜化において、熱処理(単位成膜処理)の回数を低減することができる技術を提供することにある。
本発明の1つの観点において、成膜方法が提供される。その成膜方法は、被成膜対象上に形成される膜の厚さが所望の膜厚になるまで、単位成膜処理を繰り返し実行するステップを有する。単位成膜処理は、(A)チャンバ内に被成膜対象を設置するステップと、(B)チャンバ内の雰囲気を非酸化性ガス雰囲気あるいは真空雰囲気に設定するステップと、(C)上記の雰囲気中でコールドスプレー法により被成膜対象に対して成膜を行うステップと、(D)成膜後の被成膜対象に対して熱処理を施すステップと、を含む。
本発明の他の観点において、成膜方法が提供される。その成膜方法は、(a)チャンバ内に被成膜対象を設置するステップと、(b)チャンバ内の雰囲気を非酸化性ガス雰囲気あるいは真空雰囲気に設定するステップと、(c)雰囲気中でコールドスプレー法により被成膜対象に対して成膜を行い、被成膜対象上に膜厚1mm以上の膜を形成するステップと、を含む。
本発明によれば、コールドスプレーを利用した厚膜化において、熱処理(単位成膜処理)の回数を低減することが可能となる。その結果、成膜コストが削減される。
図1は、コールドスプレーによる厚膜形成時の、生成膜の膜厚と残留応力(内部応力)との関係を概念的に示している。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る成膜システムの構成を示す概略図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。 図4は、本発明の第1の実施の形態による効果を説明するための概念図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。 図6は、本発明の第3の実施の形態に係る成膜システムの構成を示す概略図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。 図8は、本発明の第3の実施の形態による効果を説明するための概念図である。 図9は、本発明の第4の実施の形態に係る成膜システムの構成を示す概略図である。 図10は、本発明の第4の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。 図11は、本発明の第5の実施の形態におけるロケットエンジンの燃焼室の構成を示す概略断面図である。 図12は、本発明の第5の実施の形態におけるロケットエンジンの燃焼室の構成を示す概略図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る成膜技術を説明する。
1.第1の実施の形態
図2は、第1の実施の形態に係る成膜システム1の構成を概略的に示している。成膜システム1は、チャンバ2、コールドスプレー装置4、及び雰囲気制御装置5を備えている。チャンバ2(成膜室)内には、被成膜対象3が設置される。コールドスプレー装置4は、その被成膜対象3に対してコールドスプレー法によって成膜を行うことができるように設置されている。
雰囲気制御装置5は、チャンバ2内の雰囲気を制御するために設けられている。第1の実施の形態では、雰囲気制御装置5は、チャンバ2に「非酸化性ガス」を供給するガス供給装置である。非酸化性ガスとしては、ArやHeといった希ガスやNなどが例示される。
図3は、第1の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。図2及び図3を参照して、第1の実施の形態に係る成膜方法を説明する。
ステップS1:
まず、チャンバ2内に被成膜対象3が設置される。
ステップS2:
続いて、雰囲気制御装置5が作動し、チャンバ2内に非酸化性ガスを供給する。その結果、チャンバ2内の雰囲気は非酸化性ガス雰囲気に設定される。非酸化性ガスとしては、ArやHeといった希ガスやNなどが例示される。
ステップS3:
次に、コールドスプレー装置4が作動し、被成膜対象3に対してコールドスプレー法により成膜を行う。ここで、その成膜処理は、上記ステップS2で設定された非酸化性ガス雰囲気中で行われることに留意されたい。従って、成膜処理途中における酸化が防止される。
コールドスプレー法では、被成膜対象3の表面に材料粉末を吹き付けることにより、成膜が行われる。ロケットエンジンの燃焼室といった構造体を製造する場合、典型的には、金属材料粉末の吹き付けにより金属膜の成膜が行われる。例えば、銅粉末の吹き付けにより銅膜を形成する場合のコールドスプレー条件の一例は、次の通りである。
コールドスプレーの作動ガス:ヘリウム、窒素
銅粉末供給量:20g/min−300g/min
ガス圧力:2MPa−10MPa
成膜前加熱炉内の粉末及びガス温度:200℃−950℃
また、生成膜厚が大きくなるにつれ、生成膜の残留応力も大きくなる。そのような残留応力による生成膜の剥離が発生しないように、コールドスプレーによる1回の成膜処理は、生成膜厚が剥離限界膜厚を超える前に止められる。そして、生成膜の残留応力を除去するために、次に説明されるように熱処理が実施される。
ステップS4:
1回の成膜処理が完了すると、成膜後の被成膜対象3はチャンバ2から取り出され、熱処理装置(図示されない)に設置される。そして、その被成膜対象3に対して熱処理が実施される。その結果、生成膜の残留応力が除去される。
ステップS5:
