JP6065126B2 - 転炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、上吹きランス(top blowing lance)から酸化性ガス(oxidizing gas)を転炉内の溶銑(molten pig iron)に吹き付けて、溶銑から溶鋼(molten steel)を製造する転炉操業方法に関し、詳しくは、炉口や炉壁などに付着する鉄分及びダストなどとして炉外へ噴出する鉄分を低減することのできる転炉操業方法に関する。
転炉での溶銑の脱炭精錬(decarburization refining)では、転炉の生産性向上の観点から、単位時間あたりの酸素ガス供給速度を高めた操業が採用されるに伴い、ダストなどとして炉外に飛散する鉄分、並びに、炉口付近や炉壁に付着及び/または堆積する鉄分が増加している。これらの鉄分は最終的には回収されて再度鉄源として利用されるが、これらの鉄分の量が多くなると、付着した鉄分の除去及び飛散した鉄分の回収に要する処理コストの増加及び転炉の稼働率の低下を招く。従って、これらの鉄分を低減することが解決すべき重要な課題の一つとなっている。
このため、転炉での脱炭精錬におけるダストの発生及び抑制に関して、従来から多くの検討・研究がなされてきた。その結果、ダストの発生機構については、[1]バブルバースト(bubble burst)(スピッティング(spitting)及び/またはCOガス気泡の湯面からの離脱に伴って粒鉄(iron particle)が飛散する現象など)による発生機構と、[2]ヒューム(高温下での鉄原子の蒸発)による発生機構との2つに大別され、脱炭精錬の進行に伴って各々の発生量及び発生割合が変化することが明らかとなっている。
ところで、転炉などの精錬反応容器では、炉内の溶銑及びこの溶銑から製造される溶鋼は、上吹きランスから供給される精錬用ガスや底吹き羽口(bottom blowing tuyere)から供給される攪拌用ガスによって揺動(fluctuation)する。精錬反応容器は炉口部分が開口しているので、揺動との共振によって精錬反応容器が破損することはない。しかしながら、溶銑またはこの溶銑から製造される溶鋼の揺動に伴って溶融鉄(molten metal)の飛散が増大し、前述したバブルバーストによるダストの発生起源の増加及び炉口付近や炉壁での鉄分の付着及び/または堆積を増加させる可能性がある。尚、溶銑の脱炭精錬において、溶銑は脱炭精錬されて溶鋼へと変化するが、脱炭精錬の途中で溶銑と溶鋼とを区別して表示することは困難であるのみならず、煩雑でもある。そこで、本明細書では溶銑と溶鋼とをまとめて「溶融鉄(molten metal)」と表示する。溶銑と溶鋼との区別が明確である場合は、「溶銑」または「溶鋼」と表示する。
本発明者らは、揺動に伴う溶融鉄の飛散の有無を確認するべく、転炉などの円筒容器における固有振動数がどの程度になるかを調査した。非特許文献1は、転炉などの円筒容器における固有振動数を解析的に求めており、非特許文献1によれば、円筒容器の固有振動数は、円筒容器の内径と円筒容器内の浴深さ(bath depth)とから、下記の(1)式で与えられるとしている。
Figure 0006065126
但し、(1)式において、fcalcは固有振動数(Hz)、gは重力加速度(9.8m/s2)、Dは円筒容器の内径(m)、Hは円筒容器内の浴深さ(m)、kは1.84の値の定数、πは円周率である。
一方、非特許文献2によれば、商業規模の転炉における溶融鉄の揺動による振動数は0.3〜0.4Hz程度であることが測定されている。この測定値は、(1)式から算出される転炉の固有振動数(fcalc)とほぼ一致する。
即ち、商業規模の転炉において、収容された溶融鉄の共振による浴面揺動が起こり得ることがわかる。従って、この揺動に起因し、転炉での溶銑の脱炭精錬では、バブルバーストによるダストの発生起源の増加及び炉壁や炉口付近での鉄分の付着及び/または堆積を増加させる可能性が極めて高い。
生産研究、vol.26(1974)No.3.p.119−122 川崎製鉄技報、vol.19(1987)No.1.p.1−6
