<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図3はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図4を参照する。図4は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図4に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図4の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図4の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図5は本体枠13の正面図である。なお、図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図5の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図6に基づいて説明する。図6は遊技盤81の正面図である。
遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83及び入賞役物ユニット250等がそれぞれ設けられている。具体的には、遊技領域PEの中央に入賞役物ユニット250が配置されており、その入賞役物ユニット250の上方及び下方に複数の一般入賞口82が散在し、それら一般入賞口82のうち最も下側に配置されているものよりも更に下側に可変入賞装置83が配されている。
一般入賞口82に遊技球が入ると、同遊技球が一般入賞口検出センサ84により検出され、その検出結果に基づいて予め定められた数の賞品球が払い出される。また、入賞役物ユニット250内に遊技球が入り、さらにその遊技球が入賞役物ユニット250内に設けられた大当たり入賞口に入るとそれが後述する大当たり入賞口検出センサにより検出され、大当たり遊技状態へと移行される。大当たり遊技状態に移行されると、通常時においては閉鎖され入球を不可としている可変入賞装置83が開放される。これにより、可変入賞装置83への入球が許容された状態となる。そして、可変入賞装置83内に遊技球が入ると、それが特別入賞口検出センサ85により検出され、その検出結果に基づいて予め定められた数の賞品球が払い出される。可変入賞装置83の開放態様は、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返し開放されるように設定されている。
その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、一般入賞口82や可変入賞装置83等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域PE外に排出される。また、遊技盤81には、遊技球の流下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されているとともに、風車89等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘88や風車89等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口82等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース71における窓孔76の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づき遊技領域PEに向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構113と、それら各種構成111,112,113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えている。遊技球発射機構110は、ベースプレート114が本体枠13の樹脂ベース71に対してネジ等の締結具により固定されることにより、遊技機主部12に対して一体化されている。
遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向、すなわち発射レール112のレール方向に移動し、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域PE、詳しくは遊技盤81に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって挟まれた領域により遊技球の誘導通路が形成されている。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、誘導通路内を移動することにより遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間が設けられおり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路内を逆戻りする場合には、それらファール球は上記隙間を介してファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
次に、本体枠13の背面構成について簡単に説明する。
樹脂ベース71の背面における回動先端側には、施錠装置が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側には、軸受け金具が取り付けられている。軸受け金具には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔が設けられている。更に、樹脂ベース71の背面には、係止金具が複数設けられており、これら係止金具によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。
次に、裏パックユニット15について説明する。図7は裏パックユニット15の正面図、図8は裏パックユニット15の分解斜視図である。
図7に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも入賞役物ユニット250を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化される。
本実施の形態においては、遊技盤81に設けられた入賞役物ユニット250に関して特徴的な構成を備えている。そこで以下、図9に基づき入賞役物ユニット250について説明する。図9は入賞役物ユニット250の正面図である。
入賞役物ユニット250は、当該入賞役物ユニット250を構成する各種装置等が収容されたケース260を有している。ケース260は、遊技盤81の正面側に開放された箱状をなしており、その内部がパチンコ機10の前方から上記ガラス22を通して視認可能となっている。ケース260は遊技盤81の開口から前方に張り出した状態で同遊技盤81に固定されており、遊技領域PEを流下する遊技球Bが同ケース260の周壁を乗り越えて当該ケース260の内部に侵入することが回避されている。つまり、ケース260によって遊技領域PEの一部が区画され、その区画された領域、すなわち入賞役物ユニット250内への遊技球Bの流入が制限されている。
ケース260の内部領域は仕切り270によって上下に二分されており、仕切り270よりも下側が後述する入賞役物等の配置領域、上側が入賞役物ユニット250内へ遊技球が流入する際の入口領域となっている。ケース260の周壁において仕切り270よりも上側となる部分、詳しくは左右両側壁261,262の上部には遊技球Bの通過を許容する大きさの開口263,264が形成されている。
ケース260には、それら開口263,264を塞ぐ羽根部材265,266が取り付けられている。羽根部材265,266は回動可能に軸支されており、それら開口263,264を塞ぎ遊技球Bの流入を阻止する閉鎖位置と、同開口263,264を開放し遊技球Bの流入を許容する開放位置とに切替可能となっている。これら羽根部材265,266は通常、閉鎖位置に待機することでケース260内への遊技球Bの流入を阻止しており、上記一般入賞口82への遊技球Bの入賞が検知された場合に、所定の期間だけ開放位置に切り替えられる。羽根部材265,266が開放位置に存在している場合、遊技領域PEを流下する遊技球Bがそれら羽根部材265,266に沿って同開口263,264へと導かれやすくなり、それら遊技球Bのケース260(詳しくは区画領域)内への流入が許容されることとなる。なお、必ずしも両側壁261,262に開口を設ける必要は無く、それら両側壁261,262のうちいずれか一方にのみ設けてもよい。また、開口を、ケース260の側部ではなく、例えばケース260の頂部に設けることも可能である。
上述した仕切り270よりも上方には、開口263,264から流入した遊技球Bが通過することでそれら遊技球Bの落下方向及び落下位置を規定する中継部267,268が設けられている。開口263,264から流入した遊技球Bは、中継部267,268を経由し、仕切り270上に落下することとなる。なお、中継部267,268に、減勢用の壁面等を設けるとよい。
仕切り270は、複数の平板(詳しくは固定板271及び可動板272,273)が同一平面上に並設されてなり、それら各板271〜273の板面が上方を向くように配置されている。これにより、仕切り270の上面を遊技球Bが転動可能となっている。以下、図9に加え図10を参照して、仕切り270について簡単に説明する。図10は、図9のA−A線部分断面図である。なお、図10においては便宜上、仕切り270にドットハッチングを付与することにより他の構成との識別をしやすくしている。
図10に示すように、仕切り270を構成する固定板271は、ケース260の奥壁269から起立してなり、ケース260の両側壁261,262との間に所定の隙間が生じるように形成されている。この固定板271に対して、上記可動板272,273が回動可能に連結されている。
再び図9を用いて説明すれば、可動板272,273は、固定板271を挟んだ左右両側且つ上記中継部267,268の排出口の真下に配置されているとともに、固定板271とケース260の側壁261,262との隙間を埋めている。より具体的には、可動板272,273は、固定板271の左右両側の縁部において同固定板271により軸支され、左右両側の端部(すなわち固定板271側の端部及び固定板271とは反対側の端部)が同じ高さとなる水平状態と、固定板271側の端部よりも上記反対側の端部が上位となる傾斜状態とに切替可能となっている。これら水平状態及び傾斜状態は、可動板272,273の支軸に接続されたモータ274,275の動作に基づいて切り替えられる。
モータ274,275は、後述する主制御装置に対して電気的に接続されている。各可動板272,273は通常、水平状態で保持されており、一般入賞口82への入賞に基づく主制御装置からの電気的な信号の出力によってモータ274,275が駆動することにより、所定期間だけ上記傾斜状態に切り替えられる。
以上詳述した固定板271及び可動板272,273は、ケース260の奥方(奥壁269側)に向けて僅かに下り傾斜しており、その傾斜の低位となる部分には、仕切り270よりも下側の領域(前記配置領域)への遊技球Bの流入を許容する開放部276〜278がそれぞれ形成されている(図10参照)。
図10に示すように、中継部267,268から排出された遊技球Bは、可動板272,273上に落下する。遊技球Bが可動板272,273上に載っている場合にそれら両可動板272,273が水平状態となっていれば、遊技球Bは各可動板272,273の開放部277,278に導かれやすくなる。一方、遊技球Bが可動板272,273上に載っている場合にそれら可動板272,273が傾斜状態となっていれば、それら遊技球Bは固定板271の開放部276に導かれやすくなる。
図9に示すように、固定板271の上面には飛行機及びパイロットを模した造形の施された装飾279が固定されている。当該装飾279によって、固定板271の上面が左右に二分されており、各中継部267,268から排出された遊技球Bの往来が不可となっている。可動板272,273の傾斜に沿って固定板271側に転がった遊技球Bは、装飾279の側壁に衝突することによりその勢いが弱められた状態で、固定板271の開放部276に至りやすくなっている(図10参照)。
固定板271の下方には、遊技球の入賞の可否を左右する入賞役物350と同入賞役物350に至る遊技球の供給経路を振り分ける振分装置300とが、前者を下側、後者を上側として上下に並設されている。ここで、振分装置300及びそれに付随する構成について説明する。
仕切り270の下方には、入賞役物350に遊技球を供給する第1供給経路301,302へと遊技球Bを案内する第1案内部303と、振分装置300に遊技球Bを案内可能な第2案内部304とが設けられている。それら第1案内部303及び第2案内部304は、第1案内部303が両可動板272,273の下側、第2案内部304が固定板271の下側となるように左右に並べて配置されている。ここで、図9,図10及び図11に基づきそれら各案内部303,304について説明する。図11は図9のB−B線部分断面図である。なお、図11においては便宜上、案内部303,304等にドットハッチングを付与することで他の構成との識別をしやすくしている。
図11に示すように、第1案内部303は、ケース260の両側壁261,262及び奥壁269に対して一体成形されており、水平状態の各可動板272,273に対して所定の隙間を隔てて対向する1対の対向部306,307によって構成されている。各対向部306,307は平板状をなし、可動板272,273の開放部277,278から落下する遊技球の落下経路上に位置している(図10参照)。これにより、それら開放部277,278から落下した遊技球Bは、対向部306,307上に載りやすくなっている。
また、各対向部306,307の上面は、パチンコ機10の後方(すなわち奥壁269側)且つ第2案内部304から離れる側に僅かに下り傾斜しており、その低位部分には第1供給経路301,302の入口301a,302aが形成されている。つまり、対向部306,307上に載った遊技球Bは、それら遊技球Bの自重により対向部306,307に沿って転がり第1供給経路301,302の入口301a,302aに至る。
一方、第2案内部304は、ケース260に一体成形され、同ケース260の奥壁269から前方に突出する一対の円柱311,312を備えている。それら円柱311,312は、同円柱311,312の中心軸線が前後に延びるように形成されているとともに、各円柱311,312の中心軸線が固定板271の開放部276の真下となるように配置されている。これにより、固定板271の開放部276から落下した遊技球Bが各円柱311,312の頂部付近に落下しやすくなっている。
それら各円柱311,312は、遊技球Bの直径よりも小さな隙間を隔てて左右に並設されているとともに、自身の後端から前端に向けて徐々に縮径されている。つまり、それら両円柱311,312の隙間が先端側に向けて徐々に広がっている。両円柱311,312の間には、両者の隙間を埋めるようにして樋313が設けられている。樋313は、両円柱311,312と同様にケース260の奥壁269から起立しているとともに、前方に向けて僅かに傾いている。樋313の上面314は下方に凹んだ溝状をなしており、樋313上に載った遊技球は、当該上面314に沿って移動しやすくなっている。これら樋313及び両円柱311,312によって第2案内部304が構成されている。
入賞役物ユニット250内に流入した遊技球のうち固定板271の開放部276から落下し第2案内部304に至ったものは、第2案内部304によって振分装置300に案内されるものと、そうでないものとに振り分けられる。具体的には、図11に示すように、円柱311,312の両中心軸線に挟まれた領域に向けて、すなわち両円柱311,312において相対向している内側部分に向けて落下した遊技球B1は、両円柱311,312のうち衝突対象としての一方から、他方に向けて跳ね返ることとなる。これら遊技球B1は、前方に移動しつつ両円柱311,312間で跳ね返りを繰り返すことにより左右の振れが抑えられ、樋313の上面314に嵌まる位置に収束しやすくなっている。左右の振れが収まった遊技球B1は、同遊技球B1の自重によって円柱311,312の前端側に移動し、振分装置300に至る。
一方、円柱311,312において相対向している側とは反対側に向けて落下した遊技球B2は、両円柱311,312のうち衝突対象としての一方から、他方とは反対側に向けて、つまり上述した第1案内部303に向けて跳ね返ることとなる。第1案内部303に至った遊技球B2は、上記可動板272,273の開放部277,278から落下した遊技球と同様に、自重によって対向部306,307上を転動し、第1供給経路301の入口301aに至る。
次に、図9,図12及び図13に基づき振分装置300について説明する。図12は図9のC−C線部分断面図、図13は振分装置300の正面図である。なお、便宜上、図13においては後述する透明板325を省略している。
図9に示すように振分装置300は、第2案内部304の樋313によって案内された遊技球を停留させる停留部320と、その停留部320を挟んだ左右両側に設けられた一対の振分部材330,340とを備えている。具体的には、それら停留部320と振分部材330,340とは、遊技球の直径寸法以下の隙間を隔てて左右に並んでいる。
図12に示すように、停留部320は、上記樋313の前端面から起立し、円柱311,312と同一方向に延びる柱状をなしている。停留部320は、その上面が樋313の上面314よりも下位となるように形成されている。言い換えれば、停留部320及び樋313は、樋313の上面314が上位、当該停留部320の上面が下位となる段差状をなしている。
また、停留部320の起立量は、遊技球の直径寸法よりも若干大きく設定されており、その先端側には、遊技機固有の造形が施された透明板325が同先端部分に当接した状態で配置されている。
第2案内部304の樋313に沿って前方に転がった遊技球は、樋313から落下することで停留部320に移る。停留部320上に載っている遊技球B3は、同停留部320及び振分部材330,340によって支えられ、且つ停留部320の先端側からの零れ落ちが透明板325によって阻止されている。
仮に複数の遊技球が同時期に第2案内部304の樋313によって停留部320に案内された場合には、停留部320に停留している遊技球B3に対して後続する遊技球B4が、樋313の上面314に沿って整列した状態で待機する。より詳しくは、遊技球B3と遊技球B4とは、それらの中心がパチンコ機10の平面視において前後に延びる仮想直線上に位置する状態で待機する。
また、樋313の上面と停留部320の上面との段差寸法は、遊技球の直径寸法よりも小さく(具体的には遊技球の半径寸法程度に)設定されている。このため、停留部320に停留している遊技球B3に対して後続する遊技球B4が上側から当接し、それら後続する遊技球B4の停留部320側への移動が妨げられることとなる。
図13に示すように、停留部320の上面は、両振分部材330,340の並設方向における遊技球の揺動を許容する幅を有しており、その幅の中間位置を頂部321として両振分部材330,340に向けて下り傾斜している。つまり、停留部320は、両振分部材330,340の中間位置を境として、それら各振分部材330,340に向けて傾斜する傾斜部322,323を有している。頂部321は前後に延びる線状をなしており、同頂部321に載った遊技球B3は、その中心(重心)が各傾斜部322,323のいずれか一方側に傾き(偏倚し)やすくなっている。
振分部材330,340は、円柱状をなしているとともに、その中心軸線が上記円柱311,312の中心軸線と同一方向に延び、且つ頂部321に載っている遊技球B3の中心位置(重心位置)が左右に偏倚した場合に、同遊技球B3がそれら振分部材330,340の外周面330a,340aに接触する位置に配されている。これにより、停留部320上に停留している遊技球B3は、左右への重心移動が許容された状態で頂部321に対して載った状態となりやすくなっている。また、頂部321は、振分部材330,340の中心軸線よりも上位となるように形成されている。このため、頂部321上に載った遊技球B3の中心がそれら中心軸線よりも上位に位置することとなる。
