JP6177671B2 - シミュレーション方法、シミュレーションプログラムおよびシミュレータ - Google Patents

シミュレーション方法、シミュレーションプログラムおよびシミュレータ Download PDF

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Description

本技術は、被加工体の加工状態を予測するためのシミュレーション方法およびシミュレーションプログラム、並びに、そのシミュレーション方法を利用した加工装置、シミュレータおよび設計方法に関する。
半導体のプラズマエッチングシミュレーションでは、パターンへの入射ラジカル量と入射イオン量の計算を行い、それを用いて加工表面での反応を解くことでエッチレートが導出される。このエッチレートから形状進展計算がなされる。入射ラジカル量の算出では、パターン直上から加工表面要素に直接届く「直接成分」と、一度他の加工表面から再放出して届く「間接成分」の2つの計算が行われる。間接成分の計算は、加工形状の予測において、特に重要な要素となっている。
間接成分の計算方法としては、モンテカルロ法を用いた方法と、フラックス法を用いた方法とが知られている。前者では、物理を正確に反映できるものの、ターゲットパターンが高アスペクト比ほど多くのテストパーティクルが必要になるために計算時間が膨大となる。一方、後者では、物理を正しく反映しきれない部分があるものの、うまくモデル化すれば、計算コストが少なくて済むだけに、有用な計算手法となり得る。
代表的なフラックス法の計算方法として、例えば下記非特許文献1に記載のものが知られている。この方法は、間接成分は他要素からの再放出が1回のみと仮定し、2つの表面要素の法線ベクトルと要素重心を結ぶベクトルのなす角(φ)、重心間の距離(r)、残留フラックス((1−S)Γ)、表面要素面積(dS)を引数として計算するものである。
一方、下記特許文献1にも同様に、フラックス法を用いた計算手法が提案されている。この手法は、パターンを軸対称なホール形状に限った計算手法であり、円柱軸と垂直な面(X−Y平面)で切られた円周上の微小要素からの再放出を、X軸と円周上の微小要素がなす角度(θ)について積分することで導出するものである。
特許第2803649号公報
Tuda et al., J. Appl. Phys. 81 (1997) 960
しかしながら、上記非特許文献1に記載の方法では、間接成分が1回の再放出しか考えられていないため、複数回の再放出があるような高アスペクト比(AR)の計算の場合には、間接フラックスの計算の誤差、ひいては、形状計算の誤差が大きくなってしまう。さらに、自身と相手方の情報を用いた計算であるため、計算負荷は表面要素の2乗に比例する。そのため、アスペクト比が大きくなればなるほど、計算負荷が急激に増加していってしまう。
一方、上記特許文献1に記載の方法では、パターン形状を軸対称の円柱形状に限定した計算手法であるため、ターゲットパターンが非対称軸構造である場合、周辺開口率がターゲットパターンの左右領域で異なる場合等における形状計算に対しては汎用性が乏しく、用途が限られてしまう。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、計算負荷を軽減しつつ、高精度にラジカル量の予測が可能なシミュレーション方法およびシミュレーションプログラム、並びに、そのシミュレーション方法を利用した加工装置、シミュレータおよび設計方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るシミュレーション方法は、被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件を取得することを含む。
前記加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角が算出される。
前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記評価点に入射する入射ラジカル量が算出される。
本技術の一形態に係るシミュレーションプログラムは、被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出する処理と、
前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記評価点に入射する入射ラジカル量を算出する処理と
を含む計算を情報処理装置に実行させる。
本技術の一形態に係る加工装置は、加工部と、検出部と、シミュレータと、制御部とを具備する。
前記加工部は、被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う。
前記検出部は、前記加工部におけるプラズマ状態をモニタリングする。
前記シミュレータは、前記所定の加工処理をシミュレーションする。
前記制御部は、前記シミュレータによるシミュレーション結果に基づいて前記加工部を制御する。
前記シミュレータは、入力部と、演算部と、出力部とを有する。
前記入力部は、前記所定の加工処理を行う際の加工条件を取得するように構成される。
前記演算部は、前記加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記評価点に入射する入射ラジカル量を算出するように構成される。
前記出力部は、前記入射ラジカル量に基づいて生成された前記加工条件の補正信号を前記制御部へ出力する。
本技術の一形態に係るシミュレータは、入力部と、演算部とを具備する。
前記入力部は、被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件を取得するように構成される。
