以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
図1は自動機監視システムの構成例を示す図、図2は自動機の外観例を示す図、図3は自動機の内部構成例を示す図である。
自動機監視システムは、金融機関の店舗などに設置される複数(図示では、1台のみ)の自動機1と、金融機関などの監視センタに設置される自動機監視サーバ2および自動機監視クライアント3とを備えている。自動機1は、自動機監視サーバ2と回線によって接続され、監視センタにて集中管理されている。自動機監視クライアント3は、図示では、1台のみ示しているが、必要に応じて、複数設置される。
自動機監視サーバ2は、自動機1から通知される障害情報を管理するもので、監視一覧データベース2aを備えている。この監視一覧データベース2aは、時刻情報とともに、たとえば、店番号、自動機番号、障害内容、保留媒体などの情報を記録している。自動機監視クライアント3は、自動機監視サーバ2の監視一覧データベース2aから障害情報を取得し、モニタ3aに自動機1から取得した障害情報を表示する。自動機監視クライアント3は、また、オペレータ操作によって、発行したい指令種別および自動機を選択し、指令の発行を行う。その自動機監視クライアント3による指令は、自動機監視サーバ2を介して自動機1に送信される。自動機1は、指令を受信すると、指令に対応した制御が行われる。
自動機1は、図2に示したように、顧客と対面する側の上方位置に、カード挿入口11、通帳挿入口12、紙幣挿入口13、硬貨挿入口14、オートホン15および画面16を備え、下方位置には、顧客センサ17および異物排出口18を備えている。
カード挿入口11は、キャッシュカードなどを挿入する部分である。通帳挿入口12は、通帳を挿入する部分である。紙幣挿入口13は、取引の際に紙幣が挿入または出力される部分である。硬貨挿入口14は、取引の際に硬貨が挿入または出力される部分である。オートホン15は、顧客が問い合せるとき使用される通話装置である。画面16は、取引メニューや操作案内の表示および取引の操作入力などに使用される。顧客センサ17は、自動機1の前にいる顧客を検出するためのものである。異物排出口18は、取引の際に硬貨挿入口14などに挿入された異物を排出するための開口部分である。
自動機1は、また、図3に示した内部構成を有している。すなわち、自動機1は、通帳記帳装置21、カード処理装置22、紙幣入出金装置23、硬貨入出金装置24、筐体制御装置25、表示装置26、タッチパネル27、主制御部28、およびインタフェース部29,30を備えている。
通帳記帳装置21は、通帳に設けられた磁気ストライプを読み込む通帳ストライプリーダ、記帳時に使用される通帳プリンタ部および通帳の記帳領域がなくなった場合に新たな通帳を発行する通帳発行部を備えている。
カード処理装置22は、カードに記録された顧客情報を読み取るカード読取部、カードにエンボス加工された浮き出し文字を読み取るエンボス読取部およびレシートやジャーナルを印字発行するレシート/ジャーナル印字部を備えている。
紙幣入出金装置23は、紙幣の枚数を計数する紙幣計数部および紙幣を収納しておく紙幣カセットなどを備えている。
硬貨入出金装置24は、硬貨の枚数を計数する硬貨計数部および硬貨を収納しておく硬貨カセットなどを備えている。
筐体制御装置25は、自動機1の筐体に設けられた顧客センサ17、オートホン15などと接続されている。
表示装置26は、タッチパネル27と組み合わされ、取引情報の画面表示と、画面をタッチすることによる取引などの操作入力とを行う。
主制御部28は、通帳記帳装置21、カード処理装置22、紙幣入出金装置23、硬貨入出金装置24、筐体制御装置25、表示装置26およびタッチパネル27と接続されて、それらの制御を行う。
インタフェース部29は、主制御部28と、回線網を介して自動機監視サーバ2に接続されており、自動機監視サーバ2に障害情報を通知したり、自動機監視クライアント3からの指示を受信したりする。
インタフェース部30は、監視系の回線網とは別の回線網を介して勘定系ホスト4と接続されている。
主制御部28は、主として、CPU(Central Processing Unit)と、メインメモリと、ハードディスクドライブと、入出力インタフェース部とを備え、互いにバスによって接続されている。ハードディスクドライブは、OS(Operating System)のプログラム、自動機1として機能させる各種アプリケーションプログラムおよび自動機指令監視用のアプリケーションプログラムが格納されている。入出力インタフェース部は、通帳記帳装置21、カード処理装置22、紙幣入出金装置23、硬貨入出金装置24、筐体制御装置25、表示装置26、タッチパネル27、主制御部28、およびインタフェース部29,30と接続されている。
各種アプリケーションプログラムは、ハードディスクドライブから該当するアプリケーションプログラムがメインメモリに展開され、CPUによって実行されることにより、そのアプリケーションプログラムの処理機能が実現される。
なお、自動機監視サーバ2および自動機監視クライアント3においても、自動機1の主制御部28と同様、CPU、メインメモリ、ハードディスクドライブ、入出力インタフェース部などを備え、それぞれがなすべき処理機能を実現している。
図4は自動機指令監視システムの機能ブロック図である。