以上に説明されたステップS1〜S4が、「単位成膜処理」である。1回の単位成膜処理が完了した際、生成膜厚が所望の膜厚に達していない場合(ステップS5;No)、処理はステップS1に戻る。一方、生成膜厚が所望の膜厚に達した場合(ステップS5;Yes)、処理は終了する。すなわち、被成膜対象3上に形成される膜の厚さが所望の膜厚になるまで、単位成膜処理が繰り返し実行される。
単なる皮膜ではなく構造体の製造を念頭においた場合、所望の膜厚は、典型的には1mm以上である。ロケットエンジンの燃焼室の製造の場合、所望の膜厚は、典型的には10mm以上である。このような厚膜であっても、熱処理を実施して残留応力を除去することにより、コールドスプレー法を利用した成膜が可能である。
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、コールドスプレーによる成膜処理は、非酸化性ガス雰囲気中で行われる。比較例として、従来のように大気中でコールドスプレーによる成膜処理を行うことを考える。そのような比較例の場合、成膜処理途中に形成された酸化物が熱処理によって顕在化し、生成膜中にクラックが発生することが観測された。そのような生成膜中のクラックは、生成膜の密着力を低下させる。
一方、本実施の形態によれば、成膜処理は非酸化性ガス雰囲気中で行われるため、成膜処理途中の酸化は防止される。その結果、生成膜中のクラックの発生が防止される。このことは、本願発明者による実験を通しても確認されている。クラックの発生が防止されるということは、生成膜が緻密となり、生成膜の密着力が増加することを意味する。剥離限界ラインは生成膜の密着力と残留応力から決まるため、密着力が増加すると、剥離限界ラインも上昇する。
剥離限界ラインが上昇すると、図4に示されるように、1回の単位成膜処理で形成可能な膜厚が増加する。従って、所望の膜厚を得るために必要な単位成膜処理の繰り返し回数が減少する。すなわち、実施すべき熱処理の回数が低減される。その結果、成膜コストが削減される。
所望の膜厚が大きくなるにつれ、単位成膜処理の繰り返し回数は増える傾向にある。よって、所望の膜厚が大きくなるにつれ、本実施の形態を適用することがより好ましくなると言える。
また、例えばロケットエンジンの燃焼室といった構造体の場合、クラックの発生は、信頼性の観点から問題となる。その点、クラックの発生を抑制することができる本実施の形態は、構造体の金属膜の厚膜化に好適である。
2.第2の実施の形態
上述の第1の実施の形態では、チャンバ2内の雰囲気は非酸化性ガス雰囲気に設定された。しかし、酸化が抑制されるのであれば、雰囲気はそれに限られない。第2の実施の形態では、非酸化性ガス雰囲気の代わりに、真空雰囲気が用いられる。その場合、雰囲気制御装置5は、チャンバ2を真空状態にする減圧装置である。真空は、例えば、圧力が1×10−3Pa以下の状態である。
図5は、第2の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、上述のステップS2の代わりに、ステップS2’が実行される。ステップS2’において、雰囲気制御装置5が作動し、チャンバ2内の雰囲気を真空雰囲気に設定する。その他は、第1の実施の形態と同じである。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ効果が得られる。
3.第3の実施の形態
図6は、第3の実施の形態に係る成膜システム1の構成を概略的に示している。成膜システム1は、コールドスプレー装置4とヒータ6を備えている。ヒータ6は、被成膜対象3を熱することができるように設けられており、典型的には、被成膜対象3に接触するように設けられている。コールドスプレー装置4は、その被成膜対象3に対してコールドスプレー法によって成膜を行うことができるように設置されている。
図7は、第1の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。図6及び図7を参照して、第3の実施の形態に係る成膜方法を説明する。尚、第1の実施の形態と重複する説明は、適宜省略される。
ステップS3’:
ヒータ6が作動し、被成膜対象3を熱する。その結果、被成膜対象3の温度は、室温よりも高くなる。そして、この状態で、コールドスプレー装置4が作動し、被成膜対象3に対してコールドスプレー法により成膜を行う。つまり、被成膜対象3がヒータ6で熱せられながら、被成膜対象3に対して成膜が行われる。コールドスプレー条件は、第1の実施の形態の場合と同様である。
ステップS4:
1回の成膜処理が完了すると、第1の実施の形態の場合と同様に、被成膜対象3に対して熱処理が実施される。その結果、生成膜の残留応力が除去される。
ステップS5:
以上に説明されたステップS3’〜S4が、「単位成膜処理」である。1回の単位成膜処理が完了した際、生成膜厚が所望の膜厚に達していない場合(ステップS5;No)、処理はステップS3’に戻る。一方、生成膜厚が所望の膜厚に達した場合(ステップS5;Yes)、処理は終了する。すなわち、被成膜対象3上に形成される膜の厚さが所望の膜厚になるまで、単位成膜処理が繰り返し実行される。
単なる皮膜ではなく構造体の製造を念頭においた場合、所望の膜厚は、典型的には1mm以上である。ロケットエンジンの燃焼室の製造の場合、所望の膜厚は、典型的には10mm以上である。このような厚膜であっても、熱処理を実施して残留応力を除去することにより、コールドスプレー法を利用した成膜が可能である。
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、コールドスプレーによる成膜処理は、被成膜対象3をヒータ6で熱しつつ行われる。これによる効果を、図8を参照して説明する。
