(A)第1の実施形態
以下では、本発明の取引装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態では、例えば銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置されるATMに本発明を適用する場合を例示する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)ATM1の外観構成及び内部構成
図2は、第1の実施形態に係るATMの外観構成を示す斜視図である。図2において、第1の実施形態に係るATM1は、操作表示部50、カード挿入排出口401、伝票排出部601、通帳挿入排出口701、紙幣入出金口801、硬貨入出金口802を有する。
図1は、第1の実施形態に係るATM1の内部構成を示す内部構成図である。図1において、第1の実施形態に係るATM1は、制御部10、データ記憶部20、通信部30、カードリーダライタ40、操作表示部50、伝票用プリンタ60、通帳処理部70、現金処理部80を有する。
制御部10は、ATM1内の各構成要素の動作制御や情報処理を行う機能を担うものである。また、制御部10は、CPU101と、1次記憶手段としてのメモリ102を有する。
データ記憶部20は、制御部10により実行される処理プログラムや情報処理に必要な各種情報や、操作表示部50に表示する画像データ(動画像データ、静止画像データ)等を記憶するものである。データ記憶部20は、制御部10により2次記憶手段として利用されるものである。データ記憶部20は、例えば、フラッシュメモリやHDD等により構成される。
第1の実施形態において、制御部10及びデータ記憶部20は、オペレーティングシステム(以下、単に「OS」と表す:例えば、Windows等)をインストール可能なコンピュータとして構成される。
通信部30は、ホストサーバ2等との間で情報を通信するためのネットワークインタフェースである。なお、通信部30については、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
カードリーダライタ40は、カード挿入排出口401から挿入されたカード(例えば、キャッシュカード、クレジットカード等)が有するデータ格納部に格納されているデータの読み取り等を行うものである。なお、カードリーダライタ40は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
操作表示部50は、当該ATM1のユーザインタフェース機能を担うものである。具体的には、操作表示部50は、タッチパネル画面を用いて、利用者に操作画面を提示し、利用者への情報出力や、利用者からの操作受付(メニュー選択や金額入力、番号入力等)を行うことが可能なデバイスである。
伝票用プリンタ60は、伝票用紙に取引内容を印字して、伝票排出部601から排出するものである。なお、伝票用プリンタ60自体は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
通帳処理部70は、通帳挿入排出口701に挿入された通帳の処理(例えば、通帳への取引結果の印字等)を行うものである。なお、通帳処理部70は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
現金処理部80は、入金された貨幣(紙幣及び又は硬貨)を収納する機能と、収納されている貨幣を利用者に出金する機能を担っている。この実施形態では、現金処理部80は、紙幣入出金口801から紙幣の入出金を行い、硬貨入出金口802から硬貨の入出金を行うことが可能となっているものとする。なお、現金処理部80は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため詳しい説明を省略する。
(A−1−2)制御部10の取引に係る動画像の再生制御
次に、第1の実施形態の制御部10の機能的構成と、制御部10及び操作表示部50の接続構成を説明する。
図3は、第1の実施形態の制御部10の機能的構成と、制御部10及び操作表示部50の接続構成を示す構成図である。制御部10のオペレーティングシステム(以下、「OS」と表す)上で動作するプログラム構成は、機能的には図3のように示すことができる。
図3において、制御部10は、取引処理部204、画面遷移制御部201、画面制御部202、ブラウザ203を有する。