自動機指令監視システムは、自動機監視システムの自動機1および自動機監視クライアント3に備えられ、それぞれが互いに回線網によって接続されている。ここでは、自動機1および自動機監視クライアント3は、1台ずつ示しているが、通常は、自動機1は、複数台設置され、自動機監視クライアント3は、自動機1の設置台数などに応じて複数台設置されている。
自動機1は、指令受信部31、指令種別判定部32、指令妥当性判定部33、メッセージ生成部34、およびメッセージ通知部35を備えている。自動機1は、また、指令妥当性判定部33が指令の妥当性の判定を行うのに必要な情報を収集する情報取得部として繁忙状態検出部36、スケジュール確認部37、支払取引可能状態検出部38、預入取引可能状態検出部39、および顧客検出部40を備えている。
指令受信部31は、自動機監視クライアント3から遠隔制御用に発行された各種指令を受信する。ただし、この自動機指令監視システムでは、各種指令の中で判定対象とする指令は、自動精査指令、支払取引休止指令、預入取引休止指令、媒体排出指令、および媒体回収指令としている。
指令種別判定部32は、受信した指令の中で、上記の判定対象指令を判別するものであり、判定対象指令以外の指令に対しては、妥当性判定の処理をすることなく、指令通りの処理がそのまま実行される。
指令妥当性判定部33は、受信した判定対象指令に対して、その指令が自動機内外の状態を基にして妥当であるか否かを判定する。
メッセージ生成部34は、指令妥当性判定部33の判定により、当該指令が妥当でないと判定された場合に、それに対応するメッセージを生成する。
メッセージ通知部35は、メッセージ生成部34によって生成されたメッセージを自動機監視クライアント3へ送信する。
繁忙状態検出部36は、自動機1の取引間隔の監視を行い、取引終了から所定時間以内に次の取引が開始されるかを判定することにより、繁忙状態か非繁忙状態かを検出するものである。取引終了から所定時間以内に次の取引が開始されると、繁忙状態、所定時間以上、取引間隔が空いている場合は、非繁忙状態として検出される。繁忙状態検出部36より検出された繁忙状態は、指令妥当性判定部33において、自動精査指令に対する妥当性の判定のための判定条件に使用される。
スケジュール確認部37は、自動機1に設定されたスケジュールを確認するもので、指令妥当性判定部33において、支払取引休止指令および預入取引休止指令に対し、スケジュール通りかどうかの判定に使用される。
支払取引可能状態検出部38は、自動機1内に収納されている紙幣の枚数を基に、支払取引が可能か否かを検出するもので、指令妥当性判定部33において、預入取引休止指令に対する妥当性の判定のための判定条件に使用される。
預入取引可能状態検出部39は、自動機1内に収納されている紙幣の枚数を基に、預入取引が可能か否かを検出するもので、指令妥当性判定部33において、支払取引休止指令に対する妥当性の判定のための判定条件に使用される。
顧客検出部40は、顧客センサ17を用いて自動機1の前に人がいるかどうかの検出(顧客の有無)と自動機1の前に、取引の間、人が一度も離れることなく継続していたかの検出(顧客の連続取引)とを行う。検出した顧客の有無情報および連続取引情報は、指令妥当性判定部33において、媒体排出指令および媒体回収指令に対する妥当性の判定のための判定条件に使用される。
一方、自動機監視クライアント3は、オペレータ操作により、自動機1に対して各種指令を送信する指令送信部41と、自動機1から送信されたメッセージを表示するメッセージ表示部42とを備えている。特に、指令送信部41は、メッセージ表示部42に表示されたメッセージに基づいて、先に発行した指令のキャンセル指令を発行することができる。
以上の構成の自動機指令監視システムによれば、自動精査指令の受信があったとき、指令妥当性判定部33は、繁忙状態検出部36が検出した繁忙状態に基づいて、その指令が妥当であるかを判定する。指令妥当性判定部33は、繁忙状態にあるときに、自動精査を実行すると、取引を止めてしまう可能性があるので、そのような場合、自動精査指令は、妥当でないと判定する。妥当でないと判定された場合、その旨のメッセージをメッセージ生成部34が生成し、メッセージ通知部35が、自動機監視クライアント3に送信する。自動機監視クライアント3では、自動機1から送信されたメッセージがメッセージ表示部42にポップアップ表示される。これにより、繁忙状態のときに誤って自動精査指令が発行された場合に、この指令が実行される前にキャンセルすることが可能になり、自動機1が繁忙状態のときの自動精査の実行を防止することができる。
支払取引休止指令または預入取引休止指令の受信があったときには、指令妥当性判定部33は、まず、スケジュール確認部37により当該指令がスケジュール通りであるかを判定する。次に、スケジュール通りでなければ、指令妥当性判定部33は、支払取引可能状態検出部38および預入取引可能状態検出部39が検出した紙幣の状態に基づいて、その指令が妥当であるかを判定する。すなわち、指令妥当性判定部33は、紙幣の状態がフルまたはニアフルのとき(預入取引不可状態)に支払取引の規制をすると、現金を伴う取引ができなくなるとともに出金による預入取引不可状態の解消ができないことから、支払取引休止指令は妥当でないと判定し、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。また、指令妥当性判定部33は、支払取引休止指令がスケジュール通りでなく預入取引が可能なとき、確認のために、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。