また、振分部材330,340は、自身の中心軸線を中心とする回動が許容された状態で各円柱311,312に取り付けられている。各円柱311,312は中空状をなしており、それら各円柱311,312の内部には各振分部材330,340に接続されたモータ331,341が収容されている(図11参照)。
モータ331,341は、後述する主制御装置に対して電気的に接続されている。主制御装置からの電気的な信号の出力によってモータ331,341が駆動することにより、両振分部材330,340がそれぞれ同じ速度で回動することとなる。各振分部材330,340の回動方向は、同振分部材330,340の回動時に、各振分部材330,340の外周面330a,340aにおいて停留部320と横並びとなる位置を通過する部位が上方且つ同停留部320から遠ざかる方向に移動するように規定されている。詳しくは、停留部320の右側に位置する振分部材340がパチンコ機10の正面視にて時計回りに回動し、停留部320の左側に位置する振分部材330がパチンコ機10の正面視にて反時計回りに回動するように規定されている。
振分部材330,340は、それら振分部材330,340における中心軸線方向の長さが第2案内部304からの停留部320の延出量と同等、すなわち遊技球の直径よりも若干大きくなるように設定されており、それら振分部材330,340の外周には、遊技球が収容される球収容部332,342がそれぞれ設けられている。それら球収容部332,342は、各振分部材330,340の中心に向けて凹んでおり、遊技球一個を同振分部材330,340の外周面330a,340aから突出させることなく完全に収容できる大きさを有している。これら球収容部332,342は、振分部材330,340の回動に合わせて同振分部材330,340の周方向に変位する。具体的には、球収容部332,342の入口部分が停留部320に停留している遊技球B3に向きそれら遊技球B3の受け入れが許容される許容位置と、同遊技球B3の受け入れが不可となる非許容位置との両位置を繰り返し通過する。
本実施の形態においては、左右の振分部材330,340が異なる数の球収容部332,342を有しており、両振分部材330,340の球収容部332,342のうち一方に遊技球が収容される確率と他方に遊技球が収容される確率とを相違させやすくしている。詳しくは、左側の振分部材330(以下、左側振分部材330と称する)には、球収容部332が2つ設けられているとともに、右側の振分部材340(以下、右側振分部材340と称する)には、球収容部342が1つだけ設けられており、左側振分部材330の球収容部332へ収容される確率が、右側振分部材340の球収容部342へ収容される確率よりも高くなっている。
左側振分部材330の球収容部332に遊技球B3が入った場合、同遊技球B3は、左側振分部材330の回動に基づいて停留部320から離れ第1案内部303の対向部306に向けて反時計回りに移動する。対向部306における左側振分部材330側の端部には、同左側振分部材330の外周面330aに沿って当該左側振分部材330の回動中心軸線よりも上位となる位置まで延びるフランジ308が形成されている。フランジ308は、左側振分部材330の外周面330aに対して若干の隙間(詳しくは遊技球の半径以下の隙間)を隔てて対向している。球収容部332がフランジ308と対向する位置まで移動すると、同球収容部332の開放部分がフランジ308によって覆われることとなる。仮に球収容部332に遊技球が収容されている場合には、球収容部332がフランジ308によって覆われていることで、同遊技球の飛び出しが規制される。
フランジ308の下方には、上記第1供給経路301,302とは異なる経路で遊技球を入賞役物350に供給する第2供給経路316の入口316aが設けられている。第2供給経路316の入口316aは斜め上方に向けて開放されており、球収容部332がフランジ308を通り過ぎた位置に至った場合に、同球収容部332と連なるように形成されている。つまり、球収容部332に入った遊技球は、左側振分部材330の回動に伴って移動し、フランジ308による飛出規制区間を通り過ぎた後、球収容部332から離れ第2供給経路316の入口316aに流入することとなる。
一方、右側振分部材340の球収容部342に遊技球が入った場合、同遊技球は右側振分部材340の回動に基づいて停留部320から離れ第1案内部303に向けて時計回りに移動する。第1案内部(詳しくは対向部307)における右側振分部材340側の端部についても同様に、右側振分部材340の外周面340aに沿って延びるフランジ309が形成されており、このフランジ309によって球収容部342からの遊技球の飛び出しが規制されている。
フランジ309(右側振分部材340)の下方には、上記第1供給経路301,302及び第2供給経路316とは異なる経路で遊技球を入賞役物350に供給する第3供給経路317が設けられている。第3供給経路317は上方及び前方に開放された略箱状をなしており、球収容部342がフランジ309を通り過ぎて下方を向いた場合に、その開放部位を通じて当該第3供給経路317への遊技球の流入を許容するように形成されている。つまり、球収容部342に入った遊技球は、右側振分部材340の回動に伴って移動し、フランジ309による飛出規制区間を通り過ぎた後、球収容部342から離れ第3供給経路317へと流入することとなる。なお、第3供給経路317の前方開放部分は前記透明板325によって塞がれており、遊技球の零れが阻止されている(図12参照)。
左側振分部材330及び右側振分部材340には、停留部320に停留している遊技球B3を移動させる移動手段が設けられており、この移動手段によって遊技球B3が移動されることで、球収容部332,342への入球にばらつきを与えたり、入球の可否を生じさせたりしている。左側振分部材330に設けられた移動手段と、右側振分部材340に設けられた移動手段とはそれらの配列を除き同様の構成を有する。故に、以下の説明では、先ず左側振分部材330に設けられた移動手段について説明し、後に、右側振分部材340に設けられた移動手段との差違を説明する。なお、以下の説明では、図14(振分装置300と遊技球との関係を示す概略図)を適宜参照する。
図13に示すように、左側振分部材330に設けられた移動手段は、左側振分部材330の外周面330aから同左側振分部材330の中心軸線における放射方向に隆起した複数の突起333を有してなる。突起333は、左側振分部材330の前端及び後端の両端に渡って形成されており、同左側振分部材330の周方向に所定の間隔を隔てて配列されている。詳しくは、各突起333の間隔は、隣り合う二つの突起333に対して遊技球B3が同時に当たらないように、すなわち一の突起333に対してのみ遊技球B3が当たるように設定されている。突起333の突出量は、停留部320との干渉を回避しつつ、頂部321に載っている遊技球B3の中心を頂部321の真上まで押し上げることができるように設定されている。なお、突起333の突出量について補足すれば、上記フランジ309との干渉を回避可能な程度に抑えられている。これにより、左側振分部材330の回動時の突起333とフランジ309との支えが回避されている。
左側振分部材330においては、上記球収容部332が回動中心を挟んだ両側に配されており、突起333は同左側振分部材330の周方向において両球収容部332の間にそれぞれ配されている。一方、右側振分部材340においては、突起343の数が左側振分部材330のそれよりも多く設定されている。
ここで、左側振分部材330の突起333と右側振分部材340の突起343との配列について詳細に説明する。左側振分部材330の突起333と右側振分部材340の突起343とは、両振分部材330,340が1回転する間に、右側振分部材340の突起343が停留部320と対向する位置を通過した後、左側振分部材330の突起333が停留部320と対向する位置を通過するのに要する左側振分部材330の回転角度の総和が、左側振分部材330の突起333が停留部320と対向する位置を通過した後、右側振分部材340の突起343が停留部320と対向する位置を通過するのに要する右側振分部材の回転角度の総和よりも大きくなるように配列されている。
既に説明したように各振分部材330,340の回動速度は同一となっているため、停留部320の頂部321上に停留し、両振分部材330,340間を揺動している遊技球B3は、遊技球B3が左側の傾斜部322側に傾いた状態(図14(a)参照)で停留する期間が右側の傾斜部323側に傾いた状態(図14(b)参照)で停留する期間に比べて長くなりやすくなる。これにより、停留部320に停留している遊技球B3が右側振分部材340の球収容部342に比べて左側振分部材330の球収容部332に入りやすくなっている。
また、図14(b)に示すように突起333は、左側振分部材330の回動により、停留部320(例えば頂部321)上に載っている遊技球B3において同停留部320との接触点CP1と同一側(詳しくは遊技球B3を上下に二分した場合の下側半球部分)に対して当る。このように、停留部320上の遊技球B3に対して突起333が当った際には、同遊技球B3の中心CTと当該遊技球B3及び停留部320の接触点CP1とを結んだ第1仮想直線PL1、同遊技球Bの中心CTと当該遊技球B3及び突起333の接触点CP2とを結んだ第2仮想直線PL2の両仮想直線PL1,PL2のなす角ANG1が90°以下となり、左側振分部材330の回動に伴って停留部320及び突起333による球噛みが発生することが抑制される。
ここで、図14(c)に基づき、左側振分部材330の突起333と右側振分部材340の突起343との関係について説明する。左側振分部材330に設けられた複数の突起333の一部と、右側振分部材340に設けられた複数の突起343の一部とは、停留部320を挟んで左右対称となるように配されている。既に説明したように、左右の振分部材330,340の回転速度は同一となるように設定されており、それら両者の回転が同期する構成となっている。また、各振分部材330,340の相対位置は、停留部320に停留している遊技球B3に対して上記対称配置された突起333,343の一方が当たった場合に、それら両突起333,343の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように定められている。このため、上記対称配置された突起333,343の一方に当たった遊技球B3は、他方に対しても当たることとなる。そして、各振分部材330,340の回動に伴い、それら両突起333,343によって停留部320から上方に持ち上げられることとなる。
本実施の形態においては特に、遊技球B3の中心CT及び同遊技球B3における左側振分部材330の突起333との接触点CP3を結んだ第3仮想直線PL3と、遊技球B3の中心CT及び同遊技球B3における右側振分部材340の突起343との接触点CP3を結んだ第3仮想直線PL4との両仮想直線PL3,PL4のなす角ANG2(詳しくは停留部320側のなす角)が180°以下となるように構成されている。これにより、両振分部材330,340の回動に伴って突起333,343による球噛みが発生することを抑制している。
再び図13を参照して説明すれば、左側振分部材330の突起333の間には、上記移動手段を構成する複数の磁石334が設けられている。これら磁石334は、左側振分部材330に埋設されており、同左側振分部材330の外周面330aからの突出が抑えられている。磁石334の磁力は、当該磁石によって保持された遊技球を左側振分部材330の回動に併せて停留部320から持ち上げることが可能となるように設定されている。つまり、停留部320上で揺動している遊技球のうち、磁石334によって捕捉された遊技球は、左側振分部材330の回動によって停留部320から離間しやすくなる。より詳しくは、第2案内部304に後続の遊技球が待機していない場合には、磁石334によって捕捉された遊技球の停留部320からの離れが許容され、第2案内部304に後続の遊技球が待機している場合には、停留部320上に停留している遊技球が後続の遊技球によって上方から押えられるため磁石334によって捕捉されたとしても停留部320からの離れが阻止されやすくなる。
磁石334によって遊技球が捕捉された場合に、その捕捉された遊技球B5が左側振分部材330の回動に伴って移動する移動経路上に上記第1案内部303のフランジ308が位置している。左側振分部材330の回動によってフランジ308に衝突した遊技球B5は、同フランジ308によって左側振分部材330に追従した移動が妨げられる。このため、左側振分部材330の回動によって遊技球B5と磁石334が引き離されることとなり、磁石334の吸引力による拘束から離れた遊技球は第1案内部303(詳しくは対向部306上)に落下する。このようにして第1案内部303に至った遊技球は、再度の停留部320への復帰や、球収容部332への流入が不可となり、対向部306の傾斜に沿って第1供給経路301の入口301aに向かうこととなる。
右側振分部材340についても同様に、突起343の間に上記移動手段を構成する複数の磁石344が設けられている。これら磁石344に関する構成及び作用については、上記左側振分部材330の磁石334と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、停留部320に至った遊技球の動きについて幾つかのパターンを説明する。本実施の形態においては特に、遊技球の動きのパターンが停留部320に停留している遊技球に対して後続する遊技球が樋313に待機している場合と待機していない場合とで相違し得る。故に、先ず図15に基づき、後続の遊技球が存在していない場合について説明し、その後、後続の遊技球が存在している場合について説明する。図15は遊技球の動きを示した概略図であり、停留部320に停留している遊技球は両振分部材330,340の動作によって図15(a)→図15(b)→図15(c)→図15(d)の順に移動する。
図15(a)に示すように、第2案内部304を経由して停留部320に案内された遊技球Bは、停留部320の頂部321上に載る。このように遊技球Bが頂部321に載った時点では、左側振分部材330の磁石334が停留部320の近傍、詳しくは遊技球Bの吸引は可能であるものの同遊技球Bの捕捉は不可となる位置に存在している。この左側振分部材330の磁石334の磁力によって、遊技球Bが左側振分部材330側に引き寄せられる。つまり、遊技球Bは、その中心CTが左側振分部材330側に傾き、同左側振分部材330の外周面330aに寄りかかった状態となる。この状態では、右側振分部材340の球収容部342が遊技球Bの受け入れを許容する位置に至っているものの、遊技球Bが左側振分部材330側に傾いているため、遊技球Bの同球収容部342に向けての移動が回避され、右側振分部材340の球収容部342は遊技球Bが入ることなく上記許容位置を素通りすることとなる。
両振分部材330、340が回動することで、左側振分部材330の磁石334が遊技球Bから遠ざかるとともに、突起333が遊技球Bを押すこととなる。これにより、図15(b)に示すように、遊技球Bの中心CTが右側振分部材340側に傾き、同右側振分部材340の外周面340aに寄りかかった状態となる。この状態では、遊技球Bは右側振分部材340側へ当該遊技球Bの自重によって付勢された状態となっている。
更に両振分部材330、340が回動すると、図15(c)に示すように、右側振分部材340の突起343によって遊技球Bが左側振分部材330側に押される。これにより、遊技球Bの中心CTが左側振分部材330側に傾き、再び左側振分部材330に寄りかかった状態となる。
このように遊技球Bが左側に傾いた状態では、同遊技球Bが自重によって左側振分部材330側に付勢されている。その状態が維持されたまま、両振分部材330,340の回動が進むと、左側振分部材330の球収容部332が遊技球Bの受け入れを許容する許容位置に至り、遊技球Bが左側傾斜部322に沿って球収容部332へ移動する(図15(d)参照)。その後、遊技球Bは第2供給経路316へと導かれる。
次に、図15(a)に示したタイミングよりも若干早いタイミング、詳しくは左側振分部材330の磁石334が停留部320に対して横並びとなる位置(すなわち停留部320の傍)を通過するタイミングで遊技球が停留部320に至った場合について説明する。
このタイミングで停留部320に至った遊技球は、左側振分部材330の磁石334によって捕捉されることとなる。磁石344によって捕捉された遊技球は、右側振分部材340の球収容部342が許容位置に至っても同球収容部342に入ることなく、左側振分部材330の回動に伴って停留部320から離間する。つまり、右側振分部材340の球収容部342は許容位置を素通りすることとなる。その後、左側振分部材330の回動が進むことにより、磁石334に捕捉された遊技球は対向部306のフランジ308(図13参照)に当り、同磁石334に追従した動きが妨げられることとなる。これにより、遊技球は磁石334から離れ、第1案内部303を経由して第1供給経路301に向かう。
また、上述した2つの例よりも更に早いタイミングで、例えば図13に示すように、右側振分部材340の2つの磁石344が停留部320と横並びになる位置を通過し、且つ左側振分部材330の球収容部332が許容位置を通り過ぎたタイミングで遊技球が停留部320に至った場合について説明する。
停留部320に至った遊技球は、自重によって又は右側振分部材340の突起343に押されることによって左側振分部材330側に偏倚した位置に停留する。その後、両振分部材330,340の回動に伴って、左側振分部材330の突起333により右側振分部材340側に押される。これにより右側振分部材340側に偏倚した遊技球は、停留部320及び右側振分部材340の外周面340aによって支えられた状態となる。その後、両振分部材330,340の回動が進むと、右側振分部材340の球収容部342の凹みに遊技球が入りはじめ、それに伴って同遊技球と左側振分部材330との隙間が広がることとなる。この際、左側振分部材330の磁石334も停留部320と横並びとなる位置に至るが、上述の如く遊技球と左側振分部材330との隙間が広がることにより磁石334の吸引力の及ぶ範囲を外れることで、同遊技球の左側振分部材330側への戻りが回避される。そして、遊技球は、更に両振分部材330,340の回動が進むことで右側振分部材340の球収容部342に嵌まり、第3供給経路317へ導かれることとなる。
次に、遊技球の動きのパターンが停留部320に停留している遊技球に対して後続する遊技球が樋313に待機している場合について上記3つのパターンとの相違点を中心に説明する。
図15(a)に示したタイミングで遊技球が停留部320に至った場合には、停留部320上の遊技球の動きに目立った違いは無い。つまり、停留部320上の遊技球は、図15(a)→図15(b)→図15(c)→図15(d)の順に移動し、左側振分部材330の球収容部332に収容された後、第2供給経路316に導かれる。
一方、図15(a)に示したタイミングよりも若干早いタイミング、詳しくは左側振分部材330の磁石334が停留部320に対して横並びとなる位置(すなわち停留部320の傍)を通過するタイミングで遊技球が停留部320に至った場合には、後続の遊技球が存在しないまま同タイミングで停留部320に至った遊技球の動きとは大きく異なることとなる。停留部320に至った遊技球は、左側振分部材330の磁石334によって一旦は捕捉されるものの、樋313に待機する後続の遊技球によって停留部320側に押さえつけられ、その後続の遊技球の重みが加わることで磁石334の吸引力に打ち勝つことが可能となる。これにより、第1供給経路301に導かれることなく、停留部320上に留まることとなる。その後、図15(a)→図15(b)→図15(c)→図15(d)の順に移動し、左側振分部材330の球収容部332に収容された後、第2供給経路316に導かれる。つまり、本来であれば第1供給経路301に振り分けられるべきタイミングで停留部320に至っているものの、後続の遊技球の重みによりその行き先が変更され、第2供給経路316に振り分けられることとなる。
