(A)第1の実施形態
以下、本発明の取引装置、取引プログラム及び取引システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態では、例えば銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置されるATMに本発明を適用する場合を例示する。
ATMにおいて、表示画面の動作制御を行うATMアプリケーションが動画像再生部(例えば、WMV等)に制御(再生開始等)の指示をしても正しく動作しない事象が生じ、取引の運用が中断することが生じ得る。上記事象の発生要因は、大きく2つに分類されると考えられる。
第1は、動画像再生部がアプリケーションからの状態変更の依頼通知(動画像の再生開始指示等)を正しく受け取ってない場合である。
第2は、動画像再生部若しくは表示環境(ブラウザ)自体が停止している場合である。
そこで、第1の実施形態は、上記第1の発生要因である、動画像再生部がアプリケーションからの状態変更の依頼通知(動画像の再生開始指示等)を正しく受け取ってない場合の回避策を説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)ATM1の外観構成及び内部構成
図2は、第1の実施形態に係るATMの外観構成を示す斜視図である。図2において、第1の実施形態に係るATM1は、操作表示部50、カード挿入排出口401、伝票排出部601、通帳挿入排出口701、紙幣入出金口801、硬貨入出金口802を有する。
図1は、第1の実施形態に係るATM1の内部構成を示す内部構成図である。図1において、第1の実施形態に係るATM1は、制御部10、データ記憶部20、通信部30、カードリーダライタ40、操作表示部50、伝票用プリンタ60、通帳処理部70、現金処理部80を有する。
制御部10は、ATM1内の各構成要素の動作制御や情報処理を行う機能を担うものである。また、制御部10は、CPU101と、1次記憶手段としてのメモリ102を有する。
データ記憶部20は、制御部10により実行される処理プログラムや情報処理に必要な各種情報や、操作表示部50に表示する画像データ(動画像データ、静止画像データ)等を記憶するものである。データ記憶部20は、制御部10により2次記憶手段として利用されるものである。データ記憶手段20は、例えば、フラッシュメモリやHDD等により構成される。
第1の実施形態では、制御部10及びデータ記憶部20は、オペレーティングシステム(以下、単に「OS」と表す:例えば、Windows等)をインストール可能なコンピュータとして構成される。
通信部30は、ホストサーバ2等との間で情報を通信するためのネットワークインタフェースである。なお、通信部30については、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
カードリーダライタ40は、カード挿入排出口401から挿入されたカード(例えば、キャッシュカード、クレジットカード等)が有するデータ格納部に格納されているデータの読み取り等を行うものである。なお、カードリーダライタ40は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
操作表示部50は、当該ATM1のユーザインタフェース機能を担うものである。具体的には、操作表示部50は、タッチパネル画面を用いて、利用者に操作画面を提示し、利用者への情報出力や、利用者からの操作受付(メニュー選択や金額入力、番号入力等)を行うことが可能なデバイスである。
伝票用プリンタ60は、伝票用紙に取引内容を印字して、伝票排出部601から排出するものである。なお、伝票用プリンタ60自体は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
通帳処理部70は、通帳挿入排出口701に挿入された通帳の処理(例えば、通帳への取引結果の印字等)を行うものである。なお、通帳処理部70は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
現金処理部80は、入金された貨幣(紙幣及び又は硬貨)を収納する機能と、収納されている貨幣を利用者に出金する機能を担っている。この実施形態では、現金処理部80は、紙幣入出金口801から紙幣の入出金を行い、硬貨入出金口802から硬貨の入出金を行うことが可能となっているものとする。なお、現金処理部80は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため詳しい説明を省略する。
(A−1−2)制御部10の取引に係る動画像の再生制御
次に、第1の実施形態の制御部10の機能的構成と、制御部10及び操作表示部50の接続構成を説明する。
図3は、第1の実施形態の制御部10の機能的構成と、制御部10及び操作表示部50の接続構成を示す構成図である。制御部10のオペレーティングシステム(以下、「OS」と表す)上で動作するプログラム構成は、機能的には図3のように示すことができる。
図3において、制御部10は、取引処理部204、画面遷移制御部201、画面制御部202、ブラウザ203を有する。
取引処理部204は、ATM1において実行される各種取引の処理を行うものである。取引処理部204は、例えば取引アプリケーションプログラムとすることができる。
取引処理部204が行う処理としては、例えば、入金取引処理や出金取引処理がある。入金取引処理は、ATM1内に貨幣を入金する取引処理であり、例えば、預け入れ取引、振込取引等がある。また、出金取引処理は、ATM1内にある貨幣を出金する取引処理であり、例えば、引き出し取引等がある。
画面遷移制御部201は、各種取引毎又は運用毎に表示する画面の遷移制御を行うものである。画面遷移制御部201は、各種取引毎又は運用毎に表示する画面の遷移パターンが定義されている。画面遷移制御部201が指示する画面は、動画像を含む画面を有する。画面に含まれる動画像は、様々な情報を利用者に提示するものであり、動画像の内容は特に限定されるものではない。例えば、動画像は、取引操作の説明に関する動画像、広告に関する動画像、取引に関連する情報等がある。画面遷移制御部201は、例えばJava(登録商標)アプリケーションプログラムとすることができる。
