JP6059101B2 - 絶縁キャップ - Google Patents
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Description
上記絶縁キャップの利用にあたっては、上記筒体の内部に向けて、上記開口部から、「複数電線の結線束」、即ち、複数の電線端を寄せ合わせ、その周囲に圧着スリーブ等の接続具を位置させ、外周から圧着スリーブ等を締め付けることによって複数の電線端を束にして成る「複数電線の結線束」を挿入することにより、上記「複数電線の結線束」の圧着スリーブ等の下端部が、上記絶縁キャップの「内面から中心部に向かって突出する複数のロック爪」に引っ掛かり、上記絶縁キャップから「複数電線の結線束」が不用意に抜けることを防止することができる。
従って、上記の絶縁キャップの構成にあっては、絶縁キャップの内径に対応する太さを備える「複数電線の結線束」に被せつけた場合には、「複数電線の結線束」の圧着スリーブの下端部が、「絶縁キャップの内面から中心部に向かって突出する複数のロック爪」に引っ掛かり、「複数電線の結線束」が不用意に抜けることを防止する。
しかし、「複数電線の結線束」が比較的太い径の場合には、上記「絶縁キャップの内面から中心部に向かって突出する複数のロック爪」が邪魔になり、絶縁キャップの被せ付け作業が困難になる問題点がある。
また、「複数電線の結線束」が比較的細い径の場合には、折角「複数電線の結線束」に絶縁キャップを被せ付けても、絶縁キャップが不用意に抜けて脱落する問題点があった。
そこで従来は、絶縁キャップの内径寸法が異なる多種類の絶縁キャップを用意し、夫々太さの異なる「複数電線の結線束」に対応させなければならず、多種類の絶縁キャップの在庫の管理は煩雑となり、現場作業員は、多種類の絶縁キャップを選択利用しなければならない作業場上の問題点もあった。
従って、完工検査において「複数のロック爪」に対する「圧着スリーブの下端部」の掛合状態が、夫々適切に行われているか、否か、の合否判断が、外部からは行い難く、手抜き工事があっても発見し難い点の問題点がある。
他の目的は、電線に対して装着された絶縁キャップの「抜け止め工事の態様」が一目で確認、検査をすることのできる絶縁キャップを提供しようとするものである。
他の目的は、絶縁キャップの内部に挿入されている「結線束」が、外部から見えないように遮蔽される構成になっている絶縁キャップを提供しようとするものである。
他の課題、目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
開口部3cの周囲における開口縁部材4からは下方向に向けて複数本の細長い足状の引止部材6を延出させ、かつ、上記引止部材6の相互間は、内側に位置させる絶縁電線の被覆22を露出可能にするに充分な間隙7を隔てて備えさせ、
上記引止部材6は、内側に位置させる電線外周面に添付可能に弾力性を持たせて屈曲自在に構成してあって、 上記複数の引止部材6の外周面に粘着テープ26を巻きつける状態にあっては、上記粘着テープの内面の粘着面が引止部材6の外周面に次々と接着すると共に、引止部材6の相互間に備えさせる間隙7から露出する絶縁電線の被覆22の外周面にも粘着テープの粘着面が接着して、上記複数の引止部材6の夫々が周方向において絶縁電線の被覆の外周面に夫々連結されるように構成してある。
上記夫々の遮蔽部材11の長さは、絶縁キャップの主体部3の中央部に、挿通が予定される結線束25の外径よりも小径の挿通孔14が構成されると共に、上記主体部3の内側の空間5に対して上記挿通孔14を通過させた結線束25を位置させた状態において、上記夫々の遮蔽部材11の先部11bが夫々上昇変位した状態で上記結線束25の圧着部材23の下端23aに掛合して掛止する状態になる長さに設定してある。
この様に、大小の任意の「結線束」に対応できるという特長は、絶縁キャップ1の種類を減少させて、在庫の管理を簡略化し、かつ、現場作業員は、少ない種類の絶縁キャップで、多種類の外径の異なる「結線束25」に対応できる点の作業場上の効果がある。