また、例えば図13に示すように、右側振分部材340の2つの磁石344が停留部320と横並びになる位置を通過し、且つ左側振分部材330の球収容部332が許容位置を通り過ぎたタイミングで遊技球が停留部320に至った場合の遊技球の動きについては、後続の遊技球が存在しないまま同タイミングで停留部320に至った遊技球の動きと基本的には同じであるがその確実性が増すこととなる。停留部320に至った遊技球は、上述の如く左側振分部材330側に偏倚した位置に停留する。その後、左側振分部材330の突起333により右側振分部材340側に押され、右側振分部材340側に偏倚する。その後、両振分部材330,340の回動が進むと、右側振分部材340の球収容部342の凹みに遊技球が入り始めるとともに、左側振分部材330の磁石334も停留部320と横並びとなる位置に至る。この際、後続する遊技球によって押されることで、停留部320上の遊技球は右側振分部材340側に付勢された状態となり、上記磁石334の吸引力に打ち勝ちやすくなる。これにより、遊技球はより確実に右側振分部材340の球収容部342に嵌まり、第3供給経路317へ振り分けられることとなる。つまり、遊技球の挙動が乱れる等して同遊技球が磁石334に捕捉され、第2供給経路316に振り分けられるといった展開の発生を回避し、後続の遊技球の助力によって、より確実に第3供給経路317への振り分けがなされることとなる。
以上詳述した振分装置300の下方には、上記入賞役物350が設けられており、上述した各供給経路301,302,316,317を通った遊技球は、同入賞役物350の異なる部位に導かれる。ここで、図9,図11,図16及び図17に基づいて入賞役物350及びそれに付随する構成について説明する。図16(a)は入賞役物350を上方から見た斜視図、図16(b)は入賞役物350の平面図、図17は図9のD−D線部分断面図である。
図9に示すように、入賞役物350は、ケース260の両側壁261,262に跨って設けられた平板状の載置部280に載置されており、鉛直方向に延びる軸線を中心とした回動が許容された状態で同載置部280に固定されている。入賞役物350にはモータ360(図17参照)が接続されている。モータ360は、後述する主制御装置に対して電気的に接続されており、同主制御装置からの電気的な信号の出力によって駆動することで、入賞役物350が常時一定速度で同一方向に回動を続ける。なお、入賞役物350の回転速度及び回動方向は一定である必要はなく、遊技状況等に応じて変化させてもよい。
入賞役物350は、自身の中心軸線方向に複数の段差が形成された厚肉の円盤状をなしている。より具体的には、入賞役物350は、上段部351,中段部352,下段部353の3つの段部を有してなり、上段部351の外径<中段部352の外径<下段部353の外径となるように形成されることで全体として上方に凸となっている(図16(a)参照)。
図9及び図17に示すように、上述した載置部280には、下段部353に対応する凹部281が形成されており、この凹部281に対して同下段部353が嵌まった状態となっている。凹部281の深さ寸法は下段部353の厚み寸法よりも小さく設定されており、下段部353の一部が凹部281から張り出した状態となっている。
図16(b)に示すように、凹部281の開口縁には、下段部353の縦壁に沿って起立する略円環状の内壁部282が形成されており、内壁部282よりも外側には同内壁部282に対して所定の間隔を隔てて対向する外壁部283が形成されている。これら両壁部282,283及び載置部280によって上記第1供給経路301,302の一部が構成されている。詳しくは、第1供給経路301,302は第1案内部303からケース260の側壁261,262に沿って上下に延びる縦通路と、両壁部282,283によって挟まれ載置部280に沿って延びる横通路とによって構成されている。
載置部280において両壁部282,283によって挟まれている部分の上面は、パチンコ機10の前方に緩やかに下り傾斜している。第1供給経路301,302の縦通路を通って載置部280上に至った遊技球は両壁部282,283に沿って横通路を前方に移動する。
横通路において最も低位となっている載置部280の特定部分には、入賞役物350に向けて(すなわち後方に向けて)下り傾斜する溝部284が形成されている。内壁部282において溝部284の先側に位置する部分には、内外に貫通する陥欠部285が形成されており、この陥欠部285を介して、遊技球が入賞役物350に移動可能となっている。すなわち、この陥欠部285によって第1供給経路301の出口が構成されている。
図16(a)に示すように、入賞役物350の下段部353には、この陥欠部285に対応する複数(本実施の形態においては8つ)の入球部356が設けられている。各入球部356は、入賞役物350の周方向において等間隔となるように配列されており、内壁部282と対向する側及び上方に開放されているものと、内壁部282と対向する側及び上下に開放されているものとに大別される。すなわち、複数の入球部356のうち1つは無底となっており、他は有底となっている。
下段部353の入球部356が陥欠部285と連なる位置に至った場合には、第1供給経路301を通って移動してきた遊技球の入球部356への移動が許容されることとなる。これにより、第1供給経路301を経由した遊技球が1/8の確率で無底の入球部356に入り、7/8の確率で有底の入球部356に入ることとなる。そして、一旦入球部356に入った遊技球は、入賞役物350の回動に伴って入球部356が移動し、同入球部356における内壁部282側の開放部分が凹部281の壁面及び内壁部282と対向する位置に至る。この場合、凹部281の壁面及び内壁部282によって、入球部356から第1供給経路301,302への遊技球の逆戻りが回避されることとなる。
凹部281の底部において入球部356が通過する経路と重なる位置には、大当たり入賞口286が設けられている。大当たり入賞口286は、遊技球の通過を許容する孔状をなしており、無底の入球部356に入った遊技球は、当該入球部356と大当たり入賞口286とが連なった際に、同大当たり入賞口286に入る。大当たり入賞口286を通過した遊技球は所定の通路を通って入賞役物ユニット250の外部、詳しくは遊技盤81の背側に案内された後、上記排出通路231を経由して島設備に返却されることとなる。また、大当たり入賞口286に入った遊技球を検出する大当たり入賞口検出センサ287が設けられており、この大当たり入賞口検出センサ287によって検出された情報が主制御装置162に出力される。
また、内壁部282において、陥欠部285とは中心軸線を挟んで反対側となる位置には、排出口288が形成されている。排出口288についても陥欠部285と同様に内外に貫通しており、遊技球の通過を許容するように形成されている。有底の入球部356に入った遊技球は、排出口288と入球部356の開放部分とが連なった際に、同排出口288を通って入賞役物ユニット250の外部、詳しくは遊技盤81の背側に排出され、その後、上記排出通路231を経由して島設備に返却される。
下段部353の上面と対向する位置には、第2供給経路316の最下流部分が配置されている。第2供給経路316は入口316aから出口316bに向けて前後に蛇行しながら下っており、その最下流部分には、中段部352の縦壁側に、詳しくは入賞役物350の中心軸線に向けて開放された出口316bが形成されている。出口316bは、中段部352の縦壁に対して僅かな隙を隔てて対向している。
中段部352には、下段部353の入球部356に連なる連通部357が複数(本実施の形態においては4つ)形成されている。第2供給経路316の出口316bが、中段部352の縦壁によって塞がれている場合には、同出口316bからの遊技球の流出が阻止され、出口316bと連通部357が連なっている場合には、連通部357への遊技球の流入が許容される。複数の連通部357のうち1つは、有底の入球部356に連なっており、第2供給経路316を経由した遊技球は3/4の確率で有底の入球部356に入り、1/4の確率で無底の入球部356に入ることとなる。言い換えれば、入賞役物ユニット250に入った遊技球が第2供給経路316を経由して入賞役物350に至った場合には、1/4の確率で大当たりが発生することとなる。
上段部351には、上方に開放された一条の溝部358が形成されており、更にその一端が有底の入球部356に向けて、他端が無底の入球部356に向けてそれぞれ開放されている。溝部358は、その中央部分が上記第3供給経路317の出口317bの真下に位置しており、出口317bから落下した遊技球は、溝部358に嵌まった後、入賞役物350の回動によって発生する遠心力で、有底及び無底の両入球部356のうちいずれか一方に向けて移動することとなる。第3供給経路317を経由した遊技球は1/2の確率で有底の入球部356に入り、同じく1/2の確率で無底の入球部356に入ることとなる。言い換えれば、入賞役物ユニット250に入った遊技球が第3供給経路317を経由して入賞役物350に至った場合には、1/2の確率で大当たりが発生することとなる。
以上詳述した、入賞役物350においては、各供給経路301,302,316,317を通った遊技球が異なる確率で無底の入球部356に入ることにより、大当たりの発生確率を相違させている。なお、入賞役物350における入球部356の数や連通部357の数等は任意の変更してもよいが、このような変更を行う場合であっても各供給経路301,302,316,317を通った遊技球の当り確率は相違させることが望ましい。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図18のブロック図に基づいて説明する。図18では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、主制御回路402と停電監視回路403とが内蔵されている。主制御回路402には、MPU411が搭載されている。MPU411には、当該MPU411により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM412と、そのROM412内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM413と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM413は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU411には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路402の入力側には、主制御基板401に設けられた停電監視回路403、払出制御装置242に設けられた払出制御基板422が接続されている。この場合に、停電監視回路403には電源・発射制御基板421が接続されており、主制御回路402には停電監視回路403を介して電力が供給される。更に、主制御回路402の入力側には、一般入賞口82への遊技球の入球を検出する一般入賞口検出センサ84、可変入賞装置83内への遊技球の入球を検出する特別入賞口検出センサ85、大当たり入賞口286への遊技球の入球を検出する大当たり入賞口検出センサ287が接続されている。
一方、主制御回路402の出力側には、停電監視回路403,払出制御基板422及び中継端子板423が接続されている。払出制御基板422には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板423を介して主制御回路402から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板424に対して各種コマンドなどが出力される。更に、主制御回路402の出力側には、入賞役物ユニット250に設けられた各種モータ274,275,331,341及び可変入賞装置83が接続されている。
主制御回路402の出力側に接続されている停電監視回路403は、主制御回路402と電源・発射制御基板421とを中継し、また電源・発射制御基板421から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板422は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU431は、そのMPU431により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM432と、ワークメモリ等として使用されるRAM433とを備えている。
払出制御基板422のRAM433は、主制御回路402のRAM413と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板422のMPU431には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板422の入力側には、主制御回路402、電源・発射制御基板421、及び裏パック基板229が接続されている。また、払出制御基板422の出力側には、主制御回路402及び裏パック基板229が接続されている。
電源・発射制御基板421は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路402や払出制御基板422等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板424は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26を制御するものである。演算装置であるMPU441は、そのMPU441により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM442と、ワークメモリ等として使用されるRAM443とを備えている。
音声ランプ制御基板424のMPU441にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板424の入力側には中継端子板423に中継されて主制御回路402が接続されており、主制御回路402から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25及びスピーカ部26を制御する。
ここで、同図18に基づき、パチンコ機10において遊技が進行していく上での各種処理について簡単に説明する。
遊技球発射機構110(図13参照)によって発射された遊技球が一般入賞口82(図6参照)に入賞すると、一般入賞口検出センサ84から主制御装置162の主制御回路402に検知情報が出力される。
主制御装置162のMPU411は、各種検知情報の有無を判定する判定処理を定期的に行っており、同確認処理にて一般入賞口検出センサ84からの検知情報が存在すると判定した場合には、羽根部材265,266用の駆動モータに対して駆動信号の出力処理を行う。主制御装置162から出力された駆動信号に基づいて駆動モータが動作し、各羽根部材265,266が所定の期間だけ閉鎖位置から開放位置に切り換えられる。
このように羽根部材265,266が開放されている期間中に、遊技領域PEを流下する遊技球が入賞役物ユニット250に流入し、同遊技球が大当たり入賞口286に入賞した場合には、その検知情報が大当たり入賞口検出センサ287から主制御装置162の主制御回路402に出力される。
主制御装置162のMPU411における上記判定処理において、大当たり入賞口検出センサ287からの検知情報が存在すると判定した場合には、通常遊技状態から大当たり遊技状態への移行処理を実行する。大当たり遊技状態においては、通常は閉鎖されている可変入賞装置83を開放させる信号を出力する。この信号に基づいて、可変入賞装置83が開放され、遊技球の流入が許容された状態となる。可変入賞装置83を予め設定された回数開放した後は、大当たり遊技状態から通常遊技状態への移行処理を実行する。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
入賞役物ユニット250に入った遊技球を複数の供給経路301,302,316,317に振り分けることで入賞役物350における異なる部分に到達させ、それら供給される位置の相違によって大当たりの発生確率を相違させる構成とした。これにより、遊技の単調化を抑制している。
遊技球を異なる供給経路に振り分ける振分装置300に案内された遊技球は、停留部320に停留し、振分部材330,340の動作に基づいて何れの供給経路301,302,316,317に振り分けられるかが決定される。このように振分部材330,340を動作させることで上記振分を行うことにより、例えば固定された振分部材に対して遊技球自らが積極的に移動することで振分を行う構成と比較して、注目すべき箇所を限定しやすくできる。これにより、遊技者の目に生じる負担を低減することが可能となっている。特に、振分部材330,340及び停留部320を近づけて配置することで、遊技球が意外な動きをした場合であっても、その動きを目で追いやすくしている。
停留部320に停留している遊技球は各振分部材330,340に設けられた突起333,343や磁石334,344によって揺動する。このように遊技球の停留部320上での動きを許容することにより、各振分部材330,340の球収容部332,342への入球に意外性を付与することが可能となっている。詳しくは、停留部320に停留している遊技球は、球収容部332,342が遊技球の受け入れを許容する許容位置に達した場合に、必ずしもそれら球収容部332,342に入るわけではない。つまり、球収容部332,342は停留部320に停留している遊技球を横目に上記許容位置を素通りし得る。このように、遊技球の振分態様を多様化することにより、興趣向上を図っている。
遊技球の動きの意外性を高めようとすれば、遊技球の動きを予測不能な構成を採用することが手っ取り早い方策であると考えられる。しかしながら、このような構成を採用した場合には、意外性を高めることは可能である反面、遊技球が振り分けられるまでの経過よりも、その振り分けの結果に対して注目が向きやすくなると想定される。これは、遊技球の動きを魅せるという目的に反することとなり好ましくない。
この点、本実施の形態においては、振分部材330,340の球収容部332,342の変遷のみならず、突起333,343や磁石334,344の変遷によっても遊技球の振り分け態様が相違する構成とし、更には遊技球とそれら各種構成のとの位置関係を把握することで遊技球の動きを予測可能としている。これにより、遊技者は遊技球の振り分けの過程、すなわち停留部320上に遊技球が停留している状態においても同遊技球の振り分け結果をある程度予測することが可能となり、自身の予測に沿って遊技球が動くか否かを確かめるべく、遊技球の動き更には上記各種構成の動きに注目しやすくなると考えられる。故に、遊技球や上記各種構成の動きに対する注目度の向上に貢献できる。
停留部320に停留している遊技球は、同停留部320の頂部321によって支えられた状態となっている。頂部321は前後に延びる線状をなしており、遊技球の中心が左右の振分部材330,340のいずれか一方によりやすくなっている。このように、遊技球の位置を何れか一方の振分部材330,340に寄せることで、同遊技球の動きを分かりやすくしている。
また、停留部320上の遊技球は、停留部320の頂部321に支えられた状態で左右に揺動する、すなわち頂部321を支点として回動する。例えば両傾斜部322,323間で遊技球を転動させる構成と比較してそのストロークを小さくすることができ、同遊技球の動きの敏捷性(外力に対する応答性)を高めることが可能となっている。
遊技球の動きが遊技者に対する利益・不利益を決定付ける点等に着目すれば、振分装置300の誤作動の発生は極力回避すべきであると考えられる。この点、本実施の形態においては、各振分部材330,340の外周に突起333,343や磁石334,344が配されており、振分部材330,340の回動によって、それら突起333,343等の位置が変化する。このように、突起333,343等を動作させる構成を他の動作に併合させることで構造の煩雑化が抑制されている。これにより、上記誤動作等の発生を抑えることが可能となっている。
また、磁石334,344を用いて遊技球を引き寄せるとともに、突起333,343を用いて遊技球を遠ざける構成としたことにより、遊技球の動きの単調化を抑制している。特に突起333,343は遊技球に対して触れることによって画一的に作用しやすい一方、磁石334,344は遊技球との相対距離によってその作用に違いが生じる。このように、遊技球に対する作用態様が相違するものを組み合せて用いることにより、遊技球の動きに意外性を付与しやすくしている。
