JP6056388B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の製造方法に関する。
一般に、電子部品は、一端が表面に露出するように引き出された導電体が内部に複数配置された素体と、素体のうち導電体が露出する面を含む端部に配置されると共に導電体に電気的に接続された外部電極とを備え、外部電極は、素体に接する下地電極膜と、当該下地電極膜を覆うめっき膜とを有する。外部電極を素体の端部に形成する方法の一つとして、ディップ法が知られている。ディップ法は、素体の端部を導電性ペーストに浸漬する工程と、素体の端部に付着した導電性ペーストを熱処理して下地電極膜を形成する工程と、下地電極膜の表面上にめっき膜を形成する工程とを含む。
ディップ法では、導電性ペーストに含まれる導電粒子の大きさや、導電性ペーストの粘度などの影響により、形成される外部電極の厚さが数10μm〜数100μm程度と厚くなる。外部電極の厚さが厚いと、電子部品の体積(電子部品に外接する仮想的な直方体の体積)に対する素体の体積の割合が小さくなるので、素体の内部に配置される導電体の設計の自由度が低くなってしまう。そのため、外部電極の厚さをできる限り薄くすることが望まれていた。
特許文献1は、サンドブラスト法又はブラシ研磨法によって、粒径が1μm以上の複数の導電性粒子を素体の所定の面に付着させる工程と、複数の導電性粒子に対して直接めっきを施す工程とを含む電子部品の製造方法を開示している。この方法によれば、導電性粒子を直接素体の表面に付着させているので、所定の粒径の導電性粒子を選択することで、ディップ法と比較して薄い外部電極を得ることができる。
特開2009−212298号公報
しかしながら、特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法では、導電性粒子を素体の表面に物理的に衝突させてめり込ませている。そのため、素体が導電性粒子によって削られて、素体内に配置されている導電体のショートを引き起こし、電子部品としての信頼性に影響を与える虞があった。
特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法では、導電性粒子を素体の表面に物理的に衝突させてめり込ませるために、所定の粒径(特許文献1においては1μm以上の粒径)を有する導電性粒子を使用する必要があった。そのため、外部電極の薄型化に限界があった。
特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法では、一方向からしか導電性粒子を素体に付着させることができなかった。そのため、素体の複数の面に導電性粒子を付着させようとする場合、工程数の増加に繋がっていた。
そこで、本発明の目的は、素体の稜部を跨いで複数の面に形成される外部電極の厚さが極めて薄く、且つ、信頼性の高い電子部品を、工程数の増加を抑制しつつ製造することが可能な電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明の一つの観点に係る電子部品の製造方法は、導電体が内部に配置され、導電体の一端が引き出されて露出する第1の側面と、稜部を介して第1の側面と隣り合う第2の側面とを有する素体を用意する第1の工程と、金属化合物を溶質として含有する溶液を、第1の側面、稜部及び第2の側面にわたって塗布する第2の工程と、熱処理により、金属化合物が酸化されてなる金属酸化物膜を第1の側面、稜部及び第2の側面にわたって形成する第3の工程と、熱処理により金属酸化物膜を還元して、第1の側面、稜部及び第2の側面にわたって第1の金属膜を形成する第4の工程と、第1の金属膜を覆うめっき膜を形成する第5の工程とを有する。
本発明の一つの観点に係る電子部品の製造方法では、金属化合物を溶質として含有する溶液を素体の表面に塗布し、熱処理により、当該金属化合物が酸化されてなる金属酸化物膜を素体の表面に形成している。金属酸化物は素体への付着性が極めて良好であるため、溶液の素体への塗布量は極めて少量で済む。そのため、素体の表面に形成される金属酸化物膜の厚さを極めて薄くできる。従って、熱処理により金属酸化物膜を還元することで、極めて薄い第1の金属膜が得られる。その結果、外部電極の厚さを極めて薄くすることができる。
