JP6065612B2 - シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、加工装置およびシミュレータ - Google Patents

シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、加工装置およびシミュレータ Download PDF

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Description

本開示は、被加工体の加工状態を予測するためのシミュレーション方法およびシミュレーションプログラム、ならびに、そのシミュレーション方法を利用した加工装置およびシミュレータに関する。
半導体加工の予測技術として、加工形状(エッチングまたはデポジッション)シミュレーションがある。このシミュレーションには、大きく分けて2つのモデルが知られている。1つはStringモデル、もう1つはVoxelモデルである。Stringモデルはフラックス法ベースのモデルであり、形状表面に格子点を複数配置し、各格子点で表面反応を数値的に解いて反応速度(エッチレートまたはデポジッションレート)を導出する。さらに法線方向へ反応速度分だけ格子点の座標を移動させ、各格子点を線(String)でつなぎ合わせることで加工形状進展を表現するモデルである。加工形状進展の際に必要とする表面における法線は、隣同士の格子点の位置情報を用いて導出されるため、導出方法は容易である反面、その導出方法の持つ特徴のために、急峻な形状変化の追従性が悪い(Stringがクロスしてしまう)。
一方、Voxelモデルでは、配置したVoxelが存在するかしないかを判定して形状を表現するため、マイクロトレンチなどの複雑な形状の再現性はStringモデルと比較して良い。一般的に、Voxelモデルはモンテカルロ法を用いた計算手法であるため、パターン内のイオンやラジカルといったガス輸送、表面でのミクロな物理現象・化学反応を模擬しやすい。しかしながら、モンテカルロ法を用いた計算手法であるがゆえに計算負荷が大きいこと、計算精度と計算負荷がトレードオフであること、Voxelで形状を表現するために表面が凸凹した領域からVoxelの位置情報を用いて法線を導出する方法が複雑で難しい、といった原理的な問題がある。
これらの改良版の計算手法として、フラックス法ベースのVoxelモデル(TIGER:Topography Image GEneration Routine)が提唱されている(特許文献1,2および非特許文献1参照)。この計算手法はガス輸送および表面反応がフラックス法ベースであり、かつ、加工表面上の法線を導出しない近似手法であるために、モンテカルロ法ベースのVoxelモデルよりも計算が高速である。また、Voxelの各面に垂直に入射するガスフラックスを用いてUnifiedモデルと呼ばれる簡易的な表面反応から反応速度(エッチレートまたはデポジッションレート)を計算して、形状を表現する。その際、その反応速度で規定される楕円球を与え、その楕円球領域内のVoxelを取り除く(エッチング)、または追加する(デポジッション)。このため、単純なVoxelモデルよりも表面が滑らかで安定な形状再現が実現されている。
特許第3188926号公報 特許第2687270号公報
IEEE TRANSACTIONS ON COMPUTER-AIDED DESIGN OF INTEGRATED CIRCUITS AND SYSTEMS.VOL.16,NO.4,1997
しかしながら、フラックス法ベースのVoxelモデルによる計算手法であっても、例えば深い形状の計算を行う場合等、計算状況によっては計算精度が悪くなり、計算負荷も大きくなるといった問題がある。また、これまでのVoxelモデルでは、Voxelはそこに存在するかしないかだけの存在情報しか有しておらず、Voxel自体にダメージ(例えば被加工膜の結晶欠陥)という概念がない。そのため、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイスやイメージセンサにおける電気特性評価への応用範囲も限られてしまう。
現在、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)が示すように、CMOSデバイスの微細化がますます進み、加工形状スケールとダメージ分布のスケールがほぼ等しい世代に突入してきている。また、例えばCMOSイメージセンサの製造には、プロセス的にいかに加工ダメージを抑えるかが重要なキーになっている。そのため、計算精度が良くかつ計算負荷が小さく、さらには、形状のみならず加工の際に引き起こされデバイス電気特性に大きな影響を与えると考えられているダメージ分布までも定量予測・制御できる新しい計算技術が求められている。
本開示の目的は、計算精度が良く、かつ計算負荷の小さい加工予測を行うことが可能なシミュレーション方法およびシミュレーションプログラム、ならびに加工装置およびシミュレータを提供することにある。
本開示によるシミュレーション方法は、所定の加工処理の対象となる被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、複数の入射フラックスについての複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と、Voxel空間を生成して被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、法線ベクトルに基づいて、複数の入射フラックスによって被加工体に発生するダメージを求め、求められたダメージを複数のVoxelに割り当てる処理とを含む計算を情報処理装置によって行うものである。
本開示によるシミュレーションプログラムは、所定の加工処理の対象となる被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、複数の入射フラックスについての複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と、Voxel空間を生成して被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、法線ベクトルに基づいて、複数の入射フラックスによって被加工体に発生するダメージを求め、求められたダメージを複数のVoxelに割り当てる処理とを含む計算を情報処理装置に実行させるものである。
本開示による加工装置は、被加工体に対して所定の加工処理を行う加工部と、所定の加工処理をシミュレーションするシミュレータとを備え、シミュレータが、被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、複数の入射フラックスについての複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と、Voxel空間を生成して被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、法線ベクトルに基づいて、複数の入射フラックスによって被加工体に発生するダメージを求め、求められたダメージを複数のVoxelに割り当てる処理とを含む計算を行うものである。
本開示によるシミュレータは、被加工体に対する所定の加工処理をシミュレーションする演算部を備えたものである。演算部は、被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、複数の入射フラックスについての複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と、Voxel空間を生成して被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、法線ベクトルに基づいて、複数の入射フラックスによって被加工体に発生するダメージを求め、求められたダメージを複数のVoxelに割り当てる処理とを含む計算を行う。
本開示によるシミュレーション方法、シミュレーションプログラム、加工装置またはシミュレータでは、複数の入射フラックスについての複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせ、さらに、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルが算出される。
本開示のシミュレーション方法、シミュレーションプログラム、加工装置またはシミュレータによれば、被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを適切に算出する処理を含むので、計算精度が良く、かつ計算負荷の小さい加工予測を行うことが可能となる。
本開示の第1の実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示す流れ図である。 第1の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いたシミュレータの一構成例を示すブロック図である。 法線ベクトル算出の計算モデルの一例を示す説明図である。 ダメージの計算モデルの一例を示す説明図である。 2つの法線ベクトルに基づいて、2つの法線ベクトルに重複して存在するVoxelにダメージを割り当てる例を示す説明図である。 2つの法線ベクトルに基づいて、2つの法線ベクトルの範囲外に存在するVoxelにダメージを割り当てる例を示す説明図である。 Voxelサイズの最適化についての説明図である。 第1の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第1の計算例を示す説明図である。 第1の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第2の計算例を示す説明図である。 第1の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第3の計算例を示す説明図である。 第1の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第4の計算例を示す説明図である。 第1の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第4の計算例を示す説明図である。 第2の実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示す説明図である。 第2の実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示す流れ図である。 第3の実施の形態に係るシミュレーションソフトウェア(プログラム)の一構成例を示すブロック図である。 第4の実施の形態に係る加工装置の一構成例を示すブロック図である。 第5の実施の形態に係る加工装置の一構成例を示すブロック図である。 第6の実施の形態に係るシミュレーション方法を実現するための演算部の構成例を示すブロック図である。 比較例に係るシミュレーション方法による形状進展の概念を示す説明図である。 第6の実施の形態に係るシミュレーション方法による形状進展の概念を示す説明図である。 第6の実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示す流れ図である。 第6の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第1の計算例を示す断面図である。 第6の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第2の計算例を示す説明図である。 第6の実施の形態に係るシミュレーション方法の他の例を示す流れ図である。 イオンのエネルギー分布および角度分布を示す説明図である。 第7の実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示す流れ図である。 スラブモデルの一例を示す断面図である。 イオンエネルギー分布の変動の概念を示す説明図である。 イオン角度分布の変動の概念を示す説明図である。 第7の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第1の計算例を示す説明図である。 第7の実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた第2の計算例を示す断面図である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
1−1.シミュレーション方法の第1の例
1−2.第1の計算例
1−3.第2の計算例
1−4.第3の計算例
1−5.第4の計算例
2.第2の実施の形態
シミュレーション方法の第2の例(Stringモデルを用いる方法の例)
3.第3の実施の形態
シミュレーションソフトウェア(プログラム)の構成例
4.第4の実施の形態
加工装置の第1の構成例
5.第5の実施の形態
加工装置の第2の構成例
6.第6の実施の形態
6−1.シミュレーション方法の第3の例(エッチング量の積算を行う方法の例)
6−2.第1の計算例
6−3.第2の計算例
6−4.シミュレーションソフトウェア(プログラム)の構成例
6−5.加工装置の第1の構成例
6−6.加工装置の第2の構成例
7.第7の実施の形態
7−1.シミュレーション方法の第4の例(IEDF,IADEの変動を考慮した計算方法の例)
7−2.第1の計算例
7−3.第2の計算例
7−4.シミュレーションソフトウェア(プログラム)の構成例
7−5.加工装置の第1の構成例
7−6.加工装置の第2の構成例
8.その他の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[1−1.シミュレーション方法の第1の例]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示している。図2は、このシミュレーション方法を実現するための情報処理装置(シミュレータ)の一構成例を示している。
(シミュレータの構成)