指令妥当性判定部33は、紙幣の状態がエンドまたはニアエンドのとき(支払不可状態)に預入取引の規制をすると、現金を伴う取引ができなくなるとともに入金による支払不可状態の解消ができないことから、預入取引休止指令は妥当でないと判定し、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。また、指令妥当性判定部33は、預入取引休止指令がスケジュール通りでなく支払取引が可能なとき、確認のために、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。これにより、誤った取引規制の指令を発行した場合でも、指令の実行を事前にキャンセルすることができる。
媒体排出指令または媒体回収指令の受信があったときには、指令妥当性判定部33は、顧客検出部40による顧客の有無または顧客の連続取引の検出に基づいて、その指令が妥当であるかを判定する。すなわち、指令妥当性判定部33は、媒体排出指令を発行したときに、自動機1の前に誰もいない場合には、媒体を返却できないので、その指令は妥当でないと判定し、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。また、指令妥当性判定部33は、媒体排出指令を発行したときに、自動機1の前にいる顧客が入れ替わっている可能性があるときには、その指令は妥当でないと判定し、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。
指令妥当性判定部33は、媒体回収指令を発行したときに、自動機1の前に顧客がいる場合には、媒体を返却できるので、その指令は妥当でないと判定し、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。また、指令妥当性判定部33は、媒体回収指令を発行したときに、自動機1の前にいる顧客が入れ替わっている可能性があるときには、その指令は妥当でないと判定し、その旨を自動機監視クライアント3に通知する。これにより、誤った取引規制の指令を発行した場合でも、指令の実行を事前にキャンセルすることが可能となる。
図5は自動機指令監視システムのメインフロー(その1)を示し、図6は自動機指令監視システムのメインフロー(その2)を示す図である。図7は自動機の画面表示例を示す図であって、(A)は取引選択画面、(B)はカード挿入画面、(C)は暗証入力画面、(D)は金額入力画面、(E)は金額確認画面、(F)はコンピュータ画面、(G)は媒体返却画面、(H)はありがとう画面を示している。
以下、支払取引を例に詳細に説明する。
自動機1が起動すると、主制御部28は、図7の(A)に示した取引選択画面を表示させ(ステップS1)、取引終了から次の取引開始までの間の時間を計測する取引間隔タイマを開始させ(ステップS2)、顧客待ち処理を実行する(ステップS3)。
次に、主制御部28は、取引キーの押下があったか否かを判断し(ステップS4)、取引キーの押下があるまで監視している。取引キーの押下があると、主制御部28は、取引間隔タイマを停止し(ステップS5)、取引間隔タイマが一定時間経過前であるか否かを判断する(ステップS6)。一定時間経過する前に取引が開始されたら、連続して取引が実施されていると認識し、連続取引フラグをONにし(ステップS7)、開始が一定時間経過後なら、連続取引フラグをOFFにし(ステップS8)、取引間隔タイマをクリアする(ステップS9)。
次に、主制御部28は、支払取引キーの押下があったか否かを判断し(ステップS10)、支払取引キー以外のキーの押下があった場合には、そのキーに対応する取引処理を行い(ステップS11)、ステップS1に戻る。
押下されたキーが支払取引の場合、主制御部28は、図7の(B)に示したカード挿入画面を表示させて(ステップS12)、カードの挿入を確認する(ステップS13)。次に、主制御部28は、図7の(C)に示した暗証入力画面を表示させて(ステップS14)、暗証番号が入力されるのを待つ(ステップS15)。次に、主制御部28は、図7の(D)に示した金額入力画面を表示させて(ステップS16)、金額の入力と円キーとの押下を待つ(ステップS17)。次に、主制御部28は、図7の(E)に示した金額確認画面を表示させて(ステップS18)、確認キーの押下を待つ(ステップS19)。
確認キーの押下があると、主制御部28は、支払取引電文を生成し(ステップS20)、図7の(F)に示したコンピュータ画面を表示させ(ステップS21)、勘定系ホスト4との通信処理を実行し(ステップS22)、応答電文の受信を待つ(ステップS23)。応答電文が受信されると、主制御部28は、現金の計数処理を行い(ステップS24)、図7の(G)に示した媒体返却画面を表示させて(ステップS25)、カードと現金の媒体返却処理を行う(ステップS26)。
次に、主制御部28は、顧客センサの検知を開始し(ステップS27)、媒体が抜取られたか否かを判断し(ステップS28)、媒体が抜取られた場合、取引は正常終了となる。すなわち、主制御部28は、顧客センサの検知を終了し(ステップS29)、図7の(H)に示したありがとう画面を表示させ(ステップS30)、その後、処理をステップS1に戻す。
