JP6234745B2 - 皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材 - Google Patents

皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6234745B2
JP6234745B2 JP2013186404A JP2013186404A JP6234745B2 JP 6234745 B2 JP6234745 B2 JP 6234745B2 JP 2013186404 A JP2013186404 A JP 2013186404A JP 2013186404 A JP2013186404 A JP 2013186404A JP 6234745 B2 JP6234745 B2 JP 6234745B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ceramic layer
repair
metal bonding
bonding layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013186404A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015052157A (ja
Inventor
妻鹿 雅彦
雅彦 妻鹿
秀次 谷川
秀次 谷川
尚俊 岡矢
尚俊 岡矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2013186404A priority Critical patent/JP6234745B2/ja
Publication of JP2015052157A publication Critical patent/JP2015052157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6234745B2 publication Critical patent/JP6234745B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Description

本発明は皮膜の損傷が、部分的に発生した部材の皮膜補修方法に関する。
動翼、静翼、分割環などのガスタービンの高温部材は、1000℃を超える高温ガス環境下で使用される。高温ガスによる熱的損傷を抑制するため、高温部材に特殊な冷却技術が適用される他、高温部材として高温強度に優れる材料が適用されるとともに高温部材の表面にセラミックス層を有する遮熱コーティングが施される。遮熱コーティングは、高温部材の基体上に減圧プラズマ溶射等で金属接合層を施した後、金属接合層上に大気圧プラズマ溶射により施工される。
高温での長時間に亘る使用や、タービンの発停に伴う温度変化により、遮熱コーティングに剥離や亀裂などの部分的な損傷が発生する。損傷が発生した箇所では、金属接合層や基体が露出して酸化されたりする場合がある。このため、損傷が発生した場合は皮膜の補修が行われる。
特許文献1は、超合金部材上に形成されるセラミックスの断熱被覆の良好な付着性及び体制を確実に与えるための、断熱皮膜を施す前の前処理方法を開示する。
特開2004−323976号公報
皮膜の補修方法として、損傷発生箇所の皮膜を部分的に除去し、新たな皮膜を形成することが考えられていた。しかし、新旧皮膜の界面の密着性が悪く、補修部の皮膜強度が低下して高い皮膜性能(遮熱性、高温耐性)を維持することが困難であった。その後の使用において新旧皮膜界面が起点となり破壊が発生しやすくなることが問題となっていた。
上記理由から、現状技術では損傷発生箇所の面積や損傷の程度に拘らず、部材全体の遮熱コーティング及び金属結合層が除去され、新たに金属結合層及び遮熱コーティングの施工が行われる。しかし、このような皮膜の全面補修はコストが多大となる上、工程数が多く長期間の工期を要していた。特に金属結合層は基体との密着性が高く、複雑な三次元形状を有する部材の場合にはブラスト処理による剥離やグラインダのような機械的除去は困難である。また、上記の方法では基体が切削される場合があることも問題となっていた。
金属結合層の剥離方法として酸洗剥離が用いられることがあるが、排液処理などの環境上の課題が多いのが問題である。また、長時間使用によって金属結合層中のAlが基材に拡散するが、拡散が進んだ部品で酸洗剥離を行うと剥離状況にムラが生じ、剥離されない部分が発生する可能性があり、施工管理が困難であった。
