JP6062065B2 - 過敏性腸症候群を治療するためのアルピニア種抽出物 - Google Patents

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Description

本開示は、過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)の治療に関する。より詳細には、本開示発明は、IBSの治療における薬剤としての、アルピニア種(Alpinia spp.)から得られる抽出物の使用に関する。
過敏性腸症候群(IBS)は、容易に測定される生理学的異常とあまり関連づけられていない一般的な機能性消化管障害である。IBSの症候は、腸管の運動反応性の量的差の結果、及び刺激又は自発性収縮に対する感受性の増大である。したがって、IBSは、けいれん性腸症候群(bowl syndrome)、粘液性腸症候群又は神経性腸症候群とも呼ばれるが、IBSをけいれん性大腸炎や潰よう性大腸炎(例えば、クローン病)と混同してはならない。基本的な神経腸病学的(neuroenterological)機序、並びに脳−腸軸における努力(efforts)及び伝達物質の役割の理解の進歩にもかかわらず、IBSの信頼できる生物学的マーカーはまだ特定されていない。
産業界向けのガイダンス(非特許文献1)によれば、2つの主要なIBSの徴候及び症候は、異常排便及び腹痛である。したがって、化合物又は組成物が両方のIBS症候、すなわち、異常排便と腹痛及び/又は腹部不快感を改善又は軽減する能力を示したときにのみ、かかる化合物又は組成物は、潜在的IBS医薬品とみなすことができる。
治療上、IBSの治療に一般に使用される医薬品としては、5−ヒドロキシトリプタミン3(5−HT:5−hydroxytryptamine 3)受容体拮抗物質(例えば、オンダンセトロン、アロセトロン、シランセトロン及び/又はグラニセトロン)、5−ヒドロキシトリプタミン4(5−HT:5−hydroxytryptamine 4)受容体作動物質(例えば、テガセロド)、鎮けい剤、筋弛緩薬及び三環系抗うつ薬が挙げられる。そのうち、アロセトロンは、約50%のIBS患者において臨床症状を改善することが報告されたが、30〜35%のIBS患者に便秘、虚血大腸炎(ischemia colitis)などの副作用を招いたとも言われている。5−HT受容体作動物質(すなわち、テガセロド)に関しては、IBSに対して一応の治療効果を示したが、IBS患者が循環器疾患を発症するリスクがかなり増加し、その後、FDA(Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)の指示により2007年に市場から撤退した。
上記に鑑みて、IBSを治療する新しい方法及び/又は薬剤を特定することに引き続き関心が寄せられている。
米国食品医薬品局(FDA)、「過敏性腸症候群−治療薬物の臨床評価(Irritable Bowel Syndrome−Clinical Evaluation of Drugs for Treatment)」
以下は、基本的理解を読者に提供するための本開示の簡単な概要である。この概要は、本開示の広範な概観ではなく、本発明の重要/重大な要素を特定するものでもなく、本発明の範囲を叙述するものでもない。その唯一の目的は、本明細書に開示した幾つかの概念を後述のより詳細な説明の前置きとして簡単な形で示すことである。
本開示は、少なくとも部分的には、抽出物の形のアルピニア種植物が、過敏性腸症候群(IBS)と診断された又は疑いのある対象の治療において有効な薬剤として作用し得るという発見に基づく。したがって、本発明の一態様は、対象におけるIBSを治療する医薬品を製造するためのアルピニア種の抽出物(以下、アルピニア種抽出物)に関する。この医薬品は、IBSに付随する異常排便及び腹痛の症候を改善するのに有効である。
本発明の実施形態によれば、アルピニア種は、アルピニアオキシフィラ(Alpinia oxyphylla)、アルピニアゼルムベット(Alpinia zerumbet)、アルピニアハイナネンシス(Alpinia hainanensis)又はアルピニアガランガ(Alpinia galanga)のいずれかとすることができる。アルピニア種抽出物は、アルピニア種の植物の一成分、具体的には、アルピニア種の新鮮な果実又は乾燥果実から調製される。
本発明の実施形態によれば、アルピニア種抽出物は、
(a)超臨界流体(SFC:supercritical fluid)、水、C1〜4アルコール、アセトン、酢酸エチル及びn−ヘキサンからなる群から選択される第1の溶媒でアルピニア種を抽出するステップ、及び
(b)ステップ(a)の抽出物を乾燥させるステップ
を含む方法によって調製される。
本開示の一部の実施形態によれば、第1の溶媒は、二酸化炭素、水、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、メタノール、エタノール及びアセトンからなる群から選択されるSFCである。一例においては、SFCは液体二酸化炭素である。本開示の別の実施形態によれば、方法は、さらに、SFCの共溶媒を含むことができる。共溶媒はメタノール又はエタノールとすることができる。
本開示の任意の実施形態によれば、方法は、さらに、(a−1)ステップ(b)に進む前に、水、C1〜4アルコール、アセトン、酢酸エチル又はn−ヘキサンのいずれかである第2の溶媒を抽出物に添加するステップを含むことができる。一例においては、第1の溶媒は水であり、第2の溶媒は95%(v%)エタノールである。
一部の実施形態においては、方法は、さらに、(a−2)ステップ(b)に進む前にステップ(a−1)の抽出物をカラムクロマトグラフィーに供するステップを含むことができる。
別の実施形態においては、方法は、さらに、(c)ステップ(b)の乾燥生成物を水、C1〜4アルコール、アセトン、酢酸エチル又はn−ヘキサンのいずれかである第2の溶媒に溶解させるステップ、及び(d)ステップ(c)の生成物を濃縮又は乾燥させるステップを含むことができる。
第1の溶媒が50%(v%)エタノールであり、第2の溶媒が95%(v%)エタノールである例においては、方法は、さらに、(e)ステップ(d)の前にカラムを20%(v%)エタノール、95%(v%)エタノール及びアセトンで順次溶出させることによってステップ(c)の溶液をカラムクロマトグラフィーに供するステップを含む。
第1の溶媒が水であり、第2の溶媒が95%(v%)エタノールである例においては、方法は、さらに、(f)ステップ(d)の前にカラムをn−ヘキサン、酢酸エチル及び70〜80%(v%)エタノールで順次溶出させることによってステップ(c)の溶液をカラムクロマトグラフィーに供するステップを含む。
本開示の実施形態によれば、ステップ(b)及び(d)のそれぞれの生成物、並びにカラムクロマトグラフィーから収集される溶出物を濃縮又は乾燥して、IBSを治療するための医薬品として使用することができる。
本発明の別の一態様は、IBSに付随する異常排便及び腹痛の症候を改善するために、有効量の、特にアルピニア種の水抽出物からの、本発明のアルピニア種抽出物を対象に投与することによって、かかる治療を必要とする対象におけるIBSを治療する方法に関する。
本開示の実施形態によれば、アルピニアオキシフィラの抽出物は、トイクレノン又はイザルピニンと、オキシフィレノジオールA、6−α−ヒドロキシ−7−エピ−α−シペロン、7−エピ−トイクレノン及びテクトクリシンからなる群から選択される少なくとも1種類の活性化合物とを含む。
アルピニア種抽出物、特にアルピニアオキシフィラ抽出物から単離された化合物のうち6種類は、IBSの典型的な症候、すなわち、便通の変化に付随する腹痛を改善する能力を有することが確認され、したがって、IBSを治療する医薬品の調製のための活性薬剤として使用される潜在的リード化合物である。本開示の特定の実施形態によれば、オキシフィレノジオールA、6−α−ヒドロキシ−7−エピ−α−シペロン、7−エピ−トイクレノン、トイクレノン及びテクトクリシンは、それぞれ抗異常排便活性を有するが、トイクレノン及びイザルピニンは、抗腹痛活性(又は抗内臓過敏)を有することが立証された。したがって、トイクレノン又はイザルピニンと、オキシフィレノジオールA、6−α−ヒドロキシ−7−エピ−α−シペロン、7−エピ−トイクレノン及びテクトクリシンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物との組合せは、IBSの症候を改善する能力のある抽出物を生じることになるであろう。
本開示の付随的な特徴及び効果の多くは、以下の詳細な説明を参照してより理解されるであろう。
本発明のこれら及び他の特徴、態様及び効果は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面を参照してより理解されるであろう。