前記演算部は、前記加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記評価点に入射する入射ラジカル量を算出するように構成される。
本技術の一形態に係る設計方法は、被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件を取得することを含む。
前記加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角が算出される。
前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記評価点に入射する入射ラジカル量が算出される。
前記入射ラジカル量に基づいて予測された加工形状が評価される。
前記加工形状の評価結果に基づいて前記加工条件およびチップ内レイアウトの少なくとも1つが変更される。
以上のように、本技術によれば、計算負荷を軽減しつつ、高精度にラジカル量を予測することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の第1の実施形態に係るシミュレータの一構成例を示す概略図である。 参照技術を説明する概念図である。 参照技術によるフラックス量の計算結果を示す図である。 本技術の一実施形態に係るシミュレーション方法を説明する、フラックスモデルの概念図である。 上記シミュレーション方法を説明する概念図である。 上記シミュレーション方法によるフラックス量の計算結果と参照技術によるフラックス量の計算結果とを比較して示す図である。 上記シミュレーション方法によるフラックス量の計算結果と参照技術によるフラックス量の計算結果とを比較して示す図である。 上記シミュレーション方法を説明するフローチャートである。 上記シミュレーション方法により得られたパターン形状を実形状と比較して示す図である。 本技術の第2の実施形態において説明するシミュレーションソフトウェアの機能ブロック図である。 本技術の第3の実施形態において説明する加工装置の一構成例を示すブロック図である。 本技術の第4の実施形態において説明する設計方法のフローチャートである。 上記設計方法を説明する被加工体の概略平面図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本技術の第1の実施形態に係るシミュレータ(情報処理装置)の一構成例を示している。以下、シミュレータ100の構成について説明する。
[シミュレータ]
本実施形態のシミュレータ100は、入力部11と、演算部12と、出力部14とを備えている。入力部11は、被加工体に対して所定の加工処理を行う際の加工条件を取得して演算部12へ入力するように構成される。演算部12は、形状・ダメージ演算部13を有する。形状・ダメージ演算部13では、入力部11を介して入力された加工条件に基づいて、後述するシミュレーション方法によって、被加工体の形状進展やダメージ等の計算が行われる。
形状・ダメージ演算部13は、ハードウェアで構成されて後述する計算処理を実現しもよいし、所定のシミュレーションプログラム(ソフトウェア)を用いて計算処理を実行してもよい。この場合、形状・ダメージ演算部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置で構成され、シミュレーションプログラムを外部から読み込み、そのプログラムを実行することにより計算を実行する。
シミュレーションプログラムは、例えば、図示しないデータベースや、別途設けられる例えばROM(Read Only Memory)等の記憶部などに格納することができる。この際、シミュレーションプログラムを、例えばデータベースや別途設けられた記憶部等に予め実装した構成にしてもよいし、外部から例えばデータベースや別途設けられた記憶部等に実装する構成にしてもよい。外部からシミュレーションプログラムを取得する場合には、シミュレーションプログラムを、光ディスクや半導体メモリなどの媒体から配布するようにしてもよいし、インターネットなどの伝送手段を介してダウンロードするようにしてもよい。
出力部14は、演算部12によって計算された所定の加工処理のシミュレーション結果を出力するように構成される。出力部14は、加工処理のシミュレーション結果と共に、例えば、演算に用いた加工処理条件およびパラメータ等の情報も出力してもよい。出力部14は、例えばシミュレーション結果を表示する表示装置、シミュレーション結果を印刷して出力する印刷装置、シミュレーション結果を記録する記録装置等の装置のいずれか、または、これらの装置を適宜組み合わせて構成される。本実施形態では、シミュレータが出力部14を備える例を説明するが、本技術はこれに限定されず、出力部14がシミュレータの外部に設けられていてもよい。
シミュレータ100はさらに、形状演算部13における計算処理に必要となる各種パラメータを記憶するデータベース部を備えていてもよい。また、このようなデータベース部を、シミュレータの外部に設けてもよい。計算処理に必要となる各種パラメータを外部から随時入力する場合は、データベース部を設けなくてもよい。
本実施形態のシミュレータ100は、被加工体に対して所定の加工処理を行う際に、被加工体表面の加工領域に入射するラジカル量を、フラックス法を用いて求める。
(参照技術)
代表的なフラックス法の計算方法として、例えば、文献「Tuda et al., J. Appl. Phys. 81 (1997) 960」に記載のものが知られている。この方法は、間接成分は他要素からの再放出が1回のみと仮定し、図2および下記(1)式に示すように、2つの表面要素(EP,EQ)の法線ベクトルと要素重心を結ぶベクトルのなす角(φP,φQ)、重心間の距離(r)、残留フラックス((1−S)Γ)、表面要素面積(dS)を引数として計算するものである。