図2に示したシミュレータは、入力部11と、演算部12と、出力部14とを備えている。入力部11は、被加工体に対して所定の加工処理を行う際の加工条件を取得して演算部12に入力するものである。演算部12は、形状・ダメージ演算部13を有している。形状・ダメージ演算部13では、入力部11を介して入力された加工条件に基づいて、後述する図1に示したシミュレーション方法によって、被加工体の形状進展やダメージの計算を行う。
なお、本実施の形態では、形状・ダメージ演算部13をハードウェアで構成して後述する計算処理を実現してもよいが、所定のシミュレーションプログラム(ソフトウェア)を用いて計算処理を実行してもよい。この場合、形状・ダメージ演算部13を、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置で構成し、シミュレーションプログラムを外部から読み込み、そのプログラムを実行することにより計算を実行する。
シミュレーションプログラムは、例えば、図示しないデータベースや、別途設けられる例えばROM(Read Only Memory)等の記憶部などに格納することができる。この際、シミュレーションプログラムを、例えばデータベースや別途設けられた記憶部等に予め実装した構成にしてもよいし、外部から例えばデータベースや別途設けられた記憶部等に実装する構成にしてもよい。なお、外部からシミュレーションプログラムを取得する場合には、シミュレーションプログラムを、光ディスクや半導体メモリなどの媒体から配布するようにしてもよいし、インターネットなどの伝送手段を介してダウンロードするようにしてもよい。
出力部14は、演算部12によって計算された所定の加工処理のシミュレーション結果を出力するものである。なお、この際、出力部14は、加工処理のシミュレーション結果と共に、例えば、演算に用いた加工処理条件およびパラメータ等の情報も出力してもよい。出力部14は、例えば、シミュレーション結果を表示する表示装置、シミュレーション結果を印刷して出力する印刷装置、シミュレーション結果を記録する記録装置等の装置のいずれか、または、これらの装置を適宜組み合わせて構成される。なお、本実施の形態では、シミュレータが出力部14を備える例を説明するが、本技術はこれに限定されず、出力部14がシミュレータの外部に設けられていてもよい。
このシミュレータはさらに、形状・ダメージ演算部13における計算処理に必要となる各種パラメータを記憶するデータベース部を備えていても良い。また、このようなデータベース部を、シミュレータの外部に設けても良い。なお、計算処理に必要となる各種パラメータを外部から随時入力する場合には、データベース部を設けなくてもよい。
(シミュレーション方法の詳細)
以下、所定の加工処理として半導体加工のための処理を行う場合を例に説明する。
半導体加工の予測技術として、フラックス法ベースのVoxelモデルがある。この計算手法では、cos則に基づく簡易的な表面反応を用いているが、一方で、例えば文献A「N.Kuboi, T.Tatsumi, S.Kobayashi, J.Komachi, M.Fukasawa, T.Kinoshita, and H.Ansai: "Numerical Simulation Method for Plasma-Induced Damage Profile in SiO2 Etching", Japanese journal of applied physics : Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 116501 」には、表面から法線方向への深さ方向までも考慮したより現実的な表面反応モデルが提案されている。このような深さ方向を考慮した現実的な表面反応モデルを導入する場合(これは、コンタクトホールやSi貫通ビアなど加工表面における反応堆積物が厚い状況での加工の場合に非常に重要となる)、計算精度と計算負荷の点で大きな問題が生じる。具体的には、以下が挙げられる。
TIGERでは、Voxelの各面に入射してくるガスフラックスの垂直成分を用いてVoxelの6面(3次元空間の場合)に対してUnifiedモデルと呼ばれる簡易反応モデルを解くことで反応速度(エッチレート、またはデポジッションレート)を計算している。表面反応をより詳細化・現実化させようとすると、表面に配置されているVoxel1つに対して最大で5回同一の表面反応モデルを解くことになり、計算負荷が大きく増大してしまう。また、法線を導出することなくVoxel面と水平な入射フラックス成分情報を捨ててしまっており、反応速度の計算精度が良くない。
また、一般にVoxelモデルでは、計算領域内に配置するVoxelは立方体であり、特に深い形状、例えば、コンタクトホールやSi貫通ビアなどμmオーダーの膜厚の厚い加工の計算に対して、非常に多くのメモリを必要とする。
以上述べたように、計算状況によって、TIGERでも計算精度が良くなく計算負荷も大きくなるといった問題がある。さらに、従来のVoxelはそこに存在するかしないかだけの存在情報しか有しておらず、Voxel自体にダメージ(例えば被加工膜の結晶欠陥)という概念がない。そのため、CMOSデバイスやイメージセンサにおける電気特性評価への応用範囲も限られてしまう。
上記の問題は、以下で述べるシミュレーション方法によって解決される。本実施の形態に係るシミュレーション方法は、以下の(i),(ii),(iii)の計算処理を含んでいる。
(i)Voxel重心(i,j)へ入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する単位ベクトル方向に成分分解する。複数の入射フラックスについての複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる。各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する。
(ii)Voxelには空間位置情報に加えて、後述する付加方法に従ってダメージ情報も持たせる。
(iii)計算冒頭で導出される反応速度を用いて、以後の形状・ダメージ計算に使用されるVoxelサイズを最適化する。
(i),(ii),(iii)の計算処理について詳しく述べる前に、まず、本実施の形態に係るシミュレーション方法の全体の計算処理の流れを、図1に従って説明する。なお、本実施の形態では、図3〜図7に示したようなVoxel空間モデルを用いた計算処理の例を説明する。図3〜図7において、ハッチングされた領域が被加工体60を表す。また、複数の四角形状の一つ一つがVoxelを表す。
形状・ダメージ演算部13では、入力部11を介して初期条件(レシピ条件、装置条件、パターン構造、計算用パラメータ)を取得(ステップS1)し、t=0での被加工体60の表面に入射する初期フラックスを計算する(ステップS2)。初期フラックスの計算では、表面の法線ベクトルは全てのVoxelに対して、表面と垂直方向である。これらを用いて深さ方向を考慮した表面反応モデル(例えば上記文献Aに記載の表面反応モデル。ただし、このモデルに限らない)を解くことで、t=0での反応速度(エッチレートまたはデポジッションレート)を計算する(ステップS3)。その値を用いて、(iii)の計算処理によるVoxelサイズの最適化を行う(ステップS4)。次に、導出した反応速度で形状進展(t→t+dt)させ、Voxelの除去や追加を行う(ステップS5)。
さらに、(i)の計算処理によって各Voxelでの入射フラックスから加工表面における法線ベクトルを導出(ステップS6)し、その法線ベクトルと法線方向の総フラックス量とを用いて深さ方向を考慮した表面反応モデルから反応速度およびダメージ量を計算する(ステップS7)。次に、(ii)の計算処理によってVoxelへのダメージの割り当て(ステップS8)、さらには形状進展を行う。形状進展の時間(t→t+dt)が終了時間になった場合(ステップS9;Y)には、処理を終了する。終了時間に到達していない場合(ステップS9;N)には、反応速度が大きく変化したか否かを判断(ステップS10)し、反応速度が大きく変化した場合(ステップS10;Y)には、ステップS4の処理に進む。反応速度が大きく変化していない場合(ステップS10;N)には、ステップS5の処理に進む。このように、形状進展の終了時間になるまで計算を繰り返していく。なお、形状進展については、TIGERモデルや従来のCell−removableモデルなど、種類を問わない。
以下、(i),(ii),(iii)の計算処理について詳しく述べる。便宜上、以下では2次元計算を想定した説明を基本にするが、3次元計算への拡張は容易である。
(i)入射フラックスを用いた法線ベクトルの計算
図3に示したように、被加工体60の表面に配置されているあるVoxelに着目した場合、そのVoxelの重心(i,j)に入射してくるガスフラックスを考える。パターン直上から直接入射してくるフラックス成分のみを考えても良いし、それに加えて、例えばパターン側壁から再放出されて間接的に入射してくるフラックス成分まで考えても良い。さらに、ウェハ開口率、チップ内開口率、局所的なパターン構造の寄与までも考えても良い。この際、ある角度方向iで入射してきたフラックスベクトルΓ(i)を図3のような互いに直交する単位ベクトル成分exとey(なお、3次元であれば、ex,ey,ez)方向に分離する。その他の角度方向から入射してくるフラックスにもある角度ステップごとに同様な作業を行い、exとey成分ごとに足し合わせる。最後に、ex方向とey方向のフラックス成分の線形合成を行い(数式1)、その合成ベクトルΓavgの方向を法線方向と定義し、合成ベクトルΓ avg 法線ベクトルとする。また、絶対値|Γavg|をそのVoxelへの総フラックス量とする。
Figure 0006065612
この法線ベクトルΓavgを用いて、深さ方向を考慮した表面反応モデル(例えば上記文献Aに記載の表面反応モデル。ただし、このモデルに限らない)を解くことで、反応速度(エッチレート、またはデポジッションレート)およびダメージを算出する。
(ii)ダメージ値のVoxelへの割り当て
Voxel重心(i,j)からの距離Rの関数であるダメージDa(i,j,R)は、深さ方向を考慮した表面反応モデル(例えば上記文献Aに記載の表面反応モデル)を解くことで得られるダングリングボンド率θ(i,j,R)を用いて、数式2のように表現できる。
Figure 0006065612
ここで、VvoxelはVoxelの体積、ρは被エッチング膜の密度である。ただし、θ(R)を与えられる表面反応モデルであれば、上記表面反応モデルに限らない。図4に示すように、ダメージを割り当てるVoxel重心(i’,j’)から法線ベクトルに落とした交点とVoxel重心(i,j)までの距離Rに応じて、上記Da値を、法線方向と垂直にある幅(幅はパラメータ化しておく)を持たせた範囲内(図中、点線で囲まれた領域)に割り当てていく。
このようにダメージを割り当てる場合において、図5および図6のようなケースが考えられる。図5および図6では、法線ベクトルが、被加工体60の表面の2つの隣接する第1の位置(i,j)1と第2の位置(i,j)2とについて算出されている。すなわち、第1の位置(i,j)1における第1の法線ベクトルと、第2の位置(i,j)2における第2の法線ベクトルとが算出されている。この場合、第1の法線ベクトルに所定の幅を持たせた第1の範囲内にのみ存在するVoxelには、第1の法線ベクトルに基づく第1のダメージDa1を割り当てる。また、第2の法線ベクトルに所定の幅を持たせた第2の範囲内にのみ存在するVoxelには、第2の法線ベクトルに基づく第2のダメージDa2を割り当てる。
さらに、第1の範囲と第2の範囲との双方に重複して存在するVoxelがある場合(図5)と、第1の範囲と第2の範囲との双方の範囲外に存在するVoxelがある場合(図6)とで、以下のようにダメージの割り当てを行う。
(1)重複して存在するVoxelがある場合(図5)
(a)単純に2ダメージ値(Da1,Da2)を足し合わせる。
(b)該当Voxelの重心(i’,j’)までの距離が近い方のダメージ値(Da1 or Da2)を割り当てる。
(c)2つの範囲と該当Voxelの重なり面積(3次元では体積)の割合で足し合わせる(数式3)。
Figure 0006065612
(d) 該当Voxelの重心(i’,j’)までの各距離(L1,L2)の逆比例配分として割り当てる(数式4)。
Figure 0006065612
(2)範囲外に存在するVoxelがある場合(図6)
(a)該当Voxelの重心(i’,j’)までの距離が近い方のダメージ値(Da1 or Da2)を割り当てる。
(b)2つのダメージを補間演算によって割り当てる。例えば、該当Voxelの重心(i’,j’)までの各距離(L1,L2)の逆比例配分として割り当てる(数式5)。
Figure 0006065612
初期条件入力時に、割り当て範囲の幅パラメータと上記(1)の(a)〜(d)のいずれか、または上記(2)の(a),(b)のいずれかの割り当て方法を設定しておき、シミュレーション時には、設定された方法でVoxelにダメージ情報を付加する。
(iii)Voxelサイズの最適化
例えば図7に示したように、初期のVoxelサイズ(dx0,dy0)は初期パラメータとして設定しておく。例えば、dx0=1nm,dy0=1nmである。その後、時間t=0ステップにおいて、(i)で導出した法線ベクトルおよび法線方向の総フラックス量を用いて表面反応モデルを解く。導出された単位ベクトル成分exおよびey方向の反応速度(エッチレートまたはデポジッションレート)ERx,ERyを基にVoxelサイズの修正パラメータrxとryを数式6および数式7によって導出する。これは、時間ステップ(dt)でエッチング(またはデポジッション)される程度の大きさにVoxelサイズが最適化されることを意味する(図7)。
Figure 0006065612
Figure 0006065612
例えば、最適化後の修正パラメータは、rx=1、ry=3である。また、t=0の時は、初期形状表面から深さ方向に数層までのVoxelを設定する。上記Voxelサイズ最適化が完了した時点で、全Voxel用のメモリをプログラム上で確保し、以降、図1のように形状・ダメージ分布計算を行う。形状がステップごとに進展していく際、ステップt+dtでl行m列のVoxelでのエッチレートERlmが大きく変動した場合、例えば、次の数式8の時には、図1のフローのように、再度Voxelサイズの最適化、すなわち、rxとryの再定義を行う。なお、この判定パラメータαは初期条件取得の時にプログラム側に設定される。