本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.1.2の精製水抽出物の用量依存的抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.1.2の精製水抽出物の用量依存的抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.1.3の精製水抽出物の抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.1.3の精製水抽出物の抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.1.1.1の水抽出物ペースト及び実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.1.1.1の水抽出物ペースト及び実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.1.1.1の水抽出物ペーストの用量依存的抗異常排便効果を示す棒グラフである。N=10マウス/群であり、*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.1.1.1の水抽出物ペーストの用量依存的抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストの用量依存的抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストの用量依存的抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.1.1.1の水抽出物ペースト及び実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.1.1.1の水抽出物ペースト及び実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.1.1.1.1の精製水抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.1.1.1.1の精製水抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.2.1.1.2の精製エタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.2.1.1.2の精製エタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例1.3.1のアセトン抽出物及び実施例1.4.1の酢酸エチル抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例1.3.1のアセトン抽出物及び実施例1.4.1の酢酸エチル抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による実施例1.1.2の水抽出物粉体の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*は、PDC−1850と5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による実施例1.1.3の水抽出物粉体の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*は、PDC−1918と5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態によるグラニセトロンの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*は、グラニセトロンと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による30mg/kgの用量における実施例1.1.1.1の水抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*はp<0.05を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による100mg/kgの用量における実施例1.1.1.1の水抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*はp<0.05を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による200mg/kgの用量における実施例1.1.1.1.1の精製水抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。 本発明の一実施形態による100mg/kgの用量における実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*はp<0.05を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による300mg/kgの用量における実施例1.2.1.1のエタノール抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*はp<0.05を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による10μg/kgの用量におけるグラニセトロンの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。*はp<0.05を示し、#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による100mg/kgの用量における実施例1.2.1.1.2の精製エタノール抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。 本発明の一実施形態による実施例1.3.1のアセトン抽出物の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。N=3ラット/群であり、1匹の特定のラットの結果を示す。 本発明の一実施形態による実施例1.4.1の酢酸エチル抽出物の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。N=3ラット/群であり、1匹の特定のラットの結果を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例2.1の水抽出物ペースト及び実施例2.2のエタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例2.1の水抽出物ペースト及び実施例2.2のエタノール抽出物ペーストのそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による実施例2.1の水抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。 本発明の一実施形態による実施例2.2のエタノール抽出物ペーストの抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例3.1.1及び3.1.2の水抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例3.1.1及び3.1.2の水抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。N=10マウス/群であり、*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による実施例3.1.2のエタノール抽出物ペースト(すなわち、PDC−1885)の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。N=6ラット/群であり、*はp<0.05を示す。#はベースラインと5−HTPのラットの有意差(p<0.05)を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例3.1.3の水抽出物ペースト及び実施例3.2.1.1のエタノール抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例3.1.3の水抽出物ペースト及び実施例3.2.1.1のエタノール抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による実施例3.1.3の水抽出物ペースト(すなわち、PDC−2469)の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。 本発明の一実施形態による実施例3.2.1.1のエタノール抽出物ペースト(すなわち、PDC−2470)の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例4.1の水抽出物ペースト及び実施例4.2のエタノール抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例4.1の水抽出物ペースト及び実施例4.2のエタノール抽出物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による実施例4.1の水抽出物ペースト(すなわち、PDC−2473)の抗内臓過敏効果を示す折れ線グラフである。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例5.1、5.2、5.3及び5.4の化合物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。N=5マウス/群であり、*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例5.1、5.2、5.3及び5.4の化合物のそれぞれの抗異常排便効果を示す棒グラフである。N=5マウス/群であり、*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による下痢スコアで表される実施例5.5の化合物の抗異常排便効果を示す棒グラフである。N=5マウス/群であり、*はp<0.05を示す。 本発明の一実施形態による30分で排せつされた便の数で表される実施例5.5の化合物の抗異常排便効果を示す棒グラフである。N=5マウス/群であり、p<0.05を示す。