本発明は、損傷が発生した皮膜を簡易な工程で補修するとともに、補修後の皮膜の耐久性を向上させる皮膜補修方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、基体上に金属結合層とセラミックス層とが順に積層された皮膜を有し、前記皮膜の一部分に損傷が発生した部材の皮膜補修方法であって、前記損傷が発生した箇所及び前記損傷の近傍の前記セラミックス層が除去され、5°以上20°以下の角度を有するテーパ状の断面を有する膜除去部が形成されて前記金属結合層が露出する膜除去工程と、前記断面の前記セラミックス層にブラスト処理が施され、前記断面の前記セラミックス層が算術平均粗さRaが6μm以上の粗面に加工されるブラスト処理工程と、前記膜除去部に、前記セラミックス層と同組成の補修セラミックス層が形成される補修工程と、を含む皮膜補修方法である。
本発明の第2の態様は、基体上に金属結合層とセラミックス層とが順に積層された皮膜を有し、前記皮膜の一部分に損傷が発生した部材の皮膜補修方法であって、前記損傷が発生した箇所及び前記損傷の近傍の前記皮膜が除去され、5°以上20°以下の角度を有するテーパ状の断面を有する膜除去部が形成されて前記金属結合層または前記基体が露出する膜除去工程と、前記断面の前記皮膜にブラスト処理が施され、前記断面の少なくとも前記セラミックス層が算術平均粗さRaが6μm以上の粗面に加工されるブラスト処理工程と、前記膜除去部に、前記金属結合層と同組成の補修金属結合層が形成され、前記補修金属結合層上に前記セラミックス層と同組成の補修セラミックス層が形成される補修工程と、を含む皮膜補修方法である。
本発明では、剥離などの損傷が発生した場合に部分的に皮膜を剥離させて補修する手法を採用する。膜除去部が5°〜20°のテーパ状の断面を有しているため、当該断面での補修セラミックス層の成膜角度が良好となり、断面に十分な厚さの補修セラミックス層が形成される。また、断面において既存のセラミックス層と補修セラミックス層との界面の付与される剥離応力も小さくなる。さらに、断面が平均算術粗さが6μm以上の粗面とされているために、既存のセラミックス層と補修セラミックス層との密着性が良好となる。この結果、既存の皮膜と補修により形成された被膜との界面での剥離を抑制し、熱耐久性に優れる補修皮膜とすることができる。
前記補修セラミックス層の下地層として、前記金属結合層と同組成であり、算術平均粗さRaが6μm以上の粗面を有する下地金属結合層が形成される下地形成工程を更に含むことが好ましい。
あるいは、前記補修金属結合層が、算術平均粗さRaが6μm以上の粗面となるように形成されることが好ましい。
こうすることにより、補修された皮膜の密着性を更に良好とすることができ、熱耐久性を向上させることができる。
本発明の第3の態様は、上記の方法を用いて前記皮膜が補修された部材である。本発明の皮膜補修方法により補修された部材は、補修被膜と既存の皮膜との間の剥離や亀裂の発生が抑制される。この結果、補修後の皮膜に損傷が発生しにくく、高い熱耐久性を示す。
本発明では、損傷発生箇所及びその周辺のセラミックス層あるいは皮膜だけが除去されるので、補修に要するコストが低減するとともに補修工程が容易となる。
膜除去部の断面がテーパ状になるように加工され、断面のセラミックス層が算術平均粗さRa6μm以上の粗面に加工されるために、新旧のセラミックス層の密着性に優れる。この結果、新旧皮膜の界面を起点とする破壊の発生が発生しにくく、高い皮膜性能が維持される。
本発明により皮膜が補修された部材は、高い耐久性を示す皮膜を有することになる。
高温部材の損傷発生箇所の一例を表す断面図である。 高温部材の損傷発生箇所の一例を表す断面図である。 第1実施形態の膜除去工程を説明する概略図である。 第1実施形態のブラスト処理工程を説明する概略図である。 第1実施形態の補修工程を説明する概略図である。 本発明の皮膜補修方法の効果を説明する図である。 第2実施形態の膜除去工程を説明する概略図である。 第2実施形態の補修工程を説明する概略図である。
本実施形態の皮膜補修方法における対象部材は、基体上に皮膜を有し、皮膜の一部分に損傷が発生した部材である。図1及び図2を用いて、高温ガス環境下で使用された後のガスタービンの高温部材を例に挙げて説明する。
図1及び図2は、高温部材の損傷発生箇所の断面図である。部材1は、基体2上に皮膜3(遮熱コーティング)を有する。
基体2は耐熱合金製であり、例えばIN−738LC(商標名、化学組成:Ni−16Cr−8.5Co−1.75Mo−2.6W−1.75Ta−0.9Nb−3.4Ti−3.4Al(質量%))などが用いられる。