取引処理部204は、ATM1において実行される各種取引の処理を行うものである。取引処理部204は、例えば取引アプリケーションプログラムとすることができる。
取引処理部204が行う処理としては、例えば、入金取引処理や出金取引処理がある。入金取引処理は、ATM1内に貨幣を入金する取引処理であり、例えば、預け入れ取引、振込取引等がある。また、出金取引処理は、ATM1内にある貨幣を出金する取引処理であり、例えば、引き出し取引等がある。
画面遷移制御部201は、各種取引毎又は運用毎に表示する画面の遷移制御を行うものである。画面遷移制御部201は、各種取引毎又は運用毎に表示する画面の遷移パターンが定義されている。画面遷移制御部201が指示する画面は、動画像を含む画面を有する。画面に含まれる動画像は、様々な情報を利用者に提示するものであり、動画像の内容は特に限定されるものではない。例えば、動画像は、取引操作の説明に関する動画像、広告に関する動画像、取引に関連する情報等がある。画面遷移制御部201は、例えばJava(登録商標)アプリケーションプログラムとすることができる。
画面遷移制御部201は、取引処理部204が実行する取引の種類に基づいて、対応する取引種類の画像を画面制御部202に表示指示するものである。また、画面遷移制御部201は、画面上の操作が完了した旨を示す画面遷移通知を画面制御部202から取得し、取引処理部204が実行する取引の進行具合に応じて、対応する画像を画面制御部202に遷移指示したりするものである。
画面制御部202は、ATM1の操作表示部50に表示する画面の動作制御を行うものである。画面制御部202は、例えば、JavaScript(登録商標)等で記述された動作制御アプリケーションプログラムとすることができる。
画面制御部202は、図3に示すように、動画像再生制御部210と、状態変更イベント取得部220とを有する。
動画像再生制御部210は、ブラウザ203の動画像再生部231に対して動画像の状態制御を行うものである。動画像再生制御部210は、動画像再生部231で再生させる動画像データのオブジェクトに、状態遷移パラメータを指定するものである。
ここで、状態遷移パラメータは、動画像再生部231により再生する動画像の状態が遷移した場合に、動画像再生部231が発生するイベントである。例えば、動画像再生部231がWMVであり、WMV9形式の動画像データを再生するものである場合、状態遷移パラメータはPlay State Changeイベントを適用することができる。すなわち、動画像再生制御部210は、WMV9形式の動画像データのオブジェクトに、Play State Change関数を指定する。これにより、動画像再生部231が再生する動画像の状態が遷移した場合には、動画像再生部231はJavaScriptのイベントを発生し、動画像の状態が遷移した旨を示す状態変更通知を行うことができる。
また、動画像再生制御部210は、後述する状態変更イベント取得部220が取得した状態変更通知の内容に基づいて、動画像再生部231における動画像の再生動作を制御するものである。
状態変更イベント取得部220は、動画像再生部231において動画像の状態が遷移して発生された状態変更通知を取得するものである。
ブラウザ203は、一般的な種々のWebブラウザを適用することができる。ブラウザ203には、動画像再生部231が組み込まれている。
動画像再生部231は、ブラウザ203の画面上に動画像データの再生画面を表示するものである。動画像再生部231は、ブラウザ203の画面に、動画像の表示画面を組み込んで表示する。動画像再生部231は、動画像プレーヤ(いわゆるメディアプレーヤ)のプログラムを適用することができる。動画像再生部231としての動画像プレーヤは、種々のメディアプレーヤのプログラムを適用することができる。第1の実施形態では、ブラウザ203に、動画像再生部231としてのWMVが組み込まれており、WMV(動画像再生部231)が、ブラウザ203を介して、WMV9形式の動画像データを表示する場合を例示する。
操作表示部50は、利用者に向けて表示する画面を表示する表示部501と、利用者操作により入力された情報を取り込む入力部502とを有するものである。操作表示部50は、表示部501及び操作入力部502が一体となりタッチパネル方式の操作表示手段とする。
図4は、第1の実施形態の画面制御部202による表示画面を説明する説明図である。
