ここで、コントロールバルブ内には、複数のスプール及びこれらに接続される複数の油路が設けられている。そのため、各油路及びこれらに接続される複数の油圧チューブを整然に配置すべく、各油圧チューブを接続するためにコントロールバルブに形成された複数のポートは、コントロールバルブの外表面の規定の範囲に集中して配置されている。その反面、コントロールバルブを持ち上げるための係止孔は、各ポート及び各油路との干渉を避けるべく、各ポートから離間した位置に配置される。
したがって、特許文献1に記載の建設機械では、保持ブラケットとこれに保持される油圧チューブとの間の距離が長くなり、保持ブラケットが大型化するという問題がある。
本発明の目的は、コントロールバルブに対して油圧配管を保持するための構造の小型化を図ることができる建設機械を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、建設機械であって、少なくとも1つの油圧アクチュエータと、複数の油圧配管の各々を接続するための複数のポートを有するとともに、前記油圧アクチュエータに対する作動油の給排を調整するためのコントロールバルブと、前記複数のポートのうちの接続ポートに接続された接続油圧配管と、前記複数のポートのうちの閉鎖対象となる閉鎖ポートを閉鎖するように、前記コントロールバルブに取り付けられた閉鎖部材と、を備え、前記閉鎖部材は、前記閉鎖ポートを閉鎖するための閉鎖部材本体と、前記閉鎖部材本体に設けられて前記接続油圧配管を保持する保持部とを有し、前記閉鎖ポート及び前記接続ポートは、前記コントロールバルブの外表面のうち同じ方向を向く外表面にそれぞれ形成され、前記閉鎖ポート及び前記接続ポートが形成された前記コントロールバルブの外表面と直交する視点において、前記接続油圧配管の前記接続ポートから前記保持部までの部分は、前記閉鎖ポートと前記接続ポートとを結ぶ線と直交する方向において前記閉鎖部材本体の範囲内に収まっている、建設機械を提供する。
本発明では、コントロールバルブに形成された複数のポートのうちの1つのポート(閉鎖ポート)が接続油圧配管を保持する閉鎖部材の取付位置として利用されている。そのため、従来のように複数のポートとの干渉を避けるように当該複数のポートとは別にコントロールバルブに形成された係止孔を保持ブラケットの取付位置として利用する場合と比較して、油圧配管を保持する部材の取付位置と保持すべき油圧配管との位置を近づけることができる。
したがって、本発明によれば、コントロールバルブに対して油圧配管を保持するための構造の小型化を図ることができる。
なお、本発明において『複数のポートのうちの閉鎖対象となる閉鎖ポート』は、例えば、特定の仕様の建設機械において閉鎖せずに使用されることが想定されたポートであって、別の仕様の建設機械において閉鎖する対象となるポートを意味する。
前記建設機械において、前記閉鎖部材の保持部は、前記閉鎖部材本体に対して着脱可能であることが好ましい。
この態様では、閉鎖部材本体に対して保持部が着脱可能である。したがって、複数のポートに必要な部材(例えば、油圧配管及び閉鎖部材本体)を取り付けた後に、閉鎖部材本体に対して保持部を取り付けることができる。そのため、閉鎖部材本体に対して保持部が固定されている場合と異なり、前記必要な部材の取付作業の過程で保持部が邪魔になるのを回避することができる。
さらに、前記態様では、接続油圧配管をコントロールバルブから取り外す必要がある場合(例えば、メンテナンスを行なう場合)に、閉鎖部材の全体を取り外すことなく、保持部のみを取り外すことにより接続油圧配管を取り外すことができる。したがって、メンテナンス作業の効率化も図ることができる。
前記建設機械において、規定の1つの油圧アクチュエータに対して作動油を給排するために前記コントロールバルブに形成された隣接する2つの給排ポートのうち、一方のポートは、前記閉鎖ポートを定義するとともに、他方のポートは、前記接続ポートを定義することが好ましい。
