以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、本発明に係る遊技機が適用される弾球遊技機1の第1の実施の形態の構成について図面を使用しながら説明する。図1は、本実施の形態における弾球遊技機1の外観を示す斜視図であり、図2は、図1の弾球遊技機1の遊技盤4を示す正面図である。
弾球遊技機1は、外枠2と、外枠2に回動自在に設けられている本体枠3と、本体枠3に着脱可能に固定されている遊技盤4と、本体枠3に回動自在に設けられ遊技盤4の前面を覆うガラス扉5と、本体枠3に回動自在に設けられガラス扉5の下方に配置されている下扉6と、遊技盤4の下方に配置され遊技媒体となる遊技球を一個ずつ遊技盤4に向けて発射する発射装置(図示しない)と、ガラス扉5の上部に配置されている枠ランプ7と、ガラス扉5の左右上部に配置されているスピーカ8と、下扉6に配置され払出された貸球および賞球を貯留する受け皿9と、下扉6に配置され発射装置を操作する操作ハンドル10と、操作ハンドル10と片手で同時操作可能に操作ハンドル10の近傍に設けられ発射装置からの遊技球の発射を停止することができる発射停止スイッチ11と、後述する図柄変動表示手段の所定変動時間を短縮することができる図柄変動時間短縮スイッチ12等を備えている。
遊技盤4には、遊技球の振り分け等を実行する電動役物であるセンター役物40、遊技球を不規則に落下させる障害の役目を持つ複数の釘(図示せず)、遊技球を入賞する契機を形成するスタートチャッカ(入賞口)41、スルーチャッカ42、大入賞口43、普通図柄電動役物44、その他、一般入賞口45、アウト口46、盤面ランプ47および風車48等が備わる。
本実施の形態では、センター役物40は、遊技盤4の略中央部に設けられ、特別図柄変動表示装置49、普通図柄変動表示装置50、特別図柄保留球ランプ51、普通図柄保留球ランプ52、ワープルート53、ワープ入口部53a、および遊技球振分装置54を備える。
特別図柄変動表示装置49は、スタートチャッカ41への入賞によって、いわゆる大当り等の特定遊技状態を抽選し、かつ数字、記号、あるいは絵柄等の識別図柄からなる特別図柄が複数変動表示するものであって、抽選結果に基づく停止図柄が例えば、3つの図柄に777や333等が揃う等の所定状態になると遊技状態を通常遊技状態から大当り状態に移行させるものであり、かかる図柄の表示部として、例えば、LCD( Liquid Crystal Display )が使用される。
普通図柄変動表示装置50は、遊技状態を普通図柄当り状態にさせるような性質を持つ図柄である普通図柄を変動表示する装置であって、例えば、LED( Light Emitting Diode )が使用される。
スタートチャッカ41は、発射装置から発射され誘導レール55に沿って遊技領域4aに打出された遊技球が入賞することによって、特別図柄変動表示装置49を所定変動時間図柄変動させると共に賞球払出をさせるものである。
スルーチャッカ42は、遊技球が入賞(通過)することによって、普通図柄変動表示装置50を所定変動時間図柄変動させるものである。
特別図柄保留球ランプ51は、特別図柄変動表示装置49が変動表示中にスタートチャッカ41へ遊技球が入賞する度に入賞数を所定上限値(例えば、10〜50)まで加算すると共に、特別図柄変動表示装置49の図柄変動が所定変動時間経過する度に入賞数を減算した値、換言すると、入賞記憶数を所定数(例えば、4個)まで表示させ、かかる所定上限値を越えると表示演出の態様が入賞記憶数表示を停止してその代わりに遊技球の打ち出しタイミングアシスト演出になるものである。
具体的には、特別図柄保留球ランプ51は4個設けられ、入賞記憶数が最初の1個あるいは最後の4個を一つずつ表示する。すなわち、例えば、上限値が50個であれば、最初の1〜4あるいは最後の47〜50を順次ランプ点灯で表示する。そして、上限値を越えたら始動口41の普通図柄電動役物44の開放タイミングに合わせて遊技球を発射できる発射タイミングを教示するように保留球ランプ51の点滅演出をするものである。この点滅のタイミング演出により、普通図柄電動役物44に数多く入賞させることができ、遊技利益の向上を図れると共に、抽選回数および特定多数回特別図柄変動表示装置49の変動表示回数を多くして、大当り等の特定遊技状態になり易くでき、この点からも有利な遊技が可能になる。かかる表示演出には、例えば、前部点灯させたランプを端から消していくタイミング演出しても良く、あるいはランプを色変わりさせて上限値を越えたことをあわせて表示してもよい。なお、ランプはLED以外の点灯手段、例えば、7セグメントの数値表示で入賞記憶数を報知しても、音声で報知しても良い。