画面遷移制御部201は、取引処理部204が実行する取引の種類に基づいて、対応する取引種類の画像を画面制御部202に表示指示するものである。また、画面遷移制御部201は、画面上の操作が完了した旨を示す画面遷移通知を画面制御部202から取得し、取引処理部204が実行する取引の進行具合に応じて、対応する画像を画面制御部202に遷移指示したりするものである。
画面制御部202は、ATM1の操作表示部50に表示する画面の動作制御を行うものである。画面制御部202は、例えば、JavaScript(登録商標)等で記述された動作制御アプリケーションプログラムとすることができる。
画面制御部202は、図3に示すように、動画像再生制御部210と、取引継続部220とを有する。
動画像再生制御部210は、ブラウザ203の動画像再生部231に対して動画像の状態制御を行うものである。動画像再生制御部210が動画像再生部231に対して行ない状態制御として、動画像データの読み込み指示、動画像の再生指示、動画像の一時停止指示、動画像の再生停止指示等がある。
例えば、動画像再生制御部210は、取引開始後に、操作表示部50に表示する組み込み用の動画像の読み込み開始を動画像再生部231に指示する。また、動画像再生制御部210は、動画像再生部231が動画像を再生可能な状態になると、動画像再生部231に対して動画像の再生開始を指示する。さらに、動画像再生制御部210は、取引状態に応じて、動画像再生部231に対して動画像の一時停止指示や画面変更指示等も行う。
また、動画像再生制御部210は、動画像再生部231の状態を確認する状態確認部211を有する。
状態確認部211は、動画像再生制御部210の指示に対して動画像再生部213から返される状態通知の内容又は状態通知が返されるか否かに基づいて、動画像再生部213の動作状態を確認する。
取引継続部220は、動画像再生部213の動作状態を監視し、動画像再生部213の動画像再生に異常が発生したときに、操作表示部50に表示する画面の画面制御を行うものである。これにより、操作表示部50には取引に係る画面が復帰するため当該取引運用を継続することができる。
取引継続部220は、図3に示すように、状態監視部221、状態確認中止部222、強制停止部223、再表示指示部224を有する。
状態監視部221は、動画像再生制御部210の状態確認部211の状態確認結果に基づいて、動画像再生部231の動作状態を監視するものである。
状態確認中止部222は、状態監視部221による監視結果に基づいて、動画像再生部231による動画像の再生異常が発生した場合に、状態確認部221による動画像再生部231の状態確認処理を中止させるものである。
強制停止部223は、動画像再生部231による動画像の再生異常が発生した場合に、現在動画像再生部231に再生開始指示をしている動画像の表示を強制的に停止させるものである。
再表示指示部224は、強制停止部223により強制的に停止させた動画像を、動画像再生制御部210に対して再度表示させることを指示するものである。
ブラウザ203は、一般的な種々のWebブラウザを適用することができる。ブラウザ203には、動画像再生部231が組み込まれている。
動画像再生部231は、ブラウザ203の画面上に動画像データの再生画面を表示するものである。動画像再生部231は、ブラウザ203の画面に、動画像の表示画面を組み込んで表示する。動画像再生部231は、動画像プレーヤ(いわゆるメディアプレーヤ)のプログラムを適用することができる。動画像再生部231としての動画像プレーヤは、種々のメディアプレヤのプログラムを適用することができる。
第1の実施形態では、ブラウザ203に、動画像再生部231としてのWMVが組み込まれており、WMV(動画像再生部231)が、ブラウザ203を介して、WMV9形式の動画像データを表示させる場合を例示する。
操作表示部50は、利用者に向けて表示する画面を表示する表示部501と、利用者操作により入力された情報を取り込む入力部502とを有するものである。操作表示部50は、ディスプレイ501及び操作入力部502が一体となりタッチパネル方式の操作表示手段とする。
図4は、第1の実施形態の画面制御部202による表示画面を説明する説明図である。
図4に示すように、画面制御部202は、表示部501に表示画面として、第1の画面W1と第2の画面W2の2枚のブラウザの画面(ウィンドウ)を重ねて配置する。なお、ここでは、画面(ウィンドウ)の数を2枚とする場合を例示するが、3枚以上であっても良い。
画面制御部202は、ブラウザ203に対して、2枚の画面(ウィンドウ)のうち、いずれの画面を前面に表示するかを示す切り替え指示を行う。ブラウザ203は、画面制御部202からの切り換え指示に従って、2枚の画面の位置を切り替える。前面の画面は表示画面となり、後面(背面)の画面は非表示画面となる。
図4の例では、画面W1が表示画面であり、画面W2が非表示画面である場合を示す。従って、図4の状態では、表示部501に表示されるのは、第1の画面W1のみとなる。
ここで、画面制御部202が上述したような画面制御(ウィンドウ制御)を行う方法は、種々の方法を広く適用することができる。例えば、画面制御部202は、OS200がWindowsの場合、WindowsAPI等の制御手段を用いて実現することができる。
画面制御部202が第1の画面W1と第2の画面W2との切り替えるタイミングや、画面制御部202が第1の画面上で動画像を再生させるタイミングや、第1の画面上で再生させる動画像の内容については、特に限定されない。