皮膜3は、基体2側から順に金属結合層4及びセラミックス層5が積層されている。
金属結合層4は、例えばMCrAlY合金(Mは、Ni,Co,Fe等の金属元素またはこれらのうち2種類以上の組合せを示す)が用いられる。金属結合層4の膜厚は、例えば、100μm程度である。
セラミックス層5は、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が用いられる。セラミックス層5の膜厚は、300〜500μm程度である。
図1はセラミックス層5が剥離し内側のセラミックス層5が露出した例である。図2に示すように、剥離面の傾斜が不連続に変化する箇所になどに位置するセラミックス層に亀裂6が残存している。
図2はセラミックス層5の剥離により金属結合層4が露出した例である。金属結合層4も剥離し、基体2が露出する場合もある。このようなケースでは、セラミックス層5と金属結合層4との界面に亀裂6が残存する。高温での酸化雰囲気に金属結合層4や基体2が曝されることにより、金属結合層4及び基体2表面に酸化膜7が形成される。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る皮膜補修方法を以下で説明する。第1実施形態では、図1のようにセラミックス層5内に損傷が発生している場合などにおいて、セラミックス層5を補修する方法である。
(膜除去工程)
図3は、第1実施形態の膜除去工程を説明する概略図である。
損傷が発生した箇所及びその近傍のセラミックス層5の上方に、回転工具10が設置される(図3(a))。回転工具10は、テーパ部11と平面部12とを有し、テーパ部11に砥粒13が固定されている。砥粒13として、ダイヤモンドなどが用いられる。平面部12には砥粒は固定されていない。テーパ部11の傾斜θは、5°以上20°以下である。
次いで、回転工具10が回転しながら、損傷が発生した箇所及びその近傍のセラミックス層5に押圧される(図3(b))。これにより、砥粒13と接触したセラミックス層5が研削除去される。平面部12には砥粒13がないため、回転工具10と金属結合層4が接触しても金属結合層4は研削されない。従って、第1実施形態では加工深さが制限され、セラミックス層5のみが除去される。
損傷が発生した箇所が回転工具10の平面部12よりも大きい場合は、NC機械等のマニピュレータが回転工具10を把持し、マニピュレータが損傷領域で回転工具10を面方向に移動させても良い。この場合、マニピュレータが画像処理により損傷が発生した箇所の形状を認識し、マニピュレータが損傷領域の形状に合わせて回転工具10の移動パスを取得しても良い。
図3(c)に示すように、セラミックス層が除去された領域(膜除去部20)は、テーパ状の断面21と、膜除去部20は断面21に囲まれる平坦部22とを有する。この平坦部22で金属結合層4が露出する。
断面21の傾斜ψは回転工具10のテーパ部11の傾斜に一致し、5°以上20°以下となる。傾斜ψが5°未満であると、断面21の面積が大きくなるため、テーパ部が広くなりすぎて補修コストが大きくなる。一方、傾斜ψが大きくなると剥離が発生しやすくなる。傾斜ψが20°以下であれば、確実に剥離発生を防止することができる。膜除去工程後のセラミックス層5の断面21は、砥粒13の大きさや固定密度によるが、算術平均粗さRaが3μm以下の滑らかな面となる。
(ブラスト処理工程)
図4はブラスト処理工程を説明する概略図である。膜除去工程後のセラミックス層5上に、マスク23の開口部が膜除去部20に一致するようにマスク23が配置される。マスク23の開口部は、膜除去部20に対応した形状である。
マスク設置後、断面21のセラミックス層5にブラスト処理が施される。ブラスト材(粒子)は、例えばアルミナなどのセラミックス製とされる。処理の効率化を図るため、ブラスト処理工程ではセラミックス層5の断面21に主としてブラスト材が衝突するように、ノズル24の位置が制御される。具体的に、ブラスト材の噴射方向が断面21に略直交するように、ノズル24位置が調整される。
このブラスト処理により、セラミックス層5の断面21は、算術平均粗さRaが6μm以上の粗面に加工される。上記の算術平均粗さRaとなるように、ブラスト処理条件としてノズル径、ブラスト材の種類及び粒度、噴射圧力等が設定される。例えば、以下の処理条件に設定される。
ブラスト材粒度:80メッシュ
噴射圧力:0.6MPa
(補修工程)
図5は第1実施形態の補修工程を説明する概略図である。マスク23が設置された状態で、膜除去部20に補修セラミックス層30が形成される。補修セラミックス層30により膜除去部20が充填される。
