JP6173889B2 - シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、加工制御システム、シミュレータ、プロセス設計方法およびマスク設計方法 - Google Patents

シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、加工制御システム、シミュレータ、プロセス設計方法およびマスク設計方法 Download PDF

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Description

本技術は、被加工体の加工状態を予測するためのシミュレーション方法およびシミュレーションプログラム、並びに、そのシミュレーション方法を利用した加工制御システム、シミュレータ、プロセス設計方法およびマスク設計方法に関する。
エッチングや堆積によって変化するウェハの表面形状をシミュレートする技術が知られている。例えば、半導体のプラズマエッチングにおける加工変換差のバラツキ予測・制御に関して、特許文献1には、ウェハ開口率及び局所パターンの有効立体角がプラズマエッチングに及ぼす影響を考慮したシミュレーション方法が開示されている。これらのパラメータの影響を考慮することにより、2次元シミュレータにおいてマスクパターンの形状の影響を3次元的に考慮することが可能となる。
また特許文献2には、加工中のパターンに入射してくる反応生成物フラックス(Γ)とパターンの立体角(Ω)とを掛け合わせた情報と、マスク情報(開口率、膜厚)とを入力パラメータとして加工形状をシミュレートする方法が記載されている。この方法によれば、Γ×Ωを制御指標として、ガス流量や圧力等のレシピ条件をリアルタイムで最適化することが可能となる。
特許第5050830号公報 特開2011−44656号公報
近年、複数の加工装置間で安定してデバイスを生産する必要性が高まっており、複数の加工装置を共通の制御指標で制御できる技術が要望されている。
しかしながら、特許文献1,2の構成では、各加工装置に固有の情報を用いた制御であるため、制御範囲が当該装置に限られるという問題がある。例えば入射フラックスをプラズマ状態のモニタリング値を基礎にしているため、装置間の加工特性を比較するには装置ごとの検量線が必要となり、現実的でない。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、複数台の加工装置を共通の制御指標で制御することができるシミュレーション方法およびシミュレーションプログラム、並びに、そのシミュレーション方法を利用した加工制御システム、シミュレータ、プロセス設計方法およびマスク設計方法を提供することを課題とする。
を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るシミュレーション方法は、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得することを含む。
前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量が算出される。
前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートが算出される。
前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率が算出される。
前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角が算出される。
前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標が算出される。
本技術の一形態に係るシミュレーションプログラムは、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量を算出するステップと、
前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出するステップと、
前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出するステップと、
前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出するステップと、
前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出するステップと
を含む計算を情報処理装置に実行させる。
本技術の一形態に係る加工制御システムは、複数のエッチング装置と、前記複数のエッチング装置各々に設けられたコントローラとを具備する。
前記コントローラは、サーバと通信可能な通信部と、制御部とを有する。
前記制御部は、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面にプラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件と、前記マスク厚および開口率を含むマスク情報とを送信し、前記加工条件に基づいて算出された前記ウェハ表面に入射する反応生成物のフラックス量と、前記マスク情報と前記フラックス量とに基づいて算出された前記ウェハのエッチレートと、前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて算出された前記反応生成物の解離率と、前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて算出された、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角と、前記開口率と、を用いて生成された前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を前記サーバから受信するように前記通信部を制御可能に構成される。
本技術の他の形態に係る加工制御システムは、ウェハの表面にプラズマを利用したエッチング処理を行う第1の加工装置と、前記エッチング処理による前記ウェハの形状進展を予測する情報処理装置とを具備する。
前記情報処理装置は、入力部と、演算部とを有する。
前記入力部は、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、前記エッチング処理を行う際の加工条件を取得するように構成される。
前記演算部は、前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量を算出し、前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出するように構成される。
本技術の一形態に係るシミュレータは、入力部と、演算部とを具備する。
前記入力部は、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得するように構成される。
前記演算部は、前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量を算出し、前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出するように構成される。
本技術の一形態に係るプロセス設計方法は、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得することを含む。
前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量が算出される。
前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートが算出される。
前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率が算出される。
前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角が算出される。
前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標が算出される。
前記制御指標が所定範囲におさまるように、前記加工条件が変更される。
本技術の一形態に係るマスク設計方法は、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得することを含む。
前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量が算出される。
前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートが算出される。
前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率が算出される。
前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角が算出される。
前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標が算出される。
前記制御指標が所定範囲におさまるように、前記マスクの設計が変更される。
以上のように、本技術によれば、複数台の加工装置を共通の制御指標で制御することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の第1の実施形態に係る加工装置を示す概略構成図である。 上記加工装置における加工部の概略構成図である。 上記加工装置におけるコントローラの概略構成図である。 加工変換差を説明するパターンの断面図である。 上記コントローラによるエッチング条件の一制御例を説明する図である。 ポリシリコン膜とその周囲のガス(プラズマ)との界面付近における反応モデルの概要を示す図である。 参照技術に係るシミュレーション方法における計算手順を示すフローチャートである。 上記参照技術の問題点を説明する図である。 本技術の一実施形態に係るシミュレーション方法における計算手順を示すフローチャートである。 上記シミュレーション方法により実現可能なエッチング条件の一制御例を説明する図である。 ウェハ表面のパターンに入射する反応生成物フラックスのモデル図である。 ウェハ表面のパターンに入射する反応生成物フラックスのモデル図である。 上記シミュレーション方法による計算結果と実際に加工されたパターン形状とを比較して示す図である。 加工中に受けるウェハのダメージを説明する模式図である。 上記ダメージの制御指標依存を計算した結果(上図)と、実際のダメージのTEM画像(下図)とを示す図である。 本実施形態に係るシミュレーション方法を適用したシミュレーションソフトウェアを説明する機能ブロック図である。 本技術の第2の実施形態に係る加工制御システムの概略構成図である。 上記加工制御システムにおいて実行されるシミュレーションのフローチャートである。 本技術の第3の実施形態に係る加工制御システムの概略構成図である。 上記加工制御システムにおいて実行されるシミュレーションのフローチャートである。 本技術の第4の実施形態に係る設計方法を示すフローチャートである。 本技術の第5の実施形態に係る設計方法の一例を示すフローチャートである。 本技術の第5の実施形態に係る設計方法の他の例を示すフローチャートである。 ダミーパターンの配置例を示す模式図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本技術の第1の実施形態に係る加工装置を示す概略構成図である。
