JP2010010171A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理条件の取得方法ならびにプラズマ処理方法 - Google Patents
プラズマ処理装置およびプラズマ処理条件の取得方法ならびにプラズマ処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理条件の取得方法ならびにプラズマ処理方法にかかわり、特に半導体のプラズマ処理装置およびプラズマ処理条件の取得方法ならびにプラズマ処理方法に関する。
プラズマ処理装置において、半導体デバイスの生産効率を高めるために、半導体ウェハの直径は200mm、300mm、450mmと大口径化し、さらには新材料・新構造デバイスの採用で、さらに1枚あたりのウェハの作成コストが増加してきている。そのため、適切なプラズマエッチングの条件を効率よく見つける方法が望まれてきた。
この問題に対処するための例えば、プラズマエッチング結果とプラズマ生成条件とを関連付けたデータベースを構築し、このデータベースに基づいて未知のプラズマ生成条件下でのプラズマエッチング結果を推測する方法がある。
また、別の方法では、プラズマ中のラジカル(化学的に活性な状態にある分子・原子)や、あるいはイオンなどが半導体デバイスを構築する各種材料との素反応からエッチング結果を理論的に推定するシミュレータの開発が進められている。このような理論シミュレータの一例として、プラズマによる被処理物の表面反応がLangmuir−Hinshelwoodモデルにより進行すると仮定して処理結果を予測する方法が従来から提示されている。Langmuir−Hinshelwoodモデルでは、プラズマ中のラジカルが非処理物の表面にいったん吸着し、これらの吸着物が化学反応を起こして表面から脱離する過程と、吸着して弱くなった部分をイオンが衝撃を与えることにより反応が進行する過程とを含めてプラズマ処理の理論式を構築している。このような理論モデルを構築してエッチング結果を推定する従来技術として、例えば非特許文献1、2が挙げられる。
Rodolfo Jun Belen, et. al.: "Feature-scalemodel of Si etching in SF6 plasma and comparison with experiments" (Journal of Vacuum Science and Technologies A 23(1) p99 Jan/Feb2005) Rodolfo Jun Belen, et. al.: "Feature scalemodel of Si etching in SF6/O2/HBr plasma and comparisonwith experiments" (Journal of Vacuum Science andTechnologies A 24(2) p350 Mar/Apr 2006)
Rodolfo Jun Belen, et. al.: "Feature-scalemodel of Si etching in SF6 plasma and comparison with experiments" (Journal of Vacuum Science and Technologies A 23(1) p99 Jan/Feb2005) Rodolfo Jun Belen, et. al.: "Feature scalemodel of Si etching in SF6/O2/HBr plasma and comparisonwith experiments" (Journal of Vacuum Science andTechnologies A 24(2) p350 Mar/Apr 2006)
しかし、このようなデータベースを構築する方法では、プラズマエッチングの制御パラメータの組み合わせが非常に多岐にわたり、かつ任意の処理条件における処理結果をより高精度に予測しようとするほど、より多くの実験データが必要になる。このような理由で結局のところデータベースを構築するまでに時間とコストがかかってしまい、実用的でない。
上記非特許文献1、非特許文献2に示されるような理論モデルでは、被処理物に対して入射するラジカルやイオンの量が求まれば、自動的に処理結果を算出できるため、任意の処理条件下における処理結果を予測できるようになる。そのため、一見したところ前述のデータベースを構築する方法に比べてはるかに広範囲の処理条件に適用できると期待できる。しかしながら、プラズマ処理における各種素反応は現在でも十分に解明されていないため、これらの理論モデルを実用化するためには、やはり基礎実験により各種素反応を明らかにしなければならない。例えば、非特許文献1、非特許文献2では、SF6/O2/HBr混合ガスを使用したプラズマ照射下でSiのプラズマエッチングがどのように進行するかを議論しており、エッチングの進行にはF、O、Brといったラジカルと、イオンが重要であると仮定している。しかしながらSF6/O2/HBrの混合プラズマ中で生成されるものとしてよく知られるHFやOH、S2、SOといった副生成物がSi表面の反応に寄与するのか否かについては全く明らかにされていない。また、処理ガスが全く異なる場合、例えば、他によく使用されるガスとしてCl2/O2/HBrなどの混合ガスを使用した場合の処理結果については、どのようなラジカルが表面反応に寄与するのかを仮定した上で改めて実験しなければ処理結果を全く推測できない。したがって、理論モデルといえど、処理結果を予測するためには実験から得られた表面反応データが必要であり、その意味では前述のデータベースを構築する手法と大差はない。