補修セラミックス層30は、基体2に既に施工されているセラミックス層5と同組成である。補修セラミックス層30は、大気圧プラズマ溶射などの溶射法等を用いて形成される。補修セラミックス層30の成膜性を考慮すると、補修セラミックス層が基体2(あるいは平坦部22)に対して略直交する方向に成長させることが好ましい。例えば溶射法により補修セラミックス層を形成する場合は、溶射粒子の噴射方向が基体2あるいは平坦部22と略直交するように溶射ノズル25が設置される。溶射ノズルが走査されることにより、膜除去部20全体に補修セラミックス層30が形成される。
例えば、大気圧プラズマ溶射法を用いた補修セラミックス層の形成条件は、以下のとおりである。
電圧:60〜65V
電流:450〜500A
粉末供給量:6g/min
溶射距離:150mm
本条件は、一般的なセラミック層成膜条件に比べて、粉末供給量を減らした条件となっている。粉末低減に応じてプラズマの入熱(上記例の場合は電流)が減じられる。粉末供給量が低減されると、1回の溶射で形成される膜の厚さが低減することとなる。通常溶射施工では、所定の要求膜厚に到達するまで、複数回の溶射が行われる。このように1回の形成膜厚を薄くすることにより、補修セラミック層30の中の残留応力を低減させることができ、耐久性維持に有利である。
補修工程後、マスク23が取り外される。次いで、補修セラミックス層30の表面研磨が実施される。表面研磨により、マスク23で被覆されずに既存のセラミックス層5上に形成された補修セラミックス層30が除去されるとともに、既存のセラミックス層5と補修セラミックス層30の高さが均一化される。
第1実施形態において、補修セラミックス層30を形成する前に、膜除去工程で露出した平坦部22の金属結合層4上に、薄い金属結合層(下地金属結合層)を形成することができる。下地金属結合層は金属結合層4と同組成であり、膜厚が20〜40μm程度である。下地金属結合層は大気圧プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、物理蒸着法などにより形成され、下地金属結合層表面の算術平均粗さRaが6μm以上に制御される。大気圧プラズマ溶射を用いた下地金属結合層の形成条件は、例えば以下のとおりである。
電圧:60〜65V
電流:500〜550A
粉末供給量:10g/min
溶射距離:150mm
下地金属結合層を設けることにより、膜除去部20の平坦部22で露出した金属結合層4と補修セラミックス層30との密着性を向上させることができる。
本実施形態の皮膜補修方法により補修を行う効果を、図6を用いて説明する。
本実施形態ではセラミックス層5の断面21が5°以上20°以下の緩やかな傾斜になっているので、補修工程において補修セラミックス層を形成する際に、断面21でも良好な成膜角度が維持され、断面21に十分な厚さの補修セラミックス層30が形成される。また、断面21がRa6μm以上の粗面とされている。このため、断面21において既存のセラミックス層5と補修セラミックス層30とが良好に密着する。
セラミックス層5が補修された部材が高温環境下で使用されると、金属結合層4とセラミックス層5との熱膨張係数の違いに起因して、熱応力が発生する。金属結合層4の方がセラミックス層5よりも熱膨張係数が高いため、例えば加熱過程では、セラミックス層5には面方向に引張応力が負荷される。熱応力により断面21に付与される引張応力は、断面21の傾斜方向に平行な分力(平行分力)と、断面21の傾斜方向に直交する分力(垂直分力)とに分けられる。断面21の傾斜が小さい程、断面21でセラミックス層5と補修セラミックス層30とを剥離させる垂直分力が小さくなる。
このように、皮膜の部分補修を行うにあたり、断面の傾斜が小さいテーパ状にセラミックス層を除去するとともに、膜除去部の断面のセラミックス層を粗面化して密着性を高めることにより、既存のセラミックス層と補修セラミックス層との間での剥離や亀裂などの損傷発生を抑制できる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る皮膜補修方法を以下で説明する。第2実施形態では、図2のように金属結合層4や基体が露出している場合において、皮膜3(セラミックス層5及び金属結合層)を補修する方法である。
(膜除去工程)
図7は、第2実施形態の膜除去工程を説明する概略図である。損傷が発生した箇所及びその近傍のセラミックス層5の上方に、回転工具110が設置される(図7(a))。回転工具110は、テーパ部111及び平面部112に砥粒113が固定されている。砥粒113は第1実施形態と同じものが使用できる。テーパ部111の傾斜θは、5°以上20°以下である。
