JP6064785B2 - インクジェットインクセット - Google Patents
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Description
〔1〕
カーボンブラックを含むブラックインクと、第1シアン染料を含むシアンインクと、第1マゼンタ染料を含むマゼンタインクと、第1イエロー染料を含むイエローインクと、第2シアン染料、第2マゼンタ染料、及び第2イエロー染料を含むグレーインクと、を備え、
前記シアンインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記マゼンタインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記イエローインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記グレーインクは、65%以上の残存OD値率を有し、かつ、下記式(B)で定義されるグレーインクのOD値が1.40以上2.30未満であり、
前記残存OD値率は、下記式(A)で定義される、
インクジェットインクセット。
式(A):(残存OD値率)=100×(空隙型インク受容層を有する記録媒体におけるDuty100%の単色画像を、23℃、50%RH、オゾン濃度5ppmの環境下で120時間放置した後のOD値)/(前記単色画像の前記放置前のOD値)
式(B):(グレーインクのOD値)=(空隙型インク受容層を有する記録媒体に10mg/inch2のグレーインクを付着させたときのOD値)
〔2〕
前記グレーインクは、さらにブラック染料を含むものである、前項〔1〕に記載のインクジェットインクセット。
〔3〕
前記グレーインクにおいて、前記ブラック染料の含有量CBと、前記第2シアン染料の含有量CC、前記第2マゼンタ染料の含有量CM、及び前記第2イエロー染料の含有量CYの総量とが、下記式(C)の関係を満たすものである、前項〔2〕に記載のインクジェットインクセット。
式(C):[CB]:[CC+CM+CY]=0.05:0.95〜0.20:0.80
〔4〕
前記グレーインクにおいて、前記ブラック染料の含有量CBと、前記第2シアン染料の含有量CC、前記第2マゼンタ染料の含有量CM、及び前記第2イエロー染料の含有量CYの総量とが、下記式(C)の関係を満たすものである、前項〔2〕に記載のインクジェットインクセット。
式(C):[CB]:[CC+CM+CY]=0.05:0.95〜0.15:0.85
〔5〕
前記第2イエロー染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率、前記第2シアン染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率、及び前記第2マゼンタ染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率はいずれも、前記ブラック染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率よりも高い、前項〔2〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
〔6〕
前記ブラック染料は、下記式1で表される化合物、下記式2で表される化合物、下記式3で表される化合物、下記式4で表される化合物、及び下記式5で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、前項〔2〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式1中、R11は、ハロゲン原子、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、R12及びR13はそれぞれ独立に、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、Mは、H、アルカリ金属、NH4を示す。ただし、R12及びR13がいずれもHである場合はない。
)
R21は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C8アルコキシカルボニル基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキル基;又はヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいモノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ基;ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;又はベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
A1は、下記式21又は下記式22で表される一価の置換複素環基であり、
(式21中、R25は、メルカプト基;又はヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表す。)
(式22中、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルスルホニル基;又はベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。)
B1は、置換されていてもよいフェニル基又はナフチル基であり、
B1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;及びベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有し、
Bが置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;及びベンゼン環がメチル基、ニトロ基又は塩素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式3中、A2は下記式31又は32で表される置換基であり、B2は下記式33又は34で表される置換基である。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式31、32中、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式4中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、及びR39は独立して、H、OH、SO3M、PO3M2、COOM、NO2、及びNH2からなる群から選ばれる基を表し、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式5中、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、
それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたCl−C4アルコキシ基;又はC1−C4アルキルカルボニルアミノ基を表し、
Xは2価の架橋基を表し、
Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
〔7〕
前記第2イエロー染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率は、前記第2シアン染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率、及び前記第2マゼンタ染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率のいずれよりも高い、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
〔8〕
前記イエローインクの前記残存OD値率は、前記シアンインク、及び前記マゼンタインクのいずれの前記残存OD値率よりも高い、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
〔9〕
前記第1シアン染料及び前記第2シアン染料の少なくともいずれかは、下記式6で表される化合物、及び下記式7で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式6中、Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、又は金属ハロゲン化物を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、特にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、各々はさらに置換基を有してもよい。)
(式7中、破線で表される環A〜Dは、それぞれ独立にポルフィラジン環に縮環したベンゼン環又は6員環の含窒素複素芳香環を表し、含窒素複素芳香環の個数は平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りはベンゼン環であり、
EはC2−C12アルキレンを表し、
Xは、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、モノC6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキルスルホニル基、及びC1−C6アルキルチオ基よりなる群から選択される1種類又は2種類以上の置換基を有してもよい、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、
Rは水素原子;スルホ基;カルボキシ基;リン酸基;スルファモイル基;カルバモイル基;ヒドロキシ基;C1−C6アルコキシ基;アミノ基;モノC1−C6アルキルアミノ基;ジC1−C6アルキルアミノ基;モノアリールアミノ基;ジアリールアミノ基;C1−C3アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;C1−C6アルキル基;ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子;C1−C6アルキルスルホニル基;又はアルキルチオ基;を表し、
基Fはフェニル基;又は、6員含窒素複素芳香環基;を表し、
aは1以上6以下の整数を表し、
bは平均値で0.00以上3.90未満であり、
cは平均値で0.10以上4.00未満であり、
且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である。)
〔10〕
前記第1マゼンタ染料及び前記第2マゼンタ染料の少なくともいずれかは、下記式8で表される化合物、下記式9で表される化合物、及び下記式10で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式8中、R501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、R508、R509、及びR510は水素原子、アルキル基、スルホ基又はその塩を表し、前記の各アルキル基は置換基を有していてもよい。また、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式9中、X1は、アルキレン基、フェニレン基を含有するアルキレン基、又は下記式91で表される基である。
(式91中、R61は、H又はアルキル基を表す。)
X2は、NH2、OH又はClを表す。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式10中、Mは水素原子、アンモニウム基、又はアルカリ金属原子、X3はジアミノアルキレン基を表し、nは1又は2である。)
〔11〕
前記第1イエロー染料及び前記第2イエロー染料の少なくともいずれかは、下記式11で表される化合物、下記式12で表される化合物、及び下記式13で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、前項〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式11中、X31、X32、Y31、及びY32は水素原子、又はシアノ基を表し、W11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24、及びW25は、それぞれ水素原子、カルボキシル基又はその塩を表し、Mは水素原子、アンモニウム基、又はアルカリ金属原子を表し、t−Buはターシャリーブチル基を表す。)
(式12中、Qはハロゲン原子を表す。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。xは2〜4の整数を表し、yは1〜3の整数を表す。)
(式13中、R71はメトキシ基又はメチル基を表し、A3は1,5−ジスルフォナフト−3−イル又は1,5,7−トリスルフォナフト−2−イルを表す。)
本実施形態のインクジェットインクセットは、カーボンブラックを含むブラックインクと、第1シアン染料を含むシアンインクと、第1マゼンタ染料を含むマゼンタインクと、第1イエロー染料を含むイエローインクと、第2シアン染料、第2マゼンタ染料、及び第2イエロー染料を含むグレーインクと、を備え、