媒体が抜取られていない場合、主制御部28は、顧客センサ17によって自動機の前に人がいるかをチェックし(ステップS31)、いないと判断した場合は、いなくなったことを記録、すなわち、顧客センサフラグをONにする(ステップS32)。この顧客センサフラグは、媒体返却以降、一度でも、顧客が自動機1の前から離れたときにONするフラグで、OFFの場合は、媒体返却後継続して離れていないことを表すものである。まだ、顧客が媒体を抜取らずに自動機1の前にいる場合、所定時間経過したか否かを判断する(ステップS33)。所定時間内なら、処理は、ステップS28に戻り、媒体を抜取らないで所定時間を経過した場合、主制御部28は、顧客センサの検知を終了し(ステップS34)、媒体を自動機1内に取り込み、保留しておく(ステップS35)。その後、主制御部28は、障害処理を実行し(ステップS36)、ステップS1に戻る。
図8は顧客待ち処理の自動機のフロー(その1)を示し、図9は顧客待ち処理の自動機のフロー(その2)を示している。
メインフローのステップS3において、顧客待ち処理が開始すると、主制御部28は、支払取引に必要な紙幣が十分な状態にあるか否かを判断する(ステップS41)。装置内紙幣がエンド(紙幣なし)またはニアエンドで支払取引が不可の場合、主制御部28は、支払取引可能フラグをOFFに設定し(ステップS42)、支払取引が可能な状態にある場合には、支払取引可能フラグをONに設定する(ステップS43)。
次に、主制御部28は、預入取引に必要な紙幣の収納空間が十分な状態にあるか否かを判断する(ステップS44)。装置内紙幣がフル(紙幣満杯)またはニアフルで預入取引が不可の場合、主制御部28は、預入取引可能フラグをOFF(取引不可)に設定し(ステップS45)、預入取引が可能な状態にある場合には、預入取引可能フラグをONに設定する(ステップS46)。
次に、主制御部28は、自動機監視クライアント3からの指令の受信があるか否かを判断し(ステップS47)、指令の受信がなければ、この顧客待ち処理を終了する。
自動機監視クライアント3からの指令の受信がある場合、その指令が自動精査指令であるか否かを判断する(ステップS48)。指令が自動精査指令である場合、主制御部28は、指令電文の区分エリアが「確定」か否かを判断し(ステップS49)、指令電文の区分エリアが「確定」でない場合、連続取引フラグがONか否かを判断する(ステップS50)。連続取引フラグとは、取引間隔タイマが一定時間経過する前に取引が開始された場合にONする(ONの状態を継続する)フラグで、自動機1が繁忙の状態にあるかを表すものである。ここで、連続取引フラグがONか否かを見ているのは、連続取引フラグがON(取引が連続している状態)で自動精査を実行すると、取引を止めてしまう可能性があるためである。連続取引フラグがONの場合、主制御部28は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(1)を設定する(ステップS51)。この注意喚起文言(1)としては、たとえば、「連続して取引が実行されており繁忙状態です。自動精査を行いますか?」とすることができる。また、「確定」とは、その指令の強制的な実行指示である。
指令電文の区分エリアが「確定」の場合、または、連続取引フラグがOFF(非繁忙状態)の場合、主制御部28は、自動精査を実行する(ステップS52)。その後、主制御部28は、自動機監視クライアント3に対し、通知電文を送信し(ステップS53)、この顧客待ち処理を終了する。この通知電文は、自動精査指令に対する応答(処理完了)または注意喚起文言(1)のメッセージを含んでいる。このメッセージがある場合、自動機監視クライアント3のメッセージ表示部42に注意喚起文言(1)がポップアップ表示される。
このように、自動機1は、「自動精査指令」を受信すると、自動機内の在高精査(現金計数)を行うため、強制的に顧客の取引を一定時間休止してしまう。これを避けるため、自動精査指令を受信したときに、その自動機1の顧客取引間隔データ(連続取引フラグ)によってある一定間隔で取引が連続していないことを確認し、装置が休止して現金計数を行っても、その処理が終わるまで顧客を待たせないことを確認する。もしも、ある一定間隔で取引が連続していて繁忙状態にあるときは、自動機監視クライアント3のメッセージ表示部42に注意喚起文言(1)をポップアップ表示させる。これにより、誤って自動精査指令を発行してしまい、稼働中の自動機が休止してしまうことを自動精査の実行前に通知されるので、誤指令を予防することができる。具体例としては、たとえば、オペレータが、現在の自動機の現金の在高を知るために「在高指令」(在高指令では自動機は休止しない)を発行しようとしたときに、誤って「自動精査指令」を発行してしまうケースが考えられる。
