JP2023116088A - 金属材料及びプラズマ発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ発生に対して十分な耐腐食性を有するとともに、高温時に生じる内部応力を十分に吸収することができる絶縁性の酸化皮膜を備えた金属材料を提供する。【解決手段】本発明による多孔質の酸化皮膜を表層に有する金属材料は、多孔質の酸化皮膜に含まれる複数の空孔の内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、多孔質の酸化皮膜を表層に有する金属材料及びこれを用いたプラズマ発生装置に関する。
半導体ウェーハの表面処理を行う表面処理装置は、例えば半導体ウェーハの表面処理を行った後の処理室の内面に堆積した付着物(汚染物質)を洗浄除去するために、外部のプラズマ発生装置で発生させたプラズマを噴射あるいは照射することにより、処理室内面をプラズマ処理することがある。このような用途で用いられるプラズマ発生装置は、例えば反応性ガスが導入される反応室を有するチャンバと、この反応室内に高周波電力を供給する電極と、反応室で生成されたプラズマを放出する放出口と、を備えるものが知られている。
このようなプラズマ発生装置に用いられるチャンバは、一般的にアルミニウムやマグネシウム等を主元素とする合金による金属材料で構成されている。このチャンバの反応室内では、プラズマの発生に伴って反応室の内面がエッチングにより腐食することが知られており、当該反応室の内面をプラズマによるエッチングから保護するために、チャンバを構成する金属材料の特に反応室の内面部分にアルマイト処理(陽極酸化処理)等で形成された酸化皮膜等の絶縁層を設けている。
このように、アルミニウム合金やマグネシウム合金からなる金属材料の表面に耐食性や耐摩耗性を有する皮膜(絶縁層)を形成する技術として、例えば特許文献1には、アルミニウム基材の表面にプラズマ電解酸化処理(PEO)を行うことにより、非晶質で緻密なバリヤー層と複数の中空柱状のセルから構成される多孔質層とを備えた酸化皮膜を形成したものが開示されている。このような酸化皮膜によれば十分な耐食性が得られるとされているものの、バリヤー層の厚さは数百nm程度と極めて薄く、上記したプラズマ発生装置のチャンバに適用して十分な効果が得られる程度のものとは言えない。
これに対して、特許文献2には、マグネシウム又はマグネシウム合金部材の表層部分に、孔径が0.01~1μmの空孔を含む緻密層を有するプラズマ電解酸化皮膜を形成したものが開示されている。また、当該特許文献2には、従来のプラズマ電解酸化皮膜では、孔径が1~30μm程度の粗大な空孔が存在するため、耐食性が低下していたとの問題点も併せて記載されている。
一方、特許文献3には、Al、Mg、Tiなどの合金の表面にプラズマ電解酸化方法で形成された多孔質の酸化物-セラミックマトリックス皮膜と、その多孔質の孔の中に機能的化合物を入り込ませた構造と、を有する複合皮膜を形成したものが開示されている。このような構造の複合皮膜によれば、良好な耐摩耗性と低い摩擦係数を示し、動的接触負荷や振動に耐える能力を有するとされている。
特開2010-215945号公報 特開2007-308757号公報 特開2008-144281号公報
プラズマ電解酸化処理で形成された酸化皮膜は、アルマイト処理で形成された酸化皮膜に比べて硬度が高く、また多孔質層を含むことで基材との熱膨張率差に基づく高温時の内部応力を吸収することができるという特性を有している。一方で、プラズマ電解酸化処理による酸化皮膜は、内部に形成された空孔が細孔と連続することにより、酸化皮膜表面から基材表面に至る空洞が形成されてしまい、基材の絶縁度が低下してしまうという問題がある。
この点について、特許文献2では、空孔の孔径を0.01~1μmに調整する手法を開示しているものの、空孔の孔径をより小さくしようとすると成膜速度も低くなってしまい、生産性(生産コスト)の面で課題がある。また、空孔を小さくすることは、上記したプラズマ電解酸化処理による酸化皮膜の特徴の1つである内部応力の吸収能を犠牲にしてしまう。
一方、特許文献3では、プラズマ電解酸化処理で酸化皮膜を形成した後、当該酸化皮膜の空孔に機能的化合物を入り込ませる手法を開示しているが、応力を吸収するための空孔を抗摩耗や抗腐食等の特性を有する機能的化合物で埋めてしまうため、特許文献2の場合と同様に、上記したプラズマ電解酸化処理による酸化皮膜の特徴の一つである内部応力の吸収能を犠牲にしてしまうこととなる。