本発明の一つの観点に係る電子部品の製造方法では、金属化合物を溶質として含有する溶液を素体の表面に塗布している。そのため、特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法とは異なり、方向の制限なく素体の複数の面に同時に当該溶液を塗布できる。従って、工程数の増加を抑制できる。
本発明の一つの観点に係る電子部品の製造方法では、金属化合物を溶質として含有する溶液を素体の表面に塗布している。そのため、特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法とは異なり、素体が導電性粒子によって削られて、素体内に配置されている導電体のショートを引き起こす虞がほとんどない。従って、信頼性の高い電子部品を得ることができる。
本発明の他の観点に係る電子部品の製造方法は、導電体が内部に配置され、導電体の一端が引き出されて露出する第1の側面と、稜部を介して第1の側面と隣り合う第2の側面とを有する素体を用意する第1の工程と、金属化合物を溶質として含有する溶液を、第1の側面、稜部及び第2の側面にわたって塗布する第2の工程と、熱処理により、金属化合物が酸化されてなる金属酸化物膜を第1の側面、稜部及び第2の側面にわたって形成する第3の工程と、熱処理により金属酸化物膜を還元して、第1の側面、稜部及び第2の側面にわたって第1の金属膜を形成する第4の工程と、第1の側面上に位置する第1の金属膜を覆うように、第1の金属膜よりも密度の高い第2の金属膜を形成する第5の工程と、第1の金属膜のうち第2の金属膜に覆われていない部分と、第2の金属膜とを覆うように、めっき膜を形成する第6の工程とを有する。
本発明の他の観点に係る電子部品の製造方法では、金属化合物を溶質として含有する溶液を素体の表面に塗布し、熱処理により、当該金属化合物が酸化されてなる金属酸化物膜を素体の表面に形成している。金属酸化物は素体への付着性が極めて良好であるため、溶液の素体への塗布量は極めて少量で済む。そのため、素体の表面に形成される金属酸化物膜の厚さを極めて薄くできる。従って、熱処理により金属酸化物膜を還元することで、極めて薄い第1の金属膜が得られる。その結果、外部電極の厚さを極めて薄くすることができる。
本発明の他の観点に係る電子部品の製造方法では、金属化合物を溶質として含有する溶液を素体の表面に塗布している。そのため、特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法とは異なり、方向の制限なく素体の複数の面に同時に当該溶液を塗布できる。従って、工程数の増加を抑制できる。
本発明の他の観点に係る電子部品の製造方法では、金属化合物を溶質として含有する溶液を素体の表面に塗布している。そのため、特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法とは異なり、素体が導電性粒子によって削られて、素体内に配置されている導電体のショートを引き起こす虞がほとんどない。従って、信頼性の高い電子部品を得ることができる。
ところで、めっき膜を形成する工程においては、めっき液が第1の側面のうち導電体の露出部分から浸入しやすい。しかしながら、本発明の他の観点に係る電子部品の製造方法では、第1の側面上に位置する第1の金属膜を覆うように、第1の金属膜よりも密度の高い第2の金属膜を形成している。そのため、めっき液の素体内への浸入を第2の金属膜によって抑制することができる。また、第2の金属膜は稜部及び第2の側面には形成されていないので、第2の金属膜が素体の稜部に回り込んで外部電極が厚くなってしまうことを抑制することができる。
本発明によれば、素体の稜部を跨いで複数の面に形成される外部電極の厚さが極めて薄く、且つ、信頼性の高い電子部品を、工程数の増加を抑制しつつ製造することが可能な電子部品の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る積層型コンデンサを示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、図2の一部を拡大して示す図である。 図4は、本実施形態に係る積層型コンデンサの製造工程を説明するための図である。 図5は、本実施形態に係る積層型コンデンサの他の例を示す斜視図である。 図6は、本実施形態に係る積層型コンデンサの他の例を示す斜視図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る電子部品の構成について説明する。本実施形態においては、電子部品として積層型コンデンサ1を例に挙げて説明するが、これに限られず、他の電子部品(例えば、積層型バリスタ、積層型インダクタなど)に本発明を適用してもよい。