次に、ステップS48において、指令が自動精査でない場合、主制御部28は、指令が支払取引休止指令か否かを判断する(ステップS54)。指令が支払取引休止指令の場合、主制御部28は、その指令が自動機に設定されたスケジュール通りかどうかを判断し(ステップS55)、スケジュール通りでない場合は、指令電文の区分エリアが「確定」か否かを判断する(ステップS56)。ここで、自動機スケジュール通りまたは「確定」指令の場合、主制御部28は、無条件で支払取引休止処理を実行する(ステップS57)。指令電文の区分エリアが「確定」でない場合、主制御部28は、預入取引可能フラグがOFFかどうかを判断する(ステップS58)。預入取引可能フラグがOFFの場合、主制御部28は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(2)を設定し(ステップS59)、ONの場合は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(3)を設定する(ステップS60)。注意喚起文言(2)は、たとえば、「自動機内の紙幣枚数がいっぱいです。支払取引を継続することにより預入取引の復旧が可能になりますが、支払取引を規制しますか?」とすることができる。一方、注意喚起文言(3)は、たとえば、「自動機スケジュール通りの指令ではありませんが、取引を規制しますか?」とすることができる。
その後、主制御部28は、自動機監視クライアント3に対し、通知電文を送信し(ステップS61)、この顧客待ち処理を終了する。この通知電文は、支払取引休止指令に対する応答(処理完了)または注意喚起文言(2)または(3)のメッセージを含んでいる。通知電文にこのメッセージが設定されている場合、自動機監視クライアント3のメッセージ表示部42に注意喚起文言(2)または(3)がポップアップ表示される。
このように、自動機スケジュール通りでなく、紙幣フルまたはニアフルの場合に、支払取引を規制すると、現金を伴う取引ができなくなるとともに出金による紙幣フルまたはニアフルを解消できなくなるため、注意喚起文言(2)を自動機監視クライアント3に通知するようにしている。
また、自動機スケジュール通りでなく、紙幣正常の場合には、自動機スケジュール通りでなくてよいかという注意喚起文言(3)を自動機監視クライアント3に通知するようにしている。
これにより、支払取引休止という取引を規制する指令を発行してしまった場合でも、その指令の妥当性を指令の実行前に知ることができるので、誤発行により規制される取引処理の実行を未然に防止することができる。
なお、この支払取引休止指令に対する妥当性判断において、同一店舗内の他自動機にて支払取引が可能であるかを確認し、同一店舗内の他自動機がすでに現金不足などを理由に支払取引ができない状態になっていた場合にも注意喚起するようにしてもよい。
次に、ステップS54において、指令が支払取引休止でない場合、主制御部28は、指令が預入取引休止指令か否かを判断する(ステップS62)。指令が預入取引休止指令の場合、主制御部28は、その指令が自動機に設定されたスケジュール通りかどうかを判断し(ステップS63)、スケジュール通りでない場合は、指令電文の区分エリアが「確定」か否かを判断する(ステップS64)。ここで、自動機スケジュール通りまたは「確定」指令の場合、主制御部28は、無条件で預入取引休止処理を実行する(ステップS65)。指令電文の区分エリアが「確定」でない場合、主制御部28は、支払取引可能フラグがOFFかどうかを判断する(ステップS66)。支払取引可能フラグがOFFの場合、主制御部28は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(4)を設定し(ステップS67)、ONの場合は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(3)を設定する(ステップS68)。注意喚起文言(4)は、たとえば、「自動機内の紙幣枚数が少ない状態です。預入取引を継続することにより支払取引の復旧が可能になります。預入取引を規制しますか?」とすることができる。
その後、主制御部28は、自動機監視クライアント3に対し、通知電文を送信し(ステップS69)、この顧客待ち処理を終了する。この通知電文は、預入取引休止指令に対する応答(処理完了)または注意喚起文言(3)または(4)のメッセージを含んでいる。通知電文にこのメッセージが設定されている場合、自動機監視クライアント3のメッセージ表示部42に注意喚起文言(3)または(4)がポップアップ表示される。
このように、自動機スケジュール通りでなく、紙幣エンドまたはニアエンドの場合に、預入取引を規制すると、現金を伴う取引ができなくなるとともに入金による紙幣エンドまたはニアエンドを解消できなくなるため、注意喚起文言(4)を自動機監視クライアント3に通知するようにしている。
また、自動機スケジュール通りでなく、紙幣正常の場合には、自動機スケジュール通りでなくてよいかという注意喚起文言(3)を自動機監視クライアント3に通知するようにしている。
これにより、預入取引休止という取引を規制する指令を発行してしまった場合でも、その指令の妥当性を指令の実行前に知ることができるので、誤発行により規制される取引処理の実行を未然に防止することができる。
なお、この預入取引休止指令に対する妥当性判断において、同一店舗内の他自動機にて預入取引が可能であるかを確認し、同一店舗内の他自動機がすでに現金満杯などを理由に預入取引ができない状態になっていた場合にも注意喚起するようにしてもよい。
次に、ステップS62において、指令が預入取引休止でない場合、主制御部28は、その他の指令処理、すなわち、指令種別判定部32の判定対象以外の指令を実行し(ステップS70)、この顧客待ち処理を終了する。
図10は自動機監視クライアントの処理フローを示し、図11は自動機監視クライアントの画面表示例を示す図であって、(A)は自動機状態画面、(B)は障害内容画面、(C)は指定メッセージ表示画面を示している。