また、Langmuir−Hinshelwoodモデルでは、表面反応に寄与するラジカルやイオンのフラックスの量がわかれば処理結果を予測できるが、プラズマ処理装置の使用者が直接的に制御する典型的なパラメータ、例えば処理圧力やプラズマ生成電力といったパラメータがこれらのフラックスの量とどのように関連するのかも明確にされておらず、したがってあるプラズマ処理条件下でどのような処理結果が得られるのかが明らかにされていない。もちろん非特許文献1、2で述べられているように、生成されるラジカルやイオンの量、および、Si表面への入射エネルギーが処理条件によってどのように変化するのかを各種基礎実験により定めれば、処理結果と処理パラメータとの関連付けができ、従って任意の処理条件下における処理結果の予測も可能になる。しかしながら、どのようなラジカルがどのように表面反応に寄与するのかが明らかにされていなければ、やはり上記の関連付けも意味を成さず、結局のところ処理結果の正しい予測を行えない。したがって、非特許文献1、2の従来技術を産業に応用するには、まだ時間がかかると思われる。
すなわち、本発明は、プラズマ処理装置において、表面反応に寄与するラジカルを特定せずにウェハの表面反応論の理論モデルを構築する方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、表面反応に寄与するラジカルを特定せずに上なの表面反応を予測し、基礎実験にかける時間とコストを軽減できるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、プラズマ処理条件に対する処理結果の予測を直接的に行うことができ、商業的な利用が容易な予測方法を提供することを目的とする。
そこで本願発明の発明者らは、Langmuir―Hinshelwoodモデルなどの表面反応論において、表面反応に寄与するラジカルを特定せずに理論モデルを構築する方法を提案する。すなわち、表面反応への寄与の大小による重み付け平均化演算を行った「実効ラジカル」の存在を仮定し、この実効ラジカルによる単一の化学反応によりプラズマ処理が進行すると仮定する。さらにはプラズマ処理条件に対する実効ラジカルの性質をデータベース化することにより、従来技術の問題点の解決を図った。
上記課題を解決するために、本発明は、プラズマ処理室と、処理ガスを供給するガス供給手段と、処理ガスを排気しプラズマ処理室内の圧力を制御するバルブと、ガス排気手段と、圧力計と、プラズマ処理室内にプラズマを生成するためのプラズマ生成手段と、プラズマ生成用電源と、試料を載置するステージと、バイアス電源と、計算機を備えたプラズマ処理装置であって、前記計算機は、全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合とバイアス電圧とに対するエッチング速度の依存性をプラズマ処理条件とともに関連付ける演算と、実質的に単一の種類のラジカルとイオンとによって被処理物表面のプラズマ処理が進行することを仮定した表面反応理論モデル式に対して前記データベースに格納されたプラズマ処理条件およびプラズマ処理結果をあてはめる演算と、これにより前記表面反応理論モデル式における前記ラジカルおよびイオンによる反応係数を求める演算とを行う演算部と、もとめられた反応係数および前記表面反応理論モデル式を格納するモデル式格納部と、を備えた。前記表面反応理論モデル式は、たとえば下記式(14)で与えられる。
すなわち、式(14)中のDとVppの変化に対するERの変化を実験的に求め、それを式(14)に当てはめることで、各反応係数を求める。
本発明は、上記プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理条件の取得方法であって、特定のプラズマ生成条件下でガスの全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合DとバイアスVppとを変え、それに対するエッチング速度ERの変化を測定するステップと、エッチング速度ERとそのときのプラズマ処理条件を関連付けてデータベースに格納するステップと、データベースに格納されたプラズマ処理条件とエッチング速度との関係を、単一のラジカルおよび単一のイオンにより進行することを仮定したプラズマエッチングにおける表面反応理論式にあてはめ、各反応係数を決定するステップと、各反応係数をプラズマ処理条件と関連付けてデータベースに格納するステップと、データベースに格納された各反応係数とプラズマ処理条件とからモデル式を生成するステップと、得られたモデル式をモデル式格納部に格納するステップとを備えた。
本発明は、上記プラズマ処理条件の取得方法によって得られたプラズマ処理条件を用いたプラズマ処理方法であって、前記モデル式格納部に格納されたモデル式を用いてプラズマ処理条件を決定する。
本願発明では、表面反応に寄与するラジカルを特定する必要がないので、基礎実験にかける時間とコストが軽減される。さらには、プラズマ処理条件に対する処理結果の予測を直接的に行うことができ、商業的な利用が容易になる。