普通図柄保留球ランプ52は、普通図柄変動表示装置50が変動表示中にスルーチャッカへ遊技球が入賞(通過)する度に入賞数を加算すると共に、普通図柄変動表示装置50の図柄変動が所定変動時間経過する度に入賞数を減算した値である入賞記憶数を所定数(例えば、4個)まで表示させるものである。なお、かかる所定数は特別図柄保留球ランプ51と同様の演出をしても良い。
普通図柄電動役物44は、スタートチャッカ41に設けられ、開状態でスタートチャッカ41への遊技球の入賞率が高められるように開閉する羽形状の部材であって、普通図柄当り状態時に開状態となる装置である。なお、普通図柄電動役物44は、通常は閉じ状態となっているが、スタートチャッカ41は、普通図柄電動役物44が閉じているときでも、上部はパチンコ球が通過できる幅分だけ開放されている。
普通図柄電動役物44の開放は、スルーチャッカ42を遊技球が入賞(通過)することによって、普通図柄変動表示装置50を所定変動時間図柄変動が実行される抽選の結果に基づいて行われる。すなわち、スルーチャッカ42をパチンコ球が通過すると、所定の確率の下での抽選(例えば、乱数カウンタから乱数を取得)が実行され、この抽選の結果(取得乱数と当たり値との比較照合)を普通図柄変動表示装置50に表示される図柄変動によって報知し、停止した図柄が当たりの場合に、所定時間普通図柄電動役物44を開放する構成となっている。
大入賞口43は、開状態で遊技球が入賞可能となるように開閉するものであって、特別図柄変動表示装置49で大当り状態時に開状態となる入賞口である。すなわち、スタートチャッカ41に遊技球が入球して開始された特別図柄変動表示装置49における抽選で大当り等が当選して、特定遊技状態に移行すると所定時間、所定回数において開状態となる入賞口である。
また、センター役物40には、遊技球を遊技盤4のある所定の位置から離れた他の所定の位置へ誘導する通路となるワープルート53が設けられている。本実施の形態では、ワープルート53の受入口となるワープ入口部53aがセンター役物40の頂部近傍に設けられており、ワープ入口部53aから進入した遊技球は、ワープルート53を通って、スタートチャッカ41に近づくようにセンター役物40の下部に設けられる遊技球送出口となるワープ出口部53bへ誘導される。なお、ワープ入口部53aおよびワープ出口部53bには、遊技球の通過を検知するフォトセンサ等の検知手段(図示せず)が設けられている。また、ワープ入口部53aには、遊技球が一球ごと進入するようにするために、フォトセンサ等で遊技球の通過を検知したら、ワープ入口部53aに次の遊技球が後続して進入しないようにワープ入口部53aを塞ぐ開閉手段となる入口部開閉部材53cが設けられている。
さらに、本実施の形態では、ワープルート53を経てワープ出口部53bから送出される遊技球のスタートチャッカ41への入賞率に変化を持たせるために、センター役物40に備わる特別図柄変動表示装置49の下側には、ワープ出口部53bから流れ出る遊技球がスタートチャッカ41に向かうまでの経路に変化を持たせることによって、スタートチャッカ41への入賞率を変動させるために遊技球を振り分ける遊技球振分装置54が設けられている。
次に、本実施の形態における遊技機1に備わるセンター役物40に備わる遊技球振分装置54の構成について図面を使用しながら説明する。図3は、本実施の形態におけるセンター役物40に設けられる遊技球振分装置54の概略構成を説明するための正面図であり、図4は、かかる遊技球振分装置54の要部となるエレベータの構成を説明するための部分斜視図である。なお、図3および図4においては、説明に不要な部材は適宜省略してある。
図3に示すように、遊技球振分装置54には、遊技球をスタートチャッカ41へ向けて落下させるステージ56に向けて遊技球を転動させて誘導する遊技球転動手段として、本実施の形態では、上下方向に間隔を開けて3つのステージが第1、第2、および第3ステージ57、58、59として設けられている。すなわち、これら各ステージ57、58、59は、複数階(本実施の形態では3階)に分けて設けられており、かつ、各ステージ57、58、59の入口部となる傾斜入口部57a、58a、59aに誘導された遊技球を一定方向に転動させるように傾斜して設けられている。