[加工装置の概略構成]
加工装置1は、被加工体に対して所定の加工処理を行う加工部10と、上記所定の加工処理を制御するコントローラ100とを備える。
本実施形態において加工部10は、ドライエッチング装置(プラズマエッチング装置)で構成される。具体的には、加工部10は、半導体装置等の電子デバイスの製造に用いられるドライエッチング装置として構成される。
コントローラ100は、加工部10における加工処理をモニタリングし、加工精度が許容スペック内に収まるように加工条件を最適化するように構成される。また、コントローラ100は、加工部10で実施されている加工条件(ガス流量、圧力、パワー、ウェハ温度等)から被加工体の加工形状を予測し、当該予測結果を踏まえて当該加工条件を補正するように構成されたシミュレータとして構成される。
以下、加工部10およびコントローラ100の詳細について説明する。
[加工部]
図2は、加工部10の概略構成図である。加工部10は、エッチング装置101と、モニタリング装置108とを有する。ここでは、エッチング装置101として、CCP(Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を例に挙げて説明するが、これ以外にも、ICP(Inductively Coupled Plasma)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング装置等も適用可能である。
エッチング装置101は、チャンバ102と、上部電極103と、下部電極104とを有する。上部電極103および下部電極104は、チャンバ102の内部において相互に対向して配置される。下部電極104は、ウェハ(被加工体)Wを支持するステージとしての機能をも有し、さらにはウェハ温度を調整可能な温調ユニットを含む。上部電極103および下部電極104にはそれぞれ高周波電源105,106が接続されている。
エッチング装置101は、図示しない真空ポンプを介してチャンバ102の内部が所定の減圧雰囲気に排気され、さらに図示しないガス導入ラインを介して所定のプロセスガス(エッチングガス、不活性ガス等)がチャンバ102の内部に導入可能に構成される。エッチング装置101は、高周波電源105,106から上部電極103および下部電極104へ電力を印加することで、上部電極103と下部電極104との間にプラズマ107を形成し、ウェハWの表面をエッチングする。
ウェハWの表面には、加工用のマスク(例えばレジストマスク)RMが設けられている。マスクRMは、エッチング領域を画定する所定形状の開口パターンを有する。ウェハWは、開口パターンから露出する表面領域がエッチングされることで、ウェハWの表面にエッチングパターンが形成される。
モニタリング装置108は、エッチング装置101に接続され、プラズマ107から各種物理量を検出する複数の検出器を有する。具体的には、モニタリング装置108は、OES(Optical Emission Spectrometer)、EES(Equipment Engineering System)、QMS(Quadrupole Mass Spectrometer)、IRLAS(Infrared-diode Laser Absorption Spectroscopy)等のプラズマ状態あるいは装置状態を計測可能な各種計測機器を含む。
[コントローラ]
図3は、コントローラ100の概略構成図である。コントローラ100は、典型的には、コンピュータ(情報処理装置)で構成される。また本実施形態では、コントローラ100は、シミュレータとして構成される。
コントローラ100は、入力部11と、演算部12と、出力部14とを備えている。入力部11は、被加工体に対して所定の加工処理を行う際の加工条件と、モニタリング装置108からの検出データとを取得して演算部12へ入力するように構成される。演算部12は、制御指標演算部13を有する。制御指標演算部13では、入力部11を介して入力された加工条件に基づいて、後述するシミュレーション方法によって、被加工体の形状進展やダメージ等を評価するための制御指標を算出する。
演算部12は、ハードウェアで構成されて後述する計算処理を実現しもよいし、所定のシミュレーションプログラム(ソフトウェア)を用いて計算処理を実行してもよい。この場合、制御指標演算部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置で構成され、シミュレーションプログラムを外部から読み込み、そのプログラムを実行することにより計算を実行する。
シミュレーションプログラムは、例えば、図示しないデータベースや、別途設けられる例えばROM(Read Only Memory)等の記憶部などに格納することができる。この際、シミュレーションプログラムを、例えばデータベースや別途設けられた記憶部等に予め実装した構成にしてもよいし、外部から例えばデータベースや別途設けられた記憶部等に実装する構成にしてもよい。外部からシミュレーションプログラムを取得する場合には、シミュレーションプログラムを、光ディスクや半導体メモリなどの媒体から配布するようにしてもよいし、インターネットなどの伝送手段を介してダウンロードするようにしてもよい。
出力部14は、演算部12によって計算された所定の加工処理のシミュレーション結果を出力するように構成される。出力部14は、加工処理のシミュレーション結果と共に、例えば、演算に用いた加工処理条件およびパラメータ等の情報も出力してもよい。出力部14は、例えばシミュレーション結果を表示する表示装置、シミュレーション結果を印刷して出力する印刷装置、シミュレーション結果を記録する記録装置等の装置のいずれか、または、これらの装置を適宜組み合わせて構成される。本実施形態では、コントローラ100が出力部14を備える例を説明するが、本技術はこれに限定されず、出力部14がコントローラ100の外部に設けられていてもよい。
コントローラ100はさらに、演算部12における計算処理に必要となる各種パラメータを記憶するデータベース部を備えていてもよい。また、このようなデータベース部を、コントローラ100の外部に設けてもよい。計算処理に必要となる各種パラメータを外部から随時入力する場合は、データベース部を設けなくてもよい。
コントローラ100は、被加工体であるウェハWの表面に形成されるエッチングパターンが所定形状となるように加工部10におけるエッチング条件を制御する。典型的には、コントローラ100は、ウェハWの表面に形成されるエッチングパターンの加工変換差(ΔCD)が一定となるように、エッチング条件を制御する。
加工変換差は、図4に示すように、ウェハWをエッチングする前におけるマスクパターンRM1のパターン幅W1と、マスクパターンRM1をマスクとするエッチングにより形成されるウェハWのエッチングパターンP1の幅W2との差をいう。
ここで、エッチング条件によっては、基板Wをエッチングから保護する反応生成物を生成しつつ、エッチングを進行させる加工方法が知られている。この方法は、上記反応生成物をエッチングパターンP1の側壁に堆積させながら基板Wをエッチングすることで、エッチングパターンP1をサイドエッチングから保護し、高アスペクト比のエッチングパターンを形成可能とするものである。一方、エッチングパターンP1の側壁に上記反応生成物が厚く堆積すると、逆に、エッチングパターンP1の側壁がテーパ形状となり、加工変換差の過度の増加を引き起こす。
そこで、コントローラ100は、エッチングパターンP1上への上記反応生成物の堆積量をエッチング条件の補正によって制御することで、加工変換差(ΔCD)を一定の範囲内に維持する。
図5は、コントローラによるエッチング条件の典型的な制御例を説明する図である。この例では、加工変換差を一定に維持するためのエッチング条件の制御例を示す。
上述のように、エッチング保護膜として機能する反応生成物のエッチングパターンへの入射フラックス量が増加するにつれて、加工変換差も増加する。一方、実際のエッチング条件である実レシピを固定すると、プラズマ状態の変動により上記入射フラックス量も加工時間によってランダムに変化する。そこで、コントローラ100は、加工時間に依存することなく入射フラックス量が一定となるように適宜の時間間隔で実レシピを目標点へ補正することで、加工変換差を一定の範囲内に維持する。
上記制御を実現するため、コントローラ100は、エッチングパターンの加工変換差を評価するための形状進展シミュレーションを実行する。本実施形態では、被加工体の表面(被加工面)において、周囲のガス(外部)から被加工体に入射する各種粒子の量と、被加工体から放出される各種粒子の量との関係式がフラックス法により算出される。この際、被加工体およびガス間の反応モデルが設定される。
(被加工体の反応モデル)
以下、ハロゲン系(HBr)ガスおよび酸素(O)を含むガスにより、ウェハ上に形成されたポリシリコン膜(poly-Si)をドライエッチングする際の反応モデルを例に挙げて説明する。
図6に、ポリシリコン膜とその周囲のガス(プラズマ)との界面付近における反応モデルの概要を示す。HBr系ガスのプラズマ20の雰囲気中でポリシリコン膜21をドライエッチングすると、ポリシリコン膜21の表面付近にはエッチング反応層21a(以下単に「反応層21a」という。)が形成される。