以下に、本願発明の実施例を、図面を用いて説明する。なお、以下の各実施例において、第1実施例と同様の機能を有するものは第1実施例と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、本願発明を実施するために必要なプラズマ処理装置の構成を、図1を用いて説明する。本発明を実施するためのプラズマ処理装置は、被処理物をプラズマ処理するためのプラズマ処理室101と、プラズマ処理室101内にプラズマ106を生成するためのプラズマ生成手段107と、プラズマ生成手段107に電力を供給するプラズマ生成用電源108と、インピーダンスを調整するためのチューナ109と、プラズマ処理室内のステージ111にバイアス電圧を印加するためのバイアス電源112と、インピーダンスを調整するためのチューナ113と、プラズマ処理室101の温度を制御するための温度制御機構114および温度測定機構115と、演算部602と該演算部602の出力を装置使用者に理解できる形式で表示させることができる表示部603とデータ入力手段604とデータベース605とモデル格納部606を備えた計算機601を備えている。表示部603には、例えばCRTモニタや液晶モニタ、プリンタなどを用いることができる。この計算機601の使用法の詳細は後述する。
前記プラズマ処理室101には、処理ガスを供給するガス供給手段102と、処理ガスを排気しプラズマ処理室101内の圧力を制御するバルブ103と、処理ガスを排気するガス排気手段104と、圧力計105と、被処理物110を支持するステージ111が設置されている。その他、プラズマ処理装置の種類によってはコイル116が1つ以上備えられており、このコイル116によってプラズマ106の生成を補助したり、あるいはプラズマ106の分布を磁場で制御したりする場合があり、あるいはコイル116の役割をプラズマ生成手段107が兼ね備えている場合がある。その他、プラズマ処理室101の天板117が、処理室101と同じ金属材質ではなく石英などの誘電体で構成されている場合もある。
上記のプラズマエッチング装置で半導体ウェハを処理する場合、制御パラメータとしては、処理ガスの種類と混合比、全流量、圧力、プラズマ生成に使用する電力、プラズマの分布を制御するための磁場分布(コイル電流)、ステージに印加するバイアスの電力や電圧、ステージの温度など設定パラメータがあり、これらの組み合わせは広大なパラメータ空間を形成する。さらには各種パラメータがエッチングにどのような効果を与えるかを系統立てて説明する方法論はいまだ確立されておらず、適切なプラズマ生成条件を決定するには、熟練者の経験と試行錯誤に頼る必要がある。
この問題を解決するための従来技術として、例えば非特許文献1のように、Langmuir−Hinshelwoodモデルによる反応論を応用したシミュレータを構築する方法がある。純粋なSF6を処理ガスとしてSiウェハのプラズマエッチングを行う場合、半導体ウェハの表面のエッチング速度ERをLangmuir−Hinshelwoodモデルで記述すると、式(1)のようになる(非特許文献1、P102、式(6)参照)。
したがって、エッチング速度ERは、イオンによる物理的なスパッタYPΓiと、純粋な化学反応によるエッチングkFσFθFと、化学的な反応で弱くなった箇所にイオンが衝撃を与えることで進行するイオンアシストエッチングYFΓiθFの3種類により進行すると考えられる。
すなわち、式(2)の右辺において、第一項は、フッ素が吸着していない箇所にさらにフッ素が吸着する確率を意味し、第二項は化学的なエッチングの進行により吸着したフッ素が消失することを意味し、第三項はイオンアシストエッチングにより吸着したフッ素が消失することを意味しており、これらの3種類の現象によって左辺の単位時間当たりのフッ素吸着面積の変化が決定されている。以上の式(2)のθFを式(1)に代入することにより、エッチング速度ERを理論的に求めるとするのが、Langmuir−Hinshelwoodモデルによるプラズマエッチングの理論である。
上記の例では、SF6単体のガスによるエッチングを仮定している。しかしながら、工業的に利用されているプラズマエッチングでは、単体のガスで処理を実施することはごくまれであり、一般的に複数の混合ガスを用いてプラズマ処理を行う。これに対し、非特許文献2では、混合ガスSF6/O2/HBrによるプラズマエッチングの状況を、Langmuir−Hinshelwoodモデルにより理論的に記述しようと試みているが、非特許文献2の技術では次に述べる3つの困難があると本願発明の発明者らは考えている。
1つめは、Langmuir−Hinshelwoodモデルは、プラズマ処理に寄与する全てのラジカル種について式(1)および式(2)を立て、その連立方程式を解くことにより解を導くことである。そのためプラズマ処理に考慮するラジカルの種類が増えると、すなわち混合するガスの種類を増やすと、Langmuir−Hinshelwoodモデルで考慮しなければならない方程式の数も、その組み合わせにより指数関数的に増加し、解くのが難しくなってくる。2つめは、プラズマ処理装置の運転者が設定するプラズマ処理条件とLangmuir−Hinshelwoodモデル中の各パラメータの値の関係が、いまだに不明であることである。これを明らかにしようとするとシミュレータの開発だけでコストと時間がかかり、したがって現状のところ、このようなシミュレータを開発するよりも熟練した技術者が実験的に最適処理条件を探した方が早い。3つめに、どのようなラジカル種がプラズマ処理にどれだけ寄与しているかがいまだ明らかにされておらず、従ってどのようなモデル式を仮定すべきかはやはり実験によって確かめなければならないことである。例えば非特許文献2のようなSF6/O2/HBrの混合ガスによるエッチングの状況では、F、O、Brの3種類のラジカルによりエッチングが進行すると仮定されているが、実際のプラズマ中にはSFx(1≦x≦5)や、反応副生成物であるSO、HFなど他のラジカルも存在する。また、使用する処理ガスが全く変わったときには、どのラジカルがプラズマ処理に寄与するのか、仮定しなおしてから改めて実験で確認する必要があり、上記文献のモデルには汎用性があるとはいいがたい。