添付図面に関連した下記詳細な説明は、本実施例の説明として意図されたものであって、本実施例が構築又は利用され得る唯一の形態を示すものではない。この説明では、実施例の機能、並びに実施例を構築及び操作するステップの配列について述べる。しかし、同じ又は等価な機能及び配列を、異なる実施例によって達成することもできる。
別段の記載がない限り、本開示で使用する科学及び技術用語は、当業者によって一般に理解され、使用されている意味を有するものとする。状況によって必要とされない限り、単数形の用語はその複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むことが理解されるであろう。具体的には、本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a及びan)」は、特に明示しない限り、その複数形を含む。さらに、本明細書及び特許請求の範囲で使用される「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という用語は、同じ意味であり、1、2、3又はそれ以上を含む。
本発明の広範な範囲を記述した数値範囲及びパラメータは近似ではあるが、具体例で示した数値はできるだけ正確に報告している。しかし、どの数値も、それぞれの試験測定に見られる標準偏差に必然的に起因するある誤差を本質的に含む。さらに、本明細書では「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%又は0.5%以内を意味する。あるいは、「約」という用語は、当業者が考えたときに、平均値の許容標準誤差以内を意味する。作用/実施例以外においては、又は特に明示しない限り、本明細書に開示した材料の量、持続時間、温度、操作条件、量比などの数値範囲、量、値及び割合はすべて、すべての場合において「約」という用語で修飾されていると理解すべきである。したがって、本開示及び添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、それと反対のことが示されない限り、所望のとおりに変わり得る近似値である。いずれにせよ、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の丸め技術を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
本明細書では「治療」という用語は、過敏性腸症候群(IBS)に付随する症候、二次障害又は症状を部分的に若しくは完全に防止する、改善する、緩和する、及び/又は管理することを包含する。本明細書では「治療」という用語は、IBSの1つ以上の症候、二次障害又は特徴を部分的に若しくは完全に軽減する、改善する、緩和する、その発症を遅延させる、その進行を阻止する、その重症度を低下させる、及び/又はその発生率を低下させる目的で、本開示の方法によって調製されたアルピニア種抽出物、又はそれから単離された化合物を、IBSに付随する症候、IBSに続発する障害、又はIBSになりやすい体質の対象に適用又は投与することを指す。IBSに付随する症候、二次障害及び/又は症状としては、とう痛、腹部不快感、異常排便回数、便の異常な硬さ、下痢、及び便秘が挙げられるが、それだけに限定されない。治療は、IBSに付随する症候、二次障害及び/又は症状を生じるリスクを低下させる目的で、かかる症候、障害及び/又は症状の初期徴候のみを示す対象に施すことができる。治療は、一般に、1つ以上の症候又は臨床マーカーが減少した場合に、本明細書に定義されたように「有効」である。あるいは、治療は、症候、障害又は症状の進行が減少又は停止した場合に「有効」である。
本明細書では「有効量」という用語は、上で定義した所望の「有効な治療」を得るのに十分な成分又は医薬品の量を指す。具体的治療有効量は、治療する特定の症状、患者の身体的条件(例えば、患者の体重、年齢又は性別)、治療するほ乳動物又は動物のタイプ、治療期間、(もしあれば)併用療法の性質、及び使用する具体的製剤などの因子に応じて変わる。有効量は、化合物又は組成物の任意の毒性又は有害作用よりも治療上有益な効果がまさる量でもある。有効量は、例えば、医薬品の全質量(例えば、グラム、ミリグラム又はマイクログラム)、又は医薬品の質量と体重の比、例えばミリグラム/キログラム(mg/kg)で表すことができる。当業者は、動物モデルから決定される用量に基づく(アルピニア種抽出物、それから単離される化合物などの)医薬品のヒト等価用量(HED:human equivalent dose)を計算することができる。例えば、ヒト対象に使用される最大安全投与量を推定する際に、米国食品医薬品局(FDA)によって出版された「成人の健康なボランティアにおける治療法のための初期臨床試験における最大安全開始用量の推定(Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers)」と題する産業界向けのガイダンスに従うことができる。
「対象」という用語は、本開示の方法によってアルピニア種抽出物及び/又はそれから単離される化合物を用いて治療可能であるヒト種を含めた動物を指す。「対象」という用語は、一方の性別を特に指定しない限り、雄性と雌性の両方を指し、任意の年齢とすることができ、例えば、子供でも成体でもよいものとする。
本明細書では「新鮮」という用語は、収穫後にまだ加工されていない、又は最小限の加工しかされていない(例えば、切断若しくはスライス及び/又は包装され)、かつ実質的な乾燥によって保存されていない、植物成分を指す。さらに、「新鮮」という用語は、必ずしも厳格な時間依存性を必要としない。そうではなく、「新鮮」という用語は、乾燥植物成分と非乾燥植物成分を単に区別するのに使用される。
本明細書では「乾燥」という用語は、植物成分を脱水したときに、一般に認められるある範囲の含水量を指す。乾燥は、天日乾燥、オーブン乾燥及び凍結乾燥を含めて、当該技術分野で公知の任意の手段によって行うことができる。乾燥植物成分の含水量は、1から20重量%の範囲とすることができるが、典型的な範囲は2から5%である。
本明細書では「アルピニア種の抽出物」又は「アルピニア種抽出物」という用語は、アルピニア種植物、特にアルピニアオキシフィラ、アルピニアゼルムベット、アルピニアハイナネンシス及びアルピニアガランガからなる群から選択されるアルピニア種植物由来の植物成分を本明細書に記載の手順に従って適切な溶媒と接触させることによって調製される組成物を指す。「抽出物」という用語は、粗製抽出物及び加工又は精製抽出物を包含することを理解されたい。具体的には、粗製抽出物は、選択した植物成分を少なくとも1種類の抽出剤(すなわち、抽出溶媒)と接触させる単純な抽出によって調製される。幾つかの任意の例においては、こうして得られた粗製抽出物を1つ以上の分離及び/又は精製ステップに供し(subject to)、純化(purified)、加工又は精製(refined)抽出物を得る。植物抽出物は、溶液、濃縮物、留出物などの液体とすることができ、又はペースト、粒状、粉体などの溶媒を除去した固体とすることができる。
本発明は、過敏性腸症候群(IBS)に罹患した対象を治療する方法、及び該方法を実施するのに使用される薬剤又は栄養補助食品を提供する。
本発明の一態様は、したがって、IBSの治療、特にIBSに付随する症候の改善に有効な活性薬剤の発見に関する。「改善」又は「改善する」という用語は、理学的検査の結果に基づく、症候の寛解、鎮静又は軽減、患者の身体的な幸福の改善などの任意の客観的又は対象パラメータを含めて、障害又は症状の治療における成功の任意の徴候を指す。
本発明の実施形態によれば、方法は、IBSと診断された対象又はIBSの疑いのある対象に、有効量のアルピニア種の抽出物又はそれから精製された化合物を投与するステップを含む。対象は、病歴、理学的検査及び基本調査をIBS診断に取り入れたRomeII又はRomeIIIプロセスによってIBSの罹患を診断することができる。
ある実施形態においては、アルピニア種抽出物を対象に経口投与する。しかし、本開示はそれに限定されない。
