<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PA内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15と、を備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿55aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は操作ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口31は合計で4個設けられており、それ以外はそれぞれ1個ずつ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への1個の遊技球の入球が発生した場合又は第2作動口34への1個の遊技球の入球が発生した場合には、1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への1個の遊技球の入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への1個の遊技球の入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ない構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には特図表示部37aが設けられている。特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭い。特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部37aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、特図表示部37aに隣接した位置には、特図保留表示部37bが設けられている。遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部37bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。例えば、図柄表示装置41の表示面41aには、複数の表示領域として上段・中段・下段の3つの図柄列が設定され、各図柄列において「1」〜「9」の数字が付された主図柄が昇順又は降順で配列された状態でスクロール表示される。このスクロール表示においては、最初に全図柄列におけるスクロール表示が開始され、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順にスクロール表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。そして、例えば、遊技結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置41の表示面41aにおいて予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
なお、図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する開閉実行モード中の表示演出などが行われる。また、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
図4は、遊技領域PAを流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
既に説明したとおり、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球は遊技領域PAから排出される。換言すれば、遊技球発射機構27から発射されて遊技領域PAに流入した遊技球は一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球することにより遊技領域PAから排出されることとなる。一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導かれる。
遊技盤24の背面には、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのそれぞれに対応させて排出通路部42〜48が形成されている。排出通路部42〜48に流入した遊技球はその流入した排出通路部42〜48を流下することにより、遊技盤24の背面側において遊技盤24の下端部に導かれ図示しない排出球回収部にて回収される。そして、排出球回収部にて回収された遊技球は、遊技ホールにおいてパチンコ機10が設置された島設備の球循環装置に排出される。
各排出通路部42〜48には遊技球を検知するための各種検知センサ42a〜48aが設けられている。これら排出通路部42〜48及び検知センサ42a〜48aについて以下に説明する。一般入賞口31は既に説明したとおり4個設けられているため、それら4個のそれぞれに対応させて排出通路部42〜44が存在している。この場合、最も左の一般入賞口31に対応する第1排出通路部42及びその右隣りの一般入賞口31に対応する第2排出通路部43のそれぞれに対しては1個ずつ検知センサ42a,43aが設けられている。具体的には、第1排出通路部42の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1入賞口検知センサ42aが設けられているとともに、第2排出通路部43の途中位置に検知範囲が存在するように第2入賞口検知センサ43aが設けられている。最も左の一般入賞口31に入球した遊技球は第1排出通路部42を通過する途中で第1入賞口検知センサ42aにて検知され、その右隣りの一般入賞口31に入球した遊技球は第2排出通路部43を通過する途中で第2入賞口検知センサ43aにて検知される。また、右側2個の一般入賞口31に対しては途中位置で合流するように形成された第3排出通路部44が設けられている。当該第3排出通路部44は、2個の一般入賞口31のそれぞれに対応する入口側領域を有しているとともに、それら入口側領域が途中で合流することで1個の出口側領域を有している。第3排出通路部44における出口側領域の途中位置に検知範囲が存在するように第3入賞口検知センサ44aが設けられている。右側2個のいずれかの一般入賞口31に入球した遊技球は第3排出通路部44を通過する途中で第3入賞口検知センサ44aにて検知される。
特電入賞装置32に対応させて第4排出通路部45が存在している。第4排出通路部45の途中位置に検知範囲が存在するようにして特電検知センサ45aが設けられており、特電入賞装置32に入球した遊技球は第4排出通路部45を通過する途中で特電検知センサ45aにて検知される。第1作動口33に対応させて第5排出通路部46が存在している。第5排出通路部46の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1作動口検知センサ46aが設けられており、第1作動口33に入球した遊技球は第5排出通路部46を通過する途中で第1作動口検知センサ46aにて検知される。第2作動口34に対応させて第6排出通路部47が存在している。第6排出通路部47の途中位置に検知範囲が存在するようにして第2作動口検知センサ47aが設けられており、第2作動口34に入球した遊技球は第6排出通路部47を通過する途中で第2作動口検知センサ47aにて検知される。アウト口24aに対応させて第7排出通路部48が存在している。第7排出通路部48の途中位置に検知範囲が存在するようにしてアウト口検知センサ48aが設けられており、アウト口24aに入球した遊技球は第7排出通路部48を通過する途中でアウト口検知センサ48aにて検知される。
なお、各種検知センサ42a〜48aのうちいずれか1個の検知センサ42a〜48aにて検知対象となった遊技球は他の検知センサ42a〜48aの検知対象となることはない。また、スルーゲート35に対してもゲート検知センサ49aが設けられており、遊技領域PAを流下する途中でスルーゲート35を通過する遊技球はゲート検知センサ49aにて検知される。
各種検知センサ42a〜49aとしては、いずれも電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。また、各種検知センサ42a〜49aは後述する主制御装置60と電気的に接続されており、各種検知センサ42a〜49aの検知結果は主制御装置60に出力される。具体的には、各種検知センサ42a〜49aは、遊技球を検知していない状況ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状況ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなくHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
図2に示すように、上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部51の上方には表示発光部53が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部54が設けられている。また、窓部51の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部55と下側膨出部56とが上下に並設されている。上側膨出部55内側には上方に開口した上皿55aが設けられており、下側膨出部56内側には同じく上方に開口した下皿56aが設けられている。上皿55aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿56aは、上皿55a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置60が搭載されている。主制御装置60は主制御基板61が基板ボックス60aに収容されてなる。なお、基板ボックス60aに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス60aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス60aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置60を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿55a又は下皿56aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
<パチンコ機10の電気的構成>
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板67と、を具備している。主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63の他に、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66が内蔵されている。なお、MPU62には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
主側ROM64は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。主側ROM64は、主側CPU63により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
主側RAM65は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM65は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM64よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM65は、主側ROM64内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
管理用IC66は、主側CPU63から供給された情報に基づいて遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を管理する管理装置である。詳細は後述するが、管理用IC66にて一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aへの遊技球の入球履歴が把握されるとともに、その把握された入球履歴に応じて一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球頻度が把握される。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には主制御装置60に設けられた停電監視基板67及び払出制御装置77が接続されている。停電監視基板67には動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置78が接続されており、MPU62には停電監視基板67を介して動作電力が供給される。
MPU62の入力側には、各種入球検知センサ42a〜49aといった各種センサが接続されている。各種入球検知センサ42a〜49aは、既に説明したとおり、第1入賞口検知センサ42a、第2入賞口検知センサ43a、第3入賞口検知センサ44a、特電検知センサ45a、第1作動口検知センサ46a、第2作動口検知センサ47a、アウト口検知センサ48a及びゲート検知センサ49aである。これら入球検知センサ42a〜49aの検知結果に基づいて、主側CPU63にて各入球部への入球判定が行われる。また、主側CPU63では第1作動口33への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに第2作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU62の出力側には、停電監視基板67、払出制御装置77及び音声発光制御装置81が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入球部のうち入球の発生が遊技球の払い出しに対応する賞球対応入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置81には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
MPU62の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる特電用の駆動部32b、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、特図ユニット37及び普図ユニット38が接続されている。ちなみに、特図ユニット37には、特図表示部37a及び特図保留表示部37bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット38には、普図表示部38a及び普図保留表示部38bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、主側CPU63において特電用の駆動部32bの駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、主側CPU63において普電用の駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、主側CPU63において特図表示部37aの表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、主側CPU63において普図表示部38aの表示制御が実行される。また、第1作動口33若しくは第2作動口34への入賞が発生した場合、又は特図表示部37aにおいて変動表示が開始される場合に、主側CPU63において特図保留表示部37bの表示制御が実行され、スルーゲート35への入賞が発生した場合、又は普図表示部38aにおいて変動表示が開始される場合に、主側CPU63において普図保留表示部38bの表示制御が実行される。
停電監視基板67は、主制御基板61と電源・発射制御装置78とを中継し、電源・発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置78にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60の主側RAM65及び払出制御装置77に記憶保持用の電力が供給される。また、電源・発射制御装置78は遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置81は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに、表示制御装置82を制御するものである。表示制御装置82は、音声発光制御装置81から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
<主側CPU63にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側CPU63にて各種抽選を行うための電気的な構成について図6を用いて説明する。
主側CPU63は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37aの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37a及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、主側RAM65の各種カウンタエリア65bに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、主側RAM65に取得情報記憶手段として設けられた保留格納エリア65aに格納される。
保留格納エリア65aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部37aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電役物開放カウンタC4について説明する。普電役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM65の普電保留エリア65cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部38aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM65の保留格納エリア65aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM64に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア65aに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機10では、特電入賞装置32の1回の開放態様が、特電入賞装置32が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM64に振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。また、低入賞高確大当たり結果における開閉実行モードでは、ラウンド遊技の回数が低確大当たり結果及び最有利大当たり結果の場合よりも少ない回数である構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示面41aにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM64に記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、音声発光制御装置81において行われる。この場合、音声発光制御装置81は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37aにおける表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とを主側CPU63において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
<主側CPU63の処理構成について>
次に、主側CPU63にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側CPU63の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図7のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
まず電源投入ウェイト処理を実行する(ステップS101)。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。かかる電源投入ウェイト処理の実行期間において図柄表示装置41の動作開始及び初期設定が完了することとなる。その後、主側RAM65のアクセスを許可するとともに(ステップS102)、主側CPU63の内部機能レジスタの設定を行う(ステップS103)。
その後、電源・発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し(ステップS104)、さらに主側RAM65の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS105)。また、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップS106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する(ステップS107)。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM65をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM65の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置81に送信する。また、ステップS109の処理を実行した後は、管理用IC66に各種情報を認識させるための認識用処理(ステップS110)、及びMPU62に接続された読み取り装置に各種データを出力するためのデータ出力用処理を実行する(ステップS111)。これら認識用処理及びデータ出力用処理の詳細については後に説明する。
なお、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、メイン処理が開始された段階においてはタイマ割込み処理の発生が禁止されている。このタイマ割込み処理の発生が禁止された状態はステップS111の処理が完了してステップS112の処理が実行される前のタイミングで解除され、タイマ割込み処理の実行が許可される。これにより、主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合にはステップS111のデータ出力用処理が終了して、ステップS112の処理が開始される前の段階までタイマ割込み処理は実行されない。よって、当該状況となるまでは主側CPU63にて遊技を進行させるための処理が開始されないこととなる。
その後、ステップS112〜ステップS115の残余処理に進む。つまり、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS112〜ステップS115の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS112〜ステップS115の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS112にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS113では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS114にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM65の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS115にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS115の処理を実行したら、ステップS112に戻り、ステップS112〜ステップS115の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図8のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。
まず停電情報記憶処理を実行する(ステップS201)。停電情報記憶処理では、停電監視基板67から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行した後に無限ループとなる。停電時処理では、主側RAM65の停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムを算出しその算出したチェックサムを保存する。
その後、抽選用乱数更新処理を実行する(ステップS202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS203ではステップS113と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS114と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
その後、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(ステップS205)。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、主側RAM65に設けられた遊技停止用フラグに「1」をセットする。続くステップS206では、上記遊技停止用フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。ステップS206にて否定判定をした場合に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
その後、読み込み処理を実行する(ステップS208)。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
その後、入球検知処理を実行する(ステップS209)。当該入球検知処理では、各入球検知センサ42a〜49aから受信している信号を読み込み、その読み込み結果に基づいて、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入球の有無を特定する。なお、入球検知処理の詳細については後に説明する。
その後、主側RAM65に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(ステップS210)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
その後、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(ステップS211)。発射操作装置28への発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。続くステップS212では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入球検知センサ42a〜49aの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
その後、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する(ステップS213)。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア65aに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア65aに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する処理を実行する。そして、それら各処理の結果に応じた継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音声発光制御装置81に送信するとともに、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示を開始させる。音声発光制御装置81は変動用コマンド及び種別コマンドを受信することによりこれらコマンドの内容に対応する遊技回用の演出を表示発光部53及びスピーカ部54にて開始させる。また、音声発光制御装置81は変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応する変動パターンコマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンコマンドの内容に対応する図柄の変動表示を図柄表示装置41にて開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となる。
特図特電制御処理では、1遊技回の実行中には遊技回の開始時に決定した遊技回の継続期間が経過したか否かを判定することで、その遊技回の終了タイミングであるか否かを判定する。終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、今回の遊技回がいずれかの大当たり結果の発生に対応している場合には、その大当たり結果の種類に対応する絵柄が特図表示部37aにて停止表示されるようにし、今回の遊技回が外れ結果に対応している場合には、外れ結果に対応する絵柄が特図表示部37aにて停止表示されるようにする。また、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81は最終停止コマンドを受信することにより表示発光部53及びスピーカ部54における今回の遊技回用の演出を終了させる。また、音声発光制御装置81は最終停止コマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は最終停止コマンドを受信することにより、図柄表示装置41における今回の遊技回用の演出を終了させる。
特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置81に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。ラウンド遊技が開始される場合には特電入賞装置32が開放状態となり、ラウンド遊技が終了する場合には特電入賞装置32が閉鎖状態となる。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されることを示す開放コマンドを音声発光制御装置81に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されることを示す閉鎖コマンドを音声発光制御装置81に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81は開閉実行モード中に受信する各種コマンドに対応する態様で表示発光部53及びスピーカ部54にて開閉実行モード用の演出を実行させる。また、音声発光制御装置81は開閉実行モード中に受信したコマンドに対応するコマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は開閉実行モード中に受信する各種コマンドに対応する態様で図柄表示装置41にて開閉実行モード用の演出を実行させる。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合、当該開閉実行モードの終了後における当否抽選モード及びサポートモードが、当該開閉実行モードの実行契機となった大当たり結果の種類に対応するモードとなるようにための処理を実行する。
タイマ割込み処理においてステップS213の特図特電制御処理を実行した後は、普図普電制御処理を実行する(ステップS214)。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。この場合、サポートモードが低頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行され、サポートモードが高頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行される。また、開閉実行モードである場合にはその直前のサポートモードが高頻度サポートモードであったとしても低頻度サポートモードとなる。
続くステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部37bに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
その後、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(ステップS216)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(ステップS217)。また、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS218)。その後、遊技領域PAにおける遊技球の入球結果に対応する情報を管理用IC66に出力するための管理用出力処理を実行する(ステップS219)。管理用出力処理の詳細については後に説明する。
次に、主側CPU63にて、各入球検知センサ42a〜49aの検知結果に基づき、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球の有無を特定するための構成について説明する。図9は主側CPU63に入球検知センサ42a〜49aの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
主側CPU63には入力ポート63aが設けられている。入力ポート63aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。また、入力ポート63aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート63aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。
タイマ割込み処理(図8)の入球検知処理(ステップS209)では、入力ポート63aへの入力対象となる信号群が各入球検知センサ42a〜49aからの信号群に設定される。かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は第1入賞口検知センサ42aからの検知信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第2入賞口検知センサ43aからの検知信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第3入賞口検知センサ44aからの検知信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は特電検知センサ45aからの検知信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第1作動口検知センサ46aからの検知信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第2作動口検知センサ47aからの検知信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はアウト口検知センサ48aからの検知信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7はゲート検知センサ49aからの検知信号に対応した情報が格納される。
上記各入球検知センサ42a〜49aは、遊技球の通過を検知していない場合には検知信号として非検知中であることを示すLOWレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には検知信号として検知中であることを示すHIレベル信号を出力する。そして、入力ポート63aではLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報を格納し、HIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報を格納する。つまり、入球検知センサ42a〜49aにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
図10はタイマ割込み処理(図8)のステップS209にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
第0ビットD0に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS301:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第1出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS302)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS303)。第1出力フラグは、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。10個賞球用カウンタは、10個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS217の払出出力処理にて10個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、10個賞球コマンドを1回出力した場合には10個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は10個賞球コマンドを受信した場合、10個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
第1ビットD1に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS304:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第2出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS305)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS306)。第2出力フラグは、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第2ビットD2に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS307:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第3出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS308)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS309)。第3出力フラグは、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第3ビットD3に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS310:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた特電入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS311)、主側RAM65に設けられた第4出力フラグに「1」をセットし(ステップS312)、さらに主側RAM65に設けられた15個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS313)。特電入賞フラグは開閉実行モードのラウンド遊技において特電入賞装置32に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図8)の特図特電制御処理(ステップS213)では特電入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、特電入賞装置32への1個の遊技球の入球が発生したことを特定し、ラウンド遊技における特電入賞装置32への残りの入球可能個数を1減算する。かかる入球可能個数を1減算する処理を実行した場合に特電入賞フラグを「0」クリアする。第4出力フラグは、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。15個賞球用カウンタは、15個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。15個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS217の払出出力処理にて15個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、15個賞球コマンドを1回出力した場合には15個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は15個賞球コマンドを受信した場合、15個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
第4ビットD4に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS314:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第1作動入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS315)、主側RAM65に設けられた第5出力フラグに「1」をセットし(ステップS316)、さらに主側RAM65に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS317)。第1作動入賞フラグは第1作動口33に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図8)の特図特電制御処理(ステップS213)では第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア65aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特電特電制御処理(ステップS213)にて第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。第5出力フラグは、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。1個賞球用カウンタは、1個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。1個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS217の払出出力処理にて1個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、1個賞球コマンドを1回出力した場合には1個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は1個賞球コマンドを受信した場合、1個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
第5ビットD5に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS318:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第2作動入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS319)、主側RAM65に設けられた第6出力フラグに「1」をセットし(ステップS320)、さらに主側RAM65に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS321)。第2作動入賞フラグは第2作動口34に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図8)の特図特電制御処理(ステップS213)では第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア65aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特電特電制御処理(ステップS213)にて第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第2作動入賞フラグを「0」クリアする。第6出力フラグは、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第6ビットD6に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS322:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第7出力フラグに「1」をセットする(ステップS323)。第7出力フラグは、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第7ビットD7に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、ゲート検知センサ49aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS324:YES)。この場合、主側RAM65に設けられたゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS325)。ゲート入賞フラグはスルーゲート35に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図8)の普図普電制御処理(ステップS214)ではゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普電保留エリア65cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、現状の普電役物開放カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普電保留エリア65cに格納する処理を実行する。普図普電制御処理(ステップS214)にてゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合にゲート入賞フラグを「0」クリアする。
なお、タイマ割込み処理(図8)は既に説明したとおり4msec周期で起動されるため、1個の入球検知センサ42a〜49aにて1個の遊技球の検知が開始された場合、当該入球検知センサ42a〜49aにてその1個の遊技球の検知を継続している状況において当該入球検知センサ42a〜49aにて1個の遊技球が検知されたことの特定が主側CPU63にて行われる。したがって、第1〜第7出力フラグはそれぞれ1個ずつ設けられていれば十分である。
次に、払出制御装置77にて実行される処理内容について説明する。まず払出制御装置77及び当該払出制御装置77との間で通信を行う各種装置の電気的構成について、図11のブロック図を参照しながら説明する。
払出制御装置77はMPU91を備えている。MPU91には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である払出側CPU92の他に、払出側ROM93、払出側RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
払出側ROM93は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。払出側ROM93は、払出側CPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RAM94は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。払出側RAM94は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM93よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。払出側RAM94は、払出側ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
払出側CPU92は、主側CPU63と双方向通信を行うことが可能となっている。払出側CPU92は主側CPU63から賞球コマンドを受信することにより、その賞球コマンドに対応する個数の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。また、払出側CPU92は、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能な状態であるか否かを監視し、正常に行うことが可能ではない状態であると特定した場合には払出側RAM94に未払出の賞球個数情報が記憶されている状況であっても払出装置76を停止させる。また、払出側CPU92は、このように正常に払い出しを行うことが可能ではない状態であることを示す払出制限コマンドを主側CPU63に送信する。主側CPU63は当該払出制限コマンドを受信した場合、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態であることを示す報知が図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54にて実行されるように音声発光制御装置81に報知用コマンドを送信する。遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態として、下皿56aが遊技球で満タンとなる満タン状態と、タンク75に遊技球が補充されていない球無状態と、払出装置76が正常に動作しない払出異常状態と、遊技機本体12が外枠11から開放された本体開放状態と、前扉枠14が内枠13から開放された前扉開放状態と、が存在している。
払出装置76から下皿56aへと通じる遊技球通路の途中位置には図示しない満タン検知センサが設けられており、当該満タン検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、満タン検知センサにおいて遊技球が継続して検知された場合に満タン状態であると特定し、満タン検知センサにて遊技球が継続して検知される状態が解除された場合に満タン状態が解除されたと特定する。
タンク75から払出装置76へと通じる遊技球通路の途中位置に図示しない球無検知センサが設けられており、当該球無検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、球無検知センサにおいて遊技球が継続して検知されない場合に球無状態であると特定し、球無検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に球無状態が解除されたと特定する。
払出装置76には当該払出装置76から払い出される遊技球を検知するための図示しない払出検知センサが設けられており、当該払出検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、払出検知センサにて遊技球が検知された場合に払出装置76から1個の遊技球が払い出されたと特定する。また、払出側CPU92は、遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御しているにも関わらず払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない場合に払出異常状態であると特定し、払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に払出異常状態が解除されたと特定する。
内枠13の前面部には前扉開放センサ95が設けられており(図2参照)、当該前扉開放センサ95の検知結果は払出側CPU92に入力される。この場合、内枠13に対して前扉枠14が閉鎖状態である場合に前扉開放センサ95は閉鎖検知信号を払出側CPU92に送信し、内枠13に対して前扉枠14が開放状態である場合に前扉開放センサ95は開放検知信号を払出側CPU92に送信する。払出側CPU92は、前扉開放センサ95から閉鎖検知信号を受信している場合に前扉枠14が閉鎖状態であると特定し、前扉開放センサ95から開放検知信号を受信している場合に前扉枠14が開放状態であると特定する。また、払出側CPU92は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に前扉開放コマンドを送信し、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に前扉閉鎖コマンドを送信する。主側CPU63は、前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放状態となったと特定し、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。
裏パックユニット15の前面部には本体開放センサ96が設けられており(図2参照)、当該本体開放センサ96の検知結果は払出側CPU92に入力される。この場合、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖状態である場合に本体開放センサ96は閉鎖検知信号を払出側CPU92に送信し、外枠11に対して遊技機本体12が開放状態である場合に本体開放センサ96は開放検知信号を払出側CPU92に送信する。払出側CPU92は、本体開放センサ96から閉鎖検知信号を受信している場合に遊技機本体12が閉鎖状態であると特定し、本体開放センサ96から開放検知信号を受信している場合に遊技機本体12が開放状態であると特定する。また、払出側CPU92は、遊技機本体12が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に本体開放コマンドを送信し、遊技機本体12が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に本体閉鎖コマンドを送信する。主側CPU63は、本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放状態となったと特定し、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖状態となったと特定する。
図12のタイムチャートを参照しながら、払出側CPU92にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、予め定められた周期(例えば2msec)で繰り返し起動されるものである。
まず満タン用処理を実行する(ステップS401)。満タン用処理では、既に説明したとおり満タン検知センサの検知結果に基づいて満タン状態であるか否かを特定し、満タン状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
その後、球無用処理を実行する(ステップS402)。球無用処理では、既に説明したとおり球無検知センサの検知結果に基づいて球無状態であるか否かを特定し、球無状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
その後、払出異常監視処理を実行する(ステップS403)。払出異常監視処理では、既に説明したとおり払出検知センサの検知結果に基づいて払出異常状態であるか否かを特定し、払出異常状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
その後、前扉開放監視処理を実行する(ステップS404)。前扉開放監視処理では、既に説明したとおり前扉開放センサ95の検知結果に基づいて前扉枠14が開放状態であるか否かを特定し、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、前扉開放コマンドを主側CPU63に送信する。また、前扉枠14が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、前扉閉鎖コマンドを主側CPU63に送信する。
その後、本体開放監視処理を実行する(ステップS405)。本体開放監視処理では、既に説明したとおり本体開放センサ96の検知結果に基づいて遊技機本体12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機本体12が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、本体開放コマンドを主側CPU63に送信する。また、遊技機本体12が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、本体閉鎖コマンドを主側CPU63に送信する。
その後、コマンド読込処理を実行する(ステップS406)。当該コマンド読込処理では、主側CPU63が送信した賞球コマンドを読み込む処理を実行する。そして、その賞球コマンドを、払出側RAM94に格納する。そして、その受信した賞球コマンドに対応する個数を払出側RAM94における未払出の賞球個数情報に加算するための賞球設定処理を実行した後に(ステップS407)、払出装置76による遊技球の払い出しの実行制御を行うための払出制御処理を実行する(ステップS408)。払出制御処理では、払出側RAM94に記憶されている未払出の賞球個数情報が1以上の値である場合に払出装置76の駆動制御を行い、払出検知センサにて1個の遊技球を検知した場合に賞球個数情報の値を1減算する。そして、賞球個数情報の値が「0」となった場合には払出装置76の駆動制御を停止する。その後、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS409)。
次に、遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCにパチンコ機10から情報を外部出力するための構成について説明する。
図2に示すように、裏パックユニット15には外部端子板97が設けられている。外部端子板97には多数の外部端子が設けられており、一部の外部端子であって複数の外部端子が主側CPU63と電気的に接続されているとともに、一部の外部端子であって複数の外部端子が払出側CPU92と電気的に接続されている。このように主側CPU63及び払出側CPU92のそれぞれが外部端子板97と電気的に接続されていることにより、図11に示すように、主側CPU63及び払出側CPU92はホールコンピュータHCに情報を外部出力することが可能である。
外部端子板97の1個の外部端子は前扉開放センサ95と電気的に接続されているとともに、外部端子板97の1個の外部端子は本体開放センサ96と電気的に接続されている。この電気的な接続の構成について詳細には、前扉開放センサ95から払出側CPU92に向けた信号経路の途中位置には信号中継基板98が設けられている。当該信号中継基板98には、前扉開放センサ95から払出側CPU92に向けた信号経路SL1から分岐させて分岐経路SL2が設けられている。そして、当該分岐経路SL2は外部端子板97における前扉開放用の外部端子に接続されている。したがって、前扉開放センサ95における検知結果に対応した電気信号は、払出側CPU92に入力されるだけでなく、外部端子板97における前扉開放用の外部端子にも入力される。これにより、払出側CPU92による制御を介することなく、前扉枠14が開放状態であるか否かを示す信号をホールコンピュータHCに外部出力することが可能となる。
本体開放センサ96について詳細には、信号中継基板98には、本体開放センサ96から払出側CPU92に向けた信号経路SL3から分岐させて分岐経路SL4が設けられている。そして、当該分岐経路SL4は外部端子板97における本体開放用の外部端子に接続されている。したがって、本体開放センサ96における検知結果に対応した電気信号は、払出側CPU92に入力されるだけでなく、外部端子板97における本体開放用の外部端子にも入力される。これにより、払出側CPU92による制御を介することなく、遊技機本体12が開放状態であるか否かを示す信号をホールコンピュータHCに外部出力することが可能となる。
次に、主側CPU63及び払出側CPU92からホールコンピュータHCに外部出力される情報の内容について説明する。まず主側CPU63からホールコンピュータHCに外部出力される情報の内容について説明する。
主側CPU63はタイマ割込み処理(図8)における外部情報設定処理(ステップS218)にて、外部端子板97において主側CPU63に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。主側CPU63から外部端子板97に出力される情報として、開閉実行モード中であることを示す情報と、サポートモードが高頻度サポートモード中であることを示す情報と、一の遊技回が終了したことを示す情報と、所定個数(例えば100個)の遊技球がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかを通じて遊技領域PAから排出されたことを示す情報と、第1作動口33に遊技球が入球したことを示す情報と、第2作動口34に遊技球が入球したことを示す情報と、が含まれている。
払出側CPU92はタイマ割込み処理(図12)における外部情報設定処理(ステップS409)にて、外部端子板97において払出側CPU92に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。払出側CPU92から外部端子板97に出力される情報として、10個の遊技球の払い出しが行われたことを示す情報が含まれている。
ホールコンピュータHCでは外部端子板97を通じてパチンコ機10から受信する各種情報に応じて、当該パチンコ機10における遊技球の払い出しの実行態様などを把握することが可能である。例えば、
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した遊技球の払出個数の割合である出玉率
・開閉実行モード及び高頻度サポートモードではない通常遊技状態における出玉率(以下、この出玉率を「B」とする)
・開閉実行モードにおける出玉率
・高頻度サポートモードにおける出玉率
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに実行された遊技回の回数(以下、この割合を「S」とする)
・B−S×「第1作動口33及び第2作動口34への入賞に対する賞球個数」
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した第1作動口33への遊技球の入球個数(以下、この割合を「S1」とする)
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した第2作動口34への遊技球の入球個数(以下、この割合を「S2」とする)
・B−(S1×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+S2×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
などが算出される。これにより、ホールコンピュータHCにおいてパチンコ機10の遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を管理することが可能となる。なお、賞球個数とは対応する入球部に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数のことである。
<遊技球の入賞態様を管理するための構成>
次に、管理用IC66を利用して遊技球の入賞態様を管理するための構成について説明する。まず図13のブロック図を参照しながら、管理用IC66の電気的構成について説明する。
既に説明したとおり主制御装置60のMPU62は、主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66を備えている。また、MPU62は、これら以外にもI/F101及び読み取り用端子102を備えている。
I/F101は、MPU62の外部の機器との間で信号を送受信するためのインターフェースである。I/F101は、内部バス103を介して主側CPU63と電気的に接続されている。I/F101の入力ポートを通じて各入球検知センサ42a〜49aなどのセンサからの検知結果、及び払出側CPU92からのコマンドなどがMPU62に入力され、その入力された検知結果及びコマンドの内容に基づいて既に説明したとおり主側CPU63にて各種処理が実行される。また、主側CPU63にて各種処理が実行された結果、特電用の駆動部32bなどの機器へ信号出力が行われる場合には当該信号出力はI/F101の出力ポートを通じて行われるとともに、主側CPU63にて各種処理が実行された結果、払出側CPU92及び音声発光制御装置81へコマンド出力が行われる場合には当該コマンド出力はI/F101の出力ポートを通じて行われる。
読み取り用端子102は、MPU62にパチンコ機10の外部の装置である読み取り装置を電気的に接続するための端子であり、MPU62の表面において接続用の端子部分が露出するようにして設けられている。但し、既に説明したとおりMPU62が搭載された主制御基板61は基板ボックス60aに収容されており、読み取り用端子102は主制御装置60の外部に露出しないように基板ボックス60aの壁部と対向している。したがって、読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続するためには基板ボックス60aを開放させてMPU62を露出させる必要が生じる。これにより、読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が不正に行われてしまうことを阻止することが可能となる。なお、これに限定されることはなく、基板ボックス60aに読み取り用端子102を主制御装置60の外部に露出させるための開口部が形成されており、基板ボックス60aの破壊を要することなく読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続を行うことが可能な構成としてもよい。
管理用IC66は、管理側I/F111と、管理側CPU112と、管理側ROM113と、管理側RAM114と、RTC115と、対応関係用メモリ116と、履歴用メモリ117と、を備えている。これら各装置は管理用IC66に設けられた内部バス66aを通じて双方向通信可能に接続されている。
管理側I/F111は、MPU62に内蔵された単方向通信用の信号経路群118を介して主側CPU63から各種信号を受信するとともに、MPU62に内蔵された単方向通信用の信号経路群119を介して読み取り用端子102に各種信号を送信するためのインターフェースである。主側CPU63からの各種信号は管理側I/F111の入力ポートに入力され、読み取り用端子102への各種信号は管理側I/F111の出力ポートから出力される。なお、主側CPU63はMPU62に内蔵された双方向通信用の信号経路群120を介して読み取り用端子102と電気的に接続されている。
管理側CPU112は、制御部及び演算部を含む演算処理装置である。管理側ROM113は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。管理側ROM113は、管理側CPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。管理側RAM114は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。管理側RAM114は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に管理側ROM113よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。管理側RAM114は管理側ROM113内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
RTC115はリアルタイムクロックであり、年月日情報及び時刻情報を常時計測し、管理側CPU112からの指示に従い、その計測している年月日情報及び時刻情報を出力することが可能な構成である。なお、RTC115にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機10の電源遮断中においても年月日情報及び時刻情報を計測することが可能となっている。
対応関係用メモリ116は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。対応関係用メモリ116は、管理側I/F111の入力ポート121に設けられた各バッファ122a〜122pとそれらバッファ122a〜122pに入力される信号の種類との対応関係の情報を記憶しておくために利用される。対応関係用メモリ116の内容の詳細については後に説明する。
履歴用メモリ117は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。履歴用メモリ117は、管理側I/F111を通じて主側CPU63から受信した遊技球の入球に関する情報を記憶しておくために利用される。履歴用メモリ117の内容の詳細については後に説明する。
次に、管理側I/F111に設けられた入力ポート121の構成について説明する。図14は管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
入力ポート121には複数のバッファ122a〜122pが設けられている。具体的には第1〜第16バッファ122a〜122pが設けられている。第1〜第16バッファ122a〜122pのそれぞれには信号経路118a〜118pを通じて1種類の信号を入力可能となっており、第1〜第16バッファ122a〜122pのそれぞれは入力対象となっている信号がLOWレベルである場合に第1データとして「0」の情報が格納され、入力対象となっている信号がHIレベルである場合に第2データとして「1」の情報が格納される。なお、これらLOW及びHIと第1データ及び第2データとの関係が逆であってもよい。
第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力される。この場合、主側CPU63は第1入賞口検知センサ42aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第1信号を出力し、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第1信号を出力する。この特定期間は、第1バッファ122aにHIレベルの第1信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力される。この場合、主側CPU63は第2入賞口検知センサ43aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第2信号を出力し、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第2信号を出力する。この特定期間は、第2バッファ122bにHIレベルの第2信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力される。この場合、主側CPU63は第3入賞口検知センサ44aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第3信号を出力し、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第3信号を出力する。この特定期間は、第3バッファ122cにHIレベルの第3信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力される。この場合、主側CPU63は特電検知センサ45aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第4信号を出力し、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第4信号を出力する。この特定期間は、第4バッファ122dにHIレベルの第4信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力される。この場合、主側CPU63は第1作動口検知センサ46aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第5信号を出力し、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第5信号を出力する。この特定期間は、第5バッファ122eにHIレベルの第5信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力される。この場合、主側CPU63は第2作動口検知センサ47aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第6信号を出力し、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第6信号を出力する。この特定期間は、第6バッファ122fにHIレベルの第6信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力される。この場合、主側CPU63はアウト口検知センサ48aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第7信号を出力し、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第7信号を出力する。この特定期間は、第7バッファ122gにHIレベルの第7信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第8バッファ122hには開閉実行モードの期間中であるか否かに対応する第8信号が入力される。この場合、主側CPU63は開閉実行モードではない状況ではLOWレベルの第8信号を継続して出力し、開閉実行モードである状況ではHIレベルの第8信号を継続して出力する。
第9バッファ122iには高頻度サポートモードの期間中であるか否かに対応する第9信号が入力される。この場合、主側CPU63は高頻度サポートモードではない状況ではLOWレベルの第9信号を継続して出力し、高頻度サポートモードである状況ではHIレベルの第9信号を継続して出力する。
第10バッファ122jには前扉枠14が開放されている期間中であるか否かに対応する第10信号が入力される。この場合、主側CPU63は前扉枠14が閉鎖状態である状況ではLOWレベルの第10信号を継続して出力し、前扉枠14が開放状態である状況ではHIレベルの第10信号を継続して出力する。
第16バッファ122pには履歴用メモリ117に格納された履歴情報を読み取り用端子102に出力する契機を管理側CPU112に認識させるための出力指示信号が入力される。この場合、主側CPU63は履歴情報を出力する必要がない状況ではLOWレベルの出力指示信号を出力し、履歴情報を出力する必要がある場合に特定期間に亘ってHIレベルの出力指示信号を出力する。この特定期間は、第16バッファ122pにHIレベルの出力指示信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第11バッファ122k、第12バッファ122l、第13バッファ122m、第14バッファ122n及び第15バッファ122oは、主側CPU63からの信号を入力可能ではあるものの、本パチンコ機10では通常の信号が入力されないブランクとなっている。このように管理側I/F111の入力ポート121として本パチンコ機10において主側CPU63から管理用IC66に出力される信号の種類よりも多くの数のバッファ122a〜122pが設けられていることにより、管理用IC66を本パチンコ機10とは異なる機種にも流用することが可能となる。これにより、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。ちなみに、主側CPU63と第1〜第16バッファ122a〜122pのそれぞれとの間には第1〜第16バッファ122a〜122pに1対1で対応するように信号経路118a〜118pが形成されているが、これに限定されることはなく、ブランク対象となるバッファ122k〜122oとの間には信号経路118k〜118oが形成されていない構成としてもよい。
管理側I/F111の入力ポート121における第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112は第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1〜第15バッファ122a〜122oにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。管理側CPU112におけるこれら信号の種類の特定は、詳細は後述するが、MPU62への動作電力の供給に伴い主側CPU63及び管理側CPU112において制御が開始された場合に主側CPU63から管理側CPU112に種類識別コマンドが送信されることにより行われる。この場合、種類識別コマンドにより提供された各種信号の種類の情報は対応関係用メモリ116に記憶され、動作電力が供給されている状況において各種信号の種類を管理側CPU112にて特定する場合には対応関係用メモリ116に記憶された情報が参照される。
図15は対応関係用メモリ116の構成を説明するための説明図である。対応関係用メモリ116には、管理側I/F111の入力ポート121に設けられた第1〜第15バッファ122a〜122oに1対1で対応させて第1〜第15対応関係エリア123a〜123oが設けられている。
第1対応関係エリア123aには第1バッファ122aに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第1対応関係エリア123aには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(10個)も格納される。第2対応関係エリア123bには第2バッファ122bに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第2対応関係エリア123bには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(10個)も格納される。第3対応関係エリア123cには第3バッファ122cに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第3対応関係エリア123cには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(10個)も格納される。
第4対応関係エリア123dには第4バッファ122dに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、特電入賞装置32であることを示す情報が格納される。また、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32であることを示す情報とともに特電入賞装置32に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(15個)も格納される。第5対応関係エリア123eには第5バッファ122eに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、第1作動口33であることを示す情報が格納される。また、第5対応関係エリア123eには第1作動口33であることを示す情報とともに第1作動口33に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(1個)も格納される。第6対応関係エリア123fには第6バッファ122fに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、第2作動口34であることを示す情報が格納される。また、第6対応関係エリア123fには第2作動口34であることを示す情報とともに第2作動口34に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(1個)も格納される。第7対応関係エリア123gには第7バッファ122gに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、アウト口24aであることを示す情報が格納される。
第8対応関係エリア123hには第8バッファ122hに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、開閉実行モードであることを示す情報が格納される。第9対応関係エリア123iには第9バッファ122iに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、高頻度サポートモードであることを示す情報が格納される。第10対応関係エリア123jには第10バッファ122jに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、前扉枠14であることを示す情報が格納される。
第11対応関係エリア123kには第11バッファ122kに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第12対応関係エリア123lには第12バッファ122lに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第13対応関係エリア123mには第13バッファ122mに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第14対応関係エリア123nには第14バッファ122nに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第15対応関係エリア123oには第15バッファ122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。
上記のように第1〜第15バッファ122a〜122oにどのような種類の信号が入力されるのかが、主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される構成とすることで、管理用IC66を本パチンコ機10とは異なる機種にも流用することが可能となる。これにより、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
また、第1〜第15バッファ122a〜122oに履歴情報の記憶に対応する信号出力を行う度にその信号の種類を認識させるための情報を出力するのではなく、事前に信号の種類を認識させるための情報を出力するとともにその出力された情報に基づき第1〜第15バッファ122a〜122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報が対応関係用メモリ116に格納される構成である。これにより、第1〜第15バッファ122a〜122oに履歴情報の記憶に対応する信号出力を行う度にその信号の種類を認識させるための情報が出力される構成に比べ、都度の信号出力に際して主側CPU63から管理側CPU112に出力される情報量を抑えることが可能となる。
また、第1〜第15バッファ122a〜122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報の出力は、動作電力の供給開始時に行われる。これにより、本パチンコ機10にて遊技が開始される状況においては、第1〜第15バッファ122a〜122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定することが可能となる。
また、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることの情報設定が管理用IC66の設計段階において行われている。これにより、本パチンコ機10に限らず管理用IC66を利用する他の機種のパチンコ機であっても確実に使用する出力指示信号については、第16バッファ122pに入力される信号の種類を特定するための処理を省略することが可能となる。よって、かかる信号の種類を特定するための処理の処理負荷を抑えることが可能となる。
次に、管理用IC66の履歴用メモリ117について説明する。図16は履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。
履歴用メモリ117には、履歴情報を順次記憶するための履歴用エリア124が設けられている。履歴用エリア124には、複数のポインタ情報が連番で設定されているとともに、各ポインタ情報に1対1で対応させて履歴情報格納エリア125が設定されている。履歴情報格納エリア125には、RTC情報と対応関係情報との組合せを格納可能となっている。この場合、各履歴情報格納エリア125は2バイトのデータ容量となっており、RTC情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられており、対応関係情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられている。第1〜第15バッファ122a〜122o(本パチンコ機10の実際には第1〜第10バッファ122a〜122j)に入力されている信号に応じて対応関係情報を格納する必要が生じた場合には、まず現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125のRTC情報を格納するためのエリアに、現状のRTC115において計測されている年月日情報及び時刻情報を格納する。その後、今回の情報格納契機となったバッファ122a〜122oに対応する対応関係情報を対応関係用メモリ116における当該バッファ122a〜122oに対応する対応関係エリア123a〜123oから読み出し、その読み出した対応関係情報を現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
履歴情報格納エリア125に格納される対応関係情報について具体的には、第1〜第7バッファ122a〜122gは既に説明したとおり入球検知センサ42a〜48aの検知結果に対応する信号が入力されるため、対応関係用メモリ116における第1〜第7対応関係エリア123a〜123gには入球検知センサ42a〜48aの種類に対応する情報が格納されている。より詳細には、入球検知センサ42a〜48aのそれぞれに対応する入球部の種類に対応する情報が、第1〜第7対応関係エリア123a〜123gに格納されている。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1〜第3入賞口検知センサ42a〜44aはいずれも一般入賞口31に入球した遊技球を検知するものであるため、これら第1〜第3入賞口検知センサ42a〜44aに対応する第1〜第3対応関係エリア123a〜123cにはいずれも一般入賞口31であることを示す情報が格納されている。また、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32であることを示す情報が格納されており、第5対応関係エリア123eには第1作動口33であることを示す情報が格納されており、第6対応関係エリア123fには第2作動口34であることを示す情報が格納されており、第7対応関係エリア123gにはアウト口24aであることを示す情報が格納されている。今回の情報格納契機となったバッファ122a〜122oが第1〜第7バッファ122a〜122gのいずれかである場合には、そのバッファ122a〜122gに対応する入球部の種類の情報が第1〜第7対応関係エリア123a〜123gのいずれかから読み出され、その読み出された入球部の種類の情報が履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアにそのまま格納される。
一方、第8バッファ122hは開閉実行モード中であるか否かを示す信号が入力され、第9バッファ122iは高頻度サポートモード中であるか否かを示す信号が入力され、第10バッファ122jは前扉枠14が開放中であるか否かを示す信号が入力される。したがって、第8対応関係エリア123hには開閉実行モードであることを示す情報が格納され、第9対応関係エリア123iには高頻度サポートモードであることを示す情報が格納され、第10対応関係エリア123jには前扉枠14であることを示す情報が格納されている。
主側CPU63は既に説明したとおり開閉実行モードではない状況ではLOWレベルの第8信号を継続して出力し、開閉実行モードである状況ではHIレベルの第8信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に開閉実行モードが開始されたと特定し、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に開閉実行モードが終了したと特定することが可能となる。そして、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
主側CPU63は既に説明したとおり高頻度サポートモードではない状況ではLOWレベルの第9信号を継続して出力し、高頻度サポートモードである状況ではHIレベルの第9信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に高頻度サポートモードが開始されたと特定し、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に高頻度サポートモードが終了したと特定することが可能となる。そして、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高頻度サポートモードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高頻度サポートモードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
主側CPU63は既に説明したとおり前扉枠14が閉鎖状態である状況ではLOWレベルの第10信号を継続して出力し、前扉枠14が開放状態である状況ではHIレベルの第10信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に前扉枠14が開放されたと特定し、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合にが前扉枠14が閉鎖されたと特定することが可能となる。そして、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
履歴情報格納エリア125は、仮に開店から閉店まで本パチンコ機10における遊技球の発射が継続される営業日が10日間連続したとしてもその間に発生した各履歴情報を全て記憶しておくことを可能とする数分設けられている。例えば1日に履歴情報が60000回発生するとした場合、600000個以上の履歴情報格納エリア125が設けられている。これにより、少なくとも10日間は全ての履歴情報を履歴用メモリ117において記憶保持することが可能である。
履歴用メモリ117には履歴用エリア124とは別にポインタ用エリア126が設けられている。ポインタ用エリア126には、履歴用メモリ117において現状の書き込み対象となっているポインタ情報を管理側CPU112にて特定するための情報が格納されている。具体的には、パチンコ機10の出荷段階ではポインタ用エリア126には「0」のポインタ情報を書き込み対象に指定する情報が設定されている。そして、1個の履歴情報が履歴情報格納エリア125に新たに格納される度に、書き込み対象となるポインタ情報の値が1加算されるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。最後の順番のポインタ情報が書き込み対象となり当該最後の順番のポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に履歴情報が格納された場合には、「0」のポインタ情報が書き込み対象となるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。これにより、格納可能な履歴情報の個数を超えて履歴情報の格納契機が発生した場合には、古い履歴情報が格納されている履歴情報格納エリア125から順に新しい履歴情報に上書きされていくこととなる。
また、読み取り装置による履歴用メモリ117からの履歴情報の読み取りが発生した場合には、履歴情報格納エリア125が全て「0」クリアされるとともに、「0」のポインタ情報が書き込み対象となるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。これにより、一旦読み取り対象となった履歴情報が再度読み取り対象となってしまうことを阻止することが可能となる。
次に、管理用IC66を利用して遊技球の入賞態様を管理するための具体的な処理構成について説明する。まず管理側I/F111の入力ポート121に設けられた第1〜第15バッファ122a〜122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理構成について説明する。図17は主側CPU63にて実行される認識用処理を示すフローチャートである。なお、認識用処理はメイン処理(図7)におけるステップS110にて実行される。
まず主側RAM65に設けられた認識用出力カウンタに「15」をセットする(ステップS501)。認識用出力カウンタは、管理側I/F111における入力ポート121の各バッファ122a〜122pがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるための情報出力の残りの必要回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。既に説明したとおり第1〜第15バッファ122a〜122oの15個が信号の種類の認識対象となるため、認識用出力カウンタには「15」をセットする。
その後、識別開始コマンドの出力処理を実行する(ステップS502)。主側CPU63は、第1〜第15バッファ122a〜122oがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるために当該管理側CPU112に各種コマンドを出力する。このコマンド出力に際しては第1〜第8バッファ122a〜122hに入力される第1〜第8信号が利用される。つまり、履歴情報の格納契機を管理側CPU112に指示するために利用される第1〜第8信号(すなわち第1〜第8信号経路118a〜118h)を利用して、第1〜第15バッファ122a〜122oがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるためのコマンド出力が行われる。これにより、当該コマンド出力を行うための信号経路を、第1〜第16バッファ122a〜122pに信号出力するための信号経路118a〜118pとは別に設ける構成に比べて、信号経路の数を減らすことが可能となり構成を簡素化させることが可能となる。識別開始コマンドは8ビットのデータ容量となっており各ビットのデータがそれぞれ第1〜第8信号として第1〜第8バッファ122a〜122hに入力される。また、識別開始コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別開始コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別開始コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別開始コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別開始コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1〜第15バッファ122a〜122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理を開始すべきことを特定する。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの現状の値に対応する種類識別コマンドを主側ROM64から読み出す(ステップS503)。この場合、第1バッファ122aが最初に信号種類の設定対象となり、その後は第nバッファの次に第n+1バッファが信号種類の設定対象となるように、第1〜第15バッファ122a〜122oに対応する信号種類の認識設定が行われる。したがって、認識用出力カウンタが「15」〜「13」であれば一般入賞口31であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「12」であれば特電入賞装置32であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「11」であれば第1作動口33であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「10」であれば第2作動口34であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「9」であればアウト口24aであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「8」であれば開閉実行モードであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「7」であれば高頻度サポートモードであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「6」であれば前扉枠14であることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「5」〜「1」であればブランクであることを示す種類識別コマンドを読み出す。
その後、読み出した種類識別コマンドの出力処理を実行する(ステップS504)。種類識別コマンドは、識別開始コマンドと同様に8ビットのデータ容量となっており、各ビットのデータがそれぞれ第1〜第8信号として第1〜第8バッファ122a〜122hに入力される。また、識別種類コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別種類コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別種類コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別種類コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別種類コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1〜第15バッファ122a〜122oのうち今回の設定対象となっているバッファに対応する対応関係エリア123a〜123oに、その識別種類コマンドに対応する情報を格納する。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの値を1減算し(ステップS505)、その1減算後における認識用出力カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS506)。認識用出力カウンタの値が1以上である場合には(ステップS506:NO)、1減算後における認識用出力カウンタの値に対応する種類識別コマンドを出力するための処理を実行する(ステップS503及びステップS504)。