次いで、回転工具110が回転しながら、損傷が発生した箇所及びその近傍のセラミックス層5に押圧される。これにより、砥粒113と接触したセラミックス層5が研削除去される。
平面部112の砥粒113が金属結合層4と接触すると、金属結合層4の研削除去が開始される。回転工具110は、少なくとも金属結合層4の剥離により露出した面が研削される深さまで金属結合層4を研削する(図7(b))。基体2が露出し酸化膜7が形成された場合は、基体2の酸化膜7も研削する。回転工具110による研削により基体2が損傷しないように、第2実施形態では回転工具110の深さ方向の位置が制御されながら研削が行われる。
図7(c)に示すように、膜除去部120は、テーパ状の断面121と断面121に囲まれる平坦部122とを有する。この平坦部122で酸化されていない金属結合層4や基体2が露出する。断面121はセラミックス層5の面と金属結合層4の面とで構成される。断面121の傾斜ψは回転工具110のテーパ部111の傾斜θに一致し、5°以上20°以下となる。傾斜ψが5°未満であると、膜除去部120の面積が大きくなるため、テーパ部が広くなりすぎて補修コストが大きくなる。一方、傾斜ψが大きくなると剥離が発生しやすくなる。傾斜ψが20°以下であれば、確実に剥離発生を防止することができる。膜除去工程後のセラミックス層5の断面121は、第1実施形態と同様に滑らかな面となる。
第2実施形態においても、損傷箇所が回転工具110の平面部112よりも大きい場合は、マニピュレータが損傷領域で回転工具110を面方向に移動させても良い。この場合、マニピュレータが損傷領域の形状に合わせて回転工具110の移動パスを取得しても良い。
(ブラスト処理工程)
断面121のセラミックス層5にブラスト処理が施される。このブラスト処理により、断面121におけるセラミックス層5は、算術平均粗さRaが6μm以上の粗面に加工される。上記の算術平均粗さRaとなるように、ブラスト処理条件としてノズル径、ブラスト材の種類及び粒度、噴射圧力、ノズル―ワーク間距離、ブラスト処理時間等が適宜設定される。具体的なブラスト条件は第1実施形態と同じである。
(補修工程)
図8は第2実施形態の補修工程を説明する概略図である。ブラスト処理に引き続きマスク23が設置された状態で、膜除去部120に補修金属結合層31が形成される。
補修金属結合層31は、基体2に既に施工されている金属結合層4と同組成である。補修金属結合層31は、大気圧プラズマ溶射などの溶射法等を用いて形成される。
補修金属結合層31の成膜性を考慮すると、補修金属結合層31が基体2に対して略直交する方向に成長させることが好ましい。例えば溶射法により補修金属結合層31を形成する場合は、溶射粒子の噴射方向が基体2と略直交するように溶射ノズルが設置される。
補修金属結合層31は、下地金属結合層成膜時と同じ条件で成膜すれば、表面が算術平均粗さRaが6μm以上となる。この場合、大気圧プラズマ溶射法を用いてRa6μm以上の表面を有する補修金属結合層31を形成する条件は、前述の、下地金属結合層成膜時と同じ、以下の条件である。
電圧:60〜65V
電流:500〜550A
粉末供給量:10g/min
溶射距離:150mm
金属成膜31から補修成膜を行う、本実施例2の場合には、基本的に、金属成膜31の表面粗度は算術平均粗さRaが6μm以上となるので、実施例1のような下地金属結合層の施工は不要であるが、セラミック層との境界部付近等の粗度の状態等の改善のため、
局部的に、下地金属結合層を形成しても良い。下地金属結合層は第1実施形態と同じであり、Ra6μm以上の表面を有している。下地金属結合層を設けることにより、補修金属結合層31と補修セラミックス層30との密着性が向上する。
補修金属結合層31は、金属結合層4と同一高さになるように形成される。このため、膜除去工程で除去された金属結合層4の厚さを考慮して、補修金属結合層31の厚さが決定される。
補修金属結合層31上の膜除去部120に、第1実施形態と同様に補修セラミックス層30が形成される。補修工程により、膜除去部120は、補修金属結合層31及び補修セラミックス層30で充填される。補修セラミックス層30の形成条件は、第1実施形態と同様とされる。
補修工程後、マスク23が取り外される。次いで、補修セラミックス層30の表面研磨が実施される。表面研磨により、マスク23で被覆されずに既存のセラミックス層5上に形成された補修セラミックス層30が除去されるとともに、既存のセラミックス層5と補修セラミックス層30の高さが均一化される。