積層型コンデンサ1は、図1に示されるように、略直方体形状の素体10と、素体10の長手方向に並ぶ一対の側面にそれぞれ形成された一対の外部電極12A,12Bとを備える。素体10の大きさは、例えば、長手方向の長さ、幅、及び厚みがそれぞれ0.6mm程度、0.3mm程度、0.3mm程度に設定されたいわゆる0603サイズや、長手方向の長さ、幅、及び厚みがそれぞれ0.4mm程度、0.2mm程度、0.2mm程度に設定された0402サイズであってもよい。
素体10は、互いに対向する主面10a,10bと、互いに対向する側面10c,10dと、互いに対向する端面10e,10fとを有する。主面10a,10bは、本実施形態において、回路基板(図示せず)の回路面と対向する実装面となる。
側面10cは、稜部e1,e2を介して主面10a,10bと隣り合うように連結されている。側面10cは、稜部e3,e4を介して端面10e,10fと隣り合うように連結されている。側面10dは、稜部e5,e6を介して主面10a,10bと隣り合うように連結されている。側面10dは、稜部e7,e8を介して端面10e,10fと隣り合うように連結されている。
端面10eは、稜部e9,e10を介して主面10a,10bと隣り合うように連結されている。端面10eは、稜部e3,e7を介して側面10c,10dと隣り合うように連結されている。端面10fは、稜部e11,e12を介して主面10a,10bと隣り合うように連結されている。端面10fは、稜部e4,e8を介して側面10c,10dと隣り合うように連結されている。
素体10は、通常、焼成後にバレル研磨されるので、素体10の稜部e1〜e12は、実際には、所定の大きさの曲率を有する曲面状を呈している(図示せず)。素体10の表面は、図3に詳しく示されるように、微視的には波打った凹凸状を呈している。
素体10は、図2に示されるように、複数の誘電体層14と、複数の内部電極16Aと、複数の内部電極16Bとが積層された積層体である。複数の誘電体層14は、電気絶縁性を有する絶縁体として機能する。複数の誘電体層14は、例えば、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウムに希土類元素を添加した誘電性セラミック材料で形成することができる。複数の誘電体層14は、実際には、焼成により境界が視認できない程度に一体化されている。
内部電極16A,16Bは、端面10e,10fの対向方向に沿って延びるように、素体10の内部に配置されている。内部電極16Aと内部電極16Bとは、主面10a,10bの対向方向において、誘電体層14を介して交互に積層されている。内部電極16Aの一端は素体10の端面10eに露出し、内部電極16Aの他端は素体10から露出していない。内部電極16Bの一端は素体10の端面10fに露出し、内部電極16Bの他端は素体10から露出していない。内部電極16A,16Bが積層方向(主面10a,10bの対向方向)から見て重なり合っている部分の対向面積と、内部電極16Aと内部電極16Bとの間隔(すなわち誘電体層14の厚み)とによって、積層型コンデンサ1の静電容量が規定される。
内部電極16A,16Bは、例えばCu、Ag、Ni等の導電性材料からなる。内部電極16A,16Bは、粒子状の導電性材料を含有する導電性ペーストの焼結体として構成されている。
外部電極12Aは、端面10eの全面を覆うと共に、端面10aと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部を覆っている。具体的には、外部電極亜12Aは、端面10eから、稜部e3,e7,e9,e10を回り込んで、主面10a,10b及び側面10c,10dに至っている。外部電極12Aは、端面10eに露出する内部電極16Aと電気的に接続されている。
外部電極12Aは、下地金属膜18Aと、シール金属膜20Aと、めっき膜22Aとを有する。下地金属膜18A、シール金属膜20A、及びめっき膜22Aは、素体10(端面10e)から外方に向けてこの順に配置されている。外部電極12Aの厚さは、6μm〜12μm程度に設定される。