プラズマ20(ガス)からポリシリコン膜21にイオン粒子23が入射すると(矢印A1)、反応層21aではシリコン同士の結合(Si−Si)が切れる。反応層21a中で結合が切れたシリコンは、プラズマ20から入射するHBr系ガス(矢印A2)中の臭素(Br,Br2)と反応(結合)してSiBrx(xは正の数)になる。そして、生成されたSiBrxは、ポリシリコン膜21から外部に放出される(矢印A3)。この際の反応面積率をφn(0≦φn≦1)で表す。
一方、反応層21a中で結合が切れた他のシリコンは、プラズマから入射する酸素(矢印A4)と反応して、SiOy(yは正の数)になる。そして、生成されたSiOyは、ポリシリコン膜21から外部に放出される(矢印A5)。この際の反応面積率をφo(0≦φo≦1)で表す。
さらに、ポリシリコン膜21から放出されたSiBrxは、再びポリシリコン膜21上に入射し(矢印A6)、ポリシリコン膜21の表面に存在する酸素(O,O2)と反応する。その反応生成物であるSiOuBrv(u,vは正の数)は、ポリシリコン膜21上に堆積する。そして、この堆積物にプラズマ20からのイオン粒子23が入射することで、生成されたSiOuBrvがポリシリコン膜21から外部へ放出される(矢印A7)。この際の反応面積率をφp(0≦φp≦1)で表す。
以上のようにポリシリコン膜21において上記各種反応を生じない面積割合は、1−φn−φo−φpとなる。ここで、プラズマ20からポリシリコン膜21へ入射するイオン粒子23および臭素(ラジカル)は、主としてポリシリコン膜21をエッチングし、臭素とシリコンとの反応生成物であるSiBrx(あるいはSiOuBrv)は、ポリシリコン膜21をエッチングから保護する保護膜を形成する。
本実施形態では、上記各種反応における各種入射粒子の量と、各種放出(生成物)粒子の量(以下では、これらを総称して反応粒子のフラックス量ともいう。)との関係をフラックス法で解き、ウェハ上のエッチングパターンの形状進展あるいはダメージを予測および評価する。
(参照技術)
図7は、参照技術に係るシミュレーション方法における計算手順を示すフローチャートである。以下、概略的に説明する。
参照技術に係るシミュレーション方法では、エッチング保護膜として機能する反応生成物のエッチングパターンへの入射フラックス量(Γ)と、エッチレート(ER)と、マスクRMの開口率(RG、RS)と、反応生成物フラックスの入射点における立体角(ΩL)とが指標とされる。
ここで、「レシピ条件」は加工部10におけるエッチング条件(加工条件)、「膜厚情報」は被加工膜(図5の例ではポリシリコン膜21)、「マスク情報」は、マスクRMの厚みおよび開口率に関する情報に、それぞれ相当する。また、RGは、ウェハ開口率であり、RSは、セミローカル開口率(チップ内開口率)である(RGおよびRSの詳細については後述する)。
参照技術に係るシミュレーション方法においては、入射フラックス量(Γ0)からエッチレート(ER)が算出される。また、算出されたエッチレート(ER)と、マスク情報から取得したマスクRMの開口率(RG、RS)とに基づいて、フラックスの入射点における立体角(ΩL)が算出される。そして、入射フラックス量(Γ0)と、算出された立体角(ΩL)との積を制御指標として、加工変換差(ΔCD)が評価される。なお、Γ0、ER、ΩLおよびΔCDの後に付されている記号(t)および(t+1)は、それぞれ計算時間ステップを表している。
近年、複数の加工装置間で安定してデバイスを生産する必要性が高まっており、複数の加工装置を共通の制御指標で制御できる技術が要望されている。しかしながら、上記参照技術に係るシミュレーション方法では、加工装置に固有の情報を用いた制御であるため、制御範囲が当該装置に限られるという問題がある。
例えば反応生成物の入射フラックス量(Γ0)は、プラズマ状態のモニタリング値を基礎にして取得されるため、加工装置ごとに測定値が変化する。このため、図8に模式的に示すように、加工装置A,B,C間において所定の加工変換差を実現できる入射フラックス量が異なってしまい、共通の制御指標で複数の加工装置を制御することは不可能となる。
一方、デバイスの微細化・多様化が進む昨今、加工変換差のみならず、加工中に引き起こされるウェハのダメージ(例えば結晶欠陥)を低減できる技術が望まれている。しかしながら、上記参照技術に係るシミュレーション方法では、加工変換差を合せこむことが最優先な手法であるため、制御柔軟性が低いという問題がある。
そこで本実施形態において、コントローラ100は、加工装置に由来しない制御指標を用いたシミュレーション方法を実行することで、所定の加工変換差を実現するように構成されている。また、コントローラ100は、上記シミュレーション方法によって、加工変換差のみならず、加工中に引き起こされるダメージをも制御可能に構成されている。
[シミュレーション方法]
以下、本実施形態のシミュレーション方法について説明する。
(制御手法)
図9は、本実施形態のシミュレーション方法を実行する計算手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、少なくとも、入射フラックス量(Γ)、エッチレート(ER)、解離率(D)、立体角(ΩL)、マスク開口率(RG、RS)を含む指標、具体的には、(1−D)×ER×(RG+RS)ΩLを制御指標とする。これにより、後に詳述するように、加工変換差(ΔCD)および加工中におけるウェハWのダメージ(ダメージ深さ又はダメージ厚さの意)(dR)の両方を同じ指標で制御することが可能となる。
ここで、Γは、エッチング保護膜として機能する反応生成物のエッチングパターンへの入射フラックス量、ERはエッチレート、Dは、上記反応生成物の解離率、ΩLは、被加工体表面からパターン間口を見た3次元の見込み角、RGはウェハ開口率、RSはセミローカル開口率である。これらの詳細については後述する。なお、Γ、ER、ΩL、ΔCDおよびdRの後に付されている記号(t)および(t+1)は、それぞれ計算時間ステップを表している。
図10は、コントローラ100による加工部10の制御方法を説明する図である。
本実施形態によれば、制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)の増加に従って、加工変換差(ΔCD)は図10の右図に示すように増加し、ダメージ(dR)は減少する。したがって、加工変換差(ΔCD)およびダメージ(dR)の両方を優先する場合には、各曲線の交点CPが加工変換差(ΔCD)およびダメージ(dR)の両方を最適化した制御指標となる。
この場合、図10の左図に示すように、時々刻々と変化する制御指標が基準指標(目標点)をトレースするように、実レシピ条件(エッチング条件)を自動的に補正する。補正対象となる実レシピ条件としては、解離率(D)とエッチレート(ER)を変えるプロセス条件、例えば、ガス圧力、ガス流量、バイアス(上部電極103または下部電極104に印加する高周波電力)、ウェハ温度等が挙げられる。
一方、加工変換差(ΔCD)を重要視する場合は制御指標を小さく設定すればよく、これとは逆に、低ダメージを重要視する場合は制御指標を大きく設定すればよい。プロセス条件の補正は、ある時間ステップ、例えば、秒オーダで行うことができる。また例えば、加工工程の前半は加工変換差(ΔCD)を優先し、加工工程の後半はダメージ(dR)を優先する等の制御が採用されてもよい。
(制御指標の導出)
本実施形態では、上述のように、加工変換差(ΔCD)とダメージ(dR)の制御指標として、(1−D)×ER×(RG+RS)ΩLを挙げたが、この導出を、HBr/O2ガスによるSiゲート加工を例に挙げて説明する。図11および図12は、ウェハ表面のパターンに入射する反応生成物フラックスのモデル図である。
まず、加工変換差に影響を与える反応生成物フラックスのモデルとして、ウェハ開口率(Global)、セミローカル開口率(Semi-Local)および立体角(Local)の3つの要素を考慮する。各々、ウェハレベル(cmオーダー)、チップレベル(mmオーダー)、パターンレベル(μmオーダー)である。このとき、加工中にプラズマへ巻き上げられ、一部は解離せずに再度パターンへ入射するとした場合、反応生成物(ここでは、例えば、SiBr)の加工表面への入射フラックスは、下記(1)式および(2)式のように表現できる。
ここで、ΓGおよびΓSは、それぞれウェハ開口率およびセミローカル開口率が寄与する入射フラックス量、ρSiはSiの個数密度、DGおよびDSは、それぞれウェハ開口率およびセミローカル開口率に起因する反応生成物のプラズマ中での解離率である。今、DG〜DS=Dと近似すると、加工表面に入射する反応生成物のトータルのフラックス量ΓSiBrは、下記(3)式のように書ける。
このようにして導出されたフラックスを図6のようなイオンアシストのSi表面反応モデルに適用し、形状シミュレーションを行った結果を図13に示す。図13の左上は、ウェハ開口率が40%であるときのターゲットパターン(シミュレーション対象であるパターン)周辺のシミュレーション結果を示す図であり、図13の左下は、ウェハ開口率が86%であるときのターゲットパターンのシミュレーション結果を示す図である。また、図13の右上は、立体角が0.8であるターゲットパターンの断面SEM写真(左図)と形状シミュレーション結果(右図)とを比較して示す図であり、図13の右下は、立体角が1.2であるターゲットパターンの断面SEM写真(左図)と形状シミュレーション結果(右図)とを比較して示す図である。
図13に示したように、ウェハ開口率RGが増大すると、再入射する反応生成物量も増加し、これにより加工形状のテーパ角が増して加工変換差も増加する。また、立体角が増大するときも同様で、サイドエッチ形状がテーパ形状への変化することが確認された。これらは、実測の形状の特徴および加工変換差の変動値をうまく再現できている。よって、上述したフラックスモデルは妥当であり、加工変換差の制御指標として、(1−D)×ER×(RG+RS)ΩLを用いることができるといえる。
一方、ダメージに関しては、図14のように、Siゲートパターンに入射してくるイオン(エネルギー:Ei、フラックス:Γi)によってSi基板ダメージが形成されると考える。この場合、加工表面に堆積する反応生成物厚さdSiBrOと下地のSiO2膜の厚さdSiO2を通過する際にエネルギーを損失して、残りのエネルギーでSi基板にダメージを与える。実測から得られているダメージ(ダメージ深さ)と入射イオンエネルギーの関係(例えば、Eriguchi et al, Jpn. J. Appl. Phys. 49, 08JC02 (2010) )、さらに、上述のように導出したフラックス表式を用いると、ダメージ(dR)は、下記(4)式のように表現できる。
ここで、β、γおよびδは、以下の表式で示される。