また、これら各ステージ57、58、59は、かかる各ステージ57、58、59の端部57b、58b、59bからの落下地点とスタートチャッカ41との距離が異なるようにするために、最上階に有する第1ステージ57が一番長く、最下階に有する第3ステージ59が一番短くなるように、各ステージ57、58、59が形成されている。換言すると、スタートチャッカ41へ遊技球が落下し易くするために、遊技球振分装置54の底部に設けられたステージ56のスタートチャッカ41の略真上にあたる部位に形成された凹部56aと各ステージ57、58、59の端部57b、58b、59bからの遊技球落下地点との距離が異なるように、各ステージ57、58、59の長さが異なる構成となっている。このため、本実施の形態では、ワープルート53から最上階に有するステージ57に遊技球が送出されたときに、スタートチャッカ41への入賞率が最も低くなり、最下階に有するステージ59に遊技球が送出されたときに、スタートチャッカ41への入賞率が最も高くなる。すなわち、どの階のステージ57、58、59に遊技球が転動するかによって、遊技球の落下地点とスタートチャッカ41との距離が異なるので、各階のステージ57、58、59に送出された遊技球のスタートチャッカ41への入賞率に変化を付与することができるので、遊技の単純作業化が防止される。
さらに、本実施の形態では、これら各ステージ57、58、59の間には、遊技球が各ステージ57、58より下の階に有するステージ58、59に直接落下するように誘導する連絡手段となる略管形状の連絡管路60、61が設けられている。このように、各ステージ間に連絡管路60、61を設けることにより、遊技球が後述する遊技機1の制御装置20で実行される抽選によって選ばれた一のステージ57、58、59上を転動開始してからも、別の階のステージ57、58、59に遊技球が移動可能となるので、遊技球のスタートチャッカ41への入賞に予測困難性を増大させ、かつ入賞または外れ等の結果が確定するまで、遊技者に遊技球の動きに興味を持たせることが可能となる。なお、本実施の形態では、これら連絡管路60、61は、一つの略管状部材によって、一のステージ57、58から直下に有する他のステージ58、59に遊技球を送出するように構成されているが、図5に示すように、連絡管路60の入口部にクルーン80を設けて、2以上の複数の方向に遊技球を振り分けられるようにして、遊技球のスタートチャッカ41への入賞率にさらに変化を付与する構成とすることもできる。なお、クルーン80とは、底面が曲面状に形成され、且つこの底面に複数個の孔部を備え、底面上に転動されてきた遊技球を引き続き転動させつつ、孔部の何れかに落下させる役物を意味する。
また、各階におけるステージ57、58、59の入口部となる各傾斜入口部57a、58a、59aには、傾斜入口部開閉手段となるシャッタ63(63a、63b、63c)が開閉可能に設置されている。これらシャッタ63(63a、63b、63c)は、閉じた際に後述するエレベータ62で運ばれた遊技球Bの侵入を阻止し、開いた際には、かかる遊技球Bをステージ57、58、59に誘導する。なお、ステージ入口部となる傾斜入口部57a、58a、59aには、遊技球が進入したか否かの検知を実行するステージ受入球検知センサ(図示せず)がそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、シャッタ63a、63b、63cは、図4に示すように、駆動手段となるソレノイド64a、64b、64cによって、ステージ57、58、59の幅方向に開閉する構成となっている。本実施の形態では、後述する遊技機1に備わる制御装置20によって、これらシャッタ63a、63b、63cのうちの何れか一つを開放するように制御される。なお、シャッタ63(63a、63b、63c)の開閉動作は、かかるソレノイド64a、64b、64cによるステージ幅方向の開閉動作に限定されず、例えば、シャッタの一端に設けた駆動軸による回動動作によって、上下方向に開閉されるような他の開閉動作方法にしても良い。なお、これらシャッタ63(63a、63b、63c)の開閉動作の制御については後述する。
また、ワープ出口部53bには、図3に示すように、遊技球の通過を検知するフォトセンサ等からなる検知手段であるワープルート送出球検知センサ65が設けられている。そして、ワープ出口部53bから送出される遊技球を各ステージ57、58、59の間を昇降して運ぶ遊技球昇降手段となるエレベータ62が設置されている。
エレベータ62は、図3に示すように、ワープ出口部53bが形成される壁部66とステージ57、58、59の入口部57a、58a、59aに設置されるシャッタ63a、63b、63c側に有する壁部67との間に形成される昇降路68を遊技球Bの入る筐体69が上下方向に昇降する構成となっている。かかる筐体69は、ワイヤ70の一端で吊るされており、そのワイヤ70の他端側は、モータ等の駆動手段71で回転駆動させる駆動軸72に巻着されている。すなわち、駆動手段71で駆動軸72を回転駆動させることにより、ワイヤ70が巻き取られたり、延出されたりするので、筐体69が昇降路68内を上下方向に昇降する。エレベータ62における筐体69の昇降手段は、かかる構成に限定されるものではない。また、本実施の形態では、後述する遊技機1に備わる制御装置20によって、エレベータ62の筐体69が各階のステージ57、58、59のうちの何れか一つに止まるように制御される。なお、エレベータ62の昇降動作の制御については後述する。