本発明は、これらの背景に基づいてなされたものであって、特にプラズマ発生に対して十分な耐腐食性を有するとともに、高温時に生じる内部応力を十分に吸収することができる絶縁性の酸化皮膜を備えた金属材料、及びこれを用いたプラズマ発生装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の代表的な態様の1つは、多孔質の酸化皮膜を表層に有する金属材料であって、多孔質の酸化皮膜に含まれる複数の空孔の内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の別の態様の1つは、反応性ガスに高周波電力を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、内部に反応性ガスが導入される反応室を有するチャンバと、反応室内に高周波電力を供給する電極と、上記反応室からプラズマを放出する放出口と、を備え、上記チャンバは、反応室側の表層に多孔質の酸化皮膜を有する金属材料により構成され、多孔質の酸化皮膜に含まれる複数の空孔の内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜が形成されていることを特徴とする。
このような構成を備えた本発明によれば、金属材料の表層に形成された多孔質の酸化皮膜に含まれる複数の空孔の内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜が形成されていることにより、特にプラズマ発生に対して十分な耐腐食性を有するとともに、高温時に生じる内部応力を十分に吸収することができる。
本発明の代表的な一例である実施例1による金属材料の概要を示す側面図及び断面図である。 図1(b)の領域A3で示した部分を模式的に示した拡大断面図である。 実施例1による金属材料の製造方法の工程を示すフローチャートである。 図3に示すステップS2の工程の概要を示す部分断面図である。 図3に示すステップS3の工程の概要を示す部分断面図である。 図3に示すステップS4の工程の概要を示す部分断面図である。 実施例1による金属材料に対してプラズマ曝露試験を行った結果の概略を示すグラフである。 本発明の実施例2によるプラズマ発生装置の構成例を示す概略図である。
以下、本発明による金属材料及びこれを用いたプラズマ発生装置の代表的な具体例を図1~図8を用いて説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の代表的な一例である実施例1による金属材料の概要を示す側面図及び断面図である。また、図2は、図1(b)の領域A3で示した部分を模式的に示した拡大断面図である。なお、実施例1による金属材料は、後述する実施例2によるプラズマ発生装置のチャンバを構成する金属材料として適用することができる。
図1(a)に示すように、実施例1による金属材料10は、その一例として、金属基材20と、当該金属基材20の少なくとも一面に形成された酸化皮膜30と、を含む。ここで、図1(a)では、金属基材20の上面にのみ酸化皮膜30が形成されている場合を例示しているが、酸化皮膜30は金属基材20の側面や底面を含む全面に形成されてもよい。
金属基材20は、表面が酸化することで緻密な皮膜を形成でき、かつ様々な構造物の構造部材を構成し得る金属で形成される。このような金属基材20としては、例えば、アルミニウムやチタン、マグネシウム等のいわゆる軽金属及びこれらの合金が例示できる。なお、本実施例1では、金属基材20として5000系(Al-Mg系)又は6000系(Al-Mg-Si系)のアルミニウム合金を適用した場合について説明する。
酸化皮膜30は、図1(a)の領域A1を拡大した図1(b)に示すように、金属基材20側に位置する多孔質層32と、表面側に露出する緻密層34と、からなる2層構造の酸化物として構成される。このような酸化皮膜30を形成する手法として、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液等の電解液中でプラズマ電解することにより酸化物による皮膜を形成するプラズマ電解酸化処理(Plasma Electrolytic Oxidation)が例示できる。
多孔質層32は、図1(b)の領域A2を拡大した図1(c)に示すように、例えば酸化アルミニウム(Al)等の酸化物からなる基部32aと、当該基部32aの間に分散された空孔部32bと、により構成される。ここで、基部32aを構成する酸化物は、上記した金属基材20の種類によって任意に選択され得る。そして、この多孔質層32により、空孔部32bが金属基材20と酸化皮膜30との間の熱膨張率差による応力を吸収して、酸化皮膜30に割れが生じるのを抑制できる。