しかしながら、この方法では、間接成分が1回の再放出しか考えられていないため、複数回の再放出があるような高アスペクト比(AR)の計算の場合には、図3に示すようにモンテカルロ法による計算と比較して、間接フラックスの計算の誤差、ひいては、形状計算の誤差が大きくなってしまう。さらに、自身と相手方の情報を用いた計算であるため、計算負荷は表面要素の2乗に比例する。そのため、アスペクト比が大きくなればなるほど、計算負荷が急激に増加していってしまう。
そこで本実施形態では、計算負荷を軽減しつつ、高精度にラジカル量を予測できるようにするため、以下に説明する方法でラジカル量を計算するようにしている。
[シミュレーションモデル]
本実施形態では、加工時間tに依存する立体角Ω(t)と実効的な表面反応確率Snを引数として、擬似的に複数回数の再放出(対流・よどみ効果)を考慮したラジカル量をフラックス法で算出する。
被加工体に対する加工処理がプラズマエッチングの場合、被加工体の加工領域は、レジストマスクの開口領域である開口パターン(以下、単にパターンともいう。)に相当する。以下、プラズマエッチングプロセスを例に挙げて、ラジカルフラックスの計算方法を説明する。
(1)フラックスの計算方法
本実施形態に係るシミュレーション方法は、以下の計算処理を含む。当該計算処理は、シミュレーションプログラムとして、シミュレータ100の演算部12(形状・ダメージ演算部13)に格納される。
(a)被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件を取得する。
(b)上記加工条件に基づいて、上記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出する。
(c)上記立体角と、上記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により上記評価点に入射する入射ラジカル量を算出する。
(a)加工条件の取得
図4および図5は、本実施形態におけるフラックスモデルの概念図である。ここでは、被加工体としてシリコンウェーハ等の半導体ウェハ(以下、ウェハWという。)を例に挙げて説明する。
ウェハWの表面はSiO2膜で被覆されており、そのSiO2膜の表面には、所定の開口パターンを有するレジストマスクRMが形成されており、そのレジストマスクRMの開口部に相当するウェハWの表面領域が加工領域とされる。ウェハWの加工領域には、エッチングの進行により形状が経時的に変化するエッチングパターンP(以下、パターンPという。)が形成される。
本実施形態において、所定の加工処理としてはプラズマエッチング処理が該当し、加工条件としては、レジストマスクRMの厚み、開口形状、エッチング条件(ガス種と流量、圧力、Vpp、ウェハ温度等)等が含まれる。
(b)立体角の算出
本実施形態に係るシミュレーション方法は、パターンPの表面を複数の評価点Eに分割し、評価点Eごとに入射フラックス量を算出する。評価点Eは、図5に示すようにパターンPの表面に仮想的に割り当てられた微細な矩形セルとして設定される。
立体角dΩは、対象とする1つの評価点Eにおける、当該評価点Eからプラズマ空間Sを見通すことができる視野領域に相当する立体角を意味する。立体角dΩは、時々刻々と変化するパターンPの形状によって変化し、典型的には、パターンPの深さが大きくなるほど立体角dΩの値は小さくなる。立体角dΩの初期値は、レジストマスクRMの厚みや開口形状、開口の大きさ(開口径)等によって決定される。
(c)入射ラジカル量の算出
パターンPはプラズマ空間Sから入射するラジカルとの表面反応によって深さ方向にエッチングされる。そこで図4に示すように、パターンPに入射してくるラジカルフラックスを立体角dΩ(パターンの深さ)に対して3つの領域D1,D2およびD3に分けて定義する。
パターンPの浅いところ、すなわち領域D1では、直接成分とそれによる擬似的なガスの対流の効果とする。ここで「直接成分」とは、プラズマ空間SからパターンPの表面に直接到達するラジカルフラックスの成分をいう。また「対流」とは、ラジカルがパターンの側壁(内壁)に1回又は複数回反射され、あるいはパターン側壁(内壁)から再放出されたラジカルを含む流動的なガス状態をいう。そして領域D1の下層には、領域D1よりもガス密度が薄くなる領域D2が存在し、さらに深いところでは、ガスが停滞した「よどみ」の領域D3があると考える。
各領域D1,D2およびD3でのフラックスを表す関数をそれぞれF1,F2およびF3とする。パターンPへの入射直前のラジカルフラックスの量をΓn0とすると、パターン内のある深さ(立体角dΩに相当)でのラジカルフラックスΓは、時々刻々と変化するdΩ(t)(ただし、0≦dΩ≦2π)と実効的な表面反応確率Snとの2つのパラメータの関数として以下のように表される。
ここで、Lは、領域D1およびD2と領域D3との境界に相当する立体角である。Lは、例えば、アスペクト比が10以下に相当する比較的小さな立体角であり、ホールパターンであれば、例えば、0.03である。上記(2)式および(3)式は、dΩ=Lで、相互に連続である。
上記(2)式をさらに詳細に表現すると、実効的な表面反応確率Snに依存する2つのパラメータm1(Sn)、m2(Sn)を用いて以下のように表す。