一方、認識用出力カウンタの値が「0」である場合には(ステップS506:YES)、識別終了コマンドの出力処理を実行する(ステップS507)。識別終了コマンドは8ビットのデータ容量となっており、各ビットのデータがそれぞれ第1〜第8信号として第1〜第8バッファ122a〜122hに入力される。また、識別終了コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別終了コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別終了コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別終了コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別終了コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1〜第15バッファ122a〜122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理が完了したことを特定する。
次に、管理側CPU112にて実行される管理処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。管理処理は、管理側CPU112への動作電力の供給が開始された場合に開始される。なお、管理側CPU112の処理速度は主側CPU63の処理速度よりも速い構成であり、主側CPU63において1回のタイマ割込み処理(図8)が開始されてから次回のタイマ割込み処理(図8)が開始されるまでに、管理処理におけるステップS606以降の処理の組合せが16回以上実行される。
主側CPU63から識別開始コマンドを受信した場合(ステップS601:YES)、管理側RAM114に設けられた設定対象カウンタの値を「0」クリアする(ステップS602)。設定対象カウンタは、信号の種類の設定対象となっているバッファ122a〜122oの種類を管理側CPU112にて特定するためのカウンタである。第1バッファ122aが最初に信号種類の設定対象となり、その後は第nバッファの次に第n+1バッファが信号種類の設定対象となる。
その後、主側CPU63から種類識別コマンドを受信していることを条件として(ステップS603:YES)、対応関係設定処理を実行する(ステップS604)。対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1〜第15対応関係エリア123a〜123oのうち、管理側RAM114の設定対象カウンタにおける現状の値に対応する対応関係エリアに、今回受信した種類識別コマンドに設定されている信号種類の情報を格納する。その後、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を1加算する(ステップS605)。
ステップS603にて否定判定をした場合、又はステップS605の処理を実行した場合、主側CPU63から識別終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS606)。識別終了コマンドを受信していない場合(ステップS606:NO)、ステップS603に戻り、主側CPU63から種類識別コマンドを新たに受信することを条件として(ステップS603:YES)、ステップS604及びステップS605の処理を再度実行する。
主側CPU63から識別終了コマンドを受信している場合(ステップS606:YES)、ステップS607及びステップS608の処理を繰り返し実行する。ステップS607では詳細は後述するが、主側CPU63から受信した信号の種類に対応する履歴情報を履歴用メモリ117に格納するための履歴設定処理を実行する。ステップS608では、詳細は後述するが、履歴用メモリ117に格納された履歴情報を読み取り用端子102に出力するための外部出力用処理を実行する。
図19は第1〜第15バッファ122a〜122oとこれらバッファ122a〜122oに入力される信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリ116に格納される様子を示すタイムチャートである。図19(a)は第1〜第8信号(すなわち第1〜第8信号経路118a〜118h)を利用して主側CPU63から管理側CPU112にコマンドが出力されている期間を示し、図19(b)は第9信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図19(c)は第1〜第15バッファ122a〜122oとこれらバッファ122a〜122oに入力される信号の種類との対応関係を識別するための処理が実行される識別状態の実行期間を示し、図19(d)は管理側CPU112にて対応関係設定処理(ステップS604)が実行されるタイミングを示す。
主側CPU63及び管理側CPU112への動作電力の供給が開始されることで、t1のタイミングで図19(a)に示すように第1〜第8信号を利用した識別開始コマンドの出力が開始される。また、当該t1のタイミングで図19(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、識別開始コマンドの出力が継続されている状況であるt2のタイミングで、図19(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されていることを特定し、第1〜第8バッファ122a〜122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、識別開始コマンドを受信しているため、管理側CPU112は管理処理(図18)のステップS601にて肯定判定をすることで識別状態となる。その後、t3のタイミングで図19(a)に示すように識別開始コマンドの出力が停止される。
その後、t4のタイミングで図19(a)に示すように第1〜第8信号を利用した1個目の種類識別コマンドの出力が開始される。また、当該t4のタイミングで図19(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、種類識別コマンドの出力が継続されている状況であるt5のタイミングで、図19(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されたことを特定し、第1〜第8バッファ122a〜122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、1個目の種類識別コマンドを受信しているため、管理側CPU112はt5のタイミングで図19(d)に示すように対応関係設定処理を実行する。当該対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1対応関係エリア123aに一般入賞口31であることを示す情報及びその賞球個数の情報を格納する。その後、t6のタイミングで図19(a)に示すように種類識別コマンドの出力が停止される。
その後、t7のタイミング〜t9のタイミング、t10のタイミング〜t12のタイミング、t13のタイミング〜t15のタイミング、及びt16のタイミング〜t18のタイミングのそれぞれにおいて、t4のタイミング〜t6のタイミングと同様に、主側CPU63から出力された種類識別コマンドに対応する対応関係設定処理が管理側CPU112にて実行される。この場合、t16のタイミング〜t18のタイミングにおいて15個目の種類識別コマンドに対応する対応関係設定処理が完了する。
その後、t19のタイミングで図19(a)に示すように第1〜第8信号を利用した識別終了コマンドの出力が開始される。また、当該t19のタイミングで図19(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、識別終了コマンドの出力が継続されている状況であるt20のタイミングで、図19(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されたことを特定し、第1〜第8バッファ122a〜122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、識別終了コマンドを受信しているため、t20のタイミングで図19(c)に示すように管理側CPU112の識別状態が終了する。その後、t21のタイミングで図19(a)に示すように識別終了コマンドの出力が停止される。
上記のように第9信号を利用してコマンドが出力されている状況であるか否かを管理側CPU112に認識させる構成であることにより、履歴情報の格納契機を管理側CPU112に指示するために利用される第1〜第8信号(すなわち第1〜第8信号経路)を利用してコマンド出力が行われる構成であってもコマンドが出力されている状況であることを管理側CPU112に明確に認識させることが可能となる。
次に、履歴情報を履歴用メモリ117に格納させるための処理構成について説明する。図20は主側CPU63にて実行される管理用出力処理を示すフローチャートである。なお、管理用出力処理はタイマ割込み処理(図8)におけるステップS219にて実行される。
まず主側RAM65に設けられた管理対象カウンタに「10」をセットする(ステップS701)。管理対象カウンタは、今回の管理用出力処理において管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かの特定対象となっていない管理対象が存在しているか否かを主側CPU63にて特定するとともに、いずれの管理対象について管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かを主側CPU63にて特定するためのカウンタである。1回の管理用出力処理にて、管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かを主側CPU63にて特定する対象となる管理対象は、7個の入球検知センサ42a〜48a、開閉実行モードの実行の有無、高頻度サポートモードの実行の有無、及び前扉枠14の開閉の有無の合計10個である。したがって、最初に管理対象カウンタに「10」をセットする。
その後、現状の管理対象カウンタの値に対応する管理対象についての管理側CPU112への信号の出力状態がHIレベルであるか否かを判定する(ステップS702)。HIレベルではない場合(ステップS702:NO)、管理対象カウンタの値が4以上であるか否かを判定することで、管理対象カウンタの値に対応する管理対象が7個の入球検知センサ42a〜48aのいずれかであるかを特定する(ステップS703)。
ステップS703にて肯定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する主側RAM65の出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS704)。具体的には、管理対象カウンタの値が「10」であり第1入賞口検知センサ42aに対応している場合には第1出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「9」であり第2入賞口検知センサ43aに対応している場合には第2出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「8」であり第3入賞口検知センサ44aに対応している場合には第3出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「7」であり特電検知センサ45aに対応している場合には第4出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「6」であり第1作動口検知センサ46aに対応している場合には第5出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「5」であり第2作動口検知センサ47aに対応している場合には第6出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「4」でありアウト口24aに対応している場合には第7出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。なお、これら第1〜第7出力フラグには既に説明したとおり、入球検知処理(図10)にて「1」がセットされる。
管理対象カウンタの値に対応する出力フラグに「1」がセットされている場合(ステップS704:YES)、第1〜第7信号のうち管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに設定する(ステップS705)。その後、管理対象カウンタの値に対応する出力フラグを「0」クリアする(ステップS706)。
ステップS703にて否定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに切り換える契機が発生したか否かを判定する(ステップS707)。具体的には、管理対象カウンタの値が「3」である場合には開閉実行モードへの移行が発生したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「2」である場合には高頻度サポートモードへの移行が発生したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「1」である場合には前扉枠14が開放状態となったか否かを判定する。ステップS707にて肯定判定をした場合には、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに設定する(ステップS708)。
ステップS702にて肯定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに切り換える契機が発生したか否かを判定する(ステップS709)。具体的には、管理対象カウンタの値が4以上であり現状の管理対象がいずれかの入球検知センサ42a〜48aである場合には、第1〜第7信号のうち管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換えてからHI出力継続期間(具体的には10msec)が経過したか否かを判定する。このHI出力継続期間は管理側CPU112において管理処理(図18)の履歴設定処理(ステップS607)の最長処理間隔よりも長い期間に設定されており、LOWレベルからHIレベルに切り換わった信号の出力状態を管理側CPU112にて確実に特定することが可能な期間となっている。また、管理対象カウンタの値が「3」であり現状の管理対象が開閉実行モードである場合には開閉実行モードが終了したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「2」であり現状の管理対象が高頻度サポートモードである場合には高頻度サポートモードが終了したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「1」であり現状の管理対象が前扉枠14である場合には前扉枠14が閉鎖状態であるか否かを判定する。管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに切り換える契機が発生している場合(ステップS709:YES)、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに設定する(ステップS710)。
ステップS704にて否定判定をした場合、ステップS706の処理を実行した場合、ステップS707にて否定判定をした場合、ステップS708の処理を実行した場合、ステップS709にて否定判定をした場合、又はステップS710の処理を実行した場合、主側RAM65の管理対象カウンタの値を1減算する(ステップS711)。そして、その1減算後における管理対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS712)。管理対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS712:NO)、新たな管理対象カウンタの値に対応する管理対象について、ステップS702以降の処理を実行する。
次に、管理側CPU112にて実行される履歴設定処理について図21のフローチャートを参照しながら説明する。履歴設定処理は、管理処理(図18)のステップS607にて実行される。
まず管理側RAM114に設けられた確認対象カウンタに、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS801)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1〜第15対応関係エリア123a〜123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1〜第10対応関係エリア123a〜123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS801では確認対象カウンタに「10」をセットする。
その後、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS802)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a〜122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10バッファ122jが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となる。
ステップS802にて肯定判定をした場合には、RTC115から年月日情報及び時刻情報であるRTC情報を読み出す(ステップS803)。そして、履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS804)。当該書き込み処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126を参照することで現状の書き込み対象となっている履歴用エリア124のポインタ情報を特定し、その書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS803にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a〜123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。また、対応関係情報が、開閉実行モードであることを示す情報、高頻度サポートモードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のうちいずれかである場合には、上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に対応関係情報だけではなく開始情報を書き込む。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第n対応関係エリア123a〜123oが対応関係情報の読み出し対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10対応関係エリア123jが対応関係情報の読み出し対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となる。
上記のように書き込み処理が実行されることにより、確認対象カウンタの値がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかであることを示す対応関係情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。また、確認対象カウンタの値が開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のうちいずれかであることを示す対応関係情報と、開始情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。
その後、対象ポインタの更新処理を実行する(ステップS805)。当該更新処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126に格納されている数値情報を読み出し1加算する。その1加算後におけるポインタ情報が履歴用エリア124におけるポインタ情報の最大値を超えたか否かを判定する。最大値を超えていない場合には1加算後におけるポインタ情報を新たな書き込み対象のポインタ情報としてポインタ用エリア126に上書きする。最大値を超えている場合には書き込み対象のポインタ情報が最初のポインタ情報となるようにポインタ用エリア126を「0」クリアする。
ステップS802にて否定判定をした場合、又はステップS805の処理を実行した場合、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a〜123oに、信号出力がLOWレベルに切り換えられたか否かを確認すべき対象となる対応関係情報が格納されているか否かを判定する(ステップS806)。具体的には、現状の確認対象カウンタの値が「8」〜「10」である場合には対応する対応関係エリア123h〜123jに、開閉実行モードであることを示す情報、高頻度サポートモードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のいずれかが格納されているため、ステップS806にて肯定判定をする。
ステップS806にて肯定判定をした場合、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が「1」から「0」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807にて肯定判定をした場合には、ステップS803と同様にRTC情報を読み出し(ステップS808)、さらに履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS809)。当該書き込み処理では、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS808にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a〜123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。また、上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に対応関係情報だけではなく終了情報を書き込む。このように書き込み処理が実行されることにより、確認対象カウンタの値が開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のうちいずれかであることを示す対応関係情報と、終了情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。その後、ステップS805と同様に対象ポインタの更新処理を実行する(ステップS810)。
ステップS806にて否定判定をした場合、ステップS807にて否定判定をした場合、又はステップS810の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS811)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS812)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS812:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS802以降の処理を実行する。
次に、履歴用メモリ117に履歴情報が格納されていく様子について、図22のタイムチャートを参照しながら説明する。図22(a)は第1〜第7バッファ122a〜122gのいずれかにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図22(b)は第8バッファ122hにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図22(c)は第9バッファ122iにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図22(d)は第10バッファ122jにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図22(e)は履歴用メモリ117への履歴情報の書き込みタイミングを示す。
t1のタイミングで、図22(a)に示すように第1〜第7バッファ122a〜122gのいずれかに入力されている信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。したがって、当該t1のタイミングで図22(e)に示すように履歴用メモリ117に履歴情報が書き込まれる。その後、t2のタイミングで、図22(a)に示すようにt1のタイミングでHIレベルに切り換えられた信号がLOWレベルに切り換えられる。しかしながら、当該信号は第1〜第7バッファ122a〜122gのいずれかに入力されている信号であり、LOWレベルの切り換えが履歴情報の格納対象となっていないため、当該t2のタイミングでは図22(e)に示すように履歴情報の書き込みは実行されない。
その後、t3のタイミング、t5のタイミング、t6のタイミング、t9のタイミング、t10のタイミング、t13のタイミング及びt14のタイミングのそれぞれにおいて、図22(a)に示すように、第1〜第7バッファ122a〜122gのいずれかに入力されている信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。したがって、これら各タイミングにおいて図22(e)に示すように履歴情報が書き込まれる。
図22(b)に示すようにt4のタイミング〜t7のタイミングに亘って、第8バッファ122hに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第8バッファ122hは開閉実行モードの発生の有無に対応している。したがって、図22(e)に示すように第8バッファ122hに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt4のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt7のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t4のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t7のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで開閉実行モードの実行期間を把握することが可能となる。
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が開閉実行モード中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が開閉実行モード中のものか否かを区別することが可能となる。
図22(c)に示すようにt8のタイミング〜t11のタイミングに亘って、第9バッファ122iに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第9バッファ122iは高頻度サポートモードの発生の有無に対応している。したがって、図22(e)に示すように第9バッファ122iに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt8のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt11のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t8のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t11のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで高頻度サポートモードの実行期間を把握することが可能となる。
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が高頻度サポートモード中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が高頻度サポートモード中のものか否かを区別することが可能となる。
図22(d)に示すようにt12のタイミング〜t15のタイミングに亘って、第10バッファ122jに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第10バッファ122jは前扉枠14の開放の有無に対応している。したがって、図22(e)に示すように第10バッファ122jに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt12のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt15のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t12のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t15のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで前扉枠14が開放状態となっている期間を把握することが可能となる。
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が前扉枠14の開放中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が前扉枠14の開放中のものか否かを区別することが可能となる。
次に、MPU62の読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置に、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を出力するための処理構成について説明する。図23は主側CPU63にて実行されるデータ出力用処理を示すフローチャートである。なお、データ出力用処理はメイン処理(図7)におけるステップS111にて実行される。
データ出力用処理では、まず読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されていることを示す接続信号を、読み取り用端子102から受信しているか否かを判定する(ステップS901)。読み取り装置は、読み取り用端子102と電気的に接続されている場合に接続信号を出力する構成となっており、読み取り用端子102を通じて当該接続信号を受信している場合にステップS901にて肯定判定をする。
ステップS901にて否定判定をした場合にはそのまま本データ出力用処理を終了する。この場合、データ出力用処理が実行されるようにするためにはMPU62への動作電力の供給が再度開始されるようにする必要がある。これにより、履歴情報の外部出力が行われるようにするためには、読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続した状態でMPU62への動作電力の供給が開始されるようにする必要がある。MPU62への動作電力の供給の停止操作及び開始操作を行うための電源操作部は裏パックユニット15の背面に設けられているため、これら停止操作及び開始操作を行うためには外枠11に対して遊技機本体12を開放させて裏パックユニット15の背面を露出させる必要がある。このような事情において、履歴情報の外部出力が行われるようにするためには読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続した状態でMPU62への動作電力の供給が開始されるようにする必要がある構成とすることで、履歴情報を読み取る操作を遊技ホールの管理者以外が行おうとしても、それを行いづらくさせることが可能となる。
ステップS901にて肯定判定をした場合、読み取り用端子102から制御情報確認用の信号を受信しているか否かを判定することで、読み取り用端子102への読み取り装置の今回の接続が主側ROM64の制御情報(プログラム及びデータ)の確認に対応しているか否かを判定する(ステップS902)。読み取り装置は制御情報の確認及び履歴情報の確認の両方を行うことが可能な構成であり、読み取り装置に対する手動操作により制御情報の確認が選択されている場合には読み取り装置から制御情報確認用の信号が送信され、読み取り装置に対する手動操作により履歴情報の確認が選択されている場合には読み取り装置から履歴確認用の信号が送信される。なお、これに限定されることはなく、制御情報確認用の読み取り装置と履歴確認用の読み取り装置とが別である構成としてもよい。この場合、読み取り用端子102に制御情報確認用の読み取り装置が電気的に接続されている場合には当該読み取り装置から制御情報確認用の信号が送信され、読み取り用端子102に履歴確認用の読み取り装置が電気的に接続されている場合には当該読み取り装置から履歴確認用の信号が送信される。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、制御情報確認用の出力処理を実行する(ステップS903)。当該出力処理では、主側ROM64から制御情報としてプログラム及びデータを読み出し、その読み出した制御情報を読み取り用端子102に出力する。これにより、当該読み取り用端子102に電気的に接続されている読み取り装置において制御情報を読み取ることが可能となり、制御情報が正規のものであるか否か又は正常なものであるか否かの確認を行うことが可能となる。
ステップS902にて否定判定をした場合には、管理側CPU112に出力指示信号を送信する(ステップS904)。具体的には、出力指示信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換える。このHIレベルの出力状態は特定期間に亘って継続される。この特定期間は、第16バッファ122pにHIレベルの出力指示信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。出力指示信号の出力状態がHIレベルに切り換えられることにより、管理側CPU112において履歴情報を出力するための処理が実行される。当該処理については後に詳細に説明する。
ステップS903の処理を実行した場合、又はステップS904の処理を実行した場合、読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が継続されているか否かを判定する(ステップS905)。継続されている場合には(ステップS905:YES)、そのままステップS905にて待機する。これにより、読み取り用端子102に対する読み取り装置の電気的な接続が解除されるまでは、データ出力用処理よりも後の実行順序に設定されている処理が実行されないようにすることが可能となる。読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が解除された場合(ステップS905:NO)、本データ出力用処理を終了する。
次に、管理側CPU112にて実行される外部出力用処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。なお、外部出力用処理は、管理処理(図18)のステップS608にて実行される。
主側CPU63から受信している出力指示信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられた場合(ステップS1001:YES)、ステップS1002以降の履歴情報を出力するための処理を実行する。具体的には、まず履歴用メモリ117の履歴用エリア124においてアウト口24aであることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、アウト口24aへの入球個数を演算する(ステップS1002)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において一般入賞口31であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、一般入賞口31への入球個数を演算する(ステップS1003)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において特電入賞装置32であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、特電入賞装置32への入球個数を演算する(ステップS1004)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において第1作動口33であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、第1作動口33への入球個数を演算する(ステップS1005)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において第2作動口34であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、第2作動口34への入球個数を演算する(ステップS1006)。
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1007)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも前扉枠14が開放状態におけるものとして扱う。
その後、ステップS1002〜ステップS1007の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1008)。具体的には、まずステップS1002〜ステップS1006のそれぞれで算出した入球個数から、ステップS1007にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1002にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K1とし、ステップS1003にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K2とし、ステップS1004にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K3とし、ステップS1005にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K4とし、ステップS1006にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K5とする。
・第1パラメータ:遊遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D1」とする)
・第2パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K2/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
・第3パラメータ:特電入賞装置32への遊技球の合計入球個数K3/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
・第4パラメータ:第1作動口33への遊技球の合計入球個数K4/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D2」とする)
・第5パラメータ:第2作動口34への遊技球の合計入球個数K5/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D3」とする)
・第6パラメータ:D1−(D2×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D3×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において最も古いRTC情報と最も新しいRTC情報とを利用して、今回演算の対象となった履歴情報が全て抽出されるまでに要した合計時間を演算する(ステップS1009)。そして、第1出力処理を実行する(ステップS1010)。第1出力処理では、履歴用メモリ117の履歴用エリア124に格納されている全ての履歴情報を順次、読み取り用端子102に出力する。また、ステップS1008にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力するとともに、ステップS1009にて演算した合計時間を読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第1出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、開閉実行モードである状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1011)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも開閉実行モードにおけるものとして扱う。
その後、ステップS1011にて特定した開閉実行モードである期間のうち、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1012)。これら入球個数の演算の方法は、ステップS1011にて特定した開閉実行モードである期間を前提とする点を除き、ステップS1007の場合と同様である。
その後、ステップS1011及びステップS1012の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1013)。具体的には、まずステップS1011にて算出した各入球個数から、ステップS1012にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1011にて算出したアウト口24aの入球個数に対するステップS1012にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K11とし、ステップS1011にて算出した一般入賞口31の入球個数に対するステップS1012にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K12とし、ステップS1011にて算出した特電入賞装置32の入球個数に対するステップS1012にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K13とし、ステップS1011にて算出した第1作動口33の入球個数に対するステップS1012にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K14とし、ステップS1011にて算出した第2作動口34の入球個数に対するステップS1012にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K15とする。
・第11パラメータ:遊技球の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D11」とする)
・第12パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K12/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合
・第13パラメータ:特電入賞装置32への遊技球の合計入球個数K13/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合
・第14パラメータ:第1作動口33への遊技球の合計入球個数K14/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D12」とする)
・第15パラメータ:第2作動口34への遊技球の合計入球個数K15/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D13」とする)
・第16パラメータ:D11−(D12×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D13×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
・第17パラメータ:(K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第18パラメータ:K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
その後、第2出力処理を実行する(ステップS1014)。第2出力処理では、ステップS1013にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第2出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、高頻度サポートモードである状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1015)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも高頻度サポートモードにおけるものとして扱う。
その後、ステップS1015にて特定した高頻度サポートモードである期間のうち、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1016)。これら入球個数の演算の方法は、ステップS1015にて特定した高頻度サポートモードである期間を前提とする点を除き、ステップS1007の場合と同様である。
その後、ステップS1015及びステップS1016の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1017)。具体的には、まずステップS1015にて算出した各入球個数から、ステップS1016にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1015にて算出したアウト口24aの入球個数に対するステップS1016にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K21とし、ステップS1015にて算出した一般入賞口31の入球個数に対するステップS1016にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K22とし、ステップS1015にて算出した特電入賞装置32の入球個数に対するステップS1016にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K23とし、ステップS1015にて算出した第1作動口33の入球個数に対するステップS1016にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K24とし、ステップS1015にて算出した第2作動口34の入球個数に対するステップS1016にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K25とする。
・第21パラメータ:遊技球の合計払出個数(K22×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K23×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K24×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K25×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D11」とする)
・第22パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K22/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合
・第23パラメータ:特電入賞装置32への遊技球の合計入球個数K23/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合
・第24パラメータ:第1作動口33への遊技球の合計入球個数K24/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D22」とする)
・第25パラメータ:第2作動口34への遊技球の合計入球個数K25/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D23」とする)
・第26パラメータ:D21−(D22×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D23×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
その後、第3出力処理を実行する(ステップS1018)。第3出力処理では、ステップS1017にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第3出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。その後、クリア処理を実行する(ステップS1019)。クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに遊技球が入球した場合に遊技球が払い出されるため、遊技者はこれら入球部のいずれかに遊技球が入球することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34(以下、履歴対象入球部ともいう)のいずれかへの遊技球の入球が発生した場合にはそれに対応する履歴情報が管理用IC66の履歴用メモリ117にて記憶されることとなる。これにより、各履歴対象入球部への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報をパチンコ機10にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで各履歴対象入球部への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、履歴情報がパチンコ機10自身にて記憶保持されることにより、履歴情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
遊技領域PAから遊技球を排出させる全ての入球部が、履歴情報の記憶処理の実行対象となるとともに履歴情報を利用した管理の対象となる。これにより、任意の履歴対象入球部についての入球頻度を、履歴情報を利用して管理することが可能となる。また、遊技領域PAから排出される遊技球の個数に対する各履歴対象入球部への遊技球の入球個数の割合を、履歴情報を利用して管理することが可能となる。
履歴情報には当該履歴情報を記憶させる契機となった履歴対象入球部に遊技球が入球したタイミングに対応する情報であるRTC情報が含まれている。これにより、履歴情報を利用することで、履歴対象入球部への遊技球の入球履歴を詳細に把握することが可能となる。
履歴用メモリ117には、履歴対象入球部に遊技球が入球したことに対応する履歴情報だけではなく、開閉実行モード中であるか否かを示す履歴情報、高頻度サポートモード中であるか否かを示す履歴情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かを示す履歴情報が記憶される。これにより、これら各状況であるか否かを区別して、履歴対象入球部への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。
履歴用メモリ117に格納された履歴情報を、パチンコ機10外部の装置である読み取り装置に出力することが可能である。これにより、読み取り装置にて履歴情報を読み取り、その読み取った履歴情報を利用して履歴対象入球部への遊技球の入球態様を分析することが可能となる。
MPU62には読み取り用端子102が設けられており、当該読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置により主側ROM64からプログラムを読み出すことが可能である。これにより、プログラムが正常なものであるか否かを確認することが可能となる。当該構成において、プログラムを外部出力するための読み取り用端子102を利用して、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報が外部出力される。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、履歴情報を外部出力することが可能となる。
読み取り用端子102から出力すべき情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する側の情報が読み取り用端子102を通じて外部出力される。これにより、プログラムを外部出力するための読み取り用端子102を利用して履歴情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれであるのかがパチンコ機10側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。よって、読み取り用端子102が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置から受信する情報に基づき、当該読み取り用端子102から出力すべき情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれの情報であるのかが特定される。これにより、外部出力の対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
プログラムを予め記憶する主側ROM64を有するMPU62が、管理用IC66及び読み取り用端子102を有する。これにより、読み取り用端子102に対する信号経路をMPU62内に集約することが可能となる。よって、読み取り用端子102への信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球に基づき遊技球が払い出されるようにするための処理を実行する主側CPU63とは別に管理側CPU112が設けられており、当該管理側CPU112にて履歴用メモリ117に履歴情報が記憶されるようにするための処理が実行される。これにより、主側CPU63の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら、各履歴対象入球部への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。
主側CPU63と管理側CPU112とがMPU62として同一のチップに設けられている。これにより、これら主側CPU63と管理側CPU112との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
主側CPU63は各入球検知センサ42a〜48aの検知結果に対応する情報を、入球検知センサ42a〜48aのそれぞれに対応する信号経路を利用して、管理用IC66の入力ポート121の各バッファ122a〜122gに送信する。これにより、主側CPU63から送信される情報の種類と各バッファ122a〜122g(すなわち各信号経路)とが対応することとなり、管理側CPU112にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
主側CPU63は開閉実行モード中であるか否かに対応する情報、高頻度サポートモード中であるか否かに対応する情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かに対応する情報を、これら各状況のそれぞれに対応する信号経路を利用して、管理用IC66の入力ポート121の各バッファ122h〜122jに送信する。これにより、これら各状況に対応する情報の種類と各バッファ122h〜122j(すなわち各信号経路)とが対応することとなり、管理側CPU112にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
主側CPU63は、各バッファ122a〜122j(すなわち各信号経路118a〜118j)がいずれの種類の情報に対応しているのかを示す対応関係情報を管理側CPU112に送信する。これにより、当該対応関係情報を管理用IC66において予め記憶しておく必要が生じない。よって、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合に当該主側CPU63から管理用IC66に対応関係情報が送信される。これにより、履歴対象入球部への遊技球の入球が発生し得る状況においては、主側CPU63から送信される情報と履歴対象入球部との対応関係を管理用IC66にて特定可能となるようにすることが可能となる。
履歴対象入球部への遊技球の入球の有無を示す情報を送信するための信号経路118a〜118gを利用して、対応関係情報が主側CPU63から管理用IC66に送信される。これにより、対応関係情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
管理用IC66には対応関係用メモリ116が設けられており、主側CPU63から管理用IC66に送信された対応関係情報は対応関係用メモリ116にて記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する履歴対象入球部を管理用IC66にて特定可能とする情報を、主側CPU63から各入球検知センサ42a〜48aの検知結果の情報を送信する度に提供する必要がなくなる。よって、主側CPU63から送信される各入球検知センサ42a〜48aの検知結果の情報の情報量を抑えることが可能となる。
主側CPU63から管理用IC66に出力されている出力指示信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わることにより、管理用IC66から読み取り用端子102への情報出力が行われる。この場合に、第16バッファ122pに対応する信号経路が出力指示信号に対応していることは、主側CPU63からの対応関係情報を受信しなくても管理側CPU112にて特定可能となっている。これにより、対応関係情報の送信に関する構成が極端に複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
管理用IC66には、主側CPU63からの情報を受信することが可能なバッファ122a〜122pとして、主側CPU63から管理用IC66に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数のバッファが設けられている。これにより、パチンコ機10の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であってもバッファ122a〜122pに関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
管理用IC66から履歴情報が読み取り用端子102に送信される場合、当該履歴情報に対応する履歴対象入球部の種類を示す対応関係情報が各履歴情報に含まれている。これにより、読み取った履歴情報を利用して、各履歴対象入球部への遊技球の入球態様を特定することが可能となる。
管理用IC66において、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を利用することにより、所定の期間における遊技領域PAの遊技球の入球態様に対応する各種パラメータ(第1〜8,11〜18,21〜26パラメータ)が演算される。これにより、履歴情報を利用して演算した結果である各種パラメータを外部出力することが可能となる。
前扉枠14が開放中である状況に対応する履歴情報を除外した状態で各種パラメータが演算される。これにより、前扉枠14が閉鎖状態である正常な状況における各種パラメータを導き出すことが可能となる。また、開閉実行モードである状況及び高頻度サポートモードである状況のそれぞれに対応した各種パラメータが演算される。これにより、各状況に応じた遊技球の入球態様を遊技ホールの管理者などが把握することが可能となる。
各種パラメータが演算された場合、履歴用メモリ117のクリア処理が実行されることにより当該履歴用メモリ117が初期化される。これにより、履歴用メモリ117の記憶容量を超えてしまうほどの履歴情報が履歴用メモリ117への記憶対象となってしまい、本来なら記憶保持されるべき履歴情報が上書きによって消去されてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
各種パラメータを読み取り用端子102に出力する場合、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報も読み取り用端子102に出力される。これにより、各種パラメータを読み出して遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を分析する場合に、各種パラメータだけではなく、各種パラメータの演算の根拠となった履歴情報を参照することが可能となる。
管理側CPU112は読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されている場合に各種パラメータを演算する。これにより、各種パラメータを演算する頻度を少なくすることが可能となる。
読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されていることが主側CPU63にて特定され、当該主側CPU63から出力指示の情報が送信された場合に管理用IC66にて各種パラメータが演算され、その演算結果の各種パラメータなどが読み取り用端子102に出力される。これにより、主側CPU63からの指示に基づき、各種パラメータがパチンコ機10外部の読み取り装置に出力されるようにすることが可能となる。
主側CPU63にて実行される動作電力の供給開始時の処理にて読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されているか否かが特定され、読み取り装置が電気的に接続されていることが特定された場合に主側CPU63から管理用IC66に出力指示の情報が送信される。これにより、主側CPU63などにて動作電力の供給開始時の処理が実行されている状況において、すなわち主側CPU63にて遊技を進行させるための通常の処理が開始される前の状況において、各種パラメータの演算及びその演算結果の各種パラメータの外部出力が完了することとなる。よって、履歴対象入球部への遊技球の入球が発生し得る状況において各種パラメータの演算及びその演算結果の外部出力が行われないようにすることが可能となり、管理用IC66の処理負荷を軽減することが可能となる。
第1作動口33や第2作動口34への遊技球の入球が発生した場合にそれに対応する外部出力が外部端子板97を通じて行われる構成において、履歴情報が履歴用メモリ117に記憶される。これにより、外部端子板97を通じて外部出力される情報を利用することで第1作動口33や第2作動口34への遊技球の入球個数及び入球頻度を簡易的に把握しながら、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を利用することで履歴対象入球部への遊技球の入球個数及び入球頻度を正確に把握することが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、管理側I/F111における入力ポート121の第1〜第16バッファ122a〜122pのうち、入力される信号の種類が管理用IC66の設計段階において決定されているバッファの種類が上記第1の実施形態と相違している。また、入力される信号の種類を管理側CPU112に特定させるために主側CPU63にて実行される処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図25は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
第1〜第7バッファ122a〜122g及び第16バッファ122pには、上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には、第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
一方、上記第1の実施形態では開閉実行モードに対応する信号が第8信号として第8バッファ122hに入力され、高頻度サポートモードに対応する信号が第9信号として第9バッファ122iに入力され、前扉枠14に対応する信号が第10信号として第10バッファ122jに入力される構成としたが、本実施形態ではこれら信号の入力対象となるバッファが異なっている。具体的には、開閉実行モードに対応する信号は開閉実行モード中信号として第13バッファ122mに入力され、高頻度サポートモードに対応する信号は高頻度サポートモード中信号として第14バッファ122nに入力され、前扉枠14に対応する信号は扉開放中信号として第15バッファ122oに入力される。
第13バッファ122mに開閉実行モード中信号が入力されること、第14バッファ122nに高頻度サポートモード中信号が入力されること、第15バッファ122oに扉開放中信号が入力されること、及び第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112はこれら第13〜第16バッファ122m〜122pにそれぞれに対応する上記各信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1〜第12バッファ122a〜122lにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。
図26は主側CPU63にて実行される本実施形態の認識用処理を示すフローチャートである。なお、認識用処理は上記第1の実施形態と同様にメイン処理(図7)におけるステップS110にて実行される。
まず主側RAM65の認識用出力カウンタに、信号の種類の認識対象となる第1〜第12バッファ122a〜122lの数である「12」をセットする(ステップS1101)。その後、識別開始信号の出力処理を実行する(ステップS1102)。当該出力処理では、第1バッファ122aに入力される第1信号、第13バッファ122mに入力される開閉実行モード中信号、第14バッファ122nに入力される高頻度サポートモード中信号のそれぞれの出力状態をHIレベルに設定することで、識別開始信号の出力を開始する。これら信号をHIレベルに維持する期間は、これら信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの現状の値に対応する出力回数の情報を主側ROM64から読み出し、その読み出した出力回数の情報を主側RAM65に設けられた出力回数カウンタにセットする(ステップS1103)。出力回数カウンタは、種類識別用信号の出力回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
本実施形態では、第1バッファ122a〜第12バッファ122lに入力される信号の種類を管理側CPU112に認識させる場合、その信号の種類に対応する入球部に対して設定されている賞球個数と同一回数、種類識別用信号を出力する。管理側CPU112は第1バッファ122a〜第12バッファ122lのそれぞれについて種類識別用信号を受信した回数に対応する情報を、対応関係用メモリ116の第1〜第12対応関係エリア123a〜123lに格納する。つまり、第1バッファ122a〜第12バッファ122lに入力される信号の種類が、その信号の種類に対応する入球部に対して設定されている賞球個数として把握される。
ステップS1103では、認識用出力カウンタの値が「12」、「11」及び「10」のいずれかである場合、一般入賞口31の賞球個数に対応する「10」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「9」である場合、特電入賞装置32の賞球個数に対応する「15」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「8」である場合、第1作動口33の賞球個数に対応する「1」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「7」である場合、第2作動口34の賞球個数に対応する「1」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「6」である場合、アウト口24aに対応しているものの当該アウト口24aに遊技球が入球したとしても遊技球の払い出しは実行されないため、出力回数カウンタに「0」をセットする。また、認識用出力カウンタの値が「5」〜「1」のいずれかである場合、対応する入球部が存在しておらずブランクであるため、出力回数カウンタに「0」をセットする。
その後、開始契機信号の出力処理を実行する(ステップS1104)。当該出力処理では、第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態をHIレベルに設定することで、開始契機信号の出力を開始する。第1信号をHIレベルに維持する期間は、第1信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の出力回数カウンタの値が「0」ではないことを条件として(ステップS1105:YES)、すなわちステップS1103にて1以上の値が出力回数カウンタにセットされたことを条件として、ステップS1106に進む。ステップS1106では、種類識別用信号の出力処理を実行する。当該出力処理では、第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態をHIレベルに設定することで、種類識別信号の出力を開始する。第2信号をHIレベルに維持する期間は、第2信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の出力回数カウンタの値を1減算し(ステップS1107)、その1減算後における出力回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1108)。出力回数カウンタの値が1以上である場合には(ステップS1108:NO)、ステップS1106に戻る。
ステップS1105にて肯定判定をした場合、又はステップS1108にて肯定判定をした場合、終了契機信号の出力処理を実行する(ステップS1109)。当該出力処理では、第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態をHIレベルに設定することで、終了契機信号の出力を開始する。第3信号をHIレベルに維持する期間は、第3信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの値を1減算し(ステップS1110)、その1減算後における認識用出力カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1111)。認識用出力カウンタの値が1以上である場合には(ステップS1111:NO)、ステップS1103に戻り、1減算後における認識用出力カウンタの値に対応する信号の種類を認識させるための処理を実行する。
一方、認識用出力カウンタの値が「0」である場合には(ステップS1111:YES)、識別終了信号の出力処理を実行する(ステップS1112)。当該出力処理では、第3バッファ122cに入力される第3信号、第13バッファ122mに入力される開閉実行モード中信号、第14バッファ122nに入力される高頻度サポートモード中信号のそれぞれの出力状態をHIレベルに設定することで、識別終了信号の出力を開始する。これら信号をHIレベルに維持する期間は、これら信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
次に、管理側CPU112にて実行される本実施形態における管理処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。管理処理は、上記第1の実施形態と同様に管理側CPU112への動作電力の供給が開始された場合に開始される。
主側CPU63からの識別開始信号の受信が終了した場合(ステップS1201:YES)、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1202)。その後、主側CPU63から開始契機信号を受信していることを条件として(ステップS1203:YES)、ステップS1204に進む。ステップS1204では、主側CPU63から種類識別用信号を受信しているか否かを判定する。種類識別用信号を受信している場合(ステップS1204:YES)、管理側RAM114に設けられた受信回数カウンタの値を1加算する(ステップS1205)。受信回数カウンタは、主側CPU63から種類識別用信号を受信した回数を管理側CPU112にて特定するためのカウンタである。なお、受信回数カウンタの値はステップS1203にて肯定判定をした場合に「0」クリアされる。
ステップS1204にて否定判定をした場合、又はステップS1205の処理を実行した場合、主側CPU63から終了契機信号を受信しているか否かを判定する(ステップS1206)。終了契機信号を受信していない場合(ステップS1206:NO)、ステップS1204に戻り、終了契機信号を受信している場合(ステップS1206:YES)、対応関係設定処理を実行する(ステップS1207)。対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1〜第12対応関係エリア123a〜123lのうち、管理側RAM114の設定対象カウンタにおける現状の値に対応する対応関係エリアに、受信回数カウンタにセットされている値を格納する。この場合、第1対応関係エリア123a、第2対応関係エリア123b及び第3対応関係エリア123cには一般入賞口31の賞球個数に対応する「10」がセットされ、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32の賞球個数に対応する「15」がセットされ、第5対応関係エリア123eには第1作動口33の賞球個数に対応する「1」がセットされ、第6対応関係エリア123fには第2作動口34の賞球個数に対応する「1」がセットされる。また、第7〜第12対応関係エリア123g〜123lには「0」がセットされる。その後、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を1加算する(ステップS1208)。
ステップS1203にて否定判定をした場合、又はステップS1208の処理を実行した場合、主側CPU63からの識別終了信号の受信が終了したか否かを判定する(ステップS1209)。識別終了信号の受信が終了していない場合(ステップS1209:NO)、ステップS1203に戻り、主側CPU63から開始契機信号を受信することを条件として(ステップS1203:YES)、ステップS1204以降の処理を実行する。主側CPU63からの識別終了信号の受信が終了している場合(ステップS1209:YES)、ステップS1210の履歴設定処理及びステップS1211の外部出力用処理を繰り返し実行する。
図28は第1〜第12バッファ122a〜122lとこれらバッファ122a〜122lに入力される信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリ116に格納される様子を示すタイムチャートである。図28(a)は第1信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図28(b)は第2信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図28(c)は第3信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図28(d)は開閉実行モード中信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図28(e)は高頻度サポートモード中信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図28(f)は第1〜第12バッファ122a〜122lとこれらバッファ122a〜122lに入力される信号の種類との対応関係を識別するための処理が実行される識別状態の実行期間を示し、図28(g)は管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算されるタイミングを示し、図28(h)は管理側CPU112にて対応関係設定処理(ステップS1207)が実行されるタイミングを示す。
主側CPU63及び管理側CPU112への動作電力の供給が開始されることで、t1のタイミングで、図28(a)、図28(d)及び図28(e)に示すように、第1信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別開始信号の出力が開始される。その後、t2のタイミングで、第1信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がHIレベルからLOWベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別開始信号の出力が停止される。当該t2のタイミングで、管理側CPU112は管理処理(図27)のステップS1201にて肯定判定をすることで、図28(f)に示すように識別状態となる。
その後、t3のタイミング〜t4のタイミングに亘って図28(a)に示すように第1信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に開始契機信号が出力された状態となる。そして、t5のタイミング〜t7のタイミングに亘って図28(b)に示すように第2信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に種類識別用信号が1回出力された状態となる。この場合、t6のタイミングで、図28(g)に示すように管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算される。
その後、t8のタイミング〜t10のタイミングに亘って図28(c)に示すように第3信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に終了契機信号が出力された状態となる。この場合、t9のタイミングで、図28(h)に示すように管理側CPU112にて対応関係設定処理が実行される。当該対応関係設定処理が実行されるタイミングでは受信回数カウンタの値が「1」となっているため、対応関係用メモリ116における今回の設定対象の対応関係エリア123a〜123lに対応関係情報として「1」の情報を格納する。
その後、t11のタイミング〜t12のタイミングに亘って図28(a)に示すように第1信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に開始契機信号が出力された状態となる。そして、t13のタイミング〜t15のタイミング、t16のタイミング〜t18のタイミング、t19のタイミング〜t21のタイミング、及びt22のタイミング〜t24のタイミングのそれぞれに亘って図28(b)に示すように第2信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に種類識別用信号がそれぞれ1回出力された状態となる。この場合、t14のタイミング、t17のタイミング、t20のタイミング、t23のタイミングのそれぞれで、図28(g)に示すように管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算される。
その後、t25のタイミング〜t27のタイミングに亘って図28(c)に示すように第3信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に終了契機信号が出力された状態となる。この場合、t26のタイミングで、図28(h)に示すように管理側CPU112にて対応関係設定処理が実行される。当該対応関係設定処理が実行されるタイミングでは受信回数カウンタの値が「10」となっているため、対応関係用メモリ116における今回の設定対象の対応関係エリア123a〜123lに対応関係情報として「10」の情報を格納する。
その後、t28のタイミングで、図28(c)、図28(d)及び図28(e)に示すように、第3信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別終了信号の出力が開始される。その後、t29のタイミングで、第3信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がHIレベルからLOWベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別終了信号の出力が停止される。当該t29のタイミングで、管理側CPU112は管理処理(図27)のステップS1209にて肯定判定をすることで、図28(f)に示すように識別状態が解除される。
なお、本実施形態では対応関係情報として賞球個数の情報が格納されるため、履歴用メモリ117に格納される履歴情報にはその履歴情報の格納契機となった入球部に対応する賞球個数の情報が対応関係情報として含まれる。当該構成においては、賞球個数が同一である入球部が複数種類存在している場合、履歴情報においてそれら入球部を区別することができない。具体的には、第1作動口33と第2作動口34とは賞球個数がいずれも1個であるため、履歴情報において第1作動口33と第2作動口34とを区別することができない。このような事情において第1作動口33と第2作動口34との賞球個数を異ならせてもよい。これにより、本第2の実施形態のような履歴情報が格納される構成であっても、履歴情報において第1作動口33と第2作動口34とを区別することが可能となる。
また、本実施形態では履歴設定処理のステップS801において管理側RAM114の確認対象カウンタに「15」をセットする。これにより、第1〜第15バッファ122a〜122oの全てが確認対象となる。
以上詳述した本実施形態によれば、出力指示信号だけではなく、開閉実行モード中であるか否かに対応する情報、高頻度サポートモード中であるか否かに対応する情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かに対応する情報についても、これら情報に対応する信号経路であることを主側CPU63からの対応関係情報を受信しなくても管理側CPU112にて特定可能となっている。この場合、各入球検知センサ42a〜48aの検知結果に対応する情報のみが、各情報と各信号経路118a〜118gとの対応関係を主側CPU63から管理側CPU112に認識させる必要がある情報となる。そして、対応関係情報を管理側CPU112に認識させる場合、各入球検知センサ42a〜48aに対応する賞球個数と同一の数のパルス信号が第2信号を利用して主側CPU63から管理側CPU112に出力される。これにより、対応関係情報の送信に関する構成を簡素化することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される契機が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図29は本実施形態における管理用IC66の電気的構成を説明するためのブロック図である。管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113、管理側RAM114、RTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられている。これらの機能は上記第1の実施形態と同様である。
管理用IC66には上記以外にも演算結果用メモリ131が設けられている。本実施形態では詳細は後述するように演算契機が発生した場合に、その時点で履歴用メモリ117に格納されている履歴情報を利用して管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。そして、その演算された各種パラメータは演算結果用メモリ131に順次記憶される。演算結果用メモリ131に記憶された各種パラメータは、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置に出力される。
各種パラメータの演算契機は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されるタイミングよりも前に発生する。これにより、各種パラメータを演算する時期と、読み取り装置に外部出力する時期とを異ならせることが可能となり、処理負荷を分散させることが可能となる。
また、各種パラメータの演算結果を格納するための演算結果用メモリ131が設けられていることにより、1回の演算契機分の各種パラメータだけではなく、複数回の演算契機分の各種パラメータをまとめて記憶しておくことが可能となる。これにより、各回の演算契機において各種パラメータを算出するまでに要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
図30は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
第1〜第10バッファ122a〜122j及び第16バッファ122pには上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には、第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第8バッファ122hには開閉実行モードに対応する信号が入力され、第9バッファ122iには高頻度サポートモードに対応する信号が入力され、第10バッファ122jには前扉枠14に対応する信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
本実施形態では、上記各種信号以外にも、第15バッファ122oに演算指示信号が入力される。演算指示信号は、各種パラメータの演算契機を管理側CPU112に提供するために主側CPU63から出力される信号である。第15バッファ122oに演算指示信号が入力されることは、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることと同様に、管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112はこれら第15〜第16バッファ122o〜122pにそれぞれに対応する上記各信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1〜第14バッファ122a〜122nにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。
次に、演算契機の発生に対して管理側CPU112にて各種パラメータの演算が実行されるようにするための処理構成について説明する。図31は主側CPU63にて実行される停電情報記憶処理を示すフローチャートである。なお、停電情報記憶処理はタイマ割込み処理(図8)におけるステップS201にて実行される。
停電情報記憶処理では、停電監視基板67から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信している場合(ステップS1301:YES)、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS1302)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。その後、ステップS1303にて停電時処理を実行した後に、無限ループとなり、主側CPU63への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。停電時処理では、主側RAM65の停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムを算出しその算出したチェックサムを保存する。
図32は管理側CPU112にて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。なお、停電対応処理は管理処理(図18)における外部出力用処理の後に実行される構成であり、管理処理では主側CPU63から識別終了コマンドを受信した後は(ステップS606:YES)、ステップS607の履歴設定処理、ステップS608の外部出力用処理、及び停電対応処理をこの順序で繰り返し実行する。
停電対応処理では、主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS1401:YES)、ステップS1402〜ステップS1406にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1002〜ステップS1006と同様に、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれに対する入球個数を演算する。また、ステップS1407にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1007と同様に、前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS1408にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1008と同様に、各種パラメータを演算し、ステップS1409にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1009と同様に、合計時間を演算する。そして、ステップS1408の演算結果の情報及びステップS1409の演算結果の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS1410)。この場合、演算結果用メモリ131に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
その後、ステップS1411にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1011と同様に、開閉実行モード中の各種入球個数を演算し、ステップS1412にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1012と同様に、開閉実行モード中であって前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS1413にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1013と同様に、各種パラメータを演算する。そして、ステップS1414の演算結果の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS1414)。この場合、演算結果用メモリ131に既に記憶されている他の演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
その後、ステップS1415にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1015と同様に、高頻度サポートモード中の各種入球個数を演算し、ステップS1416にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1016と同様に、高頻度サポートモード中であって前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS1417にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1017と同様に、各種パラメータを演算する。そして、ステップS1417の演算結果の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS1418)。この場合、演算結果用メモリ131に既に記憶されている他の演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。その後、無限ループとなり、管理側CPU112への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。
図33は管理側CPU112にて実行される外部出力用処理を示すフローチャートである。なお、外部出力用処理は管理処理(図18)のステップS608にて実行される。
主側CPU63から出力指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS1501:YES)、演算結果の出力処理を実行する(ステップS1502)。当該出力処理では、演算結果用メモリ131に記憶されている各種演算結果を読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、演算結果用メモリ131に記憶されている各種演算結果が読み取られる。この場合、演算結果用メモリ131に1回の演算契機の発生に対応する各種演算結果のみが記憶されている場合にはその1回の演算契機の発生に対応する各種演算結果のみが読み取り装置において読み取られ、演算結果用メモリ131に複数回の演算契機の発生に対応する各種演算結果が記憶されている場合にはそれら複数回の演算契機の発生に対応する各種演算結果が読み取り装置において読み取られる。
その後、履歴情報の出力処理を実行する(ステップS1503)。当該出力処理では、履歴用メモリ117の履歴用エリア124に格納されている全ての履歴情報を順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、履歴用エリア124に格納されている各種履歴情報が読み取られる。このように各種演算結果だけではなく履歴情報も出力することで、各種演算結果に対する詳細な分析を読み取り装置を利用した作業者において行うことが可能となる。
その後、クリア処理を実行する(ステップS1504)。クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。また、クリア処理では、演算結果用メモリ131の各エリアを全て「0」クリアする。これにより、演算結果用メモリ131が初期化された状態となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主側CPU63への動作電力の供給が停止される場合に管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。これにより、各営業日単位で各種パラメータを管理することが可能となる。
主側CPU63において動作電力の供給が停止されることが特定された場合に演算指示信号の出力状態がHIレベルに変更されることにより、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。これにより、主側CPU63からの指示に基づき管理側CPU112にて各種パラメータが演算されるようにすることが可能となる。
管理側CPU112にて演算された各種パラメータは演算結果用メモリ131に順次書き込まれていく。これにより、各種パラメータを管理用IC66にて蓄積していくことが可能となり、読み取り装置により各種パラメータを読み取る場合には、複数の営業日の各種パラメータをまとめて読み出すことが可能となる。
演算結果用メモリ131に各種パラメータが書き込まれる場合、その各種パラメータが演算された時期を特定可能とする情報が当該各種パラメータに付随させて演算結果用メモリ131に書き込まれる。これにより、各種パラメータが演算された時期を把握しながら、各種パラメータ情報を分析することが可能となる。
なお、演算契機が発生してそれに対する各種パラメータの演算結果が演算結果用メモリ131に書き込まれた場合には履歴用メモリ117を「0」クリアする構成としてもよい。これにより、記憶可能な上限数の履歴情報が既に履歴用メモリ117に記憶されている状況において新たな履歴情報が履歴用メモリ117への書き込み対象となってしまう事象が発生しづらくなる。
また、読み取り装置に外部出力される対象の情報が演算結果用メモリ131に記憶されている各種パラメータの情報だけであり、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報は外部出力されない構成としてもよい。これにより、外部出力される情報量を抑えることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて実行される停電対応処理の処理構成が上記第3の実施形態と相違している。以下、上記第3の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第3の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図34は本実施形態において管理側CPU112にて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。
主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS1601:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS1602)。各種演算処理では、上記第3の実施形態における停電対応処理(図32)のステップS1402〜ステップS1409、ステップS1411〜ステップS1413、及びステップS1415〜ステップS1417の各処理を実行する。
その後、ステップS1602にて演算した各種パラメータのうち所定のパラメータが基準範囲であるか否かを判定する(ステップS1603)。具体的には、
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
の2つのパラメータが基準範囲であるか否かの判定対象のパラメータとして設定されている。そして、第7パラメータの値が0.7以下であって、第8パラメータの値が0.6以下である場合、所定のパラメータが基準範囲であるとしてステップS1603にて肯定判定をする。
なお、所定のパラメータは第7パラメータ及び第8パラメータに限定されることはなく、これらに代えて又は加えて、他のパラメータが所定のパラメータとして設定されている構成としてもよい。例えば、
・第2パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K2/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
が所定のパラメータとして設定されている構成としてもよい。この場合、例えば第2パラメータの値が0.1以上であって0.2以下である場合に、所定のパラメータが基準範囲であると判定される構成としてもよい。また、ステップS1603にて判定対象となる所定のパラメータのみがステップS1602の各種演算処理にて演算される構成としてもよい。
所定のパラメータが基準範囲ではない場合(ステップS1603:NO)、ステップS1602にて演算した各種パラメータを演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS1604)。この場合、演算結果用メモリ131に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