ここで、ρPは、堆積する反応生成物の密度、Snはストッピングパワー、DRPは反応生成物の堆積レート、SSiBrは付着確率、ΦPは反応生成物の表面被覆率、t1は、下地Siにイオンが届かない時間帯、Δtは、下地Siにイオンが届いている時間帯である。
ダメージ(dR)の制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)依存を計算した結果(上図)および実際のダメージのTEM画像(下図)を図15に示す。計算に用いたプロセス条件は、実際の加工条件と同じものである。Siゲートの左右は、隣接するパターンが密な状態(Narrow)と疎な状態(Wide)であるが、それらの実際のダメージ厚さと計算結果は良い整合性が得られた。
よって、ダメージに関しても同様に、制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)を用いることができる。なお図15の上図に示すように、実際のパターン範囲において、ダメージ(dR)は制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)に対して減少する挙動となる。
以上、HBr/O2ガスによるSiゲート加工を例にとったが、上記(1)〜(8)式は、ガス系や材料に依らない関係式であるため、これに限られず、他のガス系やパターンに対しても本制御指標の妥当性は成り立つものである。
(制御システム)
本技術において実現可能な制御システムは、上記制御指標を用いた上記制御手法を採用することで、大きく分けて以下の2つのシステムを構築することができる。
1つは、クラウドを用いた中央集中型制御システムであり、クラウドシミュレーションシステム、加工装置群、プラズマモニタリング装置群、ネットワーク群等で構成される。この制御システムの特徴は、制御指標を計算する際に必要となる高精度シミュレーションをクラウドで一括して集中管理することができることにある。
もう1つは、相互やり取りを用いた分散型制御システムであり、簡易予測システム、加工装置群、プラズマモニタリング装置群、ネットワーク群等で構成される。制御指標は各加工装置に実装された簡易予測システムで導出される。簡易予測システムは、例えば、モニタリングデータ、シミュレーションデータベース、簡易関数によって各要素値を計算して制御指標を導出する。この制御システムの特徴は、その制御指標を装置相互でやり取りして最適な加工レシピをまねる学習型のシステムを構築できることにある。
上記クラウドシミュレーションシステムおよび簡易予測システムは、コントローラ100によって実施されるシミュレーション方法と同様のシミュレーション方法によって実現可能である。これらの詳細については、後述する。
(シミュレーションソフトウェア)
次に、本実施形態に係るシミュレーション方法の詳細について説明する。
図16は、本実施形態に係るシミュレーション方法を適用したシミュレーションソフトウェア(プログラム)を説明する機能ブロック図である。
このシミュレーションソフトウェアは、初期条件を入力するためのGUI(Graphical User Interface)41と、演算エンジン42と、シミュレーション結果を可視化するためのGUI43とを有する。
演算エンジン42は、入力部421と、プラズマ状態演算部422と、シース加速演算部423と、開口率演算部424と、形状演算部425と、制御指標演算部426と、出力部427とを有する。ここで、入力部221は、コントローラ100の入力部11を構成する。プラズマ状態演算部422、シース加速演算部423、開口率演算部424および形状演算部425は、コントローラ100の演算部12を構成し、制御指標演算部426は、コントローラ100の制御指標演算部13に相当する。出力部427は、コントローラ100の出力部14を構成する。
このシミュレーションソフトウェアの実行プラットフォームは、例えば、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)、Unix(登録商標)、またはMac(登録商標)のいずれでもよい。また、GUI21,23は、OpenGL、Motif、tcl/tkなど構成言語を問わない。演算エンジン22のプログラミング言語は、C、C++、Fortran、JAVA(登録商標)などその種類を問わない。
GUI41からは、初期条件として、レシピ情報、装置情報、計算用パラメータ、GDS(Graphic Design System)データ(マスク情報)、および膜厚情報を入力する。プラズマ状態演算部422では、初期条件を基にバルクプラズマ中の各ガス種(イオンとラジカル)の密度と解離率(D)が計算される。シース加速演算部423では、バルクプラズマで生成されたイオンのシース内で加速(ラジカルとの衝突も含む)された終状態としてのイオンのエネルギー分布(IEDF:Ion Energy Distribution Function)およびパターンへの入射角度分布(IADF:Ion Angular Distribution Function)、さらには、イオン・ラジカルの入射フラックスが計算される。これらに対しては、実測等から得られるデータベースを用いてもよい。
開口率演算部424は、GDSデータと膜厚情報とからウェハ開口率(RG)およびセミローカル開口率(RS)を導出し、フラックスへの影響(互いに線形関係を持つ)を計算する。これらイオンとラジカルの入射フラックスを用いて形状演算部425において形状進展(エッチレート(ER)、立体角(ΩL))を計算する。形状進展モデルには、特性曲線法、ストリング法、ショックトラッキング法、レベルセット法、レイトレイシングモデル、セルリムーバル法などいずれを用いても構わない。
制御指標演算部426は、ここまで得られた解離率(D)、エッチレート(ER)、ウェハ開口率(RG)、セミローカル開口率(RS)および立体角(ΩL)を用いて、制御指標を算出する。その後、時間発展させて上述の計算を繰り返し実行する。
計算終了後には、出力部427から制御指標の加工時間依存の結果をファイルに出力する。また、GUI43によってこれらの結果の可視化を行うこともできる。データ出力や可視化は、計算中にリアルタイムに行われても構わない。
(シミュレーション方法の実行手順)
本実施形態に係るシミュレーション方法は、以下の計算処理を含む。当該計算処理は、シミュレーションプログラムとして、コントローラ100の演算部12に格納される。
(a1)所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得する。
(b1)上記加工条件に基づいて、上記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量を算出する。
(c1)上記マスク厚および開口率を含むマスク情報と上記フラックス量とに基づいて、上記ウェハのエッチレートを算出する。
(d1)上記加工条件と上記エッチレートとに基づいて、上記反応生成物の解離率を算出する。
(e1)上記マスク情報と上記エッチレートとに基づいて、上記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出する。
(f1)上記エッチレートと、上記解離率と、上記立体角と、上記開口率とに基づいて、上記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出する。
上記シミュレーション方法における計算手順について図9を参照して説明する。
本実施形態のシミュレーション方法(シミュレーションプログラム)は、パターンに入射する反応生成物のフラックス量(Γ)を算出するステップ(S201)と、パターンのエッチレート(ER)を算出するステップ(S202)と、反応生成物の解離率(D)を算出するステップ(S203)と、マスク開口率(RG,RS)を取得するステップ(S204)と、パターン上の評価点における立体角(ΩL)を算出するステップ(S205)と、制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)×ΩL)を算出するステップ(S206)とを有する。
(a)加工条件の取得
加工条件としては、マスクRMの厚みや開口形状を含むマスク情報、被加工膜の厚み、プロセスレシピ(ガス種と流量、圧力、バイアスパワー、ウェハ温度等)等が含まれる。
演算部12における形状シミュレーションに際しては、入力部11(図1)を介してレシピ条件31、マスク情報32および膜厚情報33が取得される。レシピ条件31は、加工条件あるいはエッチング条件に相当し、マスク情報32は、マスクRMの厚み、開口形状・大きさ等を含む。膜厚情報33は、被加工体(被加工膜)の厚みに関する情報を含む。
マスクRMの開口率には、ウェハ開口率(RG)と、セミローカル開口率(RS)とが含まれる。ウェハ開口率(RG)およびセミローカル開口率(RS)は、マスク情報32に基づいて開口率演算部424によって算出される(ステップS204)。
ウェハ開口率(RG)は、マスクRMの面積(被覆面積+開口面積)に対するマスクRMの開口面積の比である。すなわち、ウェハW全体における開口率である。
セミローカル開口率(RS)は、評価点(ローカル領域)を含みウェハWよりも狭いセミローカル領域の面積に対する当該セミローカル領域におけるマスクRMの開口面積の比である。
セミローカル開口率(RS)は、本実施形態では、評価点毎に設定される。例えば、セミローカル領域は、複数の評価点を中心とした円形に設定されるが、矩形等の多角形に設定されてもよい。
セミローカル領域は、例えば、一のデバイス(チップ)よりも小さく設定される。大小の判断基準は、直径でもよいし、面積でもよい。例えば、セミローカル領域の直径は、デバイスの一辺の長さ(例えば20〜30mm)よりも短く設定される。セミローカル領域の半径の上限は、プラズマの平均自由行程の5倍程度が好ましい。平均自由行程は、プロセス条件にもよるが、例えば、1〜数mmである。
(b)フラックス量の算出
評価点に入射する反応生成物のフラックス量(Γ)は、シース加速演算部423によって算出される。フラックス量(Γ)は、本実施形態では、レシピ条件31に基づいてガスフラックスと発光強度を計算できるプラズマ気相シミュレーション結果と、モニタリング装置108に含まれるOESの発光強度データの比較から、算出される(ステップS201)。本実施形態では、主として、エッチング保護膜として機能する反応生成物SiBrのフラックス量が算出されるが、これに加えて、エッチングに寄与するイオンや臭素ラジカル、さらには酸素等の他元素粒子のフラックス量が算出されてもよい。