自動機監視クライアント3において、その制御部が、図11の(A)に示した自動機状態画面を表示させ(ステップS71)、何らかの指令ボタンの押下があったか否かを判断する(ステップS72)。
指令ボタンの押下がない場合、自動機監視クライアント3の制御部(以下、単に制御部という場合がある)は、自動機からの通知が受信されているか否かを判断し(ステップS73)、通知がなければ、処理をステップS72に戻す。自動機からの通知が受信されていれば、制御部は、状態通知電文の状態エリアをチェックし、状態コードが障害を表す「00」以外であるか正常を表す「00」であるかを判断する(ステップS74)。
状態コードが正常を表していれば、制御部は、状態通知電文に含まれる店番、店名、自動機番号、状態の情報を図11の(A)に示した自動機状態画面に反映し(ステップS75)、処理をステップS71に戻す。
状態コードが障害を表していれば、制御部は、状態通知電文に含まれる店番、店名、自動機番号、状態、保留媒体の情報を障害内容画面に反映し(ステップS76)、表示画面を、図11の(B)に示した障害内容画面に切り替える(ステップS77)。その後、制御部は、処理をステップS72に戻す。
ステップS72において、指令ボタンの押下が検出されると、制御部は、指令電文を生成し(ステップS78)、その指令電文を通知のあった自動機に送信する(ステップS79)。このとき、指令が判定対象の自動精査指令、支払取引休止指令、預入取引休止指令、媒体回収指令、媒体返却指令の場合に、指令電文の区分エリアに、自動機の状態を確認することを表す「要確認」コードがセットされる。
次に、制御部は、発行した指令が判定対象の電文であったどうかを判断し(ステップS80)、判定対象の電文でなければ、処理をステップS71に戻す。判定対象の電文であれば、制御部は、自動機からの応答を待ち(ステップS81)、応答があった場合、通知電文の応答種別エリアにメッセージありを表すコード「1」の有無を判断し(ステップS82)、メッセージがなければ、処理をステップS71に戻す。応答通知電文にメッセージがあれば、制御部は、図11の(C)に示した指定メッセージ表示画面に指定メッセージを表示する(ステップS83)。
次に、制御部は、OKボタンまたはキャンセルボタンの押下があったか否かを判断し(ステップS84)、キャンセルの場合、処理をステップS71に戻し、OKの場合、指令電文の区分エリアに「確定」をセットした確定指令電文を生成する(ステップS85)。次に、制御部は、確定指令電文を自動機に送信し(ステップS86)、自動機からの応答を待ち(ステップS87)、応答があれば、処理をステップS71に戻す。
図12は障害処理の自動機のフロー(その1)を示し、図13は障害処理の自動機のフロー(その2)を示す図であり、図14は自動機の媒体取り忘れ休止画面の表示例を示す図である。
メインフローのステップS36における障害処理では、まず、自動機1の主制御部28は、状態通知電文を生成して自動機監視クライアント3に障害通知を行う(ステップS91)。この状態通知電文には、該当自動機の店番、店番に該当する店名、自動機番号、自動機の状態を示す状態コード(00:正常、00以外:障害コード)、現在、保留している媒体の情報を含む。
次に、主制御部28は、図14に示した障害休止画面、すなわち、自動機1が媒体取り忘れによる休止のために取扱いできないことを示す画面表示を行い(ステップS92)、自動機監視クライアント3からの指令待ちとなる(ステップS93)。
次に、主制御部28は、自動機監視クライアント3から指令を受信、その指令は、媒体排出指令であるかを判断し(ステップS94)、媒体排出指令である場合、保留媒体があるか否かを判断する(ステップS95)。保留媒体がなければ、主制御部28は、応答種別に「処理未実施」をセットした媒体排出指令結果通知電文を自動機監視クライアント3へ送信する(ステップS96)。
保留媒体がある場合、主制御部28は、指令電文の区分エリアが「確定」かどうかを判断し(ステップS97)、「確定」なら媒体排出処理を実行し(ステップS98)、媒体が抜取られるまで待つ(ステップS99)。
指令電文の区分エリアが「確定」でない場合、主制御部28は、現在、自動機1の前に人がいるかを判断し(ステップS100)、既に自動機1の前に人がいない場合は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(5)を設定する(ステップS101)。この注意喚起文言(5)としては、たとえば「自動機の前にお客様がおりません。媒体を返却しますか?」とすることができる。自動機1の前に人がいる場合、主制御部28は、顧客センサフラグがON、すなわち、一度でも顧客が自動機の前から離れたかどうかを判断する(ステップS102)。顧客センサフラグがOFFの場合は、ステップS98に進み、ONの場合は、自動機の前にいる人が入れ替わっている可能性があるので、主制御部28は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(6)を設定する(ステップS103)。この注意喚起文言(6)としては、たとえば「お客様は、媒体返却以降、自動機から離れています。お客様が異なる可能性がありますが、媒体を返却しますか?」とすることができる。
次に、主制御部28は、媒体排出指令結果通知電文を自動機監視クライアント3へ送信する(ステップS104)。媒体排出指令結果通知電文は、媒体排出実行後の場合、「処理完了」がセットされ、注意喚起文言の設定の場合は、注意喚起文言(5)または(6)のメッセージが含まれる。