ここで、m1(Sn)およびm2(Sn)は、1よりも小さく、表面反応確率Snに依存するパラメータであり、Snの2次以下の多項式で表現されるものとする。係数m1(Sn)、m2(Sn)は、立体角dΩの大きさで決定される定数である。係数m1(Sn)、m2(Sn)は、任意の関数に基づく演算値であってもよいし、様々な立体角dΩおよび表面反応確率Snに対するm1、m2のデータベースをあらかじめ作成しておき、そのデータベースを利用して、最適なm1、m2が検索・補間されてもよい。
係数m1(Sn)、m2(Sn)は、パターンP内における擬似的なガスの対流を数学的に表現するために加えられたもので、加工表面からの複数回の再放出があるような高アスペクト比領域において入射フラックス量の増加を反映させる補正パラメータとしての意義を有する。
(3)式あるいは(5)式は、入射ラジカル量を算出するに際して、立体角が所定の閾値以下(dΩ≦L)のとき、立体角が当該閾値(dΩ=L)であるときのラジカル量を上記入射ラジカル量として算出することを意味する。すなわち本実施形態では、立体角が所定値以下のとき、擬似的なよどみ効果としてフラックスは一定であるとみなす。上記閾値Lは特に限定されないが、例えば、L=0.03とすることができる。
(4)式の右辺第一項は、直接成分F1に相当するものである。また、第二項は、間接成分とその減少を表現する項F2およびF3である。
パターンPの内部では、入射したガスとは表面反応で消費されずに残ったガスならびに生成した反応生成物の存在によって、パターンPの直上よりも密度が大幅に上昇し、クヌーセン(Knudsen)輸送的でない状態になっていると考えられる。クヌーセン輸送的でない状態とは、要するに、ガスの平均自由行程がパターンPの特徴長さよりも長い状態、あるいは、パターンP内でガスの衝突が起こっていない状態をいう。それを考慮して、パターンPの内部では、直接成分の減少効果よりも緩やかに[m2(Sn)<1]かつ立体角dΩに依存する項(指数関数)として表現される。
(4)式は、さらに(6)式のように変形することができる。
(6)式において、右辺第一項については、直接成分と間接成分の切り替わりになる境界がdΩ〜1であるので、dΩ=1とした平均化された直接成分に比例するとして与えられる。
図6に、(6)式により算出されるフラックス値を、上記参照技術((1)式)を用いて算出されるフラックス値と比較して示す。図6にしめすように本実施形態によれば、複数回の再放出があるような高アスペクト比の計算の場合において、間接フラックスの計算の誤差、ひいては形状計算の誤差を小さくでき、モンテカルロ法で計算したときと同様の計算精度を得ることができる。
一方、表面反応確率Snを1.0、0.5、0.3および0.2としたときの(6)式によるフラックス値とモンテカルロ法による計算値の比較を図7に示す。パターン形状はホール形状とした。図7において、横軸は立体角(dΩ)でパターンの深さに相当する。縦軸は、フラックス比(Γ(dΩ,Sn)/Γn0)である。図7において破線はモンテカルロ法による計算値、実線は(6)式での計算値をそれぞれ示す。図7に示すように、本実施形態によれば、モンテカルロ法による結果をうまく再現できることがわかる。このことは、パターン形状がホール形状以外のものでも成り立つことを示している。
以上のように本実施形態においては、ウェハWの加工領域が複数の評価点Eに分割され、各々の評価点Eについて、外部(プラズマ空間S)から当該評価点に直接的に入射するラジカル量と、外部から被加工体の表面を反射して当該評価点に間接的に入射するラジカル量との総和が算出される。上記処理を予め設定されたエッチング時間が終了するまで繰り返し実行することで、パターンPの形状進展やダメージ等を予測することが可能となる。
[シミュレーション方法]
図8は、シミュレータ100の動作を説明するフローチャートである。
計算開始後、必要なプラズマ条件、プロセス条件、レイアウト構造、マスク情報等を含む初期条件として入力する(ステップS101)。初期条件の入力は、オペレータによる手入力で行われてもよいし、予め入力された条件から必要な情報が自動的に抽出されてもよい。
次に、シミュレータ100は、入力された初期条件を用いて任意の評価点Eにおける立体角dΩと、当該評価点Eに入射するイオンフラックスおよびラジカルフラックスとをそれぞれ計算する処理を実行する(ステップS102〜S104)。
ラジカルフラックスの計算では、上述のように、立体角dΩの大きさによって、2つの定式((4)式(あるいは(6)式)および(5)式)が使い分けられる。シミュレータ100は、これらのフラックス計算値を用いて表面反応方程式を解くことで、エッチレート(プラズマCVDの場合は堆積レート)、形状進展、ダメージ積算・配分等を計算する処理を実行する(ステップS105〜S107)。なおイオンフラックス、エッチレート(堆積レート)、形状進展、ダメージ等の計算方法は特に限定されず、公知の演算手法が採用可能である。
続いて、シミュレータ100は、時間を次の時間ステップ(t+dt)に動かし、同様の計算ルーチンを、設定した計算終了時間まで繰り返し行う処理を実行する(ステップS102〜S109)。
以上の計算手法により、高アスペクト比のパターン加工計算でも高速かつ実際の現象を反映した予測が可能となる。
(計算例1:低アスペクト比でのフラックス計算)
CCP(Capacitively Coupled Plasma)ドライエッチング装置を想定したSiO2膜の2次元コンタクトホールエッチング時のラジカルフラックスを本実施形態の計算手法で求めた。マスク開口部の形状は円形であり、そのホール径(開口径)は200nm、マスク厚は200nmとした。プロセス条件は、以下のとおりとした。
プラズマ源はCCPに限られず、ICP(Inductively Coupled Plasma)やECR(Electron Cyclotron Resonance)などの他のプラズマ源が採用可能であり、加工装置の種類は問われない。また、本手法で計算可能なマスクパターンは上述の例に限られない。