図4に示すように、画面制御部202は、表示部501に表示画面として、第1の画面W1と第2の画面W2の2枚のブラウザの画面(ウィンドウ)を重ねて配置する。なお、ここでは、画面(ウィンドウ)の数を2枚とする場合を例示するが、3枚以上であっても良い。
画面制御部202は、ブラウザ203に対して、2枚の画面(ウィンドウ)のうち、いずれの画面を前面に表示するかを示す切り替え指示を行う。ブラウザ203は、画面制御部202からの切り換え指示に従って、2枚の画面の位置を切り替える。前面の画面は表示画面となり、後面(背面)の画面は非表示画面となる。
図4の例では、画面W1が表示画面であり、画面W2が非表示画面である場合を示す。従って、図4の状態では、表示部501に表示されるのは、第1の画面W1のみとなる。
ここで、画面制御部202が上述したような画面制御(ウィンドウ制御)を行う方法は、種々の方法を広く適用することができる。例えば、画面制御部202は、OS200がWindowsの場合、WindowsAPI等の制御手段を用いて実現することができる。
画面制御部202が第1の画面W1と第2の画面W2との切り替えるタイミングや、画面制御部202が第1の画面上で動画像を再生させるタイミングや、第1の画面上で再生させる動画像の内容については、特に限定されない。
例えば、図4に示す第1の画面W1は、取引に関する操作画面や、動画像が組み込まれた再生画面等を含む画面とする。また、第2の画面W2は、表示内容は特に限定されるものではない。例えば、第2の画面W2は、動画像再生部231が新たに読み込んだ動画像の再生準備が完了するまでの間に、取引が継続してなされている旨を示すメッセージを含む画面とすることができる。
上記の例の場合、例えば、画面制御部202は、取引開始後、第1の画面W1を表示させるようにしても良い。また、取引の進行過程において、ホストサーバとの間で通信処理を行う場合や取引操作の待ち時間等が生じた場合に、画面制御部202は、第1の画面W1上で動画像(例えば、広告に関する動画像等)を再生させるようにしても良い。
第1の画面W1上の動画像を変更するような場合、動画像再生部231は、別の動画像を読み込むことが必要となる。そのような場合、動画像再生部231は、新たな動画像の読み込みや動画像の再生準備等に所定の時間(例えば数秒程度)を要する。
動画像の読込状態準備期間は、第1の画面W1上で動画像が表示されない。例えば、図5に示すように、動画像が表示される画面領域は、図5(A)に示すように真っ黒な画面が表示され、読込状態準備期間(例えば数秒程度)経過後に、動画像が表示される画面領域には動画像が再生される。
また、動画像再生部231が画面制御部202から再生開始指示を受けた場合でも、即座に切り替わらず、数ミリ秒程度の再生開始タイミングのズレが生じ得る。動画像の再生完了を時間監視する場合、この再生開始タイミングのズレにより、再生完了タイミングもズレが生じるため、動画像が最後まで表示されないことが生じ得る。
そこで、第1の実施形態では、画面制御部202が、動画像再生部231から取得する状態変更通知に基づいて、動画像再生部231の動作状態を認識し、表示する画面の切り替えることで、最後フレームまで動画像を再生させることができる。
(A−2)第1の実施形態の動作
図6は、第1の実施形態に係るATM1における動画像再生制御の処理を示すシーケンス図である。図6では、第1の実施形態の動画像再生制御の基本的な処理を説明する。
画面制御部202の動画像再生制御部210は、WMV9形式の動画像データのオブジェクトにPlay State Change関数を指定するように設定される。これにより、動画像再生部231の状態が遷移した場合に、状態変更通知が動画像再生部231から画面制御部202に通知される。
まず、ATM1の操作表示部50の表示部501には、取引の種類を選択するメニュー画面が表示される。利用者操作により取引種類が選択され、その取引種類を示す情報が制御部10に与えられる。制御部10において、選択された取引の取引処理部204が起動し、所定の取引が開始する(S101)。
画面遷移制御部201において、取引や運用に応じた画面の遷移指示が画面制御部202に与えられる。ここでは、動画像が組み込まれた画面とする。
画面制御部202の動画像再生制御部210は、動画像再生部231に対して、動画像を組み込む画面の読み込み開始を指示する(S102)。例えば、図4の第1の画面W1(すなわち表示画面)の読み込みを指示する。