前記シアンインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記マゼンタインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記イエローインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記グレーインクは、65%以上の残存OD値率を有し、かつ、下記式(B)で定義されるグレーインクのOD値が1.40以上2.30未満であり、
前記残存OD値率は、下記式(A)で定義される。なお、下記式(B)において、1inchは2.54cmである。
式(A):(残存OD値率)=100×(空隙型インク受容層を有する記録媒体におけるDuty100%の単色画像を、23℃、50%RH、オゾン濃度5ppmの環境下で120時間放置した後のOD値)/(単色画像の前記放置前のOD値)
式(B):(グレーインクのOD値)=(空隙型インク受容層を有する記録媒体に10mg/inch2のグレーインクを付着させたときのOD値)
本実施形態において「Duty」とは、下式で算出される値をいう。下記式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数をいう。また、「縦解像度」及び「横解像度」はそれぞれ単位長さ当たりの解像度をいう。
(Duty(%))=(実印字ドット数)/(縦解像度×横解像度)×100
(2−1.空隙型インク受容層を有する記録媒体)
本実施形態における前記残存OD値率は、空隙型インク受容層を有する記録媒体に記録されたDuty100%の単色画像で定義される。本実施形態において、「空隙型インク受容層」とは、アルミナ、シリカ等の多孔質無機粒子と水溶性樹脂(バインダー)とを含むインク受容層をいう。
本実施形態において用いることのできる記録媒体は、上記の空隙型インク受容層を有する記録媒体に限定されず、例えば、紙、厚紙、膨潤型インク受容層を有する記録媒体、繊維製品、皮革、シートまたはフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。なお、膨潤型受容層とは、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンあるいはポリエチレンオキサイド等の親水性ポリマー(水溶性樹脂)を主体として構成されるものであり、親水性ポリマーがインクにより膨潤することでインクを受容する。
本実施形態において、無彩色画像とは、特に限定されないが、例えば、L*a*b*空間において、a*値が−10以上10以下の範囲内にあり、かつ、b*値が−10以上10以下の範囲内にある画像であることが好ましく、a*値が−5以上5以下の範囲内にあり、かつ、b*値が−5以上5以下の範囲内にある画像であることがより好ましい。a*値及びb*値が上記範囲であることにより、色相がより優れる無彩色画像を得ることができる。なお、色相は、インクジェットプリンターを用い、記録媒体に記録を行い、得られた記録物に対して、分光光度計(商品名:i1、Xrite製)を用いて測色を行うことで測定することができる。
残存OD値率(以下、「ROD(Remaining Optical Density)」ともいう。)は、空隙型インク受容層を有する記録媒体におけるDuty100%の単色画像を作製し、この単色画像のOD値(以下、「放置前のOD値」という。)と、この単色画像を23℃、50%RH、オゾン濃度5ppmの環境下で120時間放置した後のOD値(以下、「放置後のOD値」という。)とを測定し、それらのOD値から下記式(A)により求めることができる。なお、空隙型インク受容層を有する記録媒体としては、特に限定されず、上記〔2.記録媒体〕で述べたものと同様のものが挙げられる。また、OD値の測定は、反射濃度計(商品名:Spectrolino、Gretag社製)を用いて行なうことができる。
式(A): (残存OD値率)=100×(放置後のOD値)/(放置前のOD値)
ROD(Yellow ink)>ROD(Cyan ink)
ROD(Yellow ink)>ROD(Magenta ink)
ROD(Yellow dye)>ROD(Cyan dye)
ROD(Yellow dye)>ROD(Magenta dye)
式(C):[CB]:[CC+CM+CY]=0.05:0.95〜0.20:0.80
式(C1):[CB]:[CC+CM+CY]=0.05:0.95〜0.15:0.85
ROD(Cyan dye)>ROD(Black dye)
ROD(Magenta dye)>ROD(Black dye)
ROD(Yellow dye)>ROD(Black dye)
本実施形態に係るインクジェットインクセットは、グレーインクを含む。従来、ブラック顔料を含むインクと染料カラーインクとからなるインクセットでは、無彩色画像や無彩色領域を有するカラー画像について、粒状性や発色性に優れた画像を得られにくいという課題がある。
また、所謂シリアル方式のインクジェット印刷を行う場合、記録媒体への染料カラーインクの着弾順序がインクを吐出する記録ヘッドの主走査方向の往路と復路とで逆転する場合がある。そして、カラーインク滴の着弾順序が異なることに起因して、往路で形成した無彩色と復路で形成した無彩色との色相が一様にならない場合がある。これはインク滴の着弾順序によって、記録媒体表面における染料の混合状態が異なるためである。
本実施形態で用いるブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びグレーインクに含めることのできる染料、その他添加剤について以下列記する。
本実施形態に係るインクセットは、カーボンブラックを含むブラックインクを備える。カーボンブラックを含むブラックインクは、発色性に優れ、滲みが抑えられた画像が得られるため、テキスト文書を記録するインクとして好ましい。カーボンブラックの分散形態は、特に限定されず、例えば、表面処理を施したカーボンブラックまたは分散剤を利用したカーボンブラックのいずれであってもよい。
本実施形態に係るシアンインク及びグレーインクは、それぞれ第1シアン染料及び第2シアン染料を含む。第1シアン染料及び第2シアン染料は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて特に限定されず、同一の染料を用いても良いし、異なる染料を用いても良い。第1シアン染料及び第2シアン染料の双方に用いることができる染料として、例えば、以下に列記するシアン染料1〜3を用いることができる。
シアン染料1は、下記式6で表される化合物である。
(式6中、Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、又は金属ハロゲン化物を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、特にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、各々はさらに置換基を有してもよい。)