[プロセス条件]
ガス種と流量:C48/O2/Ar=11/8/400sccm
圧力:30mTorr(3.99Pa)
Vpp:1450V
ウェハ温度:30℃
このとき、OES(Optical Emission Spectroscopy)、QMS(Quadrupole Mass Spectroscopy)、IRLAS(Infrared-diode Laser Absorption Spectroscopy)を用いたプラズマモニタリングで得られたチャンバ内のガスフラックスデータおよび上記プロセス条件を用いて、パターン直上に入射するイオン(CF、CF3 、CF2 、C24 、F、Ar)およびラジカル(CF2、CF、F、CF3、O)を導出した。このラジカルフラックス(Γn0)を用いて、dΩ=2でのフラックス比(Γ/Γn0)の値を(4)式で求めた。このとき、m1=0.55、m2=0.3、Sn=0.3とした。計算の結果、Γ/Γn0は0.77となり、モンテカルロ法で求めた値(0.80)を4%の誤差内で再現することができた。
(計算例2:高アスペクト比でのフラックス計算(擬似的対流効果が支配的な場合))
計算例1と同一のプロセス条件およびレイアウト構造において、立体角dΩ=0.05でのフラックス比(Γ/Γn0)の値を(4)式で求めた。このとき、m1=0.58、m2=0.4、Sn=0.5とした。計算の結果、Γ/Γn0は0.26となり、モンテカルロ法で求めた値(0.23)を再現することができた。
(計算例3:高アスペクト比でのフラックス計算(擬似的よどみ効果が支配的な場合))
計算例1と同一のプロセス条件およびレイアウト構造において、立体角dΩ=0.033でのフラックス比(Γ/Γn0)の値を(4)式および(5)式で求めた。このとき、m1=0.58、m2=0.4、Sn=0.5(L=0.03の値に同等)とした。計算の結果、Γ/Γn0は0.24となり、モンテカルロ法で求めた値(0.19)を再現することができた。
本実施形態によれば、パターン形状がホール形状である場合に限られず、それ以外のパターン形状でも再現することができる。また、加工膜やプロセス条件もこのかぎりではない。実効的な表面反応確率Snは、入力初期条件として常に一定としてもよいし、時間tに依存性をもたせてもよい。この場合、例えば、tに依存した関数系でもよいし、各時間ステップで1つ前の時間ステップで得られた入射フラックスと表面反応での消費フラックスとの比から求めてもよい。
(計算例4:形状・ダメージの計算)
実計算例1のプロセス条件(ただし、エッチング時間は160秒とした。)を初期条件としたSiO2コンタクトホール加工を想定し、セルリムーバル(Cell removal)法を用いて、図8の計算フローに従った2次元加工シミュレーションを行った。レジストマスクの初期パターンは、ホール径を200nmと900nm、膜厚が400nmとした。セル(Cell)の大きさは、3nm×3nmとした。ここでは、時間ステップが1つ前のフラックスベクトルから、例えば、特願2012-146065で提案された手法を用いて、2次元空間での法線を導出した。表面反応に関しては、例えば、深さ方向を考慮した表面反応モデル(特願2010-284130)を用いて、加工表面セルでの反応堆積物の膜厚とエッチングレートを算出し、上記法線方向に形状進展・ダメージ分布を計算した。
図9に形状計算結果を示す。図9は、実形状の断面SEMとシミュレーション結果とを比較して示す説明図である。断面SEMでみられる加工の深さや形状特徴の傾向を再現することができた。
形状進展モデルは、セルリムーバル法に限られず、特性曲線法、ストリング法、ショックトラッキング法、レベルセット法、レイトレイシングモデル等の他の手法が採用されてもよい。また、2次元加工だけでなく、3次元加工シミュレーションにも同様に適用可能である。
以上のように本実施形態によれば、立体角dΩと実効的な表面反応確率Snのみに依存した計算方法を用いているため、ローカルな形状(凹凸)に影響されることなく、高アスペクト比でもフラックス法で高速かつ高精度なラジカル量の予測が可能となる。しかも、形状影響を受けにくいフラックスの計算方法であるため、形状の発散や異常がなく安定した形状やダメージ進展の予測が可能となる。
また、計算負荷が小さいため、加工装置の制御システムへのシミュレーション導入がより現実的になる。さらに計算負荷が小さいので、これまで以上に多くのパラメータを振った計算が短期間で可能になり、効率のよいプロセス設計、OPC(Optical Proximity Correction)設計あるいはレイアウト設計が可能になる。
<第2の実施形態>
次に、本技術の第2の実施形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[シミュレーションソフトウェア]
図10は、上述の第1の実施形態に係るシミュレーション方法を適用したシミュレーションソフトウェア(プログラム)を説明する機能ブロック図である。
このシミュレーションソフトウェアは、初期条件を入力するためのGUI(Graphical User Interface)21と、演算エンジン部22と、シミュレーション結果を可視化するためのGUI23とを有する。
演算エンジン部22は、入力部221と、プラズマ状態演算部222と、シース加速演算部223と、開口率演算部224と、形状・ダメージ演算部225と、出力部226とを有する。ここで、入力部221は、シミュレータ100の入力部11を構成する。プラズマ状態演算部222、シース加速演算部223、開口率演算部224および形状・ダメージ演算部225は、シミュレータ100の演算部12を構成し、特に、形状・ダメージ演算部225は、シミュレータ100の形状・ダメージ演算部13に相当する。出力部226は、シミュレータ100の出力部14を構成する。
