JP6056248B2 - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ポリカーボネート樹脂の製造方法に関し、詳しくは、フェノール等のモノヒドロキシ化合物含量を低減したポリカーボネート樹脂の製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂の製造方法として、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルとを重縮合させる溶融法等が知られている。
この方法で製造されたポリカーボネート樹脂は、特許文献1に記載されているように、溶融状態で重縮合装置から出てきて、押出混練装置に送られ、そこで、含有する揮発分を除去すると共に、各種の添加剤が混練され、製品であるポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
特開2005−146050号公報
ところで、前記した揮発分は、主に副生するフェノール等のモノヒドロキシ化合物であるが、製品であるポリカーボネート樹脂組成物中に該フェノール等のモノヒドロキシ化合物の残存量が多いと、特に、水ボトルやマルチウォールシート等の食品関連や住居関連等に使用される場合において、異臭の問題が生じる場合がある。
そこで、この発明は、得られるポリカーボネート樹脂組成物に含有するフェノール等のモノヒドロキシ化合物量を低減し、異臭を抑制することを目的とする。
この発明は、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルとを重縮合反応して得られる溶融ポリカーボネート樹脂を、ベント部およびスクリューを具備した混練押出装置に供給して脱揮処理してなるポリカーボネート樹脂の製造方法であって、前記溶融ポリカーボネート樹脂流量当たりの該ベント部のベント口面積(A)を下記式(1)の条件とし、該混練押出装置出口の溶融ポリカーボネート樹脂温度を350℃以下とし、且つ該スクリュー回転数(n)を下記式(2)の条件とすることにより、前記課題を解決したのである。
A≧1.5×10−4(m/(kg/h)) (1)
×d>25,000 (2)
(式(2)において、nはスクリュー回転数(rpm)を示し、dはスクリュー径(m)を示す。)
この発明によると、混練押出装置のベント部のベント口面積及びスクリューの条件の範囲を所定範囲内とすると共に、該混練押出装置出口の溶融ポリカーボネート樹脂温度を所定温度以下とするので、この混練押出装置において、溶融ポリカーボネート樹脂に含まれる揮発成分、特にフェノールを効率よく揮発させることができ、得られるポリカーボネート樹脂組成物に含有するフェノール等のモノヒドロキシ化合物量を低減させることができる。
この発明で使用される混練押出装置の例を示す模式図
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
この発明は、溶融ポリカーボネート樹脂を所定の混練押出装置に供給して脱揮処理するポリカーボネート樹脂の製造方法についての発明である。
(ポリカーボネート樹脂)
前記のポリカーボネート樹脂とは、炭酸ジフェニル及びジヒドロキシ化合物を重縮合反応(エステル交換反応)することにより製造される樹脂をいう。
(炭酸ジフェニル)
前記の炭酸ジフェニルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート(DPC)、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジフェニルは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これら炭酸ジフェニルは、前記ジヒドロキシ化合物に対して過剰に用いられることが好ましい。すなわち、炭酸ジフェニルは、ジヒドロキシ化合物に対して、好ましくは1.01〜1.30倍量(モル比)、より好ましくは1.02〜1.20倍量(モル比)で用いられる。モル比が小さすぎると、得られるポリカーボネートの末端水酸基が多くなり、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が悪化する傾向となる。また、モル比が大きすぎると、エステル交換反応の反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となったり、ポリカーボネート樹脂組成物中の炭酸ジフェニルの残存量が多くなり、成形加工時や成形品としたときの臭気の原因となる場合がある。
(ジヒドロキシ化合物)
前記のジヒドロキシ化合物は、分子内に二つの水酸基を有する化合物であり、この発明においては、ジヒドロキシ化合物の中でも、分子内に一つ以上の芳香環を有し、二つの水酸基がそれぞれ芳香環に結合された芳香族ジヒドロキシ化合物を用いるのが好ましい。
このような芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェノ−ル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノールA(BPA))が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(エステル交換触媒)
前記のエステル交換反応においては、エステル交換触媒が用いられることが好ましい。このエステル交換触媒としては、通常、エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際に用いられる触媒が挙げられ、特に限定されない。一般的には、例えば、第1族元素(水素を除く)の化合物、第2族元素の化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。