一方、所定のパラメータが基準範囲である場合(ステップS1603:YES)、ステップS1604の処理を実行しない。これにより、所定のパラメータが基準範囲ではない場合における各種パラメータのみが演算結果用メモリ131に書き込まれることとなる。よって、異常な状況が発生した場合にはその履歴を演算結果用メモリ131に残すようにしながら、演算結果用メモリ131として必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
ステップS1603にて肯定判定をした場合、又はステップS1604の処理を実行した場合、履歴用メモリ117のクリア処理を実行する(ステップS1605)。当該クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。ステップS1605の処理を実行した後、無限ループとなり、管理側CPU112への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。
以上詳述した本実施形態によれば、演算された各種パラメータの内容が基準範囲に含まれるか否かが判定され、基準範囲に含まれると判定された各種パラメータのみが演算結果用メモリ131に書き込まれる。これにより、演算結果用メモリ131への記憶対象となる各種パラメータの量を抑えることが可能となり、演算結果用メモリ131において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第3の実施形態と相違している。以下、上記第3の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第3の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図35(a)は主側CPU63にて実行される契機特定処理を示すフローチャートである。なお、契機特定処理は管理用出力処理(図20)においてステップS712にて肯定判定をした場合の処理として実行される。
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したか否かを判定する(ステップS1701)。ステップS1701にて肯定判定をした場合、主側RAM65に設けられた入球カウンタの加算処理を実行する(ステップS1702)。当該加算処理では、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生した遊技球の個数を、今回の処理回の管理用出力処理(図20)においてステップS705が実行された回数に基づき特定する。そして、その特定した遊技球の個数を、入球カウンタに加算する。
その後、入球カウンタの値が契機基準個数である「500」以上となっているか否かを判定する(ステップS1703)。「500」以上である場合(ステップS1703:YES)、主側RAM65の入球カウンタの減算処理を実行する(ステップS1704)。当該減算処理では、入球カウンタの値を「500」減算する。その後、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS1705)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。
図35(b)は管理側CPU112にて実行される演算処理を示すフローチャートである。なお、演算処理は上記第3の実施形態における停電対応処理の代わりに実行される処理である。したがって、演算処理は管理処理(図18)における外部出力用処理の後に実行される構成であり、管理処理では主側CPU63から識別終了コマンドを受信した後は(ステップS606:YES)、ステップS607の履歴設定処理、ステップS608の外部出力用処理、及び演算処理をこの順序で繰り返し実行する。
主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS1801:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS1802)。各種演算処理では、上記第3の実施形態における停電対応処理(図32)のステップS1402〜ステップS1418と同一の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となる度に、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。この場合、主側CPU63に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に各種パラメータが演算されるため、一営業日の範囲内において遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となったか否かに基づいて各種パラメータが演算される構成であるため、遊技が実行されていることを条件に各種パラメータが演算される。これにより、遊技が継続して実行されていない状況において無意味に各種パラメータの演算が行われてしまわないようにすることが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第5の実施形態と相違している。以下、上記第5の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第5の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図36は主側CPU63にて実行される契機特定処理を示すフローチャートである。なお、契機特定処理は管理用出力処理(図20)においてステップS712にて肯定判定をした場合の処理として実行される。
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したか否かを判定する(ステップS1901)。ステップS1901にて否定判定をした場合、主側RAM65に設けられた継続カウンタの値を1加算する(ステップS1902)。継続カウンタは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれにも遊技球が入球しない状態が継続している期間を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
1加算後の継続カウンタの値が停止基準値以上である場合(ステップS1903:YES)、主側RAM65に設けられた時間計測フラグを「0」クリアする(ステップS1904)。アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれにも遊技球が入球しない状態が5秒継続した場合にステップS1903にて肯定判定をするように停止基準値が設定されている。また、時間計測フラグは、演算指示信号の出力状態をHIレベルに切り換えるタイミングを特定するための時間の計測を行うべきか否かを主側CPU63にて特定するためのフラグであり、時間計測フラグの値が「0」である場合には当該時間の計測を行わず、時間計測フラグの値が「1」である場合に当該時間の計測を行う。ステップS1901にて肯定判定をした場合には、時間計測フラグに「1」をセットする(ステップS1905)。
ステップS1903にて否定判定をした場合、ステップS1904の処理を実行した場合、又はステップS1905の処理を実行した場合、主側RAM65の時間計測フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS1906:YES)、主側RAM65に設けられた計測カウンタの値を1加算する(ステップS1907)。計測カウンタは、演算指示信号の出力状態をHIレベルに切り換えるタイミングを特定するための時間を計測するために利用されるカウンタである。
1加算後の計測カウンタの値が指示基準値以上であるか否かを判定する(ステップS1908)。計測カウンタにおいて計測された時間が10時間となった場合にステップS1908にて肯定判定をするように指示基準値が設定されている。ステップS1908にて肯定判定をした場合、当該計測カウンタの値を「0」クリアするとともに(ステップS1909)、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS1910)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、所定期間が経過する度に各種パラメータが演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで各種パラメータの演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技回が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を各種パラメータの演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における各種パラメータを適切に導き出すことが可能となる。
なお、所定期間が経過したか否かが計測カウンタを利用して計測される構成に代えて、RTC115を利用して計測される構成としてもよい。
<第7の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第1の実施形態と相違しているとともに、演算契機の発生の有無が主側CPU63にて特定されるのではなく管理側CPU112にて独自に行われる。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図37は管理側CPU112にて実行される演算処理を示すフローチャートである。なお、演算処理は履歴設定処理(図21)においてステップS812にて肯定判定をした場合に実行される。
今回の処理回の履歴設定処理においてアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したことに対応する履歴情報を履歴用メモリ117に格納したか否かを判定する(ステップS2001)。ステップS2001にて肯定判定をした場合、管理側RAM114に設けられた入球カウンタの加算処理を実行する(ステップS2002)。当該加算処理では、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生した遊技球の個数を、今回の処理回の履歴設定処理において遊技球の入球の発生に対応する履歴情報を格納した回数に基づき特定する。そして、その特定した遊技球の個数を入球カウンタに加算する。
その後、入球カウンタの値が契機基準個数である「500」以上となっているか否かを判定する(ステップS2003)。「500」以上である場合(ステップS2003:YES)、主側RAM65の入球カウンタの減算処理を実行する(ステップS2004)。当該減算処理では、入球カウンタの値を「500」減算する。その後、各種演算処理を実行する(ステップS2005)。各種演算処理では、上記第3の実施形態における停電対応処理(図32)のステップS1402〜ステップS1418と同一の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となる度に、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。この場合、主側CPU63に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に各種パラメータが演算されるため、一営業日の範囲内において遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となったか否かに基づいて各種パラメータが演算される構成であるため、遊技が実行されていることを条件に各種パラメータが演算される。これにより、遊技が継続して実行されていない状況において無意味に各種パラメータの演算が行われてしまわないようにすることが可能となる。
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理側CPU112にて計測され、当該合計個数が契機基準個数以上となったか否かの判定が管理側CPU112にて行われる。つまり、各種パラメータの演算契機が管理側CPU112にて独自に判断される。これにより、各種パラメータの演算契機を判断するための処理を主側CPU63にて実行する必要がないため、主側CPU63の処理負荷を軽減することが可能となる。
<第8の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて実行される履歴設定処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では上記第3の実施形態と同様に管理用IC66に演算結果用メモリ131が設けられている(図29参照)。管理側CPU112は演算契機が発生した場合、履歴用メモリ117に格納されている履歴情報を利用して各種パラメータを演算し、その演算結果の各種パラメータを演算結果用メモリ131に書き込む。また、本実施形態では開閉実行モードが開始されたことを示す信号と、開閉実行モードが終了したことを示す信号と、高頻度サポートモードが開始されたことを示す信号と、高頻度サポートモードが終了したことを示す信号と、前扉枠14の開放が開始されたことを示す信号と、前扉枠14の開放が終了したことを示す信号と、がそれぞれ個別に主側CPU63から管理用IC66に送信される。
図38は管理側CPU112にて実行される本実施形態における履歴設定処理を示すフローチャートである。
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS2101)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1〜第15対応関係エリア123a〜123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本実施形態では第1〜第7対応関係エリア123a〜123gにいずれかの入球部に対応していることを示す情報が格納されており、第8対応関係エリア123hに開閉実行モードの開始に対応する情報が格納されており、第9対応関係エリア123iに開閉実行モードの終了に対応する情報が格納されており、第10対応関係エリア123jに高頻度サポートモードの開始に対応する情報が格納されており、第11対応関係エリア123kに高頻度サポートモードの終了に対応する情報が格納されており、第12対応関係エリア123lに前扉枠14の開放開始に対応する情報が格納されており、第13対応関係エリア123mに前扉枠14の開放終了に対応する情報が格納されている。したがって、ステップS2101では確認対象カウンタに「13」をセットする。
その後、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS2102)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a〜122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10バッファ122jが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となる。
ステップS2102にて肯定判定をした場合には、RTC115から年月日情報及び時刻情報であるRTC情報を読み出す(ステップS2103)。そして、履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS2104)。当該書き込み処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126を参照することで現状の書き込み対象となっている履歴用エリア124のポインタ情報を特定し、その書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS2103にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a〜123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第n対応関係エリア123a〜123oが対応関係情報の読み出し対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10対応関係エリア123jが対応関係情報の読み出し対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となる。
その後、対象ポインタの値を1加算する(ステップS2105)。具体的には、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126に格納されている数値情報を読み出し、その数値情報を1加算する。そして、その1加算後におけるポインタ情報が、履歴用エリア124におけるポインタ情報の最大値を超えたか否かを判定する(ステップS2106)。
最大値を超えている場合(ステップS2106:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS2107)。各種演算処理では、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図24)のステップS1002〜ステップS1009、ステップS1011〜ステップS1013及びステップS1015〜ステップS1017と同一の処理を実行する。そして、その演算結果の各種パラメータ及び合計時間の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS2108)。この場合、演算結果用メモリ131に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
その後、状態情報の引き継ぎ処理を実行する(ステップS2109)。当該引き継ぎ処理では、履歴用メモリ117に格納されている履歴情報に基づき、現状が開閉実行モード中であるか否か、高頻度サポートモード中であるか否か、及び前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。そして、それらの状態情報を管理側RAM114に書き込む。
その後、履歴用メモリ117のクリア処理を実行する(ステップS2110)。当該クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。また、当該クリア処理を実行した後に、ステップS2109にて管理側RAM114に書き込んだ状態情報を読み出す。そして、開閉実行モード中であることを示す状態情報が記憶されている場合には開閉実行モード中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。また、高頻度サポートモード中であることを示す状態情報が記憶されている場合には高頻度サポートモード中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。また、前扉枠14が開放中であることを示す状態情報が格納されている場合には前扉枠14が開放中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。
ステップS2102にて否定判定をした場合、ステップS2106にて否定判定をした場合、又はステップS2110の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS2111)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2112)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2112:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS2102以降の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報が当該履歴用メモリ117に記憶可能な上限数を超える場合に各種パラメータが演算される。これにより、履歴用メモリ117に記憶可能な上限数を超えて履歴情報が記憶対象となってしまい各種パラメータの演算を正確に行えなくなってしまうという事態の発生を阻止することが可能となる。
また、各種パラメータが演算された場合に履歴用メモリ117が初期化されて履歴情報が全て消去される。これにより、既に各種パラメータの演算対象となった履歴情報が、再度、各種パラメータの演算対象となってしまわないようにすることが可能となる。
また、履歴用メモリ117が初期化された場合であっても状態情報の引き継ぎ処理が実行される。これにより、状態情報の管理を適切に行うことが可能となる。
<第9の実施形態>
本実施形態では、履歴用メモリ117の構成及び管理側CPU112にて実行される履歴設定処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図39は本実施形態における履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。履歴用メモリ117には、合計用エリア141と、第1状態用エリア142と、第2状態用エリア143と、第3状態用エリア144と、が設けられている。これら各エリア141〜144のそれぞれには、第1〜第15カウンタ141a〜141o,142a〜142o,143a〜143o,144a〜144oが設けられている。各エリア141〜144の第1カウンタ141a〜144aには第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第2カウンタ141b〜144bには第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第3カウンタ141c〜144cには第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第4カウンタ141d〜144dには第4バッファ122dに入力される第4信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第5カウンタ141e〜144eには第5バッファ122eに入力される第5信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第6カウンタ141f〜144fには第6バッファ122fに入力される第6信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第7カウンタ141g〜144gには第7バッファ122gに入力される第7信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第8カウンタ141h〜144hには第8バッファ122hに入力される第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第9カウンタ141i〜144iには第9バッファ122iに入力される第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第10カウンタ141j〜144jには第10バッファ122jに入力される第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第11カウンタ141k〜144kには第11バッファ122kに入力される第11信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第12カウンタ141l〜144lには第12バッファ122lに入力される第12信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第13カウンタ141m〜144mには第13バッファ122mに入力される第13信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第14カウンタ141n〜144nには第14バッファ122nに入力される第14信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141〜144の第15カウンタ141o〜144oには第15バッファ122oに入力される第15信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。
但し、第1〜第15カウンタ141a〜141o,142a〜142o,143a〜143o,144a〜144oを用いた計測対象となるのは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球結果に対応する信号が入力される第1〜第7バッファ122a〜122gである。したがって、開閉実行モード中であるか否か、高頻度サポートモード中であるか否か、前扉枠14が開放中であるか否かといった状態情報に対応する信号が入力される第8〜第10バッファ122h〜122jは、上記計測対象からは除外される。これら計測対象であるか否かの区別は対応関係用メモリ116の対応関係エリア123a〜123oに記憶された対応関係情報に基づいて行われる。
図40は管理側CPU112にて実行される本実施形態における履歴設定処理を示すフローチャートである。
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS2201)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1〜第15対応関係エリア123a〜123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1〜第10対応関係エリア123a〜123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS2201では確認対象カウンタに「10」をセットする。
その後、現状の確認対象カウンタに対応するバッファ122a〜122oが状態情報の信号が入力されるバッファであるか否かを判定する(ステップS2202)。具体的には、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a〜123oに、対応関係情報として、開閉実行モードであることを示す情報、高頻度サポートモードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のいずれかが格納されているか否かを判定する。
ステップS2202にて肯定判定をした場合、状態情報の設定処理を実行する(ステップS2203)。当該設定処理では、開閉実行モード中か否かを示す第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には開閉実行モード中であることを示す第1状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第8信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第1状態の情報を管理側RAM114から消去する。また、高頻度サポートモード中か否かを示す第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には高頻度サポートモード中であることを示す第2状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第2状態の情報を管理側RAM114から消去する。また、前扉枠14が開放中か否かを示す第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には前扉枠14が開放中であることを示す第3状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第10信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第3状態の情報を管理側RAM114から消去する。
ステップS2202にて否定判定をした場合、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファであって状態情報とは異なる情報の信号が入力されるバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS2204)。ステップS2204にて肯定判定をした場合、対応する合計用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2205)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の合計用エリア141における合計用の第1〜第15カウンタ141a〜141oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば合計用の第5カウンタ141eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば合計用の第1カウンタ141aが加算対象となる。
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第1状態であるか否か、すなわち開閉実行モード中であるか否かを判定する(ステップS2206)。第1状態である場合には(ステップS2206:YES)、対応する第1状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2207)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第1状態用エリア142における第1状態用の第1〜第15カウンタ142a〜142oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第1状態用の第5カウンタ142eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1状態用の第1カウンタ142aが加算対象となる。
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第2状態であるか否か、すなわち高頻度サポートモード中であるか否かを判定する(ステップS2208)。第2状態である場合には(ステップS2208:YES)、対応する第2状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2209)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第2状態用エリア143における第2状態用の第1〜第15カウンタ143a〜143oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第2状態用の第5カウンタ143eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第2状態用の第1カウンタ143aが加算対象となる。
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第3状態であるか否か、すなわち前扉枠14が開放中であるか否かを判定する(ステップS2210)。第3状態である場合には(ステップS2210:YES)、対応する第3状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2211)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第3状態用エリア144における第3状態用の第1〜第15カウンタ144a〜144oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第3状態用の第5カウンタ144eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第3状態用の第1カウンタ144aが加算対象となる。
ステップS2203の処理を実行した場合、ステップS2204にて否定判定をした場合、ステップS2210にて否定判定をした場合、又はステップS2211の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS2212)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2213)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2213:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS2202以降の処理を実行する。
上記のように履歴設定処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a〜48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
このように各入球検知センサ42a〜48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される構成であることにより、本実施形態における外部出力用処理(図24)ではステップS1002といったアウト口24aへの遊技球の入球個数を演算する処理、ステップS1004といった特電入賞装置32への遊技球の入球個数を演算する処理、ステップS1005といった第1作動口33への遊技球の入球個数を演算する処理、及びステップS1006といった第2作動口34への遊技球の入球個数を演算する処理が不要となる。これにより、各種パラメータを演算するための処理負荷を軽減することが可能となる。
なお、ステップS1003といった一般入賞口31への遊技球の入球個数を演算する処理では、第1〜第3カウンタ141a〜141c,142a〜142c,143a〜143c,144a〜144cがいずれも一般入賞口31に対応しているため、第1〜第3カウンタ141a〜141c,142a〜142c,143a〜143c,144a〜144cの値を合計する処理を実行する必要がある。また、開閉実行モード中であって前扉枠14が開放中である状況において発生した入球個数を他の状況において発生した入球個数と区別することができない。したがって、本実施形態における外部出力用処理(図24)ではステップS1012の処理は実行されない。同様に、高頻度サポートモード中であって前扉枠14が開放中である状況において発生した入球個数を他の状況において発生した入球個数と区別することができない。したがって、本実施形態における外部出力用処理(図24)ではステップS1016の処理は実行されない。
<第10の実施形態>
本実施形態では、履歴情報が格納される記憶手段が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図41は本実施形態におけるMPU62の電気的構成を説明するためのブロック図である。MPU62には上記第1の実施形態と同様に主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65、管理用IC66、I/F101及び読み取り用端子102が設けられている。また、管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113及び管理側RAM114が設けられている。
一方、本実施形態では管理用IC66には上記第1の実施形態と異なり、RTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられていない。その代わりに、管理用IC66には上記第3の実施形態と同様に演算結果用メモリ131が設けられている。管理用IC66にRTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられていないため、本実施形態では履歴情報が管理用IC66にて記憶されない。本実施形態ではアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球履歴は主側RAM65にて記憶される。つまり、主側CPU63においてプログラムを実行する場合に必要な情報が一時的に記憶されることとなる主側RAM65が、入球履歴を記憶するためのメモリとして兼用される。そして、管理用IC66は管理側I/F111を通じて主側RAM65にアクセス可能となっており、各種パラメータの演算契機が発生した場合には主側RAM65にアクセスして入球履歴を読み出し、その読み出した入球履歴を利用して各種パラメータを演算する。その演算された各種パラメータは演算結果用メモリ131に格納される。読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続された場合、演算結果用メモリ131から各種パラメータが読み取り装置に提供される一方、主側RAM65に記憶されている入球履歴は読み取り装置に提供されない。
図42は主側CPU63にて実行される本実施形態における入球検知処理を示すフローチャートである。なお、入球検知処理はタイマ割込み処理(図8)のステップS209にて実行される。
第0ビットD0に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2301:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2302)。一般入賞カウンタは、一般入賞口31への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。一般入賞カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても一般入賞カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2303)。
第1ビットD1に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2304:YES)。この場合、主側RAM65の一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2305)。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2306)。
第2ビットD2に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2307:YES)。この場合、主側RAM65の一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2308)。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2309)。
第3ビットD3に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3210:YES)。この場合、主側RAM65の特電入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2311)。また、主側RAM65に設けられた特電入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2312)。特電入賞カウンタは、特電入賞装置32への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。特電入賞カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても特電入賞カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の15個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2313)。
第4ビットD4に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2314:YES)。この場合、主側RAM65の第1作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2315)。また、主側RAM65に設けられた第1作動カウンタの値を1加算する(ステップS2316)。第1作動カウンタは、第1作動口33への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。第1作動カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても第1作動カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2317)。
第5ビットD5に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2318:YES)。この場合、主側RAM65の第2作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2319)。また、主側RAM65に設けられた第2作動カウンタの値を1加算する(ステップS2320)。第2作動カウンタは、第2作動口34への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。第2作動カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても第2作動カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2321)。
第6ビットD6に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2322:YES)。この場合、主側RAM65に設けられたアウトカウンタの値を1加算する(ステップS2323)。アウトカウンタは、アウト口24aへの入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。アウトカウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしてもアウトカウンタの値は記憶保持される。
第7ビットD7に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、ゲート検知センサ49aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2324:YES)。この場合、主側RAM65のゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2325)。
上記のように入球検知処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球履歴は各入球部への入球個数として主側RAM65に記憶される。これにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生する度に、主側CPU63から管理側CPU112に信号出力を行う必要がない。よって、主側CPU63から管理側CPU112に信号を出力するための構成を簡素化させることが可能となる。
本実施形態では演算契機が発生した場合、管理側CPU112は、主側RAM65の一般入賞カウンタから一般入賞口31への入球個数を読み出し、主側RAM65の特電入賞カウンタから特電入賞装置32への入球個数を読み出し、主側RAM65の第1作動カウンタから第1作動口33への入球個数を読み出し、主側RAM65の第2作動カウンタから第2作動口34への入球個数を読み出し、主側RAM65のアウトカウンタからアウト口24aへの入球個数を読み出す。そして、それら読み出した各入球個数を利用して上記第1の実施形態にて説明した第1パラメータ〜第8パラメータを演算する。但し、前扉枠14が開放中である場合における各入球個数と前扉枠14が閉鎖状態である場合における各入球個数とを区別した状態での各入球個数の計測は行われないため、前扉枠14が開放中である場合に発生した入球個数も含んだ状態で第1パラメータ〜第8パラメータを演算する。また、開閉実行モード中における各入球個数及び高頻度サポートモード中における各入球個数も個別に計測されないため、上記第1の実施形態にて説明した第1パラメータ〜第18パラメータ及び第21パラメータ〜第26パラメータは演算されない。演算された第1パラメータ〜第8パラメータは演算結果用メモリ131に書き込まれる。そして、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続された場合に演算結果用メモリ131にその時点で書き込まれている全てのパラメータが読み取り装置に提供される。この際に演算結果用メモリ131は「0」クリアされる。
なお、管理用IC66が主側RAM65に独自にアクセスするのではなく、主側RAM65に入球履歴として記憶されている各入球個数の情報が主側CPU63による転送制御により管理用IC66に送信される構成としてもよい。この場合、主側RAM65に主側CPU63と管理側CPU112とが同時にアクセスする事象を確実に阻止することが可能となる。
<第11の実施形態>
本実施形態では主制御基板61の構成、主側CPU63から管理側CPU112に出力される信号の種類、及び各入球部への入球履歴の記憶の仕方が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図43は本実施形態における主制御基板61の電気的構成を説明するためのブロック図である。主制御基板61には上記第1の実施形態と同様にMPU62が搭載されている。MPU62には上記第1の実施形態と同様に主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65、管理用IC66、I/F101及び読み取り用端子102が設けられている。また、管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113、管理側RAM114、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられている。
一方、本実施形態では管理用IC66には上記第1の実施形態と異なり、RTC115が設けられていない。また。主制御基板61にはMPU62以外にも報知用発光部151が設けられている。報知用発光部151は主側CPU63により直接的に発光制御される。主側CPU63は管理用IC66の履歴用メモリ117にアクセス可能となっており、履歴用メモリ117から読み出した各入球部への入球履歴の情報を利用して各種パラメータを演算する。そして、その演算した各種パラメータの内容に応じて報知用発光部151の発光状態を制御する。報知用発光部151は主制御装置60の基板ボックス60aの収容空間に収容されているが、基板ボックス60aが透明に形成されているとともに、報知用発光部151の発光状態を基板ボックス60aの外部から目視確認をすることが可能となるように報知用発光部151が設けられている。これにより、遊技機本体12を外枠11に対して開放させて主制御装置60を目視確認することが可能な状態とすることで、基板ボックス60aの開放作業を要することなく報知用発光部151の発光状態を目視確認することが可能となる。
図44は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
第1〜第7バッファ122a〜122g及び第16バッファ122pには上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
一方、上記第1の実施形態では開閉実行モードに対応する信号が第8信号として第8バッファ122hに入力され、高頻度サポートモードに対応する信号が第9信号として第9バッファ122iに入力され、前扉枠14に対応する信号が第10信号として第10バッファ122jに入力される構成としたが、本実施形態ではこれら開閉実行モードに対応する信号、高頻度サポートモードに対応する信号、及び前扉枠14に対応する信号は入力ポート121に入力されない。つまり、第8〜第15バッファ122h〜122oには入球履歴に関する信号は入力されない。
第1〜第15バッファ122a〜122oにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。一方、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112は当該第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることを特定可能となっている。
図45は本実施形態における履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。履歴用メモリ117には、第1〜第15バッファ用カウンタ152a〜152oが設けられている。第1バッファ用カウンタ152aには第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第2バッファ用カウンタ152bには第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第3バッファ用カウンタ152cには第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第4バッファ用カウンタ152dには第4バッファ122dに入力される第4信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第5バッファ用カウンタ152eには第5バッファ122eに入力される第5信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第6バッファ用カウンタ152fには第6バッファ122fに入力される第6信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第7バッファ用カウンタ152gには第7バッファ122gに入力される第7信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第8バッファ用カウンタ152hには第8バッファ122hに入力される第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第9バッファ用カウンタ152iには第9バッファ122iに入力される第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第10バッファ用カウンタ152jには第10バッファ122jに入力される第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第11バッファ用カウンタ152kには第11バッファ122kに入力される第11信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第12バッファ用カウンタ152lには第12バッファ122lに入力される第12信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第13バッファ用カウンタ152mには第13バッファ122mに入力される第13信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第14バッファ用カウンタ152nには第14バッファ122nに入力される第14信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第15バッファ用カウンタ152oには第15バッファ122oに入力される第15信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。
但し、第1〜第15バッファ用カウンタ152a〜152oを用いた計測対象となるのは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球結果に対応する信号が入力される第1〜第7バッファ122a〜122gである。したがって、第8〜第15バッファ122h〜122oは、上記計測対象からは除外される。これら計測対象であるか否かの区別は対応関係用メモリ116の対応関係エリア123a〜123oに記憶された対応関係情報に基づいて行われる。
図46は管理側CPU112にて実行される履歴設定処理を示すフローチャートである。なお、履歴設定処理は、管理処理(図18)のステップS607にて実行される。
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS2401)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1〜第15対応関係エリア123a〜123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1〜第7応関係エリア123a〜123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS2401では確認対象カウンタに「7」をセットする。
その後、第1〜第15バッファ122a〜122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS2402)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a〜122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1バッファ122aが数値情報の確認対象となる。
ステップS2402にて肯定判定をした場合、対応するバッファ用カウンタ152a〜152oの加算処理を実行する(ステップS2403)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第1〜第15バッファ用カウンタ152a〜152oのカウンタのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ用カウンタ152eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1バッファ用カウンタ152aが加算対象となる。
ステップS2402にて否定判定をした場合、又はステップS2403の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS2404)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2405)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2405:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS2402以降の処理を実行する。
上記のように履歴設定処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a〜48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
図47は管理側CPU112にて実行される本実施形態における外部出力用処理を示すフローチャートである。なお、外部出力用処理は、管理処理(図18)のステップS608にて実行される。
主側CPU63から受信している出力指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2501:YES)、管理側RAM114に設けられた出力対象カウンタに、第1〜第15バッファ用カウンタ152a〜152oのうち管理側CPU112において回数情報の出力対象となるカウンタの数をセットする(ステップS2502)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1〜第15対応関係エリア123a〜123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本実施形態では既に説明したとおり第1〜第7対応関係エリア123a〜123gにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS2502では出力対象カウンタに「7」をセットする。
その後、対応関係用メモリ116における第1〜第15対応関係エリア123a〜123oのうち現状の出力対象カウンタの値に対応するエリアに格納されている対応関係情報を読み出すとともに(ステップS2503)、履歴用メモリ117における第1〜第15バッファ用カウンタ152a〜152oのうち現状の出力対象カウンタの値に対応するカウンタに格納されている回数情報を読み出す(ステップS2504)。この場合、出力対象カウンタの値が「n」である場合には、第n対応関係エリア123a〜123oが対応関係情報の読み出し対象となるとともに、第nバッファ用カウンタ152a〜152oが回数情報の読み出し対象となる。例えば、出力対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となるとともに第5バッファ用カウンタ152eが回数情報の読み出し対象となり、出力対象カウンタの値が「1」であれば第1対応関係エリア123aが対応関係情報の読み出し対象となるとともに第1バッファ用カウンタ152aが回数情報の読み出し対象となる。
その後、情報出力処理を実行する(ステップS2505)。情報出力処理では、ステップS2503にて読み出した対応関係情報とステップS2504にて読み出した回数情報との組合せを読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、今回の出力対象となっている対応関係情報についての回数情報が読み取られる。
その後、管理側RAM114の出力対象カウンタの値を1減算する(ステップS2506)。そして、その1減算後における出力対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2507)。出力対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2507:NO)、新たな出力対象カウンタの値に対応する出力対象について、ステップS2503以降の処理を実行する。なお、ステップS2507にて肯定判定をした場合に第1〜第15バッファ用カウンタ152a〜152oの値が「0」クリアされる。
図48は主側CPU63にて実行されるパラメータ管理処理を示すフローチャートである。なお、パラメータ管理処理はタイマ割込み処理(図8)においてステップS219の管理用出力処理が実行された後に実行される。
まず各種パラメータの演算契機が発生しているか否かを判定する(ステップS2601)。当該演算契機は、主側CPU63への動作電力の供給が開始されてから最初にパラメータ管理処理が実行される場合、及び第5の実施形態と同様にアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の合計入球個数が契機基準個数である500個以上となる度に発生する。動作電力の供給が開始されてから最初にパラメータ管理処理が実行された場合が演算契機として設定されていることにより、パチンコ機10の電源を一旦OFFした後に再度ONすることで、各種パラメータの演算契機を簡単に発生させることが可能となる。そして、ステップS2601にて肯定判定をした場合には後述するように各種パラメータの演算結果に対応した報知が実行されるため、上記電源のOFF・ON操作を行うだけでそれまでの遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。また、遊技球の合計入球個数が契機基準個数である500個以上となる度に演算契機が発生する構成とすることで、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
演算契機が発生した場合(ステップS2601:YES)、履歴用メモリ117の第1〜第15バッファ用カウンタ152a〜152oのうち入球履歴の格納対象となっているカウンタから入球履歴を読み出す。具体的には、第1〜第7バッファ用カウンタ152a〜152gの数値情報を読み出す。この場合、主側CPU63は主側ROM64に記憶されているプログラム及びデータにより入球履歴の読み出し対象となるバッファ用カウンタ152a〜152oを認識可能となっている。
その後、各種演算処理を実行する(ステップS2603)。当該各種演算処理では、ステップS2602にて読み出した入球履歴、及びそれら入球履歴に対応する賞球個数の情報を利用して各種パラメータを演算する。主側CPU63は、主側ROM64に記憶されているプログラム及びデータにより、ステップS2602にて読み出した各入球履歴がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のうちいずれに対応するしているのかを特定することが可能であるとともに、ステップS2602にて読み出した各入球履歴に対応する賞球個数の情報を特定することが可能である。
ステップS2603にて演算される各種パラメータについて具体的には、
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
が演算される。
その後、演算した各種パラメータが第1範囲であるか否かを判定する(ステップS2604)。第7パラメータの値が0.7以下であって、第8パラメータの値が0.6以下である場合、演算した各種パラメータが第1範囲であるとしてステップS2604にて肯定判定をする。ステップS2604にて肯定判定をした場合、第1報知状態の設定処理を実行する(ステップS2605)。当該設定処理では、第1報知状態となるように報知用発光部151を発光制御する。この場合、報知用発光部151は青色の発光状態となる。
ステップS2604にて否定判定をした場合、演算した各種パラメータが第2範囲であるか否かを判定する(ステップS2606)。第7パラメータの値が0.7を超えていること、及び第8パラメータの値が0.6を超えていることのいずれか一方のみの条件が成立している場合、演算した各種パラメータが第2範囲であるとしてステップS2606にて肯定判定をする。ステップS2606にて肯定判定をした場合、第2報知状態の設定処理を実行する(ステップS2607)。当該設定処理では、第2報知状態となるように報知用発光部151を発光制御する。この場合、報知用発光部151は黄色の発光状態となる。
ステップS2606にて否定判定をした場合、第7パラメータの値が0.7を超えているとともに第8パラメータの値が0.6を超えていることを意味する。この場合、第3報知状態の設定処理を実行する(ステップS2608)。当該設定処理では、第3報知状態となるように報知用発光部151を発光制御する。この場合、報知用発光部151は赤色の発光状態となる。
ステップS2605、ステップS2607又はステップS2608にて設定された発光状態は、報知用発光部151に対する新たな報知状態の設定が行われるまで、又は報知用発光部151への動作電力の供給が停止されるまで継続する。また、報知用発光部151の報知状態は主側RAM65に記憶保持されるとともに主側RAM65にはバックアップ電力が供給されるため、主側CPU63への動作電力の供給が停止されて報知用発光部151が一旦消灯状態となったとしても、主側CPU63への動作電力の供給が再開された場合には主側RAM65に記憶されている報知状態の情報の種類に対応する発光状態となるように報知用発光部151の発光制御が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a〜48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
管理側CPU112にて演算された各種パラメータに対応する内容を報知するための報知用発光部151が設けられている。これにより、各種パラメータに対応する内容がパチンコ機10自身にて報知されるため、遊技ホールの管理者などは履歴用メモリ117に格納された情報を読み出さなくても、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
基板ボックス60aに収容された主制御基板61に、MPU62とともに報知用発光部151が設けられている。これにより、MPU62と報知用発光部151との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
各種パラメータの演算及び報知用発光部151の発光制御は管理側CPU112ではなく主側CPU63にて実行される。これにより、報知用発光部151における報知内容の信頼性を高めることが可能となる。
各種パラメータの演算結果が第1範囲に対応している場合に第1報知状態となり、各種パラメータの演算結果が第2範囲に対応している場合に第2報知状態となり、各種パラメータの演算結果が第1範囲及び第2範囲のいずれにも対応していない場合に第3報知状態となる。つまり、各種パラメータがそのまま報知されるのではなく、各種パラメータが含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知用発光部151における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知用発光部151を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
なお、主側CPU63への動作電力の供給が停止されている場合であっても報知用発光部151への電力供給が継続されることで主側CPU63への動作電力の供給が停止される直前における発光状態が維持される構成としてもよい。この場合、主側CPU63への動作電力の供給が停止された場合であっても報知用発光部151を確認することで、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
また、当該構成に代えて、主側CPU63への動作電力の供給が停止された場合には報知用発光部151が消灯状態となるが主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合には、動作電力の供給が停止される前に演算された各種パラメータの結果に対応する発光状態となるように報知用発光部151が発光制御される構成としてもよい。この場合、例えば遊技ホールにおいて営業開始前に報知用発光部151を確認することで、直前の営業日における遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
各種パラメータの演算結果を報知するための報知手段が報知用発光部151である構成に限定されることはなく、図柄表示装置41などといった表示面を有する表示装置であってもよく、スピーカ部54であってもよい。また、各種パラメータの演算結果に対応する信号が外部端子板97を通じて遊技ホールのホールコンピュータHCに外部出力される構成としてもよい。
特図ユニット37の特図表示部37a又は普図ユニット38の普図表示部38aが報知用発光部151としての機能を兼用する構成としてもよい。例えば、MPU62への動作電力の供給が開始された場合に各種パラメータが演算され、その演算結果が上記実施形態のような第1範囲、第2範囲及びそれら以外のいずれに含まれるのかに応じて、動作電力の供給開始の直後において特図表示部37a又は普図表示部38aにて演算結果に対応する報知が実行される構成としてもよい。この場合、当該報知は、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示の開始条件、又は普図表示部38aにおける絵柄の変動表示の開始条件が成立した場合に終了する構成としてもよく、これら絵柄の変動表示の開始条件が成立した場合に一旦中断され、絵柄の変動表示が終了した場合には再開される構成としてもよい。本構成によれば、遊技領域PAの遊技球の入球態様を報知するための報知手段として特図表示部37a又は普図表示部38aを兼用することが可能となる。
報知用発光部151が遊技機本体12及び前扉枠14を閉鎖した状態においてパチンコ機10前方から視認可能となる位置に設けられている構成としてもよい。例えば、窓パネル52よりもパチンコ機10後方であって窓パネル52を通じてパチンコ機10前方から視認可能となる位置に報知用発光部151が設けられている構成としてもよい。この場合、遊技機本体12や前扉枠14の開放操作を要することなく、各種パラメータの演算結果に対応する報知内容を確認することが可能となる。
<第12の実施形態>
本実施形態では、各入球結果の情報を管理用IC66に提供するための構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図49は各入球検知センサ42a〜48aの検知結果が主側CPU63及び管理用IC66に入力されるようにするための信号経路の構成を説明するための説明図である。
第1入賞口検知センサ42aの検知結果は第1信号経路SL11を通じて主側CPU63に入力される。また、第2入賞口検知センサ43aの検知結果は第2信号経路SL12を通じて主側CPU63に入力される。また、第3入賞口検知センサ44aの検知結果は第3信号経路SL13を通じて主側CPU63に入力される。また、特電検知センサ45aの検知結果は第4信号経路SL14を通じて主側CPU63に入力される。また、第1作動口検知センサ46aの検知結果は第5信号経路SL15を通じて主側CPU63に入力される。また、第2作動口検知センサ47aの検知結果は第6信号経路SL16を通じて主側CPU63に入力される。また、アウト口検知センサ48aの検知結果は第7信号経路SL17を通じて主側CPU63に入力される。
第1信号経路SL11の途中位置から分岐させるようにして第1分岐経路SL21が形成されており、当該第1分岐経路SL21は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第2信号経路SL12の途中位置から分岐させるようにして第2分岐経路SL22が形成されており、当該第2分岐経路SL22は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第3信号経路SL13の途中位置から分岐させるようにして第3分岐経路SL23が形成されており、当該第3分岐経路SL23は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第4信号経路SL14の途中位置から分岐させるようにして第4分岐経路SL24が形成されており、当該第4分岐経路SL24は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第5信号経路SL15の途中位置から分岐させるようにして第5分岐経路SL25が形成されており、当該第5分岐経路SL25は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第6信号経路SL16の途中位置から分岐させるようにして第6分岐経路SL26が形成されており、当該第6分岐経路SL26は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第7信号経路SL17の途中位置から分岐させるようにして第7分岐経路SL27が形成されており、当該第7分岐経路SL27は管理用IC66と電気的に接続されている。
上記構成であることにより、各入球検知センサ42a〜48aの検知結果は主側CPU63による処理を介在させることなく管理用IC66に入力される。これにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34の各入球結果を管理側CPU112に認識させるための処理を主側CPU63にて実行する必要がなくなるため、主側CPU63の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
また、各信号経路SL11〜SL17からの各分岐経路SL21〜SL27の分岐箇所はMPU62内に存在している。これにより、当該分岐箇所及び各分岐経路SL21〜SL27に対する外部からのアクセスを行いづらくさせることが可能となり、管理用IC66にのみ異常な入球結果を入力させる不正行為を阻止することが可能となる。
<第13の実施形態>
本実施形態では、遊技盤233(図50)に遊技球B1(図53(a))の奥行き方向の位置に応じて当該遊技球B1の下流における進路を左右に振り分ける左右振分釘213,214(図50)が設けられている点で上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態における遊技盤233の構成を図50に基づいて説明する。図50は遊技盤233の正面図である。本実施形態における遊技盤233は、その表面の左側だけでなく右側にも遊技領域PAが形成されている点で上記第1の実施形態における遊技盤24とは異なる。図50に示すように、遊技盤233には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口241、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図表示部225及び普図表示部226等が設けられている。なお、一般入賞口241は遊技盤233の左右に合計3個設けられているとともに、スルーゲート35は左右に1ずつ設けられている。そして、それ以外の開口はそれぞれ1個ずつ設けられている。
各一般入賞口241、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及び各スルーゲート35には1対1で対応させて検知センサが設けられている。これら検知センサはいずれも遊技盤233の背面側に設けられており、検知結果は主制御装置60(図5)に出力される。なお、検知センサとしては、磁界の変化を検知する電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球B1(図53(a))の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意であり、例えば光学式センサを用いてもよい。ここで、遊技球B1は直径11mmである鋼製の球体である。
一般入賞口241、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球の発生が検知されると、所定数の遊技球B1が賞球として遊技者に付与される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合及び第2作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球が発生する。また、本実施形態における一般入賞口241は、上記第1の実施形態における一般入賞口31と同じ役割を果たすものであり、一般入賞口241への入球が発生した場合には10個の賞球が発生する。また、特電入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球が発生する。但し、これら賞球数は任意であり、例えば第1作動口33の賞球数よりも第2作動口34の賞球数が多いといったように、作動口33,34の賞球数が相違していてもよい。また、特電入賞装置32の賞球数が他の賞球数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口241の賞球数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤233の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球B1はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤233には、遊技球B1の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘228,213,214が設けられている。
特図表示部225及び普図表示部226は、表示ユニットとして所定の範囲に集約させて設けられている。当該表示ユニットが設置された領域は、内レール部25を利用して区画された遊技領域PAの内側の領域であって、表示ユニットの前面よりも前方を遊技球B1が流下しないように遊技球B1の流入規制がされた領域である。そして、表示ユニットの前面に対して、特図表示部225及び普図表示部226が設けられている。これにより、各種表示部225,226は遊技領域PAに設けられているものの、その前方を遊技球B1が流下しないようにされており、パチンコ機10前方からの視認性が確保されている。
遊技盤233では、内レール部25と外レール部26とにより誘導レールが構成されている。遊技盤233の下方には遊技球発射機構27(図2)が設けられており、当該遊技球発射機構27のソレノイド27c(図2)から力を加えられて発射された遊技球B1は上記誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構27は、前方に突出させて設けられた操作基部と、当該操作基部に回動可能に支持させて設けられた操作ハンドルとを備えており、操作ハンドルが回動操作されることにより遊技球発射機構27からの遊技球B1の発射強度が調整される。
上記第1の実施形態において既に説明したように、遊技盤233が内枠13(図2)の前面側全体を覆うようにして前扉枠14(図2)が設けられている。前扉枠14には、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51(図1)が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52(図1)が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
遊技盤233には、図柄表示装置41(図3)の表示面41aをパチンコ機10前方から視認可能とする開口部233aを規定するようにしてセンターフレーム252が配設されている。センターフレーム252は、開口部233aの上縁及び左右の側縁を規定するように設けられた屋根ユニット253を備えている。
次に、遊技盤233に設けられている釘228,213,214の配置を図50に基づいて説明する。図50に示すように、遊技盤233には、多数の釘228,213,214が設けられている。ここで、本実施形態の遊技盤233に設けられている釘は、従来のパチンコ機に使用されている丸釘である金属製の障害釘228と、樹脂製の第1左右振分部材215を有する第1左右振分釘213と、樹脂製の第2左右振分部材231を有する第2左右振分釘214と、の3種類である。左右振分釘213,214の詳細は後述する。
金属製の障害釘228は、円柱形の胴軸部と、当該胴軸部の基端側に設けられた頭部と、胴軸部の先端側に形成された円錐形の尖頭部と、から成る。障害釘228は、尖頭部が遊技盤233の表面よりも奥側に埋没し、遊技盤233の表面から胴軸部の一部と頭部とが突出している状態となる態様で遊技盤233に設けられている。遊技盤233の表面から障害釘228の自由端(尖頭部の手前側の端)までの長さは17mmである。ここで、手前側とは遊技者に近い窓パネル52側であるとともに、奥側とは遊技者から遠い遊技盤233側である。
遊技盤233の手前側表面から窓パネル52の背面までの距離は18mmである。また、上記のように遊技球B1の直径は11mmである。このため、遊技領域PAには遊技球B1が奥行き方向に移動可能な余裕が7mm存在する。遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置は、遊技球発射機構27(図2)のソレノイド27c(図2)が遊技球B1に力を加えて発射する際にソレノイド27cが接触する位置に応じて変化するとともに、遊技領域PAを流下する過程で遊技球B1が遊技盤233上の屋根ユニット253や装飾部材などと衝突することにより変化する。
遊技球B1の中心が位置し得る範囲は、遊技盤233の表面から窓パネル52側に5.5mm進んだ場所から12.5mm進んだ場所までの範囲である。以下では、遊技球B1が遊技盤233上の釘228,213,214と接触し得る当該範囲を遊技球B1の接触可能範囲とする。遊技領域PAを流下する遊技球B1は、遊技盤233側に位置している場合及び窓パネル52側に位置している場合のいずれにおいても、流下過程において障害釘228と衝突し得る。遊技球B1の衝突後の進路は障害釘228によって変えられる。
上記のように遊技盤233には、当該遊技盤233の左側だけでなく右側にも遊技領域PAが形成されているため、図50に示すように、障害釘228は遊技盤233の全面に設けられている。一方、樹脂製の左右振分釘213,214は、遊技盤233において遊技球B1を作動口33,34に誘導するための誘導釘群211,212を構成する釘として配設されている。ここで、誘導釘群211,212は、遊技盤233の左側下部において、等間隔で1列に並んでいる7本の第1左右振分釘213からなる左側誘導釘群211と、遊技盤233の右側下部において、1列に等間隔で並んでいる7本の第2左右振分釘214からなる右側誘導釘群212との総称である。
左側誘導釘群211は、右側に位置する第1左右振分釘213が左側に隣接する第1左右振分釘213よりも下方に設けられている釘列である。当該釘列は、右方に向けて下方に傾斜している方向に延びている列であり、左側誘導釘群211の列方向と水平方向とがなす角は30°である。当該角度は、遊技球B1の高さを徐々に下げながら、遊技球B1を作動口33,34に導くことが可能な角度である。左側誘導釘群211の列方向の延長線上には作動口33,34が存在する。左側誘導釘群211の上方の空間は遊技球B1が通過可能な態様で遊技球B1の直径よりも広く空いている。また、左側誘導釘群211を構成する第1左右振分釘213は、遊技球B1の直径よりもひと回り広い間隔で並んでいるため、遊技球B1は第1左右振分釘213間の隙間から下方に落下し得る。第1左右振分釘213上で遊技球B1が左右方向の速度を失った場合には、第1左右振分釘213間の隙間から下方に落下するため、遊技球B1が第1左右振分釘213上に停留することはない。
右側誘導釘群212は、左側に位置する第2左右振分釘214が右側に隣接する第2左右振分釘214よりも下方に設けられている釘列である。当該釘列は、左方に向けて下方に傾斜している方向に延びている列であり、右側誘導釘群212の列方向と水平方向とがなす角は30°である。当該角度は、遊技球B1の高さを徐々に下げながら、遊技球B1を作動口33,34に導くことが可能な角度である。右側誘導釘群212の列方向の延長線上には作動口33,34が存在する。右側誘導釘群212の上方の空間は遊技球B1が通過可能な態様で遊技球B1の直径よりも広く空いている。また、右側誘導釘群212を構成する第2左右振分釘214は、遊技球B1の直径よりもひと回り広い間隔で並んでいるため、遊技球B1は第2左右振分釘214間の隙間から下方に落下し得る。第2左右振分釘214上で遊技球B1が左右方向の速度を失った場合には、第2左右振分釘214間の隙間から下方に落下するため、遊技球B1が第2左右振分釘214上に停留することはない。
次に、第1左右振分釘213の構造について、図51(a)〜(c)に基づいて説明する。図51(a)は第1左右振分釘213の斜視図である。図51(a)に示すように、第1左右振分釘213は軸線213c方向に延在させて形成されている細長形状の釘である。第1左右振分釘213は、上から落下して衝突する遊技球B1を左右方向に振り分ける第1左右振分部材215と、当該第1左右振分部材215を遊技盤233の表面に固定するための固定用部材216と、から構成されている。第1左右振分部材215は、軸線213c方向に延在させて形成されている略四角柱形状の樹脂製部材であり、上から落下する遊技球B1と衝突し得る面として、傾斜の異なる2つの振分面217a,218aを備えている。
図50に示すように、第1左右振分釘213は、軸線213cが遊技盤233の表面に対して略垂直となるとともに第1左右振分部材215が遊技盤233の表面から突出する態様で遊技盤233に固定されている。第1左右振分部材215の軸線213c方向の長さ寸法は17mmであり、遊技盤233に固定されている第1左右振分釘213において第1左右振分部材215は遊技領域PAに17mm突出している。第1左右振分釘213は遊技球B1の接触可能範囲を網羅している。このため、第1左右振分釘213には、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が衝突し得るとともに手前側に位置する遊技球B1も衝突し得る。以下の説明では、遊技盤233に固定されている第1左右振分釘213及び第2左右振分釘214において、遊技盤233に固定されている端を固定端と記載するとともに、遊技領域PAに突出している端を自由端と記載する。
図51(a)に示すように、第1左右振分部材215は、軸線213c方向に延在させて形成されている第1振分部217と、当該第1振分部217の自由端側の側面に連続する態様で軸線213c方向に延在させて形成されている第2振分部218と、から構成されている。第1左右振分釘213が遊技盤233に固定されている状態において、第1振分部217と第2振分部218との境界面は遊技盤233の表面に平行である。
第1振分部217の軸線213c方向の長さ寸法は9mmであるため、第1左右振分釘213が遊技盤233に固定されている状態において、当該第1振分部217は遊技領域PAの奥側半分に突出している。また、第1振分部217の左端から右端までの長さ寸法は遊技球B1の半径より長いとともに直径よりも短い7mmである。第1振分部217は、その上面として、第1振分部217の左端から右端に亘る態様で形成されている第1振分面217aを備えている。当該第1振分面217aは右方に向けて下方に傾斜しており、上方から落下して衝突する遊技球B1を右側上方に跳ね返す。
また、第2振分部218の軸線213c方向の長さ寸法は8mmであるため、第1左右振分釘213が遊技盤233に固定されている状態において、当該第2振分部218は遊技領域PAの手前側半分の大部分に突出している。また、第2振分部218の左端から右端までの長さ寸法は遊技球B1の半径より長いとともに直径よりも短い7mmである。第2振分部218は、その上面として、第2振分部218の左端から右端に亘る態様で形成されている第2振分面218aを備えている。当該第2振分面218aは左方に向けて下方に傾斜しており、上方から落下して衝突する遊技球B1を左側上方に跳ね返す。
ここで、金属製の障害釘228(図50)の胴軸部の胴径は2mmである。上記のように第1左右振分部材215は樹脂製であるが、軸線213c周りのサイズを障害釘228の胴軸部よりも大きくすることにより、遊技球B1の衝突が繰り返されても折れたりしない強度を有している。
第1左右振分部材215は、固定端と自由端とのそれぞれに鉛直面である側面を有している。このうち、固定端側の側面である固定端面215bには、固定用部材216を挿入して固定するための第1固定用穴215aが形成されている。当該第1固定用穴215aの形状について、図51(b),(c)を参照しながら以下に説明する。図51(b)は第1左右振分部材215の平面図であり、図51(c)は第1左右振分部材215の背面図である。
図51(b)に示すように、第1固定用穴215aは、第1左右振分部材215の固定端面215bに開口を有する態様で、第1左右振分部材215の固定端から自由端付近に亘る態様で形成されている円柱形状の穴であり、当該第1固定用穴215aの深さは15mmである。図51(c)に示すように、当該第1固定用穴215aは、第1左右振分部材215の半分以上の体積を占める態様で大きく形成されている。なお、第1固定用穴215aは、第1左右振分部材215の上下左右の側面から当該第1左右振分部材215の強度を保つために十分な距離をおいて形成されている。
次に、第1左右振分釘213が遊技盤233に固定されている状態について、図52(a),(b)に基づいて説明する。図52(a)は第1左右振分部材215を遊技盤233に固定するための固定用部材216の斜視図であり、図52(b)は遊技盤233の表面に垂直な平面で切断した場合の第1左右振分釘213の縦断面図である。
図52(a)に示すように、固定用部材216は、軸線213c方向の長さ寸法が30mmである円柱形の固定用胴軸部216aと、軸線213c方向の長さ寸法が5mmである円錐形の固定用尖頭部216bと、から構成されており、遊技盤233の表面から突出する第1左右振分部材215を安定的に支えることが可能な長さ寸法を有している。固定用部材216の胴径は第1固定用穴215aの内径と同じであり、当該固定用部材216は、表面が第1固定用穴215aの内面に密着する態様で嵌め込むことができる。
第1左右振分釘213を構成する第1左右振分部材215と固定用部材216とは分離可能である。自由端にハンマーなどで衝撃を加えられることにより、固定用部材216は遊技盤233に単独で固定される。そして、第1固定用穴215aに固定用部材216の突出部を嵌め込むことで第1左右振分部材215が固定用部材216に固定される。これにより、第1左右振分釘213が遊技盤233に固定された状態となる。
図52(b)に示すように、固定用部材216は、固定用尖頭部216bの全部と、固定用胴軸部216aの一部と、が遊技盤233の表面よりも奥側に埋没するとともに、固定用胴軸部216aの残りの部分が遊技盤233表面から略垂直方向に突出する態様で遊技盤233に固定される。遊技盤233に固定された固定用部材216において、遊技盤233表面からの突出部の長さ寸法は、第1左右振分部材215を安定的に支えることが可能な寸法であり、具体的には15mmである。第1左右振分部材215は、当該突出部の表面と第1固定用穴215aの内面とを接着剤により固定することで、振分面217a,218aが上方を向いた態様で遊技盤233に固定される。
次に、第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1の衝突後の進路について図53及び図54に基づいて説明する。先ず遊技球B1が第1振分面217aに衝突する場合について説明する。図53(a)は遊技盤233の表面に垂直な平面で切断した第1左右振分釘213の切断面の端面図である。図53(a)に示すように、遊技盤233と窓パネル52とで挟まれている遊技領域PAの奥側(遊技盤233側)を流下する遊技球B1は第1振分面217aと衝突する。
図53(b)は上方から流下して第1振分面217aと衝突する遊技球B1の跳ね返り方向を説明するための説明図であり、図53(c)は左側上方から流下して第1振分面217aと衝突する遊技球B1の跳ね返り方向を説明するための説明図である。図53(b)に示すように、遊技領域PAの奥側において、第1振分面217aは右方に向かって下方に傾斜しているため、上から流下して第1振分面217aと衝突する遊技球B1には上方向の成分と右方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は右側上方に跳ね返る。
また、図53(c)に示すように、左側上方から流下して第1振分面217aと衝突する遊技球B1にも上方向の成分と右方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は右側上方に跳ね返る。この場合、衝突前の遊技球B1は既に右方向の速度成分を有しているため、左側上方から流下して衝突した遊技球B1は真上から落下して衝突した遊技球B1よりも右方向に大きく進む。
次に、遊技球B1が第2振分面218aに衝突する場合について説明する。図54(a)は、遊技盤233の表面に垂直な平面で切断した第1左右振分釘213の切断面の端面図である。図54(a)に示すように、遊技盤233と窓パネル52とで挟まれている遊技領域PAの手前側(窓パネル52側)を流下する遊技球B1は第2振分面218aと衝突する。
図54(b)は上方から流下して第2振分面218aと衝突する遊技球B1の跳ね返り方向を説明するための説明図であるとともに、図54(c)は左側上方から流下して第2振分面218aと衝突する遊技球B1の跳ね返り方向を説明するための説明図である。図54(b)に示すように、遊技領域PAの奥側において、第2振分面218aは左方に向かって下方に傾斜しているため、上方から流下して第2振分面218aと衝突する遊技球B1には上方向の成分と左方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は左側上方に跳ね返る。
また、図54(c)に示すように、左側上方から流下して第2振分面218aと衝突する遊技球B1にも上方向の成分と左方向の成分とを有する抗力が働く。この場合、衝突前の遊技球B1の右方向の速度成分が衝突により受ける抗力の左方向の成分の影響を受けて減少するため、衝突後の遊技球B1は右側上方に小さく跳ね返る。
次に、第2左右振分釘214の構造について、図55(a)〜(c)に基づいて説明する。図55(a)は第2左右振分釘214の斜視図である。図55(a)に示すように、第2左右振分釘214は軸線214c方向に延在させて形成されている細長形状の釘である。第2左右振分釘214は、上から落下して衝突する遊技球B1を左右方向に振り分ける第2左右振分部材231と、当該第2左右振分部材231を遊技盤233の表面に固定するための固定用部材216と、から構成されている。第2左右振分部材231は、軸線214c方向に延在させて形成されている略四角柱形状の樹脂製部材であり、上から落下する遊技球B1と衝突し得る面として、傾斜の異なる2つの振分面232a,234aを備えている。
図50に示すように、第2左右振分釘214は、軸線214cが遊技盤233の表面に対して略垂直となるとともに第2左右振分部材231が遊技盤233の表面から突出する態様で遊技盤233に固定されている。第2左右振分部材231の軸線214c方向の長さ寸法は17mmであり、遊技盤233に固定されている第2左右振分釘214において第2左右振分部材231は遊技領域PAに17mm突出している。第2左右振分釘214は遊技球B1の接触可能範囲を網羅している。このため、第2左右振分釘214には、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が衝突し得るとともに手前側に位置する遊技球B1も衝突し得る。
図55(a)に示すように、第2左右振分部材231は、軸線214c方向に延在させて形成されている第1振分部232と、当該第1振分部232の自由端側の側面に連続する態様で軸線214c方向に延在させて形成されている第2振分部234と、から構成されている。第2左右振分釘214が遊技盤233に固定されている状態において、第1振分部232と第2振分部234との境界面は遊技盤233の表面に平行である。
第1振分部232の軸線214c方向の長さ寸法は9mmであるため、第2左右振分釘214が遊技盤233に固定されている状態において、当該第1振分部232は遊技領域PAの奥側半分に突出している。また、第1振分部232は、左右方向に遊技球B1の半径よりも長いとともに直径よりも短い7mmの長さ寸法を有している。第1振分部232は、その上面として、第1振分部232の左端から右端に亘る態様で形成されている第1振分面232aを備えている。当該第1振分面232aは左方に向けて下方に傾斜しており、上方から落下して衝突する遊技球B1を左側上方に跳ね返す。
また、第2振分部234の軸線214c方向の長さ寸法は8mmであるため、第2左右振分釘214が遊技盤233に固定されている状態において、当該第2振分部234は遊技領域PAの手前側半分の大部分に突出している。また、第2振分部234は、左右方向に遊技球B1の半径よりも長いとともに直径よりも短い7mmの長さ寸法を有している。第2振分部234は、その上面として、第2振分部234の左端から右端に亘る態様で形成されている第2振分面234aを備えている。当該第2振分面234aは右方に向けて下方に傾斜しており、上方から落下して衝突する遊技球B1を右側上方に跳ね返す。
第2左右振分部材231は樹脂製であるが、軸線214c周りのサイズを金属製の障害釘228における胴軸部よりも大きくすることにより、遊技球B1の衝突が繰り返されても折れたりしない強度を有している。
第2左右振分部材231は、固定端と自由端とのそれぞれに鉛直面である側面を有している。このうち、固定端側の側面である固定端面231bには、固定用部材216を挿入して固定するための第2固定用穴231aが形成されている。当該第2固定用穴231aの形状について、図55(b),(c)を参照しながら以下に説明する。図55(b)は第2左右振分部材231の平面図であり、図55(c)は第2左右振分部材231の背面図である。
図55(b)に示すように、第2固定用穴231aは、第2左右振分部材231の固定端面231bに開口を有する態様で、第2左右振分部材231の固定端から自由端付近に亘る態様で形成されている円柱形状の穴であり、当該第2固定用穴231aの深さは15mmである。図55(c)に示すように、当該第2固定用穴231aは、第2左右振分部材231の半分以上の体積を占める態様で大きく形成されている。なお、第2固定用穴231aは、第2左右振分部材231の上下左右の側面から当該第2左右振分部材231の強度を保つために十分な距離をおいて形成されている。
第2左右振分釘214を構成する固定用部材216は上述した第1左右振分釘213を構成する固定用部材216と同一部材であり、第2左右振分部材231は第1左右振分部材215と同じ方法で遊技盤233に固定される。具体的には、第2左右振分釘214を構成する第2左右振分部材231と固定用部材216とは分離可能である。自由端にハンマーなどで衝撃を加えられることにより、固定用部材216は遊技盤233に単独で固定される。そして、第2固定用穴231aに固定用部材216の突出部が嵌まる態様で、接着剤を用いて第2左右振分部材231が固定用部材216に固定される。これにより、振分面232a,234aが上方を向いた態様で第2左右振分釘214が遊技盤233に固定される。
次に、遊技球B1が第2左右振分釘214と衝突する場合について説明する。第2左右振分釘214の第1振分面232aは第1左右振分釘213の第2振分面218aと同じ傾斜を有している。具体的には、遊技領域PAの奥側において、第1振分面232aは左方に向かって下方に傾斜しているため、上方から流下して第1振分面232aと衝突する遊技球B1には上方向の成分と左方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は左側上方に跳ね返る。
また、右側上方から流下して第1振分面232aと衝突する遊技球B1にも上方向の成分と左方向の成分とを有する抗力が働く。この場合、衝突前の遊技球B1の右方向の速度成分が衝突により受ける抗力の左方向の成分の影響を受けて減少するため、衝突後の遊技球B1は右側上方に小さく跳ね返る。
また、第2左右振分釘214の第2振分面234aは第1左右振分釘213の第1振分面217aと同じ傾斜を有している。具体的には、遊技領域PAの手前側において、第2振分面234aは右方に向かって下方に傾斜しているため、上方から落下して第2振分面234aと衝突する遊技球B1には上方向の成分と右方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は右側上方に跳ね返る。
また、右側上方から流下して第2振分面234aと衝突する遊技球B1にも上方向の成分と右方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は右側上方に跳ね返る。この場合、衝突前の遊技球B1は既に右方向の速度成分を有しているため、左側上方から流下して衝突した遊技球B1は真上から落下して衝突した遊技球B1よりも右方向に大きく進む。
次に、左右振分釘213,214と衝突した後の遊技球B1の進路と障害釘228に衝突した後の遊技球B1の進路との違いについて、図56(a)〜(c)に基づいて説明する。図56(a)は第1左右振分釘213に衝突する遊技球B1が受ける抗力の向きを示すテーブルであり、図56(b)は第2左右振分釘214に衝突する遊技球B1が受ける抗力の向きを示すテーブルであり、図56(c)は障害釘228に衝突する遊技球B1が受ける抗力の向きを示すテーブルである。
先ず第1左右振分釘213について説明する。図56(a)に示すように、遊技領域PAの奥側で第1振分面217aと衝突する遊技球B1には右方向の成分と上方向の成分とを有する抗力が働くとともに、遊技領域PAの手前側で第2振分面218aと衝突する遊技球B1には左方向の成分と上方向の成分とを有する抗力が働く。第1左右振分釘213においては、遊技球B1が当該第1左右振分釘213の左側に衝突する場合と、遊技球B1が当該第1左右振分釘213の右側に衝突する場合とにおいて、衝突時に遊技球B1に働く抗力の方向は同じである。
次に、第2左右振分釘214について説明する。図56(b)に示すように、遊技領域PAの奥側で第1振分面232aと衝突する遊技球B1には左方向の成分と上方向の成分とを有する抗力が働くとともに、当該第2左右振分釘214の遊技領域PAの手前側で第2振分面234aと衝突する遊技球B1には右方向の成分と上方向の成分とを有する抗力が働く。第2左右振分釘214においては、遊技球B1が当該第2左右振分釘214の左側に衝突する場合と、遊技球B1が当該第2左右振分釘214の右側に衝突する場合とにおいて、衝突時に遊技球B1に働く抗力の方向は同じである。