本開示の実施形態によれば、IBSの治療用に適したアルピニア種抽出物は、実施例に記載したプロセスに従って調製される。本開示の実施例によれば、アルピニア種植物から収集される植物成分、特に果実を細かく刻み、適切な溶媒(単数又は複数)で抽出して、粗製抽出物(単数又は複数)を得る。本発明のある実施形態においては、アルピニアオキシフィラの新鮮な果実又は乾燥果実を使用して、本発明の抽出物を調製する。続いて、粗製抽出物を濃縮及び/又は乾燥(例えば、凍結乾燥)して、粗製抽出物粉体又はペーストを製造することができる。あるいは、それをカラムクロマトグラフィー、沈殿などの更なる精製に供し、精製抽出物又は純化化合物を製造することができる。
アルピニア種の抽出に適した溶媒の例としては、二酸化炭素、水、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、メタノール、エタノール、アセトンなどの超臨界流体(SFC);水;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、ter−ブタノールなどのC1〜4アルコール;アセトン;酢酸エチル及びn−ヘキサンが挙げられるが、それだけに限定されない。本発明のある実施形態によれば、アルピニア種の新鮮な果実又は乾燥果実を細かく刻み、水で抽出する。一方、幾つかの他の実施形態においては、それらを水と10〜95%(v/v)エタノールからなるアルコール溶液で抽出する。例えば、アルコール溶液は、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90及び95%(v/v)エタノールのいずれかとすることができる。更なる実施形態においては、アルピニア種の新鮮な果実又は乾燥果実を細かく刻み、アセトンで抽出する。更なる実施形態においては、酢酸エチルを抽出溶媒として使用する。本開示の実施形態によれば、アルピニア種の細かく刻んだ果実を抽出溶媒と1:5、1:7、1:9、1:10、1:12、1:15、1:17、1:20、1:22、1:25、1:27、1:30、1:32、1:35、1:37、1:40、1:42、1:45、1:47、1:50などの約1:5から約1:50、好ましくは1:5、1:7、1:10、1:15、1:20、1:22、1:25、1:27、1:30、1:32、1:35などの約1:10から1:35の重量比で混合する。別の実施形態においては、SFCを抽出剤として使用し、メタノール、エタノールなどの共溶媒の添加を必要とする場合もあれば、必要としない場合もある。
任意の実施形態においては、IBSに付随する症候を改善する医薬品として、粗製抽出物をろ過し、濃縮し、及び/又は乾燥させ、そのまま使用する。
任意の実施形態においては、粗製水抽出物などの粗製抽出物を、さらに、極性が逆の溶媒(例えば、20〜95%(v%)エタノール)を添加し、それによって沈殿を生成させることによって処理する。次いで、上清及び/又は沈殿を濃縮し、及び/又は乾燥させることができ、それをIBSを治療するための医薬品として使用することもできる。
更に別の一実施形態においては、粗製水抽出物から得られる乾燥上清及び/又は沈殿をカラムクロマトグラフィーの使用による更なる精製に供することができる。次いで、カラムクロマトグラフィー溶出物を濃縮及び乾燥させて、IBSを治療する医薬品の調製用に適した精製抽出物粉体を製造する。カラムクロマトグラフィーに使用される溶離剤の非限定的例としては、水、10%、15%、20%、25%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%(v/v)エタノールを含めて、ただしそれだけに限定されない10〜95%(v/v)エタノール、及びアセトンが挙げられるが、それだけに限定されない。一実施例においては、カラムを水、30%及び95%エタノールで順次溶出させる。別の一実施例においては、カラムを20%、50%及び95%エタノールで順次溶出させる。別の一実施例においては、カラムを20%及び95%エタノール並びにアセトンで順次溶出させる。更に別の一実施例においては、カラムを40%、70%及び95%エタノール並びにアセトンで順次溶出させる。
本発明の別の一態様は、アルピニアオキシフィラの粗製水抽出物ペーストなど、上述したように調製されたアルピニア種抽出物から単離された化合物に関する。
本開示の実施形態によれば、本開示の実施例に記載の手順に従って、アルピニア種抽出物をシリカゲルクロマトグラフィー及び/又は高圧液体クロマトグラフィー(HPLC:high pressure liquid chromatography)などの一連のカラムクロマトグラフィーに供し、種々の画分を生成する。次いで、各画分を試験し、その中の活性化合物(単数又は複数)の構造をMS、H−NMR及び13C−NMR分析を含めて、ただしそれだけに限定されないスペクトル分析によって確認する。次いで、各画分から同定された化合物を、IBSに付随する症候、すなわち異常排便及び腹痛を改善する効果があるかどうか試験する。これらの化合物は、IBSの治療に適切な医薬品を開発するための潜在的リード化合物である。
具体的実施例においては、同定される化合物は以下のいずれかである。
Figure 0006062065
本開示は、したがって、IBSを治療するための薬剤組成物に関する。一部の実施形態においては、本開示のアルピニア種抽出物又は活性化合物を、適切な薬学的に許容される担体又は賦形剤と組み合わせることによって薬剤組成物に処方することができ、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、溶液剤、坐剤、注射剤などの固体、半固体又は液体に処方することができる。したがって、活性化合物の投与は、経口、口腔、直腸、非経口(parental)、腹腔内投与などを含めて、種々の方法で実施することができる。医薬剤形においては、アルピニア種抽出物又は活性化合物を、単独で、又は別の公知の薬学的活性薬剤と組み合わせて投与して、IBSを治療することができる。当業者は、各経路における使用に適した種々の剤形に精通している。任意の所与の症例における最も適切な経路は、治療する疾患又は症状の性質又は重症度に依存することに留意しなければならない。
一部の実施形態においては、この開示の薬剤組成物は、経口投与用固体剤形である。かかる固体剤形は、カプセル剤、サシェ、錠剤、丸剤、ロゼンジ、散剤又は顆粒剤とすることができる。かかる剤形においては、アルピニア種抽出物、上記化合物のいずれかなどの活性成分を少なくとも1種類の薬学的に許容される賦形剤と混合する。記述した固体剤形のいずれかは、場合によっては、腸溶コーティング、成分のいずれかの放出速度を変更するためのコーティングなどのコーティング及びシェルを含むことができる。かかるコーティングの例は、当該技術分野で周知である。一実施例においては、この開示の薬剤組成物は、急速放出錠剤などの錠剤である。さらに別の一実施例においては、この開示の薬剤組成物を徐放性剤形に処方する。別の一実施例においては、この開示の薬剤組成物は、軟及び硬ゼラチンカプセルに包まれた散剤である。
一部の実施形態においては、本開示の薬剤組成物は、経口投与用液体剤形である。液剤は、さらに、所望のpHを維持する緩衝剤を含むことができる。液体投与製剤を軟ゼラチンカプセルに充填することもできる。例えば、液体としては、アルピニア種抽出物若しくは上述した化合物のいずれか、又はその薬学的に許容される誘導体、塩若しくは溶媒和化合物、又はその組合せを含む、溶液、懸濁液、乳濁液、マイクロエマルジョン、沈殿又は任意の所望の液体媒体が挙げられる。液体は、放出により薬物含有乳濁液又は分散相を形成するようにアルピニア種抽出物又は上述した活性化合物の溶解性を改善するように設計することができる。
一部の実施形態においては、この開示の薬剤組成物は、皮下、ボーラス注射、筋肉内、腹腔内及び静脈内注射を含めて、ただしそれだけに限定されない注射による投与などの非経口投与に適切な製剤である。薬剤組成物は、油性又は水性媒体中の等張性懸濁液、溶液又は乳濁液として処方することができ、懸濁剤、安定剤、分散剤などの調合剤を含むことができる。あるいは、組成物は、使用前に、無菌の発熱物質を含まない水又は等張食塩水と一緒に、粉体、結晶又は凍結乾燥固体などの乾燥剤形で提供することができる。それらは、無菌アンプル又はバイアル中に存在することができる。
以下の実施例は、本発明のある態様を解明し、当業者が本発明を実施するのを助けるように提供される。これらの実施例は、本発明の範囲を決して限定するものとみなすべきではない。更なる説明なしに、当業者は、本明細書の記述に基づき、本発明を最大限に利用することができると考えられる。本明細書に引用する刊行物すべてを参照によりその全体を本明細書に援用する。
実施例1 アルピニアオキシフィラの抽出物の調製
1.1 粗製水抽出物
(中国、ハイナン(Hainan)から購入した)アルピニアオキシフィラの乾燥粉砕果実を煮沸し、逆浸透(RO:reverse osmotic)水中でアルピニアオキシフィラと水の1:10(w/w)の比で約1時間還流して、粗製抽出物を製造した。アルピニアオキシフィラの一部をろ別するように、粗製水抽出物を350メッシュ篩でふるい分けた。ろ液を保持し、アルピニアオキシフィラの一部を前述と同様に更に水抽出に供し、両方の抽出で収集されたろ液を混合して、粗製水抽出物を得た。
1.1.1 粗製水抽出物粉体(PDC−2014)
実施例1.1の粗製水抽出物を凍結乾燥によって濃縮して、粗製水抽出物粉体(PDC−2014)を得た。
1.1.1.1 水抽出物ペースト(PDC−2363)