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上吹きランスを介して酸化性ガスを上吹きして溶銑の脱炭精錬を実施するにあたり、溶融鉄の揺動を抑制し、溶融鉄の飛散とこれによる鉄歩留まりの低下とを抑制することのできる転炉操業方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]転炉内の溶銑に上吹きランスから酸化性ガスを吹き付ける、または、上吹きランスから酸化性ガスを吹き付けるとともに底吹き羽口から酸化性ガスまたは不活性ガスを溶銑に吹き込んで溶銑の脱炭精錬を行う際に、前記転炉の振動を測定し、該測定値を周波数解析することによって求められる、前記転炉の振動の周波数を脱炭精錬中に監視する転炉操業監視方法。
[2]前記測定値を高速フーリエ変換することで、前記転炉の振動の周波数を求めることを特徴とする、上記[1]に記載の転炉操業監視方法。
[3]転炉内の溶銑に上吹きランスから酸化性ガスを吹き付ける、または、上吹きランスから酸化性ガスを吹き付けるとともに底吹き羽口から酸化性ガスまたは不活性ガスを溶銑に吹き込んで溶銑の脱炭精錬を行う際に、前記転炉の振動を測定し、該測定値を周波数解析することによって前記転炉の振動の周波数を脱炭精錬中に求め、求めた転炉振動の周波数のうちで、振幅が最大となる周波数(fobs)が、下記の(1)式で算出される転炉の固有振動数(fcalc)よりも大きくなるように、上吹きランスから吹き付ける酸化性ガスの流量、上吹きランスのランス高さのうちの何れか一方または双方を調整する転炉操業方法。
Figure 0006065126
但し、(1)式において、fcalcは固有振動数(Hz)、gは重力加速度(9.8m/s2)、Dは転炉の溶銑収容部の内径(m)、Hは転炉内の浴深さ(m)、kは1.84の値の定数、πは円周率である。
[4]前記測定値を高速フーリエ変換することで、前記転炉の振動の周波数を求めることを特徴とする、上記[3]に記載の転炉操業方法。
本発明によれば、転炉内溶融鉄の揺動による振動の周波数を脱炭精錬中にリアルタイムで監視するので、溶融鉄の揺動に起因する溶融鉄の飛散の有無を予測することができる。また、その際に、転炉の振動の周波数のうちで、振幅が最大となる周波数(fobs)が転炉の固有振動数(fcalc)よりも大きくなるように、上吹きランスから供給する酸化性ガスの流量、上吹きランスのランス高さのうちの何れか一方または双方を調整した場合には、転炉内溶融鉄の揺動が抑制され、溶融鉄の炉外への飛散が軽減されて鉄歩留まりの低下を抑制することが可能となる。
図1は、脱炭精錬中の転炉の振動を測定することが可能であって本発明を実施するうえで好適な転炉設備の概略図である。 図2は、無次元化ランス高さ(L/de)と、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)との関係を示す図である。 図3は、上吹き酸素ガス流量と、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)との関係を示す図である。 図4は、平均ダスト発生速度と、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)との関係を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。先ず、本発明に至った経緯について説明する。
本発明者らは、転炉内の溶銑に酸素ガスなどの酸化性ガスを上吹きして溶銑の脱炭精錬を行う際のダスト発生量及び炉口や上吹きランスへの地金(iron skull)付着量に及ぼす上吹きランスからの酸化性ガスの流量及びランス高さの影響について、試験・検討した。具体的には、上吹きランスから酸化性ガスを吹き付けると同時に炉底部の底吹き羽口から攪拌用ガスを吹き込むことの可能な5トン容量規模の転炉を用い、そのときの転炉の振動を測定しながら、試験・検討を進めた。上吹きランスからの酸化性ガスとしては酸素ガス(工業用純酸素)を使用し、底吹き羽口からの攪拌用ガスとしてはアルゴンガスを使用した。尚、ランス高さとは、上吹きランスの先端から転炉内の静止状態の溶銑浴面までの距離である。