Figure 0006065612
以上の本実施の形態に係る計算手法では、あらかじめVoxel空間を生成し、そのVoxelを用いて形状進展およびダメージ分布の計算を行う。ただし、Stringモデルのような、最初からVoxelの概念を持たない場合でも、本実施の形態に係る計算手法を応用することが可能である。すなわち、格子点が形成する加工表面付近に新たなVoxel空間を付随させ、そのVoxel空間にダメージを(ii)の方法によって割り当てることでダメージ分布を表現することを特徴とするStringとVoxelのハイブリッドモデルである。これについては、第2の実施の形態(図13、図14)で説明する。
また、本実施の形態に係る計算手法は、エッチングに限らず、CVD(Chemical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor Deposition)など、プラズマを用いた加工プロセスであれば広く適用できるものである。また形状進展モデルの種類は問わない。
(i),(ii),(iii)を特徴とする形状・ダメージ分布計算を具備したシミュレーションソフトならびに加工装置(シミュレーション結果の可視化、プロセス制御への自動フィードバック機能を有する)については、後述の第3ないし第5の実施の形態(図15〜図17)において詳細に説明する。
[効果]
以上説明した本実施の形態に係るシミュレーション方法を用いることにより、以下のような効果が得られる。
(1)隣接するVoxelの位置情報を基に表面の法線ベクトルを導出する従来のVoxelモデルよりも精度良く法線ベクトルを導出することが可能になり、高精度・高速で反応速度(エッチレート、デポジッションレート)、形状、ダメージ分布の計算が実現できる。
(2)Voxelにダメージ情報までも付加できるので、ダメージ分布の可視化・ダメージ低減可能なプロセス条件をVoxelモデルで詳細にシミュレーション予測することができる。そのため、デバイス電気特性に対するプロセス条件影響をこれまで以上に多角的に予測・解析することが可能となる。
(3)反応速度を反映したVoxelサイズの最適化を行うので、従来のVoxelモデルよりも低計算負荷での形状さらにはダメージ分布の予測が可能となる。
(4)形状・ダメージシミュレーションの加工装置への実装、およびこれを用いたin−situプロセス制御も、高い精度でプロセス制御が可能になる(後述の第4、第5の実施の形態参照)。
(5)形状・ダメージ分布シミュレーション結果を確認しながら加工を行うことが可能になり、プロセス条件構築の短TAT(Turn-around Time)化が期待される(後述の第4の実施の形態参照)。
(6)高精度シミュレーション予測で得られたプロセス補正値を逐次加工条件にフィードバックすることが可能になるために、高精度加工・低ダメージ加工、歩留まり向上が期待される(後述の第5の実施の形態参照)。
次に、本実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた実際の計算例を説明する。
[1−2.第1の計算例](Voxelモデルにおける法線ベクトルΓavgの導出)
図8に本計算例を示す。図8は、CCP(Capacitively Coupled Plasma)ドライエッチング装置を用いたSiO2膜の2次元コンタクトホールエッチングである。ホール径が200nmで膜厚が400nmのレジストマスク、Voxelのサイズは3nm×3nmであり、以下のプロセス条件を用いた。
・プロセス条件
ガス種と流量:C48/O2/Ar=11/8/400sccm
圧力:30mTorr
Vpp=1450V
ウェハ温度:30℃
このときにOES(Optical Emission Spectroscopy)、QMS(Quadrupole Mass Spectroscopy)、IRLAS(Infrared-diode Laser Absorption Spectroscopy)を用いたプラズマモニタリングで得られたチャンバ内のガスフラックスデータおよび上記プロセス条件を用いて、図8の時、ホール加工底部および側壁のVoxelに入射するイオン(CF+,CF3 +,CF2 +,C24 +,F+,Ar+)およびラジカル(CF2,CF,F,CF3,O)のフラックスベクトルから上記(i)の計算処理を用いて2次元空間での法線ベクトルΓavgを導出した。直接入射してくるフラックス成分のみを考慮し、トレース角度ステップを1度として、注目するVoxelからパターン間口を見込む範囲Φ(図8)で導出した。導出された法線ベクトルΓavgは、2次元Stringモデルで得られる法線ベクトル(隣接2格子点の位置情報から導出)と一致した。
[1−3.第2の計算例](第1の計算例に深さ方向を考慮した表面反応モデルを用いた形状シミュレーション)
図9に本計算例を示す。ホール径が200nmと900nmで膜厚が400nmのレジストマスク初期パターンに対して、第1の計算例と同様のプロセス条件(ただし、エッチング時間は160秒)を用いて加工シミュレーションを行った。第1の計算例で得られた法線ベクトルΓavgおよびその方向へのフラックス量を用いて、深さ方向を考慮した表面反応モデル(例えば上記文献Aに記載の表面反応モデル)を用いて、各Voxelでの反応堆積物の膜厚とエッチレートを算出し、形状進展を計算した。なお、入射イオンについては、直接入射だけを考慮した(パターン表面での散乱の効果は無視)。図9で示しているとおり、断面SEM(Scanning Electron Microscope)でみられる加工深さや形状を再現することができた。
[1−4.第3の計算例](Voxelサイズの最適化)
図10に本計算例を示す。図10では初期のVoxel61と、この初期のVoxel61を最適化した後のVoxel62の計算結果を示している。上記第1の計算例のプロセス条件でのコンタクトホール加工を想定する。Voxelサイズの初期値(dx0,dy0)=(1nm,1nm)である。深さ方向を考慮した表面反応モデル(例えば上記文献Aに記載の表面反応モデル)によって計算冒頭で算出された垂直方向のエッチレートは600nm/min、水平方向のエッチレートは10nm/min、時間ステップdtは0.3秒である。このとき、上記(iii)の計算処理を用いると、ry=3、rx=0.06である。ここで、rxは十分小さいため、メモリ容量の軽減のために、rx=1として、水平方向の積算エッチ量がVoxelの横幅である1nmを超えた時間ステップのときに水平方向のVoxelの除去を行うとした。
[1−5.第4の計算例](2次元ダメージ分布)
図11および図12に本計算例を示す。図11および図12は、Si基板上のSiO2膜にアスペクト比(AR)=1のコンタクトホールを加工する際に、下地Siに加えられるダメージ(Si結晶欠陥)分布をシミュレーションした結果である。図12では、図11に示したコンタクトホール下部の表面領域70を拡大して、時間経過と共にシミュレーション結果を示している。下地のSiにダメージが入った瞬間から3秒間エッチングしたときに相当する。加工条件や法線導出などは上記第1ないし第3の計算例の場合に相当するものである。ダメージの割り当てには、上記(ii)の1(b)を適用した。
<2.第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、あらかじめVoxel空間を生成し、そのVoxelを用いて形状進展およびダメージ分布の計算を行う手法について説明したが、本実施の形態では、計算の初期にはVoxelの概念を持たずにStringモデルによって計算を行う。すなわち、被加工体の表面の形状を複数の格子点を含むStringモデルを用いて表し、Stringモデルによって法線ベクトルに基づく形状進展を行う。その後、Stringモデルによって表された被加工体の表面付近にVoxel空間を生成して複数のVoxelを配置する。そして、法線ベクトルに基づいて、複数の入射フラックスによって被加工体に発生するダメージを求め、求められたダメージを複数のVoxelに割り当てる。
図14は、本実施の形態に係るシミュレーション方法の全体の流れを示している。形状・ダメージ演算部13(図2)では、入力部11を介して初期条件(レシピ条件、装置条件、パターン構造、計算用パラメータ)を取得(ステップS11)し、Stringモデルを用いて、上記第1の実施の形態で説明した上記(i)の計算処理によって入射フラックスから加工表面における法線ベクトルを導出する(ステップS12)。次に、その法線ベクトルと法線方向の総フラックス量とを用いて深さ方向を考慮した表面反応モデル(例えば上記文献Aに記載の表面反応モデル。ただし、このモデルに限らない)から反応速度およびダメージ量を計算する(ステップS13)。次に、導出した反応速度で形状進展(t→t+dt)させ、Stringモデルにおける格子点の移動を行う(ステップS14)。次に、Stringモデルによって表される加工表面付近に新たなVoxel空間を生成(ステップS15)し、そのVoxel空間にダメージを、上記第1の実施の形態で説明した上記(ii)の計算処理によって割り当てる(ステップS16)。形状進展の時間(t→t+dt)が終了時間になった場合(ステップS17;Y)には、処理を終了する。終了時間に到達していない場合(ステップS17;N)には、ステップS12の処理に進む。
図13に、本実施の形態における形状進展の計算モデルの例を示す。形状進展は2次元Stringモデルを用いた。下地93(例えばSi基板)の上に、被加工体92(例えばSiO2膜)とレジスト91とが積層され、コンタクトホールの加工をするモデルの例を示している。法線ベクトルおよびその方向のフラックスを用いて深さ方向を考慮した表面反応モデル(例えば上記文献Aに記載の表面反応モデル)を解くことで、Stringモデルの各格子点81での反応速度(エッチレートまたはデポジッションレート)およびダメージ値を算出する。次に、格子点81を結んで形成される加工表面82にVoxel空間を付随させる。ここで、Voxel空間(x,y)の大きさは、各格子点81の持つ反応速度の垂直成分ERyの最大値ERy(max)と水平成分ERxの最大値ERx(max)とを検索し、最も深い位置にある格子点からERy(max)×dt×β、最も外側位置にある格子点からERx(max)×dt×βで作られる領域(図13のハッチング領域)をVoxel空間として付随させる。ここで、dtは時間ステップ、βはVoxel空間の規定に関わるパラメータである。ただし、法線方向に対して加工表面より上の空間は無視する。このVoxel空間に、上記第1の実施の形態で説明した上記(ii)の割り当て手法でダメージ分布を表現する。
なお、本実施の形態では形状進展をStringモデルで行うようにしたが、Stringモデルではなく、レベルセット(Level−set)モデルなどで計算するようにしても良い。Level−setモデルでは、解析領域を格子(メッシュ)状に分割し,各格子点(グリッド)で反応過程解析を行い,レベルセット関数を用いて表面形状とその時間変化を計算する。
<3.第3の実施の形態>
次に、本開示の第3の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1または第2の実施の形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態または第2の実施の形態によるシミュレーション方法を適用したシミュレーションソフトウェア(プログラム)の具体例を説明する。図15は、そのシミュレーションソフトウェアの機能構成例を示している。このシミュレーションソフトウェアは、初期条件を入力するためのGUI(Graphical User Interface)21と、演算エンジン部22とを備えている。演算エンジン部22は、初期条件の値を演算エンジン部22に受け渡すための入力部23と、プラズマ状態演算部24と、シース加速演算部25と、開口率演算部26と、形状・ダメージ演算部27と、出力部28と、シミュレーション結果を可視化するためのGUI29とを有している。
このシミュレーションソフトウェアの実行プラットフォームは、例えば、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)、Unix(登録商標)、またはMac(登録商標)のいずれでも良い。また、GUI21,29はOpenGL、Motif、tcl/tkなど構成言語を問わない。演算エンジン部22のプログラミング言語は、C、C++、Fortran、JAVA(登録商標)などその種類を問わない。
GUI21からは、初期条件として、レシピ情報、装置情報、計算用パラメータ、GDS(Graphic Design System)データ、および膜厚情報を入力する。プラズマ状態演算部24では、初期条件を基にバルクプラズマ中での各ガス種(イオンとラジカル)の密度が計算される。シース加速演算部25では、バルクプラズマで生成されたイオンのシース内加速(ラジカルとの衝突も含む)された終状としてのイオンのエネルギー分布(IEDF:Ion Energy Distribution Function)とパターンへの入射角度分布(IADF:Ion Angular Distribution Function)が計算される。これらに対しては実測等から得られるデータベースを用いても良い。
開口率演算部26では、GDSデータと膜厚情報とからウェハ開口率およびSemi−local開口率(チップ内開口率)のフラックスへの影響(互いに線形関係を持つ)を計算する。これらイオンとラジカルの入射フラックスから、形状・ダメージ演算部27において、図1または図14の計算フローに従って形状・ダメージ分布の計算を行う。計算終了後には、出力部28からVoxelの位置情報(線幅、テーパ、マスク残膜などの加工形状情報)、ダメージ分布、反応堆積物(ポリマー、酸化物)膜厚の結果をファイルに出力する。また、GUI29によってこれら結果の可視化を行うこともできる。データ出力や可視化は、計算中にリアルタイムに行われても構わない。
<4.第4の実施の形態>