上述したひとつめの問題点について、以下に具体的に述べる。1つめの問題点を解決するために本願発明の発明者らは、次のような方法を考えた。従来技術との差異を明確にするため、まずは従来技術について説明する。従来技術では、エッチング速度ERは、式(5)のように与えられる(非特許文献2、P356、式(7)参照)。
式(1)と比較すると、Brラジカルが寄与するイオンアシストエッチングの項YBrΓiθBrの項が増えている。
非特許文献2では、式(6)〜式(8)からなる連立方程式を、dθX/dt=0(XはF、Br、Oのそれぞれ)としてθXについて解き、式(5)に代入することでエッチング速度ERを算出している。
上記のように、従来技術では、表面反応に寄与すると考えられるラジカルを限定して計算を行っており、その他のラジカルの寄与については一切考慮していない。さらには、処理ガスがSF6/O2/HBrの3種類の混合になると、少なくとも3種類のラジカルについての方程式を仮定せねばならず、計算が複雑になる。さらに前述したように、ガスの組み合わせによって生じる反応副生成物のラジカルまで考慮すると、式(6)〜式(8)に相当する計算式の数は指数関数的に増大し、計算がさらに複雑化する。
上記のような状況をかんがみて、本願発明の発明者らは、以下のようにすることで問題の解決を試みた。すなわち、表面反応に寄与する各種ラジカルを考慮するのではなく、それらをまとめて、ある単一の「実効ラジカル」とみなすことで、式(5)〜式(8)を簡略化する方法である。このことを概念的に図2に示す。図2(a)は、非特許文献2に示された従来技術でのLangmuir−Hinshelwoodモデルであり、この場合はプラズマ処理に寄与すると考えられる個々のラジカルとイオンを考慮している。一方、本発明では、図2(b)のような実効ラジカルによるLangmuir−Hinshelwoodモデルを仮定しており、現象が単純化される。
上記式(9)では、θ≡ΣXθXと定義し、任意のラジカルXが吸着している面積θXの総和を意味している。実効ラジカルによる自発的な化学反応の係数Keffは、Keff≡ΣXKXθX/θと定義され、たとえば式(5)と比較すると、Keffは(kFσθF/4)/θと置き換えられている。実効ラジカルの付着によるイオンアシストエッチングの反応係数Yeffは、Yeff≡ΣXYXθX/θと定義される。式(5)と比較すると、Yeffは(YFθF+YBrθBr)/θと置き換えられている。ここで各種係数kXやYXにかけられている定数項σや1/4はkXやYXに繰り込んである。
この式は、式(6)〜式(8)に相当する表面反応を、考慮すべきすべてのラジカルについて総和をとることで得られる。
すなわち、γRΓR
≡ΣXγXΓX、K´eff≡ΣXK´XθX/θ、Y´eff≡ΣXY´XθX/θと定義される。式(6)〜式(8)と比較すると、K´eff=(kFσθF+kOσθO)/θ、Y´eff=(2YFθF+2YBrθBr+YOθO)/θと置き換えられている。ここで各種係数kXやYXにかけられている定数項σや2はkXやYXに繰り込んである。このようにして式(10)が得られるが、この式の意味するところは、実効ラジカルの吸着面積θは、実効ラジカルのフラックスΓRが実効ラジカルのない箇所に吸着する確率と(右辺第一項)、吸着した実効ラジカルが化学的な反応で脱離する過程と(右辺第二項)、吸着した実効ラジカルがイオンアシスト反応により脱離する過程と(右辺第三項)の和により実効ラジカルの単位時間当たりの変化量である左辺が決定されることである。
≡ΣXγXΓX、K´eff≡ΣXK´XθX/θ、Y´eff≡ΣXY´XθX/θと定義される。式(6)〜式(8)と比較すると、K´eff=(kFσθF+kOσθO)/θ、Y´eff=(2YFθF+2YBrθBr+YOθO)/θと置き換えられている。ここで各種係数kXやYXにかけられている定数項σや2はkXやYXに繰り込んである。このようにして式(10)が得られるが、この式の意味するところは、実効ラジカルの吸着面積θは、実効ラジカルのフラックスΓRが実効ラジカルのない箇所に吸着する確率と(右辺第一項)、吸着した実効ラジカルが化学的な反応で脱離する過程と(右辺第二項)、吸着した実効ラジカルがイオンアシスト反応により脱離する過程と(右辺第三項)の和により実効ラジカルの単位時間当たりの変化量である左辺が決定されることである。
以上に述べたように、各種ラジカルによる個別の反応を考慮せずに、それらをひとまとめにした実効的な化学反応を仮定することにより、式を簡略化し、かつ考慮すべきラジカルを限定してしまうことを回避することができる。
しかしながら、上述の実効ラジカルは仮説の存在にすぎないので、実験により確認することは不可能である。すなわち、非特許文献1や非特許文献2のように、測定によりフラックスΓRの量や表面の吸着面積θを測定することができない。
そこで、本願発明では、次の過程により実効ラジカルに関連した物理量を決定することにした。まず、被処理物表面に入射するイオンのエネルギーは、ステージに印加されるバイアスに比例すると近似できる。このため、バイアスの電圧Vppによって反応係数Keffが変化すると仮定して、式(12)の近似を採用する。