例えば、図4に示す第1の画面W1は、取引に関する操作画面や、動画像が組み込まれた再生画面等を含む画面とする。また、第2の画面W2は、表示内容は特に限定されるものではない。例えば、第2の画面W2は、動画像再生部213が新たに読み込んだ動画像の再生準備が完了するまでの間に、取引が継続してなされている旨を示すメッセージを含む画面とすることができる。
上記の例の場合、例えば、画面制御部202は、取引開始後、第1の画面W1を表示させるようにしても良い。また、取引の進行過程において、ホストサーバとの間で通信処理を行う場合や取引操作の待ち時間等が生じた場合に、画面制御部202は、第1の画面W1上で動画像(例えば、広告に関する動画像等)を再生させるようにしても良い。さらに、第1の画面W1上の動画像を変更するような場合、動画像再生部231は、別の動画像を読み込むことが必要となる。そのような場合、動画像再生部231は、新たな動画像の読み込みや動画像の再生準備等に所定の時間を要する。この動画像の読み込み再生準備期間は、第1の画面W1上で動画像が表示されない(真っ黒な画面が表示される)。そこで、動画像の読み込み再生準備期間に、画面制御部202は、第2の画面W2を表示するようにしても良い。
(A−2)第1の実施形態の動作
図5及び図6は、第1の実施形態のATM1における画面表示制御処理を示すシーケンス図である。
まず、ATM1の操作表示部50の表示部501には、取引の種類を選択するメニュー画面が表示される。利用者操作により取引種類が選択され、その取引種類を示す情報が制御部10に与えられる。制御部10において、選択された取引の取引処理部204が起動し、所定の取引が開始する(S101)。
画面遷移制御部201において、取引や運用に応じた画面の遷移指示が画面制御部202に与えられる。ここでは、動画像を含む画面とする。
動画像再生制御部210は、動画像再生部231に対して、動画像を組み込む画面の読み込み開始を指示する(S102)。例えば、図4の第1の画面W1の読み込みを指示する。
動画像再生制御部210から画面の読み込み開始が指示されると、動画像再生部231は指示された画面を読み込み、動画像再生部231は当該画面における動画像の配置確認を行う(S103)。例えば、動画像再生部231は、図4の第1の画面W1及び第1の画面W1に組み込む動画像データを読み込む(例えば、画面に関するファイルを開く)。
動画像再生制御部210において、動画像再生部231から画面の読み込み完了通知が与えられると、動画像再生開始指示が、動画像再生部231に与えられる(S105)。これにより、画面に組み込まれた動画像を、ATM1が自律的に再生開始させることができる。
動画像再生制御部210からの動画像再生開始指示を受けて、動画像再生部231は、指示された動画像データを読み込む(S106)。動画像再生部231による動画像データの読み込みや動画像の再生準備には所定時間を要する。
この間、動画像再生部231の状態を確認するために、状態確認部211は、定期的に、動画像再生部231に対して動作状態を問い合わせる。状態確認部211は、動画像再生部231から状態通知の内容に基づいて、動画像再生可能な状態か否かを確認する(S107)。
そして、動画像再生部231において、動画像データの読み込みが完了し、動画像の再生準備が完了すると、動画像再生部231は動画像再生状態となる。すなわち、表示する画面において動画像が再生される(S109)。
また、このとき、動画像再生制御部210では、状態確認部211が動画像再生部231から取得した状態通知に基づいて、動画像再生部231が動画像の再生状態であることを確認する(S108)。
動画像再生制御部210が、動画像再生部231に対して状態制御に係る指示(状態制御通知)を行う(S110)。これは、例えば、第1の画面W1に表示する動画像を別の動画像に変更するような場合に、現在再生している動画像を一時的に停止し、別の動画像を再生させる場合を例示する。
ここでは、動画像再生制御部210による動画像再生部231に対する状態制御が、一時停止指示である場合を例示する。しかし、動画像再生制御部210による状態制御は、一時停止指示に限定されるものではない。動画像再生部231が動画像再生制御部210からの状態制御に係る指示を受け取らないという事象を特定することができればよい。図5では、動画像再生制御部210が一時停止指示をすることで、動画像再生部231が状態制御に係る指示を受け取らないという事象を特定する場合を例示するが、動画像の再生指示、動画像の停止指示等であっても良い。
S110において動画像再生制御部210からの状態制御通知が動画像再生部231に与えられる。これに対して、動画像再生部231が、動画像再生制御部210からの指示の受け取りを失敗するものとする。この場合、動画像再生部231は、動画像再生制御部210からの指示に応じた動作を行わない。
動画像再生制御部210において、状態制御に係る指示の後、状態確認部231は、動画像再生部211に対して状態確認を行う(S112)。状態確認部231は、動画像再生部211からの状態通知に基づいて、動画像再生部211が状態制御に係る指示に対応する動作を行っていないことを確認する。この例の場合、動画像再生部211が、一時停止状態でないこと(動画像が再生していることを)を確認する。
取引継続部220では、動画像再生制御部210が、動画像再生部231に対して、最初に指示された動画像の再生開始指示のタイミングで、状態監視部221がタイマ時間を計時して、動画像再生部231の状態監視を行う(S114)。
そして、所定時間(例えば、25秒)経過後に、取引継続部220の状態監視部221は、動画像再生制御部210の状態確認部211から動画像再生部231の状態を取得する(S115)。
なお、ここでは、状態監視部221による動画像再生部231の状態を監視する時間が、動画像の再生開始指示後25秒とする場合を例示するが、その監視時間は特に限定されないものである。これにより、画面内に組み込まれた動画像が制御指示に従って、正しく動作しているか否かを自律的に行うことができる。