粗製水抽出物粉体(PDC−2014)をさらに95%(v%)エタノールで液状に戻し、ろ過し(No:2ろ紙)、次いでろ液を濃縮乾固させて水抽出物ペースト(PDC−2363)を得た。
1.1.1.1.1 精製水抽出物ペーストA(PDC−2529)及びB(PDC−2530)
水抽出物ペースト(PDC−2363)を20%(v%)エタノールで液状に戻し、次いでHP−20 Diaionカラムに充填して精製した。カラムを20%(vol)エタノール、95%(vol)エタノール及びアセトンで順次溶出させた。20%エタノールからの溶出物を濃縮して精製ペーストA(PDC−2529)を得た。一方、95%エタノール及びアセトンからそれぞれ収集した溶出物を混合し、濃縮して、精製ペーストB(PDC−2530)を得た。
1.1.2 精製水抽出物(PDC−1850)
95%(vol)エタノールを実施例1.1の粗製水抽出物に体積比1:1で添加し、次いで混合物を350メッシュ篩でふるい分けた。ろ液を遠心分離し、濃縮し、凍結乾燥させて、ペースト(PDC−1850)を得た。
1.1.3 精製水抽出物(PDC−1918)
95%(vol)エタノールを実施例1.1の粗製水抽出物に体積比1:1で添加し、次いで混合物を350メッシュ篩でふるい分けた。ろ液を遠心分離し、その体積がその当初の体積の1/3になるまで濃縮した。
水を上記濃縮水抽出物に体積比1:1で添加し、次いで混合物をDiaion HP−20カラム(Diaion、三菱化学)に充填した。濃縮物と乾燥カラム充填材の重量比は約1:20である。カラムを3ベッド体積のRO水、1ベッド体積の30%(v/v)エタノール、及び3ベッド体積の95%(vol)エタノールで順次溶出させた。2つのアルコール溶出物をそれぞれ収集し、混合して1つにした。次いで、エタノールが実質的に除去されるまで混合溶出物を減圧濃縮し、次いで残留物を凍結乾燥させて、精製水抽出物ペースト(PDC−1918)を得た。
1.2 粗製エタノール抽出物
(中国、ハイナンから購入した)アルピニアオキシフィラの乾燥粉砕果実を50%(v%)エタノールとアルピニアオキシフィラとエタノールの1:10(w/w)の比で約1時間混合して、粗製エタノール抽出物を製造した。粗製エタノール抽出物を350メッシュ篩でふるい分け、アルピニアオキシフィラのろ別された果実を前述と同様に50%(v%)エタノールでもう一度抽出し、両方の抽出で収集された溶液を混合して粗製エタノール抽出物を得た。
1.2.1 粗製エタノール抽出物粉体(PDC−1941)
実施例1.2の粗製エタノール抽出物を350メッシュ篩でふるい分け、溶媒が実質的に除去されるまでろ液を減圧濃縮し、次いで残留物を凍結乾燥して、粗製エタノール抽出物粉体(PDC−1941)を得た。
1.2.1.1 エタノール抽出物ペースト(PDC−2364)
実施例1.2.1の粗製エタノール抽出物粉体を95%エタノールで液状に戻し、No:2ろ紙でろ過し、次いでろ液を濃縮乾固させてエタノール抽出物ペースト(PDC−2364)を得た。
1.2.1.1.1 精製エタノール抽出物ペーストA(PDC−2371)、B(PDC−2372)、C(PDC−2373)及びD(PDC−2374)
エタノール抽出物ペースト(PDC−2364)を40%(v%)エタノールで液状に戻し、次いでHP−20 Diaionカラムに充填して更に精製した。カラムを40%(vol)、70%(vol)及び95%(vol)エタノール、続いてアセトンで順次溶出させた。40%及び70%エタノールからそれぞれ収集された溶出物を濃縮し、凍結乾燥して、ペーストA(PDC−2371)及びB(PDC−2372)を得た。一方、95%エタノール及びアセトンからそれぞれ収集された溶出物を濃縮して、精製ペーストC(PDC−2373)及びD(PDC−2374)を得た。
1.2.1.1.2 精製エタノール抽出物ペーストE(PDC−2531)及びF(PDC−2532)
エタノール抽出物ペースト(PDC−2364)を20%(v%)エタノールで液状に戻し、次いでHP−20 Diaionカラムに充填して更に精製した。カラムを20%(vol)及び95%(vol)エタノールで順次溶出させた。溶出物をそれぞれ濃縮して、精製ペーストE(PDC−2531)及びF(PDC−2532)を得た。
1.3 粗製アセトン抽出物
エタノールをアセトンに変えた以外は実施例1.2に記載の類似手順に従ってアルピニアオキシフィラの粗製アセトン抽出物を調製した。
1.3.1 粗製アセトン抽出物ペースト(PDC−2479)
実施例1.3の粗製アセトン抽出物を溶媒が実質的に除去されるまで減圧濃縮し、次いで残留物を凍結乾燥して、粗製アセトン抽出物ペーストを得た。
1.4 粗製酢酸エチル抽出物
エタノールを酢酸エチルに変えた以外は実施例1.2に記載の類似手順に従ってアルピニアオキシフィラの粗製酢酸エチル抽出物を調製した。
1.4.1 粗製酢酸エチル抽出物ペースト(PDC−2478)
実施例1.4の粗製アセトン抽出物を溶媒が実質的に除去されるまで減圧濃縮し、次いで残留物を凍結乾燥して、粗製アセトン抽出物ペーストを得た。
1.5 超臨界流体(SCF)抽出物
この特定の実施例においては、共溶媒(例えば、エタノール)を改変してもしなくてもアルピニアオキシフィラを超臨界温度及び圧力下で超臨界流体(例えば、二酸化炭素)で抽出した。
1.5.1 SCF抽出物A
アルピニアオキシフィラの乾燥粉砕果実を圧力セルに入れ、次いで圧力及び温度をそれぞれ300バール及び50℃に設定した圧力セルの加熱域に二酸化炭素を液体として温度5℃未満でポンプ注入した。次いで、流体を第1及び第2の分離器に連続的に膨張させて、抽出材料をCOから分離した。第1及び第2の分離器の圧力及び温度をそれぞれ60及び45バール並びに45及び20℃に設定した。抽出は終了するまで約150分間かかり、それによってSCF抽出物Aを生成した。
1.5.2 SCF抽出物B
共溶媒エタノールも抽出手順に含まれた以外は実施例1.5.1に記載の類似ステップに従ってSCF抽出物Bを調製した。SCF抽出物Bを製造した。
実施例2 アルピニアハイナネンシスの抽出物の調製
2.1 水抽出物ペースト(PDC−2471)
アルピニアハイナネンシスの水抽出物ペーストを、実施例1.1、1.1.1及び1.1.1.1に順次記載の類似手順に従って調製した。
2.2 エタノール抽出物ペースト(PDC−2472)
アルピニアハイナネンシスの粗製エタノール抽出物を、実施例1.2、1.2.1、1.2.1.1に順次記載の類似手順に従って調製した。
実施例3 アルピニアガランガの抽出物の調製
3.1 粗製水抽出物
アルピニアガランガの粗製水抽出物を実施例1.1に記載の類似手順に従って調製した。
3.1.1 粗製水抽出物粉体(PDC−2147)
実施例3.1の粗製水抽出物を水抽出物粉体が得られるまで減圧濃縮した。
3.1.2 水抽出物ペースト(PDC−1885)
95%(v%)エタノールを実施例3.1の粗製水抽出物に体積比1:1で添加すると、沈殿が形成された。次いで、沈殿を除去するように、混合物を10,000rpmの速度で5分間遠心分離した。上部の透明溶液を収集し、溶媒が実質的に除去されるまで更に減圧濃縮した。さらに、残留物を凍結乾燥に供して、水抽出物ペーストを得た。
3.1.3 水抽出物ペースト(PDC−2469)
実施例3.1.1の粗製水抽出物粉体を95%(v%)エタノールで液状に戻し(エタノール30mL中粉体1g)、混合物を少なくとも1時間超音波処理し、次いでNo:2ろ紙によってろ過し、次いでろ液を減圧濃縮して、水抽出物ペーストを得た。
3.2 粗製エタノール抽出物
アルピニアガランガの粗製エタノール抽出物を実施例1.2に記載の類似手順に従って調製した。
3.2.1 粗製エタノール抽出物粉体
実施例3.2の粗製エタノール抽出物を溶媒が実質的に除去されるまで減圧濃縮し、次いで残留物を凍結乾燥して、粗製エタノール抽出物粉体を得た。
3.2.1.1 エタノール抽出物ペースト(PDC−2470)
実施例3.2.1の粗製エタノール抽出物粉体を95%エタノールで液状に戻し、No:2ろ紙でろ過し、次いでろ液を濃縮乾固させてエタノール抽出物ペーストを得た。
実施例4 アルピニアゼルムベットの抽出物の調製
4.1 水抽出物ペースト(PDC−2473)
アルピニアゼルムベットの粗製水抽出物ペーストを、実施例1.1、1.1.1及び1.1.1.1に順次記載の類似手順に従って調製した。
4.2 エタノール抽出物ペースト(PDC−2474)
アルピニアゼルムベットのエタノール抽出物ペーストを、実施例1.2、1.2.1及び1.2.1.1に順次記載の類似手順に従って調製した。
実施例5 実施例1のアルピニアオキシフィラ由来の活性化合物の精製及び同定
純粋化合物をクロマトグラフィーによって単離し、精製し、続いてそのそれぞれの構造をMS及びNMRによって確認し、同定した。
5.1 6−α−ヒドロキシ−7−エピ−α−シペロン(化合物PDC−2460)の同定
Figure 0006062065