これらのエステル交換触媒の中でも、実用的には第1族元素(水素を除く)の化合物及び第2族元素の化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が好ましい。これらのエステル交換触媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
このエステル交換触媒の使用量は、通常、ジヒドロキシ化合物1モルに対して0.2マイクロモル〜2.0マイクロモル、好ましくは0.5マイクロモル〜1.0マイクロモルの範囲で用いられる。
前記の第1族元素(水素を除く)の化合物としては、第1族元素(水素を除く)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機化合物;第1族元素(水素を除く)のアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等の有機化合物等が挙げられる。ここで、第1族元素(水素を除く)としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらの第1族元素(水素を除く)の化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、特に、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムが好ましい。
また、前記の第2族元素の化合物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の水酸化物、炭酸塩等の無機化合物;これらのアルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類との塩等が挙げられる。
前記の塩基性ホウ素化合物としては、ホウ素化合物のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。ここで、ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等が挙げられる。
また、前記の塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又はこれらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
前記の塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
また、前記のアミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
(ポリカーボネート樹脂の製造)
次に、ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明する。
ポリカーボネート樹脂は、原料である前記のジヒドロキシ化合物及び炭酸ジフェニルの混合物を原料調製装置で調製し(原料調製工程)、これらの原料混合物を、好ましくは前記エステル交換反応触媒の存在下、重縮合反応装置で重縮合反応をさせる(重縮合工程)、及び重縮合工程で得られた溶融ポリカーボネート樹脂を混練押出装置により脱揮することによりポリカーボネート樹脂とする(混練工程)ことによって行われる。
(重縮合工程)
原料調製工程で得られる原料混合物を、バッチ式、連続式、これらの組合せ等の方式で重縮合を行うことにより、ポリカーボネート樹脂が得られる。この重縮合工程の例としては、多段方式の重縮合反応装置を用い、多段階に重縮合反応を行う方法があげられる。この段数としては、2段階以上、好ましくは3段〜7段が好ましい。具体的な重縮合反応条件としては、温度:150℃〜320℃、圧力:常圧〜1.3Pa、平均滞留時間:5分〜300分の範囲である。
多段方式においては、重縮合反応装置で、重縮合反応の進行とともに副生するフェノール等のモノヒドロキシ化合物をより効果的に系外に除去するために、前記の反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。なお、得られるポリカーボネート樹脂の色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、短滞留時間の設定が好ましい。
重縮合工程を多段方式で行う場合は、通常、複数基の竪型反応器とそれに続く1基〜2基の横型反応器を設けて、ポリカーボネート樹脂の平均分子量を増大させることが好ましい。通常、設置される全反応器数としては、3基〜6基、好ましくは4基〜5基があげられる。
一群の重縮合反応装置における後段の反応器として横型反応器が用いられるのは、重縮合反応が進行するにつれ、粘度が上昇するので、最後においては、高粘度となっており、この高粘度での撹拌をより容易にするためである。
前記の竪型及び横型の反応器としては、例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器等が挙げられる。
また、前記竪型反応器の撹拌翼の形式としては、例えば、タービン翼、パドル翼、ファウドラー翼、アンカー翼、フルゾーン翼((株)神鋼環境ソリューション製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械プロセス機器(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立プラントテクノロジー製)等が挙げられる。