磁石334,344によって捕捉された遊技球が各振分部材330,340の回動に伴ってあたかも振分部材330,340の外周面330a,340aに載った状態で移動する。一方、球収容部332,342に収容された遊技球は、振分部材330,340に嵌まり込んだ状態で移動する。このように遊技球の移動の態様を相違させることにより、遊技球の動きに意外性を付与しやすくしている。
また、例えば振分部材を1つだけ有する構成とし、遊技球が同振分部材に対して近づいたり遠ざかったりする構成を採用すると、遊技者の注目は、遊技球の近づく側への移動に偏りやすくなると想定される。この点、本実施の形態においては停留部320の左右両側に振分部材330,340を配置することによって、遊技球の揺動(往復動)の何れの方向への移動にも注意を引きやすくすることが可能となっている。
両振分部材330,340を回動させる構成としたことにより、それら振分部材330,340の動作領域の確保を容易なものとし、振分装置300をコンパクトなものとしている。入賞役物350が遊技領域PEに配置されるものであり、同遊技領域PEが限られたものである点に着目すれば、振分装置300の小型化は実用上好ましいと想定される。
振分装置300へと遊技球を案内する第2案内部304を有し、その第2案内部304に遊技球が待機している場合と、待機していない場合とで、停留部320に停留している遊技球の動きが相違する構成とした。これにより、停留部320に停留している遊技球の動きを更に多様化することが可能となっている。
詳しくは、停留部320に停留している遊技球に後続する遊技球が、停留部320上の遊技球を上側から押える構成となっている。仮に停留部320上の遊技球が磁石334,344によって第1供給経路301,302に移動させられそうになっても、同遊技球の移動が後続の遊技球の重みによって妨げられることとなる。
本実施の形態においては特に、第2案内部304に遊技球を待機させることで、遊技者は遊技を有利に運ぶことが可能となる。これにより、より多くの遊技球を入賞役物ユニット250内に送り込むべく遊技球発射ハンドル41の操作が行われると想定され、遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態においては、後続する遊技球を利用した停留中の遊技球の振り分けに関する構成(具体的には振分装置)を第1の実施の形態から変更することにより、遊技球の振分態様を相違させている。以下、図19及び図20に基づき振分装置について説明する。図19は第2の実施の形態における振分装置の正面図、図20(a)は振分装置の平面図、図20(b)は図20(a)のE−E線部分端面図、図20(c)は図20(a)のF−F線部分端面図、図20(d)は図20(a)のG−G線部分端面図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については詳細な説明を省略する。
図19に示すように、本実施の形態における振分装置500は、上記第1の実施の形態と同様に、開放部276の下方に設けられた左右の円柱511,512と、それら両円柱511,512に跨って設けられた樋513と、同樋513を通じて遊技球が案内される停留部520と、同停留部520に停留している遊技球を第1供給経路501,502、第2供給経路518、第3供給経路519へ振り分ける振分部材530,540とを有している。
図20に示すように、樋513の上面には、上方及び前方に開放された一条の溝部514と、当該上面における左右両端から溝部514に向けて下る傾斜部517とが併設されている。溝部514は遊技球の外形に対応して凹む曲面状をなしており、当該溝部514における同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成されている。開放部276及び円柱511,512を通じて樋513へ到達した遊技球は、傾斜部517の傾斜に沿って溝部514へ流入する。溝部514へ流入した遊技球は、当該溝部514に沿って流下し、停留部520へ導かれることとなる。このように溝部514によって遊技球の流下方向が規定される点に着目すれば、同溝部514を「規定手段514」と称することも可能である。
図20(a)に示すように、溝部514は、左側の円柱311に沿って形成された上流側溝部515と、当該上流側溝部515に対して斜めに交差する方向に、詳しくは前方へ下るにつれて右側振分部材540に近づく側に延びる下流側溝部516とを有している。それら上流側溝部515及び下流側溝部516は、コーナ部を介して連なっており、溝部514に流入した遊技球が上流側溝部515→下流側溝部516の順に移動することで停留部520へと案内される。
なお、溝部514を上流側・下流側に分け、同溝部514の途中位置から右側へ曲がる構成を採用したのは、下流側溝部516の右側振分部材540側への傾きを大きくするための工夫である。特に溝部514における上方への開口部は、その左側縁部が右側縁部よりも上位に位置しており、溝部514に流入した遊技球の左方への移動が好適に抑えられている。これにより上記コーナ部を遊技球が通過する際に、同遊技球が溝部514から飛び出すことを抑制している。
溝部514の出口部分(すなわち下流側溝部516の出口部分)は、当該出口部分の中央(本実施の形態においては曲面の仮想中心点IP)が両振分部材530,540のうち左側振分部材530寄りとなるように配されている。このため、溝部514から停留部520へ移る遊技球は、左側振分部材530寄りとなる位置にて上記出口部分から流出することとなる。同遊技球には、下流側溝部516を通過することにより、前側及び下側へ向けての移動成分に加え、下流側溝部516の延長先側へ向けての移動成分、すなわち右側振分部材540へ向けての移動成分が付与される。このため、溝部514から勢いよく飛び出した(流出した)遊技球は、右側振分部材540へ向けて移動しながら停留部520へと落下する。このように遊技球の流出方向を右側振分部材540側に傾けることで、停留部520に達した遊技球は、同遊技球の中心(重心)が両振分部材530,540のうち右側振分部材540に寄った状態で停留部520に載りやすくなっている(図20(a)参照)。言い換えれば、溝部514の勾配、下流側溝部516の右側振分部材540側への傾き、下流側溝部516の出口部分と停留部520の頂部521との位置関係は、遊技球が停留部520に到達した際に右側振分部材540寄りに配されやすくなるように設定されている。なお、既に説明したように、溝部514の出口部分は、左側振分部材530寄りとなるように配されている(図19参照)。これは、停留部520に停留中の遊技球を当該遊技球に後続する遊技球によって右側振分部材540側へ押すための工夫である。
以下、先ず停留部520の頂部521について補足説明し、その後、停留部520に停留中の遊技球(以下便宜上、「停留球」と称する)と、当該停留球に後続する遊技球(以下便宜上、「後続球」と称する)との関係について説明する。なお、以下の説明では図19〜図21を適宜参照する。図21は停留球と後続球との位置関係を示す概略図である。
図21(a)に示すように、停留部520の頂部521は、樋513に向けて緩やかに下っている。図20(a)に示すように、頂部521においてその前端を含んだ部分には、略平面状をなす平面部521aが形成されており、頂部521においてその後端を含んだ範囲には略線状をなす線状部521bが形成されている。これら平面部521a及び線状部521bは滑らかに連続しており、両者間での遊技球の移動が円滑化されている。
線状部521bは、停留部520において樋513側に位置している停留球が当接する範囲に設けられている。一方、平面部521aは、停留部520において透明板525側に位置している遊技球が当接する範囲に設けられている。このため、停留球は、自重によって樋513の前面に当接している状態においては、線状部521bによって下方から支えられ、自重に抗して透明板525に当接している状態においては、平面部521aによって下方から支えられることとなる。
なお、平面部521aの左右幅は、停留部520に停留している遊技球が当該平面部521aに載った状態にて両振分部材530,540間をスライド移動可能となるように設定されている。また、平面部521aは左右への傾きが抑えられているため、当該平面部521a上に載った遊技球の自重による左右への移動が抑制されることとなる。
停留球B6に対して後続球B7が当接している場合には、同停留球B6は、後続球B7によって前方に押され、停留部520の平面部521aに載った状態となる。例えば図21(b)に示すように、停留球B6が停留部520の頂部521(詳しくは平面部521a)と右側振分部材540の外周面540aとに当接している状態では、同停留球B6の中心CT6は、右側振分部材540寄りに位置している。一方、後続球B7の中心CT7は、中心CT6よりも上側且つ同中心CT6よりも左側(左側振分部材530寄り)に位置している。つまり、停留球B6と後続球B7との接触点CP5は、中心CT6よりも上側且つ同中心CT6よりも左側に位置している。このため、停留球B6は後続球B7の重みによって頂部521と右側振分部材540の外周面540aとに押さえつけられることとなる。すなわち、停留球B6は、後続球B7の重みによって下側且つ右側に向けて付勢された状態となっている。これにより、停留球B6の停留部520からの浮き上がりや、同停留球B6の左側振分部材530側への移動が抑えられる。
図21(c)に示すように停留球B6が右側振分部材540の突起543によって左側振分部材530側に押されると、同停留球B6は平面部521a上を左側振分部材530側に移動する。このようにして停留球B6が左側振分部材530寄りとなる位置に移った場合であっても、後続球B7の中心CT7が停留球B6の中心CT6よりも上側且つ同中心CT6よりも右側(右側振分部材540寄り)に位置することとなる。このため、後続球B7が停留球B6に対して上側且つ左側から当接し、停留球B6は後続球B7の重みによって下側且つ右側に向けて付勢された状態となる。そして、振分部材530,540が回動し突起533が停留球B6から離間すると、上記付勢力によって停留球B6が右側振分部材540寄りとなる位置へ押し戻されることとなる。
また、図14(c)を用いて説明したように左側振分部材530の突起533と右側振分部材540の突起543とが停留球に対して同時に当たることで同停留球が上方に持ち上げられる場合がある。このような停留球の動きは、本実施の形態においても同様に発生する。停留球B6が両振分部材530,540の突起533,543によって上方に持ち上げられた場合には、図21(a)に示すように当該停留球B6の中心CT6が両振分部材530,540の中央に位置することとなる。
このように上記付勢力(後続球B7の重み)に抗して停留球B6が持ち上げられると、後続球B7が下流側溝部516に沿って押し戻される。このような押し戻しが発生した場合であっても、後続球B7と停留球B6との接触は担保されるとともに、後続球B7の中心CT7の位置が、停留球B6の中心CT6よりも上方且つ左側振分部材530寄りのまま維持される。故に、停留球B6は上方に持ち上げられた場合であっても、後続球B7の重みによって下側及び右側に向けて付勢された状態で維持される。
突起533が停留球B6から離れた後は、上記付勢力により停留球B6が右側振分部材540寄りとなる位置に配置されることとなる。つまり、上記第1の実施の形態においては持ち上げられた遊技球が落下した場合、その後の遊技球の停留位置のばらつきが許容されていたのに対して(左側振分部材330寄りとなる位置又は右側振分部材340寄りとなる位置に無作為に停留する構成を採用していたのに対して)、本実施の形態においては、落下後の遊技球の停留位置が右側振分部材540寄りとなるように規制され、上述したようなばらつきが抑えられることとなる。
ここで、図22及び図23に基づき停留部520に至った遊技球の振り分けが行われる場合の同遊技球の動きの一例を説明する。図22及び図23は遊技球の動きを示した概略図であり、停留部520に停留している遊技球は両振分部材330,340の回動に伴って図22(a)→図22(b)→図22(c)→図22(d)→図23(e)→図23(f)→図23(g)→図23(h)の順に移動する。
図22(a)に示すように、樋513の溝部514を経由して停留部520に案内された遊技球B8は、停留部520の頂部521上に載る。頂部521に載った遊技球B8は、落下の勢いによって前方へ移動し、上記透明板525(図20(a)参照)に衝突する。その後、遊技球B8は、頂部521の傾斜に沿って平面部521aから線状部521bへと移動する。そして、同遊技球B8は、線状部521bに到達した後、樋513の前面に当接した状態で停留することとなる。この際、右側振分部材540の突起543が同遊技球B8を左側振分部材530側へ押す位置に存在していないため、当該遊技球B8は右側振分部材540側に傾き右側振分部材540の外周面540aによって支えられた状態となる。
停留中の遊技球B8(以下便宜上、「停留球B8」と称する)に対して後続する遊技球B9(以下便宜上、「後続球B9」と称する)が、溝部514を流下し、停留球B8に対して上流側(後側)から当接すると、停留球B8は、後続球B9によって前方に押される。後続球B9によって前方に押された遊技球は、上記透明板525(図20(a)参照)に当接し、頂部521の平面部521aに載った位置にて保持される。また、後続球B9が停留球B8の球面上部に当接することで、同停留球B8は平面部521aに対して押し付けられた状態、すなわち下側に向けて付勢された状態となる(図22(b)参照)。
この際、右側振分部材540の磁石544は、停留部520の近傍、詳しくは停留球B8の吸引が可能である位置に達しているものの、後続球B9の重みが同磁石544の吸引力に抗して作用することで、停留球B8の第1供給経路502への移動が妨げられることとなる。このため、磁石544は、右側振分部材540の回動に伴って停留球B8の傍を素通りする(図22(c)参照)。
各振分部材530,540が回動すると、図22(d)に示すように右側振分部材540の突起543によって停留球B8が左側に押される。これにより、停留球B8は平面部521aに沿って左側振分部材530寄りとなる位置へ向けて移動する。このような停留球B8の動きに伴って後続球B9は同停留球B8との接触を維持しつつ溝部514の上流側へと押し戻されることとなる。詳しくは、右側振分部材540の回転力が後続球B9の重み(詳しくは前方への付勢力)を上回るように設定されており、後続球B9が溝部514の上流側に逃げることで右側振分部材540の回動が維持される。
このように停留球B8が左側振分部材530寄りとなる位置に移った場合であっても、後続球B9が停留球B8の球面左部に対して当接しており、当該後続球B9の重みによって同停留球B8が右側へ付勢された状態が維持される。このため、図23(e)→図23(f)に示すように、左側振分部材530の球収容部532が停留球B8の受け入れを許容する許容位置に達したとしても同停留球B8は球収容部532に流入することはなく、同球収容部532が許容位置を素通りすることとなる。言い換えれば、後続球B9による付勢力は、停留球B8の球収容部532への流入を阻止可能となるように設定されている。
なお、後続球B9によるサポートが得られない場合には、同タイミングで突起543によって左側振分部材530側に押された停留球B8は、線状部521bを中心として左側振分部材530側に傾き、自重によって傾斜部522に沿って転がることで、球収容部532へ流入することとなる。
図23(f)に示すように、右側振分部材540の突起543群が通り過ぎると、停留球B8は、後続球B9の付勢力により右側へ押され、右側振分部材540の外周面540aに押し付けられた状態となる。
このように停留球B8が外周面540aに寄りかかった状態が維持されたまま、両振分部材530,540の回動が進むと、右側振分部材540の球収容部542が停留球B8を受け入れを許容する許容位置に到達し、図23(g)→図23(h)に示すように、後続球B9に押されながら停留球B8が球収容部542に流入することとなる。これに併せて、後続球B9が停留部520に到達するが、同後続球B9は左側振分部材530の磁石534によって補足され、第1供給経路501へと導かれることとなる。
次に、図22(b)に示したタイミングよりも遅いタイミングで後続球B9が溝部514の出口部分に到達した場合について説明する。
例えば、図22(a)に示す状態から後続球B9が到達することなく振分部材530,540の回動が進むと、停留球B8は右側振分部材540の磁石544によって捕捉され停留部520から持ち上げられることとなる。図22(c)のタイミングで後続球B9が溝部514の出口部分に到達すると、第1供給経路502に移動中の停留球B8に対して当接することとなる。このタイミングでは、後続球B9の中心CT9が停留球B8の中心CT8よりも上側に位置するため、同後続球B9は移動中の停留球B8に対して上側から当接することとなる。これにより、停留球B8の移動が妨げられることとなり、磁石544による拘束を逃れた停留球B8が停留部520上に落下する。つまり、第1供給経路502への振分が回避される。
また、図22(d)のタイミングで後続球B9が溝部514の出口部分に到達した場合にも、同後続球B9が第1供給経路502に移動中の停留球B8に対して当接する。しかしながら、このタイミングでは、後続球B9の中心CT9が停留球B8の中心CT8よりも下側に位置するため、同後続球B9は停留球B8に対して下側から当接することとなる。故に、停留球B8の移動が妨げられることがなく、同停留球B8は第1供給経路502へと振り分けられることとなる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
樋513の溝部514に後続球が待機していない場合には停留球が各供給経路501,502,518,519へ振り分けられ、同溝部514に後続球が待機している場合には停留球の第1供給経路501,502及び第2供給経路518への振り分けが不可となる。つまり、後続球が待機している場合には、停留球が第3供給経路519へ振り分けられるという遊技者にとって有利な状況が実現される。
例えば後続球が存在する場合に、遊技者にとって不利な状況となる構成を採用することも可能である。しかしながらこのような構成を採用した場合、遊技者は、1の遊技球が入賞役物ユニット250に流入したり、停留部520に遊技球が到達したりすると、停留球に対して他の遊技球が後続しないように、または入賞役物ユニット250へ遊技球が流入しないように遊技球発射ハンドル41の発射操作を一旦停止すると想定される(いわゆる止め打ち)。これは、パチンコ機10の稼働率向上を妨げる要因となり得る。この点、本実施の形態に示すように、最も大当たりの発生確率が高く設定されている第3供給経路519への停留球の振り分けが後続球が存在している場合に促進される構成、すなわち後続球の存在が遊技者にとって有利に働く構成を採用すれば、停留部520に遊技球が停留している場合に遊技球の発射操作の継続を促すことができ、パチンコ機10の稼動効率向上に貢献できる。
また、本実施の形態によれば、後続球が待機していない状態での各振り分け部材530,540の磁石534,544によって停留球が捕捉される確率や、停留球が左側振分部材330の球収容部332へ収容される確率は、右側振分部材340の球収容部342へ収容される確率よりも高く設定されており、後続球が待機している状態とは反対となっている。つまり、後続球を待機させることで遊技者にとって非常に有利な状況が実現されるため、遊技者の射幸心を適度に煽ることができ、上述した稼働率の向上を図ることができる。
後続球が待機している場合、停留球が右側振分部材540へ向けて押圧されることとなり、球収容部542への流入が促進される構成となっている。特に、右側振分部材540の突起543によって左側振分部材530側に押された場合であっても、後続球による付勢が継続され、同左側振分部材530の球収容部532への停留球の流入が回避される。これにより、後続球の有無による有利・不利の差を明確なものとすることができる。