フラックス量(Γ)は、2回目以降の計算時間ステップにおいては、レシピ条件31と、前回の計算時間ステップにおいて算出された反応生成物の解離率(D)とに基づいて、算出される。これによりエッチレートに従って変化する解離率(D)を考慮したフラックス量(Γ)の算出が可能となり、計算の精度が高められる。
(c)エッチレートの算出
エッチレート(ER)は、形状演算部425によって算出される。エッチレート(ER)は、典型的には、マスク情報32と、膜厚情報33と、ステップS201において算出されたフラックス量(Γ)とに基づいて算出される(ステップS202)。
(d)解離率の算出
解離率(D)は、プラズマ状態演算部422によって算出される。解離率(D)は、レシピ条件31と、ステップS202において算出されたエッチレート(ER)とに基づいて算出される(ステップS203)。本実施形態では、エッチング保護膜として機能する反応生成物SiBrのプラズマによる解離率(D)(さらに詳しくは、SiBrがプラズマによって解離しない割合(1−D))が算出される。
解離率(D)は、例えば、反応生成物が関与するイオンおよびラジカルのガス密度をそれぞれni、nRとして、D=ni/(ni+nR)の式で算出される。具体的には、得られたガス密度を用いて、例えば特開2011-134927号公報に記載された方法により発光強度(Ic)を計算し、当該発光強度(Ic)と、OESの測定値(Io)との差が10%以下のとき、上記演算式で算出された値を解離率(D)として算出する。
本実施形態では、エッチレート(ER)の変動により反応生成物の生成量も変化することを考慮して、時間ステップ毎に解離率Dを更新し、その結果を踏まえてフラックス量(Γ)およびエッチレート(ER)を算出するようにしている。これにより、モニタリング装置(OES)の測定値に重点をおいてフラックス量およびエッチレートを算出する場合と比較して、シミュレーション精度の向上を図ることができる。
(e)立体角の算出
立体角(ΩL)は、形状演算部425によって算出される。立体角(ΩL)は、マスク情報32と、算出されたエッチレート(ER)とに基づいて算出される(ステップS205)。
立体角(ΩL)は、加工表面からパターン間口をみた3次元の見込み角である。換言すれば、立体角(ΩL)は、評価点から上方(プラズマ空間)を見たときに、マスクRMやウェハWのパターンによって遮られずに見渡すことができる立体角である。あるいは、プラズマ空間からの粒子が評価点に直接的に入射し得る、評価点から見た3次元的な角度である。立体角(ΩL)は、評価点の座標に基づいて、適宜なアルゴリズムを用いて算出される。
(f)制御指標の算出
制御指標は、制御指標演算部426において算出される。すなわち、制御指標演算部426は、上記各ステップで定量的に算出された解離度(D)、エッチレート(ER)、立体角(ΩL)および開口率(RG、RS)の各構成要素に基づいて、制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)を算出する(ステップS206)。コントローラ100は、算出された制御指標に基づいて、図10に示したように、所望とする加工変換差(ΔCD)が得られるレシピ条件を補正する。なお、レシピ条件31は、補正されたレシピ条件に更新されてもよい。
(g)ダメージ評価
上記シミュレーション方法あるいはシミュレーションプログラムは、さらに、入射イオンによるウェハWのダメージを評価する処理(あるいはステップ)を含む。コントローラ100は、算出された制御指標に基づいて、図10に示したように、ウェハWの加工中におけるダメージ(dR)を考慮して、レシピ条件を補正する。
以上のように本実施形態によれば、フラックス量のみを加工変換差の指標とする参照技術と異なり、制御指標の各構成要素(解離度(D)、エッチレート(ER)、立体角(ΩL)および開口率(RG、RS))を1つずつ定量的に算出しているため、加工装置に依存しないユニバーサルなエッチング制御が可能となる。これにより、装置間における特性バラツキを無視できるため、複数の加工装置で同等のスペックを有する半導体装置を安定に製造することが可能となる。
また、特性に影響を及ぼす加工変換差(ΔCD)とダメージ(dR)を予測および制御することができるとともに、これらの装置間におけるバラツキを抑制できるため、デバイス特性の向上が期待される。また、装置のメンテナンス頻度も少なくなるため、生産性の向上やコストの削減も期待される。
さらに、デバイス特性の要求に合わせた柔軟な制御が可能であるため、プロセス/OPC(Optical Proximity Correction)/レイアウト設計の自由度の向上を図ることができる。しかも、加工変換差を重視した条件や低ダメージを重視した条件、あるいはこれらの両方を満たす最適な条件を、加工中にリアルタイムで制御することができる。
<第2の実施形態>
次に、本技術の第2の実施形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[中央集中型加工制御システム]
図17は、クラウドを用いた中央集中型の加工制御システムを示すブロック図である。
本実施形態の加工制御システム500は、複数のエッチング装置51〜56と、これら複数のエッチング装置51〜56各々に設けられたコントローラ512とを備える(図17では第1の加工装置51に設けられたコントローラのみを図示)。
各エッチング装置51〜56は、CCPエッチング装置で構成されるが、これに限られず、ICPエッチング装置、ECRエッチング装置等で構成されてもよい。各エッチング装置51〜56は、有線または無線のネットワークを介してサーバ50と接続される。
コントローラ512は各々、サーバ50と通信可能な通信部514と、制御部515とを有する。
制御部515は、以下の処理を実行可能に構成される。
(a2)所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面にプラズマを利用した所定の加工処理を行う際の加工条件と、上記マスク厚および開口率(RG、RS)を含むマスク情報とを送信する。
(b2)上記加工条件に基づいて算出された上記ウェハ表面に入射する反応生成物のフラックス量(Γ)と、上記マスク情報と上記フラックス量とに基づいて算出された前記ウェハのエッチレート(ER)と、上記加工条件と上記エッチレートとに基づいて算出された上記反応生成物の解離率(D)と、上記マスク情報と上記エッチレートとに基づいて算出された、上記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角(ΩL)と、上記開口率と、を用いて生成された上記ウェハの表面形状を評価するための制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)をサーバ50から受信するように通信部514を制御する。
各エッチング装置51は、コントローラ512のほかに、加工チャンバ511と、加工チャンバ511のプラズマ状態を測定するモニタリング装置513とを有する。モニタリング装置513は、OES、EES、QMS、IRLAS、イオンスペクトルアナライザ等の少なくともいずれか1つで構成される。
コントローラ512は、加工チャンバ511における加工条件(例えば、GDSデータ、膜厚データ、プロセスレシピ、基準指標(加工変換差、ダメージ等の目標スペック))と、モニタリング装置513の測定値等を、通信部514を介してサーバ50へ送信可能に構成される。
サーバ50は、シミュレータ(クラウドシミュレーションシステム)501と、補正システム502とを有する。
シミュレータ501は、第1の実施形態において説明したシミュレーション方法を実行する。シミュレータ501は、各エッチング装置51〜56から送信される各種パラメータを用いて、各エッチング装置毎に制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)を算出し、各エッチング装置51〜56へ送信可能に構成される。制御指標は、補正システム502を介して各エッチング装置51〜56へ送信されてもよい。
補正システム502は、シミュレータ501において算出された制御指標の変動をエッチング装置51〜56毎に評価する。例えば、補正システム502は、算出された制御指標と基準指標との差が所定値(例えば基準指標の10%)以上である場合、当該制御指標が所定値以下となるようなプロセス補正情報を各々、対応するエッチング装置へ送信するように構成される。
コントローラ512は、通信部514を介してサーバ50から受信した制御指標およびプロセス補正情報に基づいて、プロセスレシピを補正することで、加工チャンバ511において加工されるウェハの加工変換差あるいはダメージを目標スペックに維持する。
(制御例)
以下のプロセス条件を用いたSiゲートの加工制御例を説明する。図18にその制御手順を示す。
Siゲートの初期膜厚は、上層側から、レジストマスク300nm、ポリシリコン膜150nmおよびシリコン酸化膜(SiO2)2nmとした。
[プロセス条件]
バイアス周波数:上部電極/下部電極=60/13.56MHz
ガス種と流量:HBr/O2=300/5sccm
圧力:30mTorr(3.99Pa)
ウェハ温度:60℃
Vpp:330V
加工時間:120秒
各エッチング装置51〜56のOESとEESのモニタリングデータが、加工中に、サーバ50へ例えば0.5秒ごとに送信され、シミュレータ501において各エッチング装置に対応した制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)が計算される。
この際、SiBrのOES発光データ(波長290nm)とプラズマ気相シミュレーションの予測発光値の差異が、例えば10%以下になるようにチャンバ壁への付着確率を1から減少に変動させて平衡状態を求める。これにより、解離率(D)が求まる。また、パターンへ入射するイオンとラジカルのフラックス(Γ)が、シースシミュレーションから求められる。一方、GDSデータからマスクのウェハ開口率(RG=0.7)とセミローカル開口率(RS=0.6)が求まる。そして、これらの情報とプロセスレシピと膜厚情報を入力値とする形状シミュレーションによって、エッチレート(ER)と立体角(ΩL)が求められる。
シミュレータ501は、得られた制御指標の変動を判断し、変動が基準指標よりも例えば10%以上変動した場合には、プロセス条件(バイアス、ガス流量、ガス圧力、ウェハ温度)を50%の範囲内で振り、基準指標との誤差内に補正する。補正システム502から各エッチング装置51〜56にプロセス補正情報が送られ、装置毎にコントローラ512によってプロセスレシピを補正する。