センター役物40に備わる遊技球振分装置54を上述するような構成とすることにより、ワープルート53から送出された遊技球がスタートチャッカ41に向かうまでの経路に、バリエーションを持たせることが可能となるので、ワープルート53を出た遊技球がスタートチャッカに入賞する確率に変化を加えることができる。換言すると、どの階のステージに遊技球が転動するかの変化の意外性、非予測性、変化を付与することができる。このため、遊技に変化を持たせて、遊技の単純化を抑制することによって、遊技者の興味が削がれてしまうのを防止して、遊技性の向上が見込まれる。
次に、本実施の形態の遊技機1の制御回路の構成について、図面を使用しながら説明する。図6は、本実施の形態の弾球遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。
遊技機1の内部には、遊技機1の全体の動作を制御するための制御装置20が設置されている。制御装置20は、図6に示すように、主制御装置21ならびに図柄制御装置22、ランプ制御装置23、発射制御装置26、音声制御装置24、払出制御装置25、および遊技球振分制御装置28等の副制御装置、入賞球装置27、電源回路30等を備えている。
主制御装置21は、遊技制御プログラムに従って弾球遊技機1を制御する。主制御装置21には、CPU( Central Processing Unit;中央処理装置 )211が設けられている。CPU211には、遊技制御プログラム(乱数生成処理および乱数テーブル等を含む)を記憶しているROM( Read Only Memory )212、CPU211のワーク用メモリ(状態データテーブルおよび乱数メモリ等を含む)として機能するRAM( Random Access Memory )213が接続されている。また、主制御装置21には、入力インターフェース21aが設けられている。ここでCPU211は、1つに限定されず、2つ以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU211、ROM212、RAM213、および入力インターフェース21a等は、一体化されてワンチップを構成したものであってもよい。なお、主制御装置21は、外部の集中管理装置21cと接続されている。
入力インターフェース21aには、スタートチャッカ41に入賞した遊技球を検知する始動入賞球検知センサ214、大入賞口43に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ215、継続球検知センサ216、その他入賞球検知センサ217、スルーチャッカ42に入賞(通過)した遊技球を検知する通過入賞球検知センサ218、遊技球払出検知センサ219、エラー検知センサ220、ワープルート53に進入した遊技球を検知するワープルート受入球検知センサ225、ワープルート53から送出される遊技球を検知するワープルート送出球検知センサ65、およびステージ入口部となる傾斜入口部57a、58a、59に進入した遊技球を検知するステージ受入球検知センサ226等の各種検知センサに接続され、各センサ214〜220、225、226、65から出力される信号を主制御装置21へ送信する。また、図柄変動表示装置の所定変動時間を短縮することができる図柄変動時間短縮スイッチ12が接続され、遊技者の操作によって図柄変動時間短縮スイッチ12から出力される信号を主制御装置21へ送信する。
図柄制御装置22は、特別図柄を変動表示させる特別図柄変動表示装置49を、主制御装置21から出力インターフェース21bを介して送信される制御信号に基づいて、VDP( Video Display Processor;画像表示用プロセッサ)224を介して制御する。また、普通図柄を変動表示させる普通図柄変動表示装置50を制御する。図柄制御装置22は、主制御装置21と同様にCPU221と、CPU221に接続されるROM222およびRAM223を備えている。