この態様では、共通の1つの油圧アクチュエータへの作動油の給排を想定して形成された隣接する2つの給排ポートのうちの一方が接続ポートを定義し、他方のポートが閉鎖ポートを定義する。つまり、隣接する2つの給排ポートのうちの一方に接続された接続油圧配管を他方のポートに取り付けられた閉鎖部材によって保持する。これにより、2つの給排ポート以外のポートに接続された油圧配管との干渉を避けながら狭いスペースで接続油圧配管を保持することができ、閉鎖部材をより小型化することができる。
前記建設機械において、前記コントロールバルブには、前記閉鎖ポートと前記コントロールバルブ内で連通するとともに、前記閉鎖ポートと異なる位置で開口する迂回ポートが形成され、前記迂回ポートに接続されるように前記コントロールバルブの外表面に固定されているとともに、前記油圧アクチュエータと前記コントロールバルブとの間の油路を切換可能な切換弁をさらに備えていることが好ましい。
この態様では、迂回ポートを介してコントロールバルブに接続された切換弁によって、油圧アクチュエータとコントロールバルブとの間の油路を切換可能である。ここで、迂回ポートは、コントロールバルブにおいて閉鎖ポートと異なる位置で開口するため、コントロールバルブの外表面において複数のポートが密集した範囲から外れた位置に切換弁を配置することができる。
前記建設機械において、前記迂回ポートは、前記閉鎖ポート及び前記接続ポートが形成された前記コントロールバルブの外表面とは異なる方向に向くコントロールバルブの外表面に形成され、前記切換弁は、前記迂回ポートが形成されたコントロールバルブの外表面に取り付けられていることが好ましい。
この態様では、閉鎖ポート及び接続ポートが形成されたコントロールバルブの外表面とは異なる方向に向くコントロールバルブの外表面に迂回ポートが設けられている。そのため、閉鎖ポートに取り付けられた閉鎖部材及び接続ポートに接続された接続油圧配管に対する干渉を避けながら、切換弁をコントロールバルブの外表面に取り付けることができる。
前記建設機械において、前記油圧アクチュエータと前記切換弁との間に設けられた迂回油圧配管をさらに備え、前記迂回ポートは、前記油圧アクチュエータ側に向く前記コントロールバルブの外表面に形成され、前記閉鎖ポート及び前記接続ポートは、前記迂回ポートが形成された外表面と隣接する前記コントロールバルブの外表面における前記油圧アクチュエータに近い側の縁部にそれぞれ形成されていることが好ましい。
この態様では、上述のように、閉鎖部材及び接続油圧配管に対する干渉を避けて切換弁を配置しつつ、迂回油圧配管及び接続油圧配管の配索経路の短縮を図ることができる。具体的に、切換弁(迂回ポート)は、油圧アクチュエータ側に向くコントロールバルブの外表面に設けられている。これにより、切換弁と油圧アクチュエータの距離を縮めることができるため、迂回油圧配管の配索経路を短縮することができる。さらに、閉鎖ポート及び接続ポートは、迂回ポートが形成された外表面と隣接するコントロールバルブの外表面における油圧アクチュエータに違い側の縁部にそれぞれ形成されている。これにより、迂回ポートが形成された外表面と隣接するコントロールバルブの外表面のうち、油圧アクチュエータに近い位置に閉鎖ポート及び接続ポートを配置することができる。そのため、接続油圧配管が大回りするのを抑制し、接続油圧配管の配索経路も短縮することができる。
前記建設機械において、前記切換弁は、前記油圧アクチュエータからの戻り油を前記コントロールバルブ内に戻す第1位置と、前記戻り油をタンクに直接戻す第2位置との間で切換可能であることが好ましい。