緻密層34は、図2に示すように、プラズマ電解酸化処理におけるプラズマ電解の条件を調整することにより、例えばAl等の酸化物からなる硬質部34aとして形成される。なお、硬質部34aを構成する酸化物も、上記した金属基材20の種類によって任意に選択され得る。
また、緻密層34には、硬質部34aを貫通して露出面34cに至る細長の貫通孔34bが形成される。この貫通孔34bは、多孔質層32の空孔部32bと連通している。これにより、このままでは金属基材20の表面20aが部分的に外部雰囲気(特にプラズマ)に対して曝露されてしまうこととなる。
そこで、実施例1による金属材料10においては、図2に示すように、多孔質層32の空孔部32b及び緻密層34の貫通孔34bの内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜36が形成されている。これにより、例えば、実施例1による金属材料10を、後述する実施例2によるプラズマ発生装置(図7の符号100参照)のチャンバ(図7の符号110参照)を構成する金属材料として適用した場合、発生するプラズマによるチャンバ110の内面のエッチングが抑制される。
保護膜36を構成する絶縁物の材質としては、プラズマによるエッチング耐性を有する材料であって、例えば、酸化物や窒化物、フッ化物、炭化物等のセラミックスにより形成される。その中でも、周期表の第2族や第3族、第4族、第13族あるいは第14族の元素を主とするセラミックスが好ましい。これらのセラミックスは、保護膜36を形成する際の雰囲気を調整することにより選択できる。
次に、図3~図6を用いて、本発明の代表的な一例である実施例1による金属材料を製造する方法の概要について説明する。
図3は、実施例1による金属材料の製造方法の工程を示すフローチャートである。また、図4は、図3に示すステップS2の工程の概要を示す部分断面図である。また、図5は、図3に示すステップS3の工程の概要を示す部分断面図である。さらに、図6は、図3に示すステップS4の工程の概要を示す部分断面図である。
図3に示すように、本発明の実施例1による金属材料10は、その一例として、母材となる金属基材20を準備する工程(ステップS1)と、準備した金属基材20の表面にプラズマ電解による酸化処理を実施する工程(ステップS2)と、形成された酸化皮膜30に保護膜36の前駆体であるスラリーを塗布する工程(ステップS3)と、スラリーが塗布された金属材料10をベーキングする工程(ステップS4)と、を含む。
金属基材20を準備する工程(ステップS1)では、上記した5000系又は6000系のアルミニウム合金を所定の表面性状及び形状で準備する。このとき、既に形成されていた酸化皮膜を予め除去する工程や、あるいは少なくとも酸化皮膜30を形成する面の表面粗さを調整する工程を追加しても良い。
プラズマ電解を行う工程(ステップS2)では、金属基材20の表面に公知のプラズマ電解酸化処理による酸化皮膜30の形成が行われる。具体的には、その一例として、弱アルカリ性の電解質水溶液(水酸化カリウムKOH)中に金属基材20を浸漬し、この状態で電解質水溶液に所定条件の交流パルス電流を流すことにより、図4に示すように、金属基材20の表面20aに酸化皮膜30が形成される。
スラリーを塗布する工程(ステップS3)では、最終的に保護膜36を形成する前駆体となる材料のスラリーが酸化皮膜30の露出面34cに塗布される。このとき、上記のとおり酸化皮膜30の緻密層34には複数の貫通孔34bが形成されているため、塗布された前駆体のスラリーは、図5に示すように、上記貫通孔34bとともに多孔質層32の空孔部32bに充填される。なお、保護膜36の前駆体のスラリーとしては、その一例として、上記した第2族や第3族、第4族あるいは第14族の元素の塩を含む塩基性水溶液として構成される。
続いて、ベーキング工程(ステップS4)では、その一例として、所定のガス雰囲気の加熱炉内において、ステップS3でスラリーを塗布された金属材料10をベーキング処理する。このとき、ベーキング処理時の加熱によって、スラリーに含まれる水分とともに塩基性成分が揮発するため、図6に示すように、スラリーの体積が大きく減少して図中の矢印Bの方向に収縮する。そして、加熱炉内のガスと上記した第2族や第3族、第4族、第13族あるいは第14族の元素とが結合することにより、これらの酸化物や窒化物等のセラミックスを含む保護膜36が形成される。