次に、本開示の第4の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1ないし第3の実施の形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態または第2の実施の形態によるシミュレーション方法を適用した、形状・ダメージ分布のリアルタイム可視化が可能な半導体加工装置の構成例を説明する。図16は、その半導体加工装置の構成例を示している。
この半導体加工装置は、加工チャンバ32と、シミュレーションシステム42と、可視化システム(GUI37)とを備えている。加工チャンバ32はCCPである。ただし、ICP(Inductively Coupled Plasma)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)型、その他のプラズマ生成機構を有するものでもかまわない。
シミュレーションシステム42は、ガス密度・イオンエネルギー演算部43と、開口率演算部44と、形状・ダメージ演算部45と、出力部46とを有している。形状・ダメージ演算部45はさらに、フラックスモジュール、Voxelサイズ最適化モジュール、法線モジュール、エッチレート・ダメージモジュール、形状進展モジュール、およびダメージ割り当てモジュールとを有している。シミュレーションシステム42は、実質的に上記第3の実施の形態における演算エンジン部22(図15)と同様の機能構成を有している。
加工チャンバ32には、シミュレーションに必要な入力データを取得するためのOES33、QMS34、IRLAS35、エネルギースペクトルアナライザ36が実装され、これらによって加工中常時プラズマがモニタリングされている。サンプリング速度は例えば、0.1sである。加工中これらによって取得される情報、さらにはレシピ情報31はシミュレーションシステム42に送られ、ガス密度とイオンエネルギーが計算される。さらに、形状・ダメージ演算部45では、GDS・膜厚情報41を用いて開口率演算部44で算出されるウェハ開口率ならびにSemi−local開口率(チップ内開口率)のフラックスへの寄与(互いに線形関係を持つ)を加味して、図1または図14の計算フローに従った計算を行う。加工中逐次このプロセスを繰り返し、GUI37を用いた可視化システムによってリアルタイムに形状変化とダメージ分布の予測を確認しながら実際の加工を行うことができる。
<5.第5の実施の形態>
次に、本開示の第5の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1ないし第4の実施の形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態または第2の実施の形態によるシミュレーション方法を適用した、シミュレーションに基づくプロセス制御システムを実現した半導体加工装置の構成例を説明する。図17は、その半導体加工装置の構成例を示している。
この半導体加工装置は、加工チャンバ32と、シミュレーションシステム51と、制御システム38と、FDC/EES(Fault Detection and Classification/Equipment Emgineering System)システム39とを備えている。加工チャンバ32はCCPであるが、ICP、ECR型、その他のプラズマ生成機構を有するものでも良い。
シミュレーションシステム51は、ガス密度・イオンエネルギー演算部43と、開口率演算部44と、最適化計算部52と、補正プロセス条件出力部55とを有している。最適化計算部52は、形状演算部53と、ダメージ演算部54とを有している。シミュレーションシステム51は、実質的に上記第3の実施の形態における演算エンジン部22(図15)と同様の機能構成を有している。
加工チャンバ32には、シミュレーションに必要な入力データを取得するためのOES33、QMS34、IRLAS35、エネルギースペクトルアナライザ36が実装され、これらによって加工中常時プラズマがモニタリングされている。サンプリング速度は例えば0.1sである。加工中これらによって取得される情報、さらにはレシピ情報31はシミュレーションシステム51に送られ、ガス密度とイオンエネルギーが計算される。計算時間が実加工時間よりも十分小さければすべてリアクターシミュレーションによって求めても良い。さらに、最適化計算部52では、GDS・膜厚情報41を用いて開口率演算部44で算出されるウェハ開口率ならびにSemi−local開口率(チップ内開口率)のフラックスへの寄与(互いに線形関係を持つ)を加味して、エッチレートおよびダメージ分布を図1または図14の計算フローによって計算する。
形状およびダメージが所望のスペックから外れた場合(例えば、線幅変動値が所望70nmの±10%以上、ダメージ量が所望1011/cm2の50%増加)には、ガス流量、ガス圧力、印加パワー、およびウェハ温度の順にプロセスパラメータを例えば±50%(この判定条件値はパラメータ化)振って図1または図14の計算を行うことで、所望スペック内を達成する補正条件を見つけ出す。その補正条件は補正プロセス条件出力部55を介して制御システム38に引き渡される。制御システム38は加工チャンバ32が補正条件を満たすように制御信号を送信する。加工チャンバ32は、補正条件に該当するパラメータを変更して加工を継続する。もし、シミュレーションでスペックを満たす解が見つからない場合には、アラート信号をFDC/EESシステム39に送り、装置を停止させる。
シミュレーションシステム51の最適化計算部分に関しては、計算時間が実加工時間と同等のスケール以上の場合には、上記のようなオンラインで形状・ダメージの計算を行って最適解を見出すのではなく、様々なプロセス条件に対してあらかじめ形状・ダメージのデータベースを作成しておき、そのデータベースを利用して検索・補間する方法でも構わない。
<6.第6の実施の形態>
次に、本開示の第6の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1ないし第5の実施の形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[6−1.シミュレーション方法の第3の例](エッチング量の積算を行う方法の例)
上述のフラックス法ベースのVoxelモデル(TIGER)の計算手法では、形状進展に際して、形状を安定して除去するよう、最も遅いエッチレートを持つVoxelまでも全て一括除去できるよう計算の冒頭で大きな時間ステップ(例えば、5s)を決定する。これは、一般的なVoxelモデルでも同様である。そのため、表面反応モジュールの時間ステップは形状モジュールの時間ステップと同じ大きな値を使わざるを得ない。
ところが、一般に表面反応現象は形状変化現象に対して極めて短時間に起きるため、時間ステップが大きいとフラックス変動の追従性が悪く、エッチレートの精度が悪化してしまい、その結果、実際の形状やダメージ分布との乖離が大きくなる。また、計算冒頭で時間ステップを大きく設定していても、エッチングが進行していった場合、エッチレートが低下してVoxelを除去できなくなる場合が発生する。一度除去できなかったVoxelは計算終了時まで(同一のプロセスを使用している限り)除去されず、結果、加工形状表面は激しい凹凸構造となってしまう。これらに対してVoxelサイズを小さくして対応しようとすると、特に、コンタクト加工のような高アスペクト比計算などではメモリが膨大となり、Voxelを細かく設定することは現実的ではない。よって、Voxelサイズを小さくすることなく時間ステップのみを小さくしてエッチレートを精度よく導出できるVoxelモデルの新しい形状進展計算手法が望まれている。
上記の問題は、以下で述べるシミュレーション方法によって解決される。
図21は、本実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示している。図19は、比較例に係るシミュレーション方法による形状進展の概念を示している。図20は、本実施の形態に係るシミュレーション方法による形状進展の概念を示している。
図18は、本実施の形態に係るシミュレーション方法を実現するための情報処理装置(シミュレータ)における演算部の一構成例を示している。本実施の形態に係るシミュレータの全体構成は、上述の図2と同様であるが、形状・ダメージ演算部13が図18のように、表面反応モジュール63と、積算モジュール64と、形状・ダメージモジュール65とを有している。
表面反応モジュール63は、例えば上述の文献Aに記載されているような、深さ方向を考慮した表面反応モデル(スラブモデル)を解くことで、反応速度としてのエッチレートERiと、ダメージ量Daiとの計算を行うものである。形状・ダメージモジュール65は、例えば上述の第1の実施の形態と同様のVoxelモデルによる計算手法によって、各Voxelに対する形状進展(Voxelの除去)およびダメージの配分を行う。ただし、本実施の形態では、表面反応モジュール63から導出される各時間ステップでのLocalなエッチレートおよびダメージ量をそのまま形状・ダメージモジュール65に受け渡すのではなく、積算モジュール64に一旦引き渡し、そこでエッチング量とダメージ量を所定の配列に随時積算保持する。そして、エッチング量とVoxelサイズとを常に表面反応モジュール63側の時間ステップで比較しながら、形状・ダメージモジュール65で形状進展およびダメージの配分を実行していく。
なお、本実施の形態に係るシミュレーション方法の最大の特徴は、積算モジュール64でエッチング量およびダメージ量を随時積算保持していく計算部分を含むことにあり、表面反応モジュール63における表面反応モデルは上述のものに限定されない。また、形状・ダメージモジュール65におけるダメージの配分方法等の計算は上述のものに限定されない。以下で説明する表面反応モデルおよびダメージの配分方法等の計算も、あくまで一例である。
以下、さらに図19〜図21を参照しつつ、本実施の形態に係るシミュレーション方法の詳細を説明する。
演算部12(図2)では、入力部11を介して初期条件(レシピ条件、装置条件、パターン構造、計算用パラメータ)を取得(ステップS21)し、被加工体60の表面に入射する初期フラックスを計算する(ステップS22)。また、上記第1の実施の形態で説明した上記(i)の計算処理によって入射フラックスから加工表面における法線ベクトルを導出する(ステップS23)。
表面反応モジュール63では、小さな時間ステップdT(例えば、0.01s)で、表層にある各Voxel(i)でのエッチレートERiとダメージ量Daiとの計算を行う(ステップS24)。表面反応モジュール63は、各Voxel(i)のERi、Dai、dTを積算モジュール64に引き渡す。積算モジュールに64は、エッチング量ERi×dTおよびダメージ量Daiをそれぞれ配列S(i)およびD(i)に積算保持する(ステップS25)。積算モジュール64は、積算保持されたエッチング量:ΣERi×dTを形状・ダメージモジュール65に送り、以下の数式9の条件を満たす時に、対応するVoxel(i)を除去し、ダメージ量を周辺のVoxelに配分する(ステップS26,S27)。
Figure 0006065612
ここで、α(>0)は判定パラメータ(計算冒頭でも計算中でも設定してよい)であり、Lは1つのVoxelのサイズ、mはそれまでの時間ステップ数である。数式9の条件を満たし(ステップS26:Y)、形状・ダメージモジュール65での計算を実行した場合には、配列S(i)の中身をリセットし、エッチング終了時間になった場合(ステップS29:Y)には計算を終了する。エッチング終了時間になっていない場合(ステップS29:N)には、処理を続行する。
一方、数式9の条件を満たさない場合(ステップS26:N)には、配列S(i)のリセット処理と形状・ダメージモジュール65での計算とを行わずに、そのまま次の時間ステップ(T=T+dt)に移り(ステップS28)、積算処理を継続する。
以上説明したように、本実施の形態によるシミュレーション方法では、反応速度としてのエッチレートERiに基づく形状進展の量(エッチング量ERi×dT)とダメージ量Daiとを、積算モジュール64で複数の時間ステップ分、積算する。そして、積算された形状進展の量(ΣERi×dT)に基づいて、形状・ダメージモジュール65で形状進展およびダメージの割り当てがなされる。このような計算方法により、小さい時間ステップ内でエッチング量が積算されていき、被加工体60の表面において除去可能になったVoxelから順に除去されていく(例えば図20のt=3dt→4dt)。この場合において、時間ステップの制限は無い。一方、積算する処理を行わない比較例の計算モデル(図19)では、エッチレートの精度の問題で、除去されるべきVoxelが除去されない場合がある。
なお、本実施の形態に係る計算手法は、エッチングに限らず、CVDやPVDなど、プラズマを用いた加工プロセスであれば広く適用できるものである。上記計算手法を具備したシミュレーションソフトならびに加工装置(シミュレーション結果の可視化、プロセス制御への自動フィードバック機能を有する)については、後に詳述する。
[効果]
以上説明した本実施の形態に係るシミュレーション方法を用いることにより、以下のような効果が得られる。
(1)詳細な表面反応モデルから算出される正確なエッチレートおよびダメージをVoxelモデルに反映させることが可能になるため、より高精度な形状・ダメージ進展を実現できる。
(2)Voxelモデルの形状・ダメージシミュレーションを用いたin−situプロセス制御が高い精度で可能になる(後述の6−5.加工装置の第1の構成例、6−6.加工装置の第2の構成例参照)。
(3)形状・ダメージ分布シミュレーション結果を確認しながら加工を行うことが可能になり、プロセス条件構築の短TAT化が期待される(後述の6−5.加工装置の第1の構成例参照)。
(4)高精度シミュレーション予測で得られたプロセス補正値を逐次加工条件にフィードバックすることが可能になるために、高精度加工・低ダメージ加工、歩留まり向上が期待される(後述の6−6.加工装置の第2の構成例参照)。
[計算例]
次に、本実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた実際の計算例を説明する。
[6−2.第1の計算例](コンタクトホールエッチングの形状・ダメージシミュレーション)