動画像再生制御部210から画面の読み込み開始が指示されると、動画像再生部231は指示された画面を読み込み、動画像再生部231は当該画面における動画像の配置確認を行う(S103)。例えば、動画像再生部231は、図4の第1の画面W1及び第1の画面W1に組み込む動画像データを読み込む(例えば、画面に関するファイルを開く)。
動画像再生制御部210において、動画像再生部231から画面の読み込み完了通知が与えられると(S104)、動画像再生開始指示が、動画像再生部231に与えられる(S105)。これにより、画面に組み込まれた動画像を、ATM1が自律的に再生開始させることができる。
動画像再生制御部210からの動画像再生開始指示を受けて、動画像再生部231は、指示された動画像データを読み込む状態となる(S106)。動画像再生部231による動画像データの読み込みや動画像の再生準備には所定時間を要する。
動画像再生部231において、動画像データの読み込みが完了し、動画像の再生準備が完了すると、動画像再生部231は動画像再生状態となる。すなわち、表示する画面上で動画像が再生される(S107)。
このとき、動画像が組み込まれた画面上の動画像領域は、全面黒色の状態から動画像が再生する状態に遷移する(図5参照)。このように、動画像再生部231による動作状態が遷移すると、動画像再生部231は、画面制御部202に対して、再生状態に変更した旨の状態変更通知を行う。
画面制御部202において、状態変更イベント取得部220が、動画像再生部231から再生状態に変更した旨の状態変更通知を受けると、動画像再生制御部210は、動画像が組み込まれた画面上で動画像が再生開始したことを認識する(S108)。
そして、動画像再生制御部210は、動画像が組み込まれた画面上で動画像の再生が完了するまで待機する(S109)。
その後、動画像組み込み画面上で再生される動画像が完了すると、動画像再生部231の動作状態が再生状態から停止状態となる(S110)。動画像再生部231による動作状態が遷移すると、動画像再生部231は、画面制御部202に対して、停止状態に変更した旨の状態変更通知を行う。
画面制御部202において、状態変更イベント取得部220が、動画像再生部231から停止状態に変更した旨の状態変更通知を受けると、動画像再生制御部210は、動画像が組み込まれた画面上で動画像が停止開始したことを認識する(S111)。
つまり、画面制御部202は、停止状態に変更した旨の状態変更通知が与えられることで、動画像の最後フレームまで再生され、動画像の再生が完了したことを認識することができる。
そして、動画像再生部231が停止状態になり、動画像の再生が完了すると、画面制御部202は、ブラウザ203に対して、表示部501に表示する画面の切り替えを行う(S112)。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、状態遷移パラメータ(例えば、Play State Change関数)を用いることで、動画像再生部による動画像の再生完了を判断することが可能になる。その結果、動画像を利用して確認必須な案内内容を説明する場合であっても、最後のフレームまで漏れなく再生することが可能になる。
(B)第2の実施形態
以下では、本発明の取引装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、例えば銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置されるATMに本発明を適用する場合を例示する。
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態は、動画像再生部231が動画像を再生する際、動画像の読込状態準備画面を非表示にする場合の実施形態を説明する。
従来、動画像再生部が動画像再生時の読込状態準備画面を非表示する場合、画面制御部が、動画像再生部の状態を所定時間毎に繰り返し監視して行なう必要がある。また、動画再生部の状態変更後の状態をできるだけ早く認識するためには、画面制御部が監視頻度を高めるために監視時間を短くする必要がある。
しかし、監視時間を短くして監視頻度を高める場合、ATMの性能負荷が増大することになり、取引に及ぼす影響が高くなる。また、Set Time Outによる時間監視の最小値はブラウザ毎に限界がある。
そこで、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、状態遷移パラメータ(例えば、Play State Change関数)を用いることで、動画像再生部の読込状態準備画面を非表示にする場合を例示する。