Keffだけでなく、他の反応係数であるYP、K´eff、Yeff,Y´effについても同様の近似を行う。また、実効ラジカルのフラックスΓRは、プラズマ処理を化学的に進行させる成分であるので、全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合Dに比例すると仮定できる。
すなわち、処理ガスのうち化学的に反応しやすいガスにプラズマ中の電子が衝突することで、実効的なラジカルが確率Ceffで生成されると仮定している。
式(14)には、大きくまとめると、4つの係数ρ−1 (Keff + YeffΓi)0、ρ−1∂(Keff + YeffΓi )/∂Vpp、(K´eff +Y´effΓi )0(γRD GT ne Ceff )−1、∂(K´eff + Y´effΓi)/∂Vpp}(γRD GT ne Ceff)−1が含まれている。すなわち、実験データを式(14)にフィッティングすることにより、これら4つの係数を決定すれば、任意のVppとDについてエッチング速度ERを算出することができる。フィッティングには、最小二乗法、ロバスト最小二乗法などの既知のいずれの方法を用いてよい。
本願発明の発明者らは上記の考え方に基づき、量産工場で実際に使用される混合ガスSF6/CHF3/Ar/Heによるプラズマエッチングの結果を式(14)により説明することを試みた。実験結果は、図3のようになった。ここで式(14)を実験値にフィッティングした結果、得られた値は、Yp=0であり、ρ−1 (Keff + Yeff Γi)0=2.64±0.07、ρ−1∂(Keff + YeffΓi)/∂Vpp=(6.17±0.21)×10−3、(K´eff + Y´eff Γi)0 (γRneCeffGT)−1=(3.55±0.29)×10−1、(∂(K´eff+Y´eff Γi)0/∂Vpp)(γRneCeffGT)−1=0、であった。
図3に示したように、式(14)のモデルは、実験データをうまく説明することができる。すなわち、プラズマ処理に寄与するラジカルを個別に考えなくても、実効ラジカルによる単一反応を仮定することできわめて簡単にプラズマ処理を理論的に説明できるようになる。
ところで、商業的に利用されるプラズマエッチングでは、VppとDだけでなく、プラズマの生成に使用する電力、処理圧力など他の制御パラメータも重要である。そこで本願発明の発明者らは、処理圧力を変えて上記に述べた実験データへの式(14)のフィッティングを行ったところ、各種反応係数の値は図4のように推移するという結果を得た。このように、VppとD以外のパラメータに対する各係数の応答をデータベース化することで、任意の処理条件に対する処理結果を演算することができる。
さらに重要なことは、特に(K´eff +Y´eff Γi)0 (γRneCeffGT)−1の項は処理圧力Pの−1.05±0.18乗に比例するという結果が得られていることであり、この理由は密度GTがボイル=シャルルの法則GT∝P/Tに従うためだと考えられる。つまり、簡略化されたLangmuir−Hinshelwoodモデルでも、プラズマエッチングの結果を十分に理論的に説明することができるだけでなく、物理的に妥当な現象が正しく反映されている可能性が十分にあるということが言える。
以上に述べたように、全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合Dと電圧Vppについてのエッチング速度ERの依存性式を測定し、式(14)の形式で表記された各係数の値を実験的に決定した上で、圧力やプラズマ生成電力などに対するこれらの係数の依存性をデータベース化すれば、図2(b)で示したような単純化されたLangmuir−Hinshelwoodモデルによるプラズマエッチングの理論的説明が可能になり、任意の処理条件下での処理結果を予測できるようになる。このことをフローチャートにすると、図5のようになる。
まず手順301において、特定のプラズマ生成条件下でガスの全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合DとバイアスVppとを変え、それに対するエッチング速度ERの変化を測定する。次に手順302において、得られたエッチング速度ERとそのときのプラズマ処理条件を関連付けてデータベース605に格納する。その後手順303において、データベース605に格納されたプラズマ処理条件とエッチング速度との関係を、演算部602が式(14)に当てはめ、各反応係数を決定する。これらの各反応係数は手順304においてプラズマ処理条件と関連付けてデータベース605に格納される。ここで分岐305により、全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合DとバイアスVpp以外のパラメータに対する各反応係数の依存性をモデル式化するのに十分な量のデータがデータベース605に格納されていない場合は、手順306により、プラズマ生成電力や処理圧力など必要なパラメータを変更して手順301に戻る。もし分岐305において十分な量のデータがデータベース605に格納されていると判断されれば、手順307により、演算部602はデータベース605に格納された各反応係数とプラズマ処理条件とからモデル式を生成する。得られたモデル式は手順308において、モデル式格納部606に格納される。