以上のサイクルを加工中、2秒ごとに行い、加工変換差とダメージ両方をスペック内におさめる。制御は、ウェハ面内であってもよいし、ウェハの任意の場所(例えば、中央部(Center)と周縁部(Edge))であってもよい。
なお、プロセスの補正領域が装置特性外に外れた場合、例えば、ガス流量がMass Flowの上限より大きくなる場合には、FDC/EES(Fault Detection and Classification/Equipment Engineering System)によって異常のフラグを立てて、装置を停止させる。この場合には、人間によるチャンバ内のメンテナンスとなる。また、シミュレーションは、一部、データベースや関数を用いて実行されてもよい。
<第3の実施形態>
次に、本技術の第3の実施形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[分散型加工制御システム]
図19は、相互やり取りを用いた分散型の加工制御システムを示すブロック図である。
本実施形態の加工制御システム600は、ウェハの表面にプラズマを利用したエッチング処理を行う第1のエッチング装置(加工装置)61と、上記エッチング処理によるウェハの形状進展を予測する情報処理装置60とを備える。
第1のエッチング装置61は、加工チャンバ611と、加工チャンバ611を制御するコントローラ612と、加工チャンバ611のプラズマ状態を測定するモニタリング装置613とを有する。第1のCCPエッチング装置で構成されるが、これに限られず、ICPエッチング装置、ECRエッチング装置等で構成されてもよい。
モニタリング装置613は、OES、EES、QMS、IRLAS、イオンスペクトルアナライザ等の少なくともいずれか1つで構成される。第1のエッチング装置61は、加工チャンバ511における加工条件(例えば、GDSデータ、膜厚データ、プロセスレシピ、基準指標(加工変換差、ダメージ等の目標スペック))と、モニタリング装置513の測定値等を、情報処理装置60へ送信可能に構成される。
情報処理装置60は、演算部(簡易予測システム)601と、補正システム602と、入力部603とを有する。
入力部603は、第1のエッチング装置61から、所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、上記エッチング処理を行う際の加工条件を取得するように構成される。
演算部601は、第1の実施形態において説明したシミュレーション方法を実行するシミュレータとして構成される。
演算部601は、以下の計算処理を実行する。
(a3)上記加工条件に基づいて、上記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量(Γ)を算出する。
(b3)上記マスク厚および開口率(RG、RS)を含むマスク情報と上記フラックス量とに基づいて、上記ウェハのエッチレート(ER)を算出する。
(c3)上記加工条件と上記エッチレートとに基づいて、上記反応生成物の解離率(D)を算出する。
(d3)上記マスク情報と上記エッチレートとに基づいて、上記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角(ΩL)を算出する。
(e3)上記エッチレートと、上記解離率と、上記立体角と、上記開口率とに基づいて、上記ウェハの表面形状を評価するための制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)を算出する。
算出された制御指標は、第1のエッチング装置61へ出力される。
演算部601は、入力部603を介して取得した第1のエッチング装置61のモニタリングデータ、シミュレーションデータベース、簡易関数等によって、各要素値を計算して制御指標を導出するように構成される。
補正システム602は、演算部601において算出された第1のエッチング装置61における制御指標の変動を評価する。例えば、補正システム602は、算出された制御指標と基準指標との差が所定値(例えば基準指標の10%)以上である場合、当該制御指標が所定値以下となるようなプロセス補正情報を第1のエッチング装置61へ送信するように構成される。
コントローラ612は、情報処理装置60から出力された制御指標及びプロセス補正情報に基づいて、プロセスレシピを補正することで、加工チャンバ611において加工されるウェハの加工変換差あるいはダメージを目標スペックに維持する。
加工制御システム600は、さらに、第2〜第6のエッチング装置(加工装置)62〜66を備える。これらのエッチング装置62〜66は、第1のエッチング装置61と同様の構成を有する。各エッチング装置61〜66は、ネットワーク(有線または無線)67を介して情報処理装置60および他のエッチング装置と通信可能に接続されるとともに、各エッチング装置61〜66間で情報処理装置60による演算結果(制御指標)を受信可能に構成される。
本実施形態において第2〜第6のエッチング装置62〜66は、情報処理装置60で算出された各エッチング装置の制御指標を相互にやり取りして、基準指標からバラツキの少ない最適レシピに修正する。当該制御指標の各構成要素は、装置に依存しないユニバーサルな指標であるため、複数の装置で相互に参照することができる。
(制御例)
以下のプロセス条件を用いたSiO2膜の加工制御例を説明する。図20にその制御手順を示す。
[プロセス条件]
バイアス周波数:上部電極/下部電極=60/13.56MHz
ガス種と流量:C48/Ar/O2=11/400/8sccm
圧力:30mTorr(3.99Pa)
ウェハ温度:60℃
Vpp:1400V
加工時間:200秒
各エッチング装置61〜66のOESとEESのモニタリングデータが、加工中に、情報処理装置60へ例えば0.5秒ごとに送られ、演算部601において各エッチング装置に対応した制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)が計算される。
この際、CF2のOES発光データ(波長250nm)、プラズマ状態、EESの関数としてデータベース(ないしは関数)から、解離率(D)とフラックス量(Γ)が求まる。また、GDSデータからマスクのウェハ開口率(RG=0.2)とセミローカル開口率(RS=0.2)が求まる。そして、これらの情報とプロセスレシピと膜厚情報を入力値として、データベース(ないしは関数)からエッチレート(ER)と立体角(ΩL)が求められる。
演算部601は、得られた制御指標の変動を判断し、変動が基準指標よりも例えば10%以上変動した場合には、プロセス条件(バイアス、ガス流量、ガス圧力、ウェハ温度)を50%の範囲内で振り、基準指標との誤差内に補正する。補正システム602から各エッチング装置61〜66にプロセス補正情報が送られ、装置毎にコントローラ612によってプロセスレシピを補正する。
以上のサイクルを加工中、2秒ごとに行い、加工変換差とダメージ両方をスペック内におさめる。制御は、ウェハ面内であってもよいし、ウェハの任意の場所(例えば、中央部(Center)と周縁部(Edge))であってもよい。
制御指標データは逐次、エッチング装置61〜66毎に記録される。制御指標データは、エッチング終了後(ないしは前)にネットワーク67を介して各エッチング装置61〜66間でやり取りされ、各エッチング装置61〜66において基準指標からバラツキの少ない最適レシピに修正される。
なお、プロセスの補正領域が装置特性外に外れた場合、例えば、ガス流量がMass Flowの上限より大きくなる場合には、FDC/EES(Fault Detection and Classification/Equipment Engineering System)によって異常のフラグを立てて、装置を停止させる。この場合には、人間によるチャンバ内のメンテナンスとなる。
<第4の実施形態>
次に、本技術の第4の実施形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[プロセス設計方法]
本実施形態では、第1の実施形態で説明したシミュレーション方法を利用したプロセス設計方法について説明する。
本実施形態に係るプロセス設計方法は、以下の手順で実行される。なお、計算処理は、情報処理装置(コンピュータ)あるいはクラウドサーバで実行される。
(a4)所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得する。
(b4)上記加工条件に基づいて、上記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量を算出する。
(c4)上記マスク厚および開口率を含むマスク情報と上記フラックス量とに基づいて、上記ウェハのエッチレートを算出する。
(d4)上記加工条件と上記エッチレートとに基づいて、上記反応生成物の解離率を算出する。
(e4)上記マスク情報と上記エッチレートとに基づいて、上記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出する。
(f4)上記エッチレートと、上記解離率と、上記立体角と、上記開口率とに基づいて、上記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出する。
(h)上記制御指標が所定範囲におさまるように、上記加工条件を変更する。
工程(a4)〜(f4)は、第1の実施形態において説明した工程(a1)〜(f1)と共通であるため、ここでは説明を省略する。
上述のように加工変換差(ΔCD)およびダメージ(dR)は、制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)に依存し、当該制御指標が変動すると、加工変換差およびダメージも変化する。したがって制御指標の変動をスペック内に抑えられれば、加工変換差やダメージのバラツキの少ない半導体デバイスを安定に製造できるようになる。
そこで本実施形態では、算出された制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)が所定範囲におさまるように加工条件(プロセスレシピ、エッチング条件)を変更する(工程(h))。図21を参照して、プロセス設計方法の一例を説明する。
本例では、下記プロセス条件を基本条件とするSiゲート加工において、制御指標の変動をスペック内に抑えられるようにプロセスレシピを複数のステップに分ける設計方法を説明する。Siゲートの初期膜厚は、上層側より、レジストマスク300nm/ポリシリコン膜150nm/SiO2膜2nmである。設計フローを図21に示す。