実施例1.1.1.1の水抽出物ペーストを、n−ヘキサン及び酢酸エチルでカラムを溶出させることによってシリカゲルろ過(Merck、台湾)に供し、7画分(FR−1、FR−2、FR−3、FR−4、FR−5、FR−6及びFR−7)を得た。続いて、全7画分のうち第2の画分(すなわち、FR−2)をRP−18ゲルカラム(Merck、台湾)に充填し、80%MeOHで溶出させ、更なる6画分を得た(FR−21、FR−22、FR−23、FR−24、FR−25及びFR−26)。FR−25とFR−1の両画分を混合し、混合画分を別のRP−18ゲルカラムに充填し、80%MeOHで溶出させて、更なる3画分を得た(FR−25(1)1、FR−25(1)2及びFR−25(1)3)。FR−25(1)2画分を別のシリカゲル精製に供し、別の5画分を得た(FR−25(1)21、FR−25(1)22、FR−25(1)23、FR−25(1)24及びFR−25(1)25)。化合物PDC−2460を第3の画分FR−25(1)23から分取HPLC分析によって精製した。
MS:Mw.234(Bruker MS)[M−H](233)。(C1522
H NMR(CDCl、600MHz)δ1.60(1H、m、H−1)、1.83(1H、m、H−1)、2.42(1H、m、H−2)、2.62(1H、m、H−2)、4.90(1H、s、H−6)、2.53(1H、br、s、H−7)、1.52(1H、m、H−8)、2.19(1H、m、H−8)、1.35(1H、m、H−9)、1.47(1H、m、H−9)、4.38(1H、s、H−12)、4.81(1H、s、H−12)、1.73(3H、s、H−13)、1.38(3H、s、H−14)及び1.88(3H、s、H−15)。
13C NMR(CDCl、150MHz)δ38.84(C−1)、34.17(C−2)、199.90(C−3)、132.11(C−4)、159.94(C−5)、69.60(C−6)、47.64(C−7)、18.57(C−8)、35.02(C−9)、35.03(C−10)、145.25(C−11)、111.46(C−12)、22.96(C−13)、25.72(C−14)、10.43(C−15)。
5.2 7−エピ−トイクレノン(化合物PDC−2453)の同定
Figure 0006062065
実施例5.1の全7画分のうち第4の画分(すなわち、FR−4)をRP−18ゲルカラム(Merck、台湾)に充填し、70%MeOHで溶出させ、更なる5画分を得た(FR−41、FR−42、FR−43、FR−44及びFR−45)。FR−43画分を別のRP−18ゲルカラムに充填し、70%MeOHで溶出させて、更なる6画分を得た(FR−431、FR−432、FR−433、FR−434、FR−435及びFR−436)。FR−432とFR−433の両画分を混合し、混合画分を別のシリカゲル精製に供して、更なる7画分を得た(FR−432(433)1、FR−432(433)2、FR−432(433)3、FR−432(433)4、FR−432(433)5、FR−432(433)6及びFR−432(433)7)。化合物PDC−2453を第4の画分FR−432(433)4から分取HPLC分析によって精製した。
MS:Mw.234(Bruker MS)[M−H](233)。(C1522
H NMR(CDCl、600MHz)δ2.10(1H、d、J=15Hz、H−1)、2.26(1H、d、J=15Hz、H−1)、5.86(1H、br、s、H−3)、2.28(1H、br、d、J=13Hz、H−5)、1.52(1H、m、H−6)、2.34(1H、m、H−6)、1.75(1H、m、H−8)、2.05(1H、m、H−8)、1.42(1H、m、H−9)、1.45(1H、m、H−9)、5.08(2H、br、s、H−12)、1.83(3H、s、H−13)、0.95(3H、s、H−14)、1.91(3H、s、H−15)。
13C NMR(CDCl、150MHz)δ54.09(C−1)、198.95(C−2)、126.92(C−3)、162.24(C−4)、44.87(C−5)、33.05(C−6)、74.69(C−7)、31.55(C−8)、37.63(C−9)、37.43(C−10)、146.02(C−11)、114.13(C−12)、18.63(C−13)、16.89(C−14)、21.96(C−15)。
5.3 トイクレノン(化合物PDC−2464)の同定
Figure 0006062065
実施例5.1の全7画分のうち第3の画分(すなわち、FR−3)をRP−18ゲルカラム(Merck、台湾)に充填し、70%MeOHで溶出させ、更なる6画分を得た(FR−31、FR−32、FR−33、FR−34、FR−35及びFR−36)。FR−34画分を別のRP−18ゲルカラムに充填し、70%MeOHで溶出させて、更なる6画分を得た(FR−341、FR−342、FR−343、FR−344、FR−345及びFR−346)。FR−343とFR−4の両画分を混合し、混合画分を別のシリカゲル精製に供して、更なる7画分を得た(FR−341(4)1、FR−341(4)2、FR−341(4)3、FR−341(4)4、FR−341(4)5、FR−341(4)6及びFR−341(4)7)。FR−341(4)4を別のRP−18ゲルカラム上に添加し、70%MeOHで溶出させて、更なる6画分を得た(FR−341(4)41、FR−341(4)42、FR−341(4)43、FR−341(4)44、FR−341(4)45及びFR−341(4)46)。FR−341(4)44画分をさらにシリカゲル精製に供し、化合物PDC−2464を第6の画分(faction)(すなわち、FR−341(4)46)から分取HPLCによって精製した。
MS:Mw.234(Bruker MS)[M−H](233)(C1522
H NMR(CDCl、600MHz)δ2.26(2H、d、J=3.5Hz、H−1)、5.88(1H、br、s、H−3)、2.93(1H、m、H−5)、1.64(1H、t、J=13.1Hz、H−6)、1.78(1H、m、H−6)、1.46(1H、m、H−8)、1.92(1H、m、H−8)、1.36(1H、m、H−9)、1.84(1H、m、H−9)、4.85(1H、t、J=1.4Hz、H−12)、5.07(1H、s、H−12)、1.83(3H、s、H−13)、0.87(3H、s、H−14)、1.83(3H、s、H−15)。
13C NMR(CDCl、150MHz)δ54.04(C−1)、199.12(C−2)、127.12(C−3)、163.27(C−4)、42.61(C−5)、33.42(C−6)、74.33(C−7)、30.89(C−8)、35.26(C−9)、37.12(C−10)、151.68(C−11)、109.51(C−12)、19.02(C−13)、15.80(C−14)、21.87(C−15)。
5.4 オキシフィレノジオール(Oxyphellenodiol)A(化合物PDC−2454)の同定
Figure 0006062065
実施例5.1の全7画分のうち第4の画分(すなわち、FR−4)をRP−18ゲルカラムに充填し、70%MeOHで溶出させ、更なる5画分を得た(FR−41、FR−42、FR−43、FR−44及びFR−45)。FR−44画分を別のRP−18ゲルカラムに充填し、70%MeOHで溶出させて、更なる5画分を得た(FR−441、FR−442、FR−443、FR−444及びFR−445)。化合物PDC−2454を第2の党派(すなわち、FR−442)から分取HPLCによって精製した。
MS:Mw.238(Bruker MS)[M−H](237)(C1422
H NMR(CDCl、600MHz)δ2.18(1H、m、H−1)、2.45(1H、m、H−1)、1.63(1H、m、H−2)、1.75(1H、m、H−2)、4.15(1H、br、s、H−4)、2.60(1H、m、H−6)、1.92(2H、m、H−7)、2.26(1H、m、H−8)、2.45(1H、m、H−8)、2.18(H、m、H−11)、0.86(3H、d、J=6.9Hz、H−12)、1.02(3H、d、J=6.9Hz、H−13)、1.18(3H、s、H−14)。
13C NMR(CDCl、150MHz)δ21.40(C−1)、32.08(C−2)、72.31(C−3)、75.08(C−4)、157.81(C−5)、40.00(C−6)、22.21(C−7)、34.94(C−8)、199.95(C−9)、132.41(C−10)、29.76(C−11)、19.11(C−12)、21.53(C−13)、21.72(C−14)。
5.5 テクトクリシン(化合物PDC−2521)の同定
Figure 0006062065
実施例5.1の全7画分のうち第1の画分(すなわち、FR−1)をRP−18ゲルカラムに充填し、75%MeOHで溶出させ、更なる5画分を得た(FR−11、FR−12、FR−13、FR−14及びFR−15)。FR−12画分をさらに分取HPLC分析に供し、化合物PDC−2521を得た。
MS:268(Bruker MS)[M+H](269)(C1612
H NMR(CDCl、600MHz)δ6.66(1H、d、H−3)、6.36(1H、d、J=2.1Hz、H−6)、6.49(1H、d、J=2.1Hz、H−8)、7.87〜7.89(1H、m、H−2’)、7.49〜7.55(1H、m、H−3’)、7.49〜7.55(1H、m、H−4’)、7.49〜7.55(1H、m、H−5’)、7.87〜7.89(1H、m、H−6’)、3.87(1H、s、OME)。