シアン染料2は、下記式7で表される化合物である。このなかでも後述する環A〜Dのうち1.20が2位及び3位で縮環したピリジン環であり、残り2.80がベンゼン環であるものが好ましい。
(式7中、破線で表される環A〜Dは、それぞれ独立にポルフィラジン環に縮環したベンゼン環又は6員環の含窒素複素芳香環を表し、含窒素複素芳香環の個数は平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りはベンゼン環であり、
EはC2−C12アルキレンを表し、
Xは、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、モノC6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキルスルホニル基、及びC1−C6アルキルチオ基よりなる群から選択される1種類又は2種類以上の置換基を有してもよい、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、
Rは水素原子;スルホ基;カルボキシ基;リン酸基;スルファモイル基;カルバモイル基;ヒドロキシ基;C1−C6アルコキシ基;アミノ基;モノC1−C6アルキルアミノ基;ジC1−C6アルキルアミノ基;モノアリールアミノ基;ジアリールアミノ基;C1−C3アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;C1−C6アルキル基;ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子;C1−C6アルキルスルホニル基;又はアルキルチオ基;を表し、
基Fはフェニル基;又は、6員含窒素複素芳香環基;を表し、
aは1以上6以下の整数を表し、
bは平均値で0.00以上3.90未満であり、
cは平均値で0.10以上4.00未満であり、
且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である。)
される化合物が好ましく挙げられる。
(式7−1中、A1〜A3は、それぞれ上記B〜Dと同様であり、b及びcも上記同様である。)
本実施形態に係るマゼンタインク及びグレーインクは、それぞれ第1マゼンタ染料及び第2マゼンタ染料を含む。第1マゼンタ染料及び第2マゼンタ染料は、本実施形態の趣旨を損なわない限りにおいて特に限定されず、同一の染料を用いてもよいし、異なる染料を用いてもよい。第1マゼンタ染料及び第2マゼンタ染料の双方に用いることができる染料として、例えば、以下に列記するマゼンタ染料1〜3を用いることができる。
マゼンタ染料1は、下記式8で表される化合物である。
(式8中、R501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、R508、R509、及びR510は水素原子、アルキル基、スルホ基又はその塩を表す。R501とR505とがともにアルキル基であるときは、該アルキル基(R501とR505)を構成する炭素数の合計が3以上であることが好ましい。また、R506とR510とがともにアルキル基であるときは、該アルキル基(R506とR510)を構成する炭素数の合計が3以上であることが好ましい。また、前記の各アルキル基は置換基を有していてもよい。また、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
マゼンタ染料2は、下記式9で表される化合物である。
(式9中、X1は、アルキレン基、フェニレン基を含有するアルキレン基、又は下記式91で表される基である。
(式91中、R61は、H又はアルキル基を表す。)
X2は、NH2、OH又はClを表す。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式9−1中、Mは上記同様である。)
マゼンタ染料3は、下記式10で表される化合物である。
(式10中、Mは水素原子、アンモニウム基、又はアルカリ金属原子、X3はジアミノアルキレン基を表し、nは1又は2である。)
(式10−1中、Mは上記同様であり、Na、NH4であることが好ましい。また、Mが
Naである化合物と、MがNH4である化合物との混合物を用いることも好ましい。)
本実施形態に係るイエローインク及びグレーインクは、それぞれ第1イエロー染料及び第2イエロー染料を含む。第1イエロー染料及び第2イエロー染料は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて特に限定されず、同一の染料を用いてもよいし、異なる染料を用いてもよい。第1イエロー染料及び第2イエロー染料の双方に用いることができる染料として、例えば、以下に列記するイエロー染料1〜3を用いることができる。
イエロー染料1は、下記式11で表される化合物である。
(式11中、X31、X32、Y31、及びY32は水素原子、又はシアノ基を表し、W11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24、及びW25は、それぞれ水素原子、カルボキシル基又はその塩を表し、Mは水素原子、アンモニウム基、又はアルカリ金属原子を表し、アルカリ金属が好ましい。t−Buはターシャリーブチル基を表す。)
(式11−1中、Mは上記同様であり、Kであることが好ましい。)
イエロー染料2は、下記式12で表される化合物である。
(式12中、Qはハロゲン原子を表す。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。xは2〜4の整数を表し、yは1〜3の整数を表す。)
(式12−1中、Mは上記同様であり、Naであることが好ましい。)
イエロー染料3は、下記式13で表される化合物である。
(式13中、R71はメトキシ基又はメチル基を表し、A3は1,5−ジスルフォナフト−3−イル又は1,5,7−トリスルフォナフト−2−イルを表す。)
(式13−1中、Mはアルカリ金属を表す。)
本実施形態に係るグレーインクは、ブラック染料を含んでもよい。ブラック染料としては、特に限定されないが、例えば、以下に列記するブラック染料1〜5を用いることができる。
ブラック染料1は、下記式1で表される化合物である。
(式1中、R11は、ハロゲン原子、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、R12及びR13はそれぞれ独立に、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、Mは、H、アルカリ金属、NH4を示す。ただし、R12及びR13がいずれもHである場合はない。
)
(式1−1中、Mは上記同様である。)
ブラック染料2は、下記式2で表される化合物である。