下地金属膜18Aは、端面10eの全面を覆うと共に、端面10eと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部を覆っている。下地金属膜18Aは、これらの面10a〜10eの表面上に直接配置されている。下地金属膜18Aは、図3に詳しく示されるように、微視的には多数の金属粒子が互いに付着した膜状の集合体である。この金属粒子の粒径は、例えば0.1μm〜1μm程度である。すなわち、下地金属層18Aの厚さは、素体10のいずれの面10a〜10eにおいても0.1μm〜1μm程度である。金属粒子の材質は、例えばCu、Ni、W、Mo、Nb、Ta、Ti、Zrである。なお、図3においては、金属粒子が素体10の表面上に一列に並んでいる様子が示されているが、金属粒子が素体10の表面上に二列以上に並んでいてもよい。
図2に戻って、シール金属膜20Aは、端面10e上に位置する下地金属膜18Aを覆うように形成されている。すなわち、シール金属膜20Aは、端面10e,10fの対向方向から見て、端面10eと重なり合っている。シール金属膜20Aは、めっき膜22Aを形成する際のめっき工程において、めっき液が素体10内に浸入することを抑制する役割を果たす。そのため、シール金属膜20Aの密度は、下地金属膜18Aの密度よりも高いと好ましく、シール金属膜20Aの厚さは、下地金属膜18Aよりも厚いと好ましい。シール金属膜20Aの材質は、例えばCu、Ni、W、Mo、Nb、Ta、Ti、Zrである。
めっき膜22Aは、端面10eの全面を覆うと共に、端面10eと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部を覆うように、下地金属膜18A及びシール金属膜20A上に配置されている。より具体的には、めっき膜22Aは、下地金属膜18Aの表面のうちシール金属膜20Aが設けられていない領域と、シール金属膜20Aの表面との上に配置されている。めっき膜22Aは、例えばNi等の耐はんだ喰われ性を有する材料からなる第1層と、例えばSn、Sn合金、Ag等のはんだ濡れ性を有する材料からなる第2層とを有する。第1層の厚さは、例えば1μm〜5μm程度に設定することができる。第2層の厚さは、例えば1μm〜5μm程度程度に設定することができる。
外部電極12Bは、端面10fの全面を覆うと共に、端面10fと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部を覆っている。具体的には、外部電極亜12Bは、端面10fから、稜部e4,e8,e11,e12を回り込んで、主面10a,10b及び側面10c,10dに至っている。外部電極12Bは、端面10fに露出する内部電極16Bと電気的に接続されている。
外部電極12Bは、下地金属膜18Bと、シール金属膜20Bと、めっき膜22Bとを有する。下地金属膜18B、シール金属膜20B、及びめっき膜22Bは、素体10(端面10f)から外方に向けてこの順に配置されている。
下地金属膜18Bは、端面10fの全面を覆うと共に、端面10fと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部を覆っている。下地金属膜18Bは、これらの面10a〜10d,10fの表面上に直接配置されている。下地金属膜18Bは、下地電極膜18Aと同様、微視的には多数の金属粒子が互いに付着した膜状の集合体である。下地金属膜18Bの厚さ及び材質についても下地金属膜18Aと同様であるため説明を省略する。
シール金属膜20Bは、端面10f上に位置する下地金属膜18Bを覆うように形成されている。すなわち、シール金属膜20Bは、端面10e,10fの対向方向から見て、端面10fと重なり合っている。シール金属膜20Bは、めっき膜22Bを形成する際のめっき工程において、めっき液が素体10内に浸入することを抑制する役割を果たす。そのため、シール金属膜20Bの密度は、下地金属膜18Bの密度よりも高いと好ましく、シール金属膜20Bの厚さは、下地金属膜18Bよりも厚いと好ましい。下地金属膜18Bの材質については、シール金属膜20Aと同様であるため説明を省略する。