図1に、上記試験で使用した、脱炭精錬中の転炉の振動を測定することが可能であって本発明を実施するうえで好適な転炉設備の概略図を示す。図1において、符号1は転炉設備、2は転炉、3は上吹きランス、4は底吹き羽口、5は溶銑、6は加速度計センサー、7は加速度計本体、8は制御用計算機、9はランス高さ制御装置、10は、上吹きランスから噴射される酸素ガスの流量を制御するための酸素ガス流量制御装置、11は、上吹きランスから噴射される酸素ガス噴流、12は、転炉のトラニオン軸(trunnion shaft)(「傾動軸」(tilt shaft)とも呼ぶ)、13は、上吹きランスへ酸素ガスを供給するための酸素ガス供給管、14は、上吹きランスを冷却する冷却水を供給するための冷却水供給管、15は、上吹きランスを冷却した冷却水を排出するための冷却水排出管である。
転炉2の振動の測定方法としては、図1に示すように、転炉2のトラニオン軸12のフランジ12aに加速度計センサー6を取り付け、トラニオン軸12の軸心方向(水平方向)と、この軸心方向と直交する水平方向と、の2軸の加速度を測定し、この加速度計センサー6による測定データを加速度計本体7に送信する。加速度計本体7は、加速度計センサー6から入力された測定データを記録すると同時に、入力された測定データを、高速フーリエ変換処理、短時間フーリエ変換処理、ウィグナー分布などの手法を用いて周波数解析して転炉振動の周波数を求める。
加速度計本体7による周波数解析データは制御用計算機8に送信され、制御用計算機8は、加速度計本体7から入力された周波数解析データに基づいて、ランス高さ制御装置9及び酸素ガス流量制御装置10に制御信号を発信するように構成されている。
実験では、上吹きランス先端に設置されるラバールノズル(laval nozzle)型の噴射ノズルのノズル傾角が全て15°で、ノズル個数が4孔、5孔、6孔の3種類の上吹きランスを使用した。そして、上吹き酸素ガス流量(各ラバールノズルからの流量の合計。以下同様)を18Nm3/minの一定とし、ランス高さ(L)を200〜900mmの範囲で種々変更し、転炉炉口から排出される排ガス中のダスト濃度(鉄分ダストを分別して測定した値。以下同様)に及ぼすランス高さ(L)の影響を調査した。表1に、上吹きランスに配置した4孔、5孔、6孔の3種類のラバールノズル型の噴射ノズルの形状を示す。尚、噴射ノズルのノズル傾角とは、噴射ノズルの酸素ガス噴射方向と上吹きランスの軸心方向との角度である。
Figure 0006065126
また、別の実験では、表1に示す、4孔、5孔、6孔の3種類の噴射ノズルを配置した上吹きランスを使用し、ランス高さ(L)を400mmの一定とし、上吹き酸素ガス流量を10〜24Nm3/minの範囲で種々変更し、排ガス中のダスト濃度に及ぼす上吹き酸素ガス流量の影響を調査した。
上記の試験では、酸素ガスの供給は溶銑中の炭素濃度が4.0質量%の時点から開始し、溶融鉄中の炭素濃度が0.05質量%となる時点まで継続した。また、この試験では、ランス高さ制御装置9及び酸素ガス流量制御装置10に制御信号を送信せず、ランス高さ(L)及び酸素ガス流量は初期の設定値のままとした。
図2に、ランス高さ(L)を表1に示すノズル出口径(de)で除算して無次元化した無次元化ランス高さ(L/de)と、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)との関係を、ノズル個数別に示す。ここで、振幅が最大となる周波数(fobs)は、トラニオン軸12の軸心方向(水平方向)と、軸心方向と直交する水平方向と、の2軸で測定される加速度のうちで振幅が最大となる周波数である。具体的には、2軸の合成での振幅が最大となる周波数を求めた。図中の直線は、下記の(1)式で計算される転炉の固有振動数(fcalc)であり、5トン規模の転炉2の固有振動数(fcalc)は、0.58Hzであった。
Figure 0006065126