R21は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C8アルコキシカルボニル基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキル基;又はヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいモノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ基;ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;又はベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
A1は、下記式21又は下記式22で表される一価の置換複素環基であり、
(式21中、R25は、メルカプト基;又はヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表す。)
(式22中、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルスルホニル基;又はベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。)
B1は、置換されていてもよいフェニル基又はナフチル基であり、
B1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノ若しくはジC1−C4アルキルア
ミノ基;アセチルアミノ基;及びベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ
基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;よりな
る群から選択される置換基を有し、
Bが置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;及
びベンゼン環がメチル基、ニトロ基又は塩素原子で置換されていてもよいフェニルスルホ
ニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
される化合物が好ましく挙げられる。
(式2−1中、Mは上記同様であり、Liであることが好ましい。)
ブラック染料3は、下記式3で表される化合物である。
(式3中、A2は下記式31又は32で表される置換基であり、B2は下記式33又は34で表される置換基である。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式31、32中、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式3−1中、Mは上記同様であり、Liであることが好ましい。)
ブラック染料4は、下記式4で表される化合物である。
(式4中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、及びR39は独立して、H、OH、SO3M、PO3M2、COOM、NO2、及びNH2からなる群から選ばれる基を表し、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式4−1中、Mは上記同様であり、Liであることが好ましい。)
ブラック染料5は、下記式5で表される化合物である。
(式5中、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたCl−C4アルコキシ基;又はC1−C4アルキルカルボニルアミノ基を表す。これらの中でも、水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、t−ブチル基、2−カルボキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基、2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基が好ましく、水素原子、メチル基、3−スルホプロポキシ基がより好ましい。
Xは2価の架橋基を表す。2価の架橋基としては、特に限定されないが、例えば、C1−C8のアルキレンジアミノ基;フェニレンジアミノ基;ピペラジン−1,4−ジイル基;又はC1−C4アルキル基若しくはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基が好ましい。このなかでも、ピペラジン−1,4−ジイル基がより好ましい。
Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式5−1中、Mは上記同様であり、Liであることが好ましい。)
本実施形態で用いる各インクは、水、湿潤剤、浸透剤、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。本実施形態で用いる各インクは、これらの成分を含有していると、その特性がさらに向上する場合がある。
水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる傾向にある。
湿潤剤を含有することで、インクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥を防止することができる。湿潤剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール;グリセリン;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
浸透剤を含有することで、紙面での乾燥速度を速くすることができる。浸透剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル等のグリコール系エーテルを挙げることができる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
防腐剤・防かび剤としては、特に限定されないが、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
防錆剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)、イミノジコハク酸及びそれらの塩類等が挙げられる。
各インクは、染料、及び必要に応じてその他の添加成分を均一に混合し、フィルタで不溶解物を除去することにより調製することができる。調整方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
本実施形態に係るインクジェットインクセットを用いたインクジェット記録方法では、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びグレーインクを記録媒体に付着させる。インクの記録媒体への付着は、特に限定されず、通常用いられるインクジェット記録装置を用いて行なうことができる。