ランプ制御装置23は、主制御装置21から出力インターフェース21bを介して送信される制御信号に基づいて、特別図柄保留球ランプ51、普通図柄保留球ランプ52、盤面ランプ47および枠ランプ7等を制御する。ランプ制御装置24は、主制御装置21と同様にCPU231と、CPU231に接続されるROM232およびRAM233を備えている。ランプ制御装置23は、特別図柄保留球ランプ51による打ち出しタイミングのアシスト表示の制御をも行うものであり、このアシスト表示は、特別図柄保留球ランプ51の点灯パターンとしてROM232に格納されている。そして、CPU231は、保留球が上限に達するなどの所定条件の成立により打ち出しタイミングのアシスト表示を行う点灯パターンをROM232より選択する。
発射制御装置26は、発射装置261からの遊技球の発射タイミングを制御すると共に遊技者の操作による操作ハンドル10からの操作出力信号によって発射装置261からの遊技球の発射開始および発射停止ならびに発射強度を制御する。また、遊技者の操作による発射停止スイッチ11からの出力信号によって発射装置261からの遊技球の発射停止を制御することができる。更に、主制御装置21から出力インターフェース21bを介して送信される制御信号に基づいて、払出制御装置25を介した制御信号によって発射装置261からの遊技球の発射停止を制御することもできる。
音声制御装置24は、主制御装置21から出力インターフェース21bを介して送信される制御信号に基づいて、サウンドプロセッサおよびスピーカ8等の音声発生装置244を制御し、払出制御装置25は、主制御装置21から出力インターフェース21bを介して送信される制御信号に基づいて、払出装置254よびCR( Card Reader )ユニット255を制御する。これらは、主制御装置21と同様にそれぞれCPU241、251と、CPU241、251に接続されるROM242、252およびRAM243、253を備えている。なお、払出制御装置25には、球貸信号制御装置25aが接続されている。
入賞球装置(例えば、普通図柄電動役物44、大入賞口43および大入賞継続領域(所謂、Vゾーン))27は、主制御装置21から送信される制御信号によって、ソレノイド等で駆動される。
遊技球振分制御装置28は、主制御装置21から出力インターフェース21bを介して送信される制御信号に基づいて、エレベータ62およびシャッタ63等を含む遊技球振分装置54を制御する。すなわち、遊技球振分制御装置28は、主制御装置21で設定した所定条件に応じて、エレベータ62の昇降停止階を決め、かかる昇降停止階に対応するシャッタ63を開放させる開放階決定制御手段となる。この遊技球振分制御装置28は、主制御装置21と同様にそれぞれCPU281と、CPU281に接続されるROM282およびRAM283を備えている。
電源回路30は、外部から電源プラグによって供給される交流電圧(AC24V)を、複数種類の直流電圧に変換して主制御装置21および副制御装置等に供給する。
次に、このように構成された弾球遊技機1の動作について、図面を使用しながら説明する。図7は、弾球遊技機1の主制御(主制御装置21がROM212に格納されている遊技制御プログラムに従って実行する処理)の概要を示すフローチャートである。なお、メインルーチンは、主制御装置21のCPU211に定期的(例えば、2msec毎)に送信されるリセットパルスによって繰り返し実行される処理である。
まず、電源投入されて、初期設定処理をする(工程S101)。なお、工程S101の初期設定処理おいては、所定データの初期設定および副制御装置への通常起動時コマンドの送信(エラー状態時においては、電源断前の状態に復帰させてエラー解除)等をした後、メインルーチンへの移行を許可する。
次に、乱数更新処理をする(工程S102)。なお、工程S102の乱数更新処理においては、大当り判定、普通図柄当り判定および図柄変動表示手段の演出パターンおよび停止図柄の選択等の遊技目的に対応して乱数値範囲を設定し、当該乱数値範囲内における乱数を定期的に更新する。
そして、入力管理処理をする(工程S103)。なお、工程S103の入力管理処理においては、遊技領域55のスタートチャッカ41、スルーチャッカ42、大入賞口43および一般入賞口45等の所定入賞口への通過を含む遊技球の入賞の検知情報を管理処理する。例えば、図柄変動表示手段の図柄変動中に所定入賞口へ遊技球が入賞する度に入賞数を加算すると共に図柄変動表示手段の図柄変動が所定変動時間経過する度に入賞数を減算して記憶する。
次に、異常監視処理をする(工程S104)。なお、工程S104の異常監視処理においては、補給球切れエラー、受け皿9の満タンエラーおよび球詰まり等の異常情報を管理処理する。