状態監視部221により動画像再生部231の動画像の再生状態に異常が生じたことが検知されると、状態確認中止部222は、状態確認の中止処理を行う(S116)。つまり、状態確認中止部222は状態確認部211に対して状態確認の中止を指示する(S117)。これは、状態確認部211による状態確認処理のループを中止するためである。
次に、強制停止部223は、動画像再生部231に対して動画像の再生を強制停止し(S118)、再表示指示部224が、動画像再生制御部210に対して、強制停止した動画像について再表示を指示する(S119)。
このとき、強制停止部223は、表示される画面上に組み込まれた動画像の再生を強制的に停止する。従って、表示されている画面(例えば、図4の第1の画面W1)に含まれる動画像のみが停止するものであり(S120)、当該画面上の動画像以外の画面は表示されたままである。
再表示指示部224から動画像の再表示指示が与えられると、動画像再生制御部210は、強制停止された動画像について動画像再生開始指示を、動画像再生部231に行う(S121)。
動画像再生制御部210から動画像再生開始指示が与えられると、動画像再生部231は、指示された動画像データを読み込む(S122)。
動画像再生制御部210において、状態確認部211が動画像再生部231の状態を確認し(S123)、動画像再生部231が動画像の再生状態(S124)であることを確認する(S125)。
現在再生している動画像に代えて別の動画像の再生に変更する場合、動画像再生制御部210は、動画像の一時停止指示を動画像再生部231に行う(S126)。
動画像再生部231が、動画像再生部231の状態確認を行い(S127)、動画像再生部231が動画像を一時停止する状態(S128)であることを確認する(S129)。
そうすると、動画像再生制御部210は、画面遷移制御部201からの画面遷移指示に従って、変更後の動画像の再生開始指示を動画像再生部231に対して行い(S130)、表示画面の切替指示を行う(S131)。これにより動画像再生部231は、指示された動画像の再生を行う(S132)。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、画面制御部(ATMアプリケーション)からの状態変更の依頼通知(動画像の再生開始等)を、動画像再生部(WMV)が受け取れていない場合であっても、ATM取引を中断することなく画面の遷移を行うことが可能となる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の取引装置、取引プログラム及び取引システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、例えば銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置されるATMに本発明を適用する場合を例示する。
また、第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、第1の発生要因である、動画像再生部がアプリケーションからの状態変更の依頼通知(動画像の再生開始指示等)を正しく受け取ってない場合の回避策を説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態のATMの外観構成及び内部構成は、第1の実施形態と同一又は対応するATM1を適用することができるため、第2の実施形態においても、図1及び図2を用いてATMの詳細な説明を行う。
図7は、第2の実施形態の制御部10の機能的構成と、制御部10及び操作表示部50の接続構成を示す構成図である。制御部10のオペレーティングシステム(以下、「OS」と表す)上で動作するプログラム構成は、機能的には図7のように示すことができる。
図7において、制御部10は、取引処理部204、画面遷移制御部201、画面制御部202、ブラウザ203を有する。
第2の実施形態では、画面制御部202における取引継続部220の機能的構成が第1の実施形態と異なる。そこで、第2の実施形態では、取引継続部220の構成を詳細に説明する。
第2の実施形態は、取引継続部220は、動画像再生部213の動作状態を監視し、動画像再生部213の動画像再生に異常が発生したときに、操作表示部50に表示する画面の画面制御を行うものである。これにより、操作表示部50には取引に係る画面が復帰するため当該取引運用を継続することができる。
取引継続部220は、図7に示すように、状態監視部221、状態確認中止部222、強制停止部223、画面切替部225を有する。
なお、状態監視部221、状態確認中止部222、強制停止部223は、第1の実施形態と同一又は対応する構成要素である。
画面切替部225は、表示部501に表示する表示画面を切り替えるものである。画面切替部225は、強制停止部223による動画像の強制停止後、動画像を含む画面から、静止画を含む画面に切り替える。つまり、動画像が組み込まれた第1の画像W1を表示している場合、画面切替部225は、動画像の強制停止した後、第1の画面W1から静止画を含む第2の画面W2に切り替える
(B−2)第2の実施形態の動作
図5及び図8は、第2の実施形態のATM1における画面表示制御処理を示すシーケンス図である。
図5におけるS101〜S116に示す処理は第1の実施形態と同一又は対応する処理であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
図5のS116において、状態監視部221により動画像再生部231の動画像の再生状態に異常が生じたことが検知されると、状態確認中止部222は、状態確認の中止処理を行う(S116)。
図8において、状態確認中止部222は状態確認部211に対して状態確認の中止を指示する(S201)。これは、状態確認部211による状態確認処理のループを中止するためである。
強制停止部223は、動画像再生部231に対して動画像の再生を強制停止する(S202)。また、強制停止部223は、動画像再生制御部210に対して、強制停止した動画像を表示画面から非表示にする非表示指示を行う(S203)。