従って、図7に表れている状態から理解できるように「絶縁キャップの主体部3の開口部3c」を上記粘着テープ26でもって塞いで、主体部3の内部に位置する導体(活線となる圧着部材23等)が、外部から見えないようにしたい場合、「絶縁キャップの主体部3の下部に位置する絶縁電線の被覆22の外径寸法」と、「絶縁キャップの主体部3の開口部3c(開口縁部材4)の外径寸法との間に大きな段差があって、粘着テープ26でもって塞ぐには困難を伴う状態であっても、
しかも、上記多数の細幅の遮蔽部材11は、全周に渡り、相互間に分離可能にするための僅かな隙間15を隔てた状態で並設するものであるから、上記遮蔽部材群11の配列により、外部と、主体部3の内部が遮断され、外部から、誤って、内部に向けて指が挿入され、内部の圧着部材23の活線部(例えば200v)に触れて感電事故を起こす恐れを減少させる安全上の効果がある。
なお、正面図における結線束25の表示は電線が複数本であることを理解できるように僅かに斜視化して表示してある。
21は周知の電線、例えば600V CVケーブルの導体を示し、22は電線の絶縁被覆、23は図1、図9に表れているように複数の導体21、21、21の端末相互を寄せ合わせて圧着状態で接続するための周知の導電体で形成された圧着部材であり、例えばリングスリーブ、T型コネクター等と称されている部材を示す。23aは圧着部材23の下端であって、導体21の外周面21aと圧着部材23の外周面23bとの間で段部23aになっている。21bは周知のように鋭角となっている切断部を表す。
・絶縁キャップ1の主体部3にあっては、周知のように上記結線束25を位置させる空間5の周囲を取り囲む周壁部材3aと、上記結線束25の上部に位置させる天部材3bとを備え、下部には、結線束25を挿入するための開口部3cを備えている。4は開口部3cの周囲を構成する開口縁部材の存在を示す。
上記引止部材6は、内側に位置させる電線20の外周面22に添付可能に弾力性を持たせ、かつ、屈曲自在に構成して、例えば薄い肉厚に構成してある。
上記弾力性と、屈曲自在の構成は、図7のように複数の引止部材6の外周面に粘着テープ26を巻きつける状態にあっては、上記粘着テープ26の内面の粘着面が引止部材6の外周面に次々と接着すると共に、引止部材6の相互間に備えさせる間隙7から露出する絶縁電線の被覆22の外周面にも粘着テープ26の粘着面が接着するようにしてあると良い。上記のように、即ち、図7のように、複数の引止部材6の外周面に次々と粘着テープ26を巻きつける状態にあっては、上記複数の引止部材6の夫々と、複数の引止部材6の夫々の間7に露出する被覆22が周方向において 粘着テープ26で次々と交互に連結され、全体は堅固に一体化する。なお上記粘着テープとしては、周知の絶縁ビニールテープと称されているテープ等、通常電気工事現場において用いられるテープであればよい。
これらの紐は、出荷時に一つ又は複数の透孔8に通しておいても良いが、現場で一つ又は複数の透孔8に装着しても良い(図4参照)。従って、現場においては、図6の状態において、引止部材6の夫々の中間位置6dに設けられている孔8に対し、紐27を図4のように装着し、図7のように複数電線20の外周を複数の引止部材6と一緒に締め付け一体化させる。
さらに詳しくは、遮蔽部材11の材質は主体部3と同様であり、図5の上下方向の厚みを薄くして弾力的な屈曲を可能に構成してある。上記弾力の度合いは、遮蔽手段10の中央部の挿通孔14に対して、挿通孔14の孔径よりも太い(大きい)外径の結線束25を、図1から理解できるように結線束25を上に向けて挿入する場合には、結線束25の上部でもって遮蔽部材11、11・・・11の夫々の先端(先部)11bを図7(B)から理解できるように上方に向けて押し上げる。この場合、遮蔽部材11、11・・・11の夫々の長さは、夫々の先端11bが、上方に向けて折れ曲がる状態で主体部3の空間5に位置する結線束25の圧着部材(リングスリーブ23)の下端(段部23a)に掛合する長さに設定してある。従って、結線束25は空間5から下降することができず、空間5の内部の所定場所に留まる利点がある。