このシミュレーションソフトウェアの実行プラットフォームは、例えば、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)、Unix(登録商標)、またはMac(登録商標)のいずれでもよい。また、GUI21,23は、OpenGL、Motif、tcl/tkなど構成言語を問わない。演算エンジン部22のプログラミング言語は、C、C++、Fortran、JAVA(登録商標)などその種類を問わない。
GUI21からは、初期条件として、レシピ情報、装置情報、計算用パラメータ、GDS(Graphic Design System)データ、および膜厚情報を入力する。プラズマ状態演算部222では、初期条件を基にバルクプラズマ中の各ガス種(イオンとラジカル)の密度が計算される。シース加速演算部223では、バルクプラズマで生成されたイオンのシース内で加速(ラジカルとの衝突も含む)された終状態としてのイオンのエネルギー分布(IEDF:Ion Energy Distribution Function)とパターンへの入射角度分布(IADF:Ion Angular Distribution Function)とが計算される。これらに対しては、実測等から得られるデータベースを用いてもよい。
開口率演算部224では、GDSデータと膜厚情報とからウェハ開口率およびSemi−local開口率(チップレベル開口率)のフラックスへの影響(互いに線形関係を持つ)を計算する。これらイオンとラジカルの入射フラックスから、形状・ダメージ演算部225において、図8の計算フローに従って、フラックス(イオン、ラジカル)、形状・ダメージ分布の計算を行う。形状進展には、ストリング法、レベルセット法、セルリムーバル法などいずれを用いても構わない。
計算終了後には、出力部226から線幅、テーパ角、マスク残膜などの加工形状情報、ダメージ分布、反応堆積物(ポリマー、酸化物)膜厚の結果をファイルに出力する。また、GUI23によってこれらの結果の可視化を行うこともできる。データ出力や可視化は、計算中にリアルタイムに行われても構わない。
<第3の実施形態>
次に、本技術の第2の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[加工装置]
図11は、上述の第1の実施形態に係るシミュレーション方法を適用した、形状・ダメージ分布のリアルタイム可視化が可能は半導体加工装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の半導体加工装置300は、加工チャンバ31と、シミュレーションシステム32と、制御システム33と、FDC/EESシステム(Fault Detection and Classification/Equipment Engineering System)34とを有する。加工チャンバ31のプラズマ源にCCPが採用されているが、これ以外にも、ICP、ECRその他のプラズマ生成機構が採用されてもよい。
加工チャンバ31は、被加工体に対して所定の加工処理(本例ではプラズマエッチング処理)を行う加工部として構成される。加工チャンバ31には、シミュレーションに必要な入力データを取得するためのOES311、QMS312、IRLAS313、エネルギースペクトルアナライザ314等で構成された検出部310が実装され、検出部310によって加工中、常時、プラズマ状態がモニタリングされている。サンプリング速度は例えば0.1秒である。加工中、これらによって取得される情報、さらにはレシピ情報301がシミュレーションシステム32に送られ、ガス密度とイオンエネルギーが計算される。計算時間が実加工時間よりも十分小さければ、すべてリアクタシミュレーションによって求めてもよい。
シミュレーションシステム32は、加工チャンバ31における上記所定の加工処理をシミュレーションするシミュレータとして構成される。シミュレーションシステム32は、ガス密度・イオンエネルギー演算部321と、開口率演算部322と、最適化計算部323と、補正プロセス条件出力部324とを有する。最適化計算部323は、形状演算部3231と、ダメージ演算部3232とを有する。シミュレーションシステム32は、実質的には、上述の第2の実施形態における演算エンジン部22(図10)と同様の機能あるいは構成を有している。
最適化計算部323では、GDS・膜厚情報302を用いて開口率演算部322で算出されるウェハ開口率ならびにSemi−local開口率(チップレベル開口率)のフラックスへの寄与(互いに線形関係を持つ)を加味して、フラックス、エッチレート、ダメージ分布を図8の計算フローによって計算する。エッチレート、ダメージを導出するモデルには、例えば、特願2012-146065で提案された手法を用いることができる。補正プロセス条件出力部324は、最適化計算部323における計算結果に基づいて生成された加工条件の補正信号を制御システム33へ出力する。
制御システム33は、シミュレーションシステム32によるシミュレーション結果に基づいて加工チャンバ31を制御する制御部として構成される。FDC/EESシステム34は、シミュレーションシステム32の出力に基づいて、上記加工処理の異常を報知するように構成された管理システムを構成する。