後続球の存在が遊技者にとって有利に働く構成においては、同後続球に対する注目度が高くなると想定され、同後続球の動きを視認可能とすることによりどのタイミングで後続球による恩恵を享受できるかを目測することが可能となり、興趣向上を図ることができると考えられる。しかしながら、例えば樋513(詳しくは溝部514)が遊技盤81の前板面に沿って(上下方向や左右方向等に)延びる構成とした場合、後続球の動きを眼で追うことが可能となる反面、遊技領域PEに配された他の遊技機構成部品(釘88や入賞口82等)との共存が難しくなると懸念される。この点、本実施の形態においては、樋513が停留部520から遊技機後方に延びる構成を採用することで、後続球の視認性を担保しつつ樋513と他の遊技機構成部品との共存を好適なものとしている。
また、樋513は停留部520に向けて下っており、後続球を複数待機させることが可能となっている。これにより、後続球が1個待機している場合に発射操作が中断されることを抑制し、上記稼働率の低下を抑えることができる。
後続球が停留球に対して左斜め上方から当接する構成とすることで、停留球の上方への移動と左方への移動とを抑えることができる。つまり、上方・左方・右方への計3種類の移動パターンを有する振分装置500において、1の後続球により1の移動パターンに絞り込むことができる。
後続球によって停留球の左側振分部材530の球収容部532への流入を阻止しつつ、停留球の同左側振分部材530側への揺動を許容した。更には、後続球によって磁石534,544による第1供給経路501,502への振り分けを阻止しつつ、停留球の上方への移動を許容した。これにより、停留部520にて停留球を移動させ、同停留球の動きによって興趣向上を実現するという効果を担保しつつ、同停留球の振分パターンの変更が可能となっている。
溝部514の出口部分から流出した遊技球は、停留球の存在の有無によって、左側振分部材530寄りに落下するか、それとも右側振分部材540側に落下するかが相違する構成となっている。具体的には、停留球が存在しており、同停留球に対して当接していた遊技球は、溝部514の出口部分から流出すると左側振分部材530沿いに落下する。一方、停留球が存在していない場合には、出口部分から勢いよく流出した遊技球は右側振分部材540へ向けて落下し、停留部520の頂部521を跨いで同右側振分部材540寄りとなる位置に移動する。このように、停留部520に到った遊技球の初期位置を相違させることで、遊技球の移動態様の多様化に貢献している。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施の形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施の形態の構成に適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施の形態に適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、遊技球を「停留部」上で動かす構成を、振分装置300に適用した。すなわち、入賞役物350への複数の供給経路に対して遊技球を振り分ける構成において、遊技球を揺動させる構成とした。これを変更し、大当たり又は非大当たりを決定する構成に適用することも可能である。
例えば、右側振分部材340の球収容部342に遊技球が入った場合に大当たりとし、左側振分部材330の球収容部332に遊技球が入った場合又は磁石334,344によって遊技球が第1案内部303に送られた場合にハズレとすることも可能である。
(2)上記各実施の形態では、「可動部材」としての両振分部材330,340が回動する構成としたが、振分部材がスライド移動する構成としてもよい。以下、図24(a)に基づきその具体例について説明する。図24(a)は振分部材の概略図である。
一対の振分部材601,602は停留部603を挟んで対向する板状をなしており、上下にスライド移動可能に設けられている。両振分部材601,602の板厚寸法は遊技球の直径寸法よりも大きく設定されており、それら振分部材601,602には、自身の板厚方向に貫通し、停留部603に停留している遊技球を受入可能な球収容部604,605が形成されている。球収容部604,605は、振分部材601,602の上下動によって遊技球の受け入れを許容する位置と許容しない位置とに移動する。各振分部材601,602において停留部603と反対側には、遊技球を入賞役物に供給する供給経路606,607が設けられており、球収容部604,605が上記許容しない位置に移動した場合に球収容部604,605から供給経路606,607へと遊技球が移動する。
また、各振分部材601,602における停留部603側の板面には、停留部603側に突出する突起608,609が形成されている。各振分部材601,602が上下動することにより、それら突起608,609が移動し停留部603上に停留している遊技球と当たる。突起608,609は、先細り状をなすとともに、斜め上方を向く上側傾斜面と斜め下方を向く下側傾斜面とを有してなる。各振分部材601,602の上下動に基づきそれら傾斜面によって押された遊技球は、反対側の振分部材に向けて移動することとなる。
(3)上記各実施の形態では、停留部320の頂部321が線状をなす構成としたが、これを変更し、停留部の頂部が点状又は平面状をなす構成としてもよい。
また、停留部320上に停留する遊技球の個数は1個に限定されるものではなく、複数とすることも可能である。
更には、停留部320の頂部321に載った遊技球が、両振分部材330,340側に傾くことにより揺動する構成としたが、これを変更し、停留部320に載った遊技球が、左側の傾斜部322によって支持される位置と右側の傾斜部323によって支持される位置との両位置間を行き来することで揺動する構成としてもよい。
(4)上記各実施の形態では、パチンコ機10の正面視において左側振分部材330を反時計回り、右側振分部材340を時計回りに回動させる構成としたが、これら振分部材330,340の回動方向は任意である。例えば、両振分部材330,340の回動方向を統一することも可能である。しかしながら、停留部320に対して遊技球が載っており、突起333,343によって遊技球を移動させる点に着目すれば、それら突起333,343が遊技球に対して上方から近づく構成を採用することで遊技球と突起333,343とのつかえが発生しやすくなると想定され、更には磁石334,344を用いて遊技球を停留部320から引き離すことも困難になると想定される。故に、好ましくは両振分部材330,340の回動方向は、突起333,343が遊技球に対して下側から当たるように規定するとよい。
(5)上記実施の形態では、両振分部材330,340の回動速度を同一としたが、これら振分部材330,340の回動速度を相違させることも可能である。これにより、停留部320上での遊技球の動きを更に多様化させることができる。
特に、上記実施の形態では、両振分部材330,340の回動速度が同一であることを前提として突起333,343の配列を工夫することにより遊技球が左側振分部材330側に寄りやすくしたが、それら振分部材330,340の回動速度を遊技球が左側振分部材330側に寄りやすくなるように設定してもよい。なお、遊技球が左側振分部材330側ではなく右側振分部材340側に寄りやすい構成とすることも可能である。
また、両振分部材330,340の回動速度を相違させ、それら両振分部材330,340がそれぞれ所定の回数回転する毎に回動位置のずれがなくなるように初期位置復帰のタイミングを同期させることも可能である。例えば、一方の振分部材の回動速度を他方の振分部材の回動速度の1/3とすれば、一方の振分部材が3回転する間に、他方の振分部材は1回転することとなる。この際、例えば回動速度の速い一方を基準として1回転目を遊技者にとって有利な期間(つまり遊技球が右側振分部材340の球収容部342に入りやすい期間)、2回転目を1回転目よりも若干不利な期間(つまり遊技球が左側振分部材330の球収容部332に入りやすい期間)、3回転目を2回転目よりも更に不利な期間(つまり遊技球が磁石334,344によって補足されやすい期間)となるように設定するとよい。これにより、構造の煩雑化及制御の煩雑化を抑えつつ、遊技球の振分態様を多様化することができる。
因みに、各振分部材330,340の回動速度は一定である必要はない。例えば、任意のタイミングで速くしたり遅くしたり、更には一旦停止させたりすることも可能である。
(6)上記各実施の形態では、左側振分部材330の突起333と右側振分部材340の突起343との一方が遊技球に当たっている場合に他方が同遊技球に対して当たることにより、遊技球を停留部320から僅かに持ち上げ可能な構成としたが、これに限定されるものではない。左側振分部材330の突起333と右側振分部材340の突起343との一方が遊技球に当たっている場合に他方が同遊技球に対して当たらない構成とすることも可能である。例えば、突起333,343の突出量や配置を変更することにより上記変更を実現してもよいし、両振分部材330,340の回動速度を変化させることにより実現してもよい。
(7)上記各実施の形態では、「可動部材」としての振分部材を2つ有する構成としたが、その数は2つに限定されるものではない。例えば、「可動部材」を1つだけ有する構成としてもよい。以下、図24(b)に基づき上記実施の形態からの変更点を中心に具体例について説明する。
図24(b)に示すように、本変形例においては右側振分部材340が省略されており、振分部材611と停留部612とが左右に並設されている。停留部612の上面は、振分部材611に向けて下っているとともに、停留部612上に停留している遊技球の転動を許容する幅を有している。この傾斜によって、停留部612上に停留している遊技球は、振分部材611側に付勢された状態となる。
振分部材611が回動し、同振分部材611の突起によって遊技球が押されると、同遊技球は上記付勢力に抗して振分部材611から離れる側に移動し、その後自重によって振分部材611側に戻る。このような遊技球の移動が許容されている変形例においても同様に、同遊技球が振分部材611に寄っている際に、タイミングよく球収容部614が遊技球の受け入れを許容する位置に至ることで、遊技球が停留部612から振分部材611に移ることとなる。
なお、停留部612の上面において最も上位となる部分には、上方に起立する球ストッパ615が形成されている。振分部材611の突起613によって遊技球が押され同遊技球が停留部612の上面に沿って移動した場合には、この球ストッパ615によって遊技球の零れが阻止される。
また、上記実施の形態では、「作用部」としての突起や磁石を「可動部材」としての振分部材に付与する構成としたが、それら「作用部」は必ずしも「可動部材」に付与する必要はない。以下、図24(c)に基づき上記実施の形態からの変更点を中心に具体例について説明する。
図24(c)に示すように、上記実施の形態における左側振分部材330の球収容部332が省略されることで簡素化された回転体621と、右側振分部材340の突起343および磁石344が省略されることで簡素化された振分部材622とが停留部623を挟んで左右に並設されている。停留部623の上面は振分部材622側から回転体621に向けて緩やかに下り傾斜しており、停留部623上に停留している遊技球が回転体621側に付勢された状態となりやすくなっている。
回転体621の突起624によって押された遊技球は、停留部623の上面を上記付勢力に抗して上り振分部材622に向けて移動する。この際、遊技球が停留部623を上りきったタイミングで、振分部材622の球収容部625が遊技球の受け入れを許容する位置に存在していれば、遊技球は球収容部625に入ることとなる。
(8)上記各実施の形態では、両振分部材330,340の球収容部332,342が遊技球の受け入れを許容する許容位置に異なるタイミングで至る構成としたが、両者が同じタイミングで許容位置に至る構成としてもよい。
また、各振分部材330,340の突起333,343が異なるタイミングで停留部320の傍を通過する構成としたが、両突起333,343のうち一部の組み合わせにおいては同じタイミングで停留部320の傍を通過する構成とすることも可能である。例えば、各振分部材330,340の球収容部332,342が上記許容位置を通過する直前に両突起333,343を同時に通過させれば、遊技球がそれら両突起333,343によって持ち上げられた後、停留部320の頂部321に落下しやすくなる。頂部321上に落下した遊技球の動きは画一的なものではなく、両球収容部332,342に何れに対しても入り得ることとなる。これにより、遊技球の動きに意外性を付与しやすくできる。
(9)上記各実施の形態では、各振分部材330,340の磁石334,344が同振分部材330,340の外周面330a,340aから僅かに突出する構成としたが、磁石の334,344の突出量は任意である。例えば、各磁石334,344を完全に埋没させ、外周面330a,340aからの突出量を0とすることも可能である。
また、磁石334,344の吸引力(磁力)は、必ずしも捕捉した遊技球を停留部320から持ち上げる強さとなるように設定する必要はない。例えば、磁石334,344によって遊技球が捕捉されている場合に、球収容部332,342に向けての同遊技球の移動を阻止可能となる程度の強さに設定されていればよい。
なお、磁石334,344に代えて、電磁石を用いる構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、第2案内部304に遊技球が1つ待機することにより、各振分部材330,340の磁石334,344の磁力よって停留部320上の遊技球が引き上げられる力よりも、遊技球を停留部320に向けて押す力の方が勝る構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、第2案内部304に複数個の遊技球が待機することにより、各振分部材330,340の磁石334,344の磁力によって停留部320上の遊技球が引き上げられる力よりも、遊技球を停留部320に向けて押す力の方が勝る構成としてもよい。
(11)左右の振分部材330,340に設けられた球収容部332,342、突起333,343、磁石334,344の数は任意であり、必ずしも両振分部材330,340で数を相違させる必要はない。
(12)上記各実施の形態では、一対の振分部材330,340を左右に配置したが、これら振分部材330,340の配置を前後又は上下に配置することも可能である。但し、一対の振分部材を前後に配置した場合には両振分部材間での遊技球の動きが見えにくくなると想定され、上下に配置した場合には遊技球の動かすための構成が複雑化しやすいと考えられる。故に、好ましくは本実施の形態に示したように一対の振分部材330,340を左右に配置するとよい。
(13)上記各実施の形態では、各供給経路301(302),316,317を通った遊技球が、入賞役物350における異なる箇所に供給される構成としたが、これを変更し、入賞役物350における同一箇所に供給される構成としてもよい。但し、この場合、各供給経路301(302),316,317に遊技球を振り分ける意義が薄れてしまう。故に、上記変更を行う場合には併せて以下の変更を行うとよい。つまり、各供給経路301(302),316,317を通った遊技球が入賞役物に到達するタイミングを相違させ、各供給経路301(302),316,317にて優位性に差を生じさせるとよい。より具体的には、各供給経路301(302),316,317の通路長を第1供給経路301(302)<第2供給経路316<第3供給経路317となるように設定するとともに、一般入賞口82へ入球した場合に、入賞役物350が常に同じ状態から回動を開始する構成とし、入賞役物350へ遊技球が供給されるタイミングが遅くなればなるほど大当たり用の入球部356に遊技球が入りやすくなる構成とするとよい。
(14)上記各実施の形態では、各振分部材330,340が動作することにより、「球受入部」としての球収容部が遊技球の受け入れを許容する位置と、許容しない位置とに切り替わる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、振分部材を遊技球の受け入れを許容する状態で固定し、同振分部材への受け入れを許可する位置と阻止する位置とに切り替え可能に設けられたシャッタを別途備える構成としてもよい。
なお、「球受入部」として遊技球を一時的に収容する球収容部を採用する必要は必ずしもない。例えば、遊技球の通過を許可する位置と通過を阻止する位置とに切り換えられるゲート部を「球受入部」として採用することも可能である。
(15)上記各実施の形態では、停留部320によって遊技球を下側から支える構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、停留部に磁力を付与し、当該停留部によって遊技球を吊り下げる構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、可変入賞装置83を有する構成としたが、これを省略することも可能である。この場合、例えば羽根部材265,266を開放させることで入賞役物ユニット250内への遊技球の入球頻度を上げるとともに、入賞役物ユニット250への入球に応じて予め定められた個数の遊技球を払い出す構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態では、右側振分部材340の突起343を全て同一形状としたが、これに限定されるものではなく、各突起343の形状を相違させてもよい。例えば、右側振分部材340の周方向における長さ寸法が相違する突起を並設することも可能である。なお、左側振分部材330に対して同様の変更を行うことも可能である。
(18)上記第2の実施の形態では、停留部520に遊技球が停留していない状態にて溝部514に沿って流下した遊技球は、同溝部514の出口部分から流出した後、右側振分部材540寄りとなる位置に向けて移動する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、停留部520に遊技球が停留していない状態にて溝部514に沿って流下した遊技球が、同溝部514の出口部分から流出した後、左側振分部材530寄りとなる位置に向けて移動する構成とすることも可能である。以下、図24(d)に基づきその具体例について説明する。図24(d)は、第2案内部の変形例を示す概略図である。
図24(d)に示すように、樋631の溝部632は、左側振分部材530に沿って前後に延びており、その出口部分が停留部520の頂部521よりも左側振分部材530寄りとなるように形成されている。溝部632に流入した遊技球は、同溝部632に沿って左右方向への移動が抑えられた状態で流下することでパチンコ機10の前方へと移動する。そして、溝部632の出口部分から流出した後は、停留部520の左側傾斜部522に向けて落下し、左側振分部材530寄りとなる位置へ導かれる。
このような変形例を採用することで、停留部520に到達した遊技球の初期の停留位置が、上記第2の実施の形態と比較して、左側振分部材530寄りとなりやすくなり、停留部520に落下した勢いそのままに右側振分部材540の球収容部542に流入することが抑制される。
(19)上記第2の実施の形態では、停留部520に停留中の遊技球(停留球)に対して後続の遊技球(後続球)が当接することで、第1供給経路501,502及び第2供給経路518への後続球の振り分けが不可となる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、停留球に対して後続球が当接することで、第1供給経路501,502及び第2供給経路518への停留球の振り分けが難しくなり、それら供給経路501,502,518への振分確率が低下する構成としてもよい。
(20)上記第2の実施の形態では、樋513に後続球が待機している場合に遊技者にとって有利な状況となる構成を採用したが、これを変更し、樋513に後続球が待機している場合に遊技者にとって不利な状況となる構成を採用することも可能である。すなわち、停留部520に停留中の停留球に対して後続球が当接することで第2供給経路518への停留球の振り分けが不可となる構成を採用したが、これを変更し、停留球に対して後続球が当接することで第3供給経路519への停留球の振り分けが不可となる構成を採用することも可能である。具体的には、停留球に対して後続球が左側から当接する構成を変更し、同停留球に対して後続球が右側から当接する構成とするとよい。