なお、遮蔽部材11、11・・・11が存在すると、主体部3の内部に存在する導電材(活線)は外部から見えなくなり、外部から指先が内部に入ることを防止し、感電事故も生じない利点がある。
なお図8及び図11の説明に当り、他の図1〜図11で用いたものと同符号を用いた構成、部材等の機能、性質、特徴等は、図8及び図11において夫々新規な部材構成、組合せ等の説明に係わる事項を除き、他の図1〜図11の説明と同旨である。よって、重複する説明は一部省略する。
例えば、図10に表示したサイズのものを用意する。現場においては、図9、図10から理解できるように、サイズが異なる多種類の電線相互をいろいろな組み合わせで接続し、いろいろなサイズ(外形寸法)の結線束25が構成される。
絶縁キャップ1はそれらの結線束25の外形寸法に対応したものが選択され装着される(図10の左欄に示す電線サイズに対応させて、右欄の対応した内径寸法を備える絶縁キャップ1が選択される)。
装着の手順は、予め現場において構成された図1の状態にある結線束25に対して対応寸法の絶縁キャップ1を図7(B)の様に被せる。絶縁キャップ1の主体部3の開口部3cから空間3に向けて結線束25を挿入する過程においては、遮蔽手段10における遮蔽部材11の夫々の先端11bが上方に向けて押し曲げられ、図7(B)のようになる。この場合、遮蔽部材11の夫々の先端11bは、圧着部材23の下端の段部23aに突き刺さる状態で掛合する。
なお、複数本の電線20に対する紐27の巻き付けは、図7(A)、図11から理解できるように、引止部材6を電線20に対して添え付けた状態で全部の電線20と引止部材6との外周に対して紐27を巻き付ける等、任意の手段を用いて拘束すれば良い。
しかし、図11から理解できるように、1本(又は2本)の引止部材6と1本の電線20(又は2本の電線20)の外周に対して紐27を巻き付けて引止部材6と電線20とを固定しても良い。その場合は、図11から理解できるように、紐27の1部は、複数の電線20の相互間に挟まれて、上方への移動は阻止され、強力な抜け止め効果を発揮する。
粘着テープ26の巻き付けの順は、引止部材6の先部6bから主体部3の開口縁部材4の外周部分に向けて巻き始めても良いし、主体部3の開口縁部材4の外周部分から図示のように引止部材6の先部6bに向けて巻きつけても良い。このように粘着テープ26を巻きつけ、引止部材6と電線の被覆22とを押さえ付けると、引止部材6と電線20との一体化は堅固となり、電線20から絶縁キャップ1が抜ける恐れは無い。
3・・・主体部、
3E・・・平面形状が長四角な主体部、
3a・・・周壁、
3b・・・天井、
3c・・・開口部、
4・・・開口縁部材、
5・・・空間、
6・・・引止部材、
6a・・・元部、
6b・・・先部、
7・・・間隙、
8・・・透孔、
10・・・遮蔽手段、
11・・・遮蔽部材、
11a・・・元部、
11b・・・先部、
13・・・切れ目、
14・・・挿通孔、
15・・・隙間、
20・・・絶縁被覆電線又は電線、
21・・・電線の導体、
22・・・電線の絶縁被覆、
23・・・圧着部材(リングスリーブ)、
23a・・・下端・段部、
25・・・結線束、
26・・・粘着テープ(絶縁ビニールテープ)、
27・・・紐( 結束バンド・インシュロック)
Claims (3)
- 複数の絶縁被覆電線における導体端末相互を寄せ合わせ、それらの導体端末相互を圧着接続してなる結線束に被せ付けるための絶縁キャップであって、その主体部にあっては、上記結線束を位置させる空間の周囲を取り囲む周壁部材と、上記結線束の上部に位置させる天部材とを備え、下部には、結線束を挿入するための開口部を備え、
開口部の周囲における開口縁部材からは下方向に向けて複数本の細長い足状の引止部材を延出させ、かつ、上記引止部材の相互間は、内側に位置させる絶縁被覆電線の被覆を露出可能にするに充分な間隙を隔てて備えさせ、
上記引止部材は、内側に位置させる絶縁被覆電線の外周面に添付可能に弾力性を持たせて屈曲自在に構成してあって、 上記複数の引止部材の外周面に粘着テープを巻きつける状態にあっては、上記粘着テープの内面の粘着面が引止部材の外周面に次々と接着すると共に、引止部材の相互間に備えさせる間隙から露出する絶縁被覆電線の被覆の外周面にも粘着テープの粘着面が接着して、上記複数の引止部材の夫々が周方向において絶縁被覆電線の被覆の外周面に夫々連結されるように構成してあり、