形状およびダメージが所望のスペックから外れた場合(例えば、線幅変動値が所望70nmの±10%以上、ダメージ量が所望1011/cm2の50%増加)には、ガス流量、ガス圧力、印加パワー、ウェハ温度の順にプロセスパラメータを例えば±50%(この判定条件値はパラメータ化)振って図8の計算を行うことで、所望スペック内を達成する補正条件を見つけ出す。その補正条件は、補正プロセス条件出力部324を介して制御システム33へ引き渡される。制御システム33は、加工チャンバ31が補正条件を満たすように制御信号を加工チャンバ31へ送信する。加工チャンバ31は、補正条件に該当するパラメータを変更して加工を継続する。もし、シミュレーションでスペックを満たす解が見つからない場合には、アラート信号をFDC/EESシステム34に送り、装置を停止させる。
シミュレーションシステム32の最適化計算部分に関しては、計算時間が実加工時間と同等のスケール以上の場合には、上記のようなオンラインで形状・ダメージの計算を行って最適解を見出すのではなく、様々なプロセス条件に対してあらかじめ形状・ダメージのデータベースを作成しておき、そのデータベースを利用して検索・補間する方法でも構わない。
なお、シミュレーションシステム32における計算処理は、オンラインあるいはリアルタイムで実施される場合に限られず、オフラインで実施されてもよい。
<第4の実施形態>
次に、本技術の第3の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[設計方法]
本実施形態では、第1および第2の実施形態において説明したシミュレータ100およびシミュレーションソフトウェアを用いて、半導体デバイスのレイアウト(チップ内レイアウト)の最適化設計について説明する。設計フローを図12に示す。
第2の実施形態と同様に、GUI21(図10)を介して、レシピ情報、装置情報、計算用パラメータ、GDSデータ、膜厚情報等の初期条件を入力する(ステップS401)。続いて、シミュレータ100は、図8の計算フローによる従って、フラックス(イオン、ラジカル)、形状進展等の計算処理を実行する(ステップS402)。
続いてシミュレータ100は、得られた形状と所望スペックとの差が10%以上であるか否かを評価あるいは判定する(ステップS403)。当該差が10%以上の場合、加工条件を変更して、加工形状を所望スペックに近づける。本実施形態では、ウェハ上にダミーパターン(例えばレジストパターン)を配置することで、ターゲットとするパターンに入射するラジカル量を調整する(ステップS404)。上記処理を繰り返し実行することで、所望スペックとの差を所定値以下(本例では10%未満)に抑えられるレイアウトパターンを決定する。
図13は、ダミーパターンの配置例を示す模式図である。ウェハW上の任意の1つのチップWcに設けられた複数のパターンP1〜P3うち、例えばパターンP2をターゲットにしたときの形状進展を予測する場合を想定する。例えば、加工条件が上述の第1の実施形態で説明した計算例1と同一であり、ホール加工変換差のスペックが200nm、実施した加工変換差が230nmの場合、パターンP2の周囲にレジストマスクで覆われたダミーパターンDPを配置する。パターンP2への入射ラジカル量を設計する過程で、パターンP2への入射ラジカル量が最適となるようにダミーパターンの形状、大きさ、配置等が変更されてもよい。
ダミーパターンDPを配置してチップレベル開口率を小さくすることで、レジストマスクからの反応生成物がパターンP2へ入射する量が増加し、これにより加工変換差を小さくすることができる。ダミーパターンは、例えば、チップレベル開口率が5%小さくなるように配置される。ターゲットパターンとダミーパターンとの距離は、特に限定されず、好適には、プロセスの圧力条件等にもよるが、反応生成物の平均自由行程の数倍程度以内に設定される。
本実施形態に係る設計方法は、上述の例に限られず、例えば、ターゲットパターンのレイアウトや形状、あるいは、ターゲットパターンの周囲に形成されるの他のパターンのレイアウト等の決定にも適用可能である。
さらに本実施形態によれば、レイアウト設計だけでなく、流量、圧力、基板温度、電極間距離、バイアスパワー等の加工条件を含むプロセス設計や、マスク形状(膜厚、テーパ角、線幅、開口率)等を含むOPC設計にも適用可能である。例えば、シミュレータ100によって予測された加工形状やダメージを考慮しながら、加工レシピやパターンのマスク形状を最適化することができる。この場合、ダミーパターンを配置してもよいし、配置しなくてもよい。
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、被加工体に施す加工処理としてプラズマエッチングを例に挙げて説明したが、これに限られず、プラズマを用いた各種表面処理、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor Deposition)等にも本技術は適用可能である。
また、被加工体は、シリコン基板に限られず、Ga−As等の他の半導体基板であってもよいし、金属、プラスチック等の他の材料で構成された被加工体にも本技術は適用可能である。さらに被加工膜は、SiO2膜以外の他の絶縁膜であってもよいし、導電膜その他の機能膜であってもよい。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件を取得し、
前記加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記評価点に入射する入射ラジカル量を算出する
シミュレーション方法。
(2)上記(1)に記載のシミュレーション方法であって、
前記入射ラジカル量を算出する処理は、前記プラズマ空間から前記評価点へ直接入射する第1のラジカル量と、前記被加工体の表面から放出されて前記評価点へ入射する第2のラジカル量との総和を算出する
シミュレーション方法。
(3)上記(2)に記載のシミュレーション方法であって、