但し、(1)式において、fcalcは固有振動数(Hz)、gは重力加速度(9.8m/s2)、Dは転炉の溶銑収容部の内径(m)、Hは転炉内の浴深さ(m)、kは1.84の値の定数、πは円周率である。ここで、転炉の溶銑収容部の内径は、溶銑を収納している各部位の内径の平均値であり、浴深さは、転炉内底から転炉内の静止状態の溶銑浴面までの距離である。
図2から明らかなように、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)は、無次元化ランス高さ(L/de)つまりランス高さ(L)の増加に伴って減少することがわかった。また、振幅が最大となる周波数(fobs)と転炉の固有振動数(fcalc)とが一致する無次元化ランス高さ(L/de)は、ノズル個数の違いによって異なり、振幅が最大となる周波数(fobs)と固有振動数(fcalc)とが一致する無次元化ランス高さ(L/de)は、4〜6孔ノズルの比較では、4孔ノズルで最も小さくなることがわかった。
また、図3に、上吹き酸素ガス流量と、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)との関係を、ノズル個数別に示す。図中の直線は、(1)式で計算される転炉の固有振動数(fcalc)であり、前述したように、5トン規模の転炉2の固有振動数(fcalc)は、0.58Hzである。
図3から明らかなように、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)は、上吹き酸素ガス流量の増加に伴って減少することがわかった。また、振幅が最大となる周波数(fobs)と転炉の固有振動数(fcalc)とが一致する上吹き酸素ガス流量は、ノズル個数の違いの影響を受けず、4〜6孔ノズルでは、ノズル個数による違いは認められなかった。
また更に、図4及び表2に、排ガス中の平均ダスト濃度から求めた平均ダスト発生速度と、脱炭精錬中の転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)との関係をノズル個数別に示す。ここで、平均ダスト発生速度は下記の(2)式で定義した。
平均ダスト発生速度(kg/(min・溶銑ton))=排ガス中のダスト濃度(kg/Nm3)×排ガス流量(Nm3/(min・溶銑ton))・・・(2)
Figure 0006065126
図4及び表2から明らかなように、平均ダスト発生速度は、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)の増加に伴って低下するが、振幅が最大となる周波数(fobs)が同一の場合には、4〜6孔ノズルの比較では、4孔ノズルで最も平均ダスト発生速度が小さくなることがわかった。ここで、注目すべき事項は、4〜6孔ノズルの何れの上吹きランスにおいても、振幅が最大となる周波数(fobs)が固有振動数(fcalc)の0.58Hzを境として平均ダスト発生速度は急激に変化し、振幅が最大となる周波数(fobs)が固有振動数(fcalc)よりも大きくなる場合には、平均ダスト発生速度が低減することである。
即ち、ダスト発生速度の増加による鉄歩留まりの低下を防止するうえで、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)が固有振動数(fcalc)よりも大きくなるように、ランス高さ(L)及び上吹き酸素ガス流量を調整することが重要であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、本発明に係る転炉操業監視方法は、転炉内の溶銑に上吹きランスから酸化性ガスを吹き付ける、または、上吹きランスから酸化性ガスを吹き付けるとともに底吹き羽口から酸化性ガスまたは不活性ガスを溶銑に吹き込んで溶銑の脱炭精錬を行う際に、前記転炉の振動を測定し、該測定値を周波数解析することによって求められる、前記転炉の振動の周波数を脱炭精錬中に監視することを必須の条件とする。