めっき膜22Bは、端面10fの全面を覆うと共に、端面10fと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部を覆うように、下地金属膜18B及びシール金属膜20B上に配置されている。より具体的には、めっき膜22Bは、下地金属膜18Bの表面のうちシール金属膜20Bが設けられていない領域と、シール金属膜20Bの表面との上に配置されている。めっき膜22Bは、例えばNi等の耐はんだ喰われ性を有する材料からなる第1層と、例えばSn、Sn合金、Ag等のはんだ濡れ性を有する材料からなる第2層とを有する。第1層及び第2層の厚さは、めっき膜22Aの第1層及び第2層の厚さと同様であるため説明を省略する。
続いて、図4を参照して、本実施形態に係る積層型コンデンサ1の製造方法について説明する。まず、誘電体材料から構成された誘電体グリーンシートを複数用意する。次に、導電性粒子を含有する導電性ペーストを、所定形状をなすように誘電体グリーンシート上に塗布して乾燥する。これにより、表面に導電塗膜が形成された誘電体グリーンシートが得られる。
次に、表面に導電塗膜が形成された誘電体グリーンシートを複数積層すると共に、最外層として、表面に導電塗膜が形成されていない誘電体グリーンシートを積層し、所定の圧力にて圧着してグリーン積層体を得る。次に、グリーン積層体を、例えば1100℃〜1300℃の温度下で2時間程度焼成する。これにより、誘電体グリーンシートが誘電体層14となり、導電塗膜が内部電極16A,16Bとなり、焼結体としての素体10が得られる(図4(a)参照)。
次に、ステンレスの平板(メタライザ)100上に、金属化合物を溶質として含有する溶液102を供給する。これにより、平板100の表面に、当該溶液が拡がった状態となる(図4(b)参照)。当該溶液としては、株式会社高純度化学研究所製のゾルゲル材料又はMOD材料を用いることができる。ゾルゲル材料は、加水分解及び重合により金属アルコキシドをコロイド状としたものを溶液中に分散させた溶液である。MOD材料は、有機溶剤に金属の有機化合物を溶解させた溶液である。より具体的には、焼成後にCuOが得られるCuOコーティング溶液や、当該CuOコーティング溶液と、焼成後にITO(酸化インジウムスズ)が得られるITOコーティング溶液とを例えば7:3の割合で混合した溶液などを用いることができる。CuOコーティング溶液にITOコーティング溶液を混合すると、素体10への溶液の付着性が高まる。なお、溶液中に含まれる媒質としての金属化合物は、粒子、イオン、コロイドなどの形態をとり得る。
次に、素体10の端面10eとメタライザ100とが対向した状態で、素体10をメタライザ100に向けて下降させる(図4(c)参照)。素体10がメタライザ100上の溶液102に到達することで、素体10のうち端面10e側の部分が溶液102に浸漬される(図4(d)参照)。次に、素体10を上昇させると、液状膜104によって、端面10eの全面が覆われると共に、端面10eと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部が覆われる(図4(e)参照)。
次に、液状膜104が付着した素体10を、空気中において、所定時間(例えば5分間)、所定温度(例えば150℃)にて熱処理することにより、液状膜104を乾燥させる。同様の工程を経て、端面10fの全面と、端面10fと隣り合う主面10a,10b及び側面10c,10dの一部とに液状膜を付着させ、当該液状膜を乾燥させる。
次に、素体10を、空気中において、所定時間(例えば40分)、所定温度(480℃)にて熱処理することにより、溶液の溶媒を蒸発させると共に、溶液に含まれる金属化合物を酸化する。これにより、素体10の両端部に金属酸化物膜が形成される。具体的には、CuOコーティング溶液を用いた場合には、素体10の両端部にCuO膜が形成される。
次に、素体10を、H雰囲気中、又はコークス(C)等の還元剤を含む雰囲気中において、所定時間(例えば40分)、所定温度(例えば450℃)にて熱処理することにより、素体10の両端部に形成された金属酸化物の還元を行う。この還元熱処理により、下地金属層18A,18Bが形成される。