但し、このような変更を行った場合には、後続球が存在することで、遊技者にとって最も有利な第3供給経路519への遊技球の振り分けが期待できなくなり、遊技者にとって不利な状況(大当たりの期待度の低下)が生じ得る。このため、遊技者は、複数の遊技球が振分装置500に同時に流入しないように、遊技球の発射を意図的に遅らせるといった操作を行うと想定される。これは、パチンコ機10の稼働率を低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは上記第2の実施の形態に示した構成を採用し、後続球が存在することで遊技者にとって有利な遊技状況が実現されるようにするとよい。
(21)上記第2の実施の形態では、停留部520に停留中の遊技球に対して後続の遊技球が当接することで第1供給経路501,502及び第2供給経路518への振り分けを不可とする構成としたが、必ずしも第1・第2の両経路への振り分けを阻止する必要はない。例えば、第1供給経路501,502への振り分けを許容しつつ、第2供給経路518及び第3供給経路519のうち一方への振り分けを不可とすることも可能である。以下、図25(a)に基づきその具体例について説明する。図25(a)は振分装置の変形例を示す概略図である。
図25(a)に示すように、樋650の溝部651をその出口部分の高さ位置が停留部520の頂部521と同じ高さとなるように、且つ左側振分部材530寄りとなるように形成する。つまり、溝部651を、同溝部651の出口部分に到達した後続球B10と停留球B11とが同一高さに位置し、同後続球B10が停留球B11に対して左後方から当接するように形成する。これにより、停留球B11に対して後続球B10が当接した状態では、同停留球B11の上方への移動、すなわち右側振分部材540の磁石544による第1供給経路502への振り分けが許容されるとともに、左側への移動、すなわち左側振分部材530の球収容部532を通じた第2供給経路518への振り分けが妨げられることとなる。
(22)上記第2の実施の形態では、樋513に流入した後続球が溝部514に嵌まることにより同後続球の左右への位置ばらつきが抑制される構成とした。これを変更し、後続球が溝部514に嵌まることにより同後続球の左右への位置ばらつきを不可とする構成としてもよい。例えば、図25(b)に示すように溝部671の左右の壁面672,673を鉛直とし、同溝部671の深さ寸法を遊技球の半径寸法よりも大きくなるように設定するとよい。これにより、停留球B12の左右への揺動に追従して後続球B13が左右にずれるといった不都合を好適に抑制できる。なお、溝部671全域にてこのような変更を行うのではなく、少なくとも溝部671の出口部分にこのような変更を施すとよい。
更には、溝部の内面は必ずしも曲面状をなすように形成する必要はなく、同図25(b)に示すように複数の平面を連続させて形成することも可能である。
また、「案内部」としての樋513は通路状をなしていればよく、必ずしも上方に開放された溝状をなしている必要はない。例えば、「案内部」を、遊技球の通過を許容する筒状(中空状)に形成することも可能である。
(23)上記第2の実施の形態では、停留部520に停留中の遊技球(停留球)に対して後続する遊技球(後続球)が、停留球に対して後側から当接する構成としてが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、後続球が、停留球に対して上側から当接する構成とすることも可能である。以下、図25(c),(d)に基づきその具体例について説明する。図25(c)は振分装置の変形例を示す正面図から見た概略図、図25(d)は図25(c)のH−H線部分断面図である。
図25(c)に示すように、振分装置700の樋701は、溝部702の出口部分が停留部710に停留中の遊技球(停留球B14)よりも上方となるように形成されている。樋701の前面部701aには溝部702の出口部分を左右から挟むようにして左右一対の対向板部703,704が形成されている。それら対向板部703,704は、遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて相対向しており、それら対向板部703,704の前端部が透明板720に近接している(図25(d)参照)。また、対向板部703,704の下端部は、出口部分よりも下方に延びており、それら対向板部703,704、透明板720及び樋701の前面部701aによって区画された通路領域を遊技球が流下することで、停留部710へと導かれる。
後続球B15は、上記通路領域からその一部が下方に突出し、その突出した部分が停留球B14に対して当接することで、同停留球B14に対して上方から載った状態となる。
本変形例においては特に、停留部710の頂部711が前方へ下り傾斜しており、線状部711aが前側、平面部711bが後側となるように形成されている。このため、停留部710に到達した遊技球は、自重によって透明板720寄りとなる位置へ移動し、線状部711a上に載った状態で停留しやすくなっている。
透明板720における樋701の前面部701aと対向している部分は段差状をなしており、停留球B14の上方にて透明板720の上部と前面部701aとの隙間が拡張されている。後続球B15がその拡張された領域に嵌まった状態で停留球B14に当接することで、同停留球B14は後方に押されることとなる。このように後続球B15の重みによって後方に押された停留球B14は線状部711aから平面部711bに移る。
通路領域の出口部分は、両振分部材530,540のうち左側振分部材530側となる位置に配されており、同通路領域の出口部分から流出した遊技球は左側振分部材530寄りとなる位置に落下することとなる。また、停留球B14に対して後続球B15が当接している状態では、停留球B14が常に右側振分部材540に向けて付勢されており、左側振分部材530の球収容部532への移動が阻止される。
なお、上述した対向板部703,704を採用する場合、各振分部材530,540の磁石を用いた第1供給経路への振り分けが難しくなると想定される。故に、本変形例においては、それら磁石を省略している。
(24)上記第2の実施の形態では、溝部514がコーナ部を介して連なる上流側溝部515及び下流側溝部516を有する構成としたが、必ずしもこれに限定されない。例えばコーナ部を省略することも可能である。但し、このような変更を行った場合、樋513の横幅の増大を抑えつつ、同溝部の右側への傾きを確保することが難しくなる。つまり、出口部分を左側振分部材530寄りに配しつつ、出口部分から流出した遊技球を右側振分部材540側へ誘導することを困難になると想定される。故に、好ましくは、溝部の下流部分を傾ける構成としたり、溝部を途中位置から右側へ湾曲させたりするとよい。
(25)上記第2の実施の形態では、停留球が右側振分部材540寄りとなる位置及び左側振分部材530寄りとなる位置の何れに存在していても、同停留球に対して後続球が当接することで、当該停留球が右側に寄る構成としたが、これに限定されるものではない。予め左側によっている状態では後続球に押されても同停留球が左側に寄らない構成としてもよい。この場合であっても、左側振分部材530の突起533によって押された後は右側振分部材540の突起543に押されても右寄り位置に復帰できる構成とすることも可能である。
(26)上記各実施の形態では、入賞役物ユニット250に設けられた「案内通路」の途中位置に停留部320を配設したが、必ずしも停留部を有する必要はない。以下、図26(a)に基づいて具体例を説明する。図26(a)は、入賞役物ユニット250に設けられた案内通路の概略図である。
図26(a)に示すように、入賞ユニットには遊技球を案内する案内通路731が設けられており、同案内通路731はその途中位置にて二股に分岐している。具体的には、案内通路731は、その分岐部分よりも上流側の上流側通路部732と、その上流側通路部732の延長上に位置するとともに同上流側通路部732と同一方向に延びる第1下流側通路部733と、上流側通路部732と交差する方向(詳しくは鉛直方向)に延びる第2下流側通路部734とを有している。
第2下流側通路部734の入口部734aは上方に開口されており、第1下流側通路部733の入口部733a、詳しくは同第1下流側通路部733の通路底部733bには、第2下流側通路部734側へと下る傾斜部735が形成されている。上流側通路部732を流下し、当該上流側通路部732から流出した遊技球は、第2下流側通路部734の入口部734aを飛び越えて、上流側通路部732の延長先へ向けて移動し、傾斜部735に着地する。その後、傾斜部735に着地した遊技球は、傾斜部735を乗り越えることなく、自重により同傾斜部735に沿って流下し、第2下流側通路部734へと流入する。
一方、傾斜部735上に載っている遊技球(以下便宜上、先行球B20と称する)に対して後続の遊技球(以下便宜上、後続球B21と称する)が衝突すると、図26(a)に示すように、先行球B20が後続球B21によって第2下流側通路部734とは反対側に向けて弾かれ、傾斜部735を乗り越えることとなる。これにより、先行球B20は第1下流側通路部733を流下することとなる。
(27)上記各実施の形態に示した振分装置300は、必ずしも一対の振分部材330,340を有する必要はなく、更には停留部320をそれら両振分部材330,340の間に配置する必要はない。以下、図26(b)及び図26(c)に基づき、振分装置300の変形例について説明する。図26(b)は遊技球の振り分けに関する構成を示す概略図、図26(c)は図26(b)のI−I線部分断面図である。
図26(a)に示すように、入賞役物ユニット250には、遊技球を案内する案内通路741が設けられている。案内通路741の途中位置には、案内通路741を流下してきた遊技球を一時的に停留させる停留部742が形成されている。停留部742は、案内通路741の底部から上方に突出し、案内通路741の下流側に向けて上り傾斜する斜面状をなしている。案内通路741を流下してきた遊技球は、この停留部742を乗り越えることができず、同停留部742に乗り上げた状態で停留することとなる。
案内通路741は、この停留部742が設けられている箇所にて2股に分岐している。すなわち、案内通路741には、上流側通路部743の延長上に位置し、停留部742を乗り越えた先に設けられた第1下流側通路部744と、上流側通路部743とは交差する方向に延びる第2下流側通路部745とが設けられている。
案内通路741の通路壁部には、図26(c)に示すように、第2下流側通路部745の入口部としての開口部746が形成されている。開口部746は、停留部742にて停留している遊技球が流入可能となる位置に配されている。案内通路741の通路壁部において遊技球の流下領域を挟んで開口部746と対向している部分には、プッシャ747が設けられている。プッシャ747は、通路壁部に形成された貫通孔748を通じて案内通路741内に露出しており、案内通路741内へ突出する突出位置と、突出が抑えられた待機位置とに移動可能な状態で保持されており、所定の周期でそれら両位置を往復する。
1の遊技球が案内通路741を流下し停留部742にて停留している場合に、その停留中の遊技球(以下便宜上、停留球B22と称する)がプッシャ747によって押されると、同停留球B22は開口部746を通じて第2下流側通路部745内へ流入する。一方、停留球B22に対して後続する複数の遊技球(以下便宜上、後続球B23と称する)が、プッシャ747によって停留球B22が押されるよりも前のタイミングで同停留球B22に衝突すると、停留球B22が下流側へと押され、停留部742を乗り越えて第1下流側通路部744へ流入する。
以上詳述した変形例においては、後続球が停留球に対して当接(衝突)することにより停留球が第1下流側通路部へ流入する構成としたが、これに限定されるものではない、例えば、後続球が停留球以外の所定部位へ到達することにより、停留球が第1下流側通路部へ流入する構成を採用することも可能である。以下、図26(d)及び図26(e)に基づき具体例について説明する。図26(d)は遊技球の振り分けに関する構成を示す概略図、図26(e)は図26(d)のJ−J線部分断面図である。
図26(d)に示すように、案内通路751の上流側通路部753は、上下方向に延びる鉛直部753aと、当該鉛直部753aに対して下流側から連なるとともに斜めに傾斜する傾斜部753bとを有している。傾斜部753bにおいて第1下流側通路部754と第2下流側通路部755との分岐箇所には、上記停留部742に代えてストッパ部752が設けられている。ストッパ部752は、第1下流側通路部754への遊技球の流入を阻止する阻止位置と、同第1下流側通路部754への流入を許容する許容位置とに切り替え可能に設けられている。ストッパ部752は、鉛直部753aの延長上に配置されたスイッチ部759に対して遊技球が当接した場合に、前記許容位置にて所定期間待機する構成となっている。なお、ストッパ部752が許容位置にて保持される期間は、スイッチ部759に当接した遊技球がストッパ部752に到達する場合に必要な所要期間よりも短く設定されている。
案内通路751の通路壁部には、図26(e)に示すように、第2下流側通路部755の入口部としての開口部756が形成されている。開口部756は、ストッパ部752によって停留している遊技球が流入可能となる位置に配されている。案内通路751の通路壁部において遊技球の流下領域を挟んで開口部756と対向している部分には、プッシャ757が設けられている。プッシャ757は、通路壁部に形成された貫通孔758を通じて案内通路751内に露出しており、案内通路751内へ突出する突出位置と、突出が抑えられた待機位置とに移動可能な状態で保持されており、所定の周期でそれら両位置を往復する。
案内通路751を流下し、ストッパ部752に当接した遊技球は、同案内通路751の分岐箇所にて停留することとなる。このように停留している遊技球(以下便宜上、停留球B24と称する)がプッシャ757によって押されると、同停留球B24は開口部756を通じて第2下流側通路部755内へ流入する。一方、停留球B22に対して後続する複数の遊技球(以下便宜上、後続球B25と称する)が、プッシャ757によって停留球B24が押されるよりも前のタイミングでスイッチ部759に衝突すると、ストッパ部752が許容位置へ移動し、停留球B24が第1下流側通路部754へ流入することとなる。
(28)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
例えば、作動口への入賞をトリガとして図柄を可変表示する絵柄表示装置を有し、その絵柄表示装置の前方に遊技球が転動するステージを有する遊技機においては、そのステージに対して、本発明(振分装置)を適用してもよい。この場合、振分装置によって、例えば作動口に入りやすい位置と、入りにくい位置とに遊技球を振り分ける構成にするとよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の特徴群に記載された発明は、「遊技機の一種であるパチンコ機では、例えば、遊技に際して遊技球が打ち出されることとなる遊技領域に入賞口等を備えたものが知られている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が入賞口等に入賞すると、それに伴い所定個数の遊技球が払い出される。このような遊技機においては、遊技領域における区画された所定の空間内へ遊技球が入った場合にその遊技球を当たり用の入球部とハズレ用の入球部とに振り分ける振分機構等を設け、遊技球の動き(移動態様)によって有利不利の差を生じさせることにより同遊技球の動きに対する注目度を高めやすくしているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「遊技球の移動態様については1のパターンではなく複数のパターンを有していることが好ましい反面、移動態様の多様化によって極端に構造が複雑化することは好ましくない。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤81)と、
前記遊技領域を流下する複数の遊技球のうち少なくとも一部の遊技球を停留させる停留部(停留部320)と、
前記停留部に停留している遊技球を受け入れる球受入部(球収容部332,342)を有し、その球受入部による遊技球の受け入れを許容する許容状態、及び同球受入部による遊技球の受け入れを許容しない非許容状態に切替可能に設けられている受入手段(振分部材330,340)と、
前記受入手段が前記非許容状態である状況において前記停留部に遊技球が停留した場合に、前記受入手段が前記非許容状態から前記許容状態に切り替えられるまでの間に、前記停留部に停留している遊技球の前記球受入部による受け入れを、容易な状態から困難な状態にする若しくは困難な状態から容易な状態にする、又は前記停留部に停留している遊技球を同停留部から離間させることで前記球受入部による遊技球の受け入れを不可能な状態にする作用部(突起333,343や磁石334,344)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、受入手段の状態の変化のみならず作用部の作用によって、停留部に停留中の遊技球の受け入れの状態に変化を与えることができる。これにより、停留部に停留している遊技球の受け入れパターンを多様化でき、遊技球の動きに意外性を付与しやすくできる。更には、注目すべき点が受入手段の状態の変化のみならず作用部による遊技球の受け入れ状態の変化にまで及ぶ。そのような状態の変化の中に遊技球を留めることで、遊技球の挙動に対する注目度を高めやすくできる。
なお、「遊技球を停留させる」とは、遊技球の流れを一時的に停滞させることを示す。つまり、必ずしも遊技球を停止させる必要はなく、同遊技球の揺動を許容することを含む。因みに、「遊技球を停留させる」を「遊技球を待機させる」と置き換えることも可能である。
特徴A2.前記停留部は、当該停留部に停留している遊技球の前記球受入部による受け入れが容易な特定位置及び当該特定位置とは異なる非特定位置の両位置を含んだ範囲での遊技球の移動を許容する幅を有しており、
前記作用部は、前記受入手段が前記非許容状態から前記許容状態に切り替えられるまでの間に、前記停留部に停留している遊技球を前記特定位置から前記非特定位置に移動させる又は前記非特定位置から前記特定位置に移動させるものであることを特徴とするA1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、停留部に停留している遊技球を作用部によって移動させることで受け入れ容易な状態と受け入れ困難な状態とを作り出し、遊技球の挙動に対する注目度を更に高めやすくすることができる。
特徴A3.前記停留部は、遊技球に対して下側から当接するとともに、前記受入手段に近づく側及び当該受入手段から遠ざかる側の少なくとも何れかに同遊技球が付勢された状態となるように支持するものであり、
前記作用部は、遊技球を前記付勢力に抗し前記停留部上にて移動させるものであることを特徴とするA1又はA2に記載の遊技機。
例えば停留部にて停留可能な(静止可能な)遊技球の位置が無数に存在すると、停留中の遊技球の位置が遊技者にとって有利な位置なのかそれとも不利な位置なのか分かりにくくなり得る。これは、遊技球の動きを予測しにくくし、ひいては遊技球の動きに対する注目度を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、遊技球が、受入手段に近づく側及び受入手段から遠ざかる側の少なくとも何れかに付勢された状態となることで、遊技球の停留位置のばらつきを抑制できる。これにより、停留中の遊技球がどのような状況に置かれているのかを分かりやすくし、遊技球の動きに対する注目度の向上に貢献できる。
なお、付勢力と作用部の作用とによって遊技球を動かすことが可能である。これを利用して例えば遊技球を往復動させる構成とすることにより、遊技球の動きの多様化を実現できる。
特徴A4.前記受入手段は、前記停留部に停留している遊技球に対して同遊技球の付勢方向の先側から当接することにより同遊技球の前記停留部からの脱落を阻止可能となる位置に配されていることを特徴とするA3に記載の遊技機。