比較例として、従来のように室温でコールドスプレーによる成膜処理を行うことを考える。そのような比較例の場合、被成膜対象3と生成膜との界面において剥離が発生することがしばしば観測された。つまり、多くの場合、生成膜は、最も被成膜対象3に近い側から剥離することが観測された。その原因について、本願発明者は次のように考えた。
コールドスプレー法は、材料粉末を露出表面に衝突させて成膜を行う方法である。そのような性質上、成膜処理が繰り返されるにつれ、どんどん露出表面が加熱される(表面温度は、200℃程度にまで達する)。つまり、膜厚が大きくなればなるほど、加熱された状態で新たな膜が形成されることになる。逆に、成膜の初期段階では、ほぼ室温で新たな膜が形成される。本願発明者は、このような膜形成時の温度差が生成膜の密着力に影響を与えると考えた。つまり、最も被成膜対象3に近い側では、成膜時の温度がほぼ室温であるため、生成膜の密着力が弱く、剥離が発生しやすくなると考えた。
そこで、本実施の形態では、ヒータ6を用いることにより被成膜対象3が“積極的”に加熱され、その温度が室温よりも高く設定される。その加熱温度は、例えば、コールドスプレーによって表面温度が達する温度である200℃程度に設定される。これにより、成膜の初期段階であっても、成膜面は十分熱くなる。このことが、原子の拡散を促し、生成膜の密着力を向上させると考えられる。実際に、図8に示されるように、本実施の形態の方法によって剥離限界膜厚が格段に増加することが、本願発明者が行った実験により確認されている。
このように、本実施の形態によれば、生成膜の密着力が増加し、それにより、剥離限界ラインも上昇する。従って、第1の実施の形態の場合と同様に、所望の膜厚を得るために必要な単位成膜処理の繰り返し回数が減少する(図4参照)。すなわち、実施すべき熱処理の回数が低減される。その結果、成膜コストが削減される。
所望の膜厚が大きくなるにつれ、単位成膜処理の繰り返し回数は増える傾向にある。よって、所望の膜厚が大きくなるにつれ、本実施の形態を適用することがより好ましくなると言える。
4.第4の実施の形態
第4の実施の形態は、第1あるいは第2の実施の形態と第3の実施の形態の組み合わせである。
図9は、第4の実施の形態に係る成膜システム1の構成を概略的に示している。成膜システム1は、既出の図2で示された構成に加えて、図6で示されたヒータ6を備えている。
図10は、第4の実施の形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。図3(第1の実施の形態)あるいは図5(第2の実施の形態)で示された成膜方法において、ステップS3が、第3の実施の形態のステップS3’で置換されている。
第4の実施の形態によれば、第1あるいは第2の実施の形態と第3の実施の形態の組み合わせの効果が得られる。生成膜の密着力の更なる増加が期待され、好適である。
5.第5の実施の形態
一例として、上述の実施の形態に係る成膜方法を、ロケットエンジンの燃焼室の製造に適用する場合を考える。尚、本願出願人による先願(特開2012−57203号公報)も参照されたい。
図11は、ロケットエンジンの燃焼室25を概略的に示している。この燃焼室25では、使用時に高温高圧の流体が燃焼し流通する。また、燃焼室25は、冷媒が通過する複数の冷却流路14を有しており、その冷媒による冷却により燃焼室25の温度を抑制することができる。より詳細には、燃焼室25は、同心円状に配置された内筒10と外筒15とを備えており、それら内筒10と外筒15との間に冷却流路14が形成されている。尚、内筒10及び外筒15の材料としては、冷却効率や強度や延びの面から銅又は銅を主成分とする合金が好ましい。
図12は、内筒10、冷却流路14及び外筒15の関係を示している。内筒10には、複数の冷却流路14が形成されている。この内筒10を基材として、その上に外筒15が形成されている。より詳細には、外筒15は、第1層12と第2層13の積層構造を有している。第1層12は、内筒10側に、内筒10上に層状に形成されている。第2層13は、第1層12の外側の表面に層状に形成されている。
図12で示されたような「構造体」の製造方法は、次の通りである。まず、基材部としての内筒10の表面に複数の溝が形成される。その溝は、最終的に流体流路14となるものである。続いて、ワックスのような充填剤が複数の溝に充填される。ここで、充填剤は、その露出面と基材部の表面(露出面)とが概ね同一の平面を成すように充填される。
次に、充填剤及び内筒10(基材部)の露出面に銀粉のような導電層が形成される。すなわち、電鋳法において、電鋳皮膜を形成する領域に導電処理を施す。そして、電鋳法により、導電処理を施された充填剤及び内筒10の表面に、電鋳皮膜として第1層12が形成される。
次に、上述の実施の形態で説明された方法により、第1層12上に、コールドスプレー膜として第2層13が形成される。例えば、銅のコールドスプレー膜を10mm程度積層する。この第1層12と第2層13とを合わせた膜厚が、外筒15として所望の膜厚となるようにする。
その後、複数の溝から充填剤を溶融等の方法により除去する。それにより、外筒15と内筒10とで囲まれた複数の冷却流路14を有する構造体を製造することができる。
このように、本実施の形態では、電鋳法とコールドスプレー法を組み合わせて外筒15を成膜している。ここで、コールドスプレー法の成膜速度は電鋳法の成膜速度と比較して極めて速い。そのため、電鋳法とコールドスプレー法を組み合わせて外筒15の膜(例:銅膜)を成膜する場合の方が、電鋳法だけで成膜する場合と比較して、極めて短期間に成膜を終了させることができる。それにより、膜の強度や延びなどの力学的特性を維持しながら、構造体の製造期間を短縮できる。