ところで、横型反応器とは、攪拌翼の回転軸が横型(水平方向)であるものをいう。横型反応器の攪拌翼としては、例えば、円板型、パドル型等の一軸タイプの撹拌翼やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械プロセス機器(株)製)、あるいはメガネ翼、格子翼((株)日立プラントテクノロジー製)等の二軸タイプの撹拌翼が挙げられる。
なお、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニル化合物との重縮合に使用するエステル交換触媒は、通常、溶液として準備されることが好ましい。触媒溶液の濃度は特に限定されず、触媒の溶媒に対する溶解度に応じて任意の濃度に調整される。溶媒としては、アセトン、アルコール、トルエン、フェノール、水等が挙げられる。
溶媒として水を選択した場合、水の性状は、含有される不純物の種類ならびに濃度が一定であれば特に限定されないが、通常、蒸留水や脱イオン水等が好ましく用いられる。
(混練工程)
前記の重縮合工程で得られたポリカーボネート樹脂は、溶融状態のまま、図1に示すような混練押出装置11に送られ、添加物等と混練される。この混練により、各成分に含有する、フェノール等の揮発成分を脱揮することができる。
上記混練押出装置11としては、2軸押出機、単軸押出機等があげられるが、混練性が良好であるため2軸押出機が好ましい。
この混練押出装置11は、少なくとも前記溶融ポリカーボネート樹脂を供給する樹脂供給部12、添加剤供給部13、13’、混練を行う混練部14、未反応原料や反応副生物等を含む揮発成分等の脱揮を行うベント部15、15’、注水部18、18’、及び安定部16から構成される。さらに、前記溶融ポリカーボネート樹脂を混練しながら前方に送り出すスクリューを具備する。そして、混練部14は、図1に示すように、添加剤供給部13,13’、注水部18、18’から構成される。なお、図1において、ベント部15は混練部14の内部にあるが、ガスの揮散を主目的とする部位であるので、混練部14を構成するものではない。
前記添加剤供給部13、13’では、添加剤等が供給される。この添加剤としては、エステル交換触媒の失活剤、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、帯電防止剤、難燃剤、熱線遮蔽剤、蛍光染料(蛍光増白剤含む)、顔料、光拡散剤、強化充填剤等が挙げられ、その他、回収されたポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂組成物を再利用する場合にも、添加剤と共に供給される。この添加剤としては、粉状、固体状の添加剤のみならず、液状あるいは加温溶融状態の添加剤を用いてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂の連続製造方法において前記エステル交換反応終了後に触媒失活剤を添加することが好ましい。該触媒失活剤を添加することにより、更なるエステル交換反応を抑制し、所望の粘度平均分子量とすることができ、更にフェノール等のモノヒドロキシ化合物の生成を抑え、臭気発生を抑制することが可能となり好ましい。
触媒失活剤としては、エステル交換触媒の触媒作用を低下させる化合物であれば特に制限はないが、例えば、酸性化合物が挙げられる。
具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸、等のブレンステッド酸及びそのエステル類、酸ハロゲン化物、塩等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの酸性化合物の中でも、液状且つ炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよいスルホン酸またはそのエステル化合物が好ましい。スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸が挙げられる。スルホン酸のエステル化合物としては、メチルエステル化合物、エチルエステル化合物、ブチルエステル化合物、オクチルエステル化合物、フェニルエステル化合物等が挙げられる。これらの中でも、p−トルエンスルホン酸ブチルが特に好ましい。
上記エステル交換触媒の失活剤としては、このエステル交換触媒を中和する化合物、例えば、硫黄含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体等があげられる。
離型剤としては、アルコールと脂肪酸のエステル化合物からなるものが挙げられる。アルコールと脂肪酸のエステル化合物としては、具体的には一価アルコールと脂肪酸のエステル化合物および/または多価アルコールと脂肪酸との部分エステル化合物あるいは全エステル化合物が挙げられる。前記一価アルコールと脂肪酸のエステル化合物とは、炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステル化合物が好ましい。また、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステル化合物とは、炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステル化合物または全エステル化合物が好ましい。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とのエステル化合物としては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等があげられ、ステアリルステアレートが好ましい。