この態様では、切換弁が第1位置と第2位置との間で切換可能である。そのため、比較的に圧力変動(脈動)の大きな戻り油を導出する油圧アクチュエータと、比較的に圧力変動の小さな戻り油を導出する油圧アクチュエータとを切り換えて使用する場合に、コントロールバルブを含む油圧機器を保護することができる。具体的に、比較的に圧力変動の大きな戻り油を導出する油圧アクチュエータ(例えば、破砕機(breaker)用のアクチュエータ)を使用する場合に、切換弁を第2位置に切り換えることにより、戻り油がコントロールバルブを含む油圧機器に導かれるのを防止することができる。一方、比較的に圧力変動の小さな戻り油を導出する油圧アクチュエータ(例えば、油圧シリンダ)を使用する場合に、切換弁を第1位置に切り換えることにより、戻り油をコントロールバルブに戻してコントロールバルブによるメータアウト制御を行なうことができる。
本発明によれば、コントロールバルブに対して油圧配管を保持するための構造の小型化を図ることができる。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1を参照して、本実施形態に係る建設機械1は、クローラ2aを有する下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に対して起伏可能に設けられた作業アタッチメント4とを備えている。なお、上部旋回体3に設けられたキャブ42内で着座したオペレータの前後左右方向を用いて、以下説明する。
作業アタッチメント4は、上部旋回体3に対して揺動可能に取り付けられた基端部を有するブーム5と、ブーム5の先端部に対して揺動可能に取り付けられた基端部を有するアーム6と、アーム6の先端部に対して揺動可能に取り付けられた作業機とを備えている。本実施形態に係る作業機は、圧砕機(crusher)7、破砕機(breaker)8、及び図外のバケットのなかから選択されたものである。つまり、本実施形態に係る建設機械1は、圧砕機7と、破砕機8と、バケットとを付け替えて使用可能なものである。
また、作業アタッチメントは、上部旋回体3に対してブーム5を起伏させるブームシリンダ9と、ブーム5に対してアーム6を揺動させるアームシリンダ10と、アーム6に対して作業機を揺動させる作業機シリンダ11とを備えている。
圧砕機7は、対象物を挟持し、及び/又は、対象物を破断するためのものである。具体的に、圧砕機7は、アーム6の先端部に揺動可能に取り付けられた圧砕機本体7aと、圧砕機本体7aに対して回動可能に取り付けられた一対の回動刃7bと、回動刃7bの各々と圧砕機本体7aとの間に設けられた一対の圧砕機用シリンダ7cとを備えている。各圧砕機用シリンダ7cが伸張することにより各回動刃7bの先端部が互いに近接する一方、各圧砕機用シリンダ7cが縮小することにより各回動刃7bの先端部が互いに離間する。
破砕機8は、対象物に振動を与えることにより、当該対象物を破砕するためのものである。具体的に、破砕機8は、アーム6の先端部に揺動可能に取り付けられた破砕機本体8aと、破砕機本体8aに対して振動可能に取り付けられたチゼル8bと、破砕機本体8aに対してチゼル8bを振動させるための破砕機用アクチュエータ8c(図3参照)とを備えている。破砕機用アクチュエータ8cは、作動油を供給することにより、チゼル8bから離間した位置とチゼル8bに衝突した位置との間で破砕機本体8aに対して変位可能な図外のピストンを有する。チゼル8bとピストンとは、衝突と離間とを繰り返すため、破砕機用アクチュエータ8cから導出される戻り油の圧力変動(脈動)は、圧砕機用シリンダ7cの戻り油の圧力変動に比べて大きい。
図1〜図4を参照して、上部旋回体3は、下部走行体2上に旋回可能に設けられたアッパーフレーム14と、前後方向に延びるとともに左右方向に並ぶようにアッパーフレーム14上に立設された一対の縦板15A、15Bと、各縦板15A、15Bの左側でアッパーフレーム14の前部に設けられたキャブ42と、下部走行体2に対して上部旋回体3を旋回させるための旋回モータ16(図2参照)と、圧砕機用シリンダ7c又は破砕機用アクチュエータ8c(以下、油圧アクチュエータ7c、8cという)に作動油を供給する油圧ポンプ17(図3参照)と、油圧アクチュエータ7c、8