このように、媒体排出指令を受信したときに、この指令が妥当であるか否かを判断することにより、たとえば、カード媒体を回収すべきところ、誤って返却してしまうようなオペレータの誤判断・誤操作を未然に防止することができる。すなわち、媒体抜取タイムアウトにてカード媒体を自動機の内部に保留し、自動機が休止してしまったが、特に顧客からの電話がない、という場合は、本来なら、保留媒体を回収して自動機を復旧する「媒体回収指令」を発行すべきである。しかし、上記の処理により、誤って「媒体排出指令」を発行してしまったとしても、顧客が自動機1の前にいない、または、自動機の前にいたとしても入れ替わっている可能性がある場合、その旨を通知することで、媒体の誤返却を未然に防止することができる。
ステップS94において、受信した指令が媒体排出指令でない場合、その指令は、媒体回収指令であるかを判断し(ステップS105)、媒体回収指令である場合、保留媒体があるか否かを判断する(ステップS106)。保留媒体がなければ、主制御部28は、応答種別に「処理未実施」をセットした媒体回収指令結果通知電文を自動機監視クライアント3へ送信する(ステップS107)。
保留媒体がある場合、主制御部28は、指令電文の区分エリアが「確定」かどうかを判断し(ステップS108)、「確定」なら媒体回収処理を実行し(ステップS109)、媒体回収が正常終了するまで待つ(ステップS110)。
指令電文の区分エリアが「確定」でない場合、主制御部28は、現在、自動機1の前に人がいるかを判断し(ステップS111)、自動機1の前に人がいない場合は、処理をステップS109に進める。自動機1の前に人がいる場合は、主制御部28は、顧客センサフラグがONかどうかを判断し(ステップS112)、ONの場合、人が入れ替わっている可能性があるので、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(7)を設定する(ステップS113)。この注意喚起文言(7)としては、たとえば「自動機の前にお客様がいますが、媒体返却以降、一旦、自動機の前から離れています。媒体を回収しますか?」とすることができる。
一方、顧客センサフラグがOFFの場合、主制御部28は、通知電文の表示メッセージのエリアに注意喚起文言(8)を設定する(ステップS114)。この注意喚起文言(8)としては、たとえば「媒体返却以降、自動機の前にお客様がいます。媒体を回収しますか?」とすることができる。
次に、主制御部28は、媒体回収指令結果通知電文を自動機監視クライアント3へ送信する(ステップS115)。媒体回収指令結果通知電文は、媒体回収実行後の場合、「処理完了」がセットされ、注意喚起文言の設定の場合は、注意喚起文言(7)または(8)のメッセージが含まれる。
このように、媒体回収指令を受信したときに、この指令が妥当であるか否かを判断することにより、たとえば、カード媒体を返却すべきところ、誤って回収してしまう誤判断・誤操作を未然に防止することができる。すなわち、媒体抜取タイムアウトにてカード媒体を保留し、自動機が休止してしまったが、顧客からの電話により返却する場合、本来なら、保留媒体を排出して自動機を復旧する「媒体排出指令」を発行すべきである。しかし、上記の処理により、誤って「媒体回収指令」を発行してしまったとしても、自動機の前の顧客の状態を通知することで、媒体の誤回収を未然に防止することができる。
ステップS105において、受信した指令が媒体回収指令でない場合、主制御部28は、その他の指令処理、すなわち、指令種別判定部32の判定対象以外の指令を実行し(ステップS116)、障害がすべて復旧したかどうかを判断する(ステップS117)。障害が復旧しない場合、主制御部28は、処理をステップS93に戻し、障害が復旧した場合は、この障害処理を終了する。
図15は自動機から自動機監視クライアントへ通知される通知電文の例を示す図であって、(A)は自動精査指令結果通知電文、(B)は支払取引休止指令結果通知電文、(C)は預入取引休止指令結果通知電文、(D)は状態通知電文、(E)は媒体排出指令結果通知電文、(F)は媒体回収指令結果通知電文の例を示している。
まず、図15の(A)に示す自動精査指令結果通知電文は、指令種別、応答種別および表示メッセージのデータ項目を有している。指令種別は、応答に対応する指令種別であって、内容が「1」で自動精査指令を表す。応答種別は、内容が「0(処理完了)」の場合、受信した指令を正常に実行したことを示し、「1(メッセージあり)」の場合、メッセージエリアに設定した文言を自動機監視クライアント3に表示することを示す。表示メッセージは、ステップS51にて設定される注意喚起文言(1)が入るエリアである。
図15の(B)に示す支払取引休止指令結果通知電文は、指令種別、応答種別および表示メッセージのデータ項目を有している。指令種別は、応答に対応する指令種別であって、内容が「2」で支払取引休止指令を表す。応答種別は、内容が「0(処理完了)」の場合、受信した指令を正常に実行したことを示し、「1(メッセージあり)」の場合、メッセージエリアに設定した文言を自動機監視クライアント3に表示することを示す。表示メッセージは、ステップS59またはS60にて設定される注意喚起文言(2)または(3)が入るエリアである。