これにより、動画像再生部231は、現在表示している画面における動画像表示領域に、動画像を非表示にする(S204)。
次に、画面切替部225は、現在表示している、本来動画像が組み込まれる画面から、静止画を含む画面に表示指示を行い(S205)、表示画面の切り替えを指示する(S206)。
ここで、静止画を含む画面は、例えば、動画像が組み込まれた画面で表示する予定であった動画像と内容が近似する内容を示す静止画とする。例えば、静止画は、動画像の最初に位置するフレーム、最後に位置するフレーム、又は最初と最後のフレームに存在する1又は複数のフレームを組み合わせて作成した画像(例えば、GIF画像等)を用いることができる。
そして、画面切替部225は、所定時間継続して静止画を表示した後、通常の取引処理と同様に画面遷移を行う。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、画面制御部(ATMアプリケーション)からの状態変更の依頼通知(動画像の再生開始等)を、動画像再生部(WMV)が受け取れていない場合であっても、ATM取引を中断することなく画面の遷移を行うことが可能となる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明の取引装置及び取引プログラムの第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第3の実施形態も、第1及び第2の実施形態と同様に、例えば銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置されるATMに本発明を適用する場合を例示する。
第3の実施形態は、第2の発生要因である、動画像再生部若しくは表示環境(ブラウザ)自体が停止している場合の回避策を説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態のATMの外観構成及び内部構成は、第1及び第2の実施形態と同一又は対応するATM1を適用することができるため、第3の実施形態においても、図1及び図2を用いてATMの詳細な説明を行う。
また、第3の実施形態のATM1の構成は、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明したATM1の構成に加えて適用することができる。
図9は、第3の実施形態の制御部10の機能的構成と、制御部10及び操作表示部50の接続構成を示す構成図である。制御部10のオペレーティングシステム(以下、「OS」と表す)上で動作するプログラム構成は、機能的には図7のように示すことができる。
図9において、制御部10は、取引処理部204、画面遷移制御部201、画面制御部202、ブラウザ203を有する。
第3の実施形態では、画面遷移制御部201の機能的構成が、第1及び第2の実施形態と異なる。そこで、第3の実施形態では、画面遷移制御部201の構成を詳細に説明する。
ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止した場合、画面制御部202も停止してしまう。従って、動画像の再生等を自律的に復帰させるため、画面制御部202から復帰処理を行うことができない。そこで、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止した場合には、画面遷移制御部201がそのような事象を検出し、再度画面遷移指示を行う。
画面遷移制御部201は、第1の実施形態と同様に、各種取引毎又は運用毎に表示する画面の遷移制御を行うものである。図9に示すように、画面遷移制御部201は、画面遷移指示部241、状態監視部242、負荷状況確認部243を有する。
状態監視部242は、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止したか否かを監視するものである。
ここで、状態監視部242による監視方法は、例えば次に例示する2つの方法を適用することができる。上述したように、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止した場合、画面制御部202も停止する。
第1の方法は、状態監視部242が時間による監視を行う方法である。状態監視部242は、画面遷移指示部241が画面制御部202に対して画面遷移指示を通知した後、タイマ監視を行う。そして、所定時間経過しても、画面制御部202から画面表示完了通知が戻ってこないとき、状態監視部242は、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止していると判断する。
ここで、状態監視部242の監視時間は、画面制御部202の画面遷移指示に対する通常時の応答時間を考慮して決定することができる。例えば、監視時間を60秒程度とした場合、状態監視部242が、監視時間60秒程度経過しても、画面遷移指示に対する応答がない場合に、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止していると判断する
また、第2の方法は、状態監視部242は、表示画面の画像差分の比較により監視を行う方法である。状態監視部242は、画面遷移指示部241による画面遷移指示を通知した後、所定時間毎に、その時点の表示画面を取得する。状態監視部242は、複数枚の表示画面を取得する。また、表示画面の取得は、例えば、スクリーンショット機能により表示部501の表示画面の全部又は一部の画像を写し、その画像を取得することで実現できる。
そして、状態監視部242は、取得した複数の表示画面の画像差分を比較する。例えば、状態監視部242は、表示画面における所定単位の画素値の差分を比較する。