本計算例は、CCPドライエッチング装置を用いたSiO2膜の2次元コンタクトホールエッチングを想定したシミュレーションである。ホール径が200nmで膜厚が400nmのレジストマスク、VoxelのサイズLは3nmであり、以下のエッチングプロセス条件を用いた。
・エッチングプロセス条件
ガス種と流量:C48/O2/Ar=11/8/400sccm
圧力:30mTorr
Vpp=1450V
ウェハ温度:30℃
計算における表面反応の時間ステップは0.01s、α=1である。また、本計算例での計算フローは上述の図21の通りである。ここで、エッチング量積算用の配列はS(i)、ダメージ量積算用の配列はD(i)、時間ステップはdTである。このときOES、QMS、およびIRLASを用いたプラズマモニタリングで得られたチャンバ内のガスフラックスデータおよび上記プロセス条件を用いて、ホール加工底部および側壁のVoxelに入射するイオン(CF+,CF3 +,CF2 +,C24 +,F+,Ar+)およびラジカル(CF2,CF,F,CF3,O)のフラックスベクトルを用いて、例えば上記第1の実施の形態における(i)の計算処理によって法線ベクトルを導出する。その法線ベクトルおよびその方向へのフラックス量を用いて、深さ方向を考慮した表面反応モデルを解き、エッチング時間が160sでのエッチレートおよびダメージ量を計算した。なお、本計算例では、深さ方向を考慮した表面反応モデルとしては、上記文献Aに記載の表面反応モデルを用いたが、エッチレートおよびダメージ量を計算できれば、使用する表面反応モデルはこの限りではない。
底部領域の中心Voxelのエッチレートは600nm/minであり、図18の積算モジュール64による30回の積算を行うことで、1つのVoxelを除去できた。この間、側壁のVoxelは生成したポリマー層と非常に小さいエッチレートのため除去されなかった。図22に示したように、シミュレーションしたホール形状は、同様のプロセス条件を用いた実形状(断面SEM)を再現できた。ダメージ配分に関しては、上記第1の実施の形態における(ii)の計算処理によって行った。
なお、本実施の形態に係るシミュレーション方法に適用されるプロセス条件、ガスフラックス、および被加工膜種は上記のものに限定されない。また、3次元計算でも同様に適用できる。
[6−3.第2の計算例](界面層付近のエッチング(SiO2/Si))
本計算例では、被加工体60が複数の加工層からなる場合の計算例である。一例として、図23に示したように、第1の加工層60Aと第2の加工層60Bとからなる場合の計算例を示す。このように、被加工体60が複数の加工層からなる場合において、形状進展が2以上の加工層に亘るとみなせる領域(界面層付近)では、Voxelのサイズを変更する。なお、以下では、複数の加工層のすべてにおいて、上述の積算モジュールに64による積算処理を行う場合の計算例を説明するが、一部の層にのみ積算処理を行うようにしても良い。例えば、単一の加工層とみなせる領域では積算された形状進展の量ではなく、所定の時間ステップに対応する形状進展の量で通常の形状進展を行い、形状進展が2以上の加工層に亘るとみなせる領域(界面層付近)では、積算された形状進展の量に基づいて形状進展を行うようにしても良い。
本計算例での計算フローを図24に示す。図24におけるステップS31〜S38の処理は、上述の図21におけるステップS21〜S28の処理と同様である。本計算例では、演算部12(図2)において、Voxelのリサイズの判断を行う処理(ステップS39)と、リサイズモジュールでVoxelサイズの再設定を行う処理(ステップS40)とが含まれている。演算部12は、リサイズすべきと判断しなかった場合には、Voxelのサイズを変更せずに処理を続行する。リサイズすべきと判断した場合には、リサイズモジュールでVoxelサイズの再設定を行い(ステップS40)、エッチング終了時間になった場合(ステップS41:Y)には計算を終了する。エッチング終了時間になっていない場合(ステップS41:N)には、次の時間ステップ(T=T+dt)に移り(ステップS38)、処理を継続する。
以下、Voxelのリサイズの具体例を示す。図23は、CCPドライエッチング装置を用いたSiO2/Siの積層膜エッチングを想定したシミュレーションである。SiO2層とSi層のVoxelサイズLは3nmである。また、以下のエッチングプロセス条件を用いた。
・エッチングプロセス条件
ガス種と流量:C48/O2/Ar=6/8/400sccm
圧力:30mTorr
Vpp=1450V
ウェハ温度:30℃
SiO2エッチングが進行していき、最もエッチレートの大きいVoxelの下層に存在するVoxelが1つになったときに、リサイズすべきと判断(図24のステップS39:Y)し、リサイズモジュールにてSi層のVoxelサイズを細かくする(図23)。この時、該当VoxelでのSiO2/Si選択比Sを表面反応計算で算出し、その選択比SでLを割った大きさにSiのVoxelサイズを再設定する。本計算例の場合、選択比Sが3であったので、VoxelはSiO2のそれの1/3の1nmと設定された。このリサイズ処理が行われた状況の元、図24の計算手法でシミュレーションを行った。
なお、本計算例では、Voxelリサイズの判断基準として最もエッチレートの大きいVoxelを用いたが、判断基準は、これに限定されるものではない。また、リサイズは正方形ないしは立方体のみに限らない。
[6−4.シミュレーションソフトウェア(プログラム)の構成例]
本実施の形態によるシミュレーション方法は、例えば上記第3の実施の形態に係るシミュレーションソフトウェア(図15)に適用することが可能である。
すなわち、図15における形状・ダメージ演算部27において、図21または図24の計算フローに従って形状・ダメージ分布の計算を行う。計算終了後には、出力部28からVoxelの位置情報(線幅、テーパ、マスク残膜などの加工形状情報)、ダメージ分布、反応堆積物(ポリマー、酸化物)膜厚の結果をファイルに出力する。また、GUI29によってこれら結果の可視化を行うこともできる。データ出力や可視化は、計算中にリアルタイムに行われても構わない。
[6−5.加工装置の第1の構成例]
本実施の形態によるシミュレーション方法は、例えば上記第4の実施の形態に係る加工装置(図16)に適用することが可能である。
すなわち、図16における形状・ダメージ演算部45において、GDS・膜厚情報41を用いて開口率演算部44で算出されるウェハ開口率ならびにSemi−local開口率(チップ内開口率)のフラックスへの寄与(互いに線形関係を持つ)を加味して、図21または図24の計算フローに従った計算を行う。加工中逐次このプロセスを繰り返し、GUI37を用いた可視化システムによってリアルタイムに形状変化とダメージ分布の予測を確認しながら実際の加工を行うことができる。
[6−6.加工装置の第2の構成例]
本実施の形態によるシミュレーション方法は、例えば上記第5の実施の形態に係る加工装置(図17)に適用することが可能である。
すなわち、図17におけるシミュレーションシステム51において、形状進展およびダメージ分布を図21または図24の計算フローによって計算する。
最適化計算部52では、GDS・膜厚情報41を用いて開口率演算部44で算出されるウェハ開口率ならびにSemi−local開口率(チップ内開口率)のフラックスへの寄与(互いに線形関係を持つ)を加味して、エッチレートおよびダメージ分布を図21または図24の計算フローによって計算する。
形状およびダメージが所望のスペックから外れた場合(例えば、線幅変動値が所望70nmの±10%以上、ダメージ量が所望1011/cm2の50%増加)には、ガス流量、ガス圧力、印加パワー、およびウェハ温度の順にプロセスパラメータを例えば±50%(この判定条件値はパラメータ化)振って図21または図24の計算を行うことで、所望スペック内を達成する補正条件を見つけ出す。その補正条件は補正プロセス条件出力部55を介して制御システム38に引き渡される。制御システム38は加工チャンバ32が補正条件を満たすように制御信号を送信する。加工チャンバ32は、補正条件に該当するパラメータを変更して加工を継続する。もし、シミュレーションでスペックを満たす解が見つからない場合には、アラート信号をFDC/EESシステム39に送り、装置を停止させる。
<7.第7の実施の形態>
次に、本開示の第7の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1ないし第6の実施の形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[7−1.シミュレーション方法の第4の例](IEDF,IADEの変動を考慮した計算方法の例)
一般的に、半導体加工の形状シミュレーションでは、プラズマで生成されるイオンおよびラジカルのパターンへの入射フラックスを用いて表面反応を解くことで、エッチレートを算出する。よって高精度形状予測には、高精度なエッチレート計算技術が必須となるが、その際、いかに入射するイオンのイオンエネルギー分布(IEDF:Ion Energy Distribution Function)とイオン角度分布(IADF:Ion Angular Distribution Function)を高速・高精度モデル化して計算に取り込むかがキーとなる。図25に、被加工体60の表面に入射するイオン74によるイオンエネルギー分布およびイオン角度分布の例を示す。イオン74はシース領域(高周波電界が印加された領域)を通過する際に、周囲のラジカル粒子との衝突と印加バイアスによる加速を繰り返しながら、加工パターンへ入射してくる。その際、シース直後では、イオンフラックスは図25のようなエネルギーと角度における3次元空間分布を持つことが知られている。
イオンフラックスの高エネルギー成分は、入射角度分布が狭いために、主に形状の底の部分に寄与する成分である。また、低エネルギー成分は、入射角度分布が広いために、主に形状の側壁部分に寄与する。よって、加工形状さらにはイオン74によるダメージ分布の高精度予測を行う上で、これらイオンエネルギー分布およびイオン角度分布、さらには、加工中でのこれらの変動を考慮することが非常に重要となる。
表面反応に用いるイオンエネルギー分布およびイオン角度分布のモデル化に関しては、例えば文献B(特開2004−266098号公報)に記載されている技術がある。この文献Bの技術では、まず、形状計算の冒頭でイオンエネルギー分布に関するエネルギー積分を先に行ってしまい(加工中において、加工表面上に生成されるデポジッション膜の増加に伴う入射イオンエネルギーの減少を無視したモデル)、純粋にパターン間口を見込む角度θのみの関数としておく。加工が進むにつれて、形状が変化していく、すなわち、θが変化することによる入射角度分布の変動を考慮してエッチレート計算を実行する。これにより、計算の高速化を実現している。
しかし、上記文献Bの技術では、計算の冒頭でエネルギー積分されたイオンフラックスを用いる手法であるため、加工の間に入射ガスフラックスが大きく異なってくる高アスペクト比パターンの加工や、表面に形成されるデポジッション膜(ポリマーないしは酸化物)の厚さがエッチング中変化するような加工プロセスへの適用には不向きである。エッチレートを過剰に見積もってしまい、形状予測精度が大きく落ちてしまう場合があるからである。
また、加工表面のデポジッション膜中、さらには、その下の反応層にイオンが侵入する際、周囲の原子との散乱によって、数百eVものイオンのエネルギーは失われてしまう。そのようなイオンエネルギー分布の深さ方向変化に伴い、イオン角度分布も大きく変化していくはずである。しかしながら、上記文献Bではその効果も無視しており、正確なエッチレートひいては形状予測が難しいといった問題がある。
近年のデバイス高機能化に伴うパターンの微細化によって、基板への低ダメージ化やnmレベルでの正確な加工形状予測技術が必須となってきており、3次元の形状・ダメージシミュレーション技術に注目が集まっている。そういう状況の中、パターン加工中、随時、高速・高精度にイオンエネルギー分布とイオン角度分布との両方の変動を加味しながら形状・ダメージ予測の計算技術が要望されている。
上記の問題は、以下で述べるシミュレーション方法によって解決される。
図26は、本実施の形態に係るシミュレーション方法の一例を示している。なお、本実施の形態に係るシミュレーション方法を実現するための情報処理装置(シミュレータ)の全体構成は、上述の図2と同様であり、形状・ダメージ演算部13で図26の計算フローに示す計算を行う。
本実施の形態では、形状・ダメージ演算部13において形状進展の計算には、例えば上述の第1の実施の形態と同様のVoxelモデルを用いるが、その他のStringモデルやLevel−setモデルなどでも構わない。また、表面反応モデルは、例えば上述の文献Aに記載されているような、深さ方向を考慮した表面反応モデル(スラブモデル)を用いる。
図27は、スラブモデルの一例を示している。スラブモデルでは、反応層72の領域を深さ方向に複数の薄いスラブ73に分割し、各スラブ73について表面反応を解く。図27のスラブモデルでは、デポジッション膜71の下層に反応層72が形成されている。例えば被加工体としてSiO2膜をドライエッチングする場合、エッチングガスとして例えばCF系ガスを用いると、SiO2膜の表面に炭素(C)を含むポリマー層がデポジッション膜71として形成される。図27に示したように、デポジッション膜71の膜厚をTnとすると、デポジッション膜71の表面からj番目のスラブ73の下層までの膜厚T’は、Tn+L(1)+L(2)+…L(j)となる。L(j)はj番目のスラブ73の膜厚である。
本実施の形態に係るシミュレーション方法では、被加工体の表面に形成されるデポジッション膜71とデポジッション膜71の下層に形成される反応層72とをイオン74が通過する際の、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を計算する処理(図26のステップS53)と、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を加味して、入射フラックスを算出する処理とを含む。また、所定の表面反応モデルを解くことで、所定の加工処理による反応速度を計算する処理(図26のステップS55)と、反応速度に基づいて被加工体の形状進展の計算を行う処理(図26のステップS56)とを含む。また、形状進展によるデポジッション膜厚Tnの変動を計算する処理(図26のステップS58)と、デポジッション膜厚Tnの変動を指標として、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を再計算する処理とを含む。