[プロセス条件]
バイアス周波数:上部電極/下部電極=60/13.56MHz
ガス種と流量:HBr/O2=450/1sccm
圧力:30mTorr(3.99Pa)
ウェハ温度:60℃
Vpp:330V
本例では、最も簡単な例として2ステップ法を説明する。まず、各ステップの時間配分を設定する(ステップS301)。本例では、ステップ1を80秒、ステップ2を40秒とする。そして、上記基本条件をプロセス条件とするステップ1およびステップ2でのエッチング加工を順に実行する(ステップS302,S303)。
ステップ2での加工を継続することでパターンの深さが増加し、その立体角がしだいに減少することでパターン側壁に入射する反応生成物(SiBr)の量が少なくなる。その結果、パターンのサイドエッチングが強まるため、時間の進行とともに加工変換差が徐々に増加することになる。
そこで、演算エンジン42(図16)により第1の実施形態で説明したシミュレーション方法を実施し、制御指標が所定範囲におさまるガス流量条件を計算する(ステップS304,S305)。所定範囲としては、例えば、基準指標との差が当該基準指標の10%未満とされる。その結果、HBr/O2のガス流量が150/3sccmと求められ、ステップ2のガス流量をステップ1に対してHBrは減量し、O2は増量する(ステップS306)。このように、パターンの加工表面に堆積する保護膜(SiBrxOy膜)の生成を促進し、加工するにしたがって減少していく立体角(ΩL)の影響を実効的に一定とする。
そして、制御指標が所定範囲におさまるまでステップS303〜S306の処理を繰り返し実行することで、ゲートのサイドエッチ形状を低減させて加工変換差を保ち、かつ、ダメージも一定に保つことができる最適なガス流量条件が決定されることになる。
制御指標のスペックによっては、さらに多くのステップ数(時間)にプロセス条件が設定されてもよい。また変更すべきプロセス条件はガス流量に限られず、例えば、バイアス電圧(Vpp)でもよい。この場合、立体角は減少するものの、ダメージが一定となるようなプロセス設計を構築することができる。バイアス電圧の制御例としては、基本条件である330Vから10Vずつ低下させる。上記(4)式においてEiはVppに相当するため、ダメージ値を考慮したプロセス設計が可能となる。
<第5の実施形態>
次に、本技術の第5の実施形態について説明する。なお、上述の第1の実施形態と説明が重複する部分については、適宜説明を省略する。
[マスク設計方法]
本実施形態では、第1の実施形態で説明したシミュレーション方法を利用したマスク設計方法について説明する。
本実施形態に係るマスク設計方法は、以下の手順で実行される。なお、計算処理は、情報処理装置(コンピュータ)あるいはクラウドサーバで実行される。
(a5)所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得する。
(b5)上記加工条件に基づいて、上記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量を算出する。
(c5)上記マスク厚および開口率を含むマスク情報と上記フラックス量とに基づいて、上記ウェハのエッチレートを算出する。
(d5)上記加工条件と上記エッチレートとに基づいて、上記反応生成物の解離率を算出する。
(e5)上記マスク情報と上記エッチレートとに基づいて、上記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出する。
(f5)上記エッチレートと、上記解離率と、上記立体角と、上記開口率とに基づいて、上記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出する。
(i)上記制御指標が所定範囲におさまるように、上記マスクの設計を変更する。
工程(a5)〜(f5)は、第1の実施形態において説明した工程(a1)〜(f1)と共通であるため、ここでは説明を省略する。
(設計例1)
例えば、テーパ角が90°の通常のレジストマスクを用いてエッチングを行う場合、エッチングが進むにつれて立体角(ΩL)が小さくなるため、制御指標((1−D)×ER×(RG+RS)ΩL)が変動してしまう。
そこで、本実施形態では、初期条件のマスクの設計を変更することで(工程(i))、制御指標の基準値(基準指標)からのズレがスペック内(例えば10%以内)になるように、工程(a5)〜(f5)で示したシミュレーションを実施する。その設計例を図22に示す。本例では、マスク開口部のテーパ角を変更する。設計例としては、初期条件のマスク開口部のテーパ角を90°から例えば0.2°ずつ徐々に小さくしていく。同時に、マスク厚を変更してもよく、例えばマスク厚を初期条件から20nmずつ小さくしていく。
(設計例2)
一方、ダメージ低下よりも形状の垂直化(加工変換差)を優先する場合、マスクの設計変更例として、マスクの開口率を変更してもよい。この場合も制御指標の変動をスペック内(例えば10%以内)になるように上記シミュレーションを実施する。その設計例を図23に示す。本例では、ターゲットパターンの周辺にダミーパターン(典型的にはレジストパターン)を配置し、セミローカル開口率(RS)を変更する。具体的には、セミローカル開口率が初期条件よりも5%小さくなるようにダミーパターンが配置される。
図24は、ダミーパターンの配置例を示す模式図である。ウェハW上の任意の1つのチップWcに設けられた複数のパターンP1〜P3うち、例えばパターンP2をターゲットにしたときの形状進展を予測する場合を想定する。パターンP2への入射ラジカル量を設計の過程で、パターンP2への入射ラジカル量が最適となるようにダミーパターンの形状、大きさ、配置等が変更される。
ダミーパターンDPを配置してセミローカル開口率を小さくすることで、レジストマスクからの反応生成物がパターンP2へ入射する量が増加し、これにより加工変換差を小さくすることができる。ダミーパターンは、例えば、チップレベル開口率が5%小さくなるように配置される。ターゲットパターンとダミーパターンとの距離は、特に限定されず、好適には、プロセスの圧力条件等にもよるが、反応生成物の平均自由行程の数倍程度以内に設定される。
本実施形態に係る設計方法は、上述の例に限られず、例えば、ターゲットパターンのレイアウトや形状、あるいは、ターゲットパターンの周囲に形成されるの他のパターンのレイアウトの決定にも適用可能である。
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、被加工体としてシリコン基板を例に挙げて説明したが、これに限られず、Ga−As等の他の半導体基板であってもよいし、金属、プラスチック等の他の材料で構成された被加工体にも本技術は適用可能である。さらに被加工膜は、SiO2膜以外の他の絶縁膜であってもよいし、導電膜その他の機能膜であってもよい。
また以上の第2および第3の実施形態では、複数のエッチング装置を備えた加工制御システムを例に挙げて説明したが、勿論、単独のエッチング装置によっても同様の加工制御システムを実現することができる。
さらに第2および第3の実施形態において、加工変換差とダメージの優先度に応じて、制御指標の制御方法を調整してもよい。例えば、第2の実施形態におけるSiゲート加工のプロセス条件の場合、形状シミュレーションによって予測されるポリシリコン膜の残膜が10nmまでは形状優先の制御指標でプロセス条件を補正し、それ以降は、下地のSi基板への低ダメージ化を狙ってダメージ優先の制御指標でプロセス条件を補正する。これにより加工精度と低ダメージ化の両立を図ることができる。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、プラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得し、
前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する反応生成物のフラックス量を算出し、
前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、
前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、
前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出する
シミュレーション方法。
(2)上記(1)に記載のシミュレーション方法であって、
前記反応生成物のフラックス量を算出する工程は、前記加工条件と、算出された前記反応生成物の解離率とに基づいて前記反応生成物のフラックス量を算出する
シミュレーション方法。
(3)上記(1)または(2)に記載のシミュレーション方法であって、
前記反応生成物のフラックス量を算出する工程は、エッチング保護膜として機能する反応生成物のフラックス量を算出する
シミュレーション方法。
(4)上記(3)に記載のシミュレーション方法であって、さらに、
前記制御指標に基づいて、入射イオンによる前記ウェハのダメージを評価する
シミュレーション方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のシミュレーション方法であって、
前記開口率として、
前記マスクの面積に対する前記マスクの開口面積の比であるウェハ開口率と、
前記評価点を含み前記ウェハよりも狭いセミローカル領域の面積に対する当該セミローカル領域における前記マスクの開口面積の比であるセミローカル開口率と、を用いる
シミュレーション方法。
(6)上記(5)に記載のシミュレーション方法であって、
前記エッチレートをER、前記解離率をD、前記立体角をΩL、前記ウェハ開口率をRG、前記セミローカル開口率をRSとしたとき、前記制御指標は、
(1−D)×ER×(RG+RS)ΩL
で表される
シミュレーション方法。
1…加工装置
10…加工部
11…入力部
12…演算部
13…制御指標演算部
50…サーバ
60…情報処理装置
51〜56,61〜66,101…エッチング装置
100…コントローラ
500,600…加工制御システム

Claims (15)

  1. 所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、エッチングガスのプラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得し、