第2の実施形態のATMの外観構成、内部構成及び制御部10の機能的構成は、第1の実施形態と同一又は対応するATM1を適用することができるため、第2の実施形態においても、図1、図2及び図3を用いてATMの詳細な説明を行う。
図7は、第2の実施形態に係るATM1における動画像再生制御の処理を示すシーケンス図である。
画面制御部202の動画像再生制御部210は、第1の実施形態と同様に、WMV9形式の動画像データのオブジェクトにPlay State Change関数を指定するように設定される。
まず、ATM1の操作表示部50の表示部501には、取引の種類を選択するメニュー画面が表示される。利用者操作により取引種類が選択され、その取引種類を示す情報が制御部10に与えられる。制御部10において、選択された取引の取引処理部204が起動し、所定の取引が開始する(S201)。
このとき、操作表示部50(表示部501)には、第2の画面W2が前面側に配置されて表示状態となっており、第1の画面W1が背面側に配置されており非表示状態となっているものとして説明する。また、表示部501に表示されている第2の画面W2は取引に係る初期画面であり、第1の画面W1は動画像が組み込まれた画面であるとする。
画面遷移制御部201において、第2の画面W2への遷移指示が画面制御部202に与えられる。
画面制御部202の動画像再生制御部210は、動画像再生部231に対して、動画像を組み込む画面(第2の画面W2)の読み込み開始を指示する(S202)。
動画像再生制御部210から画面(第2の画面)の読み込み開始が指示されると、動画像再生部231は指示された画面を読み込み、動画像再生部231は当該画面における動画像の配置確認を行う(S203)。
動画像再生制御部210において、動画像再生部231から画面の読み込み完了通知が与えられると(S204)、動画像再生開始指示が、動画像再生部231に与えられる(S205)。これにより、画面に組み込まれた動画像を、ATM1が自律的に再生開始させることができる。
動画像再生制御部210からの動画像再生開始指示を受けて、動画像再生部231は、指示された動画像データを読み込む状態となる(S206)。動画像再生部231による動画像データの読み込みや動画像の再生準備には所定時間を要する。
このとき、第1の画面W1は第2の画面W2の背面側に配置されており、第1の画面W1は非表示となっている。従って、第1の画面W1の動画像領域は全面黒色の読込状態準備画面であるが、第1の画面W1は非表示となっており、第1の画面W1は利用者に見られることはない。その結果、利用者の操作中に、突然画面全体が真っ黒の画面が表示され、取引操作の中止等の誤解等を回避することができる。
動画像再生部231において、動画像データの読み込みが完了し、動画像の再生準備が完了すると、動画像再生部231は動画像再生状態となる。すなわち、表示する画面上で動画像が再生される(S207)。
動画像再生部231が、動画像読み込み状態から動画像再生状態に遷移すると、動画像再生部231は、画面制御部202に対して、再生状態に変更した旨の状態変更通知を行う。
画面制御部202において、状態変更イベント取得部220が、動画像再生部231から再生状態に変更した旨の状態変更通知を受けると、動画像再生制御部210は、動画像が組み込まれた画面上で動画像が再生開始したことを認識する(S208)。
そして、第1の画面W1に組み込まれた動画像が再生され、動画像再生部231の動作状態が再生状態となると、画面制御部202は、動画像再生部231に対して再生の一時停止を指示する(S209)。この再生一時停止の指示を受けて、動画像再生部231は動画像一時停止状態となる(S210)。
動画像が一時停止状態となり動画像再生部231の動作状態が変更すると、再生一時停止に変更した旨の状態変更通知が、動画像再生部231から画面制御部202に与えられる。
画面制御部202において、状態変更イベント取得部220が、再生一時停止状態に変更した旨の状態変更通知を受けると、動画像再生制御部210は、動画像が組み込まれた画面上で動画像が一時停止開始したことを認識する(S211)。
そして、動画像再生制御部210は、動画像再生部231に対して、動画像の再生開始指示を行う(S212)。また、画面制御部202は、動画像再生開始時と同時に、第1の画面W1を前面側に配置する制御を行う(S213)。これにより、動画像再生部231は動画像再生状態となり(S214)、動画像が再生している第1の画面W1が表示部501に表示される。