以下、図26の計算フローに従って本実施の形態に係るシミュレーション方法の詳細を説明する。なお、本実施の形態に係るシミュレーション方法の最大の特徴は、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を加味して、入射フラックスを算出する処理を含むことにある。ダメージの配分方法等の計算は上記第1の実施の形態によるものに限定されない。
形状・ダメージ演算部13(図2)では、入力部11を介して初期条件(レシピ条件、装置条件、パターン構造、計算用パラメータ)を取得(ステップS51)する。初期条件取得後、シース計算ないしは実測によって、シース領域通過直後でのイオン74のイオンエネルギー分布およびイオン角度分布のデータベースを作成する(ステップS52)。または、イオンエネルギー分布およびイオン角度分布の関数f(θ,E)を作成する。ここで、θは該当Voxelからパターン間口の見込み角、Eはイオン74のエネルギーである。
次に、加工表面上に存在する各Voxelでの入射イオンフラックスを計算する(ステップS53)。その際、形状依存(θ依存)による変動、各スラブ中のイオンエネルギー分布の変動、さらに、各スラブ中のイオン角度分布の変動を計算する。また、各Voxelでのラジカルフラックスを計算する(ステップS54)。これらの情報に基づいて、スラブ表面反応計算を行う(ステップS55)。スラブ表面反応計算としては、反応速度としてのエッチレート、およびダメージ量等を計算する。エッチング終了時間になった場合(ステップS57:Y)には計算を終了する。
エッチング終了時間でない場合(ステップS57:N)には、デポジッション膜厚Tn(n:時間ステップ番号)変動を指標として、以下の数式10の条件によって、イオンエネルギー分布とイオン角度分布のアップデートを判断する(ステップS58)。ここで、αは、判定条件であり、例えば、0.2である(もちろん、計算の用途に応じて、この限りではない)。もし、数式10が成り立つ場合(ステップS58:Y)には、イオンエネルギー分布とイオン角度分布の変動のアップデートを行い、そうでない場合(ステップS58:N)には、アップデートを行わずに、形状依存による変動のみを考慮してスラブ表面反応計算を行う(ステップS59,S55)。以上の計算をエッチング時間に相当する時間ステップまで繰り返す。
Figure 0006065612
次に、スラブ中でのイオンエネルギー分布とイオン角度分布の変動の計算手法について説明する。
(イオンエネルギー分布の変動の計算)
イオンエネルギー分布の変動は、以下のように、デポジッション膜71および反応層72を通過する際のイオンエネルギーの減少を考慮して計算する。図28は、イオンエネルギー分布の変動の計算手法の概念を示している。図28に示すように、デポジッション膜厚(Tn)およびその下層のトータルのスラブ厚さ(ΣL(j))に依存して、イオン74は自身の持つエネルギーEの減少ΔE(T’)を受けるとする。この時、シース領域直後のイオンエネルギー分布の参照データベースから、該当するエネルギーのフラックス値ないしは数式11のように関数値を読んでくる。
Figure 0006065612
(イオン角度分布の変動の計算)
以下のように、イオン74がデポジッション膜71に入射する直前におけるイオン角度分布の第1の角度範囲と、イオン74が反応層72を通過する際のイオン角度分布の第2の角度範囲とで、入射するイオンフラックスの総量が互いに等しくなるようにして、イオン角度分布の変動を計算する。
図29は、イオン角度分布の変動の計算手法の概念を示している。加工表面上に存在する任意のVoxelからの見込み角θ1とθ2で入射直前のイオン角度分布の第1の角度範囲を規定する。j番目のスラブ73でのイオン角度分布は、まず、数式11のように関数値を取得する。次に、上記の第1の角度範囲で囲まれる面積(S1L,S1R)に等しくなり(数式12)、かつ、鉛直方向に対して角度の右方向と左方向での面積比が等しくなるように(数式13)、新たな第2の角度範囲[0,θ1”],[0,θ2”]を決定する(数式14)。S2Rは第2の角度範囲で囲まれる右方向の面積、S2Lは第2の角度範囲で囲まれる左方向の面積とする。
Figure 0006065612
Figure 0006065612
Figure 0006065612
このようにして、加工膜中でのイオン74のイオンエネルギー分布およびイオン角度分布の変動の計算をモンテカルロ法ではなく、解析的に高速に行うことが可能となる。
本実施の形態の計算手法では、加工膜中でのイオンエネルギー分布とイオン角度分布はシース領域通過直後の情報を引きずっていると仮定している。言い換えると、シース中での散乱メカニズムと加工膜中での散乱メカニズムが同じであると仮定している。この理由としては、以下のことが挙げられる。すなわち、シース領域中では、イオン74は印加バイアスのエネルギーを得ながら同時に周囲のラジカルと衝突を繰り返すという散乱メカニズムを持っているが、印加バイアスが非常に小さい極限を考えた場合、衝突が支配的となり、加工膜中でのイオン74の散乱に近似できると考えられる。さらに、典型的な加工プロセスでのシース領域(厚さ数mm)でのイオン74の散乱回数と加工膜中(厚さ数nm)でのイオン74の散乱回数はほぼ同等と見積もれる。
上記計算手法を具備したシミュレーションソフトならびに加工装置(シミュレーション結果の可視化、プロセス制御への自動フィードバック機能を有する)については、後に詳述する。
[効果]
以上説明した本実施の形態に係るシミュレーション方法を用いることにより、以下のような効果が得られる。
(1)通常のモンテカルロ法による処理とは異なり、解析的なイオンエネルギー分布とイオン角度分布の変動の計算手法であるため、形状・ダメージ進展の高速計算が実現できる(計算の簡略化が可能となる)。
(2)上記第1の実施の形態の計算手法を併せて用いることで、Voxelモデルの形状・ダメージシミュレーションを用いたin−situプロセス制御が高い精度で可能になる(後述の7−5.加工装置の第1の構成例、7−6.加工装置の第2の構成例参照)。
(3)形状・ダメージ分布シミュレーション結果を確認しながら加工を行うことが可能になり、プロセス条件構築の短TAT化が期待される(後述の7−5.加工装置の第1の構成例参照)。
(4)高精度シミュレーション予測で得られたプロセス補正値を逐次加工条件にフィードバックすることが可能になるために、高精度加工・低ダメージ加工、歩留まり向上が期待される(後述の7−6.加工装置の第2の構成例参照)。
[計算例]
次に、本実施の形態に係るシミュレーション方法を用いた実際の計算例を説明する。
[7−2.第1の計算例](SiO2平坦膜エッチングでのIEDFとIADF変動の計算)
本計算例は、CCPドライエッチング装置を用いたSiO2平坦膜のエッチングを想定したシミュレーションである。計算には、以下のエッチングプロセス条件、装置条件、プラズマ条件を用いた。
・エッチングプロセス条件
ガス種と流量:C48/O2/Ar=11/8/400sccm
圧力:30mTorr
ウェハ温度:30℃
・装置条件
上部印加周波数:60MHz
下部印加周波数:2MHz
下部印加バイアス:700V
プラズマポテンシャル:20V
自己バイアス電圧:−700V
プラズマ密度:5×1010/cm3
電子温度:3eV
上記の条件を用いて、シース振動およびシース領域中のラジカル散乱を考慮したシース計算によって、イオンエネルギー分布とイオン角度分布に関する参照データベースを作成した。イオン角度分布に関しては、エネルギーが50eVごと、角度のbin幅は1度のデータベースとした(図30の右側上段では、それらの一部を示している)。なお、表面反応計算は上記文献Aに記載の深さ方向を考慮した表面反応モデル(スラブモデル)を用い、その表面反応の時間ステップは0.01s、1つのスラブ73の厚さは0.5nm、スラブ数は15と設定した。
図30では反応が定常状態に達したときのエッチングの様子を示している。その時のSiO2膜上に形成されるデポジッション膜71(ポリマー層)は0.1nmであった。イオン74はデポジッション膜71に入射し、各スラブ73のSiO2膜中を散乱しながら進んでいくが、例えば、9番目(j=9)のスラブ表面では、例えばCF2 +イオンは700Vのエネルギー減衰を受け、その時のイオンエネルギー分布とイオン角度分布の変動は図30の右側下段のように計算された。このようにして計算された各イオン(CF+,CF3 +,CF2 +,C24 +,F+,Ar+)、各スラブ73でのイオンエネルギー分布とイオン角度分布、および、ラジカル(CF2,CF,F,CF3,O)のフラックスを用いてエッチレートを計算した結果、540nm/minであり、実測で得られる値と同等であった。なお、本計算例では、入射するフラックス値については、OES、QMS、およびIRLASを用いたチャンバ内でのプラズマモニタリングで得られたデータを用いたが、プラズマシミュレーションによって計算されるフラックス値でも構わない。
また、入射イオン74のイオンエネルギー分布とイオン角度分布の参照データベースについては、上記ではモンテカルロ法を用いたシース計算をあらかじめ行って作成したが、Maxwell分布などの解析解から導出した関数(イオンエネルギーと入射角度に依存)を使用しても構わない。加工する膜種もSiO2に限らず、Si、SiN、有機膜、または化合物などでも同様に計算可能である。適用できるエッチングプロセス、装置、およびプラズマ条件もこの限りではない。
[7−3.第2の計算例](コンタクトホールエッチングの形状・ダメージシミュレーション)
本計算例は、CCPドライエッチング装置を用いたSiO2膜の2次元コンタクトホールエッチングを想定したシミュレーションである。ホール径が400nmと900nmの2つの場合で、膜厚が400nmのレジストマスク、形状進展にはVoxelモデルを用いた(VoxelのサイズLは3nm)。エッチングプロセス条件は以下のものとした。装置条件とプラズマ条件は上記第1の計算例と同様とした。
・エッチングプロセス条件
ガス種と流量:C48/O2/Ar=33/8/400sccm
圧力:30mTorr
Vpp=1450V
ウェハ温度:30℃
本計算例での計算フローは上述の図26の通りであり、α=0.1、計算における表面反応の時間ステップは0.01sとした。このときOES、QMS、およびIRLASを用いたプラズマモニタリングで得られたチャンバー内のガスフラックスデータおよび上記プロセス条件を用いて、ホール加工底部および側壁のVoxelに入射するイオン(CF+,CF3 +,CF2 +,C24 +,F+,Ar+)およびラジカル(CF2,CF,F,CF3,O)のフラックスベクトルを用いて、例えば上記第1の実施の形態における(i)の計算処理によって法線ベクトルを導出する。その法線ベクトルおよびその方向へのフラックス量を用いて、深さ方向を考慮した表面反応モデルを解き、エッチング時間が230sでの加工形状およびダメージ量を計算した。なお、本計算例では、深さ方向を考慮した表面反応モデルとしては、上記文献Aに記載の表面反応モデルを用いたが、エッチレートおよびダメージ量を計算できれば、使用する表面反応モデルはこの限りではない。
図31に示したように、シミュレーションしたホール形状は、同様のプロセス条件を用いた実形状(断面SEM)を再現できた。ダメージ配分に関しては、上記第1の実施の形態における(ii)の計算処理によって行った。なお、図31に掲載した400nmの実形状の断面図において、内部に部分的に不連続なホール形状部分が存在しているが、別の断面部分では、シミュレーション結果と同様に、連続的なホール形状が確認された。
なお、本実施の形態に係るシミュレーション方法に適用されるプロセス条件、ガスフラックス、および被加工膜種は上記のものに限定されない。また、3次元計算でも同様に適用できる。形状進展モデルは、その他のStringモデルでも良いし、Level−setモデルでも良い。
[7−4.シミュレーションソフトウェア(プログラム)の構成例]
本実施の形態によるシミュレーション方法は、例えば上記第3の実施の形態に係るシミュレーションソフトウェア(図15)に適用することが可能である。
すなわち、図15における形状・ダメージ演算部27において、図26の計算フローに従って、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を考慮した、形状・ダメージ分布の計算を行う。計算終了後には、出力部28からVoxelの位置情報(線幅、テーパ、マスク残膜などの加工形状情報)、ダメージ分布、反応堆積物(ポリマー、酸化物)膜厚の結果をファイルに出力する。また、GUI29によってこれら結果の可視化を行うこともできる。データ出力や可視化は、計算中にリアルタイムに行われても構わない。
[7−5.加工装置の第1の構成例]
本実施の形態によるシミュレーション方法は、例えば上記第4の実施の形態に係る加工装置(図16)に適用することが可能である。
すなわち、図16における形状・ダメージ演算部45に、図26の計算フローのイオンフラックス計算をするモジュールを含め、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を考慮した、形状・ダメージ分布の計算を行う。形状・ダメージ演算部45では、GDSと膜厚情報を用いて開口率演算部で算出されるウェハ開口率ならびにSemi−local開口率のフラックスへの寄与(互いに線形関係を持つ)を加味して、図26の計算フローに従った計算を行う。加工中逐次このプロセスを繰り返し、GUI可視化システムによってリアルタイムに形状変化とダメージ分布の予測を確認しながら実際の加工を行うことができる。
[7−6.加工装置の第2の構成例]
本実施の形態によるシミュレーション方法は、例えば上記第5の実施の形態に係る加工装置(図17)に適用することが可能である。