cに対する作動油の給排を調整するためのコントロールバルブ18と、コントロールバルブ18の給排スプール24(図3参照)を操作するための操作レバー19と、油圧アクチュエータ7c、8cとコントロールバルブ18との間の油路を切り換えるための切換弁20と、切換弁20に対して切換信号を出力するスイッチ21と、コントロールバルブ18の外表面に取り付けられた閉鎖プラグ(閉鎖部材)22及び接手40(図4参照)と、接手40に接続された接続油圧配管41A(図4参照)と、切換弁20に接続された迂回油圧配管41B(図4参照)と、コントロールバルブ18から導出された作動油を冷却するオイルクーラ(冷却器)45(図3参照)と、を備えている。
まず、図3を参照して、油圧アクチュエータ7c、8cの駆動系について説明する。
油圧ポンプ17から吐出された作動油は、コントロールバルブ18に導入される。油圧アクチュエータ7c、8cに対する作動油の給排は、コントロールバルブ18の給排スプール24によって調整される。具体的に、給排スプール24は、油圧アクチュエータ7c、8cに対する作動油の給排を停止する中立位置Aと、圧砕機用シリンダ7cを伸張させる方向に作動油を導く切換位置Bと、圧砕機用シリンダ7cを縮小させる方向に作動油を導く切換位置Cと、の間で切換可能である。また、給排スプール24は、通常中立位置Aに付勢されているとともに、操作レバー19の操作量に応じて供給されるパイロット圧により切換位置B又は切換位置Cへ操作される。
給排スプール24の一方のポートは、コントロールバルブ18の接続ポート25及び接続油圧配管41Aを介して油圧アクチュエータ7c、8cに接続されている。給排スプール24のもう一方のポートは、迂回ポート27、切換弁20、及び迂回油圧配管41Bを介して油圧アクチュエータ7c、8cに接続されている。なお、コントロールバルブ18内で迂回ポート27に接続されたコントロールバルブ18の閉鎖ポート26は、後述する閉鎖プラグ22によって閉鎖されている。また、破砕機用アクチュエータ8cを使用する場合、破砕機用アクチュエータ8cの供給側ポートが接続油圧配管41Aに接続されるとともに、破砕機用アクチュエータ8cの導出側ポートが迂回油圧配管41Bに接続される。
切換弁20は、油圧アクチュエータ7c、8cからの戻り油をコントロールバルブ18内に戻す第1位置Dと、戻り油をタンクTに直接戻す第2位置Eとの間で切換可能である。切換弁20は、通常第1位置Dに付勢されているとともに、スイッチ21からの指令(電気信号)に応じて第2位置Eに切り換えられる。具体的に、比較的に圧力変動の小さい戻り油を導出する圧砕機用シリンダ7cを使用する場合には、第1位置Dが選択される。第1位置Dが選択されると、圧砕機用シリンダ7cからの戻り油は、コントロールバルブ18及びオイルクーラ45を介してタンクTに導かれる。一方、比較的に圧力変動が大きい戻り油を導出する破砕機用アクチュエータ8cを使用する場合には、第2位置Eが選択される。これにより、圧力変動の大きい戻り油がコントロールバルブ18を含む油圧機器(オイルクーラ45等)に導入されるのを防止することにより、コントロールバルブ18を含む油圧機器を保護することができる。なお、図3において、切換弁20の第1位置Dには、上向きの矢印が図示されているが、この矢印は、油圧アクチュエータ7c、8cに供給する方向、及び、コントロールバルブ18に戻る方向の双方向に作動油が流れることを意味する。
次に、図2を参照して、建設機械1におけるコントロールバルブ18の配置を説明する。
図2に示されるように、一対の縦板15A、15Bの前部には、作業アタッチメント4(ブーム5)の基端部が左右方向に沿った軸回りに揺動可能に支持されている。各縦板15A、15Bの間には、作業アタッチメント4の支持位置よりも後方に、旋回モータ16及びコントロールバルブ18が設けられている。具体的に、コントロールバルブ18は、旋回モータ16の後方に設けられている。