その画像の画素値差分(以下、画像差分ともいう)が閾値以下の場合、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止していると判断する。これは、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止している場合、表示画面は固定されることがある。そこで、状態監視部242は、複数の表示画面の画像差分を比較することで、差分が閾値以下の場合、ブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止していると判断する。
なお、状態監視部242は、上記第1の方法、第2の方法に限定されるものではない。また、状態監視部242は、上記第1の方法、第2の方法のいずれを用いるようにしても良いし、又は両方を用いて判断するようにしても良い。
負荷状況確認部243は、状態監視部242によりブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止していると判断された場合、ATM1の負荷状況を確認するものである。例えば、負荷状況確認部243は、制御部10のCPU101の使用率を確認し、CPU101の使用率と閾値(例えば、性能指標値等)とを比較するものである。なお、閾値は、1個としても良いし又は複数個としても良い。
画面遷移指示部241は、画面制御部202に対して、画面遷移指示を行うものである。
また、画面遷移指示部241は、状態監視部242によりブラウザ203自体若しくは動画像再生部231が停止していると判断された場合、負荷状況確認部243の確認結果に基づいて、負荷に応じた画面の遷移指示を行うものである。
(C−2)第3の実施形態の動作
図10は、第3の実施形態のATM1における画面表示制御処理を示すシーケンス図である。
図10において、取引開始後、画面遷移制御部201において、取引や運用に応じた画面の遷移指示が、画面遷移指示部241から画面制御部202に与えられる(S301)。ここでは、動画像を含む画面とする。画面遷移指示が通知されると、状態監視部242においてタイマ計時が開始する(S302)。
画面遷移指示が画面制御部202に通知されると、画面制御部202において、画面の遷移が開始する(S303)。このとき、画面制御部202は、動画像再生部231に対して、指示され画面及び当該画面に組み込む動画像の読み込みを指示すると共に、動画像再生部231に対して、動画像の再生開始指示を行う。これにより、当該画面上で動画像が再生される(S304)。
その後、動画像再生部231若しくはブラウザ203自体が何らかの異常が生じて停止したとする(S305)。
画面遷移制御部201において、状態監視部242は、画面遷移指示の通知から所定時間後に状態監視を行う(S306、S307)。
例えば、状態監視部242は、画面遷移指示を通知してから所定時間(例えば、60秒程度)以内に、画面制御部202から画面遷移指示に対する応答があるか否かを確認する。そして、所定時間以内に画面遷移指示に対する応答がない場合、状態監視部242は、動画像再生部231若しくはブラウザ203自体が停止していると判断する。所定時間以内に画像遷移指示に対する応答がある場合、画面制御部202は動作しているため、状態監視部242は、動画像再生部231若しくはブラウザ203が動作していると判断する。
また例えば、状態監視部242は、画面遷移指示を通知してから所定の監視時間(例えば30秒程度)を計時する。そして、状態監視部242は、上記監視時間の間に、所定時間毎(例えば10秒毎)に、スクリーンショット機能により表示画面を取得する。状態監視部242は、3枚の表示画面の画像を比較して差分を求める。そして、画像差分が閾値以下の場合、状態監視部242は、動画像再生部231若しくはブラウザ203自体が停止していると判断する。そして、画像差分が閾値を超えている場合、状態監視部242は、動画像再生部231若しくはブラウザ203は動作していると判断する。なお、画像の差分を求める際、状態監視部242は、複数の表示画面の全体同士を比較するようにしても良いし、表示画面上に配置される動画像領域で比較するようにしても良い。
状態監視部242により動画像再生部231若しくはブラウザ203自体が停止していると判断されると、負荷状況確認部243は、制御部10のCPU101の使用率を取得し、CPU101の負荷状況を確認する(S308)。
動画像再生部231若しくはブラウザ203自体が停止する状況として、一般的にCPU101が高負荷となっている場合がある。CPU101が高負荷の場合に、再度同じ動画像を含む画面を表示させるようにしても、画面の表示動作が正しく行なわれないことがある。例えば、再度同じ動画像を含む画面を表示させ、画面が正しく表示されない場合には、2度の表示失敗となる。2度の表示失敗が発生すると、ATM1の利用者に対しては通常の動画表示に比べて3倍の表示時間を与えることになり得る。
そこで、画面遷移指示部241は、負荷状況確認部243による確認結果に基づいて、負荷の程度に応じた画面の遷移指示を画面制御部202に行う(S308)。これを受けて、画面制御部202は、指示された画面への画面遷移動作を開始する(S309)。これ以降は通常の画面表示処理が行われる。
図11は、第3の実施形態の画面制御部202における処理を示すフローチャートである。
図11において、OSからCPU101の使用率を取得すると(S401)、負荷状況確認部243がCPU101の使用率と閾値との比較を行う(S402)。
画面遷移指示部241は、CPU101の使用率が閾値を超える場合には、動画像が組み込まれる画面から、静止画を含む画面に表示指示を行う(S403)。
この静止画を含む画面は、例えば、動画像が組み込まれた画面で表示する予定であった動画像と内容が近似する内容を示す静止画としても良い。また例えば、静止画は、動画像の最初に位置するフレーム、最後に位置するフレーム、又は最初と最後のフレームに存在する1又は複数のフレームを組み合わせて作成した画像(例えば、GIF画像等)を用いることができる。
また画面遷移指示部241は、CPU101の使用率が閾値以下の場合には、動画像が組み込まれた画面の遷移指示を行う(S404)。