第2実施形態においても、膜除去部120の断面121が5°以上20°以下の緩やかな傾斜になっているので、補修工程において断面121でも良好な成膜角度が維持され、十分な厚さの補修金属結合層31及び補修セラミックス層30が形成される。また、断面121がRa6μm以上の粗面とされている。このため、断面121において既存のセラミックス層5と補修セラミックス層30とが良好に密着する。更に図6で説明したように、第2実施形態でも断面121でのセラミックス層5と補修セラミックス層30とを剥離させる垂直分力が小さくなる。この結果、既存の皮膜と補修皮膜との間での損傷発生を抑制することができる。
<実施例>
IN−738LC(商標名)製の基体上に、CoNiCrAlY合金の金属結合層(膜厚:100μm)、及び、YSZのセラミックス層(膜厚:500μm)が形成された試験片(大きさ:30mm直径×5mm)を準備した。なお、セラミックス層は、大気圧プラズマ溶射を用いて、以下の条件で形成した。
電圧:60〜65V
電流:600A
粉末供給量:60g/min
溶射距離:150mm
(膜除去工程)
図7に示す回転工具(テーパ部の傾斜:10°、平坦部(円形)の直径:10mm)を用い、試験片の金属結合層及びセラミックス層を除去し、基体を露出させた。
(ブラスト処理工程)
膜除去部のセラミックス層に対し、ブラスト材としてアルミナ(80メッシュ)を用い、噴射圧力:0.6MPaの条件でブラスト処理を行った。
ブラスト処理後のセラミックス層における位置が異なる2点の表面算術平均粗さ粗さは、6.6μm、6.3μmであった。
(補修工程)
膜除去部の基体に対し、上記金属結合層と同組成のCoNiCrAlY合金を以下の条件で大気圧プラズマ溶射し、補修金属結合層を形成した。
電圧:60〜65V
電流:540A
粉末供給量:10g/min
溶射距離:150mm
上記補修金属結合層の表面の算術平均粗さを計測した。その結果、7.5μm、6.0μm、6.3μm、6.8μmであった。
補修金属結合層上に、上記セラミックス層と同組成のセラミックスを以下の条件で大気圧プラズマ溶射し、補修セラミックス層を形成した。本条件は、前述のように、通常のセラミック層形成条件に比べ、低粉末量の条件である。
電圧:60〜65V
電流:450〜500A
粉末供給量:6g/min
溶射距離:150mm
<比較例>
比較例でのテーパ部の傾斜は30°として、上述の膜除去工程を行った。補修工程において、本発明で記されているような前処理(界面加工、ブラスト等)を実施せずに、既存のセラミック層と同条件で大気圧プラズマ溶射を行った。
<熱サイクル試験>
実施例及び比較例の試験片に対し、熱サイクル試験を実施した。熱サイクル試験の条件は以下のとおりである。熱サイクル試験により皮膜で剥離が発生するまでの熱サイクル数を計測した。
表面温度:1300℃、1500℃
加熱時間:約3分
冷却時間:約3分
Figure 0006234745
表1の結果から、実施例の補修皮膜は比較例よりも密着性が向上した結果、熱的耐久性が向上し、新旧の皮膜界面での剥離の発生が抑制されることが示された。
1 部材
2 基体
3 皮膜
4 金属結合層
5 セラミックス層
6 亀裂
7 酸化膜
10,110 回転工具
11,111 テーパ部
12,112 平面部
13,113 砥粒
20,120 膜除去部
21,121 断面
22,122 平坦部
30 補修セラミックス層
31 補修金属結合層

Claims (5)

  1. 基体上に金属結合層とセラミックス層とが順に積層された皮膜を有し、前記皮膜の一部分に損傷が発生した部材の皮膜補修方法であって、
    前記損傷が発生した箇所及び前記損傷の近傍の前記セラミックス層が除去され、5°以上20°以下の角度を有するテーパ状の断面を有する膜除去部が形成されて前記金属結合層が露出する膜除去工程と、
    前記断面の前記セラミックス層にブラスト処理が施され、前記断面の前記セラミックス層が算術平均粗さRaが6μm以上の粗面に加工されるブラスト処理工程と、
    前記膜除去部に、前記セラミックス層と同組成の補修セラミックス層が形成される補修工程と、を含む皮膜補修方法。
  2. 基体上に金属結合層とセラミックス層とが順に積層された皮膜を有し、前記皮膜の一部分に損傷が発生した部材の皮膜補修方法であって、
    前記損傷が発生した箇所及び前記損傷の近傍の前記皮膜が除去され、5°以上20°以下の角度を有するテーパ状の断面を有する膜除去部が形成されて前記金属結合層または前記基体が露出する膜除去工程と、