下記の実施例、比較例、及び参考例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔カーボンブラック〕
・CB1:自己分散型カーボンブラック分散液を使用した(詳細は後述)。
〔シアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料、ブラック染料〕
・C1:上記式7−1において環A〜環Dのうち1.20が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り2.80がベンゼン環のものを使用した(詳細は後述)。
・C2:上記表1の化合物Fを使用した。
・C3:C.I.ダイレクトブルー199を使用した。
・M1:上記式10−1においてMがNaとNH4の混合物を使用した。
・M2:上記式8−2で表される化合物を使用した。
・M3:下記構造式で表される化合物を使用した。
・Y1:上記式12−1においてMがNaのものを使用した。
・Y2:上記式11−1においてMがKのものを使用した。
・Y3:C.I.ダイレクトイエロー173を使用した。
・K1:上記式1−1においてMがLiのものと、MがNaのものを8:2で混合した混合物を使用した。
・K2:上記式2−1においてMがLiのものを使用した。
・K3:上記式5−1においてMがLiのものを使用した。
・K4:上記式3−1においてMがLiのものを使用した。
・K5:下記構造式で表される化合物を使用した。
・K6:C.I.ダイレクトブラック195を使用した。
・K7:C.I.ダイレクトイエロー132を使用した。
〔湿潤剤〕
・プロピレングリコール
・トリエチレングリコール
・グリセリン
〔浸透剤〕
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル
〔pH調整剤〕
・トリエタノールアミン
市販のカーボンブラックであるS170(デグサ社製)20gを水500gに混合して、家庭用ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置のついた3Lのガラス容器に入れ、攪拌機で攪拌しながら、オゾン濃度8質量%のオゾン含有ガスを500mL/分で導入した。この際、オゾン発生器はペルメレックス電極社の電解発生型のオゾナイザーを用いてオゾンを発生させた。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−100(アドバンテック東洋社製)で濾過し、さらに顔料濃度が20質量%になるまで0.1Nの水酸化カリウム溶液を添加しpH9に調整しながら濃縮を行い、自己分散カーボンブラック分散液を調製した。
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後3時間の熟成を行った。得られた樹脂エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液とを添加して固形分40質量%、pH8に調整した。得られた水性エマルジョンにおける樹脂のガラス転移温度は−6℃であった。
(工程1)
下記式における環A〜Dのうち1.20が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り2.80がベンゼン環である化合物(C1)の合成について以下に例示する。
まず、スルホラン375部に、無水フタル酸31.11部、キノリン酸15.04部、尿素108部、塩化銅(II)10.1部、及びモリブデン酸アンモニウム1.5部を加え、200℃まで昇温し、同温度で5時間反応させた。反応終了後65℃まで冷却し、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50部を加え、析出固体を濾過分離した。得られた固体をDMF50部で洗浄し、ウェットケーキA75.1部を得た。得られたウェットケーキAをDMF450部に加え、110℃に昇湿し、同温度で一時間反応させた。析出固体を濾過分離し、水200部で洗浄しウェットケーキBを得た。得られたウェットケーキBを5%塩酸450部中に加え、60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌した。析出固体を濾過分離し、水200部で洗浄しウェットケーキCを得た。得られたウェットケーキCを5%アンモニア水450部中に加え、60℃で1時間撹拌し、析出固体を濾過分離し、水200部で洗浄し、ウェットケーキD78.6部を得た。得られたウェットケーキDを80℃で乾燥し、目的化合物24.9部を青色固体として得た。
(式7−1中、A〜Dは、それぞれ上記同様である。)
上記式で表されるポルフィラジン系化合物[上記式における環A〜Dのうち1.20が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り2.80がベンゼン環である色材C]の合成
下記の表2〜4に示す材料及び組成のブラックインク(Bk−1)、シアンインク(C−1〜C−3)、マゼンタインク(M−1〜M−3)、イエローインク(Y−1〜Y−3)、及びグレーインク(Gy−1〜Gy−14)を調製した。具体的には、各材料を均一に混合し、フィルタで不溶解物を除去することにより、各インクを調製した。なお、下記の表2〜4中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
〔耐オゾン性評価〕
(Duty100%における各インクの耐オゾン性)
表5に示すインクセットのカラーインク及びグレーインクのそれぞれについて、インクジェットプリンターEP−803A(セイコーエプソン社製)を用い、インクジェット専用記録媒体(写真用紙<光沢>:型番KA450PSK(セイコーエプソン株式会社製)、60°光沢度=41)に、Duty100%で印刷を行い単色画像を記録した。また、グレーインクに含まれる各染料を5質量%の水溶液としたインクについても同様に印刷を行った。
ROD(%)=(D/D0)×100
測定条件:光源フィルタなし、光源:D50、視野角2度
表5に示すインクセットのグレーインクについて、インクジェットプリンターEP−803A(セイコーエプソン社製)を用い、インクジェット専用記録媒体(写真用紙<光沢>:型番KA450PSK(セイコーエプソン株式会社製)、60°光沢度=41)に、Duty30%で印刷を行い単色画像を記録した。ただし、比較例1はBk−1を用いた。なお、各インクの付着量はDuty30%とした。
(判定基準)
○:RODが70%以上
△:RODが65%以上70%未満
×:RODが65%未満
(Duty100%における発色性の評価)