その後、動画像組み込み画面(第1の画面W1)上で再生される動画像が再生完了して、動画像再生部231が動画像停止状態となると(S215)、動画像停止状態に変更した旨の状態変更通知が、画面制御部202に与えられる。
画面制御部202において、状態変更イベント取得部220が、動画像再生部231から停止状態に変更した旨の状態変更通知を受けると、動画像再生制御部210は、動画像が組み込まれた画面上で動画像が停止開始したことを認識する(S216)。
つまり、画面制御部202は、停止状態に変更した旨の状態変更通知が与えられることで、動画像の最後フレームまで再生され、動画像の再生が完了したことを認識することができ、次の処理に移行する(S217)。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、状態遷移パラメータ(例えば、Play State Change関数)を用いることで、動画像再生部による動画像の再生完了を判断することが可能になる。
また、第2の実施形態によれば、Set Time Outを用いた時間監視による場合よりも、精度良く動画像の再生完了を認識することができ、更にATMの性能負荷を上げることなく、動画像読み込み準備状態画面を非表示にすることができる。
(C)他の実施形態
上述した第1及び第2の実施形態においても本発明の種々の変形実施形態を例示したが、本発明は、以下の他の実施形態についても適用することができる。
(C−1)上述した第1及び第2の実施形態は、本発明の取引装置がATMに適用した例を説明したが、本発明の取引装置は、これに限定されるものではなく、動画像が組み込まれた画面を表示して、所定の取引を行うものに広く適用することができる。例えば、本発明の取引装置は、ATM以外に、外貨両替機・無人契約機等、様々なWEB連携型の自動機に対して適用可能である。
(C−2)上述した第1及び第2の実施形態では、Webブラウザの第1の画面W1、及び第2の画面W2を重ねて表示して、前面側に配置する画面を切替える構成としていたが、制御部10において画面切替えを行う構成についてはこれに限定されない。
例えば、ディスプレイドライバのマルチディスプレイの機能(例えば、1つの画面を複数の画面の領域に分割し、いずれかの領域の画面を選択して当該画面の画像信号を出力する機能)を用いて、表示部501上での画面の表示切替を行うようにしてもよい。
(C−3)上述した第1及び第2の実施形態のATM1では、第1の画面W1に操作画面と動画像の両方を表示する構成となっていたが、動画像だけを表示する第3の画面(ウィンドウ)を別途設けて表示する構成としてもよい。その場合、第1の画面W1が上述の第3の画面に置き換わるだけである。このように、ATM1で用いられる画面(Webブラウザのウィンドウ)の数は限定されないものである。
(C−4)上述した第1及び第2の実施形態において、取引プログラムとしての取引処理部は、OS上で、Webブラウザ、動画像プレーヤ(動画像再生部)を利用して動作するものとして説明したが、本発明の取引プログラムが動作するプラットフォームは限定されないものである。
例えば、取引処理部、Webブラウザ、動画像プレーヤ(動画像再生部)の機能をすべて搭載したプログラム(ソフトウェア)を、本発明の取引プログラムとして構築するようにしてもよい。また、例えば、取引処理部をWindows以外のOS(例えばUNIX(登録商標)系の他のOS)の上で動作させるようにしてもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、取引処理部は、Webブラウザ上で動作するアプリケーションであるものとしてもよい。取引処理部の動作環境は限定されないものである。例えば、取引処理部を、Webブラウザを用いずに、Windows等のOSで直接動作するアプリケーション(上記の実施形態と同様に、複数のウィンドウを用いた処理が可能なアプリケーション)として構築するようにしてもよい。
(C−5)上述した第1及び第2の実施形態では、本発明の取引装置をATMに適用する例について説明したが、その他の取引装置に適用するようにしても良い。例えば、電子マネー等を利用者の口座にチャージ(入金)する取引や、利用者の口座から電子マネーを引き落として商品(例えば、交通機関等のチケット等)を販売する取引等を行うシステムに適用し得る。