還元熱処理においては、金属酸化物の全てを還元してもよいし、金属酸化物が一部残存する程度に還元してもよい。金属酸化物は素体10との付着性が高いため、金属酸化物が一部残存する程度に還元を行うことで、下地金属層18A,18Bをより確実に素体10上に形成することができる。この金属酸化物は、素体10を構成する金属成分の酸化物と同じであると、下地金属層18A,18Bと素体10との付着性がさらに高まるため好ましい。例えば、素体10を構成する主成分がチタン酸バリウムで構成である場合には、Tiを含有する溶液を用いてTiOが残存する条件で還元熱処理を行うことができる。
次に、端面10e,10fをそれぞれ覆うように、下地金属層18A,18Bよりも密度の高い緻密なシール金属膜20A,20Bを形成する(図4(f)参照)。下地金属層18A,18Bの形成方法のように溶液102を用いる場合、製法の特性上、薄い膜を形成する点においては有利であるが、厚い膜を形成することが困難であるので、ある程度の厚みを有するシール金属膜20A,20Bを形成するために、下地金属層18A,18Bの形成方法とは異なる方法を用いてもよい。具体的には、後のめっき工程におけるめっき液の浸入を抑制することや、製造された積層型コンデンサ1の使用時における耐湿性を考慮して、膜厚制御が容易な方法(例えばスパッタリング法、蒸着法、または化学的科学的気相成長法(CVD)など)を用いることができる。これらの膜圧制御が容易な方法を用いると、膜厚が比較的厚く、密度が比較的高いシール金属膜20A,20Bを形成することができる。次に、例えばバレルめっき法によって、下地金属層18A及びシール金属膜20Aを覆うめっき膜22Aと、下地金属層18B及びシール金属膜20Bを覆うめっき膜22Bとを形成する。こうして、積層型コンデンサ1が完成する。
以上のような本実施形態では、金属化合物を溶質として含有する溶液102を素体10の表面に塗布し、熱処理により、当該金属化合物が酸化されてなる金属酸化物膜を素体の表面に形成している。金属酸化物は素体10への付着性が極めて良好であるため、溶液102の素体10への塗布量は極めて少量で済む。そのため、素体10の表面に形成される金属酸化物膜の厚さを極めて薄くできる。従って、熱処理により金属酸化物膜を還元することで、極めて薄い下地金属膜18A,18Bが得られる。その結果、外部電極の厚さを極めて薄くすることができる。これに伴い、積層型コンデンサ1の体積(積層型コンデンサ1に外接する仮想的な直方体の体積)に対する素体10の体積の割合が大きくなる。従って、素体10の内部に配置される内部電極16A,16Bの数を増やすなど、設計の自由度を高めることが可能となる。
本実施形態では、金属化合物を溶質として含有する溶液102を素10体の表面に塗布している。そのため、特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法とは異なり、方向の制限なく素体10の複数の面に同時に当該溶液102を塗布できる。従って、工程数の増加を抑制できる。
本実施形態では、金属化合物を溶質として含有する溶液102を素体10の表面に塗布している。そのため、特許文献1におけるサンドブラスト法又はブラシ研磨法とは異なり、素体10が導電性粒子によって削られて、素体10内に配置されている内部電極16A,16Bのショートを引き起こす虞がほとんどない。従って、信頼性の高い積層型コンデンサ1を得ることができる。
ところで、めっき膜22A,22Bを形成する工程においては、素体10の表面のうち内部電極16A,16Bの露出部分からめっき液が浸入しやすい。しかしながら、本実施形態では、内部電極16Aの一端が引き出されて露出する端面10eは、下地金属膜18Aよりも密度の高いシール金属膜20Aによって、下地金属膜18Aと共に覆われている。内部電極16Bの一端が引き出されて露出する端面10fは、下地金属膜18Bよりも密度の高いシール金属膜20Bによって、下地金属膜18Bと共に覆われている。そのため、めっき液の素10体内への浸入をシール金属膜20A,20Bによって抑制することができる。また、本実施形態では、シール金属膜20Aは、稜部e3,e7,e9,e10、主面10a,10b及び側面10c,10dには形成されておらず、シール金属膜20Bは、稜部e4,e8,e11,e12、主面10a,10b及び側面10c,10dには形成されていない。そのため、シール金属膜20A,20Bが素体10の稜部に回り込んで外部電極12A,12Bが厚くなってしまうことを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、外部電極12Aは、素体10の表面のうち、内部電極の一端が引き出されて露出する端面10eと、稜部を介して端面10eと隣り合う他の面との少なくとも2つの面に形成されていればよい。