実施例及び比較例のインクセットのグレーインクについて、インクジェットプリンターEP−803A(セイコーエプソン社製)を用い、インクジェット専用記録媒体(写真用紙<光沢>:型番KA450PSK(セイコーエプソン株式会社製)、60°光沢度=41)にDuty100%で印刷を行い単色画像を記録した。なお、このときの印刷条件のグレーインクの付着量を測定したところ10mg/inch2であった。
(判定基準)
○:OD(Black成分)が1.60以上、2.30未満
△:OD(Black成分)が1.40以上、1.60未満
×:OD(Black成分)が1.40未満
〔粒状性評価〕
実施例及び比較例のインクセットのグレーインクについて、インクジェットプリンターEP-803A(セイコーエプソン社製)を用い、インクジェット専用記録媒体(写真用紙<光沢>:型番KA450PSK(セイコーエプソン株式会社製)、60°光沢度=41)に複数のDutyで印刷を行った。
(判定基準)
○:Duty30%でも画像のざらつきがない
△:Duty30%だと画像のざらつきが認められるが、Duty50%では画像のざらつきがない
×:Duty50%でも画像のざらつきが認められる
Claims (11)
- カーボンブラックを含むブラックインクと、第1シアン染料を含むシアンインクと、第1マゼンタ染料を含むマゼンタインクと、第1イエロー染料を含むイエローインクと、第2シアン染料、第2マゼンタ染料、及び第2イエロー染料を含むグレーインクと、を備え、
前記シアンインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記マゼンタインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記イエローインクは、65%以上の残存OD値率を有し、
前記グレーインクは、65%以上の残存OD値率を有し、かつ、下記式(B)で定義されるグレーインクのOD値が1.40以上2.30未満であり、
前記残存OD値率は、下記式(A)で定義される、
インクジェットインクセット。
式(A):(残存OD値率)=100×(空隙型インク受容層を有する記録媒体におけるDuty100%の単色画像を、23℃、50%RH、オゾン濃度5ppmの環境下で120時間放置した後のOD値)/(前記単色画像の前記放置前のOD値)
式(B):(グレーインクのOD値)=(空隙型インク受容層を有する記録媒体に10mg/inch2のグレーインクを付着させたときのOD値) - 前記グレーインクは、さらにブラック染料を含むものである、請求項1に記載のインクジェットインクセット。
- 前記グレーインクにおいて、前記ブラック染料の含有量CBと、前記第2シアン染料の含有量CC、前記第2マゼンタ染料の含有量CM、及び前記第2イエロー染料の含有量CYの総量とが、下記式(C)の関係を満たすものである、請求項2に記載のインクジェットインクセット。
式(C):[CB]:[CC+CM+CY]=0.05:0.95〜0.20:0.80 - 前記グレーインクにおいて、前記ブラック染料の含有量CBと、前記第2シアン染料の含有量CC、前記第2マゼンタ染料の含有量CM、及び前記第2イエロー染料の含有量CYの総量とが、下記式(C)の関係を満たすものである、請求項2に記載のインクジェットインクセット。
式(C):[CB]:[CC+CM+CY]=0.05:0.95〜0.15:0.85 - 前記第2イエロー染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率、前記第2シアン染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率、及び前記第2マゼンタ染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率はいずれも、前記ブラック染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率よりも高い、請求項2〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
- 前記ブラック染料は、下記式1で表される化合物、下記式2で表される化合物、下記式3で表される化合物、下記式4で表される化合物、及び下記式5で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式1中、R11は、ハロゲン原子、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、R12及びR13はそれぞれ独立に、H、SO3M、COOMのいずれかを示し、Mは、H、アルカリ金属、NH4を示す。ただし、R12及びR13がいずれもHである場合はない。
)
R21は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C8アルコキシカルボニル基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキル基;又はヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいモノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ基;ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;又はベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表し、
A1は、下記式21又は下記式22で表される一価の置換複素環基であり、
(式21中、R25は、メルカプト基;又はヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表す。)
(式22中、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいC1−C4アルキルスルホニル基;又はベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。)
B1は、置換されていてもよいフェニル基又はナフチル基であり、
B1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;アミノ基;モノ若しくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;及びベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基若しくはカルボキシ基で置換されていてもよいベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有し、