具体的に多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル化合物または全エステル化合物としては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスリトールの全エステル化合物または部分エステル化合物等が挙げられる。
これらのエステル化合物のなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物が好ましく用いられる。
離型剤中の前記エステルの量は、離型剤を100重量%とした時、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
ポリカーボネート樹脂組成物中の離型剤の含有量としては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.005重量部〜2.0重量部の範囲が好ましく、0.01重量部〜0.6重量部の範囲がより好ましく、0.02重量部〜0.5重量部の範囲がさらに好ましい。
熱安定剤としては、リン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤またはヒンダードフェノール系熱安定剤が挙げられる。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル化合物等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。
なかでも、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトが使用され、特に好ましくはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトが使用される。
ポリカーボネート樹脂組成物中のリン系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001重量部〜0.2重量部が好ましい。
硫黄系熱安定剤としては、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられ、なかでもペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネートが好ましい。特に好ましくはペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)である。該チオエーテル系化合物は住友化学工業(株)からスミライザーTP−D(商品名)およびスミライザーTPM(商品名)等として市販されており、容易に利用できる。
ポリカーボネート樹脂組成物中の硫黄系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001重量部〜0.2重量部が好ましい。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートおよび3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられ、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましく用いられる。
ポリカーボネート樹脂組成物中のヒンダードフェノール系熱安定剤の含有量としては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.001重量部〜0.3重量部が好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤およびシアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上の混合物で用いることができる。
好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルであり、より好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンソフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(オクチル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,5−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。なかでも2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適であり、特に2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適である。かかる化合物は竹本油脂(株)からCEi−P(商品名)として市販されており、容易に利用できる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3−ビス−[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼンなどが例示される。
紫外線吸収剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.01重量部〜3.0重量部であり、より好ましくは0.02重量部〜1.0重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部〜0.8重量部である。かかる配合量の範囲であれば、用途に応じ、ポリカーボネート樹脂成形品に十分な耐候性を付与することが可能である。