外部電極12Bは、素体10の表面のうち、内部電極の一端が引き出されて露出する端面10fと、稜部を介して端面10Fと隣り合う他の面との少なくとも2つの面に形成されていればよい。具体的には、図5に示されるように、端面10eから主面10aにわたって外部電極12Aを形成すると共に、端面10fから主面10aにわたって外部電極12Bを形成することができる。また、図6に示されるように、端面10eから側面10cにわたって外部電極12Aを形成すると共に、端面10fから側面10cにわたって外部電極12Bを形成することができる。これらの場合、メタライザ100上の溶液102に素体10を浸漬する方法ではなく、溶液102を素体10の表面に直接塗布する方法によって、下地金属膜18A,18Bを形成することができる。
上記の実施形態では、積層型コンデンサ1の外部電極12A,12Bがシール金属膜20A,20Bを有していたが、外部電極12A,12Bがシール金属膜20A,20Bを有していなくてもよい。すなわち、下地金属膜18A,18Bの表面上に直接、めっき膜22A,22Bが形成されていてもよい。
1…積層型コンデンサ、10…素体、10a,10b…主面、10c,10d…側面、10e,10f…端面、12A,12B…外部電極、16A,16B…内部電極、18A,18B…下地金属膜、20A,20B…シール金属膜、22A,22B…めっき膜、102…溶液、e1〜e12…稜部。

Claims (3)

  1. 導電体が内部に配置され、前記導電体の一端が引き出されて露出する第1の側面と、稜部を介して前記第1の側面と隣り合う第2の側面とを有する素体を用意する第1の工程と、
    金属化合物を溶質として含有する溶液を、前記第1の側面、前記稜部及び前記第2の側面にわたって塗布する第2の工程と、
    熱処理により、前記金属化合物が酸化されてなる金属酸化物膜を前記第1の側面、前記稜部及び前記第2の側面にわたって形成する第3の工程と、
    熱処理により前記金属酸化物膜を還元して、前記第1の側面、前記稜部及び前記第2の側面にわたって第1の金属膜を形成する第4の工程と、
    前記第1の金属膜を覆うめっき膜を形成する第5の工程とを有し、
    前記第2の工程における前記溶液は、加水分解及び重合により金属アルコキシドをコロイド状としたものを溶液中に分散させた溶液であるゾルゲル材料、又は、有機溶剤に金属の有機化合物を溶解させた溶液であるMOD材料である、電子部品の製造方法。
  2. 導電体が内部に配置され、前記導電体の一端が引き出されて露出する第1の側面と、稜部を介して前記第1の側面と隣り合う第2の側面とを有する素体を用意する第1の工程と、
    金属化合物を溶質として含有する溶液を、前記第1の側面、前記稜部及び前記第2の側面にわたって塗布する第2の工程と、
    熱処理により、前記金属化合物が酸化されてなる金属酸化物膜を前記第1の側面、前記稜部及び前記第2の側面にわたって形成する第3の工程と、
    熱処理により前記金属酸化物膜を還元して、前記第1の側面、前記稜部及び前記第2の側面にわたって第1の金属膜を形成する第4の工程と、
    前記第1の側面上に位置する前記第1の金属膜を覆うように、前記第1の金属膜よりも密度の高い第2の金属膜を形成する第5の工程と、
    前記第1の金属膜のうち前記第2の金属膜に覆われていない部分と、前記第2の金属膜とを覆うように、めっき膜を形成する第6の工程とを有し、
    前記第2の工程における前記溶液は、加水分解及び重合により金属アルコキシドをコロイド状としたものを溶液中に分散させた溶液であるゾルゲル材料、又は、有機溶剤に金属の有機化合物を溶解させた溶液であるMOD材料である、電子部品の製造方法。
  3. 前記第4の工程で形成される前記第1の金属膜は、前記金属化合物に由来する金属粒子が、前記第1の側面、前記稜部及び前記第2の側面にわたって一列に並んで構成されている、請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
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