これは、ある反応係数K(P、W、T1、T2)が、圧力P、プラズマ生成電力W、被処理物の温度T1、処理室の温度T2に依存すると仮定して線形一次近似したものである。このK(P、W、T1、T2)は、式(14)におけるρ−1 (YPΓi)0やρ−1∂(YPΓi)/∂Vpp、ρ−1 (Keff + Yeff Γi)0、ρ−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vpp、(γRneCeffGT)−1(K´eff + Y´eff Γi)0、(γRneCeffGT)−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vppを指す。もし、ある反応係数が必ずしもあるパラメータに線形に比例しない場合には、多項式近似やべき乗関数など、適切な非線形モデル式を採用すると良い。
また、最後のモデル式構築の段階において、線形一次近似や多項式近似のような統計的モデル式ではなく、特定の処理ガスによる条件下において十分に物理化学的意味をもったモデル式がすでに得られている場合には、そのモデル式を上記に一例として述べたSF6/CHF3/Ar/Heの混合ガス系だけではなく、任意のガス系(例えばSF6/O2/HBr、HBr/Cl2/O2など)にモデル式を適用し、モデル式中の必要な係数を求めてもよい。たとえば前述したように (γRneCeffGT)−1(K´eff + Y´eff Γi)0はボイルシャルルの法則に従うとすると、この係数はガスの種類に依存せずにP−1に比例すると期待できる。
以上のようにしてモデル式を構築した後は、プラズマ処理装置の運転者が入力手段604を介してプラズマ処理条件を入力し、それに対して演算部602がモデル式格納部606からモデル式を読み出して、入力されたプラズマ処理条件下での処理結果を表示部603に表示する。
以上、本願発明によれば、プラズマ処理結果をごく簡単にLangmuir−Hinshelwoodモデルで説明することができるようになる。
[第2の実施例] 第1の実施例では、ウェハ面内のエッチング速度の平均値に対して、簡略化されたLangumuir−Hinshelwoodモデルを考えた。第2の実施例では、ウェハ面内各点について同様の手法を適用する。
従来、ウェハ面内で均一なプラズマ処理を実施するには、エッチング速度のウェハ面内分布が均一になるようなプラズマ生成条件を得ればよいとされてきた。しかしながらプラズマエッチングの速度は、式(11)から明らかなように、イオンフラックスΓiおよびラジカルフラックスΓRの両方で決定されるため、エッチング速度がウェハ面内で均一であっても、ΓiおよびΓRのそれぞれの効果がウェハ面内で均一でない場合も起こりうる。そのような場合、次の問題が発生する。イオンはウェハに対してほぼ垂直に入射するために、イオンによるエッチングはウェハに対してほぼ垂直方向に進行する。一方で、ラジカルフラックスは熱運動により特定の方向性を持たないため、ラジカルによるエッチングの進行は志向性を持たない。したがって、見かけ上ウェハ面内でエッチング速度が均一であったとしても、ΓiおよびΓRの効果がそれぞれ不均一であると、被処理物であるウェハ表面におけるトランジスタのゲートなどの立体構造はウェハの面内で不均一になる。
この概念を図6に示す。図6はプラズマ処理時におけるイオンフラックスΓiによるエッチングの反応係数ρ−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vpp(破線)の分布およびラジカルフラックスΓRによる反応を表す二つの反応係数ρ−1 (Keff + Yeff Γi)0および(γRneCeffGT)−1(K´eff + Y´eff Γi)0(実線および点線)の分布と、プラズマにより形成された半導体ウェハ表面のトランジスタ構造の断面形状との関係が示されている。
図6(a)では、それぞれの反応係数の分布がウェハ面内で不均一であるために、ゲート構造の断面も不均一な形状になっている。エッチング速度がウェハ面内で均一であっても、実際にはイオンフラックスおよびラジカルフラックス分布の反応係数が不均一であると、このような問題が生じる。一方で、図6(b)のようにエッチング速度だけでなく、イオンフラックスおよびラジカルフラックス分布の反応係数の両方がウェハ面内で均一である場合には、ゲート構造の断面形状も概略同一になる。
そこで、第2の実施例では、式(14)のようなエッチング速度のモデルをウェハ面内の各点に当てはめることで、イオンとラジカルの分布がどのようになっているかを調べることができる。これを達成するためには、たとえば図5の手順における各反応係数を面内各点について求めたうえでプラズマ処理条件との相関をモデル式化し、式(14)における4つの係数、ρ−1 (Keff + Yeff Γi)0や、ρ−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vpp、(γRneCeffGT)−1(K´eff + Y´eff Γi)0、(γRneCeffGT)−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vppのそれぞれのウェハ面内ばらつきが最小になるようにプラズマ生成条件を調節すると良い。あるいは、ρ−1 (Keff + Yeff Γi)0とρ−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vppの比、および/または(γRneCeffGT)−1(K´eff + Y´eff Γi)0と(γRneCeffGT)−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vppの比がウェハ面内でもっとも均一になるようにプラズマ生成条件を調整するとよい。