以下、図4を参照して、コントロールバルブ18及びそれに接続された構成について説明する。
コントロールバルブ18は、複数の油圧配管の各々を接続するための複数のポート23aを有するバルブブロック23と、バルブブロック23内に設けられた前記給排スプール24(図3参照)と、前記複数のポート23aとは別にバルブブロック23に形成された前記迂回ポート27(図3参照)とを備えている。バルブブロック23は、前後左右の各方向に向く側面を有するブロック体である。複数のポート23aは、バルブブロック23の右側面及び左側面(図3では左側面のみを示す)に集中配置されている。また、各ポート23aは、ブームシリンダ9、アームシリンダ10、作業機シリンダ11、旋回モータ16、各圧砕機用シリンダ7c、及び破砕機用アクチュエータ8cにそれぞれ接続される複数の油圧配管を接続するためのものである。
図4及び図5に示すように、各ポート23aは、上述した接続ポート25及び閉鎖ポート26(図3参照)を含む。接続ポート25及び閉鎖ポート26は、規定の1つの油圧アクチュエータ(例えば、圧砕機用シリンダ7c)に対する作動油の給排を想定してコントロールバルブ18に形成された互いに隣接する給排ポートである。しかし、本実施形態では、上述のように、油圧アクチュエータ7c、8cを切り替えて使用するために、閉鎖ポート26は、後述する閉鎖プラグ22によって閉鎖されている。また、接続ポート25及び閉鎖ポート26は、コントロールバルブ18(バルブブロック23)に互いに隣接して形成されている。具体的に、接続ポート25及び閉鎖ポート26は、バルブブロック23の左側面における油圧アクチュエータ7c、8c側の縁部(前側の縁部)にそれぞれ形成されている。
より詳細に説明すると、接続ポート25及び閉鎖ポート26は、バルブブロック23の左側面における前側の縁部に沿って上下に並んで形成されている。接続ポート25は、バルブブロック23の左側面に形成された各ポート23aのうち、最前の位置(接手40が接続された位置)に設けられている。同様に、閉鎖ポート26は、バルブブロック23の左側面に形成された各ポート23aのうち、最前の位置(閉鎖プラグ22が取り付けられた位置)に設けられている。また、接続ポート25には、接手40を介して接続油圧配管41Aが接続されている。一方、閉鎖ポート26は、コントロールバルブ18の左側面に取り付けられた閉鎖プラグ22によって閉鎖されている。
迂回ポート27は、閉鎖ポート26とコントロールバルブ18内で連通するとともに、閉鎖ポート26と異なる位置で開口する。具体的に、図4に示すように、迂回ポート27は、油圧アクチュエータ7c、8c側に向くバルブブロック23の前側面における切換弁20によって覆われた位置に形成されている。つまり、迂回ポート27は、接続ポート25及び閉鎖ポート26が形成されたバルブブロック23の外表面(左側面)と隣接する外表面(前側面)に形成されている。
切換弁20は、迂回ポート27に接続されるようにバルブブロック23の前面に取り付けられたバルブブロック28と、バルブブロック28内に設けられた前記切換スプール29とを備えている。バルブブロック28には、油圧アクチュエータ7c、8cに接続される迂回油圧配管41Bが接続されている。具体的に、迂回油圧配管41Bは、バルブブロック28の左側面から前方に向けて配索されている。
以下、図5〜図8を参照して、閉鎖プラグ22について説明する。
閉鎖プラグ22は、プラグ本体(閉鎖部材本体)30と、接続油圧配管41Aの途中部を保持する保持部材(保持部)31と、保持部材31をプラグ本体30に取り付けるための2本のボルト32とを備えている。
プラグ本体30は、閉鎖ポート26を閉鎖するようにコントロールバルブ18に取り付けられている。具体的に、プラグ本体30には、左右方向に貫通する4つの挿通穴30aが形成されている。各挿通穴30aにそれぞれ挿通された4本のボルト39をバルブブロック28に螺合することによって、プラグ本体30は、バルブブロック28の左側面に固定される。また、プラグ本体30には、上からボルト32を螺合可能な2つの雌ねじ30bが形成されている。