特徴A3に示したように停留部によって遊技球を付勢された状態で支持する構成においては、同遊技球の停留部からの脱落等を阻止するための構成が必要になり得る。この点、本特徴に示すように、受入手段をその停留部に停留している遊技球に対して当接可能となる位置に配することで同遊技球の脱落等を阻止する構成とすれば、構成の煩雑化を抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A5.前記停留部は、自身の上面(頂部321及び傾斜部322,323)に載っている遊技球を下側から支持するものであり、
前記停留部の上面には、前記受入手段側に下る傾斜面(傾斜部322,323)が形成されており、
前記作用部は、前記停留部に停留している遊技球を前記傾斜面の下流側から当該傾斜面の上流側に移動させるものであることを特徴とするA3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、停留部上に停留している遊技球は傾斜に沿って受入手段側に移動することで受入手段の球受入部に受け入れられたり、作用部によって受入手段から遠ざけられることにより球受入部に受け入れられにくくなったりする。このように停留部の傾斜面及び作用部を利用して遊技球を移動させる構成とすることにより、特徴A3に示した構成を好適に実現できる。
特徴A6.前記停留部は、自身の上面(頂部321及び傾斜部322,323)に載っている遊技球を下側から支持するものであり、
前記停留部の上面には、前記受入手段側に下る第1傾斜面と、同受入手段とは反対側に下る第2傾斜面(傾斜部322,323)とが形成されており、
前記作用部は、前記停留部に停留している遊技球を、前記停留部において前記第2傾斜面側から前記第1傾斜面側に移動させるものであることを特徴とするA3又はA4に記載の遊技機。
特徴A6によれば、停留部に停留している遊技球は、両傾斜面のうち何れの側に寄っているかによって、その挙動に差違が生じる。つまり、第1傾斜面段側に寄っている場合には、同第1傾斜面に沿って受入手段側に移動され、第2傾斜面側に寄っている場合には、作用部によって受入手段側に移動される。つまり、同じ停留部に停留している遊技球であっても、受入手段側への移動経路や移動のタイミングを相違させやすくできる。これにより、停留部上での遊技球の動きに意外性を付与しやすくできる。
特徴A7.前記作用部は、前記停留部を挟んで前記受入手段と反対側から同受入手段側に遊技球を移動させるものであることを特徴とするA1乃至A6のいずれか1つに記載の遊技機。
注目の対象となり得る部分が、作用部及び遊技球の関係と受入手段及び遊技球の関係とにある構成においては、本特徴に示すように作用部によって遊技球を案内手段側に移動させる構成とすることで、それぞれの関係を把握しやすくできる。特に特徴A2等との組み合わせにおいては、遊技球の動きの分かりやすさを向上しつつ、同遊技球の動きの意外性を高めることができる。
特徴A8.前記受入手段は、動作可能に設けられている可動部材を有するとともに、当該可動部材の動作によって前記許容状態と前記非許容状態との切り替えを行うものであり、
前記作用部は、前記可動部材の動作に伴って移動するものであることを特徴とするA1乃至A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、可動部材の動作に伴って作用部が移動する。このように作用部を可動部材の動作(許容状態と非許容状態との切替)に伴って移動させる構成とすることにより、可動部材及び作用部を駆動させるための動力源を共有化することが可能となる。故に、遊技球への注目度を高める構成を採用しつつ、それに起因する構成の煩雑化を抑制することができる。
なお、作用部が可動部材の動作に伴って移動し停留部に停留している遊技球に対して当たることにより、同遊技球を移動させる構成とするとよい。この場合、例えば作用部を前記可動部材に設けることにより構成の簡素化を促進できる。
特徴A9.前記球受入部及び前記作用部は、前記可動部材に設けられているとともに、当該可動部材の移動方向に沿って配置されていることを特徴とするA8に記載の遊技機。
遊技球の動きに意外性を付与しようとした場合、例えば遊技球の動きを予測不能としたり、何が受け入れにとって有利であるかまた不利であるかを判別不能とする構成が採用され得る。しかしながら、このような構成では、遊技者の注目が遊技球の動きに向けられず、遊技球が移動した結果に向けられやすくなると想定され、遊技球の動きの意外性を高めることによって興趣向上を図るという目的にそぐわないと考えられる。
この点、本特徴によれば、可動部材の動作に伴って球受入部及び作用部が同じような経路を通って移動することとなる。これにより遊技球の受け入れがなされやすいタイミングや受け入れがなされにくいタイミングを予測することが可能となり、上述した遊技球の動きが予測不能な構成と比較して、遊技球の動きに対する注目度を高めやすくできる。
特徴A10.前記可動部材は回動可能に設けられており、
前記球受入部及び前記作用部は、当該可動部材の回動方向に沿って配置されていることを特徴とするA8に記載の遊技機。
特徴A8に示した構成を実現する場合、可動部材が特定方向にスライド移動する構成を採用することも可能である。しかしながら、可動部材がスライドする構成においては、同可能部材の動作領域が無駄に大きくなると想定される。この点、本特徴によれば、可動部材を回動させる構成とし、更にその回動方向に沿って球受入部及び作用部を配置することで動作領域の拡がりを抑えることができる。故に、遊技球の移動に関する構成をコンパクトなものとすることが可能となる。
なお、本特徴に作用部が遊技球に対して当たることにより同遊技球を押す構成を適用した場合には、可動部材を回動式とすることによる更なるメリットを享受できる。仮に可動部材がスライド可能に設けられている構成を採用した場合、可動部材を往復動させることにより作用部を元の位置に復帰させることが可能となる。しかしながらその反面、以下の制限が生じやすくなると懸念される。具体的には、作用部が遊技球を押す方向が往路と復路で異なると想定され、これは停留部上に停留している遊技球と作用部との支えを回避しにくくなる要因となり得る。このような支えを回避しようとすれば、作用部及び停留部の配置及び形状に制限が生じやすくなると想定される。この点、上述したように可動部材を回動させる構成を採用することにより、同可動部材の動作方向を反転させることなく作用部を元の位置に戻すことが可能となる。このため、作用部が遊技球を押す方向を1に規定でき、上述した遊技球の支えを好適に抑制できる。故に、作用部や停留部の配置及び形状に対する制限を緩和しつつ、作用部を用いた遊技球の移動を繰り返し実行させやすくすることができる。
特徴A11.動作可能に設けられているとともに、前記停留部を挟んで配置されている1組の可動部材(左側振分部材330や右側振分部材340)を備え、
前記両可動部材のうち少なくとも一方は、前記受入手段を構成し、
前記両可動部材のうち少なくとも他方は、前記作用部を備えていることを特徴とするA1乃至A10のいずれか1つに記載の遊技機。
注目の対象となり得る部分が、作用部及び遊技球の関係と受入手段及び遊技球の関係とにある構成においては、本特徴に示すように停留部を作用部及び受入手段の間に配置することで、それぞれの関係を把握しやすくできる。特に、左右の可動部材の少なくとも一方に球受入部を設け、少なくとも他方に作用部を設けることにより、遊技球の受け入れ状態の変化を多様化できるとともに、両可動部材の動きと見比べることで、停留中の遊技球の動きを予測しやすくできる。これにより、遊技球の受け入れの可否(結果)のみならず、同遊技球の受け入れの可否が決まるまでの経過に対しても注目を集めやすくできる。
なお、例えば両可動部材を左右に並べて配置するとよい。これにより、遊技球の挙動を見やすくすることができ、上述した遊技球に対する注目度を高めるという効果を顕著なものとすることができる。
特徴A12.前記停留部は、自身の上面(頂部321及び傾斜部322,323)に載っている遊技球を下側から支持するものであり、
前記停留部の上面には、前記両可動部材の少なくとも一方に下る傾斜面(傾斜部322,323)が形成されており、
当該可動部材は、その外周部が前記停留部に停留している遊技球に対して当接することにより同遊技球の停留部からの脱落を阻止可能となる位置に配されていることを特徴とするA11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、停留部が少なくとも一方の可動部材に下る傾斜面を有することにより、作用部の作用による遊技球の移動のみならず、付勢力による遊技球の移動が可能となる。例えば、作用部の作用によって他の可動部材側(球受入部側)に移動された遊技球を、上記付勢力によって元の可動部材側に戻すことが可能である。このように、遊技球の往復動(例えば揺動)を可能とすることで、同遊技球の動きの多様化に貢献できる。
また、遊技球を停留部の傾斜面に沿って移動させる構成においては、同遊技球の脱落等を阻止するための構成が必要になり得る。この点、本特徴に示すように、可動部材をその外周部が前記停留部に停留している遊技球に対して当接可能となる位置に配することで同遊技球の脱落等を阻止する構成とすれば、構成の煩雑化を抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A13.前記両可動部材は、それぞれ前記球受入部及び前記作用部を備えており、
前記作用部は、前記停留部に停留している遊技球を、自身が設けられている一方の可動部材側から他方の可動部材側に移動させるものであることを特徴とするA11に記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技球を両可動部材間にて行き来させることが可能となり、何れかの可動部材の球受入部に遊技球が入るまでの同遊技球の動きを多様化できる。
また、作用部には、自身が設けられた一方の可動部材に対して遊技球が入るのを抑制する機能と、他方の可動部材の球受入部に対して遊技球が入るのを促進させる機能とを付与することができ、構成の煩雑化を抑制しつつ、遊技球の動きの多様化に貢献できる。
特徴A14.前記停留部は、自身の上面に載っている遊技球を下側から支持するものであり、その上面は、前記両可動部材の中間位置を境界(例えば頂部321)として前記両可動部材側にそれぞれ下っていることを特徴とするA11乃至A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14によれば、両可動部材が作用部を有することで遊技球の往来を容易化でき、更には停留部の上面が両可動部材の中間位置を境としてそれら両可動部材側に下っているため遊技球を一方の可動部材側に偏倚した状態と他方の可動部材側に偏倚した状態とで停留させることができる。これにより、遊技球の動きに抑揚を付けたり、その停留位置が遊技者にとって有利であるか又は不利であるかを分かりやすくしたりすることができる。
なお「両可動部材の中間位置を境界として」とは、境界が両可動部材のまんなかに位置していることに限定するものでなく、少なくとも同境界が両可動部材の間に位置していることを示している。
特徴A15.前記両可動部材は、前記停留部に停留している遊技球が前記境界上に載っている状態にて一方の可動部材側に傾いた場合にはその一方の可動部材の外周部に当接し、他方に傾いた場合にはその他方の可動部材の外周部に当接する位置にそれぞれ配置されていることを特徴とするA14に記載の遊技機。
作用部によって遊技球の位置(何れの可動部材側に偏倚しているか)を変化させる場合に、同遊技球の移動が緩慢になると遊技球に対する注目度が低下しやすくなり得る。この点、本特徴においては、遊技球が停留部の境界に載ったまま両可動部材側に傾く(振れる)ことで上記位置の変更が可能となる。これにより、素早い切り替えを実現し、更には注目すべき範囲を限定することで遊技者の目に生じる負担の低減に貢献できる。
例えば、境界が点状又は線状をなす場合には、同境界を支点として遊技球を回動させるとよい。
特徴A16.前記作用部は、前記停留部に停留している遊技球を当該作用部に吸引するものであることを特徴とするA1乃至A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、作用部によって遊技球を吸引することにより、同遊技球に動きを与えることができる。例えば作用部が遊技球に対して当たることにより同遊技球を動かす構成においては、遊技球に対して当たるか否かによって作用部の作用の可否が分けられる。この点、遊技球を吸引する構成においては、遊技球と作用部との距離によって、その作用に差違を生じさせることができる。これにより、遊技球の動きを一層多様化させることが可能となる。
なお、一般的に遊技球は鉄等の磁性体によって形成されている。故に、例えば作用部として磁石等を用い、その磁力によって遊技球を吸引する構成とすればよい。
特徴A17.前記停留部に遊技球を案内するとともに、前記停留部に停留している遊技球に対して後続する遊技球を待機可能に設けられた球案内部(第2案内部304)を備え、
前記停留部は、遊技球を下側から支えるものであり、
前記球案内部は、前記停留部よりも上位となる位置に設けられているとともに、前記停留部に停留している遊技球(例えば遊技球B3)に対して後続する遊技球(例えば遊技球B4)が待機している場合には、その後続する遊技球が前記停留部に停留している遊技球の上部に当接するように構成されており、
前記球案内部に遊技球が待機している場合には、前記作用部の吸引力に基づいた前記停留部に停留している遊技球の移動が前記球案内部に待機している遊技球によって妨げられることを特徴とするA16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、停留部に停留している遊技球に対して後続する遊技球の有無によって作用部の吸引力による影響を変化させることができる。つまり、後続の遊技球が存在しない場合には、吸引力の影響を受けやすくし、後続の遊技球が存在する場合には同遊技球によって停留部上の遊技球が押されることにより、吸引力の影響を受けにくくすることができる。これにより、遊技球の動きの更なる多様化に貢献できる。
なお、作用部によって停留中の遊技球を押す構成に本特徴に示す技術的思想を適用することも可能である。しかしながら、この場合、作用部を作用させる部分に負荷が加わりやすくなると想定される。これは、作用部の機能保全の観点から好ましくない。この点、本特徴に示すように、作用部が吸引力を有する構成においては遊技球との直接の接触等は必要ないので、作用部に対して負荷が加わることを回避できる。故に、作用部の機能を好適に担保でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A18.前記受入手段は、動作可能に設けられている可動部材を有するとともに、当該可動部材の動作によって前記許容状態と前記非許容状態との切り替えを行うものであり、
前記作用部は、前記可動部材に設けられ、前記停留部に停留している遊技球を押すことにより自身から遠ざける第1作用部と前記停留部に停留している遊技球を引き寄せる第2作用部とを有しており、
それら第1作用部及び第2作用部が前記可動部材の移動方向に沿って配置されていることを特徴とするA1乃至A17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18によれば、遊技球を遠ざける機能が付与された第1作用部と遊技球を引き寄せる機能が付与された第2作用部とを可動部材に設け、それら第1作用部及び第2作用部を可動部材の移動方向に沿って配置することにより、可動部材の動作に応じて停留部に停留中の遊技球の動きを多様化できる。遊技球の挙動に対する注目度を高めやすくできる。
例えば、遊技球が作用部の作用がおよぶ位置に至ったタイミングによって、第1作用部及び第2作用部のいずれか一方が他方よりも作用しやくなる構成とすればよい。
特徴A19.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤81)と、
前記遊技領域を流下する複数の遊技球のうち少なくとも一部の遊技球を停留させる停留部(停留部320)と、
前記停留部に停留している遊技球を受け入れる球受入部(球収容部332,342)を有し、その球受入部による遊技球の受け入れを許容する許容状態、及び同球受入部による遊技球の受け入れを許容しない非許容状態に切替可能に設けられている受入手段(振分部材330,340)と、
前記受入手段が前記非許容状態である状況において前記停留部に遊技球が停留した場合に、前記受入手段が前記非許容状態から前記許容状態に切り替えられるまでの間に、前記停留部において遊技球が停留可能な停留範囲のうち前記球受入部による受け入れが容易となる特定位置に同停留部に停留中の遊技球を移動させる、又は前記特定位置に存在している遊技球を前記停留範囲のうち前記特定位置以外の位置に移動させる作用部(突起333,343)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A19によれば、受入手段の状態の変化のみならず作用部の作用によって、停留部に停留中の遊技球の受け入れの状態に変化を与えることができる。これにより、停留部に停留している遊技球の受け入れパターンを多様化でき、遊技球の動きに意外性を付与しやすくできる。更には、注目すべき点が受入手段の状態の変化のみならず作用部による遊技球の受け入れ状態の変化にまで及ぶ。そのような状態の変化の中に遊技球を留めることで、遊技球の挙動に対する注目度を高めやすくできる。
なお、本特徴に対して特徴A2乃至特徴A18に示した技術的特徴を適用してもよい。
特徴A20.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤81)と、
前記遊技領域を流下する複数の遊技球のうち少なくとも一部の遊技球を停留させる停留部(停留部320)と、
前記停留部に停留している遊技球を移動させる第1作用部(例えば球収容部332,突起333,磁石334の1つ)及びそれとは異なる態様で遊技球を移動させる第2作用部(例えば球収容部332,突起333,磁石334の1つ)を有し、それら各作用部の作用が前記停留部に停留している遊技球におよぶ位置を含んだ範囲で同作用部を移動させる可動部材(振分部材330,340)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A20によれば、停留部に停留している遊技球の移動態様を第1作用部及び第2作用部のいずれが作用するかによって異なるものとすることにより、同遊技球の動きに意外性を持たせやすくしている。これにより、遊技球に対する注目度の向上に貢献できる。
なお、本特徴に対して特徴A2乃至特徴A18に示した技術的特徴を適用してもよい。
特徴A21.前記第1作用部は、前記可動部材の外周部(外周面330a)に遊技球を吸着させるものであり、
前記第2作用部は、前記可動部材の外周部から凹み、前記可動部材の内側に遊技球を収容するものであることを特徴とするA20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、停留部に停留している遊技球は、可動部材の外周面に吸着されたり、可動部材に設けられた凹みに収容されたりする。このように、遊技球の移動態様に視覚的な差違を生じさせることで、遊技球の動きの意外性を高め、同遊技球の動きに対する注目度を向上に貢献することができる。
特徴A22.前記第1作用部は、前記遊技球を押すことで、前記可動部材から前記遊技球を遠ざけるものであり、
前記第2作用部は、前記可動部材の外周部(外周面330a)から凹み、前記可動部材の内側に遊技球を収容するものであることを特徴とするA20に記載の遊技機。
特徴A22によれば、停留部に停留している遊技球は、可動部材から遠ざけられたり、可動部材に設けられた凹みに収容されたりする。このように、遊技球の移動態様に視覚的な差違を生じさせることで、遊技球の動きの意外性を高め、同遊技球の動きに対する注目度を向上に貢献することができる。
特徴A23.前記第1作用部は、前記可動部材の外周部(外周面330a)に遊技球を吸着させるものであり、
前記第2作用部は、前記遊技球を押すことで、前記可動部材から前記遊技球を遠ざけるものであることを特徴とするA20に記載の遊技機。