    前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する前記エッチングガスと前記ウェハの表面との反応生成物のフラックス量を算出し、
    前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、
    前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、
    前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
    前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出する
    シミュレーション方法。
  2. 請求項1に記載のシミュレーション方法であって、
    前記反応生成物のフラックス量を算出する工程は、前記加工条件と、算出された前記反応生成物の解離率とに基づいて前記反応生成物のフラックス量を算出する
    シミュレーション方法。
  3. 請求項1又は2に記載のシミュレーション方法であって、
    前記反応生成物のフラックス量を算出する工程は、前記マスクの開口部に露出した前記ウェハの表面を前記ウェハの深さ方向にエッチングするエッチング処理において、エッチングパターンをサイドエッチングから保護するエッチング保護膜として機能する前記反応生成物のフラックス量を算出する
    シミュレーション方法。
  4. 請求項3に記載のシミュレーション方法であって、さらに、
    前記制御指標に基づいて、前記プラズマ空間から前記ウェハの表面へ入射する入射イオンによる前記ウェハのダメージを評価する
    シミュレーション方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のシミュレーション方法であって、
    前記開口率として、
    前記マスクの面積に対する前記マスクの開口面積の比であるウェハ開口率と、
    前記評価点を含み前記ウェハよりも狭いセミローカル領域の面積に対する当該セミローカル領域における前記マスクの開口面積の比であるセミローカル開口率と、を用いる
    シミュレーション方法。
  6. 請求項5に記載のシミュレーション方法であって、
    前記エッチレートをER、前記解離率をD、前記立体角をΩL、前記ウェハ開口率をRG、前記セミローカル開口率をRSとしたとき、前記制御指標は、
    (1−D)×ER×(RG+RS)ΩL
    で表される
    シミュレーション方法。
  7. 所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、エッチングガスのプラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する前記エッチングガスと前記ウェハの表面との反応生成物のフラックス量を算出するステップと、
    前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出するステップと、
    前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出するステップと、
    前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出するステップと、
    前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出するステップと
    を含む計算を情報処理装置に実行させるシミュレーションプログラム。
  8. 複数のエッチング装置と、
    前記複数のエッチング装置各々に設けられたコントローラと
    を具備し、
    前記コントローラは、
    サーバと通信可能な通信部と、
    所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面にエッチングガスのプラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件と、前記マスク厚および開口率を含むマスク情報とを送信し、
    前記加工条件に基づいて算出された前記ウェハ表面に入射する前記エッチングガスと前記ウェハの表面との反応生成物のフラックス量と、前記マスク情報と前記フラックス量とに基づいて算出された前記ウェハのエッチレートと、前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて算出された前記反応生成物の解離率と、前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて算出された、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角と、前記開口率と、を用いて生成された前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を前記サーバから受信する
    ように前記通信部を制御可能な制御部と
    を有する
    加工制御システム。
  9. ウェハの表面にエッチングガスのプラズマを利用したエッチング処理を行う第1の加工装置と、
    前記エッチング処理による前記ウェハの形状進展を予測する情報処理装置と
    を具備し、
    前記情報処理装置は、
    所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、前記エッチング処理を行う際の加工条件を取得するように構成された入力部と、
    前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する前記エッチングガスと前記ウェハの表面との反応生成物のフラックス量を算出し、
    前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、
    前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、
    前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
    前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出する
    ように構成された演算部と
    を有する
    加工制御システム。
  10. 請求項9に記載の加工制御システムであって、
    前記第1の加工装置と相互に通信可能に構成され、前記情報処理装置による演算結果を受信可能な第2の加工装置をさらに具備する
    加工制御システム。
  11. 所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、エッチングガスのプラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得するように構成された入力部と、
    前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する前記エッチングガスと前記ウェハの表面との反応生成物のフラックス量を算出し、
    前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、
    前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、
    前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
    前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出する
    ように構成された演算部と
    を具備するシミュレータ。
  12. 所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、エッチングガスのプラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得し、
    前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する前記エッチングガスと前記ウェハの表面との反応生成物のフラックス量を算出し、
    前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、
    前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、
    前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
    前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出し、
    前記制御指標が所定範囲におさまるように、前記加工条件を変更する
    プロセス設計方法。
  13. 所定のマスク厚および開口率を有するマスクで被覆されたウェハの表面に、エッチングガスのプラズマを利用したエッチング処理を行う際の加工条件を取得し、
    前記加工条件に基づいて、前記ウェハの表面に入射する前記エッチングガスと前記ウェハの表面との反応生成物のフラックス量を算出し、
    前記マスク厚および開口率を含むマスク情報と前記フラックス量とに基づいて、前記ウェハのエッチレートを算出し、
    前記加工条件と前記エッチレートとに基づいて、前記反応生成物の解離率を算出し、
    前記マスク情報と前記エッチレートとに基づいて、前記ウェハの表面に設定された所定の評価点における、当該評価点からプラズマ空間を見通すことができる視野領域に相当する立体角を算出し、
    前記エッチレートと、前記解離率と、前記立体角と、前記開口率とに基づいて、前記ウェハの表面形状を評価するための制御指標を算出し、
    前記制御指標が所定範囲におさまるように、前記マスクの設計を変更する
    マスク設計方法。
  14. 請求項13に記載のマスク設計方法であって、
    前記マスクの設計を変更する工程は、マスク開口部のテーパ角を変更する
    マスク設計方法。
  15. 請求項13に記載のマスク設計方法であって、
    前記マスクの設計を変更する工程は、前記開口率を変更する
    マスク設計方法。
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