    前記断面の前記皮膜にブラスト処理が施され、前記断面の少なくとも前記セラミックス層が算術平均粗さRaが6μm以上の粗面に加工されるブラスト処理工程と、
    前記膜除去部に、前記金属結合層と同組成の補修金属結合層が形成され、前記補修金属結合層上に前記セラミックス層と同組成の補修セラミックス層が形成される補修工程と、を含む皮膜補修方法。
  3. 前記補修セラミックス層の下地層として、前記金属結合層と同組成であり、算術平均粗さRaが6μm以上の粗面を有する下地金属結合層が形成される下地形成工程を更に含む請求項1または請求項2に記載の皮膜補修方法。
  4. 前記補修金属結合層が、算術平均粗さRaが6μm以上の粗面となるように形成される請求項2に記載の皮膜補修方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法を用いて前記皮膜が補修された部材。
JP2013186404A 2013-09-09 2013-09-09 皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材 Active JP6234745B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013186404A JP6234745B2 (ja) 2013-09-09 2013-09-09 皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013186404A JP6234745B2 (ja) 2013-09-09 2013-09-09 皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015052157A JP2015052157A (ja) 2015-03-19
JP6234745B2 true JP6234745B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=52701375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013186404A Active JP6234745B2 (ja) 2013-09-09 2013-09-09 皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6234745B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118222131A (zh) * 2024-04-19 2024-06-21 陕西华秦科技实业股份有限公司 一种用于外场修复高温陶瓷吸波涂层的涂料及其制备方法、修复方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5528754Y2 (ja) * 1975-11-22 1980-07-09
JPH01188657A (ja) * 1987-09-07 1989-07-27 Yamada Kinzoku Boshoku Kk グラスライニング機器の補修方法
JP3839939B2 (ja) * 1997-11-19 2006-11-01 株式会社東芝 コーティング端部構造
US6413578B1 (en) * 2000-10-12 2002-07-02 General Electric Company Method for repairing a thermal barrier coating and repaired coating formed thereby
JP3905724B2 (ja) * 2001-06-13 2007-04-18 三菱重工業株式会社 Ni基合金製部品の補修方法
JP4000075B2 (ja) * 2003-02-27 2007-10-31 株式会社東芝 ロータの補修方法
US6875464B2 (en) * 2003-04-22 2005-04-05 General Electric Company In-situ method and composition for repairing a thermal barrier coating
US20050163921A1 (en) * 2004-01-23 2005-07-28 The Boeing Company Method of repairing a workpiece