これに対して、図56(c)に示すように、障害釘228の左側の面に衝突した遊技球B1には左方向の成分と上方向の成分とを有する抗力が働くとともに、障害釘228の右側の面に衝突した遊技球B1には右方向の成分と上方向の成分とを有する抗力が働く。障害釘228においては、遊技球B1が当該障害釘228の奥側に衝突した場合と、遊技球B1が当該障害釘228の手前側に衝突した場合とにおいて、衝突時に遊技球B1に働く抗力の方向は同じである。
このように、左右振分釘213,214を利用することにより、遊技領域PAにおける奥行き方向の位置に応じて左右振分釘213,214に衝突する遊技球B1に働く抗力の方向を異なるものとすることにより、衝突後の遊技球B1の進路を異なるものとすることができる。このため、遊技球B1が遊技領域PAの手前側に位置していても奥側に位置していても遊技球B1の衝突後の進路が変わらない障害釘228と比較して、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増加させる態様で遊技球B1の分散を行うことができる。このように、遊技球B1の動きが単調になることを防ぐことにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
遊技球B1の進路を振り分ける釘として障害釘228のみが配設されている従来の遊技盤における遊技球B1の挙動パターンは、障害釘228の左側に衝突した遊技球B1が左側に跳ね返るという挙動パターン、及び障害釘228の右側に衝突した遊技球B1が右側に跳ね返るという挙動パターンの2種類である。これに対して、左右振分釘213,214を遊技盤233に配設することにより、左右振分釘213,214の左側に衝突した遊技球B1が右側に跳ね返るという遊技球B1の挙動パターン、及び左右振分釘213,214の右側に衝突した遊技球B1が左側に跳ね返るという遊技球B1の挙動パターンを遊技球B1の新たな挙動パターンとして追加することができる。遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増加させ、遊技球B1の動きが単調になることを防ぐことにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
既に説明したとおり、遊技球B1が左右振分釘213,214と衝突する場合、遊技球B1の奥行き方向の位置に応じて衝突後の遊技球B1の進路が変わる。また、既に説明したとおり、本実施形態の遊技盤233(図50)において、左右振分釘213,214は、遊技球B1を作動口33,34に誘導するために設けられている誘導釘群211,212の一部として配設されている。
遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が左側誘導釘群211を構成している第1左右振分釘213と衝突する場合の挙動について図57(a)に基づいて説明する。図57(a)は、左側誘導釘群211上で奥側に位置している遊技球B1の進路を説明するための説明図である。上記のように左側誘導釘群211に属する7本の第1左右振分釘213は作動口33,34に向けて1列で並べて設けられている。
上記のように左側誘導釘群211を構成している第1左右振分釘213の間隔は遊技球B1の直径よりもひと回り大きい。図57(a)に示すように、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は第1左右振分釘213の第1振分面217aとの衝突により右上方向の抗力を受けて右側上方に大きく跳ね返る。衝突後、遊技球B1の右方向の速度成分が増大するため、衝突した第1左右振分釘213のすぐ右側に空いている隙間から遊技球B1が下方に落下してアウト口24aから回収される可能性は低減する。また、衝突後、遊技球B1の右方向への移動距離が増大するため、遊技球B1が作動口33,34に到達するまでに必要な第1左右振分釘213との衝突の回数が減少し、遊技球B1が2つの第1左右振分釘213の隙間から下方に落下してアウト口24aから回収される可能性は低減する。このように、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は高い確率で左側誘導釘群211により作動口33,34まで誘導される。
次に、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が左側誘導釘群211を構成している第1左右振分釘213と衝突する場合の挙動について図57(b)に基づいて説明する。図57(b)は、左側誘導釘群211上で手前側に位置している遊技球B1の進路を説明するための説明図である。
図57(b)に示すように、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は第1左右振分釘213の第2振分面218aとの衝突により左上方向の抗力を受けて右側上方に小さく跳ね返る。衝突後、遊技球B1の右方向の速度成分は反対方向の抗力の影響により減少する。このため、衝突した第1左右振分釘213のすぐ右側に設けられている隙間から遊技球B1が下方に落下してアウト口24aから回収される可能性は高くなる。また、衝突により遊技球B1の右方向の速度成分が減少しているため、遊技球B1が作動口33,34に到達するまでに必要な第1左右振分釘213との衝突の回数が増加する。また、衝突の度に遊技球B1の右方向の速度成分は減少するため、2つの第1左右振分釘213の隙間から遊技球B1が下方に落下してアウト口24aから回収される可能性は衝突を重ねる度に高くなる。このように、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が左側誘導釘群211により作動口33,34まで誘導される確率は低い。
次に、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が右側誘導釘群212を構成している第2左右振分釘214と衝突する場合の遊技球B1の挙動について図58(a)に基づいて説明する。図58(a)は、右側誘導釘群212上で奥側に位置している遊技球B1の進路を説明するための説明図である。上記のように右側誘導釘群212に属する7本の第2左右振分釘214は作動口33,34に向けて1列で並べて設けられている。
上記のように右側誘導釘群212を構成している第2左右振分釘214の間隔は遊技球B1の直径よりもひと回り大きい。図58(a)に示すように、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は第2左右振分釘214の第1振分面232aとの衝突により左上方向の抗力を受けて左側上方に大きく跳ね返る。衝突後、遊技球B1の左方向の速度成分は同方向の抗力の影響を受けて増大する。このため、遊技球B1の左方向への移動距離が増大し、衝突した第2左右振分釘214のすぐ左側に設けられている隙間から遊技球B1が下方に落下してアウト口24aから回収される可能性は少なくなる。また、衝突後、遊技球B1の左方向への移動距離が増大するため、作動口33,34に到達するまでに必要な第2左右振分釘214との衝突の回数が減少し、遊技球B1が2つの第2左右振分釘214の隙間から下方に落下してアウト口24aから回収される可能性が減少する。このように、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は高い確率で右側誘導釘群212により作動口33,34まで誘導される。
次に、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が右側誘導釘群212を構成している第2左右振分釘214と衝突する場合の遊技球B1の挙動について図58(b)に基づいて説明する。図58(b)は、右側誘導釘群212上で手前側に位置している遊技球B1の進路を説明するための説明図である。
図58(b)に示すように、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は第2左右振分釘214の第2振分面234aとの衝突により右上方向の抗力を受けて左側上方に小さく跳ね返る。衝突後、遊技球B1の左方向の速度成分が右方向の抗力の影響を受けて減少するため、衝突した第2左右振分釘214のすぐ右側に設けられている隙間から遊技球B1が下方に落下してアウト口24aから回収される可能性が増大する。また、衝突後、遊技球B1の左方向への移動距離が減少するため、遊技球B1が作動口33,34に到達するまでに必要な第2左右振分釘214との衝突の回数が増大する。そして、衝突の度に遊技球B1の左方向への速度成分が減少するため、遊技球B1が2つの第2左右振分釘214の隙間から下方に落下してアウト口24aから回収される可能性は高まる。このように、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が右側誘導釘群212により作動口33,34まで誘導される確率は低い。
また、図57(a),(b)及び図58(a),(b)に示すように、第1作動口33の上流側近傍には衝突する遊技球B1を高い確率で作動口33,34に入賞させるために4つの障害釘228が配設されている。当該4つの障害釘228は、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1と手前側に位置する遊技球B1とを同じ態様で跳ね返す。このため、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1であっても、誘導釘群211,212によって第1作動口33の近傍の障害釘228まで案内された場合には、高い確率で作動口33,34に入賞する。
このように、第1作動口33の近傍に設ける釘を障害釘228とすることにより、作動口33,34の周辺に到達した遊技球B1は高い確率で入賞するという遊技者の安心感を残しながら、遊技領域PAの奥行き方向の位置に応じて遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率に差をつけることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
左右振分釘213,214が傾斜の異なる2つの振分面217a,218a,232a,234aを備えており、当該2つの振分面217a,218a,232a,234aが上方を向く態様で左右振分釘213,214が遊技盤233に設けられている構成である。これにより、上方から流下する遊技球B1が第1振分面217a,232aに衝突する場合に、遊技球B1が第2振分面218a,234aに衝突する場合とは異なる態様で跳ね返ることとなる。左右振分釘213,214を利用することにより、遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置に応じた態様で衝突後の遊技球B1の進路を変更することができる。遊技領域PAにおいて遊技球B1を分散させるパターンを増加させることにより、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きが単調になることを避けて、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技球B1を作動口33,34に誘導するための誘導釘群211,212を構成する釘に左右振分釘213,214を用いることにより、遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置の違いを遊技の結果に反映させることができる。遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置の違いを遊技の結果に反映できない従来の遊技機と比較して、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、左右振分釘213,214を構成している樹脂製の左右振分部材215,231の縦寸法及び横寸法は金属製の障害釘228の縦寸法及び横寸法よりも大きい。また、左右振分部材215,231には大きな固定用穴215a,231aが形成されており、当該固定用穴215a,231aには金属製の固定用部材216が嵌まる構成である。このように、樹脂製部材が全域に亘って金属製部材で補強される構成であるため、左右振分釘213,214は遊技球B1の衝突が繰り返されても破損しない耐久性を有している。本パチンコ機10が遊技ホールに長く設置された場合に、左右振分釘213,214のためのメンテナンスの回数を最小限に抑えることができる。
遊技盤233において、障害釘228よりも大きな面積を占有する左右振分釘213,214は遊技盤233に設けられている釘のうち、遊技結果に大きく関係する一部の釘のみに使用されており、残りの釘には障害釘228が使用されている構成である。このため、遊技盤233に設けられている釘の全てに左右振分釘213,214を用いる場合と異なり、遊技盤233に設けることが可能な釘の数を確保しながら、遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置に応じて遊技結果を異なるものとすることができる。
また、左右振分釘213,214は固定用穴215a,231aを備えているため、先に遊技盤233に固定されている固定用部材216の突出部分を当該固定用穴215a,231aに嵌める態様で左右振分釘213,214を固定することができる。左右振分釘213,214は接着剤で固定用部材216に固定される。この際、接着剤が固まるまでの間に左右振分釘213,214を固定用部材216周りで回転させて、左右振分釘213,214の振分面217a,218a,232a,234aが上方を向くように調整できるため、上方から流下する遊技球B1を振分面217a,218a,232a,234aと衝突させることができる。
<第13の実施形態の別形態>
・上述した第13の実施形態の遊技盤233(図50)において、誘導釘群211,212が配設されている領域が着脱可能な部材で構成されていてもよい。左側誘導釘群211を着脱可能な構成とする場合について、図59を参照しながら具体的に説明する。図59は左側誘導釘群211が着脱可能な土台である左側誘導部材255と、7本の第1左右振分釘213により構成されている遊技盤235の正面左下部の拡大図である。
図59に示すように、7本の第1左右振分釘213は左側誘導部材255に固定されている。左側誘導部材255には当該左側誘導部材255を遊技盤233にネジ留めすることを可能とする固定用突出部255aが3箇所に形成されており、当該固定用突出部255aにはネジ留め用の貫通孔が形成されている。また、遊技盤235には、左側誘導部材255が隙間なく嵌まる穴が形成されており、当該遊技盤235の穴の縁には左側誘導部材255の固定用突出部255aに対応する凹み部が形成されている。そして、当該凹み部には左側誘導部材255をネジ留めするためのネジ穴が形成されている。
パチンコ機10の組み立て工程においては、取り外されている単独の左側誘導部材255に7本の第1左右振分釘213を固定した後、当該左側誘導部材255を遊技盤235に取り付け、固定用突出部255aを遊技盤233の凹み部にネジ留めする。このように、7本の第1左右振分釘213を一体化して遊技盤235に同時に取り付けることが可能な構成とすることにより、第1左右振分釘213を遊技盤235に固定するための作業効率を上げることができるとともに、第1左右振分釘213の取り付け角度の微調整を容易にすることができる。なお、本構成において、左側誘導部材255と当該左側誘導部材255に固定される第1左右振分釘213とが一体形成されていてもよい。
・上述した第13の実施形態において、左右振分釘213,214は第1作動口33の上流側の近傍に位置する所謂命釘として設けられていてもよい。左右振分釘213,214を第1作動口33の近傍に設ける構成を図60に基づいて具体的に説明する。図60は、左右振分釘213,214が第1作動口33の近傍に配設されている遊技盤236の正面図と、当該遊技盤236の作動口33,34周辺の拡大図である。作動口33,34の上流側近傍には、4つの左右振分釘213,214が配設されている。
詳細には、作動口33,34の左上近傍には第2左右振分釘214が配設されており、当該第2左右振分釘214の左側には遊技球B1の直径よりもひと回り大きな間隔を空けて第1左右振分釘213が配設されている。作動口33,34の左上近傍に配設されている2本の左右振分釘213,214の隙間は遊技球B1が通過可能な幅を有しているため、遊技球B1が当該2本の左右振分釘213,214の間に挟まって停留することはない構成である。また、作動口33,34の右上近傍には第1左右振分釘213が配設されており、当該第1左右振分釘213の右側には遊技球B1の直径よりもひと回り大きな間隔を空けて第2左右振分釘214が配設されている。作動口33,34の右上近傍に配設されている2本の左右振分釘213,214の隙間は遊技球B1が通過可能な幅を有しているため、遊技球B1が当該2本の左右振分釘213,214の間に挟まって停留することはない構成である。
作動口33,34の左上近傍に配設されている左右振分釘213,214と衝突する遊技球B1の多くは、遊技領域PAの左側に配設されている障害釘228に誘導されて来る遊技球B1である。当該遊技球B1は、左右振分釘213,214に左側上方から衝突する。遊技領域PAの奥側に位置しており、作動口33,34の左側上方で外側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1は第1振分面217aと衝突する。当該遊技球B1は右上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である右方向に大きく跳ね返り、高い確率で作動口33,34に入賞する。
また、遊技領域PAの奥側に位置しており、作動口33,34の左側上方で内側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1は第1振分面232aと衝突する。当該遊技球B1は左上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である右方向に小さく跳ね返り、高い確率で作動口33,34に入賞する。ここで、外側とは作動口33,34から遠い側であり、内側とは作動口33,34から近い側である。
このように、遊技領域PAの奥側の遊技球B1については、作動口33,34から比較的遠い外側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1が右側に大きく進むとともに、作動口33,34に比較的近い内側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1が右側に小さく進むように左右振分釘213,214が配設されている。このため、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は、作動口33,34の左側上方において外側の第1左右振分釘213と衝突する場合と、内側の第2左右振分釘214と衝突する場合と、のいずれにおいても高い確率で作動口33,34に入賞する。
また、遊技領域PAの手前側に位置しており、作動口33,34の左側上方で外側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1は第2振分面218aと衝突する。当該遊技球B1は左上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である右方向に小さく跳ね返り、低い確率で作動口33,34に入賞する。また、遊技領域PAの手前側に位置しており、作動口33,34の左側上方で内側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1は第2振分面234aと衝突する。当該遊技球B1は右上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である右方向に大きく跳ね返り、低い確率で作動口33,34に入賞する。
このように、遊技領域PAの手前側の遊技球B1については、作動口33,34から比較的遠い外側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1が右側に小さく進むとともに、作動口33,34に比較的近い内側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1が右側に大きく進むように左右振分釘213,214が配設されている。このため、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は、作動口33,34の左側上方において外側の第1左右振分釘213と衝突する場合と、内側の第2左右振分釘214と衝突する場合と、のいずれにおいても低い確率で作動口33,34に入賞する。
一方、作動口33,34の右上近傍に配設されている左右振分釘213,214と衝突する遊技球B1の多くは、遊技領域PAの右側に配設されている障害釘228に誘導されて来る遊技球B1である。当該遊技球B1は、左右振分釘213,214に右側上方から衝突する。遊技領域PAの奥側に位置しており、作動口33,34の右側上方で外側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1は第1振分面232aと衝突する。当該遊技球B1は左上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である左方向に大きく跳ね返り、高い確率で作動口33,34に入賞する。
また、遊技領域PAの奥側に位置しており、作動口33,34の右側上方で内側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1は第1振分面217aと衝突する。当該遊技球B1は右上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である左方向に小さく跳ね返り、高い確率で作動口33,34に入賞する。ここで、外側とは作動口33,34から遠い側であり、内側とは作動口33,34から近い側である。
このように、遊技領域PAの奥側の遊技球B1については、作動口33,34から比較的遠い外側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1が左側に大きく進むとともに、作動口33,34に比較的近い内側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1が左側に小さく進むように左右振分釘213,214が配設されている。このため、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が、作動口33,34の右側上方において外側の第2左右振分釘214と衝突する場合と、内側の第1左右振分釘213と衝突する場合と、のいずれにおいても高い確率で作動口33,34に入賞する構成とすることができる。
また、遊技領域PAの手前側に位置しており、作動口33,34の右側上方で外側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1は第2振分面234aと衝突する。当該遊技球B1は右上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である左方向に小さく跳ね返り、低い確率で作動口33,34に入賞する。また、遊技領域PAの手前側に位置しており、作動口33,34の右側上方で内側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1は第2振分面218aと衝突する。当該遊技球B1は左上方向の抗力を受けて、作動口33,34に向かう方向である左方向に大きく跳ね返り、低い確率で作動口33,34に入賞する。
このように、遊技領域PAの手前側の遊技球B1については、作動口33,34から比較的遠い外側の第2左右振分釘214と衝突する遊技球B1が左側に小さく進むとともに、作動口33,34に比較的近い内側の第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1が左側に大きく進むように左右振分釘213,214が配設されている。このため、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は、作動口33,34の右側上方において外側の第2左右振分釘214と衝突する場合と、内側の第1左右振分釘213と衝突する場合と、のいずれにおいても低い確率で作動口33,34に入賞する。
このように、左右振分釘213,214を第1作動口33の上流側の近傍に設ける構成とすることにより、遊技球B1の遊技領域PAにおける前後方向の位置に応じた態様で遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を異なるものとすることができる。一方、障害釘228が作動口の直前に配設されている従来のパチンコ機の場合、遊技球B1が作動口に入賞する確率は、遊技球B1の遊技領域PAにおける前後方向の位置に影響されない。
このため、左右振分釘213,214を作動口33,34の直前に配設する構成とすることにより、障害釘228が作動口の直前に配設されている従来のパチンコ機と比較して、作動口33,34の直前における遊技球B1の動きのバリエーションを豊かにして、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、左右振分釘213,214を遊技盤233の頂上付近に配設されている所謂天釘として用いる構成としてもよい。当該構成では、遊技領域PAの奥行き方向の位置に応じて、天釘と衝突した遊技球B1が遊技盤233の左側又は右側のいずれか一方に振り分けられる。左側を流下する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率と、右側を流下する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率と、が異なる遊技盤を用いる構成とすることにより、遊技球B1の奥行き方向の位置に応じた態様で衝突後の遊技球B1の進路を振り分けることができる。
・上述した第13の実施形態において、左右振分釘213,214の形状は、振分面217a,218a,232a,234aが左右振分釘213,214の長手方向の全体に亘って設けられている形状に限られない。例えば、第1左右振分釘213の代わりに、振分面244a,245aが遊技球B1の衝突可能範囲のみ設けられている第1左右振分釘242が用いられている構成としてもよい。
第1左右振分釘242について、図61(a),(b)を参照しながら説明する。図61(a)は第1左右振分釘242の斜視図であり、図61(b)は遊技盤233に垂直な平面で切断した第1左右振分釘242の切断面の端面図である。図61(a)に示すように、第1左右振分釘242は、軸線242a方向に延在させて形成されている釘である。第1左右振分釘242は、衝突する遊技球B1の衝突後の進路を振り分けるための振分面244a,245aを備えている第1左右振分部材243と、当該第1左右振分部材243を遊技盤237(図61(b))に固定するための固定用部材216と、から構成されている。ここで、第1左右振分釘242を構成している固定用部材216は、上記第13の実施形態の第1左右振分部材215を構成している固定用部材216と同一部材である。
第1左右振分部材243は軸線242a方向に延在させて形成された略四角柱形状を有する樹脂製の部材である。第1左右振分部材243は、遊技球B1と接触しない固定端側の水平面である固定端側非接触面246aを上面とする固定端側非接触部246を備えている。固定端側非接触部246の手前側には、右方に向けて下方に傾斜している第1振分面244aを上面とする第1振分部244が当該固定端側非接触部246と連続する態様で一体形成されている。また、第1振分部244の手前側には、左方に向けて下方に傾斜している第2振分面245aを上面とする第2振分部245が当該第1振分部244に連続する態様で一体形成されている。そして、第2振分部245の手前側には、遊技球B1と接触しない自由端側の水平面である自由端側非接触面247aを上面とする自由端側非接触部247が当該第2振分部245と連続する態様で一体形成されている。
図61(b)に示すように、第1左右振分部材243の固定端側に位置している固定端側非接触部246の軸線242a方向の長さ寸法は遊技球B1の半径よりも短い5mmであるとともに、当該固定端側非接触部246の手前側に隣接している第1振分部244の軸線242a(図61(a))方向の長さ寸法は4mmである。また、固定端側非接触部246の高さ寸法は第1振分部244の右端の高さ寸法と同じである。
また、図61(b)に示すように、第1振分部244の手前側に隣接している第2振分部245の軸線242a(図61(a))方向の長さ寸法は4mmであるとともに、当該第2振分部245の自由端側に隣接している自由端側非接触部247の軸線242a(図61(a))方向の長さ寸法は遊技球B1の半径よりも短い4mmである。また、自由端側非接触部247の高さ寸法は第2振分部245の左端の高さ寸法と同じである。ここで、第1左右振分釘242が遊技盤237に固定された状態において、固定端側の側面、固定端側非接触部246と第1振分部244との境界面、第1振分部244と第2振分部245との境界面、及び第2振分部245と自由端側非接触部247との境界面はいずれも遊技盤237の表面と平行な面である。
上記第13の実施形態において既に説明したとおり、遊技球B1の接触可能範囲は、遊技盤237の表面から窓パネル52側に5.5mm移動した場所から、遊技盤237の表面から窓パネル52側に12.5mm移動した場所までである。これに対して第1左右振分部材243における固定端側非接触部246の軸線242a方向の長さ寸法は5.5mmよりも短く設定されているため、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が衝突し得るのは第1振分面244aのみであり、遊技球B1は固定端側非接触面246aには衝突しない。また、第1左右振分部材243における自由端側非接触部247の軸線242a方向の長さ寸法(4mm)と、第1左右振分部材243の自由端から窓パネル52の背面までの長さ寸法(1mm)と、の合計は5.5mmよりも短く設定されているため、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が衝突し得るのは第2振分面245aのみであり、遊技球B1は自由端側非接触面247aには衝突しない。
このように、第1左右振分釘242の固定端に水平面である固定端側非接触面246aを上面とする固定端側非接触部246を設け、固定端側非接触部246の軸線242a方向の長さ寸法を遊技球B1の半径よりも短くすることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が固定端側非接触面246aと接触する可能性を排除しながら、第1左右振分釘242の取り付け時に角度に関する大きな誤差が生じる可能性を低減することができる。具体的には、第1左右振分釘242を遊技盤237に取り付ける際、水平面である固定端側非接触面246aを目安にして回転角度を調整することにより、振分面244a,245aが上を向いた状態で第1左右振分釘242を遊技盤237に固定することが容易となる。
・上述した第13の実施形態において、左右振分釘213,214の代わりに、衝突する遊技球B1の遊技領域PAにおける位置を反転させる反転釘251を用いる構成としてもよい。当該反転釘251の形状について図62(a)〜(d)を参照しながら説明する。
図62(a)は反転釘251の斜視図であり、図62(b)は遊技盤238の表面に垂直な平面で反転釘251を切断した場合の切断面の端面図であり、図62(c)は反転釘251の第1反転面254aと衝突する遊技球B1が受ける抗力を説明するための説明図であり、図62(d)は反転釘251の第2反転面254bと衝突する遊技球B1が受ける抗力を説明するための説明図である。
図62(a)に示すように、反転釘251は軸線251a方向に延在させて形成されている釘である。反転釘251は、衝突する遊技球B1の進路を変える反転面254a,254bを上面に備えている反転部材254と、当該反転部材254を遊技盤238に固定するための固定用部材216と、からなる。そして、反転釘251を構成している固定用部材216は、上記第13の実施形態における第1左右振分釘213を構成している固定用部材216と同一部材である。
反転部材254は軸線251a方向に延在させて形成されている略四角柱形状の樹脂製部材である。反転部材254の上面は4つの頂点を有しており、第1反転面254a及び第2反転面254bにより構成されている。このうち、第1反転面254aは右奥、左奥、及び右手前に頂点を有しているとともに、右奥の頂点が他の2つの頂点よりも高い位置にある三角形の平面である。このため、第1反転面254aは左方及び前方に向けて下方に傾斜している。
また、第2反転面254bは左手前、左奥、及び右手前に頂点を有しているとともに、左手前の頂点が他の2つの頂点よりも高い位置にある三角形の平面である。このため、第2反転面254bは右方及び後方に向けて下方に傾斜している。
反転部材254の軸線251a方向の長さ寸法は17mmである。図62(b)に示すように、反転釘251には固定用部材216が嵌まる固定用の穴が形成されており、当該固定用の穴の内壁と遊技盤238に打ち込まれて固定されている固定用部材216の外壁とが接着剤で固定されることにより、反転部材254が遊技盤238に固定される。反転釘251が遊技盤238に固定された状態において、反転部材254の全体が遊技盤233の表面から突出しているため、反転釘251は、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1と手前側に位置する遊技球B1との両方と衝突し得る。
図62(a)に示すように、反転釘251の固定端側において、第1反転面254aの面積は第2反転面254bの面積よりも大きい。このため、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は第1反転面254aと衝突する可能性が高い。第1反転面254aは左方及び前方に向けて下方に傾斜しているため、図62(c)に示すように、第1反転面254aと衝突する遊技球B1は左方向の成分と、上方向の成分と、手前方向の成分と、を有する抗力を受けて、左前方に跳ね上がる。
また、図62(a)に示すように、反転釘251の自由端側において、第2反転面254bの面積は第1反転面254aの面積よりも大きい。このため、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は第2反転面254bと衝突する可能性が高い。第2反転面254bは右方及び後方に向けて下方に傾斜しているため、図62(d)に示すように、第2反転面254bと衝突する遊技球B1は右方向の成分と、上方向の成分と、奥方向の成分と、を有する抗力を受けて、右後方に跳ね上がる。
このように、反転釘251は、奥側で衝突する遊技球B1を手前側に跳ね返す確率が高い釘であるとともに、手前側で衝突する遊技球B1を奥側に跳ね返す確率が高い釘である。このため、例えば、第13の実施形態の遊技盤233における左側誘導釘群211の上流に反転釘251を設け、左側誘導釘群211の上流で反転釘251と衝突する遊技球B1の奥行き方向の位置関係を反転させることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率、及び手前側に位置する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を変化させることができる。
作動口33,34に入賞する確率を大きく変える反転釘251を利用することにより、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。また、反転釘251を利用することにより、遊技球発射機構27(図2)の不具合などで遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置が手前側に偏ってしまう場合や奥側に偏ってしまう場合においても、遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率に大きな偏りが生じる事態を回避することができる。
<第14の実施形態>
本実施形態では、振分釘213,214に代えて前後振分釘262(図63)及び後方釘271(図63)が遊技盤261(図63)に設けられている点で上記第13の実施形態と相違している。以下、上記第13の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図63は本実施形態の遊技盤261の正面図、及び当該遊技盤261における左側誘導釘群281の上流部の拡大図である。図63に示すように、本実施形態の遊技盤261には、遊技領域PAの左側を流下する遊技球B1を作動口33,34に誘導するために、障害釘228、前後振分釘262、及び後方釘271からなる左側誘導釘群281が設けられている。ここで、前後振分釘262は、遊技領域PAにおいて衝突する遊技球B1の奥行き方向の位置を変える釘である。また、後方釘271は、遊技領域PAの奥側(遊技盤261側)を流下する遊技球B1のみが衝突し得る釘である。
左側誘導釘群281は作動口33,34の左斜め上に位置している。当該左側誘導釘群281の上の空間は遊技球B1の直径よりも広く空いているため、遊技球B1は当該左側誘導釘群281の上を通過することができる。左側誘導釘群281の上流部には前後振分釘262及び後方釘271が配設されている。
図63に示すように、左側誘導釘群281の最も上流には4本の前後振分釘262が1列に並んでいるため、左側誘導釘群281に誘導される大部分の遊技球B1が上流部においていずれかの前後振分釘262と衝突する。前後振分釘262と衝突した遊技球B1は、奥行き方向の位置が振り分けられた状態で左側誘導釘群281の下流に至る。図63の拡大図に示すように、当該4つの前後振分釘262で形成される前後振分釘262の列を第1誘導釘列282とする。
第1誘導釘列282を構成する4本の前後振分釘262は、右側の前後振分釘262が隣接する左側の前後振分釘262よりも下方に位置する態様で1列に並んでいる。第1誘導釘列282を構成する前後振分釘262同士の間隔は、遊技球B1の直径11mmよりも狭く、遊技球B1が2本の前後振分釘262の隙間から下方に落下しない構成である。
また、前後振分釘262の上面は左右方向に傾斜を有さない平面であるが、図63に示すように、前後振分釘262は、正面視、時計回りに略20°回転した状態で固定されている。このため、第1誘導釘列282において、前後振分釘262の上面は右に向けて緩やかな下り勾配となる態様で傾斜している。これにより、第1誘導釘列282上で遊技球B1が右方向の速度成分を失っても、遊技球B1がその場に停留する事態を回避することができる。
第1誘導釘列282のすぐ下流には遊技球B1の直径よりもひと回り大きな隙間が設けられており、当該隙間の下流には3つの後方釘271が1列に配設されている。当該3つの後方釘271で形成される後方釘271の列を第2誘導釘列283とする。当該第2誘導釘列283において、3本の後方釘271は隙間を空けずに並んでおり、2本の後方釘271の隙間から遊技球B1が下方に落下することはない構成である。
また、第2誘導釘列283の下流には、隙間をあけずに4本の障害釘228が設けられて第3誘導釘列284が形成されている。そして、当該4つの障害釘228の下流には、遊技球B1の直径よりも大きな隙間をあけて複数の障害釘228が1列で並んでいる。当該障害釘228の列は作動口33,34の直前まで続いており、遊技球B1を作動口33,34まで誘導する。
なお、本実施形態において、遊技盤261の右側に配置されている右側誘導釘群は全て障害釘228で構成されている。
次に、前後振分釘262の構造について、図64(a)〜(d)に基づいて説明する。図64(a)は前後振分釘262の斜視図であり、図64(b)は前後振分釘262を構成する前後振分部材263の平面図であり、図64(c),(d)は遊技盤261の表面に垂直な平面で前後振分釘262を切断した場合における切断面の端面図である。図64(a)に示すように、前後振分釘262は軸線262c方向に延在させて形成されている細長形状の釘である。前後振分釘262は、上方から落下して衝突する遊技球B1を奥行き方向に振り分ける前後振分部材263と、当該前後振分部材263を遊技盤261の表面に固定するための固定用部材216と、から構成されている。前後振分部材263は、軸線262c方向に延在させて形成されている略四角柱形状の樹脂製部材であり、上方から落下する遊技球B1と衝突し得る面として、傾斜の異なる第1振分面264a及び第2振分面265aを備えている。
図63に示すように、前後振分釘262は、軸線262cが遊技盤261の表面に対して略垂直となるとともに前後振分部材263が遊技盤261の表面から突出する態様で遊技盤261に固定されている。前後振分部材263の軸線262c方向の長さ寸法は17mmであり、遊技盤261に固定されている前後振分釘262において前後振分部材263は遊技領域PAに17mm突出している。前後振分釘262は遊技球B1の接触可能範囲を網羅しているため、前後振分釘262は、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1と衝突し得るとともに手前側に位置する遊技球B1と衝突し得る。以下の説明では、遊技盤261に固定されている状態において、遊技盤261に固定されている端を前後振分釘262の固定端とするとともに、遊技領域PAに突出している端を前後振分釘262の自由端とする。
図64(a)に示すように、前後振分部材263は、第1振分面264aを有する固定端側の第1振分部264と、第2振分面265aを有する自由端側の第2振分部265と、から構成されている。第1振分部264の軸線262c方向の長さ寸法は9mmであるとともに、第2振分部265の軸線262c方向の長さ寸法は8mmである。また、第1振分面264aは後方に向けて下方に傾斜している傾斜面であるとともに、第2振分面265aは前方に向けて下方に傾斜している傾斜面である。そして、前後振分釘262が遊技盤261に固定されている状態において、第1振分部264と第2振分部265との境界面は遊技盤261の表面に平行であり、当該境界面は遊技領域PAの奥行き方向の中央に位置している。
図64(b)に示すように、前後振分部材263は、固定端と自由端とのそれぞれに正方形の側面を有している。このうち、固定端側の側面である固定端面263bには、前後振分部材263を遊技盤261に固定する際に固定用部材216を嵌めるための固定用穴263aが形成されている。当該固定用穴263aは、前後振分部材263の固定端側の側面に開口を有する態様で、前後振分部材263の固定端から自由端付近に亘る態様で形成されている円柱形状の穴であり、当該固定用穴263aの深さは15mmである。図64(b)に示すように、当該固定用穴263aは、前後振分部材263の半分以上の体積を占める態様で大きく形成されている。なお、固定用穴263aは、前後振分部材263の上下左右の側面から当該前後振分部材263の強度を保つために十分な距離をおいて形成されている。
次に、前後振分釘262が遊技盤261に固定されている状態について説明する。前後振分釘262を構成している固定用部材216は、前記第13の実施形態において説明した第1左右振分釘213を構成している固定用部材216と同一部材である。図64(c),(d)に示すように、固定用部材216は、固定用尖頭部216bの全部と、固定用胴軸部216aの一部と、が遊技盤261の表面よりも奥側に埋没するとともに、固定用胴軸部216aの残りの部分が遊技盤261表面から略垂直方向に突出する態様で遊技盤261に固定される。遊技盤261に固定された固定用部材216において、遊技盤261表面からの突出部の長さ寸法は15mmである。前後振分部材263は、当該突出部の外壁と固定用穴263aの内壁とを接着剤により固定することで、振分面264a,265aが上方を向いた態様で遊技盤261に固定される。
図64(c)に示すように、遊技盤261と窓パネル52とで挟まれている遊技領域PAの奥側(遊技盤261側)を流下する遊技球B1は第1振分面264aと衝突する。遊技領域PAの奥側において、第1振分面264aは後方に向かって下方に傾斜しているため、上方から落下して第1振分面264aと衝突する遊技球B1には上方向の成分と奥方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は奥方向に跳ね返り、下流において遊技領域PAの奥側を流下する。
また、遊技領域PAの手前側(窓パネル52側)を流下する遊技球B1は第2振分面265aと衝突する。遊技領域PAの奥側において、第2振分面265aは前方に向かって下方に傾斜しているため、上方から落下して第2振分面265aと衝突する遊技球B1には上方向の成分と手前方向の成分とを有する抗力が働く。これにより、衝突後の遊技球B1は手前方向に跳ね返り、下流において遊技領域PAの手前側を流下する。
次に、遊技領域PAにおける後方釘271と遊技球B1との関係を図65(a)〜(c)に基づいて説明する。図65(a)は後方釘271の斜視図であり、図65(b),(c)は遊技盤261の表面に垂直な平面で切断した場合の後方釘271の縦断面図である。
図65(a)に示すように、後方釘271は円柱形の胴軸部271aと、円錐形の尖頭部271bと、から構成されている。胴軸部271aの直径及び尖頭部271bの底面の直径は共に障害釘228の胴径と同じ略2mmである。図65(b)に示すように、後方釘271は、尖頭部271bの全部と胴軸部271aの一部とが遊技盤261の表面よりも奥側に埋没するとともに、胴軸部271aの一部が遊技盤261から略垂直方向に突出する態様で遊技盤261固定される。
遊技盤261に固定されている後方釘271において、遊技盤261の表面から後方釘271の突出部における手前側の端までの長さは6mmである。ここで、遊技盤261に固定されている後方釘271の突出部の先端から窓パネル52の背面までの距離は12mmであり、直径11mmの遊技球B1が後方釘271と窓パネル52とに挟まれて停留するようなことは起こらない構成である。
図65(b)に示すように、遊技領域PAの奥側を遊技盤261表面に沿って流下する直径11mmの遊技球B1は後方釘271と衝突して進行方向を変える。一方、図65(c)に示すように、遊技領域PAの手前側を窓パネル52の奥側の表面に沿って流下する遊技球B1は後方釘271に衝突しないため、そのままの進行方向を維持して下流に向かう。
次に、左側誘導釘群281の上方の空間に進入した遊技球B1の動きについて、図66(a),(b)に基づいて説明する。図66(a)は遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1の左側誘導釘群281における進路を説明するための説明図であり、図66(b)は遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1の左側誘導釘群281における進路を説明するための説明図である。
図66(a)に示すように、遊技領域PAの奥側を流下する遊技球B1が左側誘導釘群281の上方の空間に進入した場合、遊技球B1は第1誘導釘列282を構成している4つの前後振分釘262のいずれかに衝突して跳ね返る。このとき、遊技球B1は前後振分釘262の第1振分面264a(図64(a))と衝突するため、下流において遊技球B1は高確率で遊技領域PAの奥側を流下する。
第1誘導釘列282を構成する前後振分釘262と衝突して跳ね返った遊技球B1が第1誘導釘列282の下流端に位置する前後振分釘262と第2誘導釘列283の上流端に位置する後方釘271との隙間を跳び越えた場合、当該遊技球B1は第2誘導釘列283の上方の空間に進入する。遊技球B1が遊技領域PAの奥側に位置し、第2誘導釘列283を構成している3つの後方釘271のいずれかに衝突して跳ね返る場合、遊技球B1は第3誘導釘列284によって作動口33,34に向かって誘導される。
一方、図66(b)に示すように、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が左側誘導釘群281の上方の空間に進入した場合、遊技球B1は第1誘導釘列282を構成している4つの前後振分釘262のいずれかに衝突して跳ね返る。このとき、遊技球B1は前後振分釘262の第2振分面265a(図64(a))と衝突するため、下流において遊技球B1は高確率で窓パネル52の背面に沿って流下する。
第2振分面265aと衝突して跳ね返った遊技球B1が第1誘導釘列282の下流端に位置する前後振分釘262と第2誘導釘列283の上流端に位置する後方釘271との隙間を跳び越えた場合、当該遊技球B1は第2誘導釘列283の上方の空間に進入する。遊技球B1が窓パネル52の背面に沿って移動しており、第2誘導釘列283を構成している3つの後方釘271のいずれにも衝突しない場合、遊技球B1は後方釘271と窓パネル52との間をすり抜けて落下し、アウト口24aにて回収される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
衝突する遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置に応じて衝突後の進路を遊技領域PAの奥側と手前側とに振り分ける前後振分釘262を遊技盤261に設ける構成である。当該構成により、遊技領域PAの奥行き方向の中央付近に位置している遊技球B1についても、衝突後の進路を遊技盤261沿い又は窓パネル52沿いのいずれかに分けることができる。そして、当該前後振分釘262の下流には、遊技球B1が遊技領域PAの遊技盤261側に位置する場合と、遊技領域PAの窓パネル52側に位置する場合とのそれぞれにおいて、下流における当該遊技球B1の進路を異なるものとする第2誘導釘列283を設定する構成である。このため、前後振分釘262によって振り分けられた進路に応じて遊技球B1の下流における進路を異なるものとすることができる。このように、前後振分釘262の下流に第2誘導釘列283を配置する構成とすることにより、遊技球B1の遊技領域PAにおける前後方向の位置に応じて遊技球B1の下流における進路が変わる構成とすることができる。遊技領域PAにおける左右方向の位置のみが遊技球B1の下流における進路に影響する構成と比較して、遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技盤261に設けられた場合に突出部の自由端と窓パネル52の背面との間に遊技球B1が通過可能な空間が形成される後方釘271を並べて第2誘導釘列283とする構成であるため、遊技盤261側に位置する遊技球B1の進路を変えるとともに、窓パネル52側に位置する遊技球B1の進路を変えない態様で、遊技球B1の下流における進路を異なるものとすることができる。第2誘導釘列283を構成する釘として後方釘271を利用することにより、遊技球B1の遊技領域PAにおける動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第14の実施形態の別形態>
・上述した第14の実施形態において、第2誘導釘列283として3つの後方釘271を並べる構成に代えて、遊技盤261に固定した場合に遊技盤261の表面から窓パネル52側に後方釘271と同じ長さだけ突出するとともに、第2誘導釘列283において後方釘271が並んでいる角度と同じ傾斜面を有する傾斜部材を1つ配置する構成としてもよい。当該傾斜部材を配設する構成とすることにより、窓パネル52の奥側の表面に沿って移動している遊技球B1の進路を変更することなく、遊技盤261の表面に沿って移動している遊技球B1の進路を変更することができる。この場合には、3つの後方釘271を遊技盤261に並べて設ける場合よりも容易に傾斜部材を遊技盤261に固定することができる。
・上述した第14の実施形態において、第2誘導釘列283及び第3誘導釘列284を構成している全ての釘が障害釘228である構成とするとともに、第1誘導釘列282と第2誘導釘列283との隙間に後方釘271が配設されている構成としてもよい。この場合には、遊技領域PAの手前側を流下する遊技球B1が左側誘導釘群281に誘導されて作動口33,34に入賞する確率を、釘として障害釘228のみを用いる従来の遊技機と同程度に保ちながら、遊技領域PAの奥側を流下する遊技球B1が左側誘導釘群281に誘導されて作動口に入賞する確率を上げることができる。
・上述した第14の実施形態において、前後振分釘262の形状は、前後振分釘262の上側の面であって、先端側に配置されている面が基端から先端に向かって上り傾斜となっているとともに、前後振分釘262の上側の面であって、基端側に配置されている面が基端から先端に向かって下り傾斜となっている形状であってもよい。
例えば、上述した前後振分釘262において、固定端側に位置していた第1振分部264が自由端側に位置しているとともに、自由端側に位置していた第2振分部265が固定端側に位置している釘を前後振分釘として用いてもよい。つまり、上述した前後振分釘262において、第1振分部264と第2振分部265とが入れ替わっている形状を有する釘を前後振分釘として用いてもよい。このように上側の2つの傾斜面が中央に向かって下り傾斜となっている前後振分釘を凹型前後振分釘とする。
遊技領域PAの奥側を流下する遊技球B1が凹型前後振分釘と衝突した場合、当該遊技球B1の下流における進路は遊技領域PAの手前側に変更される。また、遊技領域PAの手前側を流下する遊技球B1が凹型前後振分釘と衝突した場合、当該遊技球B1の下流における進路は遊技領域PAの奥側に変更される。つまり、凹型前後振分釘に衝突する遊技球B1の奥行き方向の位置を反転させることできる。例えば、遊技球発射機構27の不具合により、遊技領域PAに向けて発射される遊技球B1が全て遊技領域PAの奥側に位置するような場合、又は発射される遊技球B1が全て遊技領域PAの手前側に位置するような場合において、当該凹型前後振分釘と衝突する遊技球B1の奥行き方向の位置が反転することにより、奥側に位置する遊技球B1の数に対する手前側に位置する遊技球B1の数の割合が著しく偏る事態を回避することができる。
また、上述した第14の実施形態において、第1誘導釘列282を構成する4本の前後振分釘262の代わりに4本の凹型前後振分釘を遊技盤261に配設することにより、上述した第14の実施形態とは異なり、第1誘導釘列282、第2誘導釘列283、及び第3誘導釘列284によって遊技領域PAの手前側を流下する遊技球B1が高確率で作動口33,34に向かって案内されるとともに、遊技領域PAの奥側を流下する遊技球B1が高確率でアウト口24aから回収される構成とすることができる。
遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置に応じて遊技球B1の下流における進路が変わる構成とすることにより、遊技領域PAにおける左右方向の位置のみが遊技球B1の下流における進路に影響する構成と比較して、遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
・上述した第14の実施形態において、前後振分釘262に代えて、遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置を一方向のみに誘導する釘を遊技盤261に設けてもよい。例えば、遊技領域PAの手前側に向けて下り勾配を有する傾斜面のみを有する手前側誘導釘を遊技盤261に設けることにより、当該手前側誘導釘と衝突する遊技球B1の奥行き方向の位置を手前側に誘導することができる。また、遊技領域PAの奥側に向けて下り勾配を有する傾斜面のみを有する奥側誘導釘を遊技盤261に配設することにより、当該奥側誘導釘と衝突する遊技球B1の奥行き方向の位置を奥側に誘導することができる。
上述した第14の実施形態の遊技盤261において、第1誘導釘列282の上流から1番目及び2番目の前後振分釘262を手前側誘導釘に置換するとともに、3番目及び4番目の前後振分釘262を奥側誘導釘に置換することにより、左側誘導釘群281の上流部において、比較的浅い位置で第1誘導釘列282と衝突する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を高くするとともに、比較的深い位置で第1誘導釘列282と衝突する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を低くすることができる。このように、第1誘導釘列282における遊技球B1の衝突位置に応じて入賞確率を異なるものとすることにより、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きが単調になることを防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる。
・上述した第14の実施形態において、後方釘271は衝突する遊技球B1に対して所定方向の成分を有する抗力を与える傾斜面を備えている構成としてもよい。例えば、上述した第14の実施形態における後方釘271を右方に向けて下方に傾斜している上面を有する右方誘導釘としてもよい。当該右方誘導釘を遊技盤261に設けることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が衝突して右方に向けて加速するとともに、手前側に位置する遊技球B1が衝突しない態様で遊技球B1の進路を振り分けることができる。これにより、遊技球B1の奥行き方向の位置を遊技球B1の左右方向の進路に反映させて、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、例えば、上述した第14の実施形態における後方釘271を前方に向けて下方に傾斜している上面を有する前方誘導釘としてもよい。当該前方誘導釘を遊技盤261に設けることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が衝突することより手前側に移動するとともに、手前側に位置する遊技球B1が衝突しない態様で遊技球B1の奥行き方向の位置を変更する構成とすることができる。これにより、遊技領域PAにおいて、手前側に位置する遊技球B1の数を増加させることができる。例えば、上述した第13の実施形態における第1左右振分釘213を当該前方誘導釘の下流に設けることにより第2振分面218aと衝突して左方に振り分けられる遊技球B1が多い構成とすることができる。また、例えば、上述した第13の実施形態における第2左右振分釘214を当該前方誘導釘の下流に設けることにより第2振分面234aと衝突して右方に振り分けられる遊技球B1が多い構成とすることができる。このように、遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置に応じた態様で遊技球B1の進路を振り分ける手段の上流に前方誘導釘を設けることにより、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
・上述した第14の実施形態において、後方釘271に代えて、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が衝突しやすい形状であるとともに奥側に位置する遊技球B1が衝突しにくい形状を有する前方優先部材291を遊技盤261に配設する構成としてもよい。当該前方優先部材291を図67(a),(b)に基づいて説明する。図67(a)は前方優先部材291の平面図であり、図67(b)は前方優先部材291を含む左側誘導釘群281における遊技球B1の進路を説明するための説明図である。
図67(a)に示すように、前方優先部材291は、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1のみが衝突可能であるプレート部材292と、当該プレート部材292を遊技盤261に固定するための第1支持部材293及び第2支持部材294と、からなる。プレート部材292は左右方向に延在させて形成されている直方体形状の樹脂板である。遊技球B1が衝突し得るプレート部材292の上面の横寸法は遊技球B1の直径の3倍よりも長い36mmであるとともに、奥行き方向の長さ寸法は遊技球B1の半径と同じ5.5mmである。また、プレート部材292は6mmの厚みを有しており、遊技球B1の衝突が繰り返されても破損しない強度を有している。
プレート部材292には、第1支持部材293を固定するために、内径及び深さが4mmである第1支持用穴295が左端から3mmの間隔を空けて形成されているとともに、第2支持部材294を固定するために、内径及び深さが4mmである第2支持用穴296が右端から3mmの間隔を空けて形成されている。
第1支持部材293と第2支持部材294とは同一部材である。支持部材293,294は、軸線293c,294c方向の長さ寸法が28mmである円柱形の支持用胴軸部293a,294aと、軸線293c,294c方向の長さ寸法が5mmである円錐形の支持用尖頭部293b,294bと、から構成されている。支持部材293,294の胴径は支持用穴292a,292bの内径と同じ4mmであるため、第1支持部材293は第1支持用穴295に隙間が空かない態様で嵌めることができるとともに、第2支持部材294は第2支持用穴296に隙間が空かない態様で嵌めることができる。
前方優先部材291を構成するプレート部材292と支持部材293,294とは分離可能である。自由端にハンマーなどで衝撃を加えられることにより、分離されている支持部材293,294は遊技盤233に固定される。そして、第1支持用穴295に第1支持部材293の突出部の一部が嵌まる態様であるとともに、第2支持用穴296に第2支持部材294の突出部の一部が嵌まる態様でプレート部材292が支持部材293,294に固定されることにより、前方優先部材291が遊技盤233に固定された状態となる。
図67(b)に示すように、支持部材293,294は、支持用尖頭部293b,294bの全部と、支持用胴軸部293a,294aの一部と、が遊技盤233の表面よりも奥側に埋没するとともに、支持用胴軸部293a,294aの残りの部分が遊技盤261の表面から略垂直方向に突出する態様で遊技盤261に固定される。遊技盤261に固定された支持部材293,294において、遊技盤261表面からの突出部の長さ寸法は15mmである。プレート部材292は、当該突出部の外壁と支持用穴292a,292bの内壁とを接着剤により固定することで遊技盤261に固定される。
遊技盤261に固定されている状態において、第1支持部材293と第2支持部材294との間隔は遊技球B1の直径の2倍である22mmであり、プレート部材292の奥側の端は遊技盤261の表面から遊技球B1の直径よりも広い11.5mm離れている。
上記第14の実施形態の遊技盤261において、第2誘導釘列283を構成している3本の後方釘271を上面の傾斜を変えずに前方優先部材291に置換すると、図67(b)に示すように、上流の第1誘導釘列282において奥側に振り分けられた遊技球B1が第1支持部材293と第2支持部材294との隙間から下方に落下する確率が高くなるとともに、手前側に振り分けられた遊技球B1がプレート部材292と衝突して第3誘導釘列284の上方の空間に進入する確率が高くなる。
このように、手前側に位置する遊技球B1の進路と奥側に位置する遊技球B1の進路とを異なるものとすることにより、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第15の実施形態>
本実施形態は、振分釘213,214に代えて反発釘322(図68)が遊技盤321(図68)に設けられている点で上記第13の実施形態と相違している。以下、上記第13の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態の遊技盤321には、遊技球B1の落下方向を適宜分散、調整等するための釘として障害釘228に加えて反発釘322が配設されている。先ず図68に基づいて、遊技盤321における反発釘322の位置を説明する。図68は遊技盤321の正面図、及び当該遊技盤321に配設されている左側誘導釘群323の上流部の拡大図である。
図68に示すように、遊技盤321には、遊技球B1を作動口33,34に誘導するために、複数の釘228,322で構成される誘導釘群が配設されている。当該誘導釘群は、遊技球B1を左側から遊技盤321の中央下部に位置する作動口33,34に誘導するために配設されている左側誘導釘群323、及び遊技球B1を右側から遊技盤321の中央下部に位置する作動口33,34に誘導するために配設されている右側誘導釘群324から構成されている。
左側誘導釘群323を構成している障害釘228及び反発釘322は1方向に向かって並んでおり、その並び方向は右に向けて30°の下り勾配となる傾斜を有している。また、右側誘導釘群324を構成している障害釘228及び反発釘322は1方向に向かって並んでおり、その並び方向は左に向けて30°の下り勾配となる傾斜を有している。
図68の拡大図に示すように、左側誘導釘群323は、最上流に位置する第1釘列331と、当該第1釘列331の下流に位置する第2釘列332とに分かれている。第1釘列331では4本の反発釘322が右に向かって30°の下り勾配を有する方向に1列で並んでいる。第1釘列331において、隣接する反発釘322同士の間隔は遊技球B1の直径よりも狭い。このため、遊技球B1が2つの反発釘322の間から下方へ落下することはない。
また、第2釘列332には13本の障害釘228が右に向かって30°の下り勾配を有する方向に1列で並んでいる。そして、第1釘列331の下流端に位置する反発釘322と第2釘列332の上流端に位置する障害釘228との隙間は遊技球B1の直径より広い13mmに設定されており、当該隙間から遊技球B1が下方へ落下する可能性がある。特に、第1釘列331を構成している反発釘322と衝突した遊技球B1の跳ね返りが小さい場合に、遊技球B1が第1釘列331と第2釘列332との隙間から下方へ落下して、遊技盤321の下部に設けられているアウト口24aから回収される可能性が高い。
次に、反発釘322の形状について図69(a),(b)に基づいて説明する。図69(a)は反発釘322の分解斜視図であるとともに、図69(b)は反発釘322の縦断面図である。図69(a)に示すように、反発釘322は軸線322a方向に延在させて形成されている細長形状の釘である。反発釘322は、反発係数が低く、衝突する遊技球B1を小さく跳ね返す表面を有する低反発部材333と、当該低反発部材333の表面よりも反発係数が大きく、衝突する遊技球B1を大きく跳ね返す高反発部334dを有する軸部材334と、からなる。
軸部材334は自由端側に、軸線322a方向に延在させて形成されている円柱形状の自由端側胴軸部334aを備えている金属製部材である。自由端側胴軸部334aの奥側には、円柱形状の固定端側胴軸部334bが自由端側胴軸部334aよりも大きな胴径を有する態様で軸線322a方向に延在させて一体形成されている。また、固定端側胴軸部334bの奥側には、円錐形状の尖頭部334cが、軸線322a上に頂点を有するとともに固定端側胴軸部334bに連続する態様で一体形成されている。
自由端側胴軸部334aの直径は2mmであるとともに、軸線方向の長さ寸法は8mmである。また、固定端側胴軸部334bの直径は6mmであるとともに軸線方向の長さ寸法は22mmである。当該固定端側胴軸部334bは、反発釘322が遊技盤321に固定される場合に、遊技盤321表面の手前側に突出する高反発部334dと、奥側に埋没する埋没部334eと、からなる。また、尖頭部334cは尖った先端を備えており、当該尖頭部334cを遊技盤321の表面に押し当てた状態で、反発釘322の自由端に対してハンマーなどで衝撃を与えることにより当該反発釘322を遊技盤321に固定することが可能である。
低反発部材333は、軸線322a方向に延在させて形成された円柱形状を有する低反発ウレタン製の部材である。低反発部材333の直径は6mmであり、軸線322a方向の長さ寸法は8mmである。このため、反発釘322が遊技盤321に固定されている状態において、低反発部材333と高反発部334dとの境界は遊技領域PAの奥行き方向の中央に位置する。低反発部材333には、当該低反発部材333の中央を軸線322a方向に貫く取付孔333aが形成されている。当該取付孔333aは、2mmの内径を有する円柱形状の孔である。図69(a)に示すように、当該取付孔333aには軸部材334の自由端側胴軸部334aが挿入される。これにより、図69(b)に示すように、低反発部材333が固定端側胴軸部334bに固定されて反発釘322となる。なお、低反発部材333は、衝突する遊技球B1の跳ね返りを小さくする素材であるとともに耐久性のある素材であれば、低反発ウレタンに限られない。例えば、低反発部材333がケイ素樹脂製であってもよい。
次に、遊技盤321に固定されている反発釘322に衝突する遊技球B1の進路について図70(a)〜(d)に基づいて説明する。図70(a),(c)は遊技盤321に垂直な平面で反発釘322を切断した場合の切断面の端面図であり、図70(b)は左上方から流下して衝突する遊技球B1の衝突後の進路を説明するために示す高反発部334dの横断面図であり、図70(d)は左上方から流下して衝突する遊技球B1の衝突後の進路を説明するために示す低反発部材333及び自由端側胴軸部334aの横断面図である。
図70(a)に示すように、反発釘322は遊技盤321の表面に対して軸線322aが略垂直となるように打ち込まれて固定されている。ここで、遊技盤321の表面及び窓パネル52の背面に挟まれる遊技領域PAの奥行きは18mmである。図70(a)に示すように、反発釘322は、軸部材334の埋没部334e及び尖頭部334cが遊技盤321の表面よりも奥側に埋没する態様で遊技盤321に固定されている。反発釘322が遊技盤321に固定されている状態において、遊技領域PAの奥側には高反発部334dが露出しているとともに、手前側には低反発部材333が露出している。
このため、図70(a)に示すように、遊技領域PAの奥側を流下する遊技球B1は反発係数の大きな高反発部334dと衝突して大きく跳ね返る。具体的には、図70(b)に示すように、右向きの初速度、及び下向きの初速度を有して左側上方から高反発部334dの上側の1点と衝突した後の遊技球B1は、右向きの初速度よりもやや減少した右向きの速度、及び下向きの初速度よりもやや減少した上向きの速度を有する。
一方、図70(c)に示すように、遊技領域PAの手前側を流下する遊技球B1は反発係数の小さな低反発部材333と衝突して小さく跳ね返る。具体的には、図70(d)に示すように、右向きの初速度、及び下向きの初速度を有して左側上方から低反発部材333の上側の1点と衝突した後の遊技球B1は、右向きの初速度よりも大きく減少した右向きの速度、及び下向きの初速度よりも大きく減少した上向きの速度を有する。
次に、第1釘列331を構成している反発釘322と衝突する遊技球B1の衝突後の進路を図71(a),(b)に基づいて説明する。図71(a)は遊技球B1が反発釘322の高反発部334dと衝突した場合における衝突後の遊技球B1の進路を説明するための説明図であり、図71(b)は遊技球B1が反発釘322の低反発部材333と衝突した場合における衝突後の遊技球B1の進路を説明するための説明図である。
図71(a)に示すように、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は、第1釘列331を構成する反発釘322の高反発部334dと衝突する。遊技球B1は反発係数の大きな高反発部334dと衝突した後に大きく跳ね返る。このため、衝突後の遊技球B1が第1釘列331の下流端と第2釘列332の上流端との隙間から下方に落下することなく第2釘列332によって作動口33,34まで誘導される確率は高い。
一方、図71(b)に示すように、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は第1釘列331を構成している反発釘322の低反発部材333と衝突する。遊技球B1は反発係数の小さな低反発部材333と衝突した後に小さく跳ね返る。このため、衝突後の遊技球B1が第1釘列331の下流端と第2釘列332の上流端との隙間から下方へ落下し、アウト口24aから回収される確率は高い。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
反発釘322は、先端側に反発係数の大きな高反発部334dを備えているとともに、基端側に反発係数の小さな低反発部材333を備えている構成である。当該反発釘322を遊技盤321に配設することにより、遊技領域PAにおける奥行き方向の位置に応じて衝突後の遊技球B1の進路を異なるものとすることができる。このため、遊技盤321に障害釘228のみが配設されており、遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置が遊技球B1の進路に影響しない従来のパチンコ機と比較した場合に、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、左側誘導釘群323の上流部を構成する第1釘列331に反発釘322を用いる構成であるとともに、第1釘列331の下流端と第2釘列332の上流端との間に遊技球B1の直径よりも大きな幅を有する隙間が設定されている構成である。このため、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が第1釘列331と衝突した後に第2釘列332によって作動口33,34まで誘導される確率は高い。また、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1が第1釘列331と衝突した後に第1釘列331の下流端と第2釘列332の上流端との隙間から下方に落下する確率は高い。
このように、遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置に応じた態様で、遊技球B1が作動口33,34に誘導される確率を異なるため、遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置が遊技球B1の進路に影響しない従来のパチンコ機10と比較して、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きのバリエーションを増やし、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第1釘列331を構成する釘の全てに反発釘322を用いる構成とした。遊技球B1の直径よりも短い間隔で反発釘322を複数本並べることにより、遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置の違いを、遊技球B1が作動口33,34に誘導される確率の違いに大きく反映することができる。
<第15の実施形態の別形態>
・上述した第15の実施形態において、反発釘322の代わりに同一方向に異なる角度で傾斜している複数の傾斜面を有する傾斜釘を利用してもよい。具体的には、当該傾斜釘は、固定端側に位置するとともに右に向かって30°の下り勾配を有する第1傾斜面を備えている第1傾斜部と、自由端側に位置するとともに右に向かって15°の下り勾配を有する第2傾斜面を備えている第2傾斜部と、からなる部材である。当該傾斜釘と衝突する遊技球B1は常に右方向に跳ね返る抗力を受けるが、奥行き方向の衝突位置に応じて衝突後の右方向の速度成分が変化する。具体的には、遊技領域PAの奥側で第1傾斜面と衝突する遊技球B1には右方向の成分が大きいとともに上方向の成分が小さい抗力が働く。一方、遊技領域PAの手前側で第2傾斜面と衝突する遊技球B1には、右方向の成分が小さいとともに上方向の成分が大きい抗力が働く。
このため、上記第15の実施形態において、反発釘322の代わりに当該傾斜釘を用いることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を上げるとともに、手前側に位置する遊技球B1が入賞する確率を下げることができる。遊技球B1の奥行き方向の位置が遊技結果に反映される構成とすることにより、遊技球B1の左右方向の位置のみが遊技結果に反映される従来のパチンコ機と比較して、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第16の実施形態>
本実施形態の遊技盤341(図72)は、遊技球B1を遊技領域PAの奥行き方向に振り分ける前後振分台351(図72)が配設されている点で上記第13の実施形態と相違している。以下、上記第13の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。なお、本実施形態の遊技盤341に設けられている釘は全て障害釘228である。
先ず本実施形態における遊技盤341の構成について、図72を参照しながら説明する。図72は遊技盤341の正面図である。
図72に示すように、遊技盤341には、図柄表示装置41の表示面41aをパチンコ機10前方から視認可能とする開口部341aを規定するようにしてセンターフレーム252が配設されている。センターフレーム252は、開口部341aの上縁及び左右の側縁を規定するように設けられた屋根ユニット253と、開口部341aの下縁を規定するように設けられたステージユニット354と、を備えている。ステージユニット354の左端には遊技領域PAに存在する遊技球B1を当該ステージユニット354上に移動することを可能にする球入口363が形成されており、当該球入口363に入った遊技球B1はステージユニット354上に誘導される。ステージユニット354はその上面に、遊技球B1が転動可能な転動面357を有している。転動面357は、遊技球B1を奥行き方向に2個並べた程度の幅を有し、中央部を中心として左右対称な滑らかな流線形状となっている。具体的には、転動面357の中央部には上方に盛り上がった山部358が形成されているとともに、その左右には下方に凹んだ谷部359が形成されている。また、転動面357の左右両端は中央部よりも上方に位置している。
転動面357の左右両端及び山部358は奥側に向けて下方に傾斜した形状をなしている。一方、谷部359は、手前側に向けて下方に傾斜した形状をなしている。このため、十分に減速された状態で谷部359上に到達した遊技球B1は、谷部359の傾斜により誘導されて、谷部359の前縁からステージユニット354の下方に向けて排出される。
ステージユニット354における山部358の下方には誘導通路366が形成されており、山部358の後部に誘導通路366への入口が形成されているとともに山部358はその入口に向けて下り傾斜となっている。誘導通路366は前方に向けて下り傾斜となっており、誘導通路366に導入された遊技球B1は当該誘導通路366を通ってステージユニット354の下方へ排出される。誘導通路366の出口は、第1作動口33の鉛直上方に位置している。よって、誘導通路366を通過した遊技球B1は第1作動口33に入球し易くなっている。
また、上述したとおり、遊技盤341には遊技球B1を遊技領域PAの奥行き方向に振り分ける前後振分台351が配設されている。詳細には、図72に示すように、ステージユニット354の左端に形成されている球入口363の左側であるとともに、左側誘導釘群355の左側上方である位置に前後振分台351が配置されている。
ここで、遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の詳細な位置を定義する。本実施形態において、遊技領域PAの奥側に位置している遊技球B1とは、遊技球B1の中心が遊技盤341の表面から9mm未満の位置にある遊技球B1である。また、遊技領域PAの最も奥側に位置している遊技球B1とは、遊技球B1が遊技盤341の表面に接触している状態又はそれに準ずる状態にある遊技球B1である。また、遊技領域PAの手前側に位置している遊技球B1とは、遊技球B1の中心が窓パネル52の背面から9mm未満の位置にある遊技球B1である。また、遊技領域PAの最も手前側に位置している遊技球B1とは、遊技球B1が窓パネル52の背面に接触している状態又はそれに準ずる状態にある遊技球B1である。
前後振分台351は、遊技球B1を遊技領域PAの最も奥側又は最も手前側のいずれか一方に振り分けるための台であり、当該前後振分台351は、最も奥側に振り分けられた遊技球B1が球入口363を通ってステージユニット354上に移動する態様で遊技盤341に固定されている。
図73(a)は前後振分台351の斜視図であり、図73(b)は前後振分台351の平面図である。また、図73(c),(d)は遊技盤341の表面に垂直な平面で前後振分台351を切断した場合における切断面の端面図である。図73(a)に示すように、前後振分台351は板状であるとともに樹脂製である台であり、その表面は当該前後振分台351上を転動する遊技球B1を遊技領域PAの最も奥側又は最も手前側のいずれか一方に振り分けるための傾斜を有している。前後振分台351の表面の傾斜態様を図73(b),(c)に基づいて以下に説明する。
図73(b)に示すように、前後振分台351は、その上流側の端から下流側の端までの長さ寸法が遊技球B1の直径の略3倍となるように形成されている。また、図73(c)に示すように、前後振分台351は、当該前後振分台351が遊技盤341に装着された状態において、遊技盤341の表面より奥側に埋没する埋没部351aと、当該遊技盤341の表面よりも手前側に突出する突出部351bと、から構成されている。遊技盤341には、前後振分台351を固定するための固定用穴が形成されており、当該固定用穴に前後振分台351の埋没部351aが嵌まる態様で接着剤を利用して前後振分台351が遊技盤341に固定されている。
図73(c)に示すように、突出部351bは遊技盤341の表面から窓パネル52の背面近傍までに亘って形成されている。このため、突出部351bは、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1と、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1と、の両方と接触することができる。また、埋没部351aは、突出部351bに対して遊技球B1の衝突が繰り返されてもその衝撃に耐えられるように、突出部351bの奥行き寸法と略同一の同じ奥行き寸法を有している。
図73(b)に示すように、前後振分台351表面は、前後振分台351表面の上流側半分であるとともに水平面である転動振分面371と、下流側半分の面における奥側半分である第1下流面372と、下流側半分の面における手前側半分の面である第2下流面373と、からなる。
図73(a)に戻り、第1下流面372と第2下流面373の具体的な傾斜態様について説明する。図73(a)に示すように、前後振分台351が遊技盤341に固定されている状態において、第1下流面372は奥側に向かって下り勾配となる傾斜を有しているとともに、第2下流面373は手前側に向かって下り勾配となる傾斜を有している。
図72に示すように、前後振分台351は、転動振分面371が右に向かって3°の下り勾配を有するようにわずかに回転した状態で遊技盤341に固定される。このため、図73(a)に示すように、転動振分面371を下流に向かって転動する遊技球B1は、転動の過程で遊技領域PAの奥側に導かれた場合には第1下流面372に案内されるとともに、転動の過程で手前側に導かれた場合には第2下流面373に案内される。
図72に示すように、遊技盤341における前後振分台351の上流側周辺には、遊技球B1を転動振分面371に誘導するための第1ガイド釘228a及び第2ガイド釘228bと、転動振分面371に誘導された遊技球B1が上方に跳ね上がることを防ぎ、遊技球B1を数秒間、前後振分台351の表面と接触している状態で転動させるための第3ガイド釘228cと、が設けられている。第1ガイド釘228aは遊技球B1の直径よりもひと回り広い間隔を空けて2列で並んでいる。第1ガイド釘228aの2つの列は、列間に進入した遊技球B1を右斜め上から転動振分面371に誘導するとともに、第1ガイド釘228aの列は、前後振分台351により振り分けられる遊技球B1以外の遊技球B1が遊技領域PAに向かって開いている球入口363からステージユニット354上方の空間に進入することを防ぐ。
遊技盤341における転動振分面371の左側上方には、第1ガイド釘228aによって誘導された遊技球B1が衝突することにより、当該遊技球B1の左方向の速度成分を消失させるとともに右方向の速度成分を与えるための第2ガイド釘228bが1本配設されている。第2ガイド釘228bは、転動振分面371よりも7mm上方に位置している。
第2ガイド釘228bが転動振分面371上にある遊技球B1の重心よりも低い位置に設定されている場合、右斜め上から転動振分面371上に案内される遊技球B1と当該第2ガイド釘228bとが衝突する点が遊技球B1における重心よりも低い位置となり、転動振分面371に案内された遊技球B1の左方向の速度成分を十分に減少させることができない可能性がある。この場合、当該遊技球B1は第2ガイド釘228bの上を通り、左下方へと落下する。また、転動振分面371上に存在する遊技球B1の高さよりも更に高い位置に第2ガイド釘228bが設定されている場合には、転動振分面371に案内された遊技球B1が第2ガイド釘228bと衝突することなく、第2ガイド釘228bの下を通って左方に向かい、下方に落下する可能性がある。
これに対して、転動振分面371よりも7mm上方に位置している第2ガイド釘228bは、転動振分面371に案内された遊技球B1と衝突する点が遊技球B1における重心よりも上の点である。このため、右上方から転動振分面371に案内される遊技球B1が第2ガイド釘228bの上又は下を通り、左方向に進んで転動振分面371から落下するのを防ぎ、右上から案内される遊技球B1を右方向(下流側)に跳ね返すことができる。
また、転動振分面371よりも7mm上方に位置している第2ガイド釘228bは、既に転動振分面371上に遊技球B1が存在している状態において、2個目の遊技球B1が転動振分面371に案内されてきた場合には、当該2個目の遊技球B1と接触しない。この場合、2個目の遊技球B1は、転動振分面371に到達することなく転動振分面371の上方から左下方に落下する。このため、前後振分台351の周辺で遊技球B1が滞留することを避けることができる。
転動振分面371の下流部の上方と、第1下流面372及び第2下流面373の上方には遊技球B1の直径よりもひと回り広い間隔を空けて複数の第3ガイド釘228cが設けられている。第1ガイド釘228aによって転動振分面371に案内された後、第2ガイド釘228bと衝突して右方向に進む遊技球B1は、当該第3ガイド釘228cと前後振分台351の表面とで挟まれた狭い空間に侵入する。前後振分台351の表面において、遊技球B1は、当該第3ガイド釘228cと複数回衝突して上下方向の速度成分を失い、前後振分台351の表面を傾斜に沿って右方向に転動する。
図73(c)に示すように、遊技盤341に固定されている前後振分台351の転動振分面371を転動して第1下流面372に案内された遊技球B1は遊技領域PAの最も奥側に振り分けられる。また、図73(d)に示すように、転動振分面371を転動して第2下流面373に案内された遊技球B1は遊技領域PAの最も手前側に振り分けられる。このように、遊技領域PAの奥行き方向のランダムな位置に存在する遊技球B1は、前後振分台351上を転動することにより、最も奥側又は最も手前側という対の関係にある極端な2通りの位置のいずれか一方に振り分けられる。
次に、前後振分台351で振り分けられた後の遊技球B1の進路について図74を参照しながら説明する。図74は遊技盤341(図72)の左側中央部の拡大図である。既に説明したとおり、前後振分台351において最も奥側に振り分けられた遊技球B1はステージユニット354の左端に形成されている球入口363を通って転動面357上に移動する。
ステージユニット354の転動面357の左右両端は山部358よりも十分に高く設けられているため、前後振分台351で振り分けられた遊技球B1が転動面357を転動する場合、遊技球B1の勢いが足りずに山部358の手前に設けられている谷部359から前方側の下方に向けて落下することはない。また、転動面357において、遊技球B1が前方に向けて落下し得る谷部359の左右方向の幅は遊技球B1の直径の略2倍であり、転動面357の左右方向の幅寸法に対する割合は低く設定されている。さらに、転動面357における谷部359の底と、山部358の頂上との高低差が小さく設定されている。つまり、転動面357上を転動する遊技球B1が谷部359から前方に向けて落下しにくい構成である。
遊技球B1はステージユニット354の左端から加速しながら転動面357を転動して山部358に至る。山部358には遊技球B1が後方に形成されている誘導通路366の入口に入球し易いように後方に向けて下方に傾斜している。このため、前後振分台351によって最も奥側に振り分けられた遊技球B1は高い確率で第1作動口33に入賞する。
一方、前後振分台351において手前側に振り分けられた遊技球B1は球入口363に入らずに下方に落下する。当該遊技球B1は左側誘導釘群355によって作動口33,34に誘導され得るが、遊技球B1が左側誘導釘群355によって作動口33,34に向けて誘導されている途中で障害釘228の隙間から下方に落下した場合、当該遊技球B1は作動口33,34に入賞せずにアウト口24aから回収されることとなる。遊技盤341において、左側誘導釘群355により誘導される遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率は、ステージユニット354の転動面357を転動する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率よりも低い。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前後振分台351は、当該前後振分台351の上流側における遊技球B1の奥行き方向の位置に応じて、遊技球B1を最も奥側又は最も手前側のいずれか一方に振り分ける構成である。そして、当該振分結果に応じた態様で遊技球B1が球入口363を通ってステージユニット354上に移動するか否かが決まる構成である。ステージユニット354上に移動した遊技球B1は、ステージユニット354上に移動しなかった遊技球B1よりも高い確率で作動口33,34に入賞する。
つまり、最も奥側に振り分けられた遊技球B1のみがステージユニット354の球入口363に入球する態様で遊技盤341に前後振分台351を配設することにより、前後振分台351の上流における遊技球B1の前後方向の位置に応じて遊技結果を異なるものとすることができる。遊技領域PAにおける遊技球B1の左右方向の位置のみが遊技結果に反映される従来のパチンコ機と比較して、遊技領域PAにおける遊技球B1の位置と遊技結果との関係が単調になることを防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技盤341において、前後振分台351の上方には、遊技球B1の直径よりもひと回り広い列間隔を有するとともに、前後振分台351の転動振分面371に向かう態様で2列の第1ガイド釘228aが設けられている。当該第1ガイド釘228aを利用することにより遊技球B1を1列で転動振分面371に誘導することができる。
また、転動振分面371の左側上方には、転動振分面371上の遊技球B1の重心よりも高いとともに上端よりも低い高さに第2ガイド釘228bが設けられている。このため、転動振分面371に誘導された遊技球B1が左方に逸れるのを防ぐことができるとともに、転動振分面371の上方で複数の遊技球B1が滞留するのを防ぐことができる。
そして、転動振分面371の下流部の上方と、第1下流面372及び第2下流面373の上方には遊技球B1の直径よりもひと回り広い間隔を空けて第3ガイド釘228cが設けられている。これにより、前後振分台351上に誘導された遊技球B1を前後振分台351に接触している状態で転動させて、その奥行き方向の位置を遊技領域PAの最も奥側又は最も手前側のいずれか一方に振り分けることができる。
<第16の実施形態の別形態>
・上述した第16の実施形態の遊技盤341における前後振分台351の位置は、ステージユニット354の上流側近傍に限られない。例えば、左側誘導釘群382が上記第13の実施形態にて既に説明した第1左右振分釘213(図51(a))で構成されており、当該左側誘導釘群382の上流側近傍に前後振分台351が配設されている構成としてよい。当該構成について図75及び図76を参照しながら以下に説明する。
図75は本構成における遊技盤381の正面図である。図75に示すように、遊技盤381には左側誘導釘群382が設けられている。当該左側誘導釘群382の上流部には第1左右振分釘213が4本設けられているとともに、下流部には障害釘228が7本設けられている。また、左側誘導釘群382の上流(左側)には上記第16の実施形態において説明した前後振分台351が配設されている。遊技球B1は当該前後振分台351によって最も奥側又は最も手前側のいずれか一方に振り分けられる。
図76(a),(b)は前後振分台351及び左側誘導釘群382周辺についての遊技盤341の拡大図である。図76(a)に示すように、前後振分台351によって遊技領域PAの最も奥側に振り分けられた遊技球B1は第1左右振分釘213の第1振分面217aと接触して順方向の力を受けるため、当該遊技球B1は高い確率で作動口33,34まで誘導されて入賞する。一方、図76(b)に示すように、前後振分台351によって遊技領域PAの最も手前側に振り分けられた遊技球B1は第1左右振分釘213の第2振分面218aと接触して逆方向の力を受けるため、当該遊技球B1は高い確率で第1左右振分釘213の間の隙間から下方に落下してアウト口24aから回収される。
このように、前後振分台351を左側誘導釘群382の上流側近傍に配設する構成としても、前後振分台351の上流における遊技球B1の前後方向の位置に応じて遊技結果を異なるものとすることができる。遊技領域PAにおける遊技球B1の左右方向の位置のみが遊技結果に反映される従来のパチンコ機と比較して、遊技領域PAにおける遊技球B1の位置と遊技結果との関係が単調になることを防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる。
・上述した第16の実施形態における前後振分台351として、上側表面に遊技球B1を振り分けるための溝が形成されている前後振分台391を用いてもよい。当該構成の前後振分台391について図77を参照しながら説明する。
図77(a)は遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1を最も奥側に誘導するとともに、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1を最も手前側に誘導するための溝を備えた前後振分台391の斜視図である。図77(a)に示すように、前後振分台391の上側表面には、上流部391aの奥側及び手前側に幅広の溝が1つずつ形成されている。奥側の溝は下流部において遊技球B1を最も奥側に誘導するための最も奥側誘導溝391bであるとともに、手前側の溝は下流部において遊技球B1を最も手前側に誘導するための最も手前側誘導溝391cである。
遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は上流部391aの最も奥側誘導溝391bにはまる構成であるとともに、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は上流部391aの最も手前側誘導溝391cにはまる。このため、前後振分台391を利用することにより、前後振分台391の上流において奥側に位置する遊技球B1を下流において最も奥側に誘導するとともに、上流において手前側位置する遊技球B1を下流において最も手前側に誘導することができる。
遊技球B1の奥行き方向の位置に応じた態様で遊技球B1の奥行き方向の進路を2通りに振り分けることができるため、遊技球B1の奥行き方向の位置が遊技球B1の進路に影響しない従来のパチンコ機の構成と比較して、遊技球B1の遊技領域PAにおける位置と遊技球B1の挙動との関係が単調になることを防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、図77(b)は奥側に位置する遊技球B1を最も手前側に誘導するとともに、手前側に位置する遊技球B1を最も奥側に誘導するための溝を備えた前後振分台392の斜視図である。図77(b)に示すように、前後振分台392の上側表面において、上流部392aの奥側及び手前側に幅広の溝が1つずつ形成されている。奥側の溝は下流部において遊技球B1を最も手前側に誘導するための最も手前側交差溝392eであるとともに、手前側の溝は下流部において遊技球B1を最も奥側に誘導するための最も奥側交差溝392dである。
遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1は上流部392aの最も手前側交差溝392eにはまる構成であるとともに、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1は上流部392aの最も奥側交差溝392dにはまる構成である。このため、前後振分台392を利用することにより、前後振分台392の上流において奥側に位置する遊技球B1を下流において最も手前側に誘導するとともに、上流において手前側に位置する遊技球B1を下流側において最も奥側に誘導することができる。
このように、前後振分台392によって、遊技球B1の前後方向の位置を反転させることができる。遊技球B1の前後方向の位置に応じて遊技結果を異なるものとする構成を当該前後振分台392の下流に配設することにより、遊技球B1が当該前後振分台392の上を転動することにより遊技結果が反転する構成とすることができる。これにより、遊技球B1の前後振分台392上の挙動に遊技者の注目を集め、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第17の実施形態>
本実施形態の遊技盤421(図78)には、遊技球B1の遊技領域PAにおける奥行き方向の位置を変更するための位置変更通路423(図78)が設けられている点で上記第16の実施形態と相違している。以下、上記第16の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず本実施形態における遊技盤421の構成について図78を参照しながら説明する。
図78は本実施形態における遊技盤421の正面図と、当該遊技盤421における位置変更通路423周辺の拡大図である。図78に示すように、図柄表示装置41の表示面41aは遊技盤421の中央に位置しており、当該表示面41aは上記第16の実施形態と同様に開口部421aから視認可能であり、当該開口部421aはセンターフレーム252で規定されている。そして、センターフレーム252は、開口部421aの上縁及び左右の側縁を規定するように設けられた屋根ユニット253と、開口部421aの下縁を規定するように設けられたステージユニット354と、を備えている。ここで、本実施形態におけるステージユニット354の転動面357は、上記第16の実施形態において説明した転動面357と同一の形状である。
遊技盤421において、表示面41aの左側には全長が遊技球B1の直径の略2倍の直線通路である位置変更通路423が設けられている。当該位置変更通路423は上方に位置する遊技球B1を入口から取り込み、位置変更通路423内を通過する遊技球B1の奥行き方向の位置を変更した後、出口から下方に向かって放出する通路である。当該位置変更通路423の詳細は後述する。
遊技盤421において、位置変更通路423の近傍であり左側上方には、遊技球B1を位置変更通路423の入口に誘導するために、右に向かって下り勾配の傾斜を有する右側誘導釘431が設けられている。当該右側誘導釘431は、上記第13の実施形態の第1左右振分釘213(図51(a))において、第2振分面218aの傾斜を第1振分面217aの傾斜と同じ傾斜に変更することにより作成される樹脂製の釘である。右側誘導釘431は、遊技盤421に固定されている状態において、遊技盤421の表面から窓パネル52側に17mm突出している突出部を有しており、当該突出部は上面として右方に向けて下方に傾斜している傾斜面を備えている。当該傾斜面は、突出部の固定端から自由端に亘って形成されているとともに、突出部の左端から右端に亘って形成されている。右側誘導釘431と衝突する遊技球B1は右上方向の抗力を受けて位置変更通路423の入口に導かれる。
なお、右側誘導釘431の構造はこれに限られない。要は、上方から流下して衝突する遊技球B1を右方向に跳ね返して位置変更通路423の入口に誘導することが可能な勾配を有する傾斜面を備えていればよい。
遊技盤421において、位置変更通路423の出口の真下には、遊技球B1の直径よりも広い13mmの間隔を空けて第1左右振分釘213が配設されている。第1左右振分釘213の左側には遊技領域PAが広がっているとともに、当該第1左右振分釘213の右側にはステージユニット354の転動面357が形成されている。このため、第1左右振分釘213によって右方向に振り分けられた遊技球B1はステージユニット354の転動面357の上を転動する。また、第1左右振分釘213によって左方向に振り分けられた遊技球B1は遊技領域PAに戻る。