(C−3)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、動画像再生部若しくは表示環境(ブラウザ)自体が停止している場合であっても、ATM取引を中断することなく画面の遷移を行うことが可能となる。
(D)第4の実施形態
次に、本発明の取引装置、取引プログラム及び取引システムの第4の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第4の実施形態も、第1〜第3の実施形態と同様に、例えば銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置されるATMに本発明を適用する場合を例示する。
第4の実施形態は、ATM1における画面表示の動作状況を管理し、第1〜第3の実施形態によって取引の運用性が改善し、動画像組み込み画面が表示されて、取引の運用が連続的に可能になったことを証明する手段を説明する。
(D−1)第4の実施形態の構成
図12は、第4の実施形態の取引システムの構成を示す構成図である。図12において、第4の実施形態の取引システム5は、ネットワーク4に接続可能な複数のATM1−1〜1−N(Nは整数)、表示状況管理装置としてのWebアプリケーションサーバ3、ホストサーバ2を有する。
ATM1−n(1≦n≦N)は、第1〜第3の実施形態で説明したATM1と同一又は対応するものである。
図13は、第4の実施形態のATM1−nの内部構成を示す内部構成図である。図13に示すように、ATM1−nは、画面遷移制御部201、画面制御部202、ブラウザ203、動画像再生部231、取引処理部204、取引完了通知部205を有する。
図13において、画面遷移制御部201、画面制御部202、ブラウザ203、動画像再生部231、取引処理部204は、第1〜第3の実施形態で説明した構成要素と同一又は対応するものである。
取引完了通知部205は、取引完了後に、取引情報をホストサーバ2に通知するものである。取引完了通知部205は、完了した取引の内容を含む取引内容情報に加えて、少なくとも、動画像が組み込まれた画面の表示結果に関する表示結果情報及び動画像の表示動作の改善情報を通知する。
ここで、取引内容情報は、ATM1の識別情報、取引日時情報、利用者情報(例えば、利用者の氏名・名称、利用者のID等)、取引種別、取引内容等を含むものである。取引内容情報は、従来のATM1がホストサーバ2に通知する取引情報と同一又は対応する情報を含むものである。
表示結果情報は、動画像が組み込まれた画面が正しく表示されたか否かを示す情報である。例えば、表示結果情報は、動画像が正しく表示されたか否か結果情報等を含むものである。このように、表示結果情報は、画面に組み込まれた動画像が何らかの事象によりエラーが生じたか否かの情報を含む。また、表示結果情報は、動画像の表示エラーがどの動画像であるかを示す動画像識別情報を含むようにしても良い。
改善情報は、動画像が正しく表示されなかった場合に実施された処理種別を含むものである。これにより、動画像の表示エラーが生じたときに、第1〜第3の実施形態で説明した処理のうち、いずれの処理を実施したのかを示す処理種別を認識させることができる。なお、処理種別は、第1〜第3の実施形態で説明した処理に対して予め割り当てた処理種別識別情報とするようにしても良い。さらに、改善情報は、第1〜第3の実施形態で説明した処理により改善できたか否かの結果情報等を含むようにしても良い。
Webアプリケーションサーバ3は、ATM1−nとホストサーバ2との間に介在するものである。Webアプリケーションサーバ3は、複数のATM1−nからの取引情報を取得し、複数のATM1−nの取引情報を集約した集約情報をホストサーバ2に与えるものである。
図14は、第4の実施形態のWebアプリケーションサーバ3の内部構成を示す内部構成図である。図14において、第4の実施形態のWebアプリケーションサーバ3は、制御部90、通信部93、取引情報記憶部94を有する。
通信部93は、ネットワーク4を通じてATM1−nと通信したり、ホストサーバ2と通信したりするものである。
制御部90は、Webアプリケーションサーバ3の機能を司るものである。制御部90は、CPU、ROM、RAM、EEPROM等を有して構成されるものであり、CPUがROMに格納される処理プログラムを実行することにより、Webアプリケーションプログラムの機能が実現される。なお、処理プログラムはインストールにより構築することができ、その場合でも機能的には図14に示すものである。
制御部90は、動画像表示情報取得部91を有する。なお、制御部90は、ATM1−nから受信した取引情報を集約して、その集約した各ATM1−nの取引情報をホストサーバ2に送信するものである。
動画像表示情報取得部91は、通信部93を介してATM1−nから受信した取引情報に含まれる表示結果情報及び改善情報を取得し、各ATM1−nにおける表示結果情報及び改善情報を取引情報記憶部94に記憶するものである。
取引情報記憶部94は、制御部90が取得した各ATM1−nの取引情報を記憶するものである。また、取引情報記憶部94は、動画像表示情報取得部91により取得された各ATM1−nの表示結果情報及び改善情報を記憶するものである。
図15は、第4の実施形態の取引情報記憶部94に記憶される表示結果情報及び改善情報の構成を示す構成図である。
図15に示すように、例えば、項目「表示結果情報」は、「ATM識別情報」、「動画像識別情報」、「表示結果」の項目を有する。また項目「改善情報」は、「処理種別」の項目を有する。なお、図15では示していないが、取引種別や日時情報や改善結果等を対応付けて記憶するようにしても良い。
図15の例の場合、例えば「ATM識別情報:aaaaa」のATMにおいて、「動画像識別情報:11111」の動画像を含む画面は、正しく表示された旨を示す「表示結果:Animation OK」であり、この場合、動画表示成功のため、処理種別の項目には動画表示成功を示す「処理種別:−」が記憶される。