さらに、上記相互間に間隙を隔てて備えさせてある上記複数の引止部材の夫々の中間位置に対しては透孔を備えさせ、それらの透孔は、
紐を締めることにより引止部材の内側に存在させる上記複数の絶縁被覆電線相互を外側から一緒に締め付け一体化させると共に、複数の絶縁被覆電線の絶縁被覆部分の外周面に上記複数の引止部材の夫々の内面の一部を沿わせて一緒に締め付け一体化できるようにする為の紐を通す為の透孔であることを特徴とする絶縁キャップ。 - 複数の絶縁被覆電線における導体端末相互を寄せ合わせ、それらの導体端末相互を圧着接続してなる結線束に被せ付けるための絶縁キャップであって、その主体部にあっては、上記結線束を位置させる空間の周囲を取り囲む周壁部材と、上記結線束の上部に位置させる天部材とを備え、下部には、結線束を挿入するための開口部を備え、
開口部の周囲における開口縁部材からは下方向に向けて複数本の細長い足状の引止部材を延出させ、かつ、上記引止部材の相互間は、内側に位置させる絶縁被覆電線の被覆を露出可能にするに充分な間隙を隔てて備えさせ、
上記引止部材は、内側に位置させる絶縁被覆電線の外周面に添付可能に弾力性を持たせて屈曲自在に構成してあって、 上記複数の引止部材の外周面に粘着テープを巻きつける状態にあっては、上記粘着テープの内面の粘着面が引止部材の外周面に次々と接着すると共に、引止部材の相互間に備えさせる間隙から露出する絶縁被覆電線の被覆の外周面にも粘着テープの粘着面が接着して、上記複数の引止部材の夫々が周方向において絶縁被覆電線の被覆の外周面に夫々連結されるように構成してあり、
さらに、上記相互間に間隙を隔てて備えさせてある上記複数の引止部材の夫々の中間位置に対しては夫々透孔を備えさせ、それらの透孔には、引止部材の内側に存在させる上記複数の絶縁被覆電線を囲むように順に紐を通して備えさせ、紐を締めることにより、
引止部材の内側に存在させる上記複数の絶縁被覆電線相互を外側から一緒に締め付け一体化させると共に、複数の絶縁被覆電線の絶縁被覆部分の外周面に上記複数の引止部材の夫々の内面の一部を沿わせて一緒に締め付け一体化できるようにしたことを特徴とする絶縁キャップ。
- 複数の絶縁被覆電線における導体端末相互を寄せ合わせ、それらの導体端末相互を圧着接続してなる結線束に被せ付けるための絶縁キャップであって、その主体部にあっては、上記結線束を位置させる空間の周囲を取り囲む周壁部材と、上記結線束の上部に位置させる天部材とを備え、下部には、結線束を挿入するための開口部を備え、
開口部の周囲における開口縁部材からは下方向に向けて複数本の細長い足状の引止部材を延出させ、かつ、上記引止部材の相互間は、内側に位置させる絶縁被覆電線の被覆を露出可能にするに充分な間隙を隔てて備えさせ、
上記引止部材は、内側に位置させる絶縁被覆電線の外周面に添付可能に弾力性を持たせて屈曲自在に構成してあって、 上記複数の引止部材の外周面に粘着テープを巻きつける状態にあっては、上記粘着テープの内面の粘着面が引止部材の外周面に次々と接着すると共に、引止部材の相互間に備えさせる間隙から露出する絶縁被覆電線の被覆の外周面にも粘着テープの粘着面が接着して、上記複数の引止部材の夫々が周方向において絶縁被覆電線の被覆の外周面に夫々連結されるように構成してあり、
さらに、上記相互間に間隙を隔てて備えさせてある上記複数の引止部材の夫々の中間位置に対しては夫々透孔を備えさせ、それらの透孔には、引止部材の内側に存在させる上記複数の絶縁被覆電線を囲むように順に紐を通して備えさせ、紐を締めることにより、
引止部材の内側に存在させる上記複数の絶縁被覆電線相互を外側から一緒に締め付け一体化させると共に、複数の絶縁被覆電線の絶縁被覆部分の外周面に上記複数の引止部材の夫々の内面の一部を沿わせて一緒に締め付け一体化したことを特徴とする絶縁キャップ。
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