そして、普通図柄制御処理をする(工程S105)。なお、工程S105の普通図柄制御処理においては、スルーチャッカ42の入力管理処理による検知情報によって普通図柄当り判定用乱数値範囲から所定の乱数を抽出して当否判定し、次に、普通図柄当り判定の判定結果によって、普通図柄変動表示装置50の所定変動時間情報を含む演出パターンおよび停止図柄の選択用乱数値範囲から所定の乱数を抽出して普通図柄変動表示装置50の演出パターンおよび停止図柄を決定すると共に普通図柄電動役物44の開閉動作および開時間等の動作態様を決定し、そして、決定した演出パターンおよび停止図柄の情報や普通図柄電動役物44の動作態様の情報を副制御装置へ送信する。
次に、特別図柄制御処理をする(工程S106)。なお、工程S106の特別図柄制御処理においては、スタートチャッカ41の入力管理処理による検知情報によって大当り判定用乱数値範囲から所定の乱数を抽出して当否判定し、次いで、大当り判定の判定結果によって、特別図柄変動表示装置49の所定変動時間情報を含む演出パターン、停止図柄の選択用乱数値範囲から所定の乱数を抽出して特別図柄変動表示装置49の演出パターン、および停止図柄を決定し、かかる決定した演出パターンおよび停止図柄の情報を副制御装置へ送信する。
そして、出力管理処理をする(工程S107)。なお、工程S107の出力管理処理においては、副制御装置へ送信するコマンド、およびホールや試験機関などの外部の集中管理装置21cへ送信する情報を管理処理する。
次に、図柄変動表示制御処理をする(工程S108)。なお、工程S108の図柄表示制御処理においては、普通図柄制御処理および特別図柄制御処理によって得られた情報に基づいて、図柄変動表示手段(普通図柄変動表示装置50および特別図柄変動表示装置49)を制御する。なお、図柄変動表示装置は、所定入賞口へ遊技球が入賞することによって図柄を所定変動時間変動表示し所定図柄態様で停止することによって遊技状態を遊技者にとって有利な状態にするか否かを確定する。
そして、普通図柄電動役物制御処理をする(工程S109)。なお、工程S109の普通図柄電動役物制御処理においては、普通図柄制御処理によって得られた情報に基づいて、普通図柄電動役物44の開閉動作および開時間等の動作態様を制御する。
次に、大入賞口制御処理をする(工程S110)。なお、工程S110の大入賞口制御処理においては、特別図柄制御処理で得られた情報に基づいて、大入賞口43の動作態様を制御する。
そして、払出制御処理をする(工程S111)。なお、工程S111の払出制御処理においては、遊技利益の払出を行うための払出制御情報を管理処理する。
次に、ランプ制御処理をする(工程S112)。なお、工程S112のランプ制御処理においては、遊技状態に応じた光の演出を行うためのランプ制御情報を管理処理する。また、特別図柄保留球が上限に達したら、普通図柄電動役物44の開閉タイミングに応じた特別図柄保留球ランプ51を打ち出しタイミングの後述するアシスト表示処理をする。
上記の後は、音声制御処理をする(工程S113)。なお、工程S113の音声制御処理においては、遊技状態に応じた音の演出を行うための音声制御情報を管理処理する。次に、電源断か否かを判断して(工程S114)、電源断でない場合には、工程S102の乱数更新処理に戻る。上述したようにして、弾球遊技機1の主制御装置21がROM212に格納されている遊技制御プログラムに従って実行する処理がなされる。
次に、本実施の形態における弾球遊技機1の制御処理による遊技状態移行の動作について、図面を使用しながら説明する。図8は、本実施の形態に係る弾球遊技機1の制御処理(主制御装置21がROMに記憶されているプログラムおよびRAMへの記憶により実行する)による大当り等の有利な遊技状態に移行するか否かの当否判定、図柄変動処理および入賞記憶数報知処理(有利な遊技を可能にする報知処理)の流れの概略を示すフローチャートである。
このフローに示すように、弾球遊技機1において、遊技者が操作ハンドル10の操作(遊技球発射装置操作)を行うことにより遊技球が遊技領域4aに打ち出されている遊技状態であることが、処理のスタート条件になる。
入賞管理処理(工程S103)からの信号により、遊技領域4aに設けられている所定入賞口(例:スタートチャッカ41、スルーチャッカ42)へ遊技媒体(例:遊技球)の入賞(スルーチャッカであれば通過も含む)があったか否かを判定する(工程S201)。図柄変動表示中に所定入賞口への遊技媒体の入賞があったときは、入賞数記憶手段へ入賞記憶数として加算記憶する(工程S202)。そして、賞球のある所定入賞口への入賞であれば賞球を払出す(工程S203)。なお。工程S201で所定入賞口への遊技媒体の入賞がなかった場合は、また、工程S201の前段に戻る。