また、例えば、「ATM識別情報:aaaaa」のATMにおいて、「動画像識別情報:22222」の動画像を含む画面は、上述した第1の事象が発生した旨を示す「表示結果:Animation NG1」が記憶される。この場合、ATM1−nにおいて第1の実施形態で説明した処理が実施したとする。そのため、処理種別の項目には第1の実施形態の処理を実施した旨を示す「処理種別:1」が記憶される。他のデータも同様である。
(D−2)第4の実施形態の動作
図16は、第4の実施形態の取引システム5における処理を示すシーケンス図である。
まず、各ATM1−nにおいて取引が開始する(S401)。各ATM1−nにおいて、所定の取引が開始すると、各ATM1−nは、取引や運用に応じて動画像が組み込まれた画面を操作表示部50に表示しながら(S402)、取引に必要な情報を取得し、取引処理を進行させる。
このとき、各ATM1−nにおいて、表示画面上で動画像の再生が行われる。また、動画像再生部231が画面制御部202からの制御指示を受け取らない場合や、動画像再生部231若しくはブラウザ203自体が停止している場合、第1〜第3の実施形態で説明した処理が実施される。これにより、各ATM1−nにおいて表示される画面上で動画像が正常に動作し、取引の運用が継続される。
各ATM1−nで取引が終了すると、制御部10の取引完了通知部205が、ネットワーク4を介して、Webアプリケーションサーバ3に対して、取引情報を含む取引完了通知を行う(S403)。そして、ATM1−nにおいて取引が完了する(S404)。
各ATM1−nから取引情報を含む取引完了通知がWebアプリケーションサーバ3に与えられると、動画像表示情報取得部91が、取引完了通知の取引情報に含まれる表示結果情報及び改善情報を取得し(S405)、表示結果情報及び改善情報を取引情報記憶部94に記憶する(S406)。
Webアプリケーションサーバ3が、各ATM1−nの表示結果及び改善情報を記憶することにより、各ATM1−nにおいて、動画像が組み込まれた画面を表示したこと、画面表示が正しく行なわれたか又はどのような事象が生じたかに関する情報、どのような処理が行われたかに関する情報を認識することができる。
また、Webアプリケーションサーバ3は、オペレータ端末と接続しており、オペレータ端末は、取引情報記憶部94に記憶される情報をディスプレイに表示することができる。これにより、オペレータは、Webアプリケーションサーバから集約結果を取得し、実際の本番展開環境での動画組込み画面の表示結果を同時に確認することが可能となる。
(D−3)第4の実施形態の効果
以上のように、第4の実施形態によれば、Webアプリケーションサーバにより集約された、ATM画面上の動画像の表示状況に基づいて、動画像再生部(WMV)が画面制御部(ATMアプリケーション)からの再生開始等の指示を受け取らない事象が発生した場合も、ATMにおいて連続運用性が確保されていることを証明することが可能になる。
(E)他の実施形態
上述した第1〜第4の実施形態においても本発明の種々の変更実施形態を説明したが、本発明は、以下のような他の変形実施形態にも広く適用することができる。
(E−1)上述した第1〜第4の実施形態は、本発明の取引装置がATMに適用した例を説明したが、本発明の取引装置は、これに限定されるものではなく、動画像が組み込まれた画面を表示して、所定の取引を行うものに広く適用することができる。例えば、本発明の取引装置は、ATM以外に、外貨両替機・無人契約機等、様々なWEB連携型の自動機に対して適用可能である。
(E−2)上述した第1〜第4の実施形態では、Webブラウザの第1の画面W1、及び第2の画面W2を重ねて表示して、前面側に配置する画面を切替える構成としていたが、制御部10において画面切替えを行う構成についてはこれに限定されない。
例えば、ディスプレイドライバのマルチディスプレイの機能(例えば、1つの画面を複数の画面の領域に分割し、いずれかの領域の画面を選択して当該画面の画像信号を出力する機能)を用いて、ディスプレイ501上での画面の表示切替を行うようにしてもよい。
(E−3)上述した第1〜第4の実施形態のATM1では、第1の画面W1に操作画面と動画像の両方を表示する構成となっていたが、動画像だけを表示する第3の画面(ウィンドウ)を別途設けて表示する構成としてもよい。その場合、第1の画面W1が上述の第3の画面に置き換わるだけである。このように、ATM1で用いられる画面(Webブラウザのウィンドウ)の数は限定されないものである。
(E−4)上述した第1〜第4の実施形態において、取引プログラムとしての取引処理部は、OS上で、Webブラウザ、動画像プレーヤ(動画像再生部)を利用して動作するものとして説明したが、本発明の取引プログラムが動作するプラットフォームは限定されないものである。
例えば、取引処理部、Webブラウザ、動画像プレーヤ(動画像再生部)の機能をすべて搭載したプログラム(ソフトウェア)を、本発明の取引プログラムとして構築するようにしてもよい。また、例えば、取引処理部をWindows以外のOS(例えばUNIX(登録商標)系の他のOS)の上で動作させるようにしてもよい。
また、上述した第1〜第4の実施形態では、取引処理部は、Webブラウザ上で動作するアプリケーションであるものとしてもよい。取引処理部の動作環境は限定されないものである。例えば、取引処理部を、Webブラウザを用いずに、Windows等のOSで直接動作するアプリケーション(上記の実施形態と同様に、複数のウィンドウを用いた処理が可能なアプリケーション)として構築するようにしてもよい。
(E−5)上述した第1〜第4の各実施形態では、本発明の取引装置をATMに適用する例について説明したが、その他の取引装置に適用するようにしても良い。例えば、電子マネー等を利用者の口座にチャージ(入金)する取引や、利用者の口座から電子マネーを引き落として商品(例えば、交通機関等のチケット等)を販売する取引等を行うシステムに適用し得る。