Bが置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;及びベンゼン環がメチル基、ニトロ基又は塩素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式3中、A2は下記式31又は32で表される置換基であり、B2は下記式33又は34で表される置換基である。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式31、32中、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式4中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、及びR39は独立して、H、OH、SO3M、PO3M2、COOM、NO2、及びNH2からなる群から選ばれる基を表し、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式5中、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、
それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたCl−C4アルコキシ基;又はC1−C4アルキルカルボニルアミノ基を表し、
Xは2価の架橋基を表し、
Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。) - 前記第2イエロー染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率は、前記第2シアン染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率、及び前記第2マゼンタ染料を5質量%で含有する水溶液の前記残存OD値率のいずれよりも高い、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
- 前記イエローインクの前記残存OD値率は、前記シアンインク、及び前記マゼンタインクのいずれの前記残存OD値率よりも高い、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
- 前記第1シアン染料及び前記第2シアン染料の少なくともいずれかは、下記式6で表される化合物、及び下記式7で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式6中、Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、又は金属ハロゲン化物を表し、Z1〜Z4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、特にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、各々はさらに置換基を有してもよい。)
(式7中、破線で表される環A〜Dは、それぞれ独立にポルフィラジン環に縮環したベンゼン環又は6員環の含窒素複素芳香環を表し、含窒素複素芳香環の個数は平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りはベンゼン環であり、
EはC2−C12アルキレンを表し、
Xは、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、モノC6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキルスルホニル基、及びC1−C6アルキルチオ基よりなる群から選択される1種類又は2種類以上の置換基を有してもよい、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、
Rは水素原子;スルホ基;カルボキシ基;リン酸基;スルファモイル基;カルバモイル基;ヒドロキシ基;C1−C6アルコキシ基;アミノ基;モノC1−C6アルキルアミノ基;ジC1−C6アルキルアミノ基;モノアリールアミノ基;ジアリールアミノ基;C1−C3アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;C1−C6アルキル基;ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子;C1−C6アルキルスルホニル基;又はアルキルチオ基;を表し、
基Fはフェニル基;又は、6員含窒素複素芳香環基;を表し、
aは1以上6以下の整数を表し、
bは平均値で0.00以上3.90未満であり、
cは平均値で0.10以上4.00未満であり、
且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である。) - 前記第1マゼンタ染料及び前記第2マゼンタ染料の少なくともいずれかは、下記式8で表される化合物、下記式9で表される化合物、及び下記式10で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式8中、R501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、R508、R509、及びR510は水素原子、アルキル基、スルホ基又はその塩を表し、前記の各アルキル基は置換基を有していてもよい。また、Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式9中、X1は、アルキレン基、フェニレン基を含有するアルキレン基、又は下記式91で表される基である。
(式91中、R61は、H又はアルキル基を表す。)
X2は、NH2、OH又はClを表す。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。)
(式10中、Mは水素原子、アンモニウム基、又はアルカリ金属原子、X3はジアミノアルキレン基を表し、nは1又は2である。) - 前記第1イエロー染料及び前記第2イエロー染料の少なくともいずれかは、下記式11で表される化合物、下記式12で表される化合物、及び下記式13で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
(式11中、X31、X32、Y31、及びY32は水素原子、又はシアノ基を表し、W11、W12、W13、W14、W15、W21、W22、W23、W24、及びW25は、それぞれ水素原子、カルボキシル基又はその塩を表し、Mは水素原子、アンモニウム基、又はアルカリ金属原子を表し、t−Buはターシャリーブチル基を表す。)
(式12中、Qはハロゲン原子を表す。Mは、H、アルカリ金属、NH4を表す。xは2〜4の整数を表し、yは1〜3の整数を表す。)
(式13中、R71はメトキシ基又はメチル基を表し、A3は1,5−ジスルフォナフト−3−イル又は1,5,7−トリスルフォナフト−2−イルを表す。)
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