すなわち、図17における最適化計算部52に、図26の計算フローのイオンフラックス計算をするモジュールを含め、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を考慮した、形状・ダメージ分布の計算を行う。加工チャンバ32には、シミュレーションに必要な入力データを取得するためのOES33、QMS34、IRLAS35、エネルギースペクトルアナライザ36が実装され、これらによって加工中常時プラズマがモニタリングされている。サンプリング速度は例えば0.1sである。加工中これらによって取得される情報、さらにはレシピ情報31はシミュレーションシステム51に送られ、ガス密度とイオンエネルギー分布、イオン角度分布が計算される。計算時間が実加工時間よりも十分小さければすべてリアクターシミュレーションによって求めても良い。さらに、最適化計算部52では、GDS・膜厚情報41を用いて開口率演算部44で算出されるウェハ開口率ならびにSemi−local開口率(チップ内開口率)のフラックスへの寄与(互いに線形関係を持つ)を加味して、エッチレートおよびダメージ分布を図26の計算フローによって計算する。
形状およびダメージが所望のスペックから外れた場合(例えば、線幅変動値が所望70nmの±10%以上、ダメージ量が所望1011/cm2の50%増加)には、ガス流量、ガス圧力、印加パワー、およびウェハ温度の順にプロセスパラメータを例えば±50%(この判定条件値はパラメータ化)振って図26の計算を行うことで、所望スペック内を達成する補正条件を見つけ出す。その補正条件は補正プロセス条件出力部55を介して制御システム38に引き渡される。制御システム38は加工チャンバ32が補正条件を満たすように制御信号を送信する。加工チャンバ32は、補正条件に該当するパラメータを変更して加工を継続する。もし、シミュレーションでスペックを満たす解が見つからない場合には、アラート信号をFDC/EESシステム39に送り、装置を停止させる。
<8.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記各実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
上記各実施の形態は、本技術の好ましい様態の一例を示すものであり、本技術の技術的範囲は上記各実施の形態に限定されるものではない。例えば、本技術はプラズマを用いる半導体プロセスおよび半導体製造装置に対して広く適用できる。本技術によるシミュレーション方法、シミュレーションプログラム、および加工装置は、デバイスタイプを問わずに広く適用可能である。
また例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
所定の加工処理の対象となる被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
を含む計算を情報処理装置によって行うシミュレーション方法。
(2)
さらに、
Voxel空間を生成して前記被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、
前記法線ベクトルに基づいて、前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを求め、求められた前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(1)に記載のシミュレーション方法。
(3)
さらに、
初期条件に基づいて前記各Voxelの初期のVoxelサイズを設定する処理と、
前記初期のVoxelサイズを、前記法線ベクトルを用いて算出された前記被加工体の表面の反応速度に応じて最適化する処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(2)に記載のシミュレーション方法。
(4)
さらに、
前記法線ベクトルを、前記被加工体の表面の第1の位置と第2の位置とについて算出することで、前記第1の位置における第1の法線ベクトルと、前記第2の位置における第2の法線ベクトルとを算出する処理と、
前記第1の法線ベクトルに所定の幅を持たせた第1の範囲内にのみ存在するVoxelに前記第1の法線ベクトルに基づく第1のダメージを割り当てる処理と、
前記第2の法線ベクトルに前記所定の幅を持たせた第2の範囲内にのみ存在するVoxelに前記第2の法線ベクトルに基づく第2のダメージを割り当てる処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(2)または(3)に記載のシミュレーション方法。
(5)
さらに、
前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方に重複して存在するVoxelがある場合、前記重複して存在するVoxelに、前記第1のダメージと前記第2のダメージとを所定の割合で足し合わたダメージを割り当てる処理
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(4)に記載のシミュレーション方法。
(6)
さらに、
前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方に重複して存在するVoxelがある場合、前記第1の法線ベクトルおよび前記第2の法線ベクトルのうち、前記重複して存在するVoxelまでの距離が近い方の一方の法線ベクトルに基づくダメージを前記重複して存在するVoxelに割り当てる処理
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(4)に記載のシミュレーション方法。
(7)
さらに、
前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方の範囲外に存在するVoxelがある場合、前記範囲外に存在するVoxelに、補間演算によって前記第1のダメージと前記第2のダメージとに基づくダメージを割り当てる処理
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(4)に記載のシミュレーション方法。
(8)
さらに、
前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方の範囲外に存在するVoxelがある場合、前記範囲外に存在するVoxelまでの距離が近い方の一方の法線ベクトルに基づくダメージを前記範囲外に存在するVoxelに割り当てる処理
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(4)に記載のシミュレーション方法。
(9)
前記被加工体の表面の形状を複数の格子点を含むStringモデルを用いて表し、前記Stringモデルによって前記法線ベクトルに基づく形状進展を行う処理と、
前記Stringモデルによって表された前記被加工体の表面付近にVoxel空間を生成して複数のVoxelを配置する処理と、
前記法線ベクトルに基づいて、前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを求め、求められた前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(1)ないし(8)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(10)
さらに、
前記法線ベクトルおよびその方向の総フラックス量とに基づいて、前記法線ベクトル方向を考慮した表面反応モデルを解くことで、前記所定の加工処理の反応速度または前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを計算する処理
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(1)ないし(9)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(11)
さらに、
Voxel空間を生成して前記被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、
前記法線ベクトルに基づいて、所定の表面反応モデルを解くことで、前記所定の加工処理による反応速度を所定の時間ステップで計算する処理と、
前記反応速度に基づく形状進展の量を、複数の前記時間ステップ分、積算する処理と、
積算された前記形状進展の量に基づいて前記複数のVoxelに対して形状進展を行う処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(1)ないし(8)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(12)
さらに、
前記法線ベクトルに基づいて、前記所定の表面反応モデルを解くことで、前記被加工体に発生するダメージを前記所定の時間ステップで計算する処理と、
求められた前記ダメージを、複数の前記時間ステップ分、積算する処理と、
積算された前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(11)に記載のシミュレーション方法。
(13)
前記形状進展を行う処理では、積算された前記形状進展の量が、1つの前記Voxelのサイズに対して所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たした場合に前記形状進展を実行する
上記(11)または(12)に記載のシミュレーション方法。
(14)
前記被加工体が材料の異なる複数の加工層からなり、
前記Voxelによって表す処理では、形状進展が2以上の前記加工層に亘るとみなせる領域に達した場合、2以上の前記加工層を表すVoxelのサイズを変更する
上記(11)ないし(13)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(15)
前記被加工体が材料の異なる複数の加工層からなり、
前記形状進展を行う処理では、単一の加工層とみなせる領域では積算された前記形状進展の量ではなく、前記所定の時間ステップに対応する形状進展の量で形状進展を行い、形状進展が2以上の前記加工層に亘るとみなせる領域では、積算された前記形状進展の量に基づいて形状進展を行う
上記(11)ないし(14)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(16)
さらに、
前記被加工体の表面に形成されるデポジッション膜と前記デポジッション膜の下層に形成される前記被加工体の反応層とをイオンが通過する際の、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を計算する処理と、
前記イオンエネルギー分布の変動および前記イオン角度分布の変動を加味して、前記複数の入射フラックスを算出する処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(1)ないし(10)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(17)
さらに、
前記法線ベクトルに基づいて、所定の表面反応モデルを解くことで、前記所定の加工処理による反応速度を計算する処理と、
前記反応速度に基づいて前記被加工体の形状進展の計算を行う処理と、
前記形状進展による前記デポジッション膜厚の変動を計算する処理と、
前記デポジッション膜厚の変動を指標として、前記イオンエネルギー分布の変動および前記イオン角度分布の変動を再計算する処理と
を含む計算を前記情報処理装置によって行う上記(16)に記載のシミュレーション方法。
(18)
前記イオン角度分布の変動を計算する処理では、
前記イオンが前記デポジッション膜に入射する直前におけるイオン角度分布の第1の角度範囲と、前記イオンが前記反応層を通過する際のイオン角度分布の第2の角度範囲とで、入射するイオンフラックスの総量が互いに等しくなるようにして、前記イオン角度分布の変動を計算する
上記(16)または(17)に記載のシミュレーション方法。
(19)
前記イオンエネルギー分布の変動は、前記デポジッション膜および前記反応層を通過する際のイオンエネルギーの減少を考慮して計算する
上記(16)ないし(18)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(20)
前記所定の加工処理は半導体加工のための処理であり、
前記複数の入射フラックスとして、ウェハ開口率、チップ内開口率、および局所的なパターン構造の寄与の少なくとも1つを考慮する
上記(1)ないし(19)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(21)
前記複数の入射フラックスとして、前記被加工体の表面の任意の位置に直接的に入射してくる成分および間接的に入射してくる成分のうち少なくとも一方を、前記法線ベクトルの算出に用いる
上記(1)ないし(20)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(22)
前記所定の加工処理としてプラズマを用いた半導体の加工処理を含み、
プラズマ気相計算、およびシース計算のうち少なくとも一方を、前記法線ベクトルの算出に反映させる
上記(1)ないし(21)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
(23)
所定の加工処理の対象となる被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
を含む計算を情報処理装置に実行させるシミュレーションプログラム。
(24)
被加工体に対して所定の加工処理を行う加工部と、
前記所定の加工処理をシミュレーションするシミュレータと
を備え、
前記シミュレータは、
前記被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
を含む計算を行う
加工装置。
(25)
前記シミュレータは、前記所定の加工処理を行う際の加工条件を取得する入力部を有し、
前記入力部が取得する加工条件として、前記加工部における加工処理をモニタリングすることによって得られた情報が含まれる