位置変更通路423は、透明なポリカーボネート製の通路形成部材422によって形成されており、外部から視認可能な通路である。当該位置変更通路423について、図79(a)〜(d)を参照しながら説明する。図79(a)は通路形成部材422の斜視図であり、図79(b)は通路形成部材422の正面図であり、図79(c),(d)は遊技盤421の表面に垂直な平面で通路形成部材422を切断した場合の切断面の端面図である。
図79(a)に示すように、通路形成部材422は、位置変更通路423を形成している通路形成部424と、当該通路形成部424を遊技盤421に固定するための上側固定部425及び下側固定部426と、からなる。通路形成部424の形状は、遊技球B1の直径よりも大きな幅と、遊技領域PAの奥行きの略2倍の長さ寸法である奥行きと、遊技球B1の直径の略2倍の長さ寸法である高さと、を有する直方体である。当該通路形成部424には、上方に向けて突出させて板状の上側固定部425が一体形成されているとともに、下方に向けて突出させて板状の下側固定部426が一体形成されている。
両固定部425,426は、通路形成部材422の左端から右端に亘って延在させて形成されており、その形状は直方体である。両固定部425,426は通路形成部424の手前側平面から奥側に18mm離れた位置に両固定部425,426の手前側平面が位置する態様で形成されている。図79(b)に示すように、両固定部425,426の手前側平面の中央には通路形成部材422を遊技盤421の表面にネジ留めするための孔425a,426aが奥行き方向に貫通させて形成されている。
図79(c),(d)に示すように、通路形成部材422は、通路形成部424の背面の一部が遊技盤421の表面に形成されている固定用穴421bに嵌まる態様で遊技盤421に固定されている。固定用穴421bの幅及び高さは通路形成部424の幅及び高さと同じであるとともに、固定用穴421bの奥行きは遊技領域PAの奥行きと略同一である。遊技盤421の表面において、固定用穴421bの上方及び下方には、両固定部425,426と同一形状であるとともに同一サイズである上側固定用凹み部421c及び下側固定用凹み部421dが形成されている。そして、上側固定用凹み部421cの中央には、上側固定部425の中央に形成されている孔425aに対応するネジ穴が形成されているとともに、下側固定用凹み部421dの中央には、下側固定部426の中央に形成されている孔426aに対応するネジ穴が形成されている。
通路形成部材422は、上側固定部425を上側固定用凹み部421cにネジ留めするとともに、下側固定部426を下側固定用凹み部421dにネジ留めすることにより、着脱可能な態様で遊技盤421に装着される。このとき、上側固定部425の表面及び下側固定部426の表面は遊技盤421の表面と同一平面上に位置する。このため、両固定部425,426上を通過することによって遊技球B1の動きが変わることはない。
図79(a)に示すように、遊技盤421に装着されている通路形成部材422において、通路形成部424の手前側は窓パネル52側に18mm突出している。通路形成部424において、窓パネル52側に突出している部分には、当該通路形成部424を上下方向に貫く貫通孔によって位置変更通路423が形成されている。位置変更通路423の上側の開口が入口であるとともに、下側の開口が出口である。
位置変更通路423は、通路形成部材422の奥側の内壁である奥側壁面422aと、手前側の内壁である手前側壁面422bと、左側の内壁である左側壁面422cと、右側の内壁である右側壁面422dと、の4面で規定されている。このうち、位置変更通路423の左側に位置する左側壁面422c及び右側に位置する右側壁面422dで規定される位置変更通路423の幅は、入口から出口にかけて一定であり、具体的には遊技球B1の直径よりもひと回り大きい13mmである。図78に示すように、第1左右振分釘213の左右方向の中心は位置変更通路423の左右方向の中心の真下にある。位置変更通路423を通過する遊技球B1は、位置変更通路423の中心から左方向に1mm移動し得るとともに、中心から右方向に1mm移動し得る。これに対して、第1左右振分釘213の横寸法は7mmであるため、位置変更通路423の出口から排出される遊技球B1は第1左右振分釘213と衝突して、その進路を左方向又は右方向のいずれか一方に振り分けられる。
図79(c)に示すように、奥側壁面422aは遊技盤421の表面と平行な平面であり、入口において窓パネル52の背面から奥側壁面422aまでの距離は18mmであるとともに、出口において窓パネル52の背面から奥側壁面422aまでの距離は18mmである。また、手前側壁面422bは下方に進むにつれて徐々に奥側壁面422aに近づく傾斜を有しており、入口において遊技盤421の表面から手前側壁面422bまでの距離は17.5mmであるとともに、出口において遊技盤421の表面から手前側壁面422bまでの距離は16mmである。このように、位置変更通路423は、入口から出口にかけて通路の奥行き方向の寸法が短くなる構成であるとともに、通路の中心が奥側に移動する構成である。
ここで、手前側壁面422bは下方に向かうにつれて奥側に進む傾斜を有しているが、その傾斜はわずかな傾斜である。このため、垂直落下する遊技球B1が入口付近の手前側壁面422bと衝突する場合、遊技球B1の進路は、遊技球B1が出口の下方に位置する第1左右振分釘213と衝突する前に奥側壁面422aや遊技盤421の表面と衝突するほど大きくは変化しない。この場合には、遊技球B1は位置変更通路423の出口から13mm下方に位置する第1左右振分釘213の手前側の面である第1振分面217aと衝突する程度に進路を変える。
また、手前側壁面422bに設けられている傾斜は、位置変更通路423内で遊技球B1が手前側壁面422bとの衝突と、奥側壁面422aとの衝突と、を繰り返すチャタリングを抑制する角度である。手前側壁面422bの傾斜を、垂直落下して当該手前側壁面422bと衝突する遊技球B1の奥側への大きな跳ね返りを抑える傾斜とすることにより、遊技球B1の奥行き方向の位置の違いを遊技者に分かり易い態様で下流における遊技球B1の進路に反映させることができる。
図79(c)に示すように、第1左右振分釘213の第1振分面217aと第2振分面218aとの境界線は、遊技領域PAの奥行き方向の中央に位置している。図79(c)に示すように、入口において、遊技領域PAの奥行き方向の中央よりも奥側に位置している遊技球B1はそのまま出口から排出されて第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられる。
また、図79(d)に示すように、遊技領域PAの中央よりも手前側に位置している遊技球B1について、遊技球B1の中心から窓パネル52の背面までの距離が7.5mm以下である遊技球B1は位置変更通路423の手前側壁面422bと接触して奥側に進路を変え、出口から排出された後、第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられる。また、遊技球B1の中心から窓パネル52の背面までの距離が7.5mmよりも長い遊技球B1は出口からそのまま排出されて第1左右振分釘213の第2振分面218aと衝突して左方向に振り分けられる。
このように、位置変更通路423を通過する遊技球B1の奥行き方向の位置は高い確率で奥側に変更される。位置変更通路423と第1左右振分釘213とを組合せることにより、遊技球B1の奥行き方向の位置に応じた態様で、遊技球B1がステージユニット354の転動面357上に導かれる可能性を高めることができる。
次に、位置変更通路423の下方に設けられている第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1の下流における進路を図80(a),(b)に基づいて説明する。図80(a),(b)は、位置変更通路423の下流周辺を拡大して示す遊技盤421の正面図である。
図80(a)に示すように、第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられた遊技球B1はステージユニット354の上面に形成されている転動面357に導かれる。上記第16の実施形態において既に説明したとおり、ステージユニット354の転動面357の左右両端は山部358よりも十分に高く設けられているとともに、転動面357において、遊技球B1が前方に向けて落下し得る谷部359の左右方向の幅は遊技球B1の直径の略2倍であり、転動面357の左右方向の幅寸法に対する割合は低く設定されている。また、転動面357における谷部359の底と、山部358の頂上との高低差が小さく設定されている。つまり、転動面357上を転動する遊技球B1が谷部359から前方に向けて落下しにくい構成である。このため、第1左右振分釘213にて方向に振り分けられた遊技球B1が作動口33,34に入賞する可能性は高い。
これに対して、図80(b)に示すように、第1左右振分釘213にて左方向に振り分けられた遊技球B1は左側の遊技領域PAを流下する。図80(b)に示すように、遊技盤421には遊技領域PAの左側を流下する遊技球B1を作動口33,34に誘導するための左側誘導釘群429が作動口33,34の左側上方に設けられている。当該左側誘導釘群429は障害釘228によって構成されている。
第1左右振分釘213にて左方向に振り分けられた遊技球B1は、左側誘導釘群429に誘導されて作動口33,34に入賞する可能性があるとともに、左側誘導釘群429を構成している障害釘228の隙間から下方に落下してアウト口24aから回収される可能性がある。遊技盤421において、左側誘導釘群429に案内されて作動口33,34に入賞する確率は、ステージユニット354の転動面357に案内されて作動口33,34に入賞する確率よりも低い。
次に、通路形成部材422によって規定される位置変更通路423に代えて、交換用通路形成部材441によって規定される交換用位置変更通路442を利用する場合について図81(a),(b)を参照しながら説明する。図81(a),(b)は遊技盤421の表面に垂直な平面で交換用通路形成部材441を切断した場合の切断面の端面図である。ここで、交換用通路形成部材441は、通路形成部材422を構成する通路形成部424において、奥側壁面422aの傾斜が変更された部材であり、交換用通路形成部材441の奥側壁面422a以外の構造は通路形成部材422の構造と同一である。
図81(a),(b)に示すように、交換用通路形成部材441は、通路形成部材422の通路形成部424と同じ外形を有する交換用通路形成部443と、通路形成部材422の上側固定部425と同一の交換用上側固定部444と、通路形成部材422の下側固定部426と同一の交換用下側固定部445と、からなる。交換用通路形成部材441は、交換用通路形成部443の背面の一部が遊技盤421の表面に形成されている固定用穴421bに嵌まる態様で固定される。詳細には、交換用上側固定部444が上側固定用凹み部421cにネジ留めされるとともに交換用下側固定部445が下側固定用凹み部421dにネジ留めされることにより遊技盤421に着脱可能な態様で装着される。
図81(a),(b)に示すように、交換用通路形成部443は、その奥側壁面443aの傾斜が通路形成部424の奥側壁面422aの傾斜とは異なる点で、通路形成部424とは異なる。奥側壁面443aは下方に進むにつれて徐々に手前側壁面443bに近づく傾斜を有しており、入口において窓パネル52の背面から奥側壁面443aまでの距離は17.5mmであるとともに、出口において窓パネル52の背面から奥側壁面443aまでの距離は15mmである。
ここで、奥側壁面443aは下方に向かうにつれて手前側に進む傾斜を有しているが、その傾斜はわずかな傾斜である。このため、垂直落下する遊技球B1が入口付近の奥側壁面443aと衝突する場合、遊技球B1の進路は、遊技球B1が出口の下方に位置する第1左右振分釘213と衝突する前に手前側壁面443bや窓パネル52の背面と衝突するほど大きくは変化しない。垂直落下して奥側壁面443aと衝突する遊技球B1の進路は、交換用位置変更通路442の出口から13mm下方に位置する第1左右振分釘213の手前側の面である第2振分面218aと衝突する程度に変化する。
ここで、交換用通路形成部材441の奥側壁面443aに設けられている傾斜及び手前側壁面443bに設けられている傾斜は、交換用位置変更通路442内で遊技球B1が手前側壁面443bとの衝突と、奥側壁面443aとの衝突と、を繰り返すチャタリングを抑制する角度である。手前側壁面443bの傾斜を垂直落下して衝突する遊技球B1の奥側への大きな跳ね返りを抑える傾斜とするとともに、奥側壁面443aの傾斜を垂直落下して衝突する遊技球B1の手前側への大きな跳ね返りを抑える傾斜とすることにより、遊技球B1の奥行き方向の位置の違いを遊技者に分かり易い態様で下流における遊技球B1の進路に反映させることができる。
図81(a)に示すように、遊技領域PAの中央よりも奥側に位置している遊技球B1について、垂直落下して奥側壁面443aと衝突する遊技球B1は手前側に進路を変え、出口から排出された後、第1左右振分釘213の第2振分面218aと衝突して左方向に振り分けられる。一方、垂直落下して奥側壁面443aと衝突しない遊技球B1は出口からそのまま排出され、第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられる。
また、図81(b)に示すように、遊技領域PAの中央よりも手前側に位置している遊技球B1について、垂直落下して手前側壁面443bと衝突する遊技球B1は奥側に進路を変え、出口から排出された後、第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられる。一方、垂直落下して手前側壁面443bと衝突しない遊技球B1は出口からそのまま排出され、第1左右振分釘213の第2振分面218aと衝突して左方向に振り分けられる。
このように、垂直落下して衝突する遊技球B1を第1左右振分釘213の第2振分面218aに誘導する奥側壁面443aと、垂直落下して衝突する遊技球B1を第1左右振分釘213の第1振分面217aに誘導する手前側壁面443bと、を備えている交換用通路形成部材441を利用することにより、遊技球発射機構27(図2)においてソレノイド27cと遊技球B1との接触態様が変わり、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1のみが供給される事態や遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1のみが供給される事態となった場合に、ステージユニット354の転動面357に導かれる遊技球B1の数が極端に増えたり、極端に減ったりすることを防ぐことができる。
また、交換用通路形成部材441は、通路形成部材422と同じ固定用穴421bを利用して遊技盤421に装着することができる。このため、通路形成部材422が装着されている機種と同じ遊技盤421に交換用通路形成部材441を装着することにより、遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を変えて異なる機種を製造することができる。同一の遊技盤421を用いるため、遊技盤421を変更する場合と比較して容易に異なる機種を製造することができる。
また、通路形成部材422と交換用通路形成部材441とは共に着脱可能な態様で遊技盤421に装着されているため、遊技盤421に固定されている通路形成部材422を取り外して交換用通路形成部材441に付け替えることにより、遊技盤421をリサイクルすることが可能となる。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置を変更するための位置変更通路423が第1左右振分釘213の上流に配置されている構成である。そして、位置変更通路423に代えて、当該位置変更通路423とは異なる態様で遊技球B1の奥行き方向の位置を変更する交換用位置変更通路442を利用することができる構成である。機種によって通路形成部材422と交換用通路形成部材441とを使い分けることにより、同一形状の遊技盤421を利用して、異なる機種を製造することができる。このため、新たな遊技盤421の構成を検討して製造する場合と比較して、短時間及び低コストで遊技球B1のとりやすい進路が異なる機種を製造することができる。
また、通路形成部材422及び交換用通路形成部材441は共に着脱可能な態様で遊技盤421に装着されるため、遊技盤421に装着されている通路形成部材422を取り外し、交換用通路形成部材441に付け替えることにより、遊技領域PAにおける遊技球B1の動きが異なる態様で遊技盤421をリサイクルすることが可能となる。
また、第1左右振分釘213はステージユニット354の転動面357の左端に設けられており、第1振分面217aと衝突して右側に振り分けられる遊技球B1は転動面357に誘導される構成であるとともに、第2振分面218aと衝突して左側に振り分けられる遊技球B1は遊技盤421に設けられている多数の釘228によって作動口33,34に案内される構成である。そして、左右両端及び山部358が奥に向けて下方に傾斜した形状をなしている転動面357はその上を転動する遊技球B1を遊技盤421の釘228よりも高い確率で第1作動口33に導く構成である。このため、第1左右振分釘213の上方に遊技球B1を奥側に誘導しやすい通路形成部材422を装着することにより、遊技球B1が第1作動口33に入賞する確率を高め、位置変更通路423周辺の遊技球B1の動きに遊技者の関心を向けて、遊技の興趣向上を図ることができる。
位置変更通路423は、遊技盤421の表面に平行な奥側壁面422aと、下方に向けて奥側に傾斜している手前側壁面422bと、を備えている。手前側壁面422bの傾斜は、垂直落下して衝突する遊技球B1を第1左右振分釘213の第1振分面217aに衝突させる角度(略5°)の傾斜である。このため、遊技盤421に位置変更通路423を装着することにより、下流に設けられている第1左右振分釘213の奥側の面である第1振分面217aに衝突する遊技球B1の数を増やすことができる。
また、位置変更通路423の手前側壁面422bは垂直落下して衝突する遊技球B1が第1左右振分釘213と衝突するまで奥側壁面422a及び遊技盤421の表面と衝突することを抑制する角度(略5°)で傾斜しているため、第1左右振分釘213の上方においてチャタリングの発生を抑制し、遊技球B1の奥行き方向の位置を下流における遊技球B1の進路に大きく反映することができる。
また、交換用位置変更通路442は、出口において奥側壁面443aと手前側壁面443bとが遊技領域PAに突出している構成であり、奥側壁面443aは垂直落下して衝突する遊技球B1を第1左右振分釘213の第2振分面218aに衝突させる角度(略5°)で傾斜しているとともに、手前側壁面443bは垂直落下して衝突する遊技球B1を第1左右振分釘213の第1振分面217aに衝突させる角度(略5°)で傾斜している。このため、位置変更通路423に代えて交換用位置変更通路442を遊技盤421に設けることにより、下流に設けられている第1左右振分釘213の手前側の面である第2振分面218aに衝突する遊技球B1の数を増やすことができる。
位置変更通路423又は交換用位置変更通路442において、手前側に誘導される遊技球B1の割合と奥側に誘導される遊技球B1の割合とを、奥側壁面422a,443a及び手前側壁面422b,443bの傾斜角によって変更可能であるシンプルな構成であるため、所望の割合で遊技球B1を誘導する交換用の部材を低コストで製造することができる。
<第17の実施形態の別形態>
・上述した第17の実施形態において、交換用通路形成部材441の手前側壁面443bを窓パネル52の背面に平行な平面としてもよい。これにより、遊技領域PAの手前側に位置する遊技球B1がそのまま出口から落下し、第1左右振分釘213の第2振分面218aと衝突して左側に振り分けられる。交換用通路形成部材441が遊技球B1を手前側に誘導しやすい構成とすることにより、遊技球B1を奥側に誘導しやすい通路形成部材422との差を大きくして、異なる機種間で遊技球B1の動きを大きく変えることができる。
・上述した第17の実施形態において、1つの通路形成部材422を用い、当該通路形成部材422を遊技盤421に取り付ける角度を変更することにより、第1左右振分釘213において左側に振り分けられる遊技球B1の数と右側に振り分けられる遊技球B1の数との割合が異なる機種を製造する構成としてもよい。例えば、遊技盤421の固定用穴421bと通路形成部材422の背面との間に通路形成部材422の取り付け角度を変更する角度変更部材を挟む構成とし、当該角度変更部材のみを交換することにより、位置変更通路423の奥側壁面422a及び手前側壁面422bの傾斜角を変更する構成としてもよい。これにより、同一形状の遊技盤421及び同一形状の通路形成部材422を用いて、異なる機種を製造することができる。
・上述した第17の実施形態において、位置変更通路423の出口がステージユニット354の転動面357の上方に位置する構成としてもよい。具体的には、位置変更通路423の出口をステージユニット354の左端に設ける構成とすることで、位置変更通路423の出口から排出される遊技球B1はステージユニット354の左端の転動面357に落下する。遊技球B1が落下し得る範囲において、転動面357の奥側領域が奥側に向かって傾斜しているとともに手前側領域が手前側に向かって傾斜している構成とすることにより、位置変更通路423によって奥側に誘導された遊技球B1は手前側に落下することなく転動面357に案内される高い確率で第1作動口33に入賞するとともに、位置変更通路423において手前側に誘導された遊技球B1は手前側に落下する。
このように、位置変更通路423の出口を転動面357の上方に設けるとともに、当該転動面357の左端で奥側に位置している遊技球B1の進路と手前側に位置している遊技球B1の進路とを異なるものとする構成により、上述した第17の実施形態において位置変更通路423の出口の下方に設けられている第1左右振分釘213を利用することなく、位置変更通路423の形状に応じて第1作動口33に入賞する遊技球B1の割合を変更できる。
<第18の実施形態>
本実施形態は、案内通路461(図82)におけるガイド面462(図83(b))の傾斜を利用することにより、遊技球B1が第1左右振分釘213と衝突する場合の奥行き方向の衝突位置が変更される点で上記第17の実施形態と相違している。以下、上記第17の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず本実施形態における遊技盤451の構成について図82を参照しながら説明する。
図82は本実施形態における遊技盤451の正面図である。図82に示すように、遊技盤451は、上記第17の実施形態と同様に、図柄表示装置41の表示面41a、開口部451a、及びセンターフレーム252を備えている。そして、上記第17の実施形態と同様に、センターフレーム252は、開口部451aの上縁及び左右の側縁を規定するように設けられた屋根ユニット253と、開口部451aの下縁を規定するように設けられたステージユニット354と、を備えている。ここで、本実施形態におけるステージユニット354の転動面357は、上記第16の実施形態において説明した転動面357と同一の形状である。
遊技盤451において、表示面41aの下部の左側には遊技球B1の奥行き方向の位置を変更するための案内通路461(図83(b))が形成されている案内部材471が装着されている。当該案内部材471は透明であり、案内通路461内を移動する遊技球B1は外部から視認可能である。図82に示すように、案内通路461は案内部材471の表面上部に入口485を有しているとともに遊技盤451の表面よりも奥側に向けて形成されている。また、案内通路461の出口522は案内部材471の表面下部に形成されており、当該出口522の真下には上記第13の実施形態において既に説明した第1左右振分釘213が設けられている。
第1左右振分釘213の下方には遊技球B1を作動口33,34に誘導するための左側誘導釘群491を構成する障害釘228が設けられているとともに、当該第1左右振分釘213の右側にはステージユニット354の転動面357が形成されている。ここで、遊技盤451において、左側誘導釘群491には障害釘228間に遊技球B1の直径よりも大きな隙間が空いており、遊技球B1が当該隙間から下方に落下し易い構成である。
第16の実施形態において既に説明したとおり、ステージユニット354の転動面357の左右両端は山部358よりも十分に高く設けられているとともに、転動面357において、遊技球B1が前方に向けて落下し得る谷部359の左右方向の幅は遊技球B1の直径の略2倍であり、転動面357の左右方向の幅寸法に対する割合は低く設定されている。また、転動面357における谷部359の底と、山部358の頂上との高低差が小さく設定されている。つまり、転動面357上を転動する遊技球B1が谷部359から前方に向けて落下しにくい構成である。このように、第1左右振分釘213によって右方向に振り分けられた遊技球B1がステージユニット354の転動面357の上を転動して第1作動口33に入賞する可能性は、第1左右振分釘213によって左方向に振り分けられた遊技球B1が左側誘導釘群491に誘導されて作動口33,34に入賞する可能性よりも高く設定されている。
このため、第1左右振分釘213によって右方向に振り分けられた遊技球B1がステージユニット354の転動面357の上を転動して第1作動口33に入賞する可能性は、第1左右振分釘213によって左方向に振り分けられた遊技球B1が左側誘導釘群491に誘導されて作動口33,34に入賞する可能性よりも高い。
次に、案内通路461が形成されている案内部材471を図83(a),(b)及び図84に基づいて説明する。図83(a)は案内部材471の分解斜視図であり、図83(b)は左側面図である。また、図84は遊技盤451の表面に垂直な平面で案内部材471を切断した場合の切断面の端面図である。図83(a)に示すように、案内部材471は遊技球B1を取り込んで案内するための上側案内部材481と、進路をガイドしながら遊技球B1を排出するための下側案内部材521と、からなる樹脂製の部材である。上側案内部材481と下側案内部材521とは分離可能である。
先ず上側案内部材481について説明する。図83(a)に示すように、上側案内部材481は、案内通路461の上部である上部案内通路482が形成されている本体部483と、遊技球B1が案内部材471の右側に逸れないようにガードしながら遊技球B1を取り込むための突出部484と、からなる。このうち、本体部483の形状は直方体であり、その正面上部には遊技球B1を取り込むための入口485が前方に向けた開口として形成されているとともに、その下側平面の中央には上部案内通路482に案内された遊技球B1を下部案内通路525に排出するための開口である第1連絡用開口486(図83(b))が形成されている。
第1連絡用開口486は1つの遊技球B1が上下左右に1mmの余裕を持って通過可能な面積を有している。また、入口485は、遊技球B1の直径よりもひと回り大きな幅を有しているとともに、遊技球B1の直径の1.5倍の高さを有している。このように、入口485が上下方向に延在させて形成されており、入口485の直前において上下方向にぶれる遊技球B1の多くを取り込むことが可能な構成である。
図83(b)に示すように、本体部483には、当該入口485と連続する態様で後下方に向けて上部案内通路482が形成されている。当該上部案内通路482の詳細については後述する。図83(a)に示すように、本体部483の下側平面の四方の縁には上側案内部材481を下側案内部材521に固定して案内部材471とするための固定用突起487が下方に向けて突出する態様で一体形成されている。また、本体部483の左側面及び右側面は、その上部に、上側案内部材481を遊技盤451に固定するための弾性突出部531を備えている。
弾性突出部531は、本体部483の内部に固定されている圧縮コイルばね(図示略)に接続されており、上側案内部材481は当該圧縮コイルばねの弾性変形を利用することにより、着脱可能な態様で遊技盤451に固定される。
弾性突出部531は、圧縮コイルばねに力が加えられていない初期状態において側面から外方に突出している突出位置にある。圧縮コイルばねは、本体部483の外部から当該本体部483の内側に向けて力が加えられた場合に、縮んで変形状態となる。圧縮コイルばねの変形状態において、弾性突出部531は、初期状態において最も外方に突出している部分が側面と同一平面上に位置する変形位置をとる。変形位置にある弾性突出部531は、加えられている力が取り除かれた場合に、圧縮コイルばねの復元力により突出位置に戻る。
図83(a)に示すように、弾性突出部531は、当該弾性突出部531の手前側に位置しており急な傾斜で外方に突出している前方部531aと、当該弾性突出部531の奥側に位置しており緩やかな傾斜で外方に突出している後方部531bと、から構成されている。
上側案内部材481の突出部484は、本体部483の正面から前方に突出させて一体形成されている。当該突出部484は、遊技盤451において遊技球B1が上側案内部材481よりも右方向に進むことを防止するためのガード部489と、入口485の前方を流下する遊技球B1のうち、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1が案内通路461(図83(b))に導かれるように入口485方向に案内するとともに、手前側に位置する遊技球B1が案内通路461に導かれないように左方向に案内するための振分部541と、から構成されている。
ガード部489は、直方体の形状を有しており、その左側面が入口485の右端に位置する態様で本体部483の正面に対して垂直に形成されている。当該ガード部489は、本体部483から前方に17mm突出している。このため、案内部材471が遊技盤451に装着された状態において、ガード部489は遊技盤451の表面から窓パネル52の背面近傍に亘って存在している。
また、振分部541は、本体部483の正面において入口485の下端よりも下方の領域から前方に向けて17mm突出させて一体形成されている。当該振分部541は、本体部483の左端からガード部489の左端に亘って存在している。また、振分部541は、入口485の前方を流下して衝突する遊技球B1を後方に向けて跳ね返すための取込面541aを奥側の上面として備えているとともに、入口485の前方を流下して衝突する遊技球B1を左方向に向けて跳ね返すための左誘導面541bを手前側の上面として備えている。
取込面541aは、後方に向けて下方に傾斜しており、上方から落下して衝突する遊技球B1を入口485に向けて跳ね返す傾斜面である。また、左誘導面541bは、上方から落下する遊技球B1がその場に停留することを防ぐために左方に向けて下方に緩やかな傾斜を有している傾斜面である。
次に、下側案内部材521について説明する。図83(a)に示すように、下側案内部材521の形状は、左右方向及び奥行き方向に上側案内部材481と同じ長さ寸法を有する直方体であり、その正面上部には、1つの遊技球B1が上下左右に1mmの余裕を持って排出されることを可能とする出口522が前方に向けた開口として形成されている。また、下側案内部材521には、出口522から後上方に向けて上部案内通路482から排出された遊技球B1を出口522に案内するための下部案内通路525が形成されている。当該下部案内通路525の詳細については後述する。
下側案内部材521における上側平面の中央には、下部案内通路525を上部案内通路482と連続的に連絡させるための第2連絡用開口523が上方に向けた開口として形成されている。当該第2連絡用開口523は、上側案内部材481の下側平面における第1連絡用開口486(図83(b))に対応する位置に形成されているとともに、第1連絡用開口486と同一のサイズ及び形状を有している。
また、下側案内部材521における上側平面の四方の縁には、上側案内部材481の固定用突起487に対応させて固定用受け部524が形成されている。当該固定用受け部524は、固定用突起487の全体が固定用受け部524に嵌まる場合に、固定用突起487の表面と固定用受け部524の内壁とが密着した状態となって上側案内部材481が下側案内部材521に固定されることを可能とする。また、下側案内部材521の左側面及び右側面は、その下部に、下側案内部材521を遊技盤451に固定するための弾性突出部531を備えている。当該弾性突出部531は上側案内部材481がその左側面及び右側面に備えている弾性突出部531と同一部材である。
上記のように、上側案内部材481の固定用突起487が下側案内部材521の固定用受け部524に嵌まる態様で上側案内部材481が下側案内部材521に固定されることにより、上部案内通路482と下部案内通路525とが連絡して案内部材471が組み立てられる。
遊技盤451には、上側案内部材481が下側案内部材521に固定された状態において、上側案内部材481の本体部483及び下側案内部材521が隙間なく収容される直方体形状の固定用穴551(図84)が形成されている。また、当該固定用穴551の左側面及び右側面には、力が加えられていない初期状態の弾性突出部531と同一形状であるとともに同一サイズの凹み部が4個形成されいている。当該4個の凹み部は、上側案内部材481の本体部483及び下側案内部材521が隙間なく固定用穴551に収容された状態において、上側案内部材481の左右側面及び下側案内部材521の左右側面が備えている合計4つの弾性突出部531に対応する位置に形成されている。
弾性突出部531は、案内部材471の固定用穴551への装着過程において、緩やかな傾斜で外方に突出している後方部531bが固定用穴551の側面から押されることにより、圧縮コイルばね(図示略)が変形状態となり、弾性突出部531が変形位置をとる。変形状態の圧縮コイルばねは、装着位置において固定用穴551の凹み部と弾性突出部531とが重なった場合に、後方部531bから加えられていた力が取り除かれて初期状態となる。これにより、弾性突出部531が突出位置に戻り、案内部材471が遊技盤451に装着された状態となる。
弾性突出部531に接続されている圧縮コイルばねは、案内部材471が遊技盤451から前方に向けて引っ張られた場合に再び変形状態となって変形位置をとるため、遊技盤451に着脱可能な態様で固定されている。
ここで、案内部材471の着脱は弾性突出部531に接続されている圧縮コイルばね(図示略)の変形を伴って行われる。案内部材471が遊技盤451に装着される場合の圧縮コイルばねの変形は緩やかな傾斜で外方に突出している後方部531bが固定用穴551から力を加えられて行われるものである。一方、案内部材471が遊技盤451から取り外される場合の圧縮コイルばねの変形は急な傾斜で外方に突出している前方部531aに固定用穴551から力が加えられて行われるものである。
このため、案内部材471を遊技盤451から取り外すために必要な力は、当該案内部材471を遊技盤451から取り外すために必要な力よりも大きな力である。案内部材471は、遊技盤451から外れにくい態様であり、当該案内部材471に遊技球B1が衝突しても案内通路461の位置ずれが起こりにくい態様で遊技盤451に装着されている。
次に、案内部材471の内部に形成されている案内通路461について説明する。図83(b)に示すように、上部案内通路482は、入口485から取り込まれた遊技球B1を一旦後下方に案内した後、その場から前下方に位置する第1連絡用開口486まで案内する弓形の通路である。上部案内通路482は入口485から第1連絡用開口486までを連続的且つ滑らかに接続しており、入口485付近において下流に向けて徐々に通路の高さ寸法が減少するとともに、その下流においては、1つの遊技球B1が前後左右に1mmの余裕を持って通過できる通路断面を有する通路である。通路断面が狭く設定されているため、案内通路461内で遊技球B1が前後左右に大きくぶれることが抑制されており、案内通路461内における遊技球B1の進路は限定されている。
図83(b)に示すように、上部案内通路482によって第1連絡用開口486まで案内された遊技球B1は第2連絡用開口523から下部案内通路525によって出口522まで案内される。下部案内通路525は上部案内通路482と連続的に接続されており、出口522付近には排出後の遊技球B1が第1左右振分釘213の第2振分面218aに衝突する確率を高めるために前方に向けて下方に傾斜しているガイド面462を備えている。ガイド面462は遊技球B1の直径の2倍の長さを有しており、ガイド面462上を転動する遊技球B1の下流における進路は当該ガイド面462の傾斜に大きく影響を受ける。
図84に示すように、ガイド面462は、入口485において案内通路461内にスムーズに取り込まれ、案内通路461を一定の基準速度以上で通過する遊技球B1を遊技領域PAの手前側に位置する第2振分面218aに衝突させる傾斜を有している。当該ガイド面462の傾斜は、入口485において案内通路461の内壁と衝突を繰り返して取り込まれ、案内通路461における通過速度が一定の基準速度未満である遊技球B1を遊技領域PAの手前側に位置する第1振分面217aに衝突させる傾斜である。案内通路461は出口522から排出される遊技球B1の多くを第2振分面218aに衝突させるための構成を有している。
次に、案内通路461の下方に設けられている第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1の下流における進路を図85(a),(b)に基づいて説明する。図85(a),(b)は、案内通路461の下流周辺を拡大して示す遊技盤451の正面図である。
図85(a)に示すように、第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられた遊技球B1はステージユニット354の上面に形成されている転動面357に導かれる。
第16の実施形態において既に説明したとおり、ステージユニット354の転動面357の左右両端は山部358よりも十分に高く設けられているとともに、転動面357において、遊技球B1が前方に向けて落下し得る谷部359の左右方向の幅は遊技球B1の直径の略2倍であり、転動面357の左右方向の幅寸法に対する割合は低く設定されている。また、転動面357における谷部359の底と、山部358の頂上との高低差が小さく設定されている。つまり、転動面357上を転動する遊技球B1が谷部359から前方に向けて落下しにくい構成である。このため、第1左右振分釘213にて方向に振り分けられた遊技球B1が作動口33,34に入賞する可能性は高い。
これに対して、図85(b)に示すように、第1左右振分釘213にて左方向に振り分けられた遊技球B1は左側の遊技領域PAを流下する。この場合、遊技球B1が左側誘導釘群491に誘導されて作動口33,34に入賞する可能性があるとともに、左側誘導釘群491を構成している障害釘228の隙間から下方に落下してアウト口24aから回収される可能性がある。遊技盤451において、左側誘導釘群491に案内されて作動口33,34に入賞する確率は、ステージユニット354の転動面357に案内されて作動口33,34に入賞する確率よりも低い。
ここで、遊技盤451の固定用穴551には、第2振分面218aに衝突し易い態様で遊技球B1を排出する案内部材471に代えて、第1振分面217aに衝突し易い態様で遊技球B1を排出する交換用案内部材561を装着することが可能である。交換用案内部材561について図86を参照しながら以下に説明する。図86は遊技盤451の表面に垂直な平面で交換用案内部材561を切断した場合の切断面の端面図である。
図86に示すように、交換用案内部材561は、案内部材471を組み立てる際に、下側案内部材521に代えて、ガイド面462とは異なる交換用ガイド面562を備えている交換用下側案内部材563を用いることにより組み立てられる。交換用下側案内部材563は、ガイド面462の形状及び出口522の形状のみが下側案内部材521とは異なる。
図86に示すように、交換用下側案内部材563の出口564の下端は下側案内部材521の出口522の下端よりも下方に位置している。また、交換用下側案内部材563の交換用ガイド面562は、出口564付近において上に凸となる緩やかな弓形の形状を有している。このため、交換用下側案内部材563の交換用ガイド面562上を転動する遊技球B1の排出後の進路は、下側案内部材521のガイド面462上を転動する遊技球B1の排出後の進路よりも手前側となり、交換用下側案内部材563の出口564から排出される遊技球B1が遊技領域PAの手前側に位置する第1振分面217aと衝突する可能性が高くなる。
上記のように遊技盤451において、左側誘導釘群491に案内されて作動口33,34に入賞する確率は、ステージユニット354の転動面357に案内されて作動口33,34に入賞する確率よりも低いため、案内部材471に代えて交換用案内部材561を遊技盤451に装着することにより、案内部材471が装着されている機種よりも遊技球B1が作動口33,34に入賞し易い機種を製造することができる。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
案内部材471は、出口522から排出される遊技球B1を下方に設けられている第1左右振分釘213の第2振分面218aに衝突し易くするための傾斜を有する案内通路461が形成されている。また、案内通路461の出口522の下方に位置する第1左右振分釘213は、遊技領域PAの奥側に位置する第1振分面217aに衝突する遊技球B1をステージユニット354の転動面357上に導く態様で設けられている。このため、案内通路461の出口522から排出される遊技球B1が転動面357に導かれることを遊技者に期待させ、遊技者の注目を案内通路461の出口522周辺に集めることで遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技盤451において、ステージユニット354の転動面357に導かれた遊技球B1が転動面357の谷部359から落下しにくい構成であるため、転動面357に導かれて遊技球B1が第1作動口33に入賞する可能性は高い。一方、遊技球B1が遊技領域PAの左側を流下した後、左側誘導釘群491を構成している障害釘228同士の隙間から下方に落下し易い構成であるため、左側誘導釘群491に誘導された遊技球B1が作動口33,34に入賞する可能性は低い。このため、案内通路461の出口522から排出された遊技球B1が右方向に振り分けられた場合、第1作動口33に入賞することへの遊技者の期待を高めることができ、第1左右振分釘213による振分結果に遊技者の注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、案内部材471は、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1を奥側に振り分けて入口485に導くための取込面541aを備えている。このため、遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置を遊技球B1の進路に大きく反映することができ、案内通路461の入口485周辺に遊技者を注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技盤451には、案内部材471に代えて交換用案内部材561を装着することが可能である。交換用案内部材561は、出口564から排出される遊技球B1を第1左右振分釘213の第1振分面217aに衝突し易くするための交換用ガイド面562を備えているため、案内部材471が装着されている機種とは異なる確率で遊技球B1が第1作動口33に入球する新たな機種を製造することができる。同一の遊技盤451を複数の機種に用いることで、製造コストを下げることができる。
また、案内部材471は、当該案内部材471を遊技盤451に形成されている固定用穴551に嵌め込む過程において変形位置をとり、当該案内部材471が固定用穴551に完全に嵌まった状態となることにより突出位置に戻る弾性突出部531により、遊技盤451に着脱可能な態様で固定される構成である。また、遊技盤451に形成されている固定用穴551には同じ弾性突出部531を利用する交換用案内部材561を着脱可能な態様で装着することも可能である。このため、案内部材471が装着されていた遊技盤451に交換用案内部材561を付け直すことにより、遊技盤451をリサイクルして異なる機種を製造することが可能となる。
<第18の実施形態の別形態>
・上述した第18の実施形態において、案内通路461の出口522から排出される遊技球B1の奥行き方向の位置を変更するための構成として、案内通路461の出口522に変更ガイド721を設けてもよい。変更ガイド721を備えている案内部材571を利用する場合について、図87(a)を参照しながら説明する。
図87(a)は案内部材571を遊技盤452の表面に垂直な平面で切断した場合の切断面の端面図である。図87(a)に示すように、案内部材571は遊技盤452に設けられている固定用穴552に装着されている。遊技盤452において、案内部材571を固定するための固定用穴552は、上記第18の実施形態における遊技盤451の固定用穴551よりも上方に設けられている。
変更ガイド721は2つの開口端572,573を有するL字管であり、1つ目の開口端である入口側開口端572が案内通路461の出口522に連絡しているとともに、2つ目の開口端である出口側開口端573が遊技領域PAの下方に向かう態様で、案内通路461の出口522に取り付けられている。
出口側開口端573の形状は円形であり、その中心は遊技領域PAの中心よりも奥側に位置している。このため、出口側開口端573の中心から排出される遊技球B1は下方に設けられている第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられる。しかし、出口側開口端573はその中心に位置する遊技球B1が前後左右に2mmずつぶれることが可能な空間を有しており、出口側開口端573から排出される遊技球B1の奥行き方向の位置は一定の範囲内において、奥側にずれたり、手前側にずれたりする。
図87(a)に示すように、出口側開口端573から排出される遊技球B1が奥側の位置をとっている場合、当該遊技球B1は出口側開口端573の真下に設けられている第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して右方向に振り分けられる。一方、出口側開口端573から出る遊技球B1が手前側の位置をとっている場合、当該遊技球B1は出口側開口端573の真下に配設されている第1左右振分釘213の第2振分面218aと衝突して左方向に振り分けられる。
このように、第1左右振分釘213と衝突する直前の遊技球B1の奥行き方向の位置を一定の範囲内に制限する変更ガイド721を利用する構成とすることにより、設計段階で想定した割合に近い割合で第1左右振分釘213が遊技球B1を遊技盤452の右方向と左方向に振り分ける構成とすることができる。また、変更ガイド721は出口側開口端573の直前で遊技球B1を下方に向けてガイドする構成であるため、出口側開口端573から排出された遊技球B1が第1左右振分釘213に衝突する前に奥行き方向にぶれて遊技盤452の表面や窓パネル52の背面に衝突することを防ぐことができる。
また、当該変更ガイド721を利用する構成において、変更ガイド721に代えて交換用変更ガイド722が上記第18の実施形態の案内部材471の出口522に設けられている交換用案内部材561を利用することにより、第1左右振分釘213が右方向に振り分ける遊技球B1の割合及び第1左右振分釘213が左方向に振り分ける遊技球B1の割合が案内部材571を利用する場合とは異なる機種を製造することができる構成としてもよい。当該交換用変更ガイド722を備えている交換用案内部材574を利用する場合について、図87(b)を参照しながら説明する。
図87(b)は交換用案内部材574を遊技盤452の表面に垂直な平面で切断した場合の切断面の端面図である。図87(b)に示すように、交換用変更ガイド722は、変更ガイド721と同様に入口側開口端742及び出口側開口端743を有するL字管である。交換用変更ガイド722において水平方向に延在させて形成されている管である水平管744の長さ寸法は、変更ガイド721において水平方向に延在させて形成されている管である水平管745(図87(a))の長さ寸法よりも長い。このため、交換用変更ガイド722を案内通路461の出口522に設けた場合、出口側開口端743の中心は、当該出口側開口端743の真下に配設されている第1左右振分釘213の奥行き方向の中央よりも手前側に位置する。
また、交換用変更ガイド722における出口側開口端743は変更ガイド721の出口側開口端573と同一の大きさ及び形状を有している。このため、出口側開口端743から排出される遊技球B1の奥行き方向の位置は一定の範囲内において、奥側にずれたり、手前側にずれたりする。
ここで、交換用変更ガイド722における出口側開口端743から排出される遊技球B1が取り得る奥行き方向の位置範囲は、変更ガイド721における出口側開口端573から排出される遊技球B1が取り得る奥行き方向の位置範囲よりも手前側にずれている。このため、交換用変更ガイド722を利用する機種において第1左右振分釘213が遊技球B1を左方向に振り分ける割合は、変更ガイド721を利用する機種において第1左右振分釘213が遊技球B1を左方向に振り分ける割合よりも多い。つまり、交換用変更ガイド722を利用する機種は、変更ガイド721を利用する機種よりも遊技球B1が第1作動口33に入賞しにくい機種である。
このように、変更ガイド721に代えて交換用変更ガイド722を利用することにより、遊技球B1が第1作動口33に入賞する確率が異なる機種を製造することができる。異なる機種について同一の遊技盤452を使用することが可能であるため、遊技球B1が第1作動口33に入賞する確率を変えるために異なる遊技盤452を製造する場合と比較して、製造コストを抑えながら機種のバリエーションを増やすことができる。
・上述した第18の実施形態において、弾性突出部531を利用した固定方法に代えてネジ留めにより案内部材471及び交換用案内部材561を遊技盤451に固定する構成としていもよい。案内部材471は、本体部483から左右方向に突出しているネジ留め部を備えている。また、交換用案内部材561も当該交換用案内部材561を遊技盤451にネジ留めすることを可能とするために左右方向に突出しているネジ留め部を備えている。そして、遊技盤451の固定用穴551(図84)の周囲には、案内部材471又は交換用案内部材561のネジ留め部が遊技盤451の表面よりも手前に突出しない態様で収容可能なネジ留め用凹み部が形成されている。案内部材471及び交換用案内部材561は、ネジ留め用凹み部にネジ留め部が嵌まっている状態において、遊技盤451にネジ留めされる。このように、案内部材471及び交換用案内部材561の固定方法をネジ留めとすることにより、遊技球B1の衝突が繰り返されても排出する遊技球B1の進路がずれない態様で案内部材471及び交換用案内部材561を強固に固定することができる。
・上述した第18の実施形態において、案内部材471が案内通路461の入口485を開閉可能な開閉機構を備えている構成としてもよい。例えば、案内部材471を、高い確率で第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突する態様で遊技球B1を排出する構成とするとともに、内部抽選で所定の抽選結果となった場合に案内通路461の入口485が開放される構成としてもよい。当該構成では、所定の抽選結果となった場合に、所定の時間に亘って案内通路461の入口485が開放されることにより、遊技球B1が高い確率で第1左右振分釘213の第1振分面217aと衝突して転動面357に導かれるようになる。
このように、遊技領域PAにおける遊技球B1の奥行き方向の位置に応じた態様で遊技球B1の進路が変化する構成において、時間帯に応じて奥行き方向の一方に位置する遊技球B1の割合が増減する構成とすることにより、同一遊技機内の遊技球B1の流れを時間帯に応じて変化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第19の実施形態>
本実施形態は、主制御基板61を構成するプリント配線板741に半田ブリッジ751の発生を防ぐための短絡防止穴761が形成されている点で上記第11の実施形態と相違している。以下、上記第11の実施形態と同一の構成については基本的のその説明を省略する。
本実施形態における主制御基板61はプリント配線板741に多数の電子部品が装着されて構成されている電子回路実装基板である。主制御基板61の具体的な構成について図88(a),(b)を参照しながら説明する。図88(a)は主制御基板61(図43)の一部を拡大して示す表面図であり、図88(b)は主制御基板61における1列コネクタ782の周辺を拡大して示す表面図である。なお、図88(a)では、プリント配線板741の表面に形成されている配線パターン776の図示を省略している。
図88(a)に示すように、主制御基板61のプリント配線板741には、1列に並んでいる4本のピン784a〜784dを有する1列コネクタ782と、2本のピン784e,784fを有する2極コネクタ781と、2列に並んでいる8本のピン784g〜784pを有する2列コネクタ783と、が装着されている。コネクタ781〜783は、プリント配線板741に形成されているビアホール793(図90(a))にピン784a〜784pを挿通して装着されている。ここで、ビアホール793は、プリント配線板741の表面と裏面とを貫通する貫通孔である。以下では、プリント配線板741の表面において、装着されている1列コネクタ782周りの矩形領域を1列用領域787とするとともに、装着されている2極コネクタ781周りの矩形領域を2極用領域786とする。また、プリント配線板741の表面において、装着されている2列コネクタ783周りの矩形領域を2列用領域788とする。
上記第1の実施形態において図5を参照しながら既に説明したように、主制御基板61は払出制御装置77及び音声発光制御装置81などと接続されている。詳細には、図5に示すように、主制御装置60が備えている主制御基板61は、払出制御装置77が備えている払出制御基板及び音声発光制御装置81が備えている音声発光制御基板と電気的に接続されている。また、図5に示すように、主制御装置60が備えている主制御基板61は、主制御装置60が備えている停電監視基板67などの他の基板とも電気的に接続されている。
図88(a)に示すように、主制御基板61はメス型のコネクタであるコネクタ781〜783を用いて他の基板と接続されている。主制御基板61と他の基板とを電気的に接続するために用いられる電気ケーブルは両端にオス型のコネクタを備えている。そして、主制御基板61の表面に装着されているメス型のコネクタ781〜783と、電気ケーブルの片端のオス型のコネクタと、が接続されるとともに、当該電気ケーブルの他端のオス型のコネクタと、他の基板に装着されているメス型のコネクタと、が接続されることにより、主制御基板61は、当該他の基板と電気的に接続されている。ここで、他の基板には、払出制御装置77が備えている払出制御基板、音声発光制御装置81が備えている音声発光制御基板、及び停電監視基板67などが含まれる。
また、プリント配線板741には、抵抗771、コンデンサ772、トランジスタ773、及びIC774など、ビアホール793に端子775を挿通して装着する挿入実装部品も多数装着されている。図88(b)に示すように、プリント配線板741の表面において、1列コネクタ782の周辺には、当該1列コネクタ782のピン784a〜784dをプリント配線板741に装着されている電子部品と電気的に接続するために銅製の配線パターン776が形成されている。同様に、2極コネクタ781の周辺には当該2極コネクタ781をプリント配線板741上の電子部品と電気的に接続するための配線パターン776(図97(a))が形成されているとともに、2列コネクタ783の周辺には当該2列コネクタ783をプリント配線板741上の電子部品と電気的に接続するための配線パターン776(図97(b))が形成されている。当該配線パターン776の上には、絶縁体であるソルダーレジスト792が形成されており、配線パターン776は外部には露出していない。
ここで、プリント配線板741に装着されているコネクタ781〜783の構造について図88(a)及び図89(a)〜(c)を参照しながら説明する。図89(a)は1列コネクタ782の斜視図であり、図89(b)は2極コネクタ781の斜視図であり、図89(c)は2列コネクタ783の斜視図である。図89(a)〜(c)に示すように、各コネクタ781〜783は上側平面が上方に向けて開口となっている中空の直方体形状を有するハウジング781a〜783aと、軸方向に延在させて形成されている金属製のピン784a〜784pと、から形成されている。ハウジング781a〜783aは樹脂製の絶縁体である。また、ピン784a〜784pは、オス型のピンであり、その表面には電気接続性、耐食性、及び半田付け性を向上させるためのメッキ皮膜が形成されている。当該メッキ皮膜は錫を含むものである。なお、ピン784a〜784pの表面に金のメッキ皮膜が形成されている構成としてもよい。
図88(a)に示すように、コネクタ781〜783は、ハウジング781a〜783aの下側平面がプリント配線板741の表面と平行になる態様で装着されている。図89(a)〜(c)に示すように、コネクタ781〜783のピン784a〜784pは、軸がハウジング781a〜783aの下側平面に対して垂直となる態様で等間隔に並んでいる。また、ピン784a〜784pはハウジング781a〜783aの下側平面の上方及び下方に突出している。このうち、ピン784a〜784pの上側の突出部は、オス型コネクタとの嵌合時において、オス型コネクタが備えているメス型のピンと金属接触する。また、ピン784a〜784pの下側の突出部は、当該コネクタ781〜783がプリント配線板741に固定される際に、プリント配線板741のビアホール793に挿通されて半田付けされる。
図89(a)に示すように、1列コネクタ782は、右から順番に、第1ピン784a、第2ピン784b、第3ピン784c、及び第4ピン784dを備えており、4本のピン784a〜784dは1.5mmの間隔を空けて左右方向に1列で並んでいる。そして、当該ピン784a〜784dの列の周りはハウジング782aの側面で囲われている。また、図89(b)に示すように、2極コネクタ781を構成する2本のピン784e,784fは、1列コネクタ782におけるピン784a〜784dの間隔よりも広い2.5mmの間隔を空けて配置されており、当該2本のピン784e,784fの周りはハウジング781aの側面で囲われている。
また、図89(c)に示すように、2列コネクタ783を構成する8本のピン784g〜784pは、4本ずつ2列で並んでおり、当該2つのピン784g〜784pの列の周りはハウジング783aで囲われている。各列におけるピン784g〜784pの間隔は、1列コネクタ782におけるピン784a〜784dの間隔よりも広い2mmであるとともに、列同士の間隔は2.5mmである。
ここで、パチンコ機10が備えている基板には、隣接するピン784同士の間隔が1.5mmよりも狭い1列コネクタ、隣接するピン784の間隔が1.5mmよりも広い1列コネクタ、ピン784の間隔が2.5mmよりも狭い2極コネクタ、ピン784の間隔が2.5mmよりも広い2極コネクタ、列同士の間隔が2.5mmよりも広いとともに各列におけるピン784同士の間隔が1.5mmよりも狭い2列コネクタ、列同士の間隔が2.5mmよりも狭く、各列におけるピン784同士の間隔が1.5mmよりも狭い2列コネクタ、及び列同士の間隔が2.5mmよりも広く、各列におけるピン784同士の間隔が1.5mmよりも広い2列コネクタも配置されている。
次に、プリント配線板741の構成について図90(a),(b)を参照しながら説明する。図90(a)は裏面側の一部を拡大して示すプリント配線板741の斜視図であり、図90(b)は表面に垂直な平面で切断したプリント配線板741のビアホール793周りを拡大して示す縦断面図である。プリント配線板741を構成している基材791は紙にフェノール樹脂を含浸させて製造された紙フェノール基板である。そして、プリント配線板741は絶縁板である基材791の表面及び裏面の両方に配線パターン776が形成されている両面基板である。
なお、プリント配線板741の基材791は紙フェノール基板に限られない。例えば、ガラス布にエポキシ樹脂を含浸させて製造されたガラスエポキシ基板であってもよい。また、プリント配線板741は、絶縁板の表面のみに配線パターン776が形成されている片面基板であってもよく、絶縁板の内層にも配線パターン776が形成されている多層基板であってもよい。
図90(a)に示すように、プリント配線板741には挿入実装部品の端子775(図88(a))又はコネクタ781〜783のピン784a〜784pを挿通するためのビアホール793が形成されている。当該ビアホール793の構成を説明するために、当該ビアホール793が形成される過程について以下に説明する。先ず1.6mmの厚みを有する基材791の表面及び裏面に0.04mmの厚みを有する銅箔779(図90(b))が貼りつけられる。その後、銅箔779が貼られている基材791を上下方向に貫通する孔であるスルーホール777(図90(b))が形成される。
そして、スルーホール777を備えている基材791に銅のメッキが行われる。これにより、基材791の表面及び裏面に貼られている銅箔779(図90(b))の上に銅薄膜778(図90(b))が形成される。また、スルーホール777は、当該タイミングで内壁に銅薄膜778が形成されることによってビアホール793となる。このとき、ビアホール793の周辺では、スルーホール777の上側開口の周囲にある銅箔779と下側開口の周囲にある銅箔779とがスルーホール777の内壁に形成された銅薄膜778を介して電気的に接続された状態となる。
ビアホール793が形成された基材791の表面及び裏面に貼られている銅箔779の上には感光材料であるエッチングレジストの薄膜が形成される。当該エッチングレジストの薄膜には光(紫外線)が照射されることによりマスクパターンが転写されて、現像される。そして、マスクパターン以外の不要なエッチングレジストが除去されることにより、基材791の表面及び裏面にマスクパターンが形成された状態となる。
その後、エッチングガス雰囲気において、イオンなどを利用してマスクパターンが形成された基材791上の銅箔779(図90(b))及び銅薄膜778をエッチングするドライエッチングが行われ、アセトンなどの有機溶剤でマスクパターン部分のエッチングレジストが除去されることにより、図90(a)に示すように、基材791上に銅製の配線パターン776が形成された状態となる。当該配線パターン776の厚みは、銅箔779の厚みと同じ略0.04mmである。なお、基材791上の銅箔779及び銅薄膜778のエッチングには、基材791をエッチング液に漬けるウェットエッチングを用いてもよい。
プリント配線板741は、配線パターン776が形成された状態の基材791の表面及び裏面にソルダーレジスト792が形成され、半田メッキ、無電解金メッキ、及び水溶性フラックス処理などの表面処理が行われることにより作成される。ここで、ソルダーレジスト792は、配線パターン776間を絶縁する役割を果たすとともに、半田付け工程において半田付けの対象箇所以外に半田が付着することを防ぐ役割を果たすレジストである。また、表面処理は、配線パターン776に連続しており、外部に露出している部分の半田付け性を向上させる処理であるとともに、銅箔部分を錆びにくくするための処理である。
具体的には、配線パターン776が形成された状態の基材791の表面及び裏面にカーテンコート方式でレジスト液が塗布された後、ソルダーレジスト792のパターン部分を乾燥させて硬化させる処理が行われる。そして、レジストの未硬化部分が除去されることにより、基材791に配線パターン776及びソルダーレジスト792が形成されたプリント配線板741となる。
図90(a)に示すように、プリント配線板741において、ビアホール793の上側開口の周辺及び下側開口の周囲には、コネクタ781〜783のピン784a〜784pと配線パターン776とを半田付けにより電気的に接続するための接合穴762が形成されている。当該接合穴762は、配線パターン776の幅よりもひと回り大きな直径を有する円形の穴であり、プリント配線板741の表面及び裏面に形成されている。また、図90(a)に示すように、プリント配線板741において、一部のビアホール793の周囲には、接合穴762に代えて接合穴762よりも大きな面積を有する短絡防止穴761が形成されている。
ビアホール793にコネクタ781〜783のピン784a〜784pが挿通されている状態において、当該ビアホール793の周囲に形成されている接合穴762又は短絡防止穴761の表面には溶融半田が付着する。そして、付着した溶融半田が凝固することにより、コネクタ781〜783のピン784a〜784pが配線パターン776と電気的に接続された状態でプリント配線板741に固定される。
ここで、接合穴762又は短絡防止穴761が周囲に形成されているビアホール793に端子775(図88)を挿通した状態で半田付けが行われることにより、挿入実装部品もプリント配線板741に装着されている。
短絡防止穴761は、半田付け工程において、ビアホール793に挿通されているピン784a〜784p(図89(a)〜(c))の周りに付着する溶融半田が隣接するビアホール793に挿通されているピン784a〜784pの周りに付着する溶融半田と合流し、プリント配線板741に短絡回路が形成されることを防ぐ目的で設けられている。プリント配線板741において、隣接するビアホール793との間に短絡回路が形成される確率が高いビアホール793の周りには、接合穴762に代えて短絡防止穴761が設けられている。
ビアホール793に挿通されているピン784a〜784pの周りに付着する溶融半田の量が増える場合に、当該溶融半田が隣接するビアホール793に挿通されているピン784a〜784pの周りに付着する溶融半田と合流する確率が高まる。このため、短絡回路の形成抑制のために設けられる短絡防止穴761は、ビアホール793に挿通されているピン784a〜784pの周りに付着する溶融半田の量が増えた場合にも、その溶融半田を短絡防止穴761の上に保持することが可能な広い面積を有している。図90(a)に示すように、短絡防止穴761の面積は接合穴762の面積よりも広く設定されている。
図88(a)において既に説明したように、プリント配線板741には多数の電子部品が装着されている。このため、ビアホール793周りにおいて、短絡防止穴761の面積を全方向に向けて広く設定すると、当該ビアホール793に最も近いビアホール793以外にも、当該ビアホール793の近くに存在する複数のビアホール793との間で短絡回路が形成される可能性が発生する。これに対して、短絡防止穴761の形状を一方向に延在している楕円形とすることにより、混み合っているプリント配線板741上で短絡回路が発生する可能性を低減することができる。
図90(a)に示すように、ビアホール793の周りに形成されている短絡防止穴761は、当該ビアホール793に隣接しているビアホール793が存在する方向を避け、隣接しているビアホール793とは反対の方向に延在させて形成されている。当該短絡防止穴761は、接合穴762の直径と略同一の短径を有するとともに、接合穴762の直径の略2倍の長径を有する楕円形状の穴として形成されている。
接合穴762及び短絡防止穴761において、銅箔779(図90(b))は穴の上方に向けて露出している。プリント配線板741の表面及び裏面において、当該接合穴762及び短絡防止穴761を除く領域はソルダーレジスト792によってマスクされているため、半田付け工程において、接合穴762部分に選択的に半田を付着させることができる。
次に、半田付け工程においてコネクタ781〜783のピン784a〜784pの周り、及び挿入実装部品の端子775の周りに形成される半田フィレット798について説明する。
半田付け工程では、コネクタ781〜783のピン784a〜784pがプリント配線板741のビアホール793に挿通される。そして、当該ビアホール793に溶融半田が付着して凝固する。これにより、コネクタ781〜783はプリント配線板741の表面及び裏面に形成されている配線パターン776と電気的に接続されている状態で固定される。
1列コネクタ782の第2ピン784bの周りを例として、半田フィレット798について図91を参照しながら説明する。図91は表面に垂直な平面で切断したプリント配線板741における1列コネクタ782のピン784周りを拡大して示す縦断面図である。ここで、ピン784は、1列コネクタ782、2極コネクタ781、及び2列コネクタ783が備えているピン784a〜784pと同一部材であり、ピン784a〜784pの総称である。
図91に示すように、プリント配線板741に固定されている1列コネクタ782のピン784周りには溶融半田が凝固して半田フィレット798が形成されている。当該半田フィレット798は、接合穴762の上に形成されており、プリント配線板741の裏面から1列コネクタ782のピン784に沿って下方に向かう略円錐形状を有している。略円錐形の底面から頂点までの下方向の長さを当該半田フィレット798の高さとする。半田フィレット798は、1列コネクタ782におけるピン784の表面の一部と、ビアホール793の内壁と、プリント配線板741の接合穴762の表面と、を含む態様で形成されている。既に説明したとおり、接合穴762は、プリント配線板741上に形成されておりソルダーレジスト792に覆われている配線パターン776と連続しているため、1列コネクタ782のピン784は半田フィレット798によって配線パターン776と電気的に接続されている。
また、2極コネクタ781のピン784e,784fと、2列コネクタ783のピン784g〜784pと、のそれぞれも、1列コネクタ782のピン784と同様に半田付けされている。また、主制御基板61を構成している挿入実装部品もコネクタ781〜783と同様に、プリント配線板741のビアホール793に挿入実装部品の端子775が挿通された状態で半田付けされて固定されている。これにより、挿入実装部品の端子775(図88(a))は、ビアホール793と、プリント配線板741の表面及び裏面に形成されている配線パターン776と電気的に接続されている。
図92(a)は図88(a)と同じ主制御基板61の一部を拡大して示す裏面図である。主制御基板61の裏面において、コネクタ781〜783のピン784a〜784p(図89(a)〜(c))が挿通されるビアホール793の周りには接合穴762又は短絡防止穴761が形成されている。このため、図92(a)に示すように、プリント配線板741の裏面において、装着されている1列コネクタ782の周辺の領域である1列用裏面領域842には、接合穴762上に形成される円形の半田フィレット798と、短絡防止穴761上に形成される楕円形の半田フィレット799と、が1列に並んでいる。
ここで、プリント配線板741の裏面における1列用裏面領域842の構成について、図92(b)を参照しながら説明する。図92(b)は1列コネクタ782が装着される前の1列用裏面領域842を拡大して示すプリント配線板741の裏面図である。
図92(b)に示すように、1列用裏面領域842において、1列コネクタ782の第1ピン784aが挿通されるビアホール793を第1ビアホール793aとするとともに、第2ピン784bが挿通されるビアホール793を第2ビアホール793bとする。また、1列コネクタ782の第3ピン784cが挿通されるビアホール793を第3ビアホール793cとするとともに、第4ピン784dが挿通されるビアホール793を第4ビアホール793dとする。
図92(b)に示すように、1列用裏面領域842において、ビアホール793a〜793dは、右側から第1ビアホール793a、第2ビアホール793b、第3ビアホール793c、第4ビアホール793dの順番で左側に向けて1列に並んでいる。半田付け工程において、プリント配線板741が右方向に向けて搬送される場合、1列用裏面領域842の左端に位置する第4ビアホール793dが搬送方向の後端に位置することとなる。また、半田付け工程において、プリント配線板741が左方向に向けて搬送される場合、1列用裏面領域842の右端に位置する第1ビアホール793aが搬送方向の後端に位置することとなる。
図92(b)に示すように、1列用裏面領域842において、第1ビアホール793aの周りに形成されている短絡防止穴761には配線パターン776が接続されている。また、1列用裏面領域842において、短絡防止穴761、短絡防止穴761に接続されている配線パターン776、及び接合穴762は、絶縁体で構成されている絶縁領域で囲われており、当該絶縁領域の周囲に接地のためのGNDベタ851が設けられている。そして、第3ビアホール793c周りの接合穴762のみが短絡防止穴761の長径よりも狭い幅を有する接続部763によってGNDベタ851と電気的に接続されている。配線パターン776及びGNDベタ851の上には、ソルダーレジスト792が形成されている。このため、配線パターン776及びGNDベタ851は外部に露出しておらず、半田付け工程において配線パターン776及びGNDベタ851に溶融半田は付着しない。
ここで、GNDベタ851について説明する。プリント配線板741の表面及び裏面にはコネクタ781〜783のピン784a〜784pと当該プリント配線板741に装着されている挿入実装部品の端子775とを接続するための配線パターン776の他に、コネクタ781〜783や挿入実装部品を接地するためのグランドパターンとしてGNDベタ851(図92(b))が設けられている。当該GNDベタ851は、銅製のパターンであり、プリント配線板741の表面及び裏面に広い面積を有している。
プリント配線板741に装着されるコネクタ781〜783のピン784a〜784pの一部は接地のためにGNDベタ851と接続される。本パチンコ機10の1列用裏面領域842においては、図92(b)に示すように、ビアホール793a〜793dの列の両端を避けて、右から3番目に位置する第3ビアホール793cがGNDベタ851と接続されている。これにより、1列コネクタ782(図89(a))における4つのピン784a〜784dの列において、両端には位置しない第3ピン784c(図89(a))が接地される。
半田付け工程において、1列コネクタ782の第3ピン784c周りの溶融半田が有している熱の一部は、第3ピン784cの周囲に形成されている接合穴762を介して、当該接合穴762と接続されているGNDベタ851に移動する。GNDベタ851はプリント配線板741上に大きな面積を有しているため、面積の狭い配線パターン776よりも多くの熱を吸収することができる。
1列コネクタ782の第3ピン784c周りの溶融半田の温度は、当該1列コネクタ782における残りのピン784a,784b,784d周りの溶融半田の温度よりも下がる。このように、接地のためにGNDベタ851と接続されるピン784a〜784p及び端子775の周りの溶融半田の温度は低くなり、溶融半田の流動性が低下する。このため、GNDベタ851と接続されるピン784a〜784p及び端子775の周りでは溶融半田の合流が起こりやすく、短絡回路が形成され易い環境となる。
本パチンコ機10の1列用裏面領域842においては、GNDベタ851に接続される第3ビアホール793cがビアホール793a〜793dの列の両端に位置しないように設定されており、1列用裏面領域842の両端における短絡回路の形成が抑制されている。
次に、半田ブリッジ751が発生するメカニズムについて説明するために、先ずプリント配線板741にコネクタ781〜783及び挿入実装部品を装着するために行われる半田付け工程について説明する。
図88に示した主制御基板61はプリント配線板741にコネクタ781〜783及び挿入実装部品が固定された後、自動半田付け装置822(図93(a))においてフロー半田付けが行われることにより作成される。ここで、フロー半田付けとは、半田付けの対象部分に溶融した半田と熱とを同時に供給して半田付けを行う方法である。図93(a)は溶融半田の噴流821を説明するための説明図であり、図93(b)はプリント配線板741の裏面に噴流821が当たっている様子を説明するための説明図である。
図93(a)に示すように、自動半田付け装置822は、緩やかな勾配を有している傾斜部材822aを備えており、当該傾斜部材822aの上を溶融半田が流下する。ここで、溶融半田とは略250℃に加熱されて溶融状態となっている半田である。溶融半田の温度が低い場合には溶融半田の流動性が低下して半田付け不良の発生原因となる。具体的には、コネクタ781〜783のピン784a〜784p(図89(a)〜(c))又は挿入実装部品の端子775(図88(a))周りに付着する溶融半田の量が増加するとともに、溶融半田の切れが悪くなり、2本のピン784a〜784p周りの溶融半田又は2本の端子775周りの溶融半田が合流することにより半田ブリッジ751(図95(c))が形成されて回路が短絡する原因となる。
半田付け工程は、プリント配線板741の裏面を自動半田付け装置822の傾斜部材822a上を流下する溶融半田と接触させることにより行われる。図93(b)に示すように、自動半田付け装置822において、プリント配線板741は、上向きに緩やかな傾斜を有する状態で搬送されながら溶融半田と接触する。プリント配線板741は右方向に向けてベルトコンベアで搬送される。
ここで、ベルトコンベアで搬送されているプリント配線板741の裏面に噴流821が当たる場合の溶融半田の挙動について説明することにより、プリント配線板741の裏面に形成されている短絡防止穴761の効果を説明する。先ず短絡防止穴761が形成されていない比較用プリント配線板831(図94(a))の半田付け工程における溶融半田の挙動について説明する。
比較用プリント配線板831の裏面にはコネクタ781〜783を構成する複数のピン784a〜784p、及び挿入実装部品を構成する複数の端子775が並んでいる。例えば、図93(b)に示すように、1列コネクタ782の4本のピン784a〜784dが半田付けされる場合、比較用プリント配線板831は上に向いて緩やかに傾斜している状態で搬送されているため、噴流821との接触の開始タイミング及び終了タイミングは4本のピン784a〜784dのそれぞれで異なる。ここで、図93(b)に示すように、右に向けて搬送されるプリント配線板741に装着されている1列コネクタ782において、1番右側に位置するピンを第1ピン784aとするとともに、右から2番目に位置するピンを第2ピン784bとする。また、右から3番目に位置するピンを第3ピン784cとするとともに、右から4番目に位置するピンを第4ピン784dとする。
図93(b)に示すように、1列コネクタ782の4つのピン784a〜784dは、第1ピン784aから順番に噴流821と接触している状態となり、最後に第4ピン784dが噴流821と接触している状態となる。そして、第1ピン784aから順番に噴流821との接触状態から抜け出し、最後に第4ピン784dが噴流821との接触状態から抜け出す。
1列コネクタ782の4本のピン784a〜784dが噴流821との接触状態から抜け出す際の溶融半田の挙動について、図94(a)〜(c)及び図95(a)〜(c)を参照しながら以下に説明する。図94(a)は1列コネクタ782の第2ピン784b、第3ピン784c、及び第4ピン784dが噴流821と接触している状態を説明するために示す比較用プリント配線板831の縦断面図であり、図94(b)は1列コネクタ782の第2ピン784bが噴流821との接触状態から抜け出す様子を説明するために示す比較用プリント配線板831の縦断面図であり、図94(c)は1列コネクタ782の第3ピン784cが噴流821との接触状態から抜け出す様子を説明するために示す比較用プリント配線板831の縦断面図である。ここで、図94(a)〜(c)の縦断面図は比較用プリント配線板831を当該比較用プリント配線板831の表面に垂直な平面で切断した場合の切断面における縦断面図である。
1列コネクタ782の第2ピン784b、第3ピン784c、及び第4ピン784dが噴流821と接触している状態(図94(a))から、第3ピン784c及び第4ピン784dのみが噴流821と接触している状態(図94(b))に遷移すると、第2ピン784bの周りに所定量の溶融半田が残り、半田フィレット798の形成が始まる。このように、半田フィレット798が形成される初期の段階において、第2ピン784bの周りに残る溶融半田の量は、第2ピン784b周りに形成されている接合穴762の面積及び比較用プリント配線板831の搬送速度などに影響される。
図94(b)に示すように、第2ピン784b周りの半田フィレット798の形成開始タイミングでは、第2ピン784bの周りに形成途中である半田フィレット798と噴流821とが連続している状態である。この状態は、第2ピン784b周りの溶融半田と噴流821の溶融半田とが行き来することができる状態である。
ここで、溶融半田の静的な性質について説明する。略250℃の溶融半田は、流動性を有するとともに表面張力も備えている。このため、少量の溶融半田の塊が大量の溶融半田の塊と接触すると、少量の塊を形成している溶融半田が大量の溶融半田の塊の方に引き寄せられる。これにより、少量の塊を形成している溶融半田の量は接触前よりも減少するとともに、大量の塊を形成している溶融半田の量は接触前よりも増加する。
図94(b)に示すように、第2ピン784bの周りに残っている溶融半田と噴流821の溶融半田とが連続している場合には、第2ピン784bの周りの溶融半田の方が少量であるため、第2ピン784bの周りに残っている少量の溶融半田の一部が噴流821に引き込まれる。このため、第2ピン784bの周りには初期に付着する溶融半田よりも少量の溶融半田が残り、図94(c)に示すように、第2ピン784bの周りに残った溶融半田によって第2ピン784bの周りに形成されている接合穴762上に半田フィレット798が形成される。
図95(a)は1列コネクタ782の第3ピン784cが噴流821との接触状態から抜け出した状態を説明するために示す比較用プリント配線板831の縦断面図であり、図95(b)は1列コネクタ782の第4ピン784dが噴流821との接触状態から抜け出した状態を説明するために示す比較用プリント配線板831の縦断面図であり、図95(c)は1列コネクタ782の第3ピン784cと第4ピン784dとの間に半田ブリッジ751が形成されている状態を示す比較用プリント配線板831の縦断面図である。ここで、図95(a)〜(c)の縦断面図は比較用プリント配線板831を当該比較用プリント配線板831の表面に垂直な平面で切断した場合の切断面における縦断面図である。
第3ピン784cが噴流821との接触状態から抜ける場合、半田フィレット798が形成される初期の段階で第3ピン784cの周りに残る溶融半田の一部が噴流821に引き込まれる。このため、図95(a)に示すように、第3ピン784cの周りには初期に付着する溶融半田よりも少量の溶融半田が残り、第3ピン784cの周りに残った溶融半田によって第3ピン784cの周りに形成されている接合穴762上に半田フィレット798が形成される。
一方、図95(b)に示すように、1列コネクタ782の4本のピン784a〜784d(図93(b))によって構成されている列の右端に位置する第4ピン784dが噴流821との接触状態から抜ける場合には、半田フィレット798が形成される初期の段階で第4ピン784dの周りに残る溶融半田と噴流821とは接触状態にない。このため、初期に第4ピン784dの周りに残る溶融半田の量が減少することなくそのまま維持される。
比較用プリント配線板831において、1列コネクタ782の第4ピン784dが挿通されているビアホール793の周りには第1ピン784a〜第3ピン784cの周りと同一の接合穴762が形成されている。第4ピン784dの周りには接合穴762の面積に対して過剰量の溶融半田が残り易い。第4ピン784dの周りに収まりきれない余剰の溶融半田が発生した場合には、図95(c)に示すように、搬送方向の前側に隣接する第3ピン784cの周りの溶融半田と最も合流し易い。
第4ピン784dの周りの溶融半田と第3ピン784cの周りの溶融半田とが合流して連続状態となった場合には、2本のピン784c,784dの間に2本のピン784c,784dを電気的に接続する半田ブリッジ751が形成される。これにより、比較用プリント配線板831を用いる主制御基板内に短絡回路が形成される。この場合には、自動の半田付け作業後に手動の修正作業が必要となり、比較用プリント配線板831を用いる主制御基板の製造効率が落ちるとともに製造コストが高くなる。
これに対して、プリント配線板741を用いる本実施形態の主制御基板61では、図92(b)において既に説明したとおり、GNDベタ851と接続される第3ビアホール793cが1列用裏面領域842の両端には位置しないように配置されている。第3ビアホール793cは、半田付け工程において、プリント配線板741が右方向に搬送される場合、及び左方向に搬送される場合の両方において、搬送方向の後端には位置しない。
GNDベタ851に接続されている第3ピン784c周りにおける溶融半田の温度低下に伴い溶融半田の流動性が低下して半田ブリッジ751(図95(c))が発生し易くなるという影響がプリント配線板741の搬送方向の後端に位置する可能性があるビアホール793a,793dの周りに及ばない構成である。これにより、GNDベタ851の影響で1列用裏面領域842の端に位置するビアホール793a,793dの周りに半田ブリッジ751が形成される可能性が低減されている。
また、1列コネクタ782において、GNDベタ851と接続される第3ピン784cは1列コネクタ782のピン784a〜784dの列の内側に位置しているため、当該第3ピン784cの周りで最終的に半田フィレット798を形成する溶融半田の量は、初期の段階で当該第3ピン784cの周りに付着する溶融半田の量よりも減少する。これにより、1列コネクタ782において接地のためにGNDベタ851と接続される第3ピン784cの周りに半田ブリッジ751が形成されて短絡することを防ぐことができる。
図92(b)において既に説明したとおり、1列コネクタ782の第4ピン784dが挿通される第4ビアホール793dの周りに接合穴762に代えて短絡防止穴761が形成されている。これにより、第4ピン784dの周りに残る溶融半田が第3ピン784cの周りに残る溶融半田と合流することが抑制されており、半田ブリッジ751の発生抑制が図られている。図92(b)に戻り、短絡防止穴761の詳細について以下に説明する。
図92(b)に示すように、右から左に向けてビアホール793a〜793dが並んでいる1列用裏面領域842において、ビアホール793a〜793dの列の右端に位置する第1ビアホール793a及び左端に位置する第4ビアホール793dの周りには短絡防止穴761が形成されているとともに、列の内側に位置する第2ビアホール793b及び第3ビアホール793cの周りに接合穴762が形成されている。このように、搬送方向に平行であるビアホール793a〜793dの列の両端に短絡防止穴761が形成されているため、半田付け工程においてプリント配線板741が左に向けて搬送される場合においても、搬送方向の後端となる右端に位置するビアホール793の周りにおける半田ブリッジ751の発生抑制を図ることができる。
図92(b)に示すように、1列用裏面領域842において、ビアホール793a〜793dの中心から隣接するビアホール793a〜793dの中心までの距離LA1は、1列コネクタ782において隣接するピン784a〜784d(図89(a))の間の距離と同じ1.5mmである。
図92(b)に示すように、第1ビアホール793a周りの短絡防止穴761の左端から第2ビアホール793b周りの接合穴762の右端までの距離LB1、及び第3ビアホール793c周りの接合穴762の左端から第4ビアホール793d周りの短絡防止穴761の右端までの距離LB1は、第2ビアホール793b周りの接合穴762の左端から第3ビアホール793c周りの接合穴762の右端までの距離LB1と同一である。
図92(b)に示すように、第4ビアホール793d周りには、第4ビアホール793dが短絡防止穴761の中央よりも右側に位置する態様で、短絡防止穴761がビアホール793a〜793dの列の外側寄りに設けられている。第4ビアホール793d周りの短絡防止穴761はビアホール793a〜793dの列の外方向に延在している。また、第1ビアホール793aの周りには、第1ビアホール793aが短絡防止穴761の中央よりも左側に位置する態様で、短絡防止穴761がビアホール793a〜793dの列の外側寄りに設けられている。第1ビアホール793a周りの短絡防止穴761はビアホール793a〜793dの列の外方向に延在している。
接合穴762の直径よりも長い長径を有する短絡防止穴761をビアホール793a〜793dの列の外側寄りに設けることにより、半田付け工程において、接合穴762の上に付着する溶融半田と短絡防止穴761の上に付着する溶融半田とが接近して合流する可能性が低減される。これにより、プリント配線板741上で短絡回路が形成される可能性を低減することができる。
次に、半田付け工程により1列コネクタ782の第4ピン784dの周りに形成される半田フィレット799を図96に基づいて説明する。図96は1列コネクタ782の第4ピン784dの周りに形成されている半田フィレット799を示すプリント配線板741の縦断面図である。ここで、図96の縦断面図はプリント配線板741を当該プリント配線板741の表面に垂直な平面で切断した場合の切断面における縦断面図である。
図96に示すように、プリント配線板741における第4ピン784dの周りの短絡防止穴761は、上述した比較用プリント配線板831における第4ピン784dの周りの接合穴762の面積よりも大きな面積を有している。このため、短絡防止穴761の上には、接合穴762の上に形成可能な半田フィレット798よりも面積の大きい底面を有する半田フィレット799が形成可能である。このように、短絡防止穴761を備えているプリント配線板741において1列コネクタ782の第4ピン784dの周りに安定的に収まる溶融半田の量は、比較用プリント配線板831において1列コネクタ782の第4ピン784dの周りに安定的に収まる溶融半田の量よりも多い。プリント配線板741において、1列コネクタ782の第4ピン784dの周りに短絡防止穴761を形成することにより、当該第4ピン784dの周りで余剰な溶融半田が発生する可能性を低減することにより、第4ピン784dの周りに残る溶融半田による半田ブリッジ751の発生を抑制することができる。
図92(b)に示すように、第4ビアホール793d周りの短絡防止穴761はビアホール793a〜793dの列の外側に向けて延在させて形成されており、当該短絡防止穴761の上に溜まる溶融半田の重心は列内で隣接する第3ビアホール793cから遠ざかる方向に位置している。このため、半田付け工程において、第4ピン784dの周りで余剰な溶融半田が発生しても、当該余剰な溶融半田が遠くにある第3ピン784cの周りの溶融半田と合流して半田ブリッジ751が発生することを抑制することができる。
既に説明したとおり、本パチンコ機10は、1列コネクタ782が装着されている主制御基板61の他に、ピン784(図91)の間隔が1.5mmよりも広い1列コネクタが装着されている基板及び1.5mmよりも狭い1列コネクタが装着されている基板を備えている。これらの1列コネクタにおいて、接地のためにGNDベタ851(図92(b))に接続されるピン784は、半田付け工程において、搬送方向の先端及び後端以外に位置するように、ピン784の列の端を外して配置されている。半田フィレット798(図91)が形成される初期の段階でGNDベタ851に接続されるピン784の周りに残る溶融半田の一部は噴流821に引き込まれるため、当該ピン784の周りに残る溶融半田の量は初期の量よりも減少する。このように、GNDベタ851に接続されるピン784の周りの溶融半田の温度が下がり、溶融半田の粘性が増大することが原因となって当該ピン784の周りに半田ブリッジ751が発生する確率が低減されている。
本パチンコ機10において、ピン784同士の間隔が1.5mmよりも大きい1列コネクタの全てのピン784の周りには接合穴762(図90(a))が形成されている。一方、ピン784同士の間隔が1.5mm以下である1列コネクタをプリント配線板に装着する場合、列の両端のピン784の周りに接合穴762を用いると、当該プリント配線板の搬送方向の後端に位置するピン784の周りに付着する溶融半田と、当該ピン784に隣接するピン784の周りに付着する溶融半田とが合流して半田ブリッジ751を形成する確率が高くなることが実験的に分かっている。
これに対して、本パチンコ機10において、ピン784同士の間隔が1.5mm以下である1列コネクタをプリント配線板に装着する場合には、列の端に位置するピン784の周りに、接合穴762よりも大きい面積を備えている短絡防止穴761(図90(a))が設けられている。接合穴762に代えて短絡防止穴761を用いることにより、形成可能な半田フィレット798の底面積を増大させ、搬送方向の後端に位置するピン784の周りに多くの溶融半田を安定的に収めることを可能としている。これにより、1列コネクタにおいて搬送方向の後端に位置するピン784の周りに半田ブリッジ751が形成される確率を下げることができる。
1列コネクタにおいて列の端に位置するピン784の周りに形成されている短絡防止穴761は列の内部に存在する隣接ピン784を避け、列の外側に向けて延在させる態様で設けられている。このように、短絡防止穴761に溜まる溶融半田の重心が隣接するピン784とは反対方向に位置する態様とすることにより、一旦短絡防止穴761に溜まった溶融半田が隣接するピン784の方向に移動し、隣接するピン784の周りの溶融半田と合流して半田ブリッジ751を形成することを抑制することができる。
本パチンコ機10において、ピン784同士の間隔が1.5mm以下である1列コネクタをプリント配線板に装着する場合には、列の一方の端に位置するピン784の周りだけでなく他方の端に位置するピン784の周りにも、接合穴762よりも大きい面積を備えているとともにピン784の列の外側に向けて延在させて形成されている短絡防止穴761が設けられている。これにより、半田付け工程において、プリント配線板が搬送される方向によらずに、1列コネクタにおいて列の両端に位置するピン784の周りに半田ブリッジ751が形成される確率を下げることができる。半田付け工程においてプリント配線板の搬送方向が1方向に限定されないため、半田付け工程においてプリント配線板の搬送方向を柔軟に決めることができ、製造効率を高めることができる。
なお、列の両端に位置するピン784の周りに形成される穴が接合穴762から短絡防止穴761に変わる1.5mmというピン784の間隔の基準値は、一定数のプリント配線板に1列コネクタを装着するための半田付けを行った場合に、1列コネクタにおいて搬送方向の後端に位置するピン784の周りに半田ブリッジ751が形成される確率が所定の基準値よりも小さくなるように定められる値である。
図89(a)にて既に説明したとおり、プリント配線板741(図92(b))に装着される1列コネクタ782のピン784a〜784dの間隔は1.5mmであり、短絡防止穴761(図92(b))を設定するための条件を満たしている。このため、図92(b)に示すように、プリント配線板741の1列用裏面領域842において、第1ビアホール793a及び第4ビアホール793dの周りには短絡防止穴761が設けられており、プリント配線板741に短絡回路が形成される可能性の低減が図られている。
次に、プリント配線板741に装着されている2極コネクタ781を構成しているピン784の周りの構成について説明する。図92(a)に示すように、プリント配線板741の裏面において、装着されている2極コネクタ781の周辺の領域である2極用裏面領域841には、短絡防止穴761上に形成される楕円形の半田フィレット799が2つ存在する。
ここで、プリント配線板741の裏面における2極用裏面領域841の構成について、図97(a)を参照しながら説明する。図97(a)は2極コネクタ781が装着される前の2極用裏面領域841を拡大して示すプリント配線板741の裏面図である。2極用裏面領域841には、左右方向に並ぶ態様で、2つのビアホール793が形成されている。ここで、2極用裏面領域841の右側に位置するビアホール793を第1ビアホール793eとするとともに左側に位置するビアホール793を第2ビアホール793fとする。
図97(a)に示すように、2極用裏面領域841において、第1ビアホール793e及び第2ビアホール793fは、共に2極用裏面領域841の端に位置している。このため、上述した1列用裏面領域842(図92(b))の場合とは異なり、GNDベタ851に接続されるビアホール793e,793fを搬送方向の両端以外の位置に配置することができない。既に説明したとおり、GNDベタ851と接続されるビアホール793e,793fの周りでは、溶融半田の温度が下がるため、当該ビアホール793e,793fの周りで半田ブリッジ751(図95(c))が発生する確率は高い。また、搬送方向の後端に位置することとなるビアホール793e,793fの周りでは、半田フィレット798が形成される初期の段階で過剰の溶融半田が付着し易いため、半田ブリッジ751が発生する確率が高い。
本パチンコ機10が備えている基板を構成しているプリント配線板において、2極コネクタが装着されているプリント配線板では、2極コネクタを構成している2本のピン784(図91)のいずれもが、半田付け工程において、搬送方向の後端に位置するピン784となる可能性がある。そして、GNDベタ851に接続されているピン784が搬送方向の後端に位置しているピン784となった場合、当該ピン784の周りは半田ブリッジ751が非常に発生し易い環境となる。
このため、本パチンコ機10において、2極コネクタが備えているピン784の周りに短絡防止穴761を設けるか否かについて決定するためのピン784の間隔の基準は、1列コネクタの場合の基準値である1.5mmよりも長い2.5mmに設定されている。つまり、本パチンコ機10が備えている基板では、ピン784の間隔が2.5mm以下の2極コネクタが装着される場合に2本のピン784の周りに短絡防止穴761(図90(a))が形成されているとともに、ピン784の間隔が2.5mmよりも広い2極コネクタが装着されている場合に2本のピン784の周りに接合穴762(図90(a))が形成されている。
図97(a)の説明に戻り、2極用裏面領域841における2つのビアホール793e,793fの中心間の距離LA2は2.5mmである。このため、図97(a)に示すように、2極用裏面領域841に形成されている2つのビアホール793e,793bの周りには短絡防止穴761が形成されている。
既に説明したとおり、短絡防止穴761は、半田付け工程においてビアホール793e,793fが搬送方向の後端に位置することとなり、当該ビアホール793e,793fに挿通されているピン784e,784f(図89(b))に付着する溶融半田の量が増えた場合においても、当該溶融半田を短絡防止穴761の上に保持するために必要な広い面積を有している。このため、2極コネクタ781を構成している2本のピン784e,784f(図89(b))の間で半田ブリッジ751が形成される可能性が低減されている。
図97(a)に示すように、第2ビアホール793fの周りの短絡防止穴761は、第2ビアホール793fに隣接する第1ビアホール793eが存在する方向とは反対の方向に向けて延在させて形成されている。このため、当該短絡防止穴761の上に溜まる溶融半田の重心が第1ビアホール793eとは反対の方向に位置する態様とすることができる。これにより、第2ビアホール793fが搬送方向の後端に位置することとなっても、当該第2ビアホール793fの上に付着する溶融半田が隣接する第1ビアホール793eの方向に移動しにくい環境として、半田ブリッジ751の発生を抑制することができる。
図97(a)に示すように、第1ビアホール793eの周りには、第2ビアホール793fの周りの短絡防止穴761と同一の短絡防止穴761が形成されている。当該短絡防止穴761は、第2ビアホール793fが存在する方向とは反対の方向に向けて延在させて形成されている。このため、半田付け工程において、第1ビアホール793eが搬送方向の後端に位置することとなっても、2極コネクタ781を構成する2本のピン784e,784fの周りに半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
図97(a)に示すように、2極用裏面領域841において第2ビアホール793fの右側に位置する第1ビアホール793e周りの短絡防止穴761は、第1ビアホール793eが当該短絡防止穴761の中央よりも左側に位置するように、右寄りに形成されている。また、2極用裏面領域841において第1ビアホール793eの左側に位置する第2ビアホール793f周りの短絡防止穴761は、第2ビアホール793fが当該短絡防止穴761の中央よりも右側に位置するように、左寄りに形成されている。