次に、加算された入賞記憶数が所定の上限値に達している否かを判定し(工程S204)、かかる上限値に達していない場合は、所定上限数に達するまで、入賞記憶数の加算を行う(工程S205)。その後、入賞を契機として、遊技状態移行の当否判定、その他変動表示パターン等の抽選による判定、および、図柄変動表示手段にて表示させる停止図柄の判定を行い、判定決定された当否結果および判定決定された変動表示パターン、判定決定された停止図柄の記憶設定を行う(工程S205)。
そして、図柄変動表示装置(例:特別図柄変動表示装置49、普通図柄変動表示装置50)では、判定決定された変動表示パターンに係る所定変動時間となるまで、図柄(例:特別図柄、普通図柄)を変動表示させる(工程S206)。図柄変動表示を行っていって所定変動時間が経過(図柄変動の終了)したならば(工程S207:YES)、判定決定された所定の停止図柄を表示して判定決定された当否結果の告知をさせ(工程S208)、記憶した入賞数を減算する(工程S209)。そして、当否判定結果(停止図柄の態様)が遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する(例:大当たり判定結果)停止表示態様であれば(工程S210:YES)、特定遊技状態に移行する権利を少なくとも獲得する条件が満たされたこととする(工程S211)。
以上のように、本実施の形態の弾球遊技機1は、図柄変動表示手段の図柄変動中に所定入賞口へ遊技媒体が入賞する度に入賞数を所定上限数まで加算すると共に、図柄変動表示手段の図柄変動が変動パターンの終了となる所定変動時間経過する度に入賞数を減算して記憶する入賞数記憶手段とを備える遊技機となる。
次に、本実施の形態における弾球遊技機1に備わる遊技球振分装置54の制御動作について、図面を使用しながら説明する。図9は、本実施の形態における弾球遊技機1に備わる遊技球振分装置54による遊技球振分動作手順を説明するためのフローチャートである。
ワープルート53の送出口となるワープ出口部53bから送り出される遊技球をセンター役物40に備わる遊技球振分装置54で各ステージ57、58、59に振り分けるに際して、まず、エレベータ54が初期位置、すなわち、ワープ出口部53bから遊技球を受け入れるために、昇降路68の最上部となるワープ出口部53bの真横にエレベータ54の筐体69があるか否かを遊技球振分制御装置28が確認する(工程S301)。
エレベータ54が初期位置にある場合は、次に、ワープルート53の受入口となるワープ入口部53aに遊技球が進入したか否かの検知をワープ受入球検知センサ225で実行する(工程S302)。このとき、ワープ入口部53aへの遊技球の進入を検知した場合は、かかる検知データが入力インターフェース21aを介して主制御装置21に備わるRAM213に送られ、保存される。なお、かかる工程S302でワープ入口部53aへの遊技球の進入を検知しない場合は、工程S302の前段に戻り、ワープ入口部53aへの遊技球の進入を検知するまで、次工程以降には進行しないものとする。
ワープルート53への遊技球の進入を検知したら、主制御装置21、出力インターフェース21bを介して、遊技球振分制御装置28で第1〜第3ステージ57、58、59の何れのステージに遊技球を送出するかの抽選を実行する(工程S303)。このとき、かかる抽選は、ワープルート53の受入口の入賞検知、換言すると、ワープ入口部53aへの遊技球の進入の検知によって、開始される。
その後、ワープルート53の送出口となるワープ出口部53bから遊技球が送出されたか否かの検知をワープルート送出球検知センサ65で実行する(工程S304)。このとき、ワープ出口部53bからの遊技球の送出を検知した場合は、かかる検知データが入力インターフェース21aを介して主制御装置21に備わるRAM213に送られ、保存される。なお、かかる工程S304でワープ出口部53bからの遊技球の送出を検知しない場合は、工程S304の前段に戻り、ワープ出口部53bからの遊技球の送出を検知するまで、次工程以降には進行しないものとする。
次に、ワープ出口部53bから送出された遊技球がエレベータ62の筐体69に受け入れられると、工程S303における抽選結果に応じて、遊技球の送出先となるステージ57、58、59の何れかの階にエレベータ62が降下する(工程S305)。
その後、工程S303における抽選結果に応じて、遊技球の送出先となるステージ57、58、59に対応するように、ステージ入口部57a、58a、59aに備わるシャッタ63a、63b、63cが開放される(工程S306)。