特徴A23によれば、停留部に停留している遊技球は、可動部材の外周面に吸着されたり、可動部材から遠ざけられたりする。このように、遊技球の移動態様に視覚的な差違を生じさせることで、遊技球の動きの意外性を高め、同遊技球の動きに対する注目度を向上に貢献することができる。
特徴B1.遊技球を案内するとともに、途中位置にて分岐している案内通路(入賞役物ユニット250内に設けられた樋313や経路301,302,316,317等の通路)と、
前記案内通路の分岐部分に到達した遊技球の振り分け先を遊技球の後続態様によって相違させる振分手段(例えば振分装置300)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、案内通路を流下する遊技球が同案内通路の分岐部分に到達した場合、同遊技球の振り分け先が遊技球の後続態様によって相違する。このように遊技球の後続態様に応じて遊技球の振り分け先(移動態様)に差違を生じさせることにより、遊技球の移動態様を多様化し、更には遊技球の動きの意外性を高めることができる。
特徴B2.操作部(遊技球発射ハンドル41)が操作されることにより、遊技領域へと遊技球が発射される遊技機であって、
前記案内通路は、前記遊技領域を流下する遊技球の流入を許容するものであり、
前記振分手段は、前記分岐部分に到達した遊技球に対して後続する遊技球が存在している場合には、同後続の遊技球が存在していない場合と比べて遊技者にとって有利となるように遊技球の振り分けを行うものであることを特徴とするB1に記載の遊技機。
例えば後続の遊技球が存在する場合に、遊技者にとって不利となる構成を採用することも可能である。しかしながらこの場合、遊技者は、停留部に遊技球が停留している際等に、操作部の発射操作を一旦停止し、停留中の遊技球に対して他の遊技球が後続しないよう不利益回避のための調整を行いながら遊技を行うと想定される。これは、遊技機の稼働率向上を妨げる要因となり得る。
この点、本特徴に示すように後続球の存在が遊技者にとって有利に働く構成とすれば、停留部に遊技球が停留している場合に遊技球の発射操作の継続を促すことができ、遊技機の稼動率向上に貢献できる。
特徴B3.前記振分手段は、後続の遊技球が先行する遊技球に対して当接している場合の同先行する遊技球の振り分け先と、後続の遊技球が先行する遊技球に対して当接していない場合の同先行する遊技球の振り分け先とを相違させるものであることを特徴するB1又はB2に記載の遊技機。
例えば、後続する遊技球(以下便宜上、後続球と称する)を検知する検知部や、同検知部の検知結果に基づいて駆動する駆動部等を設けることで、後続球に対して先行する遊技球(以下便宜上、先行球と称する)の振分先を相違させることも可能である。しかしながら、このように検知手段等を有する構成を採用した場合、先行球と後続球との関係が薄れ、両者のうち一方に対する注目度が低下すると考えられる。
この点、本特徴においては、後続球が先行球に当接することにより同先行球に伝わる重み(例えば球荷重や衝撃力)を利用して先行球の振分先を変更することで、それら先行球及び後続球の両者に対する注目度を高めることができ、上記不都合を払拭できる。
特徴B4.前記振分手段は、前記案内通路を流下する遊技球を前記分岐部分にて停留させる停留部(例えば停留部320)を備えているとともに、当該停留部に停留している遊技球を振り分けるものであることを特徴とするB1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、分岐部分に停留部を設けることで、遊技球振分時に同遊技球を一時的に停留させることが可能となる。このように停留している遊技球を振り分ける構成とすることで、遊技球の動きを目で追いやすくしつつ、特徴B1等に示した意外性向上効果等を享受することができる。
なお、特徴B3との組み合わせにおいては特に、特徴B3を「前記振分手段は、前記停留部に停留中の遊技球に後続する遊技球が同停留中の遊技球に対して上流側から当接した場合の同停留中の遊技球の振り分け先と、前記停留部に停留中の遊技球に後続する遊技球が同停留中の遊技球に対して上流側から当接していない場合の同停留中の遊技球の振り分け先とが相違させるものであることを特徴とするB1又はB2に記載の遊技機」と置き換えることも可能である。
特徴B5.前記案内通路には、前記停留部に停留している遊技球(例えば遊技球B3)に対して後続する遊技球(例えば遊技球B4)が存在する場合にはその後続する遊技球を前記停留部に停留している遊技球に対して当接させた状態で保持可能な保持部(第2案内部304の樋313等)が設けられており、
前記振分手段は、前記停留部に停留している遊技球を前記案内通路の分岐部分にて分岐する複数の通路部のうち特定の通路部へ移動させる移動手段(例えば振分部材330,340の磁石334,344)を有し、
前記停留部に停留中の遊技球に対して後続する遊技球が同停留中の遊技球に対して当接した状態で前記保持部により保持されている場合には、同停留中の遊技球に対して前記後続する遊技球が当接していない場合と比べて前記移動手段による前記特定の通路部への遊技球の移動が難しくなる、又は前記移動手段による同特定の通路部への遊技球の移動が不可となることを特徴とするB4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、後続球が停留球に当接している場合には、後続球が停留球に当接していない場合と比べて特定の通路部への振り分けが困難となる又は不可となる。特に、後続球が保持部によって保持されることで、停留球との当接状態を維持可能な構成とした。これにより、例えば後続球が停留球に衝突した勢いで同停留球が移動し、刹那に振り分けが完了する構成と比較して、遊技球の動きを目で追いにくくなることを抑制できる。故に、興趣向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴B6.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤80)と、
操作部(遊技球発射ハンドル41)が操作されることにより、前記遊技領域へと遊技球を発射する発射装置(遊技球発射機構110)と
を備え、
前記案内通路は、前記遊技領域を流下する遊技球の流入を許容するものであり、
前記特定の通路部は、第1通路部であり、
前記移動手段は、前記第1通路部と、前記分岐部分にて分岐する複数の通路部のうち前記第1通路部とは異なる第2通路部とに遊技球を移動させるものであり、
前記第2通路部に遊技球が移動された場合には、前記第1通路部に遊技球が移動された場合よりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とするB5に記載の遊技機。
例えば後続の遊技球が存在する場合に、遊技者にとって不利となる構成を採用することも可能である。しかしながらこの場合、遊技者は、停留部に遊技球が停留している際等に、操作部の発射操作を一旦停止し、停留中の遊技球に対して他の遊技球が後続しないよう不利益回避のための調整を行いながら遊技を行うと想定される。これは、遊技機の稼働率向上を妨げる要因となり得る。
この点、本特徴に示すように後続球の存在が遊技者にとって有利に働く構成とすれば、停留部に遊技球が停留している場合に遊技球の発射操作の継続を促すことができ、遊技機の稼動率向上に貢献できる。
例えば、第2通路部に遊技球が移動した場合には、第1通路部に遊技球が移動した場合と比較して、特典(大当たり等)が付与される期待度又は付与される特典が大きくなるように設定するとよい。
特徴B7.前記停留部に停留している遊技球に対して前記後続の遊技球が当接している場合には、前記後続の遊技球の重みにより前記停留中の遊技球が前記第2通路部へ誘導される側に付勢されることを特徴とするB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、後続球の重みによって停留球を第2通路部側へ好適に移動させることができる。故に、後続の遊技球の存在が遊技者にとって有利に働くこととなり、特徴B5に示した遊技機の稼動率向上に好適に貢献できる。
特徴B8.前記停留部は、当該停留部に停留中の遊技球を下側から支えるものであり、
前記停留部と前記保持部とは、同停留部が下位、同保持部が上位となる段差状に形成されていることを特徴とするB5乃至B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、保持部にて保持されている後続球が、停留球に対して上側から当接することとなる。これにより、停留球を停留部側へ押圧することができ、同停留部からの遊技球の浮き上がりを好適に抑制できる。
また、後続球の重みの一部が保持部によって支えられており、後続球の球過重の全てが停留球に伝わることを回避できる。これにより、移動手段が停留球を動かそうとした場合に発生する抵抗を低減し、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、例えば停留部よりも後側に保持部が配されている構成に本特徴を適用することで、後続球と停留球との重なりを抑え、後続球の視認性を向上することができる。
特徴B9.前記停留部は、当該停留部に停留中の遊技球を、前記特定の通路部へ向けての移動及び同特定の通路部から離れる側への移動を許容した状態で支えるものであり、
前記保持部は、当該保持部における前記停留部側の端部が前記特定の通路部寄りに配されているとともに、前記後続する遊技球を同停留中の遊技球に対して前記特定の通路部側から当接させるように構成されていることを特徴とするB5乃至B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B9によれば、停留球の移動(例えば揺動)を許容することにより、停留球が不動となる構成と比較して、同停留球の動きに対する注目度の向上に貢献することができる。また、後続球が停留球に対して特定の通路部側から当接する構成とすることで、後続球の重みにより停留球を特定の通路部から遠ざかる側に付勢することが可能となる。これにより、特定の通路部への遊技球の移動を妨げることができ、特徴B3等に示した構成を好適に実現できる。
特徴B10.前記保持部は、前記停留部において前記特定の通路部寄りとなる位置に停留している遊技球に対して前記後続する遊技球の当接が開始される場合、前記後続する遊技球を前記特定の通路部側から当接させて前記停留中の遊技球を前記特定の通路部側とは反対側の端部に向けて移動させるように形成されていることを特徴とするB9に記載の遊技機。
特徴B9に示したように停留部上での停留球の移動を許容する構成においては、後続球が停留球に当接する際の同停留球の位置が不確定になりやすい。仮に停留球の位置がばらつくことにより、同停留球の位置に応じて後続球が特定の通路部側及び同特定の通路部とは反対側から当接すれば、後続球の有無によって遊技球の振分態様を相違させにくくなると想定される。この点、本特徴によれば、特定の通路部側に寄っている停留球に対して後続球が同特定の通路部側から当接することで、停留球を特定の通路部側から遠ざけることが可能となる。つまり、後続球が存在することで特定の通路部側への停留球の移動が妨げられることとなる。これにより、上記不都合を払拭することができる。
また、特定の通路部寄りに位置している停留球は、後続球の重みによって同特定の通路部から離れる側に移動することとなる。このように後続球の重みを利用して停留部上で停留球を移動させることにより、停留球の動きの多様化に貢献することができる。
特徴B11.前記移動手段は、前記停留中の遊技球を前記特定の通路部側へ押す位置と同遊技球を押さない位置とに変位する作用部(例えば突起543)を有し、
前記保持部は、前記停留中の遊技球が前記作用部によって押される場合には前記後続する遊技球が同停留中の遊技球に対する前記特定の通路部側からの当接状態を維持したまま移動することにより前記作用部の前記押す位置への変位を許容しつつ、前記作用部が前記押さない位置に変位した場合には前記後続の遊技球の重みによって同停留中の遊技球を前記特定の通路部から離れる側に移動させるようにして同後続の遊技球を保持するものであることを特徴とするB9又はB10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、移動手段の作用部によって遊技球を押すことにより、停留球を特定の通路部へ導くことができる。しかしながら、このように遊技球を押す作用部を有する構成においては、後続球が存在することにより、作用部の変位が妨げられることで移動手段に生じる負荷が過大なものとなったり、無理に停留球が押されることで球詰まり等が発生したりすると想定される。これは停留球の円滑な振り分けを阻害する要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、作用部によって停留球が押された場合には、作用部の動きに応じて(すなわち停留球の動きに応じて)後続球が移動することで上記不都合の発生を好適に抑制することができる。更には、作用部によって停留球が押された場合であっても後続球が同停留球に対して特定の通路部側から当接した状態で維持され、作用部が停留球を押さない位置へ変位することで、同作用部によって特定の通路部側へ押された停留球が後続球の重みによって押し戻されることとなる。これにより、停留部上にて遊技球を揺動させることができ、遊技球の移動態様の多様化に貢献できる。
特徴B12.前記移動手段には、前記停留部に停留している遊技球を吸引し、同遊技球を前記特定の通路部へ向けて移動させる作用部(例えば磁石544)を有し、
前記保持部は、当該保持部によって保持されている遊技球から前記停留部に停留中の遊技球に対して伝わる球過重が前記吸引力よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするB4乃至B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B12によれば、後続球の有無によって作用部の吸引力を利用した停留球の振分態様を相違させることができる。
また、例えば作用部によって停留中の遊技球を押す構成を採用することも可能である。しかしながら、この場合、後続球によって停留球の移動が妨げられると作用部に生じる抵抗(負荷)が大きくなると想定される。これは、作用部の機能保全の観点から好ましくない。この点、本特徴に示すように、作用部が吸引力を発揮する構成においては後続球によって停留球の移動が妨げられた場合に作用部に生じる負荷を低減することが容易となる。故に、作用部の機能保全に貢献し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B13.前記振分手段は、前記停留部に停留している遊技球の振分態様を、前記保持部によって保持されている遊技球の個数に応じて相違させるものであることを特徴とするB3乃至B12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B13によれば、保持部に待機している遊技球の個数が増加して停留部に停留中の遊技球に加わる球圧が増大することに基づいて停留部に停留中の遊技球の振分態様を変化させ、遊技球の振分態様の多様化に貢献できる。
例えば、保持部にて保持されている遊技球の数が増すことにより、遊技者に対する有利度が段階的に高まる構成を採用するとよい。
特徴B14.遊技球を停留させる停留部(停留部320)と、
遊技球を停留部に案内するとともに、前記停留部に停留している遊技球(例えば遊技球B3)に対して後続する遊技球(例えば遊技球B4)が存在する場合にはその後続する遊技球を前記停留部に停留している遊技球に対して当接させた状態で保持可能な案内部(第2案内部304)と、
前記停留部に停留している遊技球を予め定められた所定位置に移動させる移動手段(例えば振分部材330,340の磁石334,344)と
を備え、
前記停留部に停留中の遊技球に対して後続する遊技球が前記案内部に待機している場合には、同案内部に待機中の遊技球の重みによって前記移動手段による前記所定位置への遊技球の移動が困難又は不可となることを特徴とする遊技機。
特徴B14によれば、停留中の遊技球を後続の遊技球によって押圧することで移動手段による所定位置への遊技球の移動が困難又は不可となる。つまり、停留部に停留している遊技球の移動態様を同遊技球に対して後続する遊技球の重みによって変化させることができる。これにより、構造の複雑化を抑制しつつ遊技球の移動態様の多様化に貢献できる。
例えば、前記停留部に停留中の遊技球に対して後続する遊技球が前記案内部に待機している場合には、停留中の遊技球が所定位置とは異なる位置に移動される構成とするとよい。
特徴B15.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤81)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技領域を流下する複数の遊技球のうち少なくとも一部の遊技球を遊技機前方から視認可能な状態で停留させる停留部(停留部320)と、
遊技球を停留部に案内するとともに、前記停留部に停留している遊技球(例えば遊技球B3)に対して後続する遊技球(例えば遊技球B4)が存在する場合にはその後続する遊技球を前記停留部に停留している遊技球に対して当接させた状態で保持可能な案内部(第2案内部304)と、
前記停留部に停留している遊技球を予め定められた所定位置に移動させる移動手段(例えば振分部材330,340の磁石334,344)と
を備え、
前記停留部に停留中の遊技球に対して後続する遊技球が前記案内部に待機している場合には、同案内部に待機中の遊技球の重みによって前記移動手段による前記所定位置への遊技球の移動が困難又は不可となることを特徴とする遊技機。
特徴B15によれば、特徴B14に示した効果に加え以下の効果を奏する。すなわち、停留部に停留している遊技球の移動態様を多様化でき、同遊技球の動きに対する注目度を高めることができる。特に後続する遊技球の有無によって移動態様に差違を生じさせることにより、遊技球の動きの意外性を高めることができる。例えば、後続の遊技球を視認可能とすることにより、遊技者の注意を、停留部上の遊技球のみならず、それに後続する遊技球の対しても向けやすくできる。また、後続の遊技球を視認不可とすることにより、停留部上の遊技球の挙動に意外性を与えやすくできる。
特徴B16.前記移動手段は、前記停留部に停留している遊技球を拘束し前記所定位置に向けて同遊技球を移動させる拘束力を発揮する作用部(磁石334,344)を有し、
前記停留部に停留中の遊技球に対して後続する遊技球が前記案内部に待機している場合に、当該後続の遊技球によって前記停留部に停留している遊技球に対して加わる球荷重は、前記拘束力よりも大きく設定されていることを特徴とするB15に記載の遊技機。
特徴B16によれば、停留中の遊技球に対して後続する遊技球がある場合には、後続の遊技球の重み(球荷重)が作用部の拘束力に勝ることで、遊技球が所定位置に移動されることを阻止できる。一方、後続の遊技球が存在しない場合には、停留中の遊技球が移動手段によって所定位置に移動される。このように作用部の拘束力と、後続の遊技球による球荷重とを併用することで、遊技球の動きの多様化を促進できる。
特徴B17.前記停留部は、前記遊技球を下側から支えるものであり、
前記案内部は、前記停留部よりも上方であって、当該案内部に待機している遊技球が、前記停留部に支えられている遊技球に対して上方から当接するように配置されており、
前記作用部は、前記遊技球を拘束した状態で上方に移動することにより、前記停留部から前記遊技球を離間させるように作用するものであることを特徴とするB16に記載の遊技機。
特徴B17によれば、案内部に待機している遊技球の重み(球荷重)を好適に利用することができる。これにより、作用部における拘束力を過度に強める必要がなくなり、同作用部の影響が他の遊技球や周辺部品等に及ぶことを抑制可能となる。
なお、特徴B14〜特徴B16における「案内部」を特徴B1〜特徴B13と同様に「保持部」と称することも可能である。
因みになお、特徴B1乃至特徴B17のいずれか1つを、上記特徴A1乃至特徴A23に適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘88等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口82等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。