保持部材31は、プラグ本体30に対して着脱可能である。具体的に、保持部材31は、プラグ本体30に取り付けられる取付板34と、取付板34に固定された保持板35と、保持板35との間で接続油圧配管41Aを挟持する挟持片36と、保持板35と挟持片36との間隔を調整するためのボルト37及びナット38とを備えている。取付板34には、上下方向に貫通する2つの挿通穴(図示せず)が形成されている。各挿通穴に上から挿入されたボルト32を前記プラグ本体30の雌ねじ30bに螺合することによって、取付板34をプラグ本体30に着脱可能に取り付けることができる。保持板35は、短辺部と長辺部とを有する平面視でL字型の板部材であり、取付板34に固定されている。具体的に、長辺部の一部及び短辺部に相当する保持板35の上面が取付板34の下面に溶接されている。保持板35の長辺部には、ボルト37を相通するための挿通穴(図示せず)が形成されている。挟持片36は、保持板35の長辺部の前方に配置されているとともに、ボルト37及びナット38によって保持板35の長辺部に対して接離可能に取り付けられている。具体的に、ボルト37は、挟持片36及び保持板35の長辺部を前から貫通し、保持板35の長辺部の後ろに配置されたナット38と螺合可能である。
接続油圧配管41Aは、前記保持部材31を基準として油圧アクチュエータ7c、8c側に屈曲した状態で保持部材31に保持されている。具体的に、接続油圧配管41Aは、前記保持部材31の挟持片36と保持板35との間で前後方向に挟持されているとともに、この保持位置を基準として前方に屈曲している。
以上説明したように、前記実施機形態では、コントロールバルブ18に形成された複数のポート23aのうちの1つのポート(閉鎖ポート26)が接続油圧配管41Aを保持する閉鎖プラグ22の取付位置として利用されている。そのため、従来のように複数のポートとの干渉を避けるように当該複数のポートとは別にコントロールバルブに形成された係止孔を保持ブラケットの取付位置として利用する場合と比較して、油圧配管を保持する部材の取付位置と保持すべき油圧配管との位置を近づけることができる。
したがって、前記実施形態によれば、コントロールバルブ18に対して油圧配管を保持するための構造(閉鎖プラグ)の小型化を図ることができる。
前記実施形態では、プラグ本体30に対して保持部材31が着脱可能である。したがって、複数のポート23aに必要な部材(例えば、接続油圧配管41A及びプラグ本体30)を取り付けた後に、プラグ本体30に対して保持部材31を取り付けることができる。そのため、プラグ本体30に対して保持部材31が固定されている場合と異なり、前記必要な部材の取付作業の過程で保持部材31が邪魔になるのを回避することができる。
さらに、前記実施形態では、接続油圧配管41Aをコントロールバルブ18から取り外す必要がある場合(例えば、メンテナンスを行なう場合)に、閉鎖プラグ22の全体を取り外すことなく、保持部材31のみを取り外すことにより接続油圧配管41Aを取り外すことができる。したがって、メンテナンス作業の効率化も図ることができる。
前記実施形態では、共通の1つの油圧アクチュエータ(例えば、圧砕機用シリンダ7c)への作動油の給排を想定して形成された隣接する2つの給排ポートのうちの一方のポートが接続ポート25を定義し、他方のポートが閉鎖ポート26を定義する。つまり、隣接する2つの給排ポートのうちの一方に接続された接続油圧配管41Aを他方のポート23aに取り付けられた閉鎖プラグ22によって保持する。これにより、2つの給排ポート以外のポート23aに接続された油圧配管との干渉を避けながら狭いスペースで接続油圧配管41Aを保持することができ、閉鎖プラグ22をより小型化することができる。