次に、ステージ入口部となる傾斜入口部57a、58a、59aに遊技球が進入したか否かの検知をステージ受入球検知センサ66で実行する(工程S307)。このとき、傾斜入口部57a、58a、59aへの遊技球の進入を検知した場合は、かかる検知データが入力インターフェース21aを介して主制御装置21に備わるRAM213に送られ、保存される。なお、かかる工程S307で傾斜入口部57a、58a、59への遊技球の進入を検知しない場合は、工程S307の前段に戻り、傾斜入口部57a、58a、59への遊技球の進入を検知するまで、次工程以降には進行しないものとする。
エレベータ62から抽選によって決定された所望のステージ57、58、59への遊技球の送出が完了したら、開放したステージ入口部57a、58a、59aに備わるシャッタ63a、63b、63cを閉じてから(工程S308)、エレベータ62を上述した初期位置まで上昇させて(工程S309)、本実施の形態における弾球遊技機1に備わる遊技球振分装置54による一の遊技球振分動作が終了する。
以上説明したように、本実施の形態の遊技機1に備わるセンター役物40の遊技球振分装置54を制御することによって、ワープルート53から送出された遊技球がスタートチャッカ41に向かうまでの経路に、バリエーションを持たせられるので、遊技球の物理的な法則に従った動作を用いて演出させてスタートチャッカへの入賞の予測困難性が増大する。このため、ワープルート53を送出した遊技球がスタートチャッカ41に入賞する確率に変化を加えることができるので、遊技性が向上される。また、入賞または外れ等の結果が確定するまで、遊技者に遊技球の動きに興味を持たせるので、遊技の単純化を抑制し、遊技者の興味が削がれてしまうのを防止できる。
さらに、開放階決定制御手段となる遊技球振分制御装置28がステージ57、58、59の入口部57a、58a、59aにおいてステージ受入球検知センサ226で遊技球の入球を検知してから、何れのステージ57、58、59のシャッタ63a、63b、63cを開放するかの抽選を実行する。このため、どの階のステージ57、58、59に遊技球が転動するかの変化の意外性、非予測性、変化を付与することができるので、遊技の単純作業化を抑制することによる遊技者の興味が削がれてしまうのを防止できる。
次に、本実施の形態における遊技機1をなすコンピュータを制御するプログラムが格納された記録媒体を遊技機1にインストールする例について、図面を使用しながら説明する。図10は、本実施の形態における遊技機1をなすコンピュータを制御するプログラムが格納された記録媒体を遊技機1にインストールする例を示す説明図である。なお、かかるプログラムを格納した記録媒体は、遊技機10をなすコンピュータで読み取りが可能なものとして、例えば、ROM( Read Only Memory )、MO( Magnet Optical )、CD( Compact Disk )、FD( Floppy(登録商標) Disk )、フレキシブルディスク、IC( Integrated Circuit )メモリ等が挙げられる。
図10に示すように、記録媒体500を遊技機1にインストールする際に、記録媒体500には、図7〜図9のフローチャートで示す各工程を実行するような手段を、CPU401とメモリ402とを含むコンピュータ400で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば、図6に示す図柄制御装置22、ランプ制御装置23、音声制御装置24、払出制御装置25、発射制御装置26、遊技球振分制御装置28等をコンピュータ400で実現するためのプログラムを記録媒体500に記録する。そして、この記録媒体500を読み取り装置410に装填して、かかるプログラムを遊技機1にインストールする。
なお、プログラムは、記録媒体500を介してインストールする代わりにインターネットを利用して遊技機1に配信することができる。また、配信された本実施の形態にかかるプログラム、または記録媒体500から読み出したプログラムをPC( Personal Computer )にインストールし、モニタ上で遊技機1にて実行されるスロットマシンゲームを行うことも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記の説明では、所謂セブン機(第一種)を例として本発明の実施の形態を示したが、セブン機以外の弾球遊技機、例えば、羽根物(第二種)、権利物(第三種)等においても、本発明を実施できる。
また、上記第1の実施の形態では、遊技球振分装置は、センター役物に備わる特別図柄変動表示装置の下側に設けられているが、遊技球振分装置が塩化ビニルやアクリル等の透明の硬質プラスティック等で形成されていれば、特別図柄変動表示装置の手前側に設置されていても、特別図柄変動表示装置の表示の視認の妨げにならないから、特別図柄変動表示装置の手前側に設置する構成とすることも可能である。