前記入射ラジカル量を算出する処理は、前記立体角が所定の閾値以下のとき、前記立体角が前記閾値であるときのラジカル量を前記入射ラジカル量として算出する
シミュレーション方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法であって、
前記立体角をdΩ、前記反応確率をSn、前記プラズマ空間で生成されるラジカル量をΓn0としたとき、dΩ>Lの場合において、前記評価点における入射ラジカル量Γ(dΩ,Sn)は、m1(Sn)およびm2(Sn)をそれぞれ前記反応確率に依存するパラメータとして、
Γ(dΩ,Sn)/Γn0=[dΩ/(2π)+m1(Sn)dΩm2(Sn)
の式で算出されるシミュレーション方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のシミュレーション方法であって、
前記立体角をdΩ、前記反応確率をSn、前記プラズマ空間で生成されるラジカル量をΓn0としたとき、dΩ>Lの場合において、前記評価点における入射ラジカル量Γ(dΩ,Sn)は、m1(Sn)およびm2(Sn)をそれぞれ前記反応確率に依存するパラメータとして、
Γ(dΩ,Sn)/Γn0=m1(Sn)[dΩ/(2π)+dΩm2(Sn)
の式で算出されるシミュレーション方法。
(6)上記(4)または(5)に記載のシミュレーション方法であって、
dΩ≦Lの場合において、前記評価点における入射ラジカル量Γ(dΩ,Sn)は、dΩ=Lのときの値で一定とするシミュレーション方法。
11…入力部
12…演算部
13…形状・ダメージ演算部
14…出力部
100…シミュレータ
300…半導体加工装置

Claims (6)

  1. 被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件を取得し、
    前記加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
    前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記プラズマ空間から前記評価点へ直接入射する第1のラジカル量と、前記被加工体の表面から放出されて前記評価点へ入射する第2のラジカル量との総和を前記評価点に入射する入射ラジカル量として算出し、且つ、前記立体角が所定の閾値以下のときは、前記立体角が前記閾値であるときのラジカル量を前記入射ラジカル量として算出する
    シミュレーション方法。
  2. 請求項に記載のシミュレーション方法であって、
    前記立体角をdΩ、前記反応確率をSn、前記プラズマ空間で生成されるラジカル量をΓn0、前記閾値をLとしたとき、dΩ>Lの場合において、前記評価点における入射ラジカル量Γ(dΩ,Sn)は、m1(Sn)およびm2(Sn)をそれぞれ前記反応確率に依存するパラメータとして、
    Γ(dΩ,Sn)/Γn0=[dΩ/(2π)+m1(Sn)dΩm2(Sn)]
    の式で算出されるシミュレーション方法。
  3. 請求項1又は2に記載のシミュレーション方法であって、
    前記立体角をdΩ、前記反応確率をSn、前記プラズマ空間で生成されるラジカル量をΓn0、前記閾値をLとしたとき、dΩ>Lの場合において、前記評価点における入射ラジカル量Γ(dΩ,Sn)は、m1(Sn)およびm2(Sn)をそれぞれ前記反応確率に依存するパラメータとして、
    Γ(dΩ,Sn)/Γn0=m1(Sn)[dΩ/(2π)+dΩm2(Sn)]
    の式で算出されるシミュレーション方法。
  4. 請求項又はに記載のシミュレーション方法であって、
    dΩ≦Lの場合において、前記評価点における入射ラジカル量Γ(dΩ,Sn)は、dΩ=Lのときの値で一定とするシミュレーション方法。
  5. 被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件に基づいて、前記被
    加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出する処理と、
    前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記プラズマ空間から前記評価点へ直接入射する第1のラジカル量と、前記被加工体の表面から放出されて前記評価点へ入射する第2のラジカル量との総和を前記評価点に入射する入射ラジカル量として算出し、且つ、前記立体角が所定の閾値以下のときは、前記立体角が前記閾値であるときのラジカル量を前記入射ラジカル量として算出する処理と
    を含む計算を情報処理装置に実行させるシミュレーションプログラム。
  6. 被加工体にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件を取得するように構成された入力部と、
    前記加工条件に基づいて、前記被加工体の表面の所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、前記立体角と、前記評価点に入射するラジカルの当該評価点との反応確率とを引数とする関数を用いて、フラックス法により前記プラズマ空間から前記評価点へ直接入射する第1のラジカル量と、前記被加工体の表面から放出されて前記評価点へ入射する第2のラジカル量との総和を前記評価点に入射する入射ラジカル量として算出し、且つ、前記立体角が所定の閾値以下のときは、前記立体角が前記閾値であるときのラジカル量を前記入射ラジカル量として算出するように構成された演算部と
    を具備するシミュレータ。
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