13C NMR(CDCl、150MHz)δ163.98(C−2)、105.83(C−3)、182.51(C−4)、162.10(C−5)、98.17(C−6)、165.55(C−7)、92.66(C−8)、157.75(C−9)、105.67(C−10)、131.24(C−1’)、126.28(C−2’)、129.08(C−3’)、131.85(C−4’)、129.08(C−5’)、126.28(C−6’)、55.82(OME)。
5.6 イザルピニン(化合物PDC−2524)の同定
Figure 0006062065
実施例5.1の全7画分のうち第1の画分(すなわち、FR−1)をRP−18ゲルカラムに充填し、75%MeOHで溶出させ、更なる5画分を得た(FR−11、FR−12、FR−13、FR−14及びFR−15)。FR−12画分をさらに分取HPLC分析に供し、化合物PDC−2524を得た。
MS:284(Bruker MS)[M+H](285)(C1612
H NMR(CDCl、600MHz)δ6.36(1H、d、J=2.1Hz、H−6)、6.49(1H、d、J=2.1Hz、H−8)、8.19〜8.17(1H、m、H−2’)、7.46〜7.51(1H、m、H−3’)、7.46〜7.51(1H、m、H−4’)、7.46〜7.51(1H、m、H−5’)、8.19〜8.17(1H、m、H−6’)、3.87(1H、s、OME)。
13C NMR(CDCl、150MHz)δ145.20(C−2)、136.54(C−3)、175.41(C−4)、160.74(C−5)、98.01(C−6)、165.88(C−7)、92.18(C−8)、156.96(C−9)、103.97(C−10)、130.64(C−1’)、127.57(C−2’)、128.61(C−3’)、130.28(C−4’)、128.61(C−5’)、127.57(C−6’)、55.87(OME)。
実施例6 アルピニア種抽出物は、dl−5−ヒドロキシトリプトファン(5−HTP:5−Hydroxytryptophan)によって誘発された異常排便及び/又は内臓過敏を効果的に治療する。
セロトニンは、腸管神経系における主要かつ重要なモノアミン型神経伝達物質である。体内のセロトニンの95パーセントは腸、主にエンテロクロマフィン様(ECL:enterochromaffin like)細胞及び腸ニューロン中に見られ、残りは中枢神経系(CNS:central nervous system)に見られる。セロトニンは、胃腸管とCNSの間の突出した内臓ニューロンの感受性を高めることができ、腸のすべての統合機能に関与する。
セロトニンは、IBSにおける新たな神経調節物質として作用するので、セロトニンに転化されるdl−5−ヒドロキシトリプトファン(5−HTP)を、IBSに付随する異常排便症候を治療する実施例1から4のアルピニア種抽出物の効力を評価するためにこの実施例ではIBS刺激剤として使用した。一方、発病又はIBSにおける決定的因子である内臓過敏(VH:visceral hypersensitivity)を、行動反応動物モデルと共に、それぞれIBSに付随する腹痛症候を治療する実施例1から4のアルピニア種抽出物の効力を評価するために使用し、5−HTPをIBS刺激剤として使用した。
実験手順は、Ricerca Biosciences,LLC(台湾)、National Yang−Ming University(台湾)又はFu−Jen Catholic University(台湾)の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC))によって認可され、国の動物愛護規則に従って実施された。
5−HTPによって誘発された下痢及び/又は異常排便を評価するための動物モデル
雄のICRマウス(BioLASCO Taiwan Co.,Ltd.、台湾)を空調された動物シェルター内で22℃から24℃の室温で湿度レベル(40%から50%)を制御して12時間明暗サイクルで飼育した。各マウスは、試験開始時、30から34gの重さであった。水道水及び標準実験室げっ歯類固形飼料を自由に摂らせた。
各群は10匹のマウスからなり、試験群の各マウスに1日目に本発明のアルピニア種抽出物を2回経口投与し(すなわち、500mg/kg、1,000mg/kg又は2,000mg/kg)、2日目に3回目を投与した。3回目のアルピニア種抽出物投与からちょうど60分後に5−HTP(腹腔内、10mg/kg)を1回投与した。幾つかの場合においては、本発明のアルピニア種抽出物を経口の代わりに腹腔内に投与した。比較のために、塩酸ロペラミド(経口;2mg/kg)、塩酸オンダンセトロン(ondansteron)(経口;2mg/kg)又は塩酸グラニセトロン(graniserton)(経口;2mg/kg)を5−HTP投与のちょうど30分前に対照動物にそれぞれ1回投与した。5−HTP注射の30分後、各動物の排便が観察され、30分間の排せつ便数及び下痢スコアそれぞれをそれに応じて記録した。下痢スコアは、0から3の任意のスコア尺度によって便の硬さを記述するように設計され、0は固体の便であり、1は緩い便であり、2は少し液状の便であり、3は水っぽい便である。
5−HTPによって誘発された内臓過敏を評価するための動物モデル
雄のスプレーグドーリーラット(BioLASCO Taiwan Co.,Ltd.、台湾)を空調された動物シェルター内で22℃から24℃の室温で湿度レベル(40%から50%)を制御して12時間明暗サイクルで飼育した。各ラットは、試験開始時、200から350gの重さであった。水道水及び標準実験室げっ歯類固形飼料を自由に摂らせた。
別段の記載がない限り、各群は6匹のラットを含み、動物を絶食させずに実験を実施した。植物抽出物及び正の対照薬物を動物に経口又は腹腔内投与した。1日目、エーテル麻酔をして、筋電図(EMG:electromyogram)電極を各動物の外腹斜筋に移植し、次いで、動物を移植処置からさらに6日間回復させた。8日目、動物に5−HTP(10mg/kg)を1回皮下注射して、内臓過敏を誘発し、結腸直腸の膨張(CRD:colorectal distention)に対するその反応をEMGによって記録した。賦形剤群の動物に、対応する実験群の同じ賦形剤と共に食塩水を経口投与し、一方、実験群の動物には実施例1のアルピニアオキシフィラ抽出物又は別の抗VH薬(例えば、グラニセトロン10mg/kg)を指定の時間及び投与量で経口投与した。
異常屈筋反射(AWR:Abnormal Withdrawal Reflex)を測定することによって慢性内臓過敏を評価するための動物モデル
このモデルでは、内臓運動反射に類似した不随意運動反射であるAWRを測定することによって行動反応を調べた。AWRの等級を刺激強度によって決定した。
雄のスプレーグドーリーラット(BioLASCO Taiwan Co.,Ltd.、台湾)を空調された動物シェルター内で22℃から24℃の室温で湿度レベル(40%から50%)を制御して12時間明暗サイクルで飼育した。各ラットは、試験開始時、200から350gの重さであった。水道水及び標準実験室げっ歯類固形飼料を自由に摂らせた。別段の記載がない限り、各群は6匹のラットを含み、動物を絶食させずに実験を実施した。植物抽出物及び正の対照薬物を動物に経口又は腹腔内投与した。
行動学的研究を既報の手順に従って評価した(アル−カエア(AL−CHAER)ら、胃腸病学(Gastroenterology)2000,119:1276−1285)。手短に述べると、次いで、ラットを高いプレキシガラス台上のルサイト小部屋(20×8×8cm)に収容し、覚醒させ、順応させた(1時間)。動物に5−HTP(10mg/kg)を1回皮下注射して、内臓過敏を誘発し、AWRを測定することによって行動反応を調べた。AWRの測定は、盲検観察者による動物反応の目視観察、及びAWRスコアの割当てからなる:0、行動反応なし;1、短時間の頭部運動、続いて静止;2、腹部を台から持ち上げない腹筋の軽度の収縮;3、腹筋の強い収縮、腹部が台から持ち上がる;4、体の湾曲と骨盤構造の持ち上げによって現れる腹筋の激しい収縮。行動測定を2名の盲検観察者によって繰り返した。
結果をすべて平均±STDとして表し、nは各群の動物を指す。各群の動物間の差を一元配置ANOVA、続いてダネット検定によって比較した。0.05以下のp値を統計的に有意とみなした。
6.1 実施例1のアルピニアオキシフィラは、IBSに付随する異常排便及び腹痛の治療に有効である。
IBSに付随する異常排便の治療に対する実施例1のアルピニアオキシフィラの効果を図1及び2に示す。下痢スコアを測定し、排せつ便数を30分間数えることによって効果をそれぞれ評価した。図1から明らかなように、実施例1.1.2、1.1.3、1.1.1.1、1.1.1.1.1、1.2.1.1及び1.2.1.1.2の水及びアルコール抽出物は、オピオイド受容体作動物質ロペラミド又は5−HT受容体拮抗物質(例えば、オンダンセトロン又はグラニセトロン)に匹敵する1,000mg/kgの最小用量で経口投与したときに、IBSに付随する異常排便の改善に有効である。IBSに付随する異常排便の改善は、実施例1.1.1.1のアルピニアオキシフィラ抽出物を腹腔内投与したときにより大きく、30mg/kgの低用量で抗異常排便作用を発揮するのに十分であり、経口投与するときに必要な用量の約1/10の100mg/kgでかなりの効果が認められた(図2Aから2J)。同様に、アルピニアオキシフィラのアセトン抽出物又は酢酸エチル抽出物も、IBSに付随する異常排便を改善することができた(図2K及び2L)。