このように、2つの短絡防止穴761は、第1ビアホール793e周りの短絡防止穴761の左端から第2ビアホール793f周りの短絡防止穴761の右端までの距離LB2を広く保つ態様で設けられている。このため、2極コネクタ781を構成している2本のピン784e,784f(図89(b))の周りに付着する溶融半田が近づいている状態となることを防ぎ、2本のピン784e,784fの周りに付着する溶融半田が合流して半田ブリッジ751が形成されることを抑制できる。
次に、プリント配線板741に装着されている2列コネクタ783を構成しているピン784g〜784pの周りの構成について説明する。図92(a)に示すように、プリント配線板741の裏面において、装着されている2列コネクタ783の周辺の領域である2列用裏面領域843には、接合穴762の上に形成されている円形の半田フィレット798と、短絡防止穴761の上に形成されている楕円形の半田フィレット799と、が存在する。
ここで、プリント配線板741の裏面における2列用裏面領域843の構成について、図97(b)を参照しながら説明する。図97(b)は2列コネクタ783が装着される前の2列用裏面領域843を拡大して示すプリント配線板741の裏面図である。
図97(b)に示すように、2列用裏面領域843にはプリント配線板741の左右方向に延びるビアホール793の列が上下方向に2つ形成されている。ここで、上側の列を構成しているビアホール793について、右側から順番に、第11ビアホール793g、第12ビアホール793h、第13ビアホール793i、及び第14ビアホール793jとする。また、下側の列を構成しているビアホール793について、右側から順番に、第21ビアホール793k、第22ビアホール793m、第23ビアホール793n、及び第24ビアホール793pとする。
ここで、本パチンコ機10が備えている基板に装着されている2列コネクタについて説明する。本パチンコ機10では、2列コネクタを構成しているピン784(図91)であるとともに接地のためにGNDベタ851(図97(b))に接続されるピン784は、上側の列の両端、及び下側の列の両端以外の位置に設けられている。このように、GNDベタ851に接続するピン784を搬送方向の後端に配置しない構成とすることにより、搬送方向の後端となるピン784の周りで半田ブリッジ751が発生し易い環境となることを防ぐことができる。
2列コネクタにおいて、搬送方向の両端に位置しているピン784の周りに短絡防止穴761を設けるか否かの判定基準について、上下の列の間隔が十分に広い場合には、上側の列と下側の列とに対して1列コネクタの場合と同じ基準が適用されている。ここで、上下の列の間隔とは、上側の列の先端に位置するピン784の中心と、上側の列と平行に並んでいる下側の列の先端に位置するピン784の中心との距離である。
本パチンコ機10において、上側の列と下側の列との間隔が2.5mmよりも広い場合には、1列コネクタと同じ基準が適用されている。この場合、各列において、ピン784同士の中心間距離が距離LA1(1.5mm)以下の場合には搬送方向の両端に位置するピン784の周りに短絡防止穴761が形成されているとともに、各列において、ピン784同士の中心間距離が距離LA1(1.5mm)よりも長い場合には搬送方向の両端に位置するピン784の周りに接合穴762が形成されている。
一方、上側の列と下側の列との間隔が2.5mm以下の場合には、1列コネクタの基準に関わらず、各列の搬送方向の両端に位置するピン784の周りに短絡防止穴761が形成されている。既に説明したとおり、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りには、半田フィレット798,799が形成される初期の段階において、他のピン784の周りよりも多くの溶融半田が付着する。2列コネクタにおいて、上側の列と下側の列との距離が2.5mm以下である場合には、溶融半田が多く付着しており、半田ブリッジ751の発生原因となりやすいピン784が各列の端で接近している状態となる可能性がある。このため、列間の距離が狭い2列コネクタの場合には、各列におけるピン784同士の間隔が1.5mmより広い場合においても、各列の両端に位置するピン784の周りに短絡防止穴761を形成することにより、上側の列の端に位置するピン784と下側の列の端に位置するピン784との間に半田ブリッジ751が発生することを抑制することができる。
以下では、2列コネクタにおいて、両端に位置するピン784の周りに短絡防止穴761が形成されている場合について、主制御基板61が備えている2列コネクタ783を例としながら説明する。
図97(b)に示すように、2列コネクタ783(図89(c))の上側の列を構成しており、当該列の両端に位置しないピン784iが挿通される第13ビアホール793iの周りに形成されている接合穴762は接地のためにGNDベタ851に接続されている。このように、GNDベタ851に接続するピン784g〜784pを列の両端に配置しない構成とすることにより、ピン784g〜784pの列の端で半田ブリッジ751が発生し易い環境となることを防ぐことができる。
図92(b)にて既に説明したとおり、1列用裏面領域842において隣接するビアホール793a〜793dの中心間の距離LA1は1.5mmである。これに対して、図97(b)に示すように、2列用裏面領域843において隣接するビアホール793g〜793pの中心間の距離LA3は距離LA1(図92(b))よりも長い2mmである。しかし、上側の列におけるビアホール793g〜793jの中心から下側の列におけるビアホール793k〜793pの中心までの距離LA4は2.5mmである。このため、各列において左端に位置しているビアホール793j,793pに挿通される2列コネクタ783のピン784j,784p(図89(c))の間に半田ブリッジ751が形成されることを防ぐために、第14ビアホール793jの周り及び第24ビアホール793pの周りには短絡防止穴761が形成されている。
既に説明したとおり、短絡防止穴761は、半田付け工程において第14ビアホール793j及び第24ビアホール793pが搬送方向の後端に位置することとなり、第14ビアホール793jに挿通されているピン784j及び第24ビアホール793pに挿通されているピン784p(図89(c))に付着する溶融半田の量が増えた場合においても、当該溶融半田を短絡防止穴761の上に保持するために必要な広い面積を有している。このため、2列コネクタ783においてピン784g〜784pの列の左端に位置しているピン784j,784p(図89(c))の間で半田ブリッジ751が形成される可能性が低減されている。
図97(b)に示すように、第14ビアホール793jの周りの短絡防止穴761は隣接する第13ビアホール793iが存在する方向とは反対の方向である列の外側に向けて延在させて形成されている。このため、当該短絡防止穴761の上に溜まる溶融半田の重心が第13ビアホール793iとは反対の方向に位置する態様とすることができる。これにより、第14ビアホール793jが搬送方向の後端に位置することとなっても、当該第14ビアホール793jの上に付着する溶融半田が隣接する第13ビアホール793iの方向に移動しにくい環境として、半田ブリッジ751の発生を抑制することができる。
図97(b)に示すように、第24ビアホール793pの周りの短絡防止穴761は隣接する第23ビアホール793nが存在する方向とは反対の方向である列の外側に向けて延在させて形成されている。このため、当該短絡防止穴761の上に溜まる溶融半田の重心が第23ビアホール793nとは反対の方向に位置する態様とすることができる。これにより、第24ビアホール793pが搬送方向の後端に位置することとなっても、当該第24ビアホール793pの上に付着する溶融半田が隣接する第23ビアホール793nの方向に移動しにくい環境として、半田ブリッジ751の発生を抑制することができる。
図97(b)に示すように、第11ビアホール793gの周りには、第14ビアホール793jの周りの短絡防止穴761と同一の短絡防止穴761が形成されている。当該短絡防止穴761は、隣接する第12ビアホール793hが存在する方向とは反対の方向である列の外側に向けて延在させて形成されている。また、第21ビアホール793kの周りには、第24ビアホール793pの周りの短絡防止穴761と同一の短絡防止穴761が形成されている。当該短絡防止穴761は、隣接する第22ビアホール793mが存在する方向とは反対の方向である列の外側に向けて延在させて形成されている。このため、半田付け工程において、プリント配線板741が右方向に搬送される場合においても、左方向に搬送される場合においても、ビアホール793g〜793pの列の両端に位置するビアホール793g,793j,793k,793pの周りに半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
図97(b)に示すように、2列用裏面領域843において列の端に位置するビアホール793g,793j,793k,793p周りの短絡防止穴761は、列の外側寄りに形成されている。具体的には、第11ビアホール793g周りの短絡防止穴761は、第11ビアホール793gが当該短絡防止穴761の中央よりも左側に位置する態様で形成されているとともに、第21ビアホール793k周りの短絡防止穴761は、第21ビアホール793kが当該短絡防止穴761の中央よりも左側に位置する態様で形成されている。また、第14ビアホール793j周りの短絡防止穴761は、第14ビアホール793jが当該短絡防止穴761の中央よりも右側に位置する態様で形成されているとともに、第24ビアホール793p周りの短絡防止穴761は、第24ビアホール793pが当該短絡防止穴761の中央よりも右側に位置する態様で形成されている。
このように、短絡防止穴761の上に付着する溶融半田が当該短絡防止穴761と隣接する接合穴762の上に付着する溶融半田と近づいている状態となることが回避されている。これにより、短絡防止穴761に付着する溶融半田が当該短絡防止穴761に隣接する接合穴762に付着する溶融半田と合流して半田ブリッジ751が形成される可能性を低減できる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
プリント配線板741上に列をなして並んでいるピン784において、列内で隣接するピン784同士の距離が基準となる距離以下である場合には、列の端に位置していないピン784の周りに接合穴762が形成されているとともに、列の端に位置しているピン784の周りに接合穴762よりも大きな面積を有する短絡防止穴761が形成されている。このため、列の端のピン784の周りにも接合穴762が形成されている場合と比較して、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りに多量の溶融半田を安定的に収めることが可能であり、当該ピン784の周りで半田ブリッジ751が形成される確率が低減されている。
短絡防止穴761の形状は楕円形である。このため、短絡防止穴761の面積を、搬送方向の後端に位置するピン784の周りに付着する溶融半田を当該ピン784の周りに保持することが可能な広い面積としながら、短絡防止穴761の上の溶融半田が当該ピン784の近くに存在する複数のピン784の周りに付着している溶融半田と合流することを回避することができる。
列の端に位置するピン784周りの短絡防止穴761は列の外側に向けて延在させて形成されている。このため、短絡防止穴761の上に溜まる溶融半田の重心を隣接するピン784が存在しない方向に位置させることができる。列の端に位置しているピン784が搬送方向の後端に位置することとなった場合に、当該ピン784の周りに溜まっている溶融半田が隣接するピン784の周りの溶融半田と合流することを防ぐことができる。これにより、列の端のピン784と当該ピン784に隣接するピン784との間に半田ブリッジ751が発生することを抑制することができる。
列の一端に位置するピン784の周りだけでなく、列の他端に位置するピン784の周りにも、列の外側に向けて延在させて短絡防止穴761が形成されている。このため、半田付け工程において、プリント配線板741がいずれの搬送方向に搬送されても、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りに半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
ビアホール793の周りに形成されている短絡防止穴761が当該ビアホール793から列の内側(隣接するピン784側)に向けてはみ出している長さは、短絡防止穴761の上に形成される半田フィレット799の強度を保つために必要な最小限の長さに設定されている。短絡防止穴761の面積を大きく確保するために短絡防止穴761がビアホール793から列の内側に大きくはみ出す構成とすると、短絡防止穴761に付着する溶融半田から隣接する接合穴762又は隣接する短絡防止穴761に付着する溶融半田までの距離が近くなり、溶融半田の合流が発生し易くなる可能性がある。この場合には、短絡防止穴761の面積を大きく確保することによる半田ブリッジ751の形成を抑制する効果が半減する。これに対して、短絡防止穴761がビアホール793から列の内側に向けてはみ出す長さを必要最小限とすることにより、短絡防止穴761に付着する溶融半田が隣接するビアホール793に向けて移動する可能性を低減することができる。これにより、短絡防止穴761を設けることによる半田ブリッジ751の形成を抑制する効果が半減することを回避することができる。
また、ピン784の間隔が基準値よりも広い列である場合には、当該ピン784の列において、プリント配線板741の搬送方向の端に位置するピン784の周りでも接合穴762よりも面積の大きな短絡防止穴761を利用しない構成である。面積の限られているプリント配線板741上において、不要な短絡防止穴761を省くことにより、プリント配線板741に搭載可能な挿入実装部品の数を増やし、基板の高密度化に対応することができる。
また、複数のピン784で構成される列の端にGNDベタ851と接続するピン784を配置することを回避できない2極コネクタ781の場合を除いて、GNDベタ851と接続するピン784を列の端に配置しない構成である。また、2極コネクタ781において短絡防止穴761を設ける基準となるピン784の間隔は、1列コネクタ782及び2列コネクタ783において短絡防止穴761を設ける基準となるピン784の間隔よりも広く設定されている。これにより、GNDベタ851と接続するピン784の周りで溶融半田の温度が下がることを原因として半田ブリッジ751が発生する可能性を低減することができる。
プリント配線板741がビアホール793の列を複数備えている場合、1つ目の列の端に位置するビアホール793と、1つ目の列とは異なる2つ目の列の端に位置するビアホール793と、がプリント配線板741上で基準値よりも接近して配置されている場合には、各列において、隣接するビアホール793の中心間の距離が短絡防止穴761を設ける基準より広い場合においても、2つの列の端に位置するビアホール793の両方に短絡防止穴761を設ける構成である。これにより、異なる列の端に位置しており、それぞれ溶融半田の付着量が多くなる環境にある2つのビアホール793に挿通されるピン784の間に半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
<第19の実施形態の別形態>
・上述した第19の実施形態において、列の両端に位置するピン784周りの短絡防止穴761が延在させて形成される方向は隣接するピン784の反対方向には限られない。例えば、左右方向に沿って並んでいるピン784の列において、右端に位置するピン784及び左端に位置するピン784周りの短絡防止穴761が延在させて形成される方向は左右方向に対して所定の角度で傾斜していてもよい。左右方向に対して所定の角度で傾斜している短絡防止穴761を傾斜短絡防止穴861とし、当該傾斜短絡防止穴861について図98(a)を参照しながら具体的に説明する。
プリント配線板863は、傾斜短絡防止穴861が形成されている1列用裏面領域862を備えている点で上記第19の実施形態におけるプリント配線板741とは異なる。図98(a)は傾斜短絡防止穴861を備えている1列用裏面領域862を拡大して示すプリント配線板863の裏面図である。ここで、図98(a)では、配線パターン776及びGNDベタ851(図92(b))の図示を省略している。以下では、半田付け工程において、プリント配線板863が右方向に搬送される場合について説明する。図98(a)に示すように、プリント配線板863の1列用裏面領域862には2つの1列コネクタ782(図89(a))が並べて装着される構成である。
図98(a)に示すように、1列用裏面領域862には、1つ目の1列コネクタ782である第1コネクタが備えている4本のピン784(図91)を挿通するためのビアホールとして第1ビアホール864が1.5mm間隔で左右方向に1列で並んでいる。ここで、第1ビアホール864は上記第19の実施形態におけるビアホール793(図90(b))と同一の構成である。
また、1列用裏面領域862には、2つ目の1列コネクタ782である第2コネクタが備えている4本のピン784を挿通するためのビアホールである第2ビアホール865が1.5mm間隔で左右方向に1列で並んでいる。ここで、第2ビアホール865は上記第19の実施形態におけるビアホール793(図90(b))と同一の構成である。
また、4つの第1ビアホール864の中心と4つの第2ビアホール865の中心とは同一直線上に並んでいる。また、第2ビアホール865は第1ビアホール864よりも右方に位置しており、4つの第1ビアホール864において右端に位置している第1ビアホール864の中心から、4つの第2ビアホール865において左端に位置している第2ビアホール865の中心までの距離は3mmである。
第1ビアホール864の列の両端に位置しない第1ビアホール864の周り、及び第2ビアホール865の列の両端に位置しない第2ビアホール865の周りには接合穴762が形成されている。そして、4つの第1ビアホール864において右端に位置している第1ビアホール864の周りと、4つの第2ビアホール865において右端に位置している第2ビアホール865の周りと、のそれぞれには右斜め上に向けて延在させて傾斜短絡防止穴861が形成されている。当該傾斜短絡防止穴861は上記第19の実施形態における短絡防止穴761と同一形状及び同一サイズの楕円形であり、その中心は右端に位置しているビアホール864,865の右斜め上に位置している。
また、4つの第1ビアホール864において左端に位置している第1ビアホール864の周りと、4つの第2ビアホール865において左端に位置している第2ビアホール865の周りと、のそれぞれには左斜め下に向けて延在させて傾斜短絡防止穴861が形成されている。当該傾斜短絡防止穴861は上記第19の実施形態における短絡防止穴761と同一形状及び同一サイズの楕円形であり、その中心は左端に位置しているビアホール864,865の左斜め下に位置している。
このように、搬送方向において、第1コネクタの右端に位置しているピン784と第2コネクタの左端に位置しているピン784とが近接している構成において、第1コネクタの右端に位置しているピン784の周りの傾斜短絡防止穴861が右斜め上に延在させて形成されているとともに、第2コネクタの左端に位置しているピン784の周りの傾斜短絡防止穴861が左斜め下に延在させて形成されている構成である。これにより、第1コネクタの右端の傾斜短絡防止穴861に溜まる溶融半田と、第2コネクタの左端の傾斜短絡防止穴861に溜まる溶融半田と、が合流して半田ブリッジ751(図95(c))が形成されることを防ぐことができる。
・上述した第19の実施形態において、ビアホール793が短絡防止穴761の中心に位置している構成であるとともに、短絡防止穴761と接合穴762との間隔が接合穴762同士の間隔と同じである構成としてもよい。当該構成の具体例について図98(b)を参照しながら説明する。
プリント配線板866は、右端のビアホール793の中心から当該右端のビアホール793と隣接するビアホール793の中心までの距離、及び左端のビアホール793の中心から当該左端のビアホール793と隣接するビアホール793の中心までの距離が列の内側におけるビアホール793の中心間の距離よりも広く設定されている点で上記第19の実施形態におけるプリント配線板741とは異なる。図98(b)は1列用裏面領域867を拡大して示すプリント配線板866の裏面図である。ここで、図98(b)では、配線パターン776及びGNDベタ851(図92(b))の図示を省略している。
図98(b)に示すように、プリント配線板866の1列用裏面領域867には、1列コネクタ782を構成している4本のピン784a〜784dを挿通するためのビアホール793が左右方向に1列で並べて形成されている。右端に位置するビアホール793の周りには当該右端のビアホール793が中央に位置する態様で短絡防止穴761が形成されているとともに、左端に位置するビアホール793の周りには当該左端のビアホール793が中央に位置する態様で短絡防止穴761が形成されている。また、右から2番目に位置するビアホール793の周り、及び右から3番目に位置するビアホール793の周りには、ビアホール793が中央に位置する態様で接合穴762が形成されている。
ここで、右端に位置するビアホール793周りの短絡防止穴761の左端と、右から2番目に位置するビアホール793周りの接合穴762の右端との距離を距離LC1とするとともに、右から2番目に位置するビアホール793周りの接合穴762の左端と、右から3番目に位置するビアホール793周りの接合穴762の右端との距離を距離LC2とする。また、右から3番目に位置するビアホール793周りの接合穴762の左端と、左端に位置する短絡防止穴761の右端との距離を距離LC3とする。
この場合において、距離LC1と距離LC2と距離LC3とが同一の距離となる構成とすることにより、全てのビアホール793が等間隔である構成と比較して、短絡防止穴761上に付着する溶融半田の重心が接合穴762上に付着する溶融半田の重心から遠く、短絡防止穴761上の溶融半田と接合穴762上の溶融半田とが合流して半田ブリッジ751が形成される確率を低減することができる。また、1列コネクタ782のピン784a〜784dが短絡防止穴761の中央に固定される構成であるため、短絡防止穴761上に形成される半田フィレット799の強度を高めることで、使用時の振動などによって半田フィレット799が破損する可能性を低減して、主制御基板61の耐久年数を延ばすことができる。
・上述した第19の実施形態において、短絡防止穴761は、当該短絡防止穴761の内部に位置するビアホール793が当該短絡防止穴761の中央に位置する態様で形成される構成としてよい。当該構成について図98(c)を参照しながら具体的に説明する。
プリント配線板868は、短絡防止穴761がビアホール793を中央とする態様で形成されている1列用裏面領域869を備えている点で上記第19の実施形態におけるプリント配線板741とは異なる。図98(c)はプリント配線板868における1列用裏面領域869を拡大して示すプリント配線板868の裏面図である。ここで、図98(c)では、配線パターン776及びGNDベタ851(図92(b))の図示を省略している。
図98(c)に示すように、プリント配線板868には、1列コネクタ782が備えている4本のピン784a〜784dを挿通するためのビアホール793が1.5mm間隔で左右方向に4つ並ぶ態様で形成されている。右端に位置するビアホール793の周りには当該右端のビアホール793を中央とする態様で短絡防止穴761が形成されているとともに、左端に位置するビアホール793の周りには当該左端のビアホール793を中央とする態様で短絡防止穴761が形成されている。また、右から2番目の位置するビアホール793の周りには当該ビアホール793を中央とする態様で接合穴762が形成されているとともに、右から3番目の位置するビアホール793の周りには当該ビアホール793を中央とする態様で接合穴762が形成されている。
このように、短絡防止穴761の中央に形成されているビアホール793に1列コネクタ782のピン784a〜784dが挿通されて半田付けされる構成とすることにより、1列コネクタ782の両端に位置しているピン784a,784d周りに形成される半田フィレット799は、短絡防止穴761の端にビアホール793が形成されている場合に形成される半田フィレット799と比較して、左右方向に働く力に強い力に対する強度が強い。このため、主制御基板61を振動などが加わっても壊れる確率の低い基板とすることができる。
1列用裏面領域869に形成されている4つのビアホール793の間隔は、上記第19の実施形態における1列用裏面領域842に形成されている4つのビアホール793の間隔と同じ1.5mmであるため、半田付け工程の前に1列コネクタ782のピン784a〜784dの間隔を調整することなく、主制御基板61を振動に強い基板とすることができる。
<第20の実施形態>
本実施形態は、短絡防止穴761に代えて接合穴762及び分離型短絡防止穴871が形成されている点で上記第19の実施形態と相違している。以下、上記第19の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態の主制御基板61はプリント配線板872を備えている。当該プリント配線板872において、1列コネクタ782の両端のピン784a,784d(図89(a))の周りと、2極コネクタ781の2本のピン784e,784f(図89(b))の周りと、2列コネクタ783の各列における両端のピン784g,784j,784k,784pの周りと、のそれぞれには半田ブリッジ751(図95(c))の発生を抑制するための分離型短絡防止穴871,874が形成されている。プリント配線板872の1列コネクタ782周りの構成について図99(a),(b)を参照しながら説明する。図99(a)は1列用裏面領域873を拡大して示すプリント配線板872の裏面図であり、図99(b)は1列コネクタ782のピン784の周辺を拡大して示すプリント配線板872の縦断面図である。ここで、図99(a),(b)では、配線パターン776及びGNDベタ851(図92(b))の図示を省略している。
先ず主制御基板61のプリント配線板872に形成されている接合穴762の形状について説明する。図99(a)に示すように、プリント配線板872には、1列コネクタ782が備えている4本のピン784a〜784dを挿通するために4つのビアホール793が形成されている。当該ビアホール793は、1.5mm間隔で左右方向に並んでいる。
プリント配線板872において、4つのビアホール793の周りには接合穴762が形成されている。当該接合穴762はビアホール793よりもひと回り大きい円形の穴であり、ビアホール793が当該接合穴762の中央に位置する態様で形成されている。
1列コネクタ782を構成している4本のピン784a〜784dについて、右からn番目に並んでいるピン784を第nピン784とする。例えば、右から2番目に並んでいるピン784は第2ピン784bである。また、プリント配線板872に形成されている4つのビアホール793について、右からn番目に形成されているビアホール793を第nビアホール793とする。例えば、右から3番目に形成されているビアホール793は第3ビアホール793cである。また、第nビアホール793周りに形成されている接合穴762を第n接合穴762とする。例えば、第4ビアホール793d周りに形成されている接合穴762は第4接合穴762dである。ここで、nは1〜4の自然数である。
プリント配線板872の1列用裏面領域873には4つのビアホール793a〜793dが左右方向に1列で並んでおり、当該ビアホール793a〜793dの列の右端には第1ビアホール793aが形成されているとともに、左端には第4ビアホール793dが形成されている。ビアホール793a〜793dの列の左端に位置する第4ビアホール793dの左方近傍には第4接合穴762dから分離されている短絡防止穴である分離型短絡防止穴871が形成されている。当該分離型短絡防止穴871は、接合穴762よりも大きな直径を有する半円形の溜め部871aと、当該溜め部871aに連続していて第4接合穴762dに向かって徐々に幅が狭くなる縮幅部871bと、から構成されている。当該縮幅部871bは、溜め部871aと連続している領域において1列用裏面領域873の上下方向に溜め部871aの直径と略同一の幅を有している。また、当該縮幅部871bの右端から第4接合穴762dの左端までの距離LD1は、第4接合穴762dの右端から第3接合穴762cの左端までの距離LD2よりも短い。
また、ビアホール793a〜793dの列の右端に位置する第1ビアホール793aの右方近傍には第1接合穴762aから分離されている短絡防止穴である分離型短絡防止穴874が形成されている。当該分離型短絡防止穴874は、接合穴762よりも大きな直径を有する半円形の溜め部874aと、当該溜め部874aに連続していて第1接合穴762aに向かって徐々に幅が狭くなる縮幅部874bと、から構成されている。当該縮幅部874bは、溜め部874aと連続している領域において1列用裏面領域873の上下方向に溜め部874aの直径と略同一の幅を有している。また、当該縮幅部871bの左端から第1接合穴762aの右端までの距離LD1は、第1接合穴762aの左端から第2接合穴762bの右端までの距離LD2よりも短い。
次に、半田付け工程において、プリント配線板872が右方向に搬送され、1列コネクタ782の第4ピン784dが搬送方向の後端に位置することとなる場合において、搬送方向の後端に位置する第4ピン784dの周りで半田ブリッジ751の発生が抑制されるメカニズムについて図99(b)を参照しながら以下に説明する。半田付け工程では、1列コネクタ782の第4ピン784dが噴流821(図93(b))との接触状態から抜け出す直前において第4ピン784d周りに形成されている第4接合穴762d及びその後方近傍に形成されている分離型短絡防止穴871が噴流821と接触している状態にある。
そして、1列コネクタ782の第4ピン784dが噴流821との接触状態から抜けた直後において、第4接合穴762dの上に付着した溶融半田と分離型短絡防止穴871の上に付着した溶融半田とが連続している中間状態を経由して、第4接合穴762dの上に付着した溶融半田と分離型短絡防止穴871の上に付着した溶融半田とが互いに独立した状態となる。
第4接合穴762dの上に付着した溶融半田が独立した状態となる前の中間状態において、第4ピン784dの周りに残った溶融半田は第4接合穴762dの上と分離型短絡防止穴871の上とに分かれる。このため、第4接合穴762dの周りに分離型短絡防止穴871が形成されていない構成と比較すると、図99(b)に示すように、分離型短絡防止穴871を利用することにより、第4接合穴762dの上に付着する溶融半田の量を減らし、第4接合穴762dの上で半田ブリッジ751の発生原因となる余剰な溶融半田が発生する可能性を低減することができる。
図99(a)において既に説明したとおり、分離型短絡防止穴871は第4接合穴762dとは連続しない態様で形成されており、一度分離型短絡防止穴871の上に移動した溶融半田が第4接合穴762dの上に移動しにくい構成となっている。当該構成により、第4接合穴762dの上で溶融半田が収まりきれなくなって半田ブリッジ751が形成される可能性が低減されている。
ここで、図99(a)に示すように、分離型短絡防止穴871は第4接合穴762dよりも大きな面積を有している。このため、中間状態において分離型短絡防止穴871の上に移動する溶融半田の量を増加させて、第4接合穴762dの上に移動する溶融半田の量を減少させることができる。これにより、第4接合穴762dの上で半田ブリッジ751の発生原因となる余剰な溶融半田が発生する可能性を低減することができる。
図99(a)に示すように、溜め部871aは縮幅部871bよりも大きな面積を有しているとともに1列用裏面領域873の上下方向に大きな幅を有しているため、図99(b)に示すように、分離型短絡防止穴871の上に溜まる溶融半田の多くは当該溶融半田の表面張力により溜め部871aの上に移動する。
図99(a)に示すように、分離型短絡防止穴871の上に溜まる溶融半田の大部分を第4接合穴762dの上に溜まる溶融半田から離れている位置に保持するために、溜め部871aは縮幅部871bよりも第4接合穴762dから遠い位置に設けられている。これにより、分離型短絡防止穴871の上の溶融半田が第4接合穴762dの上の溶融半田と接触し、第4接合穴762dに向けて移動する可能性が低減されている。
図99(a)に示すように、第4接合穴762dの上で余剰の溶融半田が発生した場合に、当該余剰の溶融半田を第3接合穴762cとは異なる方向に移動させるために、縮幅部871bから第4接合穴762dまでの距離LD1は、第4接合穴762dから第3接合穴762cまでの距離LD2よりも短く設定されている。
半田付け工程において、プリント配線板872が左方向に搬送される場合には、1列用裏面領域873の右端に位置する第1ビアホール793aが搬送方向の後端に位置することとなる。図99(a)に示すように、第1接合穴762aの右方近傍には、第1ビアホール793aの周りで半田ブリッジ751が発生することを抑制するために分離型短絡防止穴874が形成されている。
第1接合穴762aの右方近傍に形成されている分離型短絡防止穴874は、第4接合穴762dの左方近傍に形成されている分離型短絡防止穴871と同一のサイズ及び形状を有している。分離型短絡防止穴874は、当該分離型短絡防止穴874の上に付着する溶融半田の大部分を第1接合穴762aから離れた位置に保持するために、溜め部874aが縮幅部874bよりも第1接合穴762aから遠くに位置する態様で設けられている。
ここで、本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、ピン784(図91)の周りに分離型短絡防止穴871,874を設ける基準には、上述した第19の実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、ピン784の周りに短絡防止穴761(図92(b))を設ける基準と同じ基準が適用されている。具体的には、本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、当該基板に1列コネクタが装着されている場合、ピン784の中心間の距離が1.5mm以下であるという条件を満たしている1列コネクタの両端のピン周りには分離型短絡防止穴871,874(図99(a))が設けられている。これにより、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りに半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。一方、ピン784の中心間の距離が1.5mmよりも広い1列コネクタのピン784周りには接合穴762(図90)が設けられている。
本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、当該基板に2極コネクタが装着されている場合、ピン784の中心間の距離が2.5mm以下であるという条件を満たしている2極コネクタの2本のピン784周りには分離型短絡防止穴871,874(図99(a))が設けられている。これにより、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りに半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。一方、ピン784の中心間の距離が2.5mmよりも広い2極コネクタのピン784周りには接合穴762(図90)が設けられている。
本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、当該基板に2列コネクタが装着されている場合であり、各列におけるピン784の中心間の距離が1.5mm以下であるという条件、又は各列の端に位置するピン784同士の中心間の距離が2.5mm以下であるという条件の少なくとも一方を満たしている場合には、2列コネクタの各列の両端に位置するピン784周りには分離型短絡防止穴871,874(図99(a))が設けられている。これにより、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りに半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。一方、各列におけるピン784の中心間の距離が1.5mmよりも広いとともに、各列の端に位置するピン784同士の中心間の距離が2.5mmよりも広い場合、ピン784周りには接合穴762(図90)が設けられている。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
1列用裏面領域873の左端において、第4接合穴762dの左方に、当該第4接合穴762dとは連続しない態様で分離型短絡防止穴871を設ける構成である。これにより、第4接合穴762dの上に付着する溶融半田の量を減らし、第4接合穴762dの上で半田ブリッジ751の発生原因となる余剰な溶融半田が発生する可能性を低減することができる。第4接合穴762dと分離型短絡防止穴871とが連続していないため、一度分離型短絡防止穴871の上に移動した溶融半田が第4接合穴762dの上に戻る可能性を低減することができ、第4接合穴762dの上で余剰の溶融半田が発生して半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
分離型短絡防止穴871の面積を第4接合穴762dの面積よりも大きく設定する構成であるため、半田フィレット798が形成される中間状態において分離型短絡防止穴871の上に移動する溶融半田の量を増大させて、第4接合穴762dの上に移動する溶融半田の量を減少させることができる。これにより、第4接合穴762dの上で半田ブリッジ751の発生原因となる余剰の溶融半田が発生する可能性を低減することができる。
分離型短絡防止穴871において溜め部871aは縮幅部871bよりも大きな面積を有しており、縮幅部871bよりも多くの溶融半田を保持する。そして、溜め部871aは縮幅部871bよりも第4接合穴762dから左方に離して設けられている。このため、分離型短絡防止穴871の上に溜まる溶融半田の大部分は、第4接合穴762dの上に溜まる溶融半田から離れている状態で保持される。このように、第4接合穴762dの上に存在する溶融半田の量が増加しにくい構成とすることにより、第4接合穴762dの上に溶融半田が収まりきれなくなることを防ぎ、半田ブリッジ751の発生を抑制することができる。
縮幅部871bから第4接合穴762dまでの距離LD1が第4接合穴762dから第3接合穴762cまでの距離LD2よりも短く設定されている構成である。このため、第4接合穴762dの上で発生する余剰の溶融半田を分離型短絡防止穴871の上の溶融半田と合流させ、当該余剰の溶融半田が第3接合穴762cの上の溶融半田と合流することを阻止することができる。これにより、第4接合穴762dに挿通されるピン784dと、第3接合穴762cに挿通されるピン784cとの間に半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
1列用裏面領域873の右端において、第1接合穴762aの右方に、当該第1接合穴762aとは連続しない態様で分離型短絡防止穴874を設ける構成である。これにより、半田付け工程において、プリント配線板872が左方向に搬送されても、搬送方向の後端に位置することとなる第1ビアホール793aの周りに半田ブリッジ751が発生することを抑制することができる。
<第20の実施形態の別形態>
・上述した第20の実施形態において、第4接合穴762dの近傍に形成される分離型短絡防止穴871の数は1つに限られない。また、第1接合穴762aの近傍に形成される分離型短絡防止穴874の数は1つに限られない。例えば、第4接合穴762dの近傍に上記第20の実施形態の分離型短絡防止穴871と同一のサイズ及び形状を有する左側分離型短絡防止穴886、左上分離型短絡防止穴875、及び左下分離型短絡防止穴876が設けられている構成とするとともに、第1接合穴762aの近傍に上記第20の実施形態の分離型短絡防止穴874と同一のサイズ及び形状を有する右側分離型短絡防止穴887、右上分離型短絡防止穴877、及び右下分離型短絡防止穴878を備えている構成としてもよい。当該構成について、図100(a)を参照しながら説明する。
図100(a)は6つの分離型短絡防止穴875〜878,886,887が形成されている1列用裏面領域885を拡大して示すプリント配線板879の裏面図である。ここで、図100(a)では、配線パターン776及びGNDベタ851(図92(b))の図示を省略している。図100(a)に示すように、第4接合穴762dの左方近傍には、上記第20の実施形態において既に説明した分離型短絡防止穴871が左側分離型短絡防止穴886として形成されている。また、第4接合穴762dの左斜め上には左上分離型短絡防止穴875が形成されているとともに、第4接合穴762dの左斜め下には左下分離型短絡防止穴876が形成されている。
左上分離型短絡防止穴875は、左上溜め部875aと左上縮幅部875bとから構成されており、左上縮幅部875bの幅が第4接合穴762dに向かって徐々に減少する態様で第4接合穴762dに近接させて設けられている。左上分離型短絡防止穴875において、左上溜め部875aは左上縮幅部875bよりも第4接合穴762dから左方に離れた位置に設けられている。また、左下分離型短絡防止穴876は、左下溜め部876aと左下縮幅部876bとから構成されており、左下縮幅部876bの幅が第4接合穴762dに向かって徐々に減少する態様で第4接合穴762dに近接させて設けられている。左下分離型短絡防止穴876において、左下溜め部876aは左下縮幅部876bよりも第4接合穴762dから左上に離れた位置に設けられている。
また、第1接合穴762aの右方近傍には、上記第20の実施形態において既に説明した分離型短絡防止穴874が右側分離型短絡防止穴887として形成されている。また、第1接合穴762aの右斜め上には右上分離型短絡防止穴877が形成されているとともに、第1接合穴762aの右斜め下には右下分離型短絡防止穴878が形成されている。
右上分離型短絡防止穴877は、右上溜め部877aと右上縮幅部877bとから構成されており、右上縮幅部877bの幅が第1接合穴762aに向かって徐々に減少する態様で第1接合穴762aに近接させて設けられている。右上分離型短絡防止穴877において、右上溜め部877aは右上縮幅部877bよりも第1接合穴762aから右上に離れた位置に設定されている。また、右下分離型短絡防止穴878は、右下溜め部878aと右下縮幅部878bとから構成されており、右下縮幅部878bの幅が第1接合穴762aに向かって徐々に減少する態様で第1接合穴762aに近接させて設定されている。右下分離型短絡防止穴878において、右下溜め部878aは右下縮幅部878bよりも第1接合穴762aから右下に離れた位置に設定されている。
このように、第4接合穴762dの周囲に左側分離型短絡防止穴886、左上分離型短絡防止穴875、及び左下分離型短絡防止穴876を形成することにより、第4接合穴762dの上に過剰な溶融半田が付着した場合に、余剰となった溶融半田を第4接合穴762dに隣接する第3接合穴762cとは異なる3方向に向けて引っ張り、3つの溜め部875a,876a,886aに溜めることができる。このため、第4接合穴762dの上に過剰の溶融半田が付着しても、当該溶融半田が隣接する第3接合穴762c上の溶融半田と合流して半田ブリッジ751が発生することを防ぐことができる。
半田付け工程においてプリント配線板879が左方向に搬送される場合には、1列用裏面領域885において、第1接合穴762aが搬送方向の後端に位置することとなる。第1接合穴762aの上に過剰な溶融半田が付着した場合に、余剰となった溶融半田を第1接合穴762aに隣接する第2接合穴762bとは異なる3方向に向けて引っ張り、3つの溜め部877a,878a,887aに溜めることができる。このため、第1接合穴762aの上に過剰の溶融半田が付着しても、当該溶融半田が隣接する第2接合穴762b上の溶融半田と合流して半田ブリッジ751が発生することを防ぐことができる。
・上述した第20の実施形態の分離型短絡防止穴871に代えて、第4接合穴762dの周囲を3方向から取り囲む3方向分離型短絡防止穴881を設定する構成としてもよい。当該3方向分離型短絡防止穴881について図100(b)を参照しながら説明する。
プリント配線板882は、2つの3方向分離型短絡防止穴881,884が形成されている1列用裏面領域883を備えている点で上記第20の実施形態のプリント配線板872とは異なる。図100(b)は2つの3方向分離型短絡防止穴881,884が形成されている1列用裏面領域883を拡大して示すプリント配線板882の裏面図である。ここで、図100(b)では、配線パターン776及びGNDベタ851(図92(b))の図示を省略している。
先ずプリント配線板882において、1列用裏面領域883の左端に位置する第4接合穴762dの周囲の構成について説明する。図100(b)に示すように、第4接合穴762dの周囲には、第4接合穴762dの上方と左方と下方との3方を囲むコの字型の形状を有している左側3方向分離型短絡防止穴881が形成されている。左側3方向分離型短絡防止穴881は、第4接合穴762dの上方に位置する上方部881aと、第4接合穴762dの左方に位置する左方部881bと、第4接合穴762dの下方に位置する下方部881cと、から構成されている。第4接合穴762dと左側3方向分離型短絡防止穴881の上方部881aとの間、第4接合穴762dと左方部881bとの間、及び第4接合穴762dと下方部881cとの間の距離は、第4接合穴762dの右端から第3接合穴762cの左端までの距離よりも短い。また、左側3方向分離型短絡防止穴881の総面積は、接合穴762の面積よりも大きい。
左側3方向分離型短絡防止穴881において、上方部881a、左方部881b、及び下方部881cは、第4接合穴762dとは連続しない態様で第4接合穴762dに向かって延びる凸部881dを備えている。
1列コネクタ782の第4ピン784dに過剰な溶融半田が付着し、第4接合穴762dの上に収まりきれなくなった場合、余剰の溶融半田が第3接合穴762cとは方向が異なるとともに第4接合穴762よりも大きな面積を有している左側3方向分離型短絡防止穴881の上の溶融半田と接触することにより、余剰な溶融半田を左側3方向分離型短絡防止穴881に引き込むことができる。
上方部881a、左方部881b、及び下方部881cの凸部881dは、第4接合穴762dに3方向から接近しており、当該凸部881dは、第3接合穴762cよりも第4接合穴762dの近くに位置している。これにより、第4接合穴762dの上で発生する溶融半田が第3接合穴762cとは異なる3方向に移動する確率を高めることができる。
第4接合穴762dの上で発生する余剰な溶融半田を隣接する第3接合穴762cに向かわせない構成とすることにより、余剰の溶融半田が第3接合穴762c上に移動して半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
また、3つの凸部881dと接触して異なる3方向に引かれる溶融半田を共通の左側3方向分離型短絡防止穴881に保持する構成であるため、プリント配線板882において半田ブリッジ751の発生を抑制するための構成が占める面積を最小限に抑えることができ、プリント配線板882の高密度化に対応することができる。
次に、プリント配線板882において、1列用裏面領域883の右端に位置する第1接合穴762aの周囲の構成について説明する。図100(b)に示すように、第1接合穴762aの周囲には、第1接合穴762aの上方と右方と下方との3方を囲むコの字型の形状を有している右側3方向分離型短絡防止穴884が形成されている。右側3方向分離型短絡防止穴884は、第1接合穴762aの上方に位置する上方部884aと、第1接合穴762aの右方に位置する右方部884bと、第1接合穴762aの下方に位置する下方部884cと、から構成されている。第1接合穴762aと右側3方向分離型短絡防止穴884の上方部884aとの間、第1接合穴762aと右方部884bとの間、及び第1接合穴762aと下方部884cとの間の距離は、第1接合穴762aの右端から第3接合穴762cの右端までの距離よりも短い。また、右側3方向分離型短絡防止穴884の総面積は、接合穴762の面積よりも大きい。
右側3方向分離型短絡防止穴884において、上方部884a、右方部884b、及び下方部884cは、第1接合穴762aとは連続しない態様で第1接合穴762aに向かって延びる凸部884dを備えている。
半田付け工程においてプリント配線板882が左方向に搬送される場合には、1列用裏面領域883において、第1接合穴762aが搬送方向の後端に位置することとなる。第4接合穴762dの周囲に左側3方向分離型短絡防止穴881を設けたのと同様に、第1接合穴762aの周囲に右側3方向分離型短絡防止穴884を設けることにより、第1接合穴762aの上に過剰の溶融半田が付着しても、当該溶融半田が隣接する第2接合穴762b上の溶融半田と合流して半田ブリッジ751が発生することを防ぐことができる。
3つの凸部884dと接触して異なる3方向に引かれる溶融半田を共通の右側3方向分離型短絡防止穴884に保持する構成であるため、1列用裏面領域883の右端において半田ブリッジ751の発生を抑制するための構成がプリント配線板882に占める面積を最小限に抑えることができ、プリント配線板882の高密度化に対応することができる。
<第21の実施形態>
本実施形態は、短絡防止穴761に代えて短絡防止穴群891〜895,921〜925が形成されている点で上記第19の実施形態と相違している。以下、上記第19の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態の主制御基板61はプリント配線板897を備えている。当該プリント配線板897において、1列コネクタ782の両端のピン784a,784d(図89(a))の周りと、2極コネクタ781の2本のピン784e,784f(図89(b))の周りと、2列コネクタ783の各列における両端のピン784g,784j,784k,784pの周りと、のそれぞれには半田ブリッジ751(図95(c))の発生を抑制するための短絡防止穴群891〜895,921〜925が形成されている。プリント配線板897の1列コネクタ782周りの構成について図101を参照しながら説明する。図101は半田ブリッジ751の発生を抑制するための短絡防止穴群891〜895,921〜925が形成されている1列用裏面領域896を拡大して示すプリント配線板897の裏面図である。ここで、図101では、配線パターン776及びGNDベタ851(図92(b))の図示を省略している。
図101に示すように、1列用裏面領域896には1列コネクタ782の4本のピン784a〜784d(図89(a))が挿通されるためのビアホール793a〜793dが形成されている。1列用裏面領域896において、4つのビアホール793a〜793dは左右方向に1つの列をなして並んでおり、当該列において、ビアホール793a〜793d同士の間隔は1.5mmである。
図101に示すように、4つのビアホール793a〜793dについて、右からn番目に並んでいるビアホールを第nビアホールとする。例えば、1番右に並んでいるビアホールは第1ビアホール793aである。ここで、nは1〜4の自然数である。
図101に示すように、第2ビアホール793b及び第3ビアホール793cの周りには円形の接合穴762が形成されている。当該接合穴762は、ビアホール793b,793cよりも大きな面積を有しており、ビアホール793b,793cが当該接合穴762の中央に位置する態様で形成されている。
ビアホール793a〜793dの列の左端に位置する第4ビアホール793dの左側には短絡防止穴群891〜895が形成されている。また、ビアホール793a〜793dの列の右端に位置する第1ビアホール793aの右側には短絡防止穴群921〜925が形成されている。先ず第4ビアホール793dの左側に形成されている短絡防止穴群891〜895について説明する。
図101に示すように、第4ビアホール793dの周りには、接合穴762と同一のサイズ及び形状を有する小型短絡防止穴891が形成されている。小型短絡防止穴891は、第4ビアホール793dが当該小型短絡防止穴891の中央に位置する態様で形成されている。小型短絡防止穴891の左方には、当該小型短絡防止穴891よりも大きな面積を有する大型短絡防止穴892が形成されており、小型短絡防止穴891と大型短絡防止穴892とは小型短絡防止穴891の直径よりも小さな通路幅を有する第1通路領域894で接続されている。
また、大型短絡防止穴892の右斜め上及び右斜め下には、小型短絡防止穴891よりも大きな面積を有するとともに大型短絡防止穴892よりも小さな面積を有する中型短絡防止穴893が形成されており、大型短絡防止穴892と中型短絡防止穴893とは第1通路領域894よりも広い通路幅を有する第2通路領域895で接続されている。
半田付け工程において、プリント配線板897が右方向に向けて搬送される場合には、1列コネクタ782の左端に位置する第4ピン784d(図89(a))が搬送方向の後端に位置することとなる。この場合、1列コネクタ782において、搬送方向の後端に位置する第4ピン784dが噴流821(図93(a))との接触状態から抜けるとき、小型短絡防止穴891、中型短絡防止穴893、及び大型短絡防止穴892には溶融半田が付着する。溶融半田は、面積の大きい穴の上に多く残るため、小型短絡防止穴891の上及び中型短絡防止穴893の上に残る溶融半田の量は、大型短絡防止穴892の上に残る溶融半田の量よりも少ない。
小型短絡防止穴891の上に残る溶融半田の塊は、大型短絡防止穴892の上に残る溶融半田の塊と第1通路領域894で接続されている。また、中型短絡防止穴893の上に残る溶融半田の塊は、大型短絡防止穴892の上に残る溶融半田の塊と第2通路領域895で接続されている。
溶融半田は表面張力を有しており、小さな溶融半田の塊と大きな溶融半田の塊とが接触する場合には、小さな溶融半田の塊から大きな溶融半田の塊に向かって溶融半田が移動する。このため、1列コネクタ782(図89(a))の第4ピン784dが噴流821との接触状態から抜けた後、第4ピン784dの周りに付着した溶融半田が冷却されて凝固するまでの間に、溶融半田は小型短絡防止穴891及び中型短絡防止穴893から大型短絡防止穴892に向かって移動する。
搬送方向の後端に位置するピンの周りに小面積の穴が形成されており、当該小面積の穴の下流に大面積の穴が形成されている構成において、動的な要因により、小面積の穴から大面積の穴に溶融半田が移動した後、大面積の穴において発生する余剰の溶融半田が小面積の穴に向かって逆流し、搬送方向の後端に位置するピンの周りで半田ブリッジ751(図95(c))が形成されることがある。
これに対して、図101に示すように、溶融半田が小型短絡防止穴891から大型短絡防止穴892に移動した後、大型短絡防止穴892において余剰の溶融半田が発生した場合、第2通路領域895の通路幅は第1通路領域894の通路幅よりも広く、2つの中型短絡防止穴893の面積は小型短絡防止穴891の面積よりも大きいため、余剰の溶融半田の逆流先は主に中型短絡防止穴893となる。これにより、小型短絡防止穴891に向かって大型短絡防止穴892から逆流する溶融半田の量を減らすことができる。そして、大型短絡防止穴892から溶融半田が逆流して1列コネクタ782の第4ピン784d周りに半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
次に、第1ビアホール793aの右側に形成されている短絡防止穴群921〜925について説明する。図101に示すように、第1ビアホール793aの周りには、接合穴762と同一のサイズ及び形状を有する小型短絡防止穴921が形成されている。小型短絡防止穴921は、第1ビアホール793aが当該小型短絡防止穴921の中央に位置する態様で形成されている。小型短絡防止穴921の右方には、当該小型短絡防止穴921よりも大きな面積を有する大型短絡防止穴922が形成されており、小型短絡防止穴921と大型短絡防止穴922とは小型短絡防止穴921の直径よりも小さな通路幅を有する第1通路領域924で接続されている。
また、大型短絡防止穴922の右斜め上及び右斜め下には、小型短絡防止穴921よりも大きな面積を有するとともに大型短絡防止穴922よりも小さな面積を有する中型短絡防止穴923が形成されており、大型短絡防止穴922と中型短絡防止穴923とは第1通路領域924よりも広い通路幅を有する第2通路領域925で接続されている。
半田付け工程において、プリント配線板897が左方向に向けて搬送される場合には、1列コネクタ782の右端に位置する第1ピン784a(図89(a))が搬送方向の後端に位置することとなる。
第1ビアホール793aの右方には短絡防止穴群921〜925が形成されているため、半田付け工程において、プリント配線板897が左方に向けて搬送される場合において、小型短絡防止穴921に向かって大型短絡防止穴922から逆流する溶融半田の量を減らすことができる。そして、大型短絡防止穴922から溶融半田が逆流して1列コネクタ782の第1ピン784a周りに半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、ピン784(図91)の周りに短絡防止穴群891〜895,921〜925を設ける基準には、上述した第19の実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、ピン784の周りに短絡防止穴761(図92(b))を設ける基準と同じ基準が適用されている。具体的には、本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、当該基板に1列コネクタが装着されている場合、ピン784の中心間の距離が1.5mm以下であるという条件を満たしている1列コネクタの両端のピン周りには短絡防止穴群891〜895,921〜925(図101)が設けられている。このため、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りで小型短絡防止穴891,921に向かって大型短絡防止穴892,922から逆流する溶融半田の量が減少する。これにより、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りで半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。一方、ピン784の中心間の距離が1.5mmよりも広い1列コネクタのピン784周りには接合穴762(図90)が設けられている。
本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、当該基板に2極コネクタが装着されている場合、ピン784の中心間の距離が2.5mm以下であるという条件を満たしている2極コネクタの2本のピン784周りには短絡防止穴群891〜895,921〜925(図101)が設けられている。このため、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りで小型短絡防止穴891,921に向かって大型短絡防止穴892,922から逆流する溶融半田の量が減少する。これにより、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りで半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。一方、ピン784の中心間の距離が2.5mmよりも広い2極コネクタのピン784周りには接合穴762(図90)が設けられている。
本実施形態のパチンコ機10が備えている基板において、当該基板に2列コネクタが装着されている場合であり、各列におけるピン784の中心間の距離が1.5mm以下であるという条件、又は各列の端に位置するピン784同士の中心間の距離が2.5mm以下であるという条件の少なくとも一方を満たしている場合には、2列コネクタの各列の両端に位置するピン784周りには短絡防止穴群891〜895,921〜925(図101)が設けられている。このため、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りで小型短絡防止穴891,921に向かって大型短絡防止穴892,922から逆流する溶融半田の量が減少する。これにより、搬送方向の後端に位置することとなるピン784の周りで半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。一方、各列におけるピン784の中心間の距離が1.5mmよりも広いとともに、各列の端に位置するピン784同士の中心間の距離が2.5mmよりも広い場合、ピン784周りには接合穴762(図90)が設けられている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第4ビアホール793d周りに形成されている小型短絡防止穴891と大型短絡防止穴892とが通路幅の狭い第1通路領域894で接続されているとともに、大型短絡防止穴892と中型短絡防止穴893とが通路幅の広い第2通路領域895で接続さている構成である。このため、小型短絡防止穴891に残る溶融半田が大型短絡防止穴892に移動しやすい。また、大型短絡防止穴892において発生し得る余剰の溶融半田が中型短絡防止穴893に優先的に移動するため、大型短絡防止穴892から小型短絡防止穴891への溶融半田の逆流の発生が抑制されている。このため、半田付け工程において、1列コネクタ782の第4ピン784dが搬送方向の後端に位置することとなる場合に、当該第4ピン784dの周りで半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
また、第1ビアホール793aの右方にも短絡防止穴群921〜925を設定する構成である。このため、半田付け工程において、1列コネクタ782の第1ピン784aが搬送方向の後端に位置することとなる場合に、大型短絡防止穴922から小型短絡防止穴921への溶融半田の逆流の発生を抑制して、第1ピン784aの周りで半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することができる。
<第21の実施形態の別形態>
・上述した第21の実施形態の短絡防止穴群891〜895は、第1通路領域894を除く小型短絡防止穴891、大型短絡防止穴892、中型短絡防止穴893、及び第2通路領域895から構成されていてもよい。具体的には、大型短絡防止穴892を小型短絡防止穴891と連続している穴ではなく小型短絡防止穴891と連続していない穴として設定する構成とする。この場合、半田付け工程において溶融半田が凝固するまでの間、大型短絡防止穴892に付着して余剰となった溶融半田は、物理的に接触していない小型短絡防止穴891よりも第2通路領域895を介して物理的に接触している中型短絡防止穴893に向かって移動しやすい。このため、初期に大型短絡防止穴892に付着した余剰の溶融半田が小型短絡防止穴891に逆流して第4ピン784d周りに半田ブリッジ751が形成される原因となることを抑制できる。
・上述した第21の実施形態の短絡防止穴群891〜895を構成する中型短絡防止穴893の数は2つに限定されない。例えば、短絡防止穴群891〜895を構成する中型短絡防止穴893の数は1つであってもよい。半田付け工程において溶融半田が凝固する前に大型短絡防止穴892の上で余剰となる溶融半田が小型短絡防止穴891に移動するのを防ぐ中型短絡防止穴893を1つ残しながら、プリント配線板741上で短絡防止穴群891〜895が占有する面積を抑えることにより、主制御基板61の高密度化に対応することができる。
<第22の実施形態>
本実施形態の遊技盤931には、第1作動口938に対応させて第1特図表示部932aが設けられているとともに、第2作動口939に対応させて第2特図表示部932bが設けられている。以下の説明では、上記第1の実施形態との相違点について説明し、上記第1の実施の形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず本実施形態の遊技盤931の構成について、図102を参照しながら説明する。図102は、本実施形態における遊技盤931の正面図である。遊技盤931の表面では、上記第1の実施形態と同様に、内レール部25及び外レール部26によって誘導レールが構成されており、遊技者が操作ハンドルを回動操作したことにより遊技球発射機構27(図2)から発射された遊技球B1(図53(a))は当該誘導レールによって遊技領域PAの上部に案内される。
誘導レールは、その出口部分が遊技領域PAの一方の側部において遊技領域PAの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による操作ハンドルの回動操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域PAの上部における遊技球B1の到達位置は、誘導レールの出口部分が形成された側部の側から当該出口部分が形成された側部に対して反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レールの出口部分は、遊技領域PAの左側の側部に設けられている。
遊技領域PAには、上記第1の実施形態と同様に、一般入賞口31、特電入賞装置32、可変表示ユニット36などが設けられている。ここで、本実施形態の遊技盤931は、第2作動口939が第1作動口938とは異なる場所に設けられている点、及び一対のスルーゲート935,936が設けられている点において上記第1の実施形態と相違している。これらの位置関係について、可変表示ユニット36の位置を基準として以下に説明する。
可変表示ユニット36は、その上下左右において遊技球B1の流下領域が確保されるように、遊技領域PAの中央側に配置されている。つまり、遊技領域PAには、遊技球B1の流下領域として、可変表示ユニット36の上側の流下領域941、可変表示ユニット36の下側の流下領域942、可変表示ユニット36の左側の流下領域943及び可変表示ユニット36の右側の流下領域944が設けられている。なお、可変表示ユニット36の一部を構成するセンターフレーム252は、その上部から左右両側に亘る部分を構成する屋根ユニット253がパチンコ機10前方に延出しているため、センターフレーム252の下部に設けられたステージに導入される遊技球B1を除いて、遊技領域PAを流下する遊技球B1が可変表示ユニット36を横断又は縦断することはない。
一対の作動938,939のうちの一方である第1作動口938は、第1作動口装置として、下側の流下領域942に設けられている。第1作動口938は、上記第1の実施形態における第1作動口33(図3)に相当する。ここで、上記各流下領域941〜944には、遊技球B1の流下方向を当該遊技球B1との衝突によって分散させるための分散部材が設けられているとともに、遊技球B1の流下方向を当該遊技球B1との衝突によって所定の方向に誘導するための誘導部材が設けられている。分散部材には釘24bが含まれ、誘導部材には上記屋根ユニット253が含まれるとともに遊技領域PAの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材945が含まれる。そして、上記分散部材及び上記誘導部材は、遊技球発射機構27から発射された遊技球B1が遊技領域PAの上部におけるいずれの位置に到達したとしても第1作動口938に向けて流下することが可能なように設けられている。
つまり、遊技球発射機構27から発射され遊技領域PAの上部において誘導レールの出口部分側すなわち遊技領域PAの左側にて流下し始めた遊技球B1は、上側の流下領域941→左側の流下領域943→下側の流下領域942という左側経路(第1経路)で遊技領域PAを流下することとなる。この場合に、上記分散部材及び上記誘導部材は、左側経路で遊技領域PAを流下することとなる遊技球B1が、その流下態様によっては第1作動口938に到達することが可能なように設けられている。また、遊技球発射機構27から発射され遊技領域PAの上部において誘導レールの出口部分と反対側すなわち遊技領域PAの右側にて流下し始めた遊技球B1は、上側の流下領域941→右側の流下領域944→下側の流下領域942という右側経路(第2経路)で遊技領域PAを流下することとなる。この場合に、上記分散部材及び上記誘導部材は、右側経路で遊技領域PAを流下することとなる遊技球B1が、その流下態様によっては第1作動口938に到達することが可能なように設けられている。
一対の作動938,939のうちの他方である第2作動口939は、第2作動口装置として、右側の流下領域944に設けられている。第2作動口939は、上記第1の実施形態における第2作動口34(図3)に相当する。つまり、第2作動口939に対しては、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物939aが設けられている。当該電動役物939aは、上記第1の実施形態における普電役物34aと同様に閉鎖状態と開放状態との間で動作する。かかる動作の契機や動作内容については、上記第1の実施形態における普電役物34aと同様であるため説明を省略する。この場合、第2作動口939の上方には釘24bが設けられており、電動役物939aが閉鎖状態である場合には上記釘24bによって第2作動口939への入賞(遊技球B1の入球)が不可となっている。なお、入賞が不可となるのではなく、入賞が難しくなる構成としてもよい。
ここで、既に説明したとおり、第2作動口939は右側の流下領域944に設けられているため、遊技球発射機構27から発射され遊技領域PAの上部において誘導レールの出口部分と反対側すなわち遊技領域PAの右側にて流下し始めた遊技球B1(図53(a))は第2作動口939に向けて流下することが可能であるが、遊技球発射機構27から発射され遊技領域PAの上部において誘導レールの出口部分側すなわち遊技領域PAの左側にて流下し始めた遊技球B1は第2作動口939に向けて流下することが不可となる。
上記のように第1作動口938への入賞は、第1経路側に遊技球B1が流れた場合及び第2経路側に遊技球B1が流れた場合のいずれであっても発生し得るのに対して、第2作動口939への入賞は、第2経路側に遊技球B1が流れた場合にのみ発生し得る。これにより、遊技者にとっては、操作ハンドルの回動操作量を調整することによって、第2作動口939への入賞が発生しないようにしながら第1作動口938への入賞を狙って遊技を行うことができるとともに、第2作動口939への入賞を狙って遊技を行うことができる。
一対のスルーゲート935,936は、一方の第1スルーゲート935が左側の流下領域943に設けられているとともに、他方の第2スルーゲート936が右側の流下領域944に設けられている。この場合、右側の流下領域944に設けられた第2スルーゲート936は、第2作動口939よりも上流側に設けられているが、これに限定されることはなく、第2作動口939よりも下流側に設けてもよい。
スルーゲート935,936への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球B1が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、電動役物939aが所定の態様で開放状態となる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球B1がスルーゲート935,936に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
本実施形態におけるパチンコ機10には、第2作動口939の電動役物939aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、上記第1の実施形態において既に説明した高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。低頻度サポートモードでは、第2作動口939よりも第1作動口938への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口938よりも第2作動口939への入賞が発生する確率が高くなる。
第1作動口938又は第2作動口939への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該当たり抽選の抽選結果は特図ユニット932及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット932には、第1特図表示部932aと、第2特図表示部932bとが設けられている。第1特図表示部932aの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭く、同様に、第2特図表示部932bの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭い。さらに、第1特図表示部932aと第2特図表示部932bとを合わせた表示領域の面積も、表示面41aよりも狭い。
第1特図表示部932aでは、第1作動口938への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部932bでは、第2作動口939への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
特図ユニット932において、第1特図表示部932a及び第2特図表示部932bに隣接した位置には、第1特図保留表示部932c及び第2特図保留表示部932dが設けられている。遊技球B1が第1作動口938に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留表示部932cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球B1が第2作動口939に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留表示部932dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41では、第1作動口938への入賞に基づき第1特図表示部932aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、第2作動口939への入賞に基づき第2特図表示部932bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。
第1作動口938への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2作動口939への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合にも、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
遊技盤931の背面には、第1作動口938及び第2作動口939のそれぞれに対応させて、入球した遊技球B1を排出球回収部(図示略)に案内する排出通路部(図示略)が形成されている。図102に示すように、第1作動口938に入球した遊技球B1が通過する排出通路部には、当該排出通路部を通過する遊技球B1を検知するための第1作動口検知センサ951が設けられているとともに、第2作動口939に入球した遊技球B1が通過する排出通路部には、当該排出通路部を通過する遊技球B1を検知するための第2作動口検知センサ952が設けられている。
図103(a)は、第1作動口検知センサ951及び第2作動口検知センサ952と主制御基板61との接続態様を説明するための説明図である。図103(a)に示すように、第1作動口検知センサ951は第1ハーネス951aを介して主制御基板61に接続されているとともに、第2作動口検知センサ952は第1ハーネス951aとは異なる第2ハーネス952aを介して主制御基板61に接続されている。第1ハーネス951aは黄色の蛍光色を有する蛍光ハーネスであるとともに、第2ハーネス952aは緑色の蛍光色を有する蛍光ハーネスである。第1ハーネス951a及び第2ハーネス952aは目視による識別が可能な蛍光色を有している。ここで、第1ハーネス951aに使用されている蛍光色の黄色、及び第2ハーネス952aに使用されている蛍光色の緑色は、パチンコ機10において他に使用されているハーネスには使用されていない色である。このため、第1ハーネス951a及び第2ハーネス952aは目視により他のハーネスと識別することが可能である。
図103(a)に示すように、第1ハーネス951aは2本の信号線958の束であり、その一端は第1作動口検知センサ951に接続されているとともに、その他端にはオス型の2極コネクタ953を備えている。また、第2ハーネス952aは2本の信号線958の束であり、その一端は第2作動口検知センサ952に接続されているとともに、その他端にはオス型の2極コネクタ954を備えている。信号線958は絶縁体によって被覆されている。
主制御基板61は、第1作動口検知センサ951を当該主制御基板61に接続するためのメス型の2極コネクタである第1作動口用コネクタ955、及び第2作動口検知センサ952を当該主制御基板61に接続するためのメス型の2極コネクタである第2作動口用コネクタ956を備えている。第1ハーネス951aの2極コネクタ953が主制御基板61の第1作動口用コネクタ955と接続されることにより第1作動口検知センサ951が主制御基板61と接続されているとともに、第2ハーネス952aの2極コネクタ954が主制御基板61の第2作動口用コネクタ956と接続されることにより第2作動口検知センサ952が主制御基板61と接続されている。
第1作動口用コネクタ955は第1ハーネス951aと同様に黄色の蛍光色を有しているとともに、第2作動口用コネクタ956は第2ハーネス952aと同様に緑色の蛍光色を有している。このため、第1作動口検知センサ951及び第2作動口検知センサ952を主制御基板61に接続する際、黄色の第1ハーネス951aを黄色の第1作動口用コネクタ955に接続するとともに、緑色の第2ハーネス952aを緑色の第2作動口用コネクタ956に接続することとなる。これにより、第1ハーネス951a及び第2ハーネス952aの接続先が入れ替わるミスの発生が抑制されている。ここで、第1作動口用コネクタ955に使用されている蛍光色の黄色、及び第2作動口用コネクタ956に使用されている蛍光色の緑色は、パチンコ機10において他に使用されているコネクタには使用されていない色である。このため、第1作動口用コネクタ955及び第2作動口用コネクタ956は目視により他のコネクタと識別することが可能であり、接続ミスの発生が抑制されている。
第1作動口検知センサ951から延びる2本の信号線958及び第2作動口検知センサ952から延びる2本の信号線958を1束にまとめ、その一端に4つのピン784(図91)を有する1列コネクタを設ける構成も考えられる。しかし、当該構成を採用した場合、主制御基板61に不正な信号を送信する不正基板を一箇所に接続するだけで、第1作動口検知センサ951及び第2作動口検知センサ952から出力されて主制御基板61に入力される信号を不正に操作することが可能となってしまう。これに対して、本実施形態では、不正基板を使用するために接続が必要なコネクタの数を2つに増やすことにより、不正を実行しにくい構成としている。
また、第1作動口検知センサ951及び第2作動口検知センサ952から延びる信号線958を1束にする構成とした場合には、信号線958の束に遮られて不正基板を発見できない可能性がある。これに対して、本実施形態では、各作動口検知センサ951,952の単位で信号線958を小分けにして束にすることにより、信号線958の束の間から不正基板を発見し易い構成としている。
主制御基板61は、プリント配線板957に多数の電子部品が装着されて構成されている電子回路実装基板である。第1作動口用コネクタ955及び第2作動口用コネクタ956が主制御基板61のプリント配線板957に装着されている態様について、図103(b)を参照しながら説明する。
図103(b)は第1作動口用コネクタ955が装着されている第1作動口用領域961及び第2作動口用コネクタ956が装着されている第2作動口用領域962を拡大して示すプリント配線板957の裏面図である。ここで、図103(b)では、第1作動口用コネクタ955及び第2作動口用コネクタ956のプリント配線板957への装着態様について説明するために、第1作動口用コネクタ955及び第2作動口用コネクタ956をプリント配線板957に固定している半田を除いた状態を示す。また、図103(b)では、図103(a)における主制御基板61の上下が反転した状態を示す。このため、図103(a)における主制御基板61と図103(b)における主制御基板61との間で左右反転は起こらない。図103(a)における主制御基板61の左側は図103(b)における主制御基板61の左側であるとともに、図103(a)における主制御基板61の右側は図103(b)における主制御基板61の右側である。
図103(b)に示すように、第2作動口用領域962は、第1作動口用領域961の右側に設けられている。第1ハーネス951a(図103(a))の2極コネクタ953(図103(a))は、第1作動口用領域961において右側に第1ピン784qを備えているとともに左側に第2ピン784rを備えている。また、第2ハーネス952a(図103(a))の2極コネクタ954(図103(a))は、第2作動口用領域962において右側に第1ピン784sを備えているとともに左側に第2ピン784tを備えている。
図103(b)に示すように、プリント配線板957は、第1作動口用領域961に、第1ハーネス951a(図103(a))の第1ピン784qが挿通されている第1ビアホール793qを備えているとともに、第2ピン784rが挿通されている第2ビアホール793rを備えている。また、プリント配線板957は、第2作動口用領域962に、第2ハーネス952a(図103(a))の第1ピン784sが挿通されている第1ビアホール793sを備えているとともに、第2ピン784tが挿通されている第2ビアホール793tを備えている。ここで、本実施形態のビアホール793q〜793tは、上記第19の実施形態において既に説明したビアホール793(図90(a))と同一の貫通孔であり、プリント配線板957を上下方向に貫通している。
図103(b)に示すように、第2作動口用領域962において、第1ビアホール793sと第2ビアホール793tとは左右方向に並んでおり、第2ビアホール793tは第1ビアホール793sの左側に設けられている。第1ビアホール793sの中心から第2ビアホール793tの中心までの距離は2.5mmである。
図103(b)に示すように、第1ビアホール793sの周りには、当該第1ビアホール793sをプリント配線板957上の電子部品と接続するために、上記第19の実施形態の図92(b)において既に説明した配線パターン776が形成されているとともに、第2ビアホール793tの周りには、当該第2ビアホール793tを接地するために、上記第19の実施形態の図92(b)において既に説明したGNDベタ851が形成されている。配線パターン776及びGNDベタ851の上には、上記第19の実施形態の図92(a),(b)において既に説明したソルダーレジスト792が形成されている。このため、半田付け工程において配線パターン776及びGNDベタ851に溶融半田は付着しない。
図103(b)に示すように、第2作動口用領域962において、第1ビアホール793s及び第2ビアホール793tの周りには、上記第19の実施形態の図92(b)において既に説明した短絡防止穴761が設けられている。第2ビアホール793tの周りの短絡防止穴761は、上記第19の実施形態の図92(a),(b)において既に説明した接続部763によってGNDベタ851に接続されている。
プリント配線板957には、第1作動口用コネクタ955及び第2作動口用コネクタ956以外に、上記第19の実施形態の図88(a)にて既に説明した端子775を有する電子部品が装着されている。図103(b)に示すように、プリント配線板957において、第1作動口用領域961及び第2作動口用領域962の下方には、電子部品の端子775が挿通されているビアホール793が設けられている。ビアホール793は、上記第19の実施形態の図90(a)にて既に説明した貫通孔であり、ビアホール793q〜793tと同一の貫通孔である。
図103(b)に示すように端子775周りのビアホール793から、第1作動口用コネクタ955のピン784q,784r及び第2作動口用コネクタ956のピン784s,784tまでの距離は、上記第19の実施形態において説明した短絡防止穴761を設けるための基準値よりも長い。プリント配線板957において、電子部品の端子775が挿通されているビアホール793の周りには、上記第19の実施形態の図92(b)において既に説明した接合穴762が設けられている。
プリント配線板957において、第1作動口用領域961の第1ビアホール793q又は第2ビアホール793rから最短距離に存在する端子775であっても、当該端子775から第1ビアホール793q又は第2ビアホール793rまでの距離は、短絡防止穴761を設けるための基準値よりも長くなるように設定されている。また、第2作動口用領域962の第1ビアホール793s又は第2ビアホール793tから最短距離に存在する端子775であっても、当該端子775から第1ビアホール793s又は第2ビアホール793tまでの距離は、短絡防止穴761を設けるための基準値よりも長くなるように設定されている。このため、第1作動口用コネクタ955のピン784q,784r及び第2作動口用コネクタ956のピン784s,784tと、近くに存在する他の電子部品の端子775と、の間に半田ブリッジ751が形成されることが抑制されている。
既に説明したとおり、遊技盤931において、第2作動口939は可変表示ユニット36の右側の流下領域944に設けられている。遊技者は操作ハンドルの回動量を調整することにより、第2作動口939への入賞を狙うことができる。また、本実施形態において、大当たり当選となった場合に選択され得る大当たり結果の種類は、第1作動口938への入賞が発生して当たり抽選が行われる場合よりも、第2作動口939への入賞が発生して当たり抽選が行われる場合の方が遊技者にとって有利となるように設定されている。当該当たり抽選の詳細については後述する。そして、後述する各遊技回の当たり抽選においては、第2作動口939への入賞に基づいて取得された保留情報が第1作動口938への入賞に基づいて取得された保留情報よりも優先されるように設定されている。このため、遊技者は第1作動口938を狙う場合よりも大きな期待を持ちながら第2作動口939を狙うこととなる。
図102に示すように、遊技領域PAにおいて、可変表示ユニット36の右側の流下領域944に設けられている第2作動口検知センサ952は、遊技者が右側の流下領域944を狙って操作ハンドルの回動量を調整した場合に初めて遊技球B1(図53(a))を検知することになる。このため、遊技者が可変表示ユニット36の左側の流下領域943を狙って操作ハンドルの回動量を調整している間は、第2作動口用領域962において半田ブリッジ751(図95(c))が形成されていても、短絡していることが分からない可能性がある。この場合、遊技者が期待を高めて可変表示ユニット36の右側の流下領域944を狙い、第2作動口939に入賞した場合に初めて主制御基板61の不具合が判明する。遊技者が強い期待を持っている状態で遊技が中断されることになり、遊技者に大きな失望を与えてしまう。
これに対して、本実施形態では、図103(b)に示すように、プリント配線板957の第2作動口用領域962において、第1ビアホール793s及び第2ビアホール793tの周りに、上記第19の実施形態の図92(b)において既に説明した短絡防止穴761が設けられている。当該短絡防止穴761の面積は上述した端子775周りの接合穴762の面積よりも広く設定されており、プリント配線板957の半田付け工程において第1ビアホール793sに挿通されている第1ピン784sと第2ビアホール793tに挿通されている第2ピン784tとの間に半田ブリッジ751が形成されて短絡する可能性が低減されている。
図103(b)に示すように、短絡防止穴761は、左右方向の幅が上下方向の幅よりも広い楕円の形状を有している。短絡防止穴761を左右方向に延在させることにより、上下方向の幅が広がり当該短絡防止穴761が第2作動口用コネクタ956以外の電子部品が有する端子775(図88(a))と接近することを抑制しつつ、第2作動口用コネクタ956の第1ピン784sと第2ピン784tとの間に半田ブリッジ751が形成される可能性を低減するための面積拡大が図られている。
図103(b)に示すように、第1ビアホール793sの周りの短絡防止穴761は、第1ビアホール793sを基準として、当該短絡防止穴761の中央が、第1ビアホール793sに隣接する第2ビアホール793tとは反対側に存在するように設けられているとともに、第2ビアホール793tの周りの短絡防止穴761は、第2ビアホール793tを基準として、当該短絡防止穴761の中央が、第2ビアホール793tに隣接する第1ビアホール793sとは反対側に存在するように設けられている。2つの短絡防止穴761が第1ビアホール793s周りの短絡防止穴761の左端から第2ビアホール793t周りの短絡防止穴761の右端までの距離を広く保つ態様で設けられているため、短絡防止穴761の上に溜まる溶融半田の重心が隣接するビアホール793s,793tとは反対の方向に位置する態様とすることができる。
これにより、第1ビアホール793sが搬送方向の後端に位置することとなった場合に第1ビアホール793s周辺の溶融半田が隣接する第2ビアホール793tの方向に移動しにくい環境とすることができるとともに、第2ビアホール793tが搬送方向の後端に位置することとなった場合に第2ビアホール793t周辺の溶融半田が隣接する第1ビアホール793sの方向に移動しにくい環境とすることができ、半田ブリッジ751の発生が抑制されている。
また、図103(b)に示すように、第1作動口用領域961において、第1ビアホール793qと第2ビアホール793rとは左右方向に並んでおり、第2ビアホール793rは第1ビアホール793qの左側に設けられている。第1ビアホール793qの中心から第2ビアホール793rの中心までの距離は2.5mmである。
図103(b)に示すように、第1ビアホール793qの周りには、上述した第2作動口用領域962の第1ビアホール793sの周りと同様に、配線パターン776が形成されているとともに、第2ビアホール793rの周りには、上述した第2作動口用領域962の第2ビアホール793rと同様に、GNDベタ851が形成されている。配線パターン776及びGNDベタ851の上には、上述した第2作動口用領域962と同様に、ソルダーレジスト792が形成されている。このため、半田付け工程において配線パターン776及びGNDベタ851に溶融半田は付着しない。
図103(b)に示すように、第1作動口用領域961において、第1ビアホール793q及び第2ビアホール793rの周りには、上述した第2作動口用領域962と同様に、短絡防止穴761が設けられている。第2ビアホール793rの周りの短絡防止穴761は、上述した第2作動口用領域962の第2ビアホール793tの周りと同様に、接続部763によってGNDベタ851に接続されている。
図103(b)に示すように、当該短絡防止穴761の面積は上述した端子775周りの接合穴762の面積よりも広く設定されており、プリント配線板957の半田付け工程において第1ビアホール793qに挿通されている第1ピン784qと第2ビアホール793rに挿通されている第2ピン784rとの間に半田ブリッジ751が形成されて短絡する可能性が低減されている。
図103(b)に示すように、短絡防止穴761は、左右方向の幅が上下方向の幅よりも広い楕円の形状を有している。短絡防止穴761を左右方向に延在させることにより、上下方向の幅が広がり当該短絡防止穴761が第1作動口用コネクタ955以外の電子部品が有する端子775(図88(a))と接近することを抑制しつつ、第1作動口用コネクタ955の第1ピン784qと第2ピン784rとの間に半田ブリッジ751が形成される可能性を低減するための面積拡大が図られている。
図103(b)に示すように、第1ビアホール793qの周りの短絡防止穴761は、第1ビアホール793qを基準として、当該短絡防止穴761の中央が、第1ビアホール793qに隣接する第2ビアホール793rとは反対側に存在するように設けられているとともに、第2ビアホール793rの周りの短絡防止穴761は、第2ビアホール793rを基準として、当該短絡防止穴761の中央が、第2ビアホール793rに隣接する第1ビアホール793qとは反対側に存在するように設けられている。2つの短絡防止穴761が第1ビアホール793q周りの短絡防止穴761の左端から第2ビアホール793r周りの短絡防止穴761の右端までの距離を広く保つ態様で設けられているため、短絡防止穴761の上に溜まる溶融半田の重心が隣接するビアホール793q,793rとは反対の方向に位置する態様とすることができる。
これにより、第1ビアホール793qが搬送方向の後端に位置することとなった場合に第1ビアホール793q周辺の溶融半田が隣接する第2ビアホール793rの方向に移動しにくい環境とすることができるとともに、第2ビアホール793rが搬送方向の後端に位置することとなった場合に第2ビアホール793r周辺の溶融半田が隣接する第1ビアホール793qの方向に移動しにくい環境とすることができ、半田ブリッジ751の発生が抑制されている。
<主側CPU63にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側CPU63(図5)において、当たり抽選を実行するための電気的な構成について説明する。当該当たり抽選には、第1作動口938(図102)又は第2作動口939(図102)への入賞が発生したことに基づいて取得される保留情報が利用される。
主側CPU63は、上記第1の実施形態の図6において既に説明した抽選用カウンタエリア65bに、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS、普電役物開放カウンタC4を備えている。また、主側CPU63は、普電保留エリア65cを備えているとともに、保留格納エリア65aに、実行エリアAEに加えて、第1作動口938に対応する保留用エリアREとして第1特図保留エリア(図示略)を備えているとともに、第2作動口939に対応する保留用エリアREとして第2特図保留エリア(図示略)を備えている。本実施形態では、以下において保留格納エリア65a(図6)における実行エリアAE(図6)を特図用の実行エリアAEと記載する。
第1特図保留エリアは図示しない第1特図用第1エリア、第1特図用第2エリア、第1特図用第3エリア及び第1特図用第4エリアを備えており、第1作動口938への入賞が発生した場合に、第1作動口938への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリアに格納される。
この場合、第1特図用第1エリア〜第1特図用第4エリアには、第1作動口938への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1特図用第1エリア→第1特図用第2エリア→第1特図用第3エリア→第1特図用第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口938への遊技球B1(図53(a))の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第1特図保留エリアにおいて保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2特図保留エリアは図示しない第2特図用第1エリア、第2特図用第2エリア、第2特図用第3エリア及び第2特図用第4エリアを備えており、第2作動口939への入賞が発生した場合に、第2作動口939への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリアに格納される。
この場合、第2特図用第1エリア〜第2特図用第4エリアには、第2作動口939への入賞が複数回連続して発生した場合に、第2特図用第1エリア→第2特図用第2エリア→第2特図用第3エリア→第2特図用第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアが設けられていることにより、第2作動口939への遊技球B1の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第2特図保留エリアにおいて保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
特図用の実行エリアAEは、いずれかの特図表示部932a,932bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部932aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリアの第1特図用第1エリアに格納された保留情報が特図用の実行エリアAEに移動される。一方、第2特図表示部932bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリアの第2特図用第1エリアに格納された保留情報が特図用の実行エリアAEに移動される。
次に、第1特図保留エリア又は第2特図保留エリアに格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して行われる当否判定について説明する。
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM64(図5)に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、小当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。小当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となる一方、当否抽選モード及びサポートモードの両方について移行契機とならない当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
本実施形態において、主側ROM64(図5)に記憶されている当否テーブルとしては、第1作動口938への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブルと、第2作動口939への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブルと、が設定されている。さらに、第1特図用の当否テーブルには、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在しており、同様に、第2特図用の当否テーブルにも、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在している。つまり、本実施形態のパチンコ機10は、第1作動口938への入賞に基づき取得された保留情報と、第2作動口939への入賞に基づき取得された保留情報とで、異なる当否テーブルが参照されるとともに、いずれの場合であっても、当否抽選における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが存在している。
各当否テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の低確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値は2個(例えば「5」、「305」)であり、小当たり結果となる乱数の値は3個(例えば「55」、「355」、「555」)である。そして、それ以外が、外れ結果となる乱数の値である。
第1特図用の高確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には20個である(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。一方、小当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。