また、第1層12を電鋳法で、第2層13をコールドスプレー法でそれぞれ形成する場合、第1層12を相対的に薄くし、第2層13を相対的に厚くすることが好ましい。それにより、製造期間の短縮や製造コストや製造の手間の削減を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
1 成膜システム
2 チャンバ
3 被成膜対象
4 コールドスプレー装置
5 雰囲気制御装置
6 ヒータ
10 内筒
12 第1層
13 第2層
14 冷却流路
15 外筒
25 燃焼室

Claims (3)

  1. ロケットエンジンの燃焼室の製造方法であって、
    前記燃焼室は、同心円状に配置された内筒と外筒とを備え、
    前記内筒と前記外筒との間には冷却流路が形成されており、
    前記外筒は、
    前記内筒側に形成された第1層と、
    前記第1層の外側の表面に形成された第2層と
    を備え、
    前記製造方法は、
    前記内筒の表面に複数の溝を形成する工程と、
    前記複数の溝に充填材を充填する工程と、
    前記充填材及び前記内筒の露出面に電鋳法により前記第1層として導電層を形成する工程と、
    前記第1層上に金属膜としての前記第2層を成膜するように単位成膜処理を実行する工程と、
    前記第2層の膜厚が所望の最終膜厚になっていないとき前記単位成膜処理を繰り返す工程と
    を備え、
    記単位成膜処理を実行する工程は、
    チャンバ内に前記円筒を設置するステップと、
    前記チャンバ内の雰囲気を非酸化性ガス雰囲気あるいは真空雰囲気に設定するステップと、
    現在の前記単位成膜処理において成膜された前記第2層の膜厚が所望の膜厚になっていない前記燃焼室に対して、前記現在の単位成膜処理における成膜中の前記第2層の表面温度が、前記現在の単位成膜処理における成膜の終了時の前記第2層の表面温度に等しくなるように前記燃焼室の温度を制御しながら、前記雰囲気中でコールドスプレー法により前記第2層としての前記金属膜の成膜を行うステップと、
    前記現在の単位成膜処理において前記金属膜の成膜後の前記燃焼室に対して熱処理を施すステップと
    を含み、
    前記製造方法は、前記第1層が形成された後、前記熱処理が施される前に、前記充填剤を除去する工程を更に含む
    ロケットエンジンの燃焼室の製造方法
  2. 請求項1に記載のロケットエンジンの燃焼室の製造方法であって、
    前記所望の膜厚は1mm以上である
    ロケットエンジンの燃焼室の製造方法
  3. 請求項1に記載のロケットエンジンの燃焼室の製造方法であって、
    前記所望の膜厚は10mm以上である
    ロケットエンジンの燃焼室の製造方法
JP2013030378A 2013-02-19 2013-02-19 成膜方法 Active JP6066759B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013030378A JP6066759B2 (ja) 2013-02-19 2013-02-19 成膜方法
US14/765,122 US9932660B2 (en) 2013-02-19 2013-05-20 Method for depositing layer
PCT/JP2013/063901 WO2014128984A1 (ja) 2013-02-19 2013-05-20 成膜方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013030378A JP6066759B2 (ja) 2013-02-19 2013-02-19 成膜方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014159612A JP2014159612A (ja) 2014-09-04
JP2014159612A5 JP2014159612A5 (ja) 2015-12-17
JP6066759B2 true JP6066759B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=51390803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013030378A Active JP6066759B2 (ja) 2013-02-19 2013-02-19 成膜方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9932660B2 (ja)
JP (1) JP6066759B2 (ja)
WO (1) WO2014128984A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104894505A (zh) * 2015-06-15 2015-09-09 中国南方航空工业(集团)有限公司 超厚涂层真空等离子喷涂成型方法
CN105365133B (zh) * 2015-10-08 2017-08-29 北京动力机械研究所 一种贴片固化装置
KR101746974B1 (ko) * 2015-12-15 2017-06-28 주식회사 포스코 강판의 금속 코팅 방법 및 이를 이용하여 제조된 금속 코팅 강판