以上のようにしてモデル式を構築した後は、プラズマ処理装置の運転者が入力手段604を介してプラズマ処理条件を入力し、それに対して演算部602がモデル式格納部606からモデル式を読み出して、入力されたプラズマ処理条件下での処理結果を表示部603に表示する。
以上、本願発明の第二の実施例によれば、イオンおよびラジカルフラックスの効果をウェハ面内で均一にすることにより、面内での処理特性を均一にすることができる。
[第3の実施例]第1および第2の実施例により、各反応係数の値をデータベース化することにより、プラズマ処理条件に対するエッチングの応答をより詳細に知ることができるようになる。このことを用いれば、プラズマ処理装置の個体差を解消することもできるようになる。
量産装置ではプラズマ処理装置に限らず、個体差があり、同じ設計に基づいていても、装置の個体差により性能に若干の違いが出ることがある。例えばプラズマ処理装置ならば、同じ投入電力に対してもプラズマの生成効率が違ったり、処理ガスの設定流量に対して実際に流れるガスの量が若干異なったりすることがある。これらの個体差は、プラズマ処理結果に影響を及ぼし、製品としての被処理物のばらつきにつながるため、解消が望まれてきた。
そこで、本願発明の第3の実施例により、各装置について反応係数のデータベースを比較し、ある基準処理装置にあわせることで装置間の性能差を解消する方法を述べる。
第3の実施例では、例えば図7(a)のように複数台のプラズマ処理装置に備えられたデータベースを、ネットワークを介して接続し、データをデータサーバに集約する。第3の実施例は、図7(a)に示すように、各プラズマ処理装置が備えている計算機601a、601b、601c、601dを、ネットワーク501を介してデータサーバ502に接続して構成される。データサーバ502は、図7(b)に示すように、データベース503と、演算部504と、モデル式格納部505を有している。
データサーバ502は、ネットワーク501を介して各プラズマ処理装置が備えている計算機601a、601b、601c、601dのデータベースから、エッチング速度とそのときのプラズマ処理条件のセットを収集し、データサーバ502が備えたデータベース503に記録する。このネットワーク501は、ある特定の工場内に備えられたローカルエリアネットワークであってもよいし、インターネットのような公共の通信網であってもよい。データサーバ502はデータベース503に記録されたデータを元に、図5の手順と同様の方法で演算部504によりモデル式を構築し、モデル格納部505に格納する。こうして構築されたモデル式は、ネットワーク501に接続された各プラズマ処理装置の平均的な処理性能を示すことになる。次にデータサーバ502はネットワーク501を介して各プラズマ処理装置が備えたモデル式を収集し、先に作成しモデル格納部505に格納した平均的なモデル式と比較する。この平均的なモデル式と、各装置に固有のモデル式との間にズレが確認されれば、それを補正する。以下にその方法を述べる。
ネットワーク502に接続されたプラズマ処理装置のデータから作成されたモデル式が、K(P、W、T1、T2)であり、一方で計算機601aに格納されたモデル式がKa(P、W、T1、T2)であるとする。もし計算機601aに格納されたモデル式が、平均的なモデルと一致していれば、すなわちプラズマ処理装置間の性能差がなければ、任意のプラズマ生成条件に対して常にK(P、W、T1、T2)=Ka(P、W、T1、T2)となるはずであるが、実際には装置間の個体差により、必ずしも一致しない。そこで適切な変数変換により二つの関数を一致させれば、装置間の性能差を解消することができる。たとえば、線形近似による変数変換K(P、W、T1、T2)=Ka(APP+BP、AWW+BW、AT1T1+BT1、AT2T2+BT2) を仮定し、最小二乗法などの既知の方法で各AXとBXを決定すればよい。また、上記には全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合DとVppに対する議論が含まれていないが、これも同様の手法で解決できる。すなわち、各処理装置に対して平均的なモデルにおけるエッチング速度がER(D、Vpp)で、プラズマ処理装置aのエッチング速度がERa(D、Vpp)のときに、ER(D、Vpp)=ERa(ADD+BD、AVppVpp+BVpp)が成立するように各AXとBXを決定することで、各処理装置の制御パラメータを補正すればよい。以上の手順により、ネットワークに接続されたプラズマ処理装置について、同質の処理性能が発揮される。
以上のように、本願発明の第3の実施例に依れば、ネットワークにより複数台のプラズマ処理装置を接続し、構成されたモデル式を元にプラズマ処理性能を較正することで、同質の処理性能を確保することができるようになる。
以上、単一のラジカルと単一のイオンによるLanmuir−Hinshelwoodモデルを用いてプラズマ処理における表面処理反応をモデル化する方法について述べたが、表面反応モデルはLangmuir−Hinshelwoodモデル以外にもいくつか提唱されている。これらのいずれについても、本願発明で述べたとおり、単一ラジカルと単一イオンによる反応モデルは有効に機能するので、それらのうちもっとも有効なものを利用してよい。