前記実施形態では、迂回ポート27を介してコントロールバルブ18に接続された切換弁20によって、油圧アクチュエータ7c、8cとコントロールバルブ18との間の油路を切換可能である。ここで、迂回ポート27は、コントロールバルブ18において閉鎖ポート26と異なる位置で開口するため、コントロールバルブ18の外表面において複数のポート23aが密集した範囲から外れた位置に切換弁を配置することができる。
前記実施形態では、閉鎖ポート26及び接続ポート25が形成されたコントロールバルブ18の外表面(左側面)とは異なる方向に向くコントロールバルブ18の外表面(前面)に迂回ポート27が設けられている。そのため、閉鎖ポート26に取り付けられた閉鎖プラグ22及び接続ポート25に接続された接続油圧配管41Aに対する干渉を避けながら、切換弁20をコントロールバルブ18の外表面に取り付けることができる。
前記実施形態では、上述のように、閉鎖プラグ22及び接続油圧配管41Aに対する干渉を避けて切換弁20を配置しつつ、迂回油圧配管41B及び接続油圧配管41Aの配索経路の短縮を図ることができる。具体的に、切換弁20(迂回ポート27)は、油圧アクチュエータ7c、8c側に向くコントロールバルブ18の外表面(前面)に設けられている。これにより、切換弁20と油圧アクチュエータ7c、8cの距離を縮めることができるため、迂回油圧配管41Bの配索経路を短縮することができる。さらに、閉鎖ポート26及び接続ポート25は、迂回ポート27が形成された外表面と隣接するコントロールバルブの外表面(左側面)における油圧アクチュエータ7c、8cに違い側(前側)の縁部にそれぞれ形成されている。これにより、迂回ポート27が形成された外表面と隣接するコントロールバルブ18の外表面のうち、油圧アクチュエータ7c、8cに近い位置に閉鎖ポート26及び接続ポート25を配置することができる。そのため、接続油圧配管41Aが大回りするのを抑制し、接続油圧配管41Aの配索経路も短縮することができる。
前記実施形態では、切換弁20が第1位置と第2位置との間で切換可能である。そのため、比較的に圧力変動(脈動)の大きな戻り油を導出する破砕機用アクチュエータ8cと、比較的に圧力変動の小さな戻り油を導出する圧砕機用シリンダ7cとを切り換えて使用する場合に、コントロールバルブ18を含む油圧機器(オイルクーラ45等)を保護することができる。具体的に、比較的に圧力変動の大きな戻り油を導出する破砕機用アクチュエータ8cを使用する場合に、切換弁20を第2位置Eに切り換えることにより、戻り油がコントロールバルブ18を含む油圧機器に導かれるのを防止することができる。一方、比較的に圧力変動の小さな戻り油を導出する圧砕機用シリンダ7cを使用する場合に、切換弁20を第1位置Dに切り換えることにより、戻り油をコントロールバルブ18に戻してコントロールバルブ18によるメータアウト制御を行なうことができる。
なお、前記実施形態に係る閉鎖プラグ22は、プラグ本体30に対して着脱可能な保持部材31を有するが、接続油圧配管を保持する保持部がプラグ本体に固定されていてもよい。
具体的に、図9に示す変形例に係る閉鎖プラグ43は、前記実施機形態に係るプラグ本体30及び保持部材31に代えて、プラグ本体44を有している。プラグ本体44は、閉鎖ポート26を閉鎖するための閉鎖部44aと、閉鎖部44aから左側に向けて突出する突出部44bとを備えている。つまり、閉鎖部44aと突出部44bとが固定されている。
閉鎖プラグ43においても、ボルト37とナット38(図示せず)との締付具合を調整することにより、突出部44bと押圧片36との前後方向の間隔を調整することができる。そして、突出部44bと押圧片36との間で接続油圧配管41Aを保持することができる。
なお、前記実施形態に係る接続油圧配管41Aは、接手40を介して接続ポート25に接続されているが、接手40を介さずに接続ポート25に接続してもよい。つまり、接続油圧配管41Aは、直接又は間接的に接続ポート25に接続されていればよい。