EP1591561A1 (de) * 2004-04-28 2005-11-02 ALSTOM (Switzerland) Ltd Verfahren zum Aufbringen einer schützenden Beschichtung auf ein thermisch beanspruchtes Bauteil
JP5574683B2 (ja) * 2009-11-30 2014-08-20 三菱重工業株式会社 補修方法およびそれにより補修されたガスタービンの耐熱部材
JP5769447B2 (ja) * 2011-02-28 2015-08-26 三菱重工業株式会社 遮熱コーティングの部分補修方法
JP5705627B2 (ja) * 2011-04-18 2015-04-22 三菱重工業株式会社 耐熱部材の補修方法、補修耐熱部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015052157A (ja) 2015-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9511436B2 (en) Composite composition for turbine blade tips, related articles, and methods
US20140263579A1 (en) Method and apparatus for fabrication and repair of thermal barriers
CN105443165B (zh) 可磨耗密封件及用于形成可磨耗密封件的方法
US20120084981A1 (en) Method of working cooling hole of turbine blade
US9021696B2 (en) Method for producing a plating of a vane tip and correspondingly produced vanes and gas turbines
JP2006207030A (ja) 超合金部品の補修及び再分類
US20160281204A1 (en) Thermal barrier coating repair
US20160199930A1 (en) Combined braze and coating method for fabrication and repair of mechanical components
CN108118190A (zh) 一种抗环境沉积物腐蚀热障涂层及其制备方法
CN104451675B (zh) 高抗热震性陶瓷封严涂层的制备方法
CN1932081A (zh) 修复涡轮机部件的方法
US20140193664A1 (en) Recoating process and recoated turbine blade
CN111902560A (zh) 热障涂层、涡轮构件、燃气轮机以及热障涂层的制造方法
JP6234745B2 (ja) 皮膜補修方法及びこれを用いて皮膜が補修された部材
JP2015113255A (ja) コーティング構造、タービン部材、ガスタービン、及びコーティング構造の製造方法
CN105463382B (zh) 一种提高TiAl合金氧化抗力的涂层及其制备方法
CN108715987A (zh) 一种提高热障涂层结合强度的方法
JP6234746B2 (ja) 皮膜補修方法
JP7030106B2 (ja) タービンエンジン部品の金属基板上の熱バリアシステムを生成するための方法
JP5574757B2 (ja) 遮熱コーティング部材の製造方法
JP5574683B2 (ja) 補修方法およびそれにより補修されたガスタービンの耐熱部材
CN114196948A (zh) 航空发动机高温合金上高温防护涂层的加工方法
EP2905426A1 (en) Component with an abradable coating and a method for coating the abradable coating
KR101451909B1 (ko) 계면 안정성을 갖는 두꺼운 열차폐 코팅층 및 이에 대한 제조방법
US20150004308A1 (en) Method for creating a textured bond coat surface

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6234745

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150