実施例1の抽出物の抗異常排便効果を、IBSに付随する症候の改善に関して、別の一般に処方される鎮けい剤、例えばメペンゾラートとも比較した。実施例1.1.1.1と1.2.1.1の両方の抽出物は、メペンゾラート(50mg/kg、3回経口投与)よりも関連症候の緩和に有効であった(結果示さず)。
実施例1のアルピニアオキシフィラ抽出物の抗腹痛効果を図3から6に示す。図3及び4に示したように、実施例1.1.2(すなわち、PDC−1850)及び実施例1.1.3(すなわち、PDC−1918)の精製水抽出物粉体、実施例1.1.1.1の水抽出物ペースト(すなわち、PDC−2363)、並びに実施例1.1.1.1.1の精製水抽出物ペースト(すなわち、PDC−2530)はすべて、5−HTPによって誘発された内臓過敏を軽減することができ(すなわち、賦形剤対照に比べて)、その効果は、5−HT受容体拮抗物質(例えば、グラニセトロン又はオンダンセトロン)よりもはるかに大きい。同様に、アルピニアオキシフィラの50%エタノール抽出物(すなわち、実施例1.2.1.1、すなわちPDC−2364、及び実施例1.2.1.1.2、すなわちPDC−2532)(図5A、5B及び5D)、並びにアルピニアオキシフィラのEA(すなわち、実施例1.4.1、すなわちPDC−2478)及びアセトン抽出物(すなわち、実施例1.3.1、すなわちPDC−2479)(図6A及び6B)は、それぞれ、同じ抗5−HTP誘発内臓過敏効果を示した。
AWRスコアによって測定された行動反応を表1及び2に要約する。
Figure 0006062065
Figure 0006062065
表1に示したように、実施例1.1.1.1の水抽出物ペースト(すなわち、PDC−2363)で処理したラットのAWRスコアは、対照ラット又はグラニセトロン処理を受けたラットよりもかなり低い。実施例1.1.1.1のアルピニアオキシフィラ抽出物が腹痛の軽減に有効であることが明らかである。
同様に、表2において、実施例1.2.1.1.2の精製エタノール抽出物ペースト(すなわち、PDC−2532)で処理したラットのAWRスコアは、対照ラットよりもかなり低い。アルピニアオキシフィラの精製エタノール抽出物ペースト(すなわち、実施例1.2.1.1.2)が腹痛の軽減に有効であることが明らかである。
総合すると、これらの結果は、上記方法によって調製されたアルピニアオキシフィラ抽出物が、IBSに付随する症候、特に異常排便及び腹痛の治療に有用であることを示している。
6.2 実施例2のアルピニアハイナネンシス抽出物は、IBSに付随する異常排便及び腹痛の治療に有効である。
IBSに付随する症候の治療に対する実施例2のアルピニアハイナネンシス抽出物の効果を上記類似手順に従って評価する。結果を図7及び8に示す。アルピニアハイナネンシスの水(すなわち、PDC−2471)及びエタノール抽出物(すなわち、PDC−2472)の両方は、対照動物に比べて、IBS動物における下痢スコア及び/又は排せつ便数、並びに5−HTPによって誘発された内臓過敏を低下させることができた(図8A及び8B)。
6.3 実施例3のアルピニアガランガ抽出物は、IBSに付随する異常排便及び腹痛の治療に有効である。
IBSに付随する症候に対する実施例3のアルピニアガランガ抽出物の効果を図9及び10に示す。アルピニアガランガの水抽出物(すなわち、PDC−2147及びPDC−1885)は、対照動物(図9C)に比べて、IBS動物における下痢スコア及び/又は排せつ便数(図9A及び9B参照)、並びに5−HTPによって誘発された内臓過敏を低下させることができた。同様の効果は、アルピニアガランガのエタノール抽出物でも認められた(図10)。
6.4 実施例4のアルピニアゼルムベット抽出物は、IBSに付随する異常排便及び腹痛の治療に有効である。
IBSに付随する症候に対する実施例4のアルピニアゼルムベット抽出物の効果を図11に示す。水抽出物(すなわち、PDC−2473)とエタノール抽出物(すなわち、PDC−2474)の両方は、対照動物(図11C)に比べて、IBS動物における下痢スコア及び/又は排せつ便数(図11A及び11B参照)、並びに5−HTPによって誘発された内臓過敏を低下させることができた。
実施例7 実施例5の化合物は、IBSに付随する異常排便を効果的に治療する。
実施例1.1.1.1のアルピニアオキシフィラの水抽出物ペースト(すなわち、PDC−2363)から単離された精製化合物の抗異常排便効果を、実施例6の同じ動物モデルを使用して、類似手順で評価した。結果を図12に示す。
精製化合物PDC−2453、PDC−2454、PDC−2460及びPDC−2464はそれぞれ、5−HTPによって誘発された下痢(図12A)を抑制し、排せつ便数(図12B)を減少させることができる。同様の抗異常排便効果は、化合物PDC−2521でも認められた(図12C及び12D)。したがって、これらの化合物は、IBSの治療薬を開発するための潜在的候補である。
実施例8 実施例5の化合物は、IBSに付随する腹痛を効果的に治療する。
実施例5の化合物の抗腹痛効果も、AWRスコアによって測定される動物の行動反応を調べることによって検討し、表3に要約した。
Figure 0006062065
表3に示すように、実施例5.3(すなわち、PDC−2464)又は実施例5.8(すなわち、PDC−2524)の化合物で処理されたラットのAWRスコアは、対照ラットよりもかなり低い。アルピニアオキシフィラから単離された活性化合物は、腹痛の軽減に有効であることが明らかである。
実施形態の上記記述は、単なる例示にすぎず、種々の改変を当業者が成し得ることが理解されるであろう。上記明細書、実施例及びデータは、本発明の例示的実施形態の構造及び使用の完全な記述である。本発明の種々の実施形態をある程度詳細に、又は1つ以上の個々の実施形態を参照して上述したが、当業者は、開示された実施形態に本発明の精神又は範囲から逸脱することなく多数の変更を加えることができる。

Claims (13)

  1. 実質的に、トイクレノン又はイザルピニンと、オキシフィレノジオールA、6−α−ヒドロキシ−7−エピ−α−シペロン、7−エピ−トイクレノン及びテクトクリシンからなる群から選択される少なくとも1種類の活性化合物とからなる、過敏性腸症候群(IBS)を治療する医薬品を製造するためのアルピニア種(Alpinia spp.)の抽出物の使用
  2. 前記アルピニア種がアルピニアオキシフィラ(Alpinia oxyphylla)、アルピニアゼルムベット(Alpinia zerumbet)、アルピニアハイナネンシス(Alpinia hainanensis)又はアルピニアガランガ(Alpinia galanga)のいずれかである、請求項1に記載の使用
  3. 前記抽出物が、
    (a)超臨界流体(SFC)、水、酢酸エチル又はn−ヘキサンからなる群から選択される第1の溶媒で前記アルピニア種を抽出するステップ、及び
    (b)ステップ(a)の抽出物を乾燥させるステップを含む方法によって調製される、請求項2に記載の使用
  4. 前記SFCが、二酸化炭素、水、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、メタノール、エタノール又はアセトンのいずれかである、請求項3に記載の使用
  5. 前記ステップ(a)が、さらに、メタノール又はエタノールである前記SFCの共溶媒を含む、請求項4に記載の使用
  6. 前記第1の溶媒が水、酢酸エチル又はn−ヘキサンのいずれかであり、前記抽出が、前記アルピニア種を前記第1の溶媒と約1:10から1:50の重量比で混合することによって実施される、請求項3に記載の使用
  7. 前記方法が、さらに、
    (a−1)前記ステップ(b)に進む前に、水、C1〜4アルコール、アセトン、酢酸エチル又はn−ヘキサンのいずれかである第2の溶媒を前記抽出物に添加するステップを含む、請求項6に記載の使用
  8. 前記方法が、さらに、
    (a−2)前記ステップ(a−1)の抽出物を前記ステップ(b)の前にカラムクロマトグラフィーに供するステップを含む、請求項7に記載の使用
  9. 前記カラムクロマトグラフィーが、カラムを水、30%(v/v)エタノール及び95%(v/v)エタノールで順次溶出させ、溶出物を乾燥させて前記抽出物を生成することによって実施される、請求項8に記載の使用
  10. 前記方法が、さらに、
    (c)ステップ(b)の乾燥生成物を水、C1〜4アルコール、アセトン、酢酸エチル又はn−ヘキサンのいずれかである第2の溶媒に溶解させるステップ、及び
    (d)ステップ(c)の生成物を濃縮又は乾燥させるステップ
    を含む、請求項3に記載の使用
  11. 前記第1の溶媒が水であり、前記第2の溶媒が95%(v%)エタノールである、請求項10に記載の使用
  12. 前記方法が、さらに、
    (f)カラムをn−ヘキサン、酢酸エチル及び70〜80%(v/v)エタノールで溶出させることによってステップ(d)の生成物をカラムクロマトグラフィーに供するステップを含む、請求項11に記載の使用
  13. ステップ(f)の生成物がトイクレノンを含む、請求項12に記載の使用
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