第2特図用の低確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。一方、小当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には40個である(例えば「3」、「8」、「31」、「37」、「55」、「68」、「127」、「133」、「160」、「166」、「189」、「195」、「217」、「223」、「242」、「248」、「273」、「279」、「302」、「308」、「331」、「337」、「355」、「368」、「389」、「395」、「417」、「423」、「467」、「473」、「492」、「498」、「517」、「523」、「555」、「561」、「572」、「578」、「596」「598」)。なお、小当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である構成としてもよく、第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも少なく設定されている構成としてもよい。
第2特図用の高確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の高確当否テーブルの場合と同一である。しがって、当該大当たり結果となる乱数の値の数は、第2特図用の低確当否テーブルの場合よりも多い数となる。一方、小当たり結果となる乱数の値は第2特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
次に、第1特図保留エリア又は第2特図保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して行われる振分判定について説明する。
本実施形態におけるパチンコ機10には、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置32(図102)への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように、上記第1の実施形態において既に説明した高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。
高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるように設定されている。
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、主側ROM64(図5)に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルには、大当たり結果の種類として、上記第1の実施形態において既に説明した低確大当たり結果及び最有利大当たり結果に加えて、非明示高確大当たり結果及び明示高確大当たり結果が設定されている。
非明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる大当たり結果である。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、サポートモードは開閉実行モード移行前のモードが高頻度サポートモードであれば高頻度サポートモードとなる一方、開閉実行モード移行前のモードが低頻度サポートモードであれば低頻度サポートモードとなる。このサポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
本実施形態の主側ROM64には、振分テーブルとして、第1作動口938への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、第2作動口939への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。
各振分テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の振分テーブルは、振分対象となる大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、非明示高確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果との全てが設定されている。当該第1特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示高確大当たり結果に対応しており、「20〜29」が最有利大当たり結果に対応している。当該第1特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、低確大当たり結果となる確率は1/3であり、非明示高確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果といった高確大当たり結果となる確率は2/3である。また、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなる確率は2/3であり、低頻度入賞モードとなる確率は1/3である。
一方、第2特図用の振分テーブルは、振分対象となる大当たり結果の種類として、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のみが設定されており、非明示高確大当たり結果及び明示高確大当たり結果が設定されていない。当該第2特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜29」が最有利大当たり結果に対応している。当該第2特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、低確大当たり結果となる確率は1/3であり、最有利大当たり結果となる確率は2/3である。また、開閉実行モードは、常に高頻度入賞モードとなる。
つまり、第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとでは、大当たり当選となった場合において開閉実行モード後に高確率モードとなる確率が同一である。その一方、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなる確率は第2特図用の振分テーブルの方が第1特図用の振分テーブルよりも高い。より詳細には、第1特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得るのに対して、第2特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得ない。したがって、大当たり当選となった場合に選択され得る大当たり結果の種類としては、第1作動口938への入賞が発生して当たり抽選が行われる場合よりも、第2作動口939への入賞が発生して当たり抽選が行われる場合の方が遊技者にとって有利である。
<特図特電制御処理>
次に、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うために実行される本実施形態の特図特電制御処理において、上記第1の実施形態の特図特電制御処理(第1の実施形態のタイマ割込み処理(図8)におけるステップS213の処理)とは相違する点について説明する。
先ず本実施形態の特図特電制御処理における特図側の保留情報の取得処理について説明する。当該取得処理では、第1作動口938への遊技球B1(図53(a))の入賞が発生している場合に、第1特図保留エリアに記憶されている保留情報の数を読み出し、その保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満である場合に、当たり乱数カウンタC1(図6)、大当たり種別カウンタC2(図6)及びリーチ乱数カウンタC3(図6)の各値を、第1特図保留エリアのうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。また、当該取得処理では、第2作動口939への遊技球B1の入賞が発生している場合に、第2特図保留エリアに記憶されている保留情報の数を読み出し、その保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満である場合に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリアのうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。
当該取得処理では、第1特図保留エリアについての保留情報又は第2特図保留エリアについての保留情報を取得した場合には、保留コマンドを音声発光制御装置81(図5)に送信する。音声発光制御装置81では、受信した保留コマンドに対応したコマンドを表示制御装置82(図5)に送信する。表示制御装置82では、保留コマンドを受信することで、図柄表示装置41(図102)における保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。この場合、当該保留コマンドには、第1特図保留エリア及び第2特図保留エリアのうちいずれの保留情報が増加したのかを示す情報が含まれているため、図柄表示装置41では、増加した側に対応した保留個数の表示が変更される。
また、上記のように保留情報の数が増加した場合には、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS215の表示制御処理にて、第1特図保留表示部932c(図102)及び第2特図保留表示部932d(図102)のうち保留個数の増加に対応した側に対して、保留個数の増加に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
本実施形態の特図特電制御処理には、上述した特図側の保留情報の取得処理の他に、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理と、が含まれている。遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理と、が設定されている。
また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理と、特電入賞装置32(図102)の開放中の状態を制御するための処理と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理と、が設定されている。
主側RAM65(図5)は、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側CPU63(図5)にて把握するためのカウンタとして特図特電カウンタを備えている。また、主側ROM64(図5)は、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている特図特電アドレステーブルを備えている。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理が実行される。
次に、本実施形態の特図特電制御処理にて実行される特図変動開始処理について説明する。特図変動開始処理は、当否判定処理、振分判定処理、及びリーチ判定処理を含んでいる。当否判定処理は、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に実行される。
先ず第1特図保留エリア及び第2特図保留エリアの保留情報の合計個数である共通保留数が1以上であるか否かを判定する。共通保留数が1未満である場合には、第1特図保留エリア及び第2特図保留エリアに保留情報が記憶されていないことを意味するため、当否判定処理及び振分判定処理は実行されない。一方、共通保留数が1以上である場合には、データ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず第2特図保留エリアの保留個数が「0」であるか否かを判定する。第2特図保留エリアの保留個数が「0」である場合には第1特図用のデータ設定処理を実行し、第2特図保留エリアの保留個数が「0」ではない場合には第2特図用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数が1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2特図保留エリアの保留個数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2特図表示部932bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留エリアの保留個数が1以上であるか否かに関係なく、第2特図保留エリアに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1特図保留エリア及び第2特図保留エリアの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口939に対応した第2特図保留エリアに記憶されている保留情報が遊技回の開始対象として優先されることとなる。
第1特図用のデータ設定処理では、先ず第1特図保留エリアの第1特図用第1エリアに格納されたデータを特図用の実行エリアAE(図6)に移動する。その後、第1特図保留エリアの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特図用第1エリア〜第1特図用第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。
その後、主側RAM65(図5)に設けられた第2特図フラグを「0」クリアする。第2特図フラグは、今回の変動表示の開始が第1特図表示部932a又は第2特図表示部932bのいずれであるかを特定するためのフラグである。そして、第1特図保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置81(図5)に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力して、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置81では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置82(図5)に送信することで、図柄表示装置41における第1特図保留エリアに対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。
また、上記のように第1特図保留エリアにおける保留情報の数が減少した場合には、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS215の表示制御処理にて、第1特図保留表示部932cに対して、保留個数の減少に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
第2特図用のデータ設定処理では、先ず第2特図保留エリアの第2特図用第1エリアに格納されたデータを特図用の実行エリアAE(図6)に移動する。その後、第2特図保留エリアの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特図用第1エリア〜第2特図用第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。
その後、主側RAM65に設けられた第2特図フラグに「1」をセットする。そして、第2特図保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置81に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力して、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置81では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置82に送信することで、図柄表示装置41における第2特図保留エリアに対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。
また、上記のように第2特図保留エリアにおける保留情報の数が減少した場合には、タイマ割込み処理(図8)におけるステップS215の表示制御処理にて、第2特図保留表示部932dに対して、保留個数の減少に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
データ設定処理の実行後は、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、主側RAM65の第2特図フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が第1特図保留エリア及び第2特図保留エリアのいずれの保留情報に対応したものであるかを判定する。また、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。そして、これら判定結果に対応した当否テーブルを、第1特図用の低確当否テーブル、第1特図用の高確当否テーブル、第2特図用の低確当否テーブル、及び第2特図用の高確当否テーブルの中から選択する。当該当否テーブルの選択を行った後は、特図用の実行エリアAE(図6)に格納された保留情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、上記選択した当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。また、大当たり結果として設定されている数値情報と一致していない場合には、上記選択した当否テーブルにおいて小当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
当否判定処理の結果が大当たり結果である場合には、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、主側RAM65の第2特図フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が第1特図保留エリア及び第2特図保留エリアのいずれの保留情報に対応したものであるかを判定する。そして、当該判定結果に対応した振分テーブルを、第1特図用の振分テーブル、及び第2特図用の振分テーブルの中から選択する。当該振分テーブルの選択を行った後は、特図用の実行エリアAE(図6)に格納された保留情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、上記選択した振分テーブルにおいていずれの種類の大当たり結果に対応しているのかを把握する。具体的には、第1特図用の振分テーブルが選択された場合には、低確大当たり結果、非明示高確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。また、第2特図用の振分テーブルが選択された場合には、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。
その後、今回特定した大当たり結果の種類に応じたフラグを主側RAM65(図5)にセットする処理を実行する。具体的には、低確大当たり結果であることを特定した場合には低確フラグに「1」をセットし、非明示高確大当たり結果であることを特定した場合には非明示フラグに「1」をセットし、明示高確大当たり結果であることを特定した場合には明示フラグに「1」をセットし、最有利大当たり結果であることを特定した場合には最有利フラグに「1」をセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、主側RAM65に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
その後、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部932a又は第2特図表示部932bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM64(図5)に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM65に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部932a又は第2特図表示部932bに停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報を主側RAM65に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
一方、大当たり結果ではないと判定した場合には、当否判定処理の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。小当たり結果である場合には、主側RAM65に設けられた小当たりフラグに「1」をセットする。そして、小当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部932a又は第2特図表示部932bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM64に予め記憶されている小当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM65に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
また、小当たり結果ではないと判定した場合には、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部932a又は第2特図表示部932bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM64に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM65に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
大当たり結果用の停止結果設定処理、小当たり結果用の停止結果設定処理、及び外れ結果用の停止結果設定処理のいずれかの処理を実行した後は、表示継続時間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の遊技回が最有利大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに特図用の実行エリアAE(図6)に格納されているリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM64に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、今回の遊技回が明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれかであるか否かを判定し、いずれかである場合にはその結果に対応した表示継続時間テーブルを主側ROM64から読み出し、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。この場合に、少なくとも第1特図保留エリアに保留記憶されている保留情報を契機とした遊技回では、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを識別不可又は識別しづらい態様で図柄表示装置41(図102)、表示発光部53(図1)、及びスピーカ部54(図1)にて演出が実行されるように、表示継続時間の選択が行われる。但し、非明示高確大当たり結果の場合と小当たり結果の場合とで参照される表示継続時間テーブルが異なっていることで、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードであることの期待度が高い演出の選択率が両者の場合で相違させることが可能となっており、具体的には当該期待度が高い演出は小当たり結果の場合よりも非明示高確大当たり結果の場合に発生し易くなっている。一方、リーチ表示が非発生であり、さらに明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合には、外れ用表示継続時間テーブルを主側ROM64から読み出し、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。
なお、外れ用表示継続時間テーブルが参照される場合の表示継続時間情報は、第1特図保留エリアに記憶されている保留情報を契機とした遊技回であれば当該第1特図保留エリアに記憶されている保留情報の数が多くなるほど表示継続時間が短くなるように設定されており、第2特図保留エリアに記憶されている保留情報を契機とした遊技回であれば当該第2特図保留エリアに記憶されている保留情報の数が多くなるほど表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるように外れ用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留情報の数やサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。
その後、把握した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、主側CPU63のタイマ割込み処理(図8)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として第1特図表示部932a又は第2特図表示部932bにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を最終停止の前時間と換言することもできる。
表示継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットした後、変動用コマンド及び種別コマンドを出力する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおり外れ用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、音声発光制御装置81では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。出力された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置81にて受信される。
その後、第1特図表示部932a及び第2特図表示部932bのうち今回の遊技回の実行対象側の表示部において、絵柄の変動表示を開始させる。そして、特図特電カウンタに「1」を加算することにより、次回の特図特電制御処理において、遊技回用の演出を進行させるための処理が実行される状態とする。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技盤931は、遊技者が操作ハンドルの回動量を調整することにより第1作動口938への入賞と第2作動口939への入賞とを別々に狙うことが可能な構成を有している。また、各遊技回において、第2作動口939への入賞に基づいて取得された保留情報を用いて行われる当たり抽選の方が、第1作動口938への入賞に基づいて取得された保留情報を用いて行われる当たり抽選よりも遊技者に有利に設定されている。そして、各遊技回の当否抽選においては第2作動口939への入賞に基づいて取得された保留情報が第1作動口938への入賞に基づいて取得された保留情報よりも優先される構成である。つまり、第1作動口938への入賞を狙う場合よりも第2作動口939への入賞を狙う場合に、遊技者により良い結果を期待させる構成である。当該構成において、主制御基板61のプリント配線板957は、第2作動口検知センサ952から延びる第2ハーネス952aの2極コネクタ954が装着される第2作動口用コネクタ956を備えており、プリント配線板957において当該第2作動口用コネクタ956が有する2つのピン784s,784tの周りには短絡防止穴761が形成されている。このため、半田付け工程において、第2作動口用コネクタ956の2つのピン784s,784tの周りに付着する溶融半田が合流して半田ブリッジが形成される可能性が抑制されている。これにより、第2作動口検知センサ952の主制御基板61との接続において接続不良が発生し、第2作動口939への入賞が検知されない可能性が低減されている。遊技者が良い結果を期待して狙う第2作動口939において、入賞が検知されない事態が発生する可能性を低減することにより、遊技者に大きな失望を与える可能性を低減することができる。
第1作動口検知センサ951及び第2作動口検知センサ952から延びる信号線958を各作動口検知センサ951,952の単位で小分けにして束にし、主制御基板61と接続する構成である。このため、信号線958の束の間に隙間ができ、当該隙間から不正基板を発見することが可能となる。
第1作動口検知センサ951から延びる第1ハーネス951aと、第2作動口検知センサ952から延びる第2ハーネス952aと、を主制御基板61における別々の作動口用コネクタ955,956に接続する構成である。不正基板が使用される場合を想定して、不正基板を接続しなければならないコネクタの数を多く設定することにより、遊技ホールにおいて不正基板を使用しにくい構成とすることができる。
第1ハーネス951aと当該第1ハーネス951aが接続される第1作動口用コネクタ955とが有している蛍光色は、第2ハーネス952aと当該第2ハーネス952aが接続される第2作動口用コネクタ956とが有している蛍光色とは異なるものである。このため、第1作動口検知センサ951と第2作動口検知センサ952とを主制御基板61に接続する作業において、各ハーネス951a,952aの接続先を色で識別することができ、当該ハーネス951a,952aの接続先を誤るミスの発生を抑制することができる。
プリント配線板957は、第1作動口検知センサ951から延びる第1ハーネス951aの2極コネクタ953が装着される第1作動口用コネクタ955を備えており、プリント配線板957において当該第1作動口用コネクタ955の2つのピン784q,784rの周りには短絡防止穴761が形成されている。これにより、第1作動口検知センサ951の主制御基板61との接続において、半田ブリッジ751が形成されて短絡することを抑制することができる。
<第22の実施形態の別形態>
・上述した第22の実施形態において、第1作動口用コネクタ955が4つのピン784(図91)を備えている構成としてもよい。例えば、第1作動口検知センサ951から延びる2本の信号線958、及び主制御基板61に接続される他の電子部品から延びる2本の信号線が第1作動口用コネクタ955に接続される構成としてもよい。これにより、第1ハーネス951a及び第2ハーネス952aの接続ミスが抑制されるという効果、遊技ホールにおいて不正基板が使用しにくくなるという効果、及び第2作動口検知センサ952と主制御基板61との接続において半田ブリッジ751の形成が抑制されるという効果を維持しながら、第1作動口検知センサ951を含む電子部品の主制御基板61への接続作業を容易にすることができる。また、例えば、第1作動口検知センサ951が4本の信号線958を備えており、当該4本の信号線が4つのピン784を有する第1作動口用コネクタ955に接続される構成としてもよい。第1作動口検知センサ951が有する信号線958の数が2本に限定されない構成とすることにより、第1作動口検知センサ951として利用可能なセンサの種類を増やし、設計の自由度を高めることができる。
・上述した第22の実施形態において、第1ハーネス951aを構成する2本の信号線958のうち、一方だけが黄色の蛍光色を有しており、他方は蛍光色を有していない構成としてもよい。また、第2ハーネス952aを構成する2本の信号線958のうち、一方だけが緑色の蛍光色を有しており、他方は蛍光色を有していない構成としてもよい。第1ハーネス951aを目視することにより、第1作動口用コネクタ955が有する色との関係で第1ハーネス951aの接続先が分かるとともに、第2ハーネス952aを目視することにより、第2作動口用コネクタ956が有する色との関係で第2ハーネス952aの接続先が分かる構成であることにより、第1ハーネス951a及び第2ハーネス952aの接続ミスを抑制することができる。
・上述した第22の実施形態の第2作動口用領域962において、半田ブリッジ751の形成を防ぐための構成は短絡防止穴761に限られない。例えば、短絡防止穴761に代えて、上記第20の実施形態の図99(a)において既に説明した分離型短絡防止穴871を利用する構成としてもよい。当該構成について以下に説明する。
第2作動口用領域962(図103(b))の第1ビアホール793sの周りには、上記第20の実施形態において既に説明した接合穴762(図99(a))が形成されており、当該接合穴762の右側には、上記第20の実施形態において既に説明した分離型短絡防止穴874(図99(a))が設けられている。当該分離型短絡防止穴874は、第1ビアホール793s周りの接合穴762とは連続しておらず、縮幅部874b(図99(a))が第1ビアホール793sの方向を向く態様で形成されている。このため、プリント配線板957の半田付け工程において、第1ビアホール793sが搬送方向の後端に位置することとなった場合に、第1ビアホール793sに挿通されているピン784s(図103(b))の周りに付着する溶融半田が第2ビアホール793tの方向に移動して半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。
第2作動口用領域962(図103(b))の第2ビアホール793tの周りには、上記第20の実施形態において既に説明した接合穴762(図99(a))が形成されており、当該接合穴762の左側には、上記第20の実施形態において既に説明した分離型短絡防止穴871(図99(a))が設けられている。当該分離型短絡防止穴871は、第2ビアホール793t周りの接合穴762とは連続しておらず、縮幅部871b(図99(a))が第2ビアホール793tの方向を向く態様で形成されている。このため、プリント配線板957の半田付け工程において、第2ビアホール793tが搬送方向の後端に位置することとなった場合に、第2ビアホール793tに挿通されているピン784t(図103(b))の周りに付着する溶融半田が第1ビアホール793sの方向に移動して半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性が低減されている。
このように、第2作動口用領域962の2つのビアホール793s,793tの周りに分離型短絡防止穴871,874を設け、第2作動口検知センサ952と主制御基板61との接続において半田ブリッジ751が形成される可能性を低減することにより、第2作動口939への入賞が発生しても入賞が検知されず、大きな期待を持って第2作動口939を狙った遊技者を失望させる可能性を低減することができる。
また、第2作動口用領域962の2つのビアホール793s,793tと同様に、第1作動口用領域961(図103(b))の2つのビアホール793q,793r(図103(b))の周りに分離型短絡防止穴871,874(図99(a))を設けることにより、第1作動口検知センサ951(図103(b))と主制御基板61(図103(b))との接続において、半田ブリッジ751(図95(c))が形成される可能性を低減することができる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記各実施形態ではアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34の全てが履歴情報(又は入球履歴)の格納対象となる構成としたが、これに限定されることはなく、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のうちの一部のみが履歴情報の格納対象となっている構成としてもよい。例えば、一般入賞口31、特電入賞装置32及び第2作動口34のみが履歴情報の格納対象となっている構成としてもよく、一般入賞口31のみが履歴情報の格納対象となっている構成としていもよい。この場合であっても、履歴情報の格納対象となっている入球部について所定の期間における遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
(2)上記各実施形態では第1入賞口検知センサ42a、第2入賞口検知センサ43a及び第3入賞口検知センサ44aのそれぞれに対応させて、遊技球の入球結果に対応する情報を送信するための信号経路118a〜118cが設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、同一種類の入球部についての入球結果に対応する情報は、同一種類の入球部が複数存在しているとともにそれに合わせて入球検知センサが複数存在している構成であっても、1種類の情報として送信される構成としてもよい。これにより、主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類数を抑えることが可能となる。
(3)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a〜122oとの対応関係を示す対応関係情報が、主側CPU63から管理用IC66に送信される構成としたが、これに限定されることはなく、対応関係情報が管理用IC66において予め記憶されている構成としてもよい。この場合、対応関係情報を管理用IC66に認識させるための処理を実行する必要がなくなるため、主側CPU63の処理負荷を軽減することが可能となる。
(4)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a〜122oとの対応関係を示す対応関係情報の主側CPU63から管理用IC66への送信が、主側CPU63への動作電力の供給開始時に行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば主側CPU63と管理用IC66とを双方向通信可能とし、管理用IC66から対応関係情報の送信を要求する信号を受信した場合に主側CPU63から管理用IC66に対応関係情報が送信される構成としてもよい。この場合、対応関係用メモリ116を不揮発性メモリとして設けるとともに読み書き両用として利用する構成とし、パチンコ機10の出荷後において主側CPU63から管理用IC66に提供された対応関係情報は主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても対応関係用メモリ116に記憶保持される構成とする。これにより、対応関係情報が送信される頻度を少なくすることが可能となる。
(5)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a〜122oとの対応関係を示す対応関係情報の主側CPU63から管理用IC66への送信が、各入球検知センサ42a〜48aの検知結果の情報を送信するための信号経路118a〜118gを利用して行われる構成としたが、これに限定されることはなく、対応関係情報を主側CPU63から管理用IC66に送信するための専用の信号経路が設けられている構成としてもよい。これにより、管理用IC66は、いずれの種類の情報を主側CPU63から受信しているのかを、その情報を受信するバッファ122a〜122oの種類によって把握することが可能となる。
(6)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66には情報が送信される一方、管理用IC66から主側CPU63に情報が送信されない構成としたが、これに限定されることはなく、管理用IC66から主側CPU63に情報が送信される構成としてもよい。例えば、履歴情報に基づいて管理側CPU112にて算出された各種パラメータが主側CPU63に送信される構成としてもよい。この場合、主側CPU63はその受信した各種パラメータの内容に対応する報知が行われるようにするために上記第11の実施形態と同様に報知手段の報知制御を直接的に実行する構成としてもよく、主側CPU63がその受信した各種パラメータの内容に対応するコマンドを音声発光制御装置81に送信することで、表示発光部53、スピーカ部54及び図柄表示装置41を利用して各種パラメータの内容に対応する報知が実行されるようにする構成としてもよい。
(7)主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合に、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報に基づいて主側CPU63又は管理側CPU112にて各種パラメータが算出され、その算出した各種パラメータの内容が表示発光部53、スピーカ部54及び図柄表示装置41などを利用して報知される構成としてもよい。この場合、遊技ホールの営業開始時に直前の営業日における遊技領域PAの遊技球の入球態様が正常であったか否かを確認することが可能となる。
(8)履歴用メモリ117に記憶された履歴情報に基づいて算出された各種パラメータが異常な結果である場合、禁止解除操作が行われるまでそのパチンコ機10にて遊技を開始することができない構成としてもよい。遊技を開始することができないようにする構成としては、例えば遊技球の発射が禁止される構成としてもよく、各入球検知センサ42a〜49aが無効化される構成としてもよく、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生したとしても当否判定処理が実行されない構成としてもよい。また、禁止解除操作としては、RAM消去スイッチがON操作された状態でパチンコ機10の電源を再投入する操作としてもよく、遊技機本体12を外枠11に対して開放させた場合に操作可能となる操作手段の操作としてもよい。これにより、遊技領域PAの遊技球の入球態様が異常な態様である状況でそのまま遊技が行われてしまうことを阻止することが可能となる。
(9)入球検知センサ42a〜48aの検知結果に対応する履歴情報が履歴用メモリ117に記憶されるものの、その履歴情報を利用した各種パラメータの演算は主側CPU63及び管理側CPU112のいずれにおいても実行されない構成としてもよい。この場合、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置にて履歴情報が読み取られ、当該読み取り作業の作業者によってその読み取った履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される構成としてもよく、読み取り装置においてその読み取った履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される構成としてもよい。この場合、主側CPU63及び管理側CPU112の処理負荷を軽減することが可能となる。
(10)管理用IC66が設けられておらず、上記各実施形態における履歴情報の記憶処理を実行する機能及び各種パラメータを演算する機能を、主側CPU63が備えている構成としてもよく、払出側CPU92が備えている構成としてもよく、音声発光制御装置81が備えている構成としてもよい。これら機能を払出側CPU92又は音声発光制御装置81が備えている場合、各入球検知センサ42a〜48aの検知結果の情報がその機能を備えている制御主体に対して主側CPU63から送信されることとなる。
(11)管理用IC66には主側CPU63とは別電源が設けられており、主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても、管理用IC66において履歴情報を利用した各種パラメータの演算や、履歴情報又は各種パラメータの情報出力を行うことが可能な構成としてもよい。これにより、主側CPU63への動作電力の供給が停止されている状況であっても、履歴情報や各種パラメータを読み取り装置にて読み取ることが可能となる。
(12)主側ROM64からプログラムを読み取るために利用される読み取り用端子102が、履歴情報又は各種パラメータを読み取り装置にて読み取るために利用される端子として兼用される構成としたが、これに限定されることはなく、履歴情報又は各種パラメータを読み取り装置にて読み取るために利用される端子が、主側ROM64からプログラムを読み取るための読み取り用端子102とは別に設けられている構成としてもよい。この場合、履歴情報又は各種パラメータを読み取るために利用される端子は、MPU62に設けられていてもよく、主制御基板61におけるMPU62とは別の位置に設けられている構成としてもよい。
(13)上記各実施形態における対応関係用メモリ116、履歴用メモリ117及び演算結果用メモリ131がフラッシュメモリなどの不揮発性記憶手段として設けられている構成に限定されることはなく、例えばこれらメモリ116,117,131のいずれかが情報の記憶保持に電力の供給を要する揮発性記憶手段として設けられており、そのメモリに対してバックアップ電力が供給されることで、主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても情報が記憶保持される構成としてもよい。この場合、そのメモリに対して専用のバックアップ電力装置が設けられている構成としてもよく、主側RAM65にバックアップ電力を供給する電源・発射制御装置78からそのメモリにバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
(14)履歴情報を利用して各種パラメータが演算される構成に限定されることはなく、履歴情報は記憶保持されることなく、各入球検知センサ42a〜48aのいずれかにて遊技球が新たに検知される度に各種パラメータが演算されて更新されていく構成としてもよい。この場合、各種パラメータの演算頻度が高くなるものの、任意のタイミングで各種パラメータを抽出することが可能となる。
(15)管理用IC66が汎用CPUとして管理側CPU112を備え、管理側ROM113に記憶されたプログラム及びデータに基づき履歴情報の記憶処理や各種パラメータの演算処理を実行する構成に限定されることはなく、これら機能を有するように回路設計されたハード回路が管理用IC66に形成されている構成としてもよい。当該構成について具体的には、例えば上記第1の実施形態であれば当該ハード回路は、主側CPU63からいずれかの検知センサ42a〜48aにて遊技球を検知したことを示す信号を受信した場合、その信号を受信したバッファに対応する対応関係情報が対応関係用メモリ116から履歴用メモリ117に記憶されるようにするとともに、その時点におけるRTC115の情報が履歴用メモリ117に記憶されるようにする。また、例えば上記第9の実施形態であれば当該ハード回路は、主側CPU63からいずれかの検知センサ42a〜48aにて遊技球を検知したことを示す信号を受信した場合、その信号を受信したバッファに対応するカウンタの値が1加算されるようにする。また、当該ハード回路は、上記第1の実施形態などにおける演算契機が発生した場合にはその時点における履歴情報を利用して各種パラメータを演算する。また、当該ハード回路は、読み取り用端子102への外部出力契機が発生した場合には、演算結果である各種パラメータを外部出力するとともに履歴情報を外部出力する。
(16)入球検知センサ42a〜48aの検知結果の情報が履歴情報として記憶される構成に加えて又は代えて、開閉実行モードへの移行が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよく、開閉実行モードへの移行タイミング及び終了タイミングが履歴情報として記憶される構成としてもよく、高頻度サポートモードへの移行が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよく、所定の異常が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよい。また、上記のような履歴情報を利用することにより開閉実行モードへの移行確率が演算される構成としてもよく、高頻度サポートモードへの移行確率が演算される構成としてもよく、所定の異常が発生する頻度が演算される構成としてもよい。そして、それら履歴情報や各種パラメータを読み取り装置により読み取り可能である構成としてもよい。
(17)主側CPU63と管理用IC66とが別チップとして設けられている構成としてもよく、別基板として設けられている構成としてもよく、別の制御装置として設けられている構成としてもよい。
(18)上記第1の実施形態などにおいて、アウト口24aへの遊技球の入球に関してはその入球個数が計測される一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34といった遊技球の賞球の払い出しや当否判定処理の契機となる特典契機入球部への入球に関してはRTC情報を含む履歴情報が格納される構成としてもよい。これにより、特典契機入球部への遊技球の入球履歴を抽出可能としながら、遊技球の総排出個数に対する各特典契機入球部への遊技球の入球頻度を算出することが可能となる。
(19)履歴情報として残す対象として上記各実施形態におけるもの以外のものが含まれている構成としてもよい。例えば、下皿56aが満タン状態となったこと、満タン状態が開始されたタイミング及び満タン状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよく、タンク75が球無状態となったこと、球無状態が開始されたタイミング及び球無状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよく、払出装置76が異常状態となったこと、払出装置76の異常状態が開始されたタイミング及び払出装置76の異常状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよい。この場合、これら事象の発生頻度を把握することが可能となる。
(20)上記第1の実施形態などでは管理側I/F111における入力ポート121の第16バッファ122pが出力指示信号に対応していることが管理用IC66の設計段階において予め設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、第16バッファ122pが出力指示信号に対応していることも、主側CPU63から種類識別コマンドが送信されることにより、管理用IC66にて認識される構成としてもよい。この場合、各バッファ122a〜122pとそれらバッファ122a〜122pに入力される信号の種類との対応関係を管理用IC66に事前に設定しておく必要がなくなる。
(21)前扉枠14が開放状態である状況で発生した所定の入球部への遊技球の入球個数が履歴情報として記憶されるとともに、その履歴情報を利用して把握した入球個数が読み取り装置に外部出力される構成としてもよい。これにより、前扉枠14が開放状態となっている状況において所定の入球部に入球した遊技球の個数を把握することが可能となり、不正の有無などを把握することが可能となる。また、前扉枠14が開放状態である状況で発生した所定の入球部への入球個数を所定の演算契機が発生した場合に演算し、その演算した入球個数が異常な個数である場合には異常報知が実行されるようにしてもよい。これにより、前扉枠14を不正に開放して所定の入球部に遊技球を入球させる不正行為に対処することが可能となる。
(22)管理用IC66は正常に動作している場合には主側CPU63に正常動作信号を送信する構成としてもよい。この場合、管理用IC66が正常に動作しているか否かを主側CPU63にて監視することが可能となる。
(23)上記第1の実施形態などにおいて管理側CPU112にて第1〜第15バッファ122a〜122oの確認処理を実行する順序が上記第1の実施形態などとは逆である構成としてもよい。この場合、主側CPU63にて各信号の出力状態の変更処理を実行する順序と、管理側CPU112にて各バッファ122a〜122oの確認処理を実行する順序とが一致することとなる。
(24)読み取り用端子102を利用して主側ROM64に記憶された情報を外部出力する場合、プログラム及びデータのうち一方を選択的に外部出力することが可能な構成としてもよく、所定のプログラムのみを外部出力することが可能な構成としてもよい。この場合、分析対象となる情報を読み取り装置にて選択的に読み取ることが可能となる。なお、情報を選択的に外部出力する構成としては、主側CPU63は読み取り用端子102を通じて読み取り装置から受信した選択情報から外部出力対象となる情報を選択し、その選択した情報を外部出力する構成が考えられる。
(25)主側ROM64に記憶されたプログラムを外部出力するための読み取り用端子102を通じて外部出力する対象の別情報は履歴情報や各種パラメータに限定されることはなく、例えば異常が発生した場合にはその異常発生の履歴情報を記憶しておき、その記憶した履歴情報が読み取り用端子102を通じて外部出力される構成としてもよい。
(26)アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれに対して個別に検知センサ42a〜48aを設け、当該検知センサ42a〜48aにて検知した遊技球の個数を合計することで遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を把握する構成としたが、これに限定されることはなく、例えば遊技領域PAから排出された全ての遊技球が1個ずつ通過することとなる通路領域を設けるとともに当該通路領域を通過する遊技球を検知する排出検知センサを設ける構成としてもよい。この場合、当該排出検知センサの検知結果を利用することで遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を把握することが可能となる。また、当該構成において上記各実施形態と同様に、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれの遊技球の入球個数を検知するための検知センサ42a〜47aを設けることにより、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数に対する各入球部に入球した遊技球の個数の割合を演算することが可能となる。
(27)主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置81により表示制御装置82が制御される構成に代えて、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置82が音声発光制御装置81を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置81と表示制御装置82とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置81に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置81から表示制御装置82に送信されるコマンドの構成も任意である。
(28)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に本発明を適用する場合、例えばスタートレバーの操作に基づき1ゲームを開始する場合に実行された役の抽選処理の結果を履歴情報として記憶し、その履歴情報を利用して各役の実際の当選確率を演算する構成としてもよく、ボーナスゲームといった特別遊技状態への移行が発生した場合にそれを履歴情報としえ記憶し、その履歴情報を利用して特別遊技状態への実際の移行確率を演算する構成としてもよく、消化された総ゲーム数に対する特別遊技状態の滞在ゲーム数の割合を演算する構成としてもよい。そして、それら履歴情報や各種パラメータを読み取り装置にて読み取り可能としたり、各種パラメータの演算結果に対応する報知が遊技機自身にて行われる構成としてもよい。
(29)上記第1〜第12の実施形態の特徴的な構成を任意の組合せで相互に適用してもよい。例えば、上記第1の実施形態の特徴的な構成と、上記第6の実施形態の特徴的な構成と、上記第12の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよく、上記第2の実施形態の特徴的な構成と、上記第4の実施形態の特徴的な構成と、上記第8の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよい。
(30)上記第13〜第16の実施形態において、遊技球B1の進路を2通りに振り分ける釘213,214,262,322や台351は、一方の振分結果となる確率と他方の振分結果となる確率との間に有意な差が出る態様で遊技球B1の進路を振り分ける構成としてもよい。例えば、上記第13の実施形態の第1左右振分釘213において第1振分面217aの面積が第2振分面218aの面積よりも大きい構成とすることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1の全てと、手前側に位置する遊技球B1の一部とが右側に振り分けられ、遊技領域PAの手前側に位置する残りの遊技球B1のみが左側に振り分けられる。このように第2振分面218aよりも第1振分面217aに当たりやすい構成とすることにより、第1左右振分釘213と衝突する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を高め、第1左右振分釘213周りの遊技球B1の挙動に遊技者の注目を集めることができる。
また、例えば、上記第14の実施形態の前後振分釘262において、第1振分面264aの面積が第2振分面265aの面積よりも大きい構成とすることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1の全てと、手前側に位置する遊技球B1の一部とが奥側に振り分けられ、遊技領域PAの手前側に位置する残りの遊技球B1のみが手前側に振り分けられる。このように第2振分面265aよりも第1振分面264aに当たりやすい構成とすることにより、前後振分釘262と衝突する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を高め、前後振分釘262周りの遊技球B1の挙動に遊技者の注目を集めることができる。
また、例えば、上記第15の実施形態の反発釘322において高反発部334dの長さが低反発部材333の長さよりも長い構成とすることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1の全てと、手前側に位置する遊技球B1の一部とが反発釘322と衝突して大きく跳ね返り、遊技領域PAの手前側に位置する残りの遊技球B1のみが反発釘322と衝突して小さく跳ね返る。このように低反発部材333よりも高反発部334dに当たりやすい構成とすることにより、反発釘322と衝突する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を高め、反発釘322周りの遊技球B1の挙動に遊技者の注目を集めることができる。
また、例えば、上記第16の実施形態の前後振分台351において第1下流面372の面積が第2下流面373の面積よりも大きい構成とすることにより、遊技領域PAの奥側に位置する遊技球B1の全てと、手前側に位置する遊技球B1の一部とが奥側に振り分けられ、遊技領域PAの手前側に位置する残りの遊技球B1のみが手前側に振り分けられる。このように第2下流面373よりも第1下流面372の上を転動しやすい構成とすることにより、前後振分台351の上を転動する遊技球B1が作動口33,34に入賞する確率を高め、前後振分台351周りの遊技球B1の挙動に遊技者の注目を集めることができる。
(31)上記各実施形態の遊技盤は、合板に限られず、アクリル製の板であってもよい。また、上記各実施形態において、遊技盤としてポリカーボネート製の板を利用してもよい。要は、遊技球B1が流下する遊技領域PAを規定することが可能な板状の部材であればよい。ここで、遊技盤には、上記第1〜第12の実施形態における遊技盤24(図3)、第13の実施形態における遊技盤233(図50)、第13の実施形態の別形態における遊技盤235(図59)、遊技盤236(図60)、遊技盤237(図61(b))、遊技盤238(図62(b))、第14の実施形態における遊技盤261(図63)、第15の実施形態における遊技盤321(図68)、第16の実施形態における遊技盤341(図72)、第16の実施形態の別形態における遊技盤381(図75)、第17の実施形態における遊技盤421(図78)、第18の実施形態における遊技盤451(図82)、第18の実施形態の別形態における遊技盤452(図87(a))、第22の実施形態における遊技盤931(図102)が含まれる。
(32)上記第19〜22の実施形態における半田は、鉛やビスマスなどの低融点成分や銀などを含む錫の合金からなる接続手段である。接続手段として鉛フリー半田(銅や亜鉛などを含むとともに鉛を含まない錫の合金)を利用してもよい。また、接続手段として、半田以外に、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀、インジウム、金、ビスマスなどの金属、又はこれらの金属の合金を利用してもよい。接続手段は、溶融状態で電子部品やコネクタの端子及び基板における接続用の領域に付着し、凝固することにより電子部品やコネクタを基板に装着することができるものであればよい。当該接続手段を利用する場合に、基板における接続用の領域の周りに短絡を防止するための穴を設けることにより、隣接する端子周りの接続手段が連通して短絡回路が形成される可能性を低減することができる。ここで、端子は、端子775及びピン784,784a〜784tを含むものである。また、基板における接続用の領域は、ビアホール793,793a〜793tを含むものである。当該接続用の領域は、基板を上下に貫通する貫通孔の他に、基板の途中位置まで形成されており基板を貫通していない穴も含むものである。また、短絡を防止する穴は、第19の実施形態における短絡防止穴761(図92(b))、第19の実施形態の別形態における傾斜短絡防止穴861(図98(a))、第20の実施形態における分離型短絡防止穴871,874(図99(a))、第20の実施形態の別形態における分離型短絡防止穴875〜878,886,887(図100(a)、3方向分離型短絡防止穴881,884(図100(b))、第21の実施形態における短絡防止穴群891〜895,921〜925(図101)、第22の実施形態における短絡防止穴761(図103(b))、第22の実施形態の別形態における分離型短絡防止穴871,874(図99(a))を含むものである。
また、上記第1〜22の実施形態の特徴的な構成を所定の組合せで適用した構成に対して、上記別形態の構成を任意の組合せで適用してもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段(主側RAM65)に記憶されるようにする特定記憶実行手段(主側CPU63における入球検知処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに対応する情報が前記特定記憶手段に記憶されていることに基づいて、遊技者に特典が付与されるようにするための処理を実行する特典付与手段(主側CPU63におけるステップS217の処理を実行する機能、払出側CPU92におけるステップS408の処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにし、前記所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段に記憶され、当該情報が特定記憶手段に記憶されている場合に遊技者に特典が付与される。これにより、遊技者は所定入球手段に遊技球が入球することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
特徴A2.前記所定情報は、遊技者に特典を付与するための処理の実行契機とならないことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定情報が遊技者に特典を付与するための処理の実行契機とならないことにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことを目的とした情報形態で所定情報を記憶保持することが可能となる。
特徴A3.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)を備え、
前記所定記憶実行手段は、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにし、前記特定入球手段への遊技球の入球個数を当該遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにすることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、所定入球手段に対応する所定情報だけではなく特定入球手段に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理だけではなく特定入球手段への遊技球の入球態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定入球手段と特定入球手段との間の入球頻度の割合なども管理することが可能となる。
特徴A4.前記所定入球手段を含めて、入球した遊技球を前記遊技領域から排出させる全ての入球手段が、遊技球の入球の発生に対応する情報の前記所定記憶手段への記憶対象となる入球手段であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技領域から遊技球を排出させる全ての入球手段が、所定記憶手段に記憶された情報を利用した管理の対象となることにより、任意の入球手段についての入球頻度を所定記憶手段に記憶されている情報を利用して管理することが可能となる。また、遊技領域から排出される遊技球の個数に対する所定入球手段への遊技球の入球個数の割合を、所定記憶手段に記憶されている情報を利用して管理することが可能となる。
特徴A5.前記所定情報は、前記所定入球手段に遊技球が入球したタイミングに対応する情報を含んでいることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、所定入球手段に遊技球が入球したタイミングに対応する情報が所定情報に含まれていることにより、所定情報を利用することで、所定入球手段への遊技球の入球履歴を詳細に把握することが可能となる。
特徴A6.前記所定情報は、前記所定入球手段に入球した遊技球の個数の計数情報であることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、所定情報が所定入球手段に入球した遊技球の個数の計数情報であることにより、所定情報の情報容量を抑えながら、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を行うことが可能となる。
特徴A7.前記所定記憶実行手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段に記憶されるようにする手段(第1〜第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS804及びステップS809の処理を実行する機能、第8の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2104の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。
特徴A8.前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定入球手段への遊技球の入球態様を分析することが可能となる。
特徴A9.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS903の処理を実行する機能)を備え、
前記外部出力手段は、前記情報出力部を利用して、前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。
特徴A10.前記情報出力部から出力すべき情報が前記所定記憶手段に記憶された情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする手段(主側CPU63におけるステップS902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び所定記憶手段に記憶された情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
特徴A11.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、特定記憶実行手段を有する第1制御手段とは別に設けられた第2制御手段が所定記憶実行手段を有していることにより、第1制御手段の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A12.前記第1制御手段と前記第2制御手段とは同一のチップに設けられていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1制御手段と第2制御手段とが同一のチップに設けられていることにより、これら第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
特徴A13.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)を備え、
前記所定記憶実行手段は、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにすることで、前記特定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにし、
前記第1制御手段は、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1〜第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1〜第7信号のいずれかを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、所定入球手段に対応する所定情報だけではなく特定入球手段に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理だけではなく特定入球手段への遊技球の入球態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定入球手段と特定入球手段との間の入球頻度の割合なども管理することが可能となる。
また、所定入球手段に遊技球が入球した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、特定入球手段に遊技球が入球した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴A14.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする特定用情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3〜第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8〜第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。また、所定状況であるか否かを特定可能とする特定用情報が第3経路を利用して第2制御手段に送信されるため、第2制御手段にて特定用情報を第1情報及び第2情報といった他の情報と区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴A15.前記第1制御手段は、前記第1情報が前記所定入球手段に対応しており、前記第2情報が前記特定入球手段に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13又はA14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、第1情報が所定入球手段に対応しており、第2情報が特定入球手段に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴A16.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定入球手段及び特定入球手段への遊技球の入球が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
特徴A17.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴A15又はA16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
特徴A18.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記所定入球手段に対応しており前記第2情報が前記特定入球手段に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A15乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する入球手段を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
特徴A19.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3〜第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8〜第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴A15乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴A20.前記第2制御手段には、前記第1制御手段からの情報を受信することが可能な受信部として、前記第1制御手段から前記第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の受信部(バッファ122a〜122p)が設けられていることを特徴とする特徴A13乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、第1制御手段から第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の受信部が第2制御手段に設けられていることにより、遊技機の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であっても受信部に関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴A21.前記所定記憶手段に記憶された前記所定情報と前記所定入球手段に対応していることを認識可能とさせる情報との組合せの情報を遊技機外部の装置に出力する第1外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に記憶された前記特定情報と前記特定入球手段に対応していることを認識可能とさせる情報との組合せの情報を遊技機外部の装置に出力する第2外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A13乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を特定することが可能となる。また、当該外部出力が行われる場合、所定情報と所定入球手段に対応していることを認識可能とする情報との組合せの情報が外部出力されるとともに、特定情報と特定入球手段に対応していることを認識可能とする情報との組合せの情報が外部出力される。これにより、所定記憶手段から読み取った情報を利用して各入球態様を特定することが可能となる。
特徴A22.前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A22によれば、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
特徴A23.前記所定記憶実行手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1〜第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS804及びステップS809の処理を実行する機能、第8の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2104の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2203の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定入球手段への遊技球の入球に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
特徴A23によれば、所定状況であるか否かを区別して遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算することが可能となる。
特徴A24.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1,第2,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1019の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22又はA23に記載の遊技機。
特徴A24によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴A25.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴A22又はA23に記載の遊技機。
特徴A25によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴A26.前記情報演算手段は、前記特定記憶実行手段を有する制御手段への動作電力の供給が停止される場合、又は前記特定記憶実行手段を有する制御手段への動作電力の供給が開始される場合に、前記態様情報を演算することを特徴とする特徴A22乃至A25のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A26によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が停止される場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
特徴A27.前記情報演算手段は、前記特定記憶実行手段を有する制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴A22乃至A26のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A27によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
特徴A28.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴A22乃至A27のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A28によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
特徴A29.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22乃至A28のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A29によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
特徴A30.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴A29に記載の遊技機。
特徴A30によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴A31.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴A29又はA30に記載の遊技機。
特徴A31によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
特徴A32.前記情報演算手段は、予め定められた演算契機が発生する度に前記態様情報を演算し、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ131)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1410、ステップS1414及びステップS1418の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22乃至A31のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A32によれば、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、遊技球の入球態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴A33.前記結果記憶実行手段は、
前記態様情報が記憶対象情報であるか否かを判定する手段(管理側CPU112におけるステップS1603の処理を実行する機能)と、
前記態様情報が前記記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A32に記載の遊技機。
特徴A33によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴A34.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴A32又はA33に記載の遊技機。
特徴A34によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
特徴A35.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴A22乃至A34のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A35によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
特徴A36.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部151)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS2605、ステップS2607及びステップS2608の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22乃至A35のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A36によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、遊技球の入球態様の管理結果を把握することが可能となる。
特徴A37.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴A36に記載の遊技機。
特徴A37によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
特徴A38.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記情報演算手段及び前記報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴A36又はA37に記載の遊技機。
特徴A38によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
特徴A39.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴A36乃至A38のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A39によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
特徴A40.前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する対応情報を外部出力する手段(主側CPU63におけるステップS218の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A39のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A40によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する対応情報が外部出力される構成において、所定情報が所定記憶手段に記憶される。これにより、対応情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球個数や入球頻度を簡易的に把握しながら、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球個数や入球頻度を正確に把握することが可能となる。
特徴A41.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A40のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A41によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴A1〜A41の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技の結果として所定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)と、
前記所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定事象が発生した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば所定の期間における遊技の結果に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
特徴B2.前記所定記憶実行手段は、前記所定事象の発生が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1〜第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS804及びステップS809の処理を実行する機能、第8の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2104の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2203の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定事象の発生に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、所定状況であるか否かを区別して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算することが可能となる。
特徴B3.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1,第2,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1019の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴B4.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B4によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して所定の期間における遊技の結果を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴B5.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始される場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始される場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
特徴B6.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
特徴B7.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
特徴B8.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
特徴B9.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴B10.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴B8又はB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
特徴B11.前記情報演算手段は、予め定められた演算契機が発生する度に前記態様情報を演算し、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ131)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1410、ステップS1414及びステップS1418の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、所定の期間における遊技の結果の態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴B12.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴B13.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴B11又はB12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
特徴B14.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B14によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
特徴B15.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部151)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS2605、ステップS2607及びステップS2608の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B15によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、所定の期間における遊技の管理結果を把握することが可能となる。
特徴B16.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴B15に記載の遊技機。
特徴B16によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
特徴B17.前記情報演算手段及び前記報知制御手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備えていることを特徴とする特徴B15又はB16に記載の遊技機。
特徴B17によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
特徴B18.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴B15乃至B17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B18によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
特徴B19.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)と、
前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B19によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶処理が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
特徴B20.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B20によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴B1〜B20の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技の結果として所定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)と、
予め定められた演算契機が発生する度に、前記所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)と、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ131)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1410、ステップS1414及びステップS1418の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば所定の期間における遊技の結果に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
また、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、所定の期間における遊技の結果の態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴C2.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴C3.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
特徴C4.前記所定記憶実行手段は、前記所定事象の発生が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1〜第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS804及びステップS809の処理を実行する機能、第8の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2104の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2203の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定事象の発生に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定状況であるか否かを区別して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算することが可能となる。
特徴C5.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1,第2,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1019の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴C6.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して所定の期間における遊技の結果を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴C7.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始された場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
特徴C8.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
特徴C9.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C9によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
特徴C10.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
特徴C11.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴C12.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴C10又はC11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
特徴C13.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
特徴C14.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部151)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS2605、ステップS2607及びステップS2608の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、所定の期間における遊技の管理結果を把握することが可能となる。
特徴C15.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴C14に記載の遊技機。
特徴C15によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
特徴C16.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記情報演算手段及び前記報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴C14又はC15に記載の遊技機。
特徴C16によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
特徴C17.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴C14乃至C16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C17によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
特徴C18.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)と、
予め定められた演算契機が発生する度に、前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1408、ステップS1413及びステップS1417の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1802の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2005の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS2603の処理を実行する機能)と、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ131)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1410、ステップS1414及びステップS1418の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C18によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶処理が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