なお、上記したとおり、ベーキング工程(ステップS4)を実施する際の加熱炉内の雰囲気(加熱炉内に封入される反応性ガス)を適宜選択することにより、保護膜36を形成するセラミックスの材質を調整することが可能となる。例えば、第4族のチタン(Ti)を含むスラリーを塗布した金属材料10を窒素ガスNの雰囲気内でベーキングすることにより、窒化チタン(TiN)を含む保護膜36が酸化皮膜30の多孔質層32における空孔部32bの内面に形成される。
上記した実施例1による金属材料の製造方法で製造された金属材料の具体的態様の一例について、以下に図7を用いて説明する。図7は、従来技術による金属材料と実施例1による金属材料とに対してプラズマ曝露試験を行った結果の概略を示すグラフである。
プラズマ曝露試験を行うにあたり、金属基材として6000系のアルミニウム合金を用いて、当該金属基材の表面に各種の皮膜形成処理を行ったものを作成し、これらプラズマ発生環境に曝露する試験を行った。なお、本願と従来技術との比較のために、金属基材の表面に対してアルマイト処理のみを行った「アルマイト処理材」と、表面に対してPEO処理のみ行った「PEO処理材」と、表面に対してPEO処理に加えて保護膜形成処理を行った「本願発明材」とを準備した。
図7に示すように、プラズマによってエッチングされた皮膜量(厚さ)として、「アルマイト処理材」、「PEO処理材」、「本願発明材」の順でエッチング量が減少する傾向が現れた。特に、その一例として、「本願発明材」のエッチング量は「PEO処理材」のエッチング量に対しておよそ40%減となる結果が得られた。
上記のような構成を備えることにより、実施例1による金属材料10は、その表層に形成された多孔質の酸化皮膜30に含まれる複数の空孔部32bの内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜36が形成されていることにより、特にプラズマ発生に対して十分な耐腐食性を有するとともに、高温時に生じる内部応力を十分に吸収することができる。
<実施例2>
半導体デバイスやソーラーパネル、あるいはフラットパネルディスプレイ等に適用される半導体製品の製造装置の技術分野において、半導体基板に対する各種処理工程で発生する汚染物等を加工チャンバから除去するために、当該加工チャンバにプラズマを噴射することで壁面をクリーニングするプラズマクリーニング工程を実施することがある。このようなプラズマを発生させる装置として、加工チャンバの外部からプラズマを供給するリモートプラズマ発生装置(RPS)が知られている。
図8は、本発明の実施例2によるプラズマ発生装置の構成例を示す概略図である。ここで、実施例2によるプラズマ発生装置100を説明するにあたり、実施例1と同一あるいは同様の構成を備えるものについては、実施例1と同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図8に示すように、実施例2によるプラズマ発生装置100は、その一例として、その内部に反応性ガスが導入される反応室Rを有するチャンバ110と、反応室R内に高周波電力を供給する電極120と、反応室Rで発生したプラズマを放出する放出口130と、を備えている。そして、プラズマ発生装置100は、導入された反応性ガスに高周波電力を印加することによりプラズマを発生させ、放出口130から下流に接続された半導体装置を製造する製造装置の加工チャンバにプラズマを放出する。
チャンバ110は、内部に反応性ガスを導入するための導入管112が放出口130と対向する位置に接続されている。そして、プラズマの発生により反応室R内部の内圧が上昇する(反応性ガスがプラズマ反応により膨張する)ため、所定の圧力で導入された反応性ガスから発生したプラズマは、チャンバ110の下流に放出される。
また、チャンバ110は、その一例として、アルミニウム合金やマグネシウム合金で形成され、好ましくは断面円形又は正多角形で内部が中空な柱状部材として構成される。そして、チャンバ110の少なくとも反応室R側の内面には、実施例1による金属材料10で説明した多孔質層32を含む酸化皮膜30が形成されている。
電極120は、その一例として、コイル状に巻かれた金属により構成される。電極120の両端は、図8に示すように、一対の端子120a、120bを介して高周波交流電源122と接続されている。このような形状の電極120を用いることにより、電極120の巻回中心をチャンバ110の反応室Rの中央に配置することで距離に偏りが生じないため、プラズマの発生を安定させることができる。