上記(24)に記載の加工装置。
(26)
前記シミュレータは、前記所定の加工処理のシミュレーション結果を出力する出力部を有する
上記(24)に記載の加工装置。
(27)
前記シミュレーション結果に基づいて、前記加工部における前記所定の加工処理を行う際の加工条件を補正する制御部
をさらに備えた
上記(26)に記載の加工装置。
(28)
被加工体に対する所定の加工処理をシミュレーションする演算部を備え、
前記演算部は、
前記被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
を含む計算を行う
シミュレータ。
11…入力部、12…演算部、13…形状・ダメージ演算部、14…出力部、21…GUI、22…演算エンジン部、23…入力部、24…プラズマ状態演算部、25…シース加速演算部、26…開口率演算部、27…形状・ダメージ演算部、28…出力部、29…GUI、31…レシピ情報、32…加工チャンバ、33…OES、34…QMS、35…IRLAS、36…エネルギースペクトルアナライザ、37…GUI、38…制御システム、39…FDC/EESシステム、41…GDS・膜厚情報、42…シミュレーションシステム、43…ガス密度・イオンエネルギー演算部、44…開口率演算部、45…形状・ダメージ演算部、46…出力部、51…シミュレーションシステム、52…最適化計算部、53…形状演算部、54…ダメージ演算部、55…補正プロセス条件出力部、60…被加工体、60A…第1の加工層、60B…第2の加工層、61…初期のVoxel、62…最適化後のVoxel、63…表面反応モジュール、64…積算モジュール、65…形状・ダメージモジュール、70…表面領域、71…デポジッション膜、72…反応層、73…スラブ、74…イオン、81…格子点、82…加工表面、91…レジスト、92…被加工体、93…下地。

Claims (19)

  1. 所定の加工処理の対象となる被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
    前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
    前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
    Voxel空間を生成して前記被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、
    前記法線ベクトルに基づいて、前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを求め、求められた前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
    を含む計算を情報処理装置によって行うシミュレーション方法。
  2. さらに、
    初期条件に基づいて前記各Voxelの初期のVoxelサイズを設定する処理と、
    前記初期のVoxelサイズを、前記法線ベクトルを用いて算出された前記被加工体の表面の反応速度に応じて最適化する処理と
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項に記載のシミュレーション方法。
  3. さらに、
    前記法線ベクトルを、前記被加工体の表面の第1の位置と第2の位置とについて算出することで、前記第1の位置における第1の法線ベクトルと、前記第2の位置における第2の法線ベクトルとを算出する処理と、
    前記第1の法線ベクトルに所定の幅を持たせた第1の範囲内にのみ存在するVoxelに前記第1の法線ベクトルに基づく第1のダメージを割り当てる処理と、
    前記第2の法線ベクトルに前記所定の幅を持たせた第2の範囲内にのみ存在するVoxelに前記第2の法線ベクトルに基づく第2のダメージを割り当てる処理と
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項に記載のシミュレーション方法。
  4. さらに、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方に重複して存在するVoxelがある場合、前記重複して存在するVoxelに、前記第1のダメージと前記第2のダメージとを所定の割合で足し合わたダメージを割り当てる処理
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項に記載のシミュレーション方法。
  5. さらに、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方に重複して存在するVoxelがある場合、前記第1の法線ベクトルおよび前記第2の法線ベクトルのうち、前記重複して存在するVoxelまでの距離が近い方の一方の法線ベクトルに基づくダメージを前記重複して存在するVoxelに割り当てる処理
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項に記載のシミュレーション方法。
  6. さらに、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方の範囲外に存在するVoxelがある場合、前記範囲外に存在するVoxelに、補間演算によって前記第1のダメージと前記第2のダメージとに基づくダメージを割り当てる処理
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項に記載のシミュレーション方法。
  7. さらに、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲との双方の範囲外に存在するVoxelがある場合、前記範囲外に存在するVoxelまでの距離が近い方の一方の法線ベクトルに基づくダメージを前記範囲外に存在するVoxelに割り当てる処理
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項に記載のシミュレーション方法。
  8. さらに、
    前記被加工体の表面の形状を複数の格子点を含むStringモデルを用いて表し、前記Stringモデルによって前記法線ベクトルに基づく形状進展を行う処理と、
    前記Stringモデルによって表された前記被加工体の表面付近に前記Voxel空間を生成して複数のVoxelを配置する処理
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項1ないしのいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
  9. さらに、
    前記法線ベクトルおよびその方向の総フラックス量とに基づいて、前記法線ベクトル方向を考慮した表面反応モデルを解くことで、前記所定の加工処理の反応速度または前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを計算する処理
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項1ないしのいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
  10. さらに
    前記法線ベクトルに基づいて、所定の表面反応モデルを解くことで、前記所定の加工処理による反応速度を所定の時間ステップで計算する処理と、
    前記反応速度に基づく形状進展の量を、複数の前記時間ステップ分、積算する処理と、
    積算された前記形状進展の量に基づいて前記複数のVoxelに対して形状進展を行う処理と
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項1ないしのいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
  11. さらに、
    前記法線ベクトルに基づいて、前記所定の表面反応モデルを解くことで、前記被加工体に発生するダメージを前記所定の時間ステップで計算する処理と、
    求められた前記ダメージを、複数の前記時間ステップ分、積算する処理と、
    積算された前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項10に記載のシミュレーション方法。
  12. 前記形状進展を行う処理では、積算された前記形状進展の量が、1つの前記Voxelのサイズに対して所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たした場合に前記形状進展を実行する
    請求項10または11に記載のシミュレーション方法。
  13. 前記被加工体が材料の異なる複数の加工層からなり、
    前記Voxelによって表す処理では、形状進展が2以上の前記加工層に亘るとみなせる領域に達した場合、2以上の前記加工層を表すVoxelのサイズを変更する
    請求項10ないし12のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
  14. 前記被加工体が材料の異なる複数の加工層からなり、
    前記形状進展を行う処理では、単一の加工層とみなせる領域では積算された前記形状進展の量ではなく、前記所定の時間ステップに対応する形状進展の量で形状進展を行い、形状進展が2以上の前記加工層に亘るとみなせる領域では、積算された前記形状進展の量に基づいて形状進展を行う
    請求項10ないし13のいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
  15. さらに、
    前記被加工体の表面に形成されるデポジッション膜と前記デポジッション膜の下層に形成される前記被加工体の反応層とをイオンが通過する際の、イオンエネルギー分布の変動およびイオン角度分布の変動を計算する処理と、
    前記イオンエネルギー分布の変動および前記イオン角度分布の変動を加味して、前記複数の入射フラックスを算出する処理と
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項1ないしのいずれか1つに記載のシミュレーション方法。
  16. さらに、
    前記法線ベクトルに基づいて、所定の表面反応モデルを解くことで、前記所定の加工処理による反応速度を計算する処理と、
    前記反応速度に基づいて前記被加工体の形状進展の計算を行う処理と、
    前記形状進展による前記デポジッション膜厚の変動を計算する処理と、
    前記デポジッション膜厚の変動を指標として、前記イオンエネルギー分布の変動および前記イオン角度分布の変動を再計算する処理と
    を含む計算を前記情報処理装置によって行う請求項15に記載のシミュレーション方法。
  17. 所定の加工処理の対象となる被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
    前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
    前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
    Voxel空間を生成して前記被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、
    前記法線ベクトルに基づいて、前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを求め、求められた前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
    を含む計算を情報処理装置に実行させるシミュレーションプログラム。
  18. 被加工体に対して所定の加工処理を行う加工部と、
    前記所定の加工処理をシミュレーションするシミュレータと
    を備え、
    前記シミュレータは、
    前記被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
    前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
    前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
    Voxel空間を生成して前記被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、
    前記法線ベクトルに基づいて、前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを求め、求められた前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
    を含む計算を行う
    加工装置。
  19. 被加工体に対する所定の加工処理をシミュレーションする演算部を備え、
    前記演算部は、
    前記被加工体の表面の任意の位置に入射する複数の入射フラックスをそれぞれ、互いに直交する複数の単位ベクトル方向に成分分解する処理と、
    前記複数の入射フラックスについての前記複数の単位ベクトル方向のフラックス成分をすべて、前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせる処理と、
    前記各単位ベクトル方向ごとに足し合わせられた互いに直交する複数のフラックス成分を、1つのベクトルとして合成することで、前記被加工体の表面の任意の位置における法線ベクトルを算出する処理と
    Voxel空間を生成して前記被加工体の形状を複数のVoxelによって表す処理と、
    前記法線ベクトルに基づいて、前記複数の入射フラックスによって前記被加工体に発生するダメージを求め、求められた前記ダメージを前記複数のVoxelに割り当てる処理と
    を含む計算を行う
    シミュレータ。
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