また、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、所定の期間における遊技の結果の態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴C19.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C19によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴C1〜C19の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技の結果として所定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする第1記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)と、
遊技の結果として特定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにすることで特定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする第2記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に記憶された前記所定情報を当該所定情報が前記所定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして遊技機外部の装置に出力する第1外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に記憶された前記特定情報を当該特定情報が前記特定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして遊技機外部の装置に出力する第2外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を特定することが可能となる。また、当該外部出力が行われる場合、所定情報が所定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして当該所定情報が外部出力されるとともに、特定情報が特定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして当該特定情報が外部出力される。これにより、第2制御手段において情報の加工を行わなかったとしても、所定記憶手段から読み取った情報を利用して各事象の発生態様を特定することが可能となる。
特徴D2.前記所定事象が発生した場合にそれに対応する対応情報を外部出力する手段(主側CPU63におけるステップS218の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、所定事象が発生した場合にそれに対応する対応情報が外部出力される構成において、所定情報が所定記憶手段に記憶される。これにより、対応情報を利用することで所定事象の発生回数や発生頻度を簡易的に把握しながら、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用することで所定事象の発生回数や発生頻度を正確に把握することが可能となる。
特徴D3.前記所定情報は前記所定事象が発生した回数の回数情報であり、前記特定情報は前記特定事象が発生した回数の回数情報であることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、所定情報は所定事象が発生した回数の計数情報であるとともに特定情報は特定事象が発生した回数の計数情報であることにより、所定情報及び特定情報の情報容量を抑えながら、所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様の管理を行うことが可能となる。
特徴D4.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS903の処理を実行する機能)を備え、
前記第1外部出力手段及び前記第2外部出力手段は、前記情報出力部を利用して、前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。
特徴D5.前記情報出力部から出力すべき情報が前記所定記憶手段に記憶された情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする選択手段(主側CPU63におけるステップS902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び所定記憶手段に記憶された情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
特徴D6.前記選択手段は、前記情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づいて、前記情報出力部から出力すべき情報が前記所定記憶手段に記憶された情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定することを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づき、当該情報出力部から出力すべき情報がいずれの情報であるのかが特定される。これにより、出力対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴D7.前記制御プログラムを予め記憶するプログラム記憶手段(主側ROM64)を有するチップ(MPU62)が、前記情報出力部、前記第1外部出力手段及び前記第2外部出力手段を有していることを特徴とする特徴D4乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、情報出力部に対する信号経路をチップ内に集約することが可能となる。これにより、情報出力部に対する信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴D1〜D7の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS903の処理を実行する機能)と、
前記情報出力部を利用して特別情報を出力する情報出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、特別情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、特別情報を外部出力することが可能となる。
特徴E2.前記情報出力部から出力すべき情報が前記特別情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする選択手段(主側CPU63におけるステップS902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、特別情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び特別情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
特徴E3.前記選択手段は、前記情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づいて、前記情報出力部から出力すべき情報が前記特別情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定することを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づき、当該情報出力部から出力すべき情報がいずれの情報であるのかが特定される。これにより、出力対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴E4.前記制御プログラムを予め記憶するプログラム記憶手段(主側ROM64)を有するチップ(MPU62)が、前記情報出力部及び前記情報出力手段を有していることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、情報出力部に対する信号経路をチップ内に集約することが可能となる。これにより、情報出力部に対する信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴E1〜E4の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.第1制御手段(主側CPU63)及び第2制御手段(管理側CPU112)を備え、
前記第1制御手段は、
所定事象が発生した場合に遊技者に特典が付与されるようにする特典付与手段(主側CPU63におけるステップS217の処理を実行する機能、払出側CPU92におけるステップS408の処理を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合にそれに対応する所定事象情報を送信する情報送信手段(主側CPU63における管理用出力処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記所定事象情報を受信した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで、前記所定事象の発生回数又は発生頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1〜第9,第11〜第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS2302、ステップS2305、ステップS2308、ステップS2312、ステップS2316、ステップS2320及びステップS2323の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定事象が発生した場合に遊技者に特典が付与される。これにより、遊技者は所定事象が発生することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、所定事象が発生した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定事象の発生回数又は発生頻度を遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、特典付与手段を有する第1制御手段とは別に設けられた第2制御手段が所定記憶実行手段を有していることにより、第1制御手段の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴F2.前記第1制御手段と前記第2制御手段とは同一のチップに設けられていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、第1制御手段と第2制御手段とが同一のチップに設けられていることにより、これら第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
特徴F3.前記所定記憶実行手段は、特定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶処理を前記所定記憶手段に実行することで、前記特定事象の発生回数又は発生頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1〜第8,第12の実施形態では履歴情報、第9〜第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにし、
前記第1制御手段は、
前記所定事象が発生した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1〜第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記特定事象が発生した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1〜第7信号のいずれかを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、所定事象に対応する所定情報だけではなく特定事象に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定事象の発生態様の管理だけではなく特定事象の発生態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定事象と特定事象との間の発生頻度の割合なども管理することが可能となる。
また、所定事象が発生した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、特定事象が発生した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴F4.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする特定用情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3〜第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8〜第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、所定状況であるか否かを区別して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を管理することが可能となる。また、所定状況であるか否かを特定可能とする特定用情報が第3経路を利用して第2制御手段に送信されるため、第2制御手段にて特定用情報を第1情報及び第2情報といった他の情報と区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴F5.前記第1制御手段は、前記第1情報が前記所定事象に対応しており、前記第2情報が前記特定事象に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F3又はF4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、第1情報が所定事象に対応しており、第2情報が特定事象に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴F6.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
特徴F6によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定事象及び特定事象が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
特徴F7.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴F5又はF6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
特徴F8.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記所定事象に対応しており前記第2情報が前記特定事象に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F5乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F8によれば、第1制御手段から送信される情報と事象の種類との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する事象の種類を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
特徴F9.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3〜第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8〜第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴F5乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F9によれば、所定状況であるか否かを区別して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴F10.前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F10によれば、第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴F1〜F10の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群、上記特徴B群、上記特徴C群、上記特徴D群、上記特徴E群及び上記特徴F群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機の管理が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴G群>
特徴G1.第1制御手段(主側CPU63)と、
当該第1制御手段から送信された情報を受信する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
第1事象が発生した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1〜第7信号のいずれかを出力する機能)と、
第2事象が発生した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1〜第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記第1情報が前記第1事象に対応しており、前記第2情報が前記第2事象に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、第1事象が発生した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、第2事象が発生した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
また、第1情報が第1事象に対応しており、第2情報が第2事象に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴G2.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定入球手段及び特定入球手段への遊技球の入球が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
特徴G3.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
特徴G4.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記第1事象に対応しており前記第2情報が前記第2事象に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G4によれば、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する事象を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
特徴G5.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3〜第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8〜第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G5によれば、所定状況であるか否かを区別して第1事象の発生態様及び第2事象の発生態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴G6.前記第1制御手段から前記第2制御手段に情報を送信することが可能な信号経路として、前記第1制御手段から前記第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の信号経路が設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G6によれば、第1制御手段から第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の信号経路が設けられていることにより、遊技機の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であっても信号経路に関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴G7.前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G7によれば、第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴G1〜G7の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴G群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、通信に関する構成を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴H群>
特徴H1.遊技盤(例えば遊技盤233)の手前側に透明板(窓パネル52)が配置されており、遊技球(遊技球B1)が前記遊技盤と前記透明板との間の遊技領域(遊技領域PA)を上流から下流に向けて流下する遊技機において、
前記遊技盤は、接触する遊技球の前記遊技領域における奥行き方向の位置に応じて接触後における遊技球の移動態様を異なるものとする所定変更手段(第1左右振分釘213,242、第2左右振分釘214、反転釘251、前後振分釘262、反発釘322、前後振分台351,391,392、位置変更通路423、交換用位置変更通路442、傾斜釘)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球の進路を異なるものとする態様で遊技領域の遊技球を分散させることができるため、接触する遊技球の横方向の位置のみが遊技球の進路に影響する遊技機と比較して、遊技領域における遊技球の動きのバリエーションを増加させて遊技の興趣向上を図ることができる。
本特徴H1における遊技盤は、所定変更手段を備えている板状のものであり、遊技をするための遊技領域を規定する。
特徴H2.前記所定変更手段は、前記遊技領域の上流側から接触した遊技球に抗力を加えることで当該遊技球を跳ね返すものであり、その跳ね返しによる遊技球の移動態様を当該遊技球の前記奥行き方向における接触位置に応じて異ならせるものであることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、跳ね返した後の遊技球の移動態様を当該遊技球の奥行き方向における接触位置に応じて異ならせることが可能となり、遊技領域を流下する遊技球を跳ね返すことでその移動態様を変更させるという従来の構成を採用しながらも、奥行き方向の位置に応じた跳ね返り方向の変更という斬新な移動態様を付加することが可能となる。
特徴H3.前記所定変更手段は、前記遊技領域の上流側から上方に載った遊技球を転動させるものであり、その転動による遊技球の移動態様を当該遊技球の前記奥行き方向における接触位置に応じて異ならせるものであることを特徴とする特徴H1又はH2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、遊技球を転動させる過程で遊技球の移動態様を変更させる構成であるため、奥行き方向の接触位置に応じた遊技球の移動態様を遊技機設計段階において想定した態様に制御し易くなる。
特徴H4.前記遊技領域において前記所定変更手段が複数並設されていることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H4によれば、複数の所定変更手段が並設された領域に到達した遊技球はいずれかの所定変更手段に接触し易くなる。これにより、奥行き方向の接触位置に応じた遊技球の移動態様の変更が生じやすくなる。
特徴H5.接触する遊技球の前記奥行き方向の位置に応じた接触後における遊技球の移動態様が前記所定変更手段とは異なる別変更手段(第1左右振分釘213,242、第2左右振分釘214、反転釘251、前後振分釘262、後方釘271、前方優先部材291、反発釘322、前後振分台351,391,392、位置変更通路423、交換用位置変更通路442、傾斜釘)を備え、
前記遊技領域において前記別変更手段が前記所定変更手段に並設されていることを特徴とする特徴H1乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H5によれば、所定変更手段と別変更手段とが並設された領域に到達した遊技球は、例えば所定変更手段及び別変更手段のうちいずれに接触するのかによって、奥行き方向の接触位置に応じた遊技球の移動態様を相違させることが可能となる。この場合、遊技者が所望する移動態様となることを期待しながら、所定変更手段及び別変更手段のうちいずれに遊技球が接触するのかを遊技者は注目することとなる。また、例えば所定変更手段及び別変更手段のうち一方に接触した場合の奥行き方向の位置に応じて、その後に他方に接触した場合における遊技球の移動態様を相違させる構成とすることも可能となる。この場合、両変更手段による遊技球の移動態様を相互に関連付けることが可能となる。
特徴H6.前記所定変更手段は、接触する遊技球の前記奥行き方向の位置に応じて接触後における遊技球の前記遊技領域における横方向の移動態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H6によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球の横方向の移動態様を異ならせることが可能となる。これにより、遊技球の奥行き方向の位置と遊技球の横方向の移動態様とに相関を持たせることが可能となり、遊技球の動きに注目する遊技者は遊技球の位置を多角的に捉えて遊技球の動きを予測することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴H7.前記所定変更手段は、
前記奥行き方向の第1所定範囲(例えば遊技領域PAの奥側)に接触する遊技球の前記横方向の移動態様を第1所定態様で変更する第1所定変更手段(第1振分面217a,232a,244a、第1反転面254a,後方釘271、低反発部材333、傾斜釘の第1傾斜部)と、
前記奥行き方向において前記第1所定範囲とは重複しない第2所定範囲(例えば遊技領域PAの手前側)に接触する遊技球の前記横方向の移動態様を第2所定態様で変更する第2所定変更手段(第2振分面218a,234a,245a、第2反転面254b、前方優先部材291、高反発部334d、傾斜釘の第2傾斜部)と、
を備えていることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
特徴H7によれば、奥行き方向の接触位置に応じて接触後における遊技球の横方向の移動態様が一義的に変更される。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて横方向の遊技球の移動態様が変更される構成において、遊技球の奥行き方向の位置に対するその後の横方向の遊技球の移動態様を遊技者にある程度予測させることが可能となる。
特徴H8.前記第1所定変更手段は、前記第1所定範囲に接触する遊技球に左向きの成分を含む力を与えるものであり、
前記第2所定変更手段は、前記第2所定範囲で接触する遊技球に右向きの成分を含む力を与えるものであることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
特徴H8によれば、奥行き方向の接触位置に応じて遊技球に付与される力の横方向の成分が真逆となる。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて横方向の遊技球の移動態様を顕著に異ならせることが可能となる。
特徴H9.前記第1所定変更手段は、前記第1所定範囲に接触する遊技球に左向き及び右向きのうち一方である所定方向の成分を含む力を与えるものであり、
前記第2所定変更手段は、前記第2所定範囲に接触する遊技球に前記所定方向の成分を含む力を与えるものであって前記所定方向の力として前記第1所定変更手段よりも大きな力を与えるものであることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
特徴H9によれば、奥行き方向の接触位置が第1所定範囲及び第2所定範囲のいずれであっても遊技球に対して同一の横方向の力を与えるようにしながら、その力の大きさを異ならせることが可能となる。これにより、同一の横方向に遊技球を移動させるようにしながら、奥行き方向の接触位置に応じてその移動量を異ならせることが可能となる。
特徴H10.前記所定変更手段は、接触する遊技球の前記奥行き方向の位置に応じて接触後における遊技球の前記奥行き方向の移動態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴H1乃至H9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H10によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球の奥行き方向の移動態様を異ならせることが可能となる。これにより、遊技球の奥行き方向の移動態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴H11.前記所定変更手段は、
前記奥行き方向の第3所定範囲(例えば遊技領域PAの奥側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第3所定態様で変更する第3所定変更手段(第1反転面254a、第1振分面264a、第1下流面372、奥側壁面443a)と、
前記奥行き方向において前記第3所定範囲とは重複しない第4所定範囲(例えば遊技領域PAの手前側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第4所定態様で変更する第4所定変更手段(第2反転面254b、第2振分面265a、第2下流面373、手前側壁面422b,443b)と、
を備えていることを特徴とする特徴H10に記載の遊技機。
特徴H11によれば、奥行き方向の接触位置に応じて接触後における遊技球の奥行き方向の移動態様が一義的に変更される。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて横方向の遊技球の移動態様が変更される構成において、遊技球の奥行き方向の位置に対するその後の奥行き方向の遊技球の移動態様を遊技者にある程度予測させることが可能となる。
特徴H12.前記第3所定変更手段は、前記第3所定範囲に接触する遊技球に前向きの成分を含む力を与えるものであり、
前記第4所定変更手段は、前記第4所定範囲に接触する遊技球に後向きの成分を含む力を与えるものであることを特徴とする特徴H11に記載の遊技機。
特徴H12によれば、奥行き方向の接触位置に応じて遊技球に付与される力の奥行き方向の成分が真逆となる。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて奥行き方向の遊技球の移動態様を顕著に異ならせることが可能となる。
特徴H13.前記第3所定範囲は前記第4所定範囲よりも奥側に存在していることを特徴とする特徴H12に記載の遊技機。
特徴H13によれば、所定変更手段の存在によって遊技球の奥行き方向の位置を奥側と手前側とで逆に変更させることが可能となる。
特徴H14.前記所定変更手段は、前記奥行き方向の位置に応じて反発係数が相違していることを特徴とする特徴H1乃至H13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H14によれば、奥行き方向の衝突位置が異なる遊技球に対して大きさの異なる抗力を加えることができる。これにより、所定変更手段と衝突した後の遊技球の跳ね返り速度を異なるものとすることができる。このように、遊技領域における遊技球の動きのバリエーションを増加させることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴H15.前記所定変更手段は、
接触する遊技球の移動態様を当該遊技球の奥行き方向の位置に応じた態様で変更するための樹脂製部材(第1左右振分部材215,243、第2左右振分部材231、反転部材254、前後振分部材263、プレート部材292)と、
当該樹脂製部材を前記遊技領域に露出させた状態で前記所定変更手段を前記遊技盤に固定するための金属製部材(固定用部材216、支持部材293,294)と、
を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H15によれば、遊技球の進路を変更する部材を成形が容易な樹脂で作成することにより、遊技球の進路を変更する部材の設計の自由度を高めることができる。また、樹脂製部材を金属製部材で強固に固定する構造とすることにより、所定変更手段の耐久性を向上させて、所定変更手段を備えている遊技機のメンテナンスが頻繁に必要となる事態を回避することができる。
特徴H16.前記遊技盤とは別体で設けられ前記遊技盤に固定されたベース体(左側誘導部材255)に、前記所定変更手段が固定されていることを特徴とする特徴H1乃至H15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H16によれば、所定変更手段が一体化されたベース体を遊技盤に固定することで遊技盤に所定変更手段を設けることが可能となる。これにより、所定変更手段の位置合わせを入念に行った後に当該所定変更手段を遊技盤に設けることが可能となる。
特徴H17.前記ベース体に前記所定変更手段が複数固定されていることを特徴とする特徴H16に記載の遊技機。
特徴H17によれば、複数の所定変更手段の相対的な位置合わせを入念に行った後にこれら所定変更手段を遊技盤に設けることが可能となるため、複数の所定変更手段の相対的な位置合わせ精度を高めることが可能となる。
特徴H18.前記遊技盤は、左右方向の接触位置に応じた態様で接触後の遊技球の移動態様を変更する障害釘(障害釘228)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H18によれば、遊技盤に遊技球の進路を分散させるための手段を十分な数設けることができる。従来の遊技盤における障害釘を全て所定変更手段に変更する場合、強度を確保するために所定変更手段を障害釘よりも大きく製造すると遊技盤に設けることができる所定変更手段の数が限られてしまう。これに対して、遊技盤において遊技球の進路を分散させるための手段として、小さい障害釘と大きい所定変更手段とを混在させることにより、遊技盤に設けることが可能な遊技球を分散させるための手段の減少を抑制し、遊技球を十分に分散させることができる。そして、遊技球の左右方向の位置に応じた進路の変更と、遊技球の奥行き方向の位置に応じた進路の変更と、の両方が可能な遊技盤の構成とすることができる。
特徴H19.前記所定変更手段は、接触する遊技球の前記奥行き方向の位置に応じて接触後における遊技球の前記遊技領域における横方向の移動態様を異ならせるものであり、
前記遊技盤は、前記遊技領域において前記所定変更手段よりも上流側の位置に、接触した遊技球の前記奥行き方向の移動態様を特定態様とすることを可能とする特定変更手段(反転釘251、前後振分釘262、前後振分台351,391,392、位置変更通路423、交換用位置変更通路442、案内通路461)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H19によれば、特定変更手段が設けられていることにより奥行き方向の遊技球の位置を変更させることが可能となる。そして、遊技盤に当該特定変更手段だけではなく、奥行き方向の接触位置に応じて遊技球の横方向の移動態様を異ならせる所定変更手段が設けられていることにより、遊技球の移動態様を多様化させることが可能となる。
また、特定変更手段が所定変更手段よりも上流側に設けられていることにより、特定変更手段により奥行き方向の遊技球の位置が変更されたか否かに応じて、その後における所定変更手段による遊技球の横方向の振分態様を相違させることが可能となる。これにより、これら特定変更手段及び所定変更手段による遊技球の移動態様を相互に関連付けることが可能となる。
特徴H20.前記遊技盤は、遊技球が入球することにより遊技者に有利な特典を提供する契機となる開口部(第1作動口33、第2作動口34)を備えており、
前記特定変更手段により前記奥行き方向の移動態様が前記特定態様となった後に前記所定変更手段に接触した遊技球の方が、前記特定態様となることなく前記所定変更手段に接触した遊技球よりも前記開口部に入球し易くなるように前記特定変更手段及び前記所定変更手段が設けられていることを特徴とする特徴H19に記載の遊技機。
特徴H20によれば、特定変更手段により遊技球の奥行き方向の移動態様が特定態様にされた場合の方が開口部に入球し易くなるため、特定変更手段への遊技者の注目度を高めることが可能となる。また、特定変更手段により奥行き方向の移動態様が特定態様にされた遊技球であってもその後に所定変更手段に接触することとなり、その接触までの過程などにおいて奥行き方向の移動態様が特定態様とは異なる態様となり得るため、所定変更手段に遊技球が接触するまでの過程にも遊技者を注目させることが可能となる。
特徴H21.前記特定変更手段は、接触する遊技球の前記奥行き方向の位置に応じて接触後における遊技球の前記奥行き方向の移動態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴H19又はH20に記載の遊技機。
特徴H21によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球の奥行き方向の移動態様を異ならせることが可能となる。これにより、遊技球の奥行き方向の移動態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴H22.前記特定変更手段は、
前記奥行き方向の第1特定範囲(例えば遊技領域PAの奥側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第1特定態様で変更する第1特定変更手段(第1反転面254a、第1振分面264a、奥側壁面443a)と、
前記奥行き方向において前記第1特定範囲とは重複しない第2特定範囲(例えば遊技領域PAの手前側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第2特定態様で変更する第2特定変更手段(第2反転面254b、第2振分面265a、手前側壁面422b,443b)と、
を備えていることを特徴とする特徴H21に記載の遊技機。
特徴H22によれば、奥行き方向の接触位置に応じて接触後における遊技球の奥行き方向の移動態様が一義的に変更される。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて横方向の遊技球の移動態様が変更される構成において、遊技球の奥行き方向の位置に対するその後の奥行き方向の遊技球の移動態様を遊技者にある程度予測させることが可能となる。
特徴H23.前記第1特定変更手段は、前記第1特定範囲に接触する遊技球に前向きの成分を含む力を与えるものであり、
前記第2特定変更手段は、前記第2特定範囲に接触する遊技球に後向きの成分を含む力を与えるものであることを特徴とする特徴H22に記載の遊技機。
特徴H23によれば、奥行き方向の接触位置に応じて遊技球に付与される抗力の奥行き方向の成分が真逆となる。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて奥行き方向の遊技球の移動態様を顕著に異ならせることが可能となる。
特徴H24.前記第1特定範囲は前記第2特定範囲よりも奥側に存在していることを特徴とする特徴H23に記載の遊技機。
特徴H24によれば、特定変更手段の存在によって遊技球の奥行き方向の位置を奥側と手前側とで逆に変更させることが可能となる。
特徴H25.前記特定変更手段は、遊技球が通過する案内通路(位置変更通路423、交換用位置変更通路442、案内通路461)を有し、当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様を前記特定態様とすることが可能な構成であることを特徴とする特徴H19乃至H24のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H25によれば、遊技球の奥行き方向の位置に注目している遊技者は案内通路に遊技球が入球するか否かに注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴H26.前記案内通路の遊技球の通過態様に応じて当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様が変更されることを特徴とする特徴H25に記載の遊技機。
特徴H26によれば、案内通路の遊技球の通過態様に応じて当該案内通路から排出される遊技球の奥行き方向の移動態様が特定態様とされることにより、案内通路に遊技球が入球するか否かに遊技者を注目させることが可能となるとともに、案内通路における遊技球の通過態様にも遊技者を注目させることが可能となる。
特徴H27.前記案内通路は、当該案内通路の入口における遊技球の位置に応じて当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴H25又はH26に記載の遊技機。
特徴H27によれば、案内通路の入口における遊技球の位置に応じて当該案内通路から排出される遊技球の奥行き方向の移動態様が異なるものとなることにより、案内通路に遊技球が入球するか否かに遊技者を注目させることが可能となるとともに、案内通路の入口に入球する場合における遊技球の位置にも遊技者を注目させることが可能となる。
特徴H28.前記案内通路は、複数の通路壁に区画されることにより形成されているものであって縦方向に延在させて設けられており、
前記複数の通路壁のうち所定通路壁(手前側壁面422b,443b、奥側壁面443a)に前記案内通路を通過する遊技球が接触することにより当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様が前記特定態様となることを特徴とする特徴H25乃至H27のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H28によれば、案内通路の通路壁との接触によって遊技球の奥行き方向の移動態様を変更する構成であることにより、構成の簡素化を図りながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴H29.前記案内通路は、当該案内通路の入口において前記奥行き方向の第1範囲(遊技盤421,451の表面近傍)に存在している遊技球を前記案内通路の出口において前記第1範囲よりも手前側に移動させ、前記案内通路の入口において前記第1範囲よりも手前側である第2範囲(窓パネル52の背面近傍)に存在している遊技球を前記案内通路の出口において前記第2範囲よりも奥側に移動させる構成であることを特徴とする特徴H25乃至H28のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H29によれば、案内通路の入口における奥行き方向の位置とは逆側の位置に遊技球を案内することが可能となる。これにより、遊技球の奥行き方向の位置を積極的に変更させることが可能となる。
特徴H30.前記案内通路は、当該案内通路の入口において前記第1範囲よりも手前側であって前記第2範囲よりも奥側に存在している遊技球に対しては前記案内通路の出口において前記奥行き方向の位置を変化させるための力を与えない構成であることを特徴とする特徴H29に記載の遊技機。
特徴H30によれば、案内通路を通過する場合であっても遊技球の奥行き方向の位置が変化しない状況を生じさせることが可能となる。これにより、案内通路を通過した後における遊技球の奥行き方向の位置を多様化させることが可能となる。
特徴H31.前記案内通路は、当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様を当該案内通路における遊技球の通過態様に関係なく前記特定態様とする構成であることを特徴とする特徴H25に記載の遊技機。
特徴H31によれば、案内通路に入球した遊技球は当該案内通路の通過後における奥行き方向の移動態様が確実に特定態様となるため、遊技盤における案内通路の影響力を大きくすることが可能となる。よって、案内通路周辺の遊技球の動きに遊技者の関心を集めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴H32.前記案内通路は、前記遊技盤とは別体で設けられた通路形成体(通路形成部材422、交換用通路形成部材441、案内部材471、交換用案内部材561)に設けられていることを特徴とする特徴H25乃至H31のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H32によれば、案内通路が遊技盤とは別体で設けられた通路形成体に設けられていることにより、通路形成体を交換することで同一の遊技盤を利用しながら遊技球の奥行き方向の移動態様を変更させることが可能となる。
特徴H33.前記遊技盤は、遊技球が入球することにより遊技者に有利な特典を提供する契機となる開口部(第1作動口33、第2作動口34)を備えており、
前記所定変更手段は、接触する遊技球の接触後の移動態様を、前記開口部に入球する確率が高い移動態様と、前記開口部に入球する確率が低い移動態様とに振り分けることを特徴とする特徴H1乃至H32のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H33によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて、遊技球が開口部に入賞する確率が異なる。このように、開口部の上流における遊技球の奥行き方向の位置が遊技結果に反映される構成とすることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴H34.前記遊技盤は、遊技球を前記開口部に入球する確率が高い場所に導くための誘導手段(ステージユニット354)を備えており、
前記所定変更手段は、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球を前記誘導手段に案内する場合と、当該遊技球を前記誘導手段に案内しない場合と、があることを特徴とする特徴H33に記載の遊技機。
特徴H34によれば、所定変更手段によって進路を変更された遊技球が誘導手段に案内されるか否かについて遊技者に注目させることにより、遊技者の遊技球の動きへの関心を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。また、遊技領域における遊技球の奥行き方向の位置の違いを遊技結果に反映することにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴H1〜H34の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技盤(例えば遊技盤261)の手前側に透明板(窓パネル52)が配置されており、遊技球(遊技球B1)が前記遊技盤と前記透明板との間の遊技領域(遊技領域PA)を上流から下流に向けて流下する遊技機において、
前記遊技盤は、前記遊技領域における奥行き方向の位置が接触可能範囲(たとえば遊技領域PAの奥側又は手前側のいずれか一方)に存在している遊技球が接触可能であって前記奥行き方向の位置が前記接触可能範囲に存在していない遊技球が接触不可であり、接触した遊技球の移動態様を変更させることが可能な特別変更手段(後方釘271、前方優先部材291、通路形成部材422、交換用通路形成部材441)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、遊技領域における奥行き方向の位置が接触可能範囲に存在している遊技球のみが特別変更手段に接触することが可能となる。これにより、特別変更手段に遊技球が接触することを期待する遊技者は接触可能範囲に遊技球が存在することを期待することとなり、遊技領域における遊技球の奥行き方向の位置に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
本特徴I1における遊技盤は、特別変更手段を備えている板状のものであり、遊技をするための遊技領域を規定する。
特徴I2.前記特別変更手段は、前記接触可能範囲が前記遊技領域の奥側となるように、前記遊技盤の表面から前記遊技領域の奥行き方向の途中位置に亘って存在していることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、遊技領域の奥側に存在している遊技球のみが特別変更手段に接触することが可能となる。これにより、特別変更手段に遊技球が接触することを期待する遊技者は遊技領域の奥側に遊技球が存在することを期待することとなる。また、特別変更手段は遊技盤の表面から奥行き方向の途中位置に亘って存在する構成であるため、当該特別変更手段を簡素な構成により設けることが可能となる。
特徴I3.前記遊技盤は、遊技球が入球することにより遊技者に有利な特典を提供する契機となる開口部(第1作動口33、第2作動口34)を備えており、
前記特別変更手段が設けられた領域に到達した遊技球は、当該特別変更手段に接触するか否かに応じて、前記開口部への入球の有無又は前記開口部への入球のし易さが相違することを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、特別変更手段に接触するか否かに応じて、開口部への遊技球の入球の有無又は開口部への遊技球の入球のし易さが相違することとなるため、特別変更手段に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴I4.前記遊技盤は、左右方向の接触位置に応じた態様で接触後の遊技球の移動態様を変更する障害釘(障害釘228)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I4によれば、遊技盤に遊技球の進路を分散させるための手段を十分な数設けることができる。従来の遊技盤における障害釘を全て所定変更手段に変更する場合、強度を確保するために所定変更手段を障害釘よりも大きく製造すると遊技盤に設けることができる所定変更手段の数が限られてしまう。これに対して、遊技盤において遊技球の進路を分散させるための手段として、小さい障害釘と大きい所定変更手段とを混在させることにより、遊技盤に設けることが可能な遊技球を分散させるための手段の減少を抑制し、遊技球を十分に分散させることができる。そして、遊技球の左右方向の位置に応じた進路の変更と、遊技球の奥行き方向の位置に応じた進路の変更と、の両方が可能な遊技盤の構成とすることができる。
特徴I5.前記特別変更手段よりも上流側に、前記奥行き方向の位置に関係なく遊技球が接触することが可能な特定変更手段(前後振分釘262,障害釘228,凹型前後振分釘)が設けられていることを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I5によれば、特定変更手段の位置に到達した遊技球は当該特定変更手段に確実に接触するのに対して、特別変更手段の位置に到達した遊技球は当該特別変更手段に接触しないことが起こり得る。そして、特定変更手段が特別変更手段よりも上流側に設けられていることにより、特別変更手段の位置に到達したにも関わらず当該特別変更手段に遊技球が接触しないことについて遊技者に対して意外性を与えることが可能となる。
特徴I6.所定方向に配列されるようにして前記特別変更手段と前記特定変更手段とが設けられており、
前記特定変更手段は、前記所定方向において前記特別変更手段を間に挟むようにして複数設けられていることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
特徴I6によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて、特別変更手段及び特定変更手段によって所定方向に遊技球が誘導される状況と、特別変更手段の位置にて所定方向への遊技球の誘導が終了されてしまう状況とを生じさせることが可能となる。これにより、所定方向に遊技球が誘導されることに期待している遊技者は、これら特別変更手段及び特定変更手段の配列領域に注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴I7.前記特定変更手段は、接触した遊技球の前記奥行き方向の位置を変更させることが可能なものであることを特徴とする特徴I5又はI6に記載の遊技機。
特徴I7によれば、特定変更手段に遊技球が接触することで、特別変更手段の位置に到達する前の遊技球の奥行き方向の位置がそれまでの位置から変更されることとなる。これにより、特定変更手段への遊技球の接触の有無や接触後における遊技球の奥行き方向の位置に遊技者を注目させることが可能となる。
特徴I8.前記特定変更手段は、接触する遊技球の前記奥行き方向の位置に応じて接触後における遊技球の前記奥行き方向の移動態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
特徴I8によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球の奥行き方向の移動態様を異ならせることが可能となる。これにより、遊技球の奥行き方向の移動態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴I9.前記特定変更手段は、
前記奥行き方向の第1特定範囲(例えば遊技領域PAの奥側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第1特定態様で変更する第1特定変更手段(第1振分面264a)と、
前記奥行き方向において前記第1特定範囲とは重複しない第2特定範囲(例えば遊技領域PAの手前側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第2特定態様で変更する第2特定変更手段(第2振分面265a)と、
を備えていることを特徴とする特徴I8に記載の遊技機。
特徴I9によれば、奥行き方向の接触位置に応じて接触後における遊技球の奥行き方向の移動態様が一義的に変更される。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて横方向の遊技球の移動態様が変更される構成において、遊技球の奥行き方向の位置に対するその後の奥行き方向の遊技球の移動態様を遊技者にある程度予測させることが可能となる。
特徴I10.前記第1特定変更手段は、前記第1特定範囲に接触する遊技球に前向きの成分を含む力を与えるものであり、
前記第2特定変更手段は、前記第2特定範囲に接触する遊技球に後向きの成分を含む力を与えるものであることを特徴とする特徴I9に記載の遊技機。
特徴I10によれば、奥行き方向の接触位置に応じて遊技球に付与される抗力の奥行き方向の成分が真逆となる。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて奥行き方向の遊技球の移動態様を顕著に異ならせることが可能となる。
特徴I11.前記第1特定範囲は前記第2特定範囲よりも奥側に存在していることを特徴とする特徴I10に記載の遊技機。
特徴I11によれば、特定変更手段の存在によって遊技球の奥行き方向の位置を奥側と手前側とで逆に変更させることが可能となる。
なお、特徴I1〜I11の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴J群>
特徴J1.遊技盤(例えば遊技盤261)の手前側に透明板(窓パネル52)が配置されており、遊技球(遊技球B1)が前記遊技盤と前記透明板との間の遊技領域(遊技領域PA)を上流から下流に向けて流下する遊技機において、
前記遊技盤は、接触した遊技球の前記遊技領域における奥行き方向の移動態様を特定態様とすることを可能とする特定変更手段(反転釘251、前後振分釘262、前後振分台351,391,392、位置変更通路423、交換用位置変更通路442、案内通路461)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、特定変更手段が設けられていることにより奥行き方向の遊技球の位置を変更させることが可能となる。これにより、遊技領域における遊技球の移動態様を横方向だけではなく奥行き方向にも多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
本特徴J1における遊技盤は、特定変更手段を備えている板状のものであり、遊技をするための遊技領域を規定する。
特徴J2.前記特定変更手段は、接触する遊技球の前記奥行き方向の位置に応じて接触後における遊技球の前記奥行き方向の移動態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
特徴J2によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球の奥行き方向の移動態様を異ならせることが可能となる。これにより、遊技球の奥行き方向の移動態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴J3.前記特定変更手段は、
前記奥行き方向の第1特定範囲(例えば遊技領域PAの奥側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第1特定態様で変更する第1特定変更手段(第1反転面254a、第1振分面264a、奥側壁面443a)と、
前記奥行き方向において前記第1特定範囲とは重複しない第2特定範囲(例えば遊技領域PAの手前側)に接触する遊技球の前記奥行き方向の移動態様を第2特定態様で変更する第2特定変更手段(第2反転面254b、第2振分面265a、手前側壁面422b,443b)と、
を備えていることを特徴とする特徴J2に記載の遊技機。
特徴J3によれば、奥行き方向の接触位置に応じて接触後における遊技球の奥行き方向の移動態様が一義的に変更される。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて横方向の遊技球の移動態様が変更される構成において、遊技球の奥行き方向の位置に対するその後の奥行き方向の遊技球の移動態様を遊技者にある程度予測させることが可能となる。
特徴J4.前記第1特定変更手段は、前記第1特定範囲に接触する遊技球に前向きの成分を含む力を与えるものであり、
前記第2特定変更手段は、前記第2特定範囲に接触する遊技球に後向きの成分を含む力を与えるものであることを特徴とする特徴J3に記載の遊技機。
特徴J4によれば、奥行き方向の接触位置に応じて遊技球に付与される抗力の奥行き方向の成分が真逆となる。これにより、奥行き方向の接触位置に応じて奥行き方向の遊技球の移動態様を顕著に異ならせることが可能となる。
特徴J5.前記第1特定範囲は前記第2特定範囲よりも奥側に存在していることを特徴とする特徴J4に記載の遊技機。
特徴J5によれば、特定変更手段の存在によって遊技球の奥行き方向の位置を奥側と手前側とで逆に変更させることが可能となる。
特徴J6.前記特定変更手段は、遊技球が通過する案内通路(位置変更通路423、交換用位置変更通路442、案内通路461)を有し、当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様を前記特定態様とすることが可能な構成であることを特徴とする特徴J1乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J6によれば、遊技球の奥行き方向の位置に注目している遊技者は案内通路に遊技球が入球するか否かに注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴J7.前記案内通路の遊技球の通過態様に応じて当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様が変更されることを特徴とする特徴J6に記載の遊技機。
特徴J7によれば、案内通路の遊技球の通過態様に応じて当該案内通路から排出される遊技球の奥行き方向の移動態様が特定態様とされることにより、案内通路に遊技球が入球するか否かに遊技者を注目させることが可能となるとともに、案内通路における遊技球の通過態様にも遊技者を注目させることが可能となる。
特徴J8.前記案内通路は、当該案内通路の入口における遊技球の位置に応じて当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴J6又はJ7に記載の遊技機。
特徴J8によれば、案内通路の入口における遊技球の位置に応じて当該案内通路から排出される遊技球の奥行き方向の移動態様が異なるものとなることにより、案内通路に遊技球が入球するか否かに遊技者を注目させることが可能となるとともに、案内通路の入口に入球する場合における遊技球の位置にも遊技者を注目させることが可能となる。
特徴J9.前記案内通路は、複数の通路壁に区画されることにより形成されているものであって縦方向に延在させて設けられており、
前記複数の通路壁のうち所定通路壁(手前側壁面422b,443b、奥側壁面443a)に前記案内通路を通過する遊技球が接触することにより当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様が前記特定態様となることを特徴とする特徴J6乃至J8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J9によれば、案内通路の通路壁との接触によって遊技球の奥行き方向の移動態様を変更する構成であることにより、構成の簡素化を図りながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴J10.前記案内通路は、当該案内通路の入口において前記奥行き方向の第1範囲(遊技盤421,451の表面近傍)に存在している遊技球を前記案内通路の出口において前記第1範囲よりも手前側に移動させ、前記案内通路の入口において前記第1範囲よりも手前側である第2範囲(窓パネル52の背面近傍)に存在している遊技球を前記案内通路の出口において前記第2範囲よりも奥側に移動させる構成であることを特徴とする特徴J6乃至J9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J10によれば、案内通路の入口における奥行き方向の位置とは逆側の位置に遊技球を案内することが可能となる。これにより、遊技球の奥行き方向の位置を積極的に変更させることが可能となる。
特徴J11.前記案内通路は、当該案内通路の入口において前記第1範囲よりも手前側であって前記第2範囲よりも奥側に存在している遊技球に対しては前記案内通路の出口において前記奥行き方向の位置を変化させるための力を与えない構成であることを特徴とする特徴J10に記載の遊技機。
特徴J11によれば、案内通路を通過する場合であっても遊技球の奥行き方向の位置が変化しない状況を生じさせることが可能となる。これにより、案内通路を通過した後における遊技球の奥行き方向の位置を多様化させることが可能となる。
特徴J12.前記案内通路は、当該案内通路から排出される遊技球の前記奥行き方向の移動態様を当該案内通路における遊技球の通過態様に関係なく前記特定態様とする構成であることを特徴とする特徴J6に記載の遊技機。
特徴J12によれば、案内通路に入球した遊技球は当該案内通路の通過後における奥行き方向の移動態様が確実に特定態様となるため、遊技盤における案内通路の影響力を大きくすることが可能となる。よって、案内通路周辺の遊技球の動きに遊技者の関心を集めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴J13.前記案内通路は、前記遊技盤とは別体で設けられた通路形成体(通路形成部材422、交換用通路形成部材441、案内部材471、交換用案内部材561)に設けられていることを特徴とする特徴J6乃至J12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J13によれば、案内通路が遊技盤とは別体で設けられた通路形成体に設けられていることにより、通路形成体を交換することで同一の遊技盤を利用しながら遊技球の奥行き方向の移動態様を変更させることが可能となる。
特徴J14.前記遊技盤は、遊技球が入球することにより遊技者に有利な特典を提供する契機となる開口部(第1作動口33、第2作動口34)を備えており、
前記特定変更手段は、接触する遊技球の接触後の移動態様を、前記開口部に入球する確率が高い移動態様と、前記開口部に入球する確率が低い移動態様とに振り分けることを特徴とする特徴J1乃至J13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J14によれば、遊技球の奥行き方向の位置に応じて、遊技球が開口部に入賞する確率が異なる。このように、開口部の上流における遊技球の奥行き方向の位置が遊技結果に反映される構成とすることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴J15.前記遊技盤は、遊技球を前記開口部に入球する確率が高い場所に導くための誘導手段(ステージユニット354)を備えており、
前記特定変更手段は、遊技球の奥行き方向の位置に応じて遊技球を前記誘導手段に案内する場合と、当該遊技球を前記誘導手段に案内しない場合と、があることを特徴とする特徴J14に記載の遊技機。
特徴J15によれば、所定変更手段によって進路を変更された遊技球が誘導手段に案内されるか否かについて遊技者に注目させることにより、遊技者の遊技球の動きへの関心を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。また、遊技領域における遊技球の奥行き方向の位置の違いを遊技結果に反映することにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴J1〜J15の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴H群、上記特徴I群、及び上記特徴J群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を規定する遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために釘及び風車などの各種部材が配設されている。また、遊技盤には、一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口のように遊技球の払出し対象の開口部が設けられている。遊技球発射装置から発射された遊技球は、釘などと衝突しながら遊技領域を流下し、遊技球が一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口などに入球した場合には、所定数の遊技球が遊技者に払い出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技領域における遊技球の分散が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴K群>
特徴K1.装着部品(コネクタ781〜783、第1作動口用コネクタ955、第2作動口用コネクタ956、挿入実装部品)の端子(ピン784a〜784t、端子775)が挿通される挿通用孔(ビアホール793,793a〜793t)と、前記挿通用孔の周りに設けられている接続用領域(短絡防止穴761,接合穴762)と、を有し、前記挿通用孔に前記装着部品の端子が挿通された状態で、前記装着部品の端子と前記接続用領域とが半田によって電気的に接続されている基板(例えば主制御基板61)を備えた遊技機において、
前記基板は、それぞれ異なる前記挿通用孔に対して設けられている前記接続用領域として、第1接続用領域(接合穴762)と、当該第1接続用領域よりも面積が広く形成された第2接続用領域(短絡防止穴761)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、第1接続用領域よりも面積が広く形成された第2接続用領域が設けられていることにより、基板を搬送しながら半田付けを行う場合において所定の端子に付着する溶融半田が隣接する端子に向かって移動してしまう可能性が低減される。よって、半田ブリッジが形成されてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴K2.前記装着部品は、複数の端子が列をなして並んでいる端子列(1列コネクタ782のピン784a〜784dの列、2極コネクタ781のピン784e,784fの列、2列コネクタ783のピン784g〜784pの列、第1作動口用コネクタ955のピン784q,784rの列、第2作動口用コネクタ956のピン784s,784tの列)を備えており、
前記第2接続用領域は、少なくとも前記端子列の一方の端に存在している端子(例えば1列コネクタ782の第4ピン784d)が挿通される前記挿通用孔に対応させて設けられていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特徴K2によれば、基板を搬送しながら半田付けを行う場合に付着する溶融半田の量が多くなり易い端子列の端に位置する所定の端子に対応させて第2接続用領域が設けられている。これにより、このような端子列の端に位置する所定の端子周辺から当該所定の端子に隣接する端子に向かって溶融半田が移動してしまう可能性が低減され、結果的に半田ブリッジが形成されてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴K3.前記第2接続用領域は、少なくとも前記端子列の一方の端に存在している端子が挿通される前記挿通用孔及び前記端子列の他方の端に存在している端子(例えば1列コネクタ782の第1ピン784a)が挿通される前記挿通用孔のそれぞれに対応させて設けられていることを特徴とする特徴K2に記載の遊技機。
特徴K3によれば、基板を搬送しながら半田付けを行う場合、基板の搬送方向が決定される前の段階で基板の設計を行うことができる。また、半田付けの前に基板の搬送方向を反転させる変更を行っても半田ブリッジの発生確率が低い基板とすることができる。
特徴K4.前記端子列には、接地をするための接地用端子(GNDベタ851と接続するピン784c,784e,784i)を含む3つ以上の端子が設けられており、
前記接地用端子は、前記端子列の端を避けて配置されていることを特徴とする特徴K2又はK3に記載の遊技機。
特徴K4によれば、端子の周りで溶融半田の温度が下がり易い接地用端子が端子列の端に存在していないことにより、当該端子列の端に存在する所定の端子周辺から当該所定の端子に隣接する端子に向かって溶融半田が移動してしまう可能性が低減される。そして、このように溶融半田が移動してしまう可能性が低減されることにより、第2接続用領域として必要な面積が極端に広くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴K5.前記第1接続用領域は、前記端子列において当該端子列の端とは異なる位置に存在している端子が挿通される前記挿通用孔に対応させて設けられていることを特徴とする特徴K2乃至K4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K5によれば、端子列の端とは異なる位置に存在している端子(例えば1列コネクタ782の第2ピン784b及び第3ピン784c)に対しては第2接続用領域ではなく第1接続用領域が設けられていることにより、基板においてこれら接続用領域が占める範囲が極端に広くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴K6.前記第2接続用領域は、隣接する2個の前記端子間の寸法が所定寸法(1列コネクタの列内のピン間隔に関する1.5mmという基準値、2極コネクタのピン間隔に関する2.5mmという基準値、2列コネクタの列内のピン間隔に関する1.5mmという基準値及び列間隔に関する2.5mmという基準値)以下である場合にそれら複数の前記端子のうち少なくとも一方が挿通される前記挿通用孔に対応させて設けられていることを特徴とする特徴K1乃至K5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K6によれば、基板において半田ブリッジが発生する確率が高い場所だけに第2接続用領域を設けることにより、基板において接続用領域が占める範囲が極端に広くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴K7.前記装着部品として、前記端子の配列態様が第1配列態様である第1装着部品(例えば2極コネクタ781)と、前記端子の配列態様が第2配列態様である第2装着部品(例えば1列コネクタ782)と、を備えており、
前記第1配列態様と前記第2配列態様とで、前記所定寸法が相違していることを特徴とする特徴K6に記載の遊技機。
特徴K7によれば、端子の配列態様に応じて第2接続用領域を設ける基準となる端子間の所定寸法が相違していることにより、基板において半田ブリッジが発生する確率が高い場所だけに第2接続用領域を設けるようにすることが可能となる。これにより、基板において接続用領域が占める範囲が極端に広くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴K8.前記第1配列態様は、2個の端子が所定方向に配列されてなる配列態様(2極コネクタ781のピン784e,784fの配列)であり、
前記第2配列態様は、3個以上の端子が所定方向に配列されてなる配列態様(例えば1列コネクタ782のピン784a〜784dの配列)であり、
前記第1配列態様における前記所定寸法は、前記第2配列態様における前記所定寸法よりも大きい寸法であることを特徴とする特徴K7に記載の遊技機。
特徴K8によれば、2個の端子が所定方向に配列されてなる第1配列態様の場合、配列方向の端に存在している端子が接地用端子となるため、3個以上の端子が所定方向に配列されてなる第2配列態様よりも半田ブリッジが発生し易い。この場合に、特徴K8によれば、第1配列態様における所定寸法は第2配列態様における所定寸法よりも大きい寸法に設定されていることにより、半田ブリッジが発生し易い端子に対しては第2接続用領域を設けるようにしながら、当該第2接続用領域の形成対象となる端子の数を少なく抑えることが可能となる。
特徴K9.前記第1配列態様は、3個以上の端子が所定方向に配列された端子列が前記所定方向と直交する方向に2個存在する配列態様(例えば2列コネクタ783のピン784g〜784pの配列)であり、
前記第2配列態様は、3個以上の端子が所定方向に配列された端子列が1個のみ存在する配列態様(例えば1列コネクタ782のピン784a〜784dの配列)であり、
前記第1配列態様における前記所定寸法は前記第2配列態様における前記所定寸法よりも大きい寸法であることを特徴とする特徴K7に記載の遊技機。
特徴K9によれば、端子列が2個並設されてなる第1配列態様の場合、端子列が1個のみである第2配列態様よりも半田ブリッジが発生し易い。この場合に、特徴K9によれば、第1配列態様における所定寸法は第2配列態様における所定寸法よりも大きい寸法に設定されていることにより、半田ブリッジが発生し易い端子に対しては第2接続用領域を設けるようにしながら、当該第2接続用領域の形成対象となる端子の数を少なく抑えることが可能となる。
特徴K10.前記装着部品は、2個の端子が所定方向に配列された所定端子列(2極コネクタ781のピン784e,784fの列)を備えており、
前記第2接続用領域は、前記所定端子列に存在する前記2個の端子が個別に挿通される前記挿通用孔のそれぞれに対応させて設けられていることを特徴とする特徴K1乃至K9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K10によれば、2個の端子が所定方向に配列されてなる所定端子列の場合、配列方向の端に存在している端子が接地用端子となるため、3個以上の端子が所定方向に配列されてなる端子列よりも半田ブリッジが発生し易い。この場合に、特徴K10によれば、所定端子列の2個の端子のそれぞれに対応させて第2接続用領域が設けられていることにより、半田ブリッジが発生してしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴K11.前記第2接続用領域は、当該第2接続用領域に対応する前記挿通用孔に挿通される端子に対して最も近くに存在している端子側とは異なる側の面積が広くなるように形成されていることを特徴とする特徴K1乃至K10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K11によれば、基板を搬送しながら半田付けを行う場合に、所定の端子周りに付着する溶融半田を所定の端子に隣接する端子とは異なる方向に保持することができる。これにより、第2接続用領域に保持されている溶融半田が凝固する前に隣接する端子周りの溶融半田と合流して半田ブリッジが形成されてしまうことを防ぐことができる。
特徴K12.前記第2接続用領域は、当該第2接続用領域に対応する前記挿通用孔に挿通される端子に対して最も近くに存在している端子側とは逆側の面積が最も広くなるように形成されていることを特徴とする特徴K1乃至K11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K12によれば、所定の端子周りに付着する溶融半田を所定の端子に隣接する端子から最も遠い側に保持することができるため、半田ブリッジが形成されづらくすることが可能となる。
特徴K13.前記装着部品は、複数の端子が列をなして並んでいる端子列(1列コネクタ782のピン784a〜784dの列、2極コネクタ781のピン784e,784fの列、2列コネクタ783のピン784g〜784pの列、第1作動口用コネクタ955のピン784q,784rの列、第2作動口用コネクタ956のピン784s,784tの列)を備えており、
前記第2接続用領域は、前記端子列における前記複数の端子の配列方向の方が当該配列方向に対して直交する方向よりも長さ寸法が大きくなるように形成されていることを特徴とする特徴K1乃至K12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K13によれば、基板において端子列における端子の配列方向に対して直交する方向における基板設計への影響を抑えながら第2接続用領域を設けることが可能となる。
特徴K14.前記第2接続用領域は、
当該第2接続用領域に対応する前記挿通用孔の周りに形成されている周囲領域(小型短絡防止穴891,921)と、
前記基板において前記周囲領域の外側に設けられた外部領域(大型短絡防止穴892,922)と、
前記周囲領域と前記外部領域とを連結する連結領域(第1通路領域894,924)と、
を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K14によれば、周囲領域に対して連結領域を挟んで離間された外部領域に溶融半田を分離して保持させることが可能となる。これにより、周囲領域側に溶融半田が移動してきてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴K15.前記外部領域は、前記周囲領域よりも面積が広いことを特徴とする特徴K14に記載の遊技機。
特徴K15によれば、外部領域は周囲領域よりも大きな面積を有しているため、周囲領域に溜まる溶融半田は外部領域の方へ引き寄せられる。これにより、周囲領域側に溶融半田が移動してきてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴K16.前記連結領域は、前記外部領域よりも幅が狭いことを特徴とする特徴K14又はK15に記載の遊技機。
特徴K16によれば、外部領域に保持されている溶融半田が連結領域を通じて周囲領域に移動してしまう可能性が低減される。
なお、特徴K1〜K16の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴L群>
特徴L1.装着部品(コネクタ781〜783、第1作動口用コネクタ955、第2作動口用コネクタ956、挿入実装部品)の端子(ピン784a〜784t、端子775)が挿通される挿通用孔(ビアホール793、793a〜793t)と、前記挿通用孔の周りに設けられている接続用領域(接合穴762)と、を有し、前記挿通用孔に前記装着部品の端子が挿通された状態で、前記装着部品の端子と前記接続用領域とが半田によって電気的に接続されている基板(主制御基板61)を備えた遊技機において、
前記基板は、前記接続用領域の外側の位置において当該接続用領域と連通させることなく設けられ、半田を留めることが可能な特別領域(分離型短絡防止穴871,874,875〜878,886,887、3方向分離型短絡防止穴881,884)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、基板を搬送しながら半田付けを行う場合に接続用領域に付着する溶融半田を特別領域において分離して保持させることが可能となる。これにより、半田ブリッジが形成されてしまう可能性を低減することが可能となる。特に、溶融半田が特別領域において接続用領域から分離させて保持されることにより、特別領域から接続用領域に溶融半田が移動してしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴L2.前記接続用領域として、
所定端子が挿通される前記挿通用孔に対応させて設けられた所定接続用領域(例えば1列用裏面領域873の第4接合穴762d)と、
前記所定端子と隣り合う隣接端子が挿通される前記挿通用孔に対応させて設けられた特定接続用領域(例えば1列用裏面領域873の第3接合穴762c)と、
を備え、
前記特別領域は、前記所定接続用領域を基準として前記特定接続用領域側とは異なる側に設けられていることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
特徴L2によれば、特別領域に保持された溶融半田が特定接続用領域側に移動してしまわないようにすることが可能となる。
特徴L3.前記特別領域は、前記所定接続用領域を基準として前記特定接続用領域側とは逆側に設けられていることを特徴とする特徴L2に記載の遊技機。
特徴L3によれば、所定接続用領域に付着する溶融半田を特定接続用領域から離れる方向において保持することが可能となる。また、所定接続用領域が特定接続用領域に対して搬送方向の後側に存在している場合には所定接続用領域に対して特別領域が搬送方向の後側に存在することとなる。これにより、所定接続用領域に付着した溶融半田が特別領域に保持され易くなる。
特徴L4.前記特別領域は、前記所定接続用領域との間の距離(距離LD1)が前記所定接続用領域と前記特定接続用領域との間の距離(距離LD2)よりも近い距離となる位置に設けられていることを特徴とする特徴L2又はL3に記載の遊技機。
特徴L4によれば、特別領域の方が特定接続用領域よりも所定接続用領域に対して近い位置に存在している。これにより、基板を搬送しながら半田付けを行う場合において、所定接続用領域の表面で発生する余剰の溶融半田が特定接続用領域よりも特別領域に保持され易くなる。
特徴L5.前記特別領域は、前記接続用領域よりも大きな面積を有していることを特徴とする特徴L1乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L5によれば、特別領域は接続用領域よりも大きな面積を有しているため、特別領域に溶融半田が引き寄せられ易くなる。
特徴L6.前記特別領域は、前記接続用領域から遠い側の方が近い側よりも面積が広くなるように形成されていることを特徴とする特徴L1乃至L5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L6によれば、特別領域に保持される溶融半田の多くが接続用領域から遠い側において保持されるため、特別領域に保持される溶融半田が接続用領域側に移動しづらくなる。
特徴L7.前記特別領域は、前記接続用領域を基準として複数の方向に存在するように設けられていることを特徴とする特徴L1乃至L6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L7によれば、接続用領域を基準として複数の方向に存在するように特別領域が設けられていることにより、接続用領域から特別領域に移動する溶融半田の移動経路を多く確保することが可能となる。よって、接続用領域の表面で発生する余剰の溶融半田が特別領域に保持され易くなる。
特徴L8.前記特別領域は、1個の前記接続用領域の周りに複数設けられていることを特徴とする特徴L7に記載の遊技機。
特徴L8によれば、接続用領域の表面で発生する余剰の溶融半田を退避させるための特別領域が当該接続用領域の周りに複数存在していることにより、当該溶融半田を特別領域に保持させ易くなる。
特徴L9.前記装着部品は、複数の端子が列をなして並んでいる端子列(1列コネクタ782のピン784a〜784dの列、2極コネクタ781のピン784e,784fの列、2列コネクタ783のピン784g〜784pの列、第1作動口用コネクタ955のピン784q,784rの列、第2作動口用コネクタ956のピン784s,784tの列)を備えており、
前記特別領域は、少なくとも前記端子列の一方の端に存在している端子(例えば1列コネクタ782の第4ピン784d)が挿通される前記挿通用孔に対応する前記接続用領域に対して設けられていることを特徴とする特徴L1乃至L8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L9によれば、基板を搬送しながら半田付けを行う場合に付着する溶融半田の量が多くなり易い端子列の端に位置する所定の端子に対応させて特別領域が設けられている。これにより、このような端子列の端に位置する所定の端子周辺から当該所定の端子に隣接する端子に向かって溶融半田が移動してしまう可能性が低減され、結果的に半田ブリッジが形成されてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴L10.前記特別領域は、少なくとも前記端子列の一方の端に存在している端子が挿通される前記挿通用孔に対応する前記接続用領域及び前記端子列の他方の端に存在している端子(例えば1列コネクタ782の第1ピン784a)が挿通される前記挿通用孔に対応する前記接続用領域のそれぞれに対して設けられていることを特徴とする特徴L9に記載の遊技機。
特徴L10によれば、基板を搬送しながら半田付けを行う場合、基板の搬送方向が決定される前の段階で基板の設計を行うことができる。また、半田付けの前に基板の搬送方向を反転させる変更を行っても半田ブリッジの発生確率が低い基板とすることができる。
特徴L11.前記端子列には、接地をするための接地用端子(GNDベタ851と接続するピン784c,784e,784i)を含む3つ以上の端子が設けられており、
前記接地用端子は、前記端子列の端を避けて配置されていることを特徴とする特徴L9又はL10に記載の遊技機。
特徴L11によれば、端子の周りで溶融半田の温度が下がり易い接地用端子が端子列の端に存在していないことにより、当該端子列の端に存在する所定の端子周辺から当該所定の端子に隣接する端子に向かって溶融半田が移動してしまう可能性が低減される。そして、このように溶融半田が移動してしまう可能性が低減されることにより、特別領域として必要な面積が極端に広くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴L12.前記特別領域は、前記端子列において当該端子列の端とは異なる位置に存在している端子(例えば1列コネクタ782の第2ピン784b及び第3ピン784c)が挿通される前記挿通用孔に対応する前記接続用領域に対しては設けられていないことを特徴とする特徴L9乃至L11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L12によれば、端子列の端とは異なる位置に存在している端子に対しては特別領域が設けられていないことにより、基板において特別領域が占める範囲が極端に広くなってしまわないようにすることが可能となる。
なお、特徴L1〜L12の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴M群>
特徴M1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PA)に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口938、第2作動口939)と、
当該始動入球部に入球した遊技球を検知する入球検知手段(第1作動口検知センサ951、第2作動口検知センサ952)と、
当該入球検知手段の検知結果の情報を伝送する伝送手段(第1ハーネス951a、第2ハーネス952a)が電気的に接続される接続手段(第1作動口用コネクタ955、第2作動口用コネクタ956)が設けられた特定基板(主制御基板61)を有する特定制御手段(主制御装置60)と、
を備え、
前記始動入球部として、第1始動入球部(第1作動口938)と、第2始動入球部(第2作動口939)と、を少なくとも備え、
前記入球検知手段として、前記第1始動入球部に入球した遊技球を検知する第1入球検知手段(第1作動口検知センサ951)と、前記第2始動入球部に入球した遊技球を検知する第2入球検知手段(第2作動口検知センサ952)と、を少なくとも備え、
前記伝送手段として、前記第1入球検知手段の検知結果の情報を伝送する第1伝送手段(第1ハーネス951a)と、前記第2入球検知手段の検知結果の情報を伝送する第2伝送手段(第2ハーネス952a)と、を備え、
前記接続手段として、前記第1伝送手段が接続される第1接続手段(第1作動口用コネクタ955)と、前記第2伝送手段が接続される第2接続手段(第2作動口用コネクタ956)と、を備え、
前記第1接続手段及び前記第2接続手段は前記特定基板に対して個別に設けられており、
前記第2接続手段に設けられた接続端子は、第1接続端子(第1ピン784s)及び第2接続端子(第2ピン784t)の2個であり、
前記特定基板は、
前記第1接続端子が挿通されている第1挿通用孔(第1ビアホール793s)と、
前記第2接続端子が挿通されている第2挿通用孔(第2ビアホール793t)と、
前記第1挿通用孔の周りに設けられている第1接続用領域(短絡防止穴761)と、
前記第2挿通用孔の周りに設けられている第2接続用領域(短絡防止穴761)と、
所定の装着部品の所定端子が挿通される所定挿通用孔(ビアホール793)と、
当該所定挿通用孔の周りに設けられている所定接続用領域(接合穴762)と、
を備え、
前記第1挿通用孔に前記第1接続端子が挿通された状態で、前記第1接続端子と前記第1接続用領域とが半田によって電気的に接続されており、
前記第2挿通用孔に前記第2接続端子が挿通された状態で、前記第2接続端子と前記第2接続用領域とが半田によって電気的に接続されており、
前記所定挿通用孔に前記所定端子が挿通された状態で、前記所定端子と前記所定接続用領域とが半田によって電気的に接続されており、
前記遊技領域において前記第1始動入球部は、少なくとも第1操作態様による前記発射操作が行われている場合に発射された遊技球が到達可能な位置に設けられており、
前記遊技領域において前記第2始動入球部は、前記第1操作態様による前記発射操作が行われている場合に発射された遊技球は到達不可又は到達困難な位置であって、第2操作態様による前記発射操作が行われている場合に発射された遊技球が到達可能な位置に設けられており、
前記特定制御手段は、
前記第1入球検知手段にて遊技球が検知されたことに基づいて特別情報(保留情報)を取得する第1取得手段(主側CPU63におけるステップS213の処理を実行する機能)と、
当該第1取得手段が取得した前記特別情報を記憶する第1取得情報記憶手段(第1特図保留エリア、主側CPU63におけるステップS213の処理を実行する機能)と、
前記第2入球検知手段にて遊技球が検知されたことに基づいて特別情報を取得する第2取得手段(主側CPU63におけるステップS213の処理を実行する機能)と、
当該第2取得手段が取得した前記特別情報を記憶する第2取得情報記憶手段(第2特図保留エリア、主側CPU63におけるステップS213の処理を実行する機能)と、
前記第1取得情報記憶手段又は前記第2取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主側CPU63におけるステップS213の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側CPU63におけるステップS213の処理を実行する機能)と、
前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である第1状態、及びそれよりも遊技球が入球し易い第2状態のいずれかに切り換え可能な受入制御手段(主側CPU63におけるステップS214の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記第2状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)と、を有しており、
前記第1取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が前記付与判定の対象となった場合よりも前記第2取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が前記付与判定の対象となった場合の方が、遊技者にとって有利な前記特典が付与される又は付与され易い構成であり、
前記第1接続用領域及び前記第2接続用領域は、前記所定接続用領域よりも面積が広くなるように形成されており、
前記第1接続用領域は、前記第1挿通用孔を基準として前記第2挿通用孔側とは異なる側の面積が大きくなるように形成されており、
前記第2接続用領域は、前記第2挿通用孔を基準として前記第1挿通用孔側とは異なる側の面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、第2始動入球部に入球した場合に行われる付与判定の方が、第1始動入球部に入球した場合に行われる付与判定よりも遊技者に有利であるため、第2始動入球部への遊技球の入球が発生した場合に、遊技者は大きな期待を抱く。第2接続手段の第1接続端子の周りには所定接続用領域よりも面積の広い第1接続用領域が設けられているとともに、第2接続端子の周りには所定接続用領域よりも面積の広い第2接続用領域が設けられている。このため、特定基板の半田付け工程において、第1接続端子及び第2接続端子の間に半田ブリッジが形成されて短絡することを抑制することができる。これにより、接続不良により、第2始動入球部への遊技球の入球が検知されない事態が発生する可能性を低減することができる。期待している遊技者を接続不良で失望させることを回避することができる。
また、第1検知手段を特定基板に接続するための第1接続手段、及び第2検知手段を特定基板に接続するための第2接続手段は特定基板に対して個別に設けられている。不正基板が使用される場合に、当該不正基板を特定基板に接続するために必要な接続箇所を多く設定することにより、遊技ホールにおいて不正を行いにくくすることができる。
特徴M2.前記第1接続用領域及び前記第2接続用領域は、前記第1接続端子と前記第2接続端子とが並んでいる配列方向の方が当該配列方向に対して直交する方向よりも長さ寸法が大きくなるように形成されていることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
特徴M2によれば、特定基板において、第1接続端子及び第2接続端子の配列方向に対して直交する方向における基板設計への影響を抑えながら第1接続用領域及び第2接続用領域を設けることが可能となる。
特徴M3.前記第1接続用領域は、
前記第1挿通用孔の周りに形成されている第1周囲領域(小型短絡防止穴891,921)と、
前記特定基板において前記第1周囲領域の外側に設けられた第1外部領域(大型短絡防止穴892,922)と、
前記第1周囲領域と前記第1外部領域とを連結する第1連結領域(第1通路領域894,924)と、
を備えており、
前記第2接続用領域は、
前記第2挿通用孔の周りに形成されている第2周囲領域(小型短絡防止穴891,921)と、
前記特定基板において前記第2周囲領域の外側に設けられた第2外部領域(大型短絡防止穴892,922)と、
前記第2周囲領域と前記第2外部領域とを連結する第2連結領域(第1通路領域894,924)と、
を備えていることを特徴とする特徴M1又はM2に記載の遊技機。
特徴M3によれば、第1周囲領域に対して第1連結領域を挟んで離間された第1外部領域に溶融半田を分離して保持させることが可能となるとともに、第2周囲領域に対して第2連結領域を挟んで離間された第2外部領域に溶融半田を分離して保持させることが可能となる。これにより、第1周囲領域側及び第2周囲領域側に溶融半田が移動してきてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴M4.前記第1外部領域は、前記第1周囲領域よりも面積が広く、
前記第2外部領域は、前記第2周囲領域よりも面積が広いことを特徴とする特徴M3に記載の遊技機。
特徴M4によれば、第1外部領域は第1周囲領域よりも大きな面積を有しているため、第1周囲領域に溜まる溶融半田は第1外部領域の方へ引き寄せられる。また、第2外部領域は第2周囲領域よりも大きな面積を有しているため、第2周囲領域に溜まる溶融半田は第2外部領域の方へ引き寄せられる。これにより、第1周囲領域側及び第2周囲領域側に溶融半田が移動してきてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴M5.前記第1連結領域は、前記第1外部領域よりも幅が狭く、
前記第2連結領域は、前記第2外部領域よりも幅が狭いことを特徴とする特徴M3又はM4に記載の遊技機。
特徴M5によれば、第1外部領域に保持されている溶融半田が第1連結領域を通じて第1周囲領域に移動してしまう可能性が低減されるとともに、第2外部領域に保持されている溶融半田が第2連結領域を通じて第2周囲領域に移動してしまう可能性が低減される。
なお、特徴M1〜M5の構成に対して、特徴A1〜A41、特徴B1〜B20、特徴C1〜C19、特徴D1〜D7、特徴E1〜E4、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H34、特徴I1〜I11、特徴J1〜J15、特徴K1〜K16、特徴L1〜L12、特徴M1〜M5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴K群、上記特徴L群、及び上記特徴M群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機は、遊技の主たる制御を司る主制御装置や当該主制御装置から受信するコマンドに基づいて演出のための音や光の出力を行う音声発光制御装置などを備えている。これら主制御装置や音声発光制御装置などは、内部に基板を備えており、当該基板は、プリント配線板にICや抵抗などの電子部品やコネクタなどが実装されて構成されている。電子部品やコネクタなどは、半田付けによって、プリント配線板に形成されている配線と電気的に接続された状態で固定されている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、電子部品やコネクタなどをプリント配線板に実装する際の半田付けが好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。