また、以上の説明ではプラズマエッチングによるエッチング速度、特にウェハ表面に対して垂直方向のエッチング速度について述べたが、ウェハ表面に対して水平方向のエッチング速度も同様にして求めることができるので、立体形状の推定に応用しても良い。あるいは、水平方向のエッチング速度にはイオンがほとんど寄与しないことを利用して、Vpp依存項(式(14)におけるρ−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vppおよび(γRneCeffGT)−1∂(Keff + Yeff Γi)/∂Vpp))をゼロと仮定して垂直方向のエッチング速度から水平方向のエッチング速度を計算し、これにより立体形状の推定に応用しても良い。また、エッチングだけでなく、被処理物表面に薄膜を形成するプロセスにも、同様の方法を用いることができる。
101:プラズマ処理室
102:ガス供給手段
103:バルブ
104:ガス排気手段
105:圧力計
106:プラズマ
107:プラズマ生成手段
108:プラズマ生成用電源
109:チューナ
110:被処理物
111:ステージ
112:バイアス電源
113:チューナ
114:温度制御機構
115:温度測定機構
116:コイル
117:天板
301:実験ステップ
302:実験データの格納ステップ
303:演算部602による演算処理
304:反応係数のデータベース格納ステップ
305:分岐
306:実験条件の変更ステップ
307:モデル式構築ステップ
308:モデル式格納ステップ
501:ネットワーク
502:データサーバ
503:データサーバの演算部
504:データサーバのデータベース
505:データサーバのモデル式格納部
601:計算機
602:演算部
603:表示部
604:入力手段
605:データベース
606:モデル式格納部
102:ガス供給手段
103:バルブ
104:ガス排気手段
105:圧力計
106:プラズマ
107:プラズマ生成手段
108:プラズマ生成用電源
109:チューナ
110:被処理物
111:ステージ
112:バイアス電源
113:チューナ
114:温度制御機構
115:温度測定機構
116:コイル
117:天板
301:実験ステップ
302:実験データの格納ステップ
303:演算部602による演算処理
304:反応係数のデータベース格納ステップ
305:分岐
306:実験条件の変更ステップ
307:モデル式構築ステップ
308:モデル式格納ステップ
501:ネットワーク
502:データサーバ
503:データサーバの演算部
504:データサーバのデータベース
505:データサーバのモデル式格納部
601:計算機
602:演算部
603:表示部
604:入力手段
605:データベース
606:モデル式格納部
Claims (4)
- プラズマ処理室と、処理ガスを供給するガス供給手段と、処理ガスを排気しプラズマ処理室内の圧力を制御するバルブと、ガス排気手段と、圧力計と、プラズマ処理室内にプラズマを生成するためのプラズマ生成手段と、プラズマ生成用電源と、試料を載置するステージと、バイアス電源と、計算機を備えたプラズマ処理装置であって、
前記計算機は、プラズマ処理条件とプラズマ処理結果とを関連付けて格納するデータベースと、
実質的に単一の種類のラジカルとイオンとによって被処理物表面のプラズマ処理が進行することを仮定した表面反応理論モデル式に対して前記データベースに格納されたプラズマ処理条件およびプラズマ処理結果をあてはめる演算と、これにより前記表面反応理論モデル式における前記ラジカルおよびイオンによる反応係数を求める演算とを行う演算部と、求められた反応係数および前記表面反応理論モデル式を格納するモデル式格納部と、
を備えたプラズマ処理装置。 - 請求項1に記載のプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理条件の取得方法であって、
特定のプラズマ生成条件下でガスの全ガス量に対して化学的に活性なラジカルを生じるガスの割合DとバイアスVppとを変え、それに対するエッチング速度ERの変化を測定するステップと、
エッチング速度ERとそのときのプラズマ処理条件を関連付けてデータベース605に格納するステップと、
データベースに格納されたプラズマ処理条件とエッチング速度との関係を、前記式(14)に当てはめ、各反応係数を決定するステップと、
各反応係数をプラズマ処理条件と関連付けてデータベースに格納するステップと、
データベースに格納された各反応係数とプラズマ処理条件とからモデル式を生成するステップと、
得られたモデル式をモデル式格納部に格納するステップとからなる
ことを特徴とするプラズマ処理条件の取得方法。 - 請求項3に記載のプラズマ処理条件の取得方法によって得られたプラズマ処理条件を用いたプラズマ処理方法であって、
前記モデル式格納部に格納されたモデル式を用いてプラズマ処理条件を決定する
ことを特徴とするプラズマ処理方法。
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JP2003282546A (ja) * | 2002-03-26 | 2003-10-03 | Tohoku Techno Arch Co Ltd | オンウエハ・モニタリング・システム |
-
2008
- 2008-06-24 JP JP2008164141A patent/JP2010010171A/ja active Pending
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