図8に示すプラズマ発生装置100においては、導入管112に接続されたガス供給源(図示せず)から所定の圧力又は流量で反応性ガスがチャンバ110の反応室R内に供給される。この状態で、高周波交流電源122から高周波の交流電流が電極120に通電されると、チャンバ110の反応室Rの内部には電極120を流れる電流に伴う磁場によってプラズマが発生し、発生したプラズマが放出口130から排出される。
このとき、反応室Rの内面は発生したプラズマによってエッチングされることとなる。これに対して、実施例2によるプラズマ発生装置100では、チャンバ110の反応室R側の内面に実施例1で示したものと同様の酸化皮膜30が形成されていることにより、多孔質層32の空孔部32bにプラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜36が存在するため、酸化皮膜30がプラズマに曝されたとしてもエッチングされるのを抑制することが可能となる。
なお、電極120もチャンバ110との間で発生するプラズマによりエッチングされることになるため、チャンバ110と同様にアルミニウム合金やマグネシウム合金からなりその表面に酸化皮膜30を形成したものとして構成してもよい。また、通電時の発熱を冷却するために、電極120をアルミニウム合金又はマグネシウム合金の中空管として構成してもよい。
上記のような構成を備えることにより、実施例2によるプラズマ発生装置100は、実施例1の場合と同様に、チャンバ110を構成する金属材料の反応室R側の内面に形成された多孔質の酸化皮膜30に含まれる複数の空孔部32b面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜36が形成されていることにより、特にプラズマ発生に対して十分な耐腐食性を有するとともに、高温時に生じる内部応力を十分に吸収することができる。
なお、上記した実施の形態における記述は、本発明に係る金属材料あるいはプラズマ発生装置の一例であって、本発明は各実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形を行うことが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
10 金属材料
20 金属基材
30 酸化皮膜
32 多孔質層
32a 基部
32b 空孔部
34 緻密層
34a 硬質部
34b 貫通孔
34c 露出面
36 保護膜
100 プラズマ発生装置
110 チャンバ
112 導入管
120 電極
120a、120b 端子
122 高周波交流電源
130 放出口
R 反応室

Claims (6)

  1. 多孔質の酸化皮膜を表層に有する金属材料であって、
    前記多孔質の酸化皮膜に含まれる複数の空孔の内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜が形成されていることを特徴とする金属材料。
  2. 前記保護膜は、セラミックスにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の金属材料。
  3. 前記セラミックスは、周期表の第2族元素、第3族元素、第4族元素、第13族元素又は第14族元素を主とする酸化物を含むことを特徴とする請求項2に記載の金属材料。
  4. 反応性ガスに高周波電力を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、
    内部に前記反応性ガスが導入される反応室を有するチャンバと、前記反応室内に前記高周波電力を供給する電極と、前記反応室から前記プラズマを放出する放出口と、を備え、
    前記チャンバは、前記反応室側の表層に多孔質の酸化皮膜を有する金属材料により構成され、
    前記多孔質の酸化皮膜に含まれる複数の空孔の内面に、プラズマ耐性を有する絶縁物からなる保護膜が形成されていることを特徴とするプラズマ発生装置。
  5. 前記保護膜は、セラミックスにより構成されることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ発生装置。
  6. 前記セラミックスは、周期表の第2族元素、第3族元素、第4族元素、第13族元素又は第14族元素を主とする酸化物を含むことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ発生装置。
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