ブルーイング剤としては、バイエル社のマクロレックスバイオレットB、マクロレックスブルーRR、クラリアント社のポリシンスレンブル−RLS等が挙げられる。
ブルーイング剤は、ポリカーボネート樹脂の黄色味を消すために有効である。特に耐候性を付与したポリカーボネート樹脂組成物の場合は、一定量の紫外線吸収剤が配合されているため、紫外線吸収剤の作用や色によってポリカーボネート樹脂組成物が黄色味を帯びやすい現実があり、特にシートやレンズに自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の配合は非常に有効である。
ブルーイング剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂に対して好ましくは0.05〜1.5ppmであり、より好ましくは0.1〜1.2ppmである。
添加剤供給部13、13’においては、図1に示すように、サイドフィーダー17を介して、前記の添加剤等を、混練押出装置11に供給してもよい。すなわち、押出機等からなるサイドフィーダー17を用いて、回収されたポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂組成物等の固形状添加物等Bと前記添加剤等C1、C2とを混合同伴させ、混練押出装置11に定量供給することにより、混練押出装置11における混練がより容易となる。
この混練押出装置11には、注水部が設けられ、水Wが供給される。図1においては、上記添加剤供給部13の後と、添加剤供給部13’の後の両方に注水部18、18’が設けられているが、これに限定されるものではない。すなわち、注水部は、上記添加剤供給部13の前あるいは、同じ13の部分であってもよく、添加剤供給部13’の前あるいは同じ13’の部分であってもよく、その箇所は、1つであっても、2つであっても、3つ以上であってもよい。
但し、この注水部18(18’)は、ベント部15(15’)より上流側に配することがよく、注水部18(18’)の後にベント部15(15’)を設けることが好ましい。この配置にすることにより、フェノール等の揮発成分を効率的に除去させることができ、好ましい。一方、この配置にしない場合、揮発成分の効率的な除去を行いにくくなり、ペレット化の際に、水蒸気等の揮発成分による発泡が伴い、カッティングやペレット形状が安定しない場合がある。
注水部18,18’を設ける場所として好ましい場所は、揮散成分の効率的な除去の観点から、2つ目のベント部の手前があげられる。さらに、3つ目のベント部が存在する場合には、この3つ目のベント部手前にも注水部を設けることが好ましい。なお、これらの場合、最初のベント部の手前に注水部を設けることは、必ずしも必須ではない。
前記注水部からの注水量は、前記溶融ポリカーボネート樹脂100重量部当たり、0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましい。0.05重量部より少ないと、フェノール等の揮発成分が充分に除去されない虞がある。一方、注水量の上限は、1.0重量部が好ましく、0.5重量部がより好ましい。1.0重量部より多いと、溶融ポリカーボネート樹脂がベント部において発泡と共に上昇し、ベント配管を閉塞させる虞がある。
上記添加剤供給部13、13’のあとにベント部15、15’を設けると、添加剤の混練時に生ずるガスを抜くことができ、好ましい。
上記添加剤供給部13,13’に供給される添加剤C1、C2としては、上記した添加剤の任意の添加剤を添加することができるが、この添加剤供給部13,13’の間に、上記ベント部15が設けられる場合、このベント部15より上流側に設けられる添加剤供給部13から添加される添加剤C1は、ベント部15ならびに15’によって揮散してロスするおそれがある。このため、上記の添加剤の大半、例えば、離型剤、熱安定剤、ブルーイング剤等は、より下流側に設けられる添加剤供給部13’から添加される添加剤C2として添加することが好ましい。
特に、ベント部が2箇所以上ある場合においては、最後のベント部の手前で添加剤を添加することが好ましい。
ただ、触媒の失活剤は、混練押出装置11内でのポリマーのゲル化を抑制させるため、できるだけ早く添加することが好ましいため、添加剤供給部13に供給される添加剤C1として用いることが好ましい。このため、混練押出装置11の上流側の添加剤供給部13は、触媒失活剤添加部であることが好ましい。
上記混練押出装置11に用いられるスクリューとしては、基本的にフルフライトディスクを用い、混練部を構成する部位に、混練をよりよく行うため、ニーディングディスクを用いることが好ましい。このニーディングディスクとしては、直交ニーディングディスク、順送りニーディングディスク、逆送りニーディングディスク等やこれらを組み合わせたニーディングディスク等があげられる。さらに、これら以外のスクリューとして、逆送りディスク等がある。スクリュー構成は、目的や運転条件を考慮して、必要な形状のものを選定する。
上記ニーディングディスクを用いて混練を行う混練部14としては、図1に示すように、注水部18、18’の部分とすると、混練により巻き込まれた空気や、混練により生じたガス、揮発性成分をベント部15、15’から揮散させることができ、かつ、2つの添加剤供給部13,13’から供給された各添加剤をより確実に混練することができる。