そして、本発明に係る転炉操業方法では、監視している転炉振動のうちで、振幅が最大となる周波数(fobs)が、上記の(1)式で算出される転炉の固有振動数(fcalc)よりも大きくなるように、上吹きランスから供給する酸化性ガスの流量、上吹きランスのランス高さのうちの何れか一方または双方を調整する。具体的には、振幅が最大となる周波数(fobs)が転炉の固有振動数(fcalc)と同等かそれよりも小さくなった場合には、上吹きランスから供給する酸化性ガス流量を減少する、または、上吹きランスのランス高さを小さくする、のうちの何れか一方または双方を実施する。
図1に示す転炉設備1では、加速度計本体7による周波数解析データが制御用計算機8に逐次送信されており、加速度計本体7によって解析された、振幅が最大となる周波数(fobs)が固有振動数(fcalc)と同等かそれよりも小さくなった場合には、その都度、制御用計算機8は、ランス高さ制御装置9にランス高さ(L)を小さくする信号を発信するか、または、酸素ガス流量制御装置10に酸素ガス流量を減少させる信号を発信する、或いは、双方を発信するように、構成されている。
上吹きランス3から吹き込む酸化性ガスとしては、酸素ガスが一般的であるが、酸素ガスと希ガスとの混合ガス、空気、酸素富化空気などを用いることができる。本発明で使用する酸化ガスとは、酸素濃度が空気と同等またはそれ以上である酸素ガス含有ガスの全てのことである。
尚、上記試験では、底吹き羽口4から不活性ガスを吹き込んでいるが、底吹き羽口から酸化性ガスを吹き込んでも構わない。底吹き羽口から吹き込まれる酸化性ガスは、脱炭精錬用の酸素ガスとして機能するのみならず、攪拌用ガスとしても機能する。当然ではあるが、底吹き羽口の設置は本発明において必須条件ではなく、底吹き羽口からのガス吹き込みを行わなくても構わない。ここで、不活性ガスとは、アルゴンガスやヘリウムガスなどの希ガスまたは窒素ガスのことである。
以上説明したように、本発明によれば、転炉内溶融鉄の揺動による振動の周波数を脱炭精錬中にリアルタイムで監視するので、溶融鉄の揺動に起因する溶融鉄の飛散の有無を予測することができる。また、その際に、転炉の振動の周波数のうちで、振幅が最大となる周波数(fobs)が転炉の固有振動数(fcalc)よりも大きくなるように、上吹きランスから供給する酸化性ガスの流量、上吹きランスのランス高さのうちの何れか一方または双方を調整した場合には、転炉内溶融鉄の揺動が抑制され、溶融鉄の炉外への飛散が軽減されて鉄歩留まりの低下を抑制することが可能となるのみならず、ダストの回収に要する費用及び時間が削減されて、転炉の生産性を向上することが可能となる。
図1に示す転炉と同様の形状である、容量が300トンの上底吹き転炉(酸素ガス上吹き、攪拌用ガス底吹き)を用いて脱炭精錬を行った。使用した上吹きランスは、先端部に同一形状の5個のラバールノズル型の噴射ノズルを、ノズル傾角を14°として上吹きランスの軸心に対して同一円周上に等間隔で配置したものである。噴射ノズルのスロート径(dt)は73.6mm、噴射ノズルの出口径(de)は78.0mmである。
鉄スクラップを上底吹き転炉に装入した後、予め脱燐処理を施し、温度が1255〜1280℃の溶銑を上底吹き転炉に装入した。次いで、底吹き羽口からアルゴンガスを攪拌用ガスとして溶銑中に吹き込みながら、上吹きランスから酸素ガスを溶銑浴面に向けて吹き付けて、脱炭精錬を開始した。鉄スクラップの装入量は、脱炭精錬終了時の溶鋼温度が1650℃となるように調節した。使用した溶銑の化学成分を表3に示す。
Figure 0006065126
脱炭精錬中に炉上ホッパー(図示せず)から造滓剤として生石灰を投入し、溶融鉄中の炭素濃度が0.05質量%となるまで脱炭精錬を行った。生石灰は、炉内に生成されるスラグの塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)が2.5となるように、その添加量を調整した。