JP6948350B2 (ja) * 2017-01-17 2021-10-13 デンカ株式会社 セラミックス回路基板の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060121187A1 (en) 2004-12-03 2006-06-08 Haynes Jeffrey D Vacuum cold spray process
US20060269685A1 (en) 2005-05-31 2006-11-30 Honeywell International, Inc. Method for coating turbine engine components with high velocity particles
JP2008127676A (ja) 2006-11-24 2008-06-05 Toyohashi Univ Of Technology 金属皮膜の形成方法
JP2009191349A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Honda Motor Co Ltd 強化皮膜の接合界面の改質方法
JP5017675B2 (ja) 2008-04-01 2012-09-05 富士岐工産株式会社 皮膜の製造方法
JP2010047825A (ja) 2008-08-25 2010-03-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 金属皮膜の形成方法及び航空宇宙構造部材
US20100170937A1 (en) * 2009-01-07 2010-07-08 General Electric Company System and Method of Joining Metallic Parts Using Cold Spray Technique
JP5642461B2 (ja) * 2010-09-07 2014-12-17 三菱重工業株式会社 ロケットエンジンの燃焼室及び中空構造体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014159612A (ja) 2014-09-04
US20150376762A1 (en) 2015-12-31
US9932660B2 (en) 2018-04-03
WO2014128984A1 (ja) 2014-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6066759B2 (ja) 成膜方法
JP4568094B2 (ja) 遮熱コーティング部材およびその形成方法
CN110050326B (zh) 包括SiC蒸镀层的半导体制造用部件及其制造方法
JP6066760B2 (ja) 成膜方法
JP5830660B2 (ja) スパッタリング方法
US9963772B2 (en) Interior material for thin film deposition device and method for manufacturing same
CN116024528A (zh) 一种SiC纤维增强Ni基复合材料扩散障涂层及其制备方法和应用
KR102412911B1 (ko) 실린더 타겟의 제조방법
JP6037885B2 (ja) 成膜方法
WO2018066392A1 (ja) タービン翼の製造方法
JP5628231B2 (ja) 積層体
JP6206159B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP6131701B2 (ja) 半導体基板の製造方法
CN116065118B (zh) 一种钛合金离子渗氧的方法
KR102083075B1 (ko) 합금 박막 및 그 제조 방법
CN114959561B (zh) 一种Al含量梯度变化的MCrAlX粘结层及其制备方法
JP2012052235A (ja) タンタルチューブとpit炭素芯の製造方法、タンタルチューブとpit炭素芯、タンタル炭化物配線の製造方法及びタンタル炭化物配線
KR20170072624A (ko) 금속 및 세라믹 복합재 형성 방법
JP2023116088A (ja) 金属材料及びプラズマ発生装置
JP6234745B2 (ja) 皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材
JP2013091856A (ja) クロス・カップリング反応によるアルミニウム硬化材の製造方法
JP2021141198A (ja) 縦型ウエハボート及び縦型ウエハボートの製造方法
JP2020083734A (ja) SiC部材の製造方法
JP2019157169A (ja) 金属成形品の製造方法
JP2011138955A (ja) シリコンウェハ及びシリコンウェハの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151029

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161220

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6066759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151