ところで、前記の混練押出装置11で混練されて得られる溶融ポリカーボネート樹脂の温度は、350℃以下であり、340℃以下が好ましく、335℃以下がより好ましい。350℃より高いと、色調が悪化する可能性がある、更にはポリカーボネート樹脂の分解が生じ、フェノール等が生成する場合がある。一方、温度の下限は、270℃が好ましく、280℃がより好しく、290℃が更に好ましい。270℃より低いと、添加剤の分散不良に伴う品質振れやフェノール等の揮発成分除去が不充分となる場合がある。
このベント部15、15’には、成分Dを排出するためのベント口21、21’を有する。このベント口の開口部の面積比(A)、すなわち、溶融ポリカーボネート樹脂押出量当たりのベント口開口面積(A)は、1.5×10−4/(kg/h)以上であり、2.0×10−4/(kg/h)以上であることが好ましい。1.5×10−4/(kg/h)より小さいと、フェノール等の揮発成分の除去が不充分となる虞がある。一方、面積比(A)の上限は、5.0×10−4/(kg/h)が好ましく、4.0×10−4/(kg/h)がより好ましい。5.0×10−4/(kg/h)より大きいと、押出機が長くなり、せん断発熱による樹脂温上昇のため、350℃を超えたり、あるいは、せん断発熱による樹脂温上昇を抑制させるため、n×d>25,000を満足できなく脱揮が不充分となる虞がある。
前記ベント口21、21’における圧力は、5kPa以下が好ましく、4kPa以下がより好ましい。5kPaより大きいと、フェノール等の揮発成分の脱揮が不充分となる虞がある。一方、圧力の下限は、0.01kPaが好ましく、0.02kPaがより好ましい。0.01kPaより小さいと、溶融ポリカーボネート樹脂がベント口において発泡と共に上昇し、ベント配管を閉塞させる虞がある。
前記混練押出装置11の内部は、前記のような温度及び圧力の範囲を有するので、前記のベント部15、15’において、この条件下でガス化するフェノール等の成分Dが系外に除去される。
前記安定部16では、混練されたポリカーボネート樹脂の圧力や充満率が徐々に高められ、ベントアップ防止や次工程でのポリカーボネート樹脂のペレット化などを安定化させる効果がある。
ところで、混練押出装置はスクリューを有するが、このスクリューの回転数n(rpm)とスクリュー径d(m)との関係は、n×dが25000より大きいことであり、29000より大きいことが好ましい。25000以下だと、ベント口での溶融ポリカーボネート樹脂の表面更新性が充分でなくフェノール等の揮発成分の脱揮が不充分となる場合がある。一方、n×dの上限は、100000が好ましく、80000がより好ましい。100000以上だと、ポリカーボネート樹脂温度の上昇による、色調が悪化する可能性がある。更にはポリカーボネート樹脂の分解が生じ、フェノール等が生成する場合がある。
前記混練押出装置で混練されたポリカーボネート樹脂は、次工程のペレット化工程に送られてペレット化されて、製品化される。
前記の混練押出装置で混練されたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、24,000以上が好ましく、25,000以上がより好ましい。24,000より小さいと、耐衝撃性等の機械的強度が不十分である虞がある。一方、Mvの上限は、30,000が好ましく、28,000がより好ましい。30,000より大きいと、樹脂温度が350℃を超えたり、あるいは、樹脂温上昇を抑制させるため、n×d>25000を満足できなくなり脱揮が不充分となる虞がある。
前記の条件下で、前記混練押出装置を通すことにより、得られるポリカーボネート樹脂に含まれる成分D、特にフェノール等のモノヒドロキシ化合物の含有量を10ppm以下とすることができ、食品関連や住居関連等に使用される場合において、異臭発生の問題を抑制することができる。
以下、この発明を、実験例を用いて説明する。
まず、各評価の測定方法について説明する。
(粘度平均分子量(Mv)の測定)
ポリカーボネート樹脂の濃度(C) が0.6g/dlの塩化メチレン溶液を用いて、ウベローデ型粘度計により温度20℃で測定した比粘度(ηsp)から、下記の両式を用いて、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
ηsp/C=[η](1+0.28ηsp)
[η]=1.23×10-4(Mv)0.83
(残存フェノール量の測定)
ポリカーボネート樹脂1.2gを塩化メチレン7mlに溶解し溶液とした。該溶液を攪拌しながらアセトン23mlを加えて再沈殿させ、その上澄み液を液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製「LC―10AT」、カラム:「MCI GEL ODS」(5μm)、4.6mmID×150mmL、検出器:UV219nm、溶離液:アセトニトリル/水=4/6容量比)で測定し、ポリカーボネート樹脂中の残存フェノール量、残存ビスフェノールA(BPA)量、残存ジフェニルカーボネート(DPC)量を定量した。
(臭気の測定)
ポリカーボネート樹脂ペレットを80℃、6時間通風乾燥機で乾燥した後、インジェクションブロー成型機(日精エー・エス・ビー機械株式会社製)にて250mLほ乳瓶を成形した。プリフォーム成形時のバレル温度300℃、プリフォーム加熱温度220℃にて実施し、成形直後の成形品開口部の臭気を確認し、下記の基準で判定した。
○…臭気なし
△…弱い臭気
×…強い臭気
[ポリカーボネート樹脂の製造例]