図15の(C)に示す預入取引休止指令結果通知電文は、指令種別、応答種別および表示メッセージのデータ項目を有している。指令種別は、応答に対応する指令種別であって、内容が「3」で預入取引休止指令を表す。応答種別は、内容が「0(処理完了)」の場合、受信した指令を正常に実行したことを示し、「1(メッセージあり)」の場合、メッセージエリアに設定した文言を自動機監視クライアント3に表示することを示す。表示メッセージは、ステップS68またはS67にて設定される注意喚起文言(3)または(4)が入るエリアである。
図15の(D)に示す状態通知電文は、店番、店名、自動機番号、状態コードおよび保留媒体のデータ項目を有している。店番は、該当自動機の店番を示し、店名は、店番に該当する店名を示し、自動機番号は、該当自動機個別番号を示し、状態コードは、自動機の状態(00:正常、00以外:障害コード)を示し、保留媒体は、現在、保留している媒体(保留していなければオールスペース)を示している。
図15の(E)に示す媒体排出指令結果通知電文は、指令種別、応答種別および表示メッセージのデータ項目を有している。指令種別は、応答に対応する指令種別であって、内容が「4」で媒体排出指令を表す。応答種別は、内容が「0(処理完了)」の場合、受信した指令を正常に実行したことを示し、「1(メッセージあり)」の場合、メッセージエリアに設定した文言を自動機監視クライアント3に表示することを示し、「2(処理未実施)」の場合、受信した指令を実行しなかったことを示す。表示メッセージは、ステップS101またはS103にて設定される注意喚起文言(5)または(6)が入るエリアである。
図15の(F)に示す媒体回収指令結果通知電文は、指令種別、応答種別および表示メッセージのデータ項目を有している。指令種別は、応答に対応する指令種別であって、内容が「5」で媒体回収指令を表す。応答種別は、内容が「0(処理完了)」の場合、受信した指令を正常に実行したことを示し、「1(メッセージあり)」の場合、メッセージエリアに設定した文言を自動機監視クライアント3に表示することを示し、「2(処理未実施)」の場合、受信した指令を実行しなかったことを示す。表示メッセージは、ステップS113またはS114にて設定される注意喚起文言(7)または(8)が入るエリアである。
図16は自動機監視クライアントから自動機へ通知される通知電文の例を示す図であって、(A)は自動精査指令電文、(B)は支払取引休止指令電文、(C)は預入取引休止指令電文、(D)は媒体排出指令電文、(E)は媒体回収指令電文、(F)はリセット指令電文の例を示している。
図16の(A)に示す自動精査指令電文は、ホスト名、指令種別および区分のデータ項目を有している。ホスト名は、該当自動機のホスト名が入り、指令種別は、内容が「1」で自動精査指令を表す。区分は、内容が「0(要確認)」の場合、「自動機状態を確認する」選択時を表し、「1(確定)」の場合、「自動機状態を確認しない」選択時を表す。
図16の(B)に示す支払取引休止指令電文は、ホスト名、指令種別および区分のデータ項目を有している。ホスト名は、該当自動機のホスト名が入り、指令種別は、内容が「2」で支払取引休止指令を表す。区分は、内容が「0(要確認)」の場合、「自動機状態を確認する」選択時を表し、「1(確定)」の場合、「自動機状態を確認しない」選択時を表す。
図16の(C)に示す預入取引休止指令電文は、ホスト名、指令種別および区分のデータ項目を有している。ホスト名は、該当自動機のホスト名が入り、指令種別は、内容が「3」で預入取引休止指令を表す。区分は、内容が「0(要確認)」の場合、「自動機状態を確認する」選択時を表し、「1(確定)」の場合、「自動機状態を確認しない」選択時を表す。
図16の(D)に示す媒体排出指令電文は、ホスト名、指令種別および区分のデータ項目を有している。ホスト名は、該当自動機のホスト名が入り、指令種別は、内容が「4」で媒体排出指令を表す。区分は、内容が「0(要確認)」の場合、「自動機状態を確認する」選択時を表し、「1(確定)」の場合、「自動機状態を確認しない」選択時を表す。
図16の(E)に示す媒体回収指令電文は、ホスト名、指令種別および区分のデータ項目を有している。ホスト名は、該当自動機のホスト名が入り、指令種別は、内容が「5」で媒体回収指令を表す。区分は、内容が「0(要確認)」の場合、「自動機状態を確認する」選択時を表し、「1(確定)」の場合、「自動機状態を確認しない」選択時を表す。
図16の(F)に示すリセット指令電文は、ホスト名、指令種別および区分のデータ項目を有している。ホスト名は、該当自動機のホスト名が入り、指令種別は、内容が「6」でリセット指令を表す。区分は、内容が「1(確定)固定」の場合、「自動機状態を確認しない」選択時を表す。
なお、以上の実施の形態では、妥当性の判断をすべて自動機1内で行うようにしている。しかし、自動機1に情報取得部だけを備え、指令受信部31からメッセージ通知部35までの機能の一部または全部を自動機監視クライアント3に備えるようにしてもよい。これにより、妥当性判断に必要な情報取得部の情報を自動機1から受け取ることにより、妥当性の判断の一部または全部を自動機監視クライアント3の側にて行うこともできる。
さらには、妥当性判断に必要な情報は、同一店舗内の他自動機の情報を含めることができ、同一店舗内の他自動機の状況を加味して妥当性判定をするようにしてもよい。たとえば、自自動機だけ繁忙状態が続いていても、他自動機の多くが非繁忙状態であるなら、自動精査指令を実行するように妥当性判定をすることもできる。