また、図1に示すように転炉のトラニオン軸12に加速度計センサー6をセットし、トラニオン軸の軸心方向及び軸心方向と直交する水平方向の2軸の加速度を測定した。得られた加速度信号を加速度計本体7で記録すると同時に高速フーリエ変換処理を行い、転炉振動の周波数解析をリアルタイムで実施し、この周波数解析データを制御用計算機8に送信した。制御用計算機は、受信した周波数解析データに基づき、ランス高さ制御装置9及び酸素ガス流量制御装置10を、以下のように作動させた(本発明例)。
即ち、(1)式から計算される固有振動数(fcalc)に対して、転炉振動周波数のうちで振幅が最大となる周波数(fobs)が同じか小さくなる場合には、先ず、ランス高さ制御装置を作動させ、ランス高さを、基準位置から最大で500mm小さくする範囲内で制御した。この操作で、振幅が最大となる周波数(fobs)が固有振動数(fcalc)よりも大きくならない場合には、酸素ガス流量制御装置を作動させ、振幅が最大となる周波数(fobs)が固有振動数(fcalc)よりも大きくなるまで上吹き酸素ガス流量を低下した。尚、(1)式から計算される転炉の固有振動数(fcalc)は0.29Hzであった。
また、比較のために、転炉設備と操業方法は上記の本発明例に従うが、ランス高さ制御装置及び酸素ガス流量制御装置を作動させずに、脱炭精錬を行った(比較例)。
本発明例及び比較例ともに、上吹き酸素ガス流量、底吹きガス流量、及び、無次元化ランス高さ(L/de)は、溶銑中の炭素濃度に応じて表4に示すように設定した。即ち、溶融鉄中の炭素濃度が0.4質量%を境として、上吹き酸素ガス流量及び底吹きガス流量を変更するとともに、無次元化ランス高さ(L/de)を変更した。
Figure 0006065126
本発明例及び比較例における操業条件と脱炭精錬結果とを表5に示す。
Figure 0006065126
本発明例では、精錬中に、振幅が最大となる周波数(fobs)が固有振動数(fcalc)と一致したため、直ちに上吹きランス高さ制御装置及が作動し、無次元化ランス高さ(L/de)を34.6から29.5に変更した。これにより、振幅が最大となる周波数(fobs)は0.32Hzに上昇した。同一の操業方法であるので、比較例でも、振幅が最大となる周波数(fobs)は固有振動数(fcalc)と一致したが、比較例では、操業条件を変更せずに脱炭精錬を継続した。
その結果、本発明例と比較例とで精錬時間や冶金特性はほぼ同等の成績であったが、比較例では本発明例に比較してダスト発生速度が高くなった。尚、表5のダスト発生速度指数は、比較例でのダスト発生速度を1.0とした場合の相対値である。
このように、本発明を適用することで、鉄歩留まりを高めた転炉操業が可能となることが確認できた。
1 転炉設備
2 転炉
3 上吹きランス
4 底吹き羽口
5 溶銑
6 加速度計センサー
7 加速度計本体
8 制御用計算機
9 ランス高さ制御装置
10 酸素ガス流量制御装置
11 酸素ガス噴流
12 トラニオン軸
13 酸素ガス供給管
14 冷却水供給管
15 冷却水排出管

Claims (2)

  1. 転炉内の溶銑に上吹きランスから酸化性ガスを吹き付ける、または、上吹きランスから酸化性ガスを吹き付けるとともに底吹き羽口から酸化性ガスまたは不活性ガスを溶銑に吹き込んで溶銑の脱炭精錬を行う際に、
    前記転炉の振動を測定し、該測定値を周波数解析することによって前記転炉の振動の周波数を脱炭精錬中に求め、
    求めた転炉振動の周波数のうちで、振幅が最大となる周波数(fobs)が、下記の(1)式で算出される転炉の固有振動数(fcalc)よりも大きくなるように、上吹きランスから吹き付ける酸化性ガスの流量、上吹きランスのランス高さのうちの何れか一方または双方を調整する転炉操業方法。
    Figure 0006065126
    但し、(1)式において、fcalcは固有振動数(Hz)、gは重力加速度(9.8m/s2)、Dは転炉の溶銑収容部の内径(m)、Hは転炉内の浴深さ(m)、kは1.84の値の定数、πは円周率である。
  2. 前記測定値を高速フーリエ変換することで、前記転炉の振動の周波数を求めることを特徴とする、請求項に記載の転炉操業方法。
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