DPCとBPA(ビスフェノール−A)とをモル比で1.05:1.00となるように混合し、温度150℃、常圧で原料混合物の溶融液を得、これに炭酸セシウム水溶液をBPA1モルに対して0.6マイクロモル相当となるように添加し、重縮合反応装置に供した。重縮合反応装置としては、竪型反応器3器、横型反応器1器を直列に繋いだ装置を用いた。条件は、第1反応器−第2反応器−第3反応器−第4反応器の順で、220℃・13.3kPa-abs−260℃・4kPa−abs.−270℃・133Pa-abs−285℃・90Pa-absの条件下で順番に原料混合物の重縮合を行い、溶融状態のポリカーボネート樹脂(Mv=25,800)を得た。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
混練押出装置11として、図1に示す、Coperion GmbH製:二軸同方向回転式押出機ZSK58(L/D=37.2)を用いた。この混練押出装置11に用いるスクリューとして、表1に示す各ディスクを有するスクリューを2本用いた。
なお、ベント部及び注水部においては、上流側のベント部15を第1ベント部、上流側の注水部18を第1注水部と称し、下流側のベント部15’を第2ベント部、下流側の注水部18’を第2注水部と称する。
Figure 0006056248
まず、前記溶融ポリカーボネート樹脂を混練押出装置の溶融ポリカーボネート樹脂供給部へ供給した。次いで、溶融ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、固形状添加物等として、ポリカーボネート樹脂ペレットを1.0重量部と液状添加物として、触媒失活剤であるp−トルエンスルフォン酸ブチルを0.0006重量部とを第1サイドフィーダーを用いて添加剤供給部13に供給し、更に、ポリカーボネート樹脂ペレットを1.0重量部と熱安定剤としてアデカスタブ2112を0.01重量部、離型剤として予め溶融状態にしておいたユニスターH−476を0.35重量部を第2サイドフィーダーを用いて、添加剤供給部13’へ供給した。
このとき、溶融ポリカーボネート樹脂の供給量は、得られる溶融ポリカーボネート樹脂組成物の押出量(kg/hr)が、表2に示す量となるように供給した。
混練押出装置の入口樹脂温度は、285℃とした。また、混練押出装置のスクリューの回転速度や注水量、ベント口圧力は、表2に示す値とし、このときの出口樹脂温度は、表2に示すような温度となった。
その結果、表2に示すように、実施例においては、残存フェノール濃度を充分低減させることができ、得られた溶融ポリカーボネート樹脂組成物を用いて、上記の臭気測定を行った結果も、臭気のない良好なポリカーボネートを得ることができた。
Figure 0006056248
11 混練押出装置
12 ポリカーボネート樹脂供給部
13、13’ 添加剤供給部
14 混練部
15、15’ ベント部
16 安定部
17 サイドフィーダー
18、18’ 注水部
21、21’ ベント口
A 溶融ポリカーボネート樹脂
B ポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂組成物等の固形状添加物
C1、C2 添加剤
D ガス化成分
W 水

Claims (8)

  1. ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルとを重縮合反応して得られる溶融ポリカーボネート樹脂を、ベント部、注水部及びスクリューを具備した混練押出装置に供給して注水脱揮処理してなるポリカーボネート樹脂の製造方法であって、
    前記溶融ポリカーボネート樹脂押出量当たりの該ベント部のベント口開口面積(A)が下記式(1)の条件であり、
    該混練押出装置出口の溶融ポリカーボネート樹脂温度が350℃以下であり、
    且つ該スクリュー回転数(n)が下記式(2)の条件であることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
    A≧1.5×10−4(m/(kg/h)) (1)
    ×d>25,000 (2)
    (式(2)において、nはスクリュー回転数(rpm)を示し、dはスクリュー径(m)を示す。)
  2. 注水量が前記溶融ポリカーボネート樹脂100重量部当たり、0.05重量部以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  3. 前記注水部が前記ベント部より上流側に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  4. 前記ベント部における圧力が5kPa以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  5. 前記溶融ポリカーボネート樹脂がエステル交換触媒存在下に重縮合反応して得られたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  6. 前記混練押出装置が触媒失活剤添加部を具備しており、該触媒失活剤添加部より触媒失活剤を添加することを特徴とする請求項5に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  7. 前記触媒失活剤添加部が前記注水部より上流側に位置していることを特徴とする請求項
    6